JP5364263B2 - 非接触エネルギー伝送システム設計装置 - Google Patents

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本発明は、非接触でエネルギーを伝送するシステムを設計するための装置及びプログラムに関するものである。
近年、体内の診断、治療を行うための小型の体内埋込型医療機器の研究開発が進められている。図17は、従来の体内埋込型医療機器を説明するための図である。例えば,カプセル内視鏡、ペースメーカ、神経刺激装置などである。これらの機器はバッテリによる駆動となっているが、バッテリ容量には制限があるため、体外からワイヤレスでのエネルギー供給が可能となれば有用であると考えられる。
図18は、従来の非接触エネルギー伝送システムの設計方法を説明するための図である。非特許文献1は、非接触でエネルギーを伝送する体内埋込機器を開示している。非特許文献2には、非接触でエネルギーを伝送する人工網膜の構成が記載されている。本発明者らは、非特許文献3において、非接触でエネルギーを伝送するカプセル型内視鏡の伝送能力の向上に関する知見を開示している。
C.R. Neagu et al., "Characterization of a planar microcoil for implantable Microsystems", Sensors and Actuators A 62 (1997) 5990611 Timm Leuerer et al., "Planar coils with magnetic layers for optimized energy transfer in telemetric systems", Sensors and Actuators A 116 (2004) 410-416 森政 瑛 他、「カプセル型内視鏡用エネルギー伝送システム−伝送能力の向上に関する検討−」、第3回生活支援工学系学会連合大会(2005年12月、三重)第50頁
図19は、従来のカプセル内視鏡を説明するための図である。上記非特許文献3に記載のカプセル型内視鏡の伝送効率を向上させる手法の構成では、送電コイル及び受電コイルを構成する磁性体の損失が考慮されておらず、伝送効率が低いという問題があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝送効率を高めた非接触エネルギー伝送システムを提供することにある。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置は、上記課題を解決するために、送電回路に設けた送電コイルから受電回路に設けた受電コイルに非接触でエネルギーを伝送する非接触エネルギー伝送システムを設計する非接触エネルギー伝送システム設計装置であって、前記送電回路及び受電回路を構成する構成要素の材料に関連する材料パラメータと前記構成要素の構成に関連する設計パラメータとに基づいて算出される伝送効率を最大化する前記設計パラメータの値を決定し、前記材料パラメータは、前記送電コイルと前記受電コイルとの少なくとも一方のコア損失に関連するコア損失パラメータを含んでいることを特徴とする。
上記特徴によれば、伝送効率を算出するための材料パラメータは、送電コイルと受電コイルとの少なくとも一方のコア損失に関連するコア損失パラメータを含んでいるので、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を正確に決定することができる。この結果、設計した非接触エネルギー伝送システムの伝送効率を高めることができる。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置では、前記コア損失パラメータは、ヒステリシス損パラメータとうず電流損パラメータとを含んでいることが好ましい。
上記構成によれば、伝送効率を最大化する設計パラメータの値をより正確に決定することができる。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置では、前記材料パラメータは、相互インダクタンスに関連する相互インダクタンスパラメータを含んでおり、前記伝送効率を最大化する前記設計パラメータの値を決定するための条件を入力するための画面においては、前記相互インダクタンスパラメータを簡易的に算出するか否かを選択することが可能であることが好ましい。
上記構成によれば、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を簡略に求めることができる。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置では、前記コア損失を実測するコア損失実測器を備えており、前記コア損失実測器によって実測されたコア損失実測値に基づいて前記伝送効率を算出することが好ましい。
上記構成によれば、直接実測されたコア損失値に基づいて伝送効率を算出することができる。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置では、前記コア損失実測器によって実測されたコア損失実測値を格納するデータベースを備えており、前記データベースに格納されたコア損失実測値に基づいて前記伝送効率を算出することが好ましい。
上記構成によれば、予め実測されたコア損失値に基づいて伝送効率を算出することができる。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置では、前記材料パラメータは、前記送電コイル及び受電コイルの巻線抵抗に関連する巻線抵抗パラメータと、前記送電回路及び受電回路にそれぞれ設けられたコンデンサに関連するコンデンサパラメータと、前記送電回路及び受電回路にそれぞれ設けられたインダクタンスに関連するインダクタンスパラメータとをさらに含んでいることが好ましい。
上記構成によれば、伝送効率を最大化する設計パラメータの値をより正確に決定することができる。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、送電回路に設けた送電コイルから受電回路に設けた受電コイルに非接触でエネルギーを伝送する非接触エネルギー伝送システムを設計する手順を実行させ、前記手順は、前記送電回路及び受電回路を構成する構成要素の材料に関連する材料パラメータと前記構成要素の構成に関連する設計パラメータとに基づいて算出される伝送効率を最大化する前記設計パラメータの値を決定する手順を含んでいるプログラムであって、前記材料パラメータは、前記送電コイルと前記受電コイルとの少なくとも一方のコア損失に関連するコア損失パラメータを含んでいることを特徴とする。
本発明に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置は、以上のように、伝送効率を算出するための材料パラメータに、送電コイルと受電コイルとの少なくとも一方のコア損失に関連するコア損失パラメータを含めたので、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を正確に決定することができ、この結果、設計した非接触エネルギー伝送システムの伝送効率を高めることができる。
本発明の一実施形態について図1から図16に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、実施の形態に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置1の構成を示すブロック図である。非接触エネルギー伝送システム設計装置1は、送電回路に設けた送電コイルから受電回路に設けた受電コイルに非接触でエネルギーを伝送する非接触エネルギー伝送システムを設計するために設けられており、CPU4とRAM5とROM6と外部入力部7と外部出力部8とを備えたコンピュータによって構成されている。このコンピュータは、送電回路及び受電回路を構成する構成要素の構成に関連する設計パラメータを格納した設計パラメータデータベース9を有している。このコンピュータは、ネットワーク12に接続されている。ネットワーク12には、送電コイルと受電コイルとの少なくとも一方のコア損失を測定するコア損失実測器11と、コア損失実測器11によって実測されたコア損失に基づくコア損失パラメータを含む材料パラメータを格納する材料パラメータデータベース10とが接続されている。なお、コア損失実測器11及び材料パラメータデータベース10は、ネットワーク12を介さず、コンピュータに直接設けられていてもよい。
図2は、非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって設計されるエネルギー伝送等価回路の構成を示す回路図であり、図2(a)は直列共振回路の回路図を示し、図2(b)は並列共振回路の回路図を示す。直列共振回路は、送電回路2と受電回路3とを備えている。並列共振回路は、送電回路2と受電回路3aとを備えている。
本実施の形態では、経皮エネルギー伝送システムを例に挙げて説明する。体内埋込型医療機器用のエネルギー伝送システムを設計するためには,受電コイルの発熱を最小限にするため,鉄損等の損失を正確に表すことが必要である。本発明者らは人工心臓用の体外結合型トランスについて検討しているが、市販のB−Hアナライザを用い磁性体を環状にして測定していた。しかしながら、例えば、カプセル内視鏡等に用いる磁性体は小型であり環状ではないため、一般的な磁性体の損失の測定方法を用いることが難しく、測定方法や磁性体の損失の表現方法までさかのぼって検討する必要があった。本実施の形態では、これらについて検討し、体内埋込機器用のエネルギー伝送システムの設計に反映させる。
近年、体内の状態を撮影するためのカプセル内視鏡の研究開発が盛んに行われている。しかしながら、現在市販されているカプセル内視鏡はエネルギー源として内部バッテリを用いていることから、8時間程度しか動作できないことが報告されている。また,将来、自走等の付加機能が追加されるとさらに電力が必要となり、動作時間がさらに短くなることが予想される。そこで、体外からのエネルギー供給が実現すれば有用であるといえる。
本実施の形態では、電磁誘導を用いた経皮エネルギー伝送に注目する。カプセル内視鏡用の経皮エネルギー伝送システムを設計する際、受電コイルの発熱を抑え、エネルギー伝送効率を出来る限り高くする必要がある。本実施の形態では、受電コイルのコア損失、銅損、コンデンサ部分の損失等を考慮しエネルギー伝送システムの設計を行った。
本実施の形態ではエネルギー伝送に直列共振回路、及び二次側のみコイルとコンデンサを並列接続した並列共振回路について検討を行う。図2(a)(b)に送受電トランスの交流等価回路を示す。図2(a)は直列共振回路を表し、図2(b)は並列共振回路を表している。
ここで,ωは電源の角周波数、V、Vは入力電圧及び出力電圧、r、rはそれぞれ送電コイル巻線抵抗、受電コイル巻線抵抗、L、Lはそれぞれ送電コイル及び受電コイルの自己インダクタンス、C、Cは共振用コンデンサ、RC1、RC2は共振用コンデンサの等価直列抵抗、Mはコイル間相互インダクタンス、Rは体内埋込機器に相当する負荷を表している。また、本実施の形態では等価回路に磁性体の損失と等価な抵抗(コア損失抵抗R)をLと並列に接続することで磁性体の損失を表現している。
図3は、非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって伝送効率を算出するための材料パラメータ及び設計パラメータを説明するための図である。材料パラメータは、コア損失パラメータa、b、c、d、e、及びa、b、c、d、eと、巻線抵抗パラメータα、β、γ、α、β、γと、コンデンサパラメータRC1、RC2と、インダクタンスパラメータμr1“、μr2“、μrM“とを含む。
図4は、非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって算出される伝送効率を説明するための図である。
伝送効率ηは、
で表すことができる。ここで受電コイル銅損,Pコア損失、Pは出力電力、Pc1、Pc2はそれぞれ一次側及び二次側の送電コイル銅損である。
図5は、材料パラメータに含まれるコア損失を説明するための図である。図5を参照して、コア損失抵抗を説明する。一般にコア損失Pはヒステリシス損Pと渦電流損Pの和で表せる。また、ヒステリシス損Pと渦電流損Pとは、周波数fと最大磁束密度Bに対し以下の関係がある。
ここで変数u、x、v、yは、磁性体によって固有の値を持つが、一般的にu=0〜2、x=0〜2、v=0〜2、y=0〜2となることが知られている。ただし、フェライト磁心の場合x≦0、y≧2となる場合もある。また、Bは、コイル印加電圧Vに比例し、fに反比例するため、
と表すことができる。ここでa、b、cは磁性体によって決まる定数である。本実施の形態ではコア損失抵抗Rを受電コイルの自己インダクタンスLと並列に接続することで表している。Rは、
と表すことができる。
直列共振回路において、受電コイルに流れる電流Iが一定であり、並列共振回路においてはVが一定であるため、直列共振回路におけるコア損失抵抗R0s及び、並列共振回路におけるコア損失抵抗R0pはそれぞれ以下のように表される。
ここで、a、b、c、d、e、a、b、c、d、eは磁性体によって決まる定数である。
送電コイル銅損Pc1、受電コイル銅損Pc2はそれぞれ巻線抵抗r、rを用いて、
c1=I
c2=I
と表すことができる。
表皮効果を考慮すると,送電コイル巻線抵抗r、受電コイル巻線抵抗rはコイル巻数N、N及び送電、受電コイルの半径a、aに比例し、図6に示す式で与えられる。ここで,α、β、γ、α、β、γは使用する巻線の種類によって決まる材料パラメータであり、実測により求める。
また,送電側、および受電側の共振用コンデンサによる損失PCa1、PCa2は等価直列抵抗RC1、RC2を用いて、図6に示すように表わすことができる。ここでRC1、RC2はコンデンサの材料や形状によって決まる材料パラメータであり、実測により求める。
送電、受電コイルの自己インダクタンスは、数値解析により簡易的に求める方法が研究されており、これを用いることが可能である。しかしながら、磁性体のおかれる場所によっては計算が困難な場合があり、その場合は,1回の実測結果を基に求める。磁性体が含まれない場合の自己インダクタンスをL、実質的な比透磁率をμ´とすると,磁性体が含まれる場合の自己インダクタンスL´は、
L´=μ´
と表わされる。
図7は、相互インダクタンスパラメータを説明するための図である。磁性体が含まれないトランスフォーマの場合の相互インダクタンスMは、送信コイルの各巻線と受信コイルの各巻線について、ノイマンの公式を用いることで、コイル形状や相対的位置に関わらず求めることが可能である。しかし,磁性体が含まれる場合の相互インダクタンスM´は、
M´=μ´rM
と表され,実質的な比透磁率μrM´と磁性体が含まれない場合の相互インダクタンスMの積になる。よって、磁性体が含まれる場合の相互インダクタンスM´は、実測により求めたM´と、計算(ノイマンの公式)、または実測により求めたMから上式を用いて実質的な比透磁率μrM´を導出すればよい。
しかしながら,ノイマンの公式は2重積分が含まれるため、巻数が変化した場合等の大まかな傾向を見たい場合などは計算量を減らすために、ノイマンの公式を用いない方が便利である。そこで、必要に応じて、送受電コイルのいずれか、もしくは両方を、それぞれ直径a、及びaの円周上に束ねて巻いたコイルとして計算する方法を採用する。
一例として、送電、受電コイルの単位当たりの巻数をそれぞれN´、N´turn/cm、直径a、a、長さl、l(ただし,簡易化するので,長さの成分l、lは無視され巻数N=l´、N=l´だけが残る)の円形ソレノイドコイルと仮定すると(図7参照)、磁性体が含まれた場合のトランスフォーマの相互インダクタンスM´は簡易的に図7に示す式によって求められる。
ここでμは真空の透磁率、dはコイル間距離、dはコイル中心軸間の距離、θはコイル中心軸間の角度、K(k)は第1種完全楕円積分、E(k)は第2種完全楕円積分である。
また、
k=(4a/((a+d+d ))1/2
としている。この場合は、M´、Mともに、θ、a、a、d、d、N、Nの関数となり、μrM´は前述したものと同様の方法で求める。
コイルが中心軸上に(d=0mm)、θ=0radで置かれている場合に限定すると、ノイマンの公式は、図7の下側に示す2つの式に簡易化できる。この場合はM´、Mともにa、a、d、d、N、Nの関数となる。
このようにμrM´を実測により1回求めることで、巻数を変えた場合の相互インダクタンスを導出できる。
図8(a)は上記非接触エネルギー伝送システム設計装置1に設けられたコア損失実測器11の構成を示す回路図であり、図8(b)はコア損失実測器11によって実測されたコア損失を示すグラフである。
本実施の形態では、磁性体にA材(MnZn系フェライト、EPCOS)、B材(アモルファス、日立金属)を用いた。また、解析において検討可能なパラメータは、出力電圧V、負荷抵抗R、周波数f、送電コイル半径a、長さl、受電コイル半径a、長さlであるが、今回は周波数fと長さlのみを変化させて解析を行う。解析ではコイル間距離d=10cmという条件のもとで、V=3V、a=10cm、l=3cm、a=2.5mm、R=90Ωと設定した。
受電コイルは半径2.5mm、長さ2cmの各磁性体にリッツ線を150回巻いたものとした。測定は、図8(a)に示す回路図において周波数fを10kHz〜1MHzまで変化させ、高速電力計(PZ−4000、横河電機製)を用いて行う。測定条件は直列共振回路のR0sの場合は、一定の交流電流Iを掛けて測定し、並列共振回路のR0pの場合は、一定の交流電圧Vを印加して測定する。
測定結果を図8(b)に示す。これは,負荷抵抗Rを90Ωと想定した場合の結果であり、直列共振の場合33mA一定、並列共振の場合3V一定の条件下で測定した。これらから前述した式(6)、式(7)を用いて近似した結果をそれぞれ図8(b)に線で示す。測定結果より,例えばB材の場合a=5.7×10−5、b=−5.3、c=8.9×10、d=2.0、e=1.0、a=1.7、b=−2.4×10−12、c=5.2×10−5、d=−1.0、e=1.0という結果が得られた。同様にA材についても、図8(b)に示すように、前述した式(6)および式(7)の形で表せる結果が得られた。
図9は、非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって解析される非接触エネルギー伝送システムを説明するための図である。出力電圧V=3V、負荷抵抗R=90Ω(100mV)、伝送距離d=100mm、送電コイル半径a=100mm、送電コイル長l=20mm、受電コイル半径a=2.5mm、とし、伝送周波数f、及び受電コイル長lを変化させた場合の一例を図10に示す。図10は、非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって算出された伝送効率を示す3次元グラフであり、直列共振回路において、R=90Ωの場合の伝送効率を示している。l=30.2mm、f=402kHzで最大効率24.8%が得られることが分かる。磁性体の損失を考慮しない従来の方法では、l=67.0mm、f=939kHzで効率5.8%である。このように、本実施の形態によれば、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を正確に決定することができ、この結果、設計した非接触エネルギー伝送システムの伝送効率を高めることができる。同様に並列共振回路においても解析を行った結果、R=90Ωの場合は、l=0.9mm、f=351kHzで最大効率15.8%が得られることを確認した。
図11(a)は非接触エネルギー伝送システム設計装置1によって決定された伝送効率を最大化する設計パラメータの値の検証実験の構成を示す回路図であり、図11(b)はその送電コイル及び受電コイルを説明するための図である。
本解析の妥当性を確認するため、エネルギー伝送実験を行った。信号発振器(FG120、横河電機製)から出力された交流電圧をアンプ(4025、NF回路)で増幅し、送電コイルを介して受電コイルに伝送した。また、R=90Ω、V=3V、d=10cmとした。実験では、fを100kHz〜600kHzまで100kHzごとに変化させた場合の伝送効率を測定した。測定には、高速電力計(PZ4000、横河電機製)を使用した。
図12(a)は上記検証実験によって測定された伝送効率と伝送周波数との間の関係を示すグラフであり、図12(b)は出力電圧と伝送周波数との間の関係を示すグラフである。曲線が解析結果を示し、丸、三角、四角等の図形で示した点が、実測結果を示す。直列共振回路においても、並列共振回路においても解析結果と実測結果とがほぼ一致していることから、磁性体を含めた等価回路、磁性体の損失測定方法ともほぼ妥当であることが分かる。
本実施の形態では、f、R、lを変化させた場合の解析の例を示したが、本発明はこれに限定されない。他のパラメータを変化させた場合にも同様に解析することができる。実際の製品に応用する場合には、多くのパラメータに様々な制約条件が加わることが予想されるが、本実施の形態を適用することによって、適切な伝送条件を設計することができる。
図13は、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための伝送条件、共振方式、及びコイル形状を設定するために表示される画面を示す図である。
伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するために、出力電圧V、負荷抵抗Rを含む伝送条件を入力する。そして、1次側コイル、2次側コイルごとに、共振方式(直列共振、並列共振)を選択する。次に、コイル形状を選択する。このとき、相互インダクタンスを簡易化の方法により求めるか否かをチェックボックスにより選択することができる。
図14は、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための解析条件を設定するために表示される画面を示す図である。周波数f、コイル間距離d、コイル中心軸間距離d、コイル中心軸間角度θ、1次コイル直径a、1次コイル長l、2次コイル直径a、及び2次コイル長lの各パラメータについて、固定とするための固定チェックボックスと、可変とするための可変チェックボックスとのいずれかを選択する。固定チェックボックスを選択したときは、固定値を設定する。可変チェックボックスを選択したときは、可変とする最小値及び最大値を設定する。
図15は、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための材料係数を設定するために表示される画面を示す図である。一次コイル鉄損抵抗係数a、b、c、d、eを設定し、二次コイル鉄損抵抗係数a、b、c、d、eを設定する。そして、一次コイル銅損係数α、β、γを設定し、2次コイル銅損係数α、β、γを設定する。次に、共振用コンデンサ等価抵抗RC1、RC2を設定し、比透磁率μr1、μr2、μrMを設定する。
図16は、伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための解析結果を表示する画面を示す図である。非接触エネルギー伝送システム設計装置1は、材料パラメータと設計パラメータとに基づいて伝送効率を算出し、算出した伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定し、算出した伝送効率を3次元グラフにより画面に表示する。図16に示す例では、伝送周波数fと2次コイル長lを可変させながら算出した伝送効率を3次元グラフにより示している。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、非接触でエネルギーを伝送するシステムを設計するための装置等及びプログラムに適用することができる。
実施の形態に係る非接触エネルギー伝送システム設計装置の構成を示すブロック図である。 上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって設計されるエネルギー伝送等価回路の構成を示す回路図であり、(a)は直列共振回路の回路図を示し、(b)は並列共振回路の回路図を示す。 上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって伝送効率を算出するための材料パラメータ及び設計パラメータを説明するための図である。 上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって算出される伝送効率を説明するための図である。 上記材料パラメータに含まれるコア損失を説明するための図である。 上記材料パラメータに含まれる巻線抵抗パラメータ、コンデンサパラメータ、及びインダクタンスパラメータを説明するための図である。 上記材料パラメータに含まれる相互インダクタンスパラメータを説明するための図である。 (a)は上記非接触エネルギー伝送システム設計装置に設けられたコア損失実測器の構成を示す回路図であり、(b)は上記コア損失実測器によって実測されたコア損失を示すグラフである。 上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって解析される非接触エネルギー伝送システムを説明するための図である。 上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって算出された伝送効率を示す3次元グラフである。 (a)は上記非接触エネルギー伝送システム設計装置によって決定された伝送効率を最大化する設計パラメータの値の検証実験の構成を示す回路図であり、(b)はその送電コイル及び受電コイルを説明するための図である。 (a)は上記検証実験によって測定された伝送効率と伝送周波数との間の関係を示すグラフであり、(b)は出力電圧と伝送周波数との間の関係を示すグラフである。 上記伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための伝送条件、共振方式、及びコイル形状を設定するために表示される画面を示す図である。 上記伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための解析条件を設定するために表示される画面を示す図である。 上記伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための材料係数を設定するために表示される画面を示す図である。 上記伝送効率を最大化する設計パラメータの値を決定するための解析結果を表示する画面を示す図である。 従来の体内埋込型医療機器を説明するための図である。 従来の非接触エネルギー伝送システムの設計方法を説明するための図である。 従来のカプセル内視鏡を説明するための図である。
符号の説明
1 非接触エネルギー伝送システム設計装置
2 送電回路
3 受電回路
4 CPU
5 RAM
6 ROM
7 外部入力部
8 外部出力部
9 設計パラメータデータベース
10 材料パラメータデータベース
11 コア損失実測器
12 ネットワーク

Claims (7)

  1. 送電回路に設けた送電コイルから受電回路に設けた受電コイルに非接触でエネルギーを伝送する非接触エネルギー伝送システムを設計する非接触エネルギー伝送システム設計装置であって、
    前記送電回路及び受電回路を構成する構成要素の成に関連する設計パラメータを選択的に可変もしくは固定すると共に、前記可変とされた設計パラメータの最小値及び最大値を設定するための設計パラメータ設定手段と、
    前記構成要素の材料に関連する材料パラメータを設定するための材料パラメータ設定手段と、
    前記設定された設計パラメータと前記設定された材料パラメータとに基づいて伝送効率を算出する算出手段と、
    前記算出された伝送効率を最大化する設計パラメータを決定する決定手段とを備え、
    前記設計パラメータには、少なくとも出力電圧、負荷抵抗、伝送周波数、共振方式、およびコイル形状が含まれており、
    前記材料パラメータは、前記送電コイルと前記受電コイルとの少なくとも一方のコア損失に関連するコア損失パラメータと、前記受電コイルの銅損と、受電側の共振用コンデンサによる損失とが含まれており、
    前記伝送効率を最大化することで、少なくとも前記受電コイルの銅損と、前記受電側の共振用コンデンサによる損失とに関わる前記受電コイルの発熱を抑えることを特徴とする非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  2. 前記コア損失パラメータは、ヒステリシス損パラメータとうず電流損パラメータとを含んでいることを特徴とする請求項1記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  3. 前記材料パラメータは、相互インダクタンスに関連する相互インダクタンスパラメータを含んでおり、
    前記伝送効率を最大化する前記設計パラメータの値を決定するための条件を入力するための画面においては、前記相互インダクタンスパラメータを簡易的に算出するか否かを選択することが可能であることを特徴とする請求項1記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  4. 前記コア損失を実測するコア損失実測器を備えており、
    前記コア損失実測器によって実測されたコア損失実測値に基づいて前記伝送効率を算出することを特徴とする請求項1記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  5. 前記コア損失実測器によって実測されたコア損失実測値を格納するデータベースを備えており、
    前記データベースに格納されたコア損失実測値に基づいて前記伝送効率を算出することを特徴とする請求項4記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  6. 前記材料パラメータは、前記送電コイル及び受電コイルの巻線抵抗に関連する巻線抵抗パラメータと、前記送電回路及び受電回路にそれぞれ設けられたコンデンサに関連するコンデンサパラメータと、前記送電回路及び受電回路にそれぞれ設けられたインダクタンスに関連するインダクタンスパラメータとをさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
  7. 前記送電コイルの巻線抵抗r は前記送電コイルのコイル巻数N と前記送電コイルの半径a とに比例し、前記受電コイルの巻線抵抗r は、前記受電コイルのコイル巻数N と前記受電コイルの半径a とに比例するものであることを特徴とする請求項1記載の非接触エネルギー伝送システム設計装置。
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