以下、本発明の実施例について詳細に説明する。図1は、本実施例に係るパチンコ機GMを示す正面図である。図示のパチンコ機GMは、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠1と、外枠1に固着されたヒンジ2を介して開閉可能に枢着される前枠3とで構成されている。この前枠3には、遊技盤5が表側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠3の下部には、遊技者のスイッチ操作に応じて上皿8から排出された遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータと連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8の外周面には、チャンスボタン11が設けられている。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機UT(図3参照)に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する残額表示部12aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ12bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ12cとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイからなる表示装置DISPが配置され、その上部には、7セグメントLEDによる抽選結果表示部14と、2個のLEDランプ19が配置されている。また、表示装置DISPの右側には、演出回転体ROTが配置されている。この演出回転体ROTは、予告演出時に揺動回転して、大当り状態の招来を所定の信頼性をもって予告する。
表示装置DISPは、大当り状態に係わる特別図柄と直接関連する演出図柄(例えば、3桁の演出図柄「7・7・7」)を変動表示する演出図柄表示部として機能する部分であり、背景画像や各種のキャラクタなども併せてアニメーション的に表示する。一方、抽選結果表示部14は、特別図柄表示部として機能する部分であり、表示装置DISPの変動表示動作に同期して点滅動作などをした後、表示装置DISPの停止動作に合わせて大当り抽選処理の当否結果を確定的に表示する。
この実施例では大当り状態は、確変大当りと、ノーマル大当りとに区分されているが、表示装置DISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかを、停止状態の演出図柄の配列によって報知するのに対して、抽選結果表示部14では、これを所定の停止模様によって報知している。具体的には、表示装置DISPは、確変大当りか、ノーマル大当りか、ハズレかに応じて、それぞれ「7・7・7」、「6・6・6」、「2・5・2」などの演出図柄を停止表示するのに合わせて、抽選結果表示部14では、例えば2個の7セグメントLEDを設けた場合は、「77」「66」「−−」の停止図柄を表示する。なお、確変大当りとは、ノーマル大当りの場合と同様の特別遊技状態が終了した後、大当りの当選確率が増加した遊技(確変状態の遊技)が開始される大当り状態を意味する。
一方、2個のLEDランプ19は、普通図柄表示部として機能する部分であり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示内容が所定時間だけ変動し、その後、遊技球のゲート18の通過時点に抽出された抽選用乱数値に基づいて決定される当否状態を表示するようになっている。この実施例では、2つのLEDランプが共に点灯状態で停止すると当り状態となり、何れか一方、又は2つのLEDランプが消灯状態で停止するとハズレ状態となる。
図2に示すように、遊技盤5の遊技領域5aの適所には、図柄始動口15、大入賞口16、4つの普通入賞口17、左右の通過口であるゲート18が配設されている。これらの入賞口15〜17及びゲート18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
本実施例では、図柄始動口15は、一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで拡大縮小され、普通図柄表示部たるLEDランプ19の変動後の停止状態で当り表示をした場合には、開閉爪が所定時間だけ拡大されるようになっている。そして、この図柄始動口15に遊技球が入賞すると、演出図柄表示部たる表示装置DISPと、特別図柄表示部たる抽選結果表示部14の表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。
大入賞口16は、前方に開放可能な開閉板16aで開閉されるが、演出図柄表示部DISPの変動停止後の図柄が「6・6・6」「7・7・7」など、整列した演出図柄のとき(抽選結果表示部14では、「66」又は「77」を表示)、「大当り」と称される特別遊技状態が開始され、開閉板16aが開放されるようになっている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このような開閉動作が、例えば最大16回まで、大当たりラウンドとして継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
ところで、表示装置DISPの下部には、各4個のLEDランプで構成された2つの変動保留数表示部HO1,HO2が設けられている。ここで、変動保留数表示部HO1,HO2は、各々、特別図柄と普通図柄の変動保留数、言い換えると、大当り抽選処理と当り抽選処理の抽選保留数を表示している。具体的には、特別図柄表示部14や普通図柄表示部19の変動動作中に、更に、図柄始動口15やゲート18において遊技球が検出されたことを意味しており、4個を限度に、その後の抽選処理が保留状態となる。例えば、特別図柄の変動保留数表示部HO1にN個のLEDランプが点灯している場合には、表示装置DISPで実行中の変動動作の終了後に、次回の大当り抽選処理が実行され変動動作が開始されるという一連の処理がN回連続される。
この実施例では、この連続的な変動動作に類似させて、表示装置DISPにおいて擬似連続変動動作(以下、擬似連と略す)が実行されることがある。ここで、擬似連とは、実行中の変動動作が終了したと想定される直後に、変動動作を連続させて遊技者の期待感を煽る演出を意味する。この擬似連は、実行中の図柄変動がハズレ状態で停止した後、変動保留球数を減少させることなく(つまり、次回の大当り抽選処理を経ることなく)、図柄変動を再開させる点に特徴がある。
そして、本実施例では、大当り抽選に当選している場合には、連続して実行される図柄変動の変動回数(擬似連の連続回数)を増加させるよう構成している。そのため、擬似連が開始されたこと、及び、その擬似連の連続回数が多いことで遊技者の期待感を高めることが可能となる。なお、擬似連の演出効果を高めるべく、擬似連の回数が増加するほど期待度の高い予告動作を実行するようにしている。
図14(e)は、擬似連の連続回数が4回の場合を例示しており、一度目の仮停止図柄はハズレ状態の「1・2・3」であるが、遊技者がハズレたと思ったら「チャンス!」との文字が表示装置DISPに表示されると共に、「まだまだ」との音声報知があった後に、変動動作が再開される。
その後も、同様の動作が繰り返されるが、「6・6・7」や「6・7・7」に至るまでの予告演出によって、遊技者を盛り上げつつ当選状態を予測できるようになっている。予告演出としては、例えば、表示装置DISPに一時的に出現するキャラクタ(例えば、画面上で舞う扇子)の数や大きさが、擬似変動の回数を重ねる毎に増加することで、当選状態を示唆している。
そして、この例では、リーチ状態「4・↓・4」を経て、最終的な停止図柄「4・4・4」で停止させて、ノーマル当り状態を報知している。なお、図14(e)では、擬似連の連続回数が4回の場合を説明したが、擬似変動1から最終変動に移行する場合が擬似連二回となり、擬似変動1→擬似変動2から最終変動に移行すると擬似連三回となる。
図3は、上記した演出動作を含む各動作を実現するパチンコ機GMの全体回路構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機GMは、AC24Vを受けて各種の直流電圧やシステムリセット信号SYSなどを出力する電源基板20と、遊技制御動作を中心統括的に担う主制御基板21と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMDに基づいてランプ演出及び音声演出を実行する演出制御基板22と、演出制御基板22から受けた制御コマンドCMD’に基づいて表示装置DISPを駆動する液晶制御基板23と、主制御基板21から受けた制御コマンドCMD”に基づいて払出モータMOを制御して遊技球を払い出す払出制御基板24と、遊技者の操作に応答して遊技球を発射させる発射制御基板25と、を中心に構成されている。
但し、この実施例では、主制御基板21が出力する制御コマンドCMDは、コマンド中継基板26と演出インタフェイス基板27を経由して、演出制御基板22に伝送される。また、演出制御基板22が出力する制御コマンドCMD’は、演出インタフェイス基板27を経由して、液晶制御基板23に伝送され、主制御基板21が出力する制御コマンドCMD”は、主基板中継基板28を経由して、払出制御基板24に伝送される。
これら主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23、及び払出制御基板24には、ワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路がそれぞれ搭載されている。そこで、これらの制御基板21〜24に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、本明細書では、主制御部21、演出制御部22、液晶制御部(図柄制御部)23、及び払出制御部24と言うことがある。なお、演出制御部22、液晶制御部(図柄制御部)23、及び払出制御部24の全部又は一部がサブ制御部である。
ところで、このパチンコ機GMは、図3の破線で囲む枠側部材GM1と、遊技盤5の背面に固定された盤側部材GM2とに大別されている。枠側部材GM1には、ガラス扉6や前面板7が枢着された前枠3と、その外側の木製外枠1とが含まれており、機種の変更に拘わらず、長期間にわたって遊技ホールに固定的に設置される。一方、盤側部材GM2は、機種変更に対応して交換され、新たな盤側部材GM2が、元の盤側部材の代わりに枠側部材GM1に取り付けられる。なお、枠側部材G1を除く全てが、盤側部材GM2である。
図3の破線枠に示す通り、枠側部材GM1には、電源基板20と、払出制御基板24と、発射制御基板25と、枠中継基板32とが含まれており、これらの回路基板が、前枠3の適所に各々固定されている。一方、遊技盤5の背面には、主制御基板21、演出制御基板22、液晶制御基板23が、表示装置DISPやその他の回路基板と共に固定されている。
そして、枠側部材GM1と盤側部材GM2とは、一箇所に集中配置された接続コネクタT1〜T4によって電気的に接続されている。接続コネクタT1〜T4は、この実施例では、遊技盤5の背面視左下に集中配置されている。そして、ガラス扉6を開放した状態で、前枠3の表側から、遊技盤5の左端を前枠3に係止して回転支点を確保し、確保した回転支点を中心に遊技盤5を回転させることで、前枠3の内側に遊技盤5を嵌合させる。なお、遊技盤5を嵌合させると、全ての接続コネクタT1〜T4が接続状態となり、それだけで枠側部材GM1と盤側部材GM2の接続が完了し、パチンコ機GMが動作可能な状態となる。
図3に示す通り、電源基板20は、接続コネクタT2を通して、主基板中継基板28に接続され、接続コネクタT3を通して、電源中継基板30に接続されている。そして、主基板中継基板28は、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BU、DC12V、DC32Vを、そのまま主制御部21に出力している。同様に、電源中継基板30も、電源基板20から受けたシステムリセット信号SYSや、交流及び直流の電源電圧を、そのまま演出インタフェイス基板27に出力している。なお、演出インタフェイス基板27は、受けたシステムリセット信号SYSを、そのまま演出制御部22と液晶制御部23に出力している。
一方、払出制御基板24は、中継基板を介することなく、電源基板20に直結されており、主制御部21が受けると同様の、システムリセット信号SYS、RAMクリア信号CLR、電圧降下信号ABN、バックアップ電源BUを、その他の電源電圧と共に直接的に受けている。
ここで、電源基板20が出力するシステムリセット信号SYSは、電源基板20に交流電源24Vが投入されたことを示す信号であり、この信号によって各制御部21〜24のワンチップマイコンその他のIC素子が電源リセットされるようになっている。主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受けるRAMクリア信号CLRは、各制御部21,24のワンチップマイコンの内蔵RAMの全領域を初期設定するか否かを決定する信号であって、係員が操作する初期化スイッチのON/OFF状態に対応した値を有している。
主制御部21及び払出制御部24が、電源基板20から受ける電圧降下信号ABNは、交流電源24Vが降下し始めたことを示す信号であり、この電圧降下信号ABNを受けることによって、各制御部21、24では、停電や営業終了に先立って、必要な終了処理を開始するようになっている。また、バックアップ電源BUは、営業終了や停電により交流電源24Vが遮断された後も、主制御部21と払出制御部24のワンチップマイコンの内蔵RAMのデータを保持するDC5Vの直流電源である。したがって、主制御部21と払出制御部25は、電源遮断前の遊技動作を電源投入後に再開できることになる(電源バックアップ機能)。このパチンコ機では少なくとも数日は、各ワンチップマイコンのRAMの記憶内容が保持されるよう設計されている。
一方、演出制御部22と液晶制御部23には、上記した電源バックアップ機能が設けられていない。しかし、先に説明した通り、演出制御部22と液晶制御部23には、電源中継基板30と演出インタフェイス基板27を経由して、システムリセット信号SYSが共通して供給されており、他の制御部21,24と、ほぼ同期したタイミングで電源リセット動作が実現される。
図3に示す通り、主制御部21は、主基板中継基板28を経由して、払出制御部25に制御コマンドCMD”を送信する一方、払出制御部25からは、遊技球の払出動作を示す賞球計数信号や、払出動作の異常に係わるステイタス信号CONを受信している。ステイタス信号CONには、例えば、補給切れ信号、払出不足エラー信号、下皿満杯信号が含まれる。
また、主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、遊技盤5の各遊技部品に接続されている。そして、遊技盤上の各入賞口16〜18に内蔵された検出スイッチのスイッチ信号を受ける一方、電動チューリップなどのソレノイド類を駆動している。主制御部21は、遊技盤中継基板29を経由して、図柄表示基板33にも接続されて発光体たるLED群を点灯駆動している。
主制御部21において点灯駆動されるLED群には、抽選結果表示部14を構成する7セグメントLEDと、普通図柄表示部19を構成する2個のLEDランプとが含まれている。また、ゲート18や図柄始動口15に、連続して遊技球が通過した個数を示す変動保留数表示部HO1,HO2や、大当たりラウンド数などを表示するLEDについても、主制御部21によって直接的に点灯制御されている。
図3及び図4に示す通り、演出インタフェイス基板27は、コマンド中継基板26と、電源中継基板30と、枠中継基板31と、演出制御基板22と、ランプ接続基板34と、液晶制御基板23とに接続されている。
図4に示すように、演出制御部22は、音声演出・ランプ演出・データ転送などの処理を実行するワンチップマイコン40と、ワンチップマイコン40の制御プログラムなどを記憶するEPROM41と、ワンチップマイコン40からの指示に基づいて音声信号を生成する音声再生LSI42と、再生される音声信号の基礎データである圧縮音声データを記憶する音声用メモリ(フレーズROM)43と、ウォッチドッグタイマWDTとを備えて構成されている。
そして、ワンチップマイコン40は、必要時に、演出回転体ROTを揺動回転させるための駆動信号を出力するよう構成されている。
図4に示す通り、演出制御基板22のワンチップマイコン40には、主制御基板21から出力された制御コマンドCMDとストローブ信号(割込み信号)STBとが、演出インタフェイス基板27のバッファ48を経由して供給されている。そして、ストローブ信号STBによって起動される受信割込み処理によって、演出制御部22は、制御コマンドCMDを取得することになる。演出制御部22が取得する制御コマンドCMDには、(a)エラー報知その他の報知用制御コマンドなどの他に、(b)図柄始動口への入賞に起因する各種演出動作の概要を特定する制御コマンド(変動パターンコマンド)や、(c)変動動作を終了させるための制御コマンド(変動停止コマンド)が含まれている。ここで、変動パターンコマンドで特定される演出動作の概要には、演出開始から演出終了までの演出総時間と、大当り抽選における当否結果とが含まれている。なお、リーチ演出の有無、及び擬似連の有無なども変動パターンコマンドによって特定されるが、演出内容の具体的な内容までは特定されていない。
そのため、演出制御部22では、変動パターンコマンドCMDを取得すると、これに続いて演出抽選を行い、取得した変動パターンコマンドで特定される演出概要を更に具体化している。例えば、リーチ演出や予告演出について、その具体的な内容が決定される。そして、決定された具体的な遊技内容にしたがい、LED群などの点滅によるランプ演出や、スピーカによる音声演出の準備動作を行うと共に、液晶制御部23に対して、ランプやスピーカによる演出動作に同期した図柄演出に関する制御コマンドCMD’を出力する。この場合、演出制御部22は、液晶制御部23に対するストローブ信号(割込み信号)STB’と共に、制御コマンドCMD’を演出インタフェイス基板27に向けて出力する。
なお、演出制御部22は、表示装置DISPに関連する報知用制御コマンドその他の制御コマンドを受信した場合は、その制御コマンドCMD’を、そのまま割込み信号STB’と共に演出インタフェイス基板27に向けて出力する。以上の通り、本明細書では、演出制御部22が出力する制御コマンドを、一般的に制御コマンドCMD’と表記するが、変動パターンコマンドに基づいて決定される制御コマンドを、特に、演出コマンドCMD’と称することがある。
上記した演出制御基板22の構成に対応して、演出インタフェイス基板27は、8ビット長の制御コマンドCMD’と1ビット長の割込み信号STB’を受けるよう構成されている。そして、これらのデータCMD’,STB’は、バッファ回路45を経由して、そのまま液晶制御基板23に出力される。また、演出インタフェイス基板27は、演出制御部22から出力されるランプ駆動用の制御信号を受けて、バッファ回路46を経由して出力する。演出インタフェイス基板27から出力されたランプ駆動制御信号は、ランプ接続基板34を経由してLEDランプ群に供給され、その結果、主制御部21が出力した制御コマンドCMDに対応するランプ演出が実現される。
一方、演出制御基板22の音声再生LSI42から出力される音声信号AOL0,AOR0は、演出インタフェイス基板27に搭載されたデジタルアンプ44で増幅されて出力される。その結果、主制御部21が出力した制御コマンドCMDに対応する音声演出が実現される。
続いて、遊技動作を統括的に制御する主制御部21のプログラム概要を説明する。主制御部21の制御プログラムは、電源電圧の復旧や投入に基づいて起動されるシステムリセット処理(不図示)と、タイマ割込みにより起動されるタイマ割込み処理(図5(a))とで構成されている。
図5(a)に示す通り、タイマ割込みが生じると、最初に、電源監視処理が実行される(ST10)。電源監視処理(ST10)では、電源基板20から供給されている電圧降下信号ABNのレベルを判定され、これが異常レベルである時には必要なデータのバックアップ処理が実行される。
次に、普通図柄処理(ST16)や特別図柄処理(ST17)で使用する乱数カウンタBG,RGがソフトウェア的に更新される(ST11)。そして、乱数更新処理(ST11)が終わると、各遊技動作の時間を管理しているタイマについて、タイマ減算処理が行なわれる(ST12)。ここで減算されるタイマは、主として、電動チューリップや大入賞口の開放時間やその他の遊技演出時間を管理するために使用される。
続いて、図柄始動口15の入賞検出スイッチを含む各種スイッチ類のON/OFF信号が入力され、ワークエリアの入賞スイッチデータDTとして、ON/OFF信号が記憶される(ST13)。また、このスイッチ入力処理では、図柄始動口15の検出スイッチがON状態であれば、変動保留数Dが上限値(=4)に達しているか判定される(図5(b)のST31〜ST32)。
ここで、変動保留数Dは、特別図柄の変動保留数表示部HO1の表示数に他ならず、大当り抽選処理の抽選保留数を意味する。そして、変動保留数D<4であれば、これをインクリメント(+1)すると共に(ST33)、ステップST11の処理で更新された大当り抽選用の乱数値BGを記憶する(ST34)。そして、変動保留数D=4である場合も含め、賞球数を特定した賞球数コマンドを払出制御部24に送信する(ST35)。
なお、ゲートの検出スイッチがON状態である場合にも、賞球処理(ST35)が実行されないことを除けば、図5(b)と同様の処理が実行され、変動保留数が4未満であれば、ステップST11の処理で更新された当り抽選用の乱数値RGがメモリに記憶される。
以上のようにして、スイッチ入力処理(ST13)が終われば、次に、エラー管理処理が行われる(ST14)。エラー管理処理は、遊技球の補給が停止したり、遊技球が詰まっていないかなど、機器内部に異常が生じていないかの判定を含んでいる。次に、払出制御部24から受けた賞球計数信号に基づく管理処理を実行した後(ST15)、普通図柄処理を行う(ST16)。普通図柄処理とは、電動チューリップなど、普通電動役物を作動させるか否かの判定を意味する。
具体的には、入賞スイッチデータDTに基づき、遊技球がゲートを通過したと判定される場合に、ステップST13の処理で記憶された乱数値RGを、当り当選値と対比して当り抽選処理が実行される。そして、対比結果が当選状態であれば当り中の動作モードに変更する。また、当り中となれば、電動チューリップなど、普通電動役物の作動に向けた処理を行う。
続いて、特別図柄処理を行う(ST17)。特別図柄処理とは、大入賞口16など特別電動役物を作動させるか否かの判定である。入賞スイッチデータDTに基づき、遊技球が図柄始動口15を通過したと判定される場合に、ステップST34の処理で記憶された乱数値BGを、大当り当選値と対比して大当り抽選処理を実行する。そして、抽選結果が当選状態であれば大当り中の動作モードに変更する。また、大当り中となれば、大入賞口など特別電動役物の作動に向けた処理を行う。
図5(c)は、特別図柄処理の要部を、やや詳細に図示したフローチャートである。先ず、現在が大当り中か否か判定され(ST71)、大当り中でなければ、動作ステイタスMが判定される(ST72)。動作ステイタスMは、一連の特別図柄の変動処理を管理するもので、初期状態では動作ステイタスMがゼロに設定されている。
そして、動作ステイタスM=0であれば、特別図柄の変動保留数Dが判定され(ST73)、もしD>0であれば、これをデクリメント(−1)した後(ST74)、先にステップST34の処理で記憶した乱数値BGを取得して大当り抽選処理を実行する(ST76)。そして、その当否結果に基づいた抽選処理によって変動パターンコマンドを生成して、これを演出制御部に送信し(ST77)、動作ステイタスMを1に設定する(ST78)。なお、先に説明した通り、変動パターンコマンドは、大当り抽選の当否結果だけでなく、リーチ演出を含む図柄変動動作の総時間など、演出動作の概要を規定している。
このようにして特別図柄の変動開始処理(STST73〜ST78)が実行されると、次回のタイマ割込み時には、動作ステイタスMの値(=1)に応じて、特別図柄の変動中処理(ST79)が実行される。変動中処理(ST79)では、特別図柄表示部14の図柄変動動作が開始されるが、この図柄変動動作は、これを管理する図柄変動タイマがゼロになるまで継続される。
図柄変動タイマは、タイマ割込み毎に、タイマ減算処理(ST12)においてデクリメントされるが、図柄変動タイマがゼロとなると、動作ステイタスMを1から2に変化させて変動中処理を終える(ST79)。したがって、それ以降のタイマ割込み時には、変動終了処理(ST80)が実行されることになる。変動終了処理(ST80)では、特別図柄表示部14の図柄変動動作を終了させると共に、演出制御部22に変動停止コマンドを送信して、動作ステイタスをゼロに設定する。
特別図柄処理(ST17)は、概略、図5(c)に示す通りである。そして、大当り抽選処理(ST76)の当否結果が当選状態である場合には、変動終了処理(ST44)において、大当り中の動作モードに変わり、大入賞口など特別電動役物の作動に向けた処理が実行される。
このような特別図柄処理(ST17)の後、主制御部21で管理するLEDについて点灯動作を進行させると共に(ST18)、電動チューリップや大入賞口などの開閉動作を実現するソレノイド駆動処理を実行して、タイマ割込みを終える(ST19)。
続いて、上記した主制御部21から制御コマンドCMDを受ける演出制御部22の動作内容を説明する(図6参照)。演出制御部22の動作は、CPUがリセットされると開始されるメイン処理(図6(a))と、主制御部21から制御コマンドCMDを受信した際に起動される受信割込み処理(図6(b))とを中心に構成されている。
図6(a)に示す通り、CPUがリセットされると、ワンチップマイコン40が初期設定された後(ST41)、チェックデータ(管理データ)の適否が検査される(ST42)。ここでチェックデータとは、ステップST52において、RAMエリアの所定領域に対して実行された加算演算の演算結果(チェックサム値)である。例えば、CPUが電源リセットされたような場合には、当然、チェックデータが一致しないので、RAMの全領域をクリア処理する(ST44)。
一方、ウォッチドックタイマによるCPUリセットのような場合には、チェックデータが一致する場合もある。それは、プログラムが暴走状態とはなったものの、RAMのワークエリアに、不合理なデータを何も書込んでいないような場合である。そこで、そのような場合には、中断された制御動作を、問題なく再開できるようバックアップ復帰処理を実行する(ST43)。バックアップ復帰処理では、例えば、実行中の演出動作(音声演出やランプ演出)や、その他の制御動作を、適当な区切り位置から再開できるよう初期設定する。
その後、演出制御基板22に搭載されている音声再生LSIについて初期化処理を実行する(ST45)。次に、ステップST46〜ST52の処理が無限ループ状に繰り返される。先ず、CPUを割込み許可状態に設定した後(ST46)、割込み待ち処理を実行する(ST47)。割込み待ち処理は、例えば4mS毎に起動されるタイマ割込み処理(不図示)の完了を確認する処理である。この割込み待ち処理では、図6(c)に示す通り、先ず、演出制御基板22に搭載されたウォッチドッグタイマにクリアパルスを送信して、CPUが強制リセットされることを回避する(ST12)。次に、演出抽選などで使用する乱数を更新しつつ(ST13)、タイマ割込み処理が完了するのを待つ(ST14)。なお、不図示のタイマ割込み処理では、タイマ割込みを受けると確認フラグをセットするので、ステップST14では、この確認フラグを繰り返しチェックすることになる。そして、確認フラグのセット状態が確認されたら、確認フラグをリセットしてサブルーチン処理を終える(ST15)。
このようにして割込み待ち処理(ST47)が終われば、受信割込み処理(図6(b))で取得されている制御コマンドCMDを解析し、その後の処理のための初期処理を実行する(ST48)。この制御コマンド解析処理(ST48)には、制御コマンドCMDに基づく演出抽選処理や、液晶制御部への制御コマンドCMD’の伝送処理も含んでいるが詳細については後述する。なお、図6(b)に示す通り、受信割込み処理では、受信した制御コマンドをコマンド格納領域に格納している(ST10〜ST11)。
制御コマンド解析処理(ST48)が終われば、制御コマンドCMD’により開始された音声演出、ランプ演出についてシナリオを進行させ(ST49)、進行したシナリオに対応した音データ出力処理を実行する(ST50)。
続いて、チャンスボタン11に関するボタン対応処理が実行され(ST51)、その後、RAMエリアの所定領域に対して加算演算を実行して、その演算結果たるチェックサム値を記憶してステップST46に戻る(ST52)。
図7は、受信コマンド解析処理(ST48)の要部を説明するフローチャートである。受信コマンド解析処理(ST48)では、主制御部21から新規に受信した制御コマンドCMDが、変動パターンコマンドであるか否かが先ず判定され(ST90)、エラー報知用コマンドであるなど、変動パターンコマンド以外であれば、これに対応した対応処理を実行する(ST91)。なお、対応処理には、取得した制御コマンドCMDを、そのまま液晶制御部23に転送する処理も含まれる。
一方、変動パターンコマンドである場合には、演出抽選たる予告抽選処理(ST92)を実行して、ランプ演出及び音声演出に同期する図柄演出の演出内容を決定し、決定内容を示す演出コマンドCMD’を液晶制御部23に送信する(ST93)。なお、演出コマンドCMD’は、正確には、複数N個の制御コマンド(2バイト*N)で構成されており、ステップST93の処理で、最初の2バイトの演出コマンドCMD’が送信された後は、予告演出の実行タイミングに合わせて、シナリオ進行処理(ST49)において予告演出用の演出コマンドCMD’が順次送信される。
図8〜図10に示す通り、この実施例では、主制御部21が出力する変動パターンコマンドが、便宜上、仮に、31種類であると簡略化している。この変動パターンコマンドは、大当り抽選時に当選状態であった場合に主制御部21から出力される変動パターン16〜31と、ハズレ状態であった場合に出力される変動パターン1〜15に大別されている。なお、当選状態には、確変大当りと、ノーマル大当りとが含まれる。
この何れの当選状態でも、表示装置DISPにおいて、必ずリーチ演出が実行されるが、リーチ演出には、ハズレ状態でも当選状態でも共通的に実行されるリーチ演出1〜リーチ演出10(演出NO1〜演出NO10)の10種類が用意されている。この10種類のリーチ演出は、当選状態かハズレ状態かに拘らず、基本構成が同一となっており、最終的な停止図柄が確定するまでは、当否結果を断定できないよう構成されている。但し、予告演出については、大当り抽選処理の当否結果を加味して抽選決定されるので、遊技者は、演出動作の途中で実行される予告演出に基づいて、最終的な当否結果を推理することが可能となる。
なお、リーチ演出を伴う図柄演出の一例は、図12に例示する通りであり、ここでは、A008HかA103Hの変動パターンコマンドを受信した場合に実行される演出NO4(擬似連なし)の演出内容を例示している。図示の通り、予告演出の内容は、予告演出グループG1〜G4の何れの予告演出を実行するかに応じて大きく相違するが、この予告演出以外の基本構成は、予告演出グループG1〜G4の選択や、大当り抽選の当否状態(A008H/A103H)に拘らず同一である。
すなわち、液晶制御部23は、ステップST93の送信処理で演出制御部22が出力した演出コマンドCMD’を受信すると、図柄変動動作を開始し(T0)、その後、タイミングT1〜T2の間に、例えば、「左図柄」→「右図柄」の順番で、左右の図柄を停止させる。その後、適宜な図柄演出を実行して遊技者を盛り上げた後、「中図柄」を停止させる。この時点では、3つの図柄は確定停止していない仮停止状態であり、その後、タイミングT3で変動停止動作を指定する変動停止コマンドを受信すると3つの図柄を確定停止させる。
なお、如何なる「左図柄」及び「右図柄」を停止させるかは、液晶制御部23において、演出コマンドCMD’に基づいて抽選決定される。同様に、最終に停止させる「中図柄」についても、演出コマンドCMD’に基づいて抽選決定されるが、演出コマンドCMD’により特定される大当り抽選処理の当否結果に対応した停止図柄が選択されるのは勿論である。
以下、図7(b)に示す予告演出動作を説明するが、一連の図柄演出中、最終変動(図14(e)参照)での予告動作が、先ず、ステップST55〜ST65の処理で決定される。また、最終変動に先立って擬似変動演出を実行する場合には、その演出内容は、ステップST66〜ST67の処理で決定される。なお、図12の例では、擬似連演出を実行しないので、タイミングT0〜T3の全ての動作が、最終変動(図14(e)参照)に対応することになり、この最終変動における予告演出がステップST55〜ST65の処理で決定される。
以上を踏まえて説明すると、予告演出動作(ST92)では、最初に演出モードの移行抽選が実行される(ST55)。ここで演出モードは、表示装置DISPに表示される背景画像などを規定するものであり、この実施例では、変動パターンコマンドを受信する毎に、演出モードEN1〜演出モードEN6の何れかを適宜に抽選決定している。
演出モードEN1〜EN6では、例えば、「春−野外景色」、「夏−野外景色」、「秋−野外景色」、「冬−野外景色」、「室内風景」、又は「特殊背景」の何れかの背景画像が表示装置に描かれる。本実施例では、変動パターンコマンドを複数回(例えば30回)受信する毎に、演出モードENの移行抽選を実行することで、遊技機の雰囲気を変えている。また、季節に対応したキャラクタを出現させるなど、演出モードENに整合した予告演出を実行することで、予告演出のバリエーションを増加させることもできる。
このような動作を実現するため、本実施例では、多様な予告演出を、複数組の予告演出グループG1〜G4にグループ化すると共に、何れの予告演出グループG1〜G4の予告演出を実行するかの当選確率を、演出モードEN毎に異ならせている。具体的には、図8〜図10に示す通りであり、演出モードがEN1〜EN4であって、表示装置DISPの背景が「春・夏・秋・冬の野外景色」である場合には、予告演出グループG4を除いた予告演出グループG1〜G3の何れかが、主制御部21から受信した変動パターンコマンドに対応してランダムに選択される(図8参照)。
一方、演出モードがEN5であって、表示装置DISPの背景が「室内風景」である場合には、予告演出グループG3又はG4の何れかが変動パターンコマンドに対応して選択され(図9参照)、演出モードがEN6であって、表示装置DISPの背景が「特殊背景」である場合には、抽選グループG1又はG2の何れかが変動パターンコマンドに対応して選択されるよう構成されている(図10参照)。
ところで、本実施例では、予告演出グループG1〜G4に属する予告演出は、演出意図やストーリーが他の演出グループと共通しないメイン予告動作と、他の演出グループでも共通的に出現可能なサブ予告動作と、を組み合わせて構成されている。具体的には、本実施例のメイン予告動作は、例えば、演出領域や演出タイミングなどが個別に規定されている。一方、サブ予告動作は、演出領域や演出タイミングなどが規定されることなく、他の予告動作と共通的に実行される。
図11は、予告演出グループG1〜G4と、メイン予告の実行領域A〜Dとが一対一に対応している場合を例示したものである。この場合には、全てのメイン予告が、それが実行される演出領域に基づいて区分されており、具体的には、表示装置DISPの中央領域だけを使用するメイン予告A、表示装置DISPの下方領域だけを使用するメイン予告B、表示装置DISPの全領域を使用するメイン予告C、及び、演出回転体ROTを使用するメイン予告Dに区分されている。
そして、メイン予告A〜メイン予告Dは、何れか一つだけ排他的に実行されるよう構成されており、且つ、メイン予告A〜メイン予告Dと予告演出グループG1〜G4とが一対一に対応しているので、メイン予告の実行領域に基づいて、何れの予告演出グループG1〜G4の演出が実行されているか、遊技者は、ある程度把握できることになる。
例えば、メイン予告Dは、演出回転体ROTを使用して実行されるので、演出回転体ROTが揺動回転すれば、予告演出グループG4に属する予告演出が実行されたと特定することができる。また、表示画面の上部領域を使用してメイン予告が実行された場合には、それが予告演出グループG3に属すると特定することができる。
一方、表示画面の下部領域を使用してメイン予告が実行された場合には、それが予告演出グループG2,G3の何れかに属するとだけ特定され、表示画面の中央領域を使用してメイン予告が実行された場合には、それが予告演出グループG1〜G3の何れかに属するか特定できない。このように、この遊技機では、遊技者が予告演出グループG1〜G3を特定できる予告演出と、特定できない予告演出とを組み合わせて多様な演出を実現している。
図7(b)に戻って説明を続けると、ステップST55の移行抽選によって演出モードEN1〜EN6が決定されると、決定された演出モードENiに対応して図8〜図10の選択テーブルの何れかが選択される(ST56)。選択テーブルは、図8〜図10に示す通り、主制御部21から受信した変動パターンコマンドに基づいて、どの予告演出グループG1〜G4に属する予告演出を実行するかを規定するものである。例えば、A008HかA103Hの変動パターンコマンドを受信した場合には、当否結果を除けば基本構成が同一の演出(リーチ演出を伴う演出NO4」)が選択され、このNO4の演出途中で実行される予告演出について、特定の予告演出グループだけが選択される。例えば、ハズレ状態の変動パターンコマンドA008Hを受信した場合には、予告演出グループG1,G2,G3の選択確率は、3:2:5であり、ランダムに選択された特定の予告演出グループに属する予告演出だけが実行される。
このようにして、受信した変動パターンコマンドに対応して予告演出グループG1〜G4が決定されれば、次に、決定された予告演出グループに対応してメイン予告の内容を決定する(ST58,ST60,ST62,ST64)。具体的には、先ず、図13(a)に示すような指示テーブルが参照され、ステップST56〜ST57の処理で決定された予告演出グループG1〜G4に対応して、使用すべき抽選テーブルが特定される。例えば、画面中央を使用する予告演出グループG1に当選した場合には、メイン予告の具体的内容を決定するために抽選テーブルTBL_Amが選択され、サブ予告a〜サブ予告dの具体的内容を決定するために抽選テーブルTBL_Aa〜TBL_Adが選択される。
先に説明した通り、メイン予告は、それが実行される領域が規定されているので、メイン予告については、予告演出グループG1〜G4毎に、別々の抽選テーブルTBL_Am,TBL_Bm,TBL_Cm,TBL_Dmが排他的に使用される(図13参照)。一方、サブ予告は、演出領域や演出タイミングに規制されることなく、他の予告動作でも共通的に実行可能であるので、図13では別名で記載されている抽選テーブルTBL_Aa〜TBL_Daなどを適宜に共通化することができる。典型的には、表示装置に一時期だけ文字やキャラクタなどを出現させる図柄予告、ランプを点滅させるランプ予告、或いは、何らかの音声を出力する音声予告がサブ予告aに該当し、このようなサブ予告動作は、予告演出グループG1〜G4に拘らず共通化することができる。
何れにしても、TBL_AmやTBL_Aaなどの抽選テーブルが特定されれば、特定された抽選テーブルに基づいてメイン予告やサブ予告の内容を具体的に決定する。図13(b)は、表示装置DISPの画面全体を使用するメイン予告演出Cの演出グループG3が選択された場合に、メイン予告を決定するために使用される抽選テーブルTBL_Cmを例示したものである。便宜上、画面全体を使用するメイン予告としては、C1〜C5の5種類が用意されていると仮定しているが、その何れを選択するかの選択率(%)が、変動パターンコマンド毎に規定されている。
サブ予告a〜サブ予告dについても同様であり、如何なるサブ予告を実行するかの選択率が、変動パターンコマンド毎に規定されている。もっとも、サブ予告用の抽選テーブルは、予告演出グループの相違に拘らず使用可能であることは先に説明した通りである。
サブ予告a〜サブ予告dについて確認すると、予告演出グループG1に属するサブ予告a〜dは、メイン予告Aが出現する図柄変動演出中に出現可能な演出である。また、予告演出グループG2に属するサブ予告abceはメイン予告Bが出現したときに出現可能な演出である。予告演出グループG3、G4についても同様であり、排他的に選択される(予告演出グループに対応する)メイン予告と、メイン予告が出現する演出中に出現可能なサブ予告とが予告演出グループとしてグループ化されている。
このように構成することにより、演出の表示領域やストーリーの都合により同時に出現できない予告演出の組み合わせが存在するときでも、先ず、予告演出グループを選択し、そのグループに属するそれぞれの予告抽選を行い、その抽選で選ばれた予告演出を実行するだけで演出の整合性が採ることができる。また、ある予告演出(の出現有無)を抽選し、その抽選結果に応じて他の予告演出についての抽選を行うか否かを判断する処理(所謂、禁則処理)を設けることなく、多彩な予告演出を実現できる。
以上のように構成された予告演出グループに基づいて、最終変動についてのメイン予告とサブ予告とが決定されると、次に、図柄変動動作に擬似変動演出(擬似連)が含まれているか判定する(ST66)。図8〜図10に示す通り、主制御部21から受信した変動パターンコマンドによって、擬似連演出を実行するか否か、及び、その連続回数が特定されるよう構成されている。なお、図14(e)は、変動パターンコマンドによってノーマル当りであること、及び、連続回数が4回であることが規定されている場合の演出例である。ここでは、「1・2・3」で仮停止する擬似変動1と、「6・6・7」で仮停止する擬似変動2と、「6・7・7」で仮停止する擬似変動3と、リーチ演出を含む最終変動とが連続して、連続回数4回の擬似変動演出が実行されている。
ところで、図14(e)には最終変動と記載されているが、リーチ演出の有無を除けば、この最終変動は、如何なる変動パターンコマンドを受信した場合にも実行される共通的な演出である。そこで、本実施例では、前記した通り、この最終変動の演出内容については、抽選決定された演出モードEN1〜EN6に基づいて、図7のステップST56〜ST65の処理によって決定している。
そして、擬似変動の演出内容は、ステップST56〜ST65で決定された最終変動中の予告動作に整合するよう、また、擬似連の連続回数に対応するよう、ステップST67の決定処理で決定される。図14(a)は、擬似連の演出内容の決定アルゴリズムを示すフローチャートであり、図14(b)〜図14(d)は、演出内容を抽選決定するための抽選テーブルを示している。
最初に、概略的に説明すると、この実施例では、擬似連演出によって遊技者を効果的に盛り上げるために、一連の擬似変動について、最初の擬似連演出から最終の擬似連演出に向けて時間の経過と共に、遊技者の期待感を高めるようにしている。具体的には、最終演出から時間軸を遡って演出内容を逆向きに決定すると共に、後で実行する擬似連の演出価値(遊技者が連想する価値)より、先に実行する擬似連の演出価値が、上回らないよう制御している。
具体的には、最終変動の演出内容は、ステップST56〜ST65の処理で決定済みであるので、その決定内容に基づいて最終的な演出価値が、例えば4段階の何れかに決定される。特に限定されるものではないが、例えば、当選状態を報知する場合は金ランク(=3)、ハズレ状態を報知するものの期待感の高いリーチ演出を実行する場合には銀ランク(=2)又は銅ランク(=1)、期待感の高くないリーチ演出を実行する場合にはハズレランク(=0)というように、最終変動の演出価値が画一的に決定される。このランクは、例えば、一回の擬似変動中に出現するキャラクタの大きさや出現回数に対応する。
そして、このように決定された最終変動の演出価値に基づいて、抽選テーブルTBL_3を参照して、最終変動の一つ手前の擬似変動の演出価値を決定する。例えば、最終変動の演出価値が2(銀ランク)であれば、一つ手前の擬似変動の演出価値が0,1,2の何れかがランダムに選択される。つまり、演出価値2を上回る遊技価値3(金ランク)は選択されないよう抽選テーブルTBL_3が設定されている。なお、図13(b)の例では、最終変動の演出価値が銀ランク(=2)であれば、一つ手前の擬似変動の演出価値0,1,2が、10:30:60の確率で抽選決定される。
抽選テーブルTBL_2(図13(c))や抽選テーブルTBL_1(図13(d))についても同様であり、後で実行する擬似連の演出価値を上回らない演出価値を有する擬似連演出が選択されるよう構成されている。なお、擬似連の演出回数が3回の場合には、抽選テーブルTBL_3,TBL_2のみが使用され、擬似連の演出回数が2回の場合には抽選テーブルTBL_3のみが使用される。また、擬似連の演出回数が一回の場合には、その擬似連が最終変動に該当するので、図13(b)〜図13(d)の抽選テーブルを使用することなく、最終変動の内容が決定される。
以上を踏まえて、擬似連の決定アルゴリズムを確認的に説明する。図13(a)に示す通り、先ず、擬似連の演出回数である擬似変動回数を変数Nに設定すると共に、抽選テーブルのポインタMを3に初期設定する(ST70)。
次に、最終的に報知される当否状態や、その報知動作に至るまでに実行されるリーチ演出の内容(演出価値)に基づいて、擬似連の最終変動についての演出価値を決定する(ST71)。先に説明した通り、この実施例では、金ランク(=3)、銀ランク(=2)、銅ランク(=1)、又はハズレランク(=0)のいずれかに決定され、決定内容(0〜3)が、配列RANK(N)に記憶される(ST72)。この処理によって、配列RANK(i)には、i番目に実行する擬似連の演出価値が記憶されることになる。
次に、変数Nの値が判定され(ST73)、N=1であれば、そのまま処理を終える。先に説明した通り、擬似連の演出回数=1の場合には抽選テーブルを使用する必要がないからである。
一方、N>1であれば、ポインタMの値に基づいて、抽選テーブルTBL_Mを選択し、その抽選テーブルTBL_Mを参照して、配列RANK(N)に記憶されている演出価値に基づいて、N−1回目の擬似連の演出価値を抽選決定して配列RANK(N−1)に記憶する(ST74)。例えば、抽選テーブルTBL_3を参照する場合、最終変動の演出価値が仮に金ランクであってRANK(4)=3であれば、最終変動の一つ手前の擬似連の演出価値RANK(3)が、1,2,3の何れかに、10:80:10の確率で選択される。
続いて、ポインタMと変数Nの値をデクリメントした後(ST75)、変数Nの値が1であるか否か判定する(ST76)。ここでもし、N=1であれば、全ての擬似連の演出価値が決定されたことになるので、そのまま処理を終える。一方、N>1であれば、先と同様の手順で擬似連の演出価値RANK(2)〜RANK(1)を決定する。
なお、便宜上、配列RANK(i)には、i番目の擬似連演出の演出価値が記憶されることにしているが、実際には、その演出価値に対応する擬似連の演出内容が具体的に特定されるのは勿論である。例えば、表示装置DISPに一時的に出現するキャラクタの数や大きさが、演出価値に基づいて決定される。
図7に戻って説明を続けると、以上のようにして、擬似連を含む予告演出の内容が具体的に決定される(ST57〜ST67)。そこで、次に、決定された予告演出を適宜なタイミングで実行できるよう、シナリオを設定して予告演出処理を終える(ST68)。その後、シナリオ進行処理(ST49)によって把握される送信タイミングに達すると、予告演出の具体的内容を特定する演出コマンドCMD’が、演出制御部22から液晶制御部23に送信され、図12や図14(e)に示すような予告演出が実行される。
以上の通り、本実施例では、予告演出の選択に特有の手法を採るので、メイン予告やサブ予告の種類を如何に増加させても、各演出の出現率や予告演出の信頼度を、開発側では、比較的容易に把握することができる。
ここでは、大当たり確率が、例えば1/300の遊技機を想定する。そして、主制御部21における変動パターン抽選では、当選時に制御コマンドA104を選択する確率が1/10、ハズレ時にA009を選択する確率1/100であるとする。
ここで、演出制御部22における演出モードがEN1〜EN4であれば、大当り状態で予告演出C3が出現する出現率は、[大当り確率]*[変動パターン選択率]*[演出グループ選択率(図8)]*[C3の選択率(図13)]より、1/300*1/10*1/5*1/10=1/150000となる。
一方、ハズレ状態で予告演出C3が出現する出現率は、[ハズレ確率]*[変動パターン選択率]*[演出グループ選択率(図8)]*[C3の選択率(図13)]より、299/300*1/100*1/10*1/5≒1/5017となる。
したがって、上記の条件で予告演出C3が出現した場合の大当り信頼度は、(1/150000)/(1/5017+1/150000)≒3%と把握することができる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。特に、本実施例では、主制御部から制御コマンドを受ける上流側サブ制御部(演出制御部)において音声演出とランプ演出を実行し、下流側サブ制御部(液晶制御部)において図柄演出を実行したが、何ら限定されるものではない。
例えば、上流側サブ制御部において全ての演出(典型的には、図柄演出、音声演出、及びランプ演出)を実行すること、或いは、上流側サブ制御部において図柄演出を含む複数の演出を実行し、下流側サブ制御部において残りの演出を実行するのも好適である。