JP5369610B2 - 酸化セリウム粒子の製造方法、研磨液の製造方法、及び基板の研磨法 - Google Patents
酸化セリウム粒子の製造方法、研磨液の製造方法、及び基板の研磨法 Download PDFInfo
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Description
しかし、このような研磨液はシリカ粒子と比較して研磨傷が多いという課題がある。
これらのセリウム塩を仮焼、粉砕した酸化セリウムを分散して、半導体平坦化用研磨液が製造されている。
しかし、従来酸化セリウムの製造に用いられている炭酸セリウム等のセリウム化合物を焼成粉砕する方法では、粉砕に長時間を要する上、粉砕機の部品が磨耗して磨耗粉が研磨液中に混入する可能性が高まる。研磨液に混入した磨耗粉は研磨傷の原因となるため好ましくない。
また、本発明は、研磨傷を低減させることが可能な酸化セリウム粒子を含有する研磨液を提供することを目的とする。
粉末の炭酸セリウムと有機酸は、お互いが含有している水分を媒体として、混合状態中、反応が緩やかに逐次進行している。炭酸セリウムと有機酸との反応が完了していない場合、混合してから焼成するまでの間も反応が進行してしまう。このため、混合してから焼成するまでの時間を一定にしなければ、製造ロットごとに酸化セリウム粉体の粉砕性にバラツキが発生してしまうのであると考えた。
しかし、本発明においては、加熱混合することで、連続運転式の焼成炉で急加熱しても結晶性を高めずに粉砕性のよい酸化セリウム粉体が得られ、それにより研磨傷低減を可能とした酸化セリウム粒子を安定的に効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)(I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
を有することを特徴とする酸化セリウム粒子の製造方法。
(3)前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われる上記(1)又は(2)に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
下記粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物の99体積%が0.1〜1μmである上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
粉砕条件(a):分散チャンバー内のオリフィスで高圧で加速させて粉砕する方式の湿式粉砕機を用い、圧力100MPaでオリフィス径0.1mmの分散チャンバーを15回通過させ湿式粉砕処理を行う。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる酸化セリウム粒子。
(8)上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる酸化セリウム粒子及び水を含む研磨液。
(10)前記研磨液中の、粒径3μm以上の酸化セリウム粒子含有量が固体中の500ppm以下である上記(8)又は(9)に記載の研磨液。
(12)前記研磨液中の酸化セリウム粒子全体の99体積%が粒径1μm以下である上記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の研磨液。
(14)前記所定の基板が、少なくともSiO2膜が形成された半導体チップである上記(13)に記載の基板の研磨法。
本発明の酸化セリウム粒子の製造方法は、下記の工程を有することを特徴とする。
(I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程。
なお、本発明において、加熱混合とは、混合してから加熱する方法と加熱しながら混合する方法を意味するが、均一に加熱する点で加熱しながら混合する方が好ましい。
しかし、炭酸セリウムと有機酸を混合して焼成を行うと、炭酸セリウムと有機酸との化学反応が起こり、炭酸イオンが置換され、セリウムの有機酸塩の生成を経て熱分解し、酸化セリウム粉体が得られる。この酸化セリウム粉体は、炭酸セリウムと形状が大きく異なり、また、市販のセリウム塩をそのまま焼成して得られる酸化セリウム粉体とも形状が大きく異なり、微細な粒子の集合体となる。この酸化セリウム粉体は微細な粒子の集合体であるために容易に短時間で粉砕され、酸化セリウム微粒子となる。
従来は、炭酸セリウムと有機酸を混合後、焼成、粉砕して酸化セリウム粒子を得る製造方法において、粉砕性は、酸化セリウム粉体の形状と結晶性で決まる。
酸化セリウム粉体の形状は、炭酸セリウムと有機酸を混合してセリウムの有機酸塩が生成し、焼成によりセリウムの有機酸塩が熱分解するときの形状により決まる。セリウムの有機酸塩の形状は、混合後、熱分解温度に達するまでの時間や、温度、水分等の雰囲気の状態によって決まる。また、セリウムの有機酸塩が生成する反応の進行度の影響も受ける。
さらに、本発明における酸は粉末状であることが、炭酸セリウムと混合しやすいことから好ましい。粉末の大きさは特に限定されるものではない。
本発明の酸化セリウム粒子の製造方法において、前記(I)工程の加熱は、40〜200℃の範囲で行われることが好ましい。
つまり、「40℃2時間放置後の質量減少量」が0〜0.1質量%であれば、「25℃で24時間放置した後の質量減少量」も0〜0.1質量%と判断でき、すなわち反応が停止していると判断できる。しかし、40℃2時間放置後の質量減少量」が0.1質量%を超える場合は、25℃で24時間放置した後の質量減少量の確認が必要である。
なお、本発明において、焼成の昇温速度は特に制限はない。
測定条件は、発散スリット1°、散乱スリット1°、受光スリット0.30mm、ステップ幅0.02°、計数時間5.0sec、管電圧40kV、管電流20mAとする。回折角(2θ)を横軸に、回折X線強度(cps)を縦軸にとり、得られたデータをプロットし、研磨液中の酸化セリウム粒子の主ピークである酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅を求める。半値幅はピーク高さの半分のところのピーク幅である。図2に半値幅の測定例を示す。
粉砕条件(a)後の酸化セリウム粉砕物のD99が1μmを超える場合は、使用に問題はないが、粉砕性が悪く、以下に記述する粉砕工程で大粒子径粒子が粉砕されずに残り、研磨液中に混入研磨傷の原因となる傾向があるため好ましくない。粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物のD99が0.1μmより小さい場合は、使用に問題はないが、SiO2膜あるいは窒化珪素膜を高速に研磨することが困難となる傾向があるため好ましくない。
より具体的には、酸化セリウム粉体27gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)6.8gと脱イオン水152gとを混合した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH、粉砕チャンバー型式:H10Z−1、オリフィス径:0.1mm)を、粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて15回通過させ湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物を得る。湿式粉砕処理後のスラリ中の酸化セリウム粉砕物の粒径をレーザ回折式粒度分布計((株)堀場製作所社製、商品名:LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度85%の条件で測定して、D99を求める。
本発明の研磨液は、少なくとも酸化セリウム粒子及び水を含む研磨液を言う。
上記のように製造された本発明の酸化セリウム粒子は、研磨液、特に、半導体平坦化用研磨液として好適に用いられる。
酸化セリウム粒子の濃度に制限はないが、分散液状の研磨液の取り扱いやすさから、0.1質量%以上、20質量%以下の範囲が好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエークションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン換算した値である。
粗大粒子含有量を低減する手段としては、ろ過、分級が可能であるが、これに限定されるものではない。
研磨液中の酸化セリウム粒子の中央値(D50)及びD99は、レーザ回折式粒度分布計(例えば、堀場製作所製、LA−920)を用い、屈折率1.93、透過度74%の条件で測定する。
また、研磨液中の酸化セリウム粒子の中央値(D50)及びD99を上記範囲とするために、粉砕後に、沈降分級、ろ過等により調製することが好ましい。
なお、アクリル酸は上記分散剤としても用いられるが、高分子添加剤にアクリル酸を用いる場合は、アクリル酸の添加量は高分子添加剤の添加量を基準とすればよい。
pHは、pHメータ(例えば、横河電機株式会社製のModel pH81)で測定することができる。具体的には、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.21(25℃)、中性りん酸塩pH緩衝液pH6.86(25℃))を用いて、2点校正した後、電極を研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。
(実施例1)
<研磨液の製造>
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体をアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で750℃まで昇温し、その後750℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉末であることを確認した。
また、原子吸光光度計((株)島津製作所製、型番:AA−6650)を用いて測定した酸化セリウム粒子含有のスラリー中の不純物(Fe)は、質量比で0.2ppm以下であった。なお、不純物(Fe)は、湿式粉砕時の粉砕機の摩耗による混入と考えられる。
また、上記半導体平坦化用研磨液を脱イオン水で5倍に希釈し、以下の方法で研磨を行った。研磨速度は650nm/min、光学顕微鏡でウエハ表面を観察したところ、200mmウエハ全面に研磨傷は20個観察された。
研磨荷重:30kPa
研磨パッド:ロデール社製発泡ポリウレタン樹脂(IC−1000)
回転数:定盤75rpm、パッド75rpm
研磨液供給速度:200mL/min
研磨対象物:P−TEOS成膜Siウェハ(200mm)
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収直後と回収から1週間後の加熱混合粉の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
以下、焼成まで実施例1と同様の評価を行ったところ、実施例1と同様の結果が得られた。すなわち、回収から1週間後に質量測定した後、実施例1と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.274°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら730℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度730℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.273°であった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
実施例3で得た酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて6回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を室温で100時間静置沈降させ、上澄みを採取した。この上澄み液を孔径0.7μmのフィルタでろ過した後、再び0.7μmのフィルタでろ過し、脱イオン水を加えて固形分濃度を5質量%に調整して、半導体平坦化用研磨液を作製した。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中20ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
実施例1と同様に加熱混合粉を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら710℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度710℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.294°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転と装置の加熱を同時に開始して、ヒータ設定温度80℃で3.5時間加熱混合を行った。その後、混合羽根の回転と加熱を停止し、加熱混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.280°であった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
加熱混合装置として、円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)を用い、該装置内に市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転と装置の加熱を同時に開始して、ヒータ設定温度150℃で1.5時間加熱混合を行った。その後、混合羽根の回転と加熱を停止し、加熱混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.278°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
市販の炭酸セリウム2.8kg及びマロン酸1.9kgを用い、実施例1と同様に加熱混合粉体を作製、回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は0質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、加熱混合粉体を実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.456°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中240ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
円筒状回転羽根式混合装置機(mazelar製、製品名:PMT−18、オプション:ヒータを円筒外部に巻付け間接加熱を設置、装置内の接粉部をポリフッ化エチレン系繊維コーティングでシュウ酸の金属腐食防止処理)に、市販の炭酸セリウム2.8kg及びシュウ酸2.3kgを投入した。その後、混合羽根の回転を開始して、室温で5分間混合を行った。その後、混合羽根の回転を停止し、混合粉体を回収した。回収後と回収から1時間後の混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、混合粉をアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で770℃まで昇温し、その後770℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.272°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中250ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を混合し回収した。回収後と回収から1週間後の混合粉の質量を測定したところ、その間の質量減少は23.9質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1週間後に質量測定した後、混合粉体を比較例1と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.252°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を比較例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中230ppmであった。
上記比較例1及び2に示したように、加熱混合を行わないと、混合から焼成までの時間が変わると、得られる酸化セリウム粉体の特性及びこれを用いて作製した半導体平坦化用研磨液の特性が異なってしまう。
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を室温で混合し回収した。回収後と回収から1時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、実施例3と同様に焼成することにより、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.241°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中250ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
比較例1と同様に炭酸セリウムとシュウ酸を室温で混合し回収した。回収後と回収から1時間後の混合粉体の質量を測定したところ、その間の質量減少は6.0質量%であった。また、25℃で24時間後の加熱混合粉体の質量を測定したところ、その質量減少は21.4質量%であった。
回収から1時間後に質量測定した後、混合粉をロータリーキルン(炉径250mmφ、炉長4000mm)に毎時8kgの速度で投入し、空気を吹き込みながら700℃で1時間焼成し(投入された加熱混合粉が焼成温度700℃まで昇温する昇温速度は毎分53℃)、黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.275°であった。
上記作製した酸化セリウム粉体を、粉砕性を確認するために、実施例1と同様に湿式粉砕処理を行い、酸化セリウム粉砕物の粒径を測定したところ、酸化セリウム粉砕物のD99は1.28μmであった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中500ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
市販の炭酸セリウム2.8kgをアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で800℃まで昇温し、その後800℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.274°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中600ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
比較例5で得た酸化セリウム粉体1000gとポリアクリル酸アンモニウム塩水溶液(40質量%)25gと脱イオン水5600gとを混合し、10分間撹拌した後、湿式粉砕機(Microfluidics社製、製品名:マイクロフルイダイザーM−110EH)を粉砕圧力100MPa、液温5〜20℃にて20回通過させ湿式粉砕処理を行った。得られた分散液を用い、実施例1と同様の方法で半導体平坦化用研磨液を作製した。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中450ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
市販の炭酸セリウム2.8kgをアルミナ製容器に入れ、バッチ式炉にて、空気雰囲気下、昇温速度毎分6.5℃で900℃まで昇温し、その後900℃で1時間保持し焼成することにより黄白色の粉末を1.4kg得た。この粉末をX線回折法で相同定を行ったところ酸化セリウム粉体であることを確認した。また、CuKα粉末X線回折パターンの酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅は0.221°であった。
研磨液中の3μm以上の粗大粒子含有量を調べるために、得られた半導体平坦化用研磨液を実施例1と同様にしてろ過前後の質量増加分から3μm以上の粗大粒子量を求めた。その結果、3μm以上の粗大粒子量は固体中300ppmであった。
酸化セリウム粒子の製造条件、特性、研磨結果を表1、表2に示す。
2 攪拌羽根
3 反応容器
4 加熱手段
Claims (10)
- (I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、及び
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
を有し、前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われることを特徴とする、酸化セリウム粒子の製造方法。 - (I)炭酸セリウムと有機酸とを加熱混合し加熱混合粉体を得る工程、
(II)該加熱混合粉体を焼成して酸化セリウム粉体を得る工程、及び
(III)該酸化セリウム粉体を粉砕して、酸化セリウム粒子を得る工程、
を有し、前記(I)工程直後の加熱混合粉体の質量と、該加熱混合粉体を温度25℃で24時間放置した後の加熱混合粉体の質量とを比較したとき、質量減少量が、0〜0.1質量%であることを特徴とする、酸化セリウム粒子の製造方法。 - 前記(I)工程の加熱が、40〜200℃の範囲で行われる、請求項2に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
- 前記(I)工程の加熱混合の時間が、1.5〜4時間である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
- 前記加熱混合粉体を焼成して得られた酸化セリウム粉体は、線源をCuKα線とする粉末X線回折パターンから求められる酸化セリウム結晶の(111)面による回折ピークの半値幅が0.27〜0.50°であり、
下記粉砕条件(a)で粉砕した後の酸化セリウム粉砕物の99体積%が粒子径0.1〜1μmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
粉砕条件(a):分散チャンバー内のオリフィスで高圧で加速させて粉砕する方式の湿式粉砕機を用い、圧力100MPaでオリフィス径0.1mmの分散チャンバーを15回通過させ湿式粉砕処理を行う。 - 前記(II)工程の焼成が、400〜900℃の範囲で行われる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法により酸化セリウム粒子を製造する工程、及び
得られた酸化セリウム粒子を水に分散する工程を含む、研磨液の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の酸化セリウム粒子の製造方法により酸化セリウム粒子を製造する工程、及び
得られた酸化セリウム粒子と分散剤を含んだ組成物を水に分散する工程を含む、研磨液の製造方法。 - 請求項7又は8に記載の研磨液の製造方法により研磨液を製造する工程、及び
得られた研磨液で所定の基板を研磨する工程を含む、基板の研磨法。 - 前記所定の基板が、少なくともSiO2膜が形成された半導体チップである、請求項9に記載の基板の研磨法。
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