JP5362611B2 - 開封具付き注出具 - Google Patents

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Description

本発明は、開封部に注出筒部が一体型に装着されている紙パックなどの包装容器の内容液を好適に流出するとともに開封部の開口にある閉塞膜を切断した後に閉塞膜が開口を塞がないようにする開封具付き注出具に関する。
調味料、牛乳、清涼飲料等の包装容器において使用される紙パックは、紙を主体として外面及び内面が、ポリエチレン樹脂、必要に応じてアルミニウム箔、バリヤ性樹脂等から成るバリヤ層が形成される。そして、上面に注出口を形成するためのパンチ穴が形成され、該パンチ穴が閉塞膜によって閉塞されている。
このような、紙パックには、特許文献1に開示されているように、パンチ孔を開ける開封具付き注出具がある。このような注出具は、上部に注出開口を形成した外筒と下端にパンチ穴を開封するカッターを形成した内筒とを備えている。注出開口には、ヒンジ結合で注出開口を開閉する蓋が設けられ、カッターは円筒状の内筒の先端を斜めに切断したような形状に形成されている。
注出具は、紙パックの開封前は、袋に入れられた状態で紙パック本体の側面に接着固定されているのであって、開封時にユーザが袋とともに取り外して、袋を破って注出具を取り出し、そして、この注出具をパンチ穴にねらいを定め、カッターをパンチ穴に押し込んで開封することとなる。外筒(注出部)と内筒(カッター)とでは、外筒の方が径が大きく、また、それらの間には環状の支持溝が形成されており、パンチ穴の縁部が支持溝に入り込んで注出具は紙パック本体に抜け止めされる。
また、特許文献2に開示されている開封具付き注出具(密閉キャップ)はキャップ、中栓及びスペーサから構成されている。中栓には内筒の下端に流出路を閉塞する隔壁が設けられている。一方、キャップには隔壁を突き破る切り込み刃が隔壁の直上方に設けられている。隔壁の開封前では、キャップの下端にスペーサを設けることによって、キャップのねじ込みによる下方への移動を阻止し、隔壁の開封時には、スペーサを取り除いてからキャップのねじ込みを行い、スペーサが除去された分だけ、切り込み刃が下方へ移動することにより隔壁を突き破ることができ、内容液の流出路が形成される。
特開2007−182258号公報 特開2008−162668号公報
このように、特許文献1の開封具付き注出具は、開封時にユーザがまず袋とともに取り外して、袋を破って注出具を取り出すこととなり、開封に手間がかかる。そして、この注出具をパンチ穴にねらいを定める必要があり、位置決めをユーザ自身が行わなければならない。また、幼児や病人などのように、必ずしも位置決めが容易に行うことができるとは限らない。
また、特許文献1のような注出具はカッターが円筒状であり、円筒部内を流通路としているので、飲料の流出量を大きくすることができず、円筒形の上端部に注出口を形成しているので、飲料の流出の際に飲料が注出口(流出路)を塞ぐ傾向にあり、容器内に空気が入り込まず、空気置換性の低下により、十分に飲料が流出されないという問題点があった。
引用文献2の開封具付き注出具は、キャップをねじ込んで隔壁を切り込み刃によって突き破る。このような切り込み刃は、隔壁を突き破るためにあるので、その長さは隔壁を突き破る長さ程度に形成されている方が、内容物の流出や材料費の軽減から望ましい。しかしながら、切り込み刃の長さを隔壁を突き破る程度にすると、突き破られた隔壁の残留片が切り込み刃の周辺に残り、内容物の流出時に流入部となる切り込み刃の先端開口を隔壁の残留片が閉塞し、内容物の流出を妨げることがある。
さらには、特許文献1及び2のような円筒状の開封具の下端に切り込み刃を形成するタイプの開封具は、開封具自身の円筒部の径よりも大きい孔を形成することが困難であり、特許文献1のようにパンチ孔の大きさは円筒部の径と同等がそれよりも小さく形成されている。しかしながら、パンチ孔を閉塞する閉塞膜は薄いので、容器などの材質によっては、パンチ孔の径を小さくしてパンチ孔の周囲を形成する紙部まで孔を拡げたいことや、比較的厚い紙を容易に開封したいこともある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、切断部で閉塞膜を突き破る際に、空気置換性に優れて飲料の十分な流出を得ることができ、さらにはパンチ孔を閉塞する閉塞膜や開口などの流通路を閉塞する隔壁を切り込み刃が突き破ったときの残留切削片が流通路を閉塞することなく、厚紙であっても容易にパンチ孔などの閉塞部をパンチ孔の径以上に大きく拡げることのできる開封具付き注出具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の開封具付き注出具は、閉塞膜で覆われた容器本体の開口部を覆って容器本体に固定された環状側壁と、
前記環状側壁の上端部に連続する天面壁と該天面壁の内周面から下方に延び、前記開口部の直上方に設けられた開封具とを備えた注出具であって、
前記天面壁は、外周側の連結部と該連結部の内周端に連結された中央押圧部とを含み、
前記開封具は、下方へ押圧移動させることにより、前記閉塞膜を破断可能に前記連結部に連結され、前記天面壁の中央押圧部から下方に延び先端に前記切断部を有する主部と、該主部の延在方向に対して直角方向へ放射状に延びる複数の翼部と、これらの各翼部の放射方向端部から少なくとも2方向へ外側に延びる分岐部とからなり、前記翼部と前記分岐部の下端には前記切断部から連続する切断補助部を形成した。
上記開封具付き注出具は、前記主部の軸心から前記分岐部の先端部までの長さが前記開口の半径とほぼ等しいか、該半径よりも小さく形成されていることが好ましい。
上記開封具付き注出具の前記環状側壁には、前記注出具内に流入した内容液を注出具外に注出する注出口部と、該注出口部に開閉可能に設けられた蓋部材とを設けることができる。
上記開封具付き注出具の前記連結部には、前記容器内の内容液を注出具外に注出する注出孔を形成することができる。
本発明の開封具付き注出具の開封具は、下方へ押圧移動させることにより、閉塞膜を破断可能に連結部に連結され、天面壁の中央押圧部から下方に延び先端に切断部を有する主部と、該主部の延在方向に対して直角方向へ放射状に延びる複数の翼部と、これらの各翼部の放射方向端部から少なくとも2方向へ外側に延びる分岐部とからなり、翼部と分岐部の下端には前記切断部から連続する切断補助部を形成したので、中央押圧部を押圧するだけで、閉塞膜を破断することができ、閉塞膜の破断後には開口の縁周部を切断補助部に押し破り、開口を大きくすることができる。分岐部は、破断された閉塞膜に閉塞片が開口を塞がないようにするので、内容液を流出を拒むことが防止される。
また、連結部では、反転部が反転することによって、注出具を下降位置に保持できるようになった。
本発明の第1の実施形態における開封具付き注出具の蓋部材が開放した状態の斜視図である。 図1の開封具付き注出具の蓋部材が閉じた状態の平面図である。 図1の開封具付き注出具の蓋部材が閉じた状態の底面図である。 図3のA−A線方向における開封具が上昇位置にあるときの断面図である。 図3のA−A線方向における開封具が下降位置にあるときの断面図である。 開封具付き注出具の開封具を下方から見た拡大底面図である。 開封具付き注出具の開封具における下側先端部の拡大斜視図である。
以下、本発明の実施形態による開封具付き注出具について図面を参照しながら説明する。なお、本明細書にて上下方向について特記しない場合は、開封具付き注出具が正立状態にあるときを基準とする。
図1は、本実施形態による開封具付き注出具1の斜視図、図2は平面図、図3は底面図、図4は一側面から見た断面図である。
図4に示すように、容器本体12の上面における一端側に配設されている樹脂製の開封具付き注出具1は、開封具3を一体的に備えている。注出具1は、開口(パンチ孔)15aの周囲を囲むようにして配置され、容器本体12の外装材15に溶着される環状の基部5と、基部5から上方へ延びる断面が円形の環状側壁6と、環状側壁6の上端部に連結されている天面壁7を備えている。
容器本体12は、内装材14と外装材15とによって形成され、外装材15には、飲料を注出具1側へ通過させるための開口15aが形成され、外装材15は紙から形成され、外面には樹脂フィルムがラミネートされ、注出具の下端部を溶着固定できるようになっている。なお、開口15aは、飲料を収容している状態では、内装材14の閉塞部14aに閉塞されている。
図1及び図2を参照にして、基部5は環状側壁6の下端に沿った半円部5aと、環状側壁6の下端から水平方向に延びる平板部5bとからなり、容器本体12に形成した開口15aの周囲を環状に囲っている。
環状側壁6には、ほぼ円筒形状の注出口部24が設けられ、注出口部24はその円筒軸が水平方向に向くようにして環状側壁6から僅かに突出するように配置されている。注出口部24の基端側内部は注出具1の内部空間に連通し、先端側は円形の注出口25が形成されている。注出口25の大きさは環状側壁6の下端から上端までの高さにほぼ等しく形成され、注出口25の開口は、容器本体12の一側面12aに対して同一面上に近い位置もしくは同一面上に配置している。
注出口部24の上部には、蓋取付部28が設けられている。蓋取付部28は、注出口部24の外側先端部に形成された肉厚部であって、その上側前端部に横方向に延びるヒンジ27を介して蓋部材26を取付けている。ヒンジ27は、長い薄肉部によって蓋部材26の横方向一端部から他端部にわたって形成され、蓋部材26をヒンジ27を回転軸として上下方向に開閉することができる。
蓋部材26の裏側には、注出口25の内径に外径がほぼ等しい円環状の嵌入部29が形成され、嵌入部29は蓋部材26の裏面から突出するように形成されている。嵌入部29が注出口25に嵌入されて、注出口25が蓋部材26によって密閉される一方、蓋部材26は嵌入部29が注出口25に保持される。
ヒンジ27は、蓋部材26を開放したときに、上方へ180度近くまで蓋部材26が持ち上がるように、樹脂の弾性力を利用してある程度の反発力を持たせることが好ましい。また、ヒンジ27近傍の蓋取付部28及び蓋部材26に図示しないロック部材を設け、蓋部材26を所定角度以上回転させたときに、戻り止めの機能を有するようにしてもよい(図示せず)。更に、ヒンジ27の両側で蓋取付部28と蓋部材26とを薄肉片により接続して、開栓状態を維持するようにすることもできる。
図4に示すように、環状側壁6の上端部に連続する天面壁7は、周縁圧肉部8、薄肉連結部9及び中央押圧部10とからなる。周縁厚肉部8は天面壁7の外周側に位置し、環状側壁6の上端部から半径方向内方に延びているが、その長さは短い。薄肉連結部9は、周縁厚肉部8よりも肉薄に形成され、内方(中心)側へ向かって環状壁21、作用基部22及び反転部23とから構成される。環状壁21は周縁厚肉部8の内側端に連結され、下方に延び環状側壁6に対して僅かな間隔を空けて配置され、上端側から下端に向かって肉厚が漸次薄くなるように形成されている。環状壁21の下端は作用基部22と連結し、作用基部22は初期状態では注出具1の半径方向内方へ僅かに延びるように形成された環状底である。
作用基部22の内周端は反転部23に連結されている。反転部23は作用基部22から内側上方へ水平線に対して比較的大きな角度で円錐筒形状に延び、中間部で曲点23aを形成し、曲点23aからは、水平線に対して角度をやや緩やかにして内側上方へ延びている。
作用基部22の内端は中央押圧部10に連結されている。中央押圧部10は、円形の板状部材である。初期状態では、中央押圧部10は薄肉連結部9に支持されており、反転部23は、中央押圧部10を上方位置に保持する程度の強度を必要とする。
中央押圧部10に下方への押圧力を付加すると、薄肉連結部9は図4の状態から図5に示す状態へ、開封具3全体を上方位置から下方位置に位置付けることができる。すなわち、中央押圧部10を押すと樹脂の変形作用によって作用基部22が起点となって、反転部23が下方へ折れ曲がるようにして下方へ反転することができる。したがって、開封具3は、初期状態の上昇位置から下降位置に前進移動が可能である。
中央押圧部10の内周面10aには開封具3が設けられている。開封具3は、主部17、翼部18、分岐部19及び切断部20からなる。
主部17は柱状で中央押圧部10の中心部から垂下するように形成され、下端部には先端が四角錐形状に尖ったように形成された切断部20が設けられている。先端形状については、円錐形状や四角錐形状以外の多角錐形状であってもよい。翼部18は、主部17の外周部から主部17の中心線を基準にして放射状に4方向(周方向へ90度間隔:十字形状)へ翼状(若しくは板状)に延びている。
翼部18の上端は、中央押圧部10の内周面10aに連結され、放射方向へ中央押圧部10の内周面10aのほぼ中間位置まで延び(図3参照)、上下方向には内周面10aから下方へ向かって切断部20の上端位置、すなわち、その円錐形状のほぼ基端側位置まで延びている。各翼部18,18間の基端側は凹状にかつ半円形状に形成されている(図6参照)。
図6及び図7に示すように、分岐部19は、各翼部18の外側端部から枝部19bが2方向へ延び、これらの内角はほぼ90度であり、翼部18の延在方向線aに対して45度の方向へ延びるように形成され、隣接する分岐部19の枝部19bとほぼ平行になるように形成されている。枝部19bの内角などは適宜変更が可能であるが、枝部19が翼部18よりも外側の位置に配置される必要があり、それらの径方向外周端は、中央押圧部10の外周端の手前まで延び、その上端は中央押圧部10の内周面10aに連結している。翼部18と分岐部19とを合わせるとY字形状になり、このY字形状のものが同一形状の大きさで、主部17の周囲に形成されている。
図4及び図5に示すように、翼部18の下方先端側には第1切断補助部18aが形成され分岐部19の下方先端部には第2切断補助部19aが形成されている。各切断補助部18a,19aは、開封具3の外側から内側に向かって下方に傾斜している。切断部20の先端は鋭角(ほぼ60度)に形成され、第1切断補助部18aの傾斜は切断部20の傾斜よりも緩やかであり、同様に第1切断補助部18aの傾斜は第2切断補助部19aの傾斜よりも緩やかである。また、本実施形態では、向かい合う第1切断補充部18a,18aの傾斜の延長線上の交差角は鈍角であり、第2切断補助部19a,19aの傾斜の延長線上の交差角は、切断部20と同じ角度(ほぼ60度)に形成されている。傾斜片の長さは、第1切断補助部18aが、切断部20及び第2切断補助部19aの各傾斜長さよりも長い。
分岐部19の側部19cは主部17の中心線Oに対して平行であり、中心線Oから各側部19cまでの半径方向の長さは同じ大きさに形成されている。本実施形態では、中心線Oに対する直径方向の枝部19bの先端部間の長さは11mmであり、開口15aの直径は8mmである。枝部19b,19bの基端部の位置19dは、開口15aの縁部上に配置されるよう形成されている。本実施形態では、開口15aの半径と、主部の中心Oと翼部18の先端までの長さをほぼ同じになるように形成している。
側部19cの上下方向における長さは、開封具3の反転部23が反転して、開封具3が下降位置にあるとき、側部19cの下端が内装材14よりも下方に位置する長さ、言い換えれば、第2切断補助部19aの位置が内装材14よりも低い位置にくるようにする。
天面壁7の周縁厚肉部8の上面には、閉塞シート16が貼着され、薄肉連結部9及び中央押圧部10の上方を覆っている。
次に、本実施形態の開封具付き注出具の作用について説明する。
図4及び図5を参照して、開封具付き注出具1を使用するときは、閉塞シート16を剥がして、或いは閉塞シート16の上から中央押圧部10を下方へ押圧する。閉塞シート16は、いたずら防止用の役割を果たすものであり、閉塞シート16が破損していなければ、開封具3が下方へ下がることなく、容器本体12の密閉状態が維持されていることが確認される。なお、閉塞シート16は、閉塞シート16が周縁厚肉部8に貼着されている位置よりもやや内周側にミシン目のような弱化部を形成し破断しやすいようにしてもよい。そうすれば、閉塞シート16の上から中央押圧部10を下方へ押圧する際の操作が容易になる。
中央押圧部10を押圧すると、中央押圧部10を保持している反転部23に力が作用し、反転部23を下方に反転させる力が作用する。作用基部22が環状壁21の下端に設けられているので、それ以上下方に移動することなく、反転部23が反転する作用起点となり得る。よって、樹脂の変形力によって、反転部23が作用基部22よりも下方に反転され、開封具3を下方へ移動することができる。
中央押圧部10を押し下げることによって、外装材15の開口15aを覆っている内装材14の閉塞部14aが押し拡げられる。
開封具3は、当初、先端が尖っている切断部20が閉塞部14aを突き破り、次いで、開封具3が下方に移動するに連れて第1切断補助部18aが閉塞部14aの破断を進行し、かつ押し広げる。そして、第2切断補助部19aが第1切断補助部18aに遅れて閉塞部14aを押し広げる。
ユーザからは、開口15aが形成されている部分は見えないが、切断部20の先端が開口15aの直上方に位置しているので、中央押圧部10を下方へ押し下げるだけで、切断部20が閉塞部14aを突き破ることができ、閉塞部14aの開口15aに対応する部分が破断される。次いで、分岐部19の側部19cが外装材15を破断して外装材15に食い込む。
このように、閉塞部14aを破断するときは、ユーザの押圧力によって突き破るが、閉塞部14aを突き破って下降位置に達した後は、反転部23の反転力(突っ張り力)と分岐部19の側部19cが開口15aの周縁部に密着するか或いは開口15aの周縁部から更に外装材15を破断して食い込むことにより、開封具3の先端を開口15aに差し込んだ状態に保持することができる。
本実施形態では、鋭角の切断部20によって孔開けを容易にし、傾斜を緩やかにした第1切断補助部18aで大きく孔を広げるようにしている。詳しくは、第1切断補助部18aによって、内装材14の開口15aに位置する部位が切断される。そして、比較的傾斜を大きくした第2切断補助部19aが開口15aを外側へ越えた外装材15の部位を8方向へ切断するので、開封具3は開口15aの径よりも大きく、外装材15をも突き破って大きな孔を形成することができる。したがって、飲料の流通路を大きくする効果がある。
飲料を注出する場合は、蓋部材26を開封する。蓋部材26は、上述したようにヒンジ27の弾性力などによって、開封した後は上方に位置し重力作用で戻らないようにして、飲料の流出を妨げないようにしている。
飲料の注出は、注出口25が下方へ向くように容器本体12を傾斜させることによって行う。円形の注出口25は注出具1の環状側壁6のほぼ上端から下端にわたる範囲で形成されており、飲料を良好に流出させることができる。
特に、注出口25の下端側は、容器本体12の溶着部である基部5の肉厚と、注出口部25の肉厚だけを残し、両者を近接させて注出口25を形成したので、少し傾けるだけで多量の飲料を注出できる。さらに、注出口25を容器本体12の側面12aに面一若しくはほぼ面一とし、開口15aの縁部から注出口25までの長さを周縁厚肉部8と薄肉連結部9との水平方向長さとしたので、開封具3の縁部から容器本体12の側部12bまでの長さを短くすることができ、容器本体12を少し傾けるだけで、飲料を注出できる。
このように、飲料を流出させると、今なお、開口15aの周縁に残っている内装材14の内装材14が切断された残留破断片14bが流路となる枝部19b、19b間の下端、すなわち、切断補助部18a,19aによって形成される流入口を塞ごうとすることが考えられる。
本実施形態では、当初切断部20及び第1切断補助部18aによって、開口15aを塞ぐ内装材が4方向の十字形状に切断されようとするが、その後、第2切断補助部19aによって8方向へ切断され、内装材14が切断された残留破断片14bが8方向へ分断される。また、分岐部19の側部19cが開口15a縁まで食い込んでいるので、側部19cが残留破断片14bを下方に向けるようにして、上述した切断補助部18a,19aによって形成される流入口を塞ぐことを防止できる。
飲料の流路は枝部19bの間になるので、4つの流路と4つの補助流路が形成されることになり、主として注出口25側(下側)の流路が飲料の流出口となり、注出口25と反対側(上側)の流路が空気の流入口となり、空気置換性がよく飲料の流出量を大きくすることができる。
所望量の飲料の流出が終了した後は、蓋部材26を閉じて注出口25を閉塞することができ、次の使用時に備える。
なお、本実施形態では、図4に示すように、開口15aの半径よりも、主部17の中心から側部19cまでの長さを大きくしたが、開口15aの半径よりも、主部17の中心から側部19cまでの長さを同じにしてもよいし、これよりも小さくしてもよい。
以上、本発明を実施形態に基づいて添付図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく、更に他の変形あるいは変更が可能である。
注出口部24及び注出口25の形状は、本実施形態では密封性を考慮して円形に形成したが、四角形に形成してもよい。また、蓋部材26については、ヒンジ27結合としたが、蓋部材26は注出具1に一体とすることなく、別部材としてもよい。
蓋部材26は、注出口部24の上部に設けた蓋取付部28の上側前端部に設けたが、蓋取付部28を注出口部24の側面側に設けて、蓋部材26をこの蓋取付部28の側面側前端部に設けもよい。
上記実施形態では、注出口25を開封具付き注出具1の環状側壁6に設けたが、注出口25を形成する場所は、環状側壁6に限ることなく、例えば、薄肉連結部9に孔を形成したり、中央押圧部10に形成してもよく、この場合は、環状側壁6の上端部に蓋部材を設けるようにしてもよい。
1 開封具付き注出具
3 開封具
5 基部
7 天面壁
8 周縁厚肉部
9 薄肉連結部
10 中央押圧部
12 容器本体
14a 閉塞部
17 主部
18 翼部
18a 第1切断補助部
19 分岐部
19a 第2切断補助部
19b 枝部
19c 側部
20 切断部
21 環状壁
22 作用基部
23 反転部
24 流出口部
25 流出口
26 蓋部材
27 ヒンジ

Claims (3)

  1. 閉塞膜で覆われた容器本体の開口部を覆って容器本体に固定された環状側壁と、
    該環状側壁の上端部に連続する天面壁と該天面壁の内周面から下方に延び、前記開口部の直上方に設けられた開封具とを備えた注出具であって、
    前記天面壁は、外周側の連結部と該連結部の内周端に連結された中央押圧部とを含み、
    前記開封具は、下方へ押圧移動させることにより、前記閉塞膜を破断可能に前記連結部に連結され、前記天面壁の中央押圧部から下方に延び先端に前記切断部を有する主部と、該主部の延在方向に対して直角方向へ放射状に延びる複数の翼部と、これらの各翼部の放射方向端部から少なくとも2方向へ外側に延びる分岐部とからなり、
    前記翼部と前記分岐部の下端には前記切断部から連続する切断補助部を形成した、開封具付き注出具。
  2. 前記主部の軸心から前記分岐部の先端部までの長さが前記開口の半径とほぼ等しいか、該半径よりも小さく形成されている請求項1に記載の開封具付き注出具。
  3. 前記環状側壁には、前記注出具内に流入した内容液を注出具外に注出する注出口部と、該注出口部に開閉可能に設けられた蓋部材とを設けた請求項1〜3のいずれかに記載の開封具付き注出具。
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