JP6839379B2 - ぱちんこ遊技機 - Google Patents

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本発明は、遊技媒体として遊技球や遊技メダルを用いるぱちんこ遊技機に関するものである。
一般に、ぱちんこ遊技機には、遊技を司る主制御基板と、この主制御基板からの指令に基づいて制御処理を行う副制御基板とが備えられている。そして、これらのうち、ぱちんこ遊技機の副制御基板としては、払出制御基板、演出制御基板、各種表示制御基板、電飾制御基板、音響制御基板等を例示することができる。さらに、ぱちんこ遊技機においては、演出制御基板を用いて種々の演出が行われるが、演出の一種として、登場するキャラクタと大当り期待度との相関を設けたものが知られている(特許文献1の段落0046など)。
特開2009−011632号公報
ところで、上述のようなぱちんこ遊技機においては、演出上、キャラクタをどのように利用するかは、遊技の趣向性に影響する要素となる。また、上述のような大当り期待等は、大当りが発生し易い状況であるか否かといった情報を遊技者に与え得る指標となるものである。そして、キャラクタと、当りに係る指標とを如何にして関係付けて演出に利用するかは、遊技の趣向性を高めるうえでの重要な要素となるものである。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、キャラクタと当りに係る指標との相関を有効に活用することが可能なぱちんこ遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、遊技の進行を制御する主制御手段(メイン基板など)と、
前記主制御手段からの演出制御情報(メインコマンドなど)を受信し前記演出制御情報に応じた制御処理を行う演出制御手段(サブメイン基板など)と、
前記演出制御手段により決定された演出に係る画像表示を行う画像表示手段(演出表示装置など)と、を備え、
前記主制御手段は、
遊技領域に発射された遊技媒体が前記遊技領域を流下して所定の始動領域(第1始動入賞口や第2始動入賞口など)を通過したことに基づき所定の乱数を取得し、
前記乱数には、少なくとも、大当り抽選判定のための大当り乱数と、前記大当り抽選判定の結果を示す特別図柄の決定のための特別図柄乱数(特別図柄当り図柄乱数など)と、前記特別図柄に係る変動パターンの決定のための変動パターン乱数とを含み、
前記大当り乱数に基づき、大当りか否かを判定する大当り抽選判定を行い、
前記特別図柄乱数に基づき、前記特別図柄を判定する特別図柄抽選判定を行い、
前記変動パターン乱数に基づき、前記変動パターンを決定する変動パターン抽選判定を行い、
前記大当り抽選判定、前記特別図柄抽選判定、及び、前記変動パターン抽選判定の結果に基づき、前記特別図柄を主制御表示手段で変動表示した後に停止表示させ、前記大当り抽選判定の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に所定の開閉領域(第1大入賞口や第2大入賞口など)を所定回開放する特別遊技を実行し、
前記特別図柄抽選判定の結果に基づき、前記特別遊技の終了後に遊技者に有利となる特定遊技(確変や時短など)を設定可能であり、
遊技媒体が前記始動領域を通過しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記乱数に係る特別図柄保留記憶情報を所定数内で記憶することが可能であり、
前記演出制御手段は、
前記画像表示手段に複数のキャラクタを所定の配置順序でリスト表示させるリスト演出を決定可能であり、
前記キャラクタの配置順序は、所定の規則に基づく第1ソートと、前記第1ソートとは異なる規則に基づく第2ソートにより決定されるものであって
前記第1ソートおよび前記第2ソートは、遊技者に利益が付与される期待度または遊技者に付与されうる利益の有利度合いの指標に基づくソートであり、
前記第1ソートにより前記キャラクタの配置順序を決定したとき、前記指標における同一の範囲となるグループの単位でキャラクタの配置順序が定まり、第1ソートで定まった前記キャラクタの配置順序が前記第2ソートにより前記グループ内で変更される場合があり、
前記キャラクタは、前記第2ソートを経て決められた配置順序で並べて表示される場合があることを特徴とするぱちんこ遊技機である。
本発明によれば、キャラクタと当りに係る指標との相関を有効に活用することが可能なぱちんこ遊技機を提供できる。
本発明の一実施例のぱちんこ遊技機の正面図である。 ぱちんこ遊技機の背面図である。 ぱちんこ遊技機の機能を示すブロック図である。 ぱちんこ遊技機の主要な基板構成を示すブロック図である。 メイン基板、サブメイン基板、及び、サブサブ基板の基本的な機能手段を示すブロック図である。 (a)は主制御表示装置を示す説明図、(b)は主制御表示装置における各表示灯と名称の関係を示す図表である。 (a)は演出表示装置における演出図柄の変動中の表示例を示す説明図、(b)は同じく演出図柄の停止中の表示例を示す説明図である。 (a)は当否判定テーブルを示す図表、(b)ははずれ用の変動パターンテーブルを示す図表である。 (a)は第1抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(b)は第2抽選用の大当り図柄判定テーブルを示す図表、(c)は小当り時に用いられる小当り図柄判定テーブルを示す図表である。 (a)ははずれ時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(b)は15R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表、(c)は5R大当り時及び小当り時に用いられる変動パターンテーブルを示す図表である。 メイン基板における制御開始処理を示すフローチャートである。 図11に続く制御開始処理を示すフローチャートである。 メイン基板における遊技進行割込み処理を示すフローチャートである。 メイン基板における電源断処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるサブメイン初期設定処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるメイン処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるメインコマンド受信処理を示すフローチャートである。 サブメイン基板におけるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 ぱちんこ遊技機における遊技状態の流れを示す説明図である。 (a)は基本となる特別遊技の流れを示す説明図で、(b)は(a)と異なるタイミングで所定の演出を実行する場合の流れを示す説明図である。 (a)は弾痕予告の一例を示す説明図、(b)は保留表示の一例を示す説明図である。 (a)は変動タイマ演出の一例を示す説明図、(b−1)は変動ブロックに係る変動パターンテーブルの特徴を示す説明図、(b−2)は(b−1)に示す変動パターンテーブルを用いた演出例を示す説明図、(b−3)は他の演出例を示す説明図である。 (a)は一部の変動パターンテーブルの内容の一例を示す説明図、(b−1)は一部の変動パターンテーブルの内容の変形例を示す説明図、(b−2)は他の一部の変動パターンテーブルの内容の変形例を示す説明図である。 リスト演出を行う実施形態における遊技状態の流れを示す説明図である。 (a)はラウンド演出においてリスト演出を行った場合の演出表示例を示す説明図、(b)はシフト演出の表示例を拡大して示す説明図である。 (a)はラウンド演出中及び変動演出中のそれぞれの場合における第1指標と第2指標に係る値を示す図表、(b)ラウンド演出中における各キャラクタの勝率の算出例を示す図表である。 (a)は変動演出中に通常頻度テーブルが用いられる場合の各キャラクタの勝率算出例を示す図表、(b)同じく変動演出中に限定頻度テーブルを用いたリタイア演出が実行される場合の各キャラクタの勝率算出例を示す図表、(c)は同じく変動演出中に限定頻度テーブルを用いた士気低下演出が実行される場合の各キャラクタの勝率算出例を示す図表である。 (a)は「ALL_MAX_ゾーン」を行った場合の演出表示例を示す説明図、(b)は「キャラクタK参戦」を行った場合の演出表示例を示す説明図である。 (a)はリスト演出を時短回数に応じて変化させる実施形態における時短回数と限定頻度パターンテーブルとの関係を示す図表、(b)は環状のリスト表示を行った場合の演出表示例を示す説明図である。
以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータやソレノイド等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出ないし振動動作を実施するようにしてもよい。また、図示は省略するが、操作ボタン22のほかに十字キーが備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キーを用いた演出操作としては、変動表示中のミニゲームなどを例示できる。さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、第1大入賞口91と第2大入賞口92、左作動口68aと右作動口68b、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の実施例については後述する。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、開放動作する羽根(開閉羽根)を備えている。そして、第2始動入賞口63が、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、第2始動入賞口63に係る各種の開放態様については後述する。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
前述の第1大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第1大入賞口91は、上述の開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、第1大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第1大入賞口91は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第1大入賞検出装置78や、上述の第1開閉扉を開閉駆動する第1大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、第1大入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
前述の第2大入賞口92は、横長の長方形状に形成された開口を有している。さらに、第2大入賞口92は、上述の開口を開閉するための第2開閉扉(図示略)を備えている。そして、第2大入賞口92は、所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、第2大入賞口92は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための第2大入賞検出装置79や、上述の第2開閉扉を開閉駆動する第2大入賞口ソレノイド81を備えている。これらのうち、第2大入賞検出装置79は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、本実施例においては、第1大入賞口91、第2大入賞口92の前方に装飾板91b、92bが各々設けられている。この装飾板91b、92bには、第1開閉扉、第2開閉扉、第1大入賞口91、及び、第2大入賞口92を遊技者が視認できるように透明な材質が採用されている。また、各装飾板に、遊技領域52を装飾するための文字や図形などを描いてもよいが、この場合にも、文字や図形など、第1大入賞口91や第2大入賞口92に進入した遊技球の視認を妨げない程度ものとすることが望ましい。
前述の左作動口68aは、図3中に示すように、左通過検出装置69aを備えており、右作動口68bは、右通過検出装置69bを備えている。さらに、これらの通過検出装置69a、69bは、対応する作動口68a、68bにおける遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、各通過検出装置69a、69bにおけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、各通過検出装置69a、69bは、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾を行うようになっている。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板90が備えられている。この導光板90としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板90は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板90は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板90は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板90を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板90の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、導光板90に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体を用いることも可能である。
前述の主制御表示装置53は、図6(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の左作動口68aと右作動口68bは、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では左作動口68a及び右作動口68bを含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口(ここでは左作動口68a又は右作動口68b)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技(大当り)においては、第1大入賞口91又は第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、15回(15R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、5回(5R)などを例示できる。なお、大入賞口の開放が実行される単位遊技を1度だけ行う場合の特別遊技を「小当り」と称する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、対応する大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、右作動口68b(図1参照)を通過して右通過検出装置69b(図3参照)により検出される。そして、前述のように、右作動口68bを遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6(a)参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や第2大入賞口92の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物のロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、第1大入賞口91や第2大入賞口92が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類の例:ST>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を15回繰り返す大当り(以下、適宜「15R大当り」とも称する)や、単位遊技を7回繰り返す大当り(以下、適宜「7R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、15R大当りや7R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば15R大当りや15R大当りの一部に、確変にならないもの(15R通常や7R通常)を設けることが可能である。また、例えば、15R大当りであっても、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が短く、実質的に5R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(15R確変(実5R))を設けたり、5R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における15R大当りは、全てが、確変を伴う15R大当り(15R確変)となり、7R大当りは、全てが、確変を伴う7R大当り(7R確変)となる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図6(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。そして、これらの合計で26個のLED表示灯は、図柄表示基板256上において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が配置された部位に対する残りの部位に、整然と並べられている。ここで、図6(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図6(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図6(b)には、図6(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図6(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59の動作としては、点灯及び点滅の相違や、点滅周期の相違などとにより、多数(例えば3以上)の種類の情報を区別して表示することが可能である。なお、普通図柄の停止表示に係る明確性の観点からは、点灯又は消灯により、普通図柄に係る抽選結果を表示することが望ましい。このため、普通図柄表示部59を構成するLED表示灯の数を例えば2個以上とし、点灯と消灯との組み合せによって、普通図柄の停止図柄を表すようにしてもよい。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口(左作動口68a又は右作動口68b)を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、0〜4の数値を表示できるようになっている。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に左作動口68a(又は右作動口68b)を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄表示部70による第1特別図柄の保留数の表示については、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄の保留数の表示については、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、0〜4の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図6(a)参照)の右打ち指示灯Fを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、右打ち指示灯Fは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能であるが、スクロール表示の各種の態様については後述する。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。なお、付加的な表示体を用いた演出の具体的な態様については後述する。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、各通過検出装置69a、69b、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、第1大入賞検出装置78、第2大入賞検出装置79、第1大入賞口ソレノイド80、第2大入賞口ソレノイド81、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
また、本実施例においては、確変時等の所定の状況で選択される変動パターンは、極短い変動時間(例えば0.6秒程度)のものが大半を占めるようになっている。そして、このような状況においては、極短い時間の変動パターンに基づき、特別図柄の変動表示や、これに伴う演出が実行されるようになっている。なお、このような極短い変動時間の変動パターンに基づく演出については後述する。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、各作動口68a、68bにおける遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、左作動口68a又は右作動口68bへの入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68a、68b(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。確変状態は、全ての種類の大当りではなく、一部の種類の大当りに付帯している。さらに、一部の大当りについては確変状態が次回の大当りまで継続し、確変を伴う他の大当りについては、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、第1大入賞口ソレノイド80や第2大入賞口ソレノイド81に開放指示を送るための制御を行い、第1大入賞口91や第2大入賞口92を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。なお、本実施例では、前述した所謂ST機ではなく、一部の大当りでは次回大当りまで確変期間が継続する仕様が採用されているが、その具体的態様については後述する。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。STを採用するぱちんこ遊技機において確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、STにおいて確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能はSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対象となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー(図示略)が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キーを用いた演出操作が行われる場合がある。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板90の表示、及び、可動演出部材(例えば符号93など)の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板90において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板90と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板90と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板90の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板90、可動演出部材(例えば符号93など)、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板90を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材(例えば符号93など)や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できるよ程度の透過状態とすることで、導光板90の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板90や透過液晶表示体など(ここでは導光板90等と称する)の利用の態様として、導光板90等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板90等を強調する態様」は、導光板90等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板90等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容にの遊技者の意識が向かうようにし、導光板90等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板90等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<演出の発展に係るタイマ表示>>
また、演出表示装置60での表示内容として、演出の発展に係るタイマ表示(タイマ演出)を行うことが可能である。より具体的には、例えば、演出図柄190の変動表示中(変動演出中)において、所定の場合に、タイマ表示領域が出現する。このタイマ表示領域の配置としては、演出表示装置60の表示領域194における右下に部位などを例示できる。
上述のタイマ表示領域には、例えば、「70:00」等の表示が行われる。この「70:00」等の表示は、70秒後に演出の発展があることを示唆するものであり、表示開始後、100分の1秒ごとのカウントダウン表示が継続される。そして、タイマ表示領域における表示が「00:00」となった場合に、変動演出が発展し、大当りの期待度が高まるよう、演出が進行する。
上述のタイマ表示領域に表示される時間には、70秒に係るもののほかにも、例えば20秒や40秒等といったように種々のものがある。また、例えば、40秒のカウントダウンが終わった後に、更なる演出の発展に係るカウント表示として、20秒のカウントダウンが追加されるような複合的なタイマ演出もある。また、変動演出の表示があたかも終了したかのような表示(全図柄が仮停止)を行う状況になっても秒数が残っている場合に復活演出を行うことにより、タイマ表示が大当り確定を示唆する演出そのものとして使用されることも考えられる。
上述のタイマ表示領域での表示態様としては、例えば、カウントダウンの開始に先立って、「準備中(待機中)」、「START」などの表示を行うことや、カウントダウンの終了に伴って、「CHANGE(保留変化)」、「CHANCE(チャンスアップ)」「NEXT(疑似連、再変動)」「おめでとう(当り)」などの表示を行うことも可能である。また、演出の発展までのカウントダウンを行うことに限定されず、例えば、カウントダウンの終了に伴って「777」等の演出図柄190の組合せが表示されて大当りの発生が報知されるようにすることも可能である。また、カウントダウンの表示が「07:77」「05:55」などに到達した瞬間に固定化され(タイマフリーズ演出)、最終的に演出図柄190が大当り態様で停止するように示唆したり、「03:00」で停止して遊技者がタイマの時間から推測したタイマに対応する演出の他に別のチャンスアップが表示されることを示唆する演出を行う様にしてもよい。
<<演出図柄を用いた演出>>
また、演出図柄190を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、左演出図柄190aと右演出図柄190cが仮停止中であり、中演出図柄190bが変動中の状況において、左演出図柄190aと右演出図柄190cを他の態様に変化させることが可能である。このときの左演出図柄190aと右演出図柄190cの変化後の態様としては、例えば、所定の括弧記号などを例示できる。そして、変動中の中演出図柄190bを「NEXT」「もう一回」「まだまだ!」等の単語に変化させ、単語の左右を所定の括弧で挟んだ文字画像を表示し、その後に演出を発展させる。
このように演出図柄190を、それまでとは異なる性質の表示態様に変化させる演出は、発展前の演出と、発展後の演出との間を繋ぐための演出として利用することが可能である。また、上述の「NEXT」等の単語を括弧で挟んだ文字画像として、発展や大当りの期待度が相対的に低いものと高いものとを設けること(例えばNEXTの文字列の色を白と赤、金色などで異ならせること)も可能である。
ここで、このように演出図柄190が他の性質の表示態様に変化する場合には、演出表示装置60において、小サイズ化された演出図柄(図示略)を所定の部位(右上隅或いは左端など)に表示しておくことが可能である。この小サイズ化された演出図柄を表示することで、特別図柄の変動表示中であることの報知機能を維持しつつ、演出表示装置60における演出表示の自由度を高めることが可能となる。なお、縮小されたサイズの演出図柄(190)と、縮小前の基本となるサイズの演出図柄190とを区別するため、例えば、縮小前の演出図柄を「第1演出図柄」などと称し、縮小後の演出図柄を「第2演出図柄」などと称することが可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、同時に複数のリーチの組合せが表示されるダブルリーチやトリプルリーチなどの演出を採用することも可能である。さらに、1回の変動演出中に、ダブルリーチからトリプルリーチに発展するような演出を採用することも可能である。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、演出図柄190の変動表示を開始する際に、最後に停止する演出図柄(ここでは中演出図柄190b)を用いて演出の示唆を行うことが可能である。より具体的には、中演出図柄190bにおける人物画の部分(前述の非記号要素演出図柄である要素図柄)が台詞を発するアニメーション動作を行い、音出力として、変動開始時予告用の所定の台詞を発する、といったようなものを例示できる。
また、演出図柄190を用いた演出の他の態様として、遊技者が前述の操作ボタン22を連打した際に、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかを、連打に応じた態様で表示するものを採用可能である。そして、「連打に応じた態様」としては、例えば、左中右の演出図柄190a〜190cの少なくともいずれかが、震える(振動する)といったものを例示できる。
さらに、「連打に応じた態様」としては、操作ボタン22の1回の操作の検出ごとに演出図柄を1回動作させるもの(操作と動作の同期を図ったもの)を例示できる。また、操作ボタン22が連打されたことを検出した場合に、演出図柄が震える(振動する)内容のアニメーションを表示するものなどを例示できる。そして、操作ボタン22が連打されたことの検出は、例えば、所定時間(例えば1秒)内に所定回数(例えば2回等の複数回)以上の操作が検出されたか否かの判定を行うこと等により実行することが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、図7(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図7(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
<<可動演出部材を用いた演出>>
続いて、前述の可動演出部材(93、94等)を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、複数の回転ドラム(リール)を所定配列(2行2列など)で並べた可動演出部材(ドラムユニット)を、可動演出部材の1つとして用いることが可能である。そして、各回転ドラムを個別に回転制御し、停止(仮停止を含む)時に、ドラム上に配列された文字や記号などが所定の組合せを構成した場合に、演出が発展する、といったようなものを例示できる。このようなドラムユニットの配置箇所としては、演出表示装置60の上部などを例示できる。さらに、所定の場合にドラムユニットが、演出表示装置60の上部から中央部に降りてくる、といったような演出を行うことも可能である。
また、可動演出部材を用いた演出の他の態様として、光透過性の材質で形成された可動演出部材を備え、可動演出部材を透して、演出表示装置60の表示領域194の全体、或いは一部を視認できるようにすることが可能である。さらに、異なる種類の可動演出部材を前後に配置し、上述の光透過性の可動演出部材を前方(遊技者に近い側)に配置し、前方の可動演出部材を透して背後の可動演出部材の動作を視認できるようにすることが可能である。
また、可動演出部材を用いた演出の他の態様として、前述したような小型の表示体を複数(例えば2つ)備え、複数の表示体を、上下方向、左右方向、斜め方向のうちの少なくとも1つの方向に隣接するよう組み合せることが可能である。より具体的には、例えば、2つの矩形な表示体を、前後方向に延びる軸を中心に左右に揺動可能に支持する。そして、演出表示装置60の表示領域194の上方と下方(左方と右方であってもよい)に、各表示体を配置する。
さらに、所定の演出が実行される場合に、上方の表示体を下降させ、下方の表示体を上昇させ、各表示体が表示領域194の前方で近付くようにする。そして、上方の表示体の下辺と、下方の表示体の上辺を水平に且つ平行に対向させて、両表示体を上下に隣接させる。そして、各表示体で所定の演出表示を行い、2つの表示体の組合せによる演出を実行する。
また、他の所定の演出が実行される場合には、上下の表示体の角度を変更し、各表示体の姿勢を、画面を正面に向けたまま、水平な状態から、例えば左上がりの斜めの状態に変更する。つまり、矩形の各表示体の上辺と下辺は左上がりの斜めの状態になり、これに伴って、各表示体の左辺と右辺は右上がりの斜めの状態になる。そして、両表示体を、表示領域194の前方で互いに近付くように移動させ、上方の表示体の下辺と、下方の表示体の上辺を斜めに且つ平行に対向させて、両表示体を上下に隣接させる。
<<その他の演出>>
上述したような各種の演出以外の演出として、演出表示装置60における演出図柄190の停止(仮停止を含む)を、演出表示装置60の表示領域194の外側での所定の演出の直後に行うことが考えられる。より具体的には、演出表示装置60において、各演出図柄190a〜190cの少なくとも1つが変動中である状況で、例えば、センター飾り64の光装飾部、或いは、可動円演出部材(93、94等)の光装飾部により、所定の光装飾演出を実行する。
上述の光装飾演出は、例えば、通常の演出よりも相対的に強度の発光を瞬間的に1回のみ行うなどのように、遊技者が視線を演出表示装置60から外すことを期待できるようなものであることが望ましい。そして、この光装飾演出の直後(例えば1秒以内など)に、演出図柄190を、大当りの発生を表す3桁のぞろ目で停止(仮停止を含む)させる。このような演出により、遊技者に対し、変動中に目を逸らした隙に大当りが発生したといった印象を与えることが可能になる。
また、その他の演出として、音声として演出上の台詞を出力することと併せて、当該台詞を表す文字を演出表示装置60に表示し、音声の出力の速度に合わせて、台詞の表示を切換えることが考えられる。より具体的には、「ここへ呼んだのはほかでもない」という台詞の音声出力が開始された際には、演出表示装置60に台詞を発する登場人物を識別できる情報(ここでは名前「A」)と併せて「A:ここへ呼んだのはほかでもない」の文字が表示される。そして、音声出力される台詞が次の「是非見てもらいたいものがある」に移った際には、演出表示装置60に「A:是非見てもらいたいものがある」の文字が表示される。
さらに、音声出力される台詞が、登場人物Bによる「見せたいものって何ですか?」に移った際には、演出表示装置60に「B:見せたいものって何ですか?」の文字が表示される。このように登場人物の台詞を、音声出力と文字表示とを併せた態様で遊技者に示すことにより、速い台詞のやりとりが行われる場合であっても、遊技者に演出内容を明確に伝えることができる。
また、登場人物を示したうえで台詞を文字表示しているので、台詞を発する登場人物が画面上に表示されていない状況や、台詞を発する登場人物と異なる登場人物が画面上に表示されている状況で音声出力が行われる場合であっても、遊技者に演出内容を明確に伝えることが可能である。
また、その他の演出として、小型の表示体に、例えば障子やシャッタのような可動演出部材を更に設けて、背後の表示内容を隠すことを例示できる。また、画像表示されるオブジェクトとして、障子、シャッタ、カーテン、幕、スクラッチ膜等を設けることも考えられる。
また、その他の演出として、操作ボタン22として、押下操作以外の操作が可能なものを採用することが可能である。そして、押下操作以外の操作としては、タッチパネルによるタッチ操作や、遊技者が掴んで回す捻り操作を例示することができる。また、これらの各種の操作態様のうちの複数を行うことが可能な操作ボタン装置を採用することが可能である。そして、複数の態様の操作を行うことが可能な操作ボタン装置を採用した場合には、前述したようなボタン操作に係るガイド表示として、遊技者が実行するべき操作態様を案内することが考えられる。
また、その他の演出として、変動演出中に、例えば二次元コードの表示を行うことが可能である。そして、この場合には、変動演出中に遊技者がスマートフォンなどの携帯端末を取り出し、携帯端末のカメラ機能を利用して二次元コードを読み取り、所定の外部サーバにアクセスし、遊技や機種などに係る各種の情報を取得できるようにすることが考えられる。
また、その他の演出として、演出表示装置60において、例えば「発展」の文字の表示が行われた場合に演出が発展する状況において、「発」の文字を表示し、この「発」の文字の右側にルーレットや回転ドラム(リール)を表示することが考えらえる。そして、「展」の文字をルーレットの1つの目や、回転ドラム1つの図柄とし、「展」の文字が停止した場合に演出が発展する、といった演出を採用することが可能である。
また、その他の演出として、例えば、所定のキャラクタが登場した場合に演出が発展する状況において、当該キャラクタが登場するまでの時間のタイマ表示をすることが可能である。このタイマ表示は、前述した演出例のように、その時の変動演出の終了までの時間よりも短い時間であってもよい。また、これ以外に、その時の変動演出の終了までの時間よりも長い時間であってもよく、このようにした場合には、前述した真正の連続予告の1つとして、タイマ表示を実行することが可能である。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。なお、以下では、普通電動役物に係るコマンドと、それ以外の主要なコマンドに分けて説明を行うが、ここでは先に、普通電動役物に係るコマンド以外の主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、第1大入賞口91及び第2大入賞口92の間で遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、第1大入賞口91、第2大入賞口92を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68a、68b)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、第1大入賞口91又は第2大入賞口92の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、第1大入賞口開放ソレノイド、及び第2大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の疑似連続予告(所謂「疑似連」)を行う場合について考えれば、疑似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<サブ基板の主要な制御処理>
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、図15〜18に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。
一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。すなわち、ウォッチドッグ機能が有効であれば、対象となるような所定の異常が発生した場合に、処理時間がウォッチドッグタイマの設定時間を超えるように、CPU521の処理が例えば所定の無限ループに移行する。そして、ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。そして、上述の各種異常と、リセット信号の入力とが同時に発生した場合には、リセット信号の入力によるリセット(サブメイン初期設定処理)が優先される。
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からの前述のストローブ信号(演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、後述するメインコマンド受信処理(図17参照)が実行される。なお、メインコマンド受信処理において、問題なくコマンドを受信できた正常受信の場合は、受信したコマンドの内容がコマンドバッファ(コマンドリングバッファ)に保存され、コマンド解析処理は、後述するメイン処理(図16参照)内のメインループ処理(S124〜S132の循環処理)にて行われる。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
また、前述のウォッチドッグ機能が有効に設定されている場合に、前述の各種異常の発生時のように、故意にタイムアウトさせるような処理を経ずに、CPU521についての暴走検知がされると割込み(暴走検知割込み)が発生し、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。このような通常のウォッチドッグタイマによる割込みの優先レベルは、上述のレベル7よりも4段階低いレベル3である。なお、本実施例では、このレベル3と上述のレベル7との間となるレベル4〜6の割込みは、実行されないようになっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
さらに、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(図18参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、図15に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S101)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S102)。さらに、ハードウェア初期設定処理(S103)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S104)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S104)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
さらに、S105において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S106)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S106)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。しかし、本実施例に係るぱちんこ遊技機のように、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われない。
続いて、全ランプ消灯処理(S107)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S108)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、図15においては、S101からS108までの処理にメイン処理(S109)を繋げて記載しているが、S101からS108までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S109)は、このサブメイン初期設定処理(S101〜S108)の後に続いて行われるものとなっている。さらに、メイン処理(S109)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S109)の詳細については後述する。
メイン処理(S109)の後には、スリープ処理(S110)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S109)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S110)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S110)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
前述のメイン処理(S109)においては、図16に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S121)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S121)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S122)。さらに、デバイス初期化処理(S123)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S124)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。さらに、図柄更新処理(S125)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目の組合せであった場合には、例えば「121」のように所定の桁の数値をオフセットして、はずれの組合せとすることが可能である。
この図柄更新処理(S125)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、はずれ図柄を抽選で決定する場合は実行されず、具体的なものとしては、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。
続くエラー演出管理処理(S126)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。さらに、プッシュボタン監視制御処理(S127)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
次に、予告抽選管理処理(S128)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S109)における後述のループ処理の効率(メインループ処理効率)を上げるため、数回に分けて行われる。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、複数回の予告演出に関する抽選の工程は、1回のメインループで全て行われるのではなく、複数回のメインループに分けた複数回の抽選を経て実行される。また、抽選のタイミングは、変動中における予告演出出現タイミングに関係付けられている。例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S128)において行われる各種の処理については後述する。
次に、デバイス管理処理(S129)においては、リアルタイムクロック(RTC)、ランプ、モータ、ソレノイド、ランプ類等のデバイス動作要求があった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。
さらに、コマンド解析処理(S130)においては、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S131:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S124)に戻り、メインループが実行される。メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S124)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S131:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S132)が実行される。この乱数更新処理(S132)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S130)においては、サブメイン基板301における変動パターン(サブ変動パターン)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S130)で演出図柄の決定を行う。
これらのコマンド解析に係る処理(S130、S131)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S132))に進まずにメインループ処理(S124〜S132)内のそれ以外の処理(S124〜S131)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S130)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S130)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S131)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S132)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
乱数更新処理(S132)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S132)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S132)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S128)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。さらに、乱数更新処理(S132)で生成される値は、前述のメイン基板102における所定の乱数の生成と同様に、各種の演出態様の抽選のためのハードウェア乱数との演算を経て、抽選用の乱数として用いられることもある。
<<メインコマンド受信処理>>
次に、メイン基板102からのメインコマンド受信処理について、図17に基づいて説明する。先ず、コマンド入力値を確定するか否かの判定が行われる(S141)。コマンド入力については、ノイズ等により読み込み失敗の恐れがあるため、2連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値は確定とされない。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読込み、2連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値確定とする処理が実行される。そして、コマンド入力値を確定しない場合(S141:NO)には、このメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前の元の処理へ戻る。
コマンド入力値が確定された場合(S141:YES)には、受信したコマンドが第1コマンドか否かの判定が行われ(S142)、第1コマンドであったか第2コマンドであったかの判定結果に応じて処理が分岐する。メイン基板102は、1回のコマンド送信で1バイトのコマンド送信を行うが、メイン基板102からのコマンドはMODEデータ及びEVENTデータの2バイト構成であるため、前述のように2回のコマンド送信が必要である。したがって、メイン基板102からは、1回目に上位バイトのコマンド(MODEコマンド)を送信し、2回目に下位バイトのコマンド(EVENTコマンド)が送信される。そして、コマンドを受信したサブメイン基板301においては、コマンドデータの最上位ビットが「1」であれば第1コマンド(MODEコマンド)と判定し、最上位ビットが「0」であれば第2コマンド(EVENTコマンド)と判断する。
受信したコマンドが第1コマンドであった場合(S142:YES)には、第1コマンドがテンポラリに保存され(S148)、記憶される。ここで、テンポラリは、値を一時退避させておくための記憶領域である。
さらに、所定のハードウェア乱数であるハード乱数1のそのときの値が、ソフトウェア上のバッファにラッチされて保持され(S149)、その後、処理はこのメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前に戻る。ここで、S149のように、メイン基板102のコマンド(第1コマンド)を受信する毎に、ハード乱数1をラッチしておくのは、乱数の周期が形成されないようにするためである。つまり、ランダムなタイミングで発生する第1コマンドの受信を利用して数値を作成し、演出のための所定の抽選等のタイミングにてそのときの数値を利用することで、周期性を排除した乱数の取得が可能となっている。
ハードウェア乱数は高速カウンタを用いて生成されるものであるが、取得するタイミングがランダムでなければ何らかの周期性が生じてしまうことがあり得る。しかし、メイン基板102からの第1コマンドは、遊技球の入賞等に起因する不規則なタイミングにてサブメイン基板301で受信されるものであるため、周期が生じる可能性は少ない。したがって、サブメイン基板301においては、上述のようにコマンドの受信を利用したハードウェア乱数の生成を行い、メイン基板102で行われているような周期性の排除を行っているのである。
一方、S142において、受信したコマンドが第1コマンドでないと判定された場合(S142:NO)には、第2コマンドを受信したことになる。そして、第2コマンドを受信した場合には、第1コマンドを受信済みか否かの確認が行われる(S143)。第1コマンドを受信済みでない場合(S143:NO)には、メインコマンド受信処理を抜けて元の処理へ戻る。
第1コマンドを受信済みの場合(S143:YES)には、コマンドライトポインタの取得が行われる(S144)。ここで、コマンドライトポインタは、コマンドリングバッファにおける読み取り位置を示すものであり、コマンドライトポインタの取得は、コマンドライトポインタにより示された読み取り位置からデータを取得するものである。
さらに、この時点で正常に受信されている第1コマンドと第2コマンドとが解析処理用のコマンドリングバッファに保存される(S145)。保存されたデータは、前述のメイン処理(図16参照)のコマンド解析処理(S130)にて解析処理される。そして、コマンドライトポインタが更新され(S146)、前述のテンポラリの第1コマンドがクリアされる(S147)。ここで、コマンドライトポインタの更新は、コマンドリングバッファの読み取り位置を1つ更新する処理である。また、テンポラリの第1コマンドをクリアする処理は、S148にて記憶した第1コマンドをクリアするものである。
なお、本実施例では、2つの要素コマンド(第1コマンド及び第2コマンド)の組を1組(1セット)とし、第1コマンドの受信に応じてハード乱数1のラッチを行っているので、第2コマンドの受信後の処理(S143〜S147)の系統とは異なった処理系統(S148,S149の系統)でラッチ処理ができ、第2コマンドの受信後の処理を迅速に終えることができる。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
次に、タイマ割り込み処理について、図18に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S161)。さらに、ポート入力処理(S162)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S162)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
また、ポート入力処理(S162)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。なお、このサブメイン基板301のバックアップ機能については後述する。
続いて、デバイス制御データ出力処理(S163)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、図16に示すメイン処理のデバイス管理処理(S129)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S163)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
さらに、演出用タイマ更新処理(S164)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S165)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマが更新される。
次に、タスク制御カウンタの更新(S166)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S166)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
次に、画像CPU暴走監視処理(S167)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
上述のようなトグル信号の監視は、後述するように、8回のタイマ割込み(8ms)につき1回行われる。また、この監視の周期が到来したことの判断には、前述の制御用カウンタが用いられている。ここで、監視の周期を8msとしているのは、画像の1フレームに係る表示の周期(16ms又は32ms)よりも短い周期で監視を行うことにより1フレームの表示周期中に必ず1回は監視が行われるようにするためである。さらに、監視の周期を8msとしていることの他の理由としては、前述の制御用カウンタが生成する周期の整数分の1とすることで、制御用カウンタの更新タイミングを利用できるようにするためである。
この画像CPU暴走監視処理(S167)に続いて、エラー管理タイマ処理(S168)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S168)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(図16参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS161において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<ぱちんこ遊技機の基本仕様と演出の関係>
次に、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の基本的なスペック(仕様)と、このスペックに組み合された演出について説明する。まず、ここで説明する基本的なスペックは、以降に記載する技術に適用するのに最適と考えられるものの一態様である。本実施例のぱちんこ遊技機10において、大当りが発生する確率(大当り確率)は、特図1及び特図2ともに、通常時が約1/319であり、高確率時は約1/46.8となっている(図8(a)参照)。さらに、ぱちんこ遊技機10は、確変が所定の確率で繰り返し発生する場合がある所謂確変ループ機であり、確変が繰り返される確率(確変ループ確率)は、特図1及び特図2の何れについても65%とされている。
図19は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10におけるゲームの流れの概要をフローチャート(ゲームフロー)により示している。遊技は、先ず、図16中の左中段に示す通常モードを基本として行われる。この通常モードにおける大当り確率は、特図1の大当り確率として定められたものとなり、その値は上述のように約1/319である。そして、通常モード中に実行される演出パターンも、通常モード用のものから選択される。
この通常モード中に発生し得る大当りは、初当りとなり得るものであり、本実施例では、初当りとして発生し得る大当りとして、図19中の左右中央の上段に示すように、第1大当り、第2大当り、第3大当りの3種類がある。このうち第1大当りは、本実施例ではミッションボーナスと名付けられており、この第1大当り(ミッションボーナス)では、5R通常又は5R確変のいずれかのみが発生するようになっている。そして、本実施例では、第1大当り(ミッションボーナス)による5R確変の発生確率、及び、5R通常の発生確率は、何れも35%となっている。
上述の第2大当りは、本実施例ではハイパーボーナスと名付けられており、この第2大当り(ハイパーボーナス)においては、所定数の演出図柄(ここでは7図柄)の表示を伴うによる確変(ここでは15R確変)のみが発生し、その発生確率は5%となっている。さらに、上述の第3大当りにおいては、後述する突然確変(突確)の態様での確変(ここでは2R確変)のみが発生し、その発生確率は25%となっている。つまり、初当りとしては、第1大当り(ミッションボーナス)の5R通常又は5R確変が70%(=35%+35%)の確率で発生し、第2大当り(ハイパーボーナス)が5%の確率で発生し、第3大当り(突確)が25%の確率で発生するようになっている。なお、ここで示している初当り確率は、通常(低確率、非時短)遊技状態を想定しており、特別図柄1での大当りの振分確率を想定しているものである(図9参照)。
上述の第3大当り(突確)は、遊技者が出玉を獲得し難い所謂出玉無し大当りとなっており、ラウンドの進行を表すような特段の演出が実行されないものである。そして、第3大当りが確変当りであった場合であっても、ラウンド進行に係る特段の演出は実行されず、相対的に短時間で特別遊技が終了して、確変状態での遊技に移行する。
上述の第1大当り(ミッションボーナス)が確変当りであった場合、及び、第2大当り(ハイパーボーナス)や第3大当り(突確)が発生した場合には、特別遊技の終了後に特定遊技状態(第1特定遊技の状態)となる。この第1特定遊技状態(第1ラッシュ)は、主として特図2での遊技のための所謂サブモードとして設けられている演出モードであるが、その詳細については後述する。
上述の第1大当り〜第3大当りのうち、第1大当り(ミッションボーナス)が発生した場合には、特別遊技中において、即座には、大当りが確変であるのか、通常であるのかを明示するような演出は実行されないようになっている。つまり、第1大当り(ミッションボーナス)が発生した場合には、確変当りであったのか否かを遊技者に明示するための表示や音出力を行うことなく演出が実行される。
さらに、第1大当り(ミッションボーナス)に係る特別遊技中の演出では、登場人物等が所定のミッション(使命、任務等の意味)に成功するか否かのストーリーに続いて演出が分岐する。そして、ミッションに成功した場合には、上述の第1特定遊技状態(第1ラッシュ)の演出に移行し、失敗した場合には、図19中の左上段に示す特殊ゾーンの演出(特殊ゾーン演出)に移行(転落)する。この特殊ゾーンは、20回の変動に限定された特殊ステージであり、特殊ゾーンにおいては、前述の限定頻度パターン演出が実行されるようになっている。そして、遊技状態が特殊ゾーンにある間に大当りが発生しなかった場合は、図19中に示すように、前述の通常モードに移行(転落)する。
ここで、第1大当り(ミッションボーナス)に係る特別遊技技中には、遊技者に第1特定遊技状態(第1ラッシュ)への移行期待を煽るための演出(ミッション成否煽り演出)の回数を、例えば1回等のように、相対的に少ない回数とすることが考えられる。
また、前述の第2大当り(ハイパーボーナス)が発生した場合における特別遊技中の演出(ラウンド演出)としては、例えば、第2大当り(ハイパーボーナス)に係る動画(デモムービー)を、特別遊技の開始から終了まで継続して表示することが考えられる。このデモムービーとしては、ぱちんこ遊技機10用に作成されたものを採用することが考えられる。また、演出に係るストーリーとして、映画化や漫画(コミック)化などがされたものが採用されている場合には、上述のデモムービーとして、映画の所定のシーンや、漫画を画像データ化した映像を出力する、といったことも可能である。さらに、第2大当り(ハイパーボーナス)に係るラウンド演出として、大当りとなる変動において、ぞろ目で停止する演出図柄を所定図柄(「7」)とすることで、確変に対応するモードへの移行が暗に(または明確に)示されているため、遊技者に第1特定遊技状態への移行期待を煽るための演出(ミッション成否煽り演出)を行わないようにすることが考えられる。
また、第3大当り(突確)が発生した場合における特別遊技中の演出としては、大入賞口(91、92)に係る極短い時間の開閉時のための演出として備えられたものを実行することが可能である。また、第3大当り(突確)に係る特別遊技中の演出として、第1ラッシュに移行することを示す演出を実行することが考えられる。
前述の第2大当り(ハイパーボーナス)や、第3大当り(突確)が発生した場合には、特別遊技に係る演出の終了後に、第1大当り(ミッションボーナス)のような演出の分岐を行わず、前述の第1特定遊技状態(第1ラッシュ)の演出に移行する。このような演出の移行態様を、第1大当り(ミッションボーナス)のような演出移行の態様との違いに基づき、第1特定遊技状態(第1ラッシュ)の演出を直撃するものということができる。
上述の第1特定遊技状態は、本実施例においては、これまでも説明したように「第1ラッシュ」と名付けられている(図19中の右上段参照)。そして、この第1ラッシュにおいては、前述した右打ちにより第2始動入賞口(63)を用いた特図2による遊技が実行される。確変状態における特図2の大当り確率は、本実施例では約1/46.8である。さらに、第1ラッシュは、次回の大当り発生まで継続する。このため、第1ラッシュは、次回大当りの獲得まで特定遊技状態が所謂100%継続する遊技モードとなっている。ここで、「第1ラッシュ」は、第1特定遊技状態に係る演出の名称とすることも可能である。
また、第1ラッシュ中に選択される特別図柄の変動パターンは、後述するように限られた場合を除き、そのほとんどが、変動時間の極短い(例えば0.6秒程度のもの)ものとなっている。このような極短い時間の変動パターンは、例えば、「超短変動」の変動パターンや「極短変動」の変動パターンなどと称することが可能である。そして、本実施例においては、第1ラッシュ中に、変動パターンに基づき選択される演出パターンも、そのほとんどが極短い変動時間のものとなっている。
ここで、第1ラッシュ中における演出図柄(190)の変動表示の態様としては、例えば、演出図柄(190)が変動開始時に透明化(或いは半透明化)され、変動中に透明度が下げられて、遊技者が明確に視認できる程度となった途端に停止する、といったものを一例として挙げることができる。
さらに、第1ラッシュ中に発生する大当りは、設計時の想定通り、遊技者が特別図柄2を主とした遊技を行っている状況であれば、15R確変、10R確変、7R確変、10R通常、7R通常、5R通常のいずれかとなっている。そして、各々の大当りの発生確率(特別図柄2の大当り振分確率)は、15R確変が45%、10R確変及び7R確変がいずれも10%、10R通常及び7R通常がいずれも5%、5R通常が25%となっている(図9b参照)。ここで、本実施例では、特図2については小当りが設けられていないが、これに限らず、特図2について小当りを設けるようにしてもよい。また、特図1及び特図2の両方について小当りを設けないことや、特図2についてのみ小当りを設けることなども可能である。
第1ラッシュにおいて発生した大当りは、図19中の右下に示すように、第4大当りとなる。この第4大当りは、本実施例では特別ボーナスであるバトルボーナスと名付けられており、この第4大当り(バトルボーナス)に係る特別遊技中の演出として、登場人物が格闘を行う多様なバトル演出が実行されるようになっている。ここで、「バトル演出」は、例えば、戦闘、対決、挑戦等と表現できるような広範囲の演出態様として捉えることができる。また、バトル演出も「勝利」「敗北」により、遊技者に成否を報知する演出方法であることから一種のミッションであり、必ずしも「バトル演出」のみを発生するものではなく、1の変形例として確変の期待度によっては「ミッション演出」を第4大当りで行うものであってもよい。例えば、バトル演出での遊技者側キャラクタ(主人公)の勝率を上げるために、確変大当りと通常大当りとでは、通常大当りを引いた場合にミッションボーナスを表示させやすく制御するなどの例が考えられる。
第4大当り(バトルボーナス)が15R確変であった場合には、特別遊技の終了後、前述の第1ラッシュが再び実行される。そして、その後は、発生した大当りの種類に応じて、上述の第4大当り(バトルボーナス)が実行される。また、第4大当り(バトルボーナス)が15R確変以外の大当りであった場合には、図19中の左右中央下段に示すように、大当りの種類に応じて、第2特定遊技状態(第2ラッシュ)又は第3特定遊技状態(第3ラッシュ)のいずれかの特定遊技状態となる。なお、15R確変となる大当りを特定遊技状態において獲得した場合は、演出図柄として「7(※図柄に「Hyper」の文字列を付加)」など特定の図柄を停止させることによって遊技者に明示し、バトルボーナス中のバトル演出を勝利態様で完了させる。
このうちの第2特定遊技状態(第2ラッシュ)は、第4大当り(バトルボーナス)が10R確変、7R確変、10R通常、7R通常のいずれかであった場合に実行される。さらに、この第2特定遊技状態(第2ラッシュ)においては、次回大当りまで確変(及び時短)が付与される場合と、同じく100回の時短のみが付与される場合とがある。そして、第2特定遊技状態(第2ラッシュ)は、特定遊技の継続率(特定遊技中に大当りを引ける確率)が76%となっている。ここで、「第2ラッシュ」は、第2特定遊技状態に係る演出の名称とすることも可能である。また、「第2ラッシュ」は大当り後の100回の変動期間においてのみ制御される演出モード(サブモード)であり、内部的に高確率の状態であった場合には、101回目の変動より必ず「第1ラッシュ」へと移行制御するほか、100回の変動期間の途中において限定頻度パターンや特定の変動パターンが選択された際に「第1ラッシュ」への昇格演出を出力し得る遊技状態であり、遊技者として「第2ラッシュ」に制御された瞬間では、内部的に高確率で抽選されているか低確率で抽選されているかが不明確となる所謂「潜伏」遊技状態である。なお、「第2ラッシュ」へ移行することとなる大当り(10R確変、10R通常、7R確変、7R通常)を獲得した場合は、演出図柄として「7」以外の図柄を停止させるとともに、バトルボーナス中のバトル演出において勝利態様で演出を完了させる。
前述の第3特定遊技状態(第3ラッシュ)は、第4大当り(バトルボーナス)が5R通常であった場合に実行される。さらに、この第3特定遊技状態(第3ラッシュ)においては、100回の時短のみが付与され、特定遊技の継続率は27%となっている。ここで、「第3ラッシュ」は、第3特定遊技状態に係る演出の名称とすることも可能である。なお、特定遊技中に「第3ラッシュ」移行となる大当り(5R通常)を獲得した場合には、演出図柄として「7」以外が停止し、バトルボーナス中のバトル演出を敗北態様の演出で完了させる。
上述したように、第1ラッシュ、第2ラッシュに移行する大当りとなる確率(バトルボーナスで勝利する確率)は、特定遊技中の主たる遊技である特図2の遊技において、5R通常(25%)以外を獲得する確率である75%であり、第3ラッシュに移行する大当りとなる確率は、5R通常を獲得する確率である25%である。一般的なバトルボーナスを発生させるぱちんこ遊技機においては、勝利、敗北後に2つの異なるモードに移行させる制御を行うため、確変確率(本実施例でいえば15R確変、10R確変、7R確変となる65%)に対応する確率でしか主人公側の勝利演出を出力させることができないが、本実施例のように第2ラッシュ(確変大当り、通常大当りいずれでも主人公側が勝利し移行する演出モード)を設けることで、バトルボーナス中に勝利態様の演出を出力し得る確率を確変確率(65%)よりも高める(75%)ことができ、大当り中に出玉を獲得している状況において、遊技者にとって不利な状況が確定する報知の実行を減らすことができたり、主人公キャラクタが強いという印象を遊技者に与えることが可能となる。
これらの第2ラッシュ(低確)、又は、第3ラッシュ中に大当りが発生せず、第2特定遊技状態や第3特定遊技状態が終了すると(時短抜けとなると)、図19中の左中段に示す通常モードに移行(転落)する。また、これらの第2特定遊技状態、又は、第3特定遊技状態中に行われる演出のモード(第2ラッシュや第3ラッシュ)も、前述した第1ラッシュと同様にサブモードの一種である。なお、第1〜第3特定遊技状態と便宜的に定義したが、第2特定遊技状態の主制御手段(ここではメイン基板102)における状態としては、次回まで確変である第1特定遊技状態、100回の時短遊技状態(低確率)である第3特定遊技状態の何れかと同一である。なお、遊技状態として変動パターンの選択状態(限定頻度)を用いるか否かという観点を含めると、詳細は後述するが、100回の遊技期間において第2特定遊技状態は第1、第3遊技状態とは異なる遊技状態であるということができる。
さらに、本実施例では、特図1に含まれる通常大当り(非確変大当り)の5R通常大当りについても、100回の時短が付与される場合があるようになっている。100回の時短が付与される場合としては、特定遊技状態中に特図1にて5R通常大当りを獲得してしまった場合(後述する「特殊な状況での特図1に係る大当り」が発生した場合)を例示することができる。このようにすることで、特定遊技状態にて主の遊技として想定していない特図1の遊技を行ってしまい、遊技者に時短獲得の利益が得られない状況を生じさせないようにしたり、特定遊技状態中の大当り演出としてバトル演出をそのまま特図1の大当りに適用するようにして特定遊技中の大当り演出として一貫した大当り演出を出力するよう制御できる。なお、この場合において、特図1の15R確変、5R確変ではバトル勝利演出を出力し、5R通常ではバトル敗北演出を出力する。なお、特図1の突確当り(2R確変)ではバトル演出を出現させる時間、及び出玉獲得を想定していないため「状態復帰中」「しばらくお待ちください」などのメッセージを表示して遊技者に待機を促す演出を実施する。また、特図1や特図2についての時短回数としては、100回に限らず、例えば、20回、40回、60回、80回などを採用することも可能である。さらに、当りの種類によって異なる時短回数が付与されるようにすることも可能である。
なお、前述の第1大当り(ミッションボーナス)を、例えば「ミッション大当り」と称し、他の第2大当り(ハイパーボーナス)、第3大当り(突確)を「非ミッション大当り」や「非ミッションボーナス」などと称することが可能である。また、第4大当り(バトルボーナス)を、例えば「バトル大当り」などと称することが可能である。さらに、第4大当り(バトルボーナス)を、「ミッション大当り」や「ミッションボーナス」に含めることも可能である。
また、第1大当り(ミッションボーナス)に係る特別遊技中の演出におけるストーリーとして、勝負や戦闘を行う者が登場する内容を採用することも可能である、この場合には、第1大当りを「バトルボーナス」などと称することも可能である。
さらに、第1ラッシュを、例えば「確変確定モード」「高確高ベースモード」などと称することが可能である。さらに、第2ラッシュを、例えば「潜伏時短モード」「潜伏高ベースモード」などと称し、第3ラッシュを、例えば「低確確定モード」「低確高ベースモード」などと称することが可能である。
<特別遊技に係る演出の概要>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における特別遊技の基本的な仕様と演出について概要を説明する。先ず、1回のラウンドは10球の入球で終了し(所謂10カウント)、最短のラウンドとしては6秒程度となることが想定されている。つまり、遊技球の発射速度(発射の頻度)を1分間に100発を超えない最大程度(例えば100発)とすると、大入賞口(91又は92)への10球の入球には、最低でも、10球の発射に要する時間である6秒と同等の時間が必要になる。
また、15Rの大当り(ここでは15R確変)が発生した場合、入球可能な時間は最短で90秒(=6秒×15R)であり、特別遊技の全期間(例えば開始デモ開始から終了デモ終了までの時間)は100秒程度となっている。そして、本実施例において開始デモの期間は、約0〜2秒程度と極短くなっている。
さらに、15Rの大当りが発生した場合のラウンド演出については、例えば、大当り開始デモ及び1R目及び2R目には、大当りの名称表示が、例えば「○○ボーナス」、「バトルボーナス」などのように行われ、ミッションや戦闘を行う相手となるキャラクタ(敵キャラ)が登場する。そして、3R目には、敵キャラの相手となる主人公などのキャラクタ(自キャラ)が攻撃を行う演出や、自キャラと共に戦闘等を行う味方のキャラクタ(味方キャラ)が合流する演出(合流演出)が行われる。ここで、自キャラや敵キャラによるバトルが行われるラウンド演出は、「ラウンドバトル演出」などと称することが可能である。
また、4R目には、自キャラと敵キャラ、味方キャラと敵キャラが撃ち合い等を行う演出が行われ、5R目には、自キャラや味方キャラが戦いに勝利するような演出(勝利演出)が、遊技者の、次ラウンド移行への進展や確変への昇格などの期待を煽る演出(発展煽り演出、昇格煽り演出などともいう)として行われる。ここで、このときの演出は、自キャラと味方キャラが共同して敵キャラと闘うようなものであってもよい。さらに、6R目や7R目には、例えば、「勝利!!」などの遊技者の利益(出玉や、確変状態への期待度が高い旨の示唆)を称えるような演出が行われ、「残念・・・」といった表示を行い特定遊技(確変)の利益が得られなかったことを示唆する内容の演出が行われる。そして、この際に、前述したような可動演出部材(93、94等)が所定の動作を行う演出を実行することも可能である。また、戦いに関係する機器等を象った可動演出部材を備え、5R目までの戦闘シーンの際に、この可動演出部材を動作させるといったことも可能である。
さらに、8R目以降は、所定の楽曲を出力し、自キャラや味方キャラが喜ぶシーンや、自キャラや味方キャラに纏わる回想シーンなどを表示することが可能である。また、前述したように、演出に係るストーリーとして、映画化や漫画(コミック)化などがされたものが採用されている場合に、映画の所定のシーンや、漫画を画像データ化した映像を出力する、といったことも可能である。そして、15R目の開放が終わり、終了デモの期間となった際には、それ以降の遊技モードに応じて、「○○モード突入」、「○○モード継続」などといった表示を所定期間(例えば3秒〜5秒程度)実行する。
図20(a)は、このような特別遊技に係る遊技状態と演出の一連の流れに係る一例を、時系列に且つ概略的に例示している。図20(a)中の上段は、メイン(メイン基板102)において検出されている状態を示しており、下段は、メインの状態に対応する演出の概要を示している。例えば、上段に示すメインにおいて大当り開始デモの状況であると認識されている状況では、サブメイン基板301による演出は、大当り開始の表示(ボーナス表示)になっている。
さらに、メインにおいて特別遊技の1R目が開始されると、図20(a)の例では、所定のタイミングでバトル演出が実行される。さらに、特別遊技が1R目から6R目まで進行して前述のようなボタン演出(図20(a)中では「ボタン」と記載されている)が実行され、遊技者によるボタン操作が検出された場合に、演出が発展する状況であれば、ここでは所定の可動演出部材(93、94など)が作動し、更にバトルに勝利する演出が実行される。
図20(a)の例では、この間に7R目以降の特別遊技が進行しており、最終となる15R目の特別遊技が終了すると、メインは大当り終了デモの状態となる。その後、遊技状態は、ここでは第1ラッシュへ移行する。この際、演出としては、バトル勝利後の演出や第1ラッシュに移行することを示す演出(ここでは「その他の演出」とする)が実行され、特別遊技の終了後の大当り終了デモにおいて背景の移行などが実行される。
ここで、本実施例では、図20(a)に示すような通常の演出に比べて早く勝敗の結果が表示される場合もある。そして、この場合には、例えば、4R目や5R目のタイミングで、自キャラや味方キャラが勝利する演出(勝利演出)が行われる等にすることが考えられる。さらに、これらの場合には、上述した7R目以降の演出を、図20(b)に示すように、5R目や6R目に繰り上げて実行することが可能である。また、図20(b)中に示すように、ボタン演出のタイミングをバトル演出の早いタイミングで行い、ボタン操作を契機にバトル勝利演出へ移行することが可能である。さらに、図示は省略するが、バトル演出の前とバトル演出の後期の両方で複数回ボタン演出を行うことなども可能である。
<第1ラッシュに係る演出の概要>
次に、前述の第1ラッシュ(サブモード1)について、より具体的に説明する。先ず、第1ラッシュ中は、前述したように極短い変動時間の変動パターンによって、ほとんどの演出が行われるようになっている。本実施例では、1分間に平均で40回の変動が行われる程度に、第1ラッシュ中の変動パターンが設けられている。このような変動遊技の発生頻度(遊技の進行速度などともいう)のことを、例えば「SA40」などと称することが可能である。
また、本実施例では、第1ラッシュ中のはずれの場合に選択される変動パターン(はずれ変動)として複数種類が設けられているが、ほとんど(例えば95%)のものが0.6秒の変動パターンとなっている。さらに、このはずれ変動における変動パターンのうち、最も変動時間の長いものは、変動時間が3秒となっており、その他に、1秒、1.5秒、2秒の変動パターンが設けられている。そして、これらの変動パターンの、全外れ変動における割合を、例えば、1秒が2%、1.5秒が1.5%、2秒が1.0%、3秒が0.5%などとすることが考えられる。
また、大当り変動の変動パターン(大当り変動)も、変動時間は0.6秒〜3秒となっており、リーチ演出を行わず全ての演出図柄をほぼ同時に停止させる仕様としているが(停止タイミングが少しずつずれて形式上2つの図柄が聴牌(リーチ)する状況が生じる場合があるが、「リーチ」の発声などリーチであることを特に明確に報知しない仕様)、演出図柄(190)について図柄が確定停止されている時間(演出図柄に係る図柄固定時間)は、はずれ変動よりも、相対的に長く設定されている。例えば、外れ変動の図柄固定時間を0.5秒とし、当り変動の図柄固定時間を3秒等とすることが考えられる。そして、この相対的に長い図柄固定時間は、演出図柄(190)に祝福するかのような図柄エフェクトを加える(図柄エフェクトをかける)期間として利用できるようになっている。また、図柄エフェクトの実行に要する時間を、図柄固定時間に関連付けて定めることが可能である。例えば、図柄固定時間が0.5秒である場合に(はずれのとき)、図柄エフェクトに要する時間を0.6秒とし、図柄エフェクトと図柄固定時間の開始タイミングが同じであるようにした場合には、図柄エフェクトが図柄固定時間を超過して実行されることになるため、図柄エフェクトを図柄固定時間内に収まるよう0.5秒とする、といったことが可能である。ここで、当りのときの図柄固定時間は、例えば3秒などとなっており、前述したような図柄エフェクトや、ファンファーレといった演出(余韻演出)の期間として利用されるようになっている。
さらに、これらの当り変動の変動時間の割合を、全当り変動において、例えば、0.6秒が10%、1秒が10%、1.5秒が10%、2秒が40%、3秒が30%などとすることが考えられる。そして、これらのはずれ変動の変動時間の構成および当り変動の変動時間の構成と、第1ラッシュ中の大当り確率(ここでは1/約46.8)との関係によって、遊技者に対し、概ね1分強程度で当る、というイメージを与え得るようにしている。
すなわち、第1ラッシュ中の大当り確率が約1/46.8であるから、理論上は、確率分母である約47回のゲーム(47回転)に1回の割合で大当りが発生し得る確率は63%程度である(47回連続で大当りを引けない確率を除いた値から算出)。そして、前述したように、本実施例では、SA40(=40回転/分)の速さで遊技が進行するようになっているため、47回転には1分15秒弱(より具体的には1分12秒=60秒×47回転/40回転)を要する。このため、本実施例のぱちんこ遊技機10は、第1ラッシュ中において、1分15秒弱程度で大半の大当りを引くことができ得るものであるということがいえる。ここで、上述の「確率分母」を「確率分母内」として考える場合は、上述の「47回」を「46回」に置き換えて考えることができる。また、このような確率分母に関係して、以下のような説明を行うことが可能である。例えば、演出図柄190の1回の変動に係る変動時間(0.6秒など)と、演出図柄190の停止表示の時間である図柄固定時間(0.5秒など)との合計を「変動間隔時間」とし、大当りとなる確率を、分子を1とする分数(1/319や1/46.8など)で表し、前回の大当りに係る特別遊技の終了からその次の回の大当りが発生するまでの期間を「大当り間隔時間」とする。そして、上述の大当り間隔時間が、分数の分母となる数値(46.8など)と変動間隔時間の期待値(1.1秒など)との積で求められる値であると仮定したとき、大当り間隔時間(50.6秒(46×1.1秒)など)が、遊技者にとって最も有利な特別遊技(15R確変など)が行われる場合の特別遊技に制御している時間(100秒程度など)よりも短いものとすることができる。
さらに、特図1及び特図2のうち、第1ラッシュ移行時は、限定頻度パターン演出に係る変動パターンテーブル(時短中変動パターンテーブル)は使用されないようになっている。そして、第1ラッシュ移行時には、限定頻度パターン演出のものではない、通常の時短中変動パターンテーブルを使用することも可能である。
ここで、通常の時短中変動パターンテーブルとしては、前述の第3ラッシュ中に使用される変動パターンテーブルを例示できる。そして、第3ラッシュ中に使用される変動パターンテーブルに定められた変動パターンに、第1ラッシュ中に選択する専用の演出パターンを紐付けておき、第3ラッシュと同じ変動パターンテーブルを使用しつつ、第1ラッシュのための演出パターンを選択対象とする、といったことが考えられる。また、これに限らず、第1ラッシュ中に選択する専用の時短中変動パターンテーブルを設けるようにしてもよい。
<第1ラッシュに係る先読み演出>
次に、第1ラッシュにおける各種の先読み演出について説明する。先ず、先読み演出の1例として、前述したような図柄エフェクト(図柄エフェクト予告)を挙げることができる。この図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる等の種々のものを例示できる。そして、図柄エフェクトによる先読み演出としては、例えば、その回の1つ前の変動に伴う変動停止時に図柄エフェクトがかかれば、その回の変動において演出の発展や大当りの期待度が高まるといった態様で演出制御を行うことが考えられる。
また、複数回の変動に亘り、変動停止時に図柄エフェクトが連続してかかれば、その回の変動において演出の発展や大当りの期待度が高まる、といったものも考えられる。さらに、図柄エフェクトがかかった変動が複数回連続して繰り返され、その繰り返しの回数が例えば3回や4回であれば、その回の変動において、演出の発展や大当りに係る期待度が高まるといった態様で演出制御を行うことが可能である。ここで、本実施例においては、保留数の上限は4個であるため、保4がトリガ保留として生起した場合には、すでに変動表示されている変動を除いて、先読み演出は最大3回が基本となる。しかし、図柄エフェクトのような図柄停止時(変動終了直前)に実施される先読みであれば、保4の生起時における図柄変動中の所定タイミングで、当該変動の図柄停止時にエフェクトを発生させるよう差替えをすることで、最大4回の先読み演出が可能となる。ここで、上述の「図柄変動中の所定タイミング」としては、画像制御CPU(ここではサブメインCPU)に対する図柄停止指示コマンド(ここでは図柄2演出パターン停止コマンドなど)の送信前などを例示できる。
また、1回毎の変動停止時の図柄エフェクトについて、光る回数や、輝点が周回する回数(演出中の繰り返し回数)が、例えば2回、3回と多くなるほど、演出の発展や大当りに係る期待度が高まるといった態様で演出制御を行うことも可能である。さらに、図柄エフェクトの量(小、大)、色(青、赤)などに応じてチャンスアップする態様で演出制御を行うことも可能である。
ここで、本実施例においては、保留数の上限は4個であるため、保4がトリガ保留として生起した場合には、先読み演出は最大3回が基本となる。しかし、図柄エフェクトのような図柄停止時(変動終了直前)に実施される先読みであれば、保4の生起時における図柄変動中の所定タイミングで、当該変動の図柄停止時にエフェクトを発生させるよう差替えをすることで、最大4回の先読み演出が可能となる。ここで、上述の「図柄変動中の所定タイミング」としては、画像制御CPU(ここではサブメインCPU)に対する図柄停止指示コマンド(ここでは図柄2演出パターン停止コマンドなど)の送信前などを例示できる。
続いて、先読み演出の1つである弾痕予告について説明する。この弾痕予告においては、画面の所定領域(例えば全体や大部分)にガラス板が置かれて、このガラス板に銃弾が撃ち込まれたかのような画像表示演出が行われ、図21(a)に例示するように、ガラス板に銃弾が当たって銃弾の跡(弾痕画像181)が付いた様子の表示が実行される。さらに、この弾痕画像181は、演出図柄190a〜190cの変動開始時等に表示開始される。
ここで、演出図柄190a〜190cが画面の中央を使って行われる場合には、演出図柄190a〜190cと弾痕画像181とが重なり、演出図柄190a〜190cの視認性が低下することが考えられる。しかし、演出図柄190a〜190cを、画面の上隅部などに小サイズ化して表示することで、演出図柄190a〜190cと弾痕画像181が重なるのを防止することが可能である。また、演出図柄190a〜190cの停止時に弾痕画像181を消去することによっても、視認性の低下を防止することが可能である。なお、ここでの演出図柄190a〜190cの「停止時」には、確定停止時のみでなく、仮停止時も含めることが可能である。
この弾痕予告においては、期待度に応じて、弾痕として表示される画像の数が増加したり、形状が変化したりする。なお、弾痕予告も変動回数が重なることにより期待度が上昇するよう設計されており、変動回数を重ねるにつれて数が増え場合があるようになっている。図21(a)の例では、3回の変動に亘り弾痕予告が行われた状態が示されている。また、弾痕予告においては、弾痕の数の多寡によって回数が表され、弾痕の数が相対的に多いと、演出の発展や大当りに係る期待度が高くなるような演出制御が行われる。そして、トリガ保留における変動において弾痕予告と同等の予告演出を実行するよう制御し、弾痕の数が、例えば4つ以上に達するとガラス板が割れる様子が表示や音により表され(表示のみでも可)、大当り図柄(演出図柄190a〜190cの3桁揃いの組合せ)が表示され、主人公キャラクタ(大当り図柄「7」のとき、すなわち確変確定や最大R大当りのとき)やバトルボーナス中の敵キャラクタ(大当り図柄「7」以外のとき)が登場する、といった態様での演出制御を行うことも可能である。なお、このときのトリガ変動の変動パターンについて、0.6秒程度の超短変動ではなく、例えば2秒または3秒の変動パターンが選択されていることを基に、弾痕予告の実行が決定されるよう抽選することが望ましい。
続いて、先読み演出の1つであるカウントダウン予告について説明する。このカウントダウン予告においては、変動毎に「3」、「2」、「1」、「0」といったカウントダウン表示が行われる。この際には、例えば「スリー」、「ツー」、「ワン」、「ゼロ」といった音出力を行うことも可能である。そして、「1」まで演出が進めば、その次の変動で大当りが確定となるような制御態様で演出が行われる。なお上述した例において「0」が表示される変動は大当りとなるトリガ保留の変動において実行される予告であり、カウントダウン予告としての一連の連続予告ではあるが、厳密に言えば先読み演出ではない。また、上述した例において「1」の表示で大当り確定としたが、「1」の表示にガセパターン(トリガ保留がはずれ)となるパターンを設けるように設計してもよい。
このカウントダウン予告は、予告が「1」まで進行すれば大当りが確定となる点で、前述の図柄エフェクトや弾痕予告とは性質が異なっている。つまり、前述の図柄エフェクトや弾痕予告は、演出の実行回数が相対的に多くなれば、演出の発展や大当値の期待度が高まるに留まるのに対し、カウントダウン予告は、回数が所定数に達すれば大当り確定となる演出である。そして、本実施例では、前述の図柄エフェクトや弾痕予告のような種類の先読み演出と、これらとは異なるカウントダウン予告のような種類の演出とを備えている。
また、本実施例では、第1ラッシュ中の主な変動パターンが超短変動のものであることから、所謂保留の消化に係る時間が短くなる。このため、保留数が、上限数である4個まで到達しないまま、1個〜3個までに留まっている状況が、比較的多く発生すると想定できる。しかし、前述した図柄エフェクトや弾痕予告のように、繰返しの回数が増えると発展等の期待が高まるという性質の先読み予告について、すなわち保留の上限数に合わせて3回、4回の繰り返しで大当り期待度が高まる、といった演出については、演出の繰り返し回数が3回、4回に到達せず、演出を効果的に実行できる機会が少なくなってしまう。このため、本実施例では、前述した保留変化やカウントダウン予告の先読み演出については、保留数が1個〜4個のいずれの場合でも発生するが、弾痕予告や図柄エフェクトについては、後述するように保留数による演出の発生の制限を行うように演出制御が行われている。
また、図柄エフェクトや弾痕予告の先読み演出については、保留数が所定数(例えば3個)以上に達している状況でなければ、選択されないようになっている(禁則が設けられているか、保留数2個以下では先読み実行抽選においてはずれのみ選択する)。そして、図柄エフェクトや弾痕予告の先読み演出については、保留数が0個〜2個の場合の図柄エフェクトや弾痕予告の先読み演出の演出パターンは設けられておらず、保留数が0個〜2個の状況では、図柄エフェクトや弾痕予告の先読み演出が決定されないようになっている。
続いて、第1ラッシュ中の演出と保留変化とを関係付けて行われる先読み演出について説明する。本実施例においては、前述のように、特図2に関してはオレンジ色の保留表示が、基本色での表示態様として採用されており、保留変化が行われる際には、赤色、金色、虹色、所定柄などでの表示を行うことが可能である。そして、本実施例では、第1ラッシュ中の保留変化の態様の1つとして、キャラクタ表示が行われる場合があるようになっている。
例えば、保留変化の態様として、敵キャラを用いた先読みの保留表示(敵キャラ保留)が行われる場合がある。この敵キャラ保留は、例えば、大当り時のラウンド演出中に現れる敵キャラの顔の画像を、図21(b)に示すように、変動中(ここでは特図2の変動中)に係る保留表示として用いることにより行うことが可能である。すなわち、図21(b)の例では、保留表示(ここでは保1と保3の表示)として、大当り時のラウンド演出中に現れる敵キャラA(保1)と敵キャラB(保3)の画像が、敵キャラA、Bを探し出すための手配書の態様で用いられている。そして、この敵キャラ保留の演出が行われた保留が消化され、そのときの変動時に大当りとなった場合は、特別遊技時のラウンド演出にて、敵キャラ保留に用いられた敵キャラが登場し、自キャラや味方キャラと闘う演出が実行される。
ここで、敵キャラ保留のために、メイン基板102の側で決定された大当り図柄の種類に基づき、サブメイン基板301の側において、敵キャラ保留の実行の有無や、敵キャラの種類などを抽選することが考えられる。さらに、決定された敵キャラ保留に係る敵キャラに合わせて、ラウンド演出の内容(登場する敵キャラの種類や演出パターンなど)を決定することが考えられる。或いは、ラウンド演出に登場する敵キャラを先に決定し、決定された敵キャラに基づいて敵キャラ保留の表示態様を決定することなどが考えられる。
さらに、他の保留変化の態様として、図示は省略するが、味方キャラを用いた先読みの保留表示(味方キャラ保留)が行われる場合がある。この味方キャラ保留は、例えば、敵キャラ保留の場合(図21(b)参照)と同様に、大当り時のラウンド演出中に合流する味方キャラの顔の画像を、保留表示として用いることにより行うことが可能である。そして、味方キャラ保留は、保留消化に係る変動で大当りが発生した場合に、味方キャラ保留に用いられた味方キャラが、ラウンド演出で合流する味方キャラとして確定する、といった演出に用いることが可能である。
ここで、このような敵キャラ保留や味方キャラ保留は、先読み演出に限らず、例えば、所定の遊技区間(「ゾーン」や「遊技ゾーン」などとも称する)に係る演出として用いることも可能である。例えば、遊技モードが所定のゾーンに入り、所定の複数回の変動に跨って、ゾーンに入ったことが認識できるような統一感のある演出が実行される状況を例示できる。さらに、遊技状態が、このようなゾーンにある間には、例えば、味方キャラゾーンの場合であれば「○○参戦中」、敵キャラゾーンの場合であれば「○○接近中」のような表示を行ってもよい。ここで、「○○」は味方キャラ或いは敵キャラの名称を表している。ゾーンの状態に制御されている状態において大当りとなった場合には、キャラ保留と同様、対応するキャラクタを大当り中の演出として味方キャラの合流ないし対戦相手として出現させる演出を行う。
そして、遊技状態が当該ゾーン(味方キャラ)にある間に、いずれかの変動で、敵キャラ保留が行われた場合には、敵キャラ保留を消化するときの変動で大当りが発生すると、特別遊技時のラウンド演出にて登場する敵キャラと味方キャラの合流演出が出力されることが確定する、といった態様の演出制御を行うことが考えらえる。
また、図21(b)に示す演出例では、保留枠変化の先読み予告が行われている。この保留枠変化の先読み予告においては、保留数表示部(ここでは第2保留数表示部197)を囲う保留枠182が表示される。そして、保留枠182の彩色が、例えば基本の表示態様である青色から黄色、赤色、金色などに変化すると、演出発展や大当りの期待度が高い保留があること示唆する、といった態様で演出制御が行われる。
なお、これまでに説明した種々の先読み演出の態様を、先読み演出としてではなく、前述したような疑似先読み予告として利用することも可能である。例えば、種々の先読み演出で実行される演出のうちの一部について、先読みを実行していない(トリガ保留ではない)保留が大当りとなる場合に、変動の開始時に行われる予告抽選(変動中の種々の予告演出を決定するための抽選)にて、先読み演出の一部と同じまたは略同一の演出の実行が決定されるようにすることが可能である。より具体的には、先読み演出である前述のカウントダウン予告の態様を、疑似先読み予告として利用する。カウントダウン予告に対応する疑似先読み予告では、大当りとなる変動において、残りの保留数と一致または残りの保留数よりも少ない数の範囲内において、「3」や「2」などカウントの表示を行い、その変動で大当りとなるよう、演出態様を制御する、といったものを例示できる。
このような疑似連続予告を行うことで、遊技者には、「あ、先読みが始まった」、「この後の数回目の変動で何か起きるかも知れない」などと思わせておき、その時の変動内で唐突に当りが表示される所謂法則崩れ演出を行うことが可能である。そして、真正の先読み演出としてのカウントダウン予告と、疑似の先読み演出としてのカウントダウン予告の両方を実行可能とし、真正の先読み演出としてのカウントダウン予告の実行頻度が多くなるように演出パターンの置数を決定しておくことにより、疑似の先読み演出としてのカウントダウン予告を、真正の先読み演出としてのカウントダウン予告に対する例外の演出(法則崩れ演出)として利用することが可能である。
法則崩れ演出は、上述した先読み予告である、図柄エフェクトや弾痕予告など繰り返し回数によって期待度が上昇するものよりも、カウントダウン予告のように変動毎に演出が進行するもの(その他の例としてステップアップ予告)、すなわちどのタイミングで大当りの可能性があるか遊技者に対して演出の開始段階にて推測しやすい先読み予告に対して、疑似先読み予告を実行可能とすることが望ましい。
さらに、この法則崩れ演出を行うのは、大当りとなる変動であって、且つ、当該大当りが第1ラッシュに戻るもの(ここでは15R確変)である場合に限る、といった制御態様を採用することが可能である。この場合は、大当り乱数と図柄乱数(大当り乱数および図柄乱数に関する先読み情報であってもよい)の両方を判定し、条件が満たされた場合に、所定の割合で法則崩れ演出を実行することが可能である。
また、前述の第2ラッシュや第3ラッシュでも、真正の先読み演出(ここではカウントダウン予告)、及び、疑似の先読み予告演出を実行する場合があるようすることが可能である。潜伏状態である第2ラッシュでは、第1ラッシュ時と同様に大当り乱数や図柄乱数に関する情報を参照して、第1ラッシュ移行確定大当り時に実行するように制御し、低確率確定である第3ラッシュでは、第1ラッシュおよび第2ラッシュとは異なり、大当り乱数に関する情報が大当りを示す情報でさえあれば実行を決定可能とするように、いずれの特定遊技状態に滞在しているかによって、実行の決定態様および演出の示す利益度合が異なるように制御してもよい。このように演出決定の条件を異ならせている理由としては、特に第3ラッシュは、大当り確率自体が低い状態であるため、第1、第2ラッシュと同様の条件で当該演出の発生を決定する態様とすると、著しく演出の発生可能性が低くなってしまい、他の遊技状態とくらべて遊技の興趣性が低下する恐れがあるためである。
また、第1ラッシュ、第2ラッシュ、又は、第3ラッシュのいずれかの遊技状態において、疑似の先読み予告演出が実行された場合には、大当りに当せんしたことが報知されるのみで、いずれの種類の大当りに当せんしたのかは、そのときの変動遊技の終了時には判明しない、といった内容の演出を行うことも可能である。
ここで、通常確率の下で行われる時短(ここでは第3ラッシュ)時に、大当りの発生のみでなく、大当りの種類が確変であるか否かということまでを遊技者に認識できるような演出を行うことは、その後の演出(特別遊技中の演出など)で確変への昇格が報知されるか否かといった遊技者の楽しむ機会を奪うことになるため、有益ではないと考えることもできる。このため、通常確率の下で行われる時短時に、大当りの種類を報知しないようにすることで、その後の昇格演出の演出効果を高めることが可能となる。
また、法則崩れ演出の実施に係る変形例として、疑似先読み予告を実施するものではなく、先読みに基づく連続予告中の演出の開始タイミングを、法則崩れ演出を行う場合と行わない場合とで意図的に異ならせることによっても実施可能である。より具体的には、法則崩れ演出を行わない場合(通常の先読み演出を行う場合)には、変動回数を重ねるにつれて、トリガ保留の保3における変動より、「3」、「2」、「1」と表示されるが、法則崩れ演出を行う場合には、カウントダウンの表示(ここでは「3」の表示と「2」の表示)を行わない変動演出が2回行われ、続く変動遊技(トリガ保留が保1である変動)において「3」の表示が行われる。
この時点(トリガ保留が保1に存在する時点での変動)で遊技者には、「3」に続くカウントダウンの表示がその後の変動遊技でに行われると認識させ得るが、「3」の表示が行われている変動の次変動において、「2」の表示を行うとともに大当り図柄が停止することで大当りの演出が行われるようにする。このようにすることにより、カウントダウン表示を最後まで進行せずに大当りとなる演出を行うことが可能となり、前述したものとは別な態様の法則崩れ演出を行うことが可能になる。ここで、真正の先読み演出に基づく法則崩れでは、大当り変動の疑似先読み予告が1変動で完結するのに対し、上記したように、カウントが複数変動において進行しつつも法則が崩れた態様を表示させるようにすることが可能である。
また、本実施例においては、以下に例示するようなタイマ演出(変動タイマ演出)が実行される。すなわち、ここで説明する変動タイマ演出は、超短変動が行われる遊技状態(遊技モード)中において実行され、本実施例では、第1ラッシュ中に、この変動タイマ演出が行われるようになっている。
また、この超短変動と関連付けて行われる変動タイマ演出は、第1ラッシュにおける1回目の変動開始時からカウントアップを開始する演出となっている。さらに、演出図柄190が大当りの組合せとなったタイミングでカウントを停止し、サブメイン基板301においてそのときのカウント値を記憶する。そして、第4大当りに係るラウンド演出中のバトルで勝利した場合に、特別遊技後に行われる第1ラッシュで、前回の第1ラッシュで倒した敵キャラに係る画像と、記憶しておいたカウント値をアイコン画像化し、そのときの第1ラッシュ中の背景に、アイコン画像183、184を重ねて表示する(図22(a)参照)。
さらに、第1ラッシュや第4大当りが継続している間は、敵キャラを倒したときのカウント値を示すアイコン画像183、184が増加する。そして、遊技者は、アイコン画像183、184を視認することにより、敵キャラを倒すのに要した時間を確認することができる。このような変動タイマ演出を行うことにより、遊技者は、第1ラッシュ中にどの程度の時間で敵キャラを倒して大当りを獲得しているか、といった感覚を得ることができる。そして、極短時間の変動による大当り獲得までの迅速性を、体感するだけでなく、視覚によっても認識することが可能となる。
また、変動タイマ演出については、演出図柄190a〜190cが揃っていない状況でタイマのカウントが停止すれば第4大当り(バトルボーナス)が確定する、或いは、高い信頼度でほぼ確定する、といった遊技制御態様を採用することが可能である。また、タイマ表示における数字等の彩色や模様を、例えば青、緑、赤色、虹色、又は、所定柄などとし、彩色や模様の違いに応じて第4大当りの期待度が変化する、といった遊技制御態様を採用することも可能である。なお、変動タイマを先に停止させる制御を実行したとしても、演出制御基板において時間を計時している内部カウンタを更新して、図柄停止後において停止していた時間を本来表示すべき時間に修正し、後々のアイコン表示で大当り獲得までの正確な時間表示を実行するようにすることで、遊技者に正確な単位時間当たりの出玉感を印象付けることが可能となる。また、ここでは変動タイマ演出を、第1ラッシュにおける演出としているが、第2ラッシュや第3ラッシュについて実行するようにしてもよい。さらに、前述のようなアイコン画像183、184を、次に異なる特定遊技状態に移行しても、継続して表示し続けることが可能である。
<第4大当りに係る演出の概要>
次に、第1ラッシュ中に第4大当り(バトルボーナス)が発生した場合の特別遊技や、特別遊技に係る演出について説明する。なお、ここでは、特図2に係る大当りに係る説明を行うが、特図1に係る大当りであっても、例えば時短中などの特定の状況で発生したものであれば適用が可能である。
先ず、時短中や電サポ中などのように入賞の頻度が高まる状況である所謂高ベース中(例えば第1ラッシュなど)に大当り(例えば第4大当り(バトルボーナス)など)に当せんすると、ラウンド演出において、自キャラや味方キャラが敵キャラと闘いを行うようになっている(ラウンドバトル演出)。そして、自キャラや味方キャラが闘いに勝利すると、遊技モードは、第1ラッシュ、或いは、第2ラッシュのいずれかへ移行する。また、自キャラや味方キャラが闘いに敗北すると、遊技モードは、第3ラッシュへ移行する。
さらに、第4大当り(バトルボーナス)におけるラウンドバトル演出は、5Rまでで決着するようになっている。これは、敗北時には5R通常であったことが遊技者に認識されるようにしているためである。
また、敵キャラは、大当りとなった際の演出図柄(大当り図柄)に応じて選択率が異なるようになっている。つまり、勝率や報酬(出玉)を敵キャラの種類毎に設定しており、例えば、所定の敵キャラに対する勝ち易さや勝った場合の出玉(ラウンド数)と、他の所定の敵キャラに対する勝ち易さや勝った場合の出玉(ラウンド数)が、互いに異なるようになっている。
より具体的には、15Rの大当りに当せんし、所定の敵キャラ(ここでは敵キャラAとする)に勝利した場合は、勝率が相対的に高い演出が行われ、遊技者が特別遊技により得られる報酬も相対的に高くなる。しかし、10R確変や7R確変に当せんし、他の所定の敵キャラ(ここでは敵キャラBとする)に勝利したた場合は、勝率が高いか中程度である演出が行われ、遊技者が得られる報酬も、15R大当り時に比べて中程度から低程度となる。
さらに、10R通常や7R通常に当せんし、更に他の所定の敵キャラ(ここでは敵キャラCとする)に勝利した場合は、勝率が中程度である演出が行われ、遊技者が得られる報酬も中程度から低程度となる。また、5R通常に当せんし、更に他の所定の敵キャラ(ここでは敵キャラDとする)に勝利した場合は、勝率が相対的に低い演出が行われ、遊技者が得られる報酬も10Rや7Rの大当時に比べて低程度となる。
また、ラウンドバトル演出中にて、味方キャラが登場すると、勝率や報酬(ここではラウンド数)が格上げされる(昇格する)ような演出が行われる場合もある。このような格上げの演出を行うために、大当り図柄(大当り特別図柄)の種類が所定のものである場合には、サブメイン基板301の側において、特別遊技の開始時や特別遊技の途中で格上げ(対戦相手を強敵から弱い相手へ変更する)表示抽選を実行し、格上げ表示抽選に当選した場合に、敵キャラを予め格下の役割のものから選択しておくことが考えられる。
さらに、合流する味方キャラの種類に応じて、格上げされる量(格上げ幅)が異なるような演出を行うことが可能である。このようにするために、例えば、勝率100%、報酬MAX(ここでは15R)となるような特別な味方キャラ(プレミアキャラである最強味方キャラ)を設けておくことが考えられる。そして、この最強味方キャラが自キャラに合流した場合には、5R大当りである可能性がなくなり(必ず6R以降に進行し)、演出についても、敵キャラとの闘いに必ず勝利する、或いは引き分けや未決着(バトル継続)となる、といったものを例示できる。また、最強味方キャラが登場した場合には、必ず、又は相対的に高い確率(90%など)で15Rまで進行する、といった演出とゲーム内容との関係を定めてもよい。さらに、最強味方キャラは、複数種類設けてもよい。さらに、最強味方キャラを、「激熱キャラ」など称することも可能である。
ここで、味方キャラとしては、上述の最強味方キャラ以外にも種々のものが設けられており、この味方キャラの報酬や勝率等といった特性については種々の態様を考えることができる。例えば、所定の味方キャラが登場すると、勝率のみ上昇し、勝利しても報酬の格上げはされない、といった態様の演出を考えることができる。しかし、このように各種の味方キャラを設ける場合には、例えば、昇格を煽る演出がされながらも(チャンスアップしておいて)、登場している味方キャラが負ける、といったようなアンバランスさが現れないよう、選択され得る演出パターンに留意する必要がある。
<第2ラッシュに係る演出の概要>
次に、前述の第2ラッシュに係る演出について説明する。先ず、本実施例では、第2ラッシュに係るへ変動遊技の頻度を前述のSA40(=40回転/分)とし、適用する変動パターンテーブルとして、前述の限定頻度パターン演出に係る変動パターンテーブル(限定頻度テーブルや限定頻度パターンテーブルなどともいう)を使用する。また、本実施例では、SA40としつつ、リーチとなるような数秒〜数十秒程度の演出パターンを選択する場合があるようにしている。
しかし、これに限らず、例えばSA40を採用せず、極短時間の変動パターンや、数秒〜数十秒程度の演出パターンにより、SA40よりも低い頻度で変動遊技が行われるようにすることも可能である。
また、本実施例における変動パターンテーブルの使用態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、第2ラッシュ中に用いられる変動パターンテーブルとして、20回の変動毎に、遊技者の、第1ラッシュへ昇格することの期待を煽る演出(昇格煽り用演出)を出現させるためのものを使用する。つまり、極短い時間の変動(「超短変動」や「極短変動」などともいう)に係る変動パターンの使用を基本としているが、20回の変動遊技毎に(20回刻みで)、1回の変動を、限定頻度パターンテーブルに定められた数秒〜数十秒程度の変動パターンを使用して制御する。そして、この20回に1回毎の限定頻度パターン演出により、遊技者に演出の発展を期待させることが可能な煽り演出が実行される。
また、20回目の変動で実行される煽り演出は、その後の煽り演出の中でも、煽りの程度が相対的に一番低いものとなっている。このような意味で、20回目の変動の煽り演出は、演出内容から見れば、感覚的には「煽り」といえないような内容となる場合もある。
この20回に1回の煽り演出を含む演出(「ミッションブロック」、「バトルブロック」、「演出ブロック」、或いは「変動ブロック」などと称することも可能である)は、図22(b−1)中に示す変動パターンテーブルA〜C(図22(b−1)中では「テーブルA」〜「テーブルC」として示している)を用いて行われている。また、100回目以降の変動遊技では、遊技状態に応じて変動パターンテーブルD(図22(b−1)中では「テーブルD」として示している)が用いられる場合がある。
これらのうち、変動パターンテーブルAは、超短変動の変動パターンのみにより構成され、昇格煽り演出を含まないるものである。そして、本実施例では、前述の第1ラッシュで、はずれの場合などのように基本のものとして使用されるテーブルD(第1ラッシュにおいて通常とされる時短中変動パターンテーブル)と共通のものが使用されている。さらに、ここでの「昇格煽り演出を含まない演出」としては、新たなミッションやバトルの開始(ミッション突入、バトル突入などともいう)がされない内容の演出を例示できる。
ここで、テーブルAの変形例として、第2ラッシュと第1ラッシュとで使用する変動パターンテーブルを共通化せず、互いに異なる超短変動用変動パターンテーブルを備えるようにしてもよい。また、変動パターン数や、これに紐付けられる演出パターン数を、第1ラッシュで基本のものとして使用される時短中変動パターンテーブルよりも多くし、はずれリーチの演出や、昇格演出に係るものも選択可能としてもよい。
続いて、変動パターンテーブルBは、遊技者の、大当り(通常や確変)への期待を煽るための演出(ミッション成否煽り演出や昇格煽り演出)のためのものである。この変動パターンテーブルBには1つの変動パターンのみを定めるようにしてもよく、この変動パターンテーブルBに定められた変動パターンには、1つのみの演出パターンを紐付けるようにしてもよい。
また、ここでの「大当り(通常や確変)への期待を煽るための演出(ミッション成否煽り演出や昇格煽り演出)」は、所定のミッションやバトルが開始される様子を表す演出を意味している。さらに、この変動パターンテーブルBには、ミッションに失敗したり、バトルに敗北したりする内容の演出(或いは引き分ける演出など)に係る変動パターンが紐付けられている。
図23(a)は、変動パターンテーブルBに係る具体的態様の一例を示している。この変動パターンテーブルBは、保留数や特別図柄の種類に依存しないもの(非依存のもの)となっている。図23(a)の例では、図中の左側に示すはずれの場合には、全ての変動パターン乱数(ここでは0〜49999)が15秒の変動パターンに割り当てられており、はずれの場合の変動パターンテーブルBに基づく変動パターンとして、15秒のもののみが選択されるようになっている。また、図中の右側に示す当りの場合には、変動パターンテーブルBに基づく変動パターンとして、25秒のもののみが選択されるようになっている。
なお、はずれの場合に、15秒の変動のみでなく、例えば30秒の変動(変動パターン)を設けることも可能である。この場合は、置数を例えば45000〜49999とすることなどが考えられる。そして、この相対的に長期の変動パターンに基づく演出として、例えば、ミッションの失敗後(或いはバトルの敗北後など)にボタン演出(連打や一回押しなど)を実行し、その後に改めて昇格する演出パターン(復活昇格パターンなど)を設けることが可能である。
さらに、上述の失敗後(又は敗北後など)に、ボタン演出を経由して、大当りとなる場合がある復活大当りパターンを設けてもよい。このようにした場合には、遊技者に対し、「ボタン演出が出現したら当っているかも知れない」といいった期待感を与え得るものとすることができる。
また、制御上の遊技状態が低確率となっており、昇格演出を実行できないような場合においてもボタン演出が実行される可能性がある。このため、ボタン演出については、ガセ有のもの(当らない場合があるもの)とすることが考えられる。そして、ガセ有とする場合に、遊技者に連打を促すための演出(「連鎖」の表示など)を行い、連打に伴って、表示されているメーター(連打メーター)において、連打のレベルを示す表示が基準値(或いは満杯値)に達しない、といった内容の演出を実行することが可能である。
また、連打に係る演出ではなく、一回のボタン操作により演出が発展し得るような演出を行う場合には、ガセ有とせず、ボタン演出の出現により昇格又は当りが確定する、といった演出制御を、前述の30秒の変動パターンを利用して行うことも可能である。また、この30秒の変動パターンに係る演出として、例えば時短最終変動(100回目の変動)でも、ミッションン失敗等の後にボタン演出が出現すれば、昇格又は当りが確定する、といった演出制御を行うことも可能である。
続いて、変動パターンテーブルCは、前回の大当りが非確変当りである通常当りであった場合に、時短状態が終了して通常状態への移行を報知する演出の実行のためのテーブルである。この変動パターンテーブルCには、ミッションに失敗した後、一連の特定遊技期間(いわゆる連荘期間)で獲得した出玉を報知する演出、ミッション失敗後に復活演出により大当りであることを報知する内容の演出に係る変動パターンが紐付けられている。また、変動パターンテーブルCについても、変動パターンテーブルBと同様に、対応する変動パターンや演出パターンを1つのみとすることが可能である。
図23(a)中には、変動パターンテーブルCに係る具体的態様の一例を示している。この変動パターンテーブルCは、保留数や特別図柄の種類に依存しないもの(非依存のもの)となっている。図23(a)中の変動パターンテーブルCの例では、図中の左側に示すはずれの場合には、全ての変動パターン乱数(ここでは0〜49999)が25秒の変動パターンに割り当てられており、はずれの場合の変動パターンテーブルBに基づく変動パターンとして、25秒のもののみが選択されるようになっている。また、図中の右側に示す当りの場合にも、変動パターンテーブルBに基づく変動パターンとして、25秒のもののみが選択されるようになっている。
続いて、変動パターンテーブルDは、第1ラッシュで使用され、超短変動の変動パターンのみにより構成されるものであり、前述の変動パターンテーブルAと同様のものである。そして、変動パターンテーブルAを変動パターンテーブルDとして共用することも可能である。
図23(a)中には、変動パターンテーブルDに係る具体的態様の一例を示している。図23(a)中の変動パターンテーブルDの例では、図中の左側に示すはずれの場合には、0〜49999の変動パターン乱数の95%(0〜47499)が0.6秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の2%(47500〜48499)が1秒の変動パターンに割り当てられている。また、変動パターン乱数の1.5%(48500〜49249)が1.5秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の1%(49250〜49749)が2秒の変動パターンに割り当てられている。さらに、変動パターン乱数の0.5%(49750〜49999)が3秒の変動パターンに割り当てられている。
なお、はずれの場合に係る変動パターンテーブルDについて、保留数および特別図柄の種類により使用するものを異ならせることが可能である。そして、例えば特図2の保留数が1個である場合には、3.0秒の変動パターンに対する置数が0〜049999である変動パターンテーブルを使用し、所謂3.0秒固定の変動パターンとなるようにすることが可能である。さらに、特図1の保留数が1個〜4個である場合に、特図1の変動表示を10.0秒固定の変動パターンとすることなども可能である。
また、図中の右側に示す当りの場合には、変動パターン乱数の10%(0〜4999)が0.6秒の変動パターンに割り当てられており、同じく変動パターン乱数の10%(5000〜9999)が1秒の変動パターンに割り当てられている。また、変動パターン乱数の10%(10000〜14999)が1.5秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の40%(15000〜34999)が2秒の変動パターンに割り当てられている。さらに、変動パターン乱数の30%(35000〜49999)が3秒の変動パターンに割り当てられている。
続いて、上述の各変動パターンテーブルA〜Dを用いた演出例の一例を説明する。本実施例においては、図22(b−2)に示すように、変動回数が1回目〜19回目となる変動遊技では、変動パターンテーブルAが使用され、20回目には変動パターンテーブルBが使用される。また、21〜39回目では変動パターンテーブルAが使用され、40回目には変動パターンテーブルBが使用される。さらに、同様に、41〜59回、61〜79回、81〜99回目では変動パターンテーブルAが使用され、60回目及び80回目には、変動パターンテーブルBが使用される。
また、100回目には変動パターンテーブルB(確変時)または変動パターンテーブルC(非確変時)が使用される。そして、101回目以降には、確変中であれば、変動パターンテーブルDが使用され、確変中でなければ、通常モード時に係る変動パターンテーブルが使用される。
ここで、40回転目、60回転目、或いは80回転目で確変への昇格演出が行われる場合は、例えば、大当りの図柄(ここでは特別図柄)に応じて限定頻度テーブル(ここでは変動パターンテーブルC)を用い、これらに続く41回目、61回目、或いは81回目などの変動時から、超短変動用の上述した変動パターンテーブルDを参照することも可能である。確変当りであるときにおいて、何変動目からテーブルDを参照するか否かを決定するのは、図22(b−3)に示すように大当り図柄に基づいて決定される仕様であるが、図柄以外の要素、例えば連荘回数や、前回大当りしたときの遊技状態(第1ラッシュ〜第3ラッシュ何れに滞在しているか等)などを用いてもよく、図柄とそれらの変形例を組み合わせるものであってもよい。
また、前述の変動パターンテーブルAは、第1ラッシュ用の変動パターンテーブルと共通とせず、更に、変動パターンテーブルAとして、変動パターンテーブルA、A´(エーダッシュ)、A´´(エーツーダッシュ)、A´´´(エースリーダッシュ)等のように複数種類のものを設けてもよい。
例えば、図23(b−1)は、第1ラッシュ用の変動パターンテーブルと共通ではない変動パターンテーブルAの一例を変形例として示している。この変動パターンテーブルAは、特図2の保留数が2個〜4個の場合に使用されるものとすることが可能である。さらに、この図23(b−1)の例では、図中の左側に示すはずれの場合には、0〜49999の変動パターン乱数の60%(0〜29999)が1.0秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の24.5%(30000〜42249)が2.0秒の変動パターンに割り当てられている。ここで、保留数が1個である場合には、例えば、前述したような10秒固定の変動パターンとすることが考えられる。
また、変動パターン乱数の10.5%(42250〜47499)が3.0秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の4%(47500〜49499)が7.0秒の変動パターンに割り当てられている。さらに、変動パターン乱数の1%(49500〜49999)が15秒の変動パターンに割り当てられている。
なお、図23(b−1)に示すような、はずれに係る変動パターンテーブルAについて、特図1の保留数が1個〜4個である場合に、特図1の変動については、10.0秒の変動パターンに対する置数が0〜49999である変動パターンテーブルを使用し、所謂10.0秒固定の変動パターンとなるようにすることが可能である。
さらに、前述の15.0秒の変動パターンに関して、サブ側(サブメイン基板301側)で、当該変動パターンに係るコマンドの受信時に、遊技状態が高確(高確率状態)である場合には、成功演出(ミッションに成功したりバトルに勝利したりする演出など)を実行するか否かを抽選する、といった制御態様を採用することが可能である。
また、図中の右側に示す当りの場合には、変動パターン乱数の0.5%(0〜249)が3.0秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の19.5%(250〜9999)が7.0秒の変動パターンに割り当てられている。また、変動パターン乱数の80%(10000〜49999)が25.0秒の変動パターンに割り当てられている。
なお、このような当たりの場合の変動パターンテーブルAについて、リーチとなるリーチ演出において、ミッションの成功等で昇格し、前述のような復活演出が行なわれた場合は大当り確定となる、といった態様で演出制御を行うことが可能である。そして、この場合に、ノーマルリーチであれば、当りとなる場合とはずれとなる場合の両方があり得る、といった態様で演出制御を行うことが考えられる。さらに、上述の25.0秒の変動パターンについて、発展リーチ(例えばミッションの失敗等から復活して大当りへ発展するようなもの)の演出を実行することが考えられる。
さらに、図23(b−2)は、前述のA´(エーダッシュ)の一例を示している。この図23(b−2)の例では、図中の左側に示すはずれの場合には、0〜49999の変動パターン乱数の60%(0〜29999)が1.0秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の24.5%(30000〜42249)が2.0秒の変動パターンに割り当てられている。また、変動パターン乱数の15.5%(42250〜49999)が3.0秒の変動パターンに割り当てられている。
なお、図23(b−2)に示すような、はずれに係る変動パターンテーブルA´について、特図1の保留数が1個〜4個である場合に、特図1の変動については、10.0秒の変動パターンに対する置数が0〜49999である変動パターンテーブルを使用し、所謂10.0秒固定の変動パターンとなるようにすることが可能である。
また、図中の右側に示す当りの場合には、変動パターン乱数の20%(0〜9999)が7.0秒の変動パターンに割り当てられており、変動パターン乱数の80%(10000〜49999)が15.0秒の変動パターンに割り当てられている。
なお、このような当たりの場合の変動パターンテーブルA´について、リーチになれば大当り確定となる、といった態様で演出制御を行うことが可能である。さらに、上述の15.0秒の変動パターンについて、発展リーチ(例えばミッションの失敗等から復活して大当りへ発展するようなもの)の演出を実行することが考えられる。
このようにした場合には、例えば、時短中に確変昇格への期待を煽るために、キャラクタの種類、ミッションの内容、バトルの内容などに応じて複数種類設け、各変動パターンテーブルA1〜A3等にこれらの演出の割り当てを行い、変動パターンテーブルA1〜A3等の選択割合や、変動パターンテーブルA1〜A3等に割り当てられたキャラクタ、ミッション、バトル等の出現頻度を異ならせる、といったことが可能となる。そして、確変昇格の期待度上昇する演出の出やすいキャラクタや、出難いキャラクタを設けたり、リーチがかかったら当り確定となるキャラクタがいたり、といった演出の多様性を持たせることが可能となる。
また、本実施例では時短中の超短変動(例えば変動パターンテーブルA又はDの0.6秒変動や1.0秒変動)を100%に近い割合(例えば97%以上など)で選択するようにし、大当りとなる変動であっても、変動時間の長期化がない演出や、左右の演出図柄(190a、190c)を揃えたリーチの演出を行うことなく0.6秒〜3秒程度で図柄確定する演出などを設けることも可能である。変形例に示す態様(例えば図23(b−1)のテーブルA(変形例))であれば0.6秒〜約1分強程度までの変動パターンが選択され得る、といった演出を行うことも可能である。
また、第2ラッシュに係る演出制御を以下のようなものとすることも可能である。例えば、第4大当り(ミッションボーナス)を発生させた図柄(特別図柄)が、10R大当りに対応した図柄(10R確変図柄、10R通常図柄)であり、この10R確変図柄として10R確変図柄1〜4、10R通常図柄として10R通常の5種類が設けられているとする。
図22(b−3)は、特定遊技中(第1ラッシュ〜第3ラッシュ)に10R確変図柄1〜4、10R通常図柄に当せんした場合について、第2ラッシュにおける時短中の演出の流れを概略的に示している。なお、特定遊技中に当選した場合とは、本実施例の遊技機において、特定遊技中が特図2に基づく遊技が実施されていることを想定した記載であり、通常状態において意図しない第2始動口への入球に基づく変動によって当選した場合においても、同様に第2ラッシュに制御されるようになっている。
先ず、当せん図柄が10R確変図柄1〜4、10R通常図柄であった場合の共通演出として、1回目の変動から19回目の変動までは、所定の変動パターンを定めた変動パターンテーブルAが使用され、21〜40変動の第1演出期間、41〜60変動の第2演出期間、61〜80変動の第3演出期間、81〜100変動の第4演出期間について実行される演出内容を示唆する表示演出を行う。具体的には、主人公の味方である複数のキャラクタのうちランダムにいずれか(単数又は複数)が合流する演出を表示する。また、変形例として前述した変動パターンテーブルA、Dが共通でない場合には以降の変動パターンテーブルの選択モード(A、A´などがどの順番で参照されるか)に応じて合流する演出を表示するものでもよい。この変動パターンテーブルAは、前述の変動パターンテーブルAと同様に、昇格煽り演出を含まない演出パターンが紐付けられた超短変動のものとなっている。
さらに、20回目の変動遊技の際には、昇格煽り演出のための変動パターンテーブルBが使用される。この変動パターンテーブルBは、前述のように、大当り(通常や確変)への期待を煽るための演出(ミッション成否演出や昇格煽り演出)を含む演出パターンが紐付けられたものとなっている。本実施例では、最も最速で変動パターンテーブルDの選択状態に移行する例である10R確変図柄1であっても、41変動以降での変更となっている。これは、上記したように第2ラッシュの開始後20変動が、以降の演出示唆期間(どのキャラクタのミッション演出を出力するかを示唆する期間)に設定されているためであり、20変動目において、変動パターンテーブルBを用いて昇格煽りを実行するための変動を選択してはいるが、20変動目には、合流した味方キャラクタがどの順番で第1演出期間〜第4演出期間で演出を実行するか、というような表示を遊技者に対して報知する変動となっている。
さらに、21回目の変動から39回目の変動では、所定の変動パターンを定めた変動パターンテーブルA´が使用される。この変動パターンテーブルA´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルAと、変動については同様である。そして、この、変動パターンテーブルA´の変動パターンは、ミッションの遂行過程や闘いの様子を表した演出パターンを実行するためのものとなっている。
さらに、40回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルBが使用され、ミッションに成功したりバトルに勝利したりする昇格演出が実行される。さらに、41回目以降のの変動時には、前述の変動パターンテーブルDが使用される。
続いて、当せん図柄が10R確変図柄2であった場合には、1回目の変動から19回目の変動までは、10R確変図柄1の場合と同様の演出が実行される。さらに、20回目の変動遊技の際には、10R確変図柄1の場合と同様に、昇格煽り演出のための変動パターンテーブルBが使用され、21回目の変動から39回目の変動までは、前述の変動パターンA´が使用される。また、40回目の変動時には、ミッションやバトルに失敗する内容の演出パターンが対応付けられた変動パターンテーブルが使用される。なお本実施例では、40変動目において選択される変動パターンテーブルは変動パターンテーブルBであり、失敗する変動パターンは成功する変動パターンテーブルと共通(同じ1の変動)であり、サブメインのCPUにおいて演出決定を行う際に、前回の大当りの図柄に応じて失敗を出すように制御するものである。成功と失敗において、演出時間を異ならせたい場合(例えば成功した後、可動役物の動作や、主人公キャラや味方キャラクタの決め台詞画像演出を行う場合)には、メイン基板側の変動パターンテーブルBを成功パターンであるB´と失敗パターンであるB´´とを設けておくことで実行することも可能である。
さらに、41回目の変動から59回目までの変動時には、所定の変動パターンを定めた変動パターンテーブルA´´が使用される。この変動パターンテーブルA´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルAやA´と、変動時間については同様である。そして、この変動パターンテーブルA´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルAやA´とは異なる態様で、ミッションの遂行過程や闘いの様子を表した演出パターンが実行されるものとなっている。
さらに、60回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルBが使用され、ミッションに成功したりバトルに勝利したりする昇格演出が実行される。さらに、61回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルDが使用される。
続いて、当せん図柄が10R確変図柄3であった場合には、1回目〜59回目の変動時までは、10R確変図柄2の場合と同様である。そして、60回目の変動時に、40回目と同様の変動パターンテーブルEが使用され、ミッションやバトルに失敗する内容の演出が実行される。
さらに、61回目の変動から79回目までの変動時には、所定の変動パターンを定めた変動パターンテーブルA´´´が使用される。この変動パターンテーブルA´´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルA、A´、A´´と、変動時間については同様である。そして、この変動パターンテーブルA´´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルA、A´、A´´とは異なる態様で、ミッションの遂行過程や闘いの様子を表した演出パターンが実行されるものとなっている。
さらに、80回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルBが使用され、ミッションに成功したりバトルに勝利したりする昇格演出が実行される。さらに、81回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルDが使用される。
続いて、当せん図柄が10R確変図柄4であった場合には、1回目〜79回目の変動時までは、10R確変図柄3の場合と同様である。そして、80回目の変動時に、40回目や60回目と同様の変動パターンテーブルBが使用され、ミッションやバトルに失敗する内容の演出が実行される。
さらに、81回目の変動から99回目までの変動時には、所定の変動パターンを定めた変動パターンテーブルA´´´´(エーフォーダッシュ)が使用される。この変動パターンテーブルA´´´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルA、A´、A´´、A´´´と、変動時間については同様である。そして、この変動パターンテーブルA´´´´の変動パターンは、前述の変動パターンテーブルA、A´、A´´、A´´´とは異なる態様で、ミッションの遂行過程や闘いの様子を表した演出パターンが実行されるものとなっている。
さらに、100回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルBが使用され、ミッションに成功したりバトルに勝利したりする昇格演出が実行される。さらに、101回目の変動時には、前述の変動パターンテーブルDが使用される。
続いて、当せん図柄が10R通常図柄であった場合には、1回目〜99回目の変動時までは、10R確変図柄4の場合と同様である。そして、100回目の変動時には変動パターンテーブルCが使用され、ミッションやバトルに失敗する内容の演出が実行される。このとき、特定遊技状態が終了し、所謂連荘と呼ばれる状態が終了するため、どれだけの出玉が有利であった期間に獲得できたかを失敗演出(ミッション失敗やバトル敗北などの演出)の終了後に出力する。そして、遊技モードは、時短モードから転落して通常モードに移行し、101回目からは通常の確変モード用の変動パターンテーブルが使用される。
なお、ここでは10R確変、10R通常が発生した場合の時短中の演出制御について説明したが、例えば7R大当り、5R大当り(特図1)などが発生した場合の時短中の演出制御についても、同様の制御態様を採用することが可能である。
また、第2ラッシュにおいては、前述したように、味方キャラが合流する演出(合流演出)を行うことが可能である。例えば、20回毎の変動遊技を1ブロックとし、1回目〜20回目のブロック(第1変動ブロック)では、味方キャラが自キャラに合流する様子を表した演出を実行する。さらに、21回目〜40回目のブロック(第2変動ブロック)、41回目〜60回目のブロック(第3変動ブロック)、61回目〜80回目のブロック(第4変動ブロック)、81回目〜100回目のブロック(第5変動ブロック)では、合流した味方キャラに応じたミッションやバトル等の演出が実行される。
ここで、超短変動の変動パターンに従った演出パターンでは、1回の変動で味方キャラの合流の様子を表現するのが難しくなることも考えられる。このような場合には、複数の超短変動(例えば5回分の変動など)を跨いで合流の様子を表すことや、例えば15回目、35回目、50回目といった途中の変動で、数秒程度の変動時間を有する限定頻度パターンを適用することなどが考えられる。さらに、合流する様子が示される変動の前の変動(手前の変動)から、合流するキャラクタを登場させておく、といったことも考えられる。
また、合流する味方キャラを複数種類設けることも可能である。そして、例えば変動パターンテーブルを、前述の変動パターンテーブルA、A´〜A´´´´等のように異なるものとして設け、変動パターンテーブルごとに異なる味方キャラを割り当てることが可能である。この場合の味方キャラは、変動パターンテーブルに合わせたものであるということができる。上述の例では変動パターンテーブルA〜A´´´´は順番に出力されるようにしたが、大当り図柄などの条件により参照順序を異ならせるようにしたり、同じ変動パターンテーブルを複数参照するようにしてもよい。
さらに、異なる味方キャラを、例えば6種類の味方キャラA〜Fとし、これらの味方キャラA〜Fに係る時短継続、演出発展、大当りなどについての期待度が異なるようにすることも可能である。そして、これらの味方キャラA〜Fに、リーチの状況に発展すれば必ず大当りとなる味方キャラ(図23(b−1)の変動パターンテーブルA´時に登場させるキャラクタ)、所定の変動パターンテーブル(限定頻度テーブルなど)による演出時にのみ登場する味方キャラ、などを設けることが可能である。
また、ミッションやバトル等が20回毎のタイミングで発生する変動(変動パターンテーブルBに基づく変動)以外のタイミングで選択された変動に基づき煽り演出が実施された場合(図23(b−3)の変動パターンテーブルA〜A´´´´の15.0秒変動など)に必ず成功する味方キャラを設ける、といったことなども可能である。例えば、20回毎の区切りの変動でなく、区切りの間の途中の変動であっても昇格煽り演出を行うことが可能な変動パターンが選択可能とし、先読み演出ないし実行中の変動に対して実行されている予告演出にて所定のキャラクタ(前述の最強味方キャラなど)が登場した場合には、例えば昇格煽り演出に移行する、といった演出も可能である。このようにすることで、煽り演出の出現間隔を単調化することなく、有効に煽り演出を行うことが可能である。
また、その他の変形例として、前述の変動ブロックで、特定の変動パターンが選択された場合には、各種の昇格演出を行うか否かの演出(分岐演出などということも可)を実行することを例示できる。そして、この分岐演出において、失敗後や敗北後は新たに味方キャラが登場し、所定数(例えば変動ブロック数と同じ5つなど)の全ての味方キャラが失敗や敗北等すると、自キャラがミッションやバトル等を行う、といったものを例示できる。
また、主制御手段において変動パターンテーブルDの選択状態に移行する前に昇格演出が出力され、本来第2ラッシュに対応する変動パターンの選択状態であったとき、前述の変動パターンテーブルBに係るコマンドをサブメイン基板301の側で受け取ったときに、遊技モードが第1ラッシュであるか第2ラッシュであるかといった違いに基づき、異なる演出を行うようにすることなども例示できる。例えば、第1ラッシュにおいては、第2ラッシュにおける昇格煽り演出に変えて、変動パターンテーブルBに係るコマンドの受信時において存在する保留に大当りがあるか否かを判定し、特定の予告が発生するか否かを表示させる(最強味方キャラが近づいてきて画面にとどまることで保留内に大当りありを示唆する演出などを行う)ことが可能である。
また、第2ラッシュ時において、前回の大当りが確変大当りであった場合には、最後に登場するキャラクタが必ずミッションやバトルに成功し、通常大当りであった場合には、登場した全てのキャラクタがミッションやバトルに失敗する、といったものを例示できる。さらに、このような演出を、特別遊技中のバトル演出において行うことも可能である。
さらに、煽り変動(各変動ブロックにおける20変動目や途中の変動目など)において、当該変動が大当りとなる当り変動である場合は、ミッションやバトルの成功の表示態様を、通常の第1ラッシュ昇格時と異ならせる、といったことが考えられる。例えば、途中で失敗することなく成功する態様(通常成功)と、一旦失敗した後に復成功する態様(復活成功)とを設け、通常成功の場合は第1ラッシュへ移行する大当りとなることを示唆しており、復活成功の場合は、単にいずれかの大当りとなることを示唆している、といったものを例示できる。
また、他の演出態様として、合流したキャラクタがミッションやバトルに成功した場合は第1ラッシュへ移行するか大当りとなることを示唆しており、主人公が登場していない状況で主人公が途中から登場し、ミッションやバトルに成功した場合には、単にいずれかの大当りとなることを示唆している、或いは、15R確変大当りとなることを示唆している、といったものも例示できる。さらに、主人公が登場してもミッションやバトルに失敗し、遊技者が相対的に恩恵を受けられない、といった演出態様も例示することができる。
また、前述したような最強味方キャラを、変動遊技中の先読み演出において登場させることも可能である。この場合には、例えば、最強味方キャラが登場した場合には90%以上の割合で確変大当りとなる、といった態様での演出制御も例示することができる。
さらに、所定の場合に限り保留内に大当りとなる保留(大当り保留)があるかを判定し、大当りの情報が記憶されていて、且つ、激熱キャラ(最強味方キャラ)の以外の演出を予定していた状況で、大当りとなることを高い割合で示唆する所定の先読み演出として、激熱キャラを割り込ませるような演出(代替演出)を実行するといったことも考えられる。そして、この場合には、100%の割合で大当りとする(所謂ガセなしでの大当り告知)といったことも考えられる。
また、上述の演出を行う「所定の場合」としては、例えば現在の保留に基づく変動が前述の変動ブロックを跨ぐ期間、すなわち変動ブロックの終わりに達する期間に亘る先読み演出が実行される場合(例えば変動ブロックの17変動目〜20変動目など)、或いは、変動ブロックの最終の変動遊技時(例えば変動ブロックの20変動目)を例示できる。このような先読み演出は、限定頻度パターンによる演出へ切り替わりタイミング(変動ブロックの最終変動など)の付近における限定期間でのみ抽選される先読み演出であるということができる。また、このような演出を、最初の変動ブロックにおける最終変動(例えば100回中の20回目など)や、最後のブロック(100回中の100回目)については行わないようにする、といったことも可能である。また、第1ラッシュで前述の代替演出を行う場合は、当り保留があることが確定とはならないため、100%の大当り告知とはならない、といったことも例示できる。
さらに、前述のA´´(エーツーダッシュ)〜A´´´´(エーフォーダッシュ)などについて、A´(エーダッシュ)のように第1ラッシュ中に登場するキャラクタの特性に応じた演出を実行することが可能である。例えば、15.0秒(昇格煽り演出を行う昇格煽り変動)の選択率がAよりも高いといった制御態様を採用することが可能である。この場合には、失敗演出(ミッション失敗やバトル敗北などの演出)をサブメイン基板301の側で選択し易くなる。また、この逆に、15.0秒の選択率がAよりも低いといった制御態様を採用することが可能である。この場合には、成功演出を選択し易くなる。さらに、リーチとなる場合に、前述したような約1分強程度の変動パターンが選択されるようにすることも可能である。
<第3ラッシュに係る演出の概要>
次に、前述の第3ラッシュに係る演出について説明する。先ず、本実施例では、第3ラッシュは、特図2に係る大当り時のラウンド演出においてバトル敗北となり、5R通常当りの特別遊技後に移行するモード(サブモード)である。そして、第3ラッシュは、100回の変動が、低確率であって高ベース状態(低確高ベース)の状態で行われることを確定的に報知するモードである。なお、本実施例のように、特図1の通常当りに時短を付加した場合は、時短中のモードを第3ラッシュとすることも可能である。
演出パターンについては、本実施例では、第1ラッシュとほぼ同様という印象を遊技者に与え得る内容となっている。より具体的には、背景画像が異なる程度の相違とし、登場人物や、遊技頻度が第1ラッシュと同じであるようにすることが可能である。さらに、変動時間が、0.6秒程度の超短変動の変動パターンよりも相対的に長くなる限定頻度パターンは、最終変動(100回目)のみ選択されるようにすることが可能である。例えば、100回目には、前述の変動パターンテーブルCを使用し、それ以外の変動では、前述の変動パターンテーブルD(又は変動パターンテーブルA)を使用する、といったことが考えられる。
<特図1特殊大当りへの対策>
本実施例におけるぱちんこ遊技機10では、前述した初当たり後に、特定遊技状態である第1ラッシュで特図2に係る大当りが発生することを、基本となるゲームの流れの1つとしている。しかし、このような基本的なゲーム展開に従った遊技進行から外れてゲームが進展する場合も考えられる。例えば、初当りに係る特別遊技の後に特定遊技状態となっている状況で、特図1に係る始動入賞があり、特定遊技中に特図1の大当りに変動演出や、特別遊技中の演出(ラウンド演出)を行うことになる場合があり得る。また、特図1に係る前述の初当り時に、既に保留記憶情報に特図1に係る大当りとなる情報が含まれていたような場合には、第1ラッシュ中に特図1に係る大当りが発生することになる。
このような状況を特殊な状況と考えることができ、特殊な状況での特図1に係る大当りは、「特図1特殊大当り」や「事故当り」などと称することが可能である。そして、特図1に係る大当りについて、時短の有無やその回数、電チューサポート(電サポ)の有無やその回数、などの相違が設けらえていると、何ら対策を施しておかなければ、状況に相応しくない演出が実行されて興趣を損ねることも考えられる。したがって、本実施例では、このような特図1特殊大当りが発生した場合についての対策が施されており、以下に、これらの対策について、例を挙げて説明する。
先ず、本実施例では、特図1の大当りとして、第1大当り(ミッションボーナス)、第2大当り(ハイパーボーナス)、第3大当り(突確)が設けられている。そして、これらの大当りが、特図1特殊大当りとして発生した場合には、以下のように、発生した大当りの種類に応じて所定の制御が行われるようになっている。なお、以下では、特図1特殊大当りとして第2大当り(ハイパーボーナス)が発生した場合、第3大当り(突確)が発生した場合、第1大当り(ミッションボーナス)が発生した場合の順で説明する。
例えば、特図1特殊大当りが前述の第2大当り(ハイパーボーナス)であった場合には、特図2での大当りが発生した場合と同様の演出が選択されて実行されるようになっている。より具体的には、特図1特殊大当りとして第2大当り(ハイパーボーナス)が発生した場合には、特別遊技中の演出(ラウンド演出)は、前述の第4大当り時のラウンド演出とは異なり、第2大当り(ハイパーボーナス)時のラウンド演出と同様の演出が実行される。しかし、特別遊技終了後の遊技時には、第1ラッシュと同様の演出が実行されるようになっている。つまり、第2大当り(ハイパーボーナス)は15R確変であるから、このような演出制御を行うことで、特図1特殊大当りに係る演出により、遊技者が違和感をおぼえることを防止し得るようしている。
ここで、「同様の演出」の演出としては、全く同じ演出や、同じような印象や雰囲気を遊技者に与えるよう制作された演出などを例示できる。また、演出にあたり、特図2と演出パターンを共用することや、特図2と同様の演出パターンを特図1用として別途設けることなどが考えられる。前述した「特図1特殊大当り」となることを防ぐためには、特図1の変動の時間を長時間としておくことが好ましい。また、第1ラッシュ中の演出のほとんどは、前述のように極短い変動時間の変動パターンに基づき行われるが、特図1特殊大当りに伴う特別遊技後の演出としては、変動回数(ゲーム数)を限って、第1ラッシュと同様の演出を行うことが考えられる。また、図19に示す遊技フローにおいて、特図1の大当りで5R通常大当りを獲得したときには、時短遊技の回数を0としていたが、特定遊技において、特図1特殊大当りを引いてしまい、遊技者に時短遊技が付与されない状況としてしまうと、あまりにも不利益度合が高まってしまう。このようなことを防止するため、特図1特殊大当りが通常大当りであった場合には、例えば100回の時短回数である特定遊技が付与される。なお、時短回数(ここでは100回)は、特図2と同程度としたが、それよりも少ない回数とすることが考えられる。さらに、特図1について付与される時短回数(100回や100回未満など)に合わせて、第3ラッシュと同様の演出が行われる変動回数を設定してもよい。
続いて、特図1特殊大当りが前述の第3大当り(突確)である場合には、特定遊技状態であることに基づき大当り開始デモや終了デモの時間を極力を短くすることが考えられる。このときの大当り開始デモや終了デモの時間としては、例えば、限りなく0に近い時間(0.1〜1秒程度など)とすることを例示できる。
そして、このように第3大当り(突確)が発生した場合は、遊技者が特別遊技による恩恵を期待できない状況であるので、特別遊技を目立たせずに開始し、終了させることが考えられる。そして、この状況での演出としては、例えば、特別遊技中に、確定停止時の演出図柄190を停止したまま継続して表示(固定表示)し、更に演出表示装置60の画面上で、「復帰中」や「しばらくお待ちください」等の表示(帯表示など)を併せて行うことなどが考えられる。
また、演出図柄190を固定表示する際には、演出図柄190の彩色を、通常は用いられることがない例えばグレーなどとし、珍しい特殊な状況であることを示す演出を行うことが考えられる。このようにすることで、遊技者に対し、一種のフリーズ演出であるような印象を演出により与えることが可能となる。そして、遊技者に違和感を抱かせることなく、第1ラッシュへの移行を待ってもらうことなどが可能となる。
続いて、特図1特殊大当りが前述の第1大当り(ミッションボーナス)であった場合には、前述したようなミッションに成功するか否かを表した演出に代えて、前述の第4大当り(バトルボーナス)が発生した場合と同様のラウンド演出が実行されるようになっている。ここで、演出にあたり、第4大当り(バトルボーナス)のラウンド演出と演出パターンを共用することや、第4大当り(バトルボーナス)と同様の演出のための演出パターンを第1大当り用として別途設けることなどが考えられる。
さらに、この場合の特別遊技に係る終了デモ時には、第1大当り(ミッションボーナス)が確変当りであった場合は、バトルに係る勝利を表す勝利演出が実行され、更に前述の第1ラッシュに移行することを表す第1ラッシュ突入演出が実行される。一方、第1大当り(ミッションボーナス)が通常当りであった場合は、終了デモ時には、バトルに係る敗北を表す敗北演出が実行され、第3ラッシュ突入演出が実行される。
このように、特図1に係る大当り(第3大当り(突確)に限らない)については、時短回数の有無や時短の態様と事項について、特図2の大当りとの相違が設けられることがあるが、特定遊技中における特図1特殊大当りについて、これらの相違に上述したような対策を施すことにより、遊技者が違和感をおぼえることを防止し得るようになる。
さらに、特図1に係る大当りについて、通常状態等に転落することや、時短回数が少ない等のように、特図2に係る大当り時と相違する点があり得ることを踏まえ、特図1特殊大当り時のラウンド演出を以下のように行うことが考えられる。例えば、特図1特殊大当りとして第1大当り(ミッションボーナス)が発生した場合のラウンド演出として、特図2に係る大当りと同様に、第4大当り(バトルボーナス)時のラウンド演出と同様の演出を実行する。この場合は、第1大当りを、第4大当りとは異なるバトルボーナスと称することができる。
そして、例えば、主人公が、特図2に係る大当り時には選択されない所定のキャラクタと闘う演出や、特図2に係る大当り時に選択され得る敵の中でも最強又は最強クラスの敵のみと戦う演出を実行する。さらに、これらのうち、最強又は最強クラスの敵と闘う演出においては、例えば「DANGER」や「DEAD or ALIVE」等の帯表示を付加することや、開始デモにおいて確変となる確率表示を行うことが考えられる。本実施例では、第1大当りが確変となる確率(第1大当りの確変確率)は、前述のように確変とならない確率と同じ(35%)であるから、確変確率が50%であることを表すために、例えば、「50:50BATTLE」などといった表示を行うことが考えられる。なお、特図2におけるバトルボーナスでの勝率は、第1ラッシュ、第2ラッシュに移行する大当りを引いた場合であるため75%であり、特図1よりも特図2で大当りを獲得したほうが勝利演出を実行できる状況となりやすい。
なお、変形例として、特図1に係る通常当り(ここでは第1大当りでの5R通常)による特別遊技後の電チューサポート(電サポ)についての有無を、大当りとなる変動演出が実行される際の遊技状態に応じて分けてもよい。例えば、遊技状態が、電サポなしの通常時に大当りが発生した場合には、特別遊技後に電サポを付加せず、電サポありである電サポ時に大当りが発生した場合には、特別遊技後に100回の変動に亘って電サポを付加する、といった制御態様を採用することが可能である。さらに、この場合の図柄振分(確変になる図柄と通常当りになる図柄の当せん割合の振分け)は、上述のように50:50であるので、前述した「DANGER」や「DEAD or ALIVE」等の表示や、開始デモにおける確変となる確率の表示「50:50BATTLE」を行うことが考えられる。
また、5Rのラウンド演出に関して、最終ラウンドである5R目の演出として、ミッションの結果である成否や、バトルの結果である勝敗を表す演出を実行することが考えられるが、これに限らず、例えば、最終ラウンドよりも手前の4R目などに、ミッションやバトルの結果を表す演出(結果演出)を行うことが考えられる。そして、このようにした場合には、結果の演出の後に、5R目を含む期間を利用して、結果が出た後の演出を行うための期間を確保できる。
さらに、これにより、結果が出た後の演出可能な期間が過度に短くなり、効果的な演出を行えなくなるといった事態が生じるのを防止できる。また、5R目が比較的短い時間で終了したとしても、5R目に結果の演出を行う場合に比べて、十分な時間に亘り、結果が出た後の演出を行うことが可能である。また、例えば、4R目の演出で現れる結果は、成功や勝利などの積極的な内容のものであり、結果を表す演出(結果演出)の出現タイミングが5R目まで持ち越された場合には、必ず(或いは100%に近い高い割合で)失敗や敗北等の消極的な内容での演出が実行される、といった制御態様も採用が可能である。このように5R目に対する勝敗持越しが敗北確定となることを避けるために、特図1の5R通常(第1大当り)を獲得したときの遊技状態(特定遊技状態であるとき)に基づき大当り終了デモの時間を長くするよう制御してもよい。
また、このような特殊大当りが発生する状況としては、前述の第2ラッシュ時や第3ラッシュなども挙げることができる。第2ラッシュ、第3ラッシュにおいて第1大当り、第2大当りを獲得した場合は、第1ラッシュのときと同様の制御を行う。一方、特殊大当りのうち第3大当り(突確)が発生した際には、その後変動パターンテーブルB,Cが参照されない状況となってしまい、不都合が生じる可能性があるため、例えば、特別遊技中の演出として、主人公などの自キャラが登場して確変昇格演出を行うことなどが考えられる。
<リスト演出を用いた第4大当りに係る演出態様>
<<リスト演出の概要>>
次に、前述した第4大当りに係る演出について、他の実施形態を図面に基づき説明する。図24は、本実施形態に係る第4大当りを含む遊技状態の流れを示しており、前述の実施形態(図19参照)に係る遊技状態の流れと同様の部分には同様の記載が行われている。なお、ここでは主に前述した実施形態と異なる部分について説明し、同様の部分については説明を省略する。
図24に示す本実施形態においては、前述の実施形態(図19)と同様に第4大当り中の演出としてバトル演出(ラウンドバトル演出)が実行される場合と、これ以外に、バトル演出が実行されない場合とがあるようになっている。図24では、バトル演出が実行されない場合における第4大当りについては、図示を省略している。さらに、図24では、バトル演出が実行される場合の第4大当りを「バトルボーナス」として示している。
図24に示す例では、第4大当りに係るバトル演出(ラウンドバトル演出)が実行される場合、バトル演出は、発生した第4大当りが、確変となる確変当りであるのか、確変とならない通常当り(ここでは「敗北当り」)であるのかの区別を示すことができるものとなっている。ここでは、確変となる確変当りを、その種類に応じ分類して「当り1」又は「当り2」とし、確変とならない通常当りを「敗北当り」とする。
また、本実施形態のバトル演出は、ラウンド演出として行えるほか、ラウンド演出が行われる前の変動演出の段階(リーチ段階など)にも行えるものである。例えば、ラウンド演出としてバトル演出が実行される場合には、バトルの開始により大当りが発生したことを遊技者が判別でき、更にその後のバトルの結果によって、当せんした大当りの種類(確変か通常かなど)を判別できるようにすることが可能である。
これに対して、ラウンド演出前(変動演出中)にバトル演出が実行される場合には、バトル演出は、例えば、リーチ中などに実行される。そして、バトルの結果によって、遊技者が、大当りに当せんしたか否かを判別できるようにすることが可能である。また、例えば、主人公キャラがバトルに勝利した場合には、遊技者にとって相対的に利益が大きい種類の大当りに当せんしており、主人公キャラがバトルに敗北した場合や、主人公キャラの勝利が確定しない状況が継続する場合は、遊技者にとって相対的に利益が小さい種類の大当りに当せんしている、といった演出制御態様を採用することも可能である。
本実施形態における第4大当りのうち、ラウンド演出としてバトル演出(ラウンドバトル演出)が行われる第4大当り(バトルボーナス)は、図24に示すように、15R確変、10R確変、7R確変、5R確変、5R通常のいずれかとなっている。これらのうち、15R確変は、前述の「当り1」に該当するものとなっている。そして、15R確変は、本実施形態では、遊技者が最多の賞球数(最大出玉量)を獲得できる種類の大当りとなっている。
また、その他の確変当りである10R確変、7R確変、5R確変は、前述の「当り2」に該当するものとなっている。さらに、5R通常は、前述の「敗北当り」に該当するものとなっており、この「敗北当り」に当せんした場合には、例えば主人公キャラや味方キャラがバトルに負ける内容の演出が実行される。そして、本実施形態では、第4大当りが「当り1」となった場合には、特別遊技終了後の遊技状態は、図24に示すように、前述した第1ラッシュとなる。また、第4大当りが「当り2」となった場合には、特別遊技終了後の遊技状態は確変及び時短となる。さらに、第4大当りが「敗北当り」となった場合には、特別遊技終了後の遊技状態は時短となる。
上述の「当り1」、「当り2」、「敗北大当り」の割合は、「当り1」が50%であり、「当り2」が15%であり、「敗北大当り」が35%となっている。そして、これらの割合は、前述したような大当り図柄の割合(図柄比率)によって定まり、大当り時のラウンドの振り分け(ラウンド振り分け)も、大当り図柄の割合(図柄比率)によって定まる。
第4大当りのバトル演出(ラウンドバトル演出)においては、自キャラや味方キャラが敵キャラと闘うようになっているが、各種のバトル演出のうちの一部として、例えば、自キャラ、味方キャラ、及び、敵キャラを含む多数のキャラクタがバトルロイヤル(又はバトルロワイヤル)式に戦いを行っているかのように展開するものを採用可能である。
さらに、この種のバトル演出においては、演出上、当初はいずれのキャラクタも最後までの勝ち残り得る者(ここでは「最終勝者候補」と称する)として登場させることが可能である。しかし、バトルの展開に伴い、敗北した者(ここでは「敗北者」と称する)を最終勝者候補から順次除外し、最後に勝ち残った者(ここでは「最終勝者」と称する)に対応した種類の確変大当りを発生させる、といったことが可能である。
さらに、本実施形態のバトル演出中には、キャラクタのリスト表示を行うキャラクタリスト演出(以下では「リスト演出」と称する)が実行される場合がある。このリスト演出においては、図25(a)、(b)に示すように、リスト表示領域201が、演出表示装置60の画面中における所定の部位(下部中央など)に重畳表示される。また、図25(a)に示す例では、演出状態表示領域206、大当り遊技状態表示領域207、メッセージ表示領域208、右打ち表示領域209が表示されている。
図25(a)に示す各表示領域のうちのリスト表示領域201には、図25(b)に示すように、上から下へ、4つの第1指標表示部202a〜202d、8つのキャラクタ表示部203a〜203h、及び、同じく8つの第2指標表示部204a〜204hが設けられている。これらの詳細については後述するが、最上段の第1指標表示部202a〜202dは、所定の第1指標(ここでは確変期待度)に基づき、キャラクタをグループ分けして示すものとなっている。
また、キャラクタ表示部203a〜203hは、8つのキャラクタA〜Hを個々に表示する領域となっている。さらに、第2指標表示部204a〜204hは、各キャラクタA〜H(図25(b)参照)に対する所定の第2指標(ここでは出玉量)を示すものとなっている。
ここで、図25(a)、(b)では、キャラクタA〜Hを図中で区別し易いよう、各キャラクタ表示部203a〜203h内に、キャラクタとともにアルファベットのA〜Hを示している。また、図25(b)では、キャラクタ表示部203a〜203h内のアルファベットA〜Hは、他の符号や引出し線を避けるよう、キャラクタ表示部203a〜203h内の右側へさせている。
続いて、上述の第1指標表示部202a〜202d、キャラクタ表示部203a〜203h、第2指標表示部204a〜204hの詳細について説明するが、ここでは先ず、キャラクタ表示部203a〜203hについて説明する。
各キャラクタ表示部203a〜203hには、互いに異なる種類(8種類)のキャラクタが表示されるようになっている。本実施形態において、キャラクタ表示部203a〜203hに表示されるキャラクタは、いずれも、主人公キャラや味方キャラと対戦する敵キャラとなっているが、以下のリスト演出に係る説明においては、単に「キャラクタ」と称する場合がある。なお、キャラクタ表示部203a〜203hに表示されるキャラクタの一部として、前述した実施形態における敵キャラA〜Fと同じ種類のものが用いられていてもよい。
図25(b)に示すように、リスト表示領域201の左端に位置するキャラクタ表示部203aには、丸顔で怒った表情のキャラクタ(以下では「キャラクタA」又は「キャラA」と称する)が表示されており、その右側のキャラクタ表示部203bには、眼鏡を掛けていない男子のキャラクタ(以下では「キャラクタB」又は「キャラB」と称する)が表示されている。
また、その右側のキャラクタ表示部203cには、眼鏡を掛けていない女子のキャラクタ(以下では「キャラクタC」又は「キャラC」と称する)が表示されており、その右側のキャラクタ表示部203dには、面長で怒った表情のキャラクタ(以下では「キャラクタD」又は「キャラD」と称する)が表示されている。さらに、その右側のキャラクタ表示部203eには、面長で笑顔のキャラクタ(以下では「キャラクタE」又は「キャラE」と称する)が表示されており、その右側のキャラクタ表示部203fには、眼鏡を掛けた女子のキャラクタ(以下では「キャラクタF」又は「キャラF」と称する)が表示されている。
また、その右側のキャラクタ表示部203gには、丸顔で笑顔のキャラクタ(以下では「キャラクタG」又は「キャラG」と称する)が表示されており、その右側のキャラクタ表示部203hには、眼鏡を掛けた男子のキャラクタ(以下では「キャラクタH」又は「キャラH」と称する)が表示されている。
ここで、本実施形態のキャラクタA〜Hに関して、キャラクタ表示部203a〜203hと、キャラクタA〜Hの位置関係は一定ではなく、図中左端から右端に順に配置されたキャラクタ表示部203a〜203hに対し、所定の規則(ここでは第1規則及び第2規則)に従って、その都度異なるキャラクタA〜Hを配置できるようになっている。例えば、所定の規則に基づく演算(後述する)の結果、キャラクタ表示部203aにキャラクタCが表示されたり、キャラクタ表示部203gにキャラクタBが表示されたりすることがあり得るようになっている。
なお、キャラクタA〜Hの他に、例えば、キャラクタI〜Kなどを設け、8個を超えるキャラクタA〜Kの中から8つのキャラクタが、所定の選択処理を経て表示されるようになっていてもよい。さらに、キャラクタ表示部の数は8個未満、或いは9個以上であってもよい。
続いて、前述の第1指標表示部202a〜202dについて説明する。第1指標表示部202a〜202dは、上述のようなキャラクタA〜Hを、所定の第1指標(ここでは確変期待度)に基づき分類し、グループ化して示すようになっている。つまり、キャラクタA〜Hに対しては、確変期待度(第1指標)との関連付けが行われており、キャラクタA〜Hの種類に応じて、確変期待度が決められている。
キャラクタA〜Hの確変期待度の詳細については後述するが、各キャラクタA〜Hは、対応付けられた確変期待度に応じてグループ化されており、図25(a)、(b)の例では、キャラクタA、Bが、図中の左端のグループ1に割り当てられている。また、キャラクタC〜Eが、グループ1の右に示すグループ2に割り当てられており、キャラクタF、Gが、グループ2の右に示すグループ3に割り当てられている。そして、キャラクタHが、図中の右端に示すグループ4に割り当てられている。
ここで、「確変期待度」は、当せんした大当りの種類が確変大当りとなる割合に対応している。そして、「確変期待度」は、大当りの種類に応じて決まり、前述のように大当りの種類は、大当りに係る特別図柄の種類によって決まるものとなっている。
本実施形態においては、グループ1、グループ2、グループ3、グループ4の順で、確変期待度が高くなっている。そして、確変期待度の程度(大よその確変期待度)は、図25(a)、(b)中の第1指標表示部202a〜202dにおいて、星マークの数によって表されるようになっている。
最も確変期待度の低いグループ1は、1つの星マークによって包括的に示されており、次に確変期待度の低いグループ2は、2つの星マークによって、同じく包括的に示されている。さらに、グループ3は3つの星マークによって包括的に示され、最も確変期待度の高いグループ4は4つの星マークによって示されるようになっている。なお、各キャラクタの確変期待度の値や算出法については後述する。
続いて、前述の第2指標表示部204a〜204hについて説明する。第2指標表示部204a〜204hは、各キャラクタA〜Hに対応付けられた所定の第2指標(ここでは出玉量)を表すようになっている。ここでいう出玉量は、当せんした大当りの種類に応じて遊技者が獲得し得る賞球数の概算を示すものである。さらに、このリスト演出においては、出玉量を「報酬」と称する場合がある。
出玉量(報酬)は、理論上、1入賞当りの賞球数、1ラウンドの入球数(カウント数)、大当りの種類に応じて定められたラウンド数の積により求めることができる。そして、1入賞当りの賞球数を15球、1ラウンドの入球数を10カウント、大当りの種類を15R大当りとした場合には、出玉量は2250個となる。また、大当りの種類を7R大当りとした場合には、出玉量は1050個となり、5R大当りとした場合には、出玉量は750個となる。
図25(a)、(b)に示す例では、キャラクタA、Bに対応付けられた出玉量はぞれぞれ2250個、1050個となっており、キャラクタA、Bに対応する第2指標表示部204a、204bには、「2250」、「1050」の数値が表示されている。さらに、キャラクタC〜Eに対応付けられた出玉量はそれぞれ2250個、1050個、750個となっており、対応する第2指標表示部204c〜204eには、それぞれ「2250」、「1050」、「750」の数値が表示されている。
同様に、キャラクタF、Gに対応付けられた出玉量はぞれぞれ2250個、1050個となっており、対応する第2指標表示部204f、204gには、「2250」、「1050」の数値が表示されている。そして、キャラクタHに対応付けられた出玉量は2250個となっており、対応する第2指標表示部204hには、「2250」の数値が表示されている。
なお、大当りの種類として、例えば、15R大当りであっても、一部のラウンドにおける第1大入賞口91(又は第2大入賞口92)の開放期間が例えば0.5〜1秒程度と短く、実質的に7R大当りや5R大当りと同じ程度の出玉(出球)しか獲得できないといったもの(15R確変(実7R)や15R確変(実5R)など)を設けることが可能である。 そして、上述のような開放期間が短いラウンドにおいても入賞が発生する場合があり、このような場合には賞球の払出しが行われることから、実際の出玉量は、第2指標表示部204a〜204hに表示された数値を超える場合がある。
また、キャラクタの種類と、確変期待度や出玉量等の各指標との組合せは、ここで説明する組合せに限定されるものではない。さらに、各指標についても、確変期待度や出玉量以外の指標を採用することが可能である。例えば、出玉量に代えて、大当りのうち最大ラウンド数(ここでは15R)の大当りに当せんする率(例えば「最大出玉率」などと称することができる)などをいずれかの指標として採用することが可能である。さらに、その他にも、例えば、味方キャラの強さ(勝率)の順、必殺技を繰り出す割合、などといった指標を採用することも可能である。
そして、必殺技を繰り出す割合を指標として採用した場合には、例えば、主人公キャラや味方キャラが、予め定められている自らの必殺技で敵キャラに勝った場合には最大ラウンド数や出玉量の大当りとなるが、必殺技ではない技で勝った場合には、相対的に少ないラウンド数や出玉量の大当りにしかならない、といった演出制御を採用することができる。
ここで、図25(a)に示す前述の演出状態表示領域206は、そのときの演出の状態を表示できるようになっている。図25(a)の例では、この演出状態表示領域206に、登場しているキャラクタ(キャラクタH)と、キャラクタに対応付けられた確変期待度(ここでは「96%以上」)が文字表示されている。また、前述の大当り遊技状態表示領域207は、大当り遊技である特別遊技の進行状況を表示できるようになっている。図25(a)の例では、大当り遊技状態表示領域207に、そのときのラウンド数(ここでは3R目)と賞球の獲得状況(ここでは現在の報酬としての450個)が文字表示されている。
さらに、図25(a)に示す前述のメッセージ表示領域208は、そのときの演出の状態に応じたメッセージを表示できるようになっている。図25(a)の例では、このメッセージ表示領域208に、発生した大当りが「第4大当り」である旨のメッセージが連続してテロップ表示されている。また、前述の右打ち表示領域209は、右打ちすべき状況である旨の表示を行えるようになっている。図25(a)の例では、「右打ち」の文字表示が行われている。
<<キャラクタ配置の決定手法(ラウンドバトル中)>>
<<<ラウンド演出中のリスト演出に係る第1ソート>>>
次に、図25(a)、(b)のリスト演出におけるキャラクタA〜Hの配置の決定手法について説明する。図26(a)の図表には、各キャラクタA〜Hと、確変期待度や出玉量等の指標との関係を示している。図26(a)の図表の最上段は、前述の第1指標表示部202a〜202dに対応しており、当該最上段には、確変期待度に基づくキャラクタの分類(グループ1〜4)を示している。さらに、図26(a)中の次段(上から2段目)には、前述したキャラクタの種別(A〜H)を示している。
また、図26(a)中の次段(上から3段目)には、各キャラクタA〜Hの確変期待度を表した数値を示しており、その次段(上から4段目)には、各キャラクタA〜Hの出玉量を表した数値を示している。そして、図26(a)の図表における、確変期待度の分類、キャラクタ、及び、出玉量における行方向の並び(順番)は、図25(a)、(b)に示すリスト演出における、確変期待度のグループ、キャラクタ、出玉量の横方向の並びに一致している。そして、図25(a)、(b)に示すリスト演出におけるキャラクタ等の並びは、図26(a)のキャラクタ等の並びに基づき決定されるようになっている。
なお、図26(a)の最下段に示すのは本実施形態とは異なる実施形態についての指標であり、確変期待度や出玉量以外の指標として、各キャラクタA〜Hの大当り期待度を示している。この大当り期待度を指標として用いる実施形態については後述する。
本実施形態では、キャラクタA〜Hの大よその確変期待度は、図26(a)に示すように左から順に、20%、25%、50%、44%、45%、70%、73%、96%以上(96%〜)となっている。そして、キャラクタA、Bが属するグループ1(星マークが1つのグループ)については、図中の左から右へいくほど確変期待度が高くなっている。
このグループ1については、例えば包括的に、確変期待度が20%程度(或いは25%程度など)のグループであると称することができる。以下では、このグループ1を「20%程度のグループ」、「25%程度のグループ」、或いは、「劣勢のグループ」などと称する場合がある。さらに、グループ1のキャラクタA、Bに係る出玉量は、前述したように2250個、1050個であり、確変期待度とは逆に、図中の左から右へいくほど出玉量が少なくなっている。
続いて、キャラクタC〜Eが属するグループ2(星マークが2つのグループ)については、確変期待度は、図中に左から右へ示すように50%、44%、45%となっており、いずれも、グループ1に係る確変期待度の最大値(ここではキャラクタbの25%)より大きくなっている。このグループ2については、例えば包括的に、50%程度のグループであると称することができる。以下では、このグループ2を「50%程度」、或いは、「50:50(フィフティーフィフティー)」のグループなどと称する場合がある。さらに、グループ2のキャラクタC〜Eに係る出玉量は、前述したように2250個、1050個、750個であり、図中の左から右へいくほど出玉量が少なくなっている。
続いて、キャラクタF、Gが属するグループ3(星マークが3つのグループ)については、確変期待度は、図中に左から右へ示すように70%、73%となっており、いずれも、グループ2に係る確変期待度の最大値(ここではキャラクタC、Eの50%)より大きくなっている。このグループ3については、例えば包括的に、確変期待値が70%程度(或いは80%程度など)のグループであると称することができる。以下では、このグループ1を「70%程度のグループ」、「80%程度のグループ」、或いは、「優勢のグループ」などと称する場合がある。さらに、グループ3のキャラクタF、Gに係る出玉量は、前述したように2250個、1050個であり、確変期待度とは逆に、図中の左から右へいくほど出玉量が少なくなっている。
続いて、キャラクタHが属するグループ4(星マークが4つのグループ)については、属するキャラクタは1種類のみ(キャラクタH)となっている。そして、グループ4のキャラクタHに係る確変期待度は96%以上となっており、グループ3に係る確変期待度の最大値(ここではキャラクタgの80%)より大きくなっている。このグループ4については、ほぼ確変確定のグループであると称することができる。以下では、このグループ4を「ほぼ確変確定のグループ」、或いは、「激熱のグループ」などと称する場合がある。さらに、グループ4のキャラクタHに係る出玉量は、前述したように2250個である。
前述したグループ2について、属するキャラクタC〜Eに係る確変期待度の大小関係は、図中の左から右への昇順(或いは降順)ではなく、不規則なものとなっている。そして、図26(a)の例では、グループ2中、図中の左端に位置するキャラクタCに係る確変期待度は50%であり、その右側のキャラクタDに係る確変期待度は、キャラクタCよりも低い44%となっている。さらに、ここでは、キャラクタDの右側に配置されるキャラクタの確変期待度は、キャラクタDよりも高く、且つ、キャラクタCよりも低い45%となっている。
このように、グループ1とグループ2とで、確変期待度の大小関係が異なるのは、キャラクタの並べ替え規則(ソート規則)が、複数種類定められているためである(ここでは第1ソート規則及び第2ソート規則)。つまり、本実施例では、第1ソート規則のための指標(第1指標)として確変期待度が採用されており、第2ソート規則のための指標(第2指標)として出玉量が採用されている。そして、キャラクタの大よその配置を決定するためのデータ処理として、キャラクタA〜Hの全体について、確変期待度に基づく第1ソート規則により並べ替え(第1ソート)が行われる(本実施形態においては、実質的なキャラクタ個別の確変期待度の数値でなく、確変期待度を示す星の数、すなわちグループ単位でソートしている)。なお、上述の第2ソート規則による並べ替え(第2ソート)については後述する。
図26(a)に示すキャラクタA〜Hについては、確変期待度は、前述したように20%、25%、50%、44%、45%、70%、73%、96%以上となっている。このため、第1ソートにより決定されたキャラクタ配置は、図示は省略するが、確変期待度が小さい順に、キャラクタA(20%)、キャラクタB(25%)、キャラクタD(44%)、キャラクタE(45%)、キャラクタC(50%)、キャラクタF(70%)、キャラクタG(73%)、キャラクタH(96%以上)となる。
そして、この第1ソートの結果に基づいてグループ分けが行われ、確変期待度が小さい順に、2つのキャラクタA、Bがグループ1(星1つ)、3つのキャラクタC〜Eがグループ2(星2つ)、2つのキャラクタF、Gがグループ3(星3つ)、最大の1つのキャラクタHがグループ4(星4つ)にそれぞれ分類される。
なお、上述のようにグループ中のキャラクタの数に合わせてキャラクタA〜Hの割り振りを行うことに限らず、例えば、第1ソート後のグループ分けのための閾値(確変期待度に係る閾値)を設定し、確変期待度が0〜40%未満のキャラクタをグループ1に分類し、40%以上60%未満のキャラクタをグループ2に分類し、60%以上90%未満のキャラクタをグループ3に分類し、90%以上のキャラクタをグループ4に分類することなども可能である。
<<<ラウンド演出中の第2ソート>>>
続いて、出玉量(報酬)に基づく前述の第2ソートについて説明する。この第2ソートは、図26(a)中の各グループ内において、出玉量の少ない順に、キャラクタを左から右へ配置するものとなっている。例えば、グループ1については、キャラクタAの出玉量は2250個であり、キャラクタBの出玉量は1050個である。そして、出玉量に関しても、確変期待度と同様にキャラクタBについての値が大きくなっているため、第2ソートによるキャラクタA、Bの配置変更は行われず、キャラクタA、Bの配置は第1ソートによる配置と変わらない。
これに対しグループ2については、キャラクタCの出玉量は2250個であり、キャラクタDの出玉量は1050個であり、キャラクタEの出玉量は750個であり、出玉量の大小関係は確変期待度の大小関係(D、E、Cの順で44%、45%、50%)と異なっている。そして、グループ内では第2ソートが優先され、キャラクタC〜Eの配置は、出玉量の大小関係に合わせて、図26(a)の左からキャラクタC、キャラクタD、キャラクタEの順に並べ替えられる。
続いて、グループ3についても第2ソートが行われるが、グループ1と同様に、出玉量と確変期待度とで大小関係が一致しているため、第2ソートによるキャラクタF、Gの配置変更は行われない。さらに、グループ4については、属するキャラクタが1つのみであるため、第2ソートによるキャラクタ配置の変更は行われない。ここで、図26(a)では、第1ソートに係る第1指標が示された行を「ソート順1」と表し、第2ソートに係る第2指標が示された行を「ソート順2」と表している。
このように一旦、第1ソートによる大まかなキャラクタの配置によってグループ分けがされた後、第2ソートにより、グループ内での配置が変更される場合が生じ得る。そして、第2ソートによる配置変更は、第1ソートの結果、第2指標に係る値(ここでは出玉量)、キャラクタの種類といった、配置決定要素次第では行われずに、第1ソートの結果のままとなる場合がある。
また、キャラクタの配置は、例えば、一方向に順次強くなる或いは弱くなる、といったことを遊技者に認識させ易くすることができるものである。この点は、第1ソートが行われ、第2ソートが行われていない段階でキャラクタA〜Hの配置及び表示を行ったとしても、同様にいえることである。このような点に加えて、更に第2ソートを行うことにより、単純に昇順や降順の並びにとどまることなく、全体中の一部に、他の規則に基づく変化を与えることが可能になる。
本実施形態では、第1ソートの結果をグループ化し(グループ1〜4)、更にグループ内で第2ソートに基づく配置変更を行っていることから、全体としては第1ソートに基づくキャラクタ配置の印象を遊技者に与えつつ、更にその中でも、所定のキャラクタに勝利すれば最大の出玉が獲得できる、といった思考を遊技者に促すことができる。このため、キャラクタ配置の多様化や、遊技者に与える印象の多様化が可能である。
さらに、例えば、遊技者に特に強調して見せたいキャラクタが存在するような場合に、第1ソートでは当該キャラクタが目立つ位置に表示されなかったとしても、第2ソートにより目立つ位置に配置される可能性が生じる。したがって、単に第1ソートを行っただけでは所望の演出効果を出せなかったような場合でも、第2ソートによって、当該キャラクタを目立つ位置に配置できる可能性が生じる。
なお、ここでいう「目立つ位置」としては、例えば、リスト表示領域201の端部(図25(b)の例では左右端部)や中央部などを例示することができる。図25(b)に示す例のようにキャラクタ表示部(203a〜203h)の数が偶数の場合には、中央に近い部位を上述の中央部とすることができる。
また、第2ソートを行う前に、出玉量と確変期待度とで大小関係が一致しているか否かの判定を行い、一致する場合には第2ソートを行わないようにすることも可能である。また、同様に第2ソートを行う前に、グループに属するキャラクタが1つのみか否かの判定を行い、1つのみである場合には第2ソートを行わないようにすることも可能である。
また、例えば、図25(a)に示すようなバトル演出を実行する場合、「当り2」の図柄比率を、バトル演出が行われる場合以外(バトル演出が行われない場合)は100%とし、バトル演出が行われない場合には、「当り1」及び「当り2」のうちの「当り2」のみが発生するようにすることなどが考えられる。そして、この場合のゲーム性は、変動演出中にバトル演出が実行されない場合は「当り1」が発生せず、このことによって遊技者を落胆させ得る、といったものとなる。
<<第1ソート及び第2ソートを行うことによる発明の作用効果>>
以上説明したようなリスト演出を行うぱちんこ遊技機によれば、確変期待度や大当り期待度といった第1指標によりキャラクタのソートを行った後、更に他の第2指標を用いキャラクタのソートが行われる。このため、キャラクタの複合的で複雑なソートが可能となる。例えば、図26(a)に示した確変期待度や大当り期待度に係るグループ2の例のように、順番の入れ替わりが生じる場合があり、このようなことから、1つの指標の値に応じて単に昇順や降順で配置した場合に比べて、より複雑で多様なソートが可能になる。
さらに、リスト演出は、複数段階(ここでは2段階)でキャラクタの表示順を決定する演出であるということもできる。このため、例えば、キャラクタに対応付けられた移行可能性のある演出モードを一旦所定数に絞り、更にその後に移行可能性がある演出モードを段階的に絞っていく、といった演出が可能となる。
また、リスト演出は、限定頻度パターン演出や先読み演出などのように、他の演出機能と組み合わせて使用することが可能である。そして、このことによっても、前述したように多様な演出が可能となる。
<<<確変期待度(勝率)の算出手法>>>
次に、前述した確変期待度(勝率)の算出手法について説明する。図26(b)の図表は、大当り時における、確変と非確変(通常)との振り分け、及び、確変となる場合の演出(確変演出)の振り分けを示している。そして、本実施形態では、確変となる場合には、キャラクタA〜Hを用いたバトル演出である「キャラAバトル」、「キャラBバトル」、・・・、「キャラHバトル」が実行される場合があり、バトルに勝利したキャラクタに応じて大当りの種類(確変大当りの種類)が異なるよう、演出が行われるようになっている。
図26(b)の例では、図表の最上段左端に図表の種別(ここでは「ラウンド演出振り分け」)が記載されており、その右側に「選択率(%)」、「選択率(%)×図柄比率(%)」 が記載されている。さらにその右側には確変期待度となる「勝率」が記載されている。これらの下(次段)には、特別遊技(大当り遊技)に係る演出の種類として「バトルなし」と、ラウンドバトルありの演出となる「敗北当り」、「当り1」、「当り2」、「敗北当り(ア)」、「当り1(イ)」、「当り2(ウ)」、「イ+ウ」が記載されている。これらのうち、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」は、前述した大当たりの種類(図24参照)に対応している。また、「敗北当り(ア)」、「当り1(イ)」、「当り2(ウ)」、「イ+ウ」の意味については後述する。
さらに、図26(b)の左端部(表側)には、演出の種類に係る項目が示されている。具体的には、「基本通常ラウンド演出」と、その下の「特殊通常ラウンド演出」は、バトル演出を行わない場合のラウンド演出を示している。これらのうち「基本通常ラウンド演出」は、バトル演出ではない一連のラウンド演出のうち基本となるものを一纏めに示している。また、「特殊通常ラウンド演出」は、バトル演出ではない一連のラウンド演出のうちの特定のものを一纏めに示している。この「特殊通常ラウンド演出」としては、突然確変(突確)の場合のラウンド演出などを例示できる。
そして、「基本通常ラウンド演出」の右側に示す「95」、「0」、「0」、「0」の数値は、「基本通常ラウンド演出」の選択割合が、「ラウンドバトルなし」、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」のそれぞれの場合について、95%、0%、0%、0%であることを示している。また、上述の「特殊通常演出」の右側に示す「5」、「0」、「8.8」、「10」の数値は、「特殊通常ラウンド演出」の選択割合が、「ラウンドバトルなし」、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」のそれぞれの場合について、5%、0%、8.8%、10%であることを示している。
さらに、図26(b)に示す「キャラAバトル」〜「キャラHバトル」は、バトル演出の種類を示している。そして、「キャラAバトル」は、前述のキャラクタAが勝利する内容のバトル演出を示しており、「キャラBバトル」は、前述のキャラクタBが勝利する内容のバトル演出を示している。同様に、「キャラCバトル」〜「キャラHバトル」は、対応するキャラクタC〜Hが勝利する内容のバトル演出を示している。
図26(b)に示すように、「キャラAバトル」の選択割合は、「敗北当り」の場合には21%、「当り1」の場合には3.7%、「当り2」の場合には0%となっている。本実施形態では、前述したように「敗北当り」、「当り1」、「当り2」の図柄比率(ラウンド振り分け)を、35%、50%、15%としている。このため、「キャラAバトル」の選択割合を、図柄比率を用いて計算すると、7.35%(=21%×0.35)、1.85%(=3.7×0.5)、0%(=0%×0)となる。以下では、これらを各演出に係る「図柄選択割合」と称する。
前述したように、「敗北当り」は、キャラクタがバトルに負ける演出が行われる大当りの種類であり、「当り1」及び「当り2」は、キャラクタがバトルに勝つ演出が行われる大当りの種類である。このため、キャラクタの勝率は、「敗北当り」となる図柄選択比率を「ア」、「当り1」となる図柄選択比率を「イ」、「当り2」となる図柄選択比率を「ウ」と表した場合に、(イ+ウ)/(ア+イ+ウ)の計算式により求めることができる。
上述の「キャラAバトル」を例にすれば、確変大当りの図柄選択比率の合計である(イ+ウ)の値は、図26(b)に示すように1.85(=1.85+0)となる。さらに、キャラクタAが勝利していずれかの確変大当りとなる確率(勝率)は、(1.85+0)/(7.35+1.85+0)≒0.20=20%となる。そして、この勝率は、図26(a)に示すキャラクタAの確変期待度(20%)として算出されたものである。
図26(b)の「キャラBバトル」についても同様に、「キャラBバトル」の選択割合は、「敗北当り」の場合には18%、「当り1」の場合には1%、「当り2」の場合には10.5%となっており、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」の図柄比率は、6.3%、0.5%、1.575%となる。そして、確変大当りの図柄選択比率の合計値は2.075となり、キャラクタBの勝率は、2.075/(6.3+0.5+1.575)≒25%となる。なお、キャラクタBの勝利報酬(出玉量)は、図25において「1050」であることが示されているが、大当り中の演出として味方キャラ参戦など、先の実施形態で示したような出玉昇格演出や、必殺技を繰り出して敵を倒すと出玉量「2250」などの演出を伴うことがあるため、出玉量が「2250」である「当り1」において、「キャラBバトル」が展開されることがあるようになっている。他の出玉量「2250」以外のキャラバトルも同様であり、出玉量「2250」のキャラバトルのみ「当り2」では実行されないよう設定されている。
さらに、「キャラクタCバトル」〜「キャラクタHバトル」についても、図26(b)に示す「敗北当り」、「当り1」、「当り2」の場合の選択比率から、図柄選択比率を求めることにより、キャラクタC〜Hの勝率は、概ね50%、44%、45%、70%、73%、96%となっている。そして、これらの勝率は、図26(a)に示す確変期待度とされ、キャラクタA〜Hのソート(第1ソート)の指標として用いられている。
なお、サブメイン基板301におけるキャラクタの決定は、後述するキャラクタの出現率の下で行われるものとなる。そして、サブメイン基板301におけるキャラクタの決定は、一律にメイン基板102で決定されたメイン変動パターンによって決まるものではなく、サブメイン基板301で、複数の選択対象となるキャラクタの中から独自に決定される場合があるものである。
このため、図25(a)、(b)や、後述する図27(a)〜(c)のような勝率の算出手法は、メイン基板102やサブメイン基板301のいずれか一方における変動パターンの決定割合を示しているといったものではない。そして、図25(a)、(b)や図27(a)〜(c)により例示する勝率の算出手法は、メイン基板102及びサブメイン基板301により一連の変動パターン決定の結果を包括的に概念化して示しているものであるといえる。
<<ラウンド演出中のコマンド受信に係る演出制御態様>>
ここで、ラウンド演出中に各キャラクタに係る演出を実行するための演出制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、大当り中にメインからサブへ送信されるコマンドには、演出を指定するコマンドは特に含まないものとする。そして、ラウンド演出がバトル演出である場合には、メイン基板102から、図柄1又は図柄2に係る、1R目の大当り中デモ1(大当り中大入賞口開放時のコマンド)が送られる。
サブメイン基板301は、記憶していたバトル演出相手情報(ここではキャラBとする)に応じた1R目用の演出(主人公とキャラBが向かい合う演出など)に係るサブメインコマンドをサブサブ基板302へ送る。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ、2R目に係る大当り中デモ2が送られた場合に、サブメイン基板301は、2R目用の演出(主人公またはキャラBのどちらが攻撃を仕掛けるかを表示する演出など)に対応するサブメインコマンドを送る、といったものとすることができる。
<<大当り図柄先読み[ALL_MAXゾーン]他>>
次に、図26(b)における、「キャラクタAバトル」〜「キャラクタHバトル」以外の演出について説明する。図26(b)には、「キャラクタAバトル」〜「キャラクタHバトル」以外の演出として、「ALL_MAXトリガ」と「キャラクタK参戦」に係る勝率が示されている。ここでは、これらの「ALL_MAXトリガ」や「キャラクタK参戦」演出が、ラウンド演出として「キャラクタAバトル」〜「キャラクタHバトル」とともに選択対象となる場合について説明する。
なお、「ALL_MAXトリガ」や「キャラクタK参戦」は、ここで説明するラウンド演出としてのみではなく、大当り発生前(例えばリーチ中など)の変動演出や、大当り前のはずれ変動における変動演出においても実行される一連の先読み演出および変動演出、さらに大当り中のラウンド演出の実行に関するものである。具体的には、これら「ALL_MAXトリガ」「キャラクタK参戦」のラウンド演出の実行契機となる情報(当り図柄、変動パターンなどの先読み情報)を基に、後述する「ALL_MAXゾーン」等の先読み演出が実行される。そして、これらの演出が変動演出として実行される場合には、保留記憶情報に基づき当否先読み抽選の結果ないし、図柄先読み抽選の結果を参酌する先読み演出としても実行が可能である他、更に当否抽選の先読み結果に基づかない限定頻度パターン演出としても実行が可能である。そして、これらの演出を変動演出として実行する場合については、ラウンド演出としての実行に係る説明を行った後に適宜説明する。
これらの「ALL_MAXトリガ」や「キャラクタK参戦」のうち、「ALL_MAXトリガ」は、先読み情報であり、「ALL_MAXゾーン」等の演出への移行の期待度が相対的に高いことを示している。
ここで、「ALL_MAX」は「オールマックス」と呼称されるものである。また、「ALL_MAXゾーン」は、「ALL_MAXモード」ということができる。そして、「ALL_MAXゾーン」は、その時点で複数残っているキャラクタのうち、どのキャラクタが勝利しても最大出玉量(ここでは2050個)の大当り(15R大当り)となることを遊技者に示すゾーン(遊技区間)となっている。
さらに、「ALL_MAXゾーン」が実行される場合(「ALL_MAXトリガ」の実行に係る先読み情報が記憶されている場合など)に登場するキャラは、所定のキャラ抽選によりランダムに決定されるようになっている。そして、この「ALL_MAXゾーン」は、「当り1」「敗北当り」に当せんしている旨の情報が、メイン基板102からサブメイン基板301に送信された場合に、決定(選択)することが可能な演出となっている。
また、「ALL_MAXゾーン」への契機とされ得る「ALL_MAXトリガ」については、「敗北当り」と「当り1」の場合に決定され得るものとなっている。そして、「ALL_MAXトリガ」の選択割合は、図26(b)に示すように、「敗北当り」の場合には2%、「当り1」の場合には37%、「当り2」の場合には0%となっている。さらに、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」の図柄比率は、0.7%、18.5%、0%となり、確変大当りの図柄選択比率の合計値は18.5となる。そして、「ALL_MAXトリガ」が選択された場合に「当り1」となる割合(ここでは「勝率」と称する)は、前述のキャラクタHの勝率と同じ96%となっている。
<<キャラK参戦モード>>
続いて、前述の「キャラクタK参戦」について説明する。この「キャラクタK参戦」は、出現割合が相対的に極めて低いキャラクタKがバトルに参戦する演出である。図26(b)においては、「キャラクタK参戦」の名称に「(プレミア)」を付している。そして、この「キャラクタK参戦」は、「当り1」に当せんしている場合に限り決定されるものとなっている。さらに、「キャラクタK参戦」が決定された場合には、対応する変動パターンの選択も行われる。また、「キャラクタK参戦」で登場するキャラクタKは、負けることがないキャラクタとして設けられている。
図26(b)に示すように、「キャラクタK参戦」の選択割合は、「敗北当り」の場合には0%、「当り1」の場合には10%、「当り2」の場合には0%となっている。さらに、「敗北当り」、「当り1」、「当り2」の図柄比率は、0%、5%、0%となり、確変大当りの図柄選択比率の合計値は5となる。そして、「キャラクタK参戦」が選択された場合に「当り1」となる割合(ここでは「勝率」と称する)は100%となっている。
<リスト演出を用いた変動演出に係る演出制御態様>
<<キャラクタ配置の決定手法(リーチ中)>>
<<<変動演出中のリスト演出に係る第1ソート>>>
次に、図25(b)に示すようなリスト演出を、これ以前にも説明したように、変動演出の一部としてリーチ中やリーチ前などに実行する場合について説明する。前述の図26(a)には、本実施形態で用いられるソートのための指標として、大当り期待度が示されている。この大当り期待度は、前述のラウンドバトル演出を行う実施形態の確変期待度に代えて用いられる指標(第1指標)である。そして、本実施形態において大当り期待度は、前述の第2指標である出玉量と組み合わせて用いられるようになっている。
図27(a)〜(c)の図表は、変動演出の一部として図25(b)に示すようなリスト演出を行う場合の、各キャラクタA〜Hの勝率算出手法を示している。ここで、図27(a)〜(c)では、当否抽選におけるはずれを片仮名で「ハズレ」と示している。
変動演出に係る本実施形態においては、前述したラウンドバトルのバトルロイヤル方式と異なり、遊技者側キャラが主人公キャラ固定となり、主人公キャラと各キャラクタA〜Hがバトル演出を行い、主人公キャラが勝利した場合に、対戦相手キャラクタの種類に応じた大当りが発生する。このため、キャラクタA〜Hとのバトル演出での勝率は、各キャラクタの大当り期待度として考えることができるものであり、図26(a)における各キャラクタの大当り期待度は、図27(a)〜(c)に示す勝率と一致している。なお、勝率(大当り期待度)の算出手法については後述する。
図26(a)においては、各キャラクタA〜Hの大当り期待度(勝率)は、20%、25%、50%、45%、50%、65%、80%、95%以上(95%〜)となっている。なお、ここでは説明が煩雑にならないよう、キャラクタA〜Hの大当り期待度に係る大小関係と、前述の確変期待度に係る大小関係とを一致させているが、両者の大小関係が一致していることは必須ではない。
本実施形態においても、キャラクタA〜Hに対して第1ソートの後に第2ソートが行われているが、第1ソートは、大当り期待度に基づいたものとなっている。このため、第1ソートによるキャラクタ配置は、図示は省略するが、大当り期待度が小さい順に、キャラクタA(20%)、キャラクタB(25%)、キャラクタD(45%)、キャラクタC及びE(50%)、キャラクタF(65%)、キャラクタG(80%)、キャラクタH(95%以上)となる。
そして、この第1ソートの結果に基づいてグループ分けが行われ、大当り期待度が小さい順に、2つのキャラクタA、Bがグループ1(星1つ)、3つのキャラクタC〜Eがグループ2(星2つ)、2つのキャラクタF、Gがグループ3(星3つ)、最大の1つのキャラクタHがグループ4(星4つ)にそれぞれ分類される。
なお、キャラクタC及びEの大当り期待度が、小数点以下を含めて完全に一致している場合には、キャラクタC及びEを同順位として扱うことが可能である。キャラクタC及びEの大当り期待度が、小数点以下で異なっている場合には、小数点以下の相違を加味して、第1ソートによる順番を決定することが可能である。
また、確変期待度を指標とした実施形態と同様に、例えば、第1ソート後のグループ分けのための閾値(大当り期待度に係る閾値)を設定し、大当り期待度が0〜40%未満のキャラクタをグループ1に分類し、40%以上60%未満のキャラクタをグループ2に分類し、60%以上90%未満のキャラクタをグループ3に分類し、90%以上のキャラクタをグループ4に分類することなども可能である。
<<<変動演出中のリスト演出に係る第2ソート>>>
続いて、確変期待度の場合と同様に、出玉量に基づく第2ソートが行われる。ここでは、キャラクタA〜Hの出玉量の値(及び大小関係)は、確変期待度に基づくソートを行う場合と同じ値となっている。そして、第2ソートにより、キャラクタA、B、F〜Hの順番は、第1ソートの場合と変わらないが、キャラクタC〜Eについては、第1ソートによる順番と異なる。つまり、第1ソートの場合は、大当り期待度が小さい順にキャラクタD(45%)、キャラクタC及びE(50%)となったが、第2ソートを行うことにより図26(a)に示すように、出玉量の多い順にキャラクタC、D、Eの並びとなる。
<<<大当り期待度(勝率)の算出手法>>>
次に、図27(a)〜(c)に基づき、勝率(大当り期待度)の算出手法を説明する。先ず、図27(a)は、図25(b)に示すようなリスト演出がリーチ演出として実行される場合について、各キャラクタA〜Hに係る勝率の算出手法を示している。図中の左端(表側)に示す「はずれ通常変動」は、リーチにならない演出パターン(非リーチの演出パターン)を包括的に意味している。次段の「その他リーチ」は、リーチ演出のうち、後述するキャラAリーチ〜キャラHリーチ以外のリーチを包括的に意味している。
続いて、図27(a)に示す「キャラAリーチ」は、図25(b)のようなリスト演出を行う演出であって、且つ、キャラクタAが最終に残るリーチ演出を意味している。この「キャラAリーチ」は、その後に大当りとなる場合と、大当りとならずにはずれとなる場合があるものである。また、「キャラAリーチ」の右側に示す「0.8」の数値は、当否結果がはずれとなる場合における、「キャラAリーチ」の選択割合(%)を示している。なお、図27(a)では、各演出の選択割合を、「1変動振分」と記載している。
さらに、その右側に示す「10」は、当否抽選の結果が大当りであり、且つ、大当りの種類が、前述したように出玉量が最大となる「当り1」である場合における「キャラAリーチ」の選択割合(%)を示している。また、その右側に示す「0」は、当否抽選の結果が大当りであり、且つ、大当りの種類が、出玉量が最大とはならない「当り2」である場合における「キャラAリーチ」の選択割合(%)を示している。
つまり、図27(a)の例では、「当り2」に当せんした場合には、「キャラAリーチ」は選択されないようになっている。そして、演出上は、「キャラAリーチ」に発展すると、大当りになる場合は必ず「当り1」となり、「当り1」にならない場合ははずれになる、とうことがいえる。
また、更にその右側に示す「0.784」、「0.2」、「0」の数値は、「モード中出現頻度」を示している。この「モード中出現頻度」は、例えば「キャラAリーチ」となっているモードにおいて、遊技の結果が「はずれ」、「当り1」、「当り2」になる割合を各々示している。ここでは、説明が煩雑にならないよう、大当り確率を1/50(はずれる確率が49/50)と単純化して演算を行っているため、「はずれ」になる割合は、0.784×(49/50)の演算式により求められている。さらに、「当り1」になる割合は、0.2×(1/50)の演算式により求められており、「当り2」になる割合は、0×(1/50)の演算式により求められている。
ただし、正確には、図24中に示すような大当りの種類に係る図柄比率を含めて計算を行う必要がある。つまり、図柄比率は、「当り1」の15R確変が50%、「当り2」の10R確変、7R確変、5R確変がそれぞれ5%となっている。このため、「当り1」については0.5を乗じ、「当り2」については0.15を乗じることで、より正確な演算を行うことが可能である。しかし、ここでは説明や図示が煩雑にならないよう、図柄比率を考慮した算出手法については省略している。
そして、「キャラAリーチ」に発展した場合、遊技の結果がはずれになる割合は0.784(約78%)となっており、「当り1」になる割合は0.2(20%)となっている。そして、遊技の結果が「当り2」になる割合は0(0%)となっている。
さらに、「キャラAリーチ」に関して、更にその右側に示す「0.2」の数値は、「モード中出現頻度」における「当り1」及び「当り2」の合計である。そして、その右側に示す「勝率(主人公キャラが勝利する演出の選択率)」の数値は、「モード中出現頻度」における、「合計」の数値を、「はずれ」、「当り1」、及び、「当り2」の合計で除して得られている。具体的には、0.2/(0.784+0.2+0)の演算により得られた数値の百分率が、「勝率」の値(20%)として示されている。この「20%」の値は、図26(a)で示したキャラクタAに係る大当り期待度(20%)と一致するものである。
続いて、次段の「キャラBリーチ」について説明する。この「キャラBリーチ」については、「はずれ」、「当り1」、「当り2」に係る「1変動分振分」が、それぞれ「0.6」、「2」、「8」となっている。そして、「はずれ」、「当り1」、「当り2」に係る「モード中出現頻度」は、「0.588」、「0.04」、「0.16」となっており、キャラクタBの「勝率」は25%となっている。この「25%」の値も、図26(a)におけるキャラクタBの大当り期待度(25%)と一致するものである。
次段以降に示した「キャラCリーチ」〜「キャラHリーチ」についても同様に、「1変動振分」の値に基づき、対応するキャラクタC〜Hの「勝率」が算出されている。そして、図27(a)の例では、キャラクタC〜Hの勝率は、50%、45%、50%、67%、80%、95%となっており、図26(a)における各キャラクタの大当り期待度と一致している。
なお、このようなリスト演出を伴う変動演出は、例えば、リーチ演出の中でも相対的に大当り期待度が高い(高期待度の)リーチ演出などに利用することが考えられる。また、リーチ演出として実行することに限らず、リーチ前に、高期待度のリーチ演出に発展する可能性が高いリーチへの前段の演出として利用することも可能である。
また、リスト演出を伴う変動演出は、前述した実施形態のような極短い変動時間(例えば0.6秒程度)の変動パターン(ここではメイン変動パターン及びサブ変動パターン)とは異なり、演出表示の趣向性を遊技者に積極的に提示することが望ましいものである。このため、少なくとも1秒から3秒以上といった十分な演出表示時間を有する変動パターンとして設けることが望ましい。
このようにすることで、変動時間によって、遊技回数(当否抽選等の回数)を適正な頻度に保つことが可能になる。そして、所定時間あたりの出玉量を所定の程度以内に収めたいような場合に、所定時間あたりの出玉量が過大になることを防止でき、適正な遊技を担保することが可能となる。なお、所定時間あたりの出玉量としては、所謂「短期出玉」、「中期出玉」、「長期出玉」などがあり、上述の実施形態によれば、1時間程度の出玉量に係る「短期出玉」の担保に関して特に効果的である。
また、前述した実施形態のような極短い0.6秒程度の変動パターンとの組合せで、例えば特定遊技中の演出を行うことも可能である。具体的には、例えば、時短中の1〜100回(変動回数)までの遊技では、少なくとも1秒から3秒以上の時間を要するものの中から変動パターンを決定し、100回を超えた後の特定遊技中(或いは特定遊技後)には、0.6秒程度のものの中から変動パターンを決定する、といったことが考えられる。このようにすることによっても、所定時間あたりの出玉量(特に短期出玉)に係る性能の担保を効果的に行うことができる。
<<キャラクタの出現率>>
次に、複数のキャラクタを登場させる場合におけるキャラクタの出現率について説明する。複数のキャラクタのうちのいずれか登場するような演出を行う場合、以下に説明するように、メイン基板102におけるメイン変動パターンの選択率と、サブメイン基板301におけるサブ変動パターンの選択率との乗算により、キャラクタが出現する比率(出現率)を算出することができる。なお、以下では、説明を簡略化するため、最終的に出現し得るキャラクタの種類をA〜Dの5種類とする。また、メイン変動パターンの選択割合や、各キャラクタの選択割合についても簡略化した数値を用いる。
例えば、メイン基板102において、キャラAに係る「キャラAバトル」のメイン変動パターン1、キャラBに係る「キャラBバトル」のメイン変動パターン2、キャラCに係る「キャラCバトル」に係るメイン変動パターン3の3種類のうち、いずれかのメイン変動パターンを選択する場合を考える。そして、メイン基板102における、メイン変動パターン1の選択割合を5とし、メイン変動パターン2の選択割合を3とし、メイン変動パターン3の選択割合を2とする。つまり、メイン変動パターン1〜3の選択割合を、5:3:2であるとする。
続いて、サブメイン基板301において、メイン変動パターン1〜3に係るコマンドを受信した場合に、1種類のメイン変動パターンから、複数種類のキャラクタのうちのいずれかを独自に選択する場合があるものとする。例えば、サブメイン基板301でメイン変動パターン1を受信した場合には、キャラAに係る演出を80%の割合で選択し、キャラBに係る演出を20%の割合で選択し得るものとする。
さらに、サブメイン基板301でメイン変動パターン2を受信した場合には、キャラBに係る演出を80%の割合で選択し、キャラCに係る演出を20%の割合で選択し得る。また、サブメイン基板301でメイン変動パターン3を受信した場合には、キャラCに係る演出と、キャラDに係る演出を50%ずつの割合で選択し得るようになっている。
つまり、サブメイン基板301では、1つのメイン変動パターンに対して複数のサブ変動パターンを選択可能な1対多(1対複数)の関係で、サブ変動パターンの決定を行う場合が比較的多くあるようになっている。そして、サブメイン基板301においてキャラAに係る演出を選択する割合(キャラAの出現率)は、メイン基板102でのメイン変動パターン1の選択割合が「5」であり、サブメイン基板301でのキャラAの選択割合が80%であることから、4(=5×80%)となる。
また、サブメイン基板301においてキャラBに係る演出を選択する割合(キャラBの出現率)は、メイン変動パターン1に基づく割合と、メイン変動パターン2に基づく選択割合の合計になる。つまり、メイン基板102でのメイン変動パターン1の択割合が「5」であり、サブメイン基板301での、メイン変動パターン1に基づくキャラBの選択割合が20%であることから、メイン変動パターン1に基づくキャラBの選択割合は、1(=5×20%)となる。
さらに、メイン基板102でのメイン変動パターン2の択割合が「3」であり、サブメイン基板301での、メイン変動パターン2に基づくキャラBの選択割合が80%であることから、メイン変動パターン2に基づくキャラBの選択割合は、2.4(=3×80%)となる。そして、これらの合計値は3.4(=1+2.4)となる。
また、サブメイン基板301においてキャラCに係る演出を選択する割合(キャラCの出現率)は、メイン変動パターン2に基づく割合と、メイン変動パターン3に基づく選択割合の合計になる。つまり、メイン基板102でのメイン変動パターン2の選択割合が「3」であり、サブメイン基板301での、メイン変動パターン2に基づくキャラCの選択割合が20%であることから、メイン変動パターン2に基づくキャラCの選択割合は、0.6(=3×20%)となる。
さらに、メイン基板102でのメイン変動パターン3の択割合が「2」であり、サブメイン基板301での、メイン変動パターン3に基づくキャラCの選択割合が50%であることから、メイン変動パターン3に基づくキャラCの選択割合は、1(=2×50%)となる。そして、これらの合計値は1.6(=0.6+1)となる。
また、サブメイン基板301においてキャラDに係る演出を選択する割合(キャラDの出現率)は、メイン基板102でのメイン変動パターン3の選択割合が「2」であり、サブメイン基板301でのキャラDの選択割合が50%であることから、1(=2×5%)となる。
このようにしてキャラクタA〜Dの出現率を決定することができ、キャラクタA〜Dの出現率は、キャラA:B:C:D=4:3.4:1.6:1となる。なお、メイン変動パターンの種類や、サブメイン基板301で選択可能なキャラクタの種類などが増えた場合でも、個々のメイン変動パターンやキャラクタについて同様な演算を行うことで、各キャラクタの出現率を決定することが可能である。
<<リタイア演出>>
次に、図27(b)、(c)の図表について説明する。図27(b)、(c)は、限定頻度パターン演出としてリスト演出を行う場合における各キャラクタの勝率計算例を示している。つまり、上述した図27(a)が、限定頻度パターン演出のものとは異なる演出パターンとして「キャラクタAリーチ」〜「キャラクタHリーチ」が実行される場合を示すものであったのに対し、図27(b)、(c)は、特定の場合に限って使用される限定頻度パターン演出として、「キャラクタAリーチ」〜「キャラクタHリーチ」が実行される場合を示すものである。
これらのうち図27(b)は、一部の所定のキャラクタ(ここではキャラクタBとキャラクタE)が対戦相手として出現しなくなった(リタイアした)状況のリスト演出(ここでは「リタイア演出」と称する)を行う場合のものである。このようなリタイア演出の利用形態としては、例えば、キャラクタBとキャラクタEが既に敗北し、バトルに参加しなくなった状況を表すものを例示できる。この場合、例えば、出現しなくなったキャラクタB、Eに係るキャラクタ表示部203b、203eに「×」の印(バツ印)を表示し、更に生き残っているキャラクタに係るキャラクタ表示部よりも暗く表示して、該当するキャラクタが対戦相手として出現しない状況であることを示す、といったことが可能である。
図27(b)に示すように、「キャラBリーチ」と「キャラEリーチ」に係る「1変動振分」は、「はずれ」、「当り1」、「当り2」のいずれについても「0」となっており、「キャラBリーチ」や「キャラEリーチ」が選択されることがないようになっている。ここで、図27(b)においては、「勝率」の欄に「−」(ハイフン)を記載して、キャラクタBとキャラクタEが出現しないことを示している。
また、出現しないキャラクタを設けることで、出現しないキャラクタに係る「1変動振分」の値が「0」になるため、他のキャラクタに係る値を変更して、全体の数値バランスを調整する必要が生じる。図27(a)の例では、キャラクタDとキャラクタGに係る「はずれ」、「当り1」、「当り2」の各値を、図27(a)の通常頻度の場合に比べて増やすことで調整を図っている。また、図27(a)の例では、キャラクタHに係る「当り1」の値も変更している。さらに、リスト演出を行わない「はずれ通常変動」や「その他リーチ」についても、数値の変更を行っている。
なお、このようなリタイア演出については、以下のようなものとすることができる。例えば、キャラクタが敗北した場合にリタイアするといったものではなく、リスト演出の開始時から除外されているようにしてもよい。また、限定頻度期間が終了した場合など、サブメイン基板301において、演出の整合を図るよう、例えばいずれかのキャラクタを復活させるなどの演出を選択するようにしてもよい。
また、リタイア演出は、限定頻度パターン演出として行うことに限らず、先読み演出として行ったり、単なるモード中の予告抽選に伴う変動演出として行うことも可能である。そして、先読み演出として行う場合には、「当り1」、「当り2」のいずれに当っているかや、限定頻度期間であるか、予告によるリタイアが発生していないかなどに応じて、リタイアするキャラクタを決定することが考えられる。予告演出等により、すべてのキャラクタや一定数以上(例えばリスト人数−1)がリタイアした場合に、いずれかのキャラクタを復活させるようにしてもよい。
<<士気低下演出>>
続いて、図27(c)は、図27(b)の例のように敗北(リタイア)までには至らないが、所定のキャラクタ(ここではB及びE)のバトルする士気が低下しているかのような状況のリスト演出(ここでは「士気低下演出」と称する)を行う場合のものである。この場合も、例えば、リタイア演出の場合と同様に、対象のキャラクタB、Eに対して「×」の印(バツ印)を表示したり、暗く表示したりして、戦闘意欲が低下している状況であることを示す、といったことが可能である。
図27(c)に示すように、「キャラBリーチ」に係る「1変動振分」は、「はずれ」が「0.05」、「当り1」が「4」、「当り2」が「16」となっており、図27(a)の通常頻度の場合の「0.6」、「2」、「8」に対して変更されている。さらに、「はずれ」の場合の数値が減っているのに対し、「当り1」や「当り2」の場合の数値は増えており、当りの場合に選択される割合が増加している。
また、「キャラEリーチ」に係る「1変動振分」は、「はずれ」が「0.1」、「当り1」が「6」、「当り2」が「34」となっており、図27(a)の通常頻度の場合の「0.4」、「3」、「17」に対して変更されている。さらに、「はずれ」の場合の数値が増えているのに対し、「当り1」や「当り2」の場合の数値は減っており、はずれの場合に選択される割合が増加している。そして、「キャラBリーチ」及び「キャラEリーチ」の「勝率」は、通常頻度の場合の25%、50%から、いずれも89%に増加している。
このような士気低下演出を行うことにより、演出上円滑にキャラクタを復活させることができる。なお、士気低下演出は、例えば「戦闘意欲低下演出」などと称することも可能である。また、士気低下演出の際には、例えば演出表示装置60に「弱ってるみたいだぜ」の文字表示などを行うことが考えられる。
<<変動演出における「ALL_MAXゾーン」及び「キャラクタK参戦」>>
次に、前述した「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」を変動演出中に実行する場合について説明する。前述したように、「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」は、変動演出中(リーチ前やリーチ中など)にも実行が可能なものである。さらに、これらの演出は、保留記憶情報に基づく先読み演出としても、当否抽選の結果に基づかない限定頻度パターン演出としても実行することが可能である。
また、これらの「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」を、変動演出として実行する場合には、100%の割合、或いは、ほぼ100%の割合で大当りとなる、といったように、大当りとの相関を相対的に強めることが考えられる。さらに、これらの「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」は、変動演出として用いられる場合には、このように大当りとの相関を強める用途で用いるのに適したものであるといえる。そして、大当りとの相関を強めた演出は、当否抽選の結果に係る保留記憶情報に基づく先読み演出として行うことが可能である。
さらに、これらの「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」を先読み演出とする場合は、当否抽選の結果がはずれの場合の実行割合を著しく低くし、はずれの場合にはほとんど実行されることがない(ほとんど大当りの場合にしか実行されない)ものとすることが考えられる。
一方、これらの「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」を、当否抽選の結果を参照しない態様で行われる限定頻度パターン演出とした場合には、「ALL_MAXゾーン」や「キャラクタK参戦」が15R大当り濃厚演出であるため、当否抽選が当りかつ15R大当り図柄である場合に限り、キャラクタ(バトル)リーチへ発展することとなり、通常状態よりもバトルリーチへの発展割合が相対的に低くなる。これらの演出を限定頻度パターン演出とする場合には、当否抽選の結果がはずれの場合には、キャラクタ(バトル)リーチ演出へ移行する確率が相対的に低くなるようにし(はずれの場合には滅多に移行しない)ものとすることが考えられる。
図28(a)には、特定遊技中に「ALL_MAXゾーン」に突入した場合の演出表示例を示している。この図28(a)の例では、演出状態表示領域206で「ALL_MAX_ZONE」の文字表示が行われ、リスト表示領域201で、すべてのキャラクタに係る出玉量の表示(第2指標表示部の表示)がいずれも2050個になるように変更されている。ここで、図28(b)には変動演出中の態様を図示しているが、図示されているようなリスト演出の態様は、ラウンド演出中にも応用して利用することが可能である。
また、「ALL_MAXゾーン」のような演出の具体的態様として、更に以下のようなものを考えることがきる。例えば、「主人公覚醒」の演出の一部として、複数の可動演出部材を組み合わせるよう動作させる(役物完成の動作)。さらに、演出表示の内容として、所定のキャラクタ(主人公キャラ或いは味方キャラ)の攻撃が敵キャラに当る(攻撃ヒット)。そして、敵キャラが倒れ、所定の時間を要する演出が実行されて、バトルに勝利する。ここで、敵キャラが倒れて勝利が確定する内容の演出の時間(演出尺)は、複数の敵キャラに共通の時間となっており、共通の時間を要する演出からいずれかの演出が選択される。一方、バトルに敗北する場合には、攻撃が敵キャラに当らず(ヒットせず)、敵キャラに逃げられる、といったものを例示できる。ここで、説明した演出態様は、バトル演出に適用ができないものではないが、変動演出中に行うのがより好ましいと考えられるものである。
また、「ALL_MAXゾーン」の演出は、最大出玉量に対応する種類の大当り図柄に当せんしている場合に限り実行されることで、演出効果が最大化されるものであると考えることができる。このため、変動演出中の「ALL_MAXゾーン」は、限定頻度パターン演出としては実行せず、先読み演出として実行することが望ましい(限定頻度演出にて行う場合は、15R以外の当りをキャラクタバトルリーチ以外で報知する必要があり、演出バランスが変わってしまうため)。また、変動演出における「ALL_MAXゾーン」の演出は、ある程度の演出時間を必要とし、例えば0.6などのように極めて短い変動パターンには組合せ難いものである。このため、メイン基板102で所定時間(例えば10秒など)以上の変動パターン(メイン変動パターン)が選択された場合に限り、選択され得るようにすることが望ましい。
図28(b)には、特定遊技中に「キャラクタK参戦」に突入した場合の演出表示例を示している。この図28(b)の例では、演出状態表示領域206で「キャラK参戦中 勝率777%」の文字表示が行われ、リスト表示領域201で、すべてのキャラクタがリタイアしている態様で表示されている。さらに、メッセージ表示領域208では、「悶絶中」のメッセージが連続してテロップ表示されている。ここで、図28(b)には変動演出中の態様を図示しているが、図示されているようなリスト演出の態様は、ラウンド演出中にも応用して利用することが可能である。
<リスト演出の更なる多様化>
これまでに説明したリスト演出(リタイア演出や士気低下演出を含む)については、以下のようなものとすることが可能である。例えば、バトル演出について、変動中(変動演出中)に通常サイズのキャラクタ同士や、ミニキャラ同士がバトルする演出表示を実行するものとすることができる。ここでいう「ミニキャラ」は、例えばキャラクタA〜Hなどを2頭身で描いたキャラクタである。また、バトル演出は、主人公対(vs)敵キャラ、味方キャラvs敵キャラ、或いは、敵キャラ同士などのバトルを行うものとすることができる。リーチに発展していない状況におけるバトル演出などの変動演出の結果は、リストに対し士気低下演出やリタイア演出として反映される。
さらに、バトル演出は、1回の変動中(1変動中)に開始されて終了するもの(1回の変動に係る変動時間に収まるもの)であってもよく、複数回の変動(複数変動)に跨って開始から終了までが実行されるもの(1回の変動に係る変動時間に収まらず複数回の変動を要するもの)であってもよい。また、バトル演出は、所定のキャラクタ(例えば主人公キャラ)が登場した場合には、主人公キャラは全く負けない、或いは、ほとんど負けない、といった演出も可能である。
また、前述のリタイア演出については、限定頻度パターン演出が行われる複数回の変動演出うちの所定回目(例えば1変動目)を、リタイア演出用のパターンテーブル(リタイア演出用テーブル)を使用して行い、リタイアするキャラクタを報知するための演出の決定を行うものとすることができる。この場合、メイン基板102では限定頻度パターンテーブルを用いてメイン変動パターンを決定し、サブメイン基板301では、リタイア演出用テーブルを用いてサブ変動パターンを決定する、といった制御態様とすることが可能である。
また、例えば、ミニキャラ(或いは通常形態のキャラクタ)がバトルを行い、勝敗の結果に応じて、第1指標や第2指標の値の表示内容を変更する、といった演出制御態様を採用することも可能である。そして、バトルの結果に応じて、確変期待度(又は当り期待度)を示す星の数や、出玉量の数値を増減させることが考えられる。
例えば、前述のように限定頻度パターン演出としてリタイア演出を実行した場合に、所定の出玉量のキャラクタがリタイアしている状況で、リタイアしている当該キャラクタの出玉量に相当する大当りに当せんしてしまう場合が考えられる。このようなキャラクタの状況と抽選結果との不整合が生じるのを防止するため、リタイアしたキャラクタの復活を可能とし、当せん結果に合わせてキャラクタを復活させるようにしてもよい。
また、演出上、リタイアの扱いとはせずに、士気低下や怪我の演出を行い、士気や怪我の回復により、キャラクタの出玉量(或いは大当り期待度など)と当選結果との整合を図ることも考えられる。また、士気低下や怪我により出玉量等の数値を低減させ、士気や怪我の回復により、出玉量等の数値を基に戻す、或いは、初期値(デフォルト値)よりも増加させる、といったことも可能である。なお、大当り期待度の高いキャラクタについては出玉量が少なくなるよう対応付けを行い、出玉量の多いキャラクタについては大当り期待度が低くなるよう対応付けを行うことが考えられるが、士気やけがの回復があった場合に、大当り期待度(勝率)を上げたり、出玉量を減少させたりすることが考えられる。
なお、サブメイン基板301の側では、メイン基板102から伝えられる当りの種類を特定のものに制限したり変更したりといった処理はできない。このため、メイン基板102では出玉量が750個に相当する大当りに当せんしているのに対し、サブメイン基板301では、2250個の出玉量に対応付けられたキャラクタに勝利するサブ変動パターンが選択される、といった演出内容と出球量(報酬)の不整合(齟齬)が生じないようにする必要がある。そして、このような場合に係る対策としては、サブメイン基板301において、キャラクタの種類と出玉量(法主)との関係を変更する演出を実行し、出玉量を750個に変更して整合を図ることなどが考えられる。
さらに、味方キャラがバトルする場合に、リスト演出を先読み演出として実行することも可能である。例えば、先読み演出として、味方キャラが敵キャラを倒すと、その時点で倒した敵キャラの出玉量を蓄積(ストック)する。そして、先読みに係るトリガ保留に対応した変動演出(トリガ変動の変動演出)が行われる際に、そのときの敵キャラの出玉量に、ストックしていた出玉量を加算(上乗せ)する、といったことが可能である。
より具体的には、例えば、出玉量が750個のキャラクタを先読み演出時に倒し、その次の変動演出時に、出玉量が1050個のキャラクタとのバトル演出に発展させ、1800個(750個+1050個)の出玉量として演出を実行する、といったものを例示できる。
ただし、例えば、先読み演出として出玉量が750個のキャラクタを倒し、トリガ変動で2250個のキャラクタが登場した場合などには、合算した出玉量(ここでは3000個)が、1回の大当りの最大出玉量(ここでは2250個)を超えた値となることも考えられる。このような場合には、例えば、合算後の出玉量の表示を2250個に止め、差分の最大出玉量(ここでは750個)を利用した演出を行うことが考えられる。
より具体的には、超過した差分があることを遊技者に知らせるよう演出を行い、差分が大当り期待度や確変期待度等の指標の数値の増加(アップ)に繋がる期待を煽るように演出を進行させる、といったことが可能である。この場合は、必ず指標がアップするものに限らず、煽ったうえでアップしない(所謂ガセ)の演出を行うことも可能である。さらに、指標のアップに繋がる期待を煽る演出としては、バトルやミッションの進行状況を示し、バトルの勝利やミッションの成功があった場合に指標をアップさせる、といったものを例示できる。また、差分の量が多いほど指標がアップし易い、といった演出も考えられる。
なお、また、バトルの場面を伴うようにすることで、演出に必要となる時間が長くなり易いと考えられる。このため、台詞の表示による予告(台詞予告)を行い、例えば、「キャラBがやられたようだ」の台詞が文字表示された場合にはキャラBをリタイアさせるといったことや、「キャラBはやる気がないみたいだぜ」の台詞が文字表示された場合にはキャラBの士気を低下させる、といったことが可能である。このようにすることで、短時間でキャラクタの状況を変化させることが可能となる。そして、キャラクタの状況を変化させるにあたり、例えば、保留数が所定数(例えば2個)よりも多い場合にはバトル演出を実行し、保留数が少ない場合には台詞予告を実行する、といったことも可能である。
<<リタイア演出及び士気低下演出と時短回数とを関係付けた演出制御態様>>
前述した図22(b−3)では、図柄の種類に応じて変動パターンテーブルが変更される例を示したが、リタイア演出や士気低下演出についても、変動パターンテーブルの変更を行うことが考えらえる。図29(a)は、リタイア演出や士気低下演出に係る限定頻度パターン演出の遷移を示す図表である。図29(a)において、記号Dは、前述した例の場合と同様に、通常とされる時短中変動パターンテーブルを示している。
さらに、図29(a)の記号Eはリタイア演出に係る変動パターンテーブルを示しており、記号Fは士気低下演出に係る変動パターンテーブルを示している。リタイア演出に係る変動パターンテーブルや、士気低下演出に係る変動パターンテーブルは、いずれも複数種類設けられている。そして、図中の記号E´(イーダッシュ)は、他の種類のリタイア演出に係る変動パターンテーブルを示しており、記号F´(エフダッシュ)は、他の種類の士気低下演出に係る変動パターンテーブルを示している。
図29(a)に示す例では、15R確変に係る図柄として、15R確変1〜4の4種類が示されており、その右側には、時短中の図柄変動回数に応じて使用される変動パターンテーブルが示されている。
例えば、15R確変1の図柄に当せんした場合には、特別遊技が終わった後における時短遊技において、変動回数が1〜30回の間は、変動パターンテーブルDが使用される。さらに、時短中の変動回数が31〜60回の間は、リタイア演出に係る変動パターンテーブルEが使用され、61〜90回の間は、使用される変動パターンテーブルがDに戻される。そして、時短中の変動回数が91〜120回の間は、リタイア演出に係る他の変動パターンテーブルであるE´が使用される。このような変動パターンテーブルの遷移は、リタイア演出の後、非リタイア演出へ移行した後、他のリタイア演出へ移行するものであるということができる。
また、15R確変2の図柄に当せんした場合には、時短中の変動回数が1〜30回の間、及び、31〜60回の間は、15R確変1の図柄に当せんした場合と同様に、変動パターンテーブルD、Eが使用される。さらに、時短中の変動回数が61〜90回の間は、士気低下演出に係る変動パターンテーブルFが使用され、変動回数が91〜120回の間は、リタイア演出に係る変動パターンテーブルであるE´が使用される。このような変動パターンテーブルの遷移は、リタイア演出の後、士気低下演出を経て、他のリタイア演出へ移行するものであるということができる。
同様に、15R確変3の図柄に当せんした場合には、D、F、F´、E´の順で変動パターンテーブルが使用される。このような変動パターンテーブルの遷移は、士気低下演出から他の士気低下演出へ移行して士気低下演出を継続し、その後にリタイア演出へ移行するものであるということができる。
さらに、15R確変4の図柄に当せんした場合には、D、F´、E、Fの順で変動パターンテーブルが使用される。このような変動パターンテーブルの遷移は、士気低下演出からリタイア演出へ移行し、他の士気低下演出へ移行するものであるということができる。
なお、図29(a)に示す例では、30ゲーム(30回)毎に変動パターンテーブルを変更しているが、これに限定されるものではなく、例えば、20回毎や40回毎などに変更を行ってもよい。また、一定のゲーム数毎に限らず、例えば、1〜20回目では変動パターンテーブルD、21〜60回までは変動パターンテーブルD、といったように、異なる回数で変動パターンテーブルの切り替えを行うようにしてもよい。このようにすることで、変動パターンテーブルの切り替えが、予め決まっていたテーブル移行によるものなのか、或いは、先読みによるものなのかの区別が遊技者にとって分り難くなり、演出の多様化が可能となる。
また、図29(a)の例では、最大の時短回数を120回としているが、これに限定されるものではなく、例えば100回未満の場合があったり、120回を超える場合があったりしてもよい。図柄2は20回ごと、図柄3は15回毎などでもよい。
さらに、各テーブルの移行タイミングでの演出内容としては、表示内容の継続性があるような演出を、移行タイミングを跨いで実行すること(演出内容の引き継ぎを行うこと)や、場面転換などの手法により継続性を保たないようにすること(演出内容の引き継ぎを行わないこと)などが考えられる。また、変動パターンテーブルの遷移は、図29(a)で例示したものに限らず、種々のものを採用可能である。
<<リスト演出とボタン演出とを関係付けた演出制御態様>>
さらに、これまでに説明したようなリスト演出は、前述した操作ボタン22を利用したボタン演出と関係付けることも可能である。例えば、リスト演出が開始された際に、遊技者が操作ボタン22を連打すると敵キャラが順次消去されてリタイアし、その後、敵キャラが1人になってバトル演出が進行される場合や、敵キャラが全員いなくなり、確変(或いは大当り)となる、といったものを例示できる。
敵キャラを順次消去する際には、例えば、操作ボタン22を所定回数(5回など)押下する毎に、敵キャラが1人ずつ消去されるような演出を考えることができる。また、確変や大当りとならない場合には、操作ボタン22を連打しても、それ以上は敵キャラが消去されない、といった演出も考えることができる。さらに、操作ボタン22の連打を行い、確変や大当りが確定した際には、所定の複数の可動演出部材が組み合わさるよう変位する、といったものも考えることができる。
また、操作ボタン22を所定回数ずつ連打することに限らず、例えば、1人の敵キャラを消去するのに要する操作回数を、敵キャラの種類によって、或いは、状況によって、異ならせ手もよい。さらに、1回のボタン操作によって複数(すべての場合を含む)のテキキャラを消去するようにしてもよい。そして、この場合も、複数の可動演出部材が組み合わさるようにしてもよい。
<<リスト演出の他の表示態様>>
リスト演出の表示態様は、図25(b)に示すような横一列の態様に限られるものではなく、種々の表示態様とすることが可能である。例えば図29(b)に示すように、グループ1〜4の表示欄を上下左右に配置することが考えられる。
図29(b)に示すリスト演出においては、正方形状の枠内が均等に4分割され、各分割領域の上部に第1指標表示部202a〜202dが設けられている。さらに、各第1指標表示部202a〜202dには、2種類ずつのキャラクタ表示部203a〜203hが割り当てられており、グループ1〜4のいずれも、2種類のキャラクタにより構成されている。さらに、各キャラクタ表示部203a〜203hには、1つずつの第2指標表示部204a〜204hが対応付けられている。また、キャラクタA〜Hが表示される各キャラクタ表示部203a〜203hは環状に配置されている。
ここで、本実施形態のリスト演出では、説明が煩雑にならないよう、グループ1〜4に均等にキャラクタの割り当てを行っているが、キャラクタ数の異なるグループが設けられていてもよい。また、図29(b)では、キャラクタB、Cに係る第2指標表示部についての符号は省略している。
各キャラクタA〜Hには、確変期待度や大当り期待度などの第1指標となる値が定められているが、第1指標に係る値は、例えば、図25(a)、(b)や図26(a)に示す前述の実施形態と同様なものとすることができる。本実施形態においても、図25(a)、(b)や図26(a)に示す例と同様に、第1ソートの後に第2ソートが行われ、キャラクタA〜Hの配置(順番)が決定されている。
例えば、変動演出におけるリーチ中に、図29(b)に示すリストを演出表示装置60に表示し、リスト演出を実行することが可能である。このようなリスト演出は、先読みに演出としても、限定頻度パターン演出としても実行することが可能である。さらに、前述した「ALL_MAX ゾーン」、「キャラクタK参戦」、リタイア演出、士気低下演出の何れにも使用することが可能である。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、これまでに説明したリスト演出では個々のキャラクタを表示して発展先や出玉量などを示すようにしているが、これに限定されず、例えば、移行先の演出モードの名称や、発生する可能性がある大当りの種類を、「○○モード」、「○○大当り」のように文字表示してリスト化する、といったことも可能である。また、本発明は、ぱちんこ遊技機に限らず、例えば回胴式遊技機(スロットマシン)に係る演出表示などにも適用が可能なものである。
10 ぱちんこ遊技機、50 遊技盤、52 遊技領域、53 主制御表示装置、
62 第1始動入賞口、63 第2始動入賞口、70 第1特別図柄表示部、
71 第2特別図柄表示部、91 第1大入賞口、92 第2大入賞口、
102 メイン基板、104 サブ基板、301 サブメイン基板、
302 サブサブ基板。

Claims (1)

  1. 遊技の進行を制御する主制御手段と、
    前記主制御手段からの演出制御情報を受信し前記演出制御情報に応じた制御処理を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段により決定された演出に係る画像表示を行う画像表示手段と、を備え、
    前記主制御手段は、
    遊技領域に発射された遊技媒体が前記遊技領域を流下して所定の始動領域を通過したことに基づき所定の乱数を取得し、
    前記乱数には、少なくとも、大当り抽選判定のための大当り乱数と、前記大当り抽選判定の結果を示す特別図柄の決定のための特別図柄乱数と、前記特別図柄に係る変動パターンの決定のための変動パターン乱数とを含み、
    前記大当り乱数に基づき、大当りか否かを判定する大当り抽選判定を行い、
    前記特別図柄乱数に基づき、前記特別図柄を判定する特別図柄抽選判定を行い、
    前記変動パターン乱数に基づき、前記変動パターンを決定する変動パターン抽選判定を行い、
    前記大当り抽選判定、前記特別図柄抽選判定、及び、前記変動パターン抽選判定の結果に基づき、前記特別図柄を主制御表示手段で変動表示した後に停止表示させ、前記大当り抽選判定の結果が大当りであった場合には、前記特別図柄の停止表示の後に所定の開閉領域を所定回開放する特別遊技を実行し、
    前記特別図柄抽選判定の結果に基づき、前記特別遊技の終了後に遊技者に有利となる特定遊技を設定可能であり、
    遊技媒体が前記始動領域を通過しても前記特別図柄の変動表示の開始条件が成立していない場合に、前記乱数に係る特別図柄保留記憶情報を所定数内で記憶することが可能であり、
    前記演出制御手段は、
    前記画像表示手段に複数のキャラクタを所定の配置順序でリスト表示させるリスト演出を決定可能であり、
    前記キャラクタの配置順序は、所定の規則に基づく第1ソートと、前記第1ソートとは異なる規則に基づく第2ソートにより決定されるものであって
    前記第1ソートおよび前記第2ソートは、遊技者に利益が付与される期待度または遊技者に付与されうる利益の有利度合いの指標に基づくソートであり、
    前記第1ソートにより前記キャラクタの配置順序を決定したとき、前記指標における同一の範囲となるグループの単位でキャラクタの配置順序が定まり、第1ソートで定まった前記キャラクタの配置順序が前記第2ソートにより前記グループ内で変更される場合があり、
    前記キャラクタは、前記第2ソートを経て決められた配置順序で並べて表示される場合があることを特徴とするぱちんこ遊技機。
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