以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図5参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。なお、操作ボタン22を、例えばモータ等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出するようにしてもよい。
また、操作ボタン22のほかに十字キー(図示略)が備えられており、この十字キーを用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。本実施例において十字キーは、操作ボタン22の近傍の部位に配置されている。さらに、十字キーは、十字状に配置された4つスイッチを備えている。
上述の十字キーを用いて行われる環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節、後述する演出表示の輝度調節や光量調節、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図3中に示すように、遊技領域52には、始動振分装置54、第2始動入賞装置55、大入賞口91、作動口68、複数の一般入賞口72、及び、アウト口58等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能なリール式(ドラム式)表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、図3では、この主制御表示装置53の図示略を省略しているが、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。そして、盤面構成に係る他の態様については後述する。
<盤面部品の機能>
<<始動振分装置>>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の始動振分装置54は、遊技領域52の左右方向の中央部であって、上下方向の下部位置する部位に配置されている盤面部品である。この始動振分装置54は、遊技領域の最下点部に配置されたアウト口58の直上部に位置している。さらに、始動振分装置54は、図3中に示すように、第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63を1つのケース内に収容したタイプのものであり、当該ケースの上部に開口した共通始動入賞口56を、遊技球が流下可能な案内樋57を介して、第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63に接続している。
上述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、上述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口である。さらに、図4中に示すように、第1始動入賞口62は、遊技球の入球を検出するセンサである第1始動入賞検出装置74を有しており、第2始動入賞口63も同様に、遊技球の入球を検出する第2始動入賞検出装置75を有している。そして、第1始動入賞検出装置74の出力信号と、第2始動入賞検出装置75の出力信号は、前述のメイン基板102にそれぞれ入力されている。
図3中に示すように、前述の案内樋57は、上方の共通始動入賞口56から、下方の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63に向って逆Y字状に分岐している。さらに、案内樋57の分岐部位には、3片の羽根部を有する逆Y字形状(逆T字形状ともいえる)の振分体61を有する可動式の振分機構が配置されている。この振分機構は、振分体61を左右に回動可能に支持したものである。
さらに、振分体61は、共通始動入賞口56から進入して流下してきた遊技球との干渉により、回動して姿勢を変化させるものである。また、振分体61は、その重量バランスや、周辺部品との接触等の作用により、干渉した遊技球によって押圧された後の姿勢を維持できるようになっている。
つまり、例えば、共通始動入賞口56から進入した遊技球が第1始動入賞口62へ流入する場合には、先ず初めの状態として、振分体61は、図3中に示すように、第2始動入賞口63の側(図3中の時計回りの側)に傾いている。そして、共通始動入賞口56から進入した遊技球が振分体61に達すると、この遊技球により振分体61が押されて、図中の反時計回りに回動する。そして、図示は省略するが、振分体61は、反対側に位置する第1始動入賞口62の側(図3中の反時計回りの側)に、その姿勢を転換する。
さらに、次の遊技球が共通始動入賞口56から進入して振分体61に干渉すると、振分体61が、上述の場合とは逆に、第1始動入賞口62の側(図3中の反時計回りの側)に傾いた状態から、図中の時計回りに回動する。そして、振分体61は、図3中に示すように、第2始動入賞口63の側に姿勢を転換する。このように、遊技球が始動振分装置54内に進入する度に、振分体61の傾動動作が繰り返され、遊技球が、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とに交互に入球する。
本実施例においては、上述したような振分機構により、始動振分装置54に進入した遊技球に対し、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63への入球が交互に発生するように調整を行っている。このため、第1遊技及び第2遊技に係る当否抽選(後述する)を、入賞順且つ交互に、均等な割合で行うことが可能となっている。
また、複数(例えば2つ)の遊技球が短時間に連続して始動振分装置54内に入球したような場合や、何らかの原因で振分体61の動作に遅れが生じた場合などには、遊技球の振分けが間に合わず、いずれか一方の始動入賞口(62又は63)で連続して遊技球が検出される場合も生じ得る。しかし、例えば、当否抽選(後述する)が入賞順に行われるような始動口監視制御処理(後述する)のプログラムを採用し、確実に、第1の遊技及び第2の遊技に係る当否抽選を、入賞順且つ交互に、均等な割合で行えるようにすることも可能である。
<<第2始動入賞装置>>
続いて、前述の第2始動入賞装置55について説明する。この第2始動入賞装置55は、前述の第2始動入賞口63と同様に、第2遊技に係る始動入賞口となっているものである。さらに、第2始動入賞装置55は、図3中に示すように、上述の始動振分装置54に対して、遊技者から見て右斜め上の部位に配置されており、遊技領域52の右側における下方寄りの領域に位置している。
また、第2始動入賞装置55は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)となっており、遊技領域の右側を向いて開閉し、開放動作時には入球領域を開口する開閉羽根65を備えている。そして、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根65を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、第2始動入賞装置55への入球が可能となる。なお、図3中においては、開閉羽根65の閉じた状態と開いた状態とが共に実線で記載されている。
さらに、第2始動入賞装置55は、図4中に示すように、第2始動入賞装置55のための第2始動入賞検出装置77(センサ)と、上述の開閉羽根65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。そして、第2始動入賞検出装置77の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞装置55を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。なお、第2始動入賞装置55に係る各種の開放態様については後述する。
<<その他の入賞口及び作動口>>
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、始動振分装置54に対して、遊技者から見て左側の部位の2箇所に配置されており、遊技領域52の左側における下方寄りの領域に位置している。さらに、一般入賞口72は、図4中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えており、一般入賞検出装置73の出力信号はメイン基板102に入力されている。
ここで、一般入賞検出装置73を複数(ここでは2個)の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
続いて、前述の大入賞口91は、図3中に示すように、始動振分装置54に対して、遊技者から見て右側の部位に配置されており、第2始動入賞装置55の下方に位置している。さらに、大入賞口91は、横長の長方形状に形成された開口を有しており、更にこの開口を開閉するための開閉扉91aを備えている。そして、大入賞口91は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、大入賞口91は、図4中に示すように、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の開閉扉91aを開閉駆動する大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
続いて、前述の作動口68は、後述するように遊技球が通過するゲートとなっており、図4中に示すように、通過検出装置69を備えている。この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、通過検出装置69におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されている。
<<センター飾り>>
続いて、前述のセンター飾り64について説明する。本実施例においては、演出に係るモチーフとして、恐竜や、恐竜にまつわる物語(ストーリー)が採用されており、センター飾り64にはこれらのモチーフを表すデザインが施されている。
このセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装された所定数のLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDが各種の態様で駆動されると、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾を行うようになっている。ここで、本実施例においては、センター飾り64や、遊技機枠11、或いはその他の部位に設けられたLEDを「ランプ」と称する場合がある。
また、センター飾り64には、可動演出部材93、94等が設けられており、これらの可動演出部材93、94が、演出用のギミックを構成している。これらのうち、センター飾り64の上部に設けられた可動演出部材(上可動演出部材)93と、遊技者から見て左側部に設けられた可動演出部材(左可動演出部材)94は、所定の演出が実行される場合に、振動や、演出表示装置60の前方への変位などを行うようになっている。
さらに、本実施例においては、センター飾り64の下部にも、可動演出部材(下可動演出部材)95が備えられている。この下可動演出部材95は、卵型の可動部を複数(ここでは5つ)備えている。そして、下可動演出部材95においては、図示は省略するが、所定の演出が実行される場合に卵が割れ、卵の殻の上半分の部位が上方へ変位し、卵に内蔵された模型(ここでは子供の恐竜)が現れるようになっている。
ここで、可動演出部材としては、通常時に遊技者が視認できるものに限らず、例えば、通常時にはセンター飾り64の内部に隠されており、所定の演出が実行される場合に、遊技者に対して視認可能となるものなども採用が可能である。
また、本実施例においては、上述した各種の可動演出部材93〜95とは別に、演出表示装置60に一体化された可動役物96が備えられている。この可動役物96は、可動演出部材の一種であるともいえるものであるが、後述するように、大当り抽選の結果報知に係る図柄(演出図柄)の表示や、遊技状態を表す図柄(遊技状態報知図柄)の表示を行えるようになっている。そして、可動役物96は、水平軸(図示略)を中心として上下方向に回転可能なリール(第4リール)97や、上下動が可能なシャッター98等を備えているが、これらの詳細については、演出表示装置60の詳細とともに後述する。
さらに、センター飾り64には、遊技者から見て左側の部位に、遊技球を案内するワープ通路66が形成されている。そして、センター飾り64は、左側の遊技領域に発射(所謂左打ち)されて流下した遊技球の一部を、ワープ通路66に受入れて、センター飾り64の最下部に設けられたステージ(遊技球転動領域)67に導くようになっている。さらに、センター飾り64の最下部においては、遊技球放出口86が開口しており、ステージ67で転動した遊技球の一部は、この遊技球放出口86から、下方に位置する前述の始動振分装置54の側へ向けて放出されるようになっている。
センター飾り64において、前述の下可動演出部材95の下方には、補助表示領域87が設けられている。さらに、この補助表示領域87には、後述する保留に係る表示を行うための保留数表示部196が、横一列に8つ設けられている。各保留数表示部196は、所定の形状(ここでは恐竜の足跡の形状)の窓を、合成樹脂製のレンズで塞いだ構造を有している。さらに、これらの保留数表示部196のうち、左から7つは、形状や大きさを互いに共通にしており、その向きは、恐竜の歩行を模して、互いに幾分異なっている。
また、図中に符号196aを付して示す右端の保留数表示部は、他の7つよりもサイズを大きくして形成されており、その上部には最大数到達表示部196bが付設されている。この最大数到達表示部196bは、図示は省略するが、「MAX」の文字を象った窓をレンズで塞いだ構造を有している。
さらに、補助表示領域87には、LED基板(図示略)が内蔵されており、保留(後述する)が増えるごとに、左端から順に、保留数表示部196がレンズを介して点灯(或いは点滅)するようになっている。また、本実施例においては、後述するように、最大保留数が8個に設定されている。そして、保留数が8個に達すると、他よりも大きいサイズで形成された右端の保留数表示部196aがレンズを介して点灯(或いは点滅)する。そして、この際には、最大数到達表示部196bも点灯(或いは点滅)し、保留数が最大値である8個に達したことが報知されるようになっている。
<<センター飾りのその他の構成>>
また、センター飾り64の、遊技者から見て右上の部位には、打ち分け表示部88が設けられている。この打ち分け表示部88は、所謂右打ち(後述する)が行われるべき遊技状態になると、遊技者に対して右打ちを促すための表示(打ち分けナビ)を行う。ここで、打ち分け表示部88としては、種々の表示体を用いることが可能である。例えば、多数のLEDを配列したドットマトリクス表示体や、「右打ち」の文字を象った窓にレンズを組み合わせて内部のLEDを発光させるLED表示体などを採用することが考えられる。
また、本実施例においては、打ち分け表示部88において複数色を用いた表示が行われるようになっている。そして、このような複数色の表示は、例えば、光源であるLEDの発色を異ならせることや、偏光シートを用いることなどにより可能である。
さらに、センター飾り64の、遊技者から見て右下の部位には、セグメント表示部89が設けられている。このセグメント表示部89は、図示は省略するが、0〜100までの表示が可能なように3桁分のデジットを用いたものである。そして、このセグメント表示部89は、後述するような所定の遊技状態(所謂確変や時短など)に係る遊技数(ゲーム数)のカウントダウン表示等に用いられる。
また、センター飾り64には、導光板90が備えられている。この導光板90は、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板により構成されているものである。さらに、導光板90は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板90は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板90は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60に備えられた左中右の3つのリール206a〜206c(後述する)に他の像を重ねることなく、各リール206a〜206cの様子を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板90を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストや、所定(例えば「右打ち」など)の文字などが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
また、導光板90の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストや文字(例えば「左打ち」など)等が、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。さらに、本実施例では、所定の遊技状態(例えば所謂確変や時短などの直後の通常遊技状態)においても導光板90が用いられるが、そのような場合における導光板90の制御態様などについては後述する。
<主制御表示装置>
前述の主制御表示装置53は、図7(a)に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、7セグメント表示体やLED表示灯を多数配置したものである。この主制御表示装置53には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
ここで、前述の第1特別図柄表示部70及び第2特別図柄表示部71に表示される第1特別図柄及び第2特別図柄は、必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では遊技領域52の外に配置された主制御表示装置53にて目立たない大きさで表示させている。しかし、特別図柄自体に演出的な役割をもたせるような場合に、例えば、演出表示装置60に、前述のLEDドットアレイ(ドットマトリクスを含む)、7セグメントLED、或いは、小型(5インチ未満程度のサイズ)の液晶表示装置、といった付加的な表示装置(サブ演出表示装置)を追加し、これらの表示装置に第1特別図柄及び第2特別図柄を表示する、といったことも可能である。
また、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄について、演出表示装置60の演出図柄190a〜190cを共用するものを例示している。そして、このような場合には、例えば、第1及び第2のうちのいずれの特別図柄に対応した表示であるかを示す表示(後述する信号機の表示など)を、センター飾り64のいずれかの部位や、上述したような付加的な表示装置において行うようにしてもよい。
なお、普通図柄表示部59の表示内容に対応した普通演出図柄を、普通図柄表示部59とは別途設けてもよく、この場合は、例えば、前述の補助表示領域87を利用することが可能である。また、例えば普通演出図柄の表示を、上述したような各種の付加的な表示装置を設けて行うことも可能である。
<演出表示装置>
上述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図11(a)、(b)に示すように、演出図柄の変動表示が実行される。演出表示装置60は、左リール206a、中リール206b、右リール206c、及び、第4リール97の4つのリールを備えている。
ここで、左中右のリール206a〜206cは、3つまとめて「主リール」と称することや、各々を第1リール206a、第2リール206b、第3リール206cと称することが可能なものである。また、第4リール97は、「副リール」と称することが可能なものである。以下では、左中右の3つのリール206a〜206cを、まとめて「主リール」と称する場合がある。
これらのうち、主リールである左中右のリール206a〜206cは、毎回の変動表示において駆動され、停止時には、後述する演出図柄190a〜190c(図11(b)参照)を、決定された図柄組合せで、所定の有効ライン(後述する)上に停止させるようになっている。
また、右リール206cの更に右側に配置された第4リール97には、後述するように所定の図柄(演出図柄の一部である役物図柄)が配列されている。さらに、第4リール97は、通常は停止しているが、所定の演出が実行される場合には、主リール206a〜206cと同様に回転動作する可動役物である。そして、第4リール97は、外周面に配列された役物図柄によって、所定の遊技状態にあることの表示や、前述した左中右の各リール206a〜206cに配列された演出図柄190a〜190cとの図柄組合せの表示を行えるようになっている。ここで、図11(a)は、主リールである左中右の3つのリール206a〜206cが上方から下方に回転中(変動中)であり、第4リール97が停止している状態を示している。
なお、前述の左中右の3つのリール206a〜206cに配列された左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cを、それぞれ「第1演出図柄」、「第2演出図柄」、「第3演出図柄」と称することが可能である。また、第4リール97の役物図柄を、「第4演出図柄」と称することが可能である。
演出表示装置60においては、有効ライン上に所定の図柄組合せが表示されたか否かによって、大当りが発生するか否かを、遊技者が判別可能となる。本実施例において、有効ラインは、図11(b)に一点鎖線の仮想線で示すように、上段(L1)、中段(L2)、下段(L3)、右上り(L4)、左上り(L5)の5つとなっている。また、本実施例においては、上段(L1)、中段(L2)、下段(L3)に関し、第4リール97を含めて大当りの組合せ表示が行われる場合もある。なお、図11(b)は、4つのリール206a〜206c、97が停止している状態を示している。
また、演出表示装置60の可動役物96には、前述したように、シャッター98が備えられている。このシャッター98は、通常は、第4リール97の上下の部位を隠しており、第4リール97の中段の図柄のみを遊技者が視認できるようにしている。しかし、所定の演出が実行される場合には、上下のシャッター98が互いに離れるように上下に移動し、センター飾り64内に格納されるように動作する。そして、第4リール97の上段、中段、下段の全ての図柄を、遊技者が視認できるようになる。なお、シャッター98を用いた具体的な演出例については後述する。
また、左リール206aと右リール206cが停止した際には、各リールに配列された演出図柄(左演出図柄190aと右演出図柄190c)により、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せが表示される場合がある。この「リーチ」においては、図示は省略するが、左演出図柄190aと右演出図柄190cが、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄や、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190a〜190cの表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190a〜190cによる演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は複数のリールを用いたものとなっているが、これに限らず、前述したように、例えば、液晶ディスプレイやLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。そして、液晶式のディスプレイとしては、大型(例えば15インチ程度)なものを採用することが考えられる。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、付加的な表示体(表示装置)を追加して、複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
このように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体(本実施例の主リールに対応)と、これに比べて小型な表示体(本実施例の副リールに対応、かつ複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。また、可動役物96において、前述の第4リールに代えて、液晶ディスプレイ等を備えることも可能である。さらに、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の視認の障害とならないように、センター飾り64内に隠して配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、遊技者に視認可能なように前方に現れるといった構成を採用することも可能である。
また、付加的な表示体を、各種のリーチ、或いは、大当り等に係る、予兆演出、予告演出、報知演出、終了演出等といった各種の演出に用いたり、ボタン演出(後述する)に用いたり、或いは、音量変更や演出モード設定といった環境設定に用いたりすることも可能である。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する始動振分装置54を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72、始動振分装置54内の第1始動入賞口62や第2始動入賞口63、或いは第2始動入賞装置55などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。さらに、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口58に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口68に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、又は第2始動入賞装置55)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別図柄の停止表示態様が大当りのものであった場合には特別遊技が実行され、この特別遊技においては、大入賞口91が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、16回(16R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、4回(4R)などを例示できる。
各単位遊技においては、大入賞口91において、所定数(例えば9個)の遊技球が検出された場合、又は、開放して所定時間(例えば約30秒)が経過した場合に、終了条件が成立して、大入賞口91が閉鎖される。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63や第2始動入賞装置55が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、本実施例においては、第1遊技と第2遊技が、入賞発生順(入賞順)に応じて実行されるようになっている。
ここで、例えば、第2遊技を第1遊技よりも優先し、第2遊技が実行されている場合や、第2遊技に係る保留が行われている場合には、第1遊技に係る保留があっても、第1遊技を実行しないような制御態様を採用することも可能である。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。
また、特定遊技が実行される場合には、前述の打ち分け表示部88や導光板90における表示や音声などによって右打ちを促す演出が実行される場合がある。そして、このような右打ちの演出が行われている状況で、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、遊技球がセンター飾り64の上方及び右側を通過して、遊技領域52の右下部に達する。そして、遊技領域52の右下部に達した遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
さらに、遊技領域52の右下部に達した遊技球の一部は、作動口68を通過し、通過検出装置69により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図7(a)参照)で変動表示される。そして、普通図柄の変動表示が終わり、普通図柄が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞装置55に係る普通電動役物が所定時間拡開する。
また、本実施例においては、遊技領域52の右下部に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞装置55や大入賞口91の周辺に導くことが可能となっており、第2始動入賞装置55の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞装置55に入球し得るようになっている。さらに、本実施例では、特定遊技中には時短が付加されるようになっており、時短中は、普通電動役物の開放延長(所謂「電チューサポート」と称する)が行われ、前述のロング開放が実行され易くなる。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、大入賞口91が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、前述の打ち分け表示部88等の表示や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、本実施例では、大当りとして、前述の単位遊技を16回繰り返す大当り(以下、適宜「16R大当り」とも称する)や、単位遊技を4回繰り返す大当り(以下、適宜「4R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口91の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口91に所定個数(例えば9個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口91を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、16R大当りや4R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば16R大当りや16R大当りの一部に、確変にならないもの(16R通常や4R通常)を設けることが可能である。また、例えば、16R大当りであっても、大入賞口91の開放期間が短く、実質的に4R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(16R確変(実4R))を設けたり、4R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできないといったもの(4R出球無し)を設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、全ての大当りについて発生するようになっている。このため、本実施例における16R大当りは、全てが、確変を伴う16R大当り(16R確変)であり、4R大当りは、全てが、確変を伴う4R大当り(4R確変)である。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、第1遊技についてのみ小当りが設けられている。第1遊技において、この小当りが発生した場合には、大入賞口91の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様や小当りが発生した場合の制御態様等については後述する。
<主制御表示装置の具体的構成>
次に、前述の主制御表示装置53について、図7に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に、セグメント表示体や多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図7(a)に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256の、正面から見て左上の部位に、左から順に、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233を有している。
第1状態表示灯231は、直線状の2つのLEDセグメントを、一列に並べて、数字の「1」の形態のデジットを構成するものである。第2状態表示灯232は、直線状の7つのLEDセグメントを組み合せて、数字の「8」の形態のデジットを構成するものである。さらに、主制御エラー表示灯233は、第2状態表示灯232の右下に付設された真円状の主制御エラー表示灯用ドットにより構成されるものである。
上述の第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、各セグメントのLEDを選択的に点灯させることで、0〜19の数字、アルファベット文字、ハイフンやその他の記号などの表示が可能となっている。さらに、LEDを点滅させることや、点滅のパターンを異ならせることで、より多様な情報の表示が可能となっている。そして、第1状態表示灯231及び第2状態表示灯232は、例えば、前述の第1遊技又は第2遊技において大当りが発生し、特別遊技が実行される場合におけるラウンド数の表示などに用いられる。また、主制御エラー表示灯233は、例えば、エラーに係る表示などに用いることが可能となっている。
さらに、図7(a)中に示すように、図柄表示基板256には、上から順に2個、4個、10個、10個のLED表示灯が横に所定ピッチで並べられている。そして、これらの合計で26個のLED表示灯は、図柄表示基板256上において、第1状態表示灯231、第2状態表示灯232、主制御エラー表示灯233が配置された部位に対する残りの部位に、整然と並べられている。ここで、図7(a)では、説明の便宜上、合計26個のLED表示灯上にA〜Zの符号を記載している。そして、以下の説明では、図7(a)中に付されたA〜Zの符号によって、各LED表示灯を区別する場合がある。
これらのLED表示灯A〜Zも、点灯の有無や点滅パターンに応じて所定の情報の表示を行えるようになっている。図7(b)には、図7(a)に示すLED表示灯A〜Zと名称との関係を示している。これらのうち、LED表示灯A〜Cは、後述する普通図柄に係る普通図柄記憶表示用第1LED、普通図柄記憶表示用第2LED、普通図柄表示LEDである。また、LED表示灯D、Eは、第3状態表示灯、第4状態表示灯であり、LED表示灯Fは、前述の右打ちを行うべき場合に例えば点灯する右打ち指示灯である。これらのうち、第3状態表示灯(D)は、特別図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられ、第4状態表示灯(E)は、普通図柄に係る確率変動機能の作動状態の表示に用いられる。
さらに、LED表示灯G〜Nの8個は、第1特別図柄表示部70を構成しており、LED表示灯O、Pは、それぞれ第1特別図柄記憶表示用第1LED、第1特別図柄記憶表示用第2LEDである。また、LED表示灯Q〜Xの8個は、第2特別図柄表示部71を構成しており、LED表示灯Y、Zは、それぞれ第2特別図柄記憶表示用第1LED、第2特別図柄記憶表示用第2LEDである。なお、図7(a)中においては、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71に符号を付すため、それぞれのLED表示灯を波括弧の記号により括って示している。
上述の普通図柄表示部59は、1つのLED表示灯Cにより構成されており、このLED表示灯Cの動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。なお、普通図柄表示部59の動作としては、点灯及び点滅の相違や、点滅周期の相違などとにより、多数(例えば3以上)の種類の情報を区別して表示することが可能である。なお、普通図柄の停止表示に係る明確性の観点からは、点灯又は消灯により、普通図柄に係る抽選結果を表示することが望ましい。このため、普通図柄表示部59を構成するLED表示灯の数を例えば2個以上とし、点灯と消灯との組み合せによって、普通図柄の停止図柄を表すようにしてもよい。
前述の第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯G〜Nの動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯G〜Nの点灯と消灯との組み合せによって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯Q〜Xの動作態様によって、最大で256(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
このような構成の主制御表示装置53は、図4中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図4中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<主制御表示装置の機能>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞装置55が所定時間の開放動作を行う。
また、LED表示灯A、Bである普通図柄記憶表示用第1LEDと普通図柄記憶表示用第2LEDは、2個で1組となっており、2つのLEDの消灯と点灯、点滅の組合せにより、0〜4の数値を表示できるようになっている。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示用第1LED(A)及び普通図柄記憶表示用第2LED(B)による、0〜4の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄表示部70による第1特別図柄の保留数の表示については、第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)と第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。第2特別図柄表示部71による第2特別図柄の保留数の表示については、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)の2個を1組として、0〜4の数値を表示することにより行われる。
第1特別図柄記憶表示用第1LED(O)及び第1特別図柄記憶表示用第2LED(P)、又は、第2特別図柄記憶表示用第1LED(Y)と第2特別図柄記憶表示用第2LED(Z)による、0〜4の数値の表示は、例えば、前述の普通図柄記憶表示用第1LED(A)と普通図柄記憶表示用第2LED(B)の場合と同様の態様で保留数の表示を行うことが可能である。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図7(a)参照)の右打ち指示灯Fを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、右打ち指示灯Fは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の具体的構成>
次に、前述の演出表示装置60の構成について説明する。演出表示装置60は、4つのリール(206a〜206c、97)を保持したリールユニット553(図5参照)を備えている。このリールユニット553においては、各リールに各々ステッピングモータが備えらえており、各ステッピングモータが個別に駆動制御されて、各リールを回転させるようになっている。さらに、演出表示装置60においては、各リールが、各々の回転軸が同一直線上に並ぶようにして、リールユニット553により支持されている。
また、各リール(206a〜206c、97)の外周面は、透光性を有する材質で形成されており、各リールは、その内側にバックライト(バックランプ)を備えている。そして、所定の場合にバックライトが点灯駆動や点滅駆動され、遊技者に示された各種の図柄を背後から照らすようになっている。
さらに、各リール(206a〜206c、97)の回転位置は、位置検出センサ(図示略)により検出されるようになっている。この位置検出センサは、リールユニット553に固定されており、各リールの位置制御に必要な信号を出力している。そして、各リールが回転すると、各リールに設けられたインデックスとなる被検出片(図示略)が位置検出センサの検出領域を通過し、その度に、各リールにおける基準位置が検出されるようになっている。
<各リールの図柄配列>
続いて、前述の4つのリール206a〜206c、97における図柄の配列について説明する。各リール(206a〜206c、97)の外周面には、所定の配列で各種の図柄が描かれたリールテープが装着されている。そして、リールテープの材質や構造として光透過性のものが採用されており、各リールのバックライト照明により、描かれた図柄が背後から照らし出されるようになっている。
図12は、各リール(206a〜206c、97)に配された各図柄と図柄番号との対応関係を示している。各リールにおいて、図柄の配置は、リールの外周を、図12中の左端の列(「No.」欄)に示すように、いずれもNo.0〜11の12個に区分して行われている。そして、停止表示される図柄組合せの制御においては、各リールの図柄が図柄番号により管理される。
左中右のリール206a〜206c、第4リール97の4つのリールのうち、左リール206aにおいては、図12中に示すように、図柄No.0〜11の順に、「青7」、「恐竜1」、「赤7」、「ブランク」、「ドデカ(左)」、「赤7」、「ブランク」、「恐竜1」、「恐竜2」、「ブランク」の図柄が配列されている。これらの図柄のうち、「青7」と「赤7」は、いずれも数字の「7」を表した図柄であるが、彩色やデザインによって互いに区別されている。
また、上述の「恐竜1」図柄は、恐竜の一種であるトリケラトプスをモチーフにしたイラストであり、「恐竜2」図柄は、同じく恐竜(翼竜)の一種であるプテラノドンをモチーフにしたイラストである。さらに、「ブランク」図柄は、図中では簡略化して示しているが、恐竜の足跡の化石をモチーフにしたイラストである。
このように多くの演出図柄は、1区分に1つずつ割当てられているが(No.0〜3、No.7〜11参照)、前述の「ドデカ(左)」図柄は、複数の区分(No.4〜6参照)を占めている。この「ドデカ(左)」図柄は、図柄No.4〜6を占めるサイズの大型図柄であり、本実施例では、「ドデカ(左)」として、2足歩行するタイプの恐竜の頭部のイラストが描かれている。
さらに、前述の中リール206bにおいては、図柄No.0〜11の順に、「青7」、「ブランク」、「恐竜2」、「ブランク」、「ドデカ(中)」、「ブランク」、「赤7」、「ブランク」、「恐竜1」、「ブランク」の図柄が配列されている。これらの図柄のうち、「ドデカ(中)」は、図柄No.4〜6を占めるサイズの大型図柄であり、「ドデカ(中)」には、2足歩行するタイプの恐竜の頭部と胴部のイラストが描かれている。そして、この「ドデカ(中)」図柄は、左リール206aの「ドデカ(左)」に対し、右側に連続するイラストを構成するようになっている。
また、前述の右リール206cにおいては、図柄No.0〜11の順に、「青7」、「ブランク」、「恐竜2」、「ブランク」、「ドデカ(右)」、「恐竜2」、「恐竜1」、「ブランク」、「赤7」、「恐竜1」の図柄が配列されている。これらの図柄のうち、「ドデカ(右)」は、図柄No.4〜6を占めるサイズの大型図柄であり、「ドデカ(右)」には、2足歩行するタイプの恐竜の後足や尾のイラストが描かれている。そして、この「ドデカ(右)」図柄は、中リール206bの「ドデカ(中)」に対し、右側に連続するイラストを構成するようになっている。
つまり、左中右の各リール206a〜206cに係る図柄No.4〜6の区画が左右方向に一列に揃うことにより、「ドデカ(左)」、「ドデカ(中)」、「ドデカ(右)」の3図柄が組み合わさり、2足歩行する恐竜のほぼ全身に係るイラストが構成される。
また、前述した各種の図柄のうち、「赤7」、「青7」、「恐竜1」、「恐竜2」、「ドデカ(左)」、「ドデカ(中)」、「ドデカ(右)」は、当否抽選の結果を示すための停止図柄組合せの一部となる図柄である。これに対し、前述の「ブランク」は、当否抽選の結果を示すための停止図柄組合せの一部とはならない図柄である。
つまり、「ブランク」以外の「赤7」、「青7」等の図柄は、所定のいずれかの有効ラインL1〜L5上に所定の組合せで停止表示されることで、大当り等の発生を報知する機能を有している。しかし、「ブランク」が、有効ライン上に揃って停止表示されても、大当り等は発生しないようになっている。
なお、本実施例では、「7」の図柄として「赤7」と「青7」を用いているが、これに限定されず、「赤7」(又は「青7」)と「白7」を用いたり、「赤7」と「青7」に加えて「白7」を用いたりすることも可能である。また、同じ「7」の意味を持ちつつ、外観の大きく異なった複数の図柄を用いることも可能である。また、「赤7」や「青7」等の数字図柄や、恐竜の図柄に限らず、所定の人物、動物、植物、アイテム、記号、文字、単語、メッセージ等のイラストを個々の演出図柄として採用してもよい。
続いて、可動役物96の備えられた第4リールの図柄配列について、説明する。第4リール97においては、図12中に示すように、図柄No.0〜11の順に、「ブランク」、「連続」、「火山」、「G−RUSH」、「ドデカ(777)」、「恐竜1」、「青7」、「恐竜2」、「赤7」、「ブランク」の図柄が配列されている。
これらの図柄のうち、「赤7」、「青7」、「恐竜1」、「恐竜2」は、前述した左中右のリール206a〜206cに配列されたものと同じものである。これに対し、「連続」、「火山」、「G−RUSH」、「ドデカ(777)」は、第4リールに固有の図柄である。そして、これらのうちの「連続」、「火山」、「G−RUSH」は、いずれも12区分のうちの1区分を使用して配置されている。また、「ドデカ(777)」は、例えば左リール206aの「ドデカ(左)」等と同様に、複数の区分(No.4〜6参照)を占めている大型図柄である。
上述の「連続」図柄は、「連」の文字のイラストと、「続」の文字のイラストが上下に並べられて、遊技者が「連続」の単語を認識できるようになっている。また、上述の「火山」図柄は、火山の噴火をデザインしたものであるが、図12中では詳細を省いて台形の図形により単純化して示している。さらに、上述の「G−RUSH」図柄は、遊技状態が、前述の特定遊技状態(確変や時短等)であることを示すためのものとなっている。また、上述の「ドデカ(777)」には、「赤7」を上下3段に並べたイラストと、右リール206cにおける前述の「ドデカ(右)」に連続した、恐竜の尾の一部のイラストが描かれている。
<第4リールの機能>
次に、上述の第4リール97の機能について説明する。本実施例においては、後述するように、主リールである左中右の3リール206a〜206cに同じ図柄が揃った表示態様に加えて、中リール206b、右リール206c、第4リール97の3つのリールで同じ図柄が揃った表示態様によっても、大当りの当せんが報知されるするようになっている。また、主リール206a〜206cと第4リール97の4つのリールで同じ図柄が揃った表示態様も、所定の大当り(ここでは16R(ST+時短50回)の大当り)を報知するものとなっている。
また、第4リール97は、通常の場合には停止しており、所定の演出が実行される場合に回転を行う。さらに、第4リール97の上下の部位は、通常は前述のシャッター98により隠されている。そして、所定の演出が実行される場合に、シャッター98が、閉じた状態から上下に開いた状態に変化し、第4リール97の上下の部位を露出させる。つまり、主リール206a〜206cは、常に各々3図柄分の表示領域の視認が可能となっているのに対し、第4リール97は、閉じたシャッター98により、通常は中段の1図柄分の表示領域のみ視認可能とされている。
また、第4リール97に配列された前述の各図柄(役物図柄)のうち、「火山」、「G−RUSH」は遊技状態を遊技者に報知するために使用される。例えば、遊技状態が通常確率である低確率状態にあるときには、第4リール97は、「火山」を中段の有効ラインL2(図11参照)上で位置させた状態で停止している。また、遊技状態が高確率である確変状態(ST中)にあるときには、第4リール97は、「G−RUSH」を中段の有効ラインL2上で位置させた状態で停止している。
さらに、第4リール97が、「火山」や「G−RUSH」を中段の有効ラインL2上に位置させて停止している際には、シャッター98は、閉じて上下の図柄を隠している。そして、遊技状態が低確率状態から高確率状態に変化する際には、第4リール97が1図柄分回転して、遊技者に示されている図柄を、図柄No.2の「火山」から図柄No.3の「G−RUSH」に変化させる。また、遊技状態が高確率状態から低確率状態に変化する際には、第4リール97は、逆方向に回転して、遊技者に示されている図柄を、図柄No.3の「G−RUSH」から図柄No.2の「火山」に変化させる。
また、第4リール97が遊技状態の表示のために動作する場合、例えば、先の遊技状態における最後の変動演出の開始(変動遊技の開始)時には、第4リール97は停止している。そして、メイン基板102から、この最後の変動演出に係る変動の停止を示す所定のコマンド(後述する特別図柄の図柄確定時のコマンドなど)が出力されて、サブメイン基板301で当該コマンドを受信すると、当該コマンの受信を契機に、移行後の遊技状態に備えて、第4リール97が動作制御される。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図5に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材93、94の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられたリールユニット553、リールユニット553との間を中継するリール中継基板551、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図5に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
また、サブサブ基板302に接続された前述のリール中継基板551は、リールユニット553に備えられたステッピングモータを駆動するためのモータ駆動回路552等を備えている。そして、リール中継基板551は、サブサブ基板302からの出力信号を受信して、モータ駆動回路552を介して、リールユニット553の各リール206a〜206c、97(図3参照)の回転や停止のための制御信号を出力する。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
<メイン基板における基本機能>
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図6中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(各作動口、各種始動入賞口、各種大入賞口、一般入賞口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図7(a)参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9(a)、(b)参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば数秒程度から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図7(a)参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
また、本実施例において、非時短時に係る第2特別図柄の変動パターンについては、保留数に関係なく、所定時間以上のものが選択されるようになっている。そして、この「所定時間」は、前述の可動役物96おける位置制御に要する時間(後述する)を基準として定められている。
ここで、図10(a)〜(c)は、特図変動パターンと変動パターン乱数との関係を概略的に示している。そして、これらのうち、図10(a)は、はずれ時に用いられる変動パターンテーブルを示している。さらに、図10(b)は、16R大当り時に用いられる変動パターンテーブルを示しており、図10(c)は4R大当り時及び小当り時に用いられる変動パターンテーブルを示している。さらに、図8(b)は、図10(a)のはずれ時に用いられる変動パターンテーブルを、図10(a)よりも細分化し、保留数の相違により各種の特図変動パターンの選択割合が異なることを、実際よりも単純化して示している。
なお、本実施例における特図変動パターンの詳細については後述する(図28〜図35)。また、上述のようにメイン基板102で決定される特図変動パターンは、「メイン変動パターン」と称することが可能である。これに対し、後述するように、サブメイン基板301で決定される変動パターンがあり、これは「サブ変動パターン」と称することが可能であるが、これらの具体的な態様については、図28〜図35に基づき後述する。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図3参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図7(a)参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、LED表示灯M、Nを100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図7(a)参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図7(a)参照)で、普通図柄の変動表示を行う。そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図7(a)に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部(LED表示灯O、P)、第2特別図柄記憶表示部(LED表示灯Y、Z)、及び、普通図柄記憶表示部(LED表示灯C、D)にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。本実施例においては、確変状態は、全ての種類の大当りに付帯しており、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(本実施例では50回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時(被特定遊技時)よりも高い値のまま維持される。
また、本実施例において時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(本実施例では50回又は100回)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。なお、特定遊技状態における各遊技状態や、変動パターンの選択などについては後述する。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技として入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞装置55の入り口に配置された開閉羽根65が開放しやすくなる。開閉羽根65の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞装置55の普通電動役物(開閉羽根)や、大入賞口91の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞装置55の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口91を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図6中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190a〜190cの変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図6中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要なリール制御データを、前述のリール中継基板551(図5参照)へ出力する。
<特定遊技に係る各遊技状態>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。本実施例においては、前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、本実施例では、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。本実施例においては、確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、本実施例において確変期間(ST期間)は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(本実施例では50回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能は、例えばSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、本実施例においては、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(本実施例では50回又は100回)に達するまで継続される。
なお、確変期間(ST期間)や、ST後の時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間(ST期間)を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、ST後の時短期間も同様に、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の所定回数(ここでは50回)よりも少ない所定の回数(例えば30回)に達した後には、最大変動回数である50回に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞装置55の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞装置55への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞装置55の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、本実施例における特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞装置55への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞装置55への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図13〜図16等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口91を作動させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図13及び図14に示す制御開始処理、図15に示す遊技進行割込み処理、及び、図16に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図13及び図14に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31)等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞装置55、大入賞口91の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図15に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、及び、第2始動入賞装置55の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口91の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、及び大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図16に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて説明する。なお、以下では、普通電動役物に係るコマンドと、それ以外の主要なコマンドに分けて説明を行うが、ここでは先に、普通電動役物に係るコマンド以外の主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190a〜190cを停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<<特図変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、特図変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、特図変動パターン(「メイン変動パターン」とも称する)の決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことも考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の擬似連続予告(所謂「擬似連」)を行う場合について考えれば、擬似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190a〜190cの組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190a〜190cの組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、変動パターンは、保留球数を要素として決定し、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なるようにすることが可能である。この場合は、変動パターンテーブルを、保留球数に対応して設けることが可能である。さらに、参照する変動パターンテーブルは、変動する特別図柄の種類、当否判定結果および特別図柄の停止図柄種類、特別遊技終了後からの変動回数(限定頻度)なども切り替え条件となる。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<本実施例のぱちんこ遊技機のゲーム性に係る基本仕様>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10のゲーム性に係る基本仕様を、図17に基づき説明する。先ず、本実施例においては、通常時の低確率状態では、図17中の上段左側に示すように、大当り確率は1/199である。さらに、大当り後の確変突入率は100%であり、全ての大当りについて、特別遊技後に確変状態となる。また、本実施例では、確変の態様は、所定回数の変動遊技に亘り確変期間が継続するもの(所謂ST)となっている。
さらに、図17中の上段右側には、特別遊技時におけるラウンド振り分けの態様を示している。本実施例においては、大当りに関して、2種類の16R大当りと、1種類の4R大当りとが設けられている。そして、2種類の16R大当りのうち、1種類は、特別遊技後に50回の確変期間(ST期間)があり、更に確変終了後に、低確率での50回の時短期間が設けられているものである。以下では、この種類の大当りを「16R(ST+時短50回)」と称する。なお、確変期間中も時短が実行されており、このため、この種類の大当りを、16RでST50回、時短100回の大当りと称することも可能である。
また、2種類の16R大当りのうち、もう1種類は、50回の確変期間の終了によって特定遊技が終了し、その後の時短期間が付加されないものである。以下では、この種類の大当りを「16R(ST突入)」と称する。なお、この種類の大当りを、16RでST50回、時短50回の大当りと称することも可能である。
さらに、上述の4R大当りは、特別遊技後に50回の確変期間があるが、確変期間の終了後には時短期間が付加されないものである。以下では、この種類の大当りを「4R(ST突入)」と称する。そして、本実施例においては、16R(ST+時短50回):16R(ST突入):4R(ST突入)の割合は、15%:15%:70%となっている。なお、この種類の大当りを、4RでST50回、時短50回の大当りと称することも可能である。
さらに、図17中の中段から下段には、上述した各種の大当りから、いずれも50回の確変(ST)となることを示している。そして、ST中にける大当り確率は1/51である。また、このST中に大当りが発生した場合のラウンド振り分けは、16R(ST+時短50回):16R(ST突入):4R(ST突入)の割合は、25%:25%:50%となっている。
<本実施例のぱちんこ遊技機における基本的な演出表示例>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、大当り図柄の組合せについて説明し、その後に、変動表示中の各種の演出、特定遊技時の演出、特定遊技終了後の演出などについて順に説明する。
<大当り図柄の組合せ>
図18(a)は、大当りの図柄組合せを構成する図柄の一覧を示している。大当り組合せを構成する図柄は、図中左から「赤7」、「青7」、「恐竜1」、「恐竜2」、各種の大型図柄の5種類である。
また、図18(b)は、大当りの当せんを示す図柄組合せを示している。そして、図18(b)の上段に示すように、「16R ST50回 時短50回」の大当り(前述の16R(ST突入)の大当り)に当せんした場合には、「赤7」又は「青7」を3つ揃えた図柄組合せが、前述の有効ライン(L1〜L5)上に並ぶよう表示される。
ここで、本実施例においては、大当り表示として、主リールである左中右の3つのリール206a〜206cにより「赤7」又は「青7」を、前述の有効ライン(L1〜L5)に3つ揃えるだけではなく、第4リール97を含めた、中リール206b、右リール206c、及び、第4リール97により、「赤7」又は「青7」の3桁のぞろ目を表示する場合がある。このような場合は、第4リール97を含めた有効ライン上に、大当りの図柄の組合せが表示されることとなる。
また、図18(b)の中段に示すように、「4R_ST50回_時短50回」の大当り(前述の4R(ST突入)の大当り)に当せんした場合には、「恐竜1」又は「恐竜2」を3つ揃えた図柄組合せが、有効ライン上に並ぶよう表示される。そして、本実施例では、4R(ST突入)の大当りについても、第4リール97を含めた、中リール206b、右リール206c、及び、第4リール97により、「恐竜1」又は「恐竜2」の3桁のぞろ目を表示する場合がある。この場合も、第4リール97を含めた有効ライン上に、大当りの図柄の組合せが表示されることとなる。
さらに、図18(b)の下段に示すように、「16R_ST50回_時短100回」の大当り(前述の16R(ST+時短50回)の大当り)に当せんした場合には、第4リール97を含めた4つのリール206a〜206c、97により、「赤7」、「青7」、「恐竜1」、「恐竜2」、又は、各種の大型図柄を4つ揃えた図柄組合せが、有効ライン上に並ぶよう表示される。このような場合は、主リール206a〜206cと第4リール97の4つのリールによる有効ライン上に、大当りの図柄の組合せが表示されることとなる。
<変動表示中の各種の演出>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターン(特図変動パターン)に関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190a〜190cを含む演出の態様が規定されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。ここで、演出パターンは、サブメイン基板301において、演出に係る変動パターン(前述のサブ変動パターン)が決定され、このサブ変動パターンに紐付けられた内容のものとなる。
上述した「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「赤7、赤7、赤7」や「青7、青7、青7」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190a〜190cによって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「赤7、ブランク、赤7」や「青7、恐竜1、青7」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190a〜190cによって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「恐竜2、赤7、ブランク」や「青7、青7、恐竜1」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190a〜190cによって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が1分程度に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、演出パターンが紐付けられたサブ変動パターンとして200種類程度の数のものが設けられているが、各サブ変動パターンの具体的な種類については、図28〜図35に基づき後述する。また、本実施例においては、左中右の3つの演出図柄190a〜190cの他に、可動役物96の第4リール97に描かれた図柄(役物図柄)を含めて、3つ又は4つの演出図柄の組合せが表示される場合があるが、この第4リール97を用いた演出パターンや、当該演出パターンが紐付けられたサブ変動パターンについても後述する。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。センター飾り64における演出表示装置60の下部には、図3中に示すように補助表示領域87が設けられている。そして、この補助表示領域87には、前述のように8つの保留数表示部196が設けられており、この保留数表示部196によって、第1遊技及び第2遊技における当否抽選値の保留数が表示される。
本実施例においては、第1遊技又は第2遊技に係る保留が発生すると、上述の保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。本実施例においては、基本の表示態様として青色の表示が採用されており、更に保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、遊技者から見て右端の保留数表示部196aを含めた8つの保留表示が行われる。ここで、これらの保留数表示部196における保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、…、「保7」、「保8」と称することが可能である。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技又は第2遊技に係る演出図柄の表示が行われている最中で、且つ、保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、遊技者から見て左端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」以降に係るの保留は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の右隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、例えば「保2」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技又は第2遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保2」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保2」の保留表示が、保留数表示部196の左側へ移動し、「保1」となる。
上述のように「保2」にあった保留表示が「保1」に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保3」は「保2」の位置にシフトする。さらに、「保4」や「保5」が存在した場合には、「保4」は「保3」の位置にシフトし、「保5」は「保4」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保5」が発生し、更に保留数が増えることにより、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に、それぞれの演出モードにおける保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。たとえば、時短遊技中において右打ちされる場合には、第2始動入賞装置55にしか入球が想定されていないため、保留数表示部196の表示を1つずつ中抜けした形で、間欠的に、第2遊技に対する保留のみ表示する態様(第1遊技に対する保留は非表示)としてもよい。このとき、例えば、初めてST状態となった状況であれば、第1遊技の保留が複数残っている可能性があるため、ST状態に突入した際に残っている第1遊技の保留を全て消化した後に、上述したような第2遊技に係る保留表示態様に切り替えるようにしてもよい。
さらに、保留数表示部196の配置態様は、上述のような、第1遊技と第2遊技に優先順位を設けず、入賞順に第1遊技と第2遊技を実行するものに限定されない。例えば、第2遊技を第1遊技に優先して特別図柄や演出図柄の変動表示を行うことも可能である。そして、このようなタイプのぱちんこ遊技機においては、保留数表示部を第1遊技に係る第1保留数表示部と、第2遊技に係る第2保留数表示部とに区分けして設けてもよい。
また、保留数表示部196のほかに、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域を、当該変動情報表示部として設けることも可能である。このような当該変動情報表示部を設けた場合には、「保1」の保留表示が、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部に移動して、当該変動情報表示に変化するようにすることが可能である。
なお、「保1」〜「保8」における保留表示から、当該変動情報表示部における当該変動情報表示に移行した状態を含めて、広義に、保留表示と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保8」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部における当該変動情報表示に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出表示装置60において、演出図柄190a〜190cに係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で始動口に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、黄色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や黄色の彩色の他に、橙色、赤色などの表示態様を設け、黄色よりも、橙色、赤色の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の各種の表示態様に点滅の態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
さらに、上述したような保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、黄色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保8」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、黄色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、赤色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、赤色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、赤色までは変化せず、黄色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと擬似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、擬似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」は、例えば、前述のように演出表示装置60が、液晶ディスプレイ等のメイン表示体やサブ表示体を備えた場合に、多様な態様で行うことが可能である。そして、液晶等のディスプレイを備えた場合には、「連続予告」として、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」が当該変動に移行した場合は、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係るサブ変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。
また、前述した擬似の連続予告(以下では「擬似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190a〜190cの仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。ここで、この「擬似連続予告」については、後に具体的に1例を挙げて説明する。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60やセンター飾り64における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述したようにサブ表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄をサブ表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出図柄表示装置としてもよい。さらに、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定されるメイン変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、通常時も含めれば出現頻度が相対的に低い所定の演出を、限定頻度パターン演出が実行される際には必ず、或いは、高頻度で実行するものを例示できる。より具体的には、主リールである左中右の3つのリール206a〜206cや第4リール97を用いて、発展期待度や大当り期待度の相対的に高い特定の演出を実行するようなものを例示できる。そして、限定頻度パターン演出に係る変動時間は、極く短い変動時間の演出パターンと比較して、相対的に長くなっている。また、限定頻度パターンに係る変動の使用方法として、上述のものとは反対に、はずれの場合は超短縮変動のみ選択するようにし、当りの場合に、変動時間が相対的に長いリーチ演出を実行するように制御してもよい。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個以上)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出の実行要因となる変動パターンテーブルの切り替えは、メイン基板102のCPU501にて実行されるが、メイン基板102のCPU501では、複数種類の限定頻度パターン用の変動パターンテーブルの切り替えをあらかじめ定められたパターンにて実行する。
なお、本実施例のぱちんこ遊技機10は、特定遊技中から特定遊技終了後の所定遊技数(ここでは1回)にかけて限定頻度パターン演出が実行される点に特徴の1つを有しているが、当該期間における限定頻度パターン演出の詳細については後述する。
また、小当りが発生した場合には、大当り時のようなぞろ目の図柄組み合せ(後述する)を表示せず、大入賞口91の短時間の開放の後を、所定変動回数の確変期間としながらも、当該期間に、通常時にも実行され得る限定頻度パターン演出を実行することが可能である。このような場合には、遊技者に、平常時とは異なる雰囲気を感じさせながら、確変期間中か否かを示す演出を行わないため、確変が所謂潜伏しているかも知れない、といった思考を遊技者がはたらかせることが可能な遊技状態(潜伏状態)を提供することができる。さらに、この潜伏状態において、前述したような転落抽選を実行することも可能である。
<<非時短遊技中の普通電動役物の作動に係る演出>>
次に、普通電動役物のロング開放に係る演出について説明する。本実施例においては、通常時(非時短遊技中)における第2始動入賞口63のロング開放(通常時ロング開放)に関係した演出(ロング開放用演出)が、演出表示装置60やスピーカ21等を用いて実行される場合がある。そして、この通常時ロング開放に関係したロング開放用演出として、通常時ロング開放が実行されるか否を示す開放抽選演出と、この開放抽選演出の結果に対応して実行される長開放用演出(開放抽選結果演出)とが設けられている。なお、以下では、通常時ロング開放のことを単に「ロング開放」と称する場合がある。
これらのうち開放抽選演出としては、例えば、普通図柄の変動中や、変動開始前の段階において、通常時長開放が行われることの期待を煽るための内容の演出を例示することができる。この開放抽選演出も、例えば、前述のように演出表示装置60が、液晶ディスプレイ等のメイン表示体やサブ表示体を備えた場合に、多様な態様で行うことが可能である。そして、液晶等のディスプレイを備えた場合には、開放抽選演出として、例えば、ルーレットやおみくじ、或いは、2桁の図柄合わせ、といった抽選に係る動画表示を行うものを例示できる。さらに、上述の普通図柄に係る当り抽選において通常時ロング開放に当せんしている場合には、当せんを示す内容の開放抽選演出が実行され、通常時ロング開放に当せんしていない場合には、はずれを示す内容の開放抽選演出が実行されるようにすることが考えられる。
さらに、開放抽選演出の内容と、第2始動入賞装置55の開放パターンとの関係を多様に設定することが可能である。例えば、開放抽選演出の内容としてルーレットを用いた演出を採用し、ルーレットの目として設けられた選択肢に、「開放」、「×」、「チャンス」、「リーチ」等を割当てる。そして、通常時ロング開放に当せんしなかった場合に、開放抽選演出の内容として「×」が選択される様子を表示し、第2始動入賞装置55を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする。
さらに、通常時ロング開放に当せんした場合には、ルーレットにおいて「開放」が選択される演出を実行し、必ずロング開放を行う。また、これ以外にも、演出図柄190に係る演出において、段階的に発展する内容の演出や、スーパーリーチに発展する内容の演出などが実行される場合には、開放抽選演出に係るルーレットにおいて「チャンス」或いは「リーチ」が選択される様子を表示し、第2始動入賞装置55を行わない、又は、ショート開放のみ行うようにする、といったことが考えられる。
また、このようなロング開放用演出は、前述した 普通図柄に係る保留とも関係して行われる場合があるものである。つまり、普通図柄に係る保留抽選値が、保留中に事前判定され、この事前判定結果に応じて、予告や煽りといった意味を持つロング開放用演出が、所定確率で実行される場合がある。このような事前判定による予告演出は、前述の「先読み演出」に含まれるものである。このような普通図柄に係る先読み演出は、後述する特別図柄に係る先読み演出と同様に行うことが可能なものであり、作動口(68)の通過に係る事前通知情報(普通図柄先読みコマンド)が、メイン基板102からサブメイン基板301に送信されるようにすることが可能である。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば、音出力により「ボタンを押してください」等のガイド音声出力を行うことを例示できる。また、この他にも、演出図柄(図11(a)、(b)参照)の変動表示過程で、例えば、前述の付加的な表示体等において、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド音声出力やガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、所定のLED表示が行われる演出や、例えば、前述の付加的な表示体等において、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材93等が作動して、リーチに係る演出を更に発展させることで、大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22に振動モータやソレノイド(図示略)を組み合わせて、操作ボタン22を振動させる振動演出や、例えばモータ等の駆動源を用いて操作ボタン22の動作範囲を拡大して、操作ボタン22を突没させるといった演出態様を採用することも可能である。さらに、操作ボタン22を突没させる場合は、突出量を比較的大きく(例えば5〜10cm程度)設定することも可能である。
また、操作ボタン22としては、外形寸法が小型(例えば数センチ程度)のものに限らず、十数センチ程度の半球体の形態のものなどを採用してもよい。さらに、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)のなども採用が可能である。また、相対的に小型の操作ボタン22と、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始前の演出(開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、特別遊技後の演出(終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190a〜190cが確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出(打ち分けナビ)を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。そして、本実施例においては、右打ちをすべき状況になると、前述のセンター飾り64に設けられた打ち分け表示部88を用いて、前述のように右打ち表示が行われる。なお、前述の導光板90を用いて右打ち表示が行われる場合があるが、導光板90を用いた右打ち表示については後述する。
また、特別遊技中の演出として、各リール206a〜206cに、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない動作を行わせることを例示できる。さらに、前述のような付加的な表示装置を備える場合は、特別遊技中の演出として、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を表示装置に表示することを例示できる。また、これらの際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力されるようにすることが可能である。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、前述のような付加的な表示装置において、ぱちんこ遊技機10の演出のモチーフとなっているキャラクタが、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
また、特別遊技中のラウンドの切換わりを、所定の表示器を利用した「1R」、「2R」、・・・、「15R」、「16R」等の表示により報知することが可能である。そして、ラウンドの切換わりを示す所定の表示器としては、前述のセグメント表示部89や、前述の付加的な表示装置などを利用することが考えられる。
また、本実施例では、全ての種類の大当りに確変や時短等の特典が伴っているが、これに限定されず、例えば、確変を伴わない大当りを設けることも可能である。そして、大当りの種類に、確変を伴わない大当りを含む場合には、特別遊技終了後に確変となるか否かの報知を、特別遊技中の特定のラウンド、或いは、特別遊技終了の際まで報知しないようにすることも可能である。
変形例として、大当りの特別図柄による確変を伴わないぱちんこ遊技機において、特別遊技開始前、特別遊技中、或いは、特別遊技終了の際などの所定のタイミングで、遊技球が所定の領域(確率変動機能作動領域)で検出された場合には確変となる、といった制御態様や、それに応じた演出を採用することも可能である。
この場合は、例えば、遊技球の検出領域を有する入球装置(ここでは「V入球装置」と称する)を、遊技領域52(図1参照)における第2大入賞口92の内部に追加して設けることが考えられる。さらに、特別遊技の所定のタイミングで、V入球装置を、遊技球を受入れ可能な状態とし、この状態においてV入球装置で遊技球が検出された場合に、その後の確率状態が、確変状態となるように制御するとともに、確変となる特典を入手した旨を遊技者へ報知することが考えられる。
続いて、前述のような付加的な表示装置を備える場合は、特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るものを例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を所定の表示装置に表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。さらに、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<リール回転制御の具体例>
次に、演出表示装置60における各リール206a〜206c、97の制御態様について、図19(a)に基づき、1例を挙げて説明する。なお、本実施例では、前述したように、主リールである左中右の3つのリール206a〜206cは、毎回の図柄変動において回転と停止を行う。これに対し、第4リール97は、通常は遊技状態を示す図柄位置で停止しており、所定の演出が実行される場合に限り回転と停止を行うようになっている。このため、ここでは、左中右の3つのリール206a〜206cについての制御態様を主として説明し、第4リール97の制御態様については必要に応じて説明を行う。
図19(a)は、演出図柄190a〜190c(図11(b)参照)の変動開始から停止までの1回の変動における、主リール206a〜206cの回転制御の1例を、帯グラフの態様で示している。ここで、本実施例において、演出図柄190a〜190cの停止の態様としては、前述の「確定停止」と、これとは異なる停止態様である「仮停止」とがある。
すなわち、演出図柄190a〜190cが有効ライン(L1〜L5)上で、例えば「赤7、ブランク、赤7」や「恐竜2、赤7、ブランク」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190a〜190cが組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190a〜190cが小刻みに(ステッピングモータ5ステップ分)振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190a〜190cが組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」や「振動」の態様などと称することが可能である。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持する図柄固定を行うことや、各リール206a〜206c、97を停止させた状態で、全リール内のバックライト照明を所定時間(例えば1秒程度)消灯することなどを例示できる。
図19(a)に示している回転制御態様は、大当り抽選の確率状態が通常確率(低確率)である場合の1例を示している。また、図19(a)中においては、帯の上部に0から始まる数値が等間隔で記載されているが、これらの数値は、変動開始からの経過時間を示している。なお、以下では、各リール206a〜206c、97の回転を「変動」と称する場合がある。
先ず、図19(a)中の左端に示すように主リール206a〜206cの回転が開始されて図柄が変動開始した後、主リール206a〜206cが徐々に加速されて高速回転期間(高速回転状態)となる。各リール206a〜206cの変動開始は、始動入賞の発生や、前述の変動開始条件の成立によって実行される。また、始動入賞時には前述の事前情報通知により、保留の先読み(後述する)が実行される。
さらに、選択された演出パターンに応じて、前述の第4リール97の回転が開始される場合がある。また、変動開始から加速の期間中に、所定の可動演出部材を用いた所定の演出や、BGMの変化、演出モードの変更(ステージチェンジ)、保留変化などが行われる場合もある。
図19(a)の例においては、変動開始の後に2秒間の加速期間を経て、高速回転期間に達している。この高速回転期間になると、所定の各種の予告が実行される場合がある。高速回転期間中の演出としては、前述の第4リール97、セグメント表示部89、卵形の下可動演出部材95を用いた各種の予告演出などを例示できる。
そして、所定時間(ここでは約5.5秒)の高速回転期間が経過すると、補正変動が実行される。この補正期間は、変動開始時の演出図柄190a〜190c(図11(b)参照)の組合せによらずに、抽選で決定された通りの組合せで演出図柄190a〜190cを停止させるためのものである。
つまり、演出図柄190a〜190cは、各リール206a〜206c上に描かれたものであり、個々の演出図柄自体が態様を変化させるものではない。そして、各リール上で演出図柄の物理的な位置関係は一定であり、演出図柄相互の位置関係を状況に応じて変更するといったことはできない。
したがって、リール206a〜206cの変動開始時(前回の停止時)に前述の有効ライン(例えばL1〜L5)上に存在する任意の演出図柄に関係なく、今回の変動停止時に目的の演出図柄を有効ライン上に停止させるためには、リール206a〜206cの回転中に、停止図柄の位置を前提としてリール206a〜206cの回転を補正しておく必要がある。
ここで、このようなリール206a〜206cの回転に係る補正を、例えば、前述の加速期間や、停止直前等のタイミングで行ったのでは、回転を補正していることが遊技者に知覚され、遊技者に違和感を与えることも考えられる。そして、高速回転状態で補正を行うことにより、可能な限り自然に見える態様で補正を行うことが可能となっている。なお、図19(a)の例では、補正期間中の各種の演出として、前述の卵形の下可動演出部材95を用いたものなどを例示できる。
続いて、左リール206aが徐々に減速されて停止(左停止)し、更に右リール206cが徐々に減速されて停止(右停止)する。この左停止や右停止は、演出中における停止状態を意味しており、前述した確定停止の状態とは異なるものである。また、図19(a)の例では、左停止と右停止に、それぞれ約1.5秒を使用している。この際、中リール206bは低速回転を継続している。また、前述の第4リール97が、補正期間中から、演出の発展の期待を煽るための動作を開始するといった演出を行うことも可能である。
続いて、各リール206a〜206cの制御態様は待機状態となる。この待機状態は、例えば、上述の右停止によってリーチが発生したか否かによって、そのときの制御態様や、その後の制御態様が変わるため、選択された演出によって内容や期間が大きく異なり得る期間である。
そして、図19(a)中に「(待機)」と丸括弧を付けて示しているのは、このように選択された演出パターンによって大きく異なり得ることを意味している。さらに、図19(a)中に丸括弧付で記載されている「(ノーマルリーチ)」や「(中図再加速)」などにおける丸括弧も、「(待機)」の丸括弧と同様に、演出の内容(ここではリーチの有無や発展の有無)によって大きく異なり得ることを表している。
図19(a)の例においては、上述の待機状態では、右リール206cの停止によってリーチが発生しなかった場合には、中リール206bが所定の態様で停止する。この際の中リール206bの停止態様は、確定停止である場合と、仮停止である場合の両方があり得る。これらのうち、確定停止の場合には、所定時間の図柄固定が実行され、図柄変動が終了する。一方、仮停止である場合には、例えば、確定停止でないことを示す所定の演出(振動動作)などが実行された後、以降の演出が実行される。ここで、図19(a)の例では、待機期間として約3秒が使用されている。
また、前述の左停止と右停止によってリーチが発生した場合や上述の仮停止の後に再変動があってリーチが発生した場合などには、上述の待機状態を経て、リーチ(ノーマルリーチ)の期間となる。このノーマルリーチの期間における、図柄表示以外の演出としては、リーチ発生を報知する音出力を行うことや、リーチラインの表示をLED等によって行うこと、或いは、前述の第4リール97に所定の動作を行わせることなどが実行可能である。
また、ノーマルリーチの期間においては、例えば、第4リール97を用いた演出や、その他のリーチの発展の期待を煽るような演出が行われる場合がある。さらに、図19(a)の例では、前述の卵形の下可動演出部材95を用いた演出が、前述の高速回転期間からノーマルリーチの期間まで、継続して行われる場合があるようになっている。また、図19(a)の例では、ノーマルリーチ期間として約5秒が使用されている。
続いて、図19(a)の例では、中リール206bが再加速し、中演出図柄190bが再加速する。この際、ノーマルリーチの期間から、リーチの発展の期待を煽ると様な所定の演出が実行され、中演出図柄190bが再加速した際には、予告演出が、更なる発展の期待を煽るための所定の演出に切替わる。そして、第4リール97を用いた所定の演出(ここでは「4thリールあおり」)が実行され、各リーチへの分岐を得て、決定された所定のリーチ演出が実行される。
その後、中演出図柄190bが停止(中停止)し、図柄固定時間を経て、演出図柄190が確定停止の状態となる。ここで、第4リール97が動作する場合に、第4リール97を最後に停止させるようにしてもよい。
ここで、図19(a)には、図示や説明が煩雑になるのを防ぐために、主リール206a〜206cが同時に回転を開始する制御態様を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、各リールの回転開始のタイミングを異ならせ、左リール206a、中リール206b、右リール206cの順で時間差をもって回転を開始するようにしてもよい。
さらに、回転開始の際に、例えば全てのリールや一部のリールを、一旦僅かに(例えば0.1図柄分以下の回転角度で)逆転する態様なども採用が可能である。また、僅かな逆転動作のみでなく、例えば全てのリールや一部のリールを数図柄分、或いは、数周分逆転させる態様なども採用が可能である。
続いて、図19(b−1)、(b−2)に基づき、STの最終変動時のリール回転制御例を示す。なお、図19(a)の基本的な回転制御例と同様の部分については、適宜説明を省略する。先ず、図19(b−1)は、当否抽選の結果がはずれの場合の回転制御例を示している。図中に示すように、加速から高速回転(ここでは約5秒)を経て、補正が行われる。また、変動開始時には、「ラスト」の音声が所定のスピーカ21から出力され、前述のセグメント表示部89には、「0」の数字の表示が行われる。
さらに、補正の後にリーチに係る煽り演出(テンパイあおり)の期間があり、リーチにならない、或いは、リーチになっても発展しない、といった失敗の期間を経て、待機期間となる。ここで、図19(b−1)では、左停止や右停止の記載を省略している。また、図19(b−1)の例では、この待機期間に所定のリールの振動動作が行われる場合があるようになっている。その後、停止(中停止)があり、セグメント表示部89の表示が消灯され、通常状態への移行(通常転落)がある。
続いて、図19(b−2)は、当否抽選の結果が大当りの場合の回転制御例を示している。この図19(b−2)の例では、加速からテンパイあおりまでは、図19(b−1)のはずれの場合と同様になっている。その後、待機の期間において、大当り用の所定のリーチの選択が行われ、ノーマルリーチとなり、その後の演出が継続される。
<本実施例のぱちんこ遊技機における特別な演出表示例>
次に、主リールである3つのリール206a〜206cや可動役物96を用いて行われる演出パターンの一部について説明する。そして、ここでは、一部の演出表示例として、「通常擬似連」、「スローリーチ」、「5ラインリーチ」、「ガオガオSPリーチ」、「シャッターリーチ」について説明する。なお、上述の「ガオガオSPリーチ」は、「特殊SPリーチ」と称することも可能である。
<<通常擬似連>>
先ず、図20(a)、(b)には、演出パターンの一例として、通常擬似連のリール制御態様(ドラムアクション)を示している。そして、図20(a)に示すのは、通常擬似連の一種であるスベリ擬似連であり、図20(b)に示すのは、同じく通常擬似連の一種であるノーマル中擬似連である。
これらのうち、図20(a)に示すスベリ擬似連は、左右のリール(206a、206c)によってリーチの表示がされなかった状況(非リーチの表示が行われた状況)から、可動役物96の第4リール97において、「連続」図柄が停止しなかった状態、又は、停止した状態へ分岐するようになっている。すなわち、図20(a)の左端から右へ順に示すように、前述の補正(図19(a)参照)の後、左停止、右停止が行われる。
図20(a)の例では、左リール206aについては、図柄No.2の「赤7」(図12参照)が下段に停止している。そして、中段には図柄No.3の「ブランク」が位置し、上段には、「ドデカ(左)」のうち、図柄No.4の部分が位置している。また、右停止により、右リール206cについては、「ドデカ(右)」のうち、図柄No.6の部分が下段に位置している。そして、中段には図柄No.7の「恐竜2」が位置し、上段には図柄No.8の「恐竜1」が位置している。この際、図20(a)の例では、図示は省略するが、可動役物96においては、上下のシャッター98が閉じたまま、第4リール97は停止状態となっている。
その後、右リール206c及び第4リール97のスベリ(滑り)が発生し、右リール206cが変動状態となる。さらに、第4リール97も、停止状態から変動状態となる。そして、図20(a)の例では、右リール206cが、スベリ発生前と同じく、図柄No.6の「ドデカ(右)」を下段に位置させた状態で停止し、第4リール97は、低速回転状態となって、「連続」を、遊技者が認識可能なように上下のシャッター98の間に上方から出現させる。
そして、この後には、図中の右端に上下に分岐させて示すように、「連続」の停止に失敗して、例えば図柄No.0の「ブランク」が中段に停止する場合や、「連続」の中段での停止に成功する場合などがある。さらに、図20(a)中にコメントとして示すように、この後に中リール206bが停止して、全リール(少なくとも206a〜206c)の再始動からの変動表示が実行され、最終的にリーチやさらなる疑似連演出を行い、確定停止が行われる。
続いて、図20(b)に示すノーマル中擬似連は、左右のリール(206a、206c)の図柄組合せによりテンパイ(ここではノーマルリーチ)が発生した後、可動役物96の第4リール97において、「連続」が停止しなかった状態、又は、停止した状態に分岐するようになっている。すなわち、図20(b)の左端から右へ順に示すように、ノーマルリーチ(テンパイ)発生の後、第4リール97が、上下のシャッター98が閉じたままの停止状態から、回転開始して変動状態となる。
ここで、図20(b)の例では、テンパイ発生時に、左リール206aについては、前述のスベリ擬似連(図41(a)参照)と同様に、図柄No.2の「赤7」(図12参照)が下段に停止している。また、右リール206cについては、図柄No.10、11、0の「赤7」、「恐竜1」、「青7」が、下段、中段、上段にそれぞれ停止している。
そして、図中の上段に分岐させて示すように、「連続」の停止に失敗して、例えば図柄No.0の「ブランク」が中段に停止した場合には、この段階ではリーチが発展せず、ノーマルリーチの演出が継続する。また、図中の下段に分岐させて示すように、「連続」の停止に成功した場合には、図示は省略するが、その後に、大当りの期待度が高い所定のリーチ演出(スーパーリーチなど)に発展する。
<<スローリーチ>>
続いて、図21に示すのは、シングルラインによるスローリーチ演出であり、図22に示すのは、ダブルラインによるスローリーチ演出である。これらのうち、図21に示すシングルラインによるスローリーチは、SPリーチ(スーパーリーチ)への発展後、順に右側に示すように、所定の有効ライン(例えば中段の有効ライン)で所定の演出図柄(例えば「赤7」)によるリーチが発生する。そして、中リール206bが減速し、その後、超低速の状態となる。ここで、図21の例では、中リール206bに係る超低速の図柄変動は、停止する演出図柄を基準にして、5図柄分手前の位置から開始されるようになっている。
そして、図21中に示すように、当り又ははずれ(ここでは2態様)の当否抽選結果に応じてに分岐し、当りの場合には、図中の上段に示すように、所定の有効ライン(ここでは中段の有効ライン)において、3桁が揃った図柄の組合せ(ここでは「赤7」のぞろ目)で演出図柄が停止(仮停止)する。さらに、各リール206a〜206cが上下に所定量ずつ往復して振動動作を行い、その後、再抽選の演出に進む。
また、はずれの場合には、当りの図柄組合せを構成し得る演出図柄(ここでは「赤7」)が通過し、図21中の中段に示すようにそのまま変動停止する場合や、図中の下段に示すように所定の演出(ここでは「救済変動」の演出)に進む場合などがある。
続いて、図22に示すダブルラインによるスローリーチ演出は、シングルラインの場合(図21参照)と同様に、SPリーチ(スーパーリーチ)への発展後、所定の2つの有効ライン(例えば右上りの斜めラインと左上りの斜めライン)で所定の演出図柄(例えば「赤7」と「恐竜1」)によるダブルラインのリーチが発生する。そして、中リール206bが減速し、その後、超低速の状態となる。
ここで、図22の例でも、図21のシングルラインの場合と同様に、中リール206bに係る超低速の図柄変動は、停止する演出図柄を基準にして、5図柄分手前の位置から開始されている。
そして、図22中に示すように、当り又ははずれにの当否抽選結果に応じて分岐し、当りの場合には、図中の上段に示すように、所定の有効ライン(ここでは右上がりの斜めラインL4)において、3桁が揃った図柄の組合せ(ここでは「赤7」のぞろ目)で演出図柄が停止(仮停止)する。さらに、図21のシングルラインの場合と同様に、各リール206a〜206cが上下に所定量ずつ往復して振動動作を行い、その後、再抽選の演出に進む。
また、はずれの場合には、大当の図柄組合せを構成し得る演出図柄(ここでは「赤7」)が通過し、図22中の右斜め下に示すように、通過した「赤7」の後に配置されて左上がりの斜めライン(L5)上で大当りの組合せを構成し得る奥図柄(ここでは「恐竜1」)が、超低速の態様で下方へ移動する。そして、図中の右側(図中右下の上段)に分岐して示すように、中リール206bにおける「恐竜1」が当りの組合せ態様で停止(仮停止)し、各リール206a〜206cが上下に所定量ずつ往復して振動動作を行い、その後、再抽選の演出に進む。
また、他の演出パターンとしては、図22中右下の中段に示すように、中リール206bの「恐竜1」が通過して下段で停止し、はずれの図柄組合せ態様で3つのリール206a〜206cが停止(確定停止)するものがある。
さらに、他の演出パターンとしては、図22中右下の下段に示すように、中リール206bの「恐竜1」が通過して下段で停止し、はずれの図柄組合せ態様で3つのリール206a〜206cが仮停止した後、所定の演出(ここでは前述の「救済変動」の演出)に進む場合ものもある。
<<5ラインリーチ>>
続いて、図23(a)に示すのは、第4リール97を用いる5リーチ演出である。この5ラインリーチにおいては、先ず、図中左端に示すように、第4リール97の上下のシャッター98が開放し、第4リール97の上段、中段、下段の図柄を用いた変動演出が行われる。そして、各リール206a〜206cが、BGMの曲に合わせた動きを行う。
さらに、図中の右側に示すように、左リール206aと右リール206cが、それぞれ図柄No.1、図柄No.11の「恐竜1」を中段に仮停止させ、中段の有効ラインL2上に「恐竜1」のリーチを表示する。また、右上がりの有効ラインL4には、「青7」のリーチが表示され、左上がりの有効ラインL5には、「赤7」のリーチが表示される。さらに、このときには第4リール97も、図柄No.7の「恐竜1」を中段にして仮停止し、中段の有効ラインL2には、変動中の中リール206bを除いて、「恐竜1」が3つ仮停止している。
また、上段の有効ラインL1では、右リール206cと第4リール97による「青7」のリーチが表示され、下段の有効ラインL3では、同じく右リール206cと第4リール97による「赤7」のリーチが表示され、5ライン(L1〜L5)の全てでリーチの組合せが構成されている。そして、このような5ラインリーチの表示が行われた際には、遊技者が5ラインのリーチを確認できるよう、図中の右側に示すように、バックライト等を用いたライン表示が行われる。
さらに、図中の右側に分岐して示すように、1コマずつの煽りを行う場合や、逆回転を行う場合などがある。これらのうち、上段に示すような1コマずつの煽りの際には、中リール206bが、1図柄分ずつの断続的な回転を所定の速度で行う。そして、更に図中の右側に示すように、5連続の煽りが行われ、その間、中リール206bでは、「赤7」、「恐竜1」、「青7」等の表示が行われる。また、本実施例では、図中の右側に示すように、その後の演出(図示略)に発展する場合がある。さらに、右下への分岐によって示すように、中リール206cの下から上へ逆回転させ、「青7」、「恐竜1」、「赤7」等を順に表示する場合もある。
<<ガオガオSPリーチ>>
続いて、図23(b)に示すのは、第4リール97を用いるガオガオSPリーチ演出である。このガオガオSPリーチにおいては、先ず、図中左端に示すように、第4リール97の上下のシャッター98が開放し、第4リール97の上段、中段、下段の図柄を用いた変動演出が行われる。そして、図中の右側に順に示すように、左右のリール206a、206c、第4リール97を含めた4つのリールが高速回転し、その後、所定のBGMが出力され、後にドデカ図柄(大型図柄)を上段、中段、下段に亘って揃える表示のための補正である「ドデカ揃い調整」が行われる。
さらに、図中の右側に示すように、各リール206a〜206c、97の各ドデカ図柄を、上段と中段の有効ラインL1、L2に揃えた状態で煽りが実行される。そして、図中の右側に分岐させたうちの最上段に示すように、当りの場合には、各リール206a〜206c、97のドデカ図柄を、上段、中段、下段の全てで揃えた状態で仮停止し、その後の動作として定められた共通アクションを実行する。
また、はずれの場合には、分岐させたうちの中段に示すように、中段と下段のみにドデカ図柄が揃って仮停止し、その後に変動停止(確定停止)する。また、分岐させたうちの下段に示すように、仮停止の後に、そのままでは確定停止せず、所定の変動演出(ここでは救済変動)を実行する場合もある。
<<シャッターリーチ>>
続いて、図24に示すのは、第4リール97を用いるシャッターリーチ演出である。このシャッターリーチにおいては、先ず、図中左端の最上段に示すように、第4リール97の上下のシャッター98が開放し、第4リール97の上段及び下段の図柄を用いた変動演出が行われる。そして、各リール206a〜206cが、BGMの曲に合わせた動きを行う。
さらに、図中の右側に示すように、左リール206aにおいては「赤7」が上段に仮停止し、中リール206b及び右リール206cにおいては「赤7」が中段に仮停止する。これによって、左リール206a及び中リール206bによる左上がりの有効ライン(L5)のリーチ、中リール206b及び右リール206cによる中段の有効ライン(L2)のリーチが表示される。このとき、可動役物96の第4リール97は、シャッター98が開いた状態で、回転を継続している。
さらに、図中の右側に示すように、可動役物96のシャッター98が閉じ、第4リール97の上中下段が全て隠される。この際、第4リール97が回転を継続していることが判るよう、第4リール97の一部が見えるようにしてもよい。そして、図中の右側に示すように、シャッター98が閉じている状況で第4リール97が停止する。
この後、図24中の上から2段目に、左から続けて示すように、シャッター98の1回目の開放が行われる。この際、第4リール97は、図24中の例では、図柄No.9の「恐竜2」を中段に配置して停止し、上段に「赤7」を表示している。このため、この段階では、大当りの図柄組合せは表示されていない。
さらに、図中の右側に示すように、第4リール97が回転を開始し、加速して高速の動作態様に達する。そして、図中の右側に示すように、可動役物96のシャッター98が再び閉じ、第4リール97の上中下段が全て隠される。この際も、前述の場合と同様に、第4リール97が回転を継続していることが判るよう、第4リール97の一部が見えるようにしてもよい。そして、図中の右側に示すように、シャッター98が閉じている状況で第4リール97が再び停止する。
この後、図24中の上から3段目に、左から続けて示すように、シャッター98の2回目の開放が行われる。この際、第4リール97は、図24中の例では、図柄No.11の「ブランク」を中段に配置して停止し、下段に「赤7」を表示している。このため、この段階でも、大当りの図柄組合せは表示されていない。
さらに、図中の右側に示すように、第4リール97が回転を開始し、高速の動作態様に達する。そして、図中の右側に示すように、可動役物96のシャッター98が再度閉じ、第4リール97の上中下段が全て隠される。この際も、前述の場合と同様に、第4リール97が回転を継続していることが判るよう、第4リール97の一部が見えるようにしてもよい。そして、図中の右側に示すように、シャッター98が閉じている状況で第4リール97が再び停止する。
この後、図24中の上から4段目に、左から続けて示すように、シャッター98が開放されず閉じた状態から、更に図中の右側に分岐させたうちの上段(大当りの場合)に示すように、シャッター98が開放される。そして、第4リール97が、他のリール(ここでは206b、206c)と3桁のぞろ目の図柄組合せを揃えて表示し、更にその後の動作として定められた共通アクションを実行する。
また、はずれの場合には、分岐させたうちの下段に示すように、シャッター98の開放時に、「赤7」をずらしたはずれの態様で第4リール97が停止する。図24の例では、第4リール97の下段に図柄No.10の「赤7」が仮停止し、その後に変動停止(確定停止)している。なお、第4リール97(4thリール)のみ再変動するのではなく、中リール206bの図柄の位置を再変動により変更するようにしてもよい。
<特定遊技時から特定遊技後の期間に係る限定頻度パターン演出>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10の、特定遊技に係る限定頻度演出について説明する。図25(a)は、サブメイン基板301(図5参照)において、限定頻度演出の決定に用いられる限定頻度テーブルを示している。この限定頻度テーブルは、各々の遊技状態に応じて設けられており、その内訳は、図中に示すように、通常用(No.0)、ST用(No.1)、時短用(No.2)、最終変動用(No.3)、特定遊技後1回用(No.4)の5種類である。ここで、図示は省略するが、図25(a)の限定頻度テーブルで分けられた各遊技状態について、更に複数の限定頻度テーブルを備え、これらを遊技状況や抽選結果に応じて使い分けるようにしてもよい。
図25(a)中に示す各限定頻度テーブルのうち、No.0の通常用は、図中右端の「備考」欄に示すように、低確率遊技中に用いられるものである。また、No.1のST用は、同じく図中右端の「備考」欄に示すように、高確率遊技(確変)中に用いられるものであり、No.2の時短用は、時短期間の最初の遊技から最終回の1つ手前の遊技まで用いられるものである。さらに、No.3の最終変動用は、時短期間の最終回の遊技に限り用いられるものである。また、No.4の特定遊技後1回用は、時短期間が終了して最初の1回の遊技の際に用いられるものである。
図25(b−1)、(b−2)は、図25(a)中に示す限定頻度テーブルのうち、特定遊技に係るものの使用例を示している。先ず、図25(b−1)に示すのは、合計100回の時短が与えられる前述の「ST+時短」の特定遊技に係る限定頻度テーブルの使用例である。この「ST+時短」においては、STの1〜50回目までは、ST用限定頻度テーブル(No.1)が用いられる。そして、ST終了後における50回の時短中、1〜44回目までは、時短用限定頻度テーブル(No.2)が用いられる。
さらに、図25(b−1)の例では、ST終了後の時短中、45〜49回目までも、時短用限定頻度テーブル(No.2)が用いられるここで、図25中では、時短1〜44回目に「時短」、時短45〜49回目に「時短(限定頻度)」と記載されているが、いずれも同じし時短用限定頻度テーブル(No.2)を指している。さらに、時短50回目には、最終変動用限定頻度テーブル(No.3)が用いられる。また、時短終了後(特定遊技終了後)の1回の変動遊技においては、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)が用いられ、その後は、通常用限定頻度テーブル(No.0)が用いられる。
続いて、図25(b−2)に示すのは、時短がST中の50回のみで終わってしまう前述の「STのみ」の特定遊技に係る限定頻度テーブルの使用例である。この「STのみ」においては、STの1〜44回目までは、ST用限定頻度テーブル(No.1)が用いられる。さらに、ST中の45〜49回目までは、時短用限定頻度テーブル(No.2)が用いられ、50回目には、最終変動用限定頻度テーブル(No.3)が用いられる。また、ST終了後(特定遊技終了後)の1回の変動遊技においては、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)が用いられ、その後は、通常用限定頻度テーブル(No.0)が用いられる。
これらの限定頻度テーブルには、所定の秒数以上の長さの変動パターンが規定されている。例えば、ST用(No.1)、時短用(No.2)、最終変動用(No.3)を構成する変動パターンは、特定遊技中の所定の演出(後述するカウントダウンなど)に必要な時間を確保できる長さを有している。また、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)を構成する変動パターンは、後述するように、可動役物96の第4リール97の動作制御に制御上不可欠な、位置状態の復帰などに要する時間(例えば3秒)を考慮して設けられたもの(例えば10秒以上)となっている。
<打ち分けナビ>
次に、通常遊技中の左打ちと、特別遊技から特定遊技の間の右打ちとの打ち分けの案内(打ち分けナビ)について説明する。本実施例においては、前述のように、センター飾り64に設けられた打ち分け表示部88(図3参照)を用いて、右打ちや左打ちの案内が行われる。
図26(a−1)は、左打ち表示が行われる場合の制御態様を概略的に示している。図26(a−1)の上段に示すように、通常時には、所定位置の複数のLEDを青色で点灯させ、例えば「左打ち」の文字を表示する。このとき、例えば「左打ち」といった音声(ボイス)の出力は行われない。また、本実施例では、文字の青点灯は、通常時であれば、打ち分け表示部88において常時行われるようになっている。
さらに、図26(a−1)の中段に示すように、特定遊技(図中では「RUSH」と記載する)状態が終了する場合には、例えば「左打ち」の文字を点滅表示する。この青点滅の表示は、特定遊技における最後の変動における演出図柄190a〜190cが停止すると開始されるようになっている。この後、図中右側に矢印で繋げて示すように、文字の表示態様を青色の点灯(常時青点灯)に変更する。このとき、例えば「左打ち」といった音声の出力を1回行う。なお、「左打ち」の表示を、前述した潜伏状態においても行うことが可能である。
さらに、図26(a−1)の下段に示すように、打ち分け表示を無視して右打ちが行われた場合には、特定遊技状態が終了する場合と同様に、例えば「左打ち」の文字を点滅表示する。この青点滅の表示は、遊技領域52の右側の領域に配置された作動口68を遊技球が通過するのを検出したことによって開始される。そして、この点滅表示により、遊技者に対する注意喚起が行われ、遊技者が無駄に遊技球を発射するのを防止可能となる。この後、図中右側に矢印で繋げて示すように、文字の表示態様を青色の点灯(常時点灯)に変更する。このとき、例えば「左打ち」といった音声の出力を1回行う。
ここで、打ち分け表示を無視して右打ちが行われた場合に係る打ち分け無視の表示(ここでは点滅表示)は、例えば、非特定遊技時に、遊技領域52の右側の領域に配置された盤面部品(ここでは作動口68、第2始動入賞装置55、大入賞口91など)に係るセンサで遊技球が検出された場合に実行することが可能である。この場合、1個(或いは1回)のみの遊技球の検出により即座に打ち分け無視の表示を行うようにしてもよく、或いは、所定の複数個(或いは複数回)の遊技球が検出された場合に打ち分け無視の表示を行うようにしてもよい。
また、遊技状態の移行の際の打ち分けナビは、遊技者に適正な発射位置を伝えるための「誘導報知」と称することが可能である。また、打ち分けナビが無視された際の打ち分け無視の表示は、遊技者に注意を促す「注意報知」と称することが可能である。そして、これらの報知の意味を区別して遊技者に伝えるため、誘導報知として「左打ちしてね」のような音声出力を行い、注意報知として「左打ちしてください」のような音声出力を行うことが可能である。
さらに、図26(a−1)中に「ボイス6秒」や「※「左打ち」×1回」のように示すのは、所定時間の音声データを、所定回数に亘りループ再生することを表している。例えば、「RUSH終了時」の「ボイス6秒」と「※「左打ち」×1回」は、「左打ちしてください」の6秒間の音声データを1回再生することを表している。意味している。
ここで、図26(a−1)中では、再生回数は、誘導報知の場合も注意報知の場合も1回としているが、再生回数を2回以上とすることも可能である。また、注意報知については、誘導報知よりも再生回数を多くすることが可能である。さらに、左打ちを促す注意報知中に更なる右打ち検出があった場合に、音量を大としたり、エラー音を発するなどのような、より上位の(強度の)注意報知を行うことも可能である。さらに、注意報知に際して、大音量化とエラー音の出力を併せて行ってもよい。
図26(a−2)は、右打ち表示が行われる場合の制御態様を概略的に示している。図26(a−2)の最上段に示すように、特定遊技(図中では「RUSH」と記載する)中には、所定位置の複数のLEDを赤色で点灯させ、例えば「右打ち」の文字を表示する。このとき、例えば「右打ち」といった音声(ボイス)の出力は行われない。また、本実施例では、文字の赤点灯は、特定遊技中であれば、打ち分け表示部88において常時行われるようになっている。
さらに、図26(a−2)の上から2段目に示すように、特定遊技状態が開始される場合(図中では「RUSH突入時」と記載する)には、例えば「右打ち」の文字を赤色で点滅表示する。この赤点滅の表示は、特別遊技に係る終了デモの最後の段階で開始されるようになっている。この後、図中右側に矢印で繋げて示すように、文字の表示態様を赤色の点灯(常時赤点灯)に変更する。このとき、例えば「右打ち」といった音声の出力を1回行う。
さらに、図26(a−2)の上から3段目に示すように、大当り開始時には、例えば「右打ち」の文字を赤色で点滅表示する。この赤点滅の表示は、前述した特別遊技に係る開始デモの開始に伴って始まるようになっている。この後、図中右側に矢印で繋げて示すように、文字の表示態様を赤色の点灯(常時点灯)に変更する。このとき、例えば「右打ち」といった音声の出力を1回行う。
また、図26(a−2)の最下段に示すように、打ち分け表示を無視して左打ちが行われた場合には、例えば「左打ち」の文字を赤色で点滅表示する。この赤点滅の表示は、遊技領域52の中央下部に配置された始動振分装置54で遊技球が検出された場合(ヘソ入賞時)に開始される。ここで、始動振分装置54における遊技球の検出は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63で行うことが可能である。また、始動振分装置54の上部に設けられた共通始動入賞口56で遊技球を検出することや、始動振分装置54の直前で遊技球を検出することなども可能である。
上述のような点滅表示により、遊技者に対する注意喚起が行われる。そして、この赤点滅の表示の後、図中右側に矢印で繋げて示すように、文字の表示態様を赤色の点灯(常時点灯)に変更する。このとき、例えば「左打ち」といった音声の出力を1回行う。
なお、本実施例においては、左打ち表示及び右打ち表示のいずれの場合も、メイン基板102からの所定の各種の信号を受信できなかった場合には表示は行われないようになっている。そして、メイン基板102からの信号を受信すると、左打ち表示や右打ち表示、及び、音出力が行われる。
このように、本実施例においては、特定遊技状態と非特定遊技状態(通常の低確率状態)では、遊技領域52において、遊技者に対し推奨される発射位置(推奨発射位置)が異なっている。そして、サブメイン基板301は、遊技状態の移行に伴い、演出モードの移行制御の他に、推奨発射位置に関する報知に係る処理を実行するようになっている。
さらに、本実施例においては、センター飾り64において保護カバーとしても機能する導光板90により、打ち分け表示が行われる場合がある。この導光板90による打ち分け表示を行う状況としては、大当り開始デモ時、特定遊技への移行時、特定遊技終了時、特定遊技後の1回目の変動時、などの限られた期間を挙げることができる。また、導光板90による打ち分け表示を行う場合には、各リール206a〜206c、97のバックライトは消灯(或いは減光)される。
このように、導光板90を備えることにより、演出表示装置60の前方で打ち分けナビを行うことができる。そして、打ち分けナビを、遊技者の目の前で目立たせることが可能になるとともに、打ち分けナビに係る演出の多様化を図ることが可能となる。さらに、導光板90による打ち分け表示は、各リール206a〜206c、97のバックライトを消灯(或いは減光)して行われているので、打ち分けナビの表示について、高い視認性を確保できる。
また、本実施例のように、導光板90を演出表示装置60の前方に配置することにより、打ち分けナビの表示と、演出表示装置60における表示とが重なり、各々の表示のうちのいずれか一方、或いは両方が、遊技者にとって見えにくくなることが考えられる。しかし、上述のように、導光板90による表示期間を限られたものとすることで、例えば、特別遊技中や、電チューサポート中などように相対的に長い時間に亘って導光板90による打ち分けナビ実行した場合に比べて、演出表示装置60の表示が見難くなるのを防止することができる。
また、本実施例においては、導光板90と打ち分け表示部88とを併せて備えており、両方を使用して打ち分けナビを行えるようにしているので、より一層の演出の多様化を図ることができる。例えば、大当り中、及び、電チューサポート中の期間は、打ち分け表示部88を使用して打ち分け報知(打ち分けナビ)を継続して常時の報知を実行し、大当り開始デモ時、電チューサポートへの移行時、電チューサポート終了後の通常移行時などの限られた時間に、導光板90による打ち分け表示を併せて実行する、といった打ち分け報知態様の採用が可能となる。
ここで、導光板90と打ち分け表示部88の表示を併せて行う打ち分け報知態様に限定されるものではなく、例えば、導光板90による打ち分け表示をする場合には、打ち分け表示部88を消灯状態として、打ち分け表示部88による表示を行わない、といったことも可能である。
また、前述したように、遊技者により打ち分け表示を無視して右打ち又は左打ちが行われた場合の表示(図26(a−1)、(a−2)の「打ち分け無視時」を参照)を、導光板90によって行うことも可能である。この場合は、導光板90に、そのための文字やイラスト等の凹凸を形成しておくことが必要である。
ここで、導光板90や打ち分け表示部88における、大当り中や電チューサポート中の打ち分けナビの表示を「第1打ち分け報知」と称し、打ち分け表示を無視して右打ち又は左打ちが行われた場合の打ち分けナビの表示を「第2打ち分け報知」と称することが可能である。そして、これらのうちの「第2打ち分け報知」を行うことにより、遊技者が遊技球を無駄に発射してしまうのを防止できる。
<特定遊技の直後における可動役物の制御態様>
次に、特定遊技直後における可動役物の制御態様について説明する。本実施例では、図25(a)中に示すように、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)が設けられており、特定遊技が終了した直後の変動演出においては、所定の限定頻度演出パターンの演出を必ず実行するようになっている。そして、限定頻度演出パターンを、前述したように、主リール206a〜206cを用いたものであって、通常は出現し難いものとすることで、主リール206a〜206cに、遊技者の注意を引き易くすることができる。
また、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)を構成する変動パターンは、可動役物96に係る第4リール97の所定の動作に要する時間を超える変動時間を有するものとなっている。そして、本実施例では、このような限定頻度パターン演出を行う一方で、特定遊技後の1回目の変動時には、可動役物96の第4リール97を初期位置に戻す処理を実行している。
つまり、前述したように、第4リール97は、遊技状態を示すことに用いられており、第4リール97の停止位置は、特定遊技中には、特定遊技中であることを示す図柄(ここでは「G−RUSH」)を遊技者に向けた位置にある。このため、特定遊技が終了した際には、第4リール97を、「G-RUSH」を遊技者に対して隠し、非特定遊技中であることを示す図柄(ここでは「火山」)を遊技者に向ける位置へ回転変位させる必要がある。そして、このような図柄復帰の動作には、図柄を交換するまでの回転に所定の時間を要する。
上述のような第4リール97の回転は、演出として行われるものではなく、制御上欠かすことができない復帰動作である。さらに、第4リール97の復帰動作のための回転は、遊技者に示す演出として行われるものではないが、遊技者にとっては、意味をつかみにくい演出として捉えられることも考え得る。そして、第4リール97の復帰動作が、遊技者に演出上の違和感を与えてしまうことも考えられる。
しかし、前述のように、非特定遊技に移行した1回目の変動において、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)を使用し、第4リール97の復帰動作よりも長い時間の限定頻度パターン演出を選択することにより、遊技者の注意を、第4リール97から逸らすことができる。そして、遊技中の演出と第4リール97の復帰動作との効果的な連携が可能となる。ここで、可動役物96における第4リール97の「復帰動作」は、「位置復帰動作」、「位置状態復帰動作」、「図柄復帰動作」、「図柄位置復帰動作」等と称することが可能なものである。
また、本実施例では、前述のように、非時短時に係る第2特別図柄の変動パターンについては、保留数に関係なく、第4リール97の復帰動作に要する所定時間(例えば3秒程度)を超える変動時間(例えば10秒程度)以上のものが選択されるようになっている。そして、この「所定時間」は、前述の可動役物96の第4リール97における位置制御に要する時間を基準として、第4リール97の復帰動作に必要な時間を超えるように定められている。さらに、前述の第2始動入賞装置55が特定遊技中に長開放するため、特定遊技終了後には第2特別図柄の変動が行われることが多いと考えられる。これらのことから、非特定遊技状態への移行直後に、十分な時間のメイン変動パターン(及びサブ変動パターン)が実行され、第4リール97の位置状態の復帰を円滑に行うことができる。
また、遊技状態が、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行された直後の1回目の変動が、大当りに係るものである場合は、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行し、変動停止時には、第4リール97を、特定遊技状態を示す位置状態に復帰させることが可能である。
さらに、非特定遊技状態での1回目の変動が、はずれに係るものである場合は、当該変動期間中に第4リール97を演出に使用しないことが可能である。また、同じくはずれの場合における当該変動期間の開始時から途中までは、第4リール97を使用してリーチ発生の期待を煽る内容の演出を実行し、当該変動中のその後期間(終盤の期間)で、第4リール97を、非特定状態を示す位置に復帰させる、といったことも可能である。
つまり、非特定遊技状態での1回目の変動が、はずれに係るものである場合は、変動期間中に可動役物96の第4リール97を使用した演出を実行したときでも、或いは、実行しなかったときでも、変動停止時には、可動役物96を、非特定遊技状態を示す位置状態にあるようにすることが可能である。そして、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行しなかったときには、可動役物96は、変動期間中に、演出動作を行わず、位置復帰動作のみを行うこととなる。
そして、これらのことから、本実施例に係る発明は、遊技状態が非特定遊技状態に移行した1回目の変動が大当りに係るものの場合は、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行し、変動停止時には、可動役物96を、特定遊技状態を示す位置に復帰させ、はずれに係るものの場合は、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行するか否かに関わらず(実行するか否かを問わず)、変動停止時には、可動役物96の、非特定遊技状態を示す位置への移動を完了させるものであるということができる。
さらに、遊技状態が、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行された直後の1回目の変動が、大当りに係るものである場合に、可動役物96の第4リール97を使用した演出が実行される際に、先に可動役物96を、非特定遊技状態を示す位置状態に復帰させる制御を開始し、その途中で復帰のための動作を中断し、第4リール97を使用した演出を実行することも可能である。この場合は、当該変動中の演出の終了後(或いは次の変動時)に、可動役物96の復帰動作を再度実行することが考えられる。
また、本実施例においては、特定遊技後の1回目の変動時には、第4リール97の位置状態の復帰と、導光板90における「左打ち」の打ち分けナビが行われる。そして、第4リール97の位置状態の復帰と、導光板90等における打ち分けナビのタイミングの関係としては、当該変動期間中に、先に打ち分けナビを行い、打ち分けナビの表示を終了させた後に、第4リール97を復帰させることが考えられる。なお、打ち分けナビ表示期間中は、主リール(206a〜206c)および副リール(97)の変動を開始せず、バックランプ(バックライト)を消灯(減光)するように制御する。
このようにすることで、打ち分けナビと、第4リール97とが前後に重なることで、打ち分けナビの視認性が低下することを防止できる。なお、これに限らず、当該変動期間中に、先に第4リール97を復帰させ、その後に打ち分けナビを行うことや、第4リール97のバックランプを消灯したうえで、打ち分け報知および第4リール97の復帰動作を並行して行うことも可能である。
また、本実施例における、可動役物96の復帰動作に係る制御態様は、特定遊技状態から非特定遊技状態への移行後の変動時に限らず、例えば、所定の演出モードである第1演出モードから、他の所定の演出モードである第2演出モードへ移行した場合の可動役物の制御態様として、広くとらえることが可能なものである。つまり、特定遊技状態に係る演出を第1演出モードとし、非特定遊技状態に係る演出を第2演出モードとすることが可能である。例えば、4R確変(出玉なし)と小当りの何れが実施されたかわからない態様に制御し、特定演出モードとして確変潜伏中である期待感を煽る演出モードや、小当り後の限定頻度を利用して、遊技台のテーマに沿った音楽や演出を楽しむことができる演出モードなどが考えられる。
このため、本実施例に係る発明は、第1演出モードから第2演出モードに移行した1回目の変動が大当りや小当りに係るものの場合は、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行し、変動停止時には、可動役物96を、第1演出モードを示す位置に復帰させ、はずれに係るものの場合は、変動期間中に可動役物96を使用した演出を実行するか否かに関わらず(実行するか否かを問わず)、変動停止時には、可動役物96の、第2演出モードを示す位置への移動を完了させるものであるということもできる。
さらに、本実施例においては、前述のように、特定遊技後の1回目の変動時に推奨される発射位置が異なる場合に、導光板90による打ち分けナビを行っている。このため、導光板90によっても、可動役物96における第4リール97の復帰動作から、遊技者の注意を逸らすことができる。そして、このことによっても、遊技中の演出と第4リール97の復帰動作との効果的な連携が可能となる。
なお、特定遊技状態から非特定遊技状態への移行後の1回目の変動において、打ち分けナビによる推奨発射位置に関する報知は、第4リール97の復帰動作の開始前に行うことが可能である。また、これに限らず、推奨発射位置に関する報知を、可動役物96における第4リール97の復帰動作の終了後に行ってもよい。
ここで、特定遊技状態終了後1変動目の当否抽選の結果がはずれである場合には、選択し得る限定頻度パターン演出を、第4リール97を使用しないもののみとすることで、このときの変動で確実に短時間の変動パターンで復帰動作を完了することができる。
また、第4リール97を使用する演出を行い得るよう、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)を構成することも可能である。この場合には、1回の限定頻度パターン演出の実行期間内で、演出動作と復帰動作の両方を終えるようにすることが可能である。
また、これに限らず、特定遊技後に、第4リール97の演出動作を伴う限定頻度パターン演出が選択された変動においては、第4リール97の復帰動作を行わないようにすることが可能である。そして、この場合には、非特定遊技状態への移行後の2回目以降の変動において、最初に、第4リール97の演出動作を伴わない所定時間以上の変動であるサブ変動パターンが選択された場合に、第4リール97の復帰動作を行うようにすることが可能である。
また、特定遊技状態終了後1変動目の当否抽選の結果が大当りである場合には、第4リール97を動作させる演出を実行して、大当り発生に係る演出を行った後、第4リール97を、非特定遊技状態を示す基本位置(ここでは「火山」の位置)へは復帰させず、特定遊技状態を示す非基本位置(ここでは「G−RUSH」の位置)へ、第4リール97を回転制御することが可能である。
なお、特定遊技最終変動終了時に保留がない場合は、特定遊技最終変動終了直後(特定遊技終了後1回目の変動における開始当初や前半など)より、第4リール97の復帰動作および打ち分け報知を開始するようにしてもよい。
なお、このような特定遊技後1回用限定頻度テーブルを用いた可動役物の制御は、例えば、液晶等のディスプレイで演出図柄190a〜190cを表示する演出表示装置に併設された各種の可動役物についても適用が可能なものである。そして、この場合の可動役物としては、リール以外の機構によるものの採用が可能である。そして、リール以外の機構による可動役物としては、液晶やLEDなどのディスプレイを備えない可動演出部材、及び、ディスプレイを備えた可動演出部材のいずれも採用することが可能である。
<セグメント表示部の表示例とカウントダウンボイスの出力例>
次に、前述のセグメント表示部89における表示例と、その際におけるカウントダウンボイスの出力例について説明する。図27(a−1)は、合計100回の時短が与えられる前述の「ST+時短」の特定遊技に係るセグメント表示例を示している。この「ST+時短」においては、左側に示すように、特別遊技の終了デモ中には数字の「100」が表示され、その後はSTが進行するにしたがって、各々の変動開始時に「99」、「98」、…のカウントダウン表示が行われる。そして、ST50回目には「50」が表示され、時短1回目から順に「49」、「48」、…と、カウントダウン表示が続行される。
さらに、時短48回目と時短49回目とに、それぞれ「2」、「1」が表示され、時短50回目である時短最終変動時には、開始時から停止時まで継続して「0」が表示される。その後、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行し、非特定遊技に移行した1回目の変動時には、セグメント表示部89が消灯される。そして、その後の変動時にも、セグメント表示部89の消灯状態が継続される。
続いて、図27(a−2)は、前述の「STのみ」の特定遊技に係るセグメント表示例を示している。この「STのみ」においては、左側に示すように、特別遊技の終了デモ中には数字の「50」が表示され、その後はSTが進行するにしたがって、各々の変動開始時に「49」、「48」、…のカウントダウン表示が行われる。そして、ST50回目である時短最終変動時には、開始時から停止時まで継続して「0」が表示される。その後、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行し、非特定遊技に移行した1回目の変動時には、セグメント表示部89が消灯される。そして、その後の変動時にも、セグメント表示部89の消灯状態が継続される。
続いて、図27(b−1)は、合計100回の時短が与えられる前述の「ST+時短」の特定遊技に係るカウントダウンボイス出力例を示している。この「ST+時短」においては、左側に示すように、ST中はカウントダウンボイスの出力は行われず、図中に矢印で繋げて示すように、その後の時短に入っても、時短1回目から時短39回目までは、カウントダウンボイスの出力は行われない。
その後、時短40回目に「テン」の音声が所定のスピーカ21から出力され、時短41回目から時短44回目には、カウントダウンボイスの出力は行われない。そして、時短45回目から時短49回目にかけて「ファイブ」、「フォー」、「スリー」、「トゥー」、「ワン」のカウントダウンボイスが出力され、時短50回目である時短最終変動時には、「ラスト」の音声が出力される。その後、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行し、非特定遊技に移行した1回目の変動時からその後は、カウントダウンボイスの出力は行われない。
続いて、図27(b−2)は、前述の「STのみ」の特定遊技に係るカウントダウンボイス出力例を示している。この「STのみ」においては、左側に示すように、ST40回目まではカウントダウンボイスの出力は行われない。そして、ST40回目に「テン」の音声が所定のスピーカ21から出力され、その後、ST41回目からST44回目には、カウントダウンボイスの出力は行われない。
さらに、ST45回目からST49回目にかけて「ファイブ」、「フォー」、「スリー」、「トゥー」、「ワン」のカウントダウンボイスが出力され、ST50回目である時短最終変動時には、「ラスト」の音声が出力される。その後、特定遊技状態から非特定遊技状態に移行し、非特定遊技に移行した1回目の変動時からその後は、カウントダウンボイスの出力は行われない。
このようなカウントダウン表示や、カウントダウンのボイス出力が行われる場合の変動時には、メイン変動パターンとして、前述のST時や時短時に係る限定頻度パターンが選択されるようになっている。このようにすることで、カウントダウン表示や、カウントダウンのボイス出力に要する時間の確保が容易となる。
<メイン変動パターンとサブ変動パターンの具体的対応関係>
次に、メイン変動パターンとサブ変動パターンの具体的対応関係について説明する。図28〜図35は、メイン基板102で決定される前述のメイン変動パターン(特図変動パターン)と、サブメイン基板301で決定されるサブ変動パターンの具体的な対応関係を示したものである。先ず、図28〜図35中には、左端から順に、「メイン変動パターンNo.」、「サブ変動パターンNo.」を示している。さらに、その右側には、「メイン変動パターン名」、「サブ変動パターン名」を示している。
本実施例においては、メイン変動パターンとして、No.1〜168の168種類が設けられている。また、サブ変動パターンとして、No.1〜208の208種類が設けられている。例えば、図28中に示すように、メイン変動パターンNo.1には、「超短縮変動」の変動パターンが割当てられており、このメイン変動パターンNo.1には、サブ変動パターンNo.1の「超短縮変動」が紐付けられている。また、メイン変動パターンNo.2は、「短縮変動A」の変動パターンが割当てられており、このメイン変動パターンNo.2には、サブ変動パターンNo.2の「短縮変動A」が紐付けられている。
つまり、メイン基板102において、メイン変動パターンとしてNo.1の「超短縮変動」が選択された場合には、サブメイン基板301において、No.1のサブ変動パターンである「超短縮変動」が選択されるようになっている。同様に、メイン変動パターンとしてNo.2の「短縮変動A」が選択された場合には、サブ変動パターンとして、No.2の「短縮変動A」が選択されるようになっている。
また、メイン変動パターンとサブ変動パターンとの対応関係は、1:1の場合と、1:複数の場合とがある。例えば、メイン変動パターンNo.1〜5には、いずれも1つのサブ変動パターン(No.1〜5)が紐付けられており、これらの対応関係は1:1である。これに対して、例えば、メイン変動パターンNo.6には、サブ変動パターンNo.6とNo.7が紐付けられており、これらの対応関係は1:2となっている。
同様に、メイン変動パターンNo.13には、サブ変動パターンNo.14とNo.15が紐付けられており、これらの対応関係も1:2である。そして、メイン変動パターンとサブ変動パターンとの対応関係が1:複数である場合は、メイン変動パターンに紐付けられた複数のサブ変動パターンの内のいずれかが抽選されるようになっている。
さらに、図28中においては、メイン変動パターンNo.14、No.24、No.25、No.28、No.34、No.35、No.42、No.43も、サブ変動パターンとの対応関係が1:2となっている。なお、メイン変動パターンとサブ変動パターンとの1:複数の対応関係は、上述のような1:2に限るものではなく、例えば、1つのメイン変動パターンに3つ以上のサブ変動パターンを紐付けて、抽選により決定するようにしてもよい。
また、メイン変動パターン名やサブ変動パターン名は、当否抽選の結果や、実行される演出パターンの内容がある程度判別できるよう決められている。図28中では、例えば、メイン変動パターンNo.1やサブ変動パターンNo.1の名称が「×_超短縮変動」であり、名称の先頭に「×_」と記載されている。
この「×_」の部分は、メイン基板102での当否抽選(大当り抽選)に係る取得乱数値が、はずれに該当するものであった場合に選択され得る変動パターンであることを示している。そして、図28〜図29に示すように、メイン変動パターンNo.1〜52及びサブ変動パターンNo.1〜61の名称には「×_」が記載されており、これらの変動パターンは、いずれもはずれに対応した変動パターンとなっている。
これに対して、図30〜図35に示すメイン変動パターンNo.53〜168、サブ変動パターンNo.63〜208の名称の先頭には「○_」が記載されている。この「○_」の部分は、メイン基板102での当否抽選(大当り抽選)に係る取得乱数値が、大当りに該当するものであった場合に選択され得る変動パターンであることを示している。
そして、これらの「×_」や「○_」の後に記載された部分が、はずれの場合又は大当りの場合における演出内容を表すものとなっている。これらの「×_」や「○_」の後に続く部分としては、例えば、前述の「超短変動」、「短縮変動A」、「短縮変動B」などがある。また、各変動パターンの名称中の「ノーマル」は、ノーマルリーチを意味しており、「9コマ送り」や「10コマ送り」は、記載されたコマ数でのコマ送りの態様で演出図柄を変動させる内容の演出であることを意味している。
また、「擬似」は、図20(a)、(b)に例示したような擬似連続予告を意味しており、「ガセ」はその後の発展がないものであることを意味している。さらに、図中に隅付き括弧で示す「消灯経由」、「擬似なし」、「加速5回」、「擬似2」、「変動開始4th」、「ST時短」、「ST最終専用」等は、演出の分類を意味しており、例えば、これらのうちの「消灯経由」は、主リール206a〜206c等のバックライトの消灯を経由した演出に属するものであることを意味している。
また、上述の「擬似なし」は、擬似連続予告を行わないものであることを意味しており、「加速5回」は図柄変動の加速を所定回数(ここでは5回)行うものであることを意味している。さらに、上述の「擬似2」は、擬似連続予告の連続回数が所定回数(ここでは2階)であることを意味しており、「変動開始4th」は、第4リール97が回転する演出であることを意味している。さらに、「ST時短」は、前述のST中や時短中に選択され得るものであることを意味しており、「ST最終専用」は、STの最後の変動演出の際に選択されるものであることを意味している。
また、例えば、図28中に示すメイン変動パターンNo.13及びサブ変動パターンNo.14の名称にあるような「_S」は1ラインであるシングルリーチを意味しており、メイン変動パターンNo.14及びサブ変動パターンNo.16の名称にあるような「_W」は2ラインであるダブルリーチを意味している。
また、例えば、図28に示すメイン変動パターンNo.15及びサブ変動パターンNo.18の名称にある「高速ビタ×3」のうち、「高速ビタ」は、図柄の変動速度が低速とならないうちに仮停止する演出を意味している。さらに、「×3」のような数値は、「高速ビタ」の実行回数を意味している。
また、例えば、図28中に示すメイン変動パターンNo.22及びサブ変動パターンNo.25の名称にある「シャッター」は、前述の可動役物96(図3参照)に備えられたシャッター98の動作を伴うものであることを意味している。
また、例えば、図29中に示すメイン変動パターンNo.39及びサブ変動パターンNo.47の名称にある「変短中超短縮」は、ST中の時短や、ST後の時短に係る極く短時間の変動である超短縮変動を意味している。さらに、図29中に示すメイン変動パターンNo.52及びサブ変動パターンNo.62の名称にある「ST中煽り演出ハズレ」は、ST中のはずれである場合に発展の期待を煽る演出であることを意味している。
また、例えば、大当りに係る図30に示すメイン変動パターンNo.56及びサブ変動パターンNo.66の名称の「救_通常変動」や、メイン変動パターンNo.57及びサブ変動パターンNo.67の名称の「救_ノーマル_9コマ送り」のうちの「救_」は、救済当り(所謂復活当り)を意味するものである。そして、この「救_」を名称に有する変動パターンが選択された場合には、一度はずれ図柄を仮停止した後、当り表示が行われる。
さらに、本実施例においては、はずれに関しては、図28中のメイン変動パターンNo.6の「×_ノーマル9コマ送り」が、特定遊技終了後の1回目用の限定頻度パターンとなっている。さらに、このメイン変動パターンNo.6に紐づけられたサブ変動パターンには、サブ変動パターンNo.6の「×_ノーマル9コマ送り」と、サブ変動パターンNo.7の「特定遊技後1回目変動役物復帰用」とがある。
そして、メイン基板102においては、特定遊技終了後の1回目の変動演出時に、当否抽選の結果が外れであれば、限定頻度テーブルに基づき、メイン変動パターンNo.6が選択されるようになっている。さらに、サブメイン基板301においては、特定遊技終了後の1回目の変動演出時には、メイン基板102からのメイン変動パターンNo.6を示すコマンドに基づき、サブ変動パターンNo.7の「特定遊技後1回目変動役物復帰用」が選択されるようになっている。
また、大当りに関しては、図30中のサブ変動パターンNo.75やNo.77に「特定遊技後1回目変動役物復帰用スロー&コマ送り」と示すように、サブ変動パターンNo.75、No.77が、特定遊技終了後の1回目の変動演出時に選択されるものとなっている。そして、サブ変動パターンNo.75は、サブ変動パターンNo.74とともに、メイン変動パターンNo.63に紐付けられている。また、サブ変動パターンNo.77は、サブ変動パターンNo.76とともに、メイン変動パターンNo.64に紐付けられている。そして、サブ変動パターンNo.75やNo.77は、いずれもシャッター98(図3参照)を利用する内容のものとなっている。
また、本実施例においては、図32中に示すように、メイン変動パターンNo.96〜100に、他のサブ変動パターンとともに紐付けられた、サブ変動パターンNo.116、No.118、No.120、No.122も、特定遊技終了後の1回目の変動演出で選択され得るものとなっている。そして、これらのサブ変動パターンは、名称がいずれも「特定遊技後1回目変動役物復帰用5ライン当り」となっており、図23(a)に例示したような5ラインリーチを実行するものとなっている。そして、これらのサブ変動パターンNo.116、No.118、No.120、No.122は、いずれもシャッター98(図3参照)を利用する内容のものとなっている。
なお、特定遊技終了後の1回目の変動演出で選択される限定頻度パターン演出のためのサブ変動パターンは、上述した以外のメイン変動パターンに紐付けられていてもよい。ここで、このときの限定頻度パターン演出を、発展の期待や大当りの期待を煽るような所謂熱いものとするのであれば、当否抽選の結果がはずれの場合であっても、リーチを含んだ演出パターンに対応したサブ変動パターンを割り当てるようにするのがよい。
さらに、特定遊技終了後の1回目の変動演出で選択される限定頻度パターン演出のためのサブ変動パターンは、メイン変動パターンに対し、前述のような1:複数ではなく、1:1で対応付けられていてもよい。
<メイン変動パターンの使用例>
次に、メイン変動パターンの使用例について説明する。図36〜図45は、メイン変動パターンの使用例を示したものである。先ず、図36〜図45においては、左から、「メイン変動パターンNo.」、「メイン変動パターン名」が示されている。これらの番号や記載の意味は、図28〜図36に示したものと同様である。さらに、各図中において、その右側には、「低確率中」、「ST中」、「時短中」、「最終変動」、「特定遊技後1回目」の各遊技状態が示されている。これらのうち、「最終変動」は、ST、又は、ST後の時短における最終変動を表している。
さらに、各遊技状態の欄には、それぞれ「特図1」と「特図2」が示されている。これらは、第1特別図柄及び第2特別図柄を示している。そして、各図中において「○」が記載されているメイン変動パターンは、対応する遊技状態において選択され得るものであることを示している。さらに、当否抽選の結果が大当りの場合に係るメイン変動パターンNo.53〜168について、「特図1」と「特図2」のそれぞれに、大当りの種類である「16R+時短」、「16R」、「4R」が示されている。
例えば、「低確率中」については、「特図1」、「特図2」ともに、当否抽選の結果がはずれの場合には、図36〜図38に示すメイン変動パターンNo.1〜38が選択され得るものとなっている。また、同じく当否抽選の結果がはずれの場合の「特定遊技後1回目」については、図36に示すメイン変動パターンNo.6が選択されるものとなっている。
さらに、図38中に示すように、当否抽選の結果がはずれの場合の「ST中」、「時短中」については、「特図1」で、メイン変動パターンNo.40〜51が選択され得るものとなっている。また、「特図2」では、メイン変動パターンNo.39〜51が選択され得るものとなっている。さらに、「最終変動」については、「特図1」、「特図2」ともに、メイン変動パターンNo.52が選択され得るものとなっている。
続いて、「低確率中」で当否抽選の結果が当りの場合には、図39〜図43に示すメイン変動パターンNo.53〜138が、「特図1」及び「特図2」の「16R+時短」で選択され得るものとなっている。また、「16R」については、「特図1」、「特図2」ともに、メイン変動パターンNo.53〜55、57〜60、63〜97、99〜107、109〜134が選択され得るものとなっている。さらに、「4R」については、「特図1」、「特図2」ともに、メイン変動パターンNo.53〜55、63〜70、85〜87、89〜94、111〜116が選択され得るものとなっている。
また、「ST」又は「時短中」で当否抽選の結果が当りの場合には、図44及び図45に示すメイン変動パターンNo.139〜168が、「特図1」及び「特図2」の「16R+時短」で選択され得るものとなっている。また、「16R」については、「特図1」、「特図2」ともに、メイン変動パターンNo.139〜158、160〜163、165〜167が選択され得るものとなっている。さらに、「4R」については、「特図1」、「特図2」ともに、メイン変動パターンNo.143〜148、153、154、162、163が選択され得るものとなっている。
また、「最終変動」で当否抽選の結果が当りの場合には、図45に示すメイン変動パターンNo.162、163が、「特図1」及び「特図2」の「16R+時短」、「16R」、「4R」で選択され得るものとなっている。
さらに、「特定遊技後1回目」で当否抽選の結果が当りの場合には、図41に示すメイン変動パターンNo.89、90が、「特図2」の「16R」、「4R」で選択され得るものとなっている。また、同じく図41に示すメイン変動パターンNo.96〜100が、「特図1」の「16R+時短」、「16R」、「4R」、及び、「特図2」の「16R」、「4R」で選択され得るものとなっている。
そして、本実施例においては、メイン変動パターンNo89、90、96〜100が、前述したように、可動役物96の復帰動作に要する時間よりも長い変動時間を有し、特定遊技後1回用限定頻度テーブル(No.4)に属するものとなっている。なお、メイン変動パターンNo89、90、96〜100が、他の種類の限定頻度テーブルにも属し、他の種類の限定頻度テーブルと共用されるものとなっていてもよい。
<初期図柄表示>
次に、演出用の各リール206a〜206c、97の初期図柄について、図46(a)〜(c4)に基づき説明する。ここでいう初期図柄は、電源投入時、エラー発生時、及び、電断復帰時などのように、遊技制御に関して、開始される場合、中断される場合、及び、中断を経た再開がされる場合などに表示されることが定められた図柄組み合わせを意味している。そして、このような初期図柄を定めておくことにより、演出の決定ができない状況での各リール206a〜206c、97の状態を制御することが可能となっている。
例えば、図46(a)は、電源投入時の初期図柄を示している。この電源投入時には、左リール206aについては、図柄No.11の「ブランクが」が中段に位置し、図柄No.0の「青7」、図柄No.10の「恐竜2」が、上段と下段に位置している。また、中リール206bについては、図柄No.0の「青7」が中段に位置し、図柄No.1の「ブランク」、図柄No.11の「ブランク」が、上段と下段に位置している。
さらに、右リール206cについては、図柄No.9の「ブランク」が中段に位置し、図柄No.10の「赤7」、図柄No.8の「恐竜1」が、上段と下段に位置している。また、第4リール97については、図柄No.2の「火山」が中段に位置し、図柄No.3の「G−RUSH」、図柄No.1の「連続」が、上段と下段に位置している。ここで、図中の最下部に、各リール毎に図中の最下部にて示す「11」、「0」、「9」、「2」の値は、中断の有効ラインL2上に表示される図柄No.を示している。
図46(b−1)は、エラー1(ドラム制御エラー)発生時の初期図柄を示している。このエラー1(ドラム制御エラー)発生時には、左リール206aについては、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。また、中リール206bについては、図柄No.10の「恐竜1」が中段に位置し、図柄No.11の「ブランク」、図柄No.9の「ブランク」が、上段と下段に位置している。さらに、右リール206c、及び、第4リール97については、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。
図46(b−2)は、エラー2(変動許可エラー)発生時の初期図柄を示している。このエラー2(変動許可エラー)発生時には、左リール206aについては、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。また、中リール206bについては、図柄No.2の「恐竜2」が中段に位置し、図柄No.3の「ブランク」、図柄No.1の「ブランク」が、上段と下段に位置している。さらに、右リール206c、及び、第4リール97については、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。
図46(c−1)〜(c−4)は、変動中および特別遊技中における電断からの電断復帰時に関するものである。さらに、電断復帰時には、その時に当否抽選の結果として記憶領域に記憶されている内容によって、初期図柄が異なるようになっている。
例えば、図46(c−1)は、当否抽選の結果がはずれの場合の初期図柄を示している。このはずれ時には、左リール206aについては、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。また、中リール206bについては、図柄No.10の「赤7」が中段に位置し、図柄No.11の「ブランク」、図柄No.0の「ブランク」が、上段と下段に位置している。さらに、右リール206c、及び、第4リール97については、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。
図46(c−2)は、当否抽選の結果が4R大当りの場合の初期図柄を示している。この4R大当り時には、左リール206aについては、図柄No.9の「恐竜1」が中段に位置し、図柄No.10の「恐竜2」、図柄No.8の「ブランク」が、上段と下段に位置している。また、中リール206bについては、図柄No.10の「恐竜1」が中段に位置し、図柄No.11の「ブランク」、図柄No.9の「ブランク」が、上段と下段に位置している。
さらに、右リール206cについては、図柄No.8の「恐竜1」が中段に位置し、図柄No.9の「ブランク」、図柄No.7の「恐竜2」が、上段と下段に位置している。また、第4リール97については、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。
図46(c−3)は、当否抽選の結果が16R大当りで、且つ、時短がST中の50回のみの大当り(16R(時短50回))の場合の初期図柄を示している。この「16R(時短50回)」の大当り時には、左リール206aについては、図柄No.2の「赤7」が中段に位置し、図柄No.3の「ブランク」、図柄No.1の「恐竜1」が、上段と下段に位置している。また、中リール206bについては、図46(c−1)のはずれ時と同じ図柄が表示される。
さらに、右リール206cについては、図柄No.10の「赤7」が中段に位置し、図柄No.11の「恐竜1」、図柄No.9の「ブランク」が、上段と下段に位置している。また、第4リール97については、図46(a)の電源投入時と同じ図柄が表示される。
図46(c−4)は、当否抽選の結果が16R大当りで、且つ、時短がST後の50回を含めて100回実行される大当り(16R(時短100回))の場合の初期図柄を示している。この「16R(時短100回)」の大当り時には、4つ全てのリール206a〜206c、97で、図柄No.5の図柄が中段に位置し、全ての有効ライン(L1〜L5)上に大型図柄の組合せが表示される。
<電断に係る各リールの位置制御態様>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において、電断があった場合における各リール206a〜206c、97の制御態様について説明する。先ず、電源投入時には、各リール206a〜206c、97の初期動作としての回転が、低速(或いは低速と高速との間の速度である中速)で行われる。
さらに、この初期動作において、各リール206a〜206c、97は、前述の位置検出センサ(図示略)により被検出片(図示略)が検出されるまで回転する。さらに、各リール206a〜206c、97の被検出片がそれぞれ検出されると、サブメイン基板301において各リール206a〜206c、97の回転位置が認識される。
例えば、第4リール97については、前述のように、特定遊技状態時には「G−RUSH」図柄が中段に表示されている。そして、特定遊技状態が終了し、その後の1回目の変動時には、第4リール97が、「火山」図柄を中段に表示するよう位置制御される。そして、この特定遊技の終了後1回目の変動中に電断が発生し、その後に電源復帰があり、電断発生前の状態に復帰する場合には、上述の初期動作により、前述の位置検出センサ(図示略)により被検出片(図示略)が検出されるまで回転する。
さらに、被検出片が検出されると、サブメイン基板301において第4リール97の回転位置が認識される。本実施例においては、第4リール97について、被検出片の配置や、被検出片と位置検出センサとの位置関係は、被検出片が検出されたときに、「火山」図柄が中段に位置するよう設定されている。このため、被検出片が検出されると、第4リール97が停止制御され、「火山」を中段に表示して停止する。このように、特定遊技へ終了後1回目の変動中に発生した電断からの復帰時には、一旦、第4リール97の位置確認が行われ、確認された位置を基準として、「火山」の表示が行われる。そして、変動中の電断時では、電断復帰後に初期動作を行っている最中に次の変動が開始することがあり、次の変動にて遊技状態が変わる恐れがあるため、特定遊技状態であったとしても、非特定遊技状態(「火山」図柄により報知される状態)を示す位置に、第4リール97を戻す動作が行われるようにしている。また、電断時に特定遊技中であった場合には、その後の変動時にメイン基板102から送信される遊技状態に係る情報、及び、当該変動中に第4リール97を使用した演出があるか否かの情報に応じて右リールを「G−RUSH」図柄に戻すタイミングを決定する。
上述のような第4リール97の制御を行うことで、電断によりサブサブ基板302がリセットされ、電断前に記憶していた各種の情報が失われ、第4リール97の回転位置および停止図柄情報が分からなくなっても、基準位置(ドラムリールのインデックスが設けられた位置)の検出により、改めて第4リール97を所定の位置に停止させて、初期図柄を表示することができる。
また、特定遊技状態中に電断が発生し、その後に第4リール97の位置状態を特定遊技状態であることを示す状態とする場合には、初期動作において一旦が被検出片が検出される位置まで第4リール97を回転させ、その後に、「G−RUSH」が中段に表示されるよう、第4リール97の位置状態を回転制御することが可能である。
なお、位置確認のための第4リール97の回転の方向は、上方向でも下方向でもよい。また、位置確認がされた後に「G−RUSH」を表示する際の第4リール97の回転の方向は、位置確認前と同じであっても、異なっていてもよい。また、位置確認は、1回に限られるものではなく、複数回行い、複数回の検出結果に基づいて、遊技状態を示す図柄(ここでは「火山」)の表示を行うようにしてもよい。また、このような第4リール97の図柄復帰は、メイン基板102からの前述の電断復帰時のコマンドを受信したことを契機に行ってもよい。
また、前述したような第4リール97の回転制御における「補正」の前、最中、後のうち、いずれのタイミングで電断が発生したかに応じて、初期図柄の表示態様を異ならせてもよい。
さらに、第4リール97を備えた可動役物96の動作制御は、電断復帰後に最初に、前述した特別図柄の図柄変動開始時のコマンドを受信したことを契機に行うことが可能である。また、電断復帰後の最初の変動時に限らず、複数回の変動(例えば2回目の変動)に跨って、可動役物96の動作制御を行うことも可能である。
また、例えば、前述の初期動作においても、前述した補正(図19(a)参照)の制御が行われることがある。そして、電断復帰時の初期動作の開始から補正までに、次変動の開始が行われ、メイン基板102からサブメイン基板301へ図柄情報が送信された場合に、電断復帰時に最初に停止する図柄として、次変動の停止図柄や、遊技状態に合わせて第1〜第4リール(206a〜206c、97)を制御し、電断時に実行していた変動に係る表示(停止図柄の表示)は実行しない、といった制御態様も考えられる。
なお、前述の各種の初期図柄の表示(図46参照)も、各リール206a〜206c、97について、同様にインデックス(被検出片)検出を行ってから所定位置へ回転制御することで実施が可能である。また、主リール206a〜206cについても、被検出片の配置や、被検出片とセンサとの位置関係を、初期図柄となる所定の図柄に合わせて設定することが可能である。
さらに、第4リール97について、特定遊技状態を示す図柄を、遊技状態(サブ演出モード含む)の相違に対応して複数設けてもよい。さらに、通常遊技状態を複数種類に分け、通常遊技状態を示す図柄を、通常遊技状態の相違に対応して複数設けることが可能である。そして、復帰対象となる遊技状態を複数とし、電断前の状態に応じて、復帰位置が異なるよう制御することが可能である。
また、本実施例における、可動役物96の復帰動作に係る制御態様は、前述したように、所定の第1演出モードから、第1演出モードとは異なる所定の第2演出モードへ移行した場合の可動役物の制御態様として、広くとらえることが可能なものである。このため、第1演出モードから第2演出モードへ移行した1回目の変動時(第1演出モード終了後1回目の変動時)に電断が発生し、その後の電源復帰による遊技再開時に、一旦、可動役物96の第4リール97の位置確認を行い、確認された位置を基準として、第2演出モードを表す図柄の表示を行うようにすることが可能である。
そして、電断復帰に基づき初期動作を行い、この初期動作において、少なくとも一度はセンサが被検出部材により検出される位置まで可動役物96を動作させた後、サブメイン基板301では、メイン基板102から送信されたコマンドに基づいて、可動役物96を演出モードに応じた位置へ制御することが可能である。
<信号機及び第四図柄>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10に設けられた、信号機と第4図柄について説明する。先ず、信号機は、特図1および特図2の変動を同一の図柄で行うため、どちらが変動しているかを明確にするために設けられているものである。図26(b)は、信号機の表示に係る種類を示している。
本実施例においては、特図1については赤が表示され、特図2については青が表示される。さらに、信号機においては、初期状態として、消灯により黒が表示される。そして、信号機は、特図1の変動中には赤と黒の交互点滅を行い、確定時には赤で停止する。また、特図2の変動中には青と黒の交互点滅を行い、確定時には青で停止する。
続いて、第4図柄は、変動中である旨の表示や、当り発生時に発生した当りの種別を明確にするために設られているものである。この第4図柄は、前述した第4リール97の図柄(役物図柄)とは異なるものである。
図26(c)は、第4図柄の表示に係る種類を示している。第4図柄は、大当りの種類の違いを彩色の違いにより表している。本実施例においては、合計100回の時短が与えられる16R大当り(前述の「ST+時短」)は橙色により表され、時短の付加が行われない16R大当り(前述の「STのみ」)は紫色により表される。
さらに、4R大当りは黄色により表され、初期状態やはずれについては白色で表される。また、エラーは黒色で表される。そして、第4図柄は、変動中は、橙、紫、黄、白、橙、・・・といった順で点滅を行い、確定停止時に、当りの種別に対応した所定の色で停止する。さらに、第4図柄は、特図1及び特図2で共通で使用されている。
<本実施例に係る発明の作用効果>
以上説明したような本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、特定遊技終了後の1ゲームにおいては、メイン基板102において限定頻度パターンテーブルが使用され、サブ基板104においては、この限定頻度パターン演出が所定の割合で選択されるようになっている。そして、限定頻度パターン演出は、極く短時間の変動時間を有する変動パターンである「超短縮変動」、「短縮変動」、「通常変動」よりも、相対的に(例えば平均時間値が)長い変動時間を有する変動パターンとされている。したがって、特定遊技終了後の1ゲームにおける変動時間として、相対的に長い時間を確保することが容易となる。
さらに、特定遊技状態と通常遊技状態の区別を図柄によって示しており、特定遊技終了後の1ゲームにおいて、第4リール97が、「G−RUSH」を表示した状態から「火山」を表示した状態への復帰動作を行う。したがって、相対的に長い変動時間中に、第4リール97が遊技状態の表示を変更する動作を行うことができる。そして、変動時間中に、第4リール97の復帰動作のための時間を十分に長く確保することが容易になる。
また、限定頻度パターン演出は、相対的に短い変動パターンである「超短変動」等よりも遊技者の注意を主リール206a〜206cに向けさせることが容易である。したがって、第4リール97の復帰動作に遊技者の注意が向き難くなり、遊技者に見せるための動作パターンではない第4リール97の復帰動作を、遊技者に気付かれ難くすることが可能となる。
そして、可動役物96の動作と演出パターンとを機能的に連携させて、可動役物96の制御を効果的に行えるようになる。ここで、第4リール97の復帰動作を、遊技者に気付かれ難くさせることは、例えば、復帰動作の非顕在化、或いは、復帰動作の潜在化などと称することが可能である。
上述したような第4リール97に係る復帰動作の時間確保や、非顕在化(潜在化)のためには、特定遊技終了後1回目の変動に係る演出パターンとして、第4リール97の復帰動作に要する時間を超えるものであれば、例え「短縮変動」や「通常変動」の変動パターンであっても、利用することが可能である。しかし、特定遊技終了後1回目の変動に係る演出パターンとして、例えば、リーチ演出や発展の煽り演出を伴った演出パターンが限定頻度パターンとして選択されるようにすることで、製品開発時の変動パターンの選択が容易になり、第4リール97に係る復帰動作の時間確保や、非顕在化(潜在化)をより容易に行うことができる。
また、特定遊技状態終了後の1回目の当否抽選の結果が大当りの場合については、リーチ演出や発展の煽り演出を伴った演出パターンが必ず選択されるようにすることで、当否抽選の結果がはずれの場合に比べて、製品開発時において、第4リール97に係る復帰動作の時間確保や、非顕在化(潜在化)を容易に行うことが可能である。
さらに、大当りとなる場合には、第4リール97が演出に用いられることが多くなるが、定遊技状態終了後の1回目の変動で大当りとなる場合には、大当り発生に係る演出を行った後、第4リール97を、非特定遊技状態を示す基本位置(ここでは「火山」の位置)へは復帰させず、特定遊技状態を示す非基本位置(ここでは「G−RUSH」の位置)へ、第4リール97を回転制御することが可能である。
また、特定遊技状態終了後の1回目の変動で大当りとなる場合であっても、第4リール97が用いられない演出が選択された際に、第4リール97の復帰動作を行わず、第4リール97における「G−RUSH」の表示を維持したり、第4リール97が用いられる演出が選択された際に、第4リール97に大当りとなる装飾図柄(演出図柄)を表示させるようにし、当該大当りの終了デモのタイミングで「G−RUSH」の表示に変更するようにしたりしてもよい。
さらに、本実施例では、演出表示装置60の保護カバーである導光板90を用いて打ち分け表示が行われている。このため、打ち分けナビを、遊技者の目の前で目立たせることが可能である。さらに、導光板90による打ち分け表示は、各リール206a〜206c、97のバックライトを消灯(或いは減光)して行われているので、打ち分けナビの表示について、高い視認性を確保できる。
また、本実施例では、電断からの復帰時に、第4リール97が初期動作を行い、この初期動作において第4リールの位置確認が行われてから初期図柄の表示が行われる。したがて、電断によりサブメイン基板301やサブサブ基板302がリセットされ、第4リール97の回転位置が分からなくなっても、初期図柄の表示が可能である。
なお、本発明は上述した各種の実施例に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。
例えば、上述の実施例では、特定遊技後の1回の変動について、限定頻度パターン演出を実行しているが、これに限らず、特定遊技後の所定の複数回の変動について、限定頻度パターン演出を実行するようにしてもよい。
また、前述した各種の実施態様は、特定遊技状態から非特定遊技状態への移行後に限らず、例えば、サブメイン基板301で制御される所定の演出モードである第1演出モードから、他の所定の演出モードである第2演出モードへ移行した場合における各種の制御態様としても適用が可能である。例えば、前述したように、特定遊技状態に係る演出を第1演出モードとし、非特定遊技状態に係る演出を第2演出モードととらえることが可能である。
また、これとは異なり、例えば、非特定遊技状態中において第1演出モードから第2演出モードへ移行する場合や、特定遊技状態中において、第1演出モードから第2演出モードへ移行する場合があるものとすることも可能である。そして、これらの各種の態様で演出モードの移行が行われる場合に、演出モードに応じて位置状態を変更した可動役物に関係して、前述した各種の制御態様を適用することが可能である。
ここで、第1演出モードと第2演出モードの違いは、演出上の場面設定や演出傾向の相違などによって区別できるものである。そして、本発明は、演出モードの相違に応じて可動役物の位置状態が変化するものに適用が可能である。より具体的には、可動役物の位置状態によて、どの演出モードに滞在中であるかを区別できるようにしたようなタイプの遊技機を例示することができる。