JP5369610B2 - 酸化セリウム粒子の製造方法、研磨液の製造方法、及び基板の研磨法 - Google Patents

酸化セリウム粒子の製造方法、研磨液の製造方法、及び基板の研磨法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体平坦化用研磨液に適した酸化セリウム粒子の製造方法、その製造方法により得られる酸化セリウム粒子、この酸化セリウム粒子を含む研磨液及びこれを用いた研磨法に関する。
素材表面を精密に研磨加工することが必要な用例として、光ディスク基板、磁気ディスク、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、時計板、カメラレンズ、光学部品用の各種レンズに用いられるガラス素材やフィルタ類等の結晶素材、半導体用のシリコンウエハ等の基板、半導体デバイス製造の各工程において形成された絶縁膜、金属層、バリア層等がある。
これらの素材表面は、高精度に研磨することが要求される。半導体デバイス製造における研磨加工の工程としては、例えば、酸化珪素膜等の層間絶縁膜の平坦化や、集積回路内の素子を分離するため基板上に埋め込んだ余分な酸化珪素膜を除くシャロー・トレンチ素子分離膜等がある。
これらの半導体デバイス製造における精密研磨用研磨液として、特に、シリカ微粒子を研磨粒子として用いたシリカ研磨液は、被研磨面の研磨傷発生等が少ないことから広く普及しているが、研磨速度が遅いため、近年、研磨速度が速い酸化セリウムを含む研磨液が注目されている。
しかし、このような研磨液はシリカ粒子と比較して研磨傷が多いという課題がある。
酸化セリウムを含む研磨液は、古くからガラス研磨用に用いられてきたが、半導体平坦化に適用するためには不純物混入を極力避ける必要があった。そこで、希土類原料を一旦精製し、セリウム塩を経由して焼成することにより、高純度の酸化セリウムを得ている。
セリウム塩としては炭酸セリウム、シュウ酸セリウム、硝酸セリウム等が用いられる。
これらのセリウム塩を仮焼、粉砕した酸化セリウムを分散して、半導体平坦化用研磨液が製造されている。
研磨の過程で生じる研磨傷は、研磨液中の大粒径粒子の含有率を低くすることで低減する傾向がある。
しかし、従来酸化セリウムの製造に用いられている炭酸セリウム等のセリウム化合物を焼成粉砕する方法では、粉砕に長時間を要する上、粉砕機の部品が磨耗して磨耗粉が研磨液中に混入する可能性が高まる。研磨液に混入した磨耗粉は研磨傷の原因となるため好ましくない。
また、短時間の粉砕では大粒子径粒子が粉砕されずに残り、研磨液中に混入するため、大粒径粒子の含有率を低くすることは困難である(例えば、特許文献1参照)。
一方で半導体の高集積化が進行し、配線等の加工寸法は100nmまで微細化している。それに伴い研磨傷等の欠陥低減要求はますます強く、研磨速度、平坦性、研磨傷低減の全てを満たす研磨液が要求されている。
研磨液による研磨傷低減を目的として、炭酸セリウムとシュウ酸等の酸を混合後、焼成して得られた酸化セリウム粉体を粉砕して酸化セリウム粒子とし研磨液として用いることで、研磨傷を低減した半導体平坦化用研磨液の製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照)
炭酸セリウムと酸を混合した後に焼成して得た酸化セリウム粉体は、炭酸セリウムをそのまま焼成して得た酸化セリウム粉体と形状が異なり、粉砕性が向上するため、粉砕時間を短縮し粉砕機からの設備磨耗粉の混入を防ぐと同時に大粒子径粒子の含有率を低減できるため、研磨傷を低減することができる。
特開2000−26840号公報 国際公開第07/123203号パンフレット
しかしながら、上記の製造方法では、製造ロットによって、焼成後に得られる酸化セリウム粉体の粉砕性がばらつく傾向があり、粉砕性のよい酸化セリウム粉体を安定的に得ることが困難である。
また、焼成を、量産性に優れるロータリーキルンやトンネル炉等の連続運転式の焼成炉により行うと、得られる酸化セリウム粉体の結晶性が高まりやすい傾向がある。酸化セリウム粉体の結晶性が高くなると、酸化セリウム粉体を粉砕処理する際に、粉砕機の部品が磨耗しやすくなる。そうすると、粉砕機の磨耗粉が酸化セリウム粒子中に混入してしまい、得られた酸化セリウム粒子を含有する研磨液中にも混入するため好ましくない。
そこで、結晶性を高めないように焼成温度及び昇温速度を調整する方法が考えられるが一方で、結晶性を低くすると、得られる酸化セリウム粒子の粉砕性が悪いという問題がある。
本発明は、上記に鑑みて、酸化セリウム粒子粉砕工程において生じうる、粉砕機の摩耗粉等の異物の混入を防ぎつつ、粉砕性に優れた酸化セリウム粒子を、より安定的に効率良く得ることが可能な製造方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、研磨傷を低減させることが可能な酸化セリウム粒子を含有する研磨液を提供することを目的とする。
上記課題を解決する為、本発明者等は鋭意検討した結果、以下のことを見出した。
粉末の炭酸セリウムと有機酸は、お互いが含有している水分を媒体として、混合状態中、反応が緩やかに逐次進行している。炭酸セリウムと有機酸との反応が完了していない場合、混合してから焼成するまでの間も反応が進行してしまう。このため、混合してから焼成するまでの時間を一定にしなければ、製造ロットごとに酸化セリウム粉体の粉砕性にバラツキが発生してしまうのであると考えた。
そこで、本発明者等は、高粉砕性酸化セリウム粉体を安定的に得るためには、炭酸セリウムと有機酸の反応を途中で停止させる必要があると予測し、加熱混合により反応系内の水分を蒸発させ、反応を停止させることで、高粉砕性酸化セリウム粉体を安定的に得られる条件を見出した。
より具体的には、一定条件の加熱混合により反応系内の水分を蒸発させ、反応を停止させることで、混合してから焼成するまでの時間によらず、同程度の粉砕性及び同程度の結晶性を有する酸化セリウム粉体を安定的に製造でき、それにより異なる製造ロットにおいても、研磨傷低減を可能とした酸化セリウム粒子を安定的に効率よく得られることを見出した。
また、炭酸セリウムと有機酸を混合した後、焼成及び粉砕工程を経て酸化セリウム粒子を得る従来の製造方法では、酸化セリウム粉体の結晶性は昇温速度の影響を受ける。例えば、ロータリーキルンやトンネル炉等の連続運転式の焼成炉を用い急加熱して焼成温度まで昇温して焼成する場合、バッチ式炉で緩やかに加熱を行い焼成温度まで昇温し焼成した場合と比べ、得られる酸化セリウム粉体の結晶性が高まる傾向がある。
しかし、本発明においては、加熱混合することで、連続運転式の焼成炉で急加熱しても結晶性を高めずに粉砕性のよい酸化セリウム粉体が得られ、それにより研磨傷低減を可能とした酸化セリウム粒子を安定的に効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)(I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
を有することを特徴とする酸化セリウム粒子の製造方法。
(2)前記(I)工程直後の加熱混合粉体の質量と、該加熱混合粉体を温度25℃で24時間放置した後の加熱混合粉体の質量とを比較したとき、質量減少量が、0〜0.1質量%である上記(1)に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
(3)前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われる上記(1)又は(2)に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
(4)前記(I)工程の加熱混合の時間が、1.5〜4時間である上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
(5)前記加熱混合粉体を焼成して得られた酸化セリウム粉体は、線源をCuKα線とする粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅が0.27〜0.50°であり、
下記粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物の99体積%が0.1〜1μmである上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
粉砕条件(a):分散チャンバー内のオリフィスで高圧で加速させて粉砕する方式の湿式粉砕機を用い、圧力100MPaでオリフィス径0.1mmの分散チャンバーを15回通過させ湿式粉砕処理を行う。
(6)前記(II)工程の焼成が、400〜900℃の範囲で行われる上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる酸化セリウム粒子。
(8)上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる酸化セリウム粒子及び水を含む研磨液。
(9)前記研磨液中の酸化セリウム粒子の粒子径の中央値が0.1〜1μmである上記(8)に記載の研磨液。
(10)前記研磨液中の、粒径3μm以上の酸化セリウム粒子含有量が固体中の500ppm以下である上記(8)又は(9)に記載の研磨液。
(11)さらに分散剤を含む上記(8)〜(10)のいずれか一つに記載の研磨液。
(12)前記研磨液中の酸化セリウム粒子全体の99体積%が粒径1μm以下である上記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の研磨液。
(13)上記(8)〜(12)のいずれか一つに記載の研磨液で所定の基板を研磨することを特徴とする基板の研磨法。
(14)前記所定の基板が、少なくともSiO膜が形成された半導体チップである上記(13)に記載の基板の研磨法。
本発明によれば、配線形成工程における半導体表面を高速で研磨でき、且つ平坦性良好で研磨傷を低減することが可能な酸化セリウム粒子を、効率よく安定的に得ることが可能な製造方法、その製造方法により得られる酸化セリウム粒子、この酸化セリウム粒子を含む研磨液及びこれを用いた研磨法を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<酸化セリウム粒子の製造方法及びそれより得られる酸化セリウム粒子>
本発明の酸化セリウム粒子の製造方法は、下記の工程を有することを特徴とする。
(I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程。
なお、本発明において、加熱混合とは、混合してから加熱する方法と加熱しながら混合する方法を意味するが、均一に加熱する点で加熱しながら混合する方が好ましい。
また、本発明において、「加熱混合粉体」とは、炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合して得られた粉体のことであり、焼成工程の前の粉体である。「酸化セリウム粉体」とは、前記加熱混合粉体を焼成した粉体のことであり、粉砕工程の前の粉体である。「酸化セリウム粒子」とは、前記酸化セリウム粉体を粉砕したものであり、粉砕後に必要により沈降分級、ろ過等で処理することが好ましく、処理された粒子も「酸化セリウム粒子」に相当する。さらに、後述の「酸化セリウム粉砕物」とは、酸化セリウム粉体を特定の条件(詳細は後述するが、粉砕条件(a))で粉砕した後の粉砕物をいう。
従来酸化セリウムの製造に用いられていた、炭酸セリウムやシュウ酸セリウム等のセリウム塩を焼成する方法では、セリウム塩が熱分解し、酸化セリウム粉体が得られる。その際、セリウム塩と酸化セリウム粉体の形状に大きな違いは無いことが多い。
しかし、炭酸セリウムと有機酸を混合して焼成を行うと、炭酸セリウムと有機酸との化学反応が起こり、炭酸イオンが置換され、セリウムの有機酸塩の生成を経て熱分解し、酸化セリウム粉体が得られる。この酸化セリウム粉体は、炭酸セリウムと形状が大きく異なり、また、市販のセリウム塩をそのまま焼成して得られる酸化セリウム粉体とも形状が大きく異なり、微細な粒子の集合体となる。この酸化セリウム粉体は微細な粒子の集合体であるために容易に短時間で粉砕され、酸化セリウム微粒子となる。
炭酸セリウムと有機酸との反応は、お互いが含有する水分を媒体として混合状態中に反応が逐次進行している。固体同士の反応であるため、反応を完了させるには長時間を要する。反応が完了していない場合は、焼成までの時間を一定としなければ、すなわち、反応進行度を一定としなければ、異なる製造ロットにおいて同程度の粉砕性を有する酸化セリウム粉体を製造することが困難である。そこで、本発明においては、反応が完了していない場合でも、同一条件の加熱混合により反応系内から媒体となる水分を蒸発させ、加熱混合終了時点で反応が進行しなくなるようにすることで、反応進行度を一定とすることができ、それにより、焼成までの時間によらず同程度の粉砕性を有する酸化セリウム粉体を安定的に製造することが可能となった。それにより、平坦性良好で研磨傷を低減することが可能な酸化セリウム粒子を、効率よく安定的に得ることができる。
下記に酸化セリウム粉体の粉砕性について具体的に説明する。
従来は、炭酸セリウムと有機酸を混合後、焼成、粉砕して酸化セリウム粒子を得る製造方法において、粉砕性は、酸化セリウム粉体の形状と結晶性で決まる。
酸化セリウム粉体の形状は、炭酸セリウムと有機酸を混合してセリウムの有機酸塩が生成し、焼成によりセリウムの有機酸塩が熱分解するときの形状により決まる。セリウムの有機酸塩の形状は、混合後、熱分解温度に達するまでの時間や、温度、水分等の雰囲気の状態によって決まる。また、セリウムの有機酸塩が生成する反応の進行度の影響も受ける。
一方、酸化セリウム粉体の結晶性は、熱分解時の形状と焼成温度で決まる。従って、従来は、熱分解温度に達するまでの昇温速度の影響を受け、ロータリーキルンやトンネル炉等を用い急加熱して焼成温度まで昇温し焼成すると、バッチ式炉で緩やかに加熱を行い焼成温度まで昇温し焼成した場合と比べ、得られる酸化セリウム粉体の結晶性が高まってしまう問題がある。
しかし、本発明において、焼成前の炭酸セリウムと有機酸との加熱混合により、セリウムの有機酸塩が生成する反応の進行度と形状を制御でき、急加熱しても結晶性を高めずに、粉砕性のよい酸化セリウム粉体を製造することが可能となった。
本発明における有機酸は、25℃で固体であることが好ましい。酸が気体であると酸の取り扱いや、炭酸セリウムとの混合が困難であり好ましくない。また、酸が液体または溶液状態であると、炭酸セリウムとの混合物が液状になり、加熱混合工程に長時間を要する。
さらに、本発明における酸は粉末状であることが、炭酸セリウムと混合しやすいことから好ましい。粉末の大きさは特に限定されるものではない。
本発明における有機酸は、炭素原子、酸素原子及び水素原子から構成されることが好ましい。この他に窒素原子や硫黄原子を含んでいても良いが、焼成時に硝酸イオンや硫酸イオンとなり、焼成温度が低い場合は脱離せず酸化セリウム粉体中に残存する可能性がある。
本発明における有機酸は、その酸解離定数pKaは、炭酸の一段目の酸解離定数pKa1より小さい、つまり炭酸よりも強酸の有機酸が好ましい。有機酸のpKaが6以下であるのがさらに好ましい。なお、有機酸が多段解離する場合は、一段目の酸解離定数pKaと炭酸のpKaとを比較する。酸解離定数pKaが炭酸の酸解離定数pKaより小さい有機酸を炭酸セリウムと混合すると、セリウムの有機塩が生成する反応が起こりやすいため好ましい。なお、本発明において酸解離定数は、実際の酸解離定数Kaの逆数の常用対数値pKaで示すものとする。また、有機酸が多段解離する場合は、一段目の酸解離定数pKaの値で示すものとする。
本発明における有機酸は、コハク酸、マロン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、マレイン酸、アジピン酸、サリチル酸、安息香酸、フタル酸、グリコール酸、アスコルビン酸、これらの異性体、重合体もしくは共重合体、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。これらの有機酸は室温で固体であり、粉末が容易に入手可能である。
本発明においては、反応系内から水分除去することが重要である。なお、水分の除去は、系内から完全に除去することが好ましいが、加熱混合において反応が停止し、且つ炭酸セリウムと有機酸との加熱混合後から焼成までの間に反応が進行しなければ、水分が残存していても本発明の効果は得られる。すなわち、加熱混合した後の粉体(加熱混合粉体)をすぐに焼成する場合は、反応が停止する程度に水分を除去すれば問題はない。また、加熱混合した後すぐに焼成せずに、保管しておくことも可能である。その場合は、反応系内から水分を完全除去した場合は、保管中に水分が混入しないようにすれば反応は進行しない。反応系内に水分が残存している場合は、加熱混合における加熱温度、水分の残存量と、保管条件(温度)が保管中の反応停止の有無の重要パラメータとなる。詳細は後述する。また、水分が残存する場合も保管中は、水分が混入しないように保管しておくことが重要である。
反応を停止させるためには反応系内から水分を除去することが重要であるが、異なるロットで同程度の粉砕性を有する酸化セリウム粉体を得るためには、炭酸セリウムと有機酸との加熱混合の条件を同一条件とすることが重要である。以下、本発明における加熱混合の好ましい条件を示す。
本発明の酸化セリウム粒子の製造方法において、前記(I)工程の加熱は、40〜200℃の範囲で行われることが好ましい。
本発明において、「加熱温度」とは反応に用いる加熱混合装置設定温度を表す。但し、加熱混合装置が大きかったり、仕込み量が多かったり等の理由で内部温度が設定温度の±20%を超えて異なる場合は、内部の温度を実測して加熱温度とする。加熱における加熱温度としては、加熱混合装置の大きさや伝熱面積、設備材質の伝熱効率、混合方式、装置の密閉性といった外部要因を考慮して決定することができるが、具体的には、例えば、40〜200℃の範囲が好ましい。水分が容易に蒸発するようにする点では、加熱温度は50℃以上であることが好ましく、80℃以上であることがより好ましい。一方、加熱温度が高いと有機酸が分解する可能性もあるので、加熱温度の上限としては、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
また、本発明において、加熱時に反応系を減圧することが好ましい。具体的には、例えば、50℃未満の加熱である場合、水分が蒸発しにくくなるため、−90kPa以下に減圧することが好ましい。また、50℃以上での加熱であっても適宜減圧を組み合わせることにより、より効率的に水分除去が進むこともある。
加熱混合における時間としては、加熱温度とも関係するが、1.5〜4時間が好ましく、2〜3時間がより好ましい。なお、本発明において、加熱混合時間とは、炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合装置内に仕込み、混合と装置の加熱を開始してから、装置の混合と加熱を停止するまでの時間をいう。
加熱混合方式については特に制限はないが、加熱混合により二酸化炭素と水蒸気が発生するため、密閉されていない加熱混合装置又は密閉されており排気機能を持つ加熱混合装置が好ましい。具体的には、例えば、図1に示すように、反応容器3の内部に攪拌羽根2を備え、容器外周に加熱手段4を有する、密閉されていない加熱混合攪拌装置1等が挙げられる。なお、反応容器3や攪拌羽根2の形状は特に限定されない。
また、加熱混合装置1は、装置と原料の有機酸が接する部分は、有機酸による金属腐食が起因となり、腐食した金属が混合粉に混入し金属異物となる可能性があるため、有機酸による金属腐食性を考慮して、攪拌羽根2や反応容器3の内壁等の接粉部を耐腐食性のある樹脂や金属仕様とすることが好ましい。
炭酸セリウムは水分を含有しており、粉体流動性が良くなく、加熱混合装置に対する付着性が強い。そのため加熱混合装置の接粉部に対して、表面のすべりが向上し平坦性の良いポリフッ化エチレン系繊維コーティング処理を行うと、有機酸に対する耐腐食性も兼ね備えているため好ましい。
密閉されていない加熱混合装置で加熱混合する場合、原料としての炭酸セリウムと有機酸とに含有される水分を蒸発させて除去するため、十分な蒸気排出口を持つ容器が好ましい。十分な蒸気排出口がなければ加熱混合装置内に蒸気が滞留し、水分除去を速やかに行うことができない又は滞留した蒸気が原料と接することで、原料がドロドロとした粘土のような状態となってしまう場合がある。
密閉されており排気機能を持つ加熱混合装置を使用する場合、十分な排気能力を備えている装置が好ましい。排気能力が十分でなければ加熱混合装置内に蒸気が滞留し、水分除去を速やかに行うことができない又は滞留した蒸気が原料と接することで、原料がドロドロとした粘土のような状態となってしまう場合がある。
密閉されており排気機能を持つ加熱混合装置を使用する場合、排気と同時に減圧することで、より水分を除去しやすい条件とすることができる。減圧する際の真空度に関して制限はないが、加熱温度、加熱混合時間、混合方式、加熱混合装置への原料仕込み量、加熱混合装置の粉に対する伝熱面積等のパラメータが関係する。これらのパラメータに留意し、蒸気を十分に排出させて水分を除去することが好ましい。
加熱混合により水分を除去し、炭酸セリウムと有機酸との反応が停止したことを確認する方法として、加熱混合粉体の経時による質量減少の有無を確認する方法がある。反応が進行すると二酸化炭素が発生するため、その分の質量が減少するため、質量が減少していなければ反応が進行していないと判断できる。
質量減少の有無の判断方法として、加熱混合終了直後の粉体(加熱混合粉体)の質量と、焼成を行う直前の粉体の質量を測定し、その間の質量減少量を測定することで判断できる。本発明においては、加熱混合粉体を温度25℃で24時間放置した後の質量減少量が0〜0.1質量%であるとき、反応が停止していると判断できる。なお、本発明において「加熱混合終了直後の粉体の質量」とは、具体的には、加熱及び混合を終了して30分以内に、5〜40℃の範囲で測定した質量とする。
具体的な測定方法としては次のようなものが挙げられる。すなわち、炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し、加熱混合装置を停止して加熱混合粉体を得た後(30分以内)に、1〜100g程度、加熱混合粉体を量りとる。次に、その加熱混合粉体サンプルを温度25℃で24時間放置し、再度質量を測定する。そして、加熱混合終了直後の加熱混合粉体の質量と24時間放置後の粉体の質量から、質量減少量を計算で求める。このようにして求めた24時間放置後の加熱混合粉体の質量減少量は、加熱混合粉体の質量に対して0〜0.1質量%であることが好ましく、0〜0.05質量%がより好ましく、0〜0.02質量%であればさらに好ましい。少なくとも質量減少量が0.1質量%以下であれば、質量減少は無く反応が停止していると判断することができる。
反応系内から水分を完全に除去しない場合、加熱混合粉体を保管する環境によって、炭酸セリウムと有機酸との反応が停止する場合と停止しない場合がある。保管する環境が高温である方が反応は停止しにくい。例えば、保管を室温下で行う場合、夏季と冬季のように大気温度で約30℃差がある環境では、夏季の温度条件を考慮して加熱温度を設定する必要がある。加熱混合工程において、反応系内から水分を完全除去する場合は、保管温度と加熱温度を考慮しなくてもよい。いずれにしても、本発明においては、加熱混合粉体を温度25℃で24時間放置した後の質量減少量が0〜0.1質量%であるとき、反応が停止していると判断できる。
また、質量減少の有無の別の判断方法として、加熱混合粉体を少量サンプリングし、保管環境よりも高温に加熱し質量変化が起きないか加速試験を行うことでも、判断可能である。具体的には例えば、保管環境が10〜25℃である場合、水分を蒸発させた加熱後のサンプルの質量を測定し、そのサンプルを温度40℃の環境にある高温層又はオーブン内に2時間放置し、再度質量を測定する等の方法を挙げることができる。これにより、簡易に質量減少の有無を判断できる。
つまり、「40℃2時間放置後の質量減少量」が0〜0.1質量%であれば、「25℃で24時間放置した後の質量減少量」も0〜0.1質量%と判断でき、すなわち反応が停止していると判断できる。しかし、40℃2時間放置後の質量減少量」が0.1質量%を超える場合は、25℃で24時間放置した後の質量減少量の確認が必要である。
次に、上記のようにして得た加熱混合粉体を、バッチ式炉、ロータリーキルン、トンネル炉等の従来公知装置を用いて焼成し、酸化セリウム粉体を得る。本発明における焼成温度は、セリウム化合物の酸化温度が300℃であることから、350℃以上が好ましく、より好ましくは400℃以上900℃以下、さらに好ましくは、600℃以上800℃以下である。
なお、本発明において、焼成の昇温速度は特に制限はない。
上記方法により作製された酸化セリウム粉体は、線源をCuKα線とする粉末X線回折パターンから求められる主ピークである酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅が0.27〜0.50°であることが好ましい。半値幅が0.27°以上である場合は、粉砕機の部品を磨耗させることもなく、磨耗粉が研磨液中に混入する可能性が高まり、研磨傷の原因となることもなく好ましい。半値幅が0.50°以下の場合は粉砕性が低下することもなく、大粒径粒子が粉砕されずに残り、研磨液中に混入して研磨傷の原因となることもなく好ましい。
線源をCuKα線とする粉末X線回折パターン(以下、「CuKα粉末X線回折パターン」ともいう)は、X線回折装置(株式会社リガク製、製品名:RINT2100)で測定できる。
測定条件は、発散スリット1°、散乱スリット1°、受光スリット0.30mm、ステップ幅0.02°、計数時間5.0sec、管電圧40kV、管電流20mAとする。回折角(2θ)を横軸に、回折X線強度(cps)を縦軸にとり、得られたデータをプロットし、研磨液中の酸化セリウム粒子の主ピークである酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅を求める。半値幅はピーク高さの半分のところのピーク幅である。図2に半値幅の測定例を示す。
上記方法により作製された酸化セリウム粉体は、下記粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物の全体の99体積%(以下、「D99」という。)が粒子径0.1〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8μm以下である。下記粉砕条件(a)後の酸化セリウム粉砕物のD99は、本発明の製造方法の粉砕工程における酸化セリウム粉体の粉砕性の指標とできる。
粉砕条件(a)後の酸化セリウム粉砕物のD99が1μmを超える場合は、使用に問題はないが、粉砕性が悪く、以下に記述する粉砕工程で大粒子径粒子が粉砕されずに残り、研磨液中に混入研磨傷の原因となる傾向があるため好ましくない。粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物のD99が0.1μmより小さい場合は、使用に問題はないが、SiO膜あるいは窒化珪素膜を高速に研磨することが困難となる傾向があるため好ましくない。
粉砕条件(a):酸化セリウム粉体に対して、湿式粉砕機マイクロ分散チャンバー内のオリフィスで高圧で加速させて粉砕する方式の湿式粉砕機を用い、圧力100MPaでオリフィス径0.1mmの分散チャンバーを15回通過させて湿式粉砕処理を行う。
より具体的には、酸化セリウム粉体27gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)6.8gと脱イオン水152gとを混合した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、粉砕チャンバー型式:H10Z−1、オリフィス径:0.1mm)を、粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて15回通過させ湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物を得る。湿式粉砕処理後のスラリ中の酸化セリウム粉砕物の粒径をレーザ回折式粒度分布計((株)堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度85%の条件で測定して、D99を求める。
また、半導体素子研磨に使用することから、アルカリ金属及びハロゲン類の含有率は酸化セリウム粒子中10ppm以下に抑えることが好ましい。
上記の方法により製造された酸化セリウム粉体を、粉砕することにより、本発明の酸化セリウム粒子が得られる。本発明における粉砕方法は、特に制限はないが、ジェットミル等による乾式粉砕、遊星ビーズミル等による湿式粉砕が挙げられる。なかでも湿式粉砕で粉砕する場合は、粉砕設備に対する酸化セリウム粒子中の微粒子の付着が少ないという点で好ましい。乾式粉砕で粉砕する場合は、粉砕設備機内の温度上昇が発生しにくいという点で好ましい。ジェットミルとしては、例えば、化学工業論文集、第6巻、第5号、(1980)、527〜532頁に説明されている。
<研磨液及びこれを用いた研磨法>
本発明の研磨液は、少なくとも酸化セリウム粒子及び水を含む研磨液を言う。
上記のように製造された本発明の酸化セリウム粒子は、研磨液、特に、半導体平坦化用研磨液として好適に用いられる。
本発明の研磨液は、上記製造方法で得られた本発明の酸化セリウム粒子及び水を含み、例えば、本発明の酸化セリウム粒子を水に分散することによって得られる。
本発明の研磨液は、さらに分散剤を含むことが好ましく、例えば、本発明の研磨液は、上記製造方法で作製した酸化セリウム粒子、分散剤を含んだ組成物を水に分散させることによって得られる。
酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、分散液状の研磨液の取り扱いやすさから、0.1質量%以上、20質量%以下の範囲が好ましい。
分散剤としては、例えば、アクリル酸系のモノマを重合させたポリマ又はその塩が好ましい。アクリル酸モノマとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられ、これらのホモポリマ又はコポリマであってもよい。半導体素子研磨に使用することからナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属及びハロゲンの含有率を10ppm以下に抑えることが好ましい。より具体的には、例えば、ポリアクリル酸の塩、アクリル酸とメタクリル酸の共重合体の塩等が好ましく、塩としてはアンモニウム塩であることが好ましい。
分散剤添加量は、研磨液中の粒子の分散性及び沈降防止、さらに研磨傷(研磨傷)と分散剤添加量との関係から酸化セリウム粒子100質量部に対して、0.01質量部以上5.0質量部以下の範囲が好ましい。
分散剤の重量平均分子量は、100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。分散剤の分子量が100以上であると、SiO膜又は窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度を得やすく、分散剤の分子量が50,000以下であれば、粘度が高くなることもなく、研磨液の保存安定性が低下することもない。
なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエークションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
これらの酸化セリウム粒子を水中に分散させる方法としては、通常の攪拌機による分散処理の他にホモジナイザー、超音波分散機、湿式ボールミル等を用いることができる。
本発明の研磨液中の固体全体に占める粒子径3μm以上の酸化セリウム粒子の粗大粒子含有量は少ないことが好ましい。前記3μm以上の粗大粒子とは、本発明では孔径3μmのフィルタでろ過することで捕捉される粒子をいう。本発明では、研磨液中の固体全体に占める粒子径3μm以上の粒子含有量が質量比で500ppm以下であることが好ましく、これにより研磨傷低減効果が明らかである。固体全体に占める3μm以上の粒子含有量が200ppm以下の場合研磨傷低減効果が大きく、より好ましい。固体全体に占める3μm以上の粒子含有量が100ppm以下の場合には研磨傷低減効果が最も大きく、さらに好ましい。
3μm以上の粗大粒子含有量は、孔径3μmのフィルタでろ過することで捕捉される粒子を質量測定で求めることができる。研磨液中の固体全体の含有量は、別途、研磨液を乾燥させて測定しておく。例えば、10gの研磨液を150℃で1時間乾燥させた残りを質量測定して固体濃度を得る。そして、孔径3μmのフィルタでのろ過に用いる研磨液の質量に前記固体濃度を乗じて、固体全体の含有量を得ることができる。
粗大粒子含有量を低減する手段としては、ろ過、分級が可能であるが、これに限定されるものではない。
本発明の研磨液中の酸化セリウム粒子の粒子径の中央値(以下、「D50」ともいう)は、0.1〜1μmが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μm、さらに好ましくは0.1〜0.3μmである。粒子径の中央値が0.1μm以上であるとSiO膜あるいは窒化珪素膜の研磨速度が低くなることもなく、0.5μm以下であれば被研磨膜表面に研磨傷が生じることもないからである。
本発明の研磨液中の前記酸化セリウム粒子のD99は、粒子径1μm以下であることが好ましい。D99が1μmを超えると研磨傷発生が多くなる。D99が0.7μm以下の場合、研磨傷を少なくできるため、さらに好ましい。
研磨液中の酸化セリウム粒子の中央値(D50)及びD99は、レーザ回折式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度74%の条件で測定する。
また、研磨液中の酸化セリウム粒子の中央値(D50)及びD99を上記範囲とするために、粉砕後に、沈降分級、ろ過等により調製することが好ましい。
また、研磨液には、平坦性、分散性を更に向上させる高分子添加剤を加えることができる。以下限定されるわけではないが、例えばアクリル酸エステル誘導体、アクリル酸、アクリル酸塩等のポリマーを加えることができる。高分子添加剤の添加量は、特に限定されないが、酸化セリウム粒子100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下が好ましい。
なお、アクリル酸は上記分散剤としても用いられるが、高分子添加剤にアクリル酸を用いる場合は、アクリル酸の添加量は高分子添加剤の添加量を基準とすればよい。
高分子添加剤の重量平均分子量は100〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましい。重量平均分子量が100以上であれば、SiO膜あるいは窒化珪素膜を研磨するときに、十分な研磨速度を得ることができ、重量平均分子量が50,000以下であれば、粘度が高くなり、研磨液の保存安定性が低下することもないためである。
本発明の研磨液は、pHが、3以上9以下であることが好ましく、5以上8以下であることがより好ましい。pHが3以上であれば化学的作用力が小さすぎることもなく、研磨速度が低下することもない。pHが9以下であれば化学的作用が強すぎて被研磨面が皿状に窪む(ディッシング)こともない。
pHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製のModel pH81)で測定することができる。具体的には、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
本発明の研磨液は、例えば、酸化セリウム粒子、分散剤、高分子添加剤及び水から構成される一液式研磨液としても調整することができ、また酸化セリウム粒子、分散剤及び水からなる酸化セリウムスラリーと、高分子添加剤及び水からなる添加剤とを分けた二液式研磨液として調整することもできる。いずれの場合においても、安定した特性を得ることができる。
酸化セリウムスラリーと添加剤とを分けた二液式研磨液として保存する場合、これら二液の配合を任意に変えられることにより平坦化特性と研磨速度の調整が可能となる。二液式の場合、添加剤と酸化セリウムスラリーとを別々の配管で任意の流量で送液し、これらの配管を合流させて、すなわち供給配管出口の直前で両者を混合して、研磨定盤上に供給する方法か、予め任意の割合で両者を容器内で混合してから供給する方法(事前混合方式)がとられる。
本発明の研磨液は、基板に形成されている被研磨膜と、研磨布との間に研磨液を供給しながら、被研磨膜が研磨布に接するよう基板を研磨布に押し当て加圧し、被研磨膜と研磨布とを相対的に動かして被研磨膜の平坦化研磨に使用される。
被研磨膜が形成されている基板としては、例えば、半導体装置の形成工程に関する基板、具体的には回路素子が形成された段階の半導体基板上に無機絶縁層が形成された基板、シャロー・トレンチ素子分離形成工程において基板上に無機絶縁層が埋込まれた基板等が挙げられる。そして、被研磨膜である前記無機絶縁層としては、少なくとも酸化珪素膜からなる絶縁層が挙げられる。
以下、本発明の実施例及びその比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(実施例1)
<研磨液の製造>
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。
その後、混合羽根の回転と装置の加熱を同時に開始して、ヒータ設定温度110℃で2.5時間加熱混合を行った。その後、混合羽根の回転と加熱を停止し、加熱混合粉体を回収した。回収直後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体をアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で750℃まで昇温し、その後750℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉末であることを確認した。
また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.274°であった。X線回折の測定は、株式会社リガク製のX線回折装置(製品名:RINT2100)を用いて行った。
粉砕性を確認するため、酸化セリウム粉砕物のD99を下記のように測定した。上記作製した酸化セリウム粉体27gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)6.8gと脱イオン水152gとを混合した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、粉砕チャンバー型式:H10Z−1、オリフィス径:0.1mm)を、粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて15回通過させ湿式粉砕処理を行った。湿式粉砕処理後のスラリ中の酸化セリウム粉砕物の粒径をレーザ回折式粒度分布計((株)堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度85%の条件で測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.98μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて8回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を室温で20時間静置沈降させ、上澄みを採取した。この上澄み液を孔径1.0μmのフィルタでろ過した後、再び1.0μmのフィルタでろ過し、脱イオン水を加えて固形分濃度を5質量%に調整して、酸化セリウム粒子含有の半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、レーザ回折式粒度分布計((株)堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度74%の条件で測定した結果、粒子径の中央値(D50)は0.19μm、D99は0.7μmであった。
また、原子吸光光度計((株)島津製作所製、型番:AA−6650)を用いて測定した酸化セリウム粒子含有のスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。なお、不純物(Fe)は、湿式粉砕時の粉砕機の摩耗による混入と考えられる。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を15倍に希釈し、3μmフィルタ(ワットマン社製のサイクロポア トラック エッチ メンブランフィルタ)で30gろ過した。ろ過後、フィルタを室温で乾燥させて、フィルタの質量を測定し、ろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。別途、この研磨液10gを150℃で1時間乾燥させて研磨液中の固体濃度を算出した。その結果、3μm以上の粗大粒子量(質量比)は、研磨液の固体中300ppmであった。
<研磨液の評価>
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、以下の方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
[研磨試験方法]
研磨荷重:30kPa
研磨パッド:ロデール社製発泡ポリウレタン樹脂(IC−1000)
回転数:定盤75rpm、パッド75rpm
研磨液供給速度:200mL/min
研磨対象物:P−TEOS成膜Siウェハ(200mm)
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例2)
実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収直後と回収から1週間後の加熱混合粉の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
以下、焼成まで実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。すなわち、回収から1週間後に質量測定した後、実施例1と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.274°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.98μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例3)
実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら730℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度730℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.273°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.80μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて6回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を用い、実施例1と同様の方法で半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中250ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は15個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例4)
実施例3で得た酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて6回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を室温で100時間静置沈降させ、上澄みを採取した。この上澄み液を孔径0.7μmのフィルタでろ過した後、再び0.7μmのフィルタでろ過し、脱イオン水を加えて固形分濃度を5質量%に調整して、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.16μm、D99は0.5μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中20ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は350nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は5個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例5)
実施例1と同様に加熱混合粉を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら710℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度710℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.294°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.95μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は640nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例6)
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転と装置の加熱を同時に開始して、ヒータ設定温度80℃で3.5時間加熱混合を行った。その後、混合羽根の回転と加熱を停止し、加熱混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.280°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.90μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例7)
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転と装置の加熱を同時に開始して、ヒータ設定温度150℃で1.5時間加熱混合を行った。その後、混合羽根の回転と加熱を停止し、加熱混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.278°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.93μmであった。
また、上記作製した酸化セリウムを用い、実施例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(実施例8)
市販の炭酸セリウム2.8kg及びマロン酸1.9kgを用い、実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.456°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.70μmであった。
また、上記作製した酸化セリウムを用い、実施例3と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中240ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は630nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は15個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例1)
円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)に、市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転を開始して、室温で5分間混合を行った。その後、混合羽根の回転を停止し、混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、混合粉をアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で770℃まで昇温し、その後770℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.272°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.81μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例3と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中250ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は15個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例2)
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を混合し回収した。回収後と回収から1週間後の混合粉の質量を測定したところ、その間の質量減少は23.9質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1週間後に質量測定した後、混合粉体を比較例1と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.252°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、比較例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.73μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、比較例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、比較例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.6ppmであった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を比較例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中230ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は50個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
上記比較例1及び2に示したように、加熱混合を行わないと、混合から焼成までの時間が変わると、得られる酸化セリウム粉体の特性及びこれを用いて作製した半導体平坦化用研磨液の特性が異なってしまう。
(比較例3)
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を室温で混合し回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.241°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.85μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.8ppmであった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中250ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は55個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例4)
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を室温で混合し回収した。回収後と回収から1時間後の混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら700℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度700℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.275°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は1.28μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で、粉砕し、半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中500ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は55個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例5)
市販の炭酸セリウム2.8kgをアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で800℃まで昇温し、その後800℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.274°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は1.55μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中600ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は60個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例6)
比較例5で得た酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて20回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を用い、実施例1と同様の方法で半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、酸化セリウム粒子の粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.4ppmであった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中450ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は50個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
(比較例7)
市販の炭酸セリウム2.8kgをアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で900℃まで昇温し、その後900℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.221°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は0.99μmであった。
また、上記作製した酸化セリウム粉体を用い、実施例1と同様の方法で半導体平坦化用研磨液を作製した。
得られた半導体平坦化用研磨液中の酸化セリウム粒子の粒径を、実施例1と同様にして測定した結果、粒子径の中央値は0.19μm、D99は0.7μmであった。また、実施例1−1と同様にして測定した酸化セリウムスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で1.2ppmであった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、実施例1と同じ研磨試験方法で研磨を行った。研磨速度は660nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は70個観察された。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
Figure 0005369610
Figure 0005369610
本発明の酸化セリウム粒子の製造方法に用いる加熱混合装置の一つの実施の形態を示す。 本発明の研磨液中の酸化セリウム粒子の主ピークである酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅を求める測定例を示す。
符号の説明
1 加熱混合装置
2 攪拌羽根
3 反応容器
4 加熱手段

Claims (10)

  1. (I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
    (II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、及び
    (III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
    を有し、前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われることを特徴とする、酸化セリウム粒子の製造方法。
  2. (I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
    (II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、及び
    (III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
    を有し、前記(I)工程直後の加熱混合粉体の質量と、該加熱混合粉体を温度25℃で24時間放置した後の加熱混合粉体の質量とを比較したとき、質量減少量が、0〜0.1質量%であることを特徴とする、酸化セリウム粒子の製造方法。
  3. 前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われる、請求項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
  4. 前記(I)工程の加熱混合の時間が、1.5〜4時間である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
  5. 前記加熱混合粉体を焼成して得られた酸化セリウム粉体は、線源をCuKα線とする粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅が0.27〜0.50°であり、
    下記粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物の99体積%が粒子径0.1〜1μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
    粉砕条件(a):分散チャンバー内のオリフィスで高圧で加速させて粉砕する方式の湿式粉砕機を用い、圧力100MPaでオリフィス径0.1mmの分散チャンバーを15回通過させ湿式粉砕処理を行う。
  6. 前記(II)工程の焼成が、400〜900℃の範囲で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法により酸化セリウム粒子を製造する工程、及び
    得られた酸化セリウム粒子を水に分散する工程を含む、研磨液の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法により酸化セリウム粒子を製造する工程、及び
    得られた酸化セリウム粒子と分散剤を含んだ組成物を水に分散する工程を含む、研磨液の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載の研磨液の製造方法により研磨液を製造する工程、及び
    得られた研磨液で所定の基板を研磨する工程を含む、基板の研磨法。
  10. 前記所定の基板が、少なくともSiO膜が形成された半導体チップである、請求項に記載の基板の研磨法。
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