JP5369274B2 - 有機電界効果トランジスタ - Google Patents

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本発明は、メモリ機能を有する有機電界効果トランジスタに関する。
電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor, FET)のチャネル領域に有機半導体を用いる有機FETは、無機半導体を用いるFETと比較して、スクリーン印刷等のインク塗布技術により安価に製造することが可能である上、フレキシブルであり大面積化が容易であるという利点を有する。従って、近年、その実用化に向けた技術開発に大きな期待が寄せられている。
そして、有機FETは、印刷技術による単純積層工程で形成可能であることから、有機発光ダイオード等との複合素子を容易に作成することができるので、色々な電子デバイスへの応用が検討されている。例えば、光応答性を有する有機薄膜トランジスタ(有機FET)の開発も試みられている(非特許文献1と非特許文献2)。非特許文献1と2では、有機FETの絶縁膜に光感応性の高分子を用い、光入力に対して応答する有機FETを作製している。この構造のものは、光照射状態の有無に応答する光スイッチ的用法は期待されるが、ゲート絶縁体全体に光電導性材料を使用しているため、安定なメモリ機能は期待できない。また、光照射下でのゲート絶縁体のインピーダンス低下がゲート漏れ電流を増加させ、素子の待機時の消費電力が上がってしまうという問題点もある。
河合宏紀ら、第52回春季応用物理学会関係連合講演会30a-YG-11 吉田学ら、第53回春季応用物理学会関係連合講演会 23a-ZG-5
有機FETの有機半導体層の特性を改良する試みも、色々と行われてきた。例えば、有機FETのスイッチング特性を向上させるためには、チャネル領域の、即ち、有機半導体の電気伝導度を大きくする必要があるが、有機半導体の電気伝導度は一般に無機半導体よりも小さい。そこで、有機FETの性能を高めるために、チャネル領域を構成する有機半導体の電気伝導度を大きくする工夫も行われている。例えば、特許文献1には、有機FETのソース電極とドレイン電極の間のチャネル領域を形成する有機半導体材料層を、鋭利な先端形状を有する部材を用いて、有機半導体材料層の表面に平行な方向の力を加えることにより、少なくともチャネル領域の一部において有機半導体材料層の分子又は微結晶又は微粒子の配向方向を所定の方向に変化させた有機FETが開示されている。そして、スイッチング特性の良好な有機FETが得られたことが示されている。
特開2006−228860号公報
有機FETの応用の一つとして、例えば、光メモリ機能に着目すると、前記のように、有機FETに光応答性を付加したものとして、有機半導体層中あるいは有機半導体/絶縁体の界面近傍での光誘起効果を使った光応答性素子は提案されている。しかし、従来のものは、電界効果で誘起されるキャリアー数に光誘起キャリアーを重畳変調する方法であることから、有機半導体のキャリアー誘起能力を更に高く設定する必要があること、また、有機半導体層に直接光照射を行うため半導体性能の劣化を誘引し、素子寿命を低下させること、更に、光照射の結果、半導体/絶縁体界面での界面分極状態が変動し、トランジスタ特性に変調が生じる等の問題がある。従って、従来の手法あるいは手段をそのまま応用しても、十分な性能を有する光メモリは得られない。
本発明の課題は、有機FETの応用の一つとして、外部からの刺激、例えば、外部からの光に応答する光メモリのようなメモリ機能を有する、外部刺激応答性素子の基本的な原理・構成を提供することにある。
本発明者は、外部刺激応答性素子としての有機FETの性能は、MISキャパシタの静電容量により規定される点に着目し、この静電容量を、外部刺激により、例えば、光学的に変調させることにより、有機FETの電気特性を変調させ、明確な光応答性を組込む手段・構成を見出したものである。
本発明の請求項1記載の発明は、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有し、該ソース電極と該ドレイン電極の間のチャネル領域が該有機半導体層からなり、該有機半導体層と該ゲート電極が絶縁性高分子からなるゲート絶縁層によって隔てられている有機電界効果トランジスタにおいて、前記ゲート電極が、前記ゲート絶縁層側から順番に配置された、フローティングゲート電極、外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、コントロールゲート電極から構成され、前記フローティングゲート電極は前記チャネル領域を覆うように配置されており、かつ、前記ゲート絶縁層の誘電率をki、膜厚をdiとし、前記第2絶縁層の通常状態での誘電率をkp、膜厚をdpとするとき、これら膜厚と誘電率の間でkp/dp<<ki/di(右辺が十分に大きい)なる関係を保持させるように配置されていることを特徴とする有機電界効果トランジスタである。本発明において「チャネル領域」とは、ソース電極とドレイン電極の間にあり、ゲート電圧が印加されることにより電荷が誘起され、ソース−ドレイン間に電圧が印加されることによりその電荷が移動する領域を意味する。また、本発明においてゲート絶縁層は真性絶縁層であり、前記第2絶縁層に対応して第1絶縁層という場合もある。
本発明においては、前記フローティングゲート電極が、遮光性であるのが好ましい。また、前記第2絶縁層が、外部からの光応答性のものであるのが好ましい。
また、前記第2絶縁層が、外部からの圧力応答性のものであるものも好ましい。
そして、本発明の他の態様は、請求項1〜4のいずれか1項記載の有機電界効果トランジスタを用いたメモリである。例えば、光メモリの場合には、照射光の特定波長域での光応答性を組み込むことができる。
本発明の有機FETは、ゲート電極が、ゲート絶縁層側から順番に配置された、フローティングゲート電極、外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、コントロールゲート電極から構成されているものである。従って、外部刺激を受ける面、例えば、光照射面は素子裏面のゲート面全体を利用するため、極めて大きな開口率を有する受光素子となる。一方、光照射等の外部刺激に対しぜい弱な有機半導体層は、フローティングゲートで遮光等をすることが可能であるので、光等の応答素子でありながら高いトランジスタ性能を低下させない機能をも有する。
本発明の有機FETあるいはそれを利用した電子デバイスを製造するに際しては、無機半導体の場合と異なり、比較的低温のプロセスで製造することができる。このため、基板にプラスチックフィルムを使用でき、軽量で柔軟性に優れた壊れにくい電子デバイスを作製できる利点がある。また、有機半導体材料を用いた半導体層は、塗布法や印刷法によって形成できるので、大面積の電子デバイスを高価な設備を必要とせず低コストで製造できるという利点もある。更に、有機半導体材料は、材料のバリエーションが豊富であり、分子構造を変化させて材料特性を根本的に変えることもできるので、無機半導体材料にはない機能を有する素子が得られる可能性がある。
本発明の有機電界効果トランジスタを用いたメモリのうち、例えば、光メモリにおいては、照射光の特定波長域で光応答性を組込むことが可能で、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)等光の三原色に応答する素子を個々にデザインし、RGBに対応したイメージメモリとして利用できる。
本発明の有機FETは、ソース電極とドレイン電極の間のチャネル領域が有機半導体層からなり、有機半導体層とゲート電極がゲート絶縁層によって隔てられている有機電界効果トランジスタにおいて、前記ゲート電極が、前記ゲート絶縁層(第1絶縁層)側から順番に配置された、フローティングゲート電極、外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、コントロールゲート電極から構成されているものである。
一般に、電界効果トランジスタ(FET)は、半導体中の電子や正孔(キャリア)の流れが電界により制御されることを利用した増幅用の素子である。この素子は、ゲート、ソース、ドレインの三つの電極を持ち、ゲート電極からの信号の付与により、ソース電極とドレイン電極間の電流の通路(チャネル)の幅が変わり、それによりドレイン電極への出力電流が変調されるという特徴を有する。FETの動作は、金属/絶縁層/半導体(MIS)構造キャパシタの半導体側に蓄積される電荷によって左右される。
一方、電荷を蓄積・保持する機構としてフラッシュメモリのフローティングゲート技術が知られている。これは、トンネル酸化膜を第1絶縁層としてフローティングゲート電極を形成した上に第2絶縁層を介してコントロールゲート電極を重ねた二層構造のゲート電極を備えたトランジスタであり、コントロールゲート電極に高電圧を印加することでソース電極からから電荷(電子又は正孔)をトンネル効果によりフローティングゲート電極に注入し電荷を保持するものである。
本発明の有機FETは、基本的に上記と同様の素子構造で構成されるが、駆動機構はそれと異なり、半導体/第1絶縁層/フローティングゲート電極/第2絶縁層/コントロールゲート電極で構成される二つの直列接続キャパシタにおいて、第2絶縁層が外部刺激に応答して、フローティングゲート電極−コントロールゲート電極間容量が変調し、半導体層中に誘起されるキャリア数が変化する機能を利用した素子である。コントロールゲート電極よりフローティングゲート電極へ実際に電荷が注入され、これが孤立する機構が付加された場合、記憶機能が発現し、外部刺激応答型のメモリ機能をも有する素子として動作するものである。以下、図を用いて本発明の有機FETの構成とその作用について説明する。
先ず、第2絶縁層が、外部からの光応答性のものである有機電界効果トランジスタについて説明する。図1〜3は、本発明の有機FETの動作機構を説明するための図である。図1に示したように、ソース電極1とドレイン電極2としては金を、フローティングゲート電極3としては銀を、コントロールゲート電極4としてはITO(酸化インジウムと酸化スズからなる半導体セラミックス)を、有機半導体層5としては可溶化フラーレン誘導体(PCBM、n型半導体)を、ゲート絶縁層6(真性絶縁層又は第1絶縁層)としては高い誘電率(ki)を有する絶縁性薄膜を、第2絶縁層7としては、外部刺激(照射光)に応答して光導電性を呈する薄膜として、ポリ−N−ビニルカルバゾール(PVK:P型半導体)に増感剤として染料(2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、TNF)を混合した複合膜を用いた例である。有機半導体層5とフローティングゲート電極3の間隔(第1絶縁層の膜厚)をdiとし、フローティングゲート電極3とコントロールゲート電極4の間隔(第2絶縁層の膜厚)をdpとする。ここで、通常状態での第2絶縁層の誘電率をkpとすると、膜厚と誘電率の間でkp/dp<<ki/diなる関係を保持させる。
図1は光を照射しない暗の状態で、コントロールゲート4と有機半導体層5の間隔はd(=di+dp)と大きいので、ゲート電圧をかけた状態でも静電容量C(1/dに比例)は小さい。この状態で、図2に示したように、図2の矢印の方向から光を照射すると、光導電性層のキャリア輸送性の発現により、フローティングゲート電極3とコントロールゲート電極4は短絡されてフローティングゲート電極3に電荷が流れ込む。この結果、絶縁層は本来のゲート絶縁層厚(di)のみと短くなる(di=d−dp)。従って、静電容量C(1/diに比例)は大きくなり、ソース電極1とドレイン電極2間に導電性が与えられる。
上記の状態で、図3に示すように、ゲート電圧が加えられた状態で光照射を止めると、第2絶縁層7が絶縁化するためフローティングゲート電極3とコントロールゲート電極4は電気的に切断され、フローティングゲート電極3に流れ込んだ電荷は孤立する。その後はゲート電圧の状態にかかわらず、フローティングゲート電極3上の保持された電荷と静電容量Cにより、対極となる有機半導体層5中にはキャリアが誘起されたままとなり、導電性は保持される。メモリ状態は、フローティングゲート電極3を直接ソース電極1に短絡させるか、コントロールゲート電極4をソース電極1に短絡したまま、光照射を行うことで、フローティングゲート電極3上に蓄積した電荷を放電させれば消去される。こうして光照射の履歴で電導性が保持され続けることから、光メモリ機能が得られる。色素の種類を変えれば、赤(R)緑(G)青(B)に対応した光メモリが出来る。
本発明の有機FETにおいて、光導電性を第2絶縁層に付加する代わりに、第2絶縁層を空気層に仕立て、コントロールゲート電極とフローティングゲート電極を空気層で対向して配置することもできる。そして、この場合に、コントロールゲート電極が配置される基板を柔軟なゴム(例えば、シリコーン樹脂等)で構成すれば、圧力センサー機能が付加されたトランジスタを設計することができる。あるいは、第2絶縁層をポリフッ化ビニリデン等の圧電性を有する樹脂で構成しても、圧力センサー機能が付加される。かかる場合も、加圧により分子分極の配向が保持されれば、メモリ効果は生じる。かかる態様は、第2絶縁層が、外部からの圧力応答性のものである有機電界効果トランジスタの例である。
あるいは、上記と同じ空気層を有する素子構造体において、この空気層を液体経路として素子を設計した場合には、この経路への液体の流入により下層のキャパシタは電気二重層を形成し著しく増加する。その結果、コントロールゲート電圧の殆どは、フローティングゲート電極と有機半導体層に挟まれた第1絶縁層に集中するので、オン状態が形成される。つまり、かかる有機FETは、液体の流入を検出する素子、例えば、μTASチップ中の流体検出素子として活用することが可能となる。この素子は、流体中に可動イオンが存在し、各極性イオンが各ゲート表面に吸着すればメモリ効果が得られるが、純粋な液体の場合実電荷は蓄積されないので、原理的にはメモリ効果は得られない。純粋な液体が検体である場合、液体がなくなれば、自然にオフ状態となる。
上記と同様の動作機構で、この液体経路(マイクロ流路)中にガス吸着性のある乾燥ゲルを充填すれば、ガスや温度、湿度などの吸着により乾燥ゲルは電気二重層を形成し、下層のキャパシタ容量は著しく増加することから、検出系としても応用できる。
従来の様々なセンサーは、その単独素子として開発されてきた。即ち、一般に、物理量変化の検出を電気信号系に変換することを考えて、何か検出機能を有する材料の抵抗値変動を電気回路系で変調増幅することで、検出系と信号処理系の各モジュールを組み合わせてセンサーが構築されてきた。
これに対し、本発明の有機FETからなる素子は、こうしたセンシング機能をゲート容量変化に還元し一体化したものである。例えば、ある物理量のセンシング結果として、それが電導度変化であった場合、二つのゲート間を接続する抵抗変化と位置付け、これを本発明の有機FETで検出することができる(光メモリはこのケース)。あるいは、物質の誘電性が変化する対象である場合には、同様に誘電率変化を二つのゲート間容量の変化として検出すれば良い(液体センサーはこのケース)。
従来のシリコン素子と異なり、本発明の有機FETを用いる特徴は、異種物質の単純積層プロセスで組み上げられることから、様々な異種物質であるセンシング材料を、二つのゲート電極(フローティングゲート電極とコントロールゲート電極)間に積層構造体として容易に組込むことが可能であり、センサーと一体化した有機FETを構築することが出来るということである。
本発明の有機FETを製造するに際しては、先ず、ゲート電極のコントロールゲート電極の表面に、第2絶縁層、フローティングゲート電極、ゲート絶縁層の順に形成された層の上に、有機半導体から成る層を形成する。ソース電極及びドレイン電極は、有機半導体層を形成した後、あるいは有機半導体層に対して下記の操作を行った後に形成しても良いし、有機半導体層を形成する前にゲート絶縁層上に形成しても良い。後者の方が電極の作製が容易である上、電極作製時の熱等により有機半導体層を劣化させることがない。また全ての積層工程は反転させても良い。有機半導体層は、ソース電極とドレイン電極の間の、少なくともチャネル領域を含む領域に形成すれば良い。
本発明において用いることのできる有機半導体の材料には、特に制限はない。用いることのできる有機半導体の材料には、例えば、フラーレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリアニリン誘導体等のポリマーや、オリゴチオフェン誘導体、チオフェン/フェニレンオリゴ共重合体、ナフタレンやアントラセン誘導体、ペンタセン誘導体等のモノマーやオリゴマー等がある。
本発明の有機FETは、有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極、ゲート絶縁層(第1絶縁層)、外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、フローティングゲート電極、コントロールゲート電極の他、通常、電子デバイスに用いられる配線や保護膜等から構成される。
本発明において外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、例えば、外部からの光照射により光電導性を呈する第2絶縁層としては、光電導性を有するあらゆる薄膜を適用することが可能である。例えば、一般に電子複写で使用されている光増感とキャリアー輸送の機能をそのまま使用することができる。具体的には、例えば、PVKにTNFを光増感材として添加した薄膜、あるいはスチレン−ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂、ポリカーボネート等の透明なバインダー樹脂中にベンズイミダゾール、トリフェニルアミン等の低分子光導電体を分散した光輸送層と、アゾ顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料やローダミンB等の有機色素をそのまま、或いは先の透明バインダー樹脂中に分散させた光キャリア生成層、との積層構造体から構成される。
本発明において、フローティングゲート電極は、銀、アルミニウム、銅、ポリシリコン、シリコン、有機金属錯体、ドープされた有機半導体等の導電性材料から形成される。コントロールゲートは、ITO(酸化インジウムと酸化スズからなる半導体セラミックス)、ネサガラス等の透明導電材料、多結晶シリコン、高融点金属、シリサイド、有機金属錯体、ドープされた有機半導体等から形成される。ゲート絶縁層は真性絶縁層であり、絶縁性の金属酸化物、絶縁性セラミックス、絶縁性高分子等から形成される。ソース電極及びドレイン電極は、例えば、金等の金属、或いは高い電導性を有する有機金属錯体、ドープされた有機半導体から形成される。
本発明の有機FETは、通常の有機FETあるいはフローティングゲート等の作成法に準じて製造される。例えば、電極の作成には、蒸着やスパッタ法とそれをパターニングするためのマスク蒸着あるいはリソグラフィー法が用いられる。あるいは、銀パウダーとバインダー樹脂と溶剤から形成される銀ペーストを、スキージ印刷、塗布法、インクジェット法等により成膜する方法が用いられる。ゲート絶縁層は、ゲート基板の全面熱酸化、スパッタ法、ゲート金属の陽極酸化法、有機絶縁膜の蒸着やスピンコート成膜、スキージ印刷、塗布法、インクジェット法により作成される。有機半導体層は、蒸着法、溶液によるスピンコート成膜、スキージ印刷、塗布法及びインクジェット法等による成膜法で作成される。
素子の封止については、無機膜のフィラメントCVD法、有機膜の蒸着や蒸着重合法、ポリマーのスピンコート法やラミネート法などが行われる。重合の熱処理を除けば、いずれの方法もプロセス温度は室温からせいぜい100℃であり、基板温度が一番高くなるのは金属などの蒸着時の受動的な温度上昇によるものである。従って、自ずから低温プロセスであり、フイルム基板との相性も良い。ソース電極、ドレイン電極、フローティングゲート電極、コントロールゲート電極に対しては、金属配線層が接続されるようになっている。
本発明の有機FETの一例について、その作製法を図も用いながら詳細に説明する。図4は作成方法を説明するための、有機FETの断面図である。図4に示したように、ポリエチレンテレフタレートのベース基板8の表面をリソグラフフィルムでマスキングした後に、ITOをCVDコーティングし、コントロールゲート電極4を形成する。その上部から、PVKとTNFが混合されたクロロホルム溶液をコートし、光感応性のある第2絶縁層7を形成する。
次に、シャドーマスクを介して銀ペーストをスキージ印刷し、150℃の熱処理を行いフローティングゲート3を形成する。この上からポリイミドをスピンコート法で成膜し、150℃での熱処理を行い、ゲート絶縁層(第1絶縁層)6を形成する。この上からスピンコート法により、PCBM半導体層5を形成する。
対極として、ポリエチレンテレフタレート対向基板9にホトマスクを用い、二つの隣接した金電極1(ソース電極)と2(ドレイン電極)を形成する。隣接電極のギャップが、銀のフローティングゲートの上に重なるようにアライメントを合わせて二つの基板材を接合し、封印型素子(本発明の有機FET)が形成される。各電極の外部への配線行程は、常法に従って行うことができる(図示せず)。かくして、第2絶縁層が、外部からの光照射によって導電性となる特徴を有する有機FETが得られた。
本発明の有機FETは、ほぼ全ての作成行程を溶媒からのキャスト法により低温作成することが可能であるので、極めて安価な手法で、例えば、カラー光メモリ素子を柔軟なプラスチック基材上に作成することが可能となる。そして、極めて安価なデジタルイメージングフィルム等への応用が考えられる。成膜はフイルム上に作成されるため、極めて大きな受光素子を比較的安価に作成することが可能であるので、例えば、精密な光学レンズ系を必要としない安価な等身大受光素子等の作成が可能となる。また、その他、光電子エレクトロニクス、保持機能を有するイメージセンサー等への利用が考えられる。
本発明の有機FETの動作機構を説明するための図(光を照射しない暗の状態)。 本発明の有機FETの動作機構を説明するための図(光を照射した状態)。 本発明の有機FETの動作機構を説明するための図(ゲート電圧を加え光照射を止めた状態)。 本発明の光メモリ機能を有する有機電界効果トランジスタの断面図。
符号の説明
1 ソース電極
2 ドレイン電極
3 フローティングゲート電極
4 コントロールゲート電極
5 有機半導体層
6 ゲート絶縁層(第1絶縁層)
7 第2絶縁層
8 基板
9 対向基板

Claims (5)

  1. 有機半導体層、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極を有し、該ソース電極と該ドレイン電極の間のチャネル領域が該有機半導体層からなり、該有機半導体層と該ゲート電極が絶縁性高分子からなるゲート絶縁層によって隔てられている有機電界効果トランジスタにおいて、前記ゲート電極が、前記ゲート絶縁層側から順番に配置された、フローティングゲート電極、外部刺激に応答して導電性となる性質を有する第2絶縁層、コントロールゲート電極から構成され、前記フローティングゲート電極は前記チャネル領域を覆うように配置されており、かつ、前記ゲート絶縁層の誘電率をki、膜厚をdiとし、前記第2絶縁層の通常状態での誘電率をkp、膜厚をdpとするとき、これら膜厚と誘電率の間でkp/dp<<ki/diなる関係を保持させるように配置されていることを特徴とする有機電界効果トランジスタ。
  2. フローティングゲート電極が、遮光性であることを特徴とする請求項1記載の有機電界効果トランジスタ。
  3. 第2絶縁層が、外部からの光応答性のものであることを特徴とする請求項1又は2記載の有機電界効果トランジスタ。
  4. 第2絶縁層が、外部からの圧力応答性のものであることを特徴とする請求項1又は2記載の有機電界効果トランジスタ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の有機電界効果トランジスタを用いたメモリ。
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