JP5370379B2 - 車両情報記録装置および車両 - Google Patents

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本発明は、車両情報を記録する車両情報記録装置と、当該車両情報記録装置を備える車両とに関する。
従来では、コストを抑制しながらデータ保全を図ることを目的として、ドライブレコーダシステムに関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。このドライブレコーダシステムは、ABS(Air Bag System)が作動すると特異状態のコマンドを発信し、当該コマンドを受信した他のECU(Electronic Control Unit)は特異状態の記録を始めるとともに、当該コマンドを発信したECUも同様に特異状態の記録を始め、予め設定された期間が経過すると全てのECUが特異状態の記録を終える(特許文献1の段落0024−0028を参照)。
特開2007−163218号公報
しかし、特許文献1の技術によって特異状態を記録してデータの保全を図るには、全てのECUに不揮発性メモリを備える必要がある。不揮発性メモリは、電源遮断後もデータ内容を保持できるが、高価であるためにドライブレコーダシステム全体のコストも嵩むという問題がある。
また、各ECUについて、ABS作動後に不揮発性メモリに記録できるデータ数や、記録に必要とされる時間等のような性能情報が不明である。そのため、コマンドに基づいて各ECUが特異状態の記録を始めたとしても、どれだけのデータを記録できるのかが不明である。所定数のデータを順次記録できると仮定しても、後に重要度の高いデータが発生すると、当該データは記録されない可能性があるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、全体のコストを抑制し、かつ、重要度の高い情報を記録できる車両情報記録装置および車両を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、車両に関する車両情報を揮発性メモリに記録した後、所定条件を満たすと前記車両情報を不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録装置において、前記所定条件を満たすと、前記車両情報に付与された優先順位が基準順位以上であれば前記車両情報を自己装置の不揮発性メモリに転送して記録し、前記優先順位が前記基準順位未満であれば前記車両情報を外部装置の不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録手段とを有することを特徴とする。
この構成によれば、車両情報記録手段は、所定条件を満たすと優先順位が基準順位以上の車両情報を自己装置(すなわち車両情報記録装置)の不揮発性メモリに転送して記録する。車両情報記録装置や一以上の外部装置に不揮発性メモリが必要となるものの、全ての装置に不揮発性メモリを備える必要はないので、従来に比べて全体のコストを抑制することができる。また、基準順位以上(すなわち重要度が高い)の車両情報を車両情報記録装置の不揮発性メモリに転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
なお、「車両情報」は車両に関する情報であれば任意であり、計測値や推定値などの種類を問わない。例えば、アクセルの開度,操作のストローク量,ステアリングの操舵角,変速操作等によるポジション,駆動源の回転数,車両の速度(車速),車輪の舵角,車両の加速度,車両のヨーレート,車両の回転角や角速度,画像または映像,物体との相対距離,車両の角度(ロール角やピッチ角等)などが該当する。「所定条件」は、車両情報を不揮発性メモリに記録する契機となる条件である。例えば、急制動・急加速・急旋回等によって加速度等が急変化することや、物体(車両を含む)と衝突(接触を含む)すること、電源遮断が発生することなどの条件が該当する。「不揮発性メモリ」は、車両情報を記録可能であり、かつ、電源遮断後も記録内容を保持できる記録媒体を意味する。例えば、ハードディスク(Flash SSDを含む),光ディスク(光磁気ディスク等を含む),EEPROM,フラッシュメモリ,強誘電体メモリ(FeRAM),磁気抵抗メモリ(MRAM),相変化メモリ(PRAM;Phase change RAM),抵抗変化型メモリ(ReRAM)などが該当する。「優先順位」は車両情報の重要度を示す指標であり、「ランク」や「レベル」等とも呼ぶ。「基準順位」は任意に設定可能である。「外部装置」は、車両情報記録装置以外の装置であって、車両情報記録装置との間でアクセス可能に接続され、かつ、不揮発性メモリを備えていれば任意である。「自己装置」は車両情報記録装置自体を意味する。車両情報記録装置および外部装置は、いずれもECUで構成されるか否かを問わず、ECUに含まれるか否かを問わない。
請求項2に記載の発明は、前記車両情報の記録に関する性能情報を、前記外部装置ごとに取得する性能情報取得手段を有し、前記車両情報記録手段は、前記性能情報取得手段によって取得された前記性能情報に基づいて前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする。この構成によれば、車両情報記録手段は性能情報に基づいて車両情報を外部装置の不揮発性メモリに転送して記録する。性能情報に基づいて外部装置に車両情報を伝達するので、転送中や記録中等における電源遮断で車両情報が失われるのを防止することができる。
なお「性能情報」は、外部装置に車両情報を記録する際の情報である。例えば、最大遅延時間(車両情報を外部装置に転送し始めてから、車両情報を外部装置の不揮発性メモリに記録し始めるまでに要する時間)や、情報書込時間(車両情報を外部装置の不揮発性メモリに記録し始めてから記録し終えるまでに要する時間)、記録容量などが該当する。
請求項3に記載の発明は、前記車両情報記録手段は、前記性能情報に基づいて前記所定条件を満たすと記録されない可能性がある前記車両情報を特定し、当該特定した前記車両情報を前記自己装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする。揮発性メモリに記録された車両情報の中には、外部装置の性能情報に基づくと、所定条件を満たす以後に少なくとも外部装置の不揮発性メモリに記録されない可能性がある車両情報が存在し得る。この構成によれば、記録されない可能性がある車両情報を特定して、当該車両情報を車両情報記録装置の不揮発性メモリに転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記車両情報記録手段は、前記優先順位の高い前記車両情報から優先して前記自己装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする。この構成によれば、車両情報記録手段は、車両情報の優先順位が高くなるほど優先して自己装置の不揮発性メモリに転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、前記性能情報には、前記車両情報を前記外部装置に転送し始めてから、前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに記録し始めるまでに要する最大遅延時間を含むことを特徴とする。この構成によれば、車両情報を外部装置の不揮発性メモリに記録開始するまでに要する時間が分かるので、揮発性メモリに記録された車両情報のうちで外部装置の不揮発性メモリに記録可能な車両情報と、記録不能な車両情報とを明確にすることができる。
請求項6に記載の発明は、前記性能情報には、前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに記録し始めてから記録し終えるまでに要する情報書込時間を含むことを特徴とする。この構成によれば、不揮発性メモリに記録し始めてから記録し終えるまでに要する時間が分かるので、揮発性メモリに記録された車両情報のうちで外部装置の不揮発性メモリに記録可能な車両情報と、記録不能な車両情報とを明確にすることができる。
請求項7に記載の発明は、前記車両情報に基づいて、前記車両情報に付与する優先順位を設定(変更を含む)する優先順位設定手段を有することを特徴とする。この構成によれば、優先順位設定手段は車両情報に基づいて優先順位を設定するので、状況に応じて重要度の高い車両情報を確実に記録して保全を図ることができる。例えば、車両情報に急制動や急加速を示すデータを含む場合には速度(車速)や加速度などの優先順位を高く設定し、急旋回(滑りを含む)を示すデータを含む場合にはヨーレートや角度(ロール角やピッチ角等)などの優先順位を高く設定するなどが該当する。
請求項8に記載の発明は、前記車両情報には、速度センサによって検出される速度、加速度センサによって検出される加速度、ヨーレートセンサによって検出されるヨーレート、角度センサによって検出されるロール角やピッチ角等の角度、操舵角センサによって検出される操舵角、舵角センサによって検出される舵角のうちで一以上を含むことを特徴とする。この構成によれば、センサによって検出される計測値を車両情報に含むことで、演算等によって推定される推定値よりも正確な数量を記録することができる。
請求項9に記載の発明は、車両に関する車両情報を揮発性メモリに記録した後、所定条件を満たすと前記車両情報を不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録方法において、前記車両情報に付与された優先順位が基準順位以上であれば前記車両情報を車両情報記録装置の不揮発性メモリに転送して記録し、前記優先順位が前記基準順位未満であれば前記車両情報を外部方法の不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録工程とを有することを特徴とする。この構成によれば、請求項1に記載の発明と同様に、全ての装置に不揮発性メモリを備える必要はないので、従来に比べて全体のコストを抑制することができる。また、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項10に記載の発明は、前記車両情報の記録に関する性能情報を、前記外部装置ごとに取得する性能情報取得工程を有し、前記車両情報記録工程では、前記性能情報取得工程によって取得された前記性能情報に基づいて前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする。この構成によれば、請求項2に記載の発明と同様に、性能情報に基づいて記録可能な範囲で外部装置に車両情報を伝達するので、転送中や記録中などで車両情報が失われるのを防止することができる。
請求項11に記載の発明は、車両において、請求項1から8のいずれか一項に記載の車両情報記録装置と、前記速度センサ,前記加速度センサ,前記ヨーレートセンサ,前記角度センサ,前記操舵角センサ,前記舵角センサのうちで一以上のセンサとを有することを特徴とする。この構成によれば、全体のコストを抑制し、かつ、重要度の高い情報を記録できる車両を提供することができる。
車両情報記録装置の構成例を示す模式図である。 車両情報記録システムの第1構成例を示す模式図である。 センサの種類とECUとの関係を示す模式図である。 車両情報記録処理の手続き例を示すフローチャートである。 車両情報の第1記録例を示すタイムチャートである。 車両情報の第2記録例を示すタイムチャートである。 車両情報の第3記録例を示すタイムチャートである。 車両情報記録システムの第1構成例を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。連続符号は記号「〜」を用いて簡略化する。例えば「ステップS13〜S20」は「ステップS13,S14,S15,S16,S17,S18,S19,S20」を意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示してはいない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。以下に示す「設定」には変更を含み、同じく「記録」には記憶を含むものとする。
本発明(車両情報記録装置)を車両に備えて実現する場合の構成例について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1には車両情報記録装置の構成例を模式図で示す。図2には車両情報記録システムの第1構成例を示す。図3にはセンサの種類とECUとの関係を模式図で示す。図4には車両情報記録処理の手続き例をフローチャートで示す。図5〜図7には車両情報の記録例をタイムチャートでそれぞれ示す。
図1に示す車両10は、センサ11や車両情報記録装置20などを備える自動車である。一以上のセンサ11は、操作者(車両10の運転者を含む)の操作による操作状態を検出するセンサや、車両10の運動状態を検出するセンサなどが該当する。センサ11の具体例は後述する(図3を参照)。外部装置30は、車両10内に備えてもよく、通信回線(有線・無線を問わない)を介して接続可能な車両10外に備えてもよい。
図1に示す車両情報記録装置20は、「EDR(Event Data Recorder)」とも呼ばれ、車両情報選択手段21,優先順位設定手段22,揮発性メモリ23,性能情報取得手段24,車両情報記録手段25,不揮発性メモリ26などを有する。これらの要素のうち、二点鎖線で示す車両情報選択手段21などは、必要に応じて備える。なお本形態では、車両情報記録装置20をECU130に備える構成とする(図2を参照)。
車両情報選択手段21は、車両10の状態に応じて車両情報を選択する。センサ11の計測値や、車両10の状態を推定する推定値などについて一以上を選択する。「車両10の状態」は、例えば速度,加速度,回転数などで表される状態である。例えば、加速走行・減速走行・定速走行・旋回走行などの走行状態や、走行していない停止状態などが該当する。どのような計測値や推定値を選択するのかは任意に設定してよい。設定例として、加減速時には主に速度や加速度などを選択し、旋回時には主にヨーレートや角度(ロール角やピッチ角等)などを選択する。
優先順位設定手段22は、車両情報J1に基づいて車両10の状態を把握し、当該車両10の状態に応じて車両情報J1に付与する優先順位を設定する。車両情報J1は、優先順位および実データ(すなわち上記計測値や推定値等)を少なくとも含み、実データの種類(例えばセンサ11の種類等)を特定する種別情報などをさらに含むのが望ましい。車両10の状態(特に走行状態)によって原因究明が行い易い情報が異なるので、原因究明が行い易くなる車両情報J1の優先順位が高くなるように設定する。例えば、加減速時には主に速度や加速度などの優先順位を高くし、旋回時には主にヨーレートや角度(ロール角やピッチ角等)などの優先順位を高くする。「優先順位」は車両情報J1の重要度を示す指標であり、車両情報J1に付与するタイミングは任意である。例えば、計測値(センサ11の種類)や推定値などに応じて予め付与してもよく、車両10の状態に応じて付与してもよい。「基準順位」は任意に設定可能である。例えば、予め設定する一定順位を維持してもよく、車両10の状態に応じて順位を変更してもよい。
揮発性メモリ23は、記録媒体の一部または全部であり、電源の供給を受けて保持され、車両情報J1(車両情報J1a,J1b,J1c,…)を一時的に記録する記録用領域である。例えば、RAM,DRAM,SRAMなどのうちで一以上を用いる。車両情報J1を記録する領域の構成は任意である。例えば、配列の先頭部と末尾部とを繋いでリング状をなすリングバッファ(他には「循環バッファ」や「リングメモリ」等とも呼ぶ。)や、配列などで構成する。
性能情報取得手段24は、外部装置30の性能情報J2を取得する。外部装置30が二以上接続されている場合には、外部装置30ごとに取得する。性能情報J2は、車両情報J1の記録に関する情報である。例えば、情報転送時間,書込準備時間,情報書込時間,記憶容量などが該当する。「情報転送時間」は、車両情報記録装置20から外部装置30(具体的には揮発性メモリ31など)に車両情報J1を転送(送受信)するのに要する時間である。「書込準備時間」は、転送された車両情報J1を不揮発性メモリ32に書き込む(記録する)のに先立って行う準備に要する時間である。「情報書込時間」は、車両情報J1を不揮発性メモリ32に書き込み始めて(記録開始時)から書き込み終える(記録終了時)までに要する時間である。性能情報J2を取得するタイミングは任意に設定可能である。例えば、外部装置30が車両情報記録装置20と初めて送受信可能に接続された時点にのみ取得してもよく、車両情報記録装置20への電源供給開始時(例えば初期化処理時など)ごとに取得してもよく、後述する車両情報記録処理(特に図4のステップS10を参照)を実行するごとに取得してもよく、その他のタイミングで取得してもよい。取得した性能情報J2は、不揮発性メモリ26に記録する。
車両情報記録手段25は、所定条件を満たすと、揮発性メモリ23に記録された車両情報J1に付与された優先順位に応じて車両情報J1を転送して記録する対象を異ならせる。例えば、優先順位が基準順位以上であれば車両情報記録装置20(自己装置)の不揮発性メモリ26に転送して記録し、優先順位が基準順位未満であれば外部装置30の不揮発性メモリ26に転送して記録する。所定条件を満たさない場合の処理は任意に設定可能である。本形態では、より多くの車両情報J1を記録して電源遮断後も保全を図るため、全ての車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ26に転送して記録する。
「所定条件」は、揮発性メモリ23に記録されている車両情報J1を、電源遮断後も保全するために不揮発性メモリ26に記録する契機となる条件である。所定条件の内容は、一以上で任意に設定可能である。例えば、急制動・急加速・急旋回等によって加速度等が急変化することや、物体(車両10以外の車両を含む)と接近または衝突(接触を含む)すること、電源遮断が発生することなどの条件が該当する。所定条件を満たす以後は、電源遮断が予想される事態であるので、非常用電源(例えばバックアップコンデンサやバッテリ等)を用いて車両情報J1の転送や記録を行う。
不揮発性メモリ26は、記録媒体の一部または全部であり、電源の供給/遮断にかかわらず、車両情報J1を保持可能に記録する媒体(領域)である。例えば、ハードディスク(Flash SSDを含む),光ディスク(光磁気ディスク等を含む),EEPROM,フラッシュメモリ,強誘電体メモリ(FeRAM),磁気抵抗メモリ(MRAM),相変化メモリ(PRAM),抵抗変化型メモリ(ReRAM)などのうちで一以上を用いる。車両情報J1を記録する領域の構成は任意であり、例えば配列やデータベースなどの構成が該当する。
外部装置30は、車両情報記録装置20以外の装置であって、当該車両情報記録装置20との間でアクセス可能に接続され、かつ、不揮発性メモリを備えていれば任意である。図1に示す外部装置30は、少なくとも不揮発性メモリ32などを含み、必要に応じて揮発性メモリ31を備えるのが望ましい。なお本形態では、外部装置30をECU140に備える構成とする(図2を参照)。
不揮発性メモリ32には、不揮発性メモリ26と同様のメモリを用いるが、記録容量は不揮発性メモリ26よりも多い記録媒体を用いるのが望ましい。例えば、ハードディスク(Flash SSDを含む),光ディスク(光磁気ディスク等を含む),EEPROM,フラッシュメモリ,強誘電体メモリ(FeRAM),磁気抵抗メモリ(MRAM),相変化メモリ(PRAM),抵抗変化型メモリ(ReRAM)などのうちで一以上を用いる。必要に応じて備えられる揮発性メモリ31には、転送されてくるデータ(車両情報J1を含む)を一時的に記録するバッファメモリなどを用いる。
上述した車両情報記録装置20および外部装置30を接続するシステムについて、図2を参照しながら説明する。図2に示す車両情報記録システム100は、車両10に備えられる通信システムの一例である。この車両情報記録システム100は、複数のECU110,130,140などの装置がネットワーク120を介して相互にアクセス可能に接続されている。ECU130は車両情報記録装置20に相当し、ECU140は外部装置30に相当する。一以上のECU110は、ECU110ごとに接続されたセンサ11で検出した計測データを、車両情報J1としてECU130(具体的には揮発性メモリ23)に転送して記録する機能を担う。ネットワーク120は、CAN(Controller Area Network)などのコンピュータネットワークを含み、有線・無線を問わない。
図3には、ECU130(車両情報記録装置20)に計測データ(車両情報J1)を転送するセンサ11(センサ群)の一例を示す。ECU130に備える他の要素は多様であり、周知でもあるので図示および説明を省略する。各センサ11は図2に示すようにECU110,130,140に接続されるが、図3では図示を省略している。
図3に示すセンサ11は、操作系のセンサ11と、運動系のセンサ11とがある。操作系のセンサ11には、開度センサ11a、ストロークセンサ11b,11c,11d、操舵角センサ11e、ポジションセンサ11fなどのセンサが該当する。運動系のセンサ11には、回転数センサ11g、速度センサ11h、舵角センサ11i、加速度センサ11j、ヨーレートセンサ11k、ジャイロスコープ11m、カメラ11n、距離センサ11p、角度センサ11qなどのセンサが該当する。各センサの機能を以下に概説するが、当該機能を奏する任意の計測方式を適用してもよい。
開度センサ11aは、運転者がアクセルペダルを操作して変化するアクセルの開度を検出して出力する。ストロークセンサ11bは、運転者がフットブレーキペダルを操作して変化するブレーキのストローク量を検出して出力する。ストロークセンサ11cは、運転者がサイドブレーキレバーを操作して変化するブレーキのストローク量を検出して出力する。二点鎖線で示すストロークセンサ11dはマニュアル車に備えられ、運転者がクラッチペダルを操作して変化するクラッチのストローク量を検出して出力する。操舵角センサ11eは、運転者がステアリング(ハンドル)を操作して変化する操舵角を検出して出力する。ポジションセンサ11fは、変速操作(例えばシフトレバーやセレクトレバー)等によるポジション(ギアやレンジ等)を検出して出力する。
回転数センサ11gは、駆動源(例えばエンジン等の燃焼機関や、モータ等の回転電機等)の回転数を検出して出力する。速度センサ11hは、車両10の速度(例えば車輪の回転速度に基づく速度)を検出して出力する。舵角センサ11iは、車両10(例えば車輪)の舵角を検出して出力する。加速度センサ11jは、車両10の加速度(例えば車輪の回転速度に基づく加速度)を検出して出力する。ヨーレートセンサ11kは、車両10のヨーレートを検出して出力する。ジャイロスコープ11mは、車両10の角速度(あるいは回転角)を検出して出力する。カメラ11nは、車両10の周囲(特に進行方向の前方側)にかかる画像または映像を撮像する。距離センサ11pは、車両10と物体との相対距離(例えば先行車両との車間距離等)を検出して出力する。「物体」は、自車の車両10を除く全ての物体である。例えば、他の車両、構造物(建築物を含む)、設置物(標識,信号機,ガードレール等)、動物(人間を含む)などが該当する。相対距離の検出法は任意である。例えば、検出波(例えばレーザ光等の光,赤外線等の電波,音波等)の発信・受信による検出や、カメラ11nで撮像した画像の解析による検出などが該当する。角度センサ11qは、車両10の角度(ロール角やピッチ角等の角度)を検出する。ロール角によってバンクの程度が分かり、ピッチ角によって前傾や後傾の程度が分かる。
上述したECU130において、車両情報J1をメモリに記録するための手続き例について、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。図4には車両情報記録処理の手続き例を示す。車両情報記録処理は、ECU130に電源が供給されている場合に限らず、非常用電源を用いて電源が供給される場合を含めて、繰り返し実行される。なお図4に示すステップS10は性能情報取得手段24に相当し、ステップS11は車両情報選択手段21に相当し、ステップS14は優先順位設定手段22に相当し、ステップS15,S17,S18,S20は車両情報記録手段25(車両情報記録工程)に相当する。
図4に示す車両情報記録処理では、まずネットワーク120に接続されているECU140(外部装置30)の性能情報J2を取得する〔ステップS10〕。性能情報J2を取得するタイミングは、車両情報記録処理を実行するごとでもよく、ECU140がECU130と初めて送受信可能に接続された時点にのみ取得してもよい。後者の場合は、取得した性能情報J2を不揮発性メモリ26の所定領域に記録しておくのが望ましい。
車両10の状態(特に走行状態)に応じて、不揮発性メモリ32に記録する車両情報J1を選択する〔ステップS11〕。例えば、車両10の状態が加速走行や減速走行であれば、開度(開度センサ11a)、ストローク量(ストロークセンサ11b)、速度(速度センサ11h)、加速度(加速度センサ11j)などを選択する。所定の速度範囲(例えば平均速度を基準として±10[Km/h]の範囲など)内で走行する定速走行であれば、開度(開度センサ11a)、相対距離(距離センサ11p)などを選択する。車両10の状態が旋回走行であれば、操舵角(操舵角センサ11e)、ヨーレート(ヨーレートセンサ11k)、角速度(ジャイロスコープ11m)などを選択する。このステップS11は必要に応じて実行すればよい。
車両情報J1を取得したか否かを判別する〔ステップS12〕。具体的には、図2に示すECU110から転送される車両情報J1や、ECU130に接続されるセンサ11から出力される車両情報J1を取得したか否かで判別する。この取得は、一般的にはポアソン分布(ランダム到着)に従うが、車両情報記録システム100の設計によっては規則的になる。もし、車両情報J1を取得していなければ(NO)、車両情報J1を記録する必要がないので、車両情報記録処理をリターンする。
一方、車両情報J1を取得した場合は(YES)、後述するステップS13〜S20を実行する。まず、取得した車両情報J1を揮発性メモリ23に記録した後〔ステップS13〕、必要に応じて揮発性メモリ23に記録した車両情報J1ごとに優先順位を設定し〔ステップS14〕、所定条件を満たすか否かを判別する〔ステップS15〕。
ステップS14では、車両情報J1に基づいて車両10の状態を把握し、当該車両10の状態に応じて車両情報J1に付与する優先順位を設定する。車両10の状態(特に走行状態)によって原因究明が行い易い情報が異なるので、原因究明が行い易くなる車両情報J1の優先順位が高くなるように設定する。例えば車両情報J1に含まれる種別情報に基づいて判別し、加減速時には主に速度や加速度などの優先順位を高くし、旋回時には主にヨーレートや角度(ロール角やピッチ角等)などの優先順位を高くする。
ステップS15の「所定条件」は、電源遮断後も車両情報J1の記録を保全するために不揮発性メモリ26に記録する契機となる条件であれば、一以上で任意の内容を設定可能である。例えば、急制動・急加速・急旋回等によって加速度等が急変化することや、物体と接近または衝突することなどの条件が該当する。もし、所定条件を満たさなければ(NO)、電源遮断が予想されない状況であるので、通常通りに揮発性メモリ23に記録された順番に従って車両情報J1をECU140(外部装置30)の不揮発性メモリ32に転送して記録する。
一方、ステップS15の所定条件を満たせば(YES)、電源遮断が予想される事態であるので、未だECU140(外部装置30)の不揮発性メモリ32に転送して記録していない車両情報J1のうちで、性能情報J2に基づいて記録できない車両情報J1を特定する〔ステップS16〕。ただし、後述するステップS19で間引かれる車両情報J1は特定されない。
もし、特定した車両情報J1に付与された優先順位が基準順位未満であり(ステップS17でNO)、車両情報J1を間引く必要がなければ(ステップS19でNO)、ECU140の不揮発性メモリ32に転送して記録したうえで〔ステップS20〕、車両情報記録処理をリターンする。車両情報J1を間引く必要があれば(ステップS19でYES)、そのまま車両情報記録処理をリターンする。
ステップS19において車両情報J1を間引く必要があるか否かは、後述する平均時間間隔T0が情報書込時間Tdよりも短いか否か、および、車両情報J1の優先順位が低いか否かで判別する(図6,図7を参照)。すなわち、車両情報J1を間引く必要があるのは、平均時間間隔T0が情報書込時間Tdよりも長く(T0>Td)、かつ、車両情報J1の優先順位が低い場合に該当する。
一方、特定した車両情報J1に付与された優先順位が基準順位以上ならば(ステップS17でYES)、ECU130(車両情報記録装置20;自己装置)の不揮発性メモリ26に転送して記録したうえで〔ステップS18〕、車両情報記録処理をリターンする。ステップS18では、重要度の高い車両情報J1の記録を確実に保全するため、優先順位の高い車両情報J1から記録してゆき、優先順位の低い車両情報J1は後に記録するのが望ましい。なお、ステップS18,S20は並行して処理するのが望ましいが、順番に処理せざるを得ない構成ではステップS18を先に処理する。
上述のように構成されたECU130(車両情報記録装置20)およびECU140(外部装置30)において、図4の車両情報記録処理を実行した場合の記録例について図5〜図7を参照しながら説明する。
図5〜図7に示す記録例は、説明および図示を簡単にするため、各車両情報J1を英字および数字の組み合わせで示す。当該組み合わせは、車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4と仮定する。英字の「A」,「B」,「C」は優先順位(重要度)を示す。「A」は優先順位が最も高く、法律や規則等で規定される情報等が該当する。例えば、車両10の速度(車速),アクセルの開度,ブレーキ操作のストローク量などが該当する。次に優先順位が高いのは「B」であり、例えばABS作動の有無やトラクションコントロールシステム(Traction Control System;TCS)の有無などが該当する。「C」の優先順位が最も低く、例えばヘッドライトのオン/オフやワイパー作動のオン/オフなどが該当する。英字の添字として示す数字は、同一の優先順位にかかる車両情報J1が揮発性メモリ23に記録された順番を示す。所定条件を満たすタイミングを時刻txと仮定する。時刻tx以降に揮発性メモリ23から不揮発性メモリ26に転送して記録できる車両情報J1の数を「6」と仮定する。
図5に示すタイムチャートは、最大遅延時間Taおよび情報書込時間Tdがともに短い例を示す。図示する車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4や、図示しない車両情報A1以前の車両情報J1は、いずれも同様に処理されるので、以下では車両情報A1を体表して説明する。
車両情報A1は、時刻t1にECU110(あるいはセンサ11)からECU130に転送され、時刻t2に揮発性メモリ23に記録される(図4のステップS13)。この時点では未だ所定条件を満たさないので(図4のステップS15でNO)、時刻t3にECU130からECU140に転送され、時刻t6に不揮発性メモリ32に記録される(図4のステップS20)。ECU140内では、車両情報A1は時刻t3から情報転送時間Tbを経過した時刻t4に揮発性メモリ31に一時的に記録される。その後、時刻t4から書込準備時間Tcを経過した時刻t5に不揮発性メモリ26に書き込みされ始め、さらに情報書込時間Tdを経過した時刻t6に書き込みを終えて記録が完了する。他の車両情報A2〜A4,B1〜B4,C1〜C4についてもそれぞれ同様に処理される。
ところで、時刻txには所定条件を満たすので、当該時刻txから記録時間Te(=Tb+Tc+Td)だけ遡った時刻tu以降に揮発性メモリ23に記録される車両情報A4,B4,C4はECU140に転送しても不揮発性メモリ32に記録される可能性が低い。例えば、車両情報A4は不揮発性メモリ26に書き込みを始めるものの、情報書込時間Tdを経過しないために書き込みを完了せず、結果として記録されない。
そこで、時刻txに所定条件を満たすと、記録できない車両情報J1を特定する(図4のステップS16)。車両情報A1〜A4は、重要度が高いため、不揮発性メモリ32に記録できたか否かにかかわらず特定する。時刻tx以降に記録可能な車両情報J1の数は「6」であるので、残りの2つを特定する。図5の例では、車両情報B4,C4が該当するので、これらを特定する。こうして特定した車両情報A1〜A4および車両情報B4,C4を不揮発性メモリ26に転送して記録する(図4のステップS20)。したがって、図5の記録例では、車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4の全てを不揮発性メモリ26または不揮発性メモリ32に記録することができる。
図6に示すタイムチャートは、最大遅延時間Ta(具体的には書込準備時間Tc)が他の時間よりも長く(Tc>Tb,Td)、かつ、車両情報J1の到着する平均時間間隔T0が情報書込時間Tdよりも短い例(T0<Td)を示す。なお、図6(および後述する図7)では、長さの異なる到着時間間隔を平均時間間隔T0として示す。図5の記録例に比べると、書込準備時間Tcが長くなる。そのため、時刻t5よりも遅れたt7から不揮発性メモリ26に書き込みされ始め、さらに情報書込時間Tdを経過した時刻t8に書き込みを終えて記録が完了する。他の車両情報A2〜A4,B1〜B4,C1〜C4についてもそれぞれ同様に処理される。
所定条件を満たす時刻txから記録時間Teだけ遡った時刻tvは、図5の時刻tuよりも前になる。そのため、揮発性メモリ23に記録される車両情報B3,C3,A4,B4,C4はECU140に転送しても不揮発性メモリ32に記録される可能性が低い。この記録例では、記録できない車両情報J1として車両情報B3,C3,A4,B4,C4が特定される(図4のステップS16)。また、不揮発性メモリ26に記録すべき車両情報J1として、優先順位に従って、車両情報A1〜A4と車両情報B3,B4とを特定する(図4のステップS17)。こうして特定した車両情報A1〜A4および車両情報B3,B4を不揮発性メモリ26に転送して記録する(図4のステップS20)。したがって、図6の記録例では車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1,C2を記録することができ、「×」で示す車両情報C3,C4を記録することができない。
図7に示すタイムチャートは、情報書込時間Tdが他の時間よりも長く、かつ、情報書込時間Tdが平均時間間隔T0よりも長い例(Td>T0,Tb,Tc)を示す。図5の記録例に比べると、情報書込時間Tdが長くなる。そのため、時刻t5から不揮発性メモリ26に書き込みされ始めるものの、情報書込時間Tdを経過して書き込みを終える時刻t9は時刻t6よりも遅い。他の車両情報A2〜A4,B1〜B4,C1〜C4についてもそれぞれ同様に処理される。また図6の記録例に比べると、情報書込時間Tdが平均時間間隔T0よりも長くなる。そのため、車両情報J1を連続して書き込む場合には、ECU140内で書き込みのための待ち時間が生じる。よって優先順位が低い車両情報J1(本例では車両情報C1〜C4)を記録すると、優先順位が高い車両情報J1の全部を記録できなくなる。よって、優先順位が低い車両情報C1〜C4は間引かれる(図4のステップS19)。
一の車両情報J1を書き込み始めてから書き込み終えるまでに情報書込時間Tdを要するので、車両情報A1を時刻t5に書き込み始めても、書き込み終えて記録を完了するのは時刻t9になる。この時刻t9までに転送されてきた車両情報B1,A2は、すぐに書き込み始めることができず、書き込み遅延が生じる。車両情報A1に続く車両情報B1を書き込み始められるのは時刻t9であり、書き込み終えるのは時刻t10である。車両情報B1に続く車両情報A2を書き込み終えるのは時刻t11になり、車両情報A2に続く車両情報A3を書き込み終えるのは時刻t12になる。以下、車両情報B2,B3についても同様である。こうして車両情報B1以降の車両情報J1に書き込み遅延が生じる。
一方、所定条件を満たす時刻txから情報書込時間Tdだけ遡った時刻twは、図5の時刻tuよりも前になり、図6の時刻tvよりも後になる。上述した書き込み遅延を考慮して、揮発性メモリ23に記録される車両情報B3,A4,B4,C4はECU140に転送しても不揮発性メモリ32に記録される可能性が低い。この記録例では、車両情報C4は間引かれるので、記録できない車両情報J1としては車両情報B3,A4,B4が特定される(図4のステップS16)。また、不揮発性メモリ26に記録すべき車両情報J1として、優先順位に従って、車両情報A1〜A4と車両情報B3,B4とを特定する(図4のステップS17)。こうして特定した車両情報A1〜A4および車両情報B3,B4を不揮発性メモリ26に転送して記録する(図4のステップS20)。したがって、図7の記録例では車両情報A1〜A4,B1〜B4を記録することができ、「×」で示す車両情報C1〜C4は間引かれて記録されない。
なお、ステップS14の実行によって、車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4に付与される優先順位が設定されると、不揮発性メモリ26に記録される車両情報J1が変化する。ステップS14の実行前には「C」の優先順位が付与された車両情報J1(例えば車両情報C3,C4等)にかかる優先順位が「B」に設定されると、当該車両情報J1が不揮発性メモリ26に記録される場合がある。同様に、ステップS14の実行前には「B」の優先順位が付与された車両情報J1(例えば車両情報B3,B4等)にかかる優先順位が「C」に設定されると、当該車両情報J1が不揮発性メモリ26に記録されない場合がある。このように車両10の状態(特に走行状態)によって原因究明が行い易くなる車両情報J1の優先順位が高くなるように設定する。
また、図6に示す書込準備時間Tcが図7に示す情報書込時間Tdと同じ時間(間隔)である場合は、図7と同様の記録結果になる。すなわち、車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1〜C3を記録することができ、車両情報C4を記録することができない。逆に、図7に示す情報書込時間Tdが図6に示す書込準備時間Tcと同じ時間(間隔)である場合は、図6と同様の記録結果になる。すなわち、車両情報A1〜A4,B1〜B4,C1,C2を記録することができ、車両情報C3,C4を記録することができない。図示を省略するが、情報転送時間Tbが図6に示す書込準備時間Tcと同じ場合には図6と同様の記録結果になり、図7に示す情報書込時間Tdと同じ場合には図6と同様の記録結果になる。このように、ECU140(外部装置30)の性能情報J2が同じでも、各時間の長短に応じて記録できる車両情報J1が異なってくる。
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、所定条件を満たすと、車両情報J1に付与された優先順位が基準順位以上であれば車両情報J1を車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録し、優先順位が基準順位未満であれば車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に転送して記録する車両情報記録手段25とを有する構成とした(図1,図4を参照)。この構成によれば、車両情報記録装置20や一以上の外部装置30に不揮発性メモリ26が必要となるものの、全ての装置に不揮発性メモリ26を備える必要はないので、従来に比べて全体のコストを抑制することができる。また、基準順位以上(すなわち重要度が高い)の車両情報J1を車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項2に対応し、性能情報J2を外部装置30ごとに取得する性能情報取得手段24を有し(図1を参照)、車両情報記録手段25は性能情報J2に基づいて車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に転送して記録する構成とした(図4のステップS10,S20を参照)。この構成によれば、車両情報記録手段25は性能情報J2に基づいて車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に転送して記録する。性能情報J2に基づいて外部装置30に車両情報J1を伝達するので、転送中や記録中等における電源遮断で車両情報J1が失われるのを防止することができる。
請求項3に対応し、車両情報記録手段25は、性能情報J2に基づいて所定条件を満たすと記録されない可能性がある車両情報J1を特定し、当該特定した車両情報J1を車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録する構成とした(図4のステップS16,S18を参照)。この構成によれば、記録されない可能性がある車両情報J1を特定して、当該車両情報J1を車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項4に対応し、車両情報記録手段25は、優先順位の高い車両情報J1から優先して車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録する構成とした(図4のステップS18を参照)。この構成によれば、車両情報記録手段25は、車両情報J1の優先順位が高くなるほど優先して車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録するので、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項5に対応し、性能情報J2には、車両情報J1を外部装置30に転送し始めてから、車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に記録し始めるまでに要する最大遅延時間Taを含む構成とした(図5〜図7を参照)。この構成によれば、車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に記録開始するまでに要する時間が分かるので、揮発性メモリ23に記録された車両情報J1のうちで外部装置30の不揮発性メモリ32に記録可能な車両情報J1と、記録不能な車両情報J1とを明確にすることができる。
請求項6に対応し、性能情報J2には、車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に記録し始めてから記録し終えるまでに要する情報書込時間Tdを含む構成とした(図5〜図7を参照)。この構成によれば、不揮発性メモリ26に記録し始めてから記録し終えるまでに要する時間が分かるので、揮発性メモリ23に記録された車両情報J1のうちで外部装置30の不揮発性メモリ32に記録可能な車両情報J1と、記録不能な車両情報J1とを明確にすることができる。
請求項7に対応し、車両情報J1に基づいて、車両情報J1に付与する優先順位を設定する優先順位設定手段22を有する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、優先順位設定手段22は車両情報J1に基づいて優先順位を設定するので、状況に応じて重要度の高い車両情報J1を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項8に対応し、車両情報J1には、速度センサ11hによって検出される速度、加速度センサ11jによって検出される加速度、ヨーレートセンサ11kによって検出されるヨーレート、角度センサ11qによって検出されるロール角やピッチ角等の角度、操舵角センサ11eによって検出される操舵角、舵角センサ11iによって検出される舵角のうちで一以上を含む構成とした(図3を参照)。この構成によれば、センサ11によって検出される計測値を車両情報J1に含むことで、演算等によって推定される推定値よりも正確な数量を記録することができる。
請求項9に対応し、車両情報J1に付与された優先順位が基準順位以上であれば車両情報J1を車両情報記録装置20の不揮発性メモリ26に転送して記録し、優先順位が基準順位未満であれば車両情報J1を外部方法の不揮発性メモリ26に転送して記録する車両情報記録工程とを有する構成とした(図4のステップS15,S17,S18,S20を参照)。この構成によれば、全ての装置に不揮発性メモリ26を備える必要はないので、従来に比べて全体のコストを抑制することができる。また、重要度の高い情報を確実に記録して保全を図ることができる。
請求項10に対応し、性能情報J2を外部装置30ごとに取得する性能情報取得工程を有し、車両情報記録工程では性能情報取得工程によって取得された性能情報J2に基づいて車両情報J1を外部装置30の不揮発性メモリ32に転送して記録する構成とした(図4のステップS10,S20を参照)。この構成によれば、性能情報J2に基づいて記録可能な範囲で外部装置30に車両情報J1を伝達するので、転送中や記録中などで車両情報J1が失われるのを防止することができる。
請求項11に対応し、車両10は、車両情報記録装置20と、速度センサ11h,加速度センサ11j,ヨーレートセンサ11k,角度センサ11q,操舵角センサ11e,舵角センサ11iのうちで一以上のセンサ11とを有する構成とした(図1を参照)。この構成によれば、全体のコストを抑制し、かつ、重要度の高い情報を記録可能な車両10を提供することができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態では、所定条件を満たす前において、車両情報J1を記録して保全する記録媒体として揮発性メモリ31を適用し、当該揮発性メモリ31をネットワーク120に接続されたECU140(外部装置30)に備える構成とした(図1,図2を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、ECU140の接続を他の構成としてもよい。例えば、図8に示すようにECU140をECU130(車両情報記録装置20)に接続する構成としてもよい。図示しないが、ネットワーク120に接続可能な機能を備えた揮発性メモリであれば、ネットワーク120に直接接続する構成としてもよい。いずれの構成にせよ、所定条件を満たす前における車両情報J1を確実に記録して保全を図ることができる。
上述した実施の形態では、センサ11はECU110,130,140に接続する構成とした(図2,図8を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、図2や図8に二点鎖線で示すように、ネットワーク120に接続可能な機能を備えたセンサ11であれば、ネットワーク120に直接接続する構成としてもよい。単に接続構成の相違に過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、車両情報記録システム100はバス型接続のネットワーク120を備える構成とした(図2,図8を参照)。この形態に代えて、他の型式のネットワークを備える構成としてもよい。他の型式には、例えばスター型やリング型等が該当する。単にネットワーク構成の相違に過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、車両情報記録装置20をECU130に備え、外部装置30をECU140に備える構成とした(図2,図8を参照)。この形態に代えて、車両情報記録装置20および外部装置30のうちで一方または双方を単体の処理装置(例えばコンピュータ,サーバー,ナビゲーション装置等)で構成してもよい。単に記録装置の構成上の相違に過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態では、車両情報記録装置20を備える対象として車両10を適用し(図1を参照)、車両10は自動車とした。この形態に代えて、自動車以外の車両10や他の輸送機器にも同様に適用することができる。自動車以外の車両10は、例えば鉄道車両(ハイブリッド車両を含む)などが該当する。他の輸送機器は、人間や貨物等を輸送可能な輸送機器、例えば航空機や船舶などが該当する。単に構造上の違いに過ぎず、人間や貨物等を輸送可能であるので、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
10 車両(輸送機器)
11 センサ
20 車両情報記録装置
21 車両情報選択手段
22 優先順位設定手段
23,31 揮発性メモリ
24 性能情報取得手段
25 車両情報記録手段
26,32 不揮発性メモリ
30 外部装置
100 車両情報記録システム
130 ECU(車両情報記録装置)
140 ECU(外部装置)
J1(J1a,J1b,J1c,…,A1〜A4,B1〜B4,C1〜C4) 車両情報
J2 性能情報

Claims (11)

  1. 車両に関する車両情報を揮発性メモリに記録した後、所定条件を満たすと前記車両情報を不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録装置において、
    前記所定条件を満たすと、前記車両情報に付与された優先順位が基準順位以上であれば前記車両情報を自己装置の不揮発性メモリに転送して記録し、前記優先順位が前記基準順位未満であれば前記車両情報を外部装置の不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録手段と、
    を有することを特徴とする車両情報記録装置。
  2. 前記車両情報の記録に関する性能情報を、前記外部装置ごとに取得する性能情報取得手段を有し、
    前記車両情報記録手段は、前記性能情報取得手段によって取得された前記性能情報に基づいて前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする請求項1に記載の車両情報記録装置。
  3. 前記車両情報記録手段は、前記性能情報に基づいて前記所定条件を満たすと記録されない可能性がある前記車両情報を特定し、当該特定した前記車両情報を前記自己装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする請求項2に記載の車両情報記録装置。
  4. 前記車両情報記録手段は、前記優先順位の高い前記車両情報から優先して前記自己装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の車両情報記録装置。
  5. 前記性能情報には、前記車両情報を前記外部装置に転送し始めてから、前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに記録し始めるまでに要する最大遅延時間を含むことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の車両情報記録装置。
  6. 前記性能情報には、前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに記録し始めてから記録し終えるまでに要する情報書込時間を含むことを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の車両情報記録装置。
  7. 前記車両情報に基づいて、前記車両情報に付与する優先順位を設定する優先順位設定手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の車両情報記録装置。
  8. 前記車両情報には、速度センサによって検出される速度、加速度センサによって検出される加速度、ヨーレートセンサによって検出されるヨーレート、角度センサによって検出されるロール角やピッチ角等の角度、操舵角センサによって検出される操舵角、舵角センサによって検出される舵角のうちで一以上を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の車両情報記録装置。
  9. 車両に関する車両情報を揮発性メモリに記録した後、所定条件を満たすと前記車両情報を不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録方法において、
    前記車両情報に付与された優先順位が基準順位以上であれば前記車両情報を車両情報記録装置の不揮発性メモリに転送して記録し、前記優先順位が前記基準順位未満であれば前記車両情報を外部方法の不揮発性メモリに転送して記録する車両情報記録工程と、
    を有することを特徴とする車両情報記録方法。
  10. 前記車両情報の記録に関する性能情報を、前記外部装置ごとに取得する性能情報取得工程を有し、
    前記車両情報記録工程では、前記性能情報取得工程によって取得された前記性能情報に基づいて前記車両情報を前記外部装置の不揮発性メモリに転送して記録することを特徴とする請求項9に記載の車両情報記録方法。
  11. 請求項1から8のいずれか一項に記載の車両情報記録装置と、
    前記速度センサ,前記加速度センサ,前記ヨーレートセンサ,前記角度センサ,前記操舵角センサ,前記舵角センサのうちで一以上のセンサと、
    を有することを特徴とする車両。
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