JP5363076B2 - 組織再生用の材料 - Google Patents

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本発明は、多孔質体よりなる円柱状の構造を有し、その中央部に特定の大きさの貫通孔がある組織再生用の材料に関する。
これまで、生分解性高分子よりなる多孔体や成型体が組織再生用材料として提案されている。その中で、関節軟骨の再生に用いられる材料としては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸などの生体適合性材料により形成された特定形状の細孔を有する多孔性の組織再生用支持体が提案されている(特許文献1)。
特許文献2には、マクロ孔間に高レベルの相互連結性を有し、約0.5〜約3.5mmの範囲の直径を有するマクロ孔を少なくとも50%含んでなるマクロ多孔性高分子足場材料が開示されている。
これらの文献に記載された多孔体は、軟骨細胞を培養する際の担体に用いて軟骨の再生を促すことを目的としている。しかしながら、多孔体だけを埋め込むことによって損傷した軟骨が再生する効果については何ら示唆されていない。
さらに、損傷した骨・軟骨を生体内で自然治癒により再生させるための補填材、骨・軟骨の再生方法についても検討されている。例えば、特許文献3には脂肪族ポリエステルなどの生体吸収性材料より形成され、空孔率が50〜90%の多孔質体による、損傷した関節軟骨の再生のための補綴材およびその製造方法が開示されている。
また、特許文献4には、軟骨または骨の再生のための補填材であって、細胞を生着させる多孔質部および骨髄液を溜める貯液部からなり、多孔質部は生体吸収性材料からなり、空孔率が10〜90%の円筒状であり、貯液部は多孔質部の一方の底面に開口部を有し、容積が円筒の見かけ体積の1〜50%の補填材が開示されている。
特許文献5には、繊維状の多孔体に関する記載がある。
軟骨の再生を目的とした材料は、関節に面した領域に一様に軟骨組織を形成させることから、特許文献6では円柱状の高さ方向に対して垂直な層を有する構造が提案されている。
特開2004−216119号公報 特表2001−523483号公報 特開2007−143926号公報 特開2007−181514号公報 国際公開第06/028244号明細書 特表2004−520855号公報
本発明が解決しようとする課題は、生体外で細胞培養を行わなくても優れた組織再生能を有する補綴材を提供することである。なかでも軟骨の再生に優れた組織再生材料、特に損傷した関節軟骨やその下骨の再生に優れた効果を発揮する組織再生材料を提供することである。
本発明の発明者らは、軟骨の再生に優れた材料について鋭意研究した。従来の軟骨再生材料は、関節軟骨表面に軟骨組織の再生を促すために、平面状でマクロな孔があいていない層を設けることが通常であった。
しかし驚くべきことに、中央に貫通孔の開いた円柱状の多孔質体は、関節面と接する部分に大きな孔が開いているにもかかわらず、従来の軟骨再生材料よりも優れた軟骨層を形成すること、例えば損傷した軟骨およびその下部に存在する下骨の組織再生に優れていることが明らかとなり、さらに研究を進めて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、中心に貫通孔を有する円柱状の成形体であって、貫通孔内径が円柱外径の40〜60%である多孔質成形体からなる組織再生材料である。
本発明の組織再生材料は、良好な組織再生能を有する。とりわけ、損傷した軟骨やその下骨を再生するのに優れている。具体的には、例えばスポーツや交通事故などの外的要因により損傷した軟骨の治療に優れた効果を発揮する。
本発明の組織再生材料によれば、細胞培養法を用いずに軟骨の再生が可能であることから、関節面にメスを入れる回数が1回で済み、患者さんの負担を最小限にすることが可能である。
もっとも、本発明の組織再生材料は、体外での細胞培養に用いる細胞培養基材(足場材料と)として使用することも可能である。
本発明の組織再生材料は、中心に貫通孔を有する円柱状の成形体であって(すなわち略円筒形であって)、貫通孔内径が円柱外径の40〜60%である多孔質体の成形体からなる。
かかる円柱の底面外径は、2〜10mmであることが好ましく、高さは2mm以上であることが好ましい。高さが2mmより低いと骨髄面からの細胞の浸潤が少なく、組織の再生が進まないため好ましくない。一方、高さの上限は問わないが、30mmよりも高いと、特に骨・関節の組織再生材料としては使用する部位が限られてくる。好ましい高さは3〜10mmである。
中央の貫通孔の内径は、円柱の外径の40〜60%である。したがって、外径が5mmの場合は、中央の貫通孔の内径は2〜3mmの範囲で形成される。
かかる貫通孔部分は、基本的には成形体の円柱と同心で小半径の円柱状である。
もっとも、上記した本発明の組織再生材料の形状は、発明の効果を奏するものである限り、幾何学的に厳密でなくてもよい。
例えば、「円柱」の底面の形状は真円に限られず、長径が短径の1.5倍までの楕円形や小判状のものであってもよい。また、円柱の高さ方向は、基本的にはその底面と垂直であるが、70−110°であってもよい。また、円柱の両底面の半径は同一である必要はなく、例えば一方が他方の1.3倍であってもよい。
さらに、これらのことは、基本的には円柱状である「貫通孔」の形状についても当てはまる。また、円柱の中心軸と、貫通孔の中心軸とは基本的には一致し、したがって円筒部分の肉厚はどこも均一であることが好ましいが、本発明の組織再生材料としては、その中心が若干ずれているものや、円柱の高さ方向と、貫通孔の高さ方向が完全には一致しないものも、使用に耐えるだけの力学的強度が保持され、組織再生能が維持される限り、含まれる。
本発明の組織再生材料の平均見掛け密度としては、10〜350kg/mが好ましい。平均見掛け密度が10kg/mより低いと、細胞侵入性は良いものの機械強度が低く、また350kg/mより高いと、細胞が侵入するのが困難となり、足場材料としては好ましくない。より好ましくは50〜300kg/mであり、さらに好ましくは100〜250kg/mである。かかる平均見掛け密度は、組織再生材料の体積と質量とを測定して算出することができる。
本発明の組織再生材料は、多孔質体の成形体からなる。かかる多孔質体の構造としては、材料で占められる部分と空気で占められる部分を有する構造であれば特に制限はない。材料が高分子材料である場合の具体例をあげると、高分子材料溶液を凍結乾燥することによって得られる構造や、高分子材料の粒子を熱融着させて固めた構造や、高分子材料の繊維より形成される構造体を挙げることができる。これらの中でも高分子材料の繊維より形成される構造体が好ましい。
本発明の組織再生材料を構成する材質は問わないが、好ましくは高分子材料である。具体的にはナイロンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料が挙げられるが、好ましくは生体吸収性ポリマーである。
生体吸収性ポリマーとしては、好ましくはポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリジオキサノン、ポリトリメチレンカーボネートなどの脂肪族ポリエステルおよびその共重合体、ヒアルロン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸などの多糖類、ゼラチンやコラーゲン、フィブロインなどのタンパク質が挙げられる。これらの中でもポリ乳酸やポリ乳酸−グリコール酸共重合体などの脂肪族ポリエステルが好ましく用いられる。
ポリマーの重合方法については特に制限はなく、ポリマーの分子量も特に制限はないが、好ましくは重量平均分子量で5000〜100万のものがよく、さらに好ましくは1万から20万である。末端の構造には特に制限はない。
本発明の組織再生材料の力学強度としては、変形10%時の圧縮応力として0.3MPa以上のものが好ましく用いられる。変形10%時の圧縮応力とは、材料を円柱の縦方向に圧縮したとき、もとの高さの10%が変形したときの圧縮応力のことをいう。本発明の組織再生材料を軟骨再生材料として軟骨の欠損部に埋め込んだ際、移植した材料表面と軟骨の平滑面との水平性を確保することが重要なので、組織再生材料は水平面まで押し込まれて(圧縮されて)移植されることになる。その後、手術後のリハビリや歩行訓練などの際に、組織再生材料を移植した部位は加重を受けるため、応力変位を受けても荷重に耐えうる材料が、実用上好ましい。
また、本発明の組織再生材料には生体適合性ポリマー以外の第2成分をさらに含有してもよい。該成分としては、リン脂質類、糖質類、糖脂質類、ステロイド類、ポリアミノ酸類、タンパク質類、およびポリオキシアルキレン類、FGF(繊維芽細胞増殖因子)、EGF(上皮増殖因子)、PDGF(血小板由来増殖因子)、TGF−β(β型形質転換増殖因子)、NGF(神経増殖因子)、HGF(肝細胞増殖因子)、BMP(骨形成因子)などの細胞増殖因子からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。具体的には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロールなどのリン脂質類、ポリガラクチュロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン、デキストラン硫酸、硫酸化セルロース、アルギン酸、デキストラン、カルボキシメチルキチン、ガラクトマンナン、アラビアガム、トラガントガム、ジェランガム、硫酸化ジェラン、カラヤガム、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、カードラン、プルラン、セルロース、デンプン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、グルコマンナン、キチン、キトサン、キシログルカン、レンチナンなどの糖質類、ガラクトセレブロシド、グルコセレブロシド、グロボシド、ラクトシルセラミド、トリヘキソシルセラミド、パラグロボシド、ガラクトシルジアシルグリセロール、スルホキノボシルジアシルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、グリコシルポリプレノールリン酸などの糖脂質類、コレステロール、コール酸、サポゲニン、ジギトキシンなどのステロイド類、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリジンなどのポリアミノ酸類、コラーゲン、ゼラチン、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、カゼイン、ケラチン、セリシン、トロンビンなどのタンパク質類、およびポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンエーテルなどのポリオキシアルキレン類からなる群から選ばれる一つまたは複数の成分が挙げられる。本発明の組織再生材料における第2成分の好ましい含有量としては、材料が高分子材料である場合、高分子材料100重量部に対して0.01〜50重量部である。
本発明の組織再生材料は、多孔質体の成形体からなる。かかる多孔質体は、繊維状の積層物、すなわち繊維構造体より構成されるものが好ましい。具体的には、単数または複数種類の繊維が積層され、集積されて形成された3次元の構造体である。各層を構成する繊維構造体の平均繊維径は0.05〜10μmであるものが好ましい。平均繊維径が0.05μmよりも小さいと、組織再生材料の強度が保てないため好ましくない。また平均繊維径が10μmよりも大きいと、繊維の比表面積が小さいため、生着する細胞数が少なく、良好な組織再生が起こらないため好ましくない。より好ましい繊維構造体の平均繊維径は0.2〜5μm、さらに好ましくは平均繊維径が0.2〜2μmである。
また、繊維の断面は略真円でも楕円でも異形でも特に制限はない。なお、繊維の横断面が異形であると繊維の比面積は増大するので、細胞培養時に細胞が繊維表面に接着するための十分な面積をとることができる。
本発明の組織再生材料には、紡糸された繊維が集積され、層状の繊維構造体を形成しているものが包含される。その場合、繊維構造体の各層が高さ方向(円柱の縦方向)に平行に積層されているものが好ましい。かかる繊維の紡糸方法は、溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸、静電紡糸、フラッシュ紡糸、メルトブローなど、あらゆる紡糸方法を利用できる。通常の溶融紡糸では、糸の平均繊維径が数10μmであり、好ましい繊維径よりも太い糸ができやすいため、例えば異なるポリマーの層分離による海島構造を活用し、紡糸した後に海成分のポリマーを除去する方法が用いられる。これらの中では、静電紡糸方法が簡便で使いやすく、少量でも生産でき、クリーンな環境の下で製造しやすいので好ましい。
得られた繊維を円筒状に成型する方法に特に制限はないが、例えば繊維をシート状に加工し、これを捧に巻き取って成形する方法や、紡糸時に同心円状に積層されるよう巻き取る方法が挙げられる。また、円柱状の成形体を工具でくりぬくことでもよい。なお、所望により熱処理によるアニーリングや表面コーティング、水や溶媒による洗浄などの後加工を行ってもよい。
本発明の組織再生材料の用途としては、損傷した軟骨、下骨の再生以外にも、例えば関節以外の骨欠損部の補填材、細胞培養のための基材やその他の医用材料として応用できる。また、再生医療のための細胞の担体、成長因子などの液性因子を保持・徐放する担体、医薬品など生理的な活性を有する低分子化合物を保持・徐放する担体などにも好ましく利用できる。
本発明の組織再生材料は、公知のあらゆる滅菌方法で滅菌処理することができるが、好ましくは、電子線照射、エチレンオキシド等によるガス滅菌、高圧蒸気滅菌である。
本発明の組織再生材料は、軟骨が損傷した部位に埋入して軟骨や軟骨下骨の再生に用いることができる。かかる再生方法は以下の手順で行うことができる。まず、関節部を手術し軟骨を露出させる。次に、軟骨の損傷部位にドリルなどで穴を開ける。穴は厚さ2mm程度の軟骨組織より下の軟骨下骨に達する程度の深さまで開けることが好ましい。したがって、穴の深さは3〜8mm程度が好ましい。その後、穴の内径に略一致する形状の本発明の組織再生材料を埋入する。その後、手術部位を修復し、自然治癒により軟骨あるいは骨・軟骨の再生を行う。
以下、実施例により本発明の実施形態を説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
本実施例に使用したポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体 LACTEL(ポリ(DL乳酸/ポリグリコール酸)(モル比=50/50)共重合体、固有粘度:1.05dL/g、30℃、ヘキサフルオロイソプロピルアルコール)はAbsorbable Polymers製、塩化メチレン、エタノールは和光純薬工業(株)製を使用した。
[実施例1]
ポリ乳酸−ポリグリコール酸共重合体1.5g、塩化メチレン/エタノール=7.5/1(重量部/重量部)8.5gを室温(25℃)で混合し、15重量%のドープ溶液を調製した。静電紡糸装置を用い、そのノズルと電極の間に静電除去器(春日電機(株))および巻き取り装置(HEIDON)を設置のうえ120分間吐出し、巻き取り装置で紡糸された糸を巻き取り、繊維構造体を得た。このときの巻き取り装置の回転数は100rpmであった。噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は12kV、噴出ノズルから巻き取り器までの距離は20cm、噴出ノズルから静電除去器までの距離は35cm、噴出ノズルから電極までの距離は55cmであった。80℃、10分間熱処理を行った後、巻き取り装置の回転軸に対して平行に生検トレパンを用いて直径5mm×高さ5mmの円柱状の多孔体を切り出した。得られた多孔体の繊維径、平均見掛け密度を測定した。繊維径についてはデジタルマイクロスコープ(株式会社KEYENCE、VHX DIGITAL MICROSCOPE)により、見掛け密度については下記式により算出した。
ρ=4m/πd
(ρ:多孔体の見掛け密度、m:質量、d:直径、h:厚さ)
その結果、平均繊維径は8μm、平均見かけ密度は、200Kg/m3であった。
得られた円柱状の多孔体の中央部に、直径2.5mmの孔をドリルで開け、変形10%時の圧縮応力を測定した。測定はJIS K7220を参考に、島津製作所(株)製EZTestを用いて測定を行った(n=5)。その結果、変形10%時の圧縮応力は、0.39MPaであった。さらに、得られた多孔体を動物実験に用いるため、電子線照射による滅菌処理を行った。
[実施例2]
雌性日本白色家兎(平均体重3.1Kg)を北山ラベス(株)より購入し、ゲージにて通常飼育した。通常飼育したウサギの後肢大腿部にペントバルビタールを投与し、全身麻酔下で以下の手術を施した。両側の後肢膝関節周辺部を剃毛し、エタノール消毒した。その後、膝関節内側を切開し、膝蓋骨を脱臼させることにより大腿骨膝蓋溝を露出させた。内側側副靭帯から5mmほど上部の滑車溝部分に、手術用ドリル(OATS)で内径5mm、深さ5mmの円筒形の欠損部を作製することによって、膝関節軟骨全層を欠損させた。できた欠損部に実施例1で製造した組織再生材料を埋入したのち、膝蓋骨を元の位置に戻して筋肉を手術用縫合糸にて縫合し、ゲージに戻して通常の飼育を行った。
術後24週目に屠殺して欠損部位を摘出し、軟骨組織の目視による観察を行ったのち、4%パラホルムアルデヒド溶液に浸漬、固定させ、組織学的評価に供した。組織学的評価は、固定した組織を脱脂、EDTA脱灰した後、パラフィンに包埋し、欠損部の中心部近傍を矢状面に薄切りして標本を作製し、作製した標本にトルイジンブルー染色を施した。これを顕微鏡観察したところ、術後24週目において修復された軟骨組織は軟骨基質を良好に産生をしている様子が観察された。また、正常部との結合も良好であり、厚さが正常部とほぼ同等に維持され、組織の連続性を認めた。脇谷の方法によるスコア評価では、得られた軟骨組織は10以上であり、良好な結果であることを確認した。
以上の結果より、本発明の組織再生材料を埋め込んだ骨・軟骨では、表面の状態、修復した軟骨組織の厚さと正常組織との組織学的な連続性については正常組織に近く、全体として良好な修復能を示すことが確認できた。これより、本発明の組織再生材料は、関節の骨・軟骨治療用材料として優れていることがわかった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法で得られた直径5mm、高さ5mmの繊維状多孔体を、中央に貫通孔を開けずに実施例2と同じ方法で、ウサギ膝軟骨の埋め込み実験を行った。
その結果、術後術後24週目において修復された軟骨組織は、良好に基質を算出している様子を観察したが、実施例1に比べると軟骨層の厚みや染色の程度は十分ではなかった。脇谷の方法によるスコア評価では、得られた軟骨組織は5〜6であった。
本発明の組織再生材料は、とりわけ損傷した軟骨やその下骨を再生する医療材料として優れた効果を発揮する。スポーツや交通事故などの外的要因により損傷した軟骨の治療、変形性膝関節症の治療にも応用が可能で、従来の軟骨治療法であるマイクロフラクチャー法や、健常軟骨組織を移植するモザイクプラスティ法などと組み合わせて用いることも可能である。
また、最近実用化が進んでいる体外で培養した軟骨細胞の培養のための担体、または、培養軟骨を用いた軟骨再生法と組み合わせて用いることもできる。
本発明の組織再生材料の一例を示す図である。 本発明の組織再生材料の一例を示す図である。

Claims (5)

  1. 生分解性高分子からなり、中心に貫通孔を有する円柱状の成形体であって、貫通孔内径が円柱外径の40〜60%である多孔質成形体からなる組織再生材料。
  2. 平均繊維径が0.05〜10μmの繊維の積層物で形成されており、外径が2〜10mmであり、高さが2mm以上である請求項1に記載の組織再生材料。
  3. 繊維の積層物の各層が、円柱の縦方向に対して平行に積層されている請求項2に記載の組織再生材料。
  4. 円柱の縦方向における変形10%時の圧縮応力が、0.3MPa以上である請求項1〜のいずれかに記載の組織再生材料。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の細胞培養材料の細胞培養基材としての使用。
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