JP5366546B2 - 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 - Google Patents
成熟インスリンポリペプチドの作製方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5366546B2 JP5366546B2 JP2008526490A JP2008526490A JP5366546B2 JP 5366546 B2 JP5366546 B2 JP 5366546B2 JP 2008526490 A JP2008526490 A JP 2008526490A JP 2008526490 A JP2008526490 A JP 2008526490A JP 5366546 B2 JP5366546 B2 JP 5366546B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amino acid
- chain
- insulin
- human insulin
- peptide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07K—PEPTIDES
- C07K14/00—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
- C07K14/435—Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
- C07K14/575—Hormones
- C07K14/62—Insulins
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N1/00—Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
- C12N1/14—Fungi; Culture media therefor
- C12N1/16—Yeasts; Culture media therefor
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
Description
本発明は、酵母において成熟ヒトインスリン類似体を作製するための方法に関連する。
インスリンは、ランゲルハンス島のβ細胞で生産されるポリペプチドホルモンである。活性なインスリン分子は、2つのジスルフィド架橋によって連結されるB-鎖及びA-鎖からなる2鎖の分子である。インスリンは、構造B−C−Aを有する前駆体分子プロインスリンとして合成され、このC-ペプチド鎖は、A-鎖のN末端アミノ酸残基とB-鎖のC末端アミノ酸残基を連結する。成熟した2鎖のインスリンは、A-鎖及びB-鎖との接合部に位置する塩基性アミノ酸残基の対で、C-ペプチドの切断によって形成される。A-鎖及びB-鎖は、A7とB7のCys残基の間及びA20とB19のCys残基の間の2つのジスルフィド架橋を併せ持つ。さらに、生物学的に活性なインスリン分子は、位置A6及びA11にCys残基間の内部ジスルフィド橋を有する。
組換えDNA技術の発達の後、遺伝的に修飾された宿主細胞におけるインスリン及びその前駆体を生産するために数多くの方法が記述されている。したがって、大腸菌からインスリンを作製する方法は、例えば、Frank, B.H., Pettee, J.M., Zimmerman, R.E. & Burck, P.J. Peptides. Synthesis-Structure-Function. Proceedings of the Seventh American Peptide Symposium (D.H.Rich及びE.Gross編集). Pierce Chemical Company, p. 729 (1981)に開示される。大腸菌は発現されたポリペプチドをフォールディングするための細胞機構を有さず、成熟インスリンにA-鎖及びB-鎖を連結するジスルフィド架橋を構築するので、この方策には、再フォールディングとその後のC-ペプチドの切断の間のジスルフィド架橋のインビトロ構築などの多くのインビトロプロセシング工程が含まれる。
Thim等は、Proc Natl. Acad. Sci. USA, volume 83, 6766-6770において、RREAENLQKR(配列番号:1)、RREAPLQKR(配列番号:2)、RREALQKR(配列番号:3)、KREALQKR(配列番号:4)、及びRRLQKR(配列番号:5)などの修飾されたC-ペプチドを有する多くのインスリン前駆体とヒトプロインスリンの発現を開示している。また、配列番号:5は、Thim等, in FEBS Letters, volume 212, number 2, 307-312によって開示される。
さらに、国際公報第97/03089号は、式BZAを有するインスリン前駆体であって、B及びAが少なくとも一のジスルフィド結合によって連結されているヒトインスリンのA及びBペプチド鎖であり、Zが少なくとも一のタンパク質分解性切断部位、例えばKREQKLISEEALVDKR(配列番号:6)を含んでなるポリペプチドであるインスリン前駆体の発現を開示した。
欧州特許第0163529A、PCT特許出願第95/02059号及び同第90/10075号は、培養液からの初回回収の後に成熟インスリン又はインスリン類似体に酵素的に転換される酵母中のインスリン又はインスリン類似体の前駆体の発現に基づいた、インスリン及びインスリン類似体の作製方法を開示する。前駆体分子は特定の修飾C-ペプチドを含んでなり、さらにインスリンB-鎖のN末端伸展を含みうる。修飾されたC-ペプチド及びB-ペプチドの可能なN末端伸展は、酵母細胞中で切断されないように設定されているため、A-鎖及びB-鎖が修飾されているが正しく配置されたジスルフィド架橋を有するC-ペプチドによって連結されたままとなっている1鎖のペプチドとして前駆体が分泌される。そして、成熟インスリン又はインスリン類似体産物は、C-ペプチド及びおそらくN末端伸展を切断するために、多くの続くインビトロ酵素処置によって得られる。これらの酵素処置は時間がかかり、しばしば費用が高く、高価なクロマトグラフィ工程などのようなさらに続く生産工程においてその後取り除かれなければならない付加的な不純物を導入する。
分泌顆粒を天然に形成することができない遺伝的に操作した動物細胞における成熟したインスリンを作製するための方法は、米国特許第6348327号において開示される。
本発明の目的は、高価で時間がかかる以降の精製方法工程を避けるために、十分にプロセシングされた成熟ヒトインスリン類似体を分泌することができる真菌類株を開発することである。
一態様では、本発明は、ヒトインスリン類似体の前駆体をコードするDNAベクターを含んでなる真菌類細胞を培養することによる成熟ヒトインスリン類似体の作製方法であって、該前駆体が、インスリンペプチドのA-鎖及びB-鎖それぞれへの両接合部で切断部位と隣接した連結ペプチドを含んでなり、真菌類細胞内で切断される該切断部位により、細胞が正しくプロセシングされて成熟した、2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することができる方法に関する。
本発明によるヒトインスリン類似体は、真菌類細胞内で1鎖の前駆体として発現され、細胞内で切断され、更なるインビトロ処理の必要性のない成熟した2鎖のヒトインスリン類似体として分泌される。
インスリン分子のA-鎖及びB-鎖と連結ペプチドの各々の接合部の切断部位は同じか又は異なるが、典型的には同じでありうる。一実施態様では、A-鎖及びB-鎖への接合部の切断部位はともにKex2切断部位である。
連結ペプチドは、正しく成熟されたインスリン類似体ポリペプチドを分泌するために真菌類細胞内での切断を確認するように最適化されるアミノ酸組成を有するであろう。
本発明の一実施態様では、A-鎖に隣接する切断部位の最後から2番目の位置のアミノ酸残基がPhe、Leu、Ile、Tyr、Trp、Val、Met及びAlaからなる群から選択される。
本発明の他の実施態様では、連結ペプチドは、A-鎖に隣接する切断部位に対して最後から2番目の位置にLeu、Ile、Tyr、Arg、Lys、His、Pro、Phe、Tyr、Trp、Met、Val又はAlaアミノ酸残基を含んでなるであろう。
本発明の更なる実施態様では、連結ペプチドは、この位置にLeu又はIleアミノ酸残基を含んでなるであろう。
ヒトインスリンのC-ペプチドのサイズは、35のアミノ酸残基である。したがって、本発明の一態様では、連結ペプチドは、天然のC-ペプチドとおよそ同じ長さのものである。
一実施態様では、連結ペプチドは2−35、2−34、2−33、2−31、2−30、2−29、2−28、2−27、2−26、2−25、2−24、2−23、2−22、2−21、2−20、2−19、2−18、2−17、2−16、2−15、2−14、2−13、2−12、2−11、2−10、2−9、2−8、2−7、2−6、2−5、2−4、又は2−3のアミノ酸残基である。
更なる実施態様では、連結ペプチドは3−35、3−34、3−33、3−31、3−30、3−29、3−28、3−27、3−26、3−25、3−24、3−23、3−22、3−21、3−20、3−19、3−18、3−17、3−16、3−15、3−14、3−13、3−12、3−11、3−10、3−9、3−8、3−7、3−6、3−5又は3−4のアミノ酸残基である。
更なる実施態様では、連結ペプチドは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 31、32、33、34又は35のアミノ酸残基からなるであろう。
他の実施態様では、真菌類細胞は、少なくともおよそ20からおよそ80mg/lの正しくプロセシングされた成熟した2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することが可能である。
さらに他の実施態様では、真菌類細胞は、少なくともおよそ100mg/lの正しくプロセシングされた成熟した2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することが可能である。
インスリン類似体前駆体分子からの連結ペプチドの切断が効率的であればあるほど、標的タンパク質の最終的な収率が高くなる。したがって、連結ペプチドのアミノ酸組成によりA-鎖及びB-鎖それぞれとの接合部での切断部位の切断を効率的にすることが望ましい。
他の実施態様では、発現された1鎖のインスリン前駆体分子の少なくとも60%は、成熟した2鎖の分子に切断される。
なお更なる実施態様では、発現された1鎖のインスリン前駆体分子の少なくとも70%は、成熟した2鎖の分子に切断される。
なお更なる実施態様では、発現された1鎖のインスリン前駆体分子の少なくとも75%は、成熟した2鎖の分子に切断される。
なお更なる実施態様では、発現された1鎖のインスリン前駆体分子の少なくとも85%又は少なくともの95%は、成熟した2鎖の分子に切断される。
真菌類細胞は、成熟したインスリン類似体を発現して、分泌することが可能な任意の真菌類細胞でありうる。しかしながら、酵母、特にS.セレビシア(S. cerevisiae)が本目的に十分に適することがわかった。
したがって、一実施態様では、本発明に係る方法によって生産されるインスリン類似体は、一又は複数の位置A8、B10及びA14のインスリン分子に突然変異を含んでなり、更なる実施態様では、これらの位置の天然のアミノ酸残基は、Asp、Glu、His、Gln及びArgからなる群から選択されるアミノ酸残基に変異しうる。
本発明の一実施態様では、位置B28のアミノ酸残基はAspであり、位置B29のアミノ酸残基はLysである。
本発明の他の実施態様では、位置B28のアミノ酸残基はLysであり、位置B29のアミノ酸残基はProであり、位置B30のアミノ酸残基はThrである。
本発明の他の実施態様では、位置A18のアミノ酸はGlnである。
本発明の他の実施態様では、位置A21のアミノ酸残基はGlyである。
本発明の他の実施態様では、位置B10のアミノ酸残基はGluである。
本発明の他の実施態様では、位置A8のアミノ酸残基はHisである。
本発明の他の実施態様では、位置A14のアミノ酸残基はGluである。
本発明のなお更なる実施態様では、位置B10のアミノ酸残基はGluであり、位置A8のアミノ酸残基はHisであり、位置A14のアミノ酸残基はGluである。
本発明のなお更なる実施態様では、位置B30のアミノ酸残基は欠失される。
B(1−30)−X−X−Z−Y−Y−A(1−21)を有し、
このとき、B(1−30)がヒトインスリンのB-鎖又はその類似体であり、A(1−21)がヒトインスリンA-鎖又はその類似体であり、互いに独立する各々のX及び各々のYがLys又はArg又はYps1部位であり、Zが1からおよそ35のアミノ酸残基を有するペプチド配列であり、ただし、ヒトインスリンA-鎖及び/又はB-鎖の天然のアミノ酸残基のうちの少なくとも1が他のアミノ酸残基に変異されてる。
一実施態様では、配列X−X及びY−YはともにLys−Argである。
他の実施態様では、配列X−X及びY−Yは、ともにArg−Arg、Lys−Lys又はArg-Lysである。
なお更なる実施態様では、X−XはLys−Argであり、Y-YはArg-Argであり、又はX−XはArg-Argであり、Y-YはLys−Argである。
更なる実施態様では、Zは、3−35、3−34、3−33、3−31、3−30、3−29、3−28、3−27、3−26、3−25、3−24、3−23、3−22、3−21、3−20、3−19、3−18、3−17、3−16、3−15、3−14、3−13、3−12、3−11、3−10、3−9、3−8、3−7、3−6、3−5又は3−4のアミノ酸残基の大きさである。
本発明の一実施態様では、Zは、2、3、4、5、7、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30 31、32、33、34及び35のアミノ酸残基の大きさであってもよい。
本発明の他の実施態様では、Zは3−20のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−19のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−18のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−15のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−14のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−13のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−12のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−11のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−10のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−9のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−8のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−7のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−6のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−5のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の他の実施態様では、Zは3−4のアミノ酸残基のアミノ酸配列である。
本発明の一実施態様では、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はLeuである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はIleである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はTyrである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はArgである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はLysである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はHisである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はProである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はPheである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はTrpである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はMetである。
本発明の一実施例において、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はValである。
本発明の一実施態様では、切断部位Y−Yに対して最後から2番目の位置のアミノ酸残基はAlaである。
本発明の一実施態様では、Zは配列AspGlyLeuGly(配列番号:7)を有する。
他の態様では、本発明は、連結ペプチドを含むヒトインスリン類似体前駆体をコードするDNA配列であって、該連結ペプチドが、真菌類細胞内の切断部位の十分な切断により、細胞が正しくプロセシングされて成熟した、2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することができるように設定されているDNA配列に関する。
他の態様では、本発明は、連結ペプチドを含むヒトインスリン類似体前駆体をコードするDNA配列を含んでなる発現ベクターであって、該連結ペプチドが、真菌類細胞内の切断部位の十分な切断により、細胞が正しくプロセシングされて成熟した、2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することができるように設定されている発現ベクターに関する。
更なる態様では、本発明は、連結ペプチドを含むヒトインスリン類似体前駆体をコードするDNA配列を含む発現ベクターを含んでなる形質転換された真菌類細胞であって、該連結ペプチドが、真菌類細胞内の切断部位の十分な切断により、細胞が正しくプロセシングされて成熟した、2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することができるように設定されている形質転換された真菌類細胞に関する。
便宜的に、インスリン類似体は、他の種類のインスリン、例えばより急速な作用開始を有するインスリンの類似体と混合して用いられてもよい。このようなインスリン類似体の例は、例えば欧州特許第214826号、欧州特許第375437号及び欧州特許第383472号を含む欧州特許出願に記述される。
更なる態様では、本発明は、適切な薬学的に受容可能なアジュバント及び添加剤、例えば安定化、保存又は等張性に適する一又は複数の薬剤と組み合わせてヒトインスリン類似体を含有してなる製薬製剤に関する。
発酵培養液への成熟した生成物の直接的な分泌によるインスリンの産生は、各々の端に切断部位が隣接した連結ペプチドを含んでなるインスリン前駆体の細胞内プロセシングを必要とする。このような連結ペプチドは、BがヒトインスリンのB-鎖であり、Wがペプチド鎖の変化する長さである、タイプB-KR(W)nKR−Aのものでありうる。細胞内プロセシングは、ゴルジプロテアーゼKex1及びKex2によって促される。切断は、第一工程のKex2がA-鎖に付着されるKR配列で切断され、1鎖の分子を2鎖の分子に変換する複数の段階的な工程である。次いで、Kex2は、連結ペプチドWを切り離し、ジペプチドKRがB-鎖のC末端アミノ酸にまだ連結されている2鎖の中間インスリン分子を生じるであろう。最後に、Kex1は、熟成した2鎖の分子を生じる終わりのKRペプチド配列を取り除くであろう。
A鎖接合部の切断部位の効率的な切断が切断過程の更なる進行に重要であることが実験から示され、本発明に係る連結ペプチドが、A-鎖Kex2での切断部位のインビボ切断を効率的にして、付加的なインビトロプロセシング工程を必要とせずに分泌された2鎖のインスリン分子の収率が高くなるように設定される。
製薬生成物の場合に効率よく除去されるはずである部分的に切断された不純物又は非切断の不純物を100%切断と切り離すために行う酵素的な切断はないことは周知である。したがって、各切断工程の後に、少なくとも一の単離又は精製工程、一般的に交換クロマトグラフィ、ゲル濾過クロマトグラフィ、親和性クロマトグラフィなどによるクロマトグラフィの精製が続くであろう。商業的な規模で用いられるクロマトグラフィのカラム材料は非常に高価であり、したがって、このようなクロマトグラフィ工程の回数を減少することは生産経済に意味のある影響を及ぼす。後続の変換及び精製工程の減少は、この方法に費やす労働作業の量及び時間を更に減少し、ゆえに更に生産経済を向上させるであろう。
本発明に係る方法によって生産されるインスリン類似体は、インスリン分子のヘリックス構造を安定化する修飾に加えて、A-鎖及びB-鎖の特定の位置で修飾してもよい。したがって、位置B28のアミノ酸残基はAspであってもよい。他の種類のインスリン類似体において、位置B1のアミノ酸残基は欠失されている。この種のインスリン類似体の具体例は、desB1ヒトインスリンである。
他の種類のインスリン類似体において、位置B30のアミノ酸残基は欠失されている。他の種類のインスリン類似体において、位置B28のアミノ酸残基はLysであり、位置B29のアミノ酸残基はProである。
他の種類のインスリン類似体において、位置A18のアミノ酸はGlnであってもよく、なお更なる実施態様では、位置A21のアミノ酸残基はGlyであってもよい。
DNA配列は、組換えDNA手順を行ってもよく、ベクターの選択は導入すべき宿主細胞によることが多いであろう。したがって、ベクターは自己複製するベクター、すなわち染色体外の独立体として存在すし、その複製が染色体複製から独立しているベクター、例えばプラスミドであってもよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入される場合、宿主細胞ゲノムに組み込まれ、組み込んでいる染色体(一又は複数)と共に複製されるものであってもよい。
酵母宿主細胞における使用に適切なプロモーターの例には、酵母糖分解遺伝子(Hitzeman等, J. Biol. Chem. 255 (1980), 12073 - 12080;Alber及びKawasaki, J. Mol. Appl. Gen. 1 (1982), 419 - 434)ないしはアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子(Young等, in Genetic Engineering of Microorganisms for Chemicals (Hollaender等, eds.), Plenum Press, New York, 1982)からのプロモーター、又はTPI1(米国特許第4599311号)又はADH2-4c(Russell等, Nature 304 (1983), 652 - 654)プロモーターが含まれる。
また、インスリン前駆体をコードするDNA配列は、必要ならば、適切な転写終結因子、ポリアデニル化シグナル、転写促進因子配列及び翻訳促進因子配列に作用可能に連結されうる。さらに、本発明の組み換えベクターは、問題の宿主細胞においてベクターが複製することを可能にするDNA配列を更に含んでもよい。
また、酵母における効率的な分泌のために、リーダーペプチドをコードする配列は、シグナル配列の下流で、インスリン前駆体をコードするDNA配列の上流に挿入してもよい。
DNA配列又は組み換えベクターが導入される酵母宿主細胞は、インスリン前駆体を発現することができる任意の酵母細胞であってよく、酵母菌属(Saccharomyces spp.)又は分裂酵母菌属(Schizosaccharomyces spp.)、特にサッカロミセス・セレビシア(Saccharomyces cerevisiae)又はサッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)の菌株が含まれる。好適な酵母細胞の更なる例は、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、例えばクルイベロミセス・ラクチス(K. lactis)、ハンセヌラ(Hansenula)、例えばハンセヌラ・ポリモルファ(H. polymorpha)、又はピキア(Pichia)、例えばピキア・パストリス(P. pastoris)の菌株である(Gleeson等, J. Gen. Microbiol. 132, 1986, pp. 3459-3465;米国特許第4882279号を参照)。
本発明に係る方法は、いわゆる発酵方法である。好ましくは、発酵は、限定するものではないが空気、酸素及びアンモニアを含む加圧した無菌のガスの添加のための供給ラインを有する無菌の撹拌タンク内で行われる。発酵タンクは、pH、温度、圧力、撹拌速度、溶存酸素レベル、液内容、気泡レベル、添加速度及び酸と塩基を与える速度をモニターするための、装置/センサーを具備しうる。
温度は、およそ25からおよそ35℃、およそ26からおよそ31℃、又はおよそ26からおよそ29℃の範囲内であってよい。pHは、およそ4.0からおよそ6.8、又はおよそ5.0からおよそ6.5の範囲であろう。
撹拌をコントロールして、最低5%の飽和での最小限の溶存酸素濃度を確保する。
発酵の間に生産される所望の生成物は、可溶性細胞外物質として、又は可溶性物質又は凝集した物質を含む不溶性物質の形態で細胞内物質として存在する。生成物の形成は、恒常的又は誘導されるものであり、微生物の成長に対して依存的又は非依存的である。発酵方法は、100mLから200000Lの範囲の実用的な容量を有するタンク内で実施される。発酵方法は、バッチ法、流加培養法、反復流加培養法又は連続法として操作されうる。
好適な発酵培地は、20〜60mMのPO4 3−の塩類、50〜70mMのK+、20〜35mMのSO4 2−、4〜6mMのNa+、6〜13mMのMg2+、0.5〜1.5mMのMn2+、0.02〜0.04mMのCu2+、0.1〜0.3mMのFe2+ 、0.01〜0.05mMのZn2+、複合のアミノ酸供与源の一部として加えられる微量のCo、Mo及びNi、1〜40g/Lの酵母抽出物、m-イノシトール(100〜250mg/L)、Ca-パントテナート(2〜20mg/L)、チアミン,HCl(0.5〜20mg/L)、ピリドキシン(0.2〜20mg/L)、ナイアシンニコチンアミド(2〜7mg/L)、ビオチン(0.03〜0.8mg/L)、及びコリン-ジヒドロゲンシトレート(0.1〜0.2mg/L)から選択されるビタミン、リガンド、例としてクエン酸、H2O(0.5〜7g/L)、及び炭素源(50〜200g/L)としてのグルコースを含有しうる。窒素は、400〜1800mMの量のガス状NH3又は液体NH4OHのいずれかが連続的に添加される。水道水はカルシウム及びCl−の天然の供与源として用いる。
培養液からの単離の後、インスリン又はインスリン類似体を、特にB29Lys残基のε-アミノ基のアシル化によって、例えばアシル化された形態に変換してもよい。インスリンのアシル化のための方法は当分野で周知であり、例えば欧州特許第792290号及び欧州特許第894095号、及び米国特許第5693609号、同第5646242号、同第5922675号、同第5750497号及び同第6011007号開示されている。
アシル化インスリンの例は、NεB29-テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29-リトコロイル-γ-グルタミルdes(B30)ヒトインスリン、NεB29-(Nα-(HOOC(CH2)14CO)-γ-Glu)des(B30)ヒトインスリン、又はNεB29-(Nα-(HOOC(CH2)16CO)-γ-Glu)des(B30)ヒトインスリンである。
「B1」、「A1」などは、それぞれ、インスリンのB鎖の位置1のアミノ酸残基(N末端から計数した場合)と、インスリンのA鎖の位置1のアミノ酸残基(N末端から計数した場合)を意味する。また、特定の位置のアミノ酸残基は、例えば、位置B1のアミノ酸残基がフェニルアラニン残基であることを意味するPheB1として表されてもよい。
「C-ペプチド」は、各々の末端に切断部位をともに含むインスリン分子のA-ペプチド鎖及びB-ペプチド鎖を連結しているペプチド配列を意味する。
「連結ペプチド」は、それぞれA-鎖及びB-鎖との各接合部の2つの切断部位間のペプチド配列を意味する。
本明細書中で用いられる「インスリン類似体」は、天然のインスリン に生じる少なくとも一のアミノ酸残基の欠失及び/又は置換によって、及び/又は、少なくとも一のアミノ酸残基の付加によって、形式的に天然に生じるインスリン の構造(例えばヒトインスリン のもの)から得ることができる分子構造を有するポリペプチドを意味する。付加及び/又は置換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基又は他の天然に生じるアミノ酸残基又は純粋に合成したアミノ酸残基のいずれであってもよい。典型的に、インスリン類似体は、ヒトインスリンと比較しておよそ7以下の突然変異、より典型的には5以下、さらにより典型的には3以下の突然変異を含むであろう。
また、位置A21のAsnは、Ala、Gln、Glu、Gly、His、Ile、Leu、Met、Ser、Thr、Trp、Tyr又はValに、特にGly、Ala、Ser又はThrに、そして特にGlyに修飾されてもよい。さらに、位置B3のAsnはLys又はAspに修飾されてもよい。さらに、インスリン類似体の例は、des(B30)ヒトインスリン、つまりB1及びB2の一方又は両方が欠失しているインスリン類似体;A-鎖及び/又はB-鎖がN末端伸展を有するインスリン類似体及びA-鎖及び/又はB-鎖がC末端伸展を有するインスリン類似体である。さらに、インスリン類似体は、B26-B30の一又は複数が欠失しているものである。
「Kex2」は、2つの塩基性残基(リジン又はアルギニン)の配列の後の切断を優先的に触媒するスブチリシン様エンドプロテアーゼを意味する(Rockwell, NC, Krysan, DJ, Komiyama, T & Fuller, RS 2002 Precursor Processing by Kex2/Furin Proteases. Chem. Rev. 102: 4525-4548)。
「Kex1」は、C末端のリジル残基及び/又はアルギニル残基の除去を優先的に触媒するセリンカルボキシペプチダーゼを意味する(Shilton BH, Thomas DY, Cygler M 1997 Crystal structure of Kex1deltap, a prohormone-processing carboxypeptidase from Saccharomyces cerevisiae. Biochemistry 36: 9002-9012)。
「Yps1」は、天然のPro-α-結合因子プロセシング酵素Kex2を欠く酵母変異体のPro-α-結合因子プロセシング欠損を部分的に抑制するアスパルチルプロテアーゼを意味する(Egel-Mitani等, Yeast 6, 1990, pp. 127-137)。
「POT」は分裂酵母ポンベトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子であり、「TPI1」はS. セレビシアトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子である。
「シグナルペプチド」なる用語は、タンパク質の前駆体形態においてN-末端配列として存在するプレ-ペプチドを意味するように理解される。シグナルペプチドの機能は、異種性タンパク質の小胞体への移行を促進させることである。シグナルペプチドは、通常、このプロセスの過程で切断される。シグナルペプチドは、タンパク質を生産する宿主生物に対して異種性又は相同性であってよい。
酵母宿主細胞に有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシアa−因子及びサッカロミセス・セレビシアインベルターゼの遺伝子から得られる。本発明のDNAコンストラクトとともに用いられうる多くのシグナルペプチドには、酵母アスパラギン酸プロテアーゼ3(Yps1)シグナルペプチドないしは任意の機能的な類似体(Egel-Mitani等 (1990) YEAST 6:127-137及び米国特許第5726038号)、及びMFα1遺伝子のα-因子シグナル(Thorner (1981) in The Molecular Biology of the Yeast Saccharomyces cerevisiae, Strathern等, eds., pp 143-180, Cold Spring Harbor Laboratory, NY及び米国特許第4870008号)、マウス唾液アミラーゼのシグナルペプチド(O. Hagenbuchle等, Nature 289, 1981, pp. 643-646を参照)、変性カルボキシペプチダーゼシグナルペプチド(L.A. Valls等, Cell 48, 1987, pp. 887-897を参照)、及び酵母BAR1シグナルペプチド(国際公開第87/02670号を参照)が含まれる。
本発明のポリヌクレオチド配列は、混合したゲノム起源、cDNA起源、及び合成起源のものであってもよい。例えば、リーダーペプチドをコードするゲノム又はcDNA配列は、A鎖及びB鎖をコードするゲノム又はcDNA配列に結合されてもよく、その後、そのDNA配列は、周知の方法に従って異種性組換えのための所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入することによって、又は好ましくは、適切なオリゴヌクレオチドを用いたPCRによって所望の配列を作成することによって、ある部位で修飾されうる。
一実施態様では、組み換え発現ベクターは、酵母中で複製することができる。ベクターの酵母中での複製を可能にする配列の例は、酵母プラスミド2μm複製遺伝子REP1-3及び複製開始点である。
線状の真菌宿主細胞に用いられる選択マーカーには、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、pyrG(オロチジン-5'-リン酸デカルボキシラーゼ)、及びtrpC(アントラニル酸シンターゼ)が含まれる。
酵母宿主細胞に好適なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3である。酵母に好適な選択マーカーは、シゾサッカロミセスpompeTPI遺伝子(Russell (1985) Gene 40:125-130)である。
ベクターにおいて、ポリヌクレオチド配列は、適切なプロモーター配列に作用可能に連結される。プロモーターは、選択された宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であってよく、変異体、切断された、及びハイブリッドのプロモーターを含み、該宿主細胞に異種性又は相同性のいずれかの細胞外ないしは細胞内のポリペプチドをコードする遺伝子から得てもよい。
酵母宿主において、有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシアMFα1、TPI、ADH又はPGKプロモーターである。
また、本発明のポリヌクレオチドコンストラクトは、典型的に適切な転写終結区に作用可能な状態で連結されるであろう。酵母では、適切な転写終結区は、TPI転写終結区である(Alber等 (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1:419-434)。
まず、本発明のインスリン 前駆体をコードするDNA配列全体を含むDNAコンストラクトを調製し、続いてこの断片を適切な発現ベクター内に挿入すること、あるいは、個々のエレメント(例えばシグナル、プロ-ペプチド、修飾したC-ペプチド、A鎖及びB鎖)の遺伝子的情報を含むDNA断片を挿入した後ライゲーションを連続的に行うこと、の何れかによって、ベクターが構築されうることは理解されるであろう。
本発明で使用する宿主細胞は真菌細胞である。本明細書中で用いられる「真菌」には、子嚢菌類、担子菌、ツボカビ門、及び接合菌類(Hawksworth等, In, Ainsworth and Bisby's Dictionary of The Fungi, 8th edition, 1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKに記載)、並びに卵菌門(Oomycota)(上掲のHawksworth等, 1995、171頁に挙げる)及びすべての栄養胞子形成菌(上掲のHawksworth等, 1995)が含まれる。
一実施態様では、真菌宿主細胞は線状の真菌細胞である。「糸状菌」には、真菌(Eumycota)亜門及び卵菌(Oomycota)亜門のすべての線状形態が含まれる(上記のHawksworth等, 1995に定義)。線状の真菌類は、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合多糖類から成る増殖型菌糸に特徴がある。線状の真菌宿主細胞は、アクレモニウム属、アスペルギルス属、フザリウム属、フミコーラ属(Humicola)、ムコール属(Mucor)、マイセリオソラ属(Myceliophthora)、パンカビ属、アオカビ属、ティラビア属(Thielavia)、トリポクラジウム属(Tolypocladium)及びトリコデルマ属からなる群から選択されうる。
本発明の文脈においては、アミノ酸の3文字又は1文字表記が以下の表に示したようにそれらの従来の意味で用いられる。明確に示さない限り、ここで言及されるアミノ酸はL-アミノ酸である。さらに、ペプチドのアミノ酸配列の左端及び右端は、それぞれ、他に特定しない限りN-末端及びC-末端である。
発酵の間に生産される所望の生成物は、可溶性細胞外物質として又は可溶性物質ないしは凝集した物質を含む不溶性物質のいずれかの形態の細胞内物質として存在する。生成物の形成は、恒常的又は誘導されるものであり、微生物の成長に依存しているか又は独立したものである。発酵工程は、100mLから200000Lの範囲の動作容量を有するタンク内で行われる。発酵工程は、バッチ工程(batch process)、流加工程(fed-batch process)、反復流加工程(repeated fed-batch process)又は連続工程(continuous process)として作動されうる。
流加工程は、微生物が加えられる前に、一部の培地のみが発酵槽に充填される発酵である。残りの培地成分又はすでに一部が添加された培地成分の残りの量は、1つのパルスとして、一連の不連続なパルスとして、又は一定速度ないしは可変速度で添加される連続流量として、発酵槽に供給される。流加工程に先立ち、バッチ工程に続いて流加運転モードを行うことができる。この工程の間に発酵槽に加えられる培地成分は、限定するものではないが、成長制限成分、微量可溶性成分、揮発性成分又は液体環境中で限られた安定性を有する成分からなる。微生物の成長速度は、発酵槽に加えられる培地成分の速度の調整によって制御されうる。この工程の間、酸、塩基、消泡剤、阻害薬、安定剤及びインデューサーは、自動又は手動で加えられる。酸及び塩基は、溶液の一部として又はガス状の成分として加えられる。流加工程の間に加えられるすべての成分は、1つの供給ラインから添加されてもよいし、異なるラインで発酵槽に供給されてもよい。発酵槽内容物は、発酵工程の間に分析のために取り出されるだけである。発酵槽の全ての内容物は工程の終了時に回収される。
連続工程とは、微生物が加えられ、発酵が始まる前に、いくらかの培地が加えられるタンク内での発酵を意味する。阻害薬と共に成長するために必要なすべての培地成分、インデューサー、消泡剤、酸、塩基及び生成物を安定させる成分を含有する新鮮な培地が、連続的に加えられる。用いた培地の安定性を増すかその質を改善するために、これらの成分は異なる供給ラインで発酵槽に供給されてもよいし、1つの供給ラインから添加されてもよい。酸及び塩基は、溶液の一部として又はガス状の成分として加えられる。すべての成分は、一連の不連続なパルスとして、又は一定速度ないしは可変速度で添加される連続流量として、発酵槽に加えられる。発酵槽内容物の回収は、所定の範囲内に発酵槽の内容物を維持するために、連続的に行われる。微生物の成長は、発酵糟への培地添加の速度、並びに発酵槽内容物の調整によって、制御されてもよい。
以下の表は、発酵培地の典型的な成分の概要である。
インスリンの類似体の製薬的組成物は、通常のアジュバント及び添加剤を含有しており、好ましくは水溶液として調製される。水溶媒質は、例えば塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム又はグリセロールにて等張にされる。さらに、水溶媒質は、亜鉛イオン、バッファ及び保存料を含有してもよい。組成物のpH値は所望の値に調整され、およそ4〜およそ8.5の間であってもよい。
本発明の一実施態様では、製剤のpHは、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9及び10.0からなる群から選択される。
製薬に使用するバッファは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸塩、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン(bicine)、トリシン、リンゴ酸、スクシナート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸又はこれらの混合物からなる群から選択されうる。
薬学的に受容可能な保存料は、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸メチル、p-ヒドロキシ安息香酸プロピル、2-フェノキシエタノール、p-ヒドロキシ安息香酸ブチル、2-フェニルエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、及びチメロサール(thiomerosal)、ブロノポール、安息香酸、イミド尿素、クロロヘキシジン、デヒドロ酢酸ナトリウム、クロロクレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸エチル、塩化ベンゼトニウム、クロルフェネシン(3p-クロルフェノキシプロパン-1,2-ジオール)又はそれらの混合物からなる群から選択されうる。本発明の他の実施態様では、保存料は0.1mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。本発明の他の実施態様では、保存料は0.1mg/mlから5mg/mlの濃度で存在する。本発明の他の実施態様では、保存料は5mg/mlから10mg/mlの濃度で存在する。本発明の他の実施態様では、保存料は10mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する。これらの特定の保存料のそれぞれは、本発明の別の実施態様を構成する。製薬的組成物への保存料の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995を参照のこと。
全ての表題及び副題は、本明細書において便宜的にのみに用いられ、何らの方法でも、本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
本明細書で提供された、任意の及び全ての例示的実施例、又は典型的な言い回し(例えば、「のような」)の使用は、単に本発明のより良い解明を意図するものであり、請求項で断らない限り、本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の言い回しの何れも、請求されていない要素を本発明の実施のために必須であると表すものとして解釈されるべきではない。
本発明は、これに付随した請求の範囲に挙げる対象事項の全ての改変及び等価物を適用可能な法によって許容されるように含む。
すべての発現プラスミドはC−POTタイプのものであり、欧州特許第171142号にに記載のものと類似する。プラスミドの選別及びS.セレビシエ中における安定化のために、シゾサッカロミセス・ポンベトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子(POT)を含有することに特徴がある2μベースの発現ベクターがある。また、このプラスミドは、S.セレビシエトリオースリン酸イソメラーゼのプロモーター及びターミネーター配列を含む。これらの配列は、プラスミドpKFN1003(国際公開第9010075号に記述)の対応する配列に類似している。
酵母形質転換体は、宿主株S. セレビシエ株MT663又はME1719の形質転換によって調製される。酵母株MT663(MATa/MATα pep4-3/pep4-3 HIS4/his4 Δtpi:: LEU2/Δtpi:: LEU2 Cir')は、「Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen」に、国際公開第92/11378号と関連して寄託されており、寄託番号DSM6278が与えられている。S. セレビシエ株ME1719(MATa/α leu2/leu2 pep4-3/pep4-3 Δtpi:: LEU2/Δtpi:: LEU2 Δura3/Δura3 Δyps1:: URA3 / Δyps1:: ura3 Cir+)は、国際公開第98/01535号に記述される。
A18Q-インスリンのための酵母発現系のコンストラクト。
図1は、pSA50と称する酵母プラスミドを示す。プラスミドは、S.セレビシエTPI遺伝子の転写-プロモーターと転写-ターミネーターの間にプラスミドに挿入されたEcoRI-XbaI断片を含む発現カセットを含む。プラスミドpSA50では、EcoRI−XbaI断片は、MFα1*プレ-プロリーダー、二塩基性プロセシングエンドペプチダーゼKEX2のLys-Arg切断部位、及びインスリン前駆体B(1−30)-KRDGLGKR-(A1−21), A18Qからなる融合生成物をコードする。
インスリン前駆体B(1−30)-KRDGLGKR-(A1−21), A18Qをコードする配列を含有するDNA断片を、以下の通りに構築した。2.5pmolのオリゴヌクレオチドASA-SCI-2(図2の配列1279-1358に対応する)とSCI-kex2-3(図2の配列1425−1337に対応する−リバースプライマー)を、10μlの10×高フィデリティーバッファ、2.5mM dNTP、1μlの高フィデリティーポリメラーゼ及び76μlのH2Oを含有するPCR反応液に混合した。1サイクル(94℃30秒間、50℃30秒間、72℃1分間)の後、100pmolのオリゴヌクレオチドASA-SCI1(図2の1252−1301に対応する)とASA-SCI-7(配列1464−1407に対応する−リバースプライマー)を加えて、上記のように9サイクル行った。結果として生じたPCR断片を、RocheのPCR精製キットを用いて精製し、NcoI及びXbaIにて消化し、最終的にアガロースゲルに流し、GFX-PCRゲルバンド精製キット(Amersham Biosciences #27-9602-01)を用いて精製した。断片を、上記(「一般的方法」)に記載のC−POTタイプ発現ベクターのNcoI-XbaIベクター断片にライゲートした。
プラスミドpSA50によりS.セレビシエ株MT663を形質転換した。プラスミドpSA50を保持する酵母形質転換体を、YPD(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%グルコース)アガー(2%)プレート上で炭素源としてのグルコース利用率によって選別し、結果として生じる株をySA63とした。
ヒトインスリン類似体の産生。
特定のヒトインスリン類似体をコードするDNAを含んでなるプラスミドを、実施例1に記載の方法に従った方法にて調製した。S.セレビシエ株をプラスミドで形質転換して、形質転換体を実施例1に記載のように単離した。
インスリン類似体のすべての前駆体は、C-ペプチドKRDGLGKR(配列番号:9)を有した。
インスリン類似体の発現のためのプラスミドにて形質転換したS. セレビシエ株MT663は、5g/L (NH4)2SO4、184mg/L (NH4)2HPO4、2.88g/L KH2PO4、1.42g/L MgSO4・7H2O、1.28g/L K2SO4、10.00g/L コハク酸、10.00g/L カザミノ酸、0.0112g/L FeSO4・7H2O、0.0086g/L MnSO4・H2O、0.0014g/L CuSO4・5H2O、0.00185g/L ZnSO4・7H2O、0.0129g/L CaCl2・2H2O、0.071g/L クエン酸、28.0mg/L m-イノシトール、14.0mg/L 塩化コリン、2.8mg/L チアミン、2.8mg/L ナイアシンアミド、2.1mg/L Ca-パントテン酸、0.14mg/L ビオチン、0.14mg/L 葉酸、40g/L グルコースからなる5mlの培地に播種した。培養は30℃で3日間行った。遠心の後、上清を、分泌されたインスリン類似体の濃度を測定する方法による定量的HPLC分析のために取り除いた。インスリン類似体の同定をLC/MS分析にて確認した。
流加発酵
B(1−30)-KRDGLGKR-(A1−21), A18Qを発現するS.セレビシエ株ySA63を、酵母抽出物(Difco):20g/L及びペプトン(Bacto):10g/L及び60g/Lのグルコース及び0.1mlの消泡剤(PEO/PPOブロックコポリマー)からなる培地に播種した。培地pHは6.5〜6.6に調整して、熱殺菌をする。グルコースは別に殺菌して、残りの無菌の成分に加える。
200mLの培養物(500mLのエーレンマイヤーフラスコ中)を、30℃で16〜30時間、250回転数/分の軌道振とう器にてインキュベートする。
50mLの振とうフラスコ培養物を、50g/Lの液体酵母抽出物(50%乾燥物)、3.6g/L KH2PO4、2.3g/L K2SO4、1.5g/L MgSO4・7H2O、0.064g/K FeSO4・7H2O、0.016g/L MnSO4・H2O、0.011g/L CuSO4・5H2O、0.016g/L ZnSO4・7H2O、0.8g/L クエン酸、2g/L m-イノシトール、0.2g/L 塩化コリン、0.2g/L チアミン,HCl、0.1g/L ピリドキシン,HCl、0.2g/L ナイアシンアミド、1g/L Ca-パントテン酸、0.005g/L ビオチン、0.05g/L p‐アミノ安息香酸、0.66mL/L 消泡剤(PEO/PPOブロックコポリマー)及び21g/L グルコースからなる1.2Lの成長培地を含有する発酵糟に移す。グルコースを除くすべての成分は熱殺菌する。グルコースは別に殺菌して、発酵槽に加える。
工程の間、希釈された発酵試料の600nmでの光学濃度の測定によって増殖をモニターする。インスリンの濃度は、酸性エタノール(552g エタノール、340g 脱イオン水及び5mlの濃硫酸)にて容量基準に対して1:1に希釈した試料のHPLCによって定量化し、そして3000〜5000×gで遠心分離する。発酵ブロスL当たりのインスリンの濃度を算出する場合、沈殿物中の細胞が菱形にパッケージングされると仮定すると、酵母細胞が占める容量についての補正が含まれる。インスリンの示された濃度は、完全なインスリン及びdesB30インスリンを含む。
グルコース溶液の添加は69時間後に止める一方で、発酵をさらに4時間続けて、生成物を回収する。
時間に対する光学濃度及びインスリン濃度を図4にプロットすると、37mg/Lの発酵ブロスの最終インスリン濃度が示された。
Claims (12)
- ヒトインスリン類似体の前駆体をコードするDNAベクターを含んでなる真菌類細胞を培養することによる成熟ヒトインスリン類似体の作製方法であって、該前駆体が、インスリンペプチドのA-鎖及びB-鎖それぞれへの両接合部でKex2切断部位と隣接した連結ペプチドを含んでなり、該切断部位が真菌類細胞内で切断されることにより、細胞が正しくプロセシングされて成熟した2鎖のヒトインスリン類似体を培養培地に分泌することができ、該インスリン類似体がヒトインスリンA-鎖及び/又はB-鎖の位置A8、B10、A18及びA14のうちの少なくとも一つに突然変異を有する、方法。
- A-鎖に隣接する切断部位に対して最後から2番目の位置の連結ペプチドにおけるアミノ酸残基がLeu、Ile、Tyr、Arg、Lys、His、Pro、Met、Val、Ala及びPheからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- アミノ酸残基がLeu及びIleからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
- 連結ペプチドが3−35、3−34、3−33、3−31、3−30、3−29、3−28、3−27、3−26、3−25、3−24、3−23、3−22、3−21、3−20、3−19、3−18、3−17、3−16、3−15、3−14、3−13、3−12、3−11、3−10、3−9、3−8、3−7、3−6、3−5又は3−4のアミノ酸残基のサイズを有する、請求項1から3のいずれか一に記載の方法。
- 突然変異がAsp、Glu、His、Gln及びArgからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 成熟ヒトインスリン類似体が変異B10Glu、A8His、A14Glu又はA18Glnの少なくとも一を含む、請求項5に記載の方法。
- 真菌類細胞が酵母細胞である、請求項1から6のいずれか一に記載の方法。
- ヒトインスリン類似体前駆体がアミノ酸配列
B(1−30)−X−X−Z−Y−Y−A(1−21)を有し、
B(1−30)がヒトインスリンのB-鎖又はその類似体であり、A(1−21)がヒトインスリンA-鎖又はその類似体であり、X−X及びY−Yの両方がKex2部位であり、Zが1からおよそ35のアミノ酸残基を有するペプチド配列であり、ただし、ヒトインスリンA-鎖及び/又はB-鎖内の位置A8、B10、A18及びA14の天然のアミノ酸残基のうちの少なくとも1が他のアミノ酸残基に変異している、請求項1に記載の方法。 - Zが3−35、3−34、3−33、3−31、3−30、3−29、3−28、3−27、3−26、3−25、3−24、3−23、3−22、3−21、3−20、3−19、3−18、3−17、3−16、3−15、3−14、3−13、3−12、3−11、3−10、3−9、3−8、3−7、3−6、3−5又は3−4のアミノ酸残基のサイズである、請求項8に記載の方法。
- アミノ酸配列
B(1−30)−X−X−Z−Y−Y−A(1−21)を有するインスリン前駆体をコードするDNAであって、
B(1−30)がヒトインスリンのB-鎖又はその類似体であり、A(1−21)がヒトインスリンA-鎖又はその類似体であり、X−X及びY−Yの両方がKex2部位であり、Zが1からおよそ35のアミノ酸残基を有するペプチド配列であり、ただし、ヒトインスリンA-鎖及び/又はB-鎖内の位置A8、B10、A18及びA14の天然のアミノ酸残基のうちの少なくとも1が他のアミノ酸残基に変異しているDNA。 - 請求項10に記載のDNA配列を含んでなる発現ベクター。
- 請求項11に記載のベクターにて形質転換された酵母細胞。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
EP05107513.3 | 2005-08-16 | ||
EP05107513 | 2005-08-16 | ||
PCT/EP2006/065303 WO2007020256A1 (en) | 2005-08-16 | 2006-08-15 | Method for making mature insulin polypeptides |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013098777A Division JP2013208119A (ja) | 2005-08-16 | 2013-05-08 | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009504169A JP2009504169A (ja) | 2009-02-05 |
JP5366546B2 true JP5366546B2 (ja) | 2013-12-11 |
Family
ID=35169284
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008526490A Expired - Fee Related JP5366546B2 (ja) | 2005-08-16 | 2006-08-15 | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 |
JP2013098777A Withdrawn JP2013208119A (ja) | 2005-08-16 | 2013-05-08 | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013098777A Withdrawn JP2013208119A (ja) | 2005-08-16 | 2013-05-08 | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US9056921B2 (ja) |
EP (1) | EP1917363B1 (ja) |
JP (2) | JP5366546B2 (ja) |
CN (2) | CN101243190B (ja) |
AT (1) | ATE513921T1 (ja) |
ES (1) | ES2368500T3 (ja) |
WO (1) | WO2007020256A1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9056921B2 (en) | 2005-08-16 | 2015-06-16 | Novo Nordisk A/S | Method for making mature insulin polypeptides |
WO2008037735A1 (en) * | 2006-09-27 | 2008-04-03 | Novo Nordisk A/S | Method for making maturated insulin polypeptides |
WO2008062010A2 (en) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Novo Nordisk A/S | Method for making activated carboxypeptidases |
US20130295605A1 (en) * | 2010-05-28 | 2013-11-07 | Csir | Method for producing a polypeptide in yarrowia lipolytica |
EP3098235A4 (en) * | 2014-01-20 | 2017-10-18 | Hanmi Pharm. Co., Ltd. | Long-acting insulin and use thereof |
JP6829928B2 (ja) * | 2014-10-06 | 2021-02-17 | ケース ウェスタン リザーブ ユニバーシティCase Western Reserve University | 二相性単鎖インスリン類似体 |
PL233560B1 (pl) | 2014-12-05 | 2019-10-31 | Mabion Spolka Akcyjna | Sposób otrzymywania insuliny lub analogu insuliny z prekursora rekombinowanego białka |
UY36870A (es) | 2015-08-28 | 2017-03-31 | Hanmi Pharm Ind Co Ltd | Análogos de insulina novedosos |
US11396534B2 (en) | 2016-09-23 | 2022-07-26 | Hanmi Pharm. Co., Ltd. | Insulin analogs with reduced affinity to insulin receptor and use thereof |
EP3541397A4 (en) * | 2016-11-21 | 2020-11-04 | Case Western Reserve University | FAST-ACTING INSULIN ANALOGA WITH IMPROVED STABILITY |
EP3604328A4 (en) | 2017-03-23 | 2021-01-06 | Hanmi Pharm. Co., Ltd. | REDUCED INSULIN ANALOGUE COMPLEX FOR INSULIN RECEPTOR AND ITS USE |
KR20210102346A (ko) | 2018-12-11 | 2021-08-19 | 사노피 | 인슐린 콘쥬게이트 |
Family Cites Families (40)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4546082A (en) | 1982-06-17 | 1985-10-08 | Regents Of The Univ. Of California | E. coli/Saccharomyces cerevisiae plasmid cloning vector containing the alpha-factor gene for secretion and processing of hybrid proteins |
US4599311A (en) | 1982-08-13 | 1986-07-08 | Kawasaki Glenn H | Glycolytic promotersfor regulated protein expression: protease inhibitor |
US4914026A (en) | 1983-04-07 | 1990-04-03 | Chiron Corporation | Alpha factor leader sequence directed secretion of insulin |
US4870008A (en) | 1983-08-12 | 1989-09-26 | Chiron Corporation | Secretory expression in eukaryotes |
US4931373A (en) | 1984-05-25 | 1990-06-05 | Zymogenetics, Inc. | Stable DNA constructs for expression of α-1 antitrypsin |
AU600885B2 (en) | 1984-05-25 | 1990-08-30 | Zymogenetics Inc. | Stable DNA constructs |
DK58285D0 (da) | 1984-05-30 | 1985-02-08 | Novo Industri As | Peptider samt fremstilling og anvendelse deraf |
US4766073A (en) | 1985-02-25 | 1988-08-23 | Zymogenetics Inc. | Expression of biologically active PDGF analogs in eucaryotic cells |
US4879231A (en) | 1984-10-30 | 1989-11-07 | Phillips Petroleum Company | Transformation of yeasts of the genus pichia |
US4683202A (en) | 1985-03-28 | 1987-07-28 | Cetus Corporation | Process for amplifying nucleic acid sequences |
PH25772A (en) | 1985-08-30 | 1991-10-18 | Novo Industri As | Insulin analogues, process for their preparation |
US4882279A (en) | 1985-10-25 | 1989-11-21 | Phillips Petroleum Company | Site selective genomic modification of yeast of the genus pichia |
AU6543286A (en) | 1985-10-25 | 1987-05-19 | Zymogenetics Inc. | Method of using bar1 for secreting foreign proteins |
DK463887D0 (da) | 1987-09-07 | 1987-09-07 | Novo Industri As | Gaerleader |
KR900701842A (ko) | 1988-07-20 | 1990-12-04 | 헨리 브뢰늄 | 인간 인슐린 동족체와 그를 포함하는 제제 |
US5037743A (en) | 1988-08-05 | 1991-08-06 | Zymogenetics, Inc. | BAR1 secretion signal |
HUT56857A (en) | 1988-12-23 | 1991-10-28 | Novo Nordisk As | Human insulin analogues |
US5716927A (en) * | 1988-12-23 | 1998-02-10 | Novo Nordisk A/S | Insulin analogs having a modified B-chain |
DK105489D0 (da) | 1989-03-03 | 1989-03-03 | Novo Nordisk As | Polypeptid |
NZ232375A (en) | 1989-02-09 | 1992-04-28 | Lilly Co Eli | Insulin analogues modified at b29 |
JPH04504858A (ja) | 1989-04-20 | 1992-08-27 | マウント シナイ スクール オブ メディスン オブ ザ シティー ユニバーシティー オブ ニューヨーク | 肝臓特異性インシュリン類似体 |
DK300090D0 (da) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | Novo Nordisk As | Fremgangsmaade til fremstilling af leadersekvenser |
US6348327B1 (en) | 1991-12-06 | 2002-02-19 | Genentech, Inc. | Non-endocrine animal host cells capable of expressing variant proinsulin and processing the same to form active, mature insulin and methods of culturing such cells |
DK82893D0 (da) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | Novo Nordisk As | Peptid |
US6011007A (en) | 1993-09-17 | 2000-01-04 | Novo Nordisk A/S | Acylated insulin |
EP0792290B1 (en) | 1993-09-17 | 2001-08-29 | Novo Nordisk A/S | Acylated insulin |
US5639642A (en) | 1994-06-16 | 1997-06-17 | Novo Nordisk A/S | Synthetic leader peptide sequences |
ZA954983B (en) | 1994-06-17 | 1996-02-14 | Novo Nordisk As | N-terminally extended proteins expressed in yeast |
US5693609A (en) | 1994-11-17 | 1997-12-02 | Eli Lilly And Company | Acylated insulin analogs |
US5646242A (en) | 1994-11-17 | 1997-07-08 | Eli Lilly And Company | Selective acylation of epsilon-amino groups |
GB9513967D0 (en) * | 1995-07-08 | 1995-09-06 | Univ Leicester | Insulin |
US20030104981A1 (en) * | 1995-11-03 | 2003-06-05 | Jelena Mandic | Human insulin analogues |
US6451970B1 (en) | 1996-02-21 | 2002-09-17 | Novo Nordisk A/S | Peptide derivatives |
DE69717629T2 (de) | 1996-07-05 | 2003-09-11 | Novo Nordisk As | Verfahren zur produktion von polypeptiden |
AU5549998A (en) | 1997-01-24 | 1998-08-18 | Novo Nordisk A/S | Synthetic leader peptide sequences |
KR20030004315A (ko) * | 1999-12-29 | 2003-01-14 | 노보 노르디스크 에이/에스 | 효모에서 개선된 발효 수율을 갖는 인슐린 선구물질 및인슐린 선구물질 유사체의 제조 방법 |
DE60233722D1 (de) * | 2001-04-02 | 2009-10-29 | Novo Nordisk As | Insulinvorstufen und verfahren zu deren herstellung |
US9056921B2 (en) | 2005-08-16 | 2015-06-16 | Novo Nordisk A/S | Method for making mature insulin polypeptides |
WO2008037735A1 (en) | 2006-09-27 | 2008-04-03 | Novo Nordisk A/S | Method for making maturated insulin polypeptides |
WO2008062010A2 (en) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Novo Nordisk A/S | Method for making activated carboxypeptidases |
-
2006
- 2006-08-15 US US12/063,692 patent/US9056921B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2006-08-15 ES ES06778234T patent/ES2368500T3/es active Active
- 2006-08-15 JP JP2008526490A patent/JP5366546B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 2006-08-15 EP EP06778234A patent/EP1917363B1/en not_active Not-in-force
- 2006-08-15 WO PCT/EP2006/065303 patent/WO2007020256A1/en active Application Filing
- 2006-08-15 AT AT06778234T patent/ATE513921T1/de not_active IP Right Cessation
- 2006-08-15 CN CN200680029943.0A patent/CN101243190B/zh not_active Expired - Fee Related
- 2006-08-15 CN CN2012101442950A patent/CN102660614A/zh active Pending
-
2013
- 2013-05-08 JP JP2013098777A patent/JP2013208119A/ja not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN102660614A (zh) | 2012-09-12 |
EP1917363A1 (en) | 2008-05-07 |
US20110111460A1 (en) | 2011-05-12 |
JP2009504169A (ja) | 2009-02-05 |
WO2007020256A1 (en) | 2007-02-22 |
CN101243190B (zh) | 2015-05-13 |
EP1917363B1 (en) | 2011-06-22 |
ES2368500T3 (es) | 2011-11-17 |
US9056921B2 (en) | 2015-06-16 |
ATE513921T1 (de) | 2011-07-15 |
JP2013208119A (ja) | 2013-10-10 |
CN101243190A (zh) | 2008-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5366546B2 (ja) | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 | |
JP5503968B2 (ja) | 成熟インスリンポリペプチドの作製方法 | |
Fleer et al. | Stable multicopy vectors for high–level secretion of recombinant human serum albumin by Kluyveromyces Yeasts | |
JP2609367B2 (ja) | プロセッシング部位に隣接する負に帯電したアミノ酸からなる酵母プロセッシングシステム | |
CN105308067B (zh) | 制备成熟胰岛素多肽的方法 | |
JP4855640B2 (ja) | インシュリン前駆体及びその調製方法 | |
US20220194995A1 (en) | Mating factor alpha pro-peptide variants | |
EP1246933B1 (en) | Method for making insulin precursors and insulin precursor analogues having improved fermentation yield in yeast | |
JP2013255513A (ja) | 活性化カルボキシペプチダーゼの製造方法 | |
US8691530B2 (en) | Process for obtaining aspart insulin using a Pichia pastoris yeast strain | |
US8129146B2 (en) | Method for making insulin precursors and insulin precursor analogues having improved fermentation yield in yeast |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090706 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120110 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120409 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20130108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130508 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20130624 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130813 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130910 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |