実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ機1を正面からみた正面図である。
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を、例えば上から下に移動するように可変表示する。演出図柄表示領域には「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア(図柄表示ライン)9L,9C,9Rがあるが、図柄表示エリア9L,9C,9Rの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L,9C,9Rの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、特別図柄表示器8で特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、特別図柄表示器8は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
特別図柄表示器8の側方には、始動入賞口に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、特別図柄表示器8での可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、保留記憶数を表示する領域(以下、保留記憶表示部18cという。)が設けられている。
特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示(確定)させることである。
特別図柄表示器8において、特別図柄の可変表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の可変表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。この実施の形態では、一例として、「3」、「7」を示す数字を大当り図柄とし、「−」を示す記号をはずれ図柄にする。
特別図柄表示器8に大当り図柄が停止表示された場合には、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(例えば、29秒間)または所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが開始される。ラウンドの回数は、例えば15である。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、例えば、次に可変表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。遊技状態を大当り遊技状態に制御することに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、大当り図柄という。そして、遊技状態を大当り状態に制御しないことに決定されている場合に導出表示される特別図柄の停止図柄を、はずれ図柄という。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。
なお、確変状態において、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるようにしてもよい。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなるようにしてもよい。具体的には、確変状態は、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りにすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。特別図柄表示器8において大当り図柄が停止表示されるときと、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことにもとづいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて演出図柄の変動が開始され、例えば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(可変表示期間=変動時間)で、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組み合わせの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組み合わせの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ(LEDでもよい。)25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠ランプ(LEDでもよい。)28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、開始条件が成立したこと)、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、特別図柄および演出図柄の可変表示は、始動入賞口への入賞に対応する。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、保留記憶数を1増やす。
次に、大当りの種別および小当りについて説明する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になると、大当り遊技状態(以下、確変大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。なお、特別可変入賞装置20が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの非確変図柄になると、大当り遊技状態(以下、非確変大当りまたは通常大当りという。)に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置20が開放される。この実施の形態では、停止図柄が非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときも、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置20が短い期間(例えば0.5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置20が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、演出表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出(以下、特殊演出という)が実行される。
また、特別図柄の停止図柄が小当り図柄になると、短い期間(例えば0.5秒)だけ特別可変入賞装置20が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出(特殊演出)が実行される。
次に、遊技状態の遷移について説明する。
(1)通常状態のときに確変図柄(後述する潜伏確変図柄や突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。また、確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを報知する演出モード(確変モード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景(背景画像および背景色のいずれか一方または双方)が確変状態中であることを示す背景に変更される。
(2)確変状態のときに確変図柄(後述する潜伏確変図柄や突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄が当り図柄になる確率が高められる。また、確変大当り遊技の終了後は、引き続き演出モードとして確変モードが維持される。また、演出表示装置9の表示画面の背景も確変状態中であることを示す背景が維持される。
(3)通常状態のときに潜伏確変図柄(非確変図柄と同じ図柄、例えば非確変図柄が「666」などの偶数のゾロ目である場合は偶数のゾロ目が潜伏確変図柄となる。)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄が当り図柄になる確率が高められる。一方、大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。このように、確変大当りになる場合であっても、停止図柄として非確変図柄と同じ図柄(潜伏確変図柄)を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(4)確変状態のときに潜伏確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄が当り図柄になる確率が高められる。一方、大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。この場合も、上述したように、確変大当りになる場合であっても、停止図柄として非確変図柄と同じ図柄(潜伏確変図柄)を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(5)通常状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、通常状態が変化しないで維持される。また、大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。このように、通常大当りになる場合に、停止図柄として潜伏確変図柄と同じ非確変図柄を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(6)確変状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態から通常状態に移行される。また、大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。この場合も、停止図柄として非確変図柄を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(7)通常状態のときに突然確変図柄(図2に示すチャンス目、リーチはずれ出目または非リーチはずれ出目)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常状態から確変状態に移行される。これによって、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。このように、突然確変大当りになった場合に、停止図柄として突然確変図柄を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(8)確変状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、確変状態が変化しないで維持される。これによって、継続して、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。この場合も、上述したように、停止図柄として突然確変図柄を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(9)通常状態または確変状態のときに小当り図柄(突然確変図柄と同じ図柄、すなわち突然確変図柄が図2に示すチャンス目、リーチはずれ出目または非リーチはずれ出目である場合は、そのような出目が小当り図柄となる。)で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常状態または確変状態が変化しないで継続される。また、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。また、演出表示装置9の表示画面の背景がチャンスモード中であることを示す背景に変更される。このように、小当りになる場合に、停止図柄として突然確変図柄と同じ図柄を停止表示し、また大当り遊技の終了後の演出モードをチャンスモードに移行(突入)させることにより、遊技者に大当り遊技の終了後の遊技状態を認識し難くし、確変状態に移行されたことを期待させるようにしている。
(10)通常モードに制御されているときに、大当りや小当りが発生しない場合、つまりはずれの場合にも、特定の図柄の組み合わせ(チャンス目、リーチはずれ出目、非リーチはずれ出目)が停止表示された後に所定の割合で演出モードがチャンスモードに変更される(図50に示す開始時モード切替設定処理を参照)このように、大当りや小当りを契機とせずにチャンスモードに移行する場合も設けたことにより、チャンスモードに移行しやすくし、遊技者に確変状態に移行されているとの期待を持たせるようにしている。
(11)上述したように、確変状態は、次の通常大当りが発生し、その大当り遊技が終了するまで継続される。また、確変モードも、次の通常大当りが発生し、その大当り遊技が終了するまで継続される。
(12)チャンスモードは、次の確変図柄(潜伏確変図柄、突然確変図柄を除く)での確変大当りが発生し、その大当り遊技が終了すると終了する。また、チャンスモードは、後述するチャンスモードの終了の判定(図50のステップS960)でチャンスモードを終了させると判定された場合も終了する。チャンスモードが終了すると、演出モードとして通常状態に制御されているときの演出モードである通常モードに移行される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
以上のように、この実施の形態では、確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了したことによって確変状態に移行されたにもかかわらず、所定の割合で、遊技状態が確変状態に移行されたことを隠す制御を実行する。すなわち、演出図柄の停止図柄として非確変図柄を導出表示し(なお、特別図柄の停止図柄は確変図柄を導出表示する)、また、大当り遊技の終了後に、演出表示装置9の表示画面の背景をチャンスモード中であることを示す背景に変更して、確変状態に移行されたかどうかがわからないようにする演出制御を実行する。このように、確変状態に移行されたにもかかわらず、確変状態に移行されたかどうかわからないようにする演出制御が実行されている遊技状態を潜伏確変状態という。確変大当り遊技の終了後に所定の割合でチャンスモードに移行されることにより、遊技者に確変状態に移行されたかもしれないとの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、突然確変図柄で大当りになった場合、および小当りとなった場合にも、遊技状態が確変状態に移行されたことを隠す制御を実行する。すなわち、演出図柄の停止図柄として特定の図柄(チャンス目、リーチはずれ出目、非リーチはずれ出目)を導出表示し(なお、特別図柄の停止図柄は突然確変図柄または小当り図柄を導出表示する)、また、大当り遊技の終了後に、演出表示装置9の表示画面の背景をチャンスモード中であることを示す背景に変更して、確変状態に移行されたかどうかがわからないようにする演出制御を実行する。この場合も、突然確変大当り遊技の終了後および小当り遊技の終了後にチャンスモードに移行されることにより、遊技者に確変状態に移行されたかもしれないとの期待を持たせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、演出図柄の確変図柄を「1」「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「2」「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとしているが、例えば、演出図柄の確変図柄を「3」「5」「7」のいずれかの奇数の同一図柄が揃った組み合わせとし、非確変図柄を「4」「6」「8」のいずれかの偶数の同一図柄が揃った組み合わせとし、「1」「2」のいずれかの同一図柄が揃った組み合わせを確変図柄でも非確変図柄でもない大当り図柄(確変か否かを認識できない大当り図柄)としてもよい。この場合、通常大当りおよび確変大当りが決定されたときに所定の割合(例えば乱数抽選等により決定する)で大当り図柄を、確変図柄でなく非確変図柄でもない大当り図柄(「1」または「2」)とすることにより、遊技状態が確変状態に移行されたかどうかをわからなくすることができる。
また、この実施の形態では、チャンスモードに移行されるときに、チャンスモードに移行(突入)すること、すなわち、演出モードがチャンスモードに切り替えられることを報知するモード切替演出を実行する(図40等参照)。
次に、チャンスモードに突入するときに停止表示される左中右の演出図柄の組み合わせ(出目)について説明する。図2は、チャンスモードに突入するときに停止表示される出目を示す説明図である。図2に示すように、この実施の形態では、チャンス目「135」、リーチはずれ出目(例えば「767」)、非リーチはずれ出目(例えば「462」)が停止表示されたことを契機として、チャンスモードに移行する場合がある。なお、チャンス目が停止表示されたときは、常に(100パーセントの確率で)チャンスモードに移行するが、リーチはずれ出目や非リーチはずれ出目が停止表示されたときは、低い確率でしかチャンスモードに移行しない。
演出表示装置9における演出図柄の表示(可変表示、停止表示、仮停止表示)、停止図柄等について説明する。
演出表示装置9の演出図柄表示領域では、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、演出表示装置9の演出図柄表示領域では、第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が成立したことに基づいて、演出図柄表示領域における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて演出図柄の変動を開始させ、例えば「左」→「右」→「中」といった所定順序で演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄を停止表示(導出表示)する。なお、確定演出図柄を停止表示する手順としては、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおいて所定順序で演出図柄を停止表示するものに限定されず、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおいて同時に確定演出図柄となる演出図柄を停止表示するものが含まれていてもよい。
演出図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、演出図柄の可変表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。また、リーチ状態となったことに対応して、演出表示装置9に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることがある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、演出図柄の変動態様の変化を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。
また、演出図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを、演出図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための特定演出が実行されることがある。この実施の形態では、「滑り」という特定演出が実行可能に設定されている。
「滑り」の特定演出では、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部にて演出図柄を変動させてから、2つ以上の演出図柄表示エリア(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)にて演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した演出図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の演出図柄表示エリア(例えば「左」の演出図柄表示エリアと「右」の演出図柄表示エリアのいずれか一方または双方)にて演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行われる。なお、仮停止表示では、演出図柄が停留して表示される一方で、例えば揺れ変動表示を行うことや短時間の停留だけで直ちに演出図柄を再変動させることなどによって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定しない旨を報知すればよい。あるいは、仮停止表示でも、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を停留させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
この実施の形態では、確変大当りの種類として、「第1確変大当り」「第2確変大当り」「第3確変大当り」「第4確変大当り」「突然確変大当り」が設けられている。「第1確変大当り」は、演出図柄の変動終了時に奇数のゾロ目の確変図柄を導出表示し、遊技者に確変大当りが発生したことを報知する確変大当りである。以下、「第1確変大当り」を「第1確変」ということがある。「第2確変大当り」は、演出図柄の変動終了時に偶数のゾロ目の非確変図柄を一旦仮停止表示し、その後(変動中)に再抽選演出(昇格演出ともいう)を実行して奇数のゾロ目の確変図柄を導出表示することによって、遊技者に確変大当りが発生したことを報知する確変大当りである。以下、「第2確変大当り」を「第2確変」ということがある。「第3確変大当り」は、演出図柄の変動終了時に偶数のゾロ目の非確変図柄を導出表示して大当りを発生させた後、大当り遊技中(大当り遊技のラウンド中、インターバル中、エンディング中など)に再抽選演出を実行して奇数のゾロ目の確変図柄を導出表示する(あるいは確変大当りが発生した旨を報知する)ことによって、遊技者に確変大当りが発生したことを報知する確変大当りである。以下、「第3確変大当り」を「第3確変」ということがある。「第4確変大当り」は、演出図柄の変動終了時に偶数のゾロ目の非確変図柄を導出表示して大当りを発生させた後、遊技者に確変大当りが発生したことを報知しない確変大当りである。以下、「第4確変大当り」を「第4確変」ということがある。なお、第4確変大当りとなった場合に、演出モードがチャンスモードに移行し、遊技状態が潜伏確変状態に移行する。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示(変動表示)する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾ランプ25や枠側に設けられている枠ランプ28等の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号にもとづいて枠ランプ28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾ランプ25に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
例えば、音番号データに応じた制御データとして、所定の期間内の効果音(音声および楽曲を含む。)のディジタルデータが音声データROM704に格納されている。ディジタルデータとして、例えばPCMデータが使用される。その場合には、1秒間の効果音が8ビット×8k(8000)=64kビットで表される。なお、ここでは、PCMデータを用いる場合を例にするが、ADPCMデータ等の他の形式のディジタル音声データを用いてもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板80に送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板80に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。なお、初期化処理において、CPU56は、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)MR1:特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)MR2−1:大当りを発生させるときの大当りの種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「突確」)を決定する(大当り種別決定用)
(3)MR2−2:大当りの判定結果がはずれの場合に演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否か(リーチを発生させるか否か)を決定する(リーチ判定用)
(4)MR3:演出図柄(特別図柄)の変動パターン種別を、予め用意された複数種類のいずれかに決定する(変動パターン種別決定用)
(5)MR4:演出図柄(特別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(6)MR5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)MR6:MR5の初期値を決定する(MR5初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(4)の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数(ランダムR)は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
なお、ステップS32において、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄の変動を開始するのではなく、特別図柄プロセスフラグの値が変動パターン決定後の特別図柄変動中処理を示す値(具体的には3)になった(または、表示結果特定コマンド送信処理を示す値(具体的には2)になった)ことにもとづいて、特別図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄停止処理を示す値(具体的には4)になったことにもとづいて、特別図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
なお、ステップS33において、開始フラグがセットされたことにもとづいて普通図柄の変動を開始するのではなく、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄変動中処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を開始するようにしてもよい。そして、普通図柄プロセスフラグの値が普通図柄停止処理を示す値になったことにもとづいて、普通図柄の変動を停止するようにしてもよい。その場合には、開始フラグおよび終了フラグを使用しない。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルおよび大当り種別決定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、0〜65535の数値範囲内で更新されるランダムR(大当り判定用乱数)と比較される大当り判定値および小当り判定値が設定されているテーブルである(図8(A)(B))。大当り判定テーブルには、通常状態において用いられる通常時大当り判定テーブル(図8(A)参照)と、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブル(図8(B)参照)とがある。図8(A),(B)の左欄に記載されている数値が大当り判定値および小当り判定値である。CPU56は、ランダムRの値と大当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの大当り判定値と一致すると、大当りとすることに決定する。また、CPU56は、ランダムRの値と小当り判定値とを比較し、ランダムRの値がいずれかの小当り判定値と一致すると、小当りとすることに決定する。
また、大当り種別決定テーブルとは、大当り種別決定用乱数(MR2−1)と比較される各大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「第4確変」「突確」)に割り振られる判定値が設定されているテーブルである(図8(C))。ランダムRにもとづいて大当りとすることに決定された場合には、大当り種別決定用乱数にもとづいて大当り種別が決定される。ここで、大当り種別と特別図柄の大当り図柄とは対応している。具体的には、大当り種別として「通常大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「3」となる。大当り種別として「確変大当り(第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、第4確変大当り)」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「7」となる。大当り種別として「突然確変大当り」が決定されたときは、特別図柄の停止図柄(確定特別図柄)が「5」となる。
なお、ランダムRにもとづいて小当りとすることに決定された場合には、自動的に(大当り種別決定用乱数を用いることなく)特別図柄の停止図柄は「1」と決定される。また、ランダムRにもとづいてはずれとすることに決定された場合には、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて特別図柄の停止図柄として「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれかが決定される。
このように、この実施の形態では、特別図柄の変動表示の表示結果として、第1確変大当り、第2確変大当り、第3確変大当り、第4確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当りまたははずれのいずれかに決定される。CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8に示す大当り判定値または小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りまたは小当りとすることに決定する。
図9および図10は、この実施の形態で用いられる演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図9および図10において、「特図変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄の変動時間等を示すものであるが、演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、「特図変動時間」は演出図柄の変動時間も示す。以下、単に、特別図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図9では、可変表示結果が「ハズレ」となる場合における図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して予め用意された図柄の変動パターンを例示する。図9に示すように、この実施の形態では、図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4、非リーチPB1−1〜非リーチPB1−2、非リーチPC1−1〜非リーチPC1−2の変動パターンが用意されている。また、図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−4、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2、スーパーPC3−1〜スーパーPC3−2の変動パターンが用意されている。
また、図10では、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応して予め用意された図柄の変動パターンを例示する。図10に示すように、この実施の形態では、図柄の可変表示結果が「大当り」または「小当り」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−5〜ノーマルPA2−8、スーパーPA4−1〜スーパーPA4−4、スーパーPA5−1〜スーパーPA5−2、スーパーPB4−1〜スーパーPB4−2、スーパーPB5−1〜スーパーPB5−2、スーパーPD1−1及びスーパーPD1−2、スーパーPE1−1及びスーパーPE1−2、スーパーPF1−1〜スーパーPF1−3、特殊PG1−1〜特殊PG1−2の変動パターンが用意されている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
なお、図3に示す遊技制御用マイクロコンピュータ560が備えるROM54には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM54には、CPU56が各種の判定や決定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。また、ROM54には、CPU56が主基板31から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、演出図柄の変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
次に、図11は、はずれ・大当り種別と停止図柄と演出モードと遊技状態の関係を示す説明図である。図11に示すように、第1確変大当りになるときは、停止図柄として奇数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードが確変モードに移行され、遊技状態が確変状態に移行される。第2確変大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が仮停止された後、再抽選演出が実行されて奇数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードが確変モードに移行され、遊技状態が確変状態に移行される。第3確変大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止されるが、大当り遊技中に奇数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードが確変モードに移行され、遊技状態が確変状態に移行される。第4確変大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に確変大当りの発生を報知せずに、演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が確変状態(潜伏確変状態)に移行される。
通常大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が通常状態に維持される。
突然確変大当りになるときは、停止図柄として図2に示すチャンス目等が停止され、突然確変大当り遊技の終了後(特殊演出の終了後)に演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が確変状態に移行される。小当りになるときも、停止図柄として図2に示すチャンス目等が停止され、小当り遊技の終了後(特殊演出の終了後)に演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が通常状態または確変状態に維持される。
はずれになるときであっても、停止図柄として図2に示すチャンス目等が停止され、所定の割合で当該はずれの変動の終了後に演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が通常状態または確変状態に維持される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号(取り込みの指示信号)に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)のいずれかを受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C08(H)は、大当り、小当りまたははずれのいずれとするか、および大当り遊技の種類(大当りの種別)を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C08(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C08(H)を表示結果特定コマンド(または表示結果コマンド)という。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される、初期画面を表示することを指定する演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される、停電復旧画面を表示することを指定する演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド93XX(H)は、停電発生時の遊技状態を指定する停電時遊技状態指定コマンドである。
コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景を表示することを指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。なお、コマンド9500(H)〜9501(H)を背景指定コマンドという。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図15に示す例において、コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技(または小当り遊技)の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始4指定コマンドがある。なお、このうち、大当り開始1指定コマンドA001(H)は、通常大当り(非確変大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始2指定コマンドA002(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始3指定コマンドA003(H)は、確変大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。大当り開始4指定コマンドA004(H)は、突然確変大当り(2ラウンド大当り)遊技の開始を指定する演出制御コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、非確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、突然確変大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、突然確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了3指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、小当り終了画面を表示すること、すなわち小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンドを設けていないが、そのようなコマンドを設けてもよい。
コマンドC301(H)ははずれ指定の演出制御コマンド(入賞時判定はずれ指定コマンド)であり、C302(H)は通常大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド)であり、C303(H)は第1確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定第1確変大当り指定コマンド)であり、C304(H)は第2確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定第1確変大当り指定コマンド)であり、C305(H)は第3確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定第3確変大当り指定コマンド)であり、C306(H)は第4確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定第4確変大当り指定コマンド)であり、C307(H)は突然確変大当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定突然確変大当り指定コマンド)であり、C308(H)は小当り入賞指定の演出制御コマンド(入賞時判定小当り指定コマンド)である。
コマンドE000(H)は、保留記憶数の増加(1増加)を指定する演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)である。コマンドE100(H)は、保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じた場合には保留記憶数1増加を指定する保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、増加後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を減算する場合には保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、保留記憶数を減算するときに、減算後の保留記憶数を保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図16および図17は、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13a、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞または第2始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数(始動入賞記憶数)を確認する。保留記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に対応した値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、タイマ(停止時間タイマ)にによって特別図柄の停止図柄を停止させる時間(図柄停止時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
図18は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数をカウントするための保留記憶数カウンタの値が上限値(この実施の形態では4)であるか否かを確認する(ステップS211)。保留記憶数カウンタの値が上限値であれば、処理を終了する。
保留記憶数カウンタの値が上限値になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS212)。また、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数(ランダム2,3:図6参照)を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS213)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。なお、ソフトウェア乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファおよび保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
次いで、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1増やし(ステップS214)、保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS215)。また、CPU56は、入賞時演出設定処理を実行する(ステップS216)。
なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。
図19は、入賞時演出設定処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理は、始動入賞について、その始動入賞にもとづく特別図柄および演出図柄の変動が実際に開始される前に、大当りが生ずるか否か判定する処理である。そして、大当りが生ずると判定された場合には、後述するように所定の演出(予告演出)が実行される。
入賞時演出処理において、CPU56は、まず、保留記憶数カウンタの値が1であるか否か確認する(ステップS220)。保留記憶数カウンタの値が1であれば、処理を終了する。保留記憶数カウンタの値が1であるということは、保留記憶数カウンタの値が0であるときに発生した始動入賞について入賞時演出設定処理が実行されることを意味する。その場合には、保留記憶がないことを示すデータが保留記憶数カウンタに記憶されているときに演出図柄の変動の実行条件(始動条件すなわち始動入賞)が成立したことになるので、所定の演出が実行されることはない。所定の演出を実行したとしても、その演出と、表示結果を大当り図柄にする変動とが同時に実行されることになって、所定の演出の意味がないからである。よって、保留記憶数カウンタの値が1であれば、入賞時演出処理における以降の処理は実行されない。
保留記憶数カウンタの値が1でない場合には、CPU56は、保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファからランダムR(大当り判定用乱数)の値を読み出し(ステップS221)、図22におけるステップS62でも用いられる大当り判定モジュール、すなわち実際に変動が開始されるときにも用いられる大当り判定モジュールを実行する。すなわち、大当り判定サブルーチンをコールする(ステップS222)。そして、コマンド送信禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS223)。コマンド送信禁止フラグがセットされている場合には、処理を終了する。ただし、大当り判定フラグがセットされている場合には、大当り判定フラグをリセットしておく(ステップS224)。
コマンド送信禁止フラグがセットされていない場合には、CPU56は、大当り判定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS225)。大当り判定フラグがセットされていない場合(大当り判定モジュールにおいて、大当り判定フラグがセットされない場合)には、入賞時判定はずれ指定コマンドを演出制御基板80に送信する制御を行う(ステップS232)。
大当り判定フラグがセットされている場合には、CPU56は、ランダム2の値と、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに設定されている判定値とにもとづいて、大当りの種別(通常大当り、第1確変大当り、第2確変大当り、第2確変大当り、突然確変大当り)を判定する(ステップS227)。具体的には、ランダム2の値に一致する判定値に対応する大当りの種別を選択する。
ステップS227の大当りの種別の判定結果に応じた入賞時判定結果指定コマンド(入賞時判定通常大当り指定コマンド、入賞時判定第1確変大当り指定コマンド、入賞時判定第2確変大当り指定コマンド、入賞時判定第3確変大当り指定コマンド、入賞時判定第4確変大当り指定コマンド、入賞時判定突然確変大当り指定コマンド、または入賞時判定小当り指定コマンド)を送信する制御を行う(ステップS228)。そして、ステップS231に移行する。
ステップS231では、CPU56は、コマンド送信禁止フラグをセットする。
図20は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、入賞時の大当り判定(入賞時演出設定処理におけるステップS222の大当り判定)を実行するか、変動開始時の大当り判定(特別図柄通常処理におけるステップS62の大当り判定)を実行するかを確認する(ステップS250)。入賞時の大当り判定であることを確認したときは、通常時大当り判定テーブル(図8(A)左側)を使用することに決定する(ステップS253)。変動開始時の大当り判定であることを確認したときは、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か判定する(ステップS251)。具体的には、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変状態であれば、確変時大当り判定テーブル(図8(A)右側)を使用することに決定する(ステップS252)。確変状態でなければ、通常時大当り判定テーブル(図8(A)左側)を使用することに決定する(ステップS253)。
そして、乱数バッファに格納されているランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS254)、一致する判定値があれば大当りとすることにし(ステップS255)、大当り判定フラグをセットする(ステップS256)。なお、この実施の形態では、ランダムRの値に一致する判定値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定するが、ランダムRの値が所定範囲内の値になっているか否か確認するようにしてもよい。
図21および図22は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。保留記憶数が0であれば処理を終了する。
保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS52)。そして、保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS53)。すなわち、RAM55の保留記憶数バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存する(ステップS54)。また、特別図柄保留記憶表示器18における表示数を1減らす(ステップS55)。また、CPU56は、確変状態に制御されていることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認して現在の遊技状態を認識し、認識した遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信する制御を実行する(ステップS56)。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当りまたは確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(B)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用し、遊技状態が通常状態(すなわち非確変状態)であるときには、図8(A)に示すような大当り判定値が設定されているテーブルにおける大当り判定値を使用する。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器8における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
ステップS71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り種別決定用乱数にもとづいて、図8(C)に示す大当り種別決定テーブルを用いて大当り種別(「通常」「第1確変」「第2確変」「第3確変」「第4確変」「突確」)を決定する(ステップS73)。大当り種別が決定されると、大当り種別に対応した特別図柄の停止図柄としての大当り図柄(「3」「5」「7」のいずれか)のいずれかが決定される。この実施の形態では、上述したように、確変大当り(「第1確変」「第2確変」「第3確変」「第4確変」)が決定された場合には、停止図柄が確変図柄(「7」)となる。また、通常大当り(「通常」)が決定された場合には、停止図柄が非確変図柄(「3」)となる。突然確変大当り(「突確」)が決定された場合には、停止図柄が突然確変図柄(「5」)となる。
CPU56は、確変大当りとすることに決定された場合には、確変大当りの種別(「第1確変」「第2確変」「第3確変」「第4確変」)に応じた確変大当りフラグ(「第1確変大当りフラグ」「第2確変大当りフラグ」「第3確変大当りフラグ」「第4確変大当りフラグ」)をセットする(ステップS74,S75)。また、突然確変大当りに決定された場合には、突然確変大当りフラグをセットする(ステップS76,S77)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
大当りとしない場合において(ステップS63のN)、小当りとすることに決定された場合には、CPU56は、小当りフラグをセットする(ステップS78,S79)。また、特別図柄の停止図柄を小当り図柄(「1」)に決定する(ステップS80)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
小当りとしない場合には(ステップS78のN)、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS81)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて停止図柄を決定する(ステップS82)。この場合には、はずれ図柄(「2」「4」「6」「8」「9」「−」のいずれか)を決定する。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS83)。
図23および図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS91)。このとき、大当りフラグがオンであれば(ステップS91;Yes)、パチンコ機1における遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであるかに基づき、テーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン種別決定テーブル(図示せず)のいずれかを選択してセットする(ステップS92)。
ステップS91にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS93)。このとき、小当りフラグがオンであれば(ステップS93;Yes)、パチンコ機1における遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであるかに基づき、テーブル選択設定に従い、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、小当り用変動パターン種別決定テーブル(図示せず)のいずれかを選択してセットする(ステップS94)。
ステップS93にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS93;No)、パチンコ機1における遊技状態が通常状態および確変状態のいずれであるかに基づき、テーブル選択設定に従い、演出図柄の可変表示状態をリーチ状態とするか否かを判定するための使用テーブルとして、リーチ決定テーブル(図示せず)のいずれかを選択してセットする(ステップS95)。このときには、例えば合計保留記憶数カウント値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定する(ステップS96)。続いて、リーチ決定用の乱数値MR2−2を読み出す(ステップS97)。そして、ステップS97にて読み出したリーチ決定用の乱数値MR2−2に基づき、ステップS95にてセットしたリーチ決定テーブルのいずれかを参照することにより、リーチ状態の有無を決定する(ステップS98)。
ステップS98においてリーチ状態ありとする旨のリーチ決定結果が得られた場合には(ステップS99;Yes)。ステップS98のリーチ状態ありの決定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、リーチ用変動パターン種別決定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS100A)。これに対して、ステップS98においてリーチ状態なしとする旨のリーチ決定結果が得られた場合には(ステップS99;No)、ステップS98のリーチ状態なしの各決定結果に応じて、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、非リーチ用変動パターン種別決定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS100B)。
ステップS92、S94、S100A、S2100Bの処理のいずれかを実行した後には、変動パターン種別決定用の乱数値MR3を読み出す(ステップS101A)。そして、ステップS101Aにて読み出した変動パターン種別決定用の乱数値MR3に基づき、ステップS92、S94、S100A、S100Bのいずれかにてセットした使用テーブルを参照することにより、変動パターン種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS101B)。
こうしてステップS101Bにて変動パターン種別が決定された後には、その変動パターン種別の決定結果に基づき、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、当り変動パターン決定テーブルやハズレ変動パターン決定テーブルといった複数種類の変動パターン決定テーブルのいずれかを選択してセットする(ステップS101C)。続いて、変動パターン決定用の乱数値MR4を読み出す(ステップS101D)。そして、ステップS101Dにて読み出した変動パターン決定用の乱数値MR4に基づき、ステップS101Cにてセットした変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(ステップS101E)。
その後、CPU56は、ステップS101Eで決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図14参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS103)。なお、ステップS101Eの処理によって、特別図柄の変動時間(可変表示時間)が決定されたことになる。
そして、特別図柄ポインタの設定に応じて、特別図柄の変動を開始する(ステップS104)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS33の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS106において、CPU56は、特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。また、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS106)。
図25は、表示結果特定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されているはずれ・大当り・小当り、または大当りの種類に応じて、表示結果1指定〜表示結果7指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、小当りフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS116)、小当りフラグもセットされていなければ、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。また、小当りフラグがセットされているときには、表示結果8指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS116,S117)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果3〜5指定コマンドのいずれかを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。すなわち、第1確変大当りフラグがセットされているときは表示結果3指定コマンドを送信する制御を行い、第2確変大当りフラグがセットされているときは表示結果4指定コマンドを送信する制御を行い、第3確変大当りフラグがセットされているときは表示結果5指定コマンドを送信する制御を行い、第4確変大当りフラグがセットされているときは表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う。また、確変大当りフラグがセットされておらず、突然確変大当りフラグもセットされていないときは、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。突然確変大当りフラグがセットされているときは、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
次いで、合計保留記憶数を1減算することを指定する合計保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS119)。なお、合計保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後の合計保留記憶数を指定する合計保留記憶数指定コマンドを送信してもよい。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS120)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、停止時間タイマに図柄停止時間(特別図柄の停止図柄の停止時間;例えば1秒)をセットしスタートさせる(ステップS123)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS124)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、特別図柄表示器8に停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。
次いで、CPU56は、停止時間タイマの値を1減算し(ステップS132A)、停止時間タイマの値が0になったか(タイムアウトしたか)どうか確認する(ステップS132B)。停止時間タイマの値が0になっていないとき(タイムアウトしていないとき)は、そのまま処理を終了する。停止時間タイマの値が0になったときは、ステップS133A以降の処理を実行する。なお、図柄確定指定コマンドは、停止図柄の導出表示のときに1回だけ送信されるように(ステップS131参照)、図柄確定指定コマンドを送信したときに送信済みフラグをセットし、そのフラグがセットされた後は、ステップS131の処理を実行しないようにする。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133A)。セットされていれば、大当り開始2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133B)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS133C)。
小当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。セットされていれば、CPU56は、確変フラグをリセットし(ステップS134)、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り4指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS136)。なお、大当り表示時間は、15ラウンドの大当りの場合と2ラウンドの大当りの場合とで異なる時間とされている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
大当りフラグもセットされていない場合には(ステップS133のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS140)。
大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行うとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(例えば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒。)に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に対応した値に更新する。
大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(例えば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行うとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する。最終ラウンド(15ラウンドまたは2ラウンド)が終了した場合には、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS152)。ここで、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了3指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS153)、処理を終了する。なお、図29に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。例えば、遊技球が大入賞口に入賞してからカウントスイッチ23で検出されるまでに最長1.0秒かかるとすると、カウントスイッチ検出時間は1.0秒よりも長い時間である。
ステップS154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS156)。
確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグ)をリセットし(ステップS157)、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。次いで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS156のN)、突然確変大当りフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS161)。突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(突然確変大当りフラグ)をリセットする(ステップS162)。そして、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS158)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
突然確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS161のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS160)。
ステップS308の小当り開放前処理では、大入賞口開放前処理(ステップS305)と同様の処理を行う。ただし、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、ステップS309の小当り開放中処理では、大入賞口開放中処理(ステップS306)と同様の処理を行う。ただし、最終ラウンドでない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に対応した値に更新する。
図30は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、小当りフラグをリセットする(ステップS171)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行われている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(ステップS173)、処理を終了する。なお、図30に示されているカウントスイッチ検出時間とは、遊技球が大入賞口に入賞してから、カウントスイッチ23で検出されるのに十分な時間である。
ステップS174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS177)。
次に、チャンスモード(およびスーパーチャンスモード)に突入(移行)するときの演出表示装置9の表示状態等について説明する。
(1)15ラウンド大当り終了後にチャンスモードに突入させる演出:
図31は、15ラウンド大当り終了後にチャンスモードに突入させる演出を示す説明図である。前提として、変動開始時の大当り判定(ステップS62)の判定結果が大当りであるものとする。また、ステップS73にて、大当り種別として第4確変大当りまたは通常大当りが決定されたものとする。また、演出モードは通常モードに制御されているものとする。
なお、図31(A)に示すように、演出モードがどのモードであるかは、演出表示装置9の表示画面の右上のモード表示領域9Aに表示されている。図31(A)に示す例では、モード表示領域9Aに「通常モード」と文字で表示されている。ただし、このような構成に限られず、演出モードが認識可能な態様で表示されていればどのような表示態様であってもよい。
図31(A)では、演出表示装置9の表示画面上の図柄表示エリア9L,9C,9Rに左中右の演出図柄が変動している。その後、所定の変動時間が経過すると、図31(B)に示すように、演出図柄の停止図柄として偶数のゾロ目である非確変図柄(図31(B)に示す例では「666」)が停止表示される。そして、図31(C)に示すように、15ラウンドの大当り遊技が開始される。なお、図31(C)に示す大当り遊技では、キャラクタ9aが登場する演出が実行されている。15ラウンドの大当り遊技の実行中には、大入賞口(開閉板20)が15回開閉する。そして、図31(D)に示すように、15ラウンドの大当り遊技が終了すると、図31(E)に示すように、チャンスモードに突入すること、つまり、演出モードが通常モードからチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知するモード切替演出が実行される。図31(E)に示す例では、モード切替演出として、「チャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9bが画面上に登場する演出が実行されている。このとき、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
図31(E)に示す例では、モード切替演出は、大当り遊技が終了し、演出図柄の変動が開始可能になった直後で演出図柄の変動が開始される前の短い期間に実行されている。具体的には、大当り遊技が終了し(後述する演出制御プロセス処理の大当り終了演出処理が終了し)、演出図柄の変動が開始可能になった時点(演出制御プロセス処理の演出図柄変動開始処理が実行された時点)から、演出図柄の変動が実際に開始される時点(後述する演出制御プロセス処理の演出図柄変動中処理で演出図柄の変動表示制御が開始される時点)までの短い期間(例えば、0.5秒)に、モード切替演出が実行されている。このように、モード切替演出が極めて短い期間内に実行可能に構成されている、すなわち、モード切替演出の実行時間が極めて時間に設定されているのは、図9に示す非リーチPA1−3の変動時間(1.5秒)や非リーチPB1−2の変動時間(1.0秒)のように変動時間の短い変動パターンにもとづく演出図柄の変動表示制御が実行される場合においても、モード切替演出を確実に実行することができるようにするためである。なお、モード切替演出の実行時間は、少なくとも演出図柄の変動時間として設定されている最短の変動時間よりも短い時間内にモード切替演出を実行することが可能であればよい。また、上記の例では、大当り遊技が終了し、演出図柄の変動が開始可能になった時点から演出図柄の変動が実際に開始される前の時点までの期間に、モード切替演出を実行するようにしているが、演出図柄の変動が開始可能になった時点から演出図柄の変動が終了する時点までの期間内であれば、いつでもモード切替演出を実行することが可能である。例えば、演出図柄の変動が停止した時点から次の演出図柄の変動が開始可能になる時点までの期間や、演出図柄の変動中の期間などであってもよい。また、上記の例では、演出図柄の変動が開始可能になった時点以降にモード切替演出を実行するようにしているが、大当り遊技中(例えば大当り遊技のエンディング演出の実行中(図31に示す例では、図31(D)の「大当り終了!」の文字の表示中))にモード切替演出を実行するようにしてもよい。
その後、図31(F)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「チャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。なお、演出表示装置9のモード表示領域9Aに表示される現在の演出モードを示す文字だけでなく、演出表示装置9の画面上の背景も演出モードに応じて変更される。すなわち、通常モードの背景からチャンスモードの背景に変更される。また、演出図柄の変動中の効果音やランプ・LEDの点灯パターンも演出モードに応じて変動される。
(2)2ラウンド突然確変大当り終了後にチャンスモードに突入させる演出:
図32は、2ラウンド突然確変大当り終了後にチャンスモードに突入させる演出を示す説明図である。前提として、変動開始時の大当り判定(ステップS62)の判定結果が大当りであるものとする。また、ステップS73にて、大当り種別として突然確変大当りが決定されたものとする。また、演出モードは通常モードに制御されているものとする。
図32(A)では、演出表示装置9の表示画面の図柄表示エリア9L,9C,9Rで左中右の演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄「345」が停止している。その後、所定の停止時間が経過すると、図32(B)に示すように、演出図柄の変動が開始される。そして、所定の変動時間が経過すると、図31(C)に示すように、演出表示装置9の表示画面に、図2に示したチャンス目「135」が停止表示される。なお、この時点では、チャンス目「135」が完全に停止(確定)していないものとする。また、図32には示していないが、チャンス目「135」が停止する前に、突然確変・小当り用の特殊演出が演出表示装置9において実行される。そして、図31(D)に示すように、チャンス目「135」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、演出モードが通常モードからチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知するモード切替演出が実行される。図32(D)に示す例においても、モード切替演出として、「チャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9bが画面上に登場する演出が実行されている。このときも、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
その後、突然確変大当り遊技として、短い期間(例えば0.5秒)、2回(2ラウンド)だけ大入賞口(開閉板20)が開閉動作する。このように、短い期間、2回だけしか大入賞口の開閉動作を行わないので、大入賞口に遊技球が入賞する可能性が低く、また遊技者も大入賞口の開閉動作が行われていることに気付きにくい。突然確変大当り遊技が終了すると、図32(E)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「チャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。
また、図32(B)に示すように、演出図柄の変動が開始されてから所定の変動時間が経過した場合に、図32(F)に示すように、左右の演出図柄(リーチ図柄)が同一図柄「7」で揃うことによりリーチが発生するが、図32(G)に示すように、中図柄が「6」で停止表示され、リーチはずれとなる。なお、この時点では、リーチはずれ出目「767」が完全に停止(確定)していないものとする。また、図32には示していないが、リーチはずれ出目「767」が停止する前に、突然確変・小当り用の特殊演出が演出表示装置9において実行される。そして、図32(H)に示すように、リーチはずれ出目「767」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、演出モードが通常モードからチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知するモード切替演出が実行される。図32(H)に示す例においても、モード切替演出として、「チャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9bが画面上に登場する演出が実行されている。このときも、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
その後、突然確変大当り遊技として、短い期間(例えば0.5秒)、2回(2ラウンド)だけ大入賞口(開閉板20)が開閉動作する。突然確変大当り遊技が終了すると、図32(I)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「チャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。
なお、以上は、突然確変大当りが発生したことにもとづき演出モードがチャンスモードに突入する場合について説明したが、小当りが発生したことにもとづき演出モードがチャンスモードに突入する場合も、図32に示した表示態様と同様である。すなわち、チャンス目「135」の停止後、モード切替演出が実行され、小当り遊技中に大入賞口(開閉板20)を短い期間2回開閉し、小当り遊技の終了後に、チャンスモードに移行するとともに演出図柄の変動が開始される。また、リーチはずれ出目「767」の停止後、モード切替演出が実行され、小当り遊技中に大入賞口(開閉板20)を短い期間2回開閉し、小当り遊技の終了後に、チャンスモードに移行するとともに演出図柄の変動が開始される。このように、突然確変大当りが発生したことにもとづきチャンスモードに突入する場合も、小当りが発生したことにもとづきチャンスモードに突入する場合も、同じ停止図柄が停止され、同じ演出が実行され、同じ大入賞口の開閉動作が行われるので、遊技者は突然確変大当りが発生し確変状態に移行したのか、小当りが発生し通常状態のままであるのかについて認識しにくいため、確変状態に移行したことに対して期待を抱くことになる。
(3)始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にチャンスモードに突入させる演出:
図33は、始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にチャンスモードに突入させる演出を示す説明図である。なお、図33に示す例では、最初、演出モードは通常モードに制御されている。図33(A)では、演出表示装置9の表示画面上の図柄表示エリア9L,9C,9Rに左中右の演出図柄が変動している。このとき、図33(A)では、保留記憶数が2であり、2個の保留記憶表示が表示されている。このとき、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、図33(B)に示すように、保留記憶数が3になり、3個目の保留記憶表示が表示される。なお、図33(B)で3個目の表示記憶表示が光っているのは、新たに保留記憶表示が点灯されたことを示している。始動入賞が新たに生じると、入賞時演出設定処理(ステップS216)における大当り判定(ステップS222)が行われ、また、ステップS73にて大当り種別が決定される。ここで、始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りであるものとする。また、大当り種別として第1確変大当りが決定されたものとする。
その後、所定の変動時間が経過すると、図33(C)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「254」)が停止表示される。そして、図33(D)に示すように、1個目の保留記憶(3個の保留記憶のうち、最も前の始動入賞にもとづき記憶された保留記憶)にもとづいて演出図柄の変動が開始される。この場合、保留記憶表示の数が1減算され、2個の保留記憶表示が表示された状態となる。なお、1個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)は、はずれであったものとする。
所定の変動時間が経過すると、図33(E)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「365」)が停止表示される。なお、この時点では、非リーチはずれ図柄「365」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図33(F)に示すように、非リーチはずれ図柄「365」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、モード切替演出が実行される。図33(F)に示す例においても、モード切替演出として、「チャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9bが画面上に登場する演出が実行されている。このときも、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
ここで、モード切替演出は通常モードからチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知する演出であるが、チャンスモードは確変状態に制御されている可能性があることを遊技者に示唆する演出モードであるので、モード切替演出が実行されることにより遊技者は確変状態に制御されている可能性があるように感じる。あるいは、図33(F)では、始動入賞時の大当り判定で大当りと判定されたことにもとづいてモード切替演出を実行しているので、この実施の形態では、モード切替演出は大当りが発生する可能性があることを事前に遊技者に報知する予告演出としての役割も果たしている。従って、遊技者は、モード切替演出が実行されることにより大当りが発生する可能性があると感じる。
その後、図33(G)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「チャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、2個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。なお、1個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)は、はずれであったものとする。さらに、所定の変動時間が経過し、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示された後、3個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される(図33において図示省略)。
そして、所定の変動時間が経過すると、図33(H)に示すように、左右の演出図柄(リーチ図柄)が同一図柄「7」で揃うことによりリーチが発生し、図33(I)に示すように、中図柄が「7」で停止表示されて大当り(確変大当り)となる。このとき、遊技者は、大当りになる変動が開始される前にモード切替演出が実行されたことにより、遊技状態が確変状態に制御されて大当りの確率が向上したことにより大当りが発生したと認識する。または、モード切替演出が大当りの予告演出であって、大当りになることが事前に決定されていたと認識する。このように、モード切替演出をチャンスモードへの移行と大当りの予告の役割を持たせることにより、確変状態への移行と大当りの発生に対する遊技者の期待を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
以上のように、この実施の形態では、第4確変大当り(潜伏確変大当り)や通常大当りが発生し大当り遊技が終了した場合(例えば図31に示す場合)や、突然確変大当りや小当りが発生した場合(例えば図32に示す場合)のほかに、始動入賞時に大当りになると決定し、その大当りとなる変動が開始される前の変動において大当りの発生を予告するためにモード切替演出が実行された場合(図33に示す場合)も、チャンスモードに移行される。
(4)スーパーチャンスモード:
図34は、スーパーチャンスモード突入条件を示す説明図である。この実施の形態では、チャンスモードが確変状態に制御されている可能性を示唆する演出モードであるが、チャンスモードよりも確変状態に制御されている可能性が高いことを示す演出モードとしてスーパーチャンスモードも設けている。スーパーチャンスモードは、チャンスモードに制御されているときに、図34に示すスーパーチャンスモードに突入(移行)する突入条件(移行条件)が成立した場合に突入する。具体的には、後述する入賞時モード切替設定処理におけるステップS907,S917、後述する開始時モード切替設定処理におけるステップS957、および後述する大当り終了時モード切替設定処理におけるステップS1007,S1017,S1027,S1037でスーパーチャンスモード突入用のモード切替演出を実行すると決定された場合に、スーパーチャンスモードに突入する。この実施の形態では、遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかにかかわらず、同じ突入条件でスーパーチャンスモードに突入するように構成されているが、遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかによって突入条件を異ならせてもよい。例えば、確変状態のときの方が通常状態のときよりも突入条件の数が多くなるように突入条件を設定するようにしてもよい。なお、図34に示す例では、スーパーチャンスモードの突入条件は遊技状態によって変化させていないが、各々の突入条件におけるスーパーチャンスモードの突入のしやすさ(スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出を実行すると決定されやすさ)は、通常状態のときよりも確変状態のときの方が高くなるように設定されている。
図35は、はずれの場合にスーパーチャンスモードに突入させる演出およびスーパーチャンスモードを終了させる演出を示す説明図である。なお、演出モードはチャンスモードに制御されている。
図35(A)では、演出表示装置9の表示画面の図柄表示エリア9L,9C,9Rで左中右の演出図柄が変動している。この演出図柄の変動が開始されるときに、変動開始時の大当り判定(ステップS62)の判定結果がはずれであるものとする。その後、所定の変動時間が経過すると、図35(B)に示すように、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄(「462」)が停止表示される。なお、この時点では、チャンス目「462」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図35(C)に示すように、はずれ図柄「462」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、演出モードがチャンスモードからスーパーチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知するモード切替演出が実行される。図35(C)に示す例では、モード切替演出として、「スーパーチャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9cが画面上に登場する演出が実行されている。このとき、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
その後、図35(D)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「スーパーチャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。また、スーパーチャンスモードに制御されたときは、演出表示装置9の画面上の背景もスーパーチャンスモードに制御されていることを示す背景に変更される。そして、次の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。なお、この保留記憶にもとづく大当り判定もはずれであったものとする。また、後述するチャンスモード・スーパーチャンスモード終了の判定(ステップS960)において、スーパーチャンスモードを終了させると判定されたものとする。
図35(E)に示すように、演出図柄の変動が開始されてから所定の変動時間が経過した場合に、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄(「682」)が停止表示される。なお、この時点では、チャンス目「682」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図35(F)に示すように、はずれ図柄「682」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、スーパーチャンスモードが終了すること(スーパーチャンスモードから通常モードに切り替えられること)を遊技者に報知するモード終了演出が実行される。図35(F)に示す例では、モード終了演出として、「スーパーチャンスモード終了!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9cが画面上に登場する演出が実行されている。このとき、モード終了演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにしてもよい。演出図柄の停止時間が経過すると、図35(G)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「通常モード」と表示される。これにより、遊技者がモード終了演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、次の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。
(5)チャンスモードを終了させる演出:
図36は、はずれの場合にチャンスモードを終了させる演出を示す説明図である。なお、演出モードはチャンスモードに制御されている。
図36(A)に示すように、演出表示装置9の図柄表示エリア9L,9C,9Rで左中右の演出図柄が変動している。なお、この変動が開始されるときの大当り判定(ステップS62)ではずれにすると決定されたものとする。また、後述するチャンスモード・スーパーチャンスモード終了の判定(ステップS960)において、チャンスモードを終了させると判定されたものとする。
図36(B)に示すように、演出図柄の変動が開始されてから所定の変動時間が経過した場合に、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄(「462」)が停止表示される。なお、この時点では、チャンス目「462」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図36(C)に示すように、はずれ図柄「462」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、チャンスモードが終了すること(チャンスモードから通常モードに切り替えられること)を遊技者に報知するモード終了演出が実行される。図36(C)に示す例では、モード終了演出として、「チャンスモード終了!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9cが画面上に登場する演出が実行されている。このとき、モード終了演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにしてもよい。演出図柄の停止時間が経過すると、図36(D)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「通常モード」と表示される。これにより、遊技者がモード終了演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、次の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。
(6)チャンスモード中において始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にスーパーチャンスモードに突入させる演出:
図37は、チャンスモード中において始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にスーパーチャンスモードに突入させる演出を示す説明図である。なお、図37に示す例では、最初、演出モードはチャンスモードに制御されている。図37(A)では、演出表示装置9の表示画面上の図柄表示エリア9L,9C,9Rに左中右の演出図柄が変動している。このとき、図37(A)では、保留記憶数が3であり、3個の保留記憶表示が表示されている。このとき、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、図37(B)に示すように、保留記憶数が4になり、4個目の保留記憶表示が表示される。なお、図37(B)で4個目の表示記憶表示が光っているのは、新たに保留記憶表示が点灯されたことを示している。始動入賞が新たに生じると、入賞時演出設定処理(ステップS216)における大当り判定(ステップS222)が行われ、また、ステップS227にて大当り種別が決定される。ここで、始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りであるものとする。また、大当り種別として第1確変大当りが決定されたものとする。
その後、所定の変動時間が経過すると、図37(C)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「247」)が停止表示される。そして、図37(D)に示すように、1個目の保留記憶(4個の保留記憶のうち、最も前の始動入賞にもとづき記憶された保留記憶)にもとづいて演出図柄の変動が開始される。この場合、保留記憶表示の数が1減算され、3個の保留記憶表示が表示された状態となる。なお、1個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)は、はずれであったものとする。
所定の変動時間が経過すると、図37(E)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「764」)が停止表示される。なお、この時点では、非リーチはずれ図柄「764」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図37(F)に示すように、非リーチはずれ図柄「764」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、モード切替演出が実行される。図37(F)に示す例において、モード切替演出として、「スーパーチャンスモード突入!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9cが画面上に登場する演出が実行されている。このときも、モード切替演出が実行されていることを遊技者により一層容易に認識させるために、演出表示装置9の画面上で演出を実行するだけでなく、効果音をスピーカ27から出力し、ランプ・LED等を特定の点灯パターンで点灯させるようにするのが好ましい。
ここで、モード切替演出はチャンスモードからスーパーチャンスモードに切り替えられることを遊技者に報知する演出であるが、スーパーチャンスモードは確変状態に制御されている可能性が高いことを遊技者に示す演出モードであるので、モード切替演出が実行されることにより遊技者は確変状態に制御されている可能性が高いことを認識する。あるいは、図37(F)では、始動入賞時の大当り判定で大当りと判定されたことにもとづいてモード切替演出を実行しているので、この実施の形態では、モード切替演出は大当りが発生する可能性があることを事前に遊技者に報知する予告演出としての役割も果たしている。従って、遊技者は、モード切替演出が実行されることにより大当りが発生する可能性があることを認識する。
その後、図37(G)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「スーパーチャンスモード」と表示される。これにより、遊技者がモード切替演出を見逃したとしても、確実に現在の演出モードを認識させることができる。そして、2個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。なお、2個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)は、はずれであったものとする。さらに、所定の変動時間が経過し、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示された後、3個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される。なお、3個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)も、はずれであったものとする。さらに、所定の変動時間が経過し、演出図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示された後、4個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される(図37において図示省略)。
そして、所定の変動時間が経過すると、図37(H)に示すように、左右の演出図柄(リーチ図柄)が同一図柄「7」で揃うことによりリーチが発生し、図37(I)に示すように、中図柄が「7」で停止表示されて大当り(確変大当り)となる。このとき、遊技者は、大当りになる変動が開始される前にモード切替演出が実行されたことによって、遊技状態が確変状態に制御されて大当りの確率が向上したことにより大当りが発生したと認識する。または、モード切替演出が大当りの予告演出であって、大当りになることが事前に決定されていたと認識する。このように、モード切替演出をスーパーチャンスモードへの移行と大当りの予告の役割を持たせることにより、確変状態への移行と大当りの発生に対する遊技者の期待を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(7)チャンスモード中において始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にチャンスモードを終了させる演出:
図38は、チャンスモード中において始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りである場合にチャンスモードを終了させる演出を示す説明図である。なお、図38に示す例では、最初、演出モードはチャンスモードに制御されている。図38(A)では、演出表示装置9の表示画面上の図柄表示エリア9L,9C,9Rに左中右の演出図柄が変動している。このとき、図38(A)では、保留記憶数が3であり、3個の保留記憶表示が表示されている。このとき、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると、図38(B)に示すように、保留記憶数が4になり、4個目の保留記憶表示が表示される。なお、図38(B)で4個目の表示記憶表示が光っているのは、新たに保留記憶表示が点灯されたことを示している。始動入賞が新たに生じると、入賞時演出設定処理(ステップS216)における大当り判定(ステップS222)が行われ、また、ステップS227にて大当り種別が決定される。ここで、始動入賞時の大当り判定の判定結果が大当りであるものとする。また、大当り種別として第1確変大当りが決定されたものとする。
その後、所定の変動時間が経過すると、図38(C)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「247」)が停止表示される。そして、図38(D)に示すように、1個目の保留記憶(4個の保留記憶のうち、最も前の始動入賞にもとづき記憶された保留記憶)にもとづいて演出図柄の変動が開始される。この場合、保留記憶表示の数が1減算され、3個の保留記憶表示が表示された状態となる。なお、1個目の保留記憶にもとづく大当りの判定結果(ステップS62)は、はずれであったものとする。
所定の変動時間が経過すると、図38(E)に示すように、演出図柄の停止図柄として非リーチはずれ図柄(「764」)が停止表示される。なお、この時点では、非リーチはずれ図柄「764」が完全に停止(確定)していないものとする。そして、図38(F)に示すように、非リーチはずれ図柄「764」が完全に停止(確定)した時点から図柄の停止期間が経過するまで、チャンスモードを終了することを報知するモード終了演出が実行される。図38(F)に示す例において、モード切替演出として、「チャンスモード終了!」と描かれたプラカードを掲げた女の子のキャラクタ9cが画面上に登場する演出が実行されている。遊技者は、モード終了演出が実行されたことにより、チャンスモードが終了し確変状態に制御されている可能性が低いと認識し落胆する。
その後、図38(G)に示すように、演出表示装置9のモード表示領域9Aに「通常モード」と表示される。そして、2個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始された後に停止図柄が停止表示され、3個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始された後に停止図柄が停止表示される。さらに、4個目の保留記憶にもとづいて演出図柄の変動が開始される(図37において図示省略)。
そして、所定の変動時間が経過すると、図38(H)に示すように、左右の演出図柄(リーチ図柄)が同一図柄「7」で揃うことによりリーチが発生し、図38(I)に示すように、中図柄が「7」で停止表示されて大当り(確変大当り)となる。このとき、遊技者は、チャンスモードから通常モードに降格した後に大当りが発生したので、より一層大当りの発生に喜びを感じる。このように、モード終了演出は、図35および図36では、スーパーチャンスモードやチャンスモードを実際に終了させることを遊技者に報知しているが、図38に示すモード終了演出は、大当りが発生することを報知する予告演出として実行されている。従って、遊技者は、モード終了演出が実行された場合、確変状態に制御されている可能性が低いと認識するが、大当りが発生する可能性があるとの期待を抱くことになる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100(演出制御用CPU101)によって更新される乱数について説明する。
演出制御基板80では、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。図39は、演出制御基板80の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図39に示すように、この実施の形態では、演出制御基板80の側において、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3、昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2、滑り仮停止図柄決定用の乱数値SR3、モード切替演出パターン決定用の乱数値SR4、チャンスモード・スーパーチャンスモード終了判定用の乱数値SR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。演出制御用CPU101は、これらの乱数値SR1−1〜SR1−3、SR2、SR3、SR4、SR5の全部または一部を示す数値データをカウントするものであればよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の可変表示結果となる確定演出図柄として、演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数値である。なお、ここでの最終停止図柄は、演出図柄の可変表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアそれぞれにて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。一例として、第1最終停止図柄決定用の乱数値SR1−1は「1」〜「80」の範囲の値をとり、第2最終停止図柄決定用の乱数値SR1−2は「1」〜「70」の範囲の値をとり、第3最終停止図柄決定用の乱数値SR1−3は「1」〜「96」の範囲の値をとる。
昇格演出時仮停止図柄決定用の乱数値SR2は、変動中昇格演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにて仮停止表示させる通常大当り組合せの演出図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「80」の範囲の値をとる。滑り仮停止図柄決定用の乱数値SR3は、「滑り」の特定演出を実行する場合に、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部または一部にて仮停止表示させる演出図柄を決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「101」の範囲の値をとる。
モード切替演出パターン決定用の乱数値SR4は、モード切替演出を実行するか否か(チャンスモード・スーパーチャンスモードに移行させるか否か)と、モード切替演出の演出パターンを決定するために用いられる乱数値である。一例として、モード切替演出パターン決定用の乱数値SR4は「0」〜「99」の範囲の値をとる。
チャンスモード・スーパーチャンスモード終了判定用の乱数値SR5は、チャンスモード・スーパーチャンスモードを終了させるか否かを決定するために用いられる乱数値である。一例として、この乱数値SR4は「0」〜「199」の範囲の値をとる。
演出制御基板80に搭載されたROMには、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROMには、演出制御用CPU101が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、制御パターンテーブルを構成するテーブルデータが記憶されている。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図40は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS706)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。そして、ステップS702に移行する。
図41および図42は、コマンド解析処理(ステップS705)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果4指定コマンドのいずれか)を、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンド〜大当り開始4指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始4指定コマンド受信フラグのいずれかをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、RAMにおける保留記憶領域の保留記憶数(保留記憶数カウンタの値)を更新(+1)する(ステップS632)。また、演出表示装置9において例えば表示色が変化する保留記憶表示部18cの数を更新(+1)する(ステップS633)。さらに、乱数カウンタの値を+1する(ステップS634)。なお、乱数カウンタは、ステップS702の乱数更新処理でも更新される。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定はずれ指定の演出制御コマンドであれば(ステップS635)、そのままステップS611の処理に戻る。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定通常大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS636)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS637)、乱数(モード切替演出パターン決定用の乱数値)を抽出し(ステップS638)、入賞時モード切替設定処理を実行する(ステップS639)。入賞時モード切替設定処理は、始動入賞時の大当り判定(ステップS222)の判定結果(はずれの判定結果を除く)にもとづいて、始動入賞時の判定に対応する演出図柄の変動が開始される前の変動においてモード切替演出を実行して演出モードの切り替えを行うか否かと、演出モードの切り替えを行う場合にモード切替演出の演出パターンとを決定する処理である(図33、図37、図38参照)。
また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定確変大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS640)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS641)、乱数を抽出し(ステップS642)、入賞時モード切替設定処理を実行する(ステップS643)。また、受信した演出制御コマンドが入賞時判定突然確変大当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS644)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS645)、乱数を抽出し(ステップS646)、入賞時モード切替設定処理を実行する(ステップS647)。さらに、受信した演出制御コマンドが入賞時判定小当り指定の演出制御コマンドである場合にも(ステップS648)、乱数カウンタの値を+1するとともに(ステップS649)、乱数を抽出し(ステップS650)、入賞時モード切替設定処理を実行する(ステップS651)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定の演出制御コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、RAMにおける保留記憶数カウンタの値を更新(−1)する(ステップS652)。また、演出表示装置9において例えば表示色が変化する保留記憶表示部18cの数を更新(−1)する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが、演出表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9501(H))であれば(ステップS660のY)、演出制御用CPU101は、背景指定コマンドの内容に応じた背景表示状態フラグをセットする(ステップS661)。具体的には、背景指定コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば通常状態のときの背景表示状態フラグをセットし、背景指定コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば確変状態のときの背景表示状態フラグをセットする。次に、演出制御用CPU101は、チャンスモードに現在制御されていることを示すチャンスモードフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS662)、チャンスモードフラグがセットされている場合は、チャンスモードの背景を画面上に表示する制御を実行する(ステップS663)。また、演出制御用CPU101は、スーパーチャンスモードに現在制御されていることを示すスーパーチャンスモードフラグがセットされているか否かを確認し(ステップS664)、スーパーチャンスモードフラグがセットされている場合は、スーパーチャンスモードの背景を画面上に表示する制御を実行する(ステップS665)。一方、チャンスモードフラグおよびスーパーチャンスモードフラグがセットされていなければ、現在の遊技状態に応じた背景を表示する制御を実行する(ステップS666)。
受信した演出制御コマンドが保留記憶数減算指定の演出制御コマンドであれば(ステップS667)、演出制御用CPU101は、RAMにおける保留記憶数カウンタの値を更新(−1)する(ステップS668)。また、演出表示装置9において例えば表示色が変化する保留記憶表示部18cの数を更新(−1)する(ステップS669)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
次に、入賞時モード切替設定処理について説明する。図44および図45は、入賞時モード切替設定処理を示すフローチャートである。入賞時モード切替設定処理において、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで指定された判定結果が確変大当り(突然確変大当りを除く)であるか否か確認し(ステップS901)、確変大当りであれば、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS902)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図46(A)に示す確変大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS903)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS904)。そして、ステップS904でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS905)。
チャンスモード中であれば(ステップS902のY)、演出制御用CPU101は、図47(A)に示す確変大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS906)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS907)。そして、ステップS907でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS908)。
ここで、確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(A)、図47(A))では、モード切替演出なしと、キャラクタA(例えば図31等に示した女の子のキャラクタ9b)が出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタB(例えば図35等に示した女の子のキャラクタ9c)が出現するモード切替演出の演出パターンBと、チャンスモードの終了を報知するモード終了演出の演出パターン(図36参照)とが設定され、それらに判定値が割り振られている。図46(A)のテーブルと図47(A)のテーブルを比較すると、確変大当りのときは、チャンスモードに突入する場合よりもスーパーチャンスモードに突入する場合の方が、高い割合でモード切替演出が実行されると決定され、さらに演出パターンBのモード切替演出が決定されやすくなっている。
確変大当りでなく通常大当りであれば(ステップS911のY)、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS912)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図46(B)に示す通常大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS913)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS914)。そして、ステップS914でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS915)。
チャンスモード中であれば(ステップS912のY)、演出制御用CPU101は、図47(B)に示す通常大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS916)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS917)。そして、ステップS917でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS918)。
ここで、通常大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(B)、図47(B))では、モード切替演出なしと、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBと、チャンスモードの終了を報知するモード終了演出の演出パターン(図36参照)とが設定され、それらに判定値が割り振られている。判定値の振り分けは、確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(A)、図47(A))と同様である。
次に、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果指定コマンドで指定された判定結果が通常大当りでなければ(ステップS911のN)、突然確変大当りであるか否か確認し(ステップS921)、突然確変大当りであれば、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS922)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図46(C)に示す突然確変大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS923)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS924)。そして、ステップS924でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS925)。
チャンスモード中であれば(ステップS922のY)、演出制御用CPU101は、図47(C)に示す突然確変大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS926)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS927)。そして、ステップS927でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS928)。
ここで、確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(C)、図47(C))では、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。すなわち、演出なしが設定されていない。従って、突然確変大当りが発生したときは、常にモード切替演出が実行される。図46(C)のテーブルと図47(C)のテーブルを比較すると、突然確変大当りのときは、チャンスモードに突入する場合よりもスーパーチャンスモードに突入する場合の方が、高い割合で演出パターンBのモード切替演出が決定される。
突然確変大当りでない場合は小当りであると判断される(ステップS921のN)。小当りである場合も、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS932)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図46(D)に示す小当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS933)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS934)。そして、ステップS934でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS935)。
チャンスモード中であれば(ステップS932のY)、演出制御用CPU101は、図47(D)に示す小当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS936)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS937)。そして、ステップS937でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS938)。
ここで、小当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(D)、図47(D))では、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。すなわち、演出なしに判定値が割り振られておらず、常に小当り時は常にモード切替演出が実行されると決定される。突然確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(C)、図47(C))と小当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図46(D)、図47(D))とを比較すると、突然確変大当りのときの方が小当りのときよりも高い割合で演出パターンBのモード切替演出が決定される。
図48は、図40に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信している場合には、そして、演出制御プロセスフラグの値を開始時モード切替設定処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
開始時モード切替設定処理(ステップS801):モード切替演出を行うか否かと、行う場合の演出の種類(演出パターン)を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄(および演出図柄)の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS806):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS807)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了している場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS808)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS807):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS808):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図49は、図48に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を開始時モード切替設定処理(ステップS801)に応じた値に更新する(ステップS813)。
図50は、開始時モード切替設定処理を示すフローチャートである。開始時モード切替設定処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドで指定された変動パターンが特定のはずれ変動パターンであるか否か確認する(ステップS951)。この実施の形態において、特定のはずれ変動パターンとは、図9に示すチャンス目の停止を伴う変動パターン(非リーチPA1−4)、リーチはずれ出目の停止を伴う変動パターン(図9のノーマルリーチを伴う変動パターンすべて、およびスーパーリーチを伴う変動パターンすべて)、非リーチはずれ出目の停止を伴う変動パターン(図9の非リーチの変動パターンすべて)である。結果的に、図9に示す変動パターンすべてが特定のはずれの変動パターンとなっている。ただし、図9に示す変動パターンのうちのいずれかを特定の変動パターンとしてもよい。
特定のはずれ変動パターンであれば、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS952)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図51(A),(B)に示すはずれ時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルのいずれかを選択する(ステップS953)。ここで、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態を確認し、遊技状態が確変状態であれば図51(A)に示すテーブルを選択し、遊技状態が通常状態であれば図51(B)に示すテーブルを選択する。そして、モード切替演出パターン決定用乱数値SR4を抽出し、抽出した乱数値とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS954)。そして、ステップS954でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS955)。
チャンスモード中であれば(ステップS952のY)、演出制御用CPU101は、図51(C),(D)に示すはずれ時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルのいずれかを選択する(ステップS956)。ここで、演出制御用CPU101は、現在の遊技状態を確認し、遊技状態が確変状態であれば図51(C)に示すテーブルを選択し、遊技状態が通常状態であれば図51(D)に示すテーブルを選択する。そして、モード切替演出パターン決定用乱数値SR4を抽出し、抽出した乱数値とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS957)。そして、ステップS957でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS958)。その後、ステップS954,S958でモード切替演出を実行すると決定された場合は、モード切替演出が実行されるまでの時間を計測するモード切替時間決定用タイマを作動させる(ステップS959)。
ここで、はずれ時のモード切替演出パターン選択テーブル(図51(A)〜(D))では、遊技状態が確変状態のときは通常状態のときよりもチャンスモードやスーパーチャンスモードに突入し易く、また、確変状態のときは通常状態のときよりも高い割合で演出パターンBのモード切替演出が決定されるように、各テーブルの判定値が割り振られている。
一方、ステップS951で特定のはずれ変動パターンでないと判断されたときは、演出制御用CPU101は、現在の演出モードがチャンスモードまたはスーパーチャンスモードに制御されているか否かを確認し(ステップS959A)、チャンスモード中またはスーパーチャンスモード中であれば、遊技状態が確変状態であるか否かを確認する(ステップS959B)。遊技状態が確変状態でなければ、チャンスモード・スーパーチャンスモード終了の判定を実行する(ステップS960)。チャンスモード・スーパーチャンスモード終了の判定では、チャンスモード・スーパーチャンスモード終了判定用の乱数値SR5を抽出し、抽出した乱数値が所定範囲の値であれば、チャンスモード等の終了と判定し、所定範囲以外の値であれば、チャンスモード等の継続と判定する。なお、チャンスモード・スーパーチャンスモードを終了させると判定した場合は、チャンスモードフラグやスーパーチャンスモードフラグをリセットする。これにより、次の演出図柄の変動開始時に遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される背景指定コマンドを受信したときに、コマンド解析処理のステップS662、S664でチャンスモードフラグ・スーパーチャンスモードフラグがセットされていないことが確認されることにより、遊技状態に応じた背景が表示されるように表示制御される(ステップS666)。その後、演出制御用CPU101は、ステップS960にてチャンスモード等を終了するとの判定が行われた場合には、モード終了演出を実行させるタイミングまでの時間を計測するために、モード切替時間決定用タイマを作動させる(ステップS961)。
図52は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS821)。
次に、演出制御用CPU101は、滑り演出の実行時の仮停止図柄や再抽選演出の実行時の仮停止図柄などを決定する演出図柄変動設定処理を実行する(ステップS822)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS518で設定(セット)された演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS823)。そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ(プロセステーブルを構成するデータ)におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS824)。
演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS825)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS826)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS827)。
図53は、演出制御プロセス処理に演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、モード切替時間決定用タイマが動作中であれば(タイムアウトしていなければ)、モード切替時間決定用タイマの値を−1する(ステップS830)。そして、モード切替時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS831)。タイムアウトしていたら、実行することに決定されているモード切替演出またはモード終了演出を実行する(ステップS832)。具体的には、VDP109にモード切替演出用またはモード終了演出用の画像表示を指示する信号を出力する。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS833,S834,S835)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、その次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS844)。
また、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には(ステップS845)、演出制御用CPU101は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切替時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(ステップS846)。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動制御が実現される。VDP109は、所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置9に出力する。そのようにして、演出制御装置9において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像および演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(ステップS847)。
変動時間タイマがタイムアウトしている場合(変動開始から変動終了までの期間が経過した場合)には(ステップS848)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS850)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS849)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図54は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS880)。停止図柄表示フラグがセットされている場合には、ステップS887に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS885で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS881〜S885の演出図柄の停止図柄を表示する処理等を実行することなく、ステップS887に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(はずれ図柄または大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS882)。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
ステップS882の処理で大当り図柄または小当り図柄を表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS883)、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS884)。
ステップS882の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットする(ステップS885)。そして、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ(大当り開始1指定コマンド受信フラグ〜大当り開始4指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS887)。大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS888)、ファンファーレ演出に応じた音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS889)。また、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS890)。
なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。そして、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS891)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1およびランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ)の制御を実行する(ステップS892)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS893)。
図55は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(ステップS873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS805)に応じた値に更新する(ステップS874)。
ステップS872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行う。そして、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。なお、この実施の形態では、小当り遊技の開始を報知する画面と突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは同じ画面であるものとする。
図56は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(ステップS980)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、ステップS885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1〜3指定コマンド受信フラグのいずれか)がセットされているか否か確認する(ステップS981)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS982)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS983)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS984)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、小当りである場合には、大当り終了指定コマンドを受信しないので、演出制御用CPU101は、ステップS981,S982を実行することなく、そのまま大当り終了演出タイマに小当り終了表示時間に相当する値を設定して(ステップS983参照)、演出表示装置9に、小当り終了画面(小当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行う(ステップS884参照)。そして、小当り終了表示の演出期間が経過したことにもとづいて、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新されることになる(ステップS882参照)。
ステップS985では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(ステップS986)。経過していなければ処理を終了する。大当り終了演出時間が経過している場合は、演出制御用CPU101は、今回の大当りが通常大当り、第4確変大当り、突然確変大当りまたは小当りであるか否かを確認し(ステップS987)、通常大当り、第4確変大当り、突然確変大当りまたは小当りであれば、大当り終了時モード切替設定処理を実行する(ステップS988)。演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS987)。
図57は、大当り終了時モード切替設定処理を示すフローチャートである。大当り終了時モード切替設定処理において、演出制御用CPU101は、今回の大当りが第4確変大当りであるか否か確認し(ステップS1001)、第4確変大当りであれば、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS902)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図59(A)に示す確変大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1003)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1004)。そして、ステップS1004でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS1005)。
チャンスモード中であれば(ステップS1002のY)、演出制御用CPU101は、図60(A)に示す確変大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1006)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1007)。そして、ステップS1007でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS1008)。
ここで、確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(A)、図60(A))では、モード切替演出なしと、キャラクタA(例えば図31等に示した女の子のキャラクタ9b)が出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタB(例えば図35等に示した女の子のキャラクタ9c)が出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。図59(A)のテーブルと図60(A)のテーブルを比較すると、第4確変大当りのときは、チャンスモードに突入する場合よりもスーパーチャンスモードに突入する場合の方が、高い割合でモード切替演出が実行されると決定され、さらに演出パターンBのモード切替演出が決定されやすくなっている。
第4確変大当りでなく通常大当りであれば(ステップS1011のY)、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS1012)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図59(B)に示す通常大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1013)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1014)。そして、ステップS1014でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS1015)。
チャンスモード中であれば(ステップS1012のY)、演出制御用CPU101は、図60(B)に示す通常大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1016)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1017)。そして、ステップS1017でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS1018)。
ここで、通常大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(B)、図60(B))では、モード切替演出なしと、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。判定値の振り分けは、確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(A)、図60(A))と同様である。
次に、演出制御用CPU101は、今回の大当りが通常大当りでなければ(ステップS1011のN)、突然確変大当りであるか否か確認し(ステップS1021)、突然確変大当りであれば、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS1022)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図59(C)に示す突然確変大当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1023)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1024)。そして、ステップS1024でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS1025)。
チャンスモード中であれば(ステップS1022のY)、演出制御用CPU101は、図60(C)に示す突然確変大当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1026)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1027)。そして、ステップS1027でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS1028)。
ここで、突然確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(C)、図59(C))では、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。すなわち、演出なしが設定されていない。従って、突然確変大当りが発生したときは、常にモード切替演出が実行される。図59(C)のテーブルと図60(C)のテーブルを比較すると、突然確変大当りのときは、チャンスモードに突入する場合よりもスーパーチャンスモードに突入する場合の方が、高い割合で演出パターンBのモード切替演出が決定される。
突然確変大当りでない場合は小当りであると判断される(ステップS1021のN)。小当りである場合も、チャンスモードフラグを確認することにより現在の演出モードがチャンスモードであるか否かを確認する(ステップS1032)。チャンスモード中でなければ、演出制御用CPU101は、図59(D)に示す小当り時チャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1033)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1034)。そして、ステップS1034でモード切替演出を実行すると決定した場合には、チャンスモードフラグをセットする(ステップS1035)。
チャンスモード中であれば(ステップS1032のY)、演出制御用CPU101は、図60(D)に示す小当り時スーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルを選択する(ステップS1036)。そして、抽出したモード切替演出パターン決定用乱数値SR4とモード切替演出パターン選択テーブルに設定された判定値とを比較することによって、モード切替演出を実行するか否かと、モード切替演出を実行する場合に演出パターンとを決定する(ステップS1037)。そして、ステップS1037でモード切替演出を実行すると決定した場合には、スーパーチャンスモードフラグをセットする(ステップS1038)。
ここで、小当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(D)、図60(D))では、キャラクタAが出現するモード切替演出の演出パターンAと、キャラクタBが出現するモード切替演出の演出パターンBとが設定され、それらに判定値が割り振られている。すなわち、演出なしに判定値が割り振られておらず、常に小当り時は常にモード切替演出が実行されると決定される。突然確変大当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(C)、図60(C))と小当り時のモード切替演出パターン選択テーブル(図59(D)、図60(D))とを比較すると、突然確変大当りのときの方が小当りのときよりも高い割合で演出パターンBのモード切替演出が決定される。
以上に説明したように、この実施の形態では、予め大当りになると決定されている場合に、大当りとなる変動が開始される前の変動中において、演出モードをチャンスモードに制御するように構成しているので、モード切替演出に制御されたことによって大当り(特定遊技状態)となることを遊技者は期待することになる。その結果、演出モードだけを注目させることにより遊技者の大当りに対する期待感を煽り攻守の向上を図ることができる。
また、この実施の形態では、チャンスモードに制御する前に、演出モードがチャンスモードに制御されることを報知するモード切替演出を実行するように構成しているので、遊技者にチャンスモードへの移行を確実に認識させることができ、より一層、大当りに対する期待を高めることができる。
また、この実施の形態では、モード切替演出の演出パターンとして複数種類の演出パターンがあらかじめ設けられ、第4確変大当りや通常大当りなどの遊技状態の終了後にチャンスモードに制御する場合(大当り終了時モード切替設定処理でチャンスモードに制御される場合)に高い割合で決定される演出パターンと、大当りとなる変動の開始前の変動中においてチャンスモードに制御する場合(入賞時モード切替設定処理でチャンスモードに制御される場合)に高い割合で決定される演出パターンとが異なるように設定されたモード切替演出パターン選択テーブル(図46、図47、図59、図60に示すテーブル)を用いて、モード切替演出の演出パターンを決定するので、モード切替演出の演出パターンによって遊技者の期待を異ならせることができ、遊技者にモード切替演出に対してより一層注目させることができる。
また、この実施の形態では、モード切替演出の実行時間が最短の変動時間よりも短い時間であるので、変動時間によってモード切替演出が実行不可能になるという不具合が生じるのを防止することができる。
また、この実施の形態では、大当りとなる変動が開始される前の変動中において演出モードをチャンスモード(またはスーパーチャンスモード)に制御する構成のほかに、大当りとなる変動の終了後(具体的には、その大当りの遊技の終了後)に演出モードをチャンスモードに制御する構成も設けられているので、チャンスモードに制御されたことによって大当りに対する期待だけでなく確変状態への移行に対する期待も持つことになる。その結果、演出モードにだけ注目させることにより、遊技者の混乱を招くことなく大当りと確変状態の期待感を煽り遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、チャンスモードと比較して通常状態のときよりも確変状態のときに移行される割合が高いスーパーチャンスモードに移行させる構成を備えているので、チャンスモードだけでなくスーパーチャンスモードに制御されるかどうかについても興味を持たせることができ、演出モードの移行に対してより一層面白みを感じさせることができる。
また、この実施の形態では、予め大当りになると決定されている場合に、大当りとなる変動が開始される前の変動中において、演出モードをチャンスモードからスーパーチャンスモードに制御するように構成しているので、チャンスモードからスーパーチャンスモードに制御されたことによって、より一層、確変状態に制御されていることと大当りの発生とを遊技者に期待させることができ、演出モードの移行に対してより一層面白みを感じさせることができる。
また、この実施の形態では、チャンスモードに制御されているときに、大当りとなる変動が開始される前の変動中において、チャンスモードを終了するモード終了演出を実行して演出モードを通常モードに制御し、その後の大当りとなる変動において大当り図柄を導出表示するように構成しているので、チャンスモードが終了して遊技者をがっかりさせた後に大当りとなることによって遊技者を喜ばせることができ、より一層、遊技者に面白みを感じさせることができる。なお、この実施の形態では、スーパーチャンスモードに制御されているときに、大当りとなる変動が開始される前の変動中において、スーパーチャンスモードを終了するモード終了演出を実行して演出モードを通常モードに制御し、その後の大当りとなる変動において大当り図柄を導出表示するようにも構成している。
また、この実施の形態では、演出制御用CPU101がモード切替演出を開始してから、大当り遊技状態が開始するまで、演出制御用CPU101によるモード切替演出の実行を禁止するように構成されているので、すなわち、可変表示の表示結果を大当り図柄とする始動入賞が生じたときにモード切替演出を行い、その後、大当りが発生するまでモード切替演出は実行されず、大当りが、何時の始動入賞に応じたものかを遊技者が容易に把握することができる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、図11に示すように第4確変大当りおよび通常大当りのいずれが発生したときも大当り遊技の終了後にチャンスモードに制御するように構成していた。従って、上記の実施の形態1では、チャンスモードに制御されているときは、遊技状態が通常状態または確変状態であり、通常モードに制御されているときは、遊技状態が通常状態であった。これに対し、この実施の形態2では、第4確変大当りおよび通常大当りのいずれが発生したときも大当り遊技の終了後に通常モードに制御するように構成したものである。従って、この実施の形態2では、チャンスモードおよび通常モードのいずれの演出モードに制御されているときにも、遊技状態が通常状態または確変状態となる。以下、この実施の形態2の構成について説明する。
図61は、実施の形態2におけるはずれ・大当り種別と停止図柄と演出モードと遊技状態の関係を示す説明図である。図11では、第4確変大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に確変大当りの発生を報知せずに、演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が確変状態(潜伏確変状態)に移行されていたが、図61では、第4確変大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に確変大当りの発生を報知せずに、演出モードが通常モードに移行され、遊技状態が確変状態(潜伏確変状態)に移行される。
また、図11では、通常大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードがチャンスモードに移行され、遊技状態が通常状態に維持されていたが、図61では、通常大当りになるときは、停止図柄として偶数のゾロ目が停止され、大当り遊技の終了後に演出モードが通常モードに移行され、遊技状態が通常状態に維持される。
その他の構成は、図11で説明した構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
次に、この実施の形態2における大当り終了時モード切替設定処理について説明する。上記の実施の形態1では、図56に示す大当り終了演出処理におけるステップS987で通常大当り、第4確変大当り、突然確変大当りまたは小当りであるかどうかを確認し、通常大当り、第4確変大当り、突然確変大当りまたは小当りまたは通常大当りであるときに、ステップS988で大当り終了時モード切替設定処理を実行するように構成していたが、この実施の形態2では、ステップS987で突然確変大当りまたは小当りであるかどうかだけを確認し、突然確変大当りまたは小当りであるときに、ステップS988で大当り終了時モード切替設定処理を実行し、通常大当りまたは第4確変大当りであるときは、大当り終了時モード切替設定処理を実行しない。この実施の形態2では、第4確変大当り・通常大当りが発生したときは、いずれも大当り遊技の終了後に通常モードに制御するので、モード切替演出の演出パターン等を選択する必要がないからである。従って、図62および図63に示すように、チャンスモード突入用およびスーパーチャンスモード突入用のモード切替演出パターン選択テーブルにおいても、確変大当り時のテーブルや通常大当り時のテーブルを設けれる必要がない。
図64は、実施の形態2における開始時モード切替設定処理を示すフローチャートである。遊技状態が通常状態のときにしか通常モードに移行されないように構成されていたが、この実施の形態2では、遊技状態が通常状態および確変状態のいずれのときでも通常モードに移行可能に構成されている。従って、図64に示す開始時モード切替設定処理では、ステップS959Aで演出モードがチャンスモード中またはスーパーチャンスモード中であるかどうかを確認し、チャンスモード中またはスーパーチャンスモード中であれば、遊技状態に関係なくチャンスモード・スーパーチャンスモードの終了の判定を行うように構成している。
チャンスモード・スーパーチャンスモード終了の判定では、チャンスモード・スーパーチャンスモード終了判定用の乱数値SR5を抽出し、抽出した乱数値が所定範囲の値であれば、チャンスモード等の終了と判定し、所定範囲以外の値であれば、チャンスモード等の継続と判定する。ここで、遊技状態が確変状態のときは上記の所定範囲が狭く、通常状態のときは上記の所定範囲が低いものとする。すなわち、確変状態のときは通常状態のときよりもチャンスモード等の終了との判定が行われにくくなっているものとする。例えば、乱数値0〜199のうち、確変状態のときは乱数値が「10」または「11」の値であればチャンスモード等の終了と判定し、通常状態のときは乱数値が「10」〜「29」の値であればチャンスモード等の終了と判定する。
このように、上記の実施の形態1では、通常状態のときにしか通常モードに制御されなかったが、この実施の形態2では、確変状態のときも通常モードに制御されるので、遊技者に対して通常モードに制御されているときも確変状態に制御されているかもしれないとの期待を持たせることができる。
ただし、通常モードよりもチャンスモードに制御されているときに確変状態に制御されていることの期待を持たせるために、通常モードに制御されているときはチャンスモードに制御されているときよりも確変状態に制御されている可能性が低くなるように構成する。具体的には、第4確変大当りが生じる可能性を通常大当りが生じる可能性よりも低くし(例えば、図8(C)に示す大当り種別決定テーブルにおける「第4確変」に振り分ける乱数値を「78〜82」ではなく「82」のみとし)、確変大当りが発生した場合に通常モードに移行する割合を低くする。また、ステップS960におけるチャンスモード等の終了の判定において、通常状態に制御されている場合は確変状態に制御されている場合よりもチャンスモード等を終了させるとの判定を行う確率が高くなるようにし、確変状態のときにチャンスモード等から通常モードに移行する割合を低くする。
なお、一般の遊技機では、大当り遊技の終了後に、所定の変動回数だけ図柄の変動時間を短縮する時短状態に制御するように構成されているが、上記の各実施の形態では、時短状態に制御するように構成されていない。また、一般の遊技機では、確変状態や時短状態のときに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められた高ベース状態に制御するように構成されているが、上記の各実施の形態では、時短状態に制御するように構成されていない。しかし、上記の各実施の形態においても、時短状態や高ベース状態に制御することによって遊技者に遊技状態が把握されないような態様であることを条件に、時短状態や高ベース状態に制御するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、判定結果コマンドと保留記憶数指定コマンドとを別個に送信するように構成されているが、判定結果コマンドと保留記憶数指定コマンドとを1つのコマンドにまとめてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を特定可能であるとともに開始前判定手段の判定結果を特定可能な一のコマンド(判定結果/保留記憶指定コマンド:ただし、はずれの場合、通常大当りの場合、確変大当りの場合のそれぞれに対応する3種類がある)を送信するようにしてもよい。図19に示された例について説明すると、C300(H)、C301(H)、C302(H)、E000(H)の使用に代えて、例えば、MODEデータをE3(H)とし、EXTデータの8ビットにおける上位4ビットに開始前判定手段の判定結果を示すデータを設定し、下位4ビットに保留記憶数の値または保留記憶数が増加した旨を示すデータを設定したコマンドを判定結果/保留記憶指定コマンドを使用する。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド禁止フラグがセットされているときには、入賞時演出設定処理における判定結果に関わらず、はずれ指定のデータが設定された判定結果/保留記憶指定コマンドを送信する。
また、上記の実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶指定コマンドを送信しないようにしてもよい。その場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、判定結果コマンドを受信したら、保留記憶数が1増えたとみなす。また、その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド禁止フラグがセットされているときには、入賞時判定はずれ指定コマンドを送信する。また、コマンド禁止フラグがセットされたときに、所定の演出の実行を禁止することを示すコマンドを送信してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづく図柄の変動の表示結果が大当り図柄になるか否か判定したが、図柄の可変表示を開始するときに、保留記憶が0でなければ、全ても保留記憶を対象として、保留記憶中の大当り判定用乱数について大当り判定値と一致するか否か判定し、一致するものがあれば、入賞時判定大当り指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、1つの特別図柄表示器8が設けられている構成を例示したが、各々が特別図柄を可変表示する2つの特別図柄表示器(A,B)が設けられた遊技機にも本発明を適用できる。その場合、各々の特別図柄表示器(A,B)に対応した始動口が2個(A、B)設けられ、さらに保留記憶も各々4個合計8個設けられる。そして、特別図柄表示器Aに対応する始動口Aへの入賞の入賞時判定にて大当り判定がなされた場合には、両方の始動口に対して入賞時判定のコマンド送信禁止処理を実行することが望ましい。そのように制御することによって、各々別個に禁止の判定をすると所定の予告が重複してしまう(連チャンする旨の予告が実行されてしまう)ことを防止する。この効果は、2つの特別図柄表示器が同時に変動可能なものでも、交互(始動入賞順)に変動するものでも得られる。
また、2つの特別図柄表示器(A,B)を設け、さらに特別図柄表示器B側の変動が優先的に先に実行されるようなものの場合には、優先される側である特別図柄表示器Bに対応する始動入賞時のみについて入賞時判定を実行することが望ましい。非優先側である特別図柄表示器Aに対応する始動入賞について入賞時判定を実行すると、仮に特別図柄表示器Aについて大当りの保留記憶が記憶され、その後に特別図柄表示器Bについての始動入賞が連続(保留記憶が0にならない)すると、予告を実行しても大当りがなかなか発生しないという状況になってしまい興趣が低下するおそれがある。
なお、2つの特別図柄表示器(A,B)を設けた場合には、一方の特別図柄表示器A側の大当り判定で用いる大当り判定用テーブルと、他方の特別図柄表示器B側の大当り判定で用いる大当り判定用テーブルとを設け、大当り・はずれに対する判定値の振り分けを異ならせてもよい。また、一方の特別図柄表示器A側の大当り種別判定で用いるテーブルと、他方の特別図柄表示器B側の大当り種別判定で用いるテーブルとを設け、大当り種別に対する判定値の割り振りを異ならせてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば、簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。