JP5013800B2 - 発熱具及び発熱具を備える食品加熱容器 - Google Patents

発熱具及び発熱具を備える食品加熱容器 Download PDF

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Description

本発明は、弁当あるいは惣菜などの食品を収容する食品トレイの下側に配置して、前記食品を加熱するために有利に用いることができる発熱具、および発熱具を備える食品加熱容器に関する。
従来より、弁当あるいは惣菜などの食品を収容する食品トレイの下側に、水との接触により発熱する発熱剤(例、生石灰粉末)を用いた発熱具を配置して、食品トレイに収容された食品を、食前に適温に加熱する方法は知られている。また、このような発熱具を用いて、例えば、日本酒などの飲み物を加熱することも知られている。
図15は、特許文献1に記載されている発熱具の構成を示す分解斜視図である。図15の発熱具70は、上面に開口部を有するケース75、ケース75に収容されている粉末状の発熱剤71、発熱剤71の上に配置されている、水袋破断用の紐73の一方の端部73aが固定された支持材74、支持材の上に配置された水袋72、発熱剤71と空気中の水分との接触を抑制するためにケース75の上端周縁に貼り着けられた防湿シート76、そして防湿シートの上に重ねて貼り着けられた水蒸気透過シート77から構成されている。
この発熱具70の紐73を図15に記入した矢印が示す方向に引っ張ると、防湿シート76と水袋72とが引き裂かれて水袋72から水が流れ出し、この水と接触そして反応することで発熱剤71が発する熱によって水蒸気が発生する。この水蒸気は、紐73によって引き裂かれた防湿シート76の開口、そして水蒸気透過シート77を通ってケース75の外部に噴き出し、食品の加熱に利用される。
図16は、特許文献2に記載されている発熱具の構成を示す斜視図である。図16の発熱具80は、透水性袋体に発熱剤が収容された構成の発熱部材81と水袋82とを収納袋85に封入した構成を有している。この発熱具80の水袋82には、そのシール部82aに切り込み82bを入れて形成したテープ片83が備えられている。
この発熱具80のテープ片83を図16に記入した矢印が示す方向に引っ張ると、収納袋85と水袋82とが引き裂かれて水袋82から水が流れ出し、この水と接触そして反応することで発熱部材81に収容されている発熱剤が発する熱によって水蒸気が発生する。この水蒸気は、テープ片83によって引き裂かれた収納袋85の側端開口から噴き出し、食品の加熱に利用される。
特開2002−360439号公報 実開平5−68434号公報
前記の特許文献1に記載の発熱具は、使用の際に破断用の紐によって、ケースの上端周縁に貼り着けられた防湿フィルム(防湿シート)と、水袋の上下面を構成する二枚のフィルムとを同時に引き裂く、すなわち合計で三枚のフィルムを同時に引き裂く必要がある。
一方、特許文献2の発熱具は、使用を開始した直後には、テープ片によって収納袋の上下面を構成する二枚のフィルムを引き裂くだけでよいが、水袋を開封する際には、前記の収納袋の二枚のフィルムに加え、更に水袋の上下面を構成する二枚のフィルムを同時に引き裂く、すなわち合計で四枚のフィルムを同時に引き裂く必要がある。
このように、これらの従来の発熱具は、使用の際に破断用の紐あるいはテープ片に大きな力を加えながら三枚あるいは四枚のフィルムを同時に引き裂く必要がある。ところが、使用者は、発熱具の構造を熟知していないことが多いため、大きな力を加えると破断用の紐やテープ片が切れたり、あるいは発熱具が壊れたりすると誤解して、破断用の紐やテープ片を小さな力で引っ張ったり、あるいは引っ張ることを途中で止めてしまうことがある。このようなことから、従来の発熱具は、使用者によって確実に水袋を開封させることができないため、食品を加熱することができなかったり、あるいは防湿フィルムや収納袋を確実に且つ十分な大きさで開口させることができないため、不十分な大きさの開口から水蒸気が噴き出して、この水蒸気が食品トレイの下面の一部分に集中して接触して食品を不均一に加熱したりする場合がある。特に、使用者が力の弱い女性や老人あるいは子供である場合に、食品を確実に且つ均一に加熱できない場合が多い。
本発明の課題は、使用の際に用いる長尺状開封具に大きな力を加える必要がなく、そして食品を確実に且つ均一に加熱することができる発熱具を提供することにある。
本発明の発熱具は、水袋、この水袋の上あるいは下に備えられている、水袋を後方側にて固定した状態で支持する支持板、および水袋に封入された水を接触させることで発熱する発熱剤を封入している水密容器、そして水密容器及び水袋をそれぞれ開封するために用いる長尺状開封具などから構成される。そして、本発明の発熱具は、長尺状開封具の一方の端部が支持板の前方側に固定され、この開封具が水袋の周囲を通ったのち(通常は、水袋の周囲を一周したのち)に水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が水密容器の前端を超えるようにされている(長尺状開封具の水密容器の外部に引き出された部分の長さが、上記の他方の端部が水密容器の前端を超えることができる長さに設定されている)ことに主な特徴がある。
熱具は、図1(A)及び図1(B)に示すように、水密容器(図示していない)の内部にて、水袋13の上に発熱剤17が配置されている発熱具と、図1(C)及び図1(D)に示すように、水密容器の内部にて、発熱剤17の上に水袋13が配置されている発熱具とに大別される。
水袋13の上に発熱剤17が配置された発熱具には、図1(A)に示すように水袋13の上に支持板15が備えられている発熱具(以下、第一の構成の発熱具という)と、図1(B)に示すように水袋13の下に支持板15が備えられている発熱具(以下、第二の構成の発熱具という)とがある。同様に、発熱剤17の上に水袋13が配置された発熱具には、図1(C)に示すように水袋13の上に支持板15が備えられている発熱具(以下、第三の構成の発熱具という)と、図1(D)に示すように水袋13の下に支持板15が備えられている発熱具(以下、第四の構成の発熱具という)とがある。なお、図1(A)から図1(D)の各々に示す発熱剤17は、いずれも透水性の袋体16に収容されている。
すなわち、本発明の第一の構成の発熱具は、易引裂性の袋体に水が封入された水袋、中央に開口部を備える支持板、および透水性の袋体に水との接触により発熱する発熱剤が収容された発熱剤袋をこの順に積層し、そして上記の水袋と支持板とを支持板の開口部よりも後方側にて互いに固定してなる積層体が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成されている水密容器、および一方の端部が支持板の開口部よりも前方側に固定され、前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋の下を通るか、あるいは前方側から水袋の下を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と支持板との間を通るかして、上記の支持板の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋の上を通って水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が水密容器の前端を超えるようにされている長尺状開封具から構成される。
本発明に包含されない第二の構成の発熱具は、支持板、易引裂性の袋体に水が封入された水袋、および透水性の袋体に水との接触により発熱する発熱剤が収容された発熱剤袋をこの順に積層し、そして上記の水袋と支持板とを支持板の後方側にて互いに固定してなる積層体が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成されている水密容器、および一方の端部が支持板の前方側に固定され、前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と発熱剤袋との間を通るか、あるいは前方側から水袋と発熱剤袋との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と支持板との間を通るかして、上記の水袋の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋の上を通って水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が水密容器の前端を超えるようにされている長尺状開封具から構成される。
本発明に包含されない第三の構成の発熱具は、水との接触により発熱する発熱剤、易引裂性の袋体に水が封入された水袋、および支持板をこの順に積層し、そして上記の水袋と支持板とを支持板の後方側にて互いに固定してなる積層体が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成されている水密容器、および一方の端部が支持板の前方側に固定され、前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と発熱剤との間を通るか、あるいは前方側から水袋と発熱剤との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と支持板との間を通るかして、上記の支持板の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで支持板の上を通って水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が水密容器の前端を超えるようにされている長尺状開封具から構成される。
そして、本発明に包含されない第四の構成の発熱具は、水との接触により発熱する発熱剤、支持板、および易引裂性の袋体に水が封入された水袋をこの順に積層し、そして上記の水袋と支持板とを支持板の後方側にて互いに固定してなる積層体が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成されている水密容器、および一方の端部が支持板の前方側に固定され、前方側から水袋の上を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と支持板との間を通って、上記の水袋の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで水袋の上を通って水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が水密容器の前端を超えるようにされている長尺状開封具から構成される。
上記の発熱具の好ましい態様は、次の通りである。
(1)第三もしくは第四の構成の発熱具において、発熱剤が透水性の袋体に収容されている。
(2)第三もしくは第四の構成の発熱具において、発熱剤が粉末状の形態を持つ。
(3)第二、第三もしくは第四の構成の発熱具において、支持板がその中央に開口部を備える。
(4)上記の各構成の発熱具において、上記の長尺状開封具の一方の端部と支持板との固定が、当該開封具の端部を結び目を設けて支持板に形成した切り込みに挟んで離脱可能とした仮固定である。
(5)上記の各構成の発熱具において、水密容器が易引裂性の水不透性フィルムから形成された袋体である。
本発明はまた、上記の第一の構成の発熱具を底部に収容している、上面が開口し、前記発熱具の前端側の壁に透孔を有する箱体、発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、前記の発熱具の長尺状開封具の上記他方の端部が箱体の透孔から外部に引き出されている食品加熱容器にもある。
本発明の発熱具の長尺状開封具を引っ張ると、この開封具により、先ず水密容器の上面の水不透性フィルムが引き裂かれて開口し(水密容器が開封され)、その次に水袋が引き裂かれて開封される。これにより、水袋の水は水密容器の内部に流れ出す。この水と接触して発熱剤が発する熱によって生じた水蒸気は、水密容器上面の水不透性フィルムの開口から外部に噴き出し、食品の加熱に利用される。
このように、本発明の発熱具を使用する際には、長尺状開封具によって、先ず一枚のフィルム(水密容器上面の水不透性フィルム)が引き裂かれ、その次に二枚のフィルム(水袋の上下面を構成するフィルム)が引き裂かれる。すなわち、本発明の発熱具においては、使用の際に三枚以上のフィルムを同時に引き裂くことがないため、長尺状開封具に大きな力を加える必要はない。このため、本発明の発熱具は、使用者に長尺状開封具が切れたり、あるいは発熱具が壊れたりするとの誤解を生じさせることなく長尺状開封具を十分に引っ張らせることができるため、食品を確実に且つ均一に加熱することができる。
先ず、本発明の第一の構成の発熱具を添付の図面を用いて説明する。図2は、本発明の第一の構成の発熱具の一例を示す斜視図であり、そして図3は、図2に記入した切断線III−III線に沿って切断した発熱具10の断面図である。また、図4は、図3に示す発熱具10の積層体19aを水密容器22に封入する前の状態を示す斜視図であり、そして図5は、図4に示す積層体19aを分解した状態を示す斜視図である。なお、図3に示す向きに配置された発熱具10において、図の右側を「前方側」と、そして図の左側を「後方側」と云う。
図2〜図5に示す本発明の第一の構成の発熱具10は、易引裂性の袋体11に水12が封入された水袋13、中央に開口部14を備える支持板15、および透水性の袋体16に水との接触により発熱する発熱剤17が収容された発熱剤袋18をこの順に積層し、そして上記の水袋13と支持板15とを支持板15の開口部14よりも後方側にて互いに固定してなる積層体19aが封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている水密容器22、および一方の端部23aが支持板15の開口部14よりも前方側に固定され、前方側から水袋13と支持板15との間を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13の下を通って、上記の支持板15の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋18の上を通って水密容器22の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部23bが水密容器22の前端を超えるようにされている長尺状開封具23から構成されている。
後に詳しく説明するが、この発熱具10の長尺状開封具23を図3に記入した矢印が示す方向に引っ張ると、開封具23によって、先ず水密容器22の上面の水不透性フィルム21が引き裂かれて開口し(水密容器22が開封され)、その次に水袋13が引き裂かれて開封される。これにより、水袋13の水12は水密容器22の内部に流れ出す。この水と接触して発熱剤17が発する熱によって生じた水蒸気は、容器22の上面の水不透性フィルム21の開口から外部に噴き出し、食品の加熱に利用される。
発熱剤17としては、水との接触により発熱する公知の発熱剤、例えば、生石灰粉末、あるいは生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物などを用いることができる。
前記の生石灰粉末とアルミニウム粉末との混合物からなる発熱剤は、例えば、特開2001−226668号公報に詳しく記載されている。また、より大きな発熱量を得るために、発熱剤(あるいは水袋に封入する水)に塩化ナトリウム等を添加することも好ましい。塩化ナトリウム等を添加した発熱剤については、例えば、特開2006−152090号公報に詳しく記載されている。
図3〜図5に示すように、第一の構成の発熱具(及び後に説明する第二の構成の発熱具)のように発熱剤17が水袋13の上に配置される発熱具の場合には、発熱剤17は、例えば、不織布あるいは和紙などから形成された透水性の袋体16に収容される。この袋体16の「透水性」とは、発熱剤17を袋体16の外部に大量には透過させず、かつ内部に水を透過させことができる程度の透水性を持つことを意味している。
このように、透水性袋体16に発熱剤17を収容した発熱剤袋18を用いると、発熱剤17の位置決めが容易になり、発熱剤17を収容した発熱剤袋18を水袋13(及び支持板15)の上方で、かつ使用の際に水密容器22の上面の水不透性フィルム21に形成される開口の真下に配置することができる。このような配置により、水袋13から流れ出した水が発熱剤袋18の内部に侵入し、そして発熱剤17の発熱により水蒸気となって発熱剤袋18の上面から噴き出した際に、この水蒸気が支持板15や開封後の水袋に遮られることなく、使用の際に水密容器22の水不透性フィルム21に形成される開口の全体から均一に噴き出すようになる。また、発熱剤袋18を用いると、発熱剤17の取り扱いが容易になるため、発熱具10を簡単に組み立てることができる。
上記のように、第一の構成の発熱具10の場合には、発熱剤17を収容した発熱剤袋18は、易引裂性の袋体11に発熱剤用の水12を封入した水袋13の上方に配置される。
水袋13の易引裂性の袋体11は、例えば、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、もしくはポリ塩化ビニル樹脂フィルムなどの樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂フィルムのうちの二以上を積層した積層樹脂フィルムから形成される。樹脂フィルムは、水袋の引き裂きを容易にするため、一軸延伸処理されたものであることが好ましい。
この袋体11の「易引裂性」とは、使用者が、長尺状開封具23を手で引っ張った際に加えられる力によって(水12を封入した状態で)袋体11を引き裂くことが可能であることを意味しており、例えば、図3及び図5に示すように、袋体11を、その引き裂きを補助する切り込み11aが設けられた状態で引き裂くことが可能であることも含まれる。
一方、袋体11の透湿度が高いと、発熱具10を製造してから使用する迄の間に、袋体11に封入されている水12が外部に水蒸気として透過して、この水蒸気が水密容器22に封入されている発熱剤17に接触するため、発熱具10を使用する際(食品を加熱する際)に十分な発熱量が得られなくなる場合がある。このため、袋体11は、低い透湿度を示す樹脂フィルム(あるいは積層樹脂フィルム)から形成することが好ましい。樹脂フィルムの透湿度は、フィルムの厚みや材料の選定によって容易に調節することができる。
例えば、駅弁や仕出し弁当の加熱に用いる発熱具は、その製造後に比較的に速やかに使用されるが、災害時に被災者に供給される弁当の加熱に用いる発熱具は、災害に備えて予め大量に製造しておくことが必要であるため、使用する迄に長期間保管される場合が多い。従って、上記の災害時に用いる発熱具の水袋には、駅弁や仕出し弁当用の発熱具の場合と比較して、より低い透湿度を示す袋体を用いることが必要である。
水袋13の袋体11を形成するフィルムとしては、通常、その透湿度が10g/(m2・24時間)以下であるものが用いられ、この透湿度は0.01〜5.0g、更には0.01〜1.5、特に0.01〜0.50g/(m2・24時間)の範囲にあることが好ましい。
前記のように、長期間保管される発熱具(例えば、上記の災害時に用いる発熱具)の場合には、水袋13の袋体11を形成するフィルムの透湿度は0.01〜1.5、特に0.01〜0.50g/(m2・24時間)の範囲にあることが好ましい。このような場合には、水袋13の袋体11を、アルミニウムなどの金属層が積層された樹脂フィルム(以下、金属層付き樹脂フィルムという)から形成することが好ましい。
また、袋体11を金属層付き樹脂フィルムから形成すると、金属層が水蒸気を殆ど透過させないため、樹脂フィルムの厚みを薄くすることができる。このため、袋体11を、低透湿度を示し且つ容易に引き裂くことができる厚みの薄いフィルムから形成することができる。
このような理由により、図3に示す発熱具10の水袋13の袋体11を形成するフィルム(および後述の水密容器22の上面の水不透性フィルム21)としては、厚みが12μmのアルミ蒸着ポリエステルフィルムの蒸着面に、厚みが60μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした構成を持つ市販の金属層付き樹脂フィルム(透湿度:0.2g/(m2・24時間))が用いられている。
なお、本明細書において、水袋13の袋体11を積層樹脂フィルムあるいは金属層付き樹脂フィルムから形成し、長尺状開封具23によって水袋13の上下面を構成するフィルムを引き裂く場合には、引き裂かれるフィルムの枚数は二枚と数える。同様に後に説明する水密容器22の上面の水不透性フィルム21を積層樹脂フィルムあるいは金属層付き樹脂フィルムから形成し、長尺状開封具23によって上記水不透性フィルム21を引き裂く場合には、引き裂かれるフィルムの枚数は一枚と数える。
そして本発明の第一の構成の発熱具10においては、水袋13の上に支持板15が備えられており、この水袋13と支持板15とが、支持板15の開口部14よりも後方側にて互いに固定される。支持板15は、使用者によって長尺状開封具23が図3に記入した矢印が示す方向に(すなわち前方側に)引っ張られ、これにより長尺状開封具23の水袋13の後方にて折り返された部分が前方側に移動した際に(詳細は後述する)、この部分と共に水袋13が水密容器22の内部の前方側に移動して、その引き裂きが困難とならないようにするため、水袋13をその後方側にて支持している。
図3〜図5に示すように、発熱具10の場合には、水袋13と支持板15とは、支持板15の開口部14よりも後方側にて、ステープラの綴じ針24によって互いに固定されている。また、長尺状開封具23を水袋13の袋体11の引き裂きを補助する切り込み11aに通し、そして切り込み11aの端部近傍を綴じ針24で固定しておくと、開封具23が切り込み11aから外れることがないため、水袋13を確実に引き裂いて開封することが可能になる。水袋13と支持板15との固定方法に特に制限はなく、例えば、両者を接着テープ(あるいは接着剤)を用いて互いに固定してもよい。
そして、図3に示すように、本発明の第一の構成の発熱具10の場合には、支持板15として、その中央に開口部14を備えるものが用いられる。仮に、支持板15として開口部を備えていないものを用いると、開封された水袋から流れ出た水が支持板に遮られて発熱剤17に接触し難いからである。
支持板15の開口部14の周縁には、互いに対向配置され、各々開口部の周縁から斜め上方に伸びる一対の発熱剤袋固定板15a、15aが備えられていることが好ましい。図4に示すように発熱剤袋18の左右の各々の端部近傍の部位を、上方から一対の発熱剤袋固定板15a、15aで押さえることにより、発熱剤袋18を水密容器22の内部で移動しないように支持板15に簡単に固定することができる。
なお、発熱剤袋18は、例えば、接着テープを用いて支持板15に固定することもできるが、水との反応によって発熱剤17の体積が膨張した場合に接着テープが剥がれることがある。上記の一対の発熱剤固定板15a、15aを用いると、発熱剤17の体積が膨張した場合であっても、この体積膨張に応じて各々の発熱剤固定板15aが、支持板15の開口部14の周縁との接続部を中心にして上方に折れ曲がり、発熱剤袋18を支持板15に確実に固定し続けることができる。
支持板15は、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂に代表される樹脂材料、あるいは厚紙や段ボールなどから形成される。支持板15は、厚紙もしくは段ボール製であることが好ましい。これにより、支持板15を、上記の一対の発熱剤固定板15a、15aと共に一枚の段ボールシートから容易に組み立てることができるようになり、また発熱具の廃棄も容易になる。
支持板15は、長尺状開封具23を引っ張った際に折れ曲がらない程度の高い強度を持つ必要がある。支持板15の強度は、その材料、厚み、あるいは開口部14の大きさなどによって容易に調節することができる。例えば、上記のように段ボール製の支持板を用いる場合には、支持板15が高い強度を示すように、段ボールのフルートの長さ方向を長尺状開封具23を引っ張る方向(発熱具の前後方向)と一致させることが好ましい。例えば、段ボール製の支持板(そのフルートの長さ方向を長尺状開封具を引っ張る方向に一致させたもの)は、その厚みが1mm程度もあれば十分に高い強度を示す。
そして、上記の水袋13、支持板15及び発熱剤袋18をこの順に積層し、水袋13と支持板15とを互いに固定することで構成される積層体19aは、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている水密容器22に封入される。
水密容器22の上面のフィルム21の「易引裂き性」とは、水袋13の袋体11の場合と同様に、長尺状開封具23によってフィルム21を引き裂き可能であることを意味し、また「水不透性」とは、使用の際に発熱具によって実用的な発熱量が得られる程度に、フィルム21が低い透湿度を持つことを意味する。易引裂性の水不透性フィルム21としては、上記の水袋13の袋体11を形成するフィルムとして例示したものを用いることができる。
水密容器22は、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている限り、その構成に特に制限はない。水密容器22としては、例えば、図2〜図5に示すように易引裂性の水不透性フィルムから形成された袋体を用いてもよいし、あるいは特許文献1に記載されているように上面の開口に易引裂性の水不透性フィルム(防湿シート)が貼り付けられた樹脂製の容器を用いてもよい。
但し、樹脂製の容器を用いると、この容器を成形するために高価な金型を準備する必要がある。水密容器22として易引裂性のフィルムから形成された袋体を用いると、その製造に金型を用いる必要がなく、このため発熱具10が収容される各種の食品加熱容器の形状に応じて水密容器22のサイズ(すなわち発熱具10のサイズ)を柔軟に変更することが可能になる。また、上記の樹脂製の容器は、僅かではあるが水蒸気を透過させる。水密容器22として、例えば、上記の金属層付き樹脂フィルムに代表される極めて低い透湿度を持つフィルムから形成された袋体を用いることにより、水密容器22の内部に水蒸気が殆ど侵入しなくなるため、長期保管性に優れる発熱具を提供することが可能になる。
また、図2〜図5に示すように、上記の水密容器22の水不透性フィルム21には、長尺状開封具23を外部に引き出すための切り込み21aが形成されている。水密容器22としては、上記の切り込み21aに代えて、長尺状開封具23を引き出すための孔部が形成されたものを用いてもよい。
そして、図2〜5に示す本発明の第一の構成の発熱具10においては、水密容器22及び水袋13をそれぞれ開封するために用いる長尺状開封具23は、その一方の端部23aが支持板15の開口部14よりも前方側に固定され、前方側から水袋13と支持板15との間を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13の下を通って、上記の支持板15の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋18の上を通って水密容器22の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部23bが水密容器22の前端を超えるようにされている。
長尺状開封具23としては、図2〜5に示すような長尺状の紐、あるいは長尺状のテープが用いられる。長尺状開封具23として、長尺で且つ広幅(例えば、2〜3cm)のテープを用い、このテープの水密容器22の外部に引き出された部分を水不透性フィルム21の上面に固定することにより、水不透性フィルム21を前記テープに対応する幅にて引き裂いて大きなサイズにて開口させ、この開口からより多くの量の水蒸気を噴き出させることができるようになる。このような長尺状のテープとしては、例えば、樹脂フィルムや合成紙から形成されたものを好ましく用いることができる。
長尺状開封具23の端部23aと支持板15との固定方法に特に制限はなく、例えば、図3〜図5に示すように支持板15の前端部に切り込み15bを設け、この切り込み15bに開封具23の結び目を引っ掛けて固定してもよいし、接着テープやステープラの綴じ針などを利用して固定してもよい。
そして、図2及び図4に示すように、水密容器22の内側に、水袋13、支持板15及び発熱剤袋18から構成される積層体19aと、この積層体19aに備えられた長尺状開封具23とを、開封具23の端部23bの側の一部分が切り込み21aを通して外部に引き出された状態にて収容したのち、例えば、熱融着によって容器22の開口を閉じ、切り込み21aに接着テープ(好ましくは金属層を備える低透湿度を示すもの)25を貼り付け、そして容器22の上面後方側の開封具23が引き出されている部分を公知の樹脂(例、アクリル樹脂系あるいはエポキシ樹脂系の低透湿性を示す接着剤)26で塞ぐことにより、本発明の第一の構成の発熱具10を作製することができる。
次に、この発熱具10を用いた本発明の食品加熱容器の構成を簡単に説明したのち、発熱具10の動作について詳細に説明する。
図6は、本発明の食品加熱容器の構成例を示す部分断面図である。図6の食品加熱容器60は、上記の本発明の第一の構成の発熱具10を底部に収容している、上面が開口し、発熱具10の前端側の壁61に透孔62を有する箱体63、発熱具10の上に配置されている食品トレイ64、そして箱体63の開口を塞ぐ蓋体65から構成され、前記の発熱具10の長尺状開封具23の上記他方の端部23bは、箱体63の透孔62から外部に引き出されている。この食品加熱容器60の箱体63、食品トレイ64及び蓋体65の材料や構成等は、従来の発熱具を備える加熱容器で用いられているものと同様であるため説明は省略する。
図6の食品加熱容器60が備える発熱具10の長尺状開封具23の端部23bの側を前方(図に記入した矢印66aが示す方向)に引っ張ると、図7に示すように長尺状開封具23によって、先ず水密容器22の上面の水不透性フィルム21が引き裂かれて開口する。そして更に長尺状開封具23を引っ張ると、図8に示すように水密容器22の水不透性フィルム21が十分に大きなサイズにて開口する。このように、水密容器22は、長尺状開封具23に大きな力を加えなくても、その上面の一枚の水不透性フィルム21を引き裂くだけで簡単に開封することができる。
このようにして水密容器22が開封されたのちに、更に長尺状開封具23を引っ張ると、図9に示すように長尺状開封具23によって、水袋13がその後方側から引き裂かれ始め、次いで図10に示すように、水袋13が二つに引き裂かれて水袋13から水密容器22の内部に水12が流れ出す。このように、水袋13は、長尺状開封具23に大きな力を加えなくても、その上下面を構成する二枚のフィルムを引き裂くだけで簡単に開封することができる。
そして、水密容器22の内部に流れ出た水12は、透水性の袋体16を透過して発熱剤17に接触し、そして発熱剤17が発熱する。この発熱剤17の発する熱により生じた水蒸気は、水密容器22の水不透性フィルム21の開口から外部に噴き出る。この水蒸気は、図6に記入した矢印66bが示すように、食品トレイ64の周縁部に設けられた透孔64aを通過して、例えば、食品トレイ64に入れたご飯67を加熱したのち、蓋体65に設けられた透孔65aを通って外部に流れ出る。
このように、本発明の発熱具10を使用する際には、長尺状開封具23によって、先ず一枚のフィルム(水密容器22の上面の水不透性フィルム21)が引き裂かれ、その次に二枚のフィルム(水袋13の上下面を構成するフィルム)が引き裂かれる。すなわち、発熱具10においては、使用の際に三枚以上のフィルムを同時に引き裂くことがないため、長尺状開封具23に大きな力を加える必要はない。このため、本発明の発熱具10は、使用者に長尺状開封具が切れたり、あるいは発熱具が壊れたりするとの誤解を生じさせることなく長尺状開封具23を十分に引っ張らせることができるため、食品を確実に且つ均一に加熱することができる。
また、図3〜図5に示すように、発熱具10の長尺状開封具23の上記一方の端部23aは、この端部に設けられた結び目が切り込み15bに挟まれた状態にて支持板15に離脱可能に仮固定されている。このため、図10に示す状態から更に長尺状開封具23を引っ張ると、開封具23の結び目が支持板15の切り込み15bから外れて、開封具23の全体を食品加熱容器60の箱体63の透孔62から外部に引き抜くことが可能になる。このように長尺状開封具23の引き抜きを可能にすると、力の大きさを加減しながら開封具23を引っ張る必要がない。このため、使用者に力の加減によって長尺状開封具23が切れたり、あるいは発熱具10が壊れたりするとの誤解を生じさせることなく開封具23を十分に引っ張らせることができるため、食品を更に確実に且つ均一に加熱することができる。また、食事中に長尺状開封具23が食品加熱容器60の箱体63の透孔62から垂れ下がって邪魔になることもない。
このように長尺状開封具23を引き抜く場合には、図3及び図5に示すように、水袋13は、その前方側の辺が樹脂フィルムを二つ折りにすることで形成され、そして残りの各辺の端部あるいはその近傍にて熱融着された構成を有していることが好ましい。これにより、図9及び図10に示すように長尺状開封具23によって水袋13を後方側から前方側へと引き裂く際に、水袋13の前方側に強度が高く引き裂きにくい熱融着された部分が存在しなくなるため、水袋を容易に二つに引き裂くことができる。水袋が二つに引き裂かれると、使用者が長尺状開封具23を引っ張って、その全体を食品容器60の箱体63の外部に引き抜くことが容易になる。
本発明の食品加熱容器60において、発熱具10は、箱体63の底に固定されていることが好ましい。発熱具10と箱体63とが互いに固定されていると、発熱具10が箱体63の内部で移動できなくなるため、水密容器22の水不透性フィルム21及び水袋13の各々を、長尺状開封具23を用いて更に容易に引き裂くことができる。発熱具10と食品加熱容器60の箱体63とは、例えば、両面接着テープ(あるいは接着剤)により互いに固定することができる。
図11は、本発明の第一の構成の発熱具の別の一例を示す断面図である。図11の発熱具20の構成は、長尺状開封具23の一方の端部23aが支持板15の開口部14よりも前方側に固定され、前方側から水袋13の下を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13と支持板15との間を通って、上記の支持板15の前端を超える位置にて上方に折り曲げられていること以外は図3に示す発熱具10と同様である。このように、長尺状開封具23は、通常は、図3の発熱具10のように前方側から水袋13と支持板15との間を通るか、あるいは図11の発熱具20のように前方側から水袋13の下を通るかして、水袋13の周囲を一周したのちに水密容器22の上面後方側から外部に引き出される。図11の発熱具20の動作については、図3の発熱具10と同様であるため説明は省略する。
次に、第二〜第四の構成の発熱具について説明する。これらの発熱具は、図1を用いて説明したように水袋13、支持板15及び発熱剤17の上下の位置関係に違いがあるだけで、いずれの発熱具においても、長尺状開封具23によって先ず水密容器22が開封され、その次に水袋13が開封される。以下では、第二〜第四の各々の構成の発熱具の構造を図面を参照しながら簡単に説明する。但し、第二〜第四の各々の構成の発熱具の動作については、図3の第一の構成の発熱具10と同様であるため説明は省略する。なお、第二〜第四の各々の構成の発熱具を用いた食品加熱容器は、図6の食品加熱容器の第一の構成の発熱具10に代えて、第二〜第四の各々の構成の発熱具を用いることで同様にして作製することができる。
図12は、本発明に包含されない第二の構成の発熱具の一例を示す断面図である。図12に示す第二の構成の発熱具30は、支持板15、易引裂性の袋体11に水12が封入された水袋13、および透水性の袋体16に水との接触により発熱する発熱剤17が収容された発熱剤袋18をこの順に積層し、そして上記の水袋13と支持板15とを支持板15の後方側にて互いに固定してなる積層体19bが封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている水密容器22、および一方の端部23aが支持板15の前方側に固定され、前方側から水袋13と発熱剤袋18との間を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13と支持板15との間を通って(あるいは前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と発熱剤袋との間を通って)、上記の水袋13の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋18の上を通って水密容器22の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部23bが水密容器22の前端を超えるようにされている長尺状開封具23から構成されている。
第二の構成の発熱具30は、図1(B)を用いて説明したように、水袋13の上に発熱剤17を収容した発熱剤袋18が配置され、そして水袋13の下に支持板15が備えられているものである。図12に示すように、第二の構成の発熱具30の場合には、水袋13の上に直接に発熱剤袋18が積層されているため、支持板15には開口部14が備えられていなくともよい。但し、支持板15に開口部14が備えられていると、水袋13の外に流れ出て支持板15の下に入り込んだ水を、発熱剤17が収容された発熱剤袋18の下面に有効に接触させることができるようになる。
なお、支持板15として開口部14が備えられていないものを用いる場合には、水袋13と支持板15との固定位置を示す「支持板の後方側」とは、支持板15の前端から、後方側に支持板15の前後方向の長さの50%以上(好ましくは70%以上)離れた位置よりも更に後方側であることを意味する。また、長尺状開封具23の一方の端部23aが固定される「支持板15の前方側」とは、支持板15の開封具23の水袋13の後方で折り返された部分に対応する位置から、前方側に水袋13の前後方向の長さの20%以上(好ましくは50%以上)離れた位置よりも更に前方側であることを意味する。
図13は、本発明に包含されない第三の構成の発熱具の一例を示す断面図である。図13に示す第三の構成の発熱具40は、水との接触により発熱する発熱剤17、易引裂性の袋体11に水12が封入された水袋13、および支持板15をこの順に積層し、そして上記の水袋13と支持板15とを支持板15の後方側にて互いに固定してなる積層体19cが封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている水密容器22、および一方の端部23aが支持板15の前方側に固定され、前方側から水袋13と発熱剤17との間を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13と支持板15との間を通って(あるいは前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と発熱剤との間を通って)、上記の支持板15の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで支持板15の上を通って水密容器22の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部23bが水密容器22の前端を超えるようにされている長尺状開封具23から構成されている。
第三の構成の発熱具40は、図1(C)を用いて説明したように、発熱剤17の上に水袋13が配置され、そして水袋13の上に支持板15が備えられているものである。図13に示すように、第三の構成の発熱具40の場合には、水袋13の下に発熱剤17が配置されているため、支持板15には開口部14が備えられていなくともよい。但し、支持板15に開口部14が備えられていると、発熱剤17にて発生した水蒸気が、支持板15の開口部14を通って、使用の際に水密容器22の水不透性フィルム21に形成される開口から十分に噴き出るようになる。仮に支持板15に開口部14が備えられていないと、発熱剤17の発熱により発生した水蒸気が、支持板15の下側からその外側周縁と水密容器22との隙間を通り、その際に水蒸気が冷却されてその一部分が水に戻るため、上記の水不透性フィルム21の開口から噴き出す水蒸気の量が少なくなる。
また、第三の構成の発熱具40(及び次に説明する第四の構成の発熱具50)の場合には、発熱剤17は水密容器22の内側底部に配置されるため、発熱剤17は透水性の袋体16に収容されていなくともよい。但し、透水性袋体16に発熱剤17が収容された発熱剤袋18を用いると、発熱剤袋18、水袋13、そして支持板15が積層された積層体19cを予め用意しておき、これを水密容器22に封入するという簡単な手順によって発熱具40を組み立てることができる。
図14は、本発明に包含されない第四の構成の発熱具の一例を示す断面図である。図14に示す第四の構成の発熱具50は、水との接触により発熱する発熱剤17、支持板15、および易引裂性の袋体11に水12が封入された水袋13をこの順に積層し、そして上記の水袋13と支持板15とを支持板15の後方側にて互いに固定してなる積層体19dが封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルム21で形成されている水密容器22、および一方の端部23aが支持板15の前方側に固定され、前方側から水袋13の上を通って水袋13の後方にて折り返された後に水袋13と支持板15との間を通って、上記の水袋13の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで水袋13の上を通って水密容器22の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部23bが水密容器22の前端を超えるようにされている長尺状開封具23から構成されている。
第四の構成の発熱具50は、図1(D)を用いて説明したように、発熱剤17の上に水袋13が配置され、そして水袋13の下に支持板15が備えられているものである。図14に示すように、第四の構成の発熱具50の場合には、水袋の下に発熱剤が配置されているため、支持板15に開口部14が備えられていなくとも、水袋13から支持板15の上面に流れ出た水は支持板15の周縁外側から下方に流れ落ちて発熱剤17に接触することができる。
しかしながら、仮に支持板15に開口部14が設けられていない場合には、発熱具50を使用する際に長尺状開封具23によって水密容器22を開封し、次いで水袋13を引き裂いた場合に、水袋13から流れ出た水が下方に流れ難いため、その一部分が開封具23で引き裂かれた水密容器22の水不透性フィルム21の開口から外部に漏れ出ることがある。支持板15に開口部14が備えられていると、長尺状開封具23により水袋13が引き裂かれた際に、水袋13から流れ出た水が直ちに支持板15の開口部14を通って支持板15の下側に流れ落ちるため、上記のような水密容器22の外部への水の漏れ出しを防止することができる。また、支持板15に開口部14が備えられていると、上記の第三の構成の発熱具の場合と同様に、発熱剤17にて発生した水蒸気が、支持板15の開口部14を通って水密容器22の水不透性フィルム21に形成された開口から十分に噴き出るようになる。
これまで説明したように、本発明の構成の発熱具、使用の際に長尺状開封具に大きな力を加える必要はない。このため、本発明の発熱具を用いることにより、使用者(特に、女性や老人あるいは子供などの力の弱い使用者)に、弁当や惣菜などの食品を確実に且つ均一に温ためられた状態にて提供することが可能になる。
熱具に用いる水袋13、発熱剤17及び支持板15の積層順序について説明する断面図である。 本発明の第一の構成の発熱具の一例を示す斜視図である。 図2に記入した切断線III−III線に沿って切断した発熱具10の断面図である。 図3に示す発熱具10の積層体19aを水密容器22に封入する前の状態を示す斜視図である。 図4に示す積層体19aを分解した状態を示す斜視図である。 本発明の食品加熱容器の構成例を示す部分断面図である。 図6の食品加熱容器60の発熱具10の動作を説明する図である。 図6の食品加熱容器60の発熱具10の動作を説明する別の図である。 図6の食品加熱容器60の発熱具10の動作を説明する更に別の図である。 図6の食品加熱容器60の発熱具10の動作を説明する更に別の図である。 本発明の第一の構成の発熱具の別の一例を示す断面図である。 本発明に包含されない第二の構成の発熱具の一例を示す断面図である。 本発明に包含されない第三の構成の発熱具の一例を示す断面図である。 本発明に包含されない第四の構成の発熱具の一例を示す断面図である。 従来の発熱具の構成例を示す分解斜視図である。 従来の発熱具の別の構成例を示す斜視図である。
符号の説明
10、20、30、40、50 発熱具
11 易引裂性の袋体
11a 切り込み
12 水
13 水袋
14 開口部
15 支持板
15a 発熱剤袋固定板
15b 切り込み
16 透水性の袋体
17 発熱剤
18 発熱剤袋
19a、19b、19c、19d 積層体
21 水不透性フィルム
21a 切り込み
22 水密容器
23 長尺状開封具
23a 長尺状開封具の一方の端部
23b 長尺状開封具の他方の端部
24 綴じ針
25 接着テープ
26 樹脂
60 食品加熱容器
61 壁
62 透孔
63 箱体
64 食品トレイ
64a 透孔
65 蓋体
65a 透孔
66a、66b 矢印
67 ご飯
70 発熱具
71 粉末状の発熱剤
72 水袋
73 紐
73a 紐の端部
74 支持材
75 ケース
76 防湿シート
77 水蒸気透過シート
80 発熱具
81 発熱部材
82 水袋
82a シール部
82b 切り込み
83 テープ片
85 収納袋

Claims (3)

  1. 易引裂性の袋体に水が封入された水袋、中央に開口部を備える支持板、および透水性の袋体に水との接触により発熱する発熱剤が収容された発熱剤袋をこの順に積層し、そして上記の水袋と支持板とを該支持板の開口部よりも後方側にて互いに固定してなる積層体が封入されている、上面が易引裂性の水不透性フィルムで形成されている水密容器、および一方の端部が支持板の開口部よりも前方側に固定され、前方側から水袋と支持板との間を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋の下を通るか、あるいは前方側から水袋の下を通って水袋の後方にて折り返された後に水袋と支持板との間を通るかして、該支持板の前端を超える位置にて上方に折り曲げられ、次いで発熱剤袋の上を通って水密容器の上面後方側から外部に引き出され、そして他方の端部が該水密容器の前端を超えるようにされている長尺状開封具を含む発熱具。
  2. 上記の長尺状開封具の一方の端部と支持板との固定が、当該開封具の端部を結び目を設けて支持板に形成した切り込みに挟んで離脱可能とした仮固定である請求項1に記載の発熱具。
  3. 請求項1もしくは2に記載の発熱具を底部に収容している、上面が開口し、該発熱具の前端側の壁に透孔を有する箱体、該発熱具の上に配置されている食品トレイ、そして該箱体の開口を塞ぐ蓋体からなり、該発熱具の長尺状開封具の上記他方の端部が箱体の透孔から外部に引き出されている食品加熱容器。
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