JP5365874B2 - Pon光通信システム、局側装置及び消費電力制御方法 - Google Patents
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Description
特に、局側装置OLTと各宅側装置ONUとの間を、それぞれ1本の光ファイバで放射状に結ぶ(Single Star)ネットワーク構成が実用化されている。このネットワーク構成では、システム及び機器構成は簡単になるが、1つの宅側装置ONUが一本の光ファイバを占有し、宅側装置ONU数がN局あれば、局側装置OLTから直接接続される光ファイバがN本必要となり、システムの低価格化を図るのが困難である。
PON光通信システムでは、特に外部からの電源供給を必要とせず入力された信号から受動的(Passive)に信号を分岐・多重する受動型光分岐器(光カプラ)を介して、一つの局側装置OLTと複数の宅側装置ONUが光伝送路で接続される。局側装置OLTとN局の宅側装置ONUとは、光ファイバSMF及び光カプラOCを介して接続された1対Nの伝送を基本としている。これにより、1つの局側装置OLTに対して、多くの宅側装置ONUを割り当てることができ、全体的な設備コストを抑えることができる。
このため、局側装置OLTとの接続が確立されていないときには、宅側装置ONUを定常動作状態から解除して、無駄な電力を消費しないようにする技術が提案されている。すなわち、宅側装置ONUにおいて、光信号の入力の有無、局側装置OLTとの間で論理リンクが確立されているか否か、下位のコンピュータとの接続の有無を判定して、判定結果に基づいて宅側装置ONUの一部機器の消費電力を抑制する技術である。
本発明のPON光通信システムは、局側装置OLTと複数の宅側装置ONUとの間で光分岐器を介して光通信を行うものであって、局側装置OLTの送信部1は、各宅側装置ONU宛に順次送信するユニキャストフレームとマルチキャストフレームとを蓄積する下りバッファ部13と、省電力モード制御部16とを有している。
この構成では、局側装置OLTは、送信するユニキャストデータのない宅側装置ONUに対して、原則として、省電力モード時間TPSを記述した省電力モード設定フレームを送信する。自局宛の省電力モード設定フレームを受け取った宅側装置ONUは、指定された省電力モード時間TPSにわたって、自局のPON受信部2を省電力モードに設定することができる。そして省電力モード時間TPSが終了し、次に局側装置OLTから通信開始フレームが来たときには、その通信開始フレーム及びそれに続くフレームを受信し解析することができる。
本発明において、局側装置OLTから宅側装置ONUに誤り訂正符号付きフレームが光伝送され、宅側装置ONUのフレーム解析部が、当該誤り訂正符号付きフレームの誤りを訂正する誤り訂正フレーム復号部24を有する場合、誤り訂正フレーム復号部24を停止させることとすれば、省電力効果が大きい。
また、本発明の光通信における消費電力制御方法は、前記PON光通信システムの発明と実質的に同一の発明に係る方法の発明である。
図1は、PON光通信システムの構成例を示す概略図である。
PON光通信システムは、局舎に備えられる局側装置OLTと複数の加入者に備えられる宅側装置ONUとが、光ファイバSMF及び光カプラOCを介して接続されている。
宅側装置ONUは、加入者宅内に設置されるパーソナルコンピュータなどの光ネットワークサービスを享受するための端末を接続するネットワークインタフェースを備えている。
局側装置OLT及び光カプラOC、光カプラOC及び宅側装置ONUに接続されている光ファイバは、それぞれ1本の光ファイバSMFからなるシングルモードファイバを用いている。つまり、1台の局側装置OLTは、1本の幹線光ファイバSMFを通して1台の光カプラOCに接続されている。そして、1台の光カプラOCは、必要であればM台の第2の光カプラOC(Mは、この例では1の数)と光ファイバSMFで接続している。そして、第2の光カプラOCは、L台(Lは、この例では32以下の数)の宅側装置ONUと、支線光ファイバSMFで接続されている。よって、1局の局側装置OLTが送受する信号は、2段の光カプラOCによって、複数台の宅側装置ONUに分配される。なお、光カプラOCや宅側装置ONUの台数は例示であるにすぎない。
前記GE−PON方式若しくは10G−EPON方式に従えば、局側装置OLT及び宅側装置ONUの相互の通信は、可変長なフレームを単位として行われる。
図2は、局側装置OLTの内部構成を示すブロック図であり、局側装置OLTから宅側装置ONUへの送信部及び受信部を図示している。
本実施例では、下りバッファ部13は、各宅側装置ONUに共通な1つの制御フレーム用キュー(図示せず)と、各宅側装置ONUに対応するユニキャストフレーム用キューと、所定数のマルチキャスト用キューを持つ。図2では、例えば宅側装置ONUiに対応するユニキャストフレーム用キューを「ONUi宛キュー」と表示している。ユニキャストフレーム用キューの数は、システムに接続し得る宅側装置ONUの数N又はそれ以上となっている。また下りバッファ部13において、マルチキャストフレームを格納するマルチキャスト用キューの数は1つ表示されているが、本来マルチキャスト・コンテンツを提供するためのチャンネル数に応じて用意されるものであり、1つに限定されるものではない。
送信部は、マルチキャスト制御部35、スケジューリング処理部15、省電力モード制御部16、省電力モード設定フレーム送信要求部17、及び下り送信部18を有する。
MPCP制御部14は、局側装置OLTと宅側装置ONU間のMPCPリンクを制御する。すなわちMPCP制御部14は、特定の宅側装置ONUに対して上り信号を送信するタイミングを教示するための上り帯域割当用制御フレームを生成し、その上り帯域割当用制御フレームを、省電力モード制御部16を通して下り回線に送る。通常は、数msごとに(この時間間隔をMPCP GATE送信時間サイクルTNGという)、上り帯域割当用制御フレームを周期的に送信している。IEEEのEPONでは、上り帯域割当用制御フレームの送信間隔は、最大50msである。
省電力モード制御部16は、省電力モード設定フレーム送信要求部17から、宅側装置ONUごとに省電力モード設定フレームを送信するかどうかの調査の要求を受けると、図3のフローチャートに示すような処理を行う。
ステップT4では、省電力モード制御部16は、スケジューリング処理部15に対して、当該宅側装置ONUに対するスケジューリングをOFFにすることで、当該宅側装置ONU宛へのフレームが下り送信されないようにする。
省電力モード制御部16は、当該宅側装置ONUに対するフレーム送信の間に割り込んで、当該宅側装置ONU宛に「省電力モード設定フレーム」を送信するよう、スケジューリング処理部15に指示を出す。
ここで省電力モード設定フレームについて説明すると、省電力モード制御部16は、省電力モード設定フレーム送信要求部17で事前に設定された省電力モード時間TPSの情報を含む当該宅側装置ONU向けの省電力モード設定フレームを作成し、当該宅側装置ONU宛に送信する。ここで「省電力モード時間TPS」とは、省電力モード設定フレームを送信する時間間隔のことである。
すなわち、省電力モード制御部16が当該宅側装置ONU宛に省電力モード設定フレームを送信した後、省電力モード設定フレーム送信要求部17は、省電力モード時間TPSのカウントダウンを開始する(ステップT6)。すなわち、当該宅側装置ONUの省電力モードカウンタTpscを、0になるまで単位時間(例えば1m秒)差し引いていく(ステップT7)。
省電力モードカウンタTpsctが終了すると(ステップT8)、スタートに戻り、当該宅側装置ONUのユニキャストフレーム用キューの送信スケジューリングを再開する(送信スケジュールをONにする)指示を出し、本処理を繰り返す。
宛先アドレスは省電力モード設定の対象となる宅側装置ONUのアドレスである。省電力モード設定フレームを受け取った宅側装置ONUはこのアドレスが自己のアドレスであれば、自局を省電力モードに設定すべきことを知る。なお、省電力モード設定フレームを受け取った宅側装置ONUのアドレスがこのアドレスと違っていれば、省電力モード設定フレームを無視する。
図5〜図8は、マルチキャストフレーム及び省電力モード設定フレームの送信の流れを示す時間の流れ図である。
図7は、宅側装置ONUi宛キューにデータがあり、宅側装置ONUiの視聴チャンネル数が0の場合を表わす。宅側装置ONUiの視聴チャンネル数が0なので、宅側装置ONUiを宛先に含まないマルチキャストフレームの送信が行われる。宅側装置ONUiに対しては、ユニキャストフレームが送信される。宅側装置ONUiは省電力モードに設定されない。
図9は、宅側装置ONUのPON受信部2のブロック図である。
PON受信部2は、O/E変換部20、クロックデータを再現するクロック再生部21(CDR)部21、シリアル信号をパラレル信号に変換するデシリアライザー(DES)部22、フレームの境界を探す誤り訂正フレーム同期部23、互いに並列状態に配列される誤り訂正符号付きフレームをそれぞれ誤り訂正する誤り訂正フレーム復号部24、暗号の解読をするデスクランブル部25、64B/66Bデコーダ部26及びフレーム解析を行うMACPON受信部27を備えている。
MACPON受信部27は、そのフレーム内に記述されている省電力モード時間TPSを読み取り、MACPON受信部27の省電力タイマ27bに省電力モード時間TPSをセットする。省電力タイマ27bは、一定時間ごとにデクリメントされ、タイマ値が0でなければ、省電力モードを続ける。省電力モードタイマーが0になれば、デクリメント止め、省電力モード信号を"0"にする(通常モード)。
各ブロックは、省電力モード信号が"1"の間は、内部ブロックの回路動作を止め、回路の消費電力を低減させる。
ここで「内部ブロックの回路動作を止める」とは、(1)自ブロックの中の主要部品に対して電源の供給を止めること、でもよいし、(2)自ブロック内の主要部品に対してフリップフロップに入力されるクロックを止めること、でもよい。
「主要部品」としての誤り訂正フレーム復号部24に入力される電源あるいはクロックを止めると、誤り訂正の動作が止まる。PON受信部2では誤り訂正フレーム復号部24の消費電力が大きいため、誤り訂正フレーム復号部24を省電力モードにすることによる、消費電力の低減効果は大きい。
さらに低消費電力化を図るため、省電力モード信号をデシリアライザー部22、誤り訂正フレーム同期部23に入力し、デシリアライザー部22と誤り訂正フレーム同期部23の回路動作も止め、省電力モードにすることも可能である。
11 下り入力部
12 フレーム振り分け処理部
13 下りバッファ部
14 MPCP制御部
15 スケジューリング処理部
16 省電力モード制御部
17 省電力タイマ27b部
18 下り送信部
20 O/E変換部
21 クロック再生(CDR)部
22 デシリアライザー(DES)部
23 誤り訂正フレーム同期部
24 誤り訂正フレーム復号部
25 デスクランブル部
26 64B/66Bデコーダ部
27 MAC受信部
27a フレーム解析部
27b 省電力タイマ
27c フレームエラーチェック部
31 上り受信部
32 上りフレーム監視部
33 上りバッファ部
34 上り送信部
35 マルチキャスト制御部
Claims (5)
- 局側装置と複数の宅側装置ONUとの間で光分岐器を介して光通信を行うPON(Passive Optical Network)光通信システムにおいて、
前記局側装置の送信部は、各宅側装置ONU宛に順次送信するユニキャストフレームと、マルチキャストフレームとを蓄積する下りバッファ部と、省電力モード制御部とを有し、
前記省電力モード制御部は、宅側装置ONUから送られてくるマルチキャストフレームを受信することを記述した上り制御フレームを監視し、前記下りバッファ部の中の送信するユニキャストフレームが空であってマルチキャストフレームを受信していない宅側装置ONUに対して省電力モード時間を記述した省電力モード設定フレームを送信し、
前記省電力モード制御部は、前記下りバッファ部の中の送信するユニキャストフレームが空であっても前記マルチキャストフレームを受信する宅側装置ONUに対しては、前記省電力モード設定フレームを送信しないで、前記マルチキャストフレームのデータを送信し、
前記宅側装置ONUのPON受信部は、前記局側装置から受信した自局宛のフレームを解析するフレーム解析部を有し、前記フレーム解析部は、前記省電力モード設定フレームを受信した場合には、その省電力モード設定フレーム内に記述された省電力モード時間にわたって当該PON受信部を省電力モードに設定することを特徴とするPON光通信システム。 - 前記光通信システムは、前記局側装置から前記宅側装置ONUに誤り訂正符号付きフレームが光伝送されるシステムであり、
前記宅側装置ONUのPON受信部は、当該誤り訂正符号付きフレームの誤りを訂正する誤り訂正フレーム復号部を有し、前記フレーム解析部は、前記省電力モード設定フレームを受信した場合には、少なくとも前記誤り訂正フレーム復号部を停止させるものである請求項1記載のPON光通信システム。 - 前記省電力モード時間は、当該宅側装置ONUに所定の下り制御フレームを送信してから他の宅側装置ONUに順次送信して当該宅側装置ONUに前記下り制御フレームを送信するまでの一巡時間よりも短い時間に設定されている、請求項1記載のPON光通信システム。
- 局側装置と複数の宅側装置ONUとの間で光分岐器を介して光通信を行うPON(Passive Optical Network)光通信システムに用いられる局側装置であって、
前記局側装置の送信部は、各宅側装置ONU宛に順次送信するユニキャストフレームと、マルチキャストフレームとを蓄積する下りバッファ部と、省電力モード制御部とを有し、
前記省電力モード制御部は、宅側装置ONUから送られてくるマルチキャストフレームを受信することを記述した上り制御フレームを監視し、前記下りバッファ部の中の送信するユニキャストフレームが空であってマルチキャストフレームを受信していない宅側装置ONUに対して省電力モード時間を記述した省電力モード設定フレームを送信し、
前記省電力モード制御部は、前記下りバッファ部の中の送信するユニキャストフレームが空であっても前記マルチキャストフレームを受信する宅側装置ONUに対しては、前記省電力モード設定フレームを送信しないで、前記マルチキャストフレームのデータを送信することを特徴とする局側装置。 - 局側装置と複数の宅側装置ONUとの間で光分岐器を介して行われる光通信における消費電力制御方法であって、
前記局側装置から、各宅側装置ONU宛にマルチキャストフレーム及び/又は順次ユニキャストフレームを送信する場合に、宅側装置ONUから送られてくるマルチキャストフレームを受信することを記述した上り制御フレームを監視し、送信するユニキャスフレームが空であってマルチキャストフレームを受信していない宅側装置ONUに対して省電力モード時間を記述した省電力モード設定フレームを送信し、
前記送信するユニキャストフレームが空であっても前記マルチキャストフレームを受信する宅側装置ONUに対しては、前記省電力モード設定フレームを送信しないで、前記マルチキャストフレームのデータを送信し、
前記省電力モード設定フレームを受信した前記宅側装置ONUは、その省電力モード設定フレーム内に記述された省電力モード時間にわたって当該宅側装置ONUのPON受信部を省電力モードに設定することを特徴とする光通信における消費電力制御方法。
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