JP5365411B2 - ノズルベーン及びターボチャージャ - Google Patents
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Description
また、タービンインペラに導入される排気ガスの流量や流速を調整する可変ノズルを備え、低回転域から高回転域までの広い範囲に亘って、内燃機関の性能を向上させる可変容量型のターボチャージャも使用されている。この可変ノズルには、翼状に形成された複数のノズルベーンが設けられている。ノズルベーンの向きが回転して変化することで、複数のノズルベーンの間を流れる排気ガスの流量や流速を調整することができる。
上述したように、ノズル軸の先端部はリンク部材の貫通孔に圧入されているが、先端部と貫通孔との間の圧入代が大きくなりすぎると、圧入に大きな力を必要としていた。そして、圧入のための力が足りない場合には、所定の位置まで先端部を圧入できず圧入不良が生じる虞があった。
本発明におけるノズルベーンは、翼と、該翼の端面から突出するノズル軸とを備えるノズルベーンであって、ノズル軸に設けられ圧入寸法に形成された圧入部と、圧入部の少なくとも一部を欠落させた形状を備えた非圧入部とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、非圧入部が、圧入部の少なくとも一部を欠落させた形状でノズル軸に設けられており、非圧入部は後述する圧入対象部材に形成された貫通孔へ圧入せずとも嵌入される。また、非圧入部が設けられているために、圧入部の外周面は従来よりも狭くなっている。よって、ノズルベーンや圧入対象部材の製作の結果、圧入部と貫通孔との間の圧入代が大きく設定された場合でも、圧入に要する力が過度に上昇せず、圧入不良の発生が抑制される。
このような構成を採用する本発明では、ノズル軸は、先端に向かうに従い圧入部から非圧入部へと縮小する形状となっており、ノズル軸の中心軸方向で順次加工できるため、加工の手間が抑えられる。
このような構成を採用する本発明では、圧入対象部材に形成されノズル軸の先端部が貫通して嵌入される貫通孔を、その中心軸方向で全域に亘り高い精度で加工する必要はなく、圧入部が嵌入される箇所のみ高い精度で加工すればよい。
このような構成を採用する本発明では、圧入対象部材の貫通孔にノズル軸を貫入させるとき、まず非圧入部が嵌入され、次いで圧入部が圧入されるのであるが、案内部の設置により非圧入部の嵌入から圧入部の圧入へ円滑に移行する。
このような構成を採用する本発明では、ノズル軸に切欠部が設けられると共に、圧入対象部材における貫通孔の内周面には上記切欠部と対応する突出部等が設けられる。よって、貫通孔にノズル軸を嵌入させ、切欠部と突出部とを互いに対応させることで、ノズル軸の圧入対象部材に対する回り止めが構成される。
このような構成を採用する本発明では、ノズル軸を圧入対象部材の貫通孔に圧入させるにあたり、圧入により生じる不均一な応力の発生や、圧入時の軸ずれ等を防ぐことが可能となる。
このような構成を採用する本発明では、ノズルベーンや圧入対象部材の製作の結果、圧入部と貫通孔との間の圧入代が大きく設定された場合でも、圧入に要する力が過度に上昇せず、圧入不良の発生が抑制される。
本発明によれば、ノズルベーンや圧入対象部材の製作の結果、圧入部と貫通孔との間の圧入代が大きく設定された場合でも、圧入に要する力が過度に上昇しない。そのため、圧入部の製作精度を従来よりも緩くしたとしても、圧入不良の発生を防ぐことができる。したがって、上記製作精度を緩和することで、ノズルベーンやターボチャージャ全体の製作の手間及びコストを抑制できるという効果がある。
ターボチャージャ100は、不図示の内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギー等を利用して、外部から導入される空気を圧縮し、圧縮された空気を内燃機関に過給して、内燃機関の性能を向上させる可変容量型のターボチャージャである。ターボチャージャ100は、ロータ1と、タービンハウジング2と、軸受ハウジング3と、コンプレッサハウジング4とを有している。タービンハウジング2、軸受ハウジング3及びコンプレッサハウジング4は、前方より順次配置され一体的に設けられている。
ロータ軸11は、前後方向で延在する回転軸であって、軸受ハウジング3に回転自在に設けられている。タービンインペラ12は、排気ガスの流動によって回転する回転翼であって、タービンハウジング2の内部に設置され、ロータ軸11の前端部に一体的に接続されている。コンプレッサインペラ13は、回転することで空気を吸引すると共に、吸引した空気を径方向外側に送り出す回転翼であって、コンプレッサハウジング4の内部に設置され、ロータ軸11の後端部に一体的に接続されている。
タービンスクロール流路21は、内燃機関から排出された排気ガスが不図示のガス導入口を介して導入される流路であって、タービンインペラ12を囲んで略リング状に形成されている。
可変ノズル6は、タービンインペラ12に導入される排気ガスの流量や流速を調整するノズルであって、タービンスクロール流路21の内側に設けられ、タービンインペラ12を囲んで略環状に形成されている。なお、可変ノズル6は、ノズル駆動部7と一体的に接続され、ノズル駆動部7によって支持されている。ノズル駆動部7は、可変ノズル6の開度を調整する駆動部であり、可変ノズル6の後側且つタービンハウジング2と軸受ハウジング3との接続部近傍に設けられている。なお、可変ノズル6及びノズル駆動部7の詳細は後述する。
コンプレッサ入口41は、不図示のエアクリーナを介して外部から空気を導入するための導入口であって、コンプレッサハウジング4の後側に向かって開口している。
コンプレッサスクロール流路43は、ディフューザ流路42と連通し、コンプレッサインペラ13を囲んで略環状に形成されている。コンプレッサスクロール流路43には、不図示の空気吐出口が接続され、該空気吐出口は、内燃機関の吸気口に接続されている。
図2は、可変ノズル構造5の概略図である。
図3は、ノズル駆動部7の背面図である。
シュラウドリング61及びハブリング62は、共に略円環状に形成された円板部材であって、所定の間隔を空けて前後方向で対向して設けられ、それらの間の隙間は排気ガスが流動する流路となっている。なお、シュラウドリング61は前側に設けられ、ハブリング62は後側に設けられている。
駆動レバー77は、不図示のアクチュエータと連結されるレバー状の部材であって、アクチュエータの作動により駆動軸76を回転させるものである。よって、アクチュエータの作動により駆動軸76が回転し、駆動軸76と接続される第2リンク部材75が回転することで、駆動リング72が回転する。
第2リンク部材75は、第1リンク部材74の間に設けられている。
図4は、図2におけるノズルベーン8周辺の拡大図である。
図5は、第1リンク部材74との連結前におけるノズルベーン8の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA矢視図、(c)は(a)における第2軸部66の先端部の拡大図である。
図6は、第1リンク部材74の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
嵌入部81の翼部64と逆側には、カシメ部84が設けられている。カシメ部84は、後述する突出部85(図5参照)を中心軸S方向で押圧してカシメることにより形成される部分である。カシメ部84は、中心軸Sと直交する方向に関して嵌入部81より大きく形成されており、第1リンク部材74に後側から当接している。すなわち、当接面83とカシメ部84とが第1リンク部材74を前後方向で挟持しており、この挟持によって第1リンク部材74は第2軸部66に一体的に連結されている。
嵌入部81の翼部64と逆側には、突出部85が設けられている。突出部85は、第1リンク部材74の孔部74aを貫通した後に、中心軸S方向で押圧されてカシメられカシメ部84となる部分である。突出部85は、嵌入部81と略同一の断面形状で形成されている。
また、中心軸S方向での圧入部86の幅は、第1リンク部材74よりも小さく形成されている。
第1リンク部材74は、所定の方向に延在した板状の部材であって、第1端部74bと、第2端部74cと、連結部74dとを有している。
まず、嵌入部81を、第1リンク部材74の孔部74aに嵌入させる。
孔部74aには、最初に突出部85及び非圧入部87が嵌入されるが、非圧入部87は切欠部82と直交する方向に関して圧入部86よりも小さく形成されており、突出部85の断面形状も非圧入部87と同一の形状となっているため、非圧入部87及び突出部85は孔部74aへ圧入せずとも嵌入される。
切欠部82と直交する方向での圧入部86の長さは、孔部74aの上記方向での長さよりも僅かに大きく形成されているため、圧入部86は孔部74aに圧入される。もっとも、嵌入部81には非圧入部87が設けられており、圧入部86の外周面は従来よりも狭くなっている。よって、第2軸部66や第1リンク部材74の製作の結果、圧入部86と孔部74aとの間の圧入代が大きく設定された場合でも、圧入に要する力が過度に上昇せず、圧入不良の発生を抑制することができる。
第1リンク部材74から翼部64と逆方向に突出した突出部85を、中心軸S方向で押圧してカシメることで、カシメ部84を形成する。そして、当接面83とカシメ部84とが第1リンク部材74を前後方向で挟持し、この挟持によって第1リンク部材74は第2軸部66に一体的に連結される。
以上で、ノズルベーン8の第2軸部66と、第1リンク部材74との連結が完了する。
本実施形態によれば、ノズルベーン8や第1リンク部材74の製作の結果、圧入部86と孔部74aとの間の圧入代が大きく設定された場合でも、圧入に要する力が過度に上昇しない。そのため、圧入部86の製作精度を従来よりも緩くしたとしても、圧入不良の発生を防ぐことができる。したがって、上記製作精度を緩和することで、ノズルベーン8やターボチャージャ100の製作の手間及びコストを抑制できるという効果がある。
図7は、ノズルベーン8の第1の変形例を示す概略図である。
第2ノズルベーン8Aは、上記実施形態におけるノズルベーン8の第1の変形例である。嵌入部81には第2圧入部90が設けられ、突出部85には第2非圧入部91が設けられている。中心軸S方向での第2圧入部90の幅は、第1リンク部材74以上の大きさで形成されている。このような構成では、圧入後において孔部74aの内周面の全域に亘り第2圧入部90が圧入されているため、カシメ部84を形成する前でも第2軸部66と第1リンク部材74との間を安定して連結することができる。
図8は、ノズルベーン8の第2の変形例を示す概略図である。
第3ノズルベーン8Bは、上記実施形態におけるノズルベーン8の第2の変形例である。嵌入部81には、第3圧入部93及び第3非圧入部94が設けられている。第3圧入部93は、嵌入部81の中心軸S方向での中間部に設けられている。また、第3非圧入部94は、中心軸S方向に関して第3圧入部93の両側にそれぞれ設けられている。
図9は、ノズルベーン8の第3の変形例を示す概略図である。
第4ノズルベーン8Cは、上記実施形態におけるノズルベーン8の第3の変形例である。嵌入部81及び突出部85には、第4圧入部97及び第4非圧入部98が設けられている。第4圧入部97及び第4非圧入部98は、第2軸部66の周方向で並んで配置されている。また、一方の切欠部82には、一対の第4圧入部97が第4非圧入部98を挟持する位置に配置されている。
Claims (3)
- 翼と、該翼の端面から突出するノズル軸とを備えるノズルベーンであって、
前記ノズル軸に設けられ、圧入寸法に形成された圧入部と、
前記圧入部の少なくとも一部を欠落させた形状を備えた非圧入部とを有し、
前記非圧入部は、前記ノズル軸の先端側に設けられ、
前記圧入部は、前記非圧入部の前記翼側に隣り合って設けられ、
前記圧入部は、圧入対象部材に圧入され、
前記ノズル軸の中心軸方向での前記圧入部の幅は、前記圧入対象部材よりも小さく形成され、
前記圧入部と前記非圧入部との間に設けられ、前記圧入対象部材を前記非圧入部から前記圧入部に案内する案内部を有し、
前記ノズル軸の外周面を中心軸と略平行して切り欠いた切欠部を有し、
前記圧入部及び前記非圧入部は、前記中心軸方向に関して前記切欠部の切り欠き範囲に位置して設けられていることを特徴とするノズルベーン。 - 請求項1に記載のノズルベーンにおいて、
前記切欠部は、前記中心軸を挟んで、相対する位置にそれぞれ設けられていることを特徴とするノズルベーン。 - 請求項1または2に記載のノズルベーンを有することを特徴とする可変容量型のターボチャージャ。
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