JP5364534B2 - 舶用ボイラ構造 - Google Patents

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本発明は、船舶に搭載される舶用主ボイラや浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO;Floating Production, Storage and Offloading System)のデッキボイラ等に適用される舶用ボイラ構造に関する。
従来、船舶に搭載される舶用ボイラは、発電所等で使用される陸用ボイラと比較して、設置スペースの制約が大きいことからコンパクトな構造が優先されている。また、舶用ボイラに関する環境規制がなかったため、従来の舶用バーナにおいては、高負荷でコンパクト設計のバーナを採用しており、従って、現状は陸用ボイラと比較すればNOx排出量が多くなっている。
一方、舶用ボイラのNOx低減に関する従来技術としては、噴霧蒸気圧の制御により、燃焼状態を変化させて低NOx化を図るバーナの燃焼制御方法が知られている。(たとえば、特許文献1参照)
さらに、燃焼調整が可能な液体燃料を燃焼する液体燃料用バーナを備えた舶用ボイラにおいては、油火炎と空気の混合調整により低NOx化を図る技術が知られている。この場合、火炉の天井(上部)には、横並びに配置した2本のバーナが設けられている。(たとえば、特許文献2参照)
特開2005−233483号公報 特許第4119853号公報
近年、環境意識の高まりなどから、沿岸海域を中心とした排ガス規制が強化される方向にあり、舶用主ボイラにおいても低NOx化が求められるようになっている。ちなみに、アメリカやカナダにおいては、すでに環境規制に関する提案がなされており、2015年以降のNOx排出量については、現状比80%低減を達成する必要がある。
一方、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備は、陸地に近い沿岸海域において稼働するので、この設備で使用するデッキボイラ等の舶用ボイラについては、陸地の排ガス規制を適用しても問題ないよう対応しておく必要がある。
ところで、上述した従来の舶用ボイラにおいて、火炉天井に複数本のバーナを配置した構造では、各バーナのスワラー旋回方向を同一にしている。具体例を示すと、たとえば図8に示す従来例のように、火炉2の天井に2個のバーナBa,Bbを横並びに配設した場合、いずれも同一方向(図示の例では時計回り)に旋回させている。
このため、両バーナBa,Bbのスワラー旋回方向は、火炉内の炉内中央部(平面視)において、燃焼ガスの流れを下流方向(伝熱バンク側)で合流させるものとなる。すなわち、スワラー旋回方向の影響を受けた燃焼ガスは、図8に示す「ガス温度等高線」や「1600℃等値面」から明らかなように、紙面下方に配置されたバーナBbの下流領域で両バーナBa,Bbにより形成されたガス流が合流し、この領域に火炎が集中して燃焼ガス温度を高くする傾向にあった。なお、図8に示す「1600℃等値面」は、1600℃の燃焼ガス温度を有する火炎状況を火炉の下流側から見た図であり、火炉内に1600℃の高温の燃焼ガス領域が広範囲にわたり形成されていることが分かる。
このようにして、火炉内に燃焼ガスの高温部が形成されることは、すなわち、火炉内の火炎集中により大きな燃焼ガス高温部が形成されることは、ガス燃焼で発生するNOxがサーマルNOxであることから、舶用ボイラのNOx発生量を増加させる要因になるため好ましくない。
このような背景から、舶用ボイラの火炉内においては、火炎を拡散させることにより火炉内に形成される燃焼ガス高温部を抑制し、NOx発生量を低減することが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、火炉内のスペースを有効利用した燃焼により、火炉内に形成される燃焼ガス高温部を抑制して燃焼ガスに含まれるNOxレベルを低減できる舶用ボイラ構造を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る舶用ボイラ構造は、火炉の上面部に設置された複数の垂直下向きバーナを備え、該バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが火炉から下流側の熱交換器群を通過して流れるように構成された舶用ボイラ構造において、前記バーナのスワラー旋回方向を時計回り及び反時計回りの異なる方向に設定し、スワラー旋回方向の異なる前記バーナを組合せて、火炎が火炉全体に拡散するよう配置したことを特徴とするものである。
このような舶用ボイラ構造によれば、バーナのスワラー旋回方向を時計回り及び反時計回りの異なる方向に設定し、スワラー旋回方向の異なるバーナを組合せて、火炎が火炉全体に拡散するよう配置したので、火炉内のスペースを有効利用した燃焼により燃焼温度を低下させることができる。すなわち、複数設置されるバーナのスワラー旋回方向を最適化した配置とすることにより、火炉内の火炎拡散性が向上し、サーマルNOxの発生原因となる火炎集中部などの燃焼ガス高温領域の形成が抑制される。
上記の舶用ボイラ構造において、前記バーナのスワラー旋回方向は、前記燃焼ガスの流れを炉壁及び流れの滞留しやすい炉壁角部へ向けるような配置の組合せであることが好ましい。
このような舶用ボイラ構造によれば、燃焼ガスの流れを火炉内の炉壁及び炉壁角部に向けるようにしたので、火炉内の燃焼スペース全体を広く有効利用した燃焼が可能になる。従って、火炉内の火炎拡散性が向上し、炉内に形成される燃焼ガス高温領域を抑制してサーマルNOxの発生量を低減することができる。
上述した本発明によれば、複数設置されるバーナのスワラー旋回方向を最適化した配置とすることにより、火炉内部における火炎の拡散性を広げ、火炉内に形成される燃焼ガス高温領域を縮小することができるので、舶用ボイラから排出されるサーマルNOx量の低減が可能になる。
このような本発明は、バーナのスワラー旋回方向を変更して最適化すればよいので、新設の舶用ボイラへの適用は勿論のこと、既設の舶用ボイラについても、バーナ部の改造あるいはバーナの交換を実施する対応をすれば容易に適用可能である。
本発明に係る舶用ボイラ構造の一実施形態として、2本のバーナを横並びの1列配置にした場合のスワラー旋回方向を示す平面図である。 本発明に係る舶用ボイラ構造の一例として、バーナを横並びの1列配置にした構成例を示す縦断面図である。 図1に示したスワラー旋回方向の第1変形例として、3本のバーナを横並びの1列配置にした場合のスワラー旋回方向を示す平面図である。 図1に示したスワラー旋回方向の第2変形例として、4本のバーナを横並びの1列配置にした場合のスワラー旋回方向を示す平面図である。 図1に示したスワラー旋回方向の第3変形例として、3本のバーナを横並びの2列配置にした場合のスワラー旋回方向を示す平面図である。 図1に示したスワラー旋回方向の第4変形例として、4本のバーナを横並びの2列配置にした場合のスワラー旋回方向を示す平面図である。 舶用ボイラの火炉内燃焼ガスについて、1600℃以上の高温ガス体の体積比率(横軸)と、推定NOx値比率(縦軸)との関係を示すグラフである。 火炉内のガス温度等高線及び1600℃等値線について、2本のバーナを横並びの1列配置にしてスワラー旋回方向の組合せを変化させた場合の変化を示したものであり、上段から順に、同方向(従来)、逆方向A及び逆方向B(本発明)である。 バーナ構造の一例として、油チップの周囲に1次スワラー及び2次スワラーを備えたバーナを火炉側から見て示す図である。
以下、本発明に係る舶用ボイラ構造の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図2に示す舶用ボイラ1は、火炉2の上面部に設置された複数の垂直下向きバーナ(以下、「バーナ」と呼ぶ)3を備えている。このバーナ3は、燃焼用空気を用いて供給された燃料を燃焼させ、燃焼ガスを生成して下流の熱交換器に供給する。なお、図中の符号3aは風箱であり、バーナ3は風箱3aの内部に配置されている。
バーナ3で発生した燃焼ガスは、火炉2の下流(伝熱バンク側)に配設されている伝熱管群Ht(熱交換器群)を通過して熱交換する。図示の構成では、フロントバンクチューブ4、過熱器5及び蒸発管群(リアバンクチューブ)6の順番に熱交換器が配置され、燃焼ガスは各熱交換器のチューブ内を流れる水等の流体と熱交換することで加熱する。
こうして熱交換を終えた燃焼ガスは、出口側ガスダクト7を通ってガス出口8から舶用ボイラ1の外部へ排出される。すなわち、図示の舶用ボイラ1において、バーナ3の燃焼で発生した燃焼ガスは、その主流が火炉2の内部を図中に矢印Gで示すように流れ、火炉2の下流側(伝熱部側)に設置された熱交換器の伝熱管群Htを通過することにより、各伝熱管内を流れる蒸気等の流体を加熱するように構成されている。なお、図中の符号9は水ドラム、10は蒸気ドラム、11及び12はヘッダである。
図1に示す舶用ボイラ1の平面図は、2本のバーナ3を火炉2の上面部に1列配置とした構成例について、バーナ3に設定する最適なスワラー旋回方向を示している。すなわち、舶用ボイラ1の火炉2には、ボイラ幅方向へ横並びに1列配置とした2本のバーナ3が火炉天井に設置されており、そのスワラー旋回方向は異なる方向となっている。
図示のバーナ3には、スワラー旋回方向を時計回り及び反時計回りの異なる方向に設定した2種類が使用されている。具体的に説明すると、スワラー旋回方向を時計回り(矢印SR)に設定したバーナ3(3R)を紙面下側に配置し、スワラー旋回方向を反時計回り(矢印SL)に設定したバーナ3(3L)を紙面上側に配置することにより、火炎が火炉2の全体に拡散するような配置にしている。ここで、紙面上側とは、火炉2の下流側から見たボイラ幅方向の左側であり、紙面下側とは、火炉2の下流側から見たボイラ幅方向の右側である。なお、2本のバーナ3はボイラ幅方向において左右対称に配置されており、以下の説明では、区別が必要な場合のみバーナ3L,3Rの符号を使用する。
上述したようにバーナ3のスワラー旋回方向を設定すれば、スワラー旋回方向を反時計回りとしたバーナ3Lが形成する燃焼ガスの流れは、伝熱管群Htと対向する炉壁2a側から炉壁角部を経て連続する紙面上側の側壁2bへ向かう方向の流速分布が増し、一方、スワラー旋回方向を時計回りとしたバーナ3Rが形成する燃焼ガスの流れは、伝熱管群Htと対向する炉壁2a側から炉壁角部を経て紙面下側の側壁2cへ向かう方向の速度分布を増す。すなわち、スワラー旋回方向を同一にした従来構造と比較すれば、炉壁2aから炉壁角部を経て連続する側壁2b,2cの方向へ向けて流れる燃焼ガス量が増加するので、火炉2の内部全体に燃焼ガスが拡散することとなる。
換言すれば、2本のバーナ3に設定したスワラー旋回方向は、隣接するボイラ幅方向の中心部においていずれも炉壁2aに向かう方向となるので、バーナ3で形成された燃焼ガスの流れは、炉壁2aから炉壁角部を経て連続する側壁2b,2cの方向へ向かう割合、すなわち火炉2内の燃焼スペース全体に向けて広がる燃焼ガス量が増加する。
なお、上述した図1の実施形態と異なるスワラー旋回方向の組合せを採用すれば、図8のガス温度分布に示すように、スワラー旋回方向を同一にした場合(従来)には、隣接するボイラ幅方向の中心部において互いに逆向きの流れとなり、炉壁2aに向かう流れが相殺される。
また、スワラー旋回方向の時計回り及び反時計回りを逆向きにした場合(逆方向A)には、隣接するボイラ幅方向の中心部においていずれも伝熱管群Htに向かう方向となり、火炉内での滞留時間が低減することで燃焼ガス温度が高温化する。
このように、隣接する2本のバーナ3について、時計回り及び反時計回りのようにスワラー旋回方向の異なるものを組合せ、火炎が火炉2の全体に拡散するよう配置すれば、火炉2内のスペースを有効利用した燃焼となり燃焼温度を低下させることができる。すなわち、スワラー旋回方向を最適化した2本のバーナ3を配置したことにより、火炉2内の火炎拡散性が向上するので、サーマルNOxの発生原因となる火炎集中部は小さくなる。従って、燃焼ガス高温領域の形成が抑制され、舶用ボイラ1から排出されるNOx量は低減する。
図8は、2本のバーナ3を横並びの1列配置とし、スワラー旋回方向の組合せを変化させた場合について、火炉2内の「ガス温度等高線」及び「1600℃等値線」を比較して示す図である。なお、図8の上段はスワラー旋回方向が同方向(従来)の場合、中段はスワラー旋回方向が逆方向となり、ボイラ幅方向の中心部においていずれも伝熱管群Htに向かうように設定された「逆方向A」の場合、下段はスワラー旋回方向が逆方向となり、ボイラ幅方向の中心部においていずれも炉壁2aに向かうように設定された「逆方向B」
(本発明)の場合を示している。
図8の「ガス温度等高線」を見ると、従来設定のスワラー旋回方向では、隣接する2本のバーナ間及び紙面下側のバーナ下流側となる領域に高温の温度等高線が存在しており、この領域が燃焼ガス高温領域となっている。このため、「1600℃等値線」を見ると、火炉2の中心部及び紙面下側のバーナ下流側に1600℃以上の高温火炎Fが大きく形成されている。
また、「逆方向A」の「ガス温度等高線」は、隣接する2本のバーナ間及び両バーナ下流側となる領域に高温の温度等高線が存在しており、この領域が燃焼ガス高温領域となっている。このため、「1600℃等値線」を見ると、火炉2の中心部に1600℃以上の高温火炎Fが従来よりも大きく形成されている。
しかし、本実施形態で説明したスワラー旋回方向を適用した「逆方向B」の「ガス温度等高線」は、温度等高線が火炉2内の全体に分散しており、従って、燃焼ガス高温領域は火炉2の全体に比較的緩やかな温度勾配で広がっている。このため、「1600℃等値線」を見ると、火炉2の中心部に1600℃以上の高温火炎Fが形成されているものの、その大きさ(体積)は従来と比較して小さくなっている。すなわち、サーマルNOxの発生原因となる高温火炎(燃焼ガス高温領域)Fが縮小されているので、図7に示したグラフからも明らかなように、本実施形態のスワラー旋回方向を適用した舶用ボイラ1のNOx発生量は減少することが分かる。
ところで、上述した実施形態のスワラー旋回方向は、2本のバーナ3を火炉2の上面部に1列配置とした場合に限定されることはなく、以下に説明する種々の変形例にも適用可能である。
図3に示す第1変形例は、3本のバーナ3を火炉2の上面部に1列配置とした場合に好適なスワラー旋回方向を示している。この変形例では、紙面上部の2本にスワラー旋回方向を反時計回りとしたバーナ3Rが採用され、紙面下部の1本にスワラー旋回方向を時計回りとしたバーナ3Lが採用されている。
このようなスワラー旋回方向の組合せを採用すると、各バーナ3が形成した燃焼ガスの流れは、炉壁2a及び炉壁角部へ向かうガス量の割合が増加する。従って、燃焼ガスは火炉2の全体に分散するようになり、火炉2内の燃焼スペース全体を広く有効利用した燃焼が可能になる。このため、火炉2内の火炎拡散性が向上し、火炉2内に形成される燃焼ガス高温領域が抑制されるので、舶用ボイラ1のサーマルNOx発生量を低減することができる。
なお、この場合のスワラー旋回方向は、紙面上部の1本にスワラー旋回方向を反時計回りとしたバーナ3Rを採用し、紙面下部の2本にスワラー旋回方向を時計回りとしたバーナ3Lを採用してもよい。
図4に示す第2変形例は、4本のバーナ3を火炉2の上面部に1列配置とした場合に好適なスワラー旋回方向を示している。この変形例では、紙面上部の2本にスワラー旋回方向を反時計回りとしたバーナ3Rが採用され、紙面下部の2本にスワラー旋回方向を時計回りとしたバーナ3Lが採用されている。
このようなスワラー旋回方向の組合せを採用しても、各バーナ3により形成された燃焼ガスの流れは、炉壁2a及び炉壁角部へ向かうガス量の割合が増加する。従って、火炉2内の火炎拡散性が向上し、燃焼ガスは火炉2の全体に分散するようになるので、火炉2内に形成される燃焼ガス高温領域が抑制され、この結果、舶用ボイラ1のサーマルNOx発生量を低減することができる。
図5に示す第3変形例は、3本のバーナ3を火炉2の上面部に2列配置とした場合に好適なスワラー旋回方向を示している。この変形例では、火炉2の下流側となる列に配置された2本のバーナ3に対し、図1の実施形態と同様のスワラー旋回方向を採用している。また、火炉2の上流側となる列で、かつ、ボイラ幅方向において下流側に配置した2本のバーナ3の中間位置に配置された1本のバーナ3については、スワラー旋回方向を反時計回りとしたバーナ3Rを採用しているが、このバーナ3のスワラー旋回方向については、時計回りとしてもよい。
このようなスワラー旋回方向の組合せを採用しても、各バーナ3により形成された燃焼ガスの流れは、炉壁2a及び炉壁角部へ向かうガス量の割合が増加する。従って、火炉2内の火炎拡散性が向上し、燃焼ガスは火炉2の全体に分散するようになるので、火炉2内に形成される燃焼ガス高温領域が抑制され、この結果、舶用ボイラ1のサーマルNOx発生量を低減することができる。
図6に示す第4変形例は、4本のバーナ3を火炉2の上面部に2列配置とした場合に好適なスワラー旋回方向を示している。この変形例では、火炉2の下流側となる列に配置された2本のバーナ3に対し、図1の実施形態と同様のスワラー旋回方向を採用している。
一方、火炉2の上流側となる列で、かつ、下流側に配置した2本のバーナ位置から、バーナ間距離の1/2だけボイラ幅方向の紙面下側にずらして配置した2本のバーナ3については、スワラー旋回方向を時計回りとしたバーナ3Lが採用されている。なお、上流側に配置した2本のバーナ3については、下流側に配置した2本のバーナ位置から、バーナ間距離の1/2だけボイラ幅方向の紙面上側にずらして配置した場合、バーナ3のスワラー旋回方向を反時計回りとする。
このようなスワラー旋回方向の組合せを採用しても、各バーナ3により形成された燃焼ガスの流れは、炉壁2a及び炉壁角部へ向かうガス量の割合が増加する。従って、火炉2内の火炎拡散性が向上し、燃焼ガスは火炉2の全体に分散するようになるので、火炉2内に形成される燃焼ガス高温領域が抑制され、この結果、舶用ボイラ1のサーマルNOx発生量を低減することができる。
このように、舶用ボイラ1におけるバーナ3のスワラー旋回方向は、その本数が3本以上の場合や複数列に配置する場合などにかかわらず、燃焼ガスの流れを火炉2の炉壁方向へ向けて、すなわち、炉壁2a及び炉壁角部へ向けて、さらに角部から連続する側壁2b,2cの方向へ向けるような配置の組合せを選択することが好ましい。すなわち、燃焼ガスの流れを火炉2内の炉壁2a及び炉壁角部から側壁2a、2bよりなる炉壁全面の方向に向けるようにしたので、火炉2内の燃焼スペース全体を広く有効利用した燃焼が可能になり、火炉2内の火炎拡散性が向上する。この結果、火炉2内に形成される燃焼ガス高温領域を抑制し、燃焼ガス高温領域の存在に起因するサーマルNOxの発生量を低減することができる。
上述した実施形態は、バーナ3のスワラー旋回方向を変更して最適化すればよいので、新設の舶用ボイラ1への適用は勿論のこと、既設の舶用ボイラ1についても、バーナ3の改造あるいはバーナ3の交換を実施することにより、容易に適用することが可能である。
また、上述した本実施形態及びその変形例は、バーナ構造による限定を受けることはないので、たとえば図9に示すようなバーナ構造にも適用可能である。図9に示すバーナ30は、油チップ31の周囲に設けられた第1スワラー32の外周に、さらに2次スワラー33が設けられた構造となっている。このバーナ30を採用した舶用ボイラ1に上述した実施形態及び各変形例のスワラー旋回方向を適用しても、同様の作用効果を得ることができる。なお、図中の符号34,35はガスノズル、36はバーナ周壁である。
また、上述した実施形態及びその変形例で説明した舶用ボイラ1は、船舶に搭載される舶用主ボイラは勿論こと、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備のデッキボイラ等にも適用かのうなことはいうまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態の舶用ボイラに限定されるものではなく、たとえば蒸発管群6の下流にリヒートバーナ及びリヒートファーネスを備えた舶用ボイラ(舶用リヒートボイラ)にも適用可能であるなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
1 舶用ボイラ
2 火炉
3,3L,3R バーナ
5 過熱器
6 蒸発管群
Ht 伝熱管群
F 高温火炎

Claims (2)

  1. 火炉の上面部に設置された複数の垂直下向きバーナを備え、該バーナの燃焼で発生した燃焼ガスが火炉から下流側の熱交換器群を通過して流れるように構成された舶用ボイラ構造において、
    前記バーナのスワラー旋回方向を時計回り及び反時計回りの異なる方向に設定し、スワラー旋回方向の異なる前記バーナを組合せて、火炎が火炉全体に拡散するよう配置したことを特徴とする舶用ボイラ構造。
  2. 前記バーナのスワラー旋回方向は、前記燃焼ガスの流れを炉壁及び炉壁角部へ向けるような配置の組合せであることを特徴とする請求項1に記載の舶用ボイラ構造。
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