JP5362244B2 - 加熱具及び加熱具を備える食品加熱容器 - Google Patents

加熱具及び加熱具を備える食品加熱容器 Download PDF

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Description

本発明は、食品加熱容器に収容されている食品トレイの下に配置され、この食品トレイに収容された弁当や惣菜などの食品を加熱するために有利に用いられる加熱具、および加熱具を備える食品加熱容器に関する。
従来より、弁当や惣菜などの食品を食前に加熱するため、加熱具を備えた食品加熱容器を用いることは知られている。
特許文献1には、上面が開口する箱体(容器本体)、箱体の底部に収容されている加熱具(加熱装置)、加熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体を備える食品加熱容器(携帯食品用容器)が開示されている。
この食品加熱容器の箱体、食品トレイ、そして蓋体は、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン系樹脂、あるいはポリプロピレン樹脂などの樹脂材料から形成されたフィルムを真空成形機で成形して作製される。
加熱具は、水との接触により発熱する発熱剤が収容された発熱剤袋(発熱剤パック)及び易引裂性水袋(水パック)が内部に収容されていて上面が易引裂性フィルム(保護シート)で被覆されている水密容器(発熱用トレイ)、そして前記の水密容器の上面から外部に引き出されている前記の水密容器の易引裂性フィルム及び水袋を引裂開封する長尺状の開封具などから構成されている。この開封具は、食品加熱容器の箱体の側壁に形成された透孔(小孔)から外部に引き出されている。
この加熱具では、水袋が発熱剤袋の上に重ねて配置されている。このように、従来の加熱具においては、長尺状開封具により水袋を引裂開封した際に、前記の水袋から流れ出た水が直ちに発熱剤と接触するように、通常、水袋と発熱剤袋(もしくは発熱剤)とは互いに接触した状態で上下に重ねて配置される。
そして、使用者が、食前に食品加熱容器の箱体の外部に引き出された開封具の先端部を引っ張ることにより、易引裂性水袋が水密容器の易引裂性フィルムと共に開封具によって引き裂かれ、水袋から水が流れ出る。この水と発熱剤とが反応することにより発生した熱あるいは高温水蒸気によって、食品トレイに収容された食品(例、弁当)が加熱される。この食品加熱容器では、食品トレイの下面及び外側側面を前記の高温水蒸気を接触させて加熱することにより、食品トレイに収容された食品が加熱される。
特開2006−346329号公報
前記のように、従来の加熱具は、水袋と発熱剤袋(もしくは発熱剤)とが互いに接触した状態で上下に重ねて配置されている。このような従来の加熱具を長期に保管すると、水袋を透過する僅かな水分が発熱剤に接触したり、あるいは水袋に収容された水が外部に水蒸気として透過し、この水蒸気の大部分が水密容器の内部の空間に拡散することなく水袋に重ねて配置された発熱剤袋に侵入して発熱剤に接触したりするため、加熱具を使用する前に発熱剤の反応が進行する場合がある。このため、加熱具を長期に保管すると、使用時に水袋の開封により放出された水が発熱剤と接触してから、発熱剤が十分に高い温度に到達して高温水蒸気の発生が開始するまでの時間が長くなり、また使用時に得られる発熱量が低下する傾向にある。
上記の理由から、長期に保管された加熱具を組み込んで作製した食品加熱容器、あるいは加熱具を組み込んでから長期に保管された食品加熱容器を用いると、使用者が長尺状の開封具を引っ張って水袋を開封してから、高温水蒸気が発生して食品の加熱が開始されるまでに時間がかかり、食品の加熱に必要な時間が極端に長くなったり、また加熱具の発熱量が不足して食品を十分に高温に加熱できなくなったりする場合がある。
また、従来の加熱具を用いると、食品加熱容器の厚み(高さ)が極めて大きくなるという問題も生じる。食品加熱容器は、食品トレイの下に加熱具が配置されるため、その厚みが大きくなることは避けられない。しかしながら、食品加熱容器の厚みが、食品トレイの厚みよりも大きくなるほど、使用者に食品加熱容器が上げ底であるために食品トレイに収容されている食品の量が少ないとの誤解を生じ易い。
本発明の課題は、厚みが小さく、そして長期に保管した場合でも使用の際に短時間で発熱を開始し且つ十分に大きな発熱量を示す加熱具を提供することにある。
本発明の課題はまた、厚みが小さく、そして長期に保管した場合でも使用の際に食品を短時間で且つ十分に高温に加熱可能な食品加熱容器を提供することにもある。
本発明は、水との接触により発熱する発熱剤及び易引裂性水袋が長さ方向に並べて収容されていて上面が易引裂性フィルムで被覆されている水密容器と、水密容器上面の長さ方向の一方の端部近傍から水密容器の他方の端部を超えるように外部に引き出されている前記の水密容器の易引裂性フィルム及び水袋を引裂開封する長尺状の開封具とを備え、
前記の水密容器の発熱剤が収容されている領域と水袋が収容されている領域とが、易引裂性水袋の開封により放出される水が発熱剤の収容領域に流入できる水の通路を備える仕切り板により区画されていることを特徴とする加熱具にある。
本発明の加熱具の好ましい態様は、次の通りである。
(1)水密容器の水袋の収容領域の底板の上面が、発熱剤の収容領域の側に向かって下降する傾斜面を形成している。更に好ましくは、仕切り板が、仕切り板の水袋の収容領域の側の側面の底辺が前記の水の通路の側に向かって下降するように傾斜した状態で水密容器の底板に立設されている。
(2)発熱剤が透水性の袋体に収容されている。
(3)水袋の上面に支持板が固定され、そして長尺状の開封具が、前記の水密容器上面の一方の端部近傍を通って、水密容器の内部にて支持板の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋の下を通って水袋の端部にて折り返されて水袋と支持板との間を通るか、あるいは水袋と支持板の間を通って水袋の端部にて折り返されて水袋の下を通るかしたのち、支持板の前記水袋の端部とは逆側の端部近傍に固定されている。更に好ましくは、前記の支持板が、仕切り板の水の通路を通って発熱剤の収容領域にまで延びる延長部を備える。
(4)水袋の下面に支持板が固定され、そして長尺状の開封具が、前記の水密容器の上面の一方の端部近傍を通って、水密容器の内部にて水袋の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋と支持板の間を通って水袋の端部にて折り返されて水袋の上を通ったのち、支持板の前記水袋の端部とは逆側の端部近傍に固定されている。
本発明はまた、前記の加熱具を底部に収容している、上面が開口し、側壁に前記加熱具の開封具の引き出し用の透孔を有する箱体、加熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、前記の加熱具の開封具が箱体の側壁の透孔から外部に引き出されている食品加熱容器にもある。
本発明の食品加熱容器の好ましい態様は、次の通りである。
(1)食品トレイが、食品トレイの底面と加熱具の上面の周縁部との間、そして食品トレイの側壁の頂部と蓋体の下面との間のそれぞれに間隙が形成された状態で箱体により支持され、そして食品トレイの側壁と箱体との間に、前記の両者の間隙を結ぶ気体通路が形成されている。
(2)箱体が、食品トレイを前記気体通路を構成するための間隙が形成された状態で支持する支持具を備える。
(3)箱体が紙製である。
なお、本明細書において、水密容器の長さ方向とは、発熱剤と水袋とを並べる方向を意味する。
本発明の加熱具は、発熱剤と水袋とを水密容器の底部に並べて配置するために厚みが小さく、また水密容器の発熱剤が収容されている領域と水袋が収容されている領域とが仕切り板により区画されていて、長期に保管した場合の水袋を透過する水分あるいは水蒸気と発熱剤との反応が抑制されているため、使用の際に短時間で発熱を開始し且つ十分に大きな発熱量を示す。従って、前記の加熱具を備える本発明の食品加熱容器は、厚みが小さく、そして長期に保管した場合でも使用の際に食品を短時間で且つ十分に高温に加熱することができる。
先ず、本発明の加熱具を、添付の図面を用いて説明する。図1は、本発明の加熱具の構成例を示す一部切り欠き斜視図である。図2は、図1の加熱具10の分解斜視図である。そして図3は、図1に記入した切断線III−III線に沿って切断した加熱具10の断面図である。
図1〜図3に示す加熱具10は、水との接触により発熱する発熱剤11及び易引裂性水袋16が長さ方向に並べて収容されていて上面が易引裂性フィルム17で被覆されている水密容器18と、水密容器18の上面の長さ方向の一方の端部近傍から容器18の他方の端部を超えるように外部に引き出されている、水密容器18の易引裂性フィルム17及び水袋16を引裂開封する長尺状の開封具20とを備えており、そして水密容器18の発熱剤11が収容されている領域21と水袋16が収容されている領域22とが、易引裂性水袋16の開封により放出される水14が発熱剤の収容領域21に流入できる水の通路23を備える仕切り板24により区画されていることに大きな特徴がある。
後に詳しく説明するように、図1〜図3に示す加熱具10の長尺状の開封具20の先端部20aの側を図3に記入した矢印が示す方向に引っ張ると、この開封具20により、先ず易引裂性フィルム17が引き裂かれて水密容器18が開封され、次いで易引裂性水袋16が引き裂かれて開封される。そして水袋16から流れ出た水14と、透水性の袋体12に収容されている発熱剤11とが接触そして反応することにより高温水蒸気が発生する。この高温水蒸気は、前記の開封具20での引き裂きにより易引裂性フィルム17に形成された開口から水密容器18の外部に拡散する。この高温水蒸気は、例えば、加熱具10の上に配置された食品トレイに収容された食品を加熱するために利用される。
発熱剤11としては、水との接触により発熱する公知の発熱剤、例えば、生石灰粉末、あるいは生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物などを用いることができる。
生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる発熱剤は、例えば、特開2001−226668号公報に詳しく記載されている。また、より大きな発熱量を得るために、発熱剤(あるいは水袋に封入する水)に塩化ナトリウム等を添加することも好ましい。塩化ナトリウム等を添加した発熱剤については、例えば、特開2006−152090号公報に詳しく記載されている。
発熱剤11は、例えば、不織布あるいは和紙などから形成された透水性の袋体12に収容されていることが好ましい。この袋体12の「透水性」とは、発熱剤11を袋体12の外部に大量には透過させず、かつ内部に水を透過させことができる程度の透水性を持つことを意味する。
このように、透水性の袋体12に発熱剤11を収容した構成の発熱剤袋13を用いると、発熱剤11の取り扱いが容易になる。また、発熱剤11が水密容器18の水の通路23を通って水袋の収容領域22に移動することを防止することができる。
易引裂性水袋16は、発熱剤11に接触させる水14を易引裂性袋体15に収容した構成を有している。
易引裂性水袋16は、前記のように使用者が長尺状の開封具20の先端部20aの側を引っ張ることにより容易に引き裂くことができる程度の引裂性(易引裂性)を持つことが必要である。水袋16の易引裂性袋体15には、開封具20による引き裂きを補助する切り込み15aが設けられていてもよい。
易引裂性袋体は、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、もしくはポリ塩化ビニル樹脂フィルムなどの樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂フィルムのうちの二以上を積層した積層樹脂フィルムから形成される。樹脂フィルムは、易引裂性水袋の引き裂きを容易にするため、一軸延伸処理されたものであることが好ましい。
また、易引裂性袋体の透湿度が高いと、加熱具を長期に保管した場合に、袋体に収容されている水が外部に水蒸気として透過して、この水蒸気が水密容器に収容されている発熱剤に接触し易くなる。このため、易引裂性袋体は、低い透湿度を示す樹脂フィルム(あるいは積層樹脂フィルム)から形成することが好ましい。樹脂フィルムの透湿度は、フィルムの厚みや材料の選定によって容易に調節することができる。
易引裂性袋体は、アルミニウム層などの金属層が積層された樹脂フィルム(以下、金属層付き樹脂フィルムという)から形成することが好ましい。易引裂性袋体を金属層付き樹脂フィルムから形成すると、金属層により水蒸気の透過が抑制されるため、樹脂フィルムの厚みを小さくすることができる。このため、易引裂性袋体を、低透湿度を示し且つ容易に引き裂くことができる厚みの薄いフィルムから形成することができる。
このような理由により、加熱具10の水袋16の易引裂性袋体15を形成するフィルム(および易引裂性フィルム17)としては、厚みが12μmのアルミ蒸着ポリエステルフィルムの蒸着面に、厚みが60μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした構成の市販の金属層付き樹脂フィルム(透湿度:0.2g/(m2・24時間))が用いられている。
前記の発熱剤11と易引裂性水袋16とは、上面が易引裂性フィルム17で被覆されている水密容器18に、容器18の長さ方向に並べられた状態で収容される。前記のように、水密容器18の長さ方向は、発熱剤11と水袋16とを並べる方向を意味しており、水密容器18の長さ方向のサイズと幅方向(長さ方向に垂直な方向)のサイズとの大小により定まるものではない。
この水密容器18の発熱剤11が収容されている領域21と水袋16が収容されている領域22とは、易引裂性水袋16の開封により放出される水14が発熱剤の収容領域21に流入できる水の通路23を備える仕切り板24により区画されている。この仕切り板24は、水密容器18の底板に立設された一対の壁体24a、24bから構成され、両者の壁体24a、24bの間に水の通路23が形成されている。
前記のように、従来の加熱具は、水袋と発熱剤袋(もしくは発熱剤)とが互いに接触した状態で上下に重ねて配置されている。このような従来の加熱具を長期に保管すると、水袋を透過する僅かな水分が発熱剤に接触したり、あるいは水袋に収容された水が外部に水蒸気として透過し、この水蒸気の大部分が水密容器の内部の空間に拡散することなく水袋に重ねて配置された発熱剤袋に侵入して発熱剤に接触したりするため、加熱具を使用する前に発熱剤の反応が進行する。このため、加熱具を長期に保管すると、使用時に水袋の開封により放出された水が発熱剤と接触してから、発熱剤が十分に高い温度に到達して高温水蒸気の発生が開始するまでの時間が長くなり、また使用時に得られる発熱量が低下する傾向にある。
その一方で、加熱具10のように、水密容器18の発熱剤の収容領域21と水袋の収容領域22とが仕切り板24によって区画されていると、加熱具10を長期に保管した際に水袋16の外部に僅かに水分が透過した場合であっても、この水分が発熱剤11に接触することはなく、また水袋16の水14が外部に水蒸気として透過した場合であっても、この水蒸気の多くは水密容器18の内部の空間(水袋の収容領域22)に拡散され、そして水袋の収容領域22を形成する水密容器18の側壁の内側面、易引裂性フィルム17の下面、あるいは仕切り板24の水袋の収容領域22の側の側面に接触して付着するため、このような水分あるいは水蒸気と発熱剤11との反応が抑制される。このため、加熱具10は、長期に保管した場合でも使用の際に短時間で発熱を開始し且つ十分に大きな発熱量を示す。
また、加熱具10は、発熱剤11を収容した発熱剤袋13と水袋16とが水密容器18の長さ方向に並べて配置されるため、その厚みを極めて薄くすることができる。例えば、加熱具10の厚みは、発熱剤袋と水袋とが重ねて配置された従来の加熱具の厚みの概ね二分の一にする(発熱剤袋の厚みだけ薄くする)ことができる。
水密容器18や仕切り板24は、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表される樹脂材料から形成される。水密容器18と仕切り板24とは、互いに一体に形成されていてもよい。
仕切り板は、前記の水の通路を備えていれば特にその構成や形状に制限はない。例えば、図2に示す仕切り板24は、その壁体24a、24bが各々の上部にて互いに連結されていてもよい。また、仕切り板として、水密容器の底板の上面との間に間隙(水の通路)が形成された状態で水密容器の側壁から突き出された壁体を用いることもできる。また、発熱剤が透水性の袋体に収容されていない場合には、仕切り板として、水密容器の底板に立設された複数の小孔(水の通路)を備える壁体を用いることもできる。
易引裂性フィルム17は、水袋16の袋体15の場合と同様に、使用者が長尺状の開封具20を手で引っ張ることにより容易に引き裂くことができる程度の引裂性(易引裂性)を持つことが必要である。易引裂性フィルム17としては、前記の水袋16の袋体15を形成するフィルムとして例示したものを用いることができる。
易引裂性フィルム17には、長尺状の開封具20を外部に引き出すための切り込み17aが形成されている。易引裂性フイルム17には、前記の切り込み17aに代えて、長尺状の開封具20を引き出すたの孔が形成されていてもよい。
水密容器18の易引裂性フィルム17と水袋16とを引裂開封する長尺状の開封具20としては、長尺状の紐、あるいは長尺状のテープが用いられる。長尺状のテープは、例えば、樹脂フィルムや合成紙から形成することができる。
図1〜図3に示すように、水密容器18の水袋の収容領域22の底板の上面18aは、発熱剤の収容領域21の側に向かって下降する傾斜面を形成していることが好ましい。これにより、水袋16の開封により放出される水の大部分は、前記の水の通路23を通って発熱剤の収容領域21に流入する。このため、発熱剤11を十分な量の水と接触そして反応させて効率良く発熱させることができる。
前記の底板の上面18aが形成している傾斜面の角度(図2:α)は、1乃至45度(特に1乃至30度)の角度の範囲にあることが好ましい。この角度αが45度を超えると加熱具の厚みが極端に大きくなり、その一方で角度αが1度未満であると水袋の開封により放出された水が発熱剤の収容領域に十分に流れ込み難くなる。
また、図2に示すように、仕切り板24、すなわち仕切り板24を構成する壁体24a、24bは、その水袋の収容領域22の側の側面25a、25bの底辺26a、26bが水の通路23の側に向かって下降するように傾斜した状態で水密容器18の底板に立設されていることが更に好ましい。これにより、水袋16の開封により放出される水が、仕切り板24を構成する壁体24a、24bの側面25a、25bの底辺26a、26bの近傍に留まることなく発熱剤の収容領域21に流入する。
本発明の加熱具では、図3に示す加熱具10のように、長尺状の開封具20が、水密容器18の上面の長さ方向の一方の端部近傍から容器18の他方の端部を超えるように外部に引き出される。以下、本発明の加熱具の構成の理解を容易とするため、前記の水密容器の一方の端部(開封具が引き出されている端部)の側を後方側、そして他方の端部の側を前方側と記載する。すなわち、図3に示す加熱具10の場合には、水密容器18の一方の端部(開封具20が引き出されている図にて右端部)の側が後方側であり、そして他方の端部(図にて左端部)の側が前方側である。
図3に示すように、加熱具10の水袋16の上面には支持板27が固定され、そして長尺状の開封具20が、前記の水密容器18の上面の一方の端部(後方側の端部)の近傍を通って、水密容器18の内部にて支持板27の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋16の下を通って水袋16の端部(後方側の端部)にて折り返されて水袋16と支持板27との間を通ったのち、支持板27の前記の水袋16の端部とは逆側(前方側)の端部近傍に固定されていることが好ましい。
例えば、前記の特許文献1に記載されているような公知の加熱具では、長尺状の開封具により、水密容器の上面の易引裂性フィルムと、水袋の上下面を構成する二枚のフィルムとを同時に引き裂く必要がある。すなわち、使用者は、長尺状の開封具を十分に大きな力で引っ張って、合計で三枚のフィルムを同時に引き裂く必要がある。
ところが、使用者は、このような加熱具の構造を熟知していないことが多いため、大きな力を加えると長尺状の開封具が切れたり、あるいは加熱具が壊れたりすると誤解して、長尺状の開封具を小さな力で引っ張ったり、あるいは引っ張ることを途中で止めてしまうことがある。このようなことから、前記のような公知の加熱具を食品加熱容器に用いると、使用者により水袋が開封されないことが原因で食品を加熱することができなかったり、あるいは水密容器の易引性フィルムが不十分な大きさで開口され、この開口から外部に拡散した高温水蒸気が加熱具の上に配置された食品トレイの下面の一部分にのみ集中して接触することが原因で食品を均一に加熱できなかったりする場合がある。
その一方で、前記の本発明の加熱具10の長尺状の開封具20の先端部20aの側を前方側(図3に記入した矢印が示す方向)に引っ張ると、この開封具20により、先ず水密容器18の上面の易引裂性フィルム17が引き裂かれて開口する。このように、水密容器18は、長尺状の開封具20に大きな力を加えなくても、その上面の一枚の易引裂性フィルム17を引き裂くだけで簡単に開封することができる。
そして、水密容器18が開封されたのちに、更に長尺状の開封具20を引っ張ると、この開封具20の水袋16の後方側(図3において右側)の端部にて折り返された部分が前方側に移動しながら水袋16を引き裂き、水袋16から水密容器18の内部に水が流れ出る。このように、水袋16は、長尺状の開封具20に大きな力を加えなくても、その上下面を構成する二枚のフィルムを引き裂くだけで簡単に開封することができる。
水密容器18の内部に流れ出た水は、前記の水の通路23を通って発熱剤の収容領域21に流れ込み、次いで透水性の袋体12を透過して発熱剤11に接触し、そして発熱剤11が発熱する。この発熱により生じた高温水蒸気は、水密容器18の易引裂性フィルム17の開口から外部に拡散する。この高温水蒸気は、例えば、加熱具10の上に配置された食品トレイに収容された食品を加熱するために用いられる。
このように、加熱具10においては、長尺状の開封具20によって、先ず一枚のフィルム(水密容器18の上面の易引裂性フィルム17)が引き裂かれ、その次に二枚のフィルム(水袋16の袋体15の上下面を構成するフィルム)が引き裂かれる。すなわち、加熱具10では、使用の際に三枚以上のフィルムを同時に引き裂くことがないため、長尺状の開封具20に大きな力を加える必要はない。このため、このような加熱具10を用いた食品加熱容器は、使用者に長尺状の開封具が切れたり、あるいは加熱具が壊れたりするとの誤解を生じさせることなく開封具を十分に引っ張らせることができるため、食品を確実に且つ均一に加熱することができる。
前記の加熱具10の水袋16と支持板27とは、ステープラの綴じ針28により、支持板27の後方側の端部にて互いに固定されている。支持板27は、使用者により長尺状の開封具20が図3に記入した矢印が示す方向に(すなわち前方側に)引っ張られ、これにより開封具20の水袋16の後方側の端部にて折り返された部分が前方側に移動しながら水袋16を引き裂く際に水袋16を支持する機能を有している。また、前記の仕切り板24によって、水密容器18の内部での支持板27の移動が防止されている。水袋16と支持板27との固定方法に特に制限はなく、例えば、両者を接着テープ(あるいは接着剤)を用いて互いに固定してもよい。
支持板27は、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表される樹脂材料、あるいは厚紙や段ボールに代表される紙材などから形成される。
支持板27には、仕切り板24の水の通路23を通って発熱剤の収容領域21にまで延びる延長部27aが備えられていることが好ましい。前記のように、加熱具10の長尺状の開封具20の先端部20aの側を図3に記入した矢印の側に引っ張ると、水密容器18の易引裂性フィルム17は、このフィルムの後方側(図3にて右側)から前方側へと引き裂かれる。この際に易引裂性フィルム17は、概ね支持板27の前方側の端部、すなわち延長部27aの前方側の端部に対応する位置まで引き裂かれる。すなわち、支持板27の延長部27aの長さの設定により、開封具20での引き裂きにより易引裂性フィルム17に形成される開口のサイズを調節することができる。
例えば、加熱具10の上に配置された食品トレイに収容された食品の全体を加熱したい場合には、長さの長い延長部を持つ支持板を用いる。これにより、開封具20での引き裂きにより易引裂性フィルム17に大きなサイズの開口が形成され、そして前記の開口から水密容器18の外部に広範囲に拡散する高温水蒸気により食品トレイの全体が食品と共に均一に加熱される。また、例えば、食品トレイにご飯と惣菜とが並べて収容され、そして前記のご飯を高温に加熱して、惣菜の加熱を抑制したい場合には、長さの短い延長部を持つ支持板を用いる。そして開封具20での引き裂きにより易引裂性フィルム17に形成される小さなサイズの開口が食品トレイのご飯の収容部の下に配置されるように、加熱具10を食品トレイの下に配置すればよい。
支持板には、一つもしくは二つ以上の開口部が備えられていてもよい。これにより、発熱剤11と水14との接触により発熱剤の収容領域21にて発生した高温水蒸気が、支持板に遮られることなく、前記の支持板の開口部、そして長尺状の開封具20での引き裂きにより易引裂性フィルム17に形成された開口部を通って水密容器18の外部に円滑に拡散するようになる。
なお、長尺状の開封具が、水密容器18の上面の前方側(図3にて左側)の端部近傍から容器18の後方側の端部を超えるように外部に引きだされている場合には、長尺状の開封具は、前記の水密容器18の上面の前方側の端部の近傍を通って、水密容器18の内部にて支持板27の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋16の下を通って水袋16の端部(前方側の端部)にて折り返されて水袋16と支持板27との間を通ったのち、支持板27の前記の水袋16の端部とは逆側(後方側)の端部の近傍に固定される。このように、本発明の加熱具においては、長尺状の開封具は水密容器の上面の長さ方向の何れか一方の端部近傍から外部に引き出されていればよい。また、発熱剤11及び発熱剤の収容領域21と、水袋16及び水袋の収容領域22との配置を入れ替えることもできる。
図4は、本発明の加熱具の別の構成例を示す断面図である。図4の加熱具40の構成は、長尺状の開封具20が、前記の水密容器18の上面の一方の端部(後方側の端部)の近傍を通って、水密容器18の内部にて支持板27の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋16と支持板27の間を通って水袋16の端部(後方側の端部)にて折り返されて水袋16の下を通ったのち、支持板27の前記の水袋16の端部とは逆側(前方側)の端部近傍に固定されていること以外は図3の加熱具10と同様である。
図4の加熱具40もまた、長尺状の開封具20の先端部20aの側を図に記入した矢印が示す方向に引っ張ることにより、先ず易引裂性フィルム17が引き裂かれて水密容器18が開封され、次いで水袋16が引き裂かれて開封される。従って、加熱具40を食品加熱容器に用いることにより、使用者に開封具20を十分に引っ張らせることができるため、食品を確実に且つ均一に加熱することができる。
図5は、本発明の加熱具の更に別の構成例を示す断面図である。図5の加熱具50の構成は、水袋16の下面に支持板57が固定され、そして長尺状の開封具20が、前記の水密容器18の上面の一方の端部(後方側の端部)の近傍を通って、水密容器18の内部にて水袋16の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋16と支持板57の間を通って水袋16の端部(後方側の端部)にて折り返されて水袋16の上を通ったのち、支持板57の前記の水袋16の端部とは逆側(前方側)の端部近傍に固定されていること以外は図3の加熱具10と同様である。
図5の加熱具50もまた、長尺状の開封具20の先端部20aの側を図に記入した矢印が示す方向にを引っ張ることにより、先ず易引裂性フィルム17が引き裂かれて水密容器18が開封され、次いで水袋16が引き裂かれて開封される。従って、加熱具50を食品加熱容器に用いることにより、使用者に開封具20を十分に引っ張らせることができるため、食品を確実に且つ均一に加熱することができる。
図6は、本発明の加熱具の更に別の構成例を示す断面図である。図6の加熱具60の構成は、長尺状の開封具20が、前記の水密容器18の上面の一方の端部(後方側の端部)の近傍を通って、水密容器18の内部にて水袋16の下面を横断したのちに支持板57の前方側の端部近傍に固定されていること以外は図5の加熱具50と同様である。
図6の加熱具60では、前記の特許文献1の加熱具の場合と同様に、長尺状の開封具20の先端部20aの側を図に記入した矢印が示す方向に引っ張ることにより、水密容器18の上面の易引裂性フィルム17と、水袋16の上下面を構成する二枚のフィルムとを同時に引き裂く必要がある。しかしながら図6の加熱具60は、図1〜図5に示す加熱具と比較して組み立てが容易で、そして長尺状開封具20の長さが短いために使用者が開封具20を引っ張る距離が短くて済むという利点を有している。
次に、本発明の加熱具を備える食品加熱容器について説明する。
図7は、本発明の食品加熱容器の構成例を示す分解斜視図である。そして図8は、図7に記入した切断線VIII−VIII線に沿って切断した食品加熱容器70の断面図である。但し、図8の食品加熱容器70は、箱体78の蓋体79を閉じた状態で記入してある。
図7及び図8に示す食品加熱容器70は、前記の図1〜図3に示す加熱具10を底部に収容している、上面が開口し、側壁に加熱具10の開封具20の引き出し用の透孔78aを有する箱体78、加熱具10の上に配置されている食品トレイ71、そして箱体78の開口を塞ぐ蓋体79から構成されており、そして前記の加熱具10の開封具20が箱体78の側壁の透孔78aから外部に引き出されている。
食品加熱容器70は、前記の本発明の加熱具10を備えているため厚みが小さく、そして長期に保管した場合でも使用の際に食品を短時間で且つ十分に高温に加熱することができる。
図8に示すように、本発明の食品加熱容器70においては、食品トレイ71が、食品トレイ71の底面と加熱具10の上面の周縁部との間、そして食品トレイ71の側壁の頂部と蓋体79の下面との間のそれぞれに間隙81a、81bが形成された状態で箱体78により支持され、そして食品トレイ71の側壁と箱体との間に、前記の両者の間隙を結ぶ気体通路82が形成されていることが好ましい。
例えば、特開2007−259966号公報には、食品トレイの底面、および食品トレイの内部を区画する仕切り用の壁体の頂面に、加熱具にて発生した高温水蒸気を透過させる複数の孔部を備える食品加熱容器が開示されている。この食品加熱容器は、食品トレイの下面及び外側側面に高温水蒸気を接触させることにより、食品トレイに収容された食品を加熱する。更に、この食品加熱容器は、食品トレイに収容された食品を、食品トレイの底面の孔部あるいは仕切り用の壁体の頂面の孔部を透過した高温水蒸気に接触させることにより加熱する。しかしながら、この食品トレイの底面の孔部は食品によって塞がれているため、この孔部を透過した高温水蒸気は食品の上側の表面部分にまでは到達し難い。このため、食品トレイの底面の孔部の近傍にある食品が部分的に加熱され易い。また、前記の仕切り用の壁体は、食品トレイの内部を複数の種類の食品が混ざらないように区画する厚みの薄いものであるため、この仕切り用の壁体の頂面に形成することのできる孔部の数には制限がある。このため、食品トレイと蓋体との間の空間に十分な量の高温水蒸気を流入させることは難しい。また、一種類の食品を収容するために用いる食品トレイは仕切り用の壁体を備えていないため、食品トレイと蓋体との間の空間に高温水蒸気を流入させることはできない。
その一方で、前記の気体通路82が形成された食品加熱容器70では、加熱具10にて発生した高温水蒸気は、前記の気体通路82を通って、先ず食品トレイ71の下面に接触し、次いで食品トレイ71の外側側面に接触し、そして食品トレイ71と蓋体79との間の空間に流入して、食品トレイ71に収容された食品の上側の表面部分に接触する。従って、食品トレイ71に収容された食品は、食品トレイ71の底板の側、食品トレイ71の側壁の側、更には上側からも加熱される。このため、本発明の食品加熱容器70を用いることにより、食品トレイ71に収容された食品を極めて均一に加熱することができる。
食品加熱容器70の箱体78には、食品トレイ71を前記気体通路82を構成するための間隙81cが形成された状態で支持する支持具83が備えられていることが好ましい。
支持具83は、各々加熱具10にて発生した高温水蒸気を透過させる開口部84aを持つ合計で四つの側壁部84と、各々の側壁部84の下端から外側へと延びる脚部85とから構成されている。これらの脚部85により、各々の側壁部84の箱体78の内部での配置が固定される。このため、食品トレイ71は、気体通路82を構成するための間隙81cが形成された状態で箱体78の支持具83により支持される。
このように、食品トレイ71を、気体通路82を構成するための間隙81cが形成された状態にて支持具83で支持することにより、前記のように食品トレイに収容された食品の均一な加熱が実現されるのみでなく、更に下記のような優れた効果を示す。
一般に、加熱機能を持たない食品容器は、食品トレイと、食品トレイの上端の開口を塞ぐ蓋体とから構成される。そして食品トレイは、収容する食品の種類や量によって様々な形状やサイズに設定される。例えば、ご飯のみ、あるいは惣菜のみを収容する食品トレイとしては、比較的に小さなサイズのものが用いられ、そして弁当のようにご飯と惣菜とを収容する食品トレイとしては、比較的に大きなサイズのものが用いられる。また、天丼やカツ丼などを収容する食品トレイとしては円形のもの、カレーやスパゲティーなどを収容するトレイとしては楕円形のもの、そして幕の内弁当などを収容するトレイとしては矩形のものが用いられる。
従って、前記の特開2007−259966号公報の食品加熱容器のように、底面あるいは仕切り用の壁体の頂面に孔部を備える食品トレイを用いると、これらの孔部を透過した高温水蒸気を食品の加熱に利用することはできるものの、収容する食品の種類や量によって様々なサイズや形状に設定され、かつ前記の孔部を備える食品トレイを用意する必要がある。このような孔部を備える食品トレイは、前記の加熱機能を持たない食品容器の食品トレイに機械加工によって孔部を形成して作製することができる。しかしながら、薄いフィルムから成形された食品トレイの底部、あるいは仕切り用の壁体の頂面に機械加工によって孔部を形成することは非常に手間がかかり、また機械加工を施した後に食品トレイを洗浄する必要がある。このような食品トレイの機械加工や洗浄を、様々な形状やサイズに設定された多数のトレイに実施することは現実的とは云えない。また、このような食品トレイの機械加工や洗浄を行なわずに、例えば、真空成形機を用いて孔部を備える食品トレイを作製することもできる。しかしながら、食品トレイは、前記のように様々な形状やサイズに設定されるため、高価な真空成形用の金型を多数用意する必要がある。
その一方で、図7及び図8に示すように、支持具83を備える箱体78を用いると、加熱機能を持たない食品容器の食品トレイ(孔部を持たないもの)を支持具83で支持して気体通路82を形成することにより、簡単に且つ低コストで食品加熱容器70を作製することができる。
支持具の材料の例としては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表される樹脂材料、および厚紙や段ボールシートに代表される紙材が挙げられる。厚紙や段ボールシーなどの紙材は、加熱具にて発生する高温水蒸気との接触による強度の低下を抑制するため、耐水加工(例、ワックスの塗布や含浸)が施されていることが好ましい。また、耐水性を向上させるため、紙材の表面にアルミニウム箔に代表される金属箔、あるいは樹脂フィルムを積層することもできる。
食品加熱容器70の支持具83は、一枚の段ボールシートを折り曲げることによって構成されている。このような支持具83は、組み立てが容易であり、そして多数の支持具を展開した状態で重ね合わせて小さなスペースで保管することができる。また、使用後の食品加熱容器を廃棄する際の樹脂廃棄物の発生量を低減することができる。
食品トレイと蓋体との間の空間に流入させる高温水蒸気の量を増加させるため、支持具により、食品トレイをその上面の外周縁部の周方向の長さの30〜100%(好ましくは45〜100%)の範囲内の長さの部位が箱体の内壁面に非接触な状態で支持することが好ましい。食品加熱容器70のように、支持具83により、食品トレイ71をその上面の外周縁部の全体(外周縁部の周方向の長さの100%の長さの部位)が箱体78の内壁面に非接触な状態で支持すると、食品トレイ71の上面の外周縁部の外側から、食品トレイ71と蓋体79との間の空間に、食品の加熱に十分な量の高温水蒸気を流入させることができる。
なお、支持具83を用いない場合には、例えば、食品トレイの上端開口の周縁部から外側に延びる鍔部に複数の孔が形成された食品トレイを用意して、この食品トレイの鍔部を前記の複数個の孔よりも外側の位置にて箱体の上端開口の周縁部で支持することにより、前記の気体通路を形成することができる。但し、このような食品トレイを予め準備する必要がある。
本発明の食品加熱容器において、食品トレイと加熱具とを収容する箱体の材料としては、公知の食品容器あるいは食品加熱容器の箱体を形成する樹脂材料あるいは紙材を用いることができるが、この箱体は紙製であることが特に好ましい。図7及び図8に示す食品加熱容器70には、紙製の箱体78が用いられている。
前記のように、食品トレイは、収容する食品の種類や量によって様々なサイズや形状に設定される。このため、食品トレイを収容する箱体も、食品トレイに応じて様々なサイズや形状に設定される。この箱体を、例えば、樹脂材料を用いて真空成形機で作製するためには、箱体の形状やサイズに応じて高価な真空成形用の金型を多数用意する必要がある。紙製の箱体を用いると、高価な真空成形用の金型を多数用意する必要はなく、また使用後の食品加熱容器を廃棄する際の樹脂廃棄物の発生量を大幅に削減することができる。
また、箱体78の厚みにも依るが、通常は、前記のように食品加熱容器70に紙製の箱体78を用いると、樹脂製の箱体を用いる場合と比較して、使用者が長尺状の開封具20を引っ張った際の箱体の変形量が大きくなる。このような変形が生じると、使用者が長尺状の開封具20に加えた力が箱体78の変形に用いられるため、加熱具の長尺状の開封具20により水密容器や水袋を開封し難くなる。図3〜図5に示す加熱具10、40、50は、何れも使用の際に長尺状の開封具20に大きな力を加える必要がなく、従って前記のような箱体78の変形を抑制することができるため、紙製の箱体を用いた本発明の食品加熱容器に特に好ましく用いることができる。
本発明の加熱具の構成例を示す一部切り欠き斜視図である。 図1の加熱具10の分解斜視図である。 図1に記入した切断線III−III線に沿って切断した加熱具10の断面図である。 本発明の加熱具の別の構成例を示す断面図である。 本発明の加熱具の更に別の構成例を示す断面図である。 本発明の加熱具の更に別の構成例を示す断面図である。 本発明の食品加熱容器の構成例を示す分解斜視図である。 図7に記入した切断線VIII−VIII線に沿って切断した食品加熱容器70の断面図である。但し、食品加熱容器70は、箱体78の蓋体79を閉じた状態で記入してある。
符号の説明
10 加熱具
11 発熱剤
12 透水性の袋体
13 発熱剤袋
14 水
15 易引裂性袋体
15a 切り込み
16 易引裂性水袋
17 易引裂性フィルム
17a 切り込み
18 水密容器
18a 水密容器18の水袋の収容領域22の底板の上面
19 容器本体
20 長尺状の開封具
20a 開封具20の先端部
20b 開封具20の結び目
21 発熱剤の収容領域
22 水袋の収容領域
23 水の通路
24 仕切り板
24a、24b 壁体
25a、25b 壁体の側面
26a、26b 壁体の側面の底辺
27 支持板
27a 延長部
27b 切り込み
28 ステープラの綴じ針
40、50、60 加熱具
57 支持板
70 食品加熱容器
71 食品トレイ
78 箱体
78a 透孔
79 蓋体
81a、81b、81c 間隙
82 気体通路
83 支持具
84 側壁部
84a 開口部
85 脚部

Claims (11)

  1. 水との接触により発熱する発熱剤及び易引裂性水袋が長さ方向に並べて収容されていて上面が易引裂性フィルムで被覆されている水密容器と、水密容器上面の長さ方向の一方の端部近傍から該容器の他方の端部を超えるように外部に引き出されている前記の水密容器の易引裂性フィルム及び水袋を引裂開封する長尺状の開封具とを備え、
    前記の水密容器の発熱剤が収容されている領域と水袋が収容されている領域とが、易引裂性水袋の開封により放出される水が発熱剤の収容領域に流入できる水の通路を備える仕切り板により区画されていることを特徴とする加熱具
    ただし、水袋の上面には支持板が固定され、そして長尺状の開封具が、前記の水密容器上面の一方の端部近傍を通って、水密容器の内部にて支持板の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋の下を通って水袋の端部にて折り返されて水袋と支持板との間を通るか、あるいは水袋と支持板の間を通って水袋の端部にて折り返されて水袋の下を通るかしたのち、支持板の前記水袋の端部とは逆側の端部近傍に固定されている
  2. 水密容器の水袋の収容領域の底板の上面が、発熱剤の収容領域の側に向かって下降する傾斜面を形成している請求項1に記載の加熱具。
  3. 仕切り板が、該仕切り板の水袋の収容領域の側の側面の底辺が前記の水の通路の側に向かって下降するように傾斜した状態で水密容器の底板に立設されている請求項2に記載の加熱具。
  4. 発熱剤が透水性の袋体に収容されている請求項1に記載の加熱具。
  5. 支持板が、仕切り板の水の通路を通って発熱剤の収容領域にまで延びる延長部を備える請求項1に記載の加熱具。
  6. 水との接触により発熱する発熱剤及び易引裂性水袋が長さ方向に並べて収容されていて上面が易引裂性フィルムで被覆されている水密容器と、水密容器上面の長さ方向の一方の端部近傍から該容器の他方の端部を超えるように外部に引き出されている前記の水密容器の易引裂性フィルム及び水袋を引裂開封する長尺状の開封具とを備え、
    前記の水密容器の発熱剤が収容されている領域と水袋が収容されている領域とが、易引裂性水袋の開封により放出される水が発熱剤の収容領域に流入できる水の通路を備える仕切り板により区画されていることを特徴とする加熱具、
    ただし、水袋の下面には支持板が固定され、そして長尺状の開封具が、前記の水密容器の上面の一方の端部近傍を通って、水密容器の内部にて水袋の上面を横断したのちに下方に折り曲げられ、次いで水袋と支持板の間を通って水袋の端部にて折り返されて水袋の上を通ったのち、支持板の前記水袋の端部とは逆側の端部近傍に固定されている。
  7. 水密容器の水袋の収容領域の底板の上面が、発熱剤の収容領域の側に向かって下降する傾斜面を形成している請求項6に記載の加熱具。
  8. 請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載の加熱具を底部に収容している、上面が開口し、側壁に該加熱具の開封具の引き出し用の透孔を有する箱体、加熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、前記の加熱具の開封具が箱体の側壁の透孔から外部に引き出されている食品加熱容器。
  9. 食品トレイが、食品トレイの底面と加熱具の上面の周縁部との間、そして食品トレイの側壁の頂部と蓋体の下面との間のそれぞれに間隙が形成された状態で箱体により支持され、そして食品トレイの側壁と箱体との間に、前記の両者の間隙を結ぶ気体通路が形成されている請求項8に記載の食品加熱容器。
  10. 箱体が、食品トレイを前記気体通路を構成するための間隙が形成された状態で支持する支持具を備える請求項9に記載の食品加熱容器。
  11. 箱体が紙製である請求項8乃至10のうちのいずれかの項に記載の食品加熱容器。
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