以下、本発明の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図5は本発明の第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
図1において、1は本発明が適用される回転霧化頭型塗装装置(以下、塗装装置1という)を示し、該塗装装置1は、後述の高電圧発生器20により塗料に高電圧を直接的に印加する直接帯電式の静電塗装装置として構成されている。前記塗装装置1は、例えば塗装作業用のロボット装置、レシプロケータ等のアーム(図示せず)の先端に取付けられている。そして、塗装装置1は、後述のハウジング2、エアモータ8、回転霧化頭16、回転検出装置22等によって大略構成されている。
2は塗装装置1の外形を形成するハウジングを示している。このハウジング2は、ハウジング本体3とカバー4とにより大略構成されている。そして、ハウジング2は、内部にエアモータ8を収容するものである。
ここで、ハウジング本体3は、ハウジング2の本体部分を形成し、その後部側がアームの先端に取付けられている。また、ハウジング本体3は、カバー4および後述のシェーピングエアリング5と共に例えば絶縁性を有する樹脂材料を用いて形成されている。これにより、ハウジング本体3等は、高電圧発生器20による高電圧に帯電するエアモータ8とアームとの間を絶縁し、塗料に印加される高電圧がリークするのを防止している。
そして、ハウジング本体3は、前側に位置して円筒状に形成された筒部3Aと、該筒部3Aの後側に設けられた円柱状の底部3Bとにより構成されている。前記筒部3Aの内周側は、エアモータ8を嵌合状態で収容するモータ収容部3Cとなっている。一方、底部3Bには、後述のタービンエア通路12、排出エア通路13等が設けられている。
カバー4は、ハウジング本体3を覆うように該ハウジング本体3の外周側に取付けられている。このカバー4は、例えばハウジング本体3とほぼ同様の絶縁性樹脂材料を用いて、円筒体として形成されている。また、カバー4の前側には、後述のシェーピングエアリング5が取付けられている。
5はハウジング2の前側に設けられたシェーピングエアリングを示している。このシェーピングエアリング5は、例えばハウジング本体3とほぼ同様の絶縁性樹脂材料を用いて段付筒状に形成されている。また、シェーピングエアリング5は、ハウジング本体3の前部に対面した状態で、カバー4の前側に取付けられている。前記シェーピングエアリング5の前端部には、多数個(2個のみ図示)のエア噴出口5Aが周方向に列設して開口している。また、シェーピングエアリング5の後部には、後述するエアモータ8の前側を支持する支持段部5Bが凹陥して形成されている。
そして、シェーピングエアリング5は、シェーピングエア通路6等を介して供給されるシェーピングエアをエア噴出口5Aから噴出する。前記シェーピングエア通路6は、ハウジング本体3を軸方向に貫通するように設けられ、基端側がエア源7に接続されると共に、先端側がエア噴出口5Aに接続されている。前記エア噴出口5Aから噴出するシェーピングエアは、後述の回転霧化頭16から噴霧された塗料の噴霧パターンを、所望の噴霧パターンになるように整えるものである。
8はハウジング2に設けられたエアモータを示している。該エアモータ8は、圧縮エアを動力源として回転霧化頭16を例えば3000〜150000rpmの高速で回転させるものである。前記エアモータ8は、後述のモータハウジング9、回転軸10、タービン11および空気軸受14,15によって大略構成されている。そして、エアモータ8は、例えば導電性金属材料を用いて形成されている。
9はハウジング本体3のモータ収容部3C内に収容されたモータハウジングを示し、該モータハウジング9は、導電性金属材料を用いて円筒状に形成されている。前記モータハウジング9には、軸方向に延びる小径の軸穴9Aが形成されると共に、該軸穴9Aの軸方向の基端側に位置して大径のタービン室9Bが形成されている。そして、軸穴9Aのうち軸方向の先端側は、モータハウジング9の前端面に開口している。
10はモータハウジング9の軸穴9A内に挿入された回転軸を示し、該回転軸10は、例えばステンレス鋼(SUS)等の導電性金属材料を用いて中空な細長い円筒状に形成されている。前記回転軸10の軸方向の基端側は、タービン室9B内に進入し、タービン室9Bの径方向の中心位置付近に配置されている。一方、回転軸10の軸方向の先端側は、軸穴9Aから突出し、モータハウジング9の前側に向けて伸長している。そして、回転軸10の先端側には、後述の回転霧化頭16を取付けるためのねじ部10Aが設けられている。
また、回転軸10の軸中心O−O部分には、軸方向に貫通したフィードチューブ挿通孔10Bが形成されている。そして、フィードチューブ挿通孔10Bには、後述のフィードチューブ17が挿通されている。
11は回転軸10の基端側(後端側)に取付けられたタービンを示している。このタービン11は、ハウジング9内に収容され、回転軸10の基端側にその軸中心O−Oと同軸に取り付けられている。ここで、タービン11は、例えばアルミニウム合金等の導電性金属材料を用いて円盤状体によって形成されている。このタービン11の外周面には、多数の羽根11Aが形成されている。また、タービン11の軸方向の後端側には、鍔部11Bが一体に形成されている。この鍔部11Bは、これらの羽根11Aと軸線方向に同軸に重なるように、かつこれらの羽根11Aよりも大径となって径方向外側に向けて突出した大径な円盤状体として形成されている。そして、タービン11は、モータハウジング9のタービン室9B内に収容されている。
12はモータハウジング9のタービン室9Bの位置で径方向に設けられたタービンエア通路で、このタービンエア通路12の流出口は、タービン室9B内のタービン11の羽根11Aに向けて開口している。一方、タービンエア通路12の流入側は、制御弁(図示せず)等を介してエア源7に接続されている。そして、タービンエア通路12は、タービンエアとして、例えば圧力が3〜6kg/cm2で、流量が100〜600NL/minとなる高圧の圧縮エアが流通する。これにより、タービン11の羽根11Aには、タービンエア通路12を通じてタービンエアが供給される。この結果、タービン11は、タービンエアの圧力によって回転軸10および回転霧化頭16と一緒に図2および図3中の回転方向Rに向けて回転駆動する。
また、タービン室9Bには排出エア通路13の流入口が開口し、該排出エア通路13の流出側は外部(大気中)に連通している。これにより、タービンエア通路12からタービン11に向けて噴出したタービンエアは、排出エアとなって排出エア通路13に流入し、排出エア通路13を通じてタービン室9Bから外部に排出される。
14は軸穴9Aの内周面に設けられたラジアル空気軸受を示し、該ラジアル空気軸受14は、回転軸10の外周側を取囲んで設けられている。そして、ラジアル空気軸受14は、エア通路(図示せず)を介してエア源7に接続され、エア源7から供給された圧縮エアを回転軸10の外周側に噴出させる。これにより、ラジアル空気軸受14は、回転軸10の外周面が軸穴9Aの内周面に接触するのを防止し、非接触状態で回転軸10を回転可能に支持している。
15はタービン室9Bの軸方向両端面に設けられたスラスト空気軸受を示し、該スラスト空気軸受15は、タービン11の軸方向一端側と他端側の両方に配置されている。そして、スラスト空気軸受15は、エア通路(図示せず)を介してエア源7に接続され、エア源7から供給された圧縮エアをタービン11の軸方向両端面に向けて噴出させる。これにより、スラスト空気軸受15は、タービン11の端面がタービン室9Bの壁面に接触するのを防止し、非接触状態でタービン11を回転可能に支持している。
16はシェーピングエアリング5の前側に位置してエアモータ8の回転軸10の先端部に取付けられた回転霧化頭を示している。該回転霧化頭16は、例えば導電性金属材料を用いてベル形ないしカップ形に形成されている。前記回転霧化頭16は、エアモータ8によって高速回転された状態で後述のフィードチューブ17から塗料が供給されることにより、その塗料を遠心力によって微粒化した無数の塗料粒子として噴霧するものである。
17は回転軸10内に挿通して設けられたフィードチューブで、該フィードチューブ17の先端側は、回転軸10の先端から突出して回転霧化頭16内に延在している。また、フィードチューブ17の基端側は、ハウジング本体3の底部3Bに固定されると共に、塗料通路18を介して塗料供給源として例えば色替弁装置19に接続されている。そして、フィードチューブ17は、塗料通路18等を介して供給される塗料を回転霧化頭16に吐出するものである。
20はハウジング本体3の底部3Bに設けられた高電圧発生器を示し、該高電圧発生器20は、例えばコッククロフト回路によって構成されている。高電圧発生器20の入力側は、高電圧ケーブルを介して電源装置(いずれも図示せず)に接続されている。一方、高電圧発生器20の出力側は、エアモータ8のモータハウジング9に接続されている。そして、高電圧発生器20は、電源装置から供給される電圧を例えば−30〜−150kVに昇圧し、昇圧した高電圧をエアモータ8のモータハウジング9に印加している。これにより、回転軸10および回転霧化頭16も高電圧に帯電するから、回転霧化頭16を介して塗料に高電圧を直接的に印加することができる。
また、モータハウジング9には、タービン室9B内に向けて突出した接続子21が設けられている。該接続子21は、例えば黒鉛等の導電性材料を用いて小型の棒状に形成され、ばね等の付勢部材(図示せず)を用いてタービン11の軸方向端面に向けて付勢されている。そして、タービン11が回転したときには、空気の動圧効果によって、接続子21の先端とタービン11の端面との間に僅かな隙間が形成される。これにより、モータハウジング9と回転軸10およびタービン11との間で電位差が生じたときでも、接続子21とタービン11との間に放電を集中し、不要なスパッタリング現象を防止することができる。
22は回転軸10の軸方向後端側に設けられた回転検出手段としての回転検出装置を示している。該回転検出装置22は、後述する光ファイバプローブ23および光学マーク26によって構成されている。そして、回転検出装置22は、光学的に回転軸10の回転を検出する。
23は光学マーク26に向けて光を入射し、光学マーク26からの反射光を受光する光ファイバプローブを示している。該光ファイバプローブ23は、投光用光ファイバ24および受光用光ファイバ25によって構成されている。前記光ファイバプローブ23は、その先端部分がモータハウジング9に設けられたプローブ取付穴23Aに挿入された状態で、ハウジング2に取り付けられている。このプローブ取付穴23Aは、軸方向に延びてタービン室9Bに連通し、タービン11の鍔部11Bと対面した位置に開口している。このため、光ファイバプローブ23の先端は、タービン11の鍔部11Bの後端面に設けられた光学マーク26に対向している。
また、投光用光ファイバ24および受光用光ファイバ25は、互いに隣接した状態で並んで配置され、タービン11を挟んで回転軸10とは軸方向の反対側に配置されている。前記投光用光ファイバ24および受光用光ファイバ25の先端面は、タービン11の径方向外側に位置する光学マーク26と対面している。前記投光用光ファイバ24の基端側には、例えば発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)等の発光素子(図示せず)が設けられている。これにより、投光用光ファイバ24は、発光素子による例えば赤外光等の光を伝搬し、その先端から光学マーク26に向けてこの光を入射する。
一方、受光用光ファイバ25の基端側には、例えばフォトダイオード(PD)等の受光素子(図示せず)が設けられている。そして、光学マーク26が投光用光ファイバ24からの光を反射したときに、受光用光ファイバ25は、この反射光をその先端から受光して、受光素子まで伝搬する。また、投光用光ファイバ24および受光用光ファイバ25は、例えば光軸がタービン11の後端面と直交している。
26はタービン11の鍔部11Bに設けられた光学マークを示し、該光学マーク26は、図2ないし図5に示すように、タービン11の軸方向後端面に位置している。前記光学マーク26は、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して設けられた2つの面取り部27を用いて形成され、後述の検知部28と非検知部29とを備えている。
この面取り部27は、タービン11の鍔部11Bの外周縁に対して部分的に面取り加工を施すことによって形成されている。また、面取り部27は、回転軸10の軸中心O−Oを中心として例えば90°の角度範囲に亘って形成されている。そして、検知部28と非検知部29とは、周方向に対して例えば等しい間隔をもって交互に配置され、回転軸10およびタービン11と一緒に回転変位する。
28はタービン11の鍔部11Bの後端面の外周側に設けられた光学マーク26の検知部を示している。該検知部28は、図2、図3および図5に示すように、平坦面からなる反射面28Aによって形成され、該反射面28Aは、投光用光ファイバ24から入射される光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。前記反射面28Aは、タービン11の径方向外側に配置され、鍔部11Bの周方向に向けて円弧状に延びている。また、反射面28Aは、回転軸10の回転中心となる軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このとき、2つの反射面28Aは、いずれも回転軸10の軸中心O−Oを中心として90°の角度範囲に亘って形成されている。そして、2つの反射面28Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ検知部28として機能する。
また、反射面28Aは、タービン11の鍔部11Bの後端面に鏡面加工を施すことによって形成されている。前記反射面28Aは、軸方向に延びる光ファイバ24,25の光軸に対して直交している。これにより、反射面28Aは、投光用光ファイバ24が対面したときに、投光用光ファイバ24から入射された光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。
29はタービン11の鍔部11Bの後端面の外周側に設けられた光学マーク26の非検知部を示している。該非検知部29は、図2ないし図4に示すように、面取り部27の表面に形成された径方向傾斜面29Aによって形成されている。この径方向傾斜面29Aは、反射面28Aに対して径方向に傾斜している。具体的には、径方向傾斜面29Aは、タービン11の内径側から外径側に向かうに従って、タービン11の後端面から徐々に離れるように傾斜している。このとき、径方向傾斜面29Aは、反射面28Aと同一面を形成するタービン11の後端面に対して、例えば10°〜80°、好ましくは20°〜70°の傾斜角θをもって形成されている。
また、径方向傾斜面29Aは、反射面28Aと異なる位置でタービン11の径方向外側に配置され、鍔部11Bの周方向に向けて円弧状に延びている。前記径方向傾斜面29Aは、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このとき、各径方向傾斜面29Aは、回転軸10の軸中心O−Oを中心として90°の角度範囲に亘って形成されている。これらの2つの径方向傾斜面29Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ非検知部29として機能する。
そして、径方向傾斜面29Aが投光用光ファイバ24と対面したときには、径方向傾斜面29Aは、投光用光ファイバ24からの光を傾斜角θに応じて光軸から径方向に傾斜した方向に向けて反射する。これにより、径方向傾斜面29Aは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25とは異なる方向に向けて反射する。この結果、径方向傾斜面29Aからの反射光は、直接的には受光用光ファイバ25に入射しない。
第1の実施の形態による塗装装置1は上述の如き構成を有するもので、次に、この塗装装置1を用いて塗装作業を行うときの動作について説明する。
まず、タービンエア通路12を通じてエアモータ8のタービン室9Bに高圧なタービンエアを噴射し、このタービンエアによりタービン11を回転駆動する。このとき、タービン11は、回転軸10および回転霧化頭16と一緒に高速で回転する。この状態で、色替弁装置19で選択された塗料を塗料通路18を介してフィードチューブ17から回転霧化頭16に供給する。これにより、この塗料を回転霧化頭16から微粒化した塗料粒子として噴霧することができる。
このとき、塗料(塗料粒子)には、エアモータ8および回転霧化頭16を通じて高電圧発生器20によって高電圧が印加されている。これによって、高電圧に帯電した塗料粒子は、アースに接続された被塗物に向けて飛行して効率よく塗着することができる。
また、回転検出装置22は、光ファイバプローブ23および光学マーク26を用いて回転軸10の回転数を検出する。そして、塗装装置1は、回転検出装置22によって検出した回転数を用いて、エアモータ8の回転数を制御する。
ここで、回転検出装置22は、投光用光ファイバ24の先端からタービン11の後端面に設けられた光学マーク26に向けて光を入射する。前記回転検出装置22は、受光用光ファイバ25を用いて光学マーク26からの反射光を受光し、この反射光を受光素子を用いて検出する。この光学マーク26の検知部28と非検知部29とは、タービン11の回転に伴って回転変位する。このため、光ファイバ24,25の先端面は、検知部28と非検知部29とが交互に対面する。従って、受光用光ファイバ25が受光する反射光の強度は、パルス状となって周期的に強弱を繰り返す。そこで、反射光の強弱を単位時間当たりのパルス数としてカウントすることによって、回転軸10の回転数を検出することができる。
一方、タービン11は、タービンエア通路12から供給されるタービンエアの圧力によって回転駆動する。また、回転軸10およびタービン11は、空気軸受14,15を用いて非接触状態で支持されている。このため、回転軸10およびタービン11の周囲には、高圧の圧縮エアが供給されている。
圧縮エアをタービン室9Bに供給すると、断熱膨張の作用によりエア温度が急激に低下し、エアに含まれる水分が水滴となってタービン室9Bに滞る。このとき、タービン11に形成された光学マーク26にも水滴が付着するから、水滴によって検知部28の反射面28Aが曇り、反射面28Aの反射率が低下する。
一方、高電圧発生器20は、エアモータ8および回転霧化頭16を通じて塗料に高電圧を印加する。このため、エアモータ8の回転軸10やタービン11にも高電圧が印加されているから、光学マーク26の周囲には、コロナ放電によるオゾンガスやラジカルなN−イオンが発生している。これらのガスやイオンは、無水硝酸(N2O5)を生成し、この無水硝酸がエア中の水分と反応して硝酸を作る。この硝酸によっても、反射面28Aの反射率が低下することがあり、検知部28と非検知部29との間でコントラストが低下する傾向がある。
然るに、第1の実施の形態によれば、光学マーク26の検知部28は反射面28Aによって形成したから、光学マーク26の検知部28に投光用光ファイバ24が対面したときには、図5に示すように、検知部28の反射面28Aは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。
これに対し、光学マーク26の非検知部29は、検知部28の反射面28Aに対して径方向外側に向けて漸次傾斜した径方向傾斜面29Aによって形成されている。このため、光学マーク26の非検知部29に投光用光ファイバ24が対面したときには、図4に示すように、非検知部29の径方向傾斜面29Aは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25の先端面よりも径方向の外側位置(斜め外側)に向けて反射する。
このように、光学マーク26の検知部28と非検知部29とは、光の反射角度が互いに異なる。従って、非検知部29の径方向傾斜面29Aに曇りやぼけが生じ、径方向傾斜面29Aの反射率が変化したときでも、非検知部29の径方向傾斜面29Aからの反射光は直接的には、受光用光ファイバ25に入射されない。即ち、径方向傾斜面29Aからの反射光は、径方向傾斜面29Aの反射率に関係なく、受光用光ファイバ25によって受光されることはない。
この結果、従来技術のように同一平面で反射率を相違させた場合に比べて、非検知部29の径方向傾斜面29Aを用いることによって、反射率の変化による影響を低減することができる。これにより、検知部28と非検知部29との間で、高いコントラストを長期間に亘って維持することができ、エアモータ8の回転検出を確実に行うことができる。従って、回転検出の不良を防止して、塗装装置1を継続して使用することができ、生産性を高めることができる。
また、光学マーク26の非検知部29は径方向傾斜面29Aによって形成されているから、該径方向傾斜面29Aは、検知部28の反射面28Aに対して傾斜していればよく、塗膜の形成や表面加工処理を行う必要がない。このため、塗膜の剥離に伴う不具合が生じることがない。これに加えて、光学マーク26の非検知部29は、例えば切削加工によって容易に形成することができるから、例えばアルマイト処理等を行う場合に比べて加工コストを低下させることができる。
また、光学マーク26の検知部28の反射面28Aおよび非検知部29の傾斜面29Aは、いずれもタービン11の径方向外側に位置する鍔部11Bに設け、タービン11の周方向に向けて円弧状に延びる構成となっている。このため、検知部28および非検知部29を径方向内側に配置した場合に比べて、反射面28Aおよび傾斜面29Aの周方向の長さ寸法を大きくすることができ、検知部28と非検知部29との間のコントラストを高めることができる。
一方、光学マーク26の検知部28の反射面28Aおよび非検知部29の傾斜面29Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置にそれぞれ複数個設けられている。このため、切削加工等によって非検知部29の傾斜面29Aを形成したときでも、回転軸10およびタービン11の回転バランスが取り易くなる。この結果、回転軸10の軸中心O−Oがぶれることなく、回転軸10を高速に回転させることができる。
さらに、モータハウジング9には高電圧発生器20を接続する構成としたから、モータハウジング9を介して回転軸10および回転霧化頭16に高電圧を供給することができる。このため、回転霧化頭16を通じて噴霧塗料粒子に直接的に高電圧を帯電させることができる。これに加えて、光学マーク26の非検知部29は径方向傾斜面29Aによって形成したから、高電圧の印加に伴って回転軸10やタービン11の後端面が劣化したときでも、検知部28と非検知部29との間で高いコントラストを維持することができる。
次に、図6ないし図10は本発明の第2の実施の形態に係る回転検出装置を示している。
本実施の形態の特徴は、光学マークの検知部は、タービンの後端面に設けられた第1の反射面と、該第1の反射面から軸方向に凹陥した凹陥部に設けられた第2の反射面とによって形成し、光学マークの非検知部は、第2の反射面を挟んで凹陥部の周方向両側に設けられた2つの周方向傾斜面によって形成する構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は第2の実施の形態による回転検出手段としての回転検出装置で、該回転検出装置31は、第1の実施の形態による回転検出装置22とほぼ同様に構成され、回転軸10の後端側に位置してタービン11の鍔部11Bに配置されている。そして、回転検出装置31は、光ファイバプローブ23および後述する光学マーク32によって構成されている。
32は第2の実施の形態による光学マークを示し、該光学マーク32は、タービン11の鍔部11Bに設けられ、タービン11の後端面に位置している。前記光学マーク32は、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して設けられた2つの凹陥部33を用いて形成され、後述する検知部34と非検知部35とを備えている。そして、検知部34と非検知部35とは、周方向に対して例えば等しい間隔をもって交互に配置され、回転軸10およびタービン11と一緒に回転変位する。
このとき、凹陥部33は、径方向の外側が開放された状態で、タービン11の鍔部11Bの外周縁に溝加工を施すことによって形成されている。該凹陥部33は、後述する第1の反射面34Aよりも軸方向に凹陥すると共に、周方向に向けて円弧状に延びている。前記凹陥部33は、回転軸10の軸中心O−Oを中心として例えば135°の角度範囲に亘って形成されている。そして、凹陥部33のうち周方向の両端側部位は、溝の深さ寸法が周方向に沿って徐々に変化している。
34は光学マーク32の検知部を示している。該検知部34は、平坦面からなる第1,第2の反射面34A,34Bによって形成され、これらの第1,第2の反射面34A,34Bは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。
ここで、第1の反射面34Aは、例えばタービン11の後端面と同一面をなすように鍔部11Bの後端面によって形成されている。この第1の反射面34Aは、2つの凹陥部33と周方向の異なる位置に配置されている。
一方、第2の反射面34Bは、第1の反射面34Aよりも軸方向に凹陥した2つの凹陥部33の最深部にそれぞれ位置し、該最深部に形成された平坦な底面によって形成されている。即ち、第2の反射面34Bは、後述する2つの周方向傾斜面35A,35Bを挟んで、これら周方向傾斜面35A,35B間の平坦面に配置されている。また、第1の反射面34Aと第2の反射面34Bは、互いに平行な平面となっている。
これらの第1,第2の反射面34A,34Bは、いずれもタービン11の鍔部11Bの径方向外側に位置して円弧状に延び、タービン11の周方向に向けて90°の間隔をもって交互に配置されている。即ち、第1の反射面34Aは、回転軸10の回転中心となる軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。同様に、第2の反射面34Bも、回転軸10の回転中心となる軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このとき、第1の反射面34Aは、回転軸10の軸中心O−Oを中心として45°の角度範囲に亘って形成されている。第2の反射面34Bも、回転軸10の軸中心O−Oを中心として45°の角度範囲に亘って形成されている。
さらに述べると、2つの第1の反射面34Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ検知部34として機能する。同様に、2つの第2の反射面34Bも、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ検知部34として機能する。この場合、第1の反射面34Aと第2の反射面34Bは、タービン11の後端面に十字状をなすように配置されている。
また、第1,第2の反射面34A,34Bは、タービン11の鍔部11Bの後端面および凹陥部33の底面に鏡面加工を施すことによって形成されている。そして、第1,第2の反射面34A,34Bは、いずれも軸方向に延びる光ファイバ24,25の光軸に対して直交している。これにより、第1,第2の反射面34A,34Bは、投光用光ファイバ24が対面したときに、投光用光ファイバ24から入射された光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。
35は光学マーク32の非検知部を示している。該非検知部35は、第2の反射面34Bを挟んで凹陥部33の周方向両側に設けられた第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bによって形成されている。このとき、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bは、反射面34A,34Bに対して周方向に向けて傾斜している。
また、図6中に矢示で示す方向を回転方向Rとすると、第1の周方向傾斜面35Aは、凹陥部33のうち回転軸10の回転方向Rの前側に位置して第1の反射面34Aと第2の反射面34Bとの間に配置されている。即ち、第1の周方向傾斜面35Aは、回転方向Rの前側が第1の反射面34Aに接続され、回転方向Rの後側が第2の反射面34Bに接続されている。これにより、第1の周方向傾斜面35Aは、回転軸10が回転するに従って、徐々に光ファイバ24,25の先端面から離れるように傾斜している。
一方、第2の周方向傾斜面35Bは、凹陥部33のうち回転軸10の回転方向Rの後側に位置して第1の反射面34Aと第2の反射面34Bとの間に配置されている。即ち、第2の周方向傾斜面35Bは、回転方向Rの前側が第2の反射面34Bに接続され、回転方向Rの後側が第1の反射面34Aに接続されている。これにより、第2の周方向傾斜面35Bは、回転軸10が回転するに従って、徐々に光ファイバ24,25の先端面に近付くように傾斜している。
さらに具体的に述べると、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bは、第1,第2の反射面34A,34Bと異なる位置でタービン11の径方向外側に位置して円弧状に延び、タービン11の周方向に向けて90°の間隔をもって交互に配置されている。前記第1の周方向傾斜面35Aは、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。同様に、第2の周方向傾斜面35Bも、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このとき、第1の周方向傾斜面35Aは、回転軸10の軸中心O−Oを中心として45°の角度範囲に亘って形成されている。第2の周方向傾斜面35Bも、回転軸10の軸中心O−Oを中心として45°の角度範囲に亘って形成されている。
この場合、2つの第1の周方向傾斜面35Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ非検知部35として機能する。同様に、2つの第2の周方向傾斜面35Bも、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ非検知部35として機能する。これらの第1の周方向傾斜面35Aと第2の周方向傾斜面35Bは、タービン11の後端面に十字状をなすように配置されている。
上記の場合、タービン11が回転したときには、第1の反射面34A、第1の周方向傾斜面35A、第2の反射面34B、第2の周方向傾斜面35Bの順番で光ファイバ24,25の先端面に対面する。例えば第1の周方向傾斜面35Aが投光用光ファイバ24と対面したときには、第1の周方向傾斜面35Aは、投光用光ファイバ24からの光を光軸から周方向(図10中の上下方向)に傾斜した方向に向けて反射する。同様に、第2の周方向傾斜面35Bも、投光用光ファイバ24からの光を光軸から周方向に傾斜した方向に向けて反射する。これにより、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bは、投光用光ファイバ24から入射される光を受光用光ファイバ25とは異なる方向に向けて反射し、反射光が直接的に受光用光ファイバ25に入射するのを防止する。
かくして、このように構成された第2の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、タービン11のうち軸方向の異なる位置に設けた第1,第2の反射面34A,34Bによって形成されている。このため、第1,第2の反射面34A,34Bを光ファイバ24,25の光軸と直交して配置することによって、第1,第2の反射面34A,34Bは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25に向けて反射することができる。
また、光学マーク32の非検知部35は、第2の反射面34Bを挟んで凹陥部33の周方向の両側に設けた第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bによって形成した。このため、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bは、径方向および光軸と直交した周方向に対して受光用光ファイバ25とは異なる位置に向けて、投光用光ファイバ24からの光を反射する。これにより、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bは、反射光が受光用光ファイバ25に向けて進行するのを防止することができる。
さらに、第1の反射面34Aと第2の反射面34Bとの間は、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bによって繋ぐことができる。このため、例えばタービン11の後端面に凹陥部33を加工することによって、該凹陥部33の底面によって第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bおよび第2の反射面34Bを形成することができる。
次に、図11ないし図15は本発明の第3の実施の形態に係る回転検出装置を示している。
本実施の形態の特徴は、光学マークの非検知部は、V字状凹部の底面に設けられた第1,第2の周方向傾斜面によって形成する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第3の実施の形態による回転検出手段としての回転検出装置で、該回転検出装置41は、第1の実施の形態による回転検出装置22とほぼ同様に構成され、回転軸10の軸方向後端側に配置されている。そして、回転検出装置41は、光ファイバプローブ23および後述する光学マーク42によって構成されている。
42は第3の実施の形態による光学マークを示し、該光学マーク42は、タービン11の鍔部11Bに設けられ、タービン11の軸方向後端面に位置している。前記光学マーク42は、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して設けられた2つのV字状凹陥部43を用いて形成され、後述する検知部44と非検知部45とを備えている。そして、検知部44と非検知部45とは、周方向に対して例えば等しい間隔をもって交互に配置され、回転軸10およびタービン11と一緒に回転変位する。
このとき、V字状凹陥部43は、径方向の外側が開放された状態で、タービン11の鍔部11Bの外周縁に溝加工を施すことによって形成されている。該V字状凹陥部43は、後述する反射面44Aよりも軸方向に凹陥すると共に、周方向に向けて円弧状に延びている。前記V字状凹陥部43は、回転軸10の軸中心O−Oを中心として例えば90°の角度範囲に亘って形成されている。そして、V字状凹陥部43は、軸方向の深さ寸法が周方向に沿って徐々に変化し、周方向の中間位置が最深部43AとなってV字状に窪んでいる。
44は光学マーク42の検知部を示している。該検知部44は、第1の実施の形態による検知部28とほぼ同様に構成され、平坦面からなる反射面44Aによって形成され、該反射面44Aは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。前記反射面44Aは、タービン11の径方向外側に配置され、タービン11の周方向に向けて円弧状に延びている。
また、反射面44Aは、回転軸10の回転中心となる軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。これらの2つの反射面44Aは、いずれも回転軸10の軸中心O−Oを中心として90°の角度範囲に亘って形成されている。そして、2つの反射面44Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ検知部44として機能する。また、各反射面44Aは、軸方向に延びる光ファイバ24,25の光軸に対して直交している。
45は光学マーク42の非検知部を示している。該非検知部45は、V字状凹陥部43の底面に設けられた第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bによって形成されている。この第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、反射面44Aに対して周方向に向けて傾斜している。
また、図11中に矢示で示す方向を回転方向Rとすると、第1の周方向傾斜面45Aは、V字状凹陥部43のうち回転軸10の回転方向Rの前側に位置して反射面44Aと最深部43Aの間に配置されている。一方、第2の周方向傾斜面45Bは、V字状凹陥部43のうち回転軸10の回転方向Rの後側に位置して反射面44Aと最深部43Aの間に配置されている。
このため、第1の周方向傾斜面45Aは、回転方向Rの前側が反射面44Aに接続され、回転方向Rの後側が最深部43Aの位置で第2の周方向傾斜面45Bに接続されている。従って、第1の周方向傾斜面45Aは、回転軸10が回転するに従って、徐々に光ファイバ24,25の先端面から離れるように傾斜している。
これに対し、第2の周方向傾斜面45Bは、回転方向Rの前側が最深部43Aの位置で第1の周方向傾斜面45Aに接続され、回転方向Rの後側が反射面44Aに接続されている。従って、第2の周方向傾斜面45Bは、回転軸10が回転するに従って、徐々に光ファイバ24,25の先端面に近付くように傾斜している。
これらの第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、いずれも反射面44Aと異なる位置でタービン11の径方向外側に配置され、タービン11の周方向に向けて円弧状に延びている。ここで、非検知部45は、第1,第2の周方向傾斜面45A,45BをV字状凹陥部43の最深部43Aで接続することによって形成されている。このため、1組の周方向傾斜面45A,45Bは、1つの連続した非検知部45として機能する。
このとき、第1の周方向傾斜面45Aは、回転軸10の軸中心O−Oを中心として同じ角度範囲(例えば45°)に亘って形成されている。第2の周方向傾斜面45Bも、回転軸10の軸中心O−Oを中心として同じ角度範囲(例えば45°)に亘って形成されている。
そして、非検知部45は、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このため、第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bも、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に対向してそれぞれ配置されている。これにより、これらの第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置されている。
そして、第1の周方向傾斜面45Aが投光用光ファイバ24と対面したときには、周方向傾斜面45Aは、投光用光ファイバ24からの光を光軸から周方向(図15中の上下方向)に傾斜した方向に向けて反射する。同様に、第2の周方向傾斜面45Bも、投光用光ファイバ24からの光を光軸から周方向に傾斜した方向に向けて反射する。これにより、第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、投光用光ファイバ24から入射される光を受光用光ファイバ25とは異なる方向に向けて反射し、反射光が直接的に受光用光ファイバ25に入射するのを防止する。
かくして、このように構成された第3の実施の形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、光学マーク42の非検知部45は、検知部44の反射面44AからV字状に凹陥したV字状凹陥部43の底面に設けられた第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bによって形成した。このため、第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、周方向に対して受光用光ファイバ25とは異なる位置に向けて、投光用光ファイバ24からの光を反射する。これにより、第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bは、反射光が受光用光ファイバ25に向けて進行するのを防止することができる。
次に、図16ないし図19は本発明の参考例による回転検出装置を示している。
本参考例の特徴は、光学マークの検知部は、光を反射する反射面によって形成し、光学マークの非検知部は、光を透過する通過部によって形成する構成としたことにある。なお、本参考例では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は参考例による回転検出手段としての回転検出装置で、該回転検出装置51は、第1の実施の形態による回転検出装置22とほぼ同様に構成され、回転軸10の軸方向後端側に配置されている。前記回転検出装置51は、光ファイバプローブ23および後述する光学マーク52によって構成されている。
52は参考例による光学マークを示し、該光学マーク52は、タービン11の鍔部11Bに設けられ、タービン11の軸方向後端面に位置している。前記光学マーク52は、後述する検知部53と非検知部54とを備えている。そして、検知部44と非検知部45とは、周方向に対して例えば等しい間隔をもって交互に配置され、回転軸10およびタービン11と一緒に図16および図17中の回転方向Rに向けて回転変位する。
53は光学マーク52の検知部を示している。該検知部53は、第1の実施の形態による検知部28とほぼ同様に構成され、平坦面からなる反射面53Aによって形成され、該反射面53Aは、投光用光ファイバ24からの光を受光用光ファイバ25に向けて反射する。前記反射面53Aは、タービン11の径方向外側に配置され、タービン11の周方向に向けて円弧状に延びている。
また、反射面53Aは、回転軸10の回転中心となる軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。これらの2つの反射面53Aは、いずれも回転軸10の軸中心O−Oを中心として90°の角度範囲に亘って形成されている。そして、2つの反射面53Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ検知部53として機能する。また、各反射面53Aは、軸方向に延びる光ファイバ24,25の光軸に対して直交している。
54は光学マーク52の非検知部を示している。該非検知部54は、タービン11の鍔部11Bの外周縁に設けられた通過部54Aによって形成されている。この通過部54Aは、タービン11の鍔部11Bを例えば90°の角度範囲に亘って除去した円弧状の切欠きによって形成されている。
また、通過部54Aは、反射面53Aと異なる位置でタービン11の径方向外側に配置され、タービン11の周方向に向けて円弧状に延びている。そして、通過部54Aは、回転軸10の軸中心O−Oを挟んで径方向に180°対向して位置し、2箇所に設けられている。このため、2つの通過部54Aは、回転軸10の軸中心O−Oに関して点対称となる位置に配置され、それぞれ非検知部54として機能する。
そして、通過部54Aが投光用光ファイバ24と対面したときには、通過部54Aは、投光用光ファイバ24からの光を通過させる。このため、投光用光ファイバ24からの光は、タービン11の後端面位置では反射されず、例えばタービン室9Bの内壁面に照射されて散乱し、減衰する。これにより、非検知部54では、反射光が受光用光ファイバ25に向けて進行することがなくなる。
かくして、このように構成された参考例においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、参考例では、光学マーク52の非検知部54は、光を透過する通過部54Aによって形成したから、光学マーク52の非検知部54に投光用光ファイバ24が対面したときには、非検知部54の通過部54Aは、投光用光ファイバ24からの光を通過させる。このように、光学マーク52の検知部53と非検知部54とは、光を入射する対象の有無が互いに異なるから、非検知部54に曇りやぼけが生じることがなく、非検知部54では反射光が生じない。この結果、検知部53と非検知部54との間で、高いコントラストを長期間に亘って維持することができ、エアモータ8の回転検出を確実に行うことができる。
なお、前記参考例では、非検知部54の通過部54Aはタービン11の径方向外側が開放された切欠きによって形成したが、タービン11を貫通した貫通孔を用いて形成してもよい。
また、前記参考例では、光学マーク52の検知部53は反射面53Aによって形成し、非検知部54の通過部54Aは切欠きによって形成した。しかし、本参考例はこれに限らず、例えば図20に示す第1の変形例のように、光学マーク52′の検知部53′は反射面53A′によって形成し、非検知部54′は例えば切欠き部分に設けた光を透過させる透明な透過部54A′によって形成してもよい。この場合、透過部54A′は、通過部として機能すると共に、水分による曇りや硝酸による劣化が生じ難い透明樹脂材料等を用いて形成するものである。
また、参考例では、反射面53Aと通過部54Aは、互いに同じ角度範囲に亘って形成したが、互いに異なる角度範囲に亘って形成してもよい。
同様に、第1〜第3の実施の形態では、傾斜面29A,35A,35B,45A,45Bと反射面28A,34A,34B,44Aとは互いに同じ角度範囲に亘って形成したが、互いに異なる角度範囲に亘って形成してよい。
一方、前記第1の実施の形態では、径方向傾斜面29Aはタービン11の径方向外側に向かうに従って光ファイバ24,25から離れるように傾斜する構成としたが、タービン11の径方向外側に向かうに従って光ファイバ24,25に近付くように傾斜する構成としてもよい。
また、前記第1〜第3の実施の形態では、傾斜面29A,35A,35B,45A,45Bは径方向または周方向に傾斜する構成としたが、反射面28A,34A,34B,44Aに対して傾斜していれば、いずれの方向に対して傾斜していてもよい。
前記第3の実施の形態では、光学マーク42の検知部44は反射面44Aによって形成し、非検知部45はV字状凹陥部43の底面に設けられた第1,第2の周方向傾斜面45A,45Bによって形成した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図21に示す第2の変形例のように、タービン11にはU字状に連続して窪んだU字状凹陥部43′を設ける構成としてもよい。この場合、光学マーク42′の検知部44′は反射面44A′によって形成し、非検知部45′は該U字状凹陥部43′の底面に設けられた周方向傾斜面45A′によって形成されるものである。
前記各実施の形態では、光学マーク26,32,42はタービン11の径方向外側に設けたが、タービン11の径方向内側に設けてもよく、回転軸10の後端面に設ける構成としてもよい。
一方、前記各実施の形態では、回転軸10とタービン11を別部材として図示したが、例えば切削加工等によって回転軸10とタービン11を同一材料を用いて一体的に形成してもよい。
前記第1,第3の実施の形態では、光学マーク26,42は2個の検知部28,44と、2個の非検知部29,45とを備える構成としたが、3個以上の検知部および非検知部を備える構成としてもよい。さらに、回転バランスが保持できるのであれば、検知部、非検知部を1個ずつ設ける構成としてもよい。同様に、第2の実施の形態では、第1,第2の反射面34A,34Bと、第1,第2の周方向傾斜面35A,35Bとは、それぞれ2個ずつ設ける構成とした。しかし、第1,第2の反射面と第1,第2の周方向傾斜面とをそれぞれ3個以上設ける構成としてもよく、1個ずつ設けてもよい。
前記各実施の形態では、エアモータ8および回転霧化頭16に高電圧を供給して塗料を直接的に帯電させる構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばハウジングの外周側には外部電極を設け、この外部電極を用いて回転霧化頭から噴霧された塗料を間接的に高電圧に帯電させる構成としてもよい。
さらに、前記各実施の形態では、回転霧化頭16に塗料を供給する塗料供給源として色替弁装置19を例に挙げて説明したが、塗料供給源として例えば塗料が充填された塗料カートリッジを用いる構成としてもよい。この場合、互いに異なる色の塗料が充填された複数の塗料カートリッジを用意し、所望の色に応じて塗料カートリッジを交換すればよい。
さらにまた、前記各実施の形態では、シェーピングエアリング5は絶縁性樹脂材料により形成するものとして述べたが、シェーピングエアリング5は導電性金属材料を用いて形成してもよいものである。この場合、シェーピングエアリング5にも高電圧発生器20による高電圧が印加され、シェーピングエアリング5はエアモータ8と同電位に保持される。