JP2018166904A - ぱちんこ遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】可動演出部材の動作制御を適正に行うことが可能なぱちんこ遊技機を提供する。
【解決手段】メイン基板からの演出制御コマンドを受信し演出制御コマンドに応じた制御処理を行うサブメイン基板と、サブメイン基板により決定された演出動作を行う左下可動演出部材96と、左下可動演出部材96の位置確認のための位置検出センサと、を備え、サブメイン基板は、位置検出センサの検出結果に基づき左下可動演出部材96が初期位置にあるか否かを確認するための位置検出を行うことが可能であり、位置検出のタイミングは、左下可動演出部材96の動作中とは異なる変動開始時や変動停止時などのタイミングであり、可動演出部材が所定位置にあるべき状況で可動演出部材が所定位置にあることを確認できなかった場合に、可動演出部材を所定の初期位置に戻す。
【選択図】図19

Description

本発明は、遊技媒体として遊技球や遊技メダルを用いるぱちんこ遊技機に関するものである。
一般に、ぱちんこ遊技機には、演出の一環として可動演出部材を動作させるものがある。このタイプのぱちんこ遊技機においては、液晶表示画面に表示される内容が大当りとなるか否かの期待が持てるタイミングで可動演出部材が動作すれば、大当りとなったり、大当りの期待度の高い演出に進んだりする、といったゲーム性が採用されている。
特開2003−236088号公報
ところで、上述のように可動演出部材を備えたタイプのぱちんこ遊技機においては、可動演出部材が、演出上の重要な役割を担っている。このため、可動演出部材を効果的に活用できるよう、可動演出部材の位置や動作の管理には最善を尽くす必要がある。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、可動演出部材の動作制御を適正に行うことが可能なぱちんこ遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段からの演出制御指令(メインコマンドなど)を受信し前記演出制御指令に応じた制御処理を行う演出制御手段(サブメイン基板など)と、
前記演出制御手段により決定された演出動作を行う可動演出部材と、
前記可動演出部材の位置確認のための位置検出手段(位置検出センサなど)と、を備え、
前記主制御手段は、
遊技領域に発射された遊技球が前記遊技領域を流下して始動口(第1始動入賞口、第2始動入賞口など)に入球すると、前記始動口への遊技球の入球に基づき、当否抽選や変動パターン抽選のための乱数値を取得し、取得した前記乱数値を用いて前記当否抽選や前記変動パターン抽選を行い、
前記当否抽選の結果を示すための特別図柄を、前記変動パターン抽選で決定された変動パターンに基づく変動表示の後に停止表示させ、前記当否抽選の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を実行し、
遊技球が前記始動口に入賞しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記大当りのための前記乱数値を含む特別図柄保留記憶情報を所定数内で保留記憶し、
前記特別遊技の後に、所定の終了条件が成立するまで遊技者に有利となる特定遊技状態での遊技を実行可能とし、
前記演出制御手段は、
前記位置検出手段の検出結果に基づき前記可動演出部材が所定位置(初期位置など)にあるか否かを確認するための位置検出を行うことが可能であり、
前記位置検出のタイミングは、前記可動演出部材が動作を行うタイミングとは異なるタイミング(可動演出部材の演出上の動作の開始時等とは異なる変動開始時や変動停止時など)であり、
前記特定遊技状態と、前記特定遊技状態となっていない通常遊技状態とで、前記演出制御手段による前記位置検出のための制御処理(モータ位置チェック処理(S171)、モータリクエスト管理処理(S176)、モータ初期化管理処理(S176)など)が共通であることを特徴とするぱちんこ遊技機である。
本発明によれば、先読み演出や、先読み演出に係わる演出についての多様化が可能なぱちんこ遊技機を提供できる。
本発明の一実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 ぱちんこ遊技機の背面図である。 ぱちんこ遊技機の機能を示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示すブロック図である。 メイン基板、サブメイン基板、及び、サブサブ基板の基本的な機能手段を示すブロック図である。 (a)は主制御表示装置を示す説明図、(b)は主制御表示装置における各表示灯と名称の関係を示す図表である。 (a)は演出表示装置における演出図柄の変動中の表示例を示す説明図、(b)は同じく演出図柄の停止中の表示例を示す説明図である。 (a)は当否判定テーブルを示す図表、(b)ははずれ用の変動パターンテーブルを示す図表である。 (a)は第1抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(b)は第2抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(c)は小当り時に用いられる小当り図柄判定テーブルを示す図表である。 (a)ははずれ時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(b)は16R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(c)は4R大当り時及び小当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表である。 メイン基板における制御開始処理を示すフローチャートである。 図11に続く制御開始処理を示すフローチャートである。 メイン基板における遊技進行割込み処理を示すフローチャートである。 メイン基板における電源断処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるサブメイン初期設定処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるメインコマンド受信処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 (a)はセンター飾りの左側の部分を拡大して示す説明図、(b)は上記(a)中の可動演出部材を抽出して概略的に示す説明図である。 図19中の複数の可動演出部材に係る同時動作の対応関係を示す図表である。 図16中のデバイス管理処理を示すフローチャート。 各種のエラーに係る報知態様を示す図表。 各種のエラーに係る報知態様を示す図表。 各種のエラーに係る報知態様を示す図表。 各種のエラーに係る報知態様を示す図表。 (a)は操作ボタンを突出させる前のレバー装置を示す斜視図、(b)はレバーを起立させて操作ボタンを突出させたレバー装置を示す斜視図、(c)はレバーを傾倒させたレバー装置を示す斜視図である。
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータやソレノイド等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出ないし振動動作を実施するようにしてもよい。また、操作ボタン22のほかに十字キー(図示略)が備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キーを用いた演出操作としては、変動表示中のミニゲームなどを例示できる。さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出CPU(後述する)等を搭載した払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメインCPU(後述する)等を搭載したメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブメインCPU(後述する)等を搭載したサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明なアクリル樹脂やベニヤ材を用いて板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、第1大入賞口91と第2大入賞口92、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物に係る始動口(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、普通電動役物の作動に基づき、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第1大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第1大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2大入賞口92は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第2大入賞口92は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには一部に装飾が施されているが、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられ、光がセンター飾り64を透過し、光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板90が備えられている。この導光板90としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。導光板90は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板90は、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
導光板90を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成され、所定の演出の実行時に、端面に面した上述の光源が駆動され、内部に向けて照射された光が透明板の凹凸により拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板90の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、「特別図柄1」、「図柄1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、「特別図柄2」、「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。
各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば9個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1特別図柄が使用される第1遊技と、第2特別図柄が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合や終了する場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64の流下する右打ち遊技状態となる。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが容易となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物の作動頻度が上昇し、ロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91や第2大入賞口92が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R(ラウンド)大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。
大当りの1部の種類として大当り遊技後の特定遊技により分けることも可能である。確変にならないものを「通常」当り(例えば4R通常)と表現し、確変が付与されるものを確変当りや特別当り(例えば16R確変)と称する。また、例えば、16R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの実質4R当りを設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポート(入球容易化状態)を併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、前述の単位遊技を1回行うようになっている。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59は、点灯(当り図柄)状態または消灯(ハズレ図柄)状態にて図柄の停止状態を示し、点滅状態にて変動中であることを示す表示部である。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、普通図柄に係る保留球数(0〜4)の数値を表示できるようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、特別図柄に係る保留球数(0〜4)の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102のCPU(後述する)によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての遊技結果に関する演出表示や、ストーリー表示などといったその他の遊技結果が大当りとなる期待度を示唆する演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示を伴う変動演出(変動演出表示)が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、本実施例においては、左演出図柄190aと右演出図柄190cが相対的に前方で大きく表示され、中演出図柄190bが相対的に後方で小さく表示される表示態様が、演出図柄190a〜190cに係る1つの表示態様として採用されている。また、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能であるが、スクロール表示の各種の態様については後述する。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。なお、付加的な表示体を用いた演出の具体的な態様については後述する。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。なお、サブサブ基板302は、図4中に示すように、CPU531と画像コントローラ(VDP)536とが別体で備えられているもののほか、CPU531と画像コントローラ(VDP)536とをワンパッケージ化した画像コントローラ(VDP)が備えられているものであってもよい。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの種類が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定(変動パターン抽選)に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度(これに限らず1秒以下などであってもよい)から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの普図抽選値)が取得される。そして、普通図柄の変動開始時に、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、当否、当り図柄の種類、及び、変動パターンとの対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、当否乱数が当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当り図柄の種類に基づき当りの種類が判定される。
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値(前述した普図変動パターン乱数)が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類(停止した特別図柄の停止表示態様)に応じて所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか判定テーブル(変動時に実際に当否判定や図柄判定、パターン判定に用いるテーブルや、事前判定用テーブル)を用いて判定した結果や、各種抽選値自体といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を送信コマンド記憶領域にセットし、割込み処理毎に一定単位のコマンドの送信が行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。なお、確変期間を次回の大当りまでとすることも可能であり、その場合の具体的態様としては、例えば、特図1及び特図2の両方、特図1及び特図2の何れか一方、特図1及び特図2の一部の大当り、又は、特図1或いは特図2の一部の大当り、について確変期間を次回の大当りまでとすることなどを例示できる。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間や時短期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に関連付けて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、演出図柄190a〜190cの周りに漂う所定態様のオーラの動画を付加する、などといった種々の態様を採用することが可能である。なおエフェクト(効果)の種類によって、瞬間的な表示では適さない場合には、確定停止になる前から開始されるようにすることが好ましい。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向(図7(b)の例では手前から奥を経て手前に至る横方向など)の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を、例えば平面的な2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、保留数表示部197が表示される。この保留数表示部197は、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部、又は、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部として、いずれの遊技が実行されているかに応じ使用されるものである。
すなわち、保留数表示部197は、例えば初当り前などの通常の遊技状態においては、第1遊技に係る第1保留数表示部として使用され、前述した特定遊技中などには、第2遊技に係る第2保留数表示部として使用される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技又は第2遊技に係る保留が発生すると、上述の保留数表示部197に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、保留数表示部197において、4つの保留表示が行われる。
また、保留数表示部197における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、保留数表示部197には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、保留数表示部197の、遊技者から見て左端の部位が、第1表示位置となっている。そして、右端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技又は第2遊技に係る演出図柄190の変動表示が行われている最中で、且つ、保留数表示部197に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、左端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の右隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、保留数表示部197の中の左側へ移動する。保留数表示部197の左側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、保留数表示部197の表示態様は上述のものに限定されず、例えば、第1遊技に係る第1保留数表示部と、第2遊技に係る第2保留数表示部を、当該変動情報表示部195を左右から挟んでそれぞれ表示する、といったことも可能である。また、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機においては、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べる、といったことも可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に係る事前通知情報に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の保留数表示部197における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出球なし当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
本実施例では、操作ボタン22として、突没機構や振動機構を備え、上球皿18に対する突没動作や、上球皿18での振動動作が可能なものが採用されている。本実施例においては、操作ボタン22は、図26(a)に示すようなレバー装置(レバー装置ユニット)84の上部に備えられている。このレバー装置84は、ベース体85に駆動源となるモータ(ここではステッピングモータ)86、可動機構部87、レバー体88を取り付けて構成されている。さらに、レバー体88の上部には、操作ボタンの周囲を装飾する装飾部89が設けられている。
レバー装置84は、図1中に示すように、遊技機枠11の皿ユニット16に内蔵されており、上述の装飾部89や操作ボタン22が、上球皿18から露出している。さらに、図1や図26(a)に示すように、レバー装置84は、通常状態時には、装飾部89が上球皿18の外表面と連続する面を構成するよう、レバー体88を収容している。
しかし、所定の演出が実行される場合には、図26(b)に示すように、レバー体88が突出し、装飾部89と操作ボタン22が、所定の角度と突出量で上昇する。この場合、図示は省略するが、装飾部89と操作ボタン22は、上球皿18の外表面に対して飛び出した状態となる。ここで、レバー体88と装飾部89とを併せて「レバー」と称することが可能である。また、これらに操作ボタン22を含めて「レバー」と称することも可能である。以下では、レバー体88、装飾部89、操作ボタン22を併せて「レバー」と称すし、符号Lを付す。
上述のレバーLは、図26(b)に示すように突出した状態で、図26(c)に示すような前方への傾倒動作が可能である。そして、例えば、所定のリーチ演出中にレバーLが、収納状態から突出状態に変化し、演出表示装置60にレバーLが倒れる様子を示した動画が表示され、遊技者がレバーLを手前に倒すと、他の可動演出部材93等が動作し、当否抽選の結果が大当りであることが報知される、といった一連の演出を行えるようになっている。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(大当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
変形例として、大入賞口内に確率変動機能作動領域を有するぱちんこ遊技機において、特別遊技中の所定のタイミングで、遊技球が確率変動機能作動領域で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における第2大入賞口92の内部に追加して設ける。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知する。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板90の表示、及び、可動演出部材(例えば符号93など)の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板90において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板90と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板90と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板90の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板90、可動演出部材(例えば符号93など)、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板90を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材(例えば符号93など)や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板90の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
<<演出の発展に係るタイマ表示>>
また、演出表示装置60での表示内容として、演出の発展に係るタイマ表示(タイマ演出)を行うことが可能である。より具体的には、例えば、演出図柄190の変動表示中(変動演出中)において、所定の場合に、タイマ表示領域が出現する。このタイマ表示領域の配置としては、演出表示装置60の表示領域194における右下の部位などを例示できる。
上述のタイマ表示領域には、例えば、「70:00」等の表示が行われる。この「70:00」等の表示は、70秒後に演出の発展があることを示唆するものであり、表示開始後、100分の1秒ごとのカウントダウン表示が継続される。そして、タイマ表示領域における表示が「00:00」となった場合に、変動演出が発展し、大当りの期待度が高まるよう、演出が進行する。
<<演出図柄を用いた演出>>
また、演出図柄190を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、左演出図柄190aと右演出図柄190cが仮停止中であり、中演出図柄190bが変動中の状況において、左演出図柄190aと右演出図柄190cを他の態様に変化させることが可能である。このときの左演出図柄190aと右演出図柄190cの変化後の態様としては、例えば、所定の括弧記号などを例示できる。そして、変動中の中演出図柄190bを「NEXT」「もう一回」「まだまだ!」等の単語に変化させ、単語の左右を所定の括弧で挟んだ文字画像を表示し、その後に演出を発展させる。
このように演出図柄190を、それまでとは異なる性質の表示態様に変化させる演出は、発展前の演出と、発展後の演出との間を繋ぐための演出として利用することが可能である。また、上述の「NEXT」等の単語を括弧で挟んだ文字画像として、発展や大当りの期待度が相対的に低いものと高いものとを設けること(例えばNEXTの文字列の色を白と赤、金色などで異ならせること)も可能である。
ここで、このように演出図柄190が他の性質の表示態様に変化する場合には、演出表示装置60において、小サイズ化された演出図柄(図示略)を所定の部位(右上隅或いは左端など)に表示しておくことが可能である。この小サイズ化された演出図柄を表示することで、特別図柄の変動表示中であることの報知機能を維持しつつ、演出表示装置60における演出表示の自由度を高めることが可能となる。なお、縮小されたサイズの演出図柄(190)と、縮小前の基本となるサイズの演出図柄190とを区別するため、例えば、縮小前の演出図柄を「第1演出図柄」などと称し、縮小後の演出図柄を「第2演出図柄」などと称することが可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、同時に複数のリーチの組合せが表示されるダブルリーチやトリプルリーチなどの演出を採用することも可能である。さらに、1回の変動演出中に、ダブルリーチからトリプルリーチに発展するような演出を採用することも可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、演出図柄190の変動表示を開始する際に、最後に停止する演出図柄(ここでは中演出図柄190b)を用いて演出の示唆を行うことが可能である。より具体的には、中演出図柄190bにおける人物画の部分(前述の非記号要素演出図柄である要素図柄)が台詞を発するアニメーション動作を行い、音出力として、変動開始時予告用の所定の台詞を発する、といったようなものを例示できる。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、遊技者が前述の操作ボタン22を連打した際に、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかを、連打に応じた態様で表示するものを採用可能である。そして、「連打に応じた態様」としては、例えば、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかが、震える(振動する)といったものを例示できる。
さらに、「連打に応じた態様」としては、操作ボタン22の1回の操作の検出ごとに演出図柄を1回動作させるもの(操作と動作の同期を図ったもの)を例示できる。また、操作ボタン22が連打されたことを検出した場合に、演出図柄が震える(振動する)内容のアニメーションを表示するものなどを例示できる。そして、操作ボタン22が連打されたことの検出は、例えば、所定時間(例えば1秒)内に所定回数(例えば2回等の複数回)以上の操作が検出されたか否かの判定を行うこと等により実行することが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、図7(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図7(a)、(b)中の保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
さらに、保留変化の直前に限らず、例えば保留変化が行われる前の1回又は複数回の変動前から、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出を行うことも可能である。そして、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出としては、保留表示の画像に他の画像(前述した「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」等や所定のキャラクタ画像など)を組み合わせることが考えられる。
<<その他の演出>>
また、その他の演出として、操作ボタン22として、押下操作以外の操作が可能なものを採用することが可能である。そして、押下操作以外の操作としては、タッチパネルによるタッチ操作や、遊技者が掴んで回す捻り操作を例示することができる。また、これらの各種の操作態様のうちの複数を行うことが可能な操作ボタン装置を採用することが可能である。そして、複数の態様の操作を行うことが可能な操作ボタン装置を採用した場合には、前述したようなボタン操作に係るガイド表示として、遊技者が実行するべき操作態様を案内することが考えられる。
また、その他の演出として、変動演出中に、例えば二次元コードの表示を行うことが可能である。そして、この場合には、変動演出中に遊技者がスマートフォンなどの携帯端末を取り出し、携帯端末のカメラ機能を利用して二次元コードを読み取り、所定の外部サーバにアクセスし、遊技や機種などに係る各種の情報を取得できるようにすることが考えられる。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。コマンドの送信タイミングの例としては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドは、演出制御(サブメインCPU)初期化のためのコマンドであり、客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1(図柄2)演出パターン、図柄1(図柄2)キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数および図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄の保留球数および第2特別図柄の保留記憶数を示すものであり、1つのコマンドとして送信される。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の特定遊技状態における遊技回数(残り遊技回数でも可)や限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、特定遊技状態や限定頻度遊技において選択される変動パターンにしたがった演出を選択させるために変動パターンの決定に際して変動パターンテーブルの選択の基準となるデータの種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、決定した変動パターンに所定の演出時間を追加して変動させる際、どのような演出パターンが追加されるかを示すものであり、大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率、入球容易状態時)、変動時間短縮回数0(高確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(高確率、入球容易状態時)、発射位置指定のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。本実施例では、すべての大当りの後に100回の確率変動機能および入球容易状態を発生させる仕様であるため、確率変動機能の作動有無によって送信するコマンドを異ならせていないが、高確率遊技状態では、確変回数を送信し、低確率遊技状態では変動時間短縮回数を送信するようにしてもよい。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、センター飾り64の左右の何れか流路の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16、発射位置指定のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すまたはリセット処理させるための演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化(リセットとは異なり、遊技進行前の初期状態へ移行させるもの)、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODEデータとEVENTデータのセット)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。変動パターンの決定に関し、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、付加的な変動時間の決定を行うことが可能である(変動付加情報の決定)。特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、演出の種類数に対して予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターン(変動時間)を作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された後、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(再抽選演出)や、はずれ図柄「787」が表示された後、中図柄を「8」から「7」へ変更して「777」を表示させる演出(逆転演出、復活演出)を、変動付加情報を設定した場合に行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数も要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる場合を有する。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留数が多い場合は、リーチを形成しない変動時間が短いものを決定しやすく、より多くの新たな保留が生起可能なようになっており、対して保留数が少ない場合は、リーチ等を形成しやすく変動が停止してしまうことをなるべく防止できるようになっている。状態当否判定の結果が大当りである場合には、大当りまでの過程を演出的に盛り上げるため、保留数に関係なく変動時間を決定することも考えられる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」(2バイトデータ)に設定されている。図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。そして、このようにすることにより、テーブルの判定は1バイトのデータを比較するもので構成することができ、メモリやプログラムの容量を削減できる。図柄の抽選結果である当り図柄(図柄群であってもよい)は、その図柄情報に対して大当り時のラウンド数や大当り後の時短回数等の遊技状態の振分けられるようにしてもよい。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。
<サブ基板の主要な制御処理>
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、図15〜18に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からの前述のストローブ信号(演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、後述するメインコマンド受信処理(図17参照)が実行される。なお、メインコマンド受信処理において、問題なくコマンドを受信できた正常受信の場合は、受信したコマンドの内容がコマンドバッファ(コマンドリングバッファ)に保存され、コマンド解析処理は、後述するメイン処理(図16参照)内のメインループ処理(S124〜S134の循環処理)にて行われる。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
さらに、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(図18参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、図15に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S101)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S102)。さらに、ハードウェア初期設定処理(S103)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S104)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S104)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
さらに、S105において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S106)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S106)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。しかし、本実施例に係るぱちんこ遊技機のように、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われない。
続いて、全ランプ消灯処理(S107)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S108)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、図15においては、S101からS108までの処理にメイン処理(S109)を繋げて記載しているが、S101からS108までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S109)は、このサブメイン初期設定処理(S101〜S108)の後に続いて行われるものとなっている。さらに、メイン処理(S109)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S109)の詳細については後述する。
メイン処理(S109)の後には、スリープ処理(S110)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S109)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S110)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S110)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
前述のメイン処理(S109)においては、図16に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S121)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S121)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S122)。さらに、デバイス初期化処理(S123)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作や、初期化動作の実行フラグの記憶領域への格納が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S124)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。さらに、図柄更新処理(S125)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。メインから送信された遊技情報(当否情報や変動パターン情報)や、先読み演出実行中等の状況によっては、取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目や「343」のリーチ形成態様、先読み予告で使用される装飾図柄(同色など系統の同じ図柄の組み合わせで構成されるチャンス目など)の組合せであった場合には所定の桁の数値をオフセットして、適当なはずれの組合せとすることが可能である。
この図柄更新処理(S125)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、遊技状態や演出状態に応じた図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを適宜選択および使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。この後、入力ポートデータチェック処理(S126)において、サブメインCPU521における入力ポートのデータチェックが行われる。
続くエラー演出管理処理(S127)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。さらに、プッシュボタン監視制御処理(S128)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
次に、予告抽選管理処理(S129)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S109)における後述のループ処理の数回に分けて行われる場合を有する。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S129)において行われる各種の処理については後述する。
次に、デバイス管理処理(S130)においては、リアルタイムクロック(RTC)、モータ、ソレノイド、スピーカ、ランプ類等のデバイス動作要求や、デバイスの動作切り替えタイミングとなった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。より具体的には、デバイス管理処理(S130)では、図21に示すように、モータ位置チェック処理(S171)、RTCプロセス管理処理(S172)、RTC送受信制御タスク管理処理(S173)、RTC汎用管理処理(S174)、ランプ制御処理(S175)、モータリクエスト管理処理(S176)、ソレノイド制御処理(S177)、モータ初期化管理処理(S178)が順に実行される。
これらのうち、モータ位置チェック処理(S171)では、可動演出部材(93、94等)の駆動に利用される各モータについて、回転位置の確認を行えるようになっている。そして、モータ位置チェック処理(S171)では、可動演出部材(93、94等)の、動作の起点となる初期位置を確認することが可能であり、モータ位置チェック処理(S171)は、例えば「可動演出部材位置チェック処理」や「可動演出部材位置検出処理」などと称することも可能なものである。さらに、初期位置の確認に係る詳細については後述する。
続いて、前述のRTCプロセス管理処理(S172)では、RTCを用いた各種の処理が管理され、RTC送受信制御タスク管理処理(S173)では、RTCに係るデータの送受信のための管理が行われる。また、RTC汎用管理処理(S174)では、RTCに係る汎用な処理の管理が行われる。さらに、前述のランプ制御処理(S175)では、サブメインCPU521により管理されるLEDについての処理が実行される。
続いて、モータリクエスト管理処理(S176)では、可動演出部材(93、94等)の駆動に利用される各モータを動作させるための処理が行われる。このモータリクエスト管理処理(S176)は、例えば「可動演出部材リクエスト管理処理」などとも称することが可能なものである。また、ソレノイド制御処理(S177)では、演出に用いられるソレノイドを動作させるための処理が行われ、モータ初期化管理処理(S178)では、前述のモータ位置チェック処理での確認結果に基づいたモータ初期化の管理が行われるようになっている。上述のモータ初期化管理処理(S178)は、例えば「可動演出部材初期化管理処理」などとも称することが可能なものである。
このようなデバイス管理処理(図16のS130)の後、CPU521の処理は演出管理タイマ制御処理(図16のS131)に移行する。この演出管理タイマ制御処理(S131)では、演出に係る時間の管理が行われる。
さらに、コマンド解析処理(S132)においては、図示は省略するが、コマンド受信判定の処理や、フィードバックコマンド受信判定の処理が行われる。そして、このコマンド解析処理(S132)では、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S133:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S124)に戻り、メインループが実行される。
ここで、本実施例では、上述のコマンド解析処理(S132)において、サブメインCPU521に係るサブ1制御チェックサム算出処理(図示略)が行われるが、このサブ1制御チェックサム算出処理(図示略)は、後述する乱数更新処理後(S134)で行うことも可能である。また、サブ1制御チェックサム算出処理(図示略)を、独立した制御モジュールとして備え、例えば、後述する乱数更新処理(S134)の直前などに配置してもよい。
メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S124)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S133:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S134)が実行される。この乱数更新処理(S134)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S132)においては、サブメイン基板301における変動パターン(サブ変動パターン)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S132)で演出図柄の決定を行う。ここで、上述の「サブ変動パターン」について、以下では「演出パターン」と称する場合がある。
これらのコマンド解析に係る処理(S132、S133)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S134))に進まずにメインループ処理(S124〜S134)内のそれ以外の処理(S124〜S133)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S132)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S132)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S133)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S134)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
乱数更新処理(S134)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S134)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S134)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S129)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。
<<メインコマンド受信処理>>
次に、メイン基板102からのメインコマンド受信処理について、図17に基づいて説明する。先ず、コマンド入力値を確定するか否かの判定が行われる(S141)。コマンド入力については、ノイズ等により読み込み失敗の恐れがあるため、2連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値は確定とされない。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読込み、2連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値確定とする処理が実行される。そして、コマンド入力値を確定しない場合(S141:NO)には、このメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前の元の処理へ戻る。
コマンド入力値が確定された場合(S141:YES)には、受信したコマンドが第1コマンドか否かの判定が行われ(S142)、第1コマンドであったか第2コマンドであったかの判定結果に応じて処理が分岐する。メイン基板102は、1回のコマンド送信で1バイトのコマンド送信を行うが、メイン基板102からのコマンドはMODEデータ及びEVENTデータの2バイト構成であるため、前述のように2回のコマンド送信が必要である。したがって、メイン基板102からは、1回目に上位バイトのコマンド(MODEコマンド)を送信し、2回目に下位バイトのコマンド(EVENTコマンド)が送信される。そして、コマンドを受信したサブメイン基板301においては、コマンドデータの最上位ビットが「1」であれば第1コマンド(MODEコマンド)と判定し、最上位ビットが「0」であれば第2コマンド(EVENTコマンド)と判断する。
受信したコマンドが第1コマンドであった場合(S142:YES)には、第1コマンドがテンポラリに保存され(S148)、記憶される。ここで、テンポラリは、値を一時退避させておくための記憶領域である。
さらに、所定のハードウェア乱数であるハード乱数1のそのときの値が、ソフトウェア上のバッファにラッチされて保持され(S149)、その後、処理はこのメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前に戻る。ここで、S149のように、メイン基板102のコマンド(第1コマンド)を受信する毎に、ハード乱数1をラッチしておくのは、乱数の周期が形成されないようにするためである。つまり、ランダムなタイミングで発生する第1コマンドの受信を利用して数値を作成し、演出のための所定の抽選等のタイミングにてそのときの数値を利用することで、周期性を排除した乱数の取得が可能となっている。
ハードウェア乱数は高速カウンタを用いて生成されるものであるが、取得するタイミングがランダムでなければ何らかの周期性が生じてしまうことがあり得る。しかし、メイン基板102からの第1コマンドは、遊技球の入賞等に起因する不規則なタイミングにてサブメイン基板301で受信されるものであるため、周期が生じる可能性は少ない。したがって、サブメイン基板301においては、上述のようにコマンドの受信を利用したハードウェア乱数の生成を行い、メイン基板102で行われているような周期性の排除を行っているのである。
一方、S142において、受信したコマンドが第1コマンドでないと判定された場合(S142:NO)には、第2コマンドを受信したことになる。そして、第2コマンドを受信した場合には、第1コマンドを受信済みか否かの確認が行われる(S143)。第1コマンドを受信済みでない場合(S143:NO)には、メインコマンド受信処理を抜けて元の処理へ戻る。
第1コマンドを受信済みの場合(S143:YES)には、コマンドライトポインタの取得が行われる(S144)。ここで、コマンドライトポインタは、コマンドリングバッファにおける読み取り位置を示すものであり、コマンドライトポインタの取得は、コマンドライトポインタにより示された読み取り位置からデータを取得するものである。
さらに、この時点で正常に受信されている第1コマンドと第2コマンドとが解析処理用のコマンドリングバッファに保存される(S145)。保存されたデータは、前述のメイン処理(図16参照)のコマンド解析処理(S132)にて解析処理される。そして、コマンドライトポインタが更新され(S146)、前述のテンポラリの第1コマンドがクリアされる(S147)。ここで、コマンドライトポインタの更新は、コマンドリングバッファの読み取り位置を1つ更新する処理である。また、テンポラリの第1コマンドをクリアする処理は、S148にて記憶した第1コマンドをクリアするものである。
なお、本実施例では、2つの要素コマンド(第1コマンド及び第2コマンド)の組を1組(1セット)とし、第1コマンドの受信に応じてハード乱数1のラッチを行っているので、第2コマンドの受信後の処理(S143〜S147)の系統とは異なった処理系統(S148,S149の系統)でラッチ処理ができ、第2コマンドの受信後の処理を迅速に終えることができる。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
次に、タイマ割り込み処理について、図18に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S161)。さらに、ポート入力処理(S162)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S162)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
また、ポート入力処理(S162)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。
続いて、デバイス制御データ出力処理(S163)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、図16に示すメイン処理のデバイス管理処理(S130)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S163)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
さらに、演出用タイマ更新処理(S164)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S165)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマや、押下時間に基づく押下操作の有効判定や長押し判定のための押下時間カウントタイマが更新される。
次に、タスク制御カウンタの更新(S166)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S166)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
次に、画像CPU暴走監視処理(S167)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
上述のようなトグル信号の監視は、後述するように、8回のタイマ割込み(8ms)につき1回行われる。また、この監視の周期が到来したことの判断には、前述の制御用カウンタが用いられている。ここで、監視の周期を8msとしているのは、画像の1フレームに係る表示の周期(16ms又は32ms)よりも短い周期で監視を行うことにより1フレームの表示周期中に必ず1回は監視が行われるようにするためである。さらに、監視の周期を8msとしていることの他の理由としては、前述の制御用カウンタが生成する周期の整数分の1とすることで、制御用カウンタの更新タイミングを利用できるようにするためである。
この画像CPU暴走監視処理(S167)に続いて、エラー管理タイマ処理(S168)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S168)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(図16参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS161において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<可動演出部材に係る各種の動作制御>
<<可動演出部材の位置確認に係る基本的事項>>
次に、前述した可動演出部材(93、94等)の動作制御について説明する。先ず、可動演出部材(93、94等)の、動作の起点となる初期位置を確認することが考えられる。可動演出部材(93、94等)に係る初期位置の確認は、位置検出センサ(図示略)を用いて行うことができる。ここで、位置検出センサは、「初期位置センサ」と称することも可能である。
また、前述したように初期位置の確認は、サブメインのメイン処理(図16)におけるメインループ処理(S124〜S134)内のデバイス管理処理(S130、図21)にて行えるようになっている。さらに、本実施例における初期位置の確認は、デバイス管理処理(S130)内のモータ位置チェック処理(S171)で行えるようになっている。また、図示は省略するが、サブメイン基板301における電源断復帰時に、サブメインCPU521が電源断復帰処理を実行し、その際にデバイス管理処理(S130)内のモータ初期化管理処理(S178)へ移行して、初期位置の確認を行うようになっている。なお、サブメインCPU521による電源断復帰処理内に、初期位置の確認のための処理を設けることも可能である。
位置検出センサの種類としては、可動演出部材(93、94等)の構成等の要因により、接触式及び非接触式のいずれであっても採用が可能である。また、位置検出センサの検出方式としては、光学式、電磁誘導式、機械式など、可動演出部材(93、94等)の構成等の要因により、各種のものを採用可能である。
また、サブメイン基板301において可動演出部材(93、94等)の初期位置を確認するタイミングとしては、複数のタイミング(確認タイミング)を定めることができる。そして、初期位置を確認するタイミングとして、前述した客待ちデモ開始時、大当り開始デモ時、変動開始時、及び、変動停止時などを挙げることができる。これらのうち客待ちデモ時は、前述の客待ちデモに係る開始タイミングである。さらに、これらのタイミングについて、サブメイン基板301の側では、前述したように、対応する各タイミングにてメイン基板102から送信される各種コマンドを受信した際に、認識することが可能である。
なお、本実施例では、客待ちデモ開始時、大当り開始デモ時、変動開始時、及び、変動停止時などの各タイミングで可動演出部材の位置検出を行うことが可能となっている。そして、これらのすべてのタイミングについて毎回位置検出を行うようにしてもよく、或いは、これらのうちの1部のみのタイミングで位置検出を行うようにしてもよい。また、各タイミングにおいて、位置検出可能な状況であるか否かを判定し、可能な状況である場合に位置検出を行うようにしてもよい。
また、これらのタイミングで可動演出部材(93、94等)の位置確認を行う一方で、可動演出部材(93、94等)の動作中(動作開始時から動作終了時までの間の期間など)のタイミングには、可動演出部材(93、94等)の位置確認を行わないようにすることが可能である。このようにすることで、ぱちんこ遊技機10を、可動演出部材(93、94等)に係る位置確認のタイミングは複数あるが、可動演出部材(93、94等)の動作時(動作中)には位置検出センサの入力状態を確認せずに、可動演出部材(93、94等)を動作させるものとすることができる。
また、可動演出部材(93、94等)の動作の有無や、動作の態様は、サブメイン基板301において決定されるが、可動演出部材(93、94等)の動作時に位置確認を行わないことにより、演出制御を円滑に行うことが可能になる。つまり、可動演出部材(93、94等)の動作の決定に際しては、サブメイン基板301において、メイン基板102から指定された変動パターンに基づき、前述のようにサブ変動パターン(演出パターン)が決定される。
さらに、決定されたサブ変動パターンによって、演出場面等といった演出の基幹部分(基幹要素)が決定され、更に、カットイン演出の有無や種類、各種予告の有無や種類などが決定される。ここで、上述の各種予告には、演出の発展、前述の先読み演出、可動演出部材(93、94等)を動作させる演出、などといった各種の演出要素が含まれる。
なお、サブメインCPU521でリーチの有無を決定する場合があってもよい。そして、サブメインCPU521によりリーチの有無を決定する制御態様としては、例えば、メイン基板102から「ノーマル1」等の演出パターンの情報が通知されても、サブメインCPU521がリーチの有無を決定し、リーチ演出の実行が決定された場合には、サブメインCPU521による決定結果に基づいてリーチ演出が行われる、といったものを例示できる。このようにした場合には、リーチの有無が、上述した演出の基幹部分に含まれることとなる。
可動演出部材(93、94等)を動作させるためのこれらの処理については、以下のように説明することもできる。例えば、可動演出部材(93、94等)は、メイン基板102のCPU501からのメインコマンド(特別図柄の図柄変動開始時のコマンドなど)に基づき演出としての動作(演出動作)を行う場合がある。加えて、可動演出部材(93、94等)は、上述のようなメインコマンドではなく(メインコマンドによらず)、初期位置の確認結果に基づき、初期位置に復帰するための位置復帰動作を行う場合がある。そして、可動演出部材(93、94等)には、メイン基板102のCPU501からの指示に基づき動作する場合と、サブメインCPU521による独自に決定に基づき動作する場合とがあるといえる。
例を挙げれば、可動演出部材(93、94等)には、メイン基板のCPU501により決定された変動パターン(メイン変動パターン)に基づきサブメインCPU521が決定した演出パターンに定められた通りに動作する場合と、例えばメイン基板のCPU501に基づくことなくサブメインCPU521のみの制御によって動作エラーにより停止した位置から初期位置へ復帰するために動作するような場合とがある。
さらに、可動演出部材(93、94等)の位置復帰に係る処理については、前述したように変動開始時等のタイミングで可動演出部材の位置検出を行うことが可能であるが、例えば、可動演出部材(93、94等)がメインコマンドに基づく演出動作を行わない変動演出の際であっても、毎回の変動開始時に位置確認を行うようにすることが可能である。
また、前述したように、可動演出部材(93、94等)の位置復帰に係る処理は、サブメインのメイン処理(図16)におけるメインループ処理(S124〜S134)のデバイス管理処理(S130)で行われる。そして、このことは、前述した確変や時短等の特定遊技状態であっても、特定遊技状態とは異なる通常状態(通常遊技状態)であっても同様である。つまり、可動演出部材(93、94等)の位置復帰に係る処理については、通常遊技状態と特定遊技状態とで共通であるということができる。
また、可動演出部材(93、94等)の動作(メインコマンドに基づく動作)としては、例えば、そのときの変動パターンにおける変動期間(変動時間)の前半において、リーチ発生の予兆を表す態様で行われるものを例示することができる。さらに、演出が発展する予兆を表す態様としては、振動する態様や、相対的な小さな変位量で移動する態様などを例示できる。また、複数の可動演出部材のうちの、例えば1つを駆動することにより行われる態様なども例示することができる。
さらに、可動演出部材(93、94等)の動作としては、例えば、そのときの変動パターンにおける変動期間(変動時間)中のいずれかのタイミングで、リーチへの昇格や発生やリーチの発展、或いは、大当りなどを所定の割合(100%を含む)で予告する態様のものを例示することができる。そして、この場合の予告する態様の動作としては、相対的に大きな変位量で移動する態様や、複数の可動演出部材が同時に動作する態様などを例示することができる。
さらに、特別遊技に係るラウンド中や、特別遊技後の終了デモ時(大当り終了デモ時)などには、可動演出部材(93、94等)の位置を確認しない制御態様を採用することが可能である。また、すべての変動(変動演出)において、変動開始時や変動停止時のタイミングで、可動演出部材(93、94等)に係る初期位置を確認することが可能である。
また、可動演出部材(93、94等)の駆動源としてステッピングモータ等のモータ(図26(a)〜(c)の符号97)を用いることが可能である。そして、可動演出部材(93、94等)の位置確認の態様として、モータの回転量(回転角度など)をモータ用の初期位置センサにより確認することも可能である。そして、この場合には、例えば、可動演出部材(93、94等)が初期位置に在るべき状況であるのにかかわらず(在る予定であるにもかかわらず)、所定期間(例えば5秒間程度)、可動演出部材(93、94等)が初期位置に在ることを確認できなかった場合に、可動演出部材(93、94等)を初期位置に戻す、といった制御態様を採用することが可能である。
例えば、モータのセンサ入力(初期位置センサからの入力)を、ぱちんこ遊技機10の動作中に常時、所定周期(ここでは1ms)のタイマ割込み内で監視し、特定条件下で、初期位置センサの出力を所定時間(例えば5秒間)に亘って読み込みできなかった場合に、可動演出部材(93、94等)を初期位置へ移動させる、といった処理を行うことが可能である。
この場合、モータの動作制御に用いられるモータ動作テーブルに、動作開始位置を示す情報(動作開始位置情報)及び動作停止位置を示す情報(動作停止位置情報)を定めておき、これらのうちの動作停止位置情報を参照して、可動演出部材(93、94等)が、そのときに初期位置にいる予定であるか否かを判断することができる。
例えば、センター飾り64の上部に配置された可動演出部材93を所定量落下させ、更に振動動作を行わせて落下前の位置(初期位置)へ戻す、といった動作のためのモータ動作テーブルに、動作開始位置(初期位置)、動作停止位置(初期位置)、モータの回転量(ステップ数)等の動作情報(回転位置情報ともいう)を予め定めておくことが可能である。これらの位置情報は、可動演出部材93の動作が、制御上、動作リクエスト(動作要求)された際に、サブメイン基板301において保持されている。
その後、可動演出部材93が、上述の動作リクエストに基づき実際に動作開始すると、動作の終了の際における可動演出部材の動作停止位置の情報が更新される。さらに、例えば、可動演出部材93が初期位置へ戻りきらずに可動演出部材93の動作が終了してしまった場合に、サブメイン基板301では、制御上、可動演出部材93が初期位置にいるはずの状況(初期位置にあるべき状況)であるのに、初期位置センサからの入力がないため、異常であるという判定を行うことになる。
そして、前述した1ms周期のタイマ割込みにおけるセンサ監視の処理(図18中のポート入力処理(S162)を参照)にて、この異常状態が所定時間(例えば5秒)に亘り続いた場合(例えば5秒に相当する回数のタイマ割込み処理が繰り返された場合)に、可動演出部材93を初期位置へ移動させる処理を実行し、初期位置への復帰を試みる。なお、上述したようなタイマ管理を行う場合も、可動演出部材(ここでは93)を正常位置に戻す動作を、可動演出部材が演出上の動作を行うタイミングを避けて実行することが可能である。
この場合には、可動演出部材が演出上の動作を行うタイミング(期間)であるか否かの判定を行い、演出上の動作を行うタイミングであると判定した場合には、可動演出部材の位置復帰のための動作を禁止し、所定の場合(次回の変動開始時など)に、可動演出部材に位置復帰のための動作を行わせる、といったことが可能である。
なお、このような状況として、可動演出部材に動作開始しない、或いは、動作中に停止する、などといったエラーが発生し、このエラー中に、演出上の動作(演出動作)を行うタイミングが到来するような場合を例示できる。このような場合、前述の通り、可動演出部材の演出動作のタイミングで位置確認が行われず、エラー中であることにより演出動作が行われない。その後、エラーから復帰した場合には、演出動作タイミングとは異なる所定のタイミング(変動開始時等)にて位置検出を行うこととなる。
また、上述のような場合については、位置復帰の動作(位置復帰動作)中であるため演出動作を行わず、位置復帰動作を継続する、といった制御態様を採用することが可能である。
さらに、演出動作を行うタイミングと位置復帰動作を行うタイミングが同時といえるようなタイミングで発生することも考えられる。しかし、制御処理上は、制御プログムに定められた順に、各タイミングの到来が判定されたり、可動演出部材に係る動作リクエストの設定が行われたりすると考えられる。そして、このような場合には、例えば、演出動作を行うタイミングが到来してから十分な時間(予め定められた所定時間)が経過するのを待って位置検出を行う、といったことが考えられる。なお、このような制御態様に限定されるものではなく、種々の制御態様を採用することが可能である。
また、前述のような異状状態の管理に関しては、サブメインのメイン処理(図16)におけるメインループ処理(S124〜S134)の回数に基づき、所定条件が成立したか否かの判定を行うことも可能である。そして、この場合には、メインループ処理(S124〜S134)の処理(例えばコマンド解析処理(S132))において、所定回数に亘って所定のコマンドを受信した場合に、条件が成立したと判定し、判定結果に基づく処理を行うことが可能である。このようなコマンド受信回数に基づく異常判定(エラー判定)を行う処理については後述する。
さらに、前述したように可動演出部材(例えば93)が初期位置へ戻りきらずに可動演出部材93の動作が終了してしまい、異常状態(エラー状態)を検知した場合に、可動演出部材93を初期値へ戻すための処理を行うことが可能である。このような可動演出部材93を初期値へ戻すための処理については、例えば「位置回復処理」などと称することが可能である。また、可動演出部材93に係るエラーが発生した旨の報知(エラー報知)を、所定のLED、スピーカ、演出表示装置60などの情報出力手段を用いて行うことが可能である。
そして、上述のようなエラー検知時の位置回復処理については、位置回復処理を全く行わないことや、可動演出部材93が初期位置に戻らなくても(停止している或いは予定していない振動動作を行っているなどの状態であっても)、可動演出部材をそのままの状態としたまま(可動演出部材の状態を維持したまま)位置回復処理を終了することなどを、対策として採用可能である。
この場合、制御処理の流れとしては、エラーを検出し、エラー解消のための動作(リトライ動作)を可動演出部材93に所定回数行わせるための処理を行い、初期位置に戻ったかの判定を行い、戻らない場合は可動演出部材93を停止させる(戻った場合は制御を続行)、といったものを例示できる。ここで、可動演出部材93に係る上述の「停止」は、動作させるための制御を停止して、リトライ動作後の停止した状態を維持することを表している。
さらに、これらの対策を採用した場合には、上述したような情報出力手段によるエラー報知を行わないようにすることが可能である。つまり、可動演出部材93が初期位置に戻らないままの状態を遊技場店員が確認できれば、遊技場店員は、可動演出部材93に係る何らかのエラーが発生していることを認識できると考えられる。このため、情報出力手段による報知を省略し、エラー発生時の処理を簡易なものとすることが可能である。
さらに、上述した各種の対策のうち、可動演出部材93が初期位置に戻らなくても、位置回復処理を終了する対策を採用した場合には、位置回復処理を終了する条件として、前述したように異常状態が、所定時間に亘り継続したことや、コマンド受信回数が所定値に達するまで継続したこと等を採用することが可能である。そして、これらのエラー検知時における各種の対応は、可動演出部材毎や、エラーの種類(エラー種別)毎に異ならせることも可能である。
このように情報出力手段による報知を行わないようにすることには、以下のような利点もある。例えば、前述したように演出表示装置60を構成する表示体を可動演出部材として用い、複数の表示体を合体させる動作を用って、複数の表示体により一体的な表示を行う場合などには、表示体が正常な移動を行っていなければ、表示体でエラー報知を行っても、エラー報知である旨が遊技者や遊技場店員に伝わるか否かの想定ができない。このため、情報出力手段によるエラー報知を敢えて行わないようにすることで、エラー報知が機能しない事態が生じるのを防止できるとともに、エラー発生時の処理を簡易なものとすることが可能となる。
<<位置確認を行わない動作の選定>>
また、回転可能な可動演出部材を備えることも可能であり、本実施例においては、センター飾り64の下部に配置された可動演出部材(以下では「下可動演出部材94」と称する)を、回転する可動演出部材とすることが考えられる。そして、下可動演出部材94の回転は、例えば、ぱちんこ遊技機10の前後方向に水平に延びる軸を中心として縦方向に行うことが可能である。
さらに、下可動演出部材94は、図示は省略するが、上下方向へ変位と、遊技者に見せる意匠部を前方に向けた状態での回転とを組み合わせた動作を実行可能なものとすることができる。そして、下可動演出部材94の初期位置の確認は、回転動作については行わず、上下変位についてのみ確認を行う、といったことが考えられる。この場合、回転動作については初期位置を設けないようにすることが可能である。そして、このようにした場合には、初期位置がない動作については位置の監視を行わず、初期位置がある動作については位置の監視を行うものであるということができる。
<<複数の可動演出部材に係る連携動作への対応>>
また、例えば、センター飾り64の左右側部に位置する意匠部を、可動演出部材とすることも可能である。このようにした場合の例を、図19(a)、(b)に示す。図19(a)には、センター飾り64の、遊技者から見て左側の部分のみを概略的に示している。図19(a)中においては、岩石状にデザインされた複数(ここでは5つ)の可動演出部材(以下では「左可動演出部材」と称する)95a〜95eが、互いに所定の間隔を介して上下方向に配置されている。
これらの左可動演出部材95a〜95dについて、以下では上段から下段へ順に、左岩石1(95a)、左岩石2(95b)、左岩石3(95c)、左岩石4(95d)、左岩石5(95e)と称する場合がある。そして、これらの左可動演出部材95a〜95eは、例えばモータ、歯車、リンク部材といった所定の部品により構成される駆動機構部(図示略)を介して、図19(b)中に矢印A1〜A5で示すように、ぱちんこ遊技機10の左右方向に各々が周期的に進退するようになっている。
このような左可動演出部材95(及び図示を省略した右可動演出部材)の動作は、サブメイン基板301において所定の演出パターンが選択された場合に、演出の一部として実行される。また、ここでは、左可動演出部材95(及び右可動演出部材)の周期動作は、互いに突出及び没入のタイミングを異ならせ、均一ではない態様(例えば変位角度や変位量などに関して均一ではない態様)で行われている。しかし、これに限らず、左可動演出部材95(及び右可動演出部材)の周期動作を、互いに同じタイミングで行うことも可能である。
さらに、図19(a)、(b)の例では、前述した下可動演出部材94と同様な意匠を有する可動演出部材(以下では「左下可動演出部材」)96が、前述の下可動演出部材94に代えて設けられている。また、この左下可動演出部材96は、前述の下可動演出部材94と同様に回転動作が可能であるとともに、図19(b)中に矢印Bで示すように、遊技者から見て右斜め上方向(例えば約60度の右斜め上方向)に突出する進退動作が行えるようになっている。そして、左下可動演出部材96は、左可動演出部材95a〜95eのうち、最下部の左可動演出部材95eに対して上下に接近して配置されている。
また、図19(a)、(b)の例では、左下可動演出部材96がセンター飾り64から右斜め上方向へ突出する動作については、初期位置(図示略)を初期位置センサにより確認するようになっている。これに対して、すべての左可動演出部材95a〜95eについては、位置確認をせずに周期動作を行わせるようになっている。なお、このように位置確認を省略した制御態様は、図示を省略した右可動演出部材についても同様である。なお、図19(b)では、図19(a)中の左可動演出部材95a〜95e、及び、左下可動演出部材96のみが、一部省略して概略的に示されている。
上述のような左下可動演出部材96の初期位置の確認は、駆動源となっているモータ(ここではステッピングモータ)について、回転位置を検出することにより行うことが可能である。そして、左可動演出部材95a〜95eと左下可動演出部材96のうち、左下可動演出部材96についてのみ位置確認を行うようにすることで、簡易に且つ低コストで、両者の干渉を防ぐことが可能である。
つまり、最下部の左可動演出部材95e及び左下可動演出部材96の位置関係や変位動作態様として、両方が同時期にセンター飾り64からの突出動作を行って最大ストロークに達したとしても、両者が干渉しないように両者の関係をあらかじめ決めておく、といったことが考えられる。また、左可動演出部材95e及び左下可動演出部材96が同じタイミングで突出動作を行うと干渉し得るが、両者がタイミングをずらして突出動作を行えば干渉しないように相互関係を定めておく、といったことも考えることができる。
そして、これらのようにした場合には、両者が常に適正な位置にあれば、互いに干渉することはないと考えることができる。さらに、両者が常に適正な位置にあることを前提とすれば、左可動演出部材95a及び左下可動演出部材96の両方について位置確認を行わなくても、干渉を防止することが可能である。
しかし、例えば、最下部の左可動演出部材95e及び左下可動演出部材96のうち、いずれか一方、或いは、両方に、予期していた以上の量の位置ずれが生じており、動作開始時に過度に本来の初期位置からずれているような場合には、予期せず両者の干渉が生じる可能性がある。このため、左可動演出部材95e及び左下可動演出部材96のうち、いずれか一方(ここでは左下可動演出部材96)について初期位置の確認を行うことにより、可能な限り両者の干渉を防止することができる。
なお、ここでは複数の左可動演出部材95a〜95eのうち、最下部の左可動演出部材95eと左下可動演出部材96を例に挙げて説明しているが、例えば、他の左可動演出部材95a〜95dと左下可動演出部材96についても、相互の位置関係や変位動作態様によっては、前述したような過大な位置ずれがあった場合に、互いの干渉が生じることも考えられる。このような場合であっても、左下可動演出部材96の初期位置を確認することにより、干渉の発生を防止することができる。
また、構成や制御は複雑化するが、最下部の左可動演出部材95eと左下可動演出部材96の両方について初期位置を確認するようにしてもよい。また、各左可動演出部材95a〜95eの相互関係についても、干渉が生じることは考えられ、このような事態を防ぐために、例えば、1つおきの左可動演出部材(例えば95a、95c、95eの組や95b、95dの組)について、初期位置センサを設けて初期位置を確認する、といったことも考えられる。さらに、これらの事情を踏まえたうえで、敢えて、左可動演出部材95eと左下可動演出部材96の両方について初期位置を確認せずに動作させる、といった制御態様も採用が可能である。
さらに、ここでは、前述の例(図1参照)の下可動演出部材94に代えて、図19(a)に示す左下可動演出部材96を設けているが、下可動演出部材94と左下可動演出部材96の両方をセンター飾り64に備えて、前述した各種の制御態様を採用することも可能である。
続いて、各種の可動演出部材の制御態様としては、初期位置に在るはずの場合は、実際に初期位置にいなくても動作を開始する、といった制御態様を採用することが可能である。また、所定の可動演出部材が初期位置にいないはずの状況において、動作リクエストの情報が生成された場合には、この動作リクエストを破棄し、対応する可動演出部材を作動させないといったことも可能である。
可動演出部材が初期位置に在るはずであるか否かの判断は、前述したように、モータの回転位置を、モータ動作テーブルに定められた位置情報から推測して行うことが可能である。さらに、上述したような動作リクエストの破棄に関係して、以下のような制御態様を採用することも可能である。
例えば、いずれかの可動演出部材が所定の初期位置で検出されず、そのまま可動演出部材を作動させた場合に干渉が生じる可能性があるような場合には、動作リクエストを破棄するといったことが可能である。この場合、判定対象となったすべての可動演出部材について、動作リクエストを破棄する制御態様や、一部の可動演出部材についての動作リクエストを破棄する制御態様を考えることができる。
さらに、一部の可動演出部材についての動作リクエストを破棄する制御態様として、例えば、判定対象となる複数の可動演出部材の組合せと、動作リクエストを破棄する可動演出部材との対応関係を予め定めてテーブル化しておくことが考えられる。図20は、複数の可動演出部材の対応関係を定めた図表の一例を示している。図20中において、左端部には可動演出部材の名称として、「左下可動演出部材」、「左岩石1」〜「左岩石5」を示している。
これらのうち「左下可動演出部材」は、前述の左下可動演出部材96を示すものであり、「左岩石1」〜「左岩石5」は順に、左可動演出部材95a〜95eを示している。さらに、図20中の「○」は、同時に動作しても干渉が生じない対応関係を示しており、「×」は同時に動作すると干渉が生じ得る対応関係を示している。
つまり、図20は、「左下可動演出部材」は、最下部の左可動演出部材95eである「左岩石5」とは干渉し得るが、他の「左岩石1」〜「左岩石4」とは、同時に動作しても干渉を生じないことを示している。さらに、図20は、「左岩石1」〜「左岩石4」は、他の可動演出部材と干渉することがなく、「左岩石5」は、「左下可動演出部材」と干渉し得ることを示している。そして、このようなテーブルに基づき、「左下可動演出部材」と「岩石5」を同時に動作させるよう演出に当せんした場合には、予め定められたいずれか一方、或いは、両方の動作リクエストを破棄することが可能である。
また、リクエストの破棄にあたっては、毎回のリクエストについて、前述したような動作開始位置と前回の停止位置を比較や、テーブルの確認などを行って、リクエストを破棄するか否かを決定することが可能である。また、動作リクエストを破棄する条件としては、これまでに説明したものの他に、例えば、可動演出部材を駆動するモータが、電断復帰時等(通常の電源投入時を含む)のように初期化動作中の状況にあることなども例示できる。
<<初期位置検出が行われる可動演出部材を用いたその他の演出>>
前述したような初期位置検出を伴う各種の可動演出部材の動作は、これまでも説明したように、演出における種々の場面で実行することが可能である。そして、可動演出部材を用いたその他の演出として、例えば、以下の各種のようなものを例示することができる。例えば、位置検出の対象である1つの可動演出部材を、前述した先読み演出にて動作させることが可能である。また、先読み演出、及び、先読みとは異なる予告演出の双方、或いは、一方にて動作させることも可能である。
さらに、可動演出部材を動作させる演出を、変動演出の開始時に予め決定されている場合と、変動演出の実行中に決定された場合とがあるものとすることができる。これらのうち変動演出の開始時に予め決定されている場合としては、メイン基板102に係るCPU501が決定する変動パターンや、サブメイン基板301に係るCPU521が決定する演出パターンとして、可動演出部材の動作を含むことが予め決まっている演出パターンが決定された場合を挙げることができる。また、変動演出の実行中に決定された場合としては、サブメイン基板301のCPU521が、予め決まっている変動演出に付加される予告演出として、リーチ中などに後発的に決定されるような場合を挙げることができる。
さらに、可動演出部材を用いた演出として、前述したように、操作ボタン22の操作が検出された場合に、操作に応答して可動演出部材を動作させることが可能である。また、前述したように付加的な表示体(サブ液晶など)を可動演出部材として動作させることも可能であり、更にこの場合には、相対的に大型な表示体(メイン液晶など)とサブ液晶とを一体的な表示や動作を行わせることなども可能である。また、メイン液晶を可動演出部材とすることも可能である。
さらに、前述したように、操作ボタン22に突出や振動等の動作を行わせる場合には、操作ボタン22が可動演出部材となる。そして、可動演出部材としての操作ボタン22を用いた演出態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、突出した場合に操作レバーとして機能するように操作ボタン22を構成し、所定の状況で遊技者が、当該操作レバー(操作ボタン22)を前後左右のうちのいずれかの方向へ傾けた(倒した)場合に、他の可動演出部材(93、94等)が動作したり、所定の演出パターンへ発展したりする、といった演出態様が考えられる。
<ぱちんこ遊技機における各種のエラー>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において取り扱われる各種のエラーについて、図22〜図25に基づき説明する。ただし、ここで説明するのはあくまでもエラー種別の一部であり、本発明に係る遊技機で取扱いの対象とすることが可能なエラーは、ここで説明するエラーに限定されるものではない。
先ず、取り扱われているエラーは、相対的に重要度の高いもの(図22参照)と、相対的に重要度の低いもの(図23〜図25参照)とに分類することができる。これらのうち、相対的に重要度が高いエラーとしては、図22に示すように、「磁石検知」、「電波検知」、「入賞口断線・短絡」、「過剰払出し検知A」、「過剰払出し検知B」がある。
これらのうち、「磁石検知」及び「電波検知」は、異常な磁気や電波が検出された場合のエラーである。さらに、「入賞口断線・短絡」は各種の入賞口の断線や短絡が検出された場合のエラーである。また、「過剰払出し検知A」は、所定の入賞口において、単位時間あたりの入球個数の異常を検知した場合のエラーである。さらに、「過剰払出し検知B」は、所定時間に係る単位発射数(アウト口通過数)あたりの入球個数の異常を検知した場合のエラーである。
図22には、各種のエラーが検出された場合におけるサブメインCPU521による対応を示している。サブメイン基板301については、図22中で右側へ順に示すように「枠ランプ」、「音声」、「液晶」によるエラー報知が可能となっている。これらのうち「枠ランプ」は、前述した遊技機枠11における電飾のうち、一部の電飾用のLED(例えばガラス扉15の上部における電飾用LEDなど)を利用して行われるエラー報知を意味している。また、「音声」は、所定のスピーカ21を利用した音声によるエラー報知を意味しており、「液晶」は、例えば演出表示装置60等の表示装置を利用した画像によるエラー報知を意味している。
また、図22の左端部に示す「2種系仕様」、「球確系仕様」、「標準仕様」は、各種のエラーに対する検出機能や報知機能が発揮される仕様の分類(機種の分類)を表している。これらのうち「2種系仕様」は、前述した所謂1種と2種(所謂羽根もの)のゲーム性を組合せた1種2種タイプ等のように、所謂2種の機能を備えた仕様を意味している。そして、「2種系仕様」の欄に「○」が記入されている種別のエラーは、「2種系仕様」の機種で検知や報知が行われるものとなっている。
続いて、図中において「2種系仕様」の右側に示す「球確系仕様」は、前述した所謂球確スペックのように、遊技球が特定の領域を通過することで大当りの種類が決まる機能を備えた仕様を意味している。そして、「球確系仕様」の欄に「○」が記入されている種別のエラーは、「球確系仕様」の機種で検知や報知が行われるものとなっている。
さらに、図中において「球確系仕様」の右側に示す「標準仕様」は、上述した「2種系仕様」や「球確系仕様」とは異なるタイプの仕様を意味している。そして、「標準仕様」の欄に「○」が記入されている種別のエラーは、「標準仕様」の機種で検知や報知が行われるものとなっている。例えば、図22の最上段に示す「磁石検知」を例に挙げれば、「2種系仕様」、「球確系仕様」、「標準仕様」のいずれの仕様においても検知や、後述する各種の報知が行われる。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10(図1〜図21)は、「標準仕様」に該当するものである。しかし、サブメインCPU521が実行する制御プログラムには、「2種系仕様」や「球確系仕様」の場合に検知等が行われる種別のエラーについての処理を定めておき、仕様の違いに応じて制御プログラムの使い分けを行うことで、制御プログラムに汎用性を持たせることが可能となる。
また、「2種系仕様」、「球確系仕様」、「標準仕様」の欄に、例えば図24の「異常入球(大入賞口2)」や、図25の「異常入球(普通電役)」のように「−」(ハイフン)が記入されたエラー種別がある。この「−」は、当該仕様の機種では、対応するエラーの報知が行われないことを意味している。また、例えば、図23の「始動口入賞順異常」等のように、「2種系仕様」、「球確系仕様」、「標準仕様」の欄に「機種毎」の文字が記入されている場合には、当該仕様の機種であっても、機種によってエラー報知の機能の有無が異なることを意味している。なお、このような仕様の分類(機種の分類)とエラー種別との関係について、ここで説明した以外の事項については、後述する各エラー種別において説明する。
前述した各種のエラーのうち、例えば、図22中の最上段に示す「磁石検知」が発生した場合には、「枠ランプ」では、「枠ランプ」用に設けられた所定数のLEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が、ぱちんこ遊技機10の電源がOFF(オフ)されるまで実行される。また、「音声」では、「磁石を検知しました」の音声出力が、所定の態様(ここでは後述する第1音声エラー報知態様)で、ぱちんこ遊技機10の電源がOFFされるまで実行される。
ここで、「音声」に係る上述の第1音声エラー報知態様は、異なる態様の複数(ここでは2種類)の警報音のうちの1つを伴うものとなっている。そして、第1音声エラー報知態様としては、例えば「ピヨピヨ」と聞こえる警報音との組み合わせを例示でき、これとは異なるエラー報知態様(第2音声エラー報知態様)としては、例えば「キンコーン」と聞こえる警報音との組み合わせを例示できる。なお、図22〜図25では、第1音声エラー報知態様での音声出力を丸付き数字の「1」で表し、第2音声エラー報知態様での音声出力を丸付き数字の「2」で表している。
さらに、「磁石検知」が発生した場合の「液晶」では、「磁石を検知しました」の文字表示が、ぱちんこ遊技機10の電源がOFF(オフ)されるまで実行される。また、本実施例では、「液晶」の表示態様が、図22〜図25における「アイコン」欄に示されている。例えば、「磁石検知」の場合には、「アイコン」として、「磁石を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E001−0」の符号が併記されるようになっている。
続いて、前述の「電波検知」の場合には、「磁石検知」の場合と同様に、「枠ランプ」ではLEDの赤色による全点灯が、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「音声」では、「電波を検知しました」の音声出力が第1音声エラー報知態様で、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。さらに、「液晶」では、「電波を検知しました」の文字表示が、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「アイコン」として、「電波を検知しました」の文字に加えて「E002−0」の符号が併記される。
続いて、前述の「入賞口断線・短絡」の場合には、「磁石検知」や「電波検知」の場合と同様に、「枠ランプ」ではLEDの赤色による全点灯が、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「音声」では、「断線・短絡を検知しました」の音声出力が第1音声エラー報知態様で、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。さらに、「液晶」では、「断線・短絡を検知しました」の文字表示が、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「アイコン」として、「断線・短絡を検知しました」の文字に加えて「E003−0」の符号が併記される。
続いて、前述の「過剰払出し検知A」の場合には、「枠ランプ」では、前述のように単位時間あたりの入球個数の異常を検出した場合に、最初に異常を検出したセンサ(各種入賞検出装置)に対応付けられた個所のLEDを、所定色(ここでは黄色)で点滅させ、点滅箇所以外のLEDは赤点灯させる。さらに、大当り中の出玉過多(特別遊技中の過剰払出し)の場合は、LEDの赤色による全点灯が行われる。また、この「枠ランプ」による報知は、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。
さらに、「音声」では、「過剰払出を検知しました」の音声出力が第1音声エラー報知態様で、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。さらに、「液晶」では、「過剰払出を検知しました」の文字表示が、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「アイコン」として、「過剰払出を検知しました」の文字に加えて「E003−α」の符号が併記される。ここで、上述の符号「α」は、入球口IDを表しており、該当する入球口の相違に応じて変わるものである。さらに、符号「α」は、大当り中の出球過多(出球過多)を表す「F」となる場合もある。
ここで、この「過剰払出し検知A」について更に説明すれば、「過剰払出し検知A」は、大当り中の賞球数が基準値以上、もしくは単位時間あたりの入球数が一定個数以上(1分間に所定個数(N球)以上、又は、1秒間に所定個数(M球)以上)の場合にエラー(異常)とみなして検出が行われるものとなっている。
続いて、前述の「過剰払出し検知B」の場合には、「枠ランプ」、「音声」、「液晶」については、「過剰払出し検知A」の場合と概ね同様であるが、「枠ランプ」について、大当り出球過多の場合についての報知態様が定められていない点で、「過剰払出し検知A」とは異なっている。また、「アイコン」として、「過剰払出を検知しました」の文字に加えて「E003−β」の符号が併記される。ここで、上述の符号「β」は、入球口IDを表しており、該当する入球口の相違に応じて変わるものである。
ここで、この「過剰払出し検知B」について更に説明すれば、「過剰払出し検知B」は、単位発射数(アウト口通過数)あたりの入球数が一定個数以上(100球間にN球以上)の場合エラーとみなして検出が行われるものとなっている。
次に、前述した相対的に重要度の低いエラーとしては、図23〜図25に示すように、「入球通過時間異常」、「始動口入賞順異常」、「通信線異常」、「振動検知」、「異常電源ON(RWM初期化)」、「メイン制御モータ」、「通常電源ON」、「扉開放」、「異常入球(大入賞口2)」、「異常入球(大入賞口1)」、「異常入球(普通電役)」、「受け皿満タン」、「レバーエラー報知レベル3」、「レバーエラー報知レベル2」、「レバーエラー報知レベル1」がある。
これらのうち、図23に示す「入球通過時間異常」は、例えば始動入賞検出装置74、75や大入賞口に係る入賞検出装置78、79などの各種のセンサ(各種入賞検出装置)において、遊技球の検出時間が所定値を超えている場合に検出されるエラーである。そして、この「入球通過時間異常」に係る「枠ランプ」は、最初に異常を検出したセンサに対応付けられた個所のLEDを、所定色(ここでは水色)で点滅させ、点滅箇所以外のLEDは赤点灯させる。また、この「枠ランプ」による報知は、エラー検知からエラー解除までの期間のほか、エラー解除から3分間に亘って継続される。さらに、例えば始動入賞等に係る所定のスイッチ(ここでは確認スイッチ)の「入球通過時間異常」の場合には、「枠ランプ」として、所定色(ここでは赤色)での点滅が行われる。
また、「入球通過時間異常」に係る「音声」としては、「球が滞留しています。係員を呼んで下さい。」の音声出力が、第1音声エラー報知態様で、エラー検知からエラー解除までの期間のほか、エラー解除から所定時間(ここでは60秒間)に亘り実行される。さらに、「液晶」としては、「センサを点検して下さい」の文字表示が、エラー検知からエラー解除までの期間のほか、エラー解除から60秒間に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「センサを点検して下さい」の文字に加えて、エラー種別を示す「E005−α」の符号が併記されるようになっている。
ここで、符号「α」は、前述した入球口IDを表している。また、「アイコン」として、これらの文字の他に、警告マークと所定の文字(ここでは「エラー」)の組合せが表示される。警告マークとしては、図23中に示すように、三角形状の枠内に感嘆符(エクスクラメーションマーク)を描いたものが用いられている。なお、「入球通過時間異常」のエラー解除は、遊技球が完全に(継続して)センサ上に詰まって(とどまって)いる間は行われないようになっている。
続いて、前述の「始動口入賞順異常」は、始動入賞に係る振り分け装置が設けられている場合に、1つの始動口(始動口が2つの場合はいずれか一方の始動口)について、連続して所定個数(N個)の入賞が検出された場合に異常とみなして検出が行われるものとなっている。
ここで、前述したように、各種のエラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。そして、この「始動口入賞順異常」は、振り分け装置が設けられているゲーム性のぱちんこ遊技機でのみ検出され得るエラーとなっている。このようなエラー種別は、例えば機種に依存するエラー種別であるということができる。
そして、この「始動口入賞順異常」に係る「枠ランプ」は、最初に異常を検出したセンサに対応付けられた個所のLEDを、所定色(ここでは水色)で点滅させ、点滅箇所以外のLEDは赤点灯させる。さらに、この「枠ランプ」による報知は、ぱちんこ遊技機10の電源OFFまで実行される。また、「始動口入賞順異常」に係る「音声」としては、「始動口入賞順異常を検知しました」の音声出力が、第1音声エラー報知態様で、エラー検知から所定時間(ここでは60秒間)に亘り実行される。
また、「液晶」としては、「センサを点検して下さい」の文字表示が、エラー検知から所定時間(ここでは60秒間)に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「センサを点検して下さい」の文字に加えて、エラー種別を示す「E007−α」の符号が併記されるようになっている。ここで、符号「α」は、前述した入球口IDを表している。また、「アイコン」として、前述の「入球通過時間異常」と同様に警告マークが表示される。
続いて、前述の「通信線異常」は、メイン基板102と他の基板であるサブメイン基板301や払出制御基板45などとの間でコネクタの抜けなどが検出された場合のエラーである。この「通信線異常」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が、エラー解除まで実行される。また、この「枠ランプ」では、エラー検知から10秒間遅延させて報知が開始される。
さらに、「音声」では、「通信線異常を検知しました」の音声出力が、エラー検知から10秒間遅延させて、第1音声エラー報知態様で開始され、エラー解除まで実行される。さらに、「液晶」としては、「通信線異常を検知しました」の文字表示が、エラー検知から10秒間遅延させて開始され、エラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、「通信線異常を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E008−0」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
続いて、前述の「振動検知」は、異常な振動が検出された場合のエラーであり、機種に依存した種別のエラーである。そして、「振動検知」は、例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種で、エラー検出機能が有効とされるものである。
この「振動検知」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が、エラー検知に基づく所定のタイミングから所定時間(ここでは60秒間)に亘り実行される。さらに、「音声」では、「振動を検知しました」の音声出力が、「枠ランプ」の場合と同様に、エラー検知に基づく所定のタイミングから所定時間(ここでは60秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。
また、「液晶」としては、「振動を検知しました」の文字表示が、「枠ランプ」や「音声」の場合と同様に、エラー検知から10秒間遅延させて開始され、エラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、「振動を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E012−0」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
続いて、前述の「異常電源ON(RWM初期化)」は、電源投入時のRWM初期化に係る異常が検出された場合や、大当り開始デモから大当り終了デモの際に生じた電断から電源復帰する場合のエラーである。この「異常電源ON(RWM初期化)」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が所定時間(ここでは30秒間)に亘り実行される。さらに、「音声」では、「電源が入りました」の音声出力が、所定時間(ここでは60秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。
また、「液晶」としては、「電源が入りました」の文字表示が、所定時間(ここでは30秒間)に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「電源が入りました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E009−0」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
次に、図24に示す前述の「メイン制御モータ」は、メイン基板102で制御する可動演出部材のモータに係る異常が検出された場合のエラーである。メイン基板102が可動演出部材としては、例えば、前述の「2種系仕様」や「球確系仕様」等において、当否の決定や、当りの種類の決定などに関わるものを挙げることができる。そして、上述の「メイン制御モータ」は、モータ駆動される可動演出部材を備えた機種でのみ有効化される、機種に依存した種別のエラーである。
この「メイン制御モータ」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が、エラー検知に基づく所定のタイミング(ここではモータ異常の最後の検知となる検知終了のタイミング)から所定時間(ここでは30秒間)に亘り実行される。さらに、「音声」では、「可動物の異常を検知しました」の音声出力が、エラー検知から所定時間(ここでは35秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。
また、「液晶」としては、「可動物の異常を検知しました」の文字表示が、「枠ランプ」の場合と同様に、最後の異常検知から30秒間遅延に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「可動物の異常を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E010−0」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
続いて、前述の「通常電源ON」は、電源スイッチ40(図2参照)の操作による電源投入に係る異常が検出された場合のエラーである。この「通常電源ON」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が所定時間(ここでは12秒間)に亘り実行される。さらに、「音声」では、「電源が入りました」の音声出力が、所定時間(ここでは12秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。
また、「液晶」としては、「電源が入りました」の文字表示が、所定時間(ここでは12秒間)に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「電源が入りました」の文字に加えて、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせが表示されるようになっている。
続いて、前述の「扉開放」は、前枠12や扉14の開放が検出された場合のエラーである。この「扉開放」に係る「枠ランプ」では、LEDの所定色(ここでは赤色)による全点灯が、各種扉の開放中、及び、閉鎖後の所定期間(ここでは30秒)に亘り実行される。 さらに、「音声」では、「扉が開いています」の音声出力が、各種扉の開放中の(例えば開放開始からの)所定期間(ここでは3分間)、及び、閉鎖後の所定期間(ここでは7秒間)に亘り実行される。さらに、「液晶」としては、「扉が開いています」の文字表示が、各種扉の開放中に限り実行される。このときの「アイコン」としては、エラー種別の符号や警告マーク等の表示は行われないようになっている。
続いて、前述の「異常入球(大入賞口2)」、及び、図中の次段の「異常入球(大入賞口1)」、は、大入賞口に係る異常入球が検出された場合のエラーである。そして、この「異常入球(大入賞口2)」、及び、「異常入球(大入賞口1)」、は、大入賞口の構造やゲーム性に応じて使い分けられる、機種に依存した種別のエラーである。
本実施例では、「異常入球(大入賞口2)」は、大入賞口内に特定の領域を持つ場合のエラーとして定められている。そして、「異常入球(大入賞口2)」は、例えば、前述したような所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種で、標準の構成(標準仕様)として有効化されるようになっている。
これに対し、「異常入球(大入賞口1)」は、所定の大入賞口内に特定の領域を持たない場合のエラーとして定められている。そして、「異常入球(大入賞口1)」は、遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるようなタイプとは異なる機種で、標準仕様として有効化されるようになっている。
さらに、ぱちんこ遊技機として、2種類の大入賞口を備えるタイプのものもある。このようなタイプのぱちんこ遊技機は、前述の所謂1種2種タイプや、所謂球確スペックとは異なるタイプのものとして扱われる。そして、このようなタイプのぱちんこ遊技機では、例えば、「異常入球(大入賞口2)」と「異常入球(大入賞口1)」とを併用し、「異常入球(大入賞口2)」及び「異常入球(大入賞口1)」の両方を標準仕様とする、といったことが可能である。
また、図24では、「異常入球(大入賞口2)」に係る「枠ランプ」、「音声」、「液晶」等の各要素を上下2段に分けて示している。これらのうちの上段は、「異常入球(大入賞口2)」が標準仕様とされているタイプのぱちんこ遊技機におけるエラー報知態様を示すためのものであり、下段は前述の所謂1種2種タイプや、所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機におけるエラー報知態様を示すためのものである。そして、「異常入球(大入賞口2)」が標準仕様とされている場合には、図中の上段に示すように、「異常入球(大入賞口2)」に係る「枠ランプ」、「音声」、「液晶」でのエラー報知は行われないようになっている。
一方、前述の所謂1種2種タイプや、所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機においては、図中の下段に示すように、「枠ランプ」でのエラー報知は行われないが、「音声」では、遊技の状況に応じてエラー報知が行われる場合があるようになっている。そして、特別遊技が行われる大当り中には、「音声」でのエラー報知は行われないが、大当り中以外には、「異常入球を検知しました」の音声出力が、所定時間(ここでは10秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。
また、「液晶」でも、遊技の状況に応じてエラー報知が行われる場合があるようになっている。そして、特別遊技が行われる大当り中には、「液晶」でのエラー報知は行われないが、大当り中以外には、「異常入球を検知しました」の文字表示が、所定時間(ここでは10秒間)に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「異常入球を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E013−2」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
続いて、前述の「異常入球(大入賞口1)」については、「枠ランプ」、「音声」、「液晶」でのエラー報知は行われないようになっている。つまり、「異常入球(大入賞口2)」や「異常入球(大入賞口1)」については、前述の所謂1種2種タイプや、所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機に備えられている場合には、エラー報知が行われる場合があるが、それ以外のタイプのぱちんこ遊技機に備えられている場合には、エラー報知が行われないものとなっている。
次に、図25に示す前述の「異常入球(普通電役)」は、前述の普通電動役物に係る異常入球が検出された場合のエラーである。そして、この「異常入球(普通電役)」も、機種に依存した種別のエラーである。図25では、「異常入球(普通電役)」に係る「枠ランプ」、「音声」、「液晶」等の各要素を上下2段に分けて示している。これらのうちの上段は、「異常入球(普通電役)」が標準仕様とされているタイプのぱちんこ遊技機、及び、前述の所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機におけるエラー報知態様を示すためのものである。さらに、下段は前述の所謂1種2種タイプのぱちんこ遊技機におけるエラー報知態様を示すためのものである。
これらのうち、上段に示す「異常入球(普通電役)」が標準仕様とされているタイプのぱちんこ遊技機、及び、前述の所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機では、「枠ランプ」、「音声」、「液晶」でのエラー報知は行われないようになっている。
一方、前述の所謂1種2種タイプのぱちんこ遊技機においては、図中の下段に示すように、「枠ランプ」でのエラー報知は行われないが、「音声」では、「異常入球を検知しました」の音声出力が、所定時間(ここでは10秒間)に亘り、第1音声エラー報知態様で実行される。さらに、「液晶」では、「異常入球を検知しました」の文字表示が、所定時間(ここでは10秒間)に亘り実行される。このときの「アイコン」としては、「異常入球を検知しました」の文字に加えて、エラー種別を示す「E013−3」の符号が併記されるようになっている。また、「入球通過時間異常」等と同様に、警告マークと「エラー」の文字との組み合わせも表示される。
さらに、前述の所謂1種2種タイプのぱちんこ遊技機においては、普通電動役物の未作動時にも、第2始動入賞口63が、前述したロング開放を行った場合や、ショート開放を行った場合についても、「異常入球(普通電役)」に係る、「音声」及び「液晶」でのエラー報知が行われるようになっている。そして、図中に示すように、ロング開放の場合は、異常入球が連続して所定回数(ここでは3回)検出された場合にエラー報知が行われ、ショート開放の場合は、異常入球が1回検出されればエラー報知が行われる。
ここで、異常入球の所定回数の検出は、例えば、メイン基板102からの所定のコマンド(始動口無効入賞コマンドなど)がサブメイン基板301へ送信されるようにし、サブメインCPU521のコマンド解析処理(図16のS132)で、始動口無効入賞コマンドを所定回数のループ処理に亘り連続で検出すると、「異常入球(普通電役)」と判定する、といった態様で行うことが可能である。この場合、開放態様(ここではロング開放)を示すコマンドを受信した際に、開放態様に応じて回数を示す値(ここでは「3」、ショート開放の場合は「1」。)をセットし、次の開放態様を示すコマンドを受信するまでに、始動口無効入賞コマンドを受信する度に減算を行い、所定回数に亘り始動口無効入賞コマンドを受信すると当該エラーと判定する、といった制御態様を採用することができる。
続いて、前述の「受け皿満タン」は、同じく前述した受け皿満タンスイッチにより下球皿18の満タンが検出された場合のエラーである。この「受け皿満タン」に係る「枠ランプ」ではエラー報知が行われず、「音声」では、「球を抜いてください」の音声出力が、当該フレーズを3回繰り返すよう実行される。ここで、「受け皿満タン」に係る「音声」のエラー報知は、満タンの検知から所定時間(ここでは5秒間)遅れて開始される。また、「液晶」では、「球を抜いてください」の文字表示が、エラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、エラー種別の符号や警告マーク等の表示は行われないようになっている。
続いて、前述の「レバーエラー報知レベル3」、「レバーエラー報知レベル2」、「レバーエラー報知レベル1」について説明する。これらのエラーは、レバーに係るエラーとして検出されるものであるが、「レバー」は、前述したように操作ボタン22に突出動作等を行わせ、操作ボタン22を可動演出部材の1つとして用いるようにした場合の、操作ボタン22の形態を表している。
さらに、「レバーエラー報知レベル3」、「レバーエラー報知レベル2」、「レバーエラー報知レベル1」は、前述の所謂1種2種タイプや、所謂球確スペックのタイプのぱちんこ遊技機であっても検出が行われるものとなっている。また、これらのエラーには、検出条件や報知態様に相違があり、状況に応じて使い分けられるようになっている。
先ず、「レバーエラー報知レベル3」は、レバー(ここでは可動演出部材として構成されている操作ボタン22の形態)の動作不良が所定回数(ここでは5回)連続して検出された場合に発生するものとなっている。より具体的には、例えば、垂直状態(突出状態)になったレバーを下に戻す(没入状態或いは傾倒状態とする)ための処理(位置回復処理)を5回行っても位置検出ができなかった場合に、「レバーエラー報知レベル3」となる。このような動作不良の検出回数を判定する処理としては、「異常入球(普通電役)」について説明した回数判定の処理と同様に行うことが可能である。
この「レバーエラー報知レベル3」については、「枠ランプ」や「音声」でのエラー報知は行われず、「液晶」での「レバー動作停止中」の文字表示が、エラー検知からエラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、エラー種別の符号や警告マーク等の表示は行われないようになっている。
ここで、上述のようにレバーを初期位置に戻そうとする位置回復処理を行った場合には、その後に所定時間(ここでは60秒)が経過しなければ、「レバーエラー報知レベル3」が解除されないようになっている。さらに、位置回復処理は、扉開閉により再度実行されるようになっている。さらに、扉の開閉を繰り返した場合には、その都度、レバーの位置回復処理が行われる。
続いて、前述の「レバーエラー報知レベル2」は、レバーの前述のような動作不良時、又は、後述する「レバーエラー報知レベル1」となっている状態から所定期間(ここでは60秒)が経過すると発生する。この「レバーエラー報知レベル2」については、「枠ランプ」ではLEDの赤色による全点灯がエラー解除まで実行される。また、「音声」では、「レバーを戻して下さい」の音声出力が30秒間に亘り実行され、「液晶」では、「レバーを戻して下さい」の文字表示が、エラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、エラー種別の符号や警告マーク等の表示は行われないようになっている。
続いて、前述の「レバーエラー報知レベル1」は、前述のような動作不良が発生し、レバーが所定の状態(没入状態或いは傾倒状態等に戻らない状態)で所定時間(ここでは10秒)が経過すると発生する。この「レバーエラー報知レベル1」については、「枠ランプ」や「音声」でのエラー報知は行われず、「液晶」での「レバーを戻してください」の文字表示が、エラー検知からエラー解除まで実行される。このときの「アイコン」としては、エラー種別の符号や警告マーク等の表示は行われないようになっている。
なお、これまで説明したような各種のエラーと、可動演出部材(93、94等)との関係を以下のようなものとすることが可能である。例えば、複数種類のエラーのうち、特定の種類のエラーが発生している状況では可動演出部材(93、94等)の位置確認や位置復帰動作を行わず、他の特定のエラーが発生している状況では可動演出部材(93、94等)の位置確認や位置復帰動作を行う、といったことが可能である。さらに、エラー時に可動演出部材(93、94等)の位置確認や位置復帰動作を行う場合には、エラーが発生していない正常な場合と同様に、可動演出部材(93、94等)が演出のための動作(演出動作)を行うタイミングとは異なるタイミングで、位置検出を行うことが可能である。
より具体的には、例えば、「磁気検知」等の相対的に重要度の高いエラー(図22参照)が発生している状況では、可動演出部材(93、94等)の位置確認等を行わず、相対的に重要度の低いエラー(図23〜図25参照)が発生している状況では、可動演出部材(93、94等)の位置確認等を行う、といったことを例示できる。そして、相対的に重要度の低いエラーが発生している状況では、エラーが発生していない正常な場合と同様に、可動演出部材(93、94等)が演出のための動作(演出動作)を行うタイミングとは異なる変動開始時等のタイミングで、位置検出を行うようにすることができる。
<実施例に係る発明の作用効果>
以上各種の例を説明したように、可動演出部材の動作開始時や動作中などのタイミングでは可動演出部材の位置確認を行わず、変動演出に係る変動開始時などのような他のタイミング(可動演出部材の動作中とは異なるタイミング)で可動演出部材の位置確認を行うことにより、動作エラーなどが発生した場合に遊技者が、演出のためではない動作を演出と誤認することを防止できる。
つまり、可動演出部材の動作開始時や動作中などのタイミングで位置確認を行い、エラーが検出された場合には、可動演出部材を停止させたり、正常な位置に戻したりすることが必要になる。このため、遊技者は、可動演出部材が正常な演出動作を行っているのか、それ以外の制御上必要な動作(正常位置復帰動作)を行っているのか区別できず、演出ではない動作を演出動作と認識してしまうことが考えられる。しかし、これまでに説明したように位置検出のタイミングを定めておくことにより、このような誤認を防止でき、可動演出部材の制御を適正化することが可能となる。
また、前述したように、特別遊技に係るラウンド中や、特別遊技後の終了デモ時(大当り終了デモ時)などには、可動演出部材(93、94等)の位置を確認しない制御態様を採用することにより、遊技者の印象に残り易い特別遊技中に、可動演出部材が演出以外の動作を行ってしまうことを防止できる。
さらに、前述のように、左下可動演出部材96(図19(a)、(b)参照)について、回転動作に関しては位置確認を行わず、斜め上方に進退する動作に関しては位置確認を行うようにすることで、可動演出部材の位置確認のための処理負担を軽減でき、可動演出部材の動作制御を適正化することが可能になる。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。本実施例では、可動演出部材の位置検出タイミングを可動演出部材の可動タイミング以外のタイミング(例えば変動開始時など)として説明したが、これに加えて、可動演出部材の可動タイミングにおいても位置検出を行うようにしてもよい。
10 ぱちんこ遊技機、50 遊技盤、52 遊技領域、53 主制御表示装置、
60、演出表示装置、62 第1始動入賞口、63 第2始動入賞口、
91 第1大入賞口、92 第2大入賞口、93、94 可動演出部材、
95a〜95e 左可動演出部材、96 左下可動演出部材、102 メイン基板、
104 サブ基板、113 第1当否判定手段、117 第2当否判定手段、
120 特別遊技制御手段、197 保留数表示部、301 サブメイン基板、
302 サブサブ基板、501 メイン基板のCPU、521 サブメイン基板のCPU。

Claims (1)

  1. 遊技の進行を制御する主制御手段と、
    前記主制御手段からの演出制御指令を受信し前記演出制御指令に応じた制御処理を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段により決定された演出動作を行う可動演出部材と、
    前記可動演出部材の位置確認のための位置検出手段と、を備え、
    前記主制御手段は、
    遊技領域に発射された遊技球が前記遊技領域を流下して始動口に入球すると、前記始動口への遊技球の入球に基づき、当否抽選や変動パターン抽選のための乱数値を取得し、取得した前記乱数値を用いて前記当否抽選や前記変動パターン抽選を行い、
    前記当否抽選の結果を示すための特別図柄を、前記変動パターン抽選で決定された変動パターンに基づく変動表示の後に停止表示させ、前記当否抽選の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を実行し、
    遊技球が前記始動口に入賞しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記大当りのための前記乱数値を含む特別図柄保留記憶情報を所定数内で保留記憶し、
    前記特別遊技の後に、所定の終了条件が成立するまで遊技者に有利となる特定遊技状態での遊技を実行可能とし、
    前記演出制御手段は、
    前記位置検出手段の検出結果に基づき前記可動演出部材が所定位置にあるか否かを確認するための位置検出を行うことが可能であり、
    前記位置検出のタイミングは、前記可動演出部材が動作を行うタイミングとは異なるタイミングであり、
    前記特定遊技状態と、前記特定遊技状態となっていない通常遊技状態とで、前記演出制御手段による前記位置検出のための制御処理が共通であることを特徴とするぱちんこ遊技機。
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