以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータやソレノイド等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出ないし振動動作を実施するようにしてもよい。また、操作ボタン22のほかに十字キー83(図27(a)、(b)中の83a〜83d参照)が備えられており、この十字キー83を用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キー83を用いた演出操作としては、変動表示中のミニゲームなどを例示できる。さらに、十字キー83以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明なアクリル樹脂やベニヤ材を用いて板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、第1大入賞口91と第2大入賞口92、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物に係る始動口(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、普通電動役物の作動に基づき、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第1大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第1大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2大入賞口92は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第2大入賞口92は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには一部に装飾が施されているが、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられ、光がセンター飾り64を透過し、光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板90が備えられている。この導光板90としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。導光板90は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板90は、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
導光板90を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成され、所定の演出の実行時に、端面に面した上述の光源が駆動され、内部に向けて照射された光が透明板の凹凸により拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板90の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。
各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば9個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1特別図柄が使用される第1遊技と、第2特別図柄が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合や終了する場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64の流下する右打ち遊技状態となる。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが容易となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物の作動頻度が上昇し、ロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91や第2大入賞口92が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R(ラウンド)大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。
大当りの1部の種類として大当り遊技後の特定遊技により分けることも可能である。確変にならないものを「通常」当り(例えば4R通常)と表現し、確変が付与されるものを確変当りや特別当り(例えば16R確変)と称する。また、例えば、16R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの実質4R当りを設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(以下「16R確変」と称する)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(以下「4R確変」と称する)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポート(入球容易化状態)を併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、前述の単位遊技を1回行うようになっている。<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59は、点灯(当り図柄)状態または消灯(ハズレ図柄)状態にて図柄の停止状態を示し、点滅状態にて変動中であることを示す表示部である。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、普通図柄に係る保留球数(0〜4)の数値を表示できるようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、特別図柄に係る保留球数(0〜4)の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての遊技結果に関する演出表示や、ストーリー表示などといったその他の遊技結果が大当りとなる期待度を示唆する演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「9」の記号の意味を有する9種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、本実施例においては、左演出図柄190aと右演出図柄190cが相対的に前方で大きく表示され、中演出図柄190bが相対的に後方で小さく表示される表示態様が、演出図柄190a〜190cに係る1つの表示態様として採用されている。また、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能であるが、スクロール表示の各種の態様については後述する。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。なお、付加的な表示体を用いた演出の具体的な態様については後述する。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの種類が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定(変動パターン抽選)に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度(これに限らず1秒以下などであってもよい)から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類(停止した特別図柄の停止表示態様)に応じて所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか判定テーブル(変動時に実際に当否判定や図柄判定、パターン判定に用いるテーブルや、事前判定用テーブル)を用いて判定した結果や、各種抽選値自体といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を送信コマンド記憶領域にセットし、割込み処理毎に一定単位のコマンドの送信が行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。なお、確変期間を次回の大当りまでとすることも可能であり、その場合の具体的態様としては、例えば、特図1及び特図2の両方、特図1及び特図2の何れか一方、特図1及び特図2の一部の大当り、又は、特図1或いは特図2の一部の大当り、について確変期間を次回の大当りまでとすることなどを例示できる。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、本実施例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間や時短期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に関連付けて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、演出図柄190a〜190cの周りに漂う所定態様のオーラの動画を付加する、などといった種々の態様を採用することが可能である。なおエフェクト(効果)の種類によって、瞬間的な表示では適さない場合には、確定停止になる前から開始されるようにすることが好ましい。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向(図7(b)の例では手前から奥を経て手前に至る横方向など)の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を、例えば平面的な2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、保留数表示部197が表示される。この保留数表示部197は、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部、又は、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部として、いずれの遊技が実行されているかに応じ使用されるものである。
すなわち、保留数表示部197は、例えば初当り前などの通常の遊技状態においては、第1遊技に係る第1保留数表示部として使用され、前述した特定遊技中などには、第2遊技に係る第2保留数表示部として使用される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技又は第2遊技に係る保留が発生すると、上述の保留数表示部197に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、保留数表示部197において、4つの保留表示が行われる。
また、保留数表示部197における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、保留数表示部197には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、保留数表示部197の、遊技者から見て左端の部位が、第1表示位置となっている。そして、右端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技又は第2遊技に係る演出図柄190の変動表示が行われている最中で、且つ、保留数表示部197に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、左端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の右隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、保留数表示部197の中の左側へ移動する。保留数表示部197の左側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、保留数表示部197の表示態様は上述のものに限定されず、例えば、第1遊技に係る第1保留数表示部と、第2遊技に係る第2保留数表示部を、当該変動情報表示部195を左右から挟んでそれぞれ表示する、といったことも可能である。また、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機においては、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べる、といったことも可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に係る事前通知情報に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の保留数表示部197における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
なお、本実施例においては、保留変化に関して、他の演出との組み合わせによる演出が行われる場合があるが、このような演出については後述する。さらに、本実施例においては、前述の保留変化パターン抽選として、他の演出との組み合わせを含めて保留変化パターンを決定するものが採用されているが、この保留変化パターン抽選や保留変化パターンテーブルの具体的態様についても後述する。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。そして、本実施例においては、これらのような連続予告に関して、他の演出との組み合わせによる演出が行われる場合があるが、このような演出については後述する。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出球なし当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
本実施例では、操作ボタン22として、突没機構や振動機構を備え、上球皿18に対する突没動作や、上球皿18での振動動作が可能なものが採用されている。そして、操作ボタン22は、図27(a)に示すような通常状態では、上球皿18に没入して曲面状のボタン部22aのみを露出させた状態となっている。しかし、所定のボタン演出が実行される場合には、図27(b)に示すように、操作ボタン22が、所定量の上昇動作を行って上球皿18から突出する。
さらに、操作ボタン22は、上球皿18から突出している際には、操作レバー(「ジョイスティック」や「操作スティック」などともいう)として機能することが可能となっている。そして、操作ボタン22が突出した状況では、レバー部22bの一部が、上球皿18から露出する。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー83が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キー83を用いた演出操作が行われる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(大当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
変形例として、大入賞口内に確率変動機能作動領域を有するぱちんこ遊技機において、特別遊技中の所定のタイミングで、遊技球が確率変動機能作動領域で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における第2大入賞口92の内部に追加して設ける。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知する。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板90の表示、及び、可動演出部材(例えば符号93など)の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板90において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板90と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板90と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板90の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板90、可動演出部材(例えば符号93など)、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板90を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材(例えば符号93など)や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板90の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
<<演出の発展に係るタイマ表示>>
また、演出表示装置60での表示内容として、演出の発展に係るタイマ表示(タイマ演出)を行うことが可能である。より具体的には、例えば、演出図柄190の変動表示中(変動演出中)において、所定の場合に、タイマ表示領域が出現する。このタイマ表示領域の配置としては、演出表示装置60の表示領域194における右下の部位などを例示できる。
上述のタイマ表示領域には、例えば、「70:00」等の表示が行われる。この「70:00」等の表示は、70秒後に演出の発展があることを示唆するものであり、表示開始後、100分の1秒ごとのカウントダウン表示が継続される。そして、タイマ表示領域における表示が「00:00」となった場合に、変動演出が発展し、大当りの期待度が高まるよう、演出が進行する。
<<演出図柄を用いた演出>>
また、演出図柄190を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、左演出図柄190aと右演出図柄190cが仮停止中であり、中演出図柄190bが変動中の状況において、左演出図柄190aと右演出図柄190cを他の態様に変化させることが可能である。このときの左演出図柄190aと右演出図柄190cの変化後の態様としては、例えば、所定の括弧記号などを例示できる。そして、変動中の中演出図柄190bを「NEXT」「もう一回」「まだまだ!」等の単語に変化させ、単語の左右を所定の括弧で挟んだ文字画像を表示し、その後に演出を発展させる。
このように演出図柄190を、それまでとは異なる性質の表示態様に変化させる演出は、発展前の演出と、発展後の演出との間を繋ぐための演出として利用することが可能である。また、上述の「NEXT」等の単語を括弧で挟んだ文字画像として、発展や大当りの期待度が相対的に低いものと高いものとを設けること(例えばNEXTの文字列の色を白と赤、金色などで異ならせること)も可能である。
ここで、このように演出図柄190が他の性質の表示態様に変化する場合には、演出表示装置60において、小サイズ化された演出図柄(図示略)を所定の部位(右上隅或いは左端など)に表示しておくことが可能である。この小サイズ化された演出図柄を表示することで、特別図柄の変動表示中であることの報知機能を維持しつつ、演出表示装置60における演出表示の自由度を高めることが可能となる。なお、縮小されたサイズの演出図柄(190)と、縮小前の基本となるサイズの演出図柄190とを区別するため、例えば、縮小前の演出図柄を「第1演出図柄」などと称し、縮小後の演出図柄を「第2演出図柄」などと称することが可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、同時に複数のリーチの組合せが表示されるダブルリーチやトリプルリーチなどの演出を採用することも可能である。さらに、1回の変動演出中に、ダブルリーチからトリプルリーチに発展するような演出を採用することも可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、演出図柄190の変動表示を開始する際に、最後に停止する演出図柄(ここでは中演出図柄190b)を用いて演出の示唆を行うことが可能である。より具体的には、中演出図柄190bにおける人物画の部分(前述の非記号要素演出図柄である要素図柄)が台詞を発するアニメーション動作を行い、音出力として、変動開始時予告用の所定の台詞を発する、といったようなものを例示できる。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、遊技者が前述の操作ボタン22を連打した際に、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかを、連打に応じた態様で表示するものを採用可能である。そして、「連打に応じた態様」としては、例えば、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかが、震える(振動する)といったものを例示できる。
さらに、「連打に応じた態様」としては、操作ボタン22の1回の操作の検出ごとに演出図柄を1回動作させるもの(操作と動作の同期を図ったもの)を例示できる。また、操作ボタン22が連打されたことを検出した場合に、演出図柄が震える(振動する)内容のアニメーションを表示するものなどを例示できる。そして、操作ボタン22が連打されたことの検出は、例えば、所定時間(例えば1秒)内に所定回数(例えば2回等の複数回)以上の操作が検出されたか否かの判定を行うこと等により実行することが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、図7(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図7(a)、(b)中の保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
さらに、保留変化の直前に限らず、例えば保留変化が行われる前の1回又は複数回の変動前から、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出を行うことも可能である。そして、保留変化が行われるか否かを示唆する先読み演出としては、保留表示の画像に他の画像(前述した「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」等や所定のキャラクタ画像など)を組み合わせることが考えられる。
<<その他の演出>>
また、その他の演出として、操作ボタン22として、押下操作以外の操作が可能なものを採用することが可能である。そして、押下操作以外の操作としては、タッチパネルによるタッチ操作や、遊技者が掴んで回す捻り操作を例示することができる。また、これらの各種の操作態様のうちの複数を行うことが可能な操作ボタン装置を採用することが可能である。そして、複数の態様の操作を行うことが可能な操作ボタン装置を採用した場合には、前述したようなボタン操作に係るガイド表示として、遊技者が実行するべき操作態様を案内することが考えられる。
また、その他の演出として、変動演出中に、例えば二次元コードの表示を行うことが可能である。そして、この場合には、変動演出中に遊技者がスマートフォンなどの携帯端末を取り出し、携帯端末のカメラ機能を利用して二次元コードを読み取り、所定の外部サーバにアクセスし、遊技や機種などに係る各種の情報を取得できるようにすることが考えられる。
ここで、本実施例においては、前述したような先読み演出が、演出図柄190による演出、保留変化を伴う演出、可動演出部材(93、94等)を用いた演出、操作ボタン22を用いた演出などを複合して行われる場合がある。そして、このような複合的な先読み演出の具体的な態様については後述する。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。コマンドの送信タイミングの例としては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドは、演出制御(サブメインCPU)初期化のためのコマンドであり、客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1(図柄2)演出パターン、図柄1(図柄2)キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数および図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄の保留球数および第2特別図柄の保留記憶数を示すものであり、1つのコマンドとして送信される。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の特定遊技状態における遊技回数(残り遊技回数でも可)や限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、特定遊技状態や限定頻度遊技において選択される変動パターンにしたがった演出を選択させるために変動パターンの決定に際して変動パターンテーブルの選択の基準となるデータの種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、決定した変動パターンに所定の演出時間を追加して変動させる際、どのような演出パターンが追加されるかを示すものであり、大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率、入球容易状態時)、変動時間短縮回数0(高確率、非入球容易状態時)、変動時間短縮回数A〜Z(高確率、入球容易状態時)、発射位置指定のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。本実施例では、すべての大当りの後に100回の確率変動機能および入球容易状態を発生させる仕様であるため、確率変動機能の作動有無によって送信するコマンドを異ならせていないが、高確率遊技状態では、確変回数を送信し、低確率遊技状態では変動時間短縮回数を送信するようにしてもよい。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、センター飾り64の左右の何れか流路の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16、発射位置指定のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すまたはリセット処理させるための演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化(リセットとは異なり、遊技進行前の初期状態へ移行させるもの)、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンド(MODEデータとEVENTデータのセット)ずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。変動パターンの決定に関し、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、付加的な変動時間の決定を行うことが可能である(変動付加情報の決定)。特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、演出の種類数に対して予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターン(変動時間)を作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された後、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(再抽選演出)や、はずれ図柄「787」が表示された後、中図柄を「8」から「7」へ変更して「777」を表示させる演出(逆転演出、復活演出)を、変動付加情報を設定した場合に行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数も要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる場合を有する。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留数が多い場合は、リーチを形成しない変動時間が短いものを決定しやすく、より多くの新たな保留が生起可能なようになっており、対して保留数が少ない場合は、リーチ等を形成しやすく変動が停止してしまうことをなるべく防止できるようになっている。状態当否判定の結果が大当りである場合には、大当りまでの過程を演出的に盛り上げるため、保留数に関係なく変動時間を決定することも考えられる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」(2バイトデータ)に設定されている。図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。そして、このようにすることにより、テーブルの判定は1バイトのデータを比較するもので構成することができ、メモリやプログラムの容量を削減できる。図柄の抽選結果である当り図柄(図柄群であってもよい)は、その図柄情報に対して大当り時のラウンド数や大当り後の時短回数等の遊技状態の振分けられるようにしてもよい。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。
<サブ基板の主要な制御処理>
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、図15〜18に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からの前述のストローブ信号(演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、後述するメインコマンド受信処理(図17参照)が実行される。なお、メインコマンド受信処理において、問題なくコマンドを受信できた正常受信の場合は、受信したコマンドの内容がコマンドバッファ(コマンドリングバッファ)に保存され、コマンド解析処理は、後述するメイン処理(図16参照)内のメインループ処理(S124〜S132の循環処理)にて行われる。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
さらに、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(図18参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、図15に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S101)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S102)。さらに、ハードウェア初期設定処理(S103)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S104)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S104)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
さらに、S105において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S106)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S106)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。しかし、本実施例に係るぱちんこ遊技機のように、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われない。
続いて、全ランプ消灯処理(S107)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S108)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、図15においては、S101からS108までの処理にメイン処理(S109)を繋げて記載しているが、S101からS108までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S109)は、このサブメイン初期設定処理(S101〜S108)の後に続いて行われるものとなっている。さらに、メイン処理(S109)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S109)の詳細については後述する。
メイン処理(S109)の後には、スリープ処理(S110)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S109)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S110)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S110)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
前述のメイン処理(S109)においては、図16に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S121)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S121)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S122)。さらに、デバイス初期化処理(S123)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作や、初期化動作の実行フラグの記憶領域への格納が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S124)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。さらに、図柄更新処理(S125)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。メインから送信された遊技情報(当否情報や変動パターン情報)や、先読み演出実行中等の状況によっては、取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目や「343」のリーチ形成態様、先読み予告で使用される装飾図柄(同色など系統の同じ図柄の組み合わせで構成されるチャンス目など)の組合せであった場合には所定の桁の数値をオフセットして、適当なはずれの組合せとすることが可能である。
この図柄更新処理(S125)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、遊技状態や演出状態に応じた図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを適宜選択および使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。
続くエラー演出管理処理(S126)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。さらに、プッシュボタン監視制御処理(S127)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
次に、予告抽選管理処理(S128)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S109)における後述のループ処理の数回に分けて行われる場合を有する。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S128)において行われる各種の処理については後述する。
次に、デバイス管理処理(S129)においては、リアルタイムクロック(RTC)、モータ、ソレノイド、スピーカ、ランプ類等のデバイス動作要求や、デバイスの動作切り替えタイミングとなった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。
さらに、コマンド解析処理(S130)においては、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S131:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S124)に戻り、メインループが実行される。メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S124)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S131:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S132)が実行される。この乱数更新処理(S132)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S130)においては、サブメイン基板301における変動パターン(サブ変動パターン)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S130)で演出図柄の決定を行う。
これらのコマンド解析に係る処理(S130、S131)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S132))に進まずにメインループ処理(S124〜S132)内のそれ以外の処理(S124〜S131)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S130)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S130)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S131)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S132)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
乱数更新処理(S132)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S132)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S132)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S128)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。
<<メインコマンド受信処理>>
次に、メイン基板102からのメインコマンド受信処理について、図17に基づいて説明する。先ず、コマンド入力値を確定するか否かの判定が行われる(S141)。コマンド入力については、ノイズ等により読み込み失敗の恐れがあるため、2連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値は確定とされない。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読込み、2連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値確定とする処理が実行される。そして、コマンド入力値を確定しない場合(S141:NO)には、このメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前の元の処理へ戻る。
コマンド入力値が確定された場合(S141:YES)には、受信したコマンドが第1コマンドか否かの判定が行われ(S142)、第1コマンドであったか第2コマンドであったかの判定結果に応じて処理が分岐する。メイン基板102は、1回のコマンド送信で1バイトのコマンド送信を行うが、メイン基板102からのコマンドはMODEデータ及びEVENTデータの2バイト構成であるため、前述のように2回のコマンド送信が必要である。したがって、メイン基板102からは、1回目に上位バイトのコマンド(MODEコマンド)を送信し、2回目に下位バイトのコマンド(EVENTコマンド)が送信される。そして、コマンドを受信したサブメイン基板301においては、コマンドデータの最上位ビットが「1」であれば第1コマンド(MODEコマンド)と判定し、最上位ビットが「0」であれば第2コマンド(EVENTコマンド)と判断する。
受信したコマンドが第1コマンドであった場合(S142:YES)には、第1コマンドがテンポラリに保存され(S148)、記憶される。ここで、テンポラリは、値を一時退避させておくための記憶領域である。
さらに、所定のハードウェア乱数であるハード乱数1のそのときの値が、ソフトウェア上のバッファにラッチされて保持され(S149)、その後、処理はこのメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前に戻る。ここで、S149のように、メイン基板102のコマンド(第1コマンド)を受信する毎に、ハード乱数1をラッチしておくのは、乱数の周期が形成されないようにするためである。つまり、ランダムなタイミングで発生する第1コマンドの受信を利用して数値を作成し、演出のための所定の抽選等のタイミングにてそのときの数値を利用することで、周期性を排除した乱数の取得が可能となっている。
ハードウェア乱数は高速カウンタを用いて生成されるものであるが、取得するタイミングがランダムでなければ何らかの周期性が生じてしまうことがあり得る。しかし、メイン基板102からの第1コマンドは、遊技球の入賞等に起因する不規則なタイミングにてサブメイン基板301で受信されるものであるため、周期が生じる可能性は少ない。したがって、サブメイン基板301においては、上述のようにコマンドの受信を利用したハードウェア乱数の生成を行い、メイン基板102で行われているような周期性の排除を行っているのである。
一方、S142において、受信したコマンドが第1コマンドでないと判定された場合(S142:NO)には、第2コマンドを受信したことになる。そして、第2コマンドを受信した場合には、第1コマンドを受信済みか否かの確認が行われる(S143)。第1コマンドを受信済みでない場合(S143:NO)には、メインコマンド受信処理を抜けて元の処理へ戻る。
第1コマンドを受信済みの場合(S143:YES)には、コマンドライトポインタの取得が行われる(S144)。ここで、コマンドライトポインタは、コマンドリングバッファにおける読み取り位置を示すものであり、コマンドライトポインタの取得は、コマンドライトポインタにより示された読み取り位置からデータを取得するものである。
さらに、この時点で正常に受信されている第1コマンドと第2コマンドとが解析処理用のコマンドリングバッファに保存される(S145)。保存されたデータは、前述のメイン処理(図16参照)のコマンド解析処理(S130)にて解析処理される。そして、コマンドライトポインタが更新され(S146)、前述のテンポラリの第1コマンドがクリアされる(S147)。ここで、コマンドライトポインタの更新は、コマンドリングバッファの読み取り位置を1つ更新する処理である。また、テンポラリの第1コマンドをクリアする処理は、S148にて記憶した第1コマンドをクリアするものである。
なお、本実施例では、2つの要素コマンド(第1コマンド及び第2コマンド)の組を1組(1セット)とし、第1コマンドの受信に応じてハード乱数1のラッチを行っているので、第2コマンドの受信後の処理(S143〜S147)の系統とは異なった処理系統(S148,S149の系統)でラッチ処理ができ、第2コマンドの受信後の処理を迅速に終えることができる。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
次に、タイマ割り込み処理について、図18に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S161)。さらに、ポート入力処理(S162)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S162)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
また、ポート入力処理(S162)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。
続いて、デバイス制御データ出力処理(S163)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、図16に示すメイン処理のデバイス管理処理(S129)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S163)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
さらに、演出用タイマ更新処理(S164)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S165)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマや、押下時間に基づく押下操作の有効判定や長押し判定のための押下時間カウントタイマが更新される。
次に、タスク制御カウンタの更新(S166)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S166)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
次に、画像CPU暴走監視処理(S167)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
この画像CPU暴走監視処理(S167)に続いて、エラー管理タイマ処理(S168)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S168)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(図16参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS161において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<サブメイン基板における予告抽選に係る各種の処理>
次に、前述したサブメイン基板301のメイン処理(図16参照)に関し、本実施において特徴的な事項について説明する。本実施例においては、図19に示す保留情報管理処理や、図20に示す入賞時先読み演出判定処理などを含む各種の処理が実行される。
これらのうち、図19に示す保留情報管理処理においては、図柄記憶数(保留数)の情報を有する図柄記憶数コマンドをメイン基板102から受信したか否かが判定される(S181)。図柄記憶数コマンドの受信があった場合(S181:YES)には、図柄記憶数コマンドの解析が行われ(S182)、解析結果に基づき保留数カウンタの更新が行われる(S183)。さらに、事前判定情報(事前通知情報)を示す事前判定コマンドをメイン基板102から受信したか否かが判定される(S184)。
上述の事前判定コマンドの受信があった場合(S184:YES)には、事前判定コマンドの解析が行われ(S185)、解析結果に基づき事前判定結果を格納する(S186)。そして、後述する入賞時先読み演出判定処理(S187)が実行され、サブサブ基板302に送信される前述のサブサブコマンドのための画像制御コマンド設定処理(S188)が実行され、保留情報管理処理の実行前の処理に戻る。
ここで、前述の図柄記憶数コマンドの受信がなかった場合(S181:NO)や、事前判定コマンドの受信がなかった場合(S184:NO)には、その後の処理を行わずにリターンし、保留情報管理処理を抜ける。
上述の入賞時先読み演出判定処理(S187)は保留情報受信時に実行されるものであり、この入賞時先読み演出判定処理(S187)においては、禁則判定処理(図20中のS191〜S194)が実行される。そして、この禁則判定処理(S191〜S194)では、図20に示すように、演出状態(サブモード)が通常状態(通常モード)であるか否かが判定され(S191)、通常状態である場合(S191:YES)には、第1特別図柄(特図1)の保留があるか否かが判定される(S192)。
さらに、第1特別図柄の保留がある場合(S192:YES)には、第2特別図柄(特図2)の保留があるか否かが判定され(S193)、第2特別図柄の保留がない場合(S193:NO)には、第2特別図柄の変動表示中であるか否かが判定される(S194)。そして、第2特別図柄の変動表示中でない場合(S194:NO)に、ルート先読み第1抽選処理(S195)が実行される。このルート先読み第1抽選処理(S195)は、先読み演出に係る演出パターンを決定するためのものであるが、その詳細については後述する。
ルート先読み第1抽選処理(S195)の後、保留変化が行われるか否かの判定(S196)が実行され、保留変化がある場合(S196:YES)には、ルート先読み第2抽選処理(S197)が実行される。このルート先読み第2抽選処理(S197)は、保留変化がある場合の先読み演出に係る演出パターンを決定するためのものであるが、その詳細については後述する。
ここで、前述の通常状態(通常モード)でなかった場合(S191:NO)、第1特別図柄の保留がない場合(S192:NO)、第2特別図柄の保留がある場合(S193:YES)、或いは第2特別図柄の変動表示中であった場合(S194:YES)には、その後の処理を行わずにリターンし、入賞時先読み演出判定処理を抜ける。なお、上述のルート先読み第1抽選処理(S195)やルート先読み第2抽選処理(S197)では所定のテーブル(図25、図26参照)が用いられるが、その詳細については後述する。また、図20に示す入賞時先読み判定処理においては、特図2の保留ありにより先読みが実施されない仕様としているが、特図2の変動が主となる入球容易状態に制御されている場合の演出モードの滞在時においては、特図2の保留の有無によって、先読みを実行させるための抽選を実行させる仕様としてもよい。
<複数の演出を複合して行われる先読み演出の具体的態様>
<<キャラクタアイコンを用いた滞在先読み演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において、複数の演出を複合して行われる先読み演出の具体的態様について説明する。ここで説明する先読み演出として、先ず、キャラクタアイコン(以下「アイコン」と称する)や演出図柄190を用いた先読み演出(以下では「アイコン先読み演出」と称する)を挙げることができる。
図21(a)中に示すように、このアイコン先読み演出で用いられるアイコン401は、所定のキャラクタ402が、アイコン表示領域403内で各種の所定の動作を行うものとなっている。このようなアイコン401を用いた先読み演出は、採用されているマスコットキャラクタの名称を使用して「○○○先読み」(「○○○」はマスコットキャラクタの名称を表す)などと称することなどが可能である。
また、アイコン401の出現態様としては、演出表示装置60の表示領域194における所定の位置(ここでは右上隅部)に、アイコン401が待機表示されるものがある(図21(a)参照)。このアイコン401が待機表示される先読み演出においては、アイコン401が、先読み演出中における次回以降の変動演出まで継続して表示され、画面上に滞在するようになっている。このようにアイコン401が滞在する先読み演出を、「アイコン滞在先読み」や「アイコン待機先読み」などと称することが可能である。ここで、図21(a)の例では、アイコン401の表示領域の一部は、右演出図柄190cの表示領域に重なっている。
このようなアイコン滞在先読みにおいては、上述した「次回以降」の所定の変動演出における所定のタイミング(先読み演出中の所定のタイミング)で、アイコン401がキャラクタ402に変更され、図21(b)中の矢印Aに示すように、表示領域194の右上隅部から左下方向に移動する。そして、キャラクタ402が左演出図柄190aの所定の部位(ここでは数字の部分)に体当りし、図21(b)中の矢印Bに示すように、右方向に弾かれる態様の演出が行われる。
さらに、キャラクタ402が、図21(b)中に示すように中演出図柄190bに達し、中演出図柄190bの所定の部位(ここでは数字の部分)に衝突して、図21(c)中に矢印Cで示すように、斜め下方向に弾かれる態様の演出が行われる。そして、キャラクタ402が、保留数表示部197に到達し、いずれかの保留表示(ここではトリガ保留である「保2」)に衝突して、衝突した保留表示を、演出時に表示中の表示色(例えば標準色)から他の色に保留変化させる演出が行われる。このときの保留変化の態様としては、キャラクタ402がトリガ保留に衝突した衝撃により、保留変化が発生したような感覚を遊技者に与え得るようにしたものなどを例示できる。
また、このアイコン滞在先読みは、保留変化が行われない場合にも実行されることがあるようになっている。図21(d)は、保留変化が行われない場合の演出の一例を示している。この図21(d)に示す演出は、図21(b)の演出から続く態様を示している。そして、図21(d)中においては、中演出図柄190bで弾かれたキャラクタ402(図21(b)参照)が、図中の矢印Dで示すように右斜め下方向に弾かれて、表示領域194から排除されるようになっている。つまり、保留変化が行われない場合には、キャラクタ402が表示領域194からフェードアウトする態様の演出が行われる。
この際、本実施例では、保留変化に代えて、1回の変動演出中に係る連続予告である前述の疑似連続予告を実行するようになっている。そして、上述の疑似連続予告の演出態様としては、例えば、前述したような「NEXT」の文字を有する演出図柄(疑似連図柄)を用いることが考えられる。
より具体的には、例えば、図21(d)中に示すように、停止(ここでは仮停止)が予定されている中演出図柄190bとして、「NEXT」の文字が描かれた演出図柄への差替えを行う。さらに、この「NEXT」の文字が描かれた演出図柄を仮停止させ、仮停止した中演出図柄190bにキャラクタ402を衝突させる。そして、キャラクタ402が表示領域194の外に弾き出された後(図21(d)参照)、図21(e)に示すように、左中右の演出図柄190a〜190cが再変動し、その後に所定の演出が実行される。なお、図21(f)には、左演出図柄190aと右演出図柄190cが「7」図柄でリーチとなった状態を示している。
ここで、「NEXT」の文字は、前述したような記号を意味する部分を構成するものであってもよく、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分を構成するものであってもよい。また、疑似連続予告のための図柄要素は、「NEXT」の文字に限られるものではなく、「もう一回」、「まだまだ!」といったような文字や、所定の図形等であってもよい。さらに、保留変化が行われる場合であっても、そのときの変動演出において、保留変化と疑似連続予告とを併せて行う様にしてもよい。
また、図示は省略するが、本実施例では疑似連図柄として、所定のキャラクタが描かれたものが用いられている。さらに、疑似連図柄に用いられているキャラクタは複数種類あり、キャラクタの相違に応じて疑似連図柄の種類が異なっている。そして、仮停止した疑似連図柄の種類に応じて、再変動後(疑似連予告開始後)の予告演出の態様が異なるようになっている。ここで、キャラクタの相違に応じて、演出発展等の期待度が異なるようにすることが可能である。
なお、アイコン滞在先読みにおいて、保留変化が行われない場合に、そのときの変動演出において実行される所定の変動態様としては、前述したような疑似連図柄の表示のほかにも種々のものを例示できる。例えば、このときの変動態様として、左右の演出図柄190a、190cをリーチの組合せに変化させること、はずれ態様からの大当り表示(復活当り)をおこなうこと、或いは、一旦は非確変の組合せで大当りの表示を行った後に、確変の組合せ等に昇格(当り後図柄昇格)させること、などを例示できる。
<<キャラクタを用いたすべり演出1(キャラクタすべり予告)>>
続いて、キャラクタ402を用いた他の演出について説明する。この演出においては、図22(a)、(b)に示すように、1回の変動演出中に、キャラクタ402が進みながら登場して移動を行う。本実施例においては、キャラクタ402が、表示領域194における所定の位置(ここでは左下部)から、所定の方向(ここでは右水平方向)へ進みながら登場するようになっている。そして、キャラクタ402が、図中に矢印Eで示すように右側へ移動し、中演出図柄190bの所定の部位(ここでは数字の部分)に衝突する。
さらに、この後には、前述したような疑似連続予告が行われる場合と、疑似連続予告が行われない場合とがあるようになっている。これらのうち、疑似連続予告が行われる場合には、前述のアイコン滞在先読みの場合(図21(d)参照)と同様に、中演出図柄190bが、疑似連続予告となることを表す態様のものに変化する。疑似連続予告となることを表す態様としては、前述のように「NEXT」の文字を含むものなどを例示できる。そして、図22(c)、(d)に一例として示すように、その後に疑似連続予告が行われる。
また、中演出図柄190bにより弾かれた後のキャラクタ402については、表示領域194の所定の位置に少なくとも一部を表示し続けることや(図22(c)参照)、表示領域194から排除すること(図示略)などを例示できる。これらのうち、上述したキャラクタ402を表示し続ける場合の上述の「所定の位置」としては、例えば、中演出図柄190bの右近傍の位置などを例示することができる。また、キャラクタ402を表示し続ける場合に、キャラクタ402を、例えば笑顔のような積極的態様で表示する、といったことも例示できる。
一方、疑似連続予告が行われない場合には、前述のように、中演出図柄190bが疑似連続予告を表すものに変化せず、キャラクタ402が、中演出図柄190bにより弾かれて表示領域194から排除される態様の演出(図22(f)参照)を行うことが考えられる。また、疑似連続予告が行われない場合であっても、キャラクタ402を表示領域194から排除しないようにすることも可能である。そして、このときの表示態様としては、キャラクタ402を、例えば残念顔のような消極的態様で表示する(図示略)、といったことを例示できる。
これらのように疑似連続予告を行う演出と、疑似連続予告を行わない演出に分岐する演出は、疑似連続予告を煽る演出であるということができる。そして、これらのようにキャラクタ402が登場した際の変動演出で疑似連続予告を煽る演出を、例えば、「○○○すべり予告」(「○○○」はキャラクタの名称を表す)や、「キャラクタすべり予告」などと称することが可能である。そして、以下では、このような演出を、「キャラクタすべり予告」と称する。また、疑似連続予告に至らないキャラクタすべり予告は、所謂ガセのキャラクタすべり予告であるということができる。なお、このようにガセとなる演出を、例えば、「ガセ」、「ガセとなる演出」、「ガセ演出」などと称することが可能である。
また、キャラクタすべり予告におけるキャラクタ402の出現タイミングとしては、中演出図柄190bの仮停止前のタイミングを例示することができる(図22(a)参照)。さらに、中演出図柄190bの仮停止前のタイミングとしては、例えば、右演出図柄190cの停止時、右演出図柄190cの仮停止から中演出図柄190bの仮停止前の期間などを挙げることができる。また、リーチ態様からキャラクタすべり予告を実行する場合については、例えば、左右の演出図柄190a、190cの数字に対して、±1の大きさの数字の中演出図柄190bが停止(仮停止を含む)直前の速度となったタイミングなどを例示できる。
<<アイコン滞在先読みとキャラクタすべり予告の関係>>
また、上述したようなキャラクタすべり予告については、前述したアイコン滞在先読み(図21参照)との所定の関係が定められている。本実施例では、前述したアイコン滞在先読み(図21参照)が、先読み対象となるトリガ保留の変動時におけるキャラクタすべり予告の発生の示唆を行うものになっている(図23参照)。さらに、アイコン滞在先読み実行中において、所定の差替え条件が成立した場合には、アイコン滞在先読みのアイコンの消化演出を、キャラクタを用いた保留変化演出(図21(a)〜(c)参照)に差し替えて実行する。
上述の「所定の差替え条件」としては、アイコン滞在先読み演出が実行されている状況であり、トリガ保留の消化前(トリガ保留が当該変動情報表示部195へ移行前)の状況であり、そのときの変動中に保留変化が行われる可能性があり、且つ、そのときの変動に係る大当り抽選の結果がはずれであること、といったものを例示できる。また、そのときの変動に係る変動パターンの変動時間が所定時間(10秒など)以上であることを、差替え条件に加えることも可能である。さらに、このような演出の差替えは、上述の差替え条件が成立した場合に100%の割合で実行することに限らず、100%未満の所定の割合(差替え抽選に当選したときなど)で実行することが可能である。
また、このようにアイコン滞在先読みの対象演出がキャラクタすべり予告からキャラクタを用いた保留変化演出に差替えられる場合や、アイコン滞在先読み実施がある状態でトリガ保留にてキャラクタすべり予告を実施する場合には、前述したような標準となるキャラクタすべり予告の場合(図22参照)とは異なる態様で、キャラクタ402が登場するようになっている(図21(a)、(b)参照)。
そして、このような演出の差替えの後には、キャラクタ402は、アイコン滞在先読みの場合(図21(b)参照)と同様に、表示領域194の右上隅部から左下方向に移動する(図23(c)中の矢印A参照)。ここでは、図23(a)がトリガ保留の発生した状況を示し、図23(b)がその次の回の変動時の状況を示している。さらに、図23(c)に示すように、トリガ保留が当該変動(トリガ変動)となった状況において、キャラクタ402が、左演出図柄190aの所定の部位(ここでは数字の部分)で弾かれて、中演出図柄190bに達する態様の演出が行われる(図23(c)中の矢印B参照)。
さらに、キャラクタ402が、中演出図柄190bの所定の部位(ここでは数字の部分)に衝突し、中演出図柄190bにより弾かれて表示領域194から排除される(図23(d)参照)。その後は、アイコン滞在先読みの場合と同様に(図21(e)、(f)参照)、疑似連続予告が進行する(図23では図示略)。
また、疑似連続予告に発展しない場合には、図23(e)に示すように、キャラクタ402が、中演出図柄190bに衝突した後、図23(f)中に矢印Cで示すように、斜め下方向に弾かれる態様の演出が行われる。そして、キャラクタ402が、保留数表示部197に到達し、いずれかの保留表示(ここではトリガ保留である「保2」)に衝突して、衝突した保留表示を、表示中の表示色から他の色に保留変化させる演出が行われる。
このようなアイコン滞在先読みの実行後にトリガ保留の消化時に実施されるキャラクタすべり予告を、「○○○差替えすべり予告」(「○○○」はキャラクタの名称を表す)や、「差替えキャラクタすべり予告」などと称することが可能である。そして、以下では、このような演出を、「差替えキャラクタすべり予告」と称する。また、トリガ保留よりも前の保留消化時に、前述の所定の差替え条件の成立を基に出力されるキャラクタ402を用いた保留変化演出を、「○○○差替えすべり変化」(「○○○」はキャラクタの名称を表す)や、「差替えキャラクタすべり変化」などと称することが可能である。
さらに、本実施例では、アイコン滞在先読みの実行後のトリガ保留消化時にキャラクタすべり予告(上述の差替えキャラクタすべり予告)が行われる場合は、100%の割合で、疑似連続予告に発展するようになっている。またトリガ保留の消化変動となる前の変動にて、キャラクタが動作を開始するときには、保留変化演出となる。別な言い方をすれば、本実施例では、アイコン滞在中に発生したアイコン消化に対応する予告に関して、ガセ演出(遊技者に対する大当り期待度示唆の向上がない演出)が実行されないようになっている。
なお、これに限定されず、アイコン滞在先読みの実行中に保留変化又は疑似連続予告に発展する確率が100%未満(例えば90%以上で100%未満の確率)となるように、差替えキャラクタすべり予告に係る演出選択割合の設計を行ってもよい。このように、保留変化にも、疑似連続予告にも発展しない差替えキャラクタすべり予告を、「ガセの差替えキャラクタすべり予告」、「差替えキャラクタすべりガセ予告」などと称することが可能である。
また、本実施例では、キャラクタ402を中演出図柄190bに衝突させて疑似連続予告に発展するようにしている(図23(c)、(d)参照)が、これに限定されるものでなく、他の演出図柄(190a、190c)等に衝突させるようにしてもよい。例えば、最終停止図柄(ここでは中演出図柄190b)ではなく、左演出図柄190aや右演出図柄190c(例えば「事前停止図柄」などと称することも可能である)に衝突させるようにした場合には、非リーチ態様からリーチ態様に変更したり、リーチ図柄をより有利な図柄(確変当り図柄など)に昇格させたり、疑似連図柄を中図柄の停止位置以外の位置に停止(仮停止)させることができ、演出の多様性を高めることが可能となる。
さらに、キャラクタ402を、中演出図柄190bよりも前方に配置されているように描かれている左演出図柄190aや右演出図柄190cに衝突させた場合には、例えば「NEXT」等の文字が描かれた疑似連図柄を、大きく目立つように強調して表示することが可能となる他、再変動前の疑似変動の仮停止タイミングを早めることで、演出時間の短縮が可能となる。
また、キャラクタ402を、表示領域194の左側(或いは右側)から登場させて右演出図柄190c(或いは左演出図柄190a)に衝突させた場合には、アイコン401の移動量を大きく確保でき、表示領域194の大きさを有効に活用した躍動感のある演出を実行することが可能である。
<<キャラクタを用いたすべり演出2(キャラクタすべり変化)>>
続いて、上述した各種キャラクタすべり演出(標準となるキャラクタすべり予告や、アイコン滞在先読み実施後のトリガ保留で実施される差替えキャラクタすべり予告)とは異なるタイプのすべり演出について説明する。このタイプのすべり演出としては、図24(a)〜(d)に示すように、標準のキャラクタすべり予告から保留変化に至るもの(特殊保留変化するもの)を例示することができる。このタイプのすべり演出については、キャラクタ402が中演出図柄190bに衝突するまでは、図22に示した標準のキャラクタすべり予告と同様の演出(図24(a)、(b)参照)を行うことが可能である。
そして、キャラクタ402が、中演出図柄190cに衝突した後には、図中24(c)中に矢印Cで示すように、右下方向に弾かれる。さらに、キャラクタ402が、保留数表示部197に到達し、いずれかの保留表示(ここでは「保2」)に衝突して、前述したキャラクタすべり予告(図22参照)の場合と同様に、衝突した保留表示を、演出時に表示中の表示色から他の色に保留変化させる演出が行われる(図中24(c)参照)。
このような演出は、例えば、「○○○すべり変化」(「○○○」はキャラクタの名称を表す)や、「キャラクタすべり変化」などと称することが可能である。そして、以下では、このような演出を、「キャラクタすべり変化」と称する。
このようなキャラクタすべり変化は、キャラクタ402が中演出図柄190bにより弾き飛ばされるまでは、前述した標準のキャラクタすべり予告(図22参照)におけるガセの演出パターンと同様な演出態様とすることができる。このため、図24に示すキャラクタすべり変化は、ガセのキャラクタすべり予告から派生したすべり演出であるといえる。また、このようなキャラクタすべり変化は、「疑似連図柄へ差替えを行わないキャラクタすべり予告」や、「疑似連続予告を伴わないキャラクタすべり予告」の1態様であるということができる。さらに、このキャラクタすべり変化は、アイコン401を用いた保留変化の演出であることから、特殊保留変化演出であるということができる。
また、このキャラクタすべり変化は、保留変化に当せんしている状況下で、サブメイン基板301で変動毎に保留変化演出の差替え抽選を行って、当選した場合に実行される保留変化演出とすることができる(図21(a)〜(c)参照)。より具体的には、保留変化に当せんしている状況下で、保留変化を伴う変動において、非リーチ、はずれ(大当り抽選に係るはずれ)、変動パターンがキャラクタすべり変化を行うのに必要な所定時間以上、などの諸条件(キャラクタすべり変化に係る差替え条件)を満たした場合に、当該変動の予告抽選で、汎用な保留変化(キャラクタすべり変化以外の多くの種類の保留変化)から、キャラクタすべり変化の演出パターンに差し替えを行って実行されるものとすることができる。
なお、このようなキャラクタすべり変化においては、キャラクタすべり変化のガセパターンは、キャラクタすべり予告のガセパターンと同一であるため、キャラクタすべり予告がガセパターンを有する場合には、キャラクタすべり変化も100%の割合で保留変化させることに限らず、保留変化しない演出パターンが実行される場合を含むこととなる(図24(d)参照)。そして、この場合には、キャラクタすべり変化を変動で発生する予告の抽選対象とはせず、前述した「キャラクタすべり変化に係る差替え条件」が成立した場合のみ、サブメイン基板301で演出制御を行うことにより、ガセパターンのすべり演出の発生を抑えることが可能である。
さらに、保留変化しない場合には、前述のキャラクタすべり予告と同様に、キャラクタ402を、表示領域194から排除することや(図24(d)参照)、例えば残念顔のような消極的態様で表示することなどが可能である(図示略)。
以上、キャラクタ402の表示を伴う各種の演出(アイコン滞在先読み、各種すべり演出など)について説明したが、キャラクタ402の表示を伴う演出としては、種々のタイプのものを採用することが可能である。例えば、本実施例では、キャラクタ402が直線移動するものとして説明を行ったが、これに限定されず、例えばキャラクタ402を、曲線移動を伴うように動作させたり、ジグザグに移動させたりすることなども可能ある。また、キャラクタ402に含まれるキャラクタが複数種類あってもよく、更にその場合に、キャラクタの相違によって各種信頼度(疑似連演出または保留変化演出の実行とガセの割合)が異なるようにすることが可能である。
<先読み演出のための抽選態様>
次に、前述したような先読みのための抽選態様について説明する。本実施例において、保留変化の有無や変化態様は、前述した前述の保留変化パターン抽選として実行されるルート先読み抽選(以下「ルート抽選」と称する)により決定されるようになっている。このルート抽選は、前述の入賞時先読み演出判定処理(図20参照)におけるルート先読み第1抽選(S195)及びルート先読み第2抽選(S197)を介して実行される。そして、図25(a)、(b)は、これらのうちのルート先読み第1抽選(S195)で使用されるルート抽選用第1テーブル(以下「第1テーブル」と称する)を概略的に示している。
<<ルート抽選用第1テーブル>>
このルート抽選用第1テーブルにおいては、図中左端に示す各ID(0〜12及び13以降)と、所定の演出要素の組合せとの関係が規定されている。ここでの所定の演出要素としては、「ゾーン1」、「ゾーン2」、「チャンス目」、「保留変化」、「図柄オーラ」、「所定演出A」がある。これらのうち、「ゾーン1」は、異なる演出状態として設けられている複数の演出ゾーンのうち、所定の1つの特殊な演出ゾーンにトリガ保留の消化まで滞在する演出を示すものである。さらに、「ゾーン2」は、上述の複数種類の演出ゾーンのうちの、上述の「ゾーン1」とは異なる特殊な所定の演出ゾーンを示すものである。
ここで、演出ゾーンとしては、初期演出状態でもある通常のゾーン(通常ゾーン)や、この通常ゾーンから進展して実行されるゾーン(ここでは「特殊ゾーン」や「特殊ゾーン演出」などと称する)を例示できる。また、通常ゾーンを複数設けることも可能であり、通常ゾーンとは異なる特殊ゾーンを段階的に複数種類設けることも可能である。また、大当り遊技である特別遊技後に特定遊技状態となった場合に実行される、特定遊技中の演出ゾーンなども例示できる。
そして、上述の「ゾーン1」や「ゾーン2」には、例示したような各種の演出ゾーンを割当てることが可能である。なお、ここでは説明を簡略化するために「ゾーン1」、「ゾーン2」のみを挙げているが、これに限定されるものではなく、ゾーンの種類を、例えば、「ゾーン1」のみとすることや、「ゾーン3」、「ゾーン4」、・・・のように増やすことも可能である。
前述した所定の演出要素のうちの「チャンス目」は、本実施例では、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cのうちの少なくともいずれか1つに特定の演出図柄(例えば「7」図柄)が停止することでトリガ保留の変動の期待度が上昇することを示唆する演出が表示されるようになっている。チャンス目演出としては、特定の図柄の停止有無、停止個数によるものではなく、同じ色グループのものが仮停止又は確定停止した場合などをチャンス目の組合せが揃った状態であるということもできる。
上述の「同じ色グループ」は、各演出図柄190a〜190cにおける色のグループを指すものである。例えば、各演出図柄190a〜190cとして、いずれかの数字(ここでは「1」〜「9」のいずれか)が描かれた図柄が停止表示されるが、全ての数字に対して異なる色分けを行っているわけではなく、全図柄数よりも少ない種類数の色分けが行われている。
このような色分けの態様としては、例えば、「1」、「5」の演出図柄には緑色を主体とした配色を施し、「3」、「7」の演出図柄には赤色を主体とした配色を施し、更に、「2」、「4」「6」、「8」の演出図柄には青色を主体とした配色を施す、といったものを例示できる。そして、同色ごとにグループを構成するものとし、緑色の「1」、「5」、赤色の「3」、「7」、青色の「2」、「4」、「6」、「8」を、それれぞれの色のグループに属するものとすることが可能である。
また、前述のチャンス目を構成する演出図柄として複数の組合せに限らず、左中右の何れかの演出図柄190a〜190cのうち、いずれか1つの演出図柄として所定の数字のもの(例えば「7」)が停止(仮停止又は確定停止)した場合に、この「7」図柄をチャンス目とすることも可能である。また、チャンス目をこのように1つの「7」図柄のみで表せるように定めた場合であっても、複数の位置の演出図柄として「7」が停止された状況を、例えば、チャンス目が複数表示された状況とすることが可能である。
前述の「7」図柄のように特定の図柄をチャンス目として扱う場合は、「7」図柄の停止位置や停止個数に基づいて、トリガ保留の信頼度を異ならせるようにしてもよい。例えば、左演出図柄、右演出図柄のみに「7」が停止するよりも、中演出図柄(最終停止図柄)に「7」が停止する場合や、左中、右中の2か所に「7」図柄が停止する場合(左右パターンはリーチとなるため実施しない)の方が、トリガ保留における大当りの信頼度が高く設定される。チャンス目は、トリガ保留の消化となる前の複数の保留の変動または1変動中において複数回連続して停止するものであるが、各停止や仮停止表示ごとに、「7」図柄の停止した図柄位置や個数に応じて、期待度が高まる様子を演出画像の表示画面上にエフェクトを段階的に表示させるようにしてもよい。エフェクトの表示としては、例えば期待度が低いものから順に「白」<「青」<「黄」<「緑」<「赤」<「金」<「虹」となっており、「7」図柄が停止したタイミングで表示の開始や表示色の変化が実行される。この時「7」が左演出図柄や右演出図柄の位置に停止した場合、エフェクトの表示色の上位のものに変換(ランクアップ)が実施されない場合があったり、「7」図柄が中演出図柄位置や2か所に停止した場合には必ず表示色を上位のものに変換するように制御してもよい。
続いて、前述の所定の演出要素のうちの「保留変化」は、保留変化の有無を示すものである。また、前述の「図柄オーラ」は、前述した図柄エフェクトにおけるオーラの表示の有無を示すものである。さらに、「所定演出A」は、予め定められた所定の演出(ここでは演出A)の有無を示すものである。ここで、演出Aとしては、種々の演出のうち、一定程度以上の煽り(発展煽りや昇格煽りなど)の機能を持たせたものを採用することが考えられる。
そして、演出Aとして、遊技盤50上の所定の可動演出部材(93、94等)を動作(発光のみの場合を含む)させるものや、可動演出部材の動作に合わせた演出表示を行うもの、遊技機枠11において所定の光装飾演出や音出力、或いは遊技機枠11の可動演出部材の動作、及び、これらの組合せの演出を例示することができる。さらに、遊技盤50における演出と、遊技機枠11における演出とを組み合わせた演出も例示できる。
続いて、図25(a)、(b)中の左端に示す「ID」は、前述した各演出要素である「ゾーン1」、「ゾーン2」、「チャンス目」、「保留変化」、「図柄オーラ」、「所定演出A」に係る組合せの態様を区別するものである。例えば、最上段に示すID=0の場合は、各演出要素の全てについて「なし」と定められている。このため、後述するような割合でID=0が選択された場合は、先読み演出の各演出要素の何れもが実行されないデフォルトの態様となる。
また、次段のID=1の場合は、各演出要素のうちの「保留変化」のみが「あり」となっており、それ以外はすべて「なし」となっている。このため、ID=1が選択された場合は、各演出要素のうちの「保留変化」のみが実行され、その他の演出要素は実行されない。
さらに、ID=2の場合は、各演出要素のうちの「保留変化」と「所定演出A」が実行され、ID=3の場合は、「保留変化」と「図柄オーラ」が実行される。また、ID=11の場合は、各演出要素のうちの「ゾーン2」、「保留変化」、及び、「図柄オーラ」が実行され、ID=12の場合は、「ゾーン2」、「保留変化」、「図柄オーラ」、及び、「所定演出A」が実行される。なお、ID=4〜10については、ここ々では説明を省略する。また、ID=13以降については、ここでは図示及び説明を省略する。
続いて、図25(a)中の右側に示す部分、及び、図25(b)に示す部分は、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)に対する各演出組合せの置数を表している。すなわち、図25(a)中の右側の上部、及び、図25(a)の上部には、メインコマンドに含まれる情報が示されており、このメインコマンドに含まれる情報としては、「保留数」、「当否に係る種類」、「演出の種類」などがある。
これらのうち、「保留数」は、始動口に遊技球が入球して乱数値を取得した後にメインコマンドとして送信された図柄記憶数コマンドを受信したときの保留数(ここでは0を除いた1〜4)を示すものである。そして、図25(a)中には、保留数が1個であることを意味する「保留1」が示されており、図25(b)には、「保留1」から、保留数が4個であることを意味する「保留4」が示されている。なお、図25(b)では、図示が煩雑にならないよう、保留1に係る他の列や、保留2の列、保留3の列、及び、保留4に係る他の列の記載は省略されている。
続いて、前述の「当否に係る種類」は、はずれ態様、又は、大当り態様について複数に細分化されているものである。そして、図25(a)、(b)中では、複数種類のはずれ(はずれAとはずれB)のみを示している。また、図中に示すはずれA、はずれBは、はずれの演出に係る種類の体系的な分類を示すものである。ここで、この「当否に係る種類」は、本実施例では、メイン基板102において、決定された特別図柄の種類により大当りの種類が決まるため、図柄情報(特別図柄情報)を事前判定した結果送信された事前判定コマンド情報であるということもできる。さらに、この図柄情報は、当否に係る先読み情報、或いは、図柄乱数に係る先読み情報、またはそれらの組合せということもできる。
なお、ここでは図示や説明が煩雑にならないよう、大当りに係る列の記載は省略されている。また、はずれに係る種類を、はずれA及びはずれBの2種類のみ示しているが、本実施例では他の種類のはずれの種類の図示は省略されている。さらに、はずれAやはずれBの各々についても、そのうちの一部のみを図示している。
続いて、前述の「演出の種類」は、上述した「当否に係る種類」とは別に、演出の体系的な分類に基づく区別を示している。そして、このような「演出の種類」は、演出に係るストーリー上の場面、登場するキャラクタ、場面の段階、演出ゾーン、演出モード、連続予告の有無(及び種類)、擬似連続予告の有無(及び種類)、等といった種々の相違により区別することが可能である。ここで、本実施例では、メイン基板102において決定する変動パターンにより実行しうる演出の系統(予告やリーチ演出の種類)が推測できるため、この「演出の種類」は、変動パターンに係る先読み情報であるということができる。
図25(a)、(b)では、このような「演出の種類」として、「ガセA」、「ガセB」、「ノーマル」、「所定演出1」、「所定演出2」、「擬×・A・B・[所定演出3前半]」等を示している。これらのうち、「ガセA」は、内容の発展(リーチや疑似連予告など)がみられない演出の1態様を表しており、「ガセB」は、内容の発展がみられない演出の他の1態様を表している。
また、「ノーマル」は、ノーマルリーチを実行した後ハズレとなる演出パターンを表している。さらに、「所定演出1」は、上述の「ノーマル」とは異なり、ノーマルリーチよりも期待度の高い所定の演出の展開(例えばキャラクタ別のショートリーチ)がみられる演出パターンを表しており、「所定演出2」は、「所定演出1」とは異なる所定の演出の展開がみられる演出パターンを表している。
さらに、前述の「擬×・A・B・[所定演出3前半]」は、複数の演出パターンの組合せを示している。具体的には、当該表記中の「擬×・A・B」は、疑似連続予告を行わない演出パターン(疑似連なし)、疑似連続予告に係る演出パターンA、及び、疑似連続予告に係る演出パターンBのうちのいずれかを実行した後、加えて、SPリーチ演出である所定演出3に係る演出パターンの前半パートまでを実行するものであることを表している。なお、SPリーチは前半パートと後半パートの2部構成であり、各部において当落に関する報知が実行可能であり、後半パートまで展開する方が大当りの信頼度が高く設定されている。
そして、「擬×・A・B・[所定演出3前半]」等の記載は、疑似連続予告に割り当てることが可能な時間(「疑似連の演出尺」などともいう)や、リーチ演出(有無や内容)との関係により、実行可能な疑似連パターン(疑似連なしを含む)を示している。また、「擬×・A・B・[所定演出3前半]」等の記載中の[所定演出3前半]の記載は、疑似連パターン(疑似連なしを含む)の後に実行されるリーチ演出の種類を示している。
ここで、前述の疑似連続予告に係る演出パターンAを、標準的な予告である通常予告であって、且つ、演出図柄190が疑似連続予告を示すもの(例えばNEXTの文字を有するもの)になる演出パターンとし、前述の疑似連続予告に係る演出パターンBを、所定のストーリーを表現した演出がどこまで続くかという期待を持たせるような煽り演出を行う演出パターンとすることなどを例示できる。さらに、疑似連続予告に係る演出パターンCを設け、当該演出パターンCを、上述の通常予告からリーチとなった後に疑似連続予告が実行されるものとすることなどを例示できる。
また、前述の「所定演出3」を所定のバトルリーチ演出(バトルのストーリー展開を伴うリーチ演出)とし、[所定演出3前半]を、所定のバトルリーチ演出の前半のパートまでを実行するものとすることなどが可能である。さらに、前述の「所定演出3」を所定のストーリーが展開されるリーチ演出とし、[所定演出3前半]を、所定のストーリーの前半のパートまでを実行するものとすることなども可能である。
さらに、図25(a)、(b)では、「擬×・A・B・[所定演出3後半]」の組合せや、「擬×・A・B・[所定演出4]」の組合せなども示している。そして、[所定演出3後半]は、前述の所定演出3の後半部分を表しており、[所定演出4]は、所定演出3とは異なるリーチ演出を表している。なお、図25(a)、(b)では、図示や説明が煩雑にならないよう、限られた種類の演出パターンのみを示しており、他の種類の演出パターンの図示を省略している。
また、図25(a)、(b)の例では、各IDの選択割合を決める置数が32768個(置数範囲が例えば0〜32767)、すなわち2バイトの乱数の内所定の1ビットを判定対象としない乱数値となっている。そして、メインコマンドが、図25(a)中に示す「保留1」、「はずれA」、「ガセA」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、100%(32768/32768)の割合で選択されるようになっている。つまり、メインコマンドが、「保留1」、「はずれA」、「ガセA」を指定するものであった場合は、前述の「ゾーン1」、「ゾーン2」、「チャンス目」、「保留変化」、「図柄オーラ」、及び、「所定演出A」の演出要素をいずれも含まない演出が実行される。
さらに、メインコマンドが、「保留1」、「はずれA」、「ガセB」の組合せに対応するものであった場合にも、ID=0の演出パターンが、100%(32768/32768)の割合で選択され、前述の「ゾーン1」、「ゾーン2」、「チャンス目」、「保留変化」、「図柄オーラ」、及び、「所定演出A」の演出要素をいずれも含まない演出が実行される。
また、図25(a)、(b)の例では、メインコマンドが、「保留1」、「はずれA」、「ノーマル」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、約99%(32440/32768)の割合で選択され、ID=1の演出パターンが、約1%(328/32768)の割合で選択されるようになっている。さらに、メインコマンドが、図25(a)中の右端に示すように、「保留1」、「はずれB」、「所定演出2」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、約98%(31949/32768)の割合で選択され、ID=1の演出パターンが、約2%(819/32768)の割合で選択されるようになっている。
さらに、図25(a)、(b)の例では、メインコマンドが、図25(b)中の左端部に示す「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出3前半]」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、約95%(31130/32768)の割合で選択され、ID=1の演出パターンが、約5%(1638/32768)の割合で選択されるようになっている。
また、図25(a)、(b)の例では、メインコマンドが、「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出3後半]」の組合せに対応するものであった場合や、「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出4]」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、約88%(28672/32768)の割合で選択され、ID=1の演出パターンが、約12%(4096/32768)の割合で選択されるようになっている。「保留1」である状況では、図柄が変動していないときか、図柄が変動しているときであってもすでに演出が決定されている状態であり、保留変化以外の先読み演出を実行することができないタイミングであるため、保留変化のみ「あり」となるID=1以外の先読み演出実行となるIDが抽選により選択されないようになっている。
<<ルート抽選用第2テーブル>>
続いて、前述したルート先読み第2抽選(図20中のS197)で使用されるルート抽選用第2テーブル(以下「第2テーブル」と称する)について、図26(a)、(b)に基づき説明する。先ず、この第2テーブルが用いられるルート先読み第2抽選は、上述の第1テーブルを用いた抽選(ルート先読み第1抽選)により、各演出要素のうちの「保留変化」が「あり」となった場合(図20中のS196:YESに対応)に実行されるものである。そして、第1テーブルを用いた抽選において、「保留変化」が「なし」となった場合には、この第2テーブルは用いられないようになっている。
さらに、この第2テーブルにおいては、各ID(0〜12及び13以降)と保留変化に係る演出パターン(保留変化パターン)との関係が規定されている。保留変化パターンについては、所定のタイミング毎の保留表示の態様が定められいる。そして、ここでの所定のタイミングとしては、「入賞時」、「1変動後」、「2変動後」、「3変動後」、「消化時」、及び、「ボタン保留」がある。
これらのうち「入賞時」は、特図の変動中(演出表示における変動演出中とほぼ同期している)に所定の始動入賞口(第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)への入賞があったタイミングにどの態様で保留表示を開始するかを表している。このときの始動入賞は、新たな保留表示の開始を伴うものであり、図26(a)、(b)に示す第2テーブルを用いた演出管理の対象となるものである。そして、この始動入賞は、「トリガ入賞」等と称することが可能なものであり、このトリガ入賞により発生した保留は前述の「トリガ保留」である。そして、この「トリガ保留」は、その後の保留消化に伴って、前述の当該変動情報表示部195(図7等参照)へ向かって移行する。
前述の「1変動後」は、上述のルート先読み抽選テーブルにおける保留変化が「あり」であるIDに当選したトリガ保留の入賞があったとき、すなわちトリガとなる保留が生起したときに実行中の変動が終了し、その次の回の変動における所定のタイミング(変動演出の開始タイミングなど)を表している。
さらに、前述の「2変動後」は、前述したトリガ入賞があったときの変動が終了して2回目の変動における所定のタイミング(変動演出の開始タイミングなど)を表している。例として、この「2変動後」は、前述のトリガ入賞が発生した際の「保4」が、「保3」を経て「保2」に移行している際の変動における所定のタイミングである。
さらに、前述の「3変動後」は、前述したトリガ入賞があったときの変動が終了して3回目の変動における所定のタイミング(変動演出の開始タイミングなど)を表している。
さらに、前述の「消化時」は、トリガ保留消化に伴う変動における所定のタイミング(変動演出の開始タイミングなど)を表している。別な言い方をすれば、この「消化時」は、前述のトリガ入賞が発生した後の、トリガ保留が生起した状況に応じて「保3」〜「保1」を経て当該変動情報表示部195に移行し、保留消化されている際の所定のタイミングである。
さらに、前述の「ボタン保留」は、本実施例のぱちんこ遊技機10に備えられたボタン保留演出を表すものである。そして、この「ボタン保留」は、保留表示に対して付加表示または置換表示される所定のアイコン(演出ボタンを模した画像)を出現させる演出(図28(a1)〜(a3)参照)を意味しているが、その詳細については後述する。
続いて、図26(a)、(b)中の左端に示す「ID」は、上述した保留変化パターンである「入賞時」、「1変動後」、「2変動後」、「3変動後」、「消化時」、及び、「ボタン保留」に係る組合せの態様を区別するものである。例えば、最上段に示すID=0の場合は、各保留変化パターンのうち、「入賞時」〜「消化時」については「変化なし」と定められている。また、「ボタン保留」については、「なし」と定められている。このため、後述するような割合でID=0が選択された場合は、いずれのタイミングでも保留変化が行われず、「ボタン保留」の演出も行われないデフォルトの態様となる。
また、次段のID=1の場合は、各保留変化パターンのうちの「消化時」が「黄」と定められ、それ以外はID=0の場合と同様である。このため、ID=1の場合は、「消化時」のタイミングで標準色(例えば青色)から黄色への保留変化が行われる。そして、ID=1の場合は、「ボタン保留」の演出は行われないようになっている。
さらに、ID=2の場合は、各保留変化パターンのうちの「入賞時」が「黄」と定められ、「消化時」が「緑」と定められている。そして、それ以外はID=0の場合と同様である。このため、ID=2の場合は、「入賞時」から、黄色に保留変化した態様で保留表示が開始され、「消化時」に黄色から緑色への保留変化が行われる。
さらに、ID=3の場合は、各保留変化パターンのうちの「消化時」が「赤」と定められ、それ以外はID=2の場合と同様である。このため、ID=3の場合は、「入賞時」から、黄色に保留変化した態様で保留表示が開始され、「消化時」に黄色から赤色への保留変化が行われる。本実施例では、前述したように、保留表示の色(保留色)に係る演出発展の期待度が、標準色、黄色、緑、赤などの順で段階的に高くなっている。このため、ID=3の場合については、ID=2の場合よりもランクアップの度合いが高いといえる。
さらに、ID=11の場合は、「入賞時」〜「3変動後」は「変化なし」と定められており、「消化時」は「黄」と定められている。このため、ID=11の場合は、「入賞時」から「3変動後」までは基本の態様である標準色での保留表示が継続され、「消化時」に標準色から黄色への保留変化が行われる。また、このID=11の場合は、「ボタン保留」が「あり」と定められており、後述するような所定のアイコン表示が行われる。
さらに、ID=12の場合は、「入賞時」〜「3変動後」は、ID=11の場合と同様に「変化なし」と定められており、「消化時」は「緑」と定められている。このため、ID=12の場合は、「消化時」に、ID=11の場合よりもランクアップの度合いが高い緑色への保留変化が行われる。また、このID=12の場合も、ID=11の場合と同様に、「ボタン保留」の演出が行われる。
なお、ID=4〜10については、ここ々では説明を書略する。また、ID=13以降については、ここでは図示及び説明を省略する。また、ここでは各種の保留変化のうち、色変化と「ボタン保留」についてのみ例示しているが、色以外にも形状を変化させたり、演出発展内容を示唆する文字列表示(トリガ保留の変動にて「次回予告」予告演出が表示されることを示唆する「次回予告」という文字列)などの所定の画像への保留変化が行われる場合などもある。
続いて、図26(a)中の右側に示す部分、及び、図26(b)に示す部分は、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)に対する各演出組合せの置数を表している。そして、メインコマンドについては、第1テーブルについて説明したのと同じであるので、ここでは説明を省略する。
図26(a)、(b)に示す第2テーブルにおいても、各IDの選択割合を決める置数は、前述した第1テーブル(図25(a)、(b)参照)と同様に、32768個(置数範囲が例えば0〜32767)となっている。そして、メインコマンドが、図26(a)中に示す「保留1」、「はずれA」、「ガセA」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、100%(32768/32768)の割合で選択されるようになっている。つまり、メインコマンドが、「保留1」、「はずれA」、「ガセA」または「ガセB」を指定するものであった場合は、保留変化予告が実行されない態様を示している。
また、メインコマンドが、「保留1」、「はずれA」、「ノーマル」の組合せに対応するものであった場合や、図26(a)中の右端に示すように、「保留1」、「はずれB」、「所定演出2」の組合せに対応するものであった場合には、ID=0の演出パターンが、約70%(22938/32768)の割合で選択され、ID=1の演出パターンが、約30%(9830/32768)の割合で選択されるようになっている。
さらに、図26(b)の例では、メインコマンドが、図26(b)中の左端部に示す「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出3前半]」の組合せに対応するものであった場合には、ID=1〜4、ID=6のいずれかが選択される可能性があるようになっている。
すなわち、この場合には、ID=1の演出パターンが、約56%(18351/32768)の割合で選択され、ID=2の演出パターンが、約12%(3932/32768)の割合で選択されるようになっている。また、ID=3の演出パターンが、約24%(7864/32768)の割合で選択され、ID=4の演出パターンが、約6%(1966/32768)の割合で選択されるようになっている。さらに、ID=6の演出パターンが、約2%(655/32768)の割合で選択されるようになっている。
また、図26(a)、(b)の例では、メインコマンドが、「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出3後半]」の組合せに対応するものであった場合には、ID=1〜9の置数が、それぞれ「14279」、「7078」、「315」、「6119」、「3539」、「172」、「1180」、「57」、「29」となっている。そして、ID=1〜9の選択割合は、約43.6%、約21.6%、約1.0%、約18.7%、約10.8%、約0.5%、約3.6%、約0.2%、約0.1%となっている。ここで、上述の各選択割合の数値は、分母を「32768」として計算して得られた値を、小数点以下1桁で丸めたものある。
さらに、図26(a)、(b)の例では、メインコマンドが、「保留1」、「はずれB」、「擬×・A・B・[所定演出4]」の組合せに対応するものであった場合には、ID=1〜9の置数が、それぞれ「14105」、「7078」、「451」、「6046」、「3539」、「246」、「1180」、「82」、「41」となっている。そして、ID=1〜9の選択割合は、約43.0%、約21.6%、約1.4%、約18.5%、約10.8%、約0.8%、約3.6%、約0.3%、約0.1%となっている。ここで、図26(b)では、図示が煩雑にならないよう、保留1に係る他の列や、保留2の列、保留3の列、及び、保留4の列や当り変動の列などに係る他の列の記載は省略されている。
<<ルート抽選テーブルに係る他の特徴的事項>>
以上説明したような第1テーブル(図25参照)や第2テーブル(図26参照)は、演出における所謂法則の形成を効率化し得るものである。例えば、『保留が何個のときに特定の先読み演出が出現したら当り確定』といったような法則を演出設計段階で事前に策定し、第1テーブルや第2テーブルにおいて、当該法則に該当しない条件の欄を選択対象から事前に除外しておくことにより、誤って置数の割り当てを行ってしまう等の事態の発生を、予め防止しておくことが可能である。
さらに、このようなテーブル(第1テーブル及び第2テーブル)を用いることにより、例えば『保留1個目の場合のような、既に開始された演出を差し替えられないタイミングでは先読み実行しない』といった状況毎の禁則に整合する演出設計を、効率的に誤りなく行うことが可能となっている。
また、例えば、連続して2回以上行うことで効果的になる先読み演出を実行するような場合、「保2」となるタイミングでトリガ入賞が発生すると、そのときに実行中の変動は上記先読み演出に使用できないため、先読み演出としては次回の変動しか利用できず、演出の見栄えを損ねてしまう可能性がある。しかし、上述のようなテーブルを用いて先読み演出を設計することで、このような事態に該当する条件を、予め選択対象から明確に除外しておくことができ、設計作業を効率化することが可能となる。
また、図25及び図26の図表中の「−」と「0」は、何れも該当する状況で選択されない点では共通である。しかし、図表中の「−」は、予め置数の割り当てを検討する対象から除外した箇所を表しており、「0」は、「−」により検討対象の絞り込みを行った後に置数として割り振られたものであることを表している。なお、図25及び図26の図表中における「−」と「0」は、これらの区別を説明するために概略的に示したものであり、必ずしも設計時の状況を正確に表しているものではない。
さらに、ルート抽選のテーブルのうちの第2テーブル(図26参照)について、例えば、新たに発生した始動入賞(トリガ入賞)が「保1」になるタイミングのものであった場合のメインコマンドは、テーブル中で「保留1」が記載されているものとなり、「保2」になるタイミングのものであった場合のメインコマンドは、テーブル中に「保留2」が記載されているものとなっている(図示略)。
また、新たに発生した始動入賞(トリガ入賞)が「保1」になるタイミングのものであった場合は、次変動が当該変動(トリガ変動)となるため、先読みを実行する機会がない。このため、「1変動後」、「2変動後」、「3変動後」の先読み演出が「変化なし」となっているIDが選択対象となる。さらに、新たに発生した始動入賞(トリガ入賞)が「保2」以降になるタイミングのものであった場合は、トリガ変動が2回後の変動となるが、「2変動後」、「3変動後」の管理ができないため、「1変動後」について「変化あり」となっていても、「2変動後」、「3変動後」については「変化なし」となっているIDのみが選択対象となる。
そして、本実施例では、メインコマンド中における「保留数」の情報は、例えば、『特図1保留3個、特図2保留0個』といった態様で、メイン基板102からサブメイン基板301に送信されている。つまり、特図1保留が生起した場合、及び、特図2保留が生起した場合のいずれの場合も、保留が生起して保留数が更新されるタイミングで特図1保留個数、特図2保留個数の両方を識別可能な態様で情報送信が行われるようになっている。そして、サブメイン基板301の側では、受信した保留情報が何変動後に対応したものであるかを判定し、前述の「保留数」の情報に変換している。
このような保留数に係るメインコマンドは、前述した図柄記憶数コマンドであり、その具体的態様は、MODEコマンドが一定値を表し、EVENTコマンドが特図1保留数と特図2保留数を表すものとなっている。そして、EVENTコマンドにおいては、0〜2ビットが特図1保留数を表すのに用いられ、4〜6ビットが特図1保留数を表すのに用いられている。
さらに、本実施例では、複数の保留先読み演出が重複して行われないようになっている。より具体的には、保留先読み演出の具体的態様は、ルート先読み第1抽選(図25参照)で先読みの有無が決定された場合に限り、ルート先読み第2抽選(図26参照)により決定されるようになっている。そして、ルート先読み第2抽選(図26参照)においては、図示は省略するが、抽選対象とする保留(今回トリガ保留)の前に先読み実行中の別のトリガ保留(事前トリガ保留)が存在しているときには、今回トリガ保留に係る先読みの内容決定を行わない、あるいは、当選したとしても抽選結果を強制的に「ID=0」にする、といった禁則処理を行う。このため、先読み演出は常に1の保留(ここでは事前保留)に対してのみ実行され、複数の保留先読み演出が重複して行われないようになっている。
なお、これまでに説明したルート先読み第1抽選を「親抽選」、「メインルート抽選」などと称し、ルート先読み第2抽選を「子抽選」、「サブルート抽選」などと称することも可能である。さらに、ルート先読み第1抽選及びルート先読み第2抽選を統合して1つの抽選とし、1つのテーブルで保留先読み抽選を行うようにしてもよい。また、保留先読み抽選を3段階以上に分け、例えば「孫抽選」などを行って、保留先読みの態様を決定してもよい。
<<可動演出部材を用いた先読み演出>>
次に、遊技領域52のセンター飾り64における可動演出部材(93、94等)を利用した先読み演出について説明する。本実施例においては、前述したように、センター飾り64に可動演出部材(93、94等)が設けられており、先読み演出に係る演出パターンとして、これらの可動演出部材(93、94等)を用いたものが設けられている。そして、この種の先読み演出では、例えば、前述のルート抽選により先読み演出に当せんしている場合に、前述のトリガ変動の開始に伴う所定期間中(例えば変動開始から開始直後までの所定期間中)に、可動演出部材(93、94等)を所定の態様で移動させたり、振動させたり、或いは、発光させたりするような演出が実行される。
また、本実施例では、センター飾り64の上部に設けられた可動演出部材93(図1参照)は、振幅が数ミリ程度の所定の振動動作や、演出表示装置60の画面中央部に重なる位置への落下動作などが可能となっている。そして、この可動演出部材93を用いた先読み演出の態様としては、トリガ変動が実行されるまでに各トリガ前保留に対して実行される所定の変動演出において、変動開始直後における所定時間内に、上述のような動作を行うものが設けられている。さらに、可動演出部材93の動作に同期して、演出表示装置60にエフェクト演出を行うための所定の画像が表示される。
ここで、エフェクト演出としては種々のものを採用可能であるが、例えば、雷の映像、炎の映像、等といったエフェクト演出要素を表示するものを例示できる。さらに、エフェクト演出として、トリガ変動が開始されるまでに、例示した上述のエフェクト演出要素の彩色が、例えば、標準色、緑、赤などの順でランクアップし、トリガ変動に達した際の彩色により、トリガ変動の変動パターンに係る期待度や、演出パターンなどの示唆を行う、といったことが可能である。
また、エフェクト演出としては、上述のもの以外に、他の可動演出部材(94等)を動作させるものも採用が可能である。また、可動演出部材(93、94等)に設けられた発光部の発光色や、他の部分の発光色を、例えば、標準色、緑、赤などの順で段階的にランクアップして先読み演出を行うようにしてもよい。さらに、可動演出部材(93、94等)の動作態様として、段階的に移動量が増えるようなものも採用が可能であったり、前述の各エフェクト演出および可動役物の移動量変化の組合せを採用することも可能である。また、前述のルート抽選により先読み演出の態様を決定するにあたっては、先読み演出(「所定演出A」)ありの場合に、ルート先読み第2抽選(図20のS197や図26参照)によって、動作開始時期や動作態様を決定することが可能である。
また、可動演出部材93の動作に、前述の操作ボタン22の動作を複合させた態様の先読み演出も実行可能である。本実施例においては、可動演出部材93の動作が振動等の動作を行った場合に、遊技機枠11に設けられた操作ボタン22が動作する場合があるようになっている。この場合の操作ボタン22の動作としては、操作ボタン22の突出や振動などのように、少なくとも一部分の移動(変位)を伴う動作を挙げることがきる。
さらに、本実施例では、操作ボタン22が備えられたボタン装置本体の図示は省略するが、上述のように操作ボタン22が移動を伴う動作を行う場合に、ボタン装置に備えられた可動部品の重心移動や、可動部品と接触した他の部品との間の摩擦などが生じるようになっている。このため、操作ボタン22の動作に伴って、遊技機枠11における上球皿18や、操作ボタン22を含む、上球皿18の周辺部分に振動が発生する。そして、このような振動については、ボタン装置における可動部分の外形寸法や重量が大きいほど、エネルギーが大きくなり、振幅や加速度など物理的要素のうちの少なくともいずれかが大きくなる。
また、本実施例では操作ボタン22として、前述したように、所定の場合に上球皿18から上方に突出するタイプのものが用いられている(図27(a)、(b)参照)。さらに、本実施例では、操作ボタン22は、図27(a)に示す没入状態、(b)に示す突出状態のいずれにおいても、上部に配置されたボタン部22aを、振動させることができるようになっている。そして、操作ボタン22が突出状態にある場合に振動動作を行わせた場合には、没入状態にある場合よりも、ボタン装置に係る重心位置から上球皿18までの距離が大となり、操作ボタン22から発射ハンドル20までの間の機械的接触箇所を介して、発射ハンドル20に伝わる振動が大きくなる。
このような操作ボタン22の振動や突出動作は、予告や煽りのための演出に用いられ、前述のようなルート抽選で所定演出Aに当せんした場合にも、所定の態様で実行される。そして、例えば、所定演出Aが「あり」である場合、各変動での実行パターンを決定するルート先読み第2抽選を行うことが可能である。
このように本実施例では、遊技盤50上の可動演出部材93の動作が振動等の動作を行った場合に、遊技機枠11に設けられた操作ボタン22が動作するため、可動演出部材93の動作にタイミングを合わせて、発射ハンドル20に振動を伝達することができる。したがって、遊技領域52内にあって遊技者が触れることのできない可動演出部材93の動作を、操作ボタン22や発射ハンドル20を介して、遊技者に対し疑似的に体感(知覚)させることが可能となっている。
なお、操作ボタン22としては、遊技機枠11を介して発射ハンドル20に振動を伝え易いよう、相対的に大型なものとすることが望ましい。また、操作ボタン22が行う動作としては、遊技機枠11を介して遊技者が接触する手段(ここでは発射ハンドル20)に動作していることを伝えられるものであればよい。そして、操作ボタン22が行う動作態様としては、前述したような振動動作のほか、例えば空気を間欠的に吐出する動作などであってもよい。
また、可動演出部材93の動作を変動開始直後の所定時間内に実行するものとしたが、「所定時間」は、3〜5秒程度を例示でき、より具体的には演出図柄の視認性を確保するために演出図柄が停止表示(仮停止表示)を開始する前を終了タイミングとしたり、操作ボタン22を使用する予告、あるいは各予告のボタン操作が有効となる前までに終了タイミングとさせることにより、ボタン操作がしにくくなったり、ボタン入力に伴うボタン振動という反応があったという誤認を起こさせないような制御を行う様にすることが好ましい。
<<ボタン保留演出>>
続いて、上述した操作ボタン22を用いた演出と、保留表示とを組み合わせたボタン保留演出について説明する。本実施例では、前述のルート抽選により、保留表示が、例えば図28(a1)に示す標準の状態から、図28(a2)に示すようなボタンの画像(「ボタン画像」、「ボタンアイコン」、或いは「ボタン保留表示」などともいう)406に変化する演出(「ボタン保留演出」、或いは「ボタン保留」などともいう)が実行される場合がある。そして、このボタン画像406の表示は、本実施例では、遊技者が操作ボタン22を押下したことが、例えばサブメイン基板301により検出されるまで継続されるようになっている。
なお、図28(a1)、(a2)に示す例では、トリガ入賞が発生したタイミングでボタン画像406が出現するようにしており、入賞時(トリガ入賞の発生タイミング)以外にはボタン画像406が出現しないようにしている。なお、入賞時以外にもボタン画像406が出現(ボタン画像406に置換)するようにしてもよい。
このようなボタン保留が行われている際には、操作ボタン22が有効化されている。そして、操作ボタン22の有効期間中に、サブメイン基板301で操作ボタン22の押下操作が検出され、且つ、トリガ入賞に係る保留が保留変化に当せんしているものであれば、図28(a3)に示すように、当選した保留変化パターンにしたがって保留変化する。ボタン保留における操作ボタン22の操作があった場合は、最終変化態様(保留変化パターンにおける「消化時」のパターン)に操作があったタイミングで変更する。
また、図示は省略するが、トリガ入賞があった変動の次回以降の変動で、操作ボタン22を有効化することも可能である。さらに、ボタン保留に係る保留が消化される変動に限り、操作ボタン22を有効化するといったことも可能である。
また、ボタン保留が開始されても操作ボタン22の操作が検出されない状況が続き、ボタン保留に係る保留が消化される変動(トリガ変動)が開始されても、ボタン画像406の表示が継続している場合も想定できる。そして、このような場合には、所定のタイミングで、当せんしている保留変化パターンで保留表示を行うことが可能である。そして、このときの上述した「所定のタイミング」は、トリガ変動中の、予め決められたいずれかのタイミングとすることが可能である。
また、ボタン保留中に、操作ボタン22を突出状態としたり(図27(b)参照)、操作ボタン22を振動させたりすることが可能である。さらに、操作ボタン22を突出状態として振動させたりすることも可能である。そして、このような操作ボタン22の機械的動作を組み合わせた先読み演出として、例えば、演出の発展の期待度が異なる複数種類のものを設けることが可能である。
さらに、ボタン保留に当せんした場合(或いは一部の所定のボタン保留に当せんした場合)には、操作ボタン22の操作に伴う保留変化の態様として、100%又は100%に近い割合(90%以上など)で、期待度(大当り期待度など)の高い態様(演出の段階のうちの最終段階である激熱保留態様)への保留変化が行われるようにすることが可能である。
また、この際、ボタン保留とは別に、操作ボタン22に係る演出(前述の可動演出部材93の動作を伴う先読み演出など)の実行が決定され、ボタン保留と他のボタン動作に係る演出とが競合するような場合も想定される。本実施例では、このような場合には可動演出部材による先読みを優先して実行し、ボタン保留を行わない(ボタン保留に当選してもID=0に書き替えるか、ボタンなしと同様の処理を行う)ようになっている。
前述のボタン保留のように期待度が高い先読み演出として操作ボタン22を使用した場合、遊技者による操作ボタン22の取扱いが荒くなり、操作ボタン22の押下操作の際に加えられる力が、期待度が相対的に低い状況での操作に比べて大きくなることが考えられる。これらのことから、信頼度が相対的に高い先読み演出に操作ボタン22を利用する場合には、他の場合に比べて、操作ボタン22の変形、故障、破損などが生じ易くなると考えられる。
しかし、前述したように、ボタン保留と可動演出部材93による先読みの両方に当せんしている状況で、ボタン保留を行わないようにすることによって、操作ボタン22やボタン装置の動作時における使用頻度を下げることができる。この結果、操作ボタン22やボタン装置の故障や破損を防止することが可能となる。
このような考え方は、例えば、上述のように操作ボタン22に操作レバー機能を付加したタイプのボタン装置や、操作ボタン22内に更に可動演出部材(図示略)を備えたタイプのボタン装置などのように、複雑化した構成のボタン装置に関してより有効となるものである。また、複雑化した構成のボタン装置としては、カバー部の開放機構を有し、所定の場合にカバー部を開放して、内部に設けられた所定の意匠部を露出させるようなものを例示できる。
なお、前述したような最終段階の保留表示態様に限らず、最終段階よりも手前の段階の保留表示態様でのボタン保留を実行することも可能である。しかし、この場合にも、ボタン保留として、相対的に熱めの演出(相対的に大当り等の期待度が高い演出)を実行することが望ましい。また、この場合に、例えば、ルート抽選にて保留色に係る保留変化ありの抽選結果が得られている場合であっても、ボタン操作が検出されるまでは、選択されている保留変化をキャンセルし、ボタン保留の演出を優先して実行することが考えられる。
なお、本実施例のボタン保留に関しては、操作ボタン22の操作有効期間が、変動を跨いで継続するようになっている。そして、例えば、そのときの変動演出が終了しても、ボタン操作があるまでや、トリガ保留の消化が終了するまで(トリガ変動の終了まで)は、ボタン保留に係るボタン操作の有効期間が終わらないようになっている。
また、このようにボタン保留に係るボタン操作の有効期間を、複数変動に跨って長く確保することにより、ボタン保留に係る演出と、予告演出におけるボタン演出とを遊技者が誤認し易くなることも考えられる。
そして、予告演出に係るボタン演出には操作ボタン22の振動がなく、後または同時に行われたボタン保留で操作ボタン22の振動があったような場合に、予告演出のボタン演出が振動等を伴う高期待度演出であるかの様な誤認を招き、その後の演出に相応の展開が見られなかったと知覚してしまうことも考えられる。このような事象を防止するために、ボタン保留と予告のボタン演出とが重複して実行されないように、予告におけるボタン演出に対する操作ボタンの有効期間中は、ボタン保留に対する操作ボタン22の入力操作を無効とすることで、遊技者が、ボタン保留に係る操作ボタン22の振動動作を、ボタン演出に係る操作ボタン22の振動動作と誤認することを防止できる。
なお、ボタン保留とボタン演出とが重複して実行されないようにするために、ボタン演出を優先する態様に限らず、ボタン保留を優先したり、ボタン保留の実行中は予告についてボタン演出を抽選しない態様を採用することも可能である。
ボタン保留と可動役物部材による先読みを同時に実行しない制御態様とするために、例えば、前述のルート先読み第1抽選で、操作ボタン22の突出動作ありの抽選結果が得られた場合に、ルート先読み第2抽選でボタン保留に当せんしても、ボタン保留はキャンセルする、といったことが可能である。
また、ボタン保留をキャンセルする態様としては、前述のルート抽選におけるデフォルト(ID=0)の演出(ボタン保留なしの演出)への差替えを行う、といったことが可能である。さらに、このような禁則処理を設けた場合であっても、ボタン保留が、大当り期待度が相対的に高いものであれば、禁則処理を行わないようにする、といったことも可能である。
また、可動演出部材による先読みと予告演出のボタン演出とが重複して実行される場合にも、ボタン保留の時と同様の誤認を招く恐れがある。このような状況が生じないようにするための策として、可動演出部材による先読みの実行変動に、予告についてボタン演出が重複して当せんした場合に、何れか一方(好ましくはボタン演出の方)の実行タイミング時期を、所定期間(例えば1〜4変動程度)遅らせる、といったことも可能である。また、先に、何れか一方に当せんしている場合に、他方の抽選が行われなくなる、或いは、抽選は行われても当せんしなくなる、といったような禁則処理を行うことも可能である。
また、保留変化に係る演出制御態様として、以下のようなものも考えられる。例えば、ルート抽選(ここではルート先読み第2抽選)によって、保1〜保4および当該変動における表示色を定めたテーブルから変化ルートIDを決定し、今回変動での表示色と前回変動における表示色に係る情報(色情報)を判定し、今回変動に係る色情報が前回の変動に係る色情報と異なる場合に保留変化を実行すると判断する、といった制御を行うことが可能である。
さらに、保留変化ありの変動において、特定の状況である場合に、演出パターンを所定の予告演出に差替えることが考えられる。上述の「特定の状況」としては、変化後色が赤以上で、はずれ変動であり、且つ、変動パターンが非リーチである状況などを例示できる。さらに、上述の「所定の予告演出」としては、主人公のキャラクタが登場して操作ボタン22が突出状態で振動を行い、操作ボタン22の入力を契機として主人公キャラクタのアクションにより保留の表示色を変化させる演出などを例示できる。
なお、ここではボタン保留の演出態様として、ボタン画像406を表示するようにしたが、例えば、このボタン画像406を、所定のキャラクタが持ち上げているといった態様で、ボタン保留の演出を行ってもよい。また、所定のキャラクタが、「ボタン」などと表記された看板を持つ、といった態様でボタン保留の演出を行ってもよい。
また、このようなボタン保留の演出を行うか否かの抽選を、トリガ保留の入賞時に行ってもよい。そして、入賞時の抽選でボタン保留の演出を行うことが決定された場合に、対応する所定のフラグを立て(フラグを所定値に設定し)、ボタン操作が行われるのを待つといったことも可能である。
<<先読みに係るその他の演出1(落雷変化)>>
本実施例においては、これまでに説明したもののほかに、各種の先読み演出が備えられている。そして、これらの先読み演出の1つとして、保留変化に係る「落雷変化」の演出を挙げることができる。この落雷変化は、専ら一般的に用いられる保留変化として備えられているもの(サブモード対応常用保留変化)であり、通常制御される演出モードのうちのいずれかのモードで実行される。他の演出モードに制御される時は、落雷ではなく、他の演出モードにあったモチーフの演出が発生するようになっている。
この落雷変化においては、図28(b1)中に示すように、保留変化の対象となっている保留表示(ここでは「保4」)の近傍に、雷雲407の画像が出現する。そして、図28(b2)に示すように、雷雲407が保留表示に向けて発雷すれば、その後の保留変化(図28(b3)参照)があるようになっている(図28(b3)参照)。なお、図28に示す例では、トリガ入賞が発生した変動で雷雲407が出現するようにしているが、これに限らず、トリガ入賞があった変動の次回以降の変動(例えば、保留変化が実行される変動)で雷雲407が出現するようにしてもよい。
保留表示と雷雲407との位置関係は、両者の一体性が認識できる程度のものとなっていればよい。そして、そのような表示態様としては、両者を接近させる、重ねる、左右の中心を合せる(同一縦線上に配置する)、等といったものを例示できる。また、保留変化に至らないガセの態様として、雷雲407が発雷せずに消去されて(或いは通過して)晴れる、といったものを例示できる。ここで、図28(b1)、(b2)に示す態様は、保留表示(ここでは「保4」)、雷雲407の左右の中心をほぼ一致させるとともに、一部を重ねたものである。
さらに、雷雲407が複数回の変動に跨って待機する態様を設けることも可能である。そして、このような複数回に跨る場合の演出態様の用途として、相対的に多くの割合で保留変化を実行し、ガセとなることがほとんどないようにすることを例示できる。また、一回の変動で雷雲407による保留変化が実行されるよりも相対的に高期待度の態様への保留変化を行わせることなども例示できる。さらに、雷雲407の他、例えば、演出モードに応じて竜巻や、動作する微小キャラクタ(ミニキャラアクション)等が滞在する態様とすることも可能である。
<<先読みに係るその他の演出2(ZONE突入変化)>>
また、本実施例における他の先読み演出としてルート抽選にてゾーン1ないしゾーン2に当選した場合に実行される「ZONE突入変化」を挙げることができる。このZONE突入変化においては、演出図柄190として、「CHANCEゾーン」や「激熱ゾーン」などといった、ゾーンの種類を示す文字表記を有するもの(ゾーン突入図柄である特殊図柄)が設けられている。そして、このゾーン突入図柄を停止(ここでは確定停止)させ、次変動からトリガ保留の消化までの演出の態様が、対応するゾーンの演出態様となる。なお、ここでいう「トリガ保留の消化」は、消化の開始及び終了(トリガ変動の開始及び終了)のいずれであってもよい。
また、このときの演出態様の変化を、ステージチェンジ(略して「ステチェン」)などと称することが可能である。また、複数種類のゾーンを設けて、ゾーンを選択するための抽選を行うことも可能である。さらに、上述の特殊図柄が停止するか否かの煽りのための演出を、複数変動に亘り行うことが可能である。また、ゾーン突入による演出表示態様の変更は、サブモード(演出ステージ)の種類毎に異なるものとし、各種の予告類が、そのときのモードに対して専用のものになるようにしてもよい。
さらに、例えば、表示領域194の左右両脇に、モードの種類を示した帯状の表示物を登場させるようにしてもよい。この帯表示のような演出は、前述したようなチャンス目表示(「7」の演出図柄表示など)などとの区別が明確になるよう、演出の雰囲気が、チャンス目の表示による発展態様に比べて大きく変わるような発展(ステージチェンジなど)の場合に用いることが考えられる。
また、先読み演出としての事前の決定は行わず、そのときの変動時(トリガ変動時)にステージチェンジを行うか否かを当該変動に係る予告抽選にて決定し、ステージチェンジを行うことが決定された場合にステージチェンジを実行する、といったことも可能である。
<<先読みに係るその他の演出3(チャンス目によるエフェクト変化)>>
また、本実施例における他の先読み演出として「チャンス目によるエフェクト変化」を挙げることができる。このチャンス目によるエフェクト変化においては、前述したようなチャンス目(「7」等の演出図柄)が停止表示(ここでは確定停止表示)されると、画面(表示領域194)の外枠に沿って、オーラのエフェクト表示がされる場合がある。このようなオーラの演出は、トリガ保留の消化時においてリーチ発展するまで継続することが可能である。
また、チャンス目を、複数の変動に対し連続して停止させ、チャンス目の停止が継続するたびに、オーラの表示態様(ここでは彩色)をステップアップさせることも可能である。そして、オーラの表示態様によりトリガ保留の期待度を表すことが可能である。
さらに、「7」以外の演出図柄(例えば「3」)も併せてチャンス目とすることや、「7」を強パターン(各種期待度が例えば90%以上などと相対的に高いパターン)のチャンス目とし、「3」を弱パターン(各種期待度が相対的に低いパターン)のチャンス目とする、といったことも可能である。また、強パターンと弱パターンの設定態様としては、演出図柄の種類を異ならせることのみでなく、「7」図柄の停止位置や、停止数(停止した個数)によって、強パターンと弱パターンの区別を行うことも可能である。
例えば、強パターンとして、「7」図柄の、中停止(中演出図柄190bでの停止)、左中停止(左演出図柄190aと中演出図柄190bでの停止)、中右停止(中演出図柄190bと右演出図柄190cでの停止)を採用してもよい。ここで、「7」図柄の、左右停止(左演出図柄190aと右演出図柄190cでの停止)は、本実施例ではリーチの組合せ を構成するため、強パターンのチャンス目の表示態様としては採用されていない。一方、弱パターンとして、「7」図柄の、左停止(左演出図柄190aのみでの停止)、右停止(右演出図柄190cのみでの停止)を採用してもよい。なお、左右停止パターンは無いものとしたが、「7」と「3」など複数種類をチャンス目図柄とする場合には、異なる図柄であれば左右に同時に停止させたり、左中右のすべて(ただし左右は異なる)の箇所に停止させる態様を採用することが可能である。
さらに、トリガ入賞があってからトリガ変動が行われるまでに停止された所定の図柄(「7」図柄など)の数が所定数(例えば3つなど)以上であれば強パターンであり、当該所定数に達しなかった場合は弱パターンである、といった区別を行うことも可能である。また、トリガ入賞があってからトリガ変動が行われるまでに停止された所定の図柄(「7」図柄など)の数が多いほど、各種期待度が相対的に高くなる、といった態様の演出制御を行うことも可能である。
さらに、各演出図柄の停止順序を変更し、例えば、中演出図柄190bを第1又は第2停止図柄とし、右演出図柄190cを第3停止図柄として、「7」図柄の左右停止をチャンス目とする、といったことも考えられる。
また、オーラの色と各種信頼度との関係を、例えば、白<青<黄<緑<赤<金<虹といった順で信頼度が高まるようにすることが可能である。そして、強パターンのチャンス目が停止した場合には、オーラの昇格が発生する割合が相対的に多くなるようにすることが可能である。また、強パターンのチャンス目が停止した場合に、例えば、白色から虹色や青色から金色などといったように、昇格量(昇格幅)が多くなるようにすることも可能である。
なお、これらのようなチャンス目によるエフェクト変化についても、前述したようなルート抽選と同様の抽選を行って「あり」、「なし」の決定(特殊図柄を停止させる変動の有無の決定)を行うことが可能である。さらに、ルート先読み第1抽選で、チャンス目の表示タイミング(変動回数等でもよい)を決定し、ルート先読み第2抽選で、停止図柄とオーラ色を抽選してもよい。また、停止図柄とオーラ色を異なる抽選(別抽選)で決定することも可能である。
また、疑似連続予告を行う際に、前述した擬似連図柄の表示に代えて(或いは擬似連図柄と併せて)、チャンス目の停止を行うようにしてもよい。さらに、例えば弱パターンのチャンス目が停止しても、オーラ色が昇格しない場合がある演出制御態様を採用することも可能である。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したように、本実施例に係るぱちんこ遊技機10によれば、先読み演出として、所定のアイコン401の滞在表示(待機表示)が行われる場合がある。さらに、アイコン401が滞在表示された状況で、トリガ保留に係る保留表示が当該変動情報表示198となる前に、他の所定の条件が成立すれば、そのときのアイコン401の滞在表示を伴う演出が、アイコン401に応じたキャラクタ402の表示を伴う他の演出に差替えられる。したがって、アイコンを利用した先読み演出を新規な態様で実行でき、先読み演出の多様性を向上することが可能となる。
また、アイコン滞在先読みから開始されるキャラクタすべり予告(差替えキャラクタすべり予告)と、他の態様から開始されるキャラクタすべり予告(標準のキャラクタすべり予告)とを所定の割合で実行することにより、キャラクタすべり予告を、抽選結果に応じて態様が異なるものとすることができる。
さらに、アイコン401の滞在中にキャラクタすべり予告やキャラクタすべり変化が実行される場合には、キャラクタ402は、図22(a)、(b)に示すように画面左側から進みながら登場するのではなく、アイコン滞在先読みの場合と同様の位置である表示領域194の右上に登場する(図23(a)、(b)参照)。このため、キャラクタ滞在先読みからキャラクタすべり予告やキャラクタすべり変化への差替えが行われた場合であっても、アイコン401とキャラクタ402の表示を、継続性をもって円滑に行うことができる。なお、例えば、既に保留変化している状況(トリガ保留が認識できる状況)でアイコン滞在先読み演出を重複して行うようにしてもよく、その場合に、アイコン滞在先読み時の差替えキャラクタすべり変化は別な態様(例えばキャラクタすべり予告と同じ態様など)でキャラクタ402を登場させる、といったことも可能である。
また、本実施例においては、ルート抽選をルート先読み第1抽選とルート先読み第2抽選の複数段階に分けて行っている。そして、第1抽選で先読み演出の有無を決定し、先読み演出を行うことが決定された場合に、第1抽選で実行有無が決定される複数の先読み予告のそれぞれについて、第2抽選により先読み演出の具体的態様を決定している。さらに、第2抽選においては、先に抽選を実行する他の先読み演出に当せんしたトリガ保留が存在する場合に、その後に抽選される先読み演出が前述の他の先読み演出と干渉する演出である場合でありかつ先読みに当せんした場合には、先読み演出を実行しないIDの演出パターンを選択したり、実行しないIDの演出パターンに変換する。したがって、重複して先読み演出を実行することを防止でき、重複した先読み演出により遊技者に違和感を与えることを防止可能となる。
また、このような禁則処理を行うにあたり、ルート先読み第1抽選で事前に先読みの有無を決定しているので、ルート先読み第1抽選で先読みを実行しないことが決定された場合には、ルート先読み第2抽選に係る禁則処理を行わずに省略することができる。したがって、先読みの重複当せん防止に係る処理の簡略化や迅速化が可能である。
なお、本実施例では、保留数表示部197に、ルート先読み第1抽選にて保留変化先読みの抽選を行い、先に消化される保留にトリガ保留が存在する場合には、後の保留について保留変化先読み等先読みが同時に実行されないようになっている。このようにすることで、後のトリガ保留について大当りが確定的となる先読みを実施した後、先の保留で大当りとなり、その後特定遊技状態に制御され、第2遊技を主体とする状況で、特定遊技状態以降前に生じていた大当りが確定的なトリガ変動の変動が終了するまで遊技球の発射を止める、といった「攻略」を防止することができる。
また、本実施例においては、遊技領域52中の可動演出部材93が動作する先読み演出が実行される場合に、遊技機枠11に備えられた枠演出部材(例えば操作ボタン22)を動作させ、枠演出部材が発生する振動を発射ハンドル20に伝達するようになっている。このため、遊技領域52中の可動演出部材93が動作していることを、遊技者の触覚により知覚させることができる。したがって、新規な態様で可動演出部材93を利用した先読み演出を実行でき、先読み演出の多様化を図ることが可能となる。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。