JP2011163266A - 可変ノズル構造の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全なノズルベーンの回転を確保しつつ、高い効率を有する過給機を安定して生産できる、可変ノズル構造の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、段付きピンを介してシュラウドリングとハブリングとを互いに対向させ且つ段付きピンの段部の長さに応じた間隔を形成しつつ連結し、シュラウドリングとハブリングとの間に複数のノズルベーンを回転自在に配置した可変ノズル構造の製造方法であって、シュラウドリングとハブリングとの対向方向での複数のノズルベーンの翼幅をそれぞれ測定する測定工程と、測定工程での測定結果に応じて段部の長さ調整を行う調整工程とを有する、という方法を採用する。
【選択図】図5

Description

本発明は、可変ノズル構造の製造方法に関するものである。
特許文献1には、内燃機関から導かれる排気ガスの運動エネルギーを利用して、内燃機関に圧縮した空気を供給し、内燃機関の性能を向上させる過給機が開示されている。この過給機は、排気ガスが導入されるタービン部に可変ノズル構造を備えている。可変ノズル構造は、互いに対向して配置された一対の円板(いわゆるシュラウドリング及びハブリング)の間に、複数のノズルベーンが回転自在に設けられた構造となっている。複数のノズルベーンを同期して回転させて、その向きを変化させることにより、タービン部の中央部に設けられたタービンインペラに向かう排気ガスの流路幅を変化させることができる。流路幅を変化させることで、例えば内燃機関からの排気ガスの流量が少ない場合(内燃機関の作動回転数が低い場合)であっても、タービンインペラを回転させることができる。すなわち、内燃機関の低回転域から高回転域までの広い範囲に亘り、内燃機関の性能を向上させることができる。
特開2006−125588号公報
しかしながら、上述した従来技術には、以下のような課題が存在する。
一対の円板は複数の段付きピンによって互いに連結されている。そして、一対の円板の間隔は、段付きピンの段部長さに応じて設定されている。段付きピンの段部長さ及びノズルベーンの翼幅は、それぞれ所定の加工精度内で成形されている。ここで、ノズルベーンの翼幅よりも段付きピンの段部長さが短くなると、ノズルベーンの翼端が一対の円板に強く接触してしまい、安全且つ円滑なノズルベーンの回転が確保できなくなる。そのため、ノズルベーンの翼幅における加工精度の上限値は、段付きピンの段部長さにおける加工精度の下限値よりも小さく設定されている。すなわち、ノズルベーンの翼幅が最大となり、段付きピンの段部長さが最小となったときにも、ノズルベーンの翼端が一対の円板に強く接触しないように設定されている。
上述したように、段付きピンの段部長さ及びノズルベーンの翼幅は、それぞれ所定の加工精度内で成形されている。そのため、段付きピンとノズルベーンとの組み合わせによっては、ノズルベーンの翼幅に比べて一対の円板の間隔が広くなりすぎる場合があった。このような場合には、ノズルベーンの翼端と円板との間に大きな隙間が形成され、この隙間を介して排気ガスが漏出し、過給機の効率が低下するという課題があった。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、安全なノズルベーンの回転を確保しつつ、高い効率を有する過給機を安定して生産できる、可変ノズル構造の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、段付きピンを介してシュラウドリングとハブリングとを互いに対向させ且つ段付きピンの段部の長さに応じた間隔を形成しつつ連結し、シュラウドリングとハブリングとの間に複数のノズルベーンを回転自在に配置した可変ノズル構造の製造方法であって、シュラウドリングとハブリングとの対向方向での複数のノズルベーンの翼幅をそれぞれ測定する測定工程と、測定工程での測定結果に応じて段部の長さ調整を行う調整工程とを有する、という方法を採用する。
本発明では、測定工程によって測定された複数のノズルベーンの翼幅に応じて、段付きピンにおける段部の長さ調整を行っている。すなわち、安全なノズルベーンの回転に必要な段付きピンの段部長さを確保しつつ、ノズルベーンの翼幅と一対の円板の間隔とをより近づけることが可能となる。
また、本発明は、ノズルベーンの翼幅の許容上限値と、測定工程で測定された最大幅を有するノズルベーンの翼幅との差をΔEとし、調整工程では、段部の長さに関する加工基準値をΔEの量で補正したものを調整基準値として段部の長さ調整を行う、という方法を採用する。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
本発明によれば、安全なノズルベーンの回転に必要な段付きピンの段部長さを確保しつつ、一対の円板とノズルベーンとの隙間をより狭くすることができる。そのため、本発明によれば、安全なノズルベーンの回転を確保しつつ、高い効率を有する過給機を安定して生産できるという効果がある。
可変ノズル構造1の構成を示す断面図である。 可変ノズル構造1の背面図である。 段付きピン5の側面図である。 ノズルベーン6の構成を示す概略図である。 可変ノズル構造1の製造方法を示すフローチャートである。 調整前及び調整後の段付きピン5と、ノズルベーン6との関係を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を、図1から図6を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。また、各図面における矢印Fは前方向を示すものとする。
本実施形態に係る可変ノズル構造1の構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、可変ノズル構造1の構成を示す断面図である。
図2は、可変ノズル構造1の背面図である。
図1に示すように、可変ノズル構造1は、不図示の過給機の内部に設けられ、内燃機関から導かれる排気ガスの流量・流速を調整するものである。可変ノズル構造1は、過給機の外殻を構成するタービンハウジング2と軸受ハウジング3との接続部近傍に配置されている。タービンハウジング2の内部には、タービンインペラ41が前後方向に延びる所定の軸周りで回転自在に設置されている。タービンインペラ41は、排気ガスの流動によって回転する回転翼である。タービンインペラ41には、前後方向に延びる軸部材であるタービン軸42が一体的に接続されており、タービン軸42は軸受ハウジング3に回転自在に支持されている。可変ノズル構造1は、タービンインペラ41を囲んで略円環状に形成されており、タービンインペラ41に導入される排気ガスの流量・流速を調整できる構成となっている。
可変ノズル構造1は、シュラウドリング11と、ハブリング12と、段付きピン5と、ノズルベーン6と、ノズル駆動部7とを有している。
シュラウドリング11及びハブリング12(以下、「リング11及び12」と記載する)は、共に略円環状に形成された板部材であって、所定の間隔をあけて前後方向で対向して設けられている。リング11及び12は、共にタービンインペラ41を囲んで設置されている。リング11及び12の間は、排気ガスが流動する流路となっている。なお、シュラウドリング11は前側に設けられ、ハブリング12は後側に設けられている。
段付きピン5は、リング11及び12を互いに対向させ所定の間隔をあけて一体的に連結するための部材である。段付きピン5は、リング11及び12のそれぞれに形成された孔部に圧入されて一体的に接続されており、周方向で間隔をあけて複数(本実施形態では3本)設けられている。また、段付きピン5は、ハブリング12とノズル駆動部7とを接続するためにも用いられている。
ノズルベーン6は、タービンインペラ41に導入される排気ガスの流量・流速を調整するための翼部材である。ノズルベーン6は、リング11及び12の間に周方向に並んで複数(本実施形態では11枚)設けられ、複数のノズルベーン6が同期して回転することで、リング11及び12の間において排気ガスが流動する流路の幅を調整することができる。
ノズルベーン6は、翼部61と、第1回転軸62と、第2回転軸63とを有している。翼部61は平面視略矩形に形成されており、その翼面が前後方向に平行する向きで設けられている。第1回転軸62及び第2回転軸63は、翼部61の前後方向での翼端面からそれぞれ突出して設けられる円柱状の軸部材である。第1回転軸62及び第2回転軸63は、リング11及び12のそれぞれに形成された孔部に貫入して回転自在に支持されている。なお、第2回転軸63は、ハブリング12から後方に向けて突出しており、後述する第1リンク部材74と一体的に連結されている。
ノズル駆動部7は、複数のノズルベーン6を同期して回転させることで、可変ノズル構造1の開度を調整するものである。ノズル駆動部7は、外側ガイド71と、駆動リング72と、内側ガイド73と、第1リンク部材74と、第2リンク部材75と、駆動軸76と、駆動レバー77とを有している。
外側ガイド71は、ハブリング12を支持し且つ駆動リング72を回転自在に保持するための略環状の部材である(図2参照)。外側ガイド71の外縁側は、タービンハウジング2と軸受ハウジング3とにより挟持されて保持されている。一方、外側ガイド71の内縁側は、段付きピン5を介してハブリング12と一体的に接続されている。すなわち、外側ガイド71は、リング11及び12等をタービンハウジング2及び軸受ハウジング3に連結して支持している。
駆動リング72は、複数のノズルベーン6を同期して回転させるための略環状の部材であって、外側ガイド71の径方向内側にその中心軸周りで回転自在に設けられている。駆動リング72には、第1リンク部材74の一端部及び第2リンク部材75の一端部がそれぞれ嵌合する第1凹部72a及び第2凹部72bが形成されている。
内側ガイド73は、駆動リング72の径方向内側に設けられ、駆動リング72を回転自在に保持するための略環状の部材である。内側ガイド73は、段付きピン5を介してハブリング12及び外側ガイド71と一体的に接続されている。内側ガイド73は、複数の爪部73aを有しており、爪部73aは、駆動リング72の後方に臨む面に摺動自在に当接している。よって、駆動リング72は、外側ガイド71及び内側ガイド73から前後方向で挟持されて保持されている。
第1リンク部材74は、複数のノズルベーン6と駆動リング72とをそれぞれ連結する部材である。第1リンク部材74における径方向外側の端部は、駆動リング72の第1凹部72aに摺動自在に嵌合している。一方、第1リンク部材74における径方向内側の端部は、ノズルベーン6の第2回転軸63と一体的に接続されている。よって、駆動リング72が回転することで第1リンク部材74は揺動し、第1リンク部材74の揺動により複数のノズルベーン6は同期して回転する。
第2リンク部材75は、駆動リング72と駆動軸76とを連結する部材である。第2リンク部材75における径方向外側の端部は、駆動リング72の第2凹部72bに摺動自在に嵌合している。駆動軸76は、前後方向で延びる軸部材であって、軸受ハウジング3に回転自在に支持されている。駆動レバー77は、不図示のアクチュエータに接続されるレバー状の部材であって、駆動軸76の後端部に連結され、アクチュエータの作動により駆動軸76を回転させるものである。アクチュエータの作動により駆動軸76が回転し、駆動軸76と接続される第2リンク部材75が揺動することで、駆動リング72が回転する。よって、アクチュエータの作動により、複数のノズルベーン6は同期して回転する。
図2に示すように、第1リンク部材74は、周方向で間隔を空けて複数設けられている。なお、本実施形態ではノズルベーン6の数は11枚であるため、第1リンク部材74及び第1凹部72aの数もそれぞれ11個ずつ設けられている。第2リンク部材75は、一対の第1リンク部材74の間に設けられている。
次に、段付きピン5の詳細を、図3を参照して説明する。
図3は、段付きピン5の側面図である。
段付きピン5は、段部51と、第1軸部52と、第2軸部53とを備えている。
段部51は、略円柱状の軸部であって、リング11及び12の間の間隔を設定するためのものである。段部51の軸方向での長さは、段部長さL1となっている。段部51の両側の端面である第1端面51a及び第2端面51bは、リング11及び12にそれぞれ当接している。したがって、リング11及び12の間の間隔は、段部51の段部長さL1に設定されている。
第1軸部52及び第2軸部53は、第1端面51a及び第2端面51bからそれぞれ突出して設けられる円柱状の軸部材である。第1軸部52及び第2軸部53の径は、いずれも段部51の径より小さく設定されている。第1軸部52及び第2軸部53は、リング11及び12のそれぞれに形成された孔部に圧入されて一体的に接続されている。なお、第2軸部53は、ハブリング12から段部51の逆側に向けて突出しており、外側ガイド71及び内側ガイド73を貫通して設けられている。第2軸部53の端部には締結部54が形成され、締結部54と第2端面51bとによってハブリング12、外側ガイド71及び内側ガイド73が挟持され一体的に連結されている。
次に、ノズルベーン6の詳細を、図4を参照して説明する。
図4は、ノズルベーン6の構成を示す概略図であって、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線視断面図である。
翼部61の両側の端面である第1翼端面61a及び第2翼端面61bは、互いに対向して設けられ、第1回転軸62及び第2回転軸63の軸方向に直交する平面状に形成されている。すなわち、ノズルベーン6がリング11及び12の間に設置されたときに、第1翼端面61aはシュラウドリング11に平行し、第2翼端面61bはハブリング12に平行する向きで設けられている。第1翼端面61aと第2翼端面61bとの間の間隔、すなわち翼部61の幅は、翼幅L2となっている。翼幅L2は、上述した段部51の段部長さL1に比べて狭く形成されており、翼幅L2と段部長さL1との差は、安全で円滑にノズルベーン6が回転でき、且つ段付きピン5とノズルベーン6との間の熱膨張の差を考慮して設定されている。
第2回転軸63の翼部61との逆側には、第1リンク部材74に貫入して設けられる貫入部64が形成されている。貫入部64は、第2回転軸63の外周面を切欠部64aによって切り欠いた形状となっており、切欠部64aは第2回転軸63の中心軸を挟んでそれぞれ形成されている。また、第1リンク部材74の貫入部64が貫入する孔部は、貫入部64に応じた形状となっており、第1リンク部材74が揺動するに従い第2回転軸63が回転するように構成されている。貫入部64の第2回転軸63との逆側には、カシメ部65が形成され、第2回転軸63とカシメ部65とにより第1リンク部材74が挟持されている。
続いて、本実施形態に係る可変ノズル構造1の製造方法を、図5及び図6を参照して説明する。
図5は、可変ノズル構造1の製造方法を示すフローチャートである。
図6は、調整前及び調整後の段付きピン5と、ノズルベーン6との関係を示す概略図であって、(a)は調整前における段部51の長さと翼部61の翼幅との関係を示し、(b)は調整後における段部51の長さと翼部61の翼幅との関係を示している。
可変ノズル構造1の製造方法の概略を、図5を参照して説明する。
まず、シュラウドリング11、ハブリング12、段付きピン5及びノズルベーン6等の部材をそれぞれ成形する部材成形工程を実施する(ステップS1)。ここで、段付きピン5の段部51の長さや、ノズルベーン6の翼部61の翼幅は、それぞれ所定の加工精度内に設定される。
次に、11枚のノズルベーン6における、翼部61の翼幅をそれぞれ測定するノズルベーン幅測定工程を実施する(ステップS2、測定工程)。
次に、ノズルベーン幅測定工程での測定結果に応じて、段付きピン5の段部51の長さ調整を行う段付きピン調整工程を実施する(ステップS3、調整工程)。段部51の調整箇所は、第1端面51a及び第2端面51bの少なくともいずれか一方である。
最後に、シュラウドリング11、ハブリング12、段付きピン調整工程にて調整された段付きピン5、及びノズルベーン幅測定工程にて翼幅を測定されたノズルベーン6等から可変ノズル構造1を組み立てる組立工程を実施する(ステップS4)。
以上で、可変ノズル構造1の製造が完了する。
次に、ノズルベーン幅測定工程及び段付きピン調整工程の詳細を、図6を参照して説明する。
図6(a)に示すように、部材成形工程において、段付きピン5が成形されるときの段部51の加工精度を符号5Aで示す。段部51の軸方向での長さは、所定の基準寸法を目標に加工・成形されるが、加工には公差が存在するため、段部51の長さは加工精度5Aの範囲内(すなわち上限及び下限との間)で成形される。部材成形工程終了後における段部51の長さを調整前段部長さL1pとする。
また、部材成形工程において、ノズルベーン6が成形されるときの翼部61の加工精度を符号6Aで示す。すなわち、翼部61の翼幅は、加工精度6Aの範囲内で成形される。
上述したように、段付きピン5における段部51の軸方向での長さによって、リング11及び12の間隔が設定される。そして、リング11及び12の間にノズルベーン6が配置されるので、リング11及び12と翼部61との間の隙間(クリアランス)は、段部51の長さと翼部61の翼幅とによって決定される。この隙間は、安全で円滑なノズルベーン6の回転のために、また段付きピン5及びノズルベーン6の熱膨張の差等も考慮に入れて、一定量以上を確保する必要がある。そのため、段部51の長さが最も短く(加工精度5Aにおける下限)成形され、翼部61の翼幅が最も広く(加工精度6Aにおける上限)成形されたとしても、リング11及び12と翼部61との間に最小隙間Cminが形成されるようにそれぞれの基準寸法が設定されている。
もっとも、段部51の長さが最も長く(加工精度5Aにおける上限)成形され、翼部61の翼幅が最も狭く(加工精度6Aにおける下限)成形された場合には、リング11及び12と翼部61との間に最大隙間Cmaxが形成される。すなわち、段付きピン5とノズルベーン6との組み合わせによっては、リング11及び12と翼部61との間の隙間が大きくなってしまい、その隙間から排気ガスが漏出して過給機の効率を低下させる要因となる。
本実施形態では、11個のノズルベーン6が用いられており、各ノズルベーン6に便宜上V1からV11の符号を付けて表す。ノズルベーン幅測定工程では、各ノズルベーン6の翼部61における翼幅を測定する。ここで、図6には、V1からV11までの各翼部61の翼幅の測定結果を棒グラフ状に示している。V4の翼部61における翼幅が最も広く、V6の翼部61における翼幅が最も狭くなっている。なお、ノズルベーン幅測定工程終了後の状態で、上記段付きピン5及び各ノズルベーン6を用いて可変ノズル構造1を組み立てた場合には、リング11及び12と翼部61との最小の隙間は、V4での調整前最小隙間C1minとなり、リング11及び12と翼部61との最大の隙間は、V6での調整前最大隙間C1maxとなる。
また、ノズルベーン幅測定工程では、ノズルベーン6の加工精度6Aの上限値と、11個のノズルベーン6のうち最も幅広のノズルベーン6(本実施形態ではV4)の翼幅との差を算出し、この差をΔEとする。
次に、図6(b)に示すように、段付きピン調整工程では、ノズルベーン幅測定工程の測定結果に応じて段付きピン5を調整する。調整する部分は、段部51の第1端面51a及び第2端面51bの少なくともいずれか一方である。
段付きピン調整工程での段付きピン5の加工精度を符号5Aで表す。調整された段部51の軸方向での長さは、加工精度5Aの範囲内で調整される。段付きピン調整工程における段部51の基準寸法は、部材成形工程における段部51の基準寸法から、ノズルベーン幅測定工程で算出したΔEの量を補正して、ΔEの量だけ短くしたものである。また、段付きピン5の成形時に用いた加工と同様の加工方法を用いて段部51を調整するため、調整時の加工精度は成形時の加工精度と同様のものである。そのため、基準寸法がΔEだけ補正されれば、加工精度における下限もΔEだけ補正され短くなる。なお、加工精度5Aの上限については、成形時の段付きピン5における段部51の長さL1pよりは長くなりえないので、上限はL1pの長さとなる。したがって、段付きピン調整工程では、段付きピン5の段部51の軸方向での長さが、上述したような加工精度5Aの範囲内で調整される。調整後の段部51の長さをL1とする。
ここで、段付きピン調整工程終了後の状態で、調整後の段付きピン5及び翼幅測定済みのノズルベーン6を用いて可変ノズル構造1を組み立てた場合には、リング11及び12と翼部61との最小の隙間は、V4での調整後最小隙間C2minとなり、リング11及び12と翼部61との最大の隙間は、V6での調整後最大隙間C2maxとなる。図6に示すように、調整後最大隙間C2maxは、調整前最大隙間C1maxよりも狭くなっている。そのため、リング11及び12と翼部61との間からの排気ガスの漏出が抑制されることになり、本実施形態の製造方法を用いない場合に比べ、より高い効率を有する過給機を生産することが可能となる。
なお、段付きピン調整工程では、調整後の段部51は加工精度5Aの範囲内に設定されるため、加工精度5Aの下限値で段部51が調整されることもありえる。この場合のリング11及び12と翼部61との最小の隙間は、V4との間の隙間である調整時最小隙間ACminである。ここで、V4における翼部61の翼幅は、ノズルベーン6の加工精度6Aの上限からΔEだけ狭くなったものであり、加工精度5Aの下限は、加工精度5AからΔEだけ短くなったものである。したがって、調整時最小隙間ACminは最小隙間Cminと同一の値となり、段付きピン調整工程において段部51の長さが加工精度5Aの下限となったとしても、安全で円滑なノズルベーン6の回転に必要な隙間を確保することができる。
したがって、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、安全なノズルベーン6の回転に必要な段部51の長さを確保しつつ、リング11及び12と翼部61との隙間をより狭くすることができる。そのため、本実施形態によれば、安全なノズルベーンの回転を確保しつつ、高い効率を有する過給機を安定して生産できるという効果がある。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1…可変ノズル構造、5…段付きピン、6…ノズルベーン、11…シュラウドリング、12…ハブリング、51…段部

Claims (2)

  1. 段付きピンを介してシュラウドリングとハブリングとを互いに対向させ且つ前記段付きピンの段部の長さに応じた間隔を形成しつつ連結し、前記シュラウドリングと前記ハブリングとの間に複数のノズルベーンを回転自在に配置した可変ノズル構造の製造方法であって、
    前記シュラウドリングと前記ハブリングとの対向方向での、前記複数のノズルベーンの翼幅をそれぞれ測定する測定工程と、
    前記測定工程での測定結果に応じて、前記段部の長さ調整を行う調整工程とを有することを特徴とする可変ノズル構造の製造方法。
  2. 請求項1に記載の可変ノズル構造の製造方法において、
    前記ノズルベーンの翼幅の許容上限値と、前記測定工程で測定された最大幅を有する前記ノズルベーンの翼幅との差をΔEとし、
    前記調整工程では、前記段部の長さに関する加工基準値を前記ΔEの量で補正したものを調整基準値として、前記段部の長さ調整を行うことを特徴とする可変ノズル構造の製造方法。
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