JP5361713B2 - ウェハ温度を決定する方法 - Google Patents

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Description

ウェハ温度を決定する方法に関する。
ここで用いられる温度処理チャンバとは、半導体ウェハのような物体を急速に加熱するための装置のことを言う。そのような装置は、典型的には、一またはそれ以上の半導体ウェハまたはその他の物体を支えるための基板ホルダー、および、ヒートランプおよび/または電気抵抗ヒーターのような、ウェハを加熱するためのエネルギー源を有する。加熱期間中、半導体ウェハは、事前にセットされた条件に従って、制御された条件の下で加熱される。
多くの半導体加熱処理は、ウェハを高温に加熱することを要求する。その結果、デバイスに加工されるウェハとして色々な化学的および物理的変化を発生する。例えば、高速熱処理の間、半導体ウェハは、典型的には、約300℃から約1200℃の温度へ、典型的には、数分以下で、光のアレイによって加熱される。これらの過程の間、一つの主たる目的は、できる限り、均一にウェハを加熱することである。
半導体ウェハの高速熱処理の間、ウェハ温度を監視して制御することが望ましい。特に、現在および予測できる将来における関心事である全高温ウェハ処理にとって、ウェハの真の温度を、高い精度、高繰り返し、高速で決定することは重要である。ウェハの温度を正確に測定できる能力は、製造される集積回路の品質およびサイズの点で直接に報われる。
ウェハ加熱システムにおける最も重要なチャレンジの一つは、加熱処理の間、基板の温度を正確に測定する能力である。過去、熱処理チャンバ内の基板の温度を測定するための色々な方法および装置が開発された。そのような装置には、例えば、基板に直接接触する、あるいは、基板の側に置かれる、パイロメータ(高温測定器)、サーモカップル、および、レーザ・インターフェースを含む。
熱処理チャンバ内でパイロメータを使用するために、一般的にパイロメータは較正される必要がある。結局、絶対かつ正確な基準を用いて、パイロメータの温度読み出しをアライメントする色々な較正方法が現在存在する。熱処理チャンバ内のパイロメータを較正するための広く使用されている一つの方法は、ウェハ内に埋め込まれたサーモカップルを有する半導体ウェハをチャンバ内に置くことである。サーモカップルから得られた温度測定が、温度測定装置から受け取った温度読み取りと比較され、如何なる差も修正される。
米国特許出願番号10/178950
Vandenabeele and Maex in J. Appl. Phys 72, 5867(1992) 応用物理学会誌、72巻、5867(1992年) IEEE Transaction Semiconductor Manufacturing 8,346(1995))、Cullen
この方法は、パイロメータのような温度測定装置を較正するには良く適しているが、装置を較正するのに非常に多くの時間を要する。かように、多くの休止時間を生むことなく、熱処理チャンバ内のパイロメータを高速に較正する方法に対する需要が現在存在する。特に、チャンバの保全性と純度を維持するために、チャンバを開ける必要なく、熱処理チャンバ内のパイロメータを較正する方法に対する需要がある。光学的高温測定システムが適切に機能していることを証明するために、規則的なチェックとして、規則的に用いることができる、熱処理チャンバ内のパイロメータを測定するための単純な方法に対する需要もまた存在する。
更には、正確に高温を正しく測定しおよび/または較正することも含み、広範囲の温度に渡って使用できる、熱処理チャンバ内の温度測定およびパイロメータの較正をするための方法に対する需要もある。
温度測定装置を較正する方法は、
較正ウェハの第1のサイドに向かって入射光線を向け、
前記ウェハ内の光路を横切り、反射面で反射した少なくとも一つの光線を有する光エネルギーを検出し、なお、反射面は前記較正ウェハの第1のサイドとは異なる、
検出されたエネルギーに基づきウェハの吸収率を決定し、
その吸収率に基づきウェハの温度を決定する、
ことを含む方法である。
例えば、この反射面は、ウェハの2つの層の間の境界面(インターフェイス)、ウェハの2つの層の間の層、ウェハの2つの層のギャップ、ウェハの第2または裏側のサイドを有していても良いし、そして、パターンあるいは異なる回析格子(grating)を有していても良い。
光エネルギーを検出することは、前記較正ウェハの第1のサイドを既に決定された角度で抜け出す少なくとも一つの光線を検出することを含む。入射線は、入射角度で、そして、ウェハの表面反射を最小にする偏光面に向かう。
前記ウェハは吸収層および基板を含み、この吸収層および基板は、反射面が吸収層と基板の境界面に配置されるように、入射光線の波長の点で異なる反射指数を有する物質から選択されても良い。代替的に、このウェハは、吸収層と基板との間の少なくとも一つの追加の層を有していても良く、反射面はこの追加の層で定義される。吸収層および基板は両方とも、二酸化珪素(silicon dioxide)を有する追加の層を伴って、シリコンを有している、他の物質はその層のいずれかに適しているが。
ウェハは、反射面を定義する回析格子を伴って、吸収層と基板との境界に回析格子を有する。検出された光エネルギーは、回析格子によって回析された光を有していてもよい。
ウェハの第1のサイドは反射防止コーティングを有し、ウェハは反射促進層またはコーティングを有していても良い。なお、反射促進層は反射面を規定する。
ウェハは、吸収層と基板の間にギャップを有していても良い。なお、ギャップは反射面を規定する。
ウェハは、模様のある表側サイド(textured front side)を有していても良い。
ウェハは、反射面とウェハの第1サイドとが、互いに傾いているように構成されていても良い。例えば、吸収層が、吸収層の第1の表面が後ろの表面と平行でないように構成されている、または、吸収層が、テーパー(先細り)形状を有する他の層の天辺に位置していても良い。
向けられる光は、狭幅バンド・ソース(source)または広幅バンド・ソース、または、代替的に他の電磁エネルギー・ソースを有していても良い、を用いて発光されても良い。
1以上の光学エレメントが、ウェハから反射された光エネルギーの選択された一つの部分(成分)を少なくとも一つの検出器に向かうように構成される、および/または、反射された複数の部分(成分)を前記検出器から離れたところに向かうように構成されている。
検出器は、反射面から反射された光を検出する、乃至、或る角度または角度領域で反射された光を検出するように位置決めされていても良いし、一方、第1のサイドから反射された光を検出しない、乃至、他の前もって決められた角度または角度領域で反射された光を検出しないように位置決めされていてもよい。
ウェハは、反射面においてパターン(模様)を有することもできる。そして、ウェハの吸収を決定することは、そのパターンのイメージを得て、パターンのコントラストの度合いを評価するような、そのイメージを分析することを含む。観察するパターンのイメージは、ウェハの第1のサイドから反射された光をブロックするように構成されたフィルターを用いて、質を向上されても良い。
光学的センサーの較正で使用するのに適した較正ウェハは、選択された波長で光の少なくとも一つの成分を吸収するために構成された吸収層および基板を有していても良い。この基板と吸収層は、選択された波長で光の少なくとも一つの成分を反射する反射面が、吸収層の外側表面とは異なる位置に置かれているように、選択され構成されている。
吸収層は、例えばシリコンから成っていても良い。そのウェハは、更に、前記吸収層と基板との間に、少なくとも一つの追加の層を有していても良い。基板がシリコンから成っていても良いし、追加の層が二酸化珪素から成っていてもよい。上述したように、反射面と、ウェハの第1または外側の表面とは、互いに相対的に傾いていてもよい。ウェハの第1のサイドは反射防止コーティング、または、模様化(textured)されていても良い。反射面は、例えば、例えば、反射促進物質の層、フィルム、又はコーティングを有しても良いし、乃至は、模様化された表面、パターン、又はグレーティングを有していても良い。その他の適した物質、例えば、Si,Ge,GaAs,InP,AlAs,GaN,InN,GaP,GaSb,InSb,SiC、diamond、AlGaAs,GaInAsP,InGaN,SiGe,またはSiGeCのような物質が、ウェハ内に使用されてもよい。
温度測定装置を較正するためのシステムには、半導体ウェハを受け取るのに適したRTPチャンバのような、チャンバを含む。ウェハは較正ウェハを含み、チャンバはウェハを加熱するように構成された、チャンバと連絡できる加熱装置を含む。システムは、ウェハの温度を監視するように構成された温度測定デバイスを備え、そして、少なくとも一つの選択された波長を有するエネルギーをウェハに向かって発射するように構成された較正光源を含んでもよい。その光が或る路(path:通路、光路)を通過した後で、選択された波長でウェハから反射された光エネルギーの量を検出するように、少なくとも一つの光検出器が配置されている。なお、前記光路(パス)の少なくとも一つの部分は、ウェハのボディの少なくとも一部分の中に入る。
システムは、光検出器と連絡できる制御器と、検出した光に基づいて温度測定器を較正するように構成された温度測定器とを有している。制御器はコンピュータ・システムを有し、RTPチャンバの他のエレメントも制御するようになっている。光検出器は、写真あるいは他の光学センサーを有している。温度測定器は、パイロメータを有していてもよい。
温度測定器を構成するための方法は、
第1の選択された温度領域のために、較正光源から目標物を介して移動したエネルギーの測定に基づいて目標物の絶対温度を決定することと、
第2の選択された温度領域のために、光が目標物の中での少なくとも一つの反射を有する光路を移動した後で、目標物から反射された光に基づき目標物の絶対温度を決定することを含む。少なくとも一つの温度測定器は、第1及び第2の選択された温度領域における絶対温度からの変化を明らかにするために較正されてもよい。目標物は較正ウェハを有し、温度測定器はパイロメータを有しても良い。
較正プロセスは、第1の選択された温度領域のための上限と第2の選択された温度領域の下限とが、大体同じであり、かつ、透過した光信号における減衰によって規定されるように、構成されている。第1の選択された温度領域のための上限と第2の選択された温度領域の下限とは、どちらも約850℃と等しい。代替的に、第1と第2の温度領域は、少なくとも部分的にオーバーラップする。
目標物の温度を決定する方法には、目標物がコヒレント(干渉性)・エネルギーと反応するように、コヒレント・エネルギーを目標物に向かわせることを含む。この反応には、例えば、そのエネルギーの少なくとも一部分を透過または反射することを含む。本方法は、更に、コヒレントでない(非干渉性)エネルギーに反応するように、コヒレントでないエネルギーを目標物に向かわせることも含む。目標物の絶対温度は、目標物と反応後のコヒレントでないエネルギーの測定に基づき決定することを含む。目標物との反応の後、コヒレントなエネルギーの第1の測定を行い、それに引き続き、目標物との反応の後、コヒレントのエネルギーの第2の測定を行い、この第2の測定は目標物の温度が変化した後で行われる。コヒレントなエネルギーの第1および第2の測定に基づき、目標物内の光路長(optical path length)における変化が決定され、そして、温度変化が、前記光路長の変化に基づき決定される。
目標物の絶対温度を決定することには、目標物から反射されたコヒレントでないエネルギーの測定、および/または、目標物を通過して透過されたコヒレントでないエネルギーの測定に基づき、目標物における吸収度合いを決定することを含む。
コヒレントのエネルギーとコヒレントでないエネルギーの少なくとも一つが、例えば、変調により、時間と共に変化してもよい。
本方法には、温度測定器を用いて目標物の温度を測定すること、および、決定された絶対温度と温度変化に基づき前記温度測定器を較正することを含む。目標物には、半導体プロセス・ウェハまたは較正ウェハを有し、温度測定器はパイロメータを有する。
半導体ウェハの温度を決定する方法は、画像システムを提供し、そして、半導体ウェハの表面の上または中に存在するパターンの画像を得るために前記画像システムを用いること、を含む。ウェハの絶対温度は、画像のコントラストの度合いに基づき決定される。そのパターンは、温度共に変化する光学的特性を有する物質を含むウェハの一部分を介して観察され、その一部分は画像システムとパターンとの間に存在する。
本方法は、更に、半導体ウェハに光エネルギーを向かわせることを含み、そして、パターンの画像がパターンによって反射された、および/またはウェハを介して透過された光源からの光を検出することによって得られる。代替的には、パターンのイメージは、目標物から発光された光に基づいていてもよい。決定された温度は、一以上の、パイロメータのような測定器を較正するために用いられる。
当業者に対する、記載されたクレームを実施するためのベスト・モードを含む、全開示かつ法律的開示について、明細書の残りの部分を、付属の図を参照しながら、更に特別に説明する。ここで、同じ参照番号は同じ機能を意味するように意図している。
図1は例示的なRTPチャンバを描いている。 図2は第1および第2のサイドを含む例示的な物質のスラブを示し、そして、エネルギーA0の光線がスラブの表面に入射するとき、そのスラブで発生するマルチ反射を描いている。 図3は較正ウェハ内の層の配置の一般的例を示している。 図4は例示的較正ウェハ内で発生するマルチ反射を描いている。 図5は反射率測定、および、シミュレートされた反射率測定のプロットを示している。 図6は拡散反射を発生するテクスチャー表面を含む、例示的な物質のスラブを示している。 図7は例示的な物質のスラブと関連する反射を描いている。 図8は少なくとも一つのコーティングまたはフィルムを含む、例示的な物質のスラブと関連する反射を描いている。 図9はギャップを含む、例示的な物質のスラブを描いている。 図10は例示的物質のスラブと例示的表面テクスチャーを示している。 図11は互いに相対的に傾いた表面同士を含む、例示的物質のスラブと例示的光線を描いている。 図12は互いに相対的に傾いた表面同士を含む、例示的物質のスラブと例示的光線を描いている。 図13は例示的なテクスチャー面を有する物質のスラブを描いている。 図14はグレーティング構造を有するスラブ構造の例示的実施例である。 図15は検出のために選択された反射からエネルギーを分離するように構成された、例示的な光焦点配列を示している。 図16はパターンを含む例示的スラブと、そのパターンをイメージするための例示的システムを示している。 図17はパターンを含む例示的スラブと、そのパターンをイメージするための例示的システムを示している。 図18は反射に基づく測定において使用されることに適合した選択領域を含む、例示的な較正ウェハを示す。 図19は例示的な較正ウェハ構造的配列を示す。 図20は例示的な照明および検出配列を示す。 図21は例示的な照明および検出配列を示す。 図22はウェハ温度を決定するための方法のための例示的なステップを有するフローチャートを構成している。 図23はウェハ温度を決定するための方法のための例示的なステップを有するフローチャートを構成している。
現在の主題に対する色々な実施例を詳細に説明する。図面を伴って、1以上の例が描かれており、同じ番号は実質的に同一の構造エレメントを示している。各例は説明のために提供されているものであり、これによって制限を受けるものではない。事実、開示内容や請求項の精神から懸け離れない限り、修正や変更が可能であることは当業者には明らかである。例えば、一つの実施例の部分として描かれ、説明された特徴が、更なる実施例を生み出すため別の実施例において使用されてもよい。したがって、ここでの開示には、記載された請求項およびその等価のものの範囲内に収まる修正や変更が含まれる。
Paul J Timansによって、2002年6月24日に出願され、そして、現出願人によって出願されている、米国特許出願番号10/178950は、ここでは、ここでの全ての目的のために参考として協働している。この出願10/178950は、ウェハを通過して移動する光の測定を行うことを含む、ウェハ温度を推定する色々なアプローチを示している。そのような測定はウェハの製造プロセスを行っているウェハ温度を決定する所で使用されてもよい。一つの例示的な応用は、ウェハ温度を決定し、ウェハ温度を測定するために使用されるパイロメータやその他の温度センサーを較正するために、その温度読みを使用することを含む。較正のために、構造や構成が知られた特別なウェハが、較正プロセスの前に、使用される。その結果、その光学的特性および温度依存性が予測可能である。この場合、光学特性の自然測定がウェハ温度を推定するために使用される。半導体基板の光の吸収率(optical absorption coefficient)α(λ、T)は、しばしば、強い温度依存性を示すので、α(λ、T)の測定が、正しいウェハ温度決定を導くことができる。
光の透過率(transmittance)、S、は、α(λ、T)に依存し、Sの測定がウェハ温度を決定するために使用される。また、光の反射率(reflectance)、R、も、また、α(λ、T)によって影響を受け、その結果、それも温度監視に使用可能である。
ウェハ温度を推定するために透過測定を利用する場合の特別の問題は、900℃以上の温度に対し発生する。この問題は、典型的な厚さ(例えば、200mm直径ウェハで725μm、300mm直径ウェハで775μm)のシリコンウエハで発生する。なぜなら、高温では、シリコンの光吸収率は極めて高く、その結果、ウェハによって伝達される光の量があまりに少なくて正しく測定できないからである。この問題の解決は、薄いウェハを使用するか、薄い部分を有するウェハを使用することである。薄いウェハまたは薄いウェハ領域はシリコンからできているが、その厚さdは、基準的ウェハの厚さ(例えば、d<150μm)よりずっと薄く、その結果、高温でも合理的な位の光の透過(例えば、>10−7)があり、温度が1100℃位と高くても、正確な測定ができる。このアプローチの一つの潜在的問題は、そのような薄い部分、領域は、機械的に壊れやすく、その結果、そのようなウェハの作成は困難で高価になることである。このアプローチの別の潜在的問題は、ウェハのそれぞれ異なる領域では機械的および光学的に異なる、ことによって発生する。較正ウェハの光および熱の特性が均一ではないので、そのウェハは,RTP道具で加熱されている間、不均一に加熱されるかもしれず、そのことが、較正プロセスの間、より複雑な動作につながり、不正確な結果を導き出す可能性がある。一つの代替案は、薄いシリコンウエハを支持するためのトランスペアレント(transparent)基板を使用するか、または、好ましい厚さのシリコン表面コーティングを伴ったトランスペアレント基板のウェハを使用することである。しかし、そのような構造は一般的に高価であり、製作するのに複雑である。更には、それらは、典型的なウェハとは似ていなし、したがって、パイロメータの較正には余り役に立たない。更には、シリコン表面層とトランスペアレント基板との間の熱膨張係数の違いが、基板やフィルムにストレスを引き起こす。そのようなストレスは、ダメージを引き起こし、および/または、シリコンの光特性を変えてしまう可能性がある。
高温でのシリコンウエハの温度を決定するために透過(transmission)測定を使用することは困難なので、現主題の実施例ではウェハからの光の反射に基づく相似の型の温度測定を行う方法を提供する。このアプローチは、ウェハの温度を決定するために色々な方法で使用される。このアプローチは、特に、透過測定が困難な、高温での正確な温度測定が期待できる。
ここで開示される実施例は、一般的に、ウェハの温度を推定するために反射光の測定を利用するものである。反射光測定は、図1で示すように、半導体プロセス・チャンバ内で行われるものである。
図1は例示的RTPプロセス・チャンバ10を示しており、ウェハ12はランプのバンク14と16によって加熱されている。示された例では、ランプのバンクはウェハの上側(14)と下側(16)の両方にある。ウェハは、ウェハ(12)の上側(18)と下側(20)の両方の窓によって周囲から隔離されて、プロセス環境内で支持されている。
当業者であれば、チャンバ10は単にチャンバの典型例であり、ここで開示される実施例は他のチャンバや図1に示す以外の構成のチャンバでも有効であることは理解できる。例えば、ランプがウェハの上と下に示されているが、他のデザインのチャンバの場合には、このことは必ずしも当てはまらない。実際、他の適切なチャンバでは、このランプは他の加熱源によって取って代わられて設置されてもよい。例えば、異なるランプ配列、サセプタ(susceptor)、ホットプレート、あるいは、その他の接触型の加熱アプローチ、誘導加熱、対流加熱,RF、あるいはマイクロ・オーブン源、走査レーザー、粒子ビームなどである。
しかしながら、チャンバ10は、ウェハ以外にも、光学部品、ファイバー、リボン、その他の基板のプロセスに適用してもよいし、この開示で使用される「ウェハ」という言葉は、単に一例であり、その他の特別形状または基板を排除するものではない、ことを理解すべきである。
図1で示されているようにチャンバ内では色々なプロセスが実施され、それにとって、正確な温度測定が望まれていることは、当業者であれば理解できる。例えば、基板の酸化、拡散処理の間、あるいは、修正する、フィルムを付ける、あるいは、基板の表面、および/または他の部分の反応を含むなどの他の処理の間、基板の加熱処理あるいはアニールのために、チャンバは構成され、使用される。他のプロセスが、化学的蒸気デポジションプロセスや原子層デポジションプロセスのような、適切なフィルム・デポジション・プロセスが含まれてもよい。更に、更なるプロセスが、プラズマ・プロセス、イオン・インプランテーション、イオン・インプランテーション・ダメージ・アニーリング、ケイ化物形成、リフロー、基板の上に物質をデポジットすること、あるいは、基板のエッチングを含む。
前記窓は、クオーツガラス、サファイア、ALON、あるいは、ランプからウェハへエネルギーを伝達できるその他の物質からできている。ランプは、壁22を備えたチャンバ内にある。その壁は、ウェハへのランプエネルギーのカップリングを改善するために、ランプ照射を反射する。照射され、反射され、伝達されたエネルギーを監視するための色々なセンサーによって使用されると同じ窓を通して、エネルギーが照射されるように向けられているが、チャンバは、照射され、反射され、伝搬されたエネルギーが監視される窓とは別の窓を通してエネルギーが照射されるように、構成されていてもよい。事実、そのようなセンサーは分離窓を有しており、窓は、システムの測定能力を向上させるために、或る範囲のエネルギーを通過またはブロックするように構成されている。
システムは、プロセスの間、ウェハを監視するための色々なセンサーや光学機器を有していると同時に、ガス入口/出口、冷却システムなどのウェハ・プロセスを実施するためのその他の機器(示していない)を有している。
図1は、機器およびセンサーの例示的構成および例示的な光源30を示している。光源30は、ウェハ上に入射される光線A0を照射することによってウェハ表面を照らすことができる一つの光源又は複数の光源の組み合わせである。反射光線RAは、ウェハの表面からの基本的な鏡面反射(specular refelction)に相当する。光線RAの中の反射エネルギーはセンサー32によって検出される。反射または散乱光線RBは、非鏡面方向(non-specular direction)に反射された光線A0からのエネルギーに相当する。光線A0が、反射光線RAを作る表面に対し相対的に傾いているウェハの表面と出会うなら、そのような光線が生じる。散乱効果または回析効果からもそれは生じる。光線RBの中のエネルギーはセンサー34によって検出される。A0からのエネルギーのいくつかは、ウェハを通過して、透過線Tを形成する。この光線の中のエネルギーはセンサー36によって検出される。センサーはウェハ12自身によって発生されたエネルギーも監視する。例えば、熱いウェハは熱放射を発生する。センサー38は、ウェハの上部表面から発光した光線E1を検出する。センサー40は、ウェハの下部表面から発光した光線E2を検出する。光線A0の角度および色々なセンサーがウェハ表面を見る角度は、望ましいように選択される。更に、光源30によって発射された放射の波長は、望ましいように選択される。
光源30は、レーザーのような狭幅光源、あるいは、ランプ、LED、超蛍光(superluminescent)LED、超連続(super-continuum)光源、又は熱い物体、のような広幅光源である。いくつかの応用では、それは、RF源、マイクロウエーブ源、あるいは、例えば、THz放射源であってもよい。一般的に、それは、100nmと1mの間の波長幅の放射を発生する、電磁放射源である。光源30によって発光される波長幅は、光学フィルターによって選択され、変換されても良い。レーザー源が使用されるとき、その波長は、例えば、レーザーの型の選択により、あるいは、波長可変レーザー又は多波長レーザーを使用することによって、そして、周波数2倍器や混成器のような非線形光学媒体を介してレーザー波長を操作することによって、選択できる。光源30から発光された光の偏光(polarization)の状態もまた制御可能である。偏光した光を作成するレーザー源にとって、これは、ウェハ表面に光線A0を向かわせることに関して、偏光の特別な状態を得るために、レーザーの方向性(orientation)を制御することやビームの方向性を操作することを含む。全ての源30にとって、偏光は、偏光および/または遅延光学素子を使用することによって制御も可能である。源30からのエネルギーの出力は、連続した、パルス状の、あるいは、変調されており、その結果、それは時間とともに変化する。偏光の度合い、向きの角度、波長は、望まれるなら、修正可能である。源30からの照射は、窓を介して通過するように示されているが、光パイプ、波ガイド、あるいは、光ファイバーなどの他の手段によって、プロセス環境に導かれてもよい。いくつかの場合、源30からの照射が、ランプ照射の伝達から選択された窓物質を介して通過できないかもしれない。そのような場合、源30からのエネルギーが通過するのを許可する物質から成る、その窓の分離された部分が含まれてもよい。
フィルターや偏光のエレメントが、センサー32,34,36,38,および40の前の光学系に含まれても良い。そのようなフィルターは、ウェハによって反射され、分散され、伝達され、発射された光線の中で検出されるエネルギーの偏光状態や波長のレンジを決定するために使用される。RTPチャンバ10およびそのコンポーネントは、測定結果を蓄積し処理し、そして、光源や熱源および熱的処理を実行するために用いられる他のコンポーネントを制御するための、一つの制御装置又は複数の制御装置(図示してない)にリンクされている。例えば、光センサーやパイロメータは、ここで開示される色々な方法を実行する、そして、色々なタスクを行うためのアルゴリズムを実行する適切な回路とリンクしている。例えば、以下に説明される色々なセンサーを使用して測定した光に基づきウェハ吸収を計算するように構成されたコンピュータ・システムである。
図2は、エネルギーA0の光が第1の表面52に入射したとき、どのようにして多重反射が物質のスラブ(スラブ状物質: a slab of material)50で発生するかを示している。入射光は、部分的に第1の表面52で反射し、光R1を作るが、しかし、また、部分的には、内部光線A1を作って伝わる。光線A1は、スラブの第2の表面54で反射され、内部的に反射された光線A2を形成する。光線A1からのエネルギーの幾ばくかは、第2の表面54を通過して伝達され、通過光線T1を形成する。光線A2からのエネルギーの幾ばくかは、第1の表面52から再出現し、反射光R2を形成し、このプロセスが繰り返される。反射光R2,R3などの強度は、スラブ内の吸収によって影響を受けるので、反射光強度の測定はウェハ温度に敏感であり、したがって、ここで説明するアプローチは、温度測定のために使用できる。しかし、そのような測定を大変正確に行う為には、いくつかの困難なチャレンジがあるが、それらは、ここで説明するアプローチによって解決できる。ここで述べる考えは、スラブ状の物質内での吸収の強さを推定するために反射光測定が使用されるところの如何なる測定の精度も改善する点における助けとして使用できる。
第1の表面52と第2の表面54を有するスラブ50は、ウェハ、またはウェハ内の層、または前面と後面とを有する他の物体に相当する。特定のシステムの構成に依存して、例えば、前面あるいは上側面が第1の面を、後面あるいは下側面が第2の面を、あるいはそれらの反対を、構成しても良い。それ故、第1の面、第2の面という用語は、この明細書に記載された教えが、色々な方向の目的に等しく適用可能であることを示すために用いられている。
当業者であれば、本願開示内容が、反射、通過、拡散、分散を含む色々な用語を使用していることを理解できる。そのような用語は、光エネルギーのようなエネルギーと、物体または物体の一部との反応を示すことを意味し、その結果、そのような反応の後で、その物体に関する情報が、その光(又は他のエネルギー)の測定に基づき求めることができる。
図3(a)は、上述した高温較正問題のような較正のために使用される較正ウェハ12の一般的例である。放射光を吸収する表面層42(吸収層42または吸収スラブ42とも呼ぶ)があり、表面層42は基板44の上に位置する。表面層42と基板44との間のインターフェイスは、表面層が幾ばくかの光を反射するようなものである。そのような反射を実現するために、基板と表面層の光学的特性は、好ましくは、異なる。例えば、表面層と基板の反射指数は、測定に用いられる波長の点で異なるべきである。しかし、仮に、基板と表面層が同じあったとしても、表面層と基板との間に、層を追加することによって、この要求を満たすことができる。この追加の層の光学的特性が、基板や表面層の特性と異なるならば、光を反射し、要求は満たされる。
後の考えが、どのように実行されるかの一例が、図3(b)に示されている。ここでは、ウェハが、層42と44の間に追加の層46を有している。一実施例では、ウェハは、シリコンーオンーインシュレータ(SOI)ウェハを有している。このSOIウェハは、表面をコーティングした2つの層を備えたシリコン基板を有している。この例の基板44の上の中間層46は、二酸化珪素(silicon dioxide)の層である。上の層42は、シリコンの層である。このようなウェハは、SOITEC(フランス、Bernin)のような会社から、商業的に利用可能である。そのようなウェハは、2つのシリコンウエハを一緒に結合することによって加工される。ここで、それらのウェハの少なくとも一つは、その表面に形成された二酸化珪素の層を有する。結合の後、表面シリコンおよび基板シリコンのどちらか、または両方の厚さが、研磨、エッチング、酸化などの都合の良い手段で薄くされる。そうして、基板の厚さdsub、酸化層の厚さdox、シリコン表面層の厚さdsiが、望むように選択される。これらの層のドーピングも望むように設定される。例えば、結合プロセスによって結合される、2つのウェハのドーピングの特性も、望むように選択される。
SOI構造を使用することによって、基準シリコンウエハの上に比較的薄いシリコン層を形成することが可能となる。そしで、ウェハ温度の正確な測定を得るためのそのような構造の反射に関するシリコンの吸収係数の温度依存性の効果を開発できる。当業者であれば、他のアプローチで、ウェハ温度を測定するSOI構造を作成することを理解できる。しかし、一般的に、これらの場合、反射の温度依存性は、シリコンの屈折率の実部(real part)の温度依存性から発する。屈折率は温度とともに変化するので、シリコンウエハの光学的厚さ(屈折率*物理的厚さ)もまた変化する。光学的厚さが、表面で反射された光と、二酸化珪素インターフェイスで反射された光と、の間の干渉効果の特性を決定する。これらの干渉効果は、シリコン表面層で温度が変化するに従い、反射率の最大と最小の間での振動という結果になる。これは、温度測定のためのアプローチを提供するが、この方法には、いくつかの困難な点がある。特に、ウェハ温度の絶対測定を行うために、シリコンの反射指数とSOIフィルム厚さとを非常な正確さでもって知る必要がある。これは一般的に、高精度で絶対温度を決定するには非現実的アプローチということになる。しかし、そのような方法も、温度変化の正確な測定をするために使用できるし、それらは、更なる利点のために、ここで開示される課題のための方法の実施例と結合することも可能である。
ここから後の考察では、一般的に、SOIウェハ構造を実施例として扱うが、ここで記述されたアプローチによって較正ウェハを作成するために使用される構造は多くあることを認識すべきである。例えば、図3(a)を考えて、吸収スラブ42と基板44に使用される物質として、応用と較正に必要な温度範囲にベスト・フィットするものを選択可能である。同様に、図3(b)に示される構造は、3つの層42,44,46のいずれか又は全部の物質を変更することによって、又は、多層を備えた層42,44,46のいずれか又は全部を変更することによって修正できる。物質の変更には、使用されるエレメント、コンポーネントの変更、アロイ(alloy、合金)の成分の変更、結晶性(透明性)の相又は状態の変更、ドーピング又は不純物濃度の変更を含む。ここでは、いくつかの実施例が考慮されるが、ここでの開示に基づき当業者にとって明らかである、非常に多くの可能性が存在する。
一実施例として図3(a)に示す構造が使用されるが、ここでの、下側の層44は重くドープされた結晶のシリコンで、上側の層42は基板上にエピタキシャルに成長する軽くドープされたシリコンである。この場合、ドーピングの変更は、赤外線照射を反射するインターフェイスという結果になる。そのような構造は非常に魅力的である。その理由は、2つの層の熱的特性の点で素晴らしくマッチし、それによって、加熱の間、熱ストレスの問題が最小化されるからである。高温の較正プロセスの間、ドーパンツがドーピングされていない層に過度に拡散しないために、基板のドーピングは、As,Sb,又はInのような、相当ゆっくり拡散するエレメントを選択する。
図3(b)に示された3層構造と相似する3層構造は、反射インターフェイスを作成するのに役に立つ埋め込まれた層を形成するために、高エネルギーでドーパンツをイオン・インプラントすることによって形成することも可能である。そのような構造は、高集中でドープされた層を形成するためにドーパンツをイオン・インプラントして、その後で、その層の上にエピタキシャル的にシリコンを成長させることによって、形成することも可能である。そのようなアプローチは、軽くドープされた基板の上に重くドープされた層を成長させ、そして、その重くドープされた層の上に軽くドープされた層を成長させることを含む。これら全てのケースにおいて、ドープされた層は、シリコン表面層の下で反射された光線を発生させる、反射率の違いを提供する。別のアプローチは、SiGeアロイ層をシリコン基板の上に成長させ、そして、そのSiGe層の上にシリコン層を成長させることである。図3(b)に示すように、参照符号46は、SiGeフィルムを表している。もう一度主張するが、ここでの利点は、熱膨張の係数の点で、非常にマッチしている。構造は、多結晶またはアモルファス・シリコンを用いて作られる。しかし、そのような物質は、結晶質のシリコンが有する光学的特性に比べ、劣る光学的特性を有するのではあるが。
そのような考えは、吸収スラブ42または基板44としてシリコンの使用に限定される必要はない。他の温度領域をカバーする、反射アプローチを使用するために、他の物質を選択することも適当である。例えば、吸収スラブ42は、Si,Ge,GaAs,GaN,InN,GaP,GaSb,InSb,SiC,ダイアモンドなどを含む半導体物質を有する。それはまた、AlGaAs,GaInAsP,InGaN,SiGeCなどの半導体アロイでもある。そのようなアロイ(合金)の構成は、特別な応用に最適化される。吸収層42は、温度とともに変化する光学的特性の物質であるなら、半導体であることさえ必要ではない。特に、測定波長での吸収係数が温度と共に変化すべきである。同じように、基板44もシリコンである必要はない。基板44は、上記言及した物質のどれかであって良く、絶縁体でも金属であってさえも良い。
もちろん、如何なるそのような例においても、当業者であれば、doxおよびdsiのように描かれた厚さが、使用される実際の厚さに相応することは理解できる。ここで、呼称"ox"および"si"は、ここでは実施例の目的のためのみに使用される。
ここでの開示は、典型的にSOIウェハを使用して実現される、現在の主題の色々な実施例について論じていくことになる。しかし、前述の内容に照らして、SOIウェハで論じることは、あくまで実施例の目的のためにのみのものである。開示された構成、システム、方法を実現する他の物質の使用は、当然、現在の主題のスコープの範囲内である。
図4は、外部光源から、典型的SOIウェハ12に入射する、光線路(パス)A0を示している。入射光の一部はトップ表面で反射され、それは、反射率Rtv,透過率Tを有する。その他の部分は、その表面を通過し、光線A1を形成し、それは、酸化物層46とシリコン・フィルム42と基板44との間のインターフェイスに到達する。この図では、酸化物層は、そこに入射する光線の幾ばくかを反射する単一の面として表現されている。実際には、酸化物層の両インターフェイスで反射される光の成分がある。ここでの考察では、そのような効果は、シリコン・フィルムRoxの下側の表面の反射率におけるそれらのインパクトを考慮することによって、分析に含まれる。一般的に、光線は、酸化物フィルムを通過して、ウェハの裏側表面で反射および通過するが、しかし、ここでの考察では、基板は実質上、不伝搬(不透過、不透明:opaque)であると仮定する。酸化物層で反射された光線は、ウェハ表面52に戻って、そして、脱出し、第2の反射光R2を形成する。光線A2に対する、その表面の反射率はRts’である。一般的に、光線A0は、ウェハに、如何なる入射角θで、そして如何なる偏光状態でも入射できるので、光線の伝搬の完全な分析には、適切な入射角と偏光角を考慮した、全ての反射率と透過率とを必要とする。これは、P−又はS−偏光を伴った光線入射に対する分離した分析を実行することによって成される。一旦、これらのケースの各々(P−,S−)に対する特性が得られると、如何なる状態の伝搬に対する相応の結果は、適切な方法で、P−とS−に対する結果を組み合わせることによって得ることができる。
図4から、当然のことながら、反射光R1の強さは、ウェハ(WF)表側の反射率Rtvによって影響を受ける。その結果、もし、入射光A0が強さIを有するなら、反射光R1はRtvIの強さを有する。基板へ通過した光線は、表側領域を通過してウェハのバルクへ透過したまさにその点においては、強さTIを有する。光線A1は基板を通過するので、光線A1はエネルギーの吸収のために強さを失う。その結果、光線は、酸化物層に到達する、まさにその点では、強さaTIを有する。量aは、シリコン表面フィルムの内部透過率であり、下記によって得られる。
Figure 0005361713
ここで、θiは伝搬の内部角度である。
後者の角度は、光線の方向と、ウェハに対する直角線との間の角度である。光線A2を形成する、酸化物層で反射される、光線の部分は、それが反射されるまさにその点では、強さaToxIを有する。反射光A2が表側に到達したとき、それは基板における吸収の結果更に強さを失い、強さaoxIとなる。光線A3を形成する、表側で反射される、光線A2の部分は、最初、強さabstsIを有している。ここで、表側の表面を通って脱出して伝搬する部分は、光線R2を形成し、それは、強さa bsIである。光線A3の更なる伝搬は、酸化物層での更なる光の反射と透過を形成し、そのような光線の分析は、同じように続く。纏めると、ウェハの表側の表面で反射される全エネルギーは、その反射率RWFから推定でき、反射率RWFは次のように与えられる。
Figure 0005361713
この式は、物質のスラブから反射される光のために、基本式から適応され、それは次ぎのように与えられる
Figure 0005361713
ここで、シンボルは前のように同じ意味を有する。ただし、Rbsは、スラブ内部から、スラブの裏側表面に入射する光線のためのスラブの裏側表面の反射率である。式2を導くために、RbsがRoxで取り替えられる。したがって、SOI構造に基づく較正ウェハを使用した測定改善のためにここで記述される原理は、物質のスラブ内の吸収効果が測定を実行するために利用されるという如何なるアプローチに対しても、一般的に適用できることを認識すべきである。
当業者であれば、式2および式3が、個々の光線R1,R2,R3などの強さは、互いに加算されてもよいという仮定の基に得られる、ことは認識できる。これは、反射率がインコヒレント(非干渉性)であるとして取り扱うことができる光に対して推定されることであるという正当な仮定である。好ましくは、シリコン・フィルムの厚さに対し、測定される光の波長Δλが十分大きいならば、光はインコヒレントとして扱うことができる。一つの判定基準として下記の式がある。
Figure 0005361713
ここで、nsiは、シリコン・フィルムの屈折率である。50μm厚さのシリコン・フィルムでは、波長1.55μmを考えるなら、nsiが〜3.6と仮定するなら、式4は、光をインコヒレントとして扱う為には、Δλが、3nmよりずっと大きい必要があることを示している。もっと厚いフィルムの場合は、要求は緩くなる。例えば、同じ条件で、ただし、300nm直径の基準ウェハの775μm厚さのシリコン層では、Δλは0.2nmより大きい必要がある。もし、検出器に集められる光の波長幅が比較的小さければ、光源はコヒレント(干渉性)であるとして扱う必要がある。これは、反射ビームの強さを加算することによって反射率を得ることはできず、各光線に関係する電場および磁場の振幅をベクトル的に加算する必要がある。一旦この加算が実行されると、反射光の強さは、電磁波伝搬解析で慣用されているポインティング・ベクトル(Poynting vector)から得ることができる。コヒレント光にとって、基板内の光線の伝搬は、電磁波の振幅および位相の両方に関して考える必要がある。この分析は、薄いフィルム光学の基準的方法を使用して実現できる。
光の反射に基づくアプローチが吸収を推定するために使用されるとき、吸収に対するこの方法の感度は、図2と図4のR1とR2として記された光の相対的大きさによって強く影響される。反射率測定のような典型的な反射光測定は、両方の光からエネルギーを集め、そして、図2のR3などのような、より高次の反射からもエネルギーを集める。ここで生じる問題は、第1の反射光(R1)の強さRtvIが、その他の光よりずっと強い場合である。この場合、検出光信号におけるスラブ内の吸収の影響は、検出光信号における第1の反射光の寄与率が他の反射光の寄与率より小さい場合と比較して、減じられる。この問題は、図5に示される結果を通して示されている。
図5(a)は、厚さ775μmで1.55μm波長で、光的にドープされたシリコンのスラブの反射率に関する温度依存性の理論的予測を示している。シリコンの吸収係数は温度と共に変化するので、内部透過率もまた温度と共に変化する。これは、図2のR2およびR3のような光において、ウェハ表面から発散する光の強さに影響する。計算は、垂直入射でウェハに入射された光のために成されたもので、スラブの裏側表面が、反射率Rbs=0.6を形成するコーティングを有していると仮定してなされたものである。表側表面の反射率は、表側表面反射率、Riv=Ris=0.3(グラフの170でプロットされている)または0.0(グラフの174でプロットされている)のために計算されたものである。R2反射の光の一部は、表側表面の反射率が0.3(グラフでは173でプロットされている)である場合のために計算されたものである。波長1.55のα(λ、T)は、(Vandenabeele and Maex in J. Appl. Phys 72, 5867(1992)) 応用物理学会誌、72巻、5867(1992年)で提案されたモデルから計算されたものである。図5(a)と(b)の反射率軸は、ここで考察するケースの動作の違いを強調するため、対数スケールで表されている。
比較的低い温度、400℃以下では、波長1.55μmでシリコンの吸収は非常に少ない。その結果、反射光は温度と共にあまり変化しない。しかし、温度が500℃を超えるに従い、内部伝搬は減少し、800℃を超えるまではR2のような反射光成分の強度は減少し、ウェハは実質不伝搬(不透過)で、R2などは、反射には寄与しない。この傾向は反射の変化を示している(プロット170(Rtv=Rts=0.3)の場合の、400℃までの0.62から、670℃までの0.3へ落ちるまでの場合を示している)。しかし、もし、表側表面の反射率が0.3から0.0へ減じられたら、もっと遙かに急激な反射率の変化が発生することは明らかであろう、(プロット174で示すように)、400℃までの0.55から、670℃までの0.01以下に落ちるように。これは、もし、表側表面の反射率が零であるなら、唯一の反射光は裏側表面の反射から発生する、という理由であり、温度が上昇するに従い、後者は零に向かう。同じ傾向は、光線R2から発生する反射の成分のためのカーブにおいても見られる(172で示される、Rtv=Rts=0.3の場合)、それは400℃までの0.27から、650℃までの0.01以下まで落ちる。
温度に対する感度の違いの効果は、図5(b)に示される結果で見られる温度測定におけるエラーを変化させる。この図は、図5(a)に示された量に対し測定された温度依存性をシミュレートした例を示す、3つの追加のカーブ(171,173,175)を含んでいる。各カーブは、図5(a)で示された3つのカーブの値の90%から計算されたものである。10%の違いは、測定エラーの効果をシミュレートするために導入されたものである。したがって、相応の理論カーブと比較することによって、如何なる与えられた反射測定のための測定温度を測定することが可能である。例は温度600℃の例を示している。もし、表側表面の反射率0.3のウェハに対する反射率が測定されるなら、反射率において10%エラーは、非常に大きな温度エラー、カーブ170および171で示されるように、最大50℃までの温度エラーΔTを導くことになる。対照的に、表側表面の反射率0.0のウェハの反射率は、10%エラーは、カーブ174と175に示すように、温度エラーΔTである最大6℃にしかならない。同様に、表側表面の反射率0.3のウェハに対する反射光成分R2測定において、カーブ172と173で示すように、10%エラーは温度エラーΔTである最大6℃にすぎない。R1が反射に貢献するエネルギーの量が減じられるなら、および/またはR2のような成分が選択的に測定されるなら、正しい温度が得られるということを、この傾向は示している。
ここで論じられる実施例は、検出された光信号が物質のスラブ内の吸収によって強く影響を受けることを確実にする助けとなる。最初の(第1の)反射光の貢献を比較的小さくすることによって、物質のスラブ内の吸収の、より良い測定を得ることが可能となり、このアプローチがより正確な温度測定を導くことが示されるであろう。
上で指摘したように、表側表面反射の効果の問題は、前からすでに議論されている。例えば、(IEEE Transaction Semiconductor Manufacturing 8,346(1995))で、Cullenなどが、シリコンウエハへのBrewster角入射を使用して、表側表面反射の抑制を論じている。Cullenは、また、表側表面反射を抑制するために、非反射コーティングの応用の可能性も考えている。この応用は、金属化されたウェハの温度を研究することであり、それは、温度測定を基礎にする伝搬が、表側表面の高度の不透明(非伝搬)によって妨害される。しかし、そのようなアプローチは、厚いウェハによって温度範囲が制限される。
それらは、もし、ウェハの裏側表面がラフであるなら、それらは使用が比較的困難である。その理由は、これは光の散乱に繋がり、それは、ウェハ内の吸収および反射を抑制するためのブリュースター(Brewster)角入射アプローチの効果の両方に影響を与えるからである。
すでに研究された別のアプローチは、拡散反射分光学(DRS)である。DRSの原理が図6に描かれている。一般的に、DRSは、ラフな裏側表面を有するウェハにのみ適用できる。それは、ウェハ50’のスムーズな表面52’で鏡のように反射された光を収集しないが、表側表面52’を通過し、ラフな裏側表面54’から散乱反射された光を収集できる光検出システムを構築する。裏側表面から拡散的に散乱された光の一部は、ウェハの表側表面から抜け出し、前記光検出システムによって収集される。図6は、内部光線A1がウェハの裏側のラフな表面から散乱され、A2a、A2b、A2cのような光線を形成する。これらの光線は、R2a、R2bのような拡散的に反射された光線を形成して表面を離れる。光線A2cのような、散乱光線のいくつかは、それらがスラブの表面SFに達したとき、入射角度は、内部全反射に必要な角度を超えるので、それらの光線はウェハから離脱することはできない。検出器は、R2a、R2bで表されるような光を検出できる。これらの光線は、角度θ02a、θ02bでもってウェハ表面を離れ、それは、入射角θと等しい角度θ01で反射される、R1のような鏡的に反射される光とは異なる。入射光線の波長の関数として散乱光信号を測定することによって、分散反射光を収集することは可能である。裏側表面まで到達し、再び反射し、表側表面から抜け出す光線の強さは、基板内の光の吸収によって強く影響を受ける。したがって、DRSは、ウェハ内の吸収に敏感である。このアプローチによって収集される分散反射スペクトラムは、異なる波長における光学的吸収の相対的強さについての貴重な情報を提供し、それはウェハ温度を決定するために使用される。DRSは、商業的に利用可能な、例えば、米国、MI州、Ann ArborのK-space Association, 社製のBandi T 温度モニターで利用可能な、温度測定装置nですでに使われている。
これにも拘わらず、DRSは、現在の主題の内容で記述されている主たる問題を扱わない。なぜなら、一般的にウェハの厚さがDRSには厚すぎ、高温測定をすることができない。更には、DRSを使用するには、いくつかの厄介な問題がある。というのは、裏側表面での光の散乱は、そこでの表面テクスチャー(texture)の性質に依存する複雑な効果である。これは、異なる種類の裏側表面テクスチャーは異なる信号に繋がり、散乱光の大きさや角度分布は予測困難となる。そのような信号の解釈は非常に困難で、したがって、いくつかのケースでは、基板での吸収の正確な測定を実現するために、このアプローチを使用することは困難である。
しかし、ここで開示される、現在の主題に対する実施例に従えば、分光分析のようなアプローチに含まれる問題を避けながら、スラブからの光の反射を測定することによって、スラブ物質内の吸収をセンシングに関する精度を改善するために、多くのアプローチを使用することができる。それらのアプローチは、すでに論じた典型的SOI構造を使用した図によって描かれるが、すでに説明したように、それらは、如何なるタイプのスラブ物質にも応用できる。単純化のために、全ての図には、完全なSOI構造は示されていないが、吸収スラブ42は、入射光が最初に当たる第1の表面52のためのラベル、および、吸収スラブの他のサイドに在る第2の表面54、のためのラベルを介して認識される。上述したように、いくつかの実施例では、第1の表面はスラブの表側表面であり、第2の表面はそのスラブの裏側表面であるが、その配置は特別な具現化に依存して反対となるかもしれない。ここで開示されるいくつかの実施例において、スラブは、更にこの後で論じるように、表面のコーティングやテクスチャーのような他の特性を含む。
図7は、興味の波長において第1表面の反射率(Rtv)を最小にする入射光の入射角および偏光面を選択することによって、第1の表面52の反射率を減ずる、実施例的構成を示している。例えば、入射エネルギーは、P偏光され、入射角はその表面の物質にとってブリュースター角に近い角度である。1.55μm波長およびシリコン表面にとって、適切な角度は、〜75°であろう。表側表面の反射率は、このアプローチによって減じられるので、R2のような光線の相対的寄与は増加され、したがって、反射光信号は、スラブ50内の吸収により敏感になる。そのようなアプローチは、表側表面透過率Ttが増加されるという更なる利点を有し、したがって、R2の強さの大きさは更に増加する。当業者であれば、同じアプローチは、入射光を偏光するよりむしろ、光の反射ビームの中に偏光子を置くことによって具現化できることは分かる。この場合、偏光子は、光検出器がP偏光に相応する光線だけを受け取るように配置される。後者のアプローチはいくつかのケースで利点を有する。例えば、検出器に到達する迷光放射の量を少なくできる。迷光放射は、ウェハによって熱的に発せられたエネルギーから、または、加熱ランプからの放射から生じうる。このアプローチは、入射光がP偏光であるケースと組み合わせ可能である。
図8は、表側表面の反射率を減らすコーティング53を追加することによって、表側表面52の反射率が減らされた構成を示している。この反射防止(AR)膜は、表側表面反射率Rtvを減らし、R2のような光線の相対的寄与を増加し、したがって、反射光信号は、スラブ内の吸収により敏感になる。そのようなアプローチは、また、表側表面の透過率Tを増加させる更なる利点があり、したがって、R2の強さの大きさが更に上昇する。反射防止膜は普通、関心の波長λにおいて非常に透過的(transparent)なフィルムであるべきである。都合のよいフィルムとして、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミ、チタニューム、タンタル、ハフニウム、または、酸化ジルコニームを含まれる。"1/4波長"反射防止膜は、屈折率nAR=(n0.5を有する物質の層を形成することによって、屈折率nsを有する物質の表面に形成することができる。それはmλ/(4nAR)の厚さであり、それは屈折率nを有する媒体内から放射入射を反射率ほぼ零を形成する。ここで、mは奇数の整数である。一例として、入射波長1.55μmの場合、それは194nm厚さの窒化珪素フィルムを使用する。窒化珪素は屈折率〜2を有し、この厚さのフィルムは,1/4波長反射防止膜に対する合理的な近似である。〜180nm厚さの窒化珪素フィルムは、合理的に広範な波長幅に渡り、例えば、〜1.1.と2μmとの間の波長に対し効果的である。これは反射防止膜設計の単なる一例であり、複数の薄いフィルムをもっと複雑に積み重ねたものも同じ効果のために使用される。事実、そのようなコーティングのパフォーマンスは、入射放射光に対する波長幅、入射角度、偏光面に関して最適化される。そのような設計は、従来の薄いフィルムコーティング設計アプローチを用いて成される。
図8は、また、スラブの裏側表面54の反射率が増加する構成の例を示している。このアプローチは、物質のスラブの低い表面で反射された光の量を増加するので効果的である。したがって、それは、R1の強さに比較して、光線R2の強さを増加させる。反射率は多くのアプローチによって増加される。例えば、反射フィルム55は、図8に示されるようなスラブの裏面で形成される。反射フィルムは、金属、ケイ化物、その他の電気伝導物のような、高反射率の物質である。それは、また、スラブ物質の屈折率に対し大きく異なる屈折率を有する物質でもある。それの屈折率は、スラブの屈折率と比べ大きくても小さくてもよい。上記で論じたSOIの場合は、酸化層の屈折率は、〜1.46であり、それは、シリコン・フィルムの〜3.6に対し、大きな違いである。他のフィルムとして、窒化珪素、炭化珪素、酸化アルミニューム、シリコン・ゲルマニューム合金などを用いてもよい。積層フィルムも、また、裏側表面の反射率を増加させるために使用される。その設計には、従来の薄いフィルムコーティング設計アプローチの助けを借りて最適化できる。一つの簡単な例として、SOI構造自身の最適化を介してなされる。この場合、酸化物層の厚さは、できる限り大きな反射率を形成するように選択される。屈折率に関する大きな違いも、シリコン層とその下のシリコン基板との間の間隙(ギャップ)を有することによって得ることができる。なぜなら、そのギャップを埋める如何なる気体物質(または真空)は、1(unity)に近い屈折率を有するからである。
図9は、そのような構成の概略図を示している。この例では、シリコン表面層42は、ギャップ57の厚さdgapを決定するサポート領域56によって、下の基板から離れて保たれている。そのような構造は、シリコン表面層を基板に付着する役目を果たすこともできる。前記サポート領域は、シリコンまたは他の物質で作ることができきる。図9の構造の一つの利点は、複数の層における熱膨張に関し異なる傾向の効果を最小化できることである。異なる物質のフィルムを有する如何なる構造においては、それらの熱膨張係数の違いが、それが熱くなる、又は冷たくなるに従い、熱ストレスに繋がってしまう。そのような熱ストレスは、構造を変形し、その光学的特性を変化させ、望ましくない。図9に示すようなギャップを有する構造を用いることによって、熱膨張の違いの影響は、大きく減少できる。このサポート領域は、柱の列として構成され、これらの柱はウェハの熱膨張とともに自由に動く。したがって、熱ストレスは最小化される。これらの柱はシリコンで作ることさえでき、その場合、その構造の全ての物質が調和して一緒に膨張し、熱ストレスは完全に打ち消される。
図10(a)は、表側表面の反射率が減少する例を示しているが、この場合、反射率は、表側表面52の上に表面テクスチャー58を形成することによって減少される。このテクスチャーは、いくつかの方法で機能する。一つのケースでは、この表面テクスチャーは、反射防止膜と同じ効果を有する。例えば、そのテクスチャーは、効果的光学特性が入射する媒体の光学的特性と、スラブ物質の光学的特性とのミックスの特性である、表面の近くの領域に導入される。このテクスチャーは、(図10(b))表面からの突起の列58’、あるいは、(図10(c))表面の中にある溝の列58"のような、色々な形式がある。これらの溝は第2の物質で埋められる。この列は、規則正しい(図示されているように、ピッチLpでの繰り返しパターン)または自然にランダムである。この列は、細長い溝(grooves)、フィン(fin)のような一次元、または、穴(pit)、柱(pillar)のような2次元である。表面の反射の度合いは、表面の光学的特性が、入射媒体から物質のスラブへ比較的スムーズに変化していくことを確保することによって、減じることもできる。これは、スラブ物質の体積含有率が、入射光が表面領域から物質スラブへ移行するに従い、徐々に増加する形式を表面テクスチャーに取らせることによって、実現できる。例えば、図10(c)は、この効果を実現する、三角形フィン(fine)の列58"’を伴った断面を示している。円錐や角錐形状の突起は、同じ効果を作る。当業者であれば、"段階的反射率"の考えが、薄いフィルム・コーティング・アプローチを展開するとき、表面反射率を減少するために有用であることが分かるであろう。テクスチャー表面からの過度な散乱反射を防ぐために、そのパターンの側面素性の長さスケール(例えば、溝や突起の幅)が、関心事の波長にくらべ小さくすることである。パターンのピッチLpは、測定で使用される光の波長に比べても小さい。
図11は、スラブ42の第1の表面52と第2の表面54とが、一般的に平行ではなく、互いに傾いていることを示している。示した例では、スラブの裏側の表面54と第1の表面52に垂直な方向、例えば、N1とN2、との間の角度θsbは90°より大きい。この場合、反射光R1とR2との方向は正確に平行ではなく、それらは前記垂直に対し別の角度を有する。光線R1は、入射角θと同じ角度θ01で反射し、光線R2は、異なる角度θ02で基板を離れる。なぜなら、第1の表面52への内部入射角は、傾いた裏側表面54から反射されることによって変わってしまうからである。これは、光学システムが光線R1内のエネルギーから光線R2のエネルギーを分離することを、許す。この分離は、図1に示した簡単なアプローチによってなされる。この場合、図1の光線RAは、図11の光線R1に相当し、図1の光線RBは図11の光線R2に相当する。したがって、検出器34は、光線R1からのエネルギーではなく、光線R2からのエネルギーをインターセプトする。それは、鏡面的に反射された成分R1も収集できるという有用な面もある。この信号は、光源特性の中の如何なる変化に対しても正すために用いることができる基準信号を提供するのに役立つ。ビームR1とR2とが正確には平行でないなら、光線を分離する他の多くの方法が可能である。例えば、表側表面で反射された光を、底の表面で反射された光とは違った場所で集める(フォーカス)するように、持って行くためにレンズが使用される。そして、検出器は、そのエネルギーが、第2の表面54での反射から主に生じる場所に設置される。
図12(a)は、第1の表面52が、角度θsfで傾いており、その結果、スラブ42の第2の表面54と平行ではない、という点を除いて、図11と相似している。図11と図12(a)は、スラブの表面のうち一つが傾いている表面として示しているが、スラブの下に傾いた反射表面を設置することによって、R1のそれとは異なった角度反射されたビームを作ることも可能である。例えば、傾いた表面をもつスラブを加工することが困難であるならば、これはいくつかのケースではより簡単にさせる。例えば、図12(b)において、SOIウェハの例の場合、酸化シリコン層46は、くさび形を形成して、厚さの点で先細り(テーパー)にできる。示した例では、SOI層と基板との間のインターフェイスが垂直に対し角度θox傾いている。スラブの表面に対し相対的に傾いている反射インターフェイスの存在は、透過光TXが反射したとき、反射光AXを形成することを意味する。光線AXは、それがスラブ42に入ったとき、内部光線ABとなる。光線ABは、A2のような内部光線とはもはや平行ではないので、それがウェハ表面から反射光RBとして出現したとき、その方向は、R1またはR2とは平行ではなく、表面と角度θobをもって離脱する。したがって、それは、R1やR2のような鏡面的に反射した成分から分離できる。光線RBは、吸収スラブを通過してきた光線なのだから、その強さをモニターすることによって、スラブ内の吸収の強さを推定できる。
ここで示す例は真っ直ぐな傾斜表面を示しているが、これらの表面は曲がっていることも有り得る。更に、それらは、スラブを通って通過する光線ビームをフォーカスする光学的要素として作用することもできる。例えば、裏側表面のカーブした面は、光線A1のような放射光線がフォーカスされる、カーブミラーやレンズの構造を形成することができる。スラブを通過した光線のみがフォーカス作用にさらされるので、ウェハの表面から抜け出してきたビームと、R1のような光線によって形成されたビームとは区別できる。事実、スラブの裏側面またはその下の領域は、A2のような光線の方向を、したがって、R2のような光線の方向を、変更する色々な光学要素を形成ように変形できる。そのような光学要素には、レンズ、カーブミラー、レンズ・アレイ、プリズム、再帰反射器を含む。本主題の実施例において、光線は、スラブから完全に離れた要素、例えば、スラブが入射光と傾斜ミラー(又は他の要素)との間にあるように位置づけされた傾斜ミラー(又は他の要素)によって、反射されてもよいことは理解できるであろう。
図13は、スラブ42の第2の表面54からの反射光が、スラブの表52における鏡面反射とは平行でない方向に散乱している、例示的構成を示している。このケースは、幾分、上述し、図6で示したDRSアプローチで用いられたケースと似ている。しかし、ここで開示される主題の実施例は、スラブ内のフィルム物質が十分薄くて、ウェハが高温であったとしても、スラブの第2の表面54で反射された相当量の光線が、ウェハの表側表面を脱出することを許す。この光線は、スラブの裏側表面から反射された、スラブの表側表面から反射されたものではない、光線を集めることができる位置にある検出器によって検出される。図1に示された構成は、鏡面反射よりむしろ散乱する光のためのセンサーとして用いられるセンサー34を伴って、用いられる。スラブの裏側での散乱は、図13に示すテクスチャー・インターフェイス62を導入することによって導入される。このテクスチャーは、スラブの裏側またはスラブの下の構造において形成できる。この構造の主たる必要条件は、入射内部角θとは等しくない角度θで光を散乱する特性を有することである。図13の光線A2によって示されるような光線は、方向θo2でスラブの表側表面から脱出するもので、表側表面から角度θo1=θで離脱する、鏡面反射光R1の方向とは異なる。反射ビームR1とR2は、上述したように、従来の方法で分離可能である。ウェハの表側表面に表面テクスチャーを適用することには、利点がある。しかし、これは、裏側表面への入射光が表側表面で散乱され、そして、それらがテクスチャーされた表側表面から離脱するとき再び散乱する、という、より複雑な状態を導くものである。それにも拘わらず、この構成を使用したときの最終結果は、散乱パターン(散乱された光の角度分布)が、表側表面で散乱された光と、裏側表面で散乱された光とでは、そのパターンが異なる、ということである。その結果、2つの反射からのエネルギーを区別するのは可能である。
図14(a)は、スラブ42の第2の表面54に回析格子構造64が形成された構成を示している。この場合、この回析格子は、好ましくは、スラブの表側表面を離脱する反射光の少なくとも一つは、鏡面反射する光の方向とは異なる方向に離脱するように設計されている。このアプローチは、表側表面反射から分離すべき、光線R2に対する予測可能な方向を許すということで魅力的である。光線R2の方向は、回析格子の設計によって制御可能であり、特に、回析格子のピッチを制御することで制御可能である。例えば、屈折率nsの媒体の中を、角度θで、Lピッチ(周期)を有するアレイに向かって入射する光ビームA1に対し、そのアレイから回析される光R2の角度θは、その関係から予測可能である。
Figure 0005361713
ここで、pは、回析ビームの次数を表す整数である。
色々な形の、線(lines)、フィン(fin)、溝(groove)のアレイを含む、多くの種類の回析格子が可能である。規則的な、周期的な、線のアレイは、どのようにして回析格子が形成されるかを示す一例である。矩形、多角形、円盤のような、2次元形状の周期的アレイも、また、回析格子を形成する。これらのアレイの特徴は、物質の薄いフィルムをパターン化することによって形成されるパターンのような、平面(プレーナ)に近いもので、それらは、溝(トレンチ)、溝(グルーブ)、円柱(シリンダー)、平行六面体、球、半球、楕円、円錐、または角錐のような3次元の面をもつ。回析格子は、同軸円のアレイからも構成できる。これら全ての例の特徴は、散乱光のビームを作ることができるということである。このビームを作る特徴は、スラブの裏側にあり、または、スラブの下の場所にある。
現在の主題の或る実施例では、図9に示すサポート構造のアレイは、回析格子を形成するために使用できる。ここで論じられた特徴は、望みの方向に、回析、または放射する効率を上昇させる側面も有する。例えば、それらは、回析格子におけるブレーズ角(blaze angle)の使用に似たアプローチにおけるブレーズ角を示している。図14(b)は、ブレーズ角の使用の概念を示している。この例では、平行溝(groove)のアレイの表面に適用されている。この場合は、ビームA1は、回析格子の面に対し垂直入射で、ブレーズ格子上に入射している。ブレーズ角θは、反射の効率を最大にするために、式(5)で定義されたように、例えば、θ=θ/2を形成するように、格子の回析角θの方向に、設定される。そのような格子の考えは、表面の反射率を増加させるアプローチと組み合わせられる。例えば、格子の要素の反射率は、高反射率物質を使用することによって、又は、薄いフィルムコーティングを適用することによって、増加できる。格子の使用は、1以上の回析ビームを形成し、したがって、ウェハから1以上の角度で反射されたビームを収集する機会を開く。事実、いくつかの異なった方向に広がった光線が測定される。これらの光線は、スラブの中を異なる路(パス)を経験してきているので、スラブの吸収の特性に関する特別な情報を得ることができる。格子構造は、このアプローチを最適化するために、ウェハの表側表面に適用される。
更に、格子は、1以上の波長を含む光の入射ビームにおいて波長を分離するために使用される。そのような例では、R2のようないくつかのビームが格子での回析によって形成され、各ビームは、異なる角度値θo2でウェハから離脱する。いくつかの検出器(またはアレイ検出器)は、それらの各々が異なる波長を受け止め、各その強さを測定するように、配置される。これは、マルチ波長測定を容易にし、各波長は異なる検出器に導かれるので、検出器の前のフィルターは簡単にできる。この方法は、光源波長が一連の波長を介してスキャンする方法、および/又は、波長選択器が、検出器が次々と異なる波長でその強さをサンプリングできるように調整される方法と比べて、吸収スラブの吸収スペクトラムを遙かに高速で評価できる。これは、回析格子が吸収層の裏側に配置されている構成にとって重要な利点である。これは、異なる波長の散乱が基本的に波長に依存するように発生するDRS方法のような方法に比べて、大変な利点を有する。DRSでは、散乱光をサンプリングする検出器は、その光が特別にフィルターされないなら、一般的には、全ての波長に曝されてしまう。DRS方法を用いて吸収スペクトラムを得るためには、反射光は、格子、調整可能なフィルター、プリズムのような、波長フィルター要素または波長分散要素を通過させなければならない。
図15は、第2の表面54から反射されたエネルギーから第1の表面52から反射されたエネルギーの分離が、光フォーカス配置を使用して成された例を示している。例えば、描かれているレンズ、ミラーのような光学素子からなる光学システムが、シリコン・スラブの2つのインターフェイスで反射された光の成分を分離するために使用されている。この図は、光源Sから発した光線AとBが、光学システムを介してどのように伝わるかを示している。それらは、レンズL1でコリメート(平行)され、レンズL2によってフォーカスされている。L2の焦点距離と位置は、光源Sの像が、スラブの裏側表面SBに形成されるように設定されている。光線AとBは、スラブの表側表面RFA,RFBで反射される光線を形成する。それらは、また、スラブの裏側表面RBA,RBBで反射される光線も形成する。レンズL2で戻される、これら全ての光線は、ビーム・スピット・ミラー(beam-spitting mirror)Mで反射され、そして、レンズL3によって集められる。レンズL3は、光線RBAとRBBを検出器にフォーカスするよう運ぶ。したがって、光源Sの像は、ウェハの裏側表面から反射された後で、検出器上に形成される。対照的に、光線RFAとRFBは、検出器上にフォーカスされない。したがって、検出器からの信号は、スラブの裏側表面での反射によって強く影響される。裏側表面で反射された光の成分を測定することによって、スラブ内の吸収の度合いを推定することが可能となる。
図16は、図14(a)と図15の例と幾分似ている構成の例を示している。しかし、これらの実施例においては、パターン66は、スラブ42の第2の表面54に形成され、画像システム70は、検出器72の上にそのパターンを結像するために使用される。この場合、スラブ内の吸収の度合いは、光学イメージング・システム70を使用して形成されたパターン66の像において観察されるコントラストの度合いを観察することによって評価される。もちろん、画像システム70は、更に、コンピュータおよび/または観察者にその像の画像を見せるためのディスプレイなどの装置(図示しない)に接続される。コンピュータは、その像のコントラストの度合いを評価するように構成され、その他の分析機能も提供する。像のコントラストとは、像面において観察される光の強さの変化量(amount of variation)を表現する。ウェハの温度が上昇するに従い、スラブが実質、不透明(不透過)になり、パターンがもはや観察されなくなるまで、スラブはより吸収するようになり、パターンの像のコントラストの大きさは小さくなっていく。その像におけるコントラストの測定は魅力的である。なぜなら、それは、ウェハを照射する光源の特性における変化を自動的に矯正するからである。そのようなアプローチは、検出の感度を改善することもできる。
図17は、像のコントラストを測定する能力を改善する方法の例を示している。この場合、ウェハは関心事の波長の光で照射され、その反射光は、像面(image plane)71に結像するためにレンズ68でイメージされる。図16のような場合、その像は、カメラのようなイメージング・デバイス72によって、光検出器アレイによって、または、単一光検出でスキャンすることによって、分析される。温度が上昇するに従い、観察されるコントラストは減少し、そして、その温度は、コントラストの喪失とウェハ温度との関係を定量化することによって検出できる。
そのようなアプローチに伴う一つの実際的問題は、ウェハの表面で反射される大量の光もまた光学画像システムに入ってくることである。この光は像面でフォーカスされるようにはなっていないが、それは、像面で観察されるコントラストを減少させ、したがって測定をより困難にする、バックグラウンド"迷光"(stray light 拡散光)信号を形成する。この問題を改善する一つのアプローチは、パターン66とイメージング・デバイス72との間の光路に、空間フィルター(spatial filter)74を挿入することである。例えば、このフィルターは、図17に示すように、イメージング・レンズ68の焦点面75に挿入することができる。この焦点面の光の分布は、結像されるパターンを特徴づける空間周波数(spatial frequency)に依存する。この空間周波数は、そのパターンにおける色々な長さのスケール(various length scale)を表す。例えば、回析格子パターンのピッチは、一つの重要な空間周波数を表す。パターン内のエレメントや空間の長さは、他の空間周波数を導く。ウェハの表側表面で反射される光は、非常に低い空間周波数を有する。なぜなら、そこに表れるパターンはなく、"dc"バックグラウンドが表れるだけだからである。空間フィルターを使用するアプローチは、より高次の周波数を分離し、このバックグラウンド信号を除去できる。これを行う一つの方法は、図17に示すように、焦点面において、レンズの中心軸上に、不透明ブロック要素76(opaque blocking element)を置くことである。もし、格子がパターンとして使用されるなら、適切な空間周波数アプローチには、レンズの焦点面にマスクを置くことも含む。それは、格子パターンのピッチに相応する周波数以外の空間周波数を選択的にブロックする。これらの空間周波数フィルター技術の利点は、像面の検出器に届く大量のバックグラウンド光を除去することである。バックグランド光は、スラブ内の吸収に関する情報になんら寄与せず、測定信号のノイズとなるだけである。それは、また、像のコントラストを大いに減じ、検出システムによって分析できる信号の領域を制限する。したがって、検出器に届くバックグラウンド光を除去することは、正確度を改善することに非常に役立つ。
ウェハ温度を特徴づける、像のコントラストの度合いを使用する方法は、色々な応用に適用できる。例えば、そのコントラストは、反射光信号または透過光信号において観察される。それは、また、発光信号でも観察される。後者のアプローチは、外部光源が必要なく、装置が簡単になる、という利点を有している。それにも拘わらず、或るケースでは、外部光源が使用されるなら、望ましい温度で実行できて、測定がより容易になる。なぜなら、熱発光の度合いは、ウェハ温度に強く依存するからである。このアプローチは、パターンされたウェハの温度測定に使用できる。
例えば、ウェハの表側のパターンは、ウェハの裏側を見る画像システムを使用して、それらを観察することによって、ウェハの厚さを介して観察される。この場合、ウェハ領域の像において観察されるコントラストの度合いは、温度指標として用いることができる。これは、ウェハに特別にパターンを付ける必要がない利点がある。なぜなら、処理されるデバイスが、必要なコントラスト自体を提供するからである。そのようなアプローチは、ウェハが回転している場合の状態でも応用できる。この場合、画像システムによって観察される、パターンの回転に関連する揺らぎは、それ自体が、温度指標として用いることができる。ウェハが暖まるにしたがって、画像システムによって観察される揺らぎの度合いは減じていく。なぜなら、ウェハのデバイス側での反射から画像システムに到達する光は、より少なくなる。回転周波数で時間と共に変化する信号を選択することによって、回転パターンの効果に対する、そのような検出システムの感度を改善することは可能である。そのようなフィルタリングは、ウェハ回転周波数を中心とするバンド・パスするバンド・パス・フィルターによって実現できる。この方法は、パターン付けしたデバイス領域以外の表面で反射される光を区別するために、空間フィルタリングの光学的アプローチと組み合わせることができる。
いくつかの実施例では、観察されるパターンは、ウェハの表側表面にあって、ウェハの厚さを介して観察されても良いし、または、ウェハの内部に配置されても良く、そのコントラストの度合いは、パターンと画像システムとの間に在る物質の吸収の変化の関数である。別の実施例では、全て又は一部のパターンを形成する物質は、温度変化に敏感である。例えば、パターンを形成する物質の全て又は一部は、温度が変化するにつれて、多かれ少なかれ、透明(transparent)になっていき、反射率も変化し、光散乱効果も変化し、反射、吸収、放射、透過などの点で変化する。更に、例えば、温度−依存変化の異なる組み合わせを表すパターンが考案されるかもしれない。
スラブの表側で反射した光と、スラブの裏側で反射した光を区別する別の方法は、パルス光をウェハ表面に照射し、そのパルス光の反射光が検出器に届く時間を検出することである。スラブの表面を通って走行し、スラブの裏側で反射されたパルスの部分は、ウェハの表面で反射されたパルスの部分が反射光検出器に届いた後、有限時間後に、その反射光検出器に届く。そのような測定は、スラブを伝搬する光が極めて短時間であることから、大変魅力的である。シリコンの中の光の速度は、c/nsiであり、ここで、cは真空中の光速であり、nsiはシリコンの屈折率であり、1.55μm波長では〜3.6である。したがって、100μm厚さのシリコン・スラブでは、その厚さを伝搬して、スラブの表面に戻ってくる時間は、〜200*10−6/8.3*10s=〜2.4psである。これは原理的に大変短い時間であるが、短パルス光の使用は、光が反射された場所間を区別する測定を可能にする。
最も正確に温度を測定するために、上述した構成は組み合わせて使用される。例えば、ウェハは、スラブの裏側で強く反射するよう、反射防止コーティングされた表側表面を有する。ウェハは、P偏光した光で照らされ、測定に使用される特定の波長のためのブリュースター(Brewster)角で表側表面に入射する。裏側表面で格子によって回析された光は、鏡面的に反射された光を収集しないように、構成され、および/または配置された検出器によって収集される。
多くの応用にとって、SOIウェハ構造は、高温較正のために適している。典型的には、〜1.55μmの波長が測定のために使用されうる。なぜなら、シリコンは、この波長では、比較的低い吸収を示す、したがって、あまり薄くないシリコン・フィルムがSOI層に使用される。この反射アプローチは一般的に、そのフィルム厚さを2度(またはもっと多く)通過した測定光を使用する。それは、測定光がスラブ厚さを一度だけ通過することが必要である透過測定を適用する状態と比べると、吸収が比較的低い場合好ましいことである。1.55μm近くの波長が測定には特に有用であるが、ここで論じるアプローチでは、典型的には0.8μmと4μmの間の広い波長範囲で利用可能である。
一般的には、吸収スラブ42として利用するシリコン(または別の物質)フィルムは、あまり薄すぎないことが望ましい。なぜなら、非常に薄いフィルムでは、表面の特性がより重要になり、これらの領域では、シリコン・スラブのバルクの光学的特性と異なる光学的特性を示す。これは、その表面が、表面領域にストレスを導く他の物質との接触がある時には、特に正しい。SOI構造では、そのような状態が、酸化層近くに当てはまる。非常に薄い結晶のシリコン・フィルムを形成することは、或る環境では極めて困難であり、一致した結果を維持することが難しい。比較的薄いシリコン・フィルムを使用する他の利点は、これが、スラブにおいて干渉効果によって導入される光学的特性の振動を波長average-overことを簡単にすることである。比較的厚いフィルムを使用する他の利点は、フィルム厚さを高精度で決定できることである。特に、もし、光学的方法が、下記に述べるように、フィルム厚さを測定するために使用されるなら。更に、他の利点は、より厚いフィルムは、短い波長の光、特に、〜1μm以下の波長に対しては、非常に不透明(不透過)である。これは、ウェハを加熱するランプ加熱源が典型的にはこれら短波長で強く放射するから利点である。もしシリコン・フィルムが非常に薄いなら、ウェハに対するランプのカップリングのパワーは、スラブの裏側で光を反射する、シリコン・スラブの下のインターフェイスの存在によって影響を受ける。そのような場合、ウェハの加熱サイクルは、望ましくないように影響を受けるかもしれない。特に、もし、それが、ウェハの表面に渡って熱的非均一性を発生するなら。シリコン・フィルムの典型的厚さは、1μmと300μmとの範囲である。高温出の較正にとって、シリコン・フィルムは、通常10μm以上で、100μm以下である。典型的厚さは〜50μmである。
しかし、上述した、或る環境での厚いフィルムの利点にも拘わらず、他の環境では薄いフィルムが好ましいかもしれないことは当業者であれば理解できる。
SOI構造の酸化層の厚さは、典型的には、0.001μmと100μmとの間の範囲にあり、普通は、1μm以下である。正確な厚さは、スラブの裏側表面での反射をできる限り強くするように最適化される。酸化層厚さの典型的値は、1.55μm波長測定で〜0.3μmである。比較的薄い酸化層を使用する利点がる。なぜなら、薄い層は、加熱の間の、ウェハに望ましくない熱ストレス引き起こすことがより少ないからである。
基板の厚さは、機械的な制約によって主に決定される。しかし、典型的な応用にとっては、それは、200μmから2mmまでの厚さである、基板、酸化層および吸収スラブの組み合わせを許す厚さである。典型的には、その組み合わせは、775μm厚さであって、それは、基準300mm直径ウェハの厚さである。
シリコン・スラブの表面でのドーピングは、シリコン・スラブの吸収係数における、既知の温度依存性を再生することが容易になるように、普通は選択される。これを行う一つの方法は、軽くドープされたシリコン・スラブを選択することである。例えば、そのドーピングは、シリコンの抵抗率ρが、〜0.1Ωcm以上で、好ましくは、1Ωcm以上である。基板でのドーピングは、便利のために選択される。もし、ウェハが高温較正(例えば、800℃以上の温度)でのみ使用されることが望まれるなら、如何なる通常のドーピング・レベルは受付可能である。なぜなら、基板は高温では不透明(不透過)となり、測定に影響を与える、ウェハの裏側からの反射が無くなるからである。もし、このアプローチが低温でのみ使用されるなら、基板が不透明ならそれはより簡単であり、ρ<0.05Ωcmに強くドープされたウェハを用いるべきである。赤外線波長レンジにおける改善された不透明度(不透過度)は、典型的にはρ<0.02Ωcmである。
もし、軽くドープされたウェハが使用されるなら、ここで開示される反射をベースにした方法は、他の較正方法論と組み合わせることができる。その方法論には、更なる実施例を生み出すための、米国出願No。10/178950に記載されているような、透過をベースにした温度較正を含む。そのような更なる実施例において、透過光の測定は、透過光信号における減衰によって規定される限界のウェハ温度を決定するために使用される。その温度は、典型的には1.55μm波長の測定では〜850℃である。これ以上の高温では、反射ベースアプローチが使用される。このアプローチにはいくつかの利点がある。第一には、それは、較正処理を実行するために使用する必要があるウェハの数を減じることである。第二には、透過測定から推定された温度は、反射ベース測定の精度を改善するために使用できることである。これは、特定の温度で2つの測定が一致することを確実にすることによって成される。このクロス・チェックは、透過ベースアプローチの高精度を、高温領域で使用しなければならならい反射ベースアプローチにつなげることができる。
反射ベースの測定アプローチに使用される構造は、ウェハの全表面に渡って必ずしも存在する必要はない。例えば、図18は、使用される反射ベース測定アプローチを使用するよう修正された、3つの領域80、80’、80"を有するウェハ12の平面図を示している。これらの領域は、ウェハ温度を測定するパイロメータ(高温計)によって観察される場所と一致する。この領域は、これらの領域においてSOI構造を形成することにより、および、コーティング、グレーティング、テクスチャー表面、スロピッング(sloping)表面、および、ここで開示される他の特徴を展開することにより修正されている。図1に示されているセットのような光源と光学検出器との関連セットを各々備えた多重測定サブ・システムが、パイロメータが較正される必要のある各場所において測定可能となるように配置される。更に、透過測定が、同じ場所またはその近くの場所のどちらかで実施できる。反射ベースアプローチで使用されるいくつかの構造が存在しない領域では、透過ベース測定を実行するのがベストである状況もある。例えば、そのような構造は、光を散乱させることによって、透過ベース測定の質を退化させる。この場合、透過ベース測定が、反射ベース測定が実行される点の近くである場所でまだ行うことができ、2つの方法のクロス較正、そして、パイロメータの相応する較正が実行される。これを可能にするためには、測定場所の横分離が米国出願10/178950で記載されている熱拡散長さ基準より小さいことがベストである。
これらの方法が正確であるためには、使用される吸収層の厚さが、高精度で知られていることが、いくつかの実施例では好ましい。この厚さは、測定される反射または伝搬に相応する吸収の度合いを決定するために、したがって、ウェハの温度を推定するために、アルゴリズムの入力として提供される。このアルゴリズムは、追加的に、または代替的に、他のファクター、例えば、抵抗率もまた考慮する。この厚さ、抵抗率、および/または他のファクターは、他の既知の方法を使用して測定される。
反射ベース測定のために、SOI構造の表面層の厚さは、製造過程またはその後で決定される。例えば、その厚さは、シリコン・フィルムで透過する所の赤外線領域でウェハの高解像反射スペクトラムを測定することによって決定される。この反射スペクトラムは、上述したように、シリコン・フィルム内の干渉効果から生じる反射率における振動を示す。薄いフィルム光学の方法は、シリコン層の厚さを非常に正確に測定するために、シリコンの反射率の知識と組み合わせられる。上述したいくつかの構成では、表側表面反射を減少させるために導入される特徴は、また、干渉効果もまた減少させる。これは、フィルム厚さを測定することをより困難にさせる。そのような場合、そのような測定を実行する前に、製造過程の或る点におけるシリコン厚さを測定する方がより容易である。
ここで開示された例のような反射ベース測定は、ウェハ表面に渡る温度均一マップを作成するために使用される。例えば、いくつかの反射率測定が、ウェハの表面に渡って複数の異なるエリアで同時にまたは順次に実行される。ウェハは、測定を分離する点で容易となる特別な領域を含む、または、表面に渡って同質である。プロセスの均一性は、そのような温度の違いを観察することによって改善され最適化される。
光学的吸収率(α(λ、T))に基づく温度測定方法に関する困難は、その吸収が、使用される標本が実質的に不透明(不透過)になるほど強いときに発生する。例えば、典型的に〜775mm厚さの300mm直径シリコンウエハは、その温度が〜900℃を超えると、如何なる波長でもほとんど光を伝搬しない。早めに言及した透過ベースアプローチのような或るアプローチの面は、この不透明問題を対処するための方法の一例を有する、非常に薄いシリコンウエハの使用を含む。上記の考察は、反射光の測定が温度較正を提供するために使用されるという改善もまた提供する。しかしながら、非常に正確な温度較正が高温で要求される応用では、更なる改善が望ましい。高温での正確な較正を提供する方法の例示的実施例が、以下説明される。
そのような実施例は、反射ベースアプローチと透過ベースアプローチとを備えたいくつかの特徴を共有している。しかし、以下記述される現在の主題の実施例は、光学的吸収測定と、層の光学的厚さに敏感な測定との組み合わせを利用している。この組み合わせの実施例は、非常に高精度での絶対温度測定を提供する能力を提供する。そのアプローチを具現化する一つの例の方法は、ウェハ特性の測定が、約同じ波長においてであるが、異なる程度の一時的コヒレントを使用した、光ビームの使用を介して実現される、というスキームを介してである。
上記言及した米国出願NO.10/178950および上記考察同様、特に、半導体プロセスの分野では、温度を推定するために光学的特性の測定を使用した色々な方法がある。
すでに述べたように、一般的に、光学的吸収の測定は、ウェハ温度を推定するために使用される。この方法は、非常に正確な温度測定を提供する効力を有している。この方法は絶対温度測定も提供してくれる。なぜなら、所定の波長における光学的吸収は、所定の物質における所定の温度を一義的に定義するからである。この光学的吸収を推定するために、例えば、反射測定または透過測定を使用することによって実現できる。しかし、この吸収は高温では非常に強いので、少なくとも基準厚さのウェハに適用するときは、実現が難しくなる。この開示の早い段階で記述された例は、反射ベースアプローチを使用することによって、そのような潜在的困難を克服することができた。
温度を測定する別の方法は、サンプルを介した光路(path)長に敏感である測定に基づくものである。それはまた光学的厚さとして記述される。媒体を通過して伝わる電磁波の位相の変化は、その媒体の屈折率の実部nと、光路長である伝搬距離dとの積,ndに関連する。屈折率の実部が温度に敏感である媒体において、媒体を通るこの光路長は温度が変化するに従って変化する。更に、有限係数の熱膨張を有する物質においては、媒体の境界間を伝わる光線の光路長は、その物質の物理的次元が温度と共に変化するとき、同じく変化する。したがって、物質を通って通過する光エネルギーの光路長に敏感である如何なる測定方法も、物質の温度を測定するために使用できる。典型的には、このアプローチは、図2に示されるようなスラブ50のようなスラブ物質の反射率R、または透過率Sを測定することによって、実現される。RとSは、干渉効果の結果、スラブの2つの境界で反射される光線間の相互作用によって強く影響される。干渉現象は、光の波動性のために発生し、そして、それはスラブの2つの表面で反射される波達の相対的位相に依存する。スラブの2つの表面で反射された波々の相対的位相は、これらの光線によって伝わる光路長の違いによって決定されるので、それは温度によって強く影響を受ける。
測定で検出される光はコヒレント様式で動作することを要求されることは当業者あれば理解できる。なぜなら、干渉現象は、2つのインターフェイスで反射された波同士の位相間の関係次第であるからである。この位相関係は、その波達が一時的にコヒレント様式で動作する場合においてのみ良く定義される。事実、これは、〜775μm厚さの基準シリコンウエハのような合理的厚さの媒体にとって、測定は、非常に狭い範囲の波長で発光するレーザーのようなコヒレント光源を使用して実行しなければならないことを意味する。もし、測定される光の波長幅Δλが十分小さいなら、その光はコヒレントとして扱うことができる。一つの判定基準は以下である。
Figure 0005361713
ここで、nは、スラブを構成する媒体の屈折率、dはその厚さである。
775μm厚さのウェハにとって、波長1.55μmと考え、シリコンの屈折率に相応するnが〜3.6であると仮定すると、式6は、光をコヒレントとして扱うために、Δλは0.2nmよりずっと小さい必要があることを示している。より薄いフィルムにとっては、その要求はあまり厳しくなくなる。例えば、シリコン・フィルムの厚さが10μmである点を除いて同じ条件の場合、Δλは16nmより小さければよい。もし、検出信号に貢献する非常に狭い幅の波長のみを通過させるフィルターを有する光学検出システムであるならば、この光路長ベースの測定は、広い幅の波長を発光する比較的インコヒレントな光源を使用しても実行できる。この場合、フィルターのバンド幅はΔλに近い幅に制限されなければならない。このアプローチは、上述した10μm厚さのシリコン・フィルムのような合理的な厚さのものには実用的であるが、スラブの表面同士間の距離が大きいなら、このアプローチを使用するのは非常に難しくなる。なぜなら、非常に狭いバンドフィルターは、大半のエネルギーが検出器に届くのを邪魔することになり、それは、非実用的な低い信号レベルに繋がるからである。
この考察は、この開示で論じられる測定で検出される光線の光学的特性に関する重要なコンセプトを示している。このコンセプトは、光線のコヒレンス長のコンセプトである。コヒレンス長dcohは、屈折率nである媒体の中を伝搬する光線に従う(along)最大間隔インターバルを表している。ここで、この最大インターバルの最初の電磁波の位相は、波形方程式で規定されるように、このインターバルの最後の電磁波の位相と固定した関係を維持する。コヒレンス長より十分に長い光線に従うインターバルに対しては、インターバルの最初と最後の電磁波の位相間には予測できる関係はない。コヒレンス長は典型的には下記の定義で特徴づけられる。
Figure 0005361713
ここで、各シンボルは上述した意味を有する。
この基準は、式(6)で定義された基準と近い関係を有する。スラブを通過する光路長に相対して長い(long relative)コヒレンス長を有する光線は、そのスラブ内の干渉効果を観察するために容易に使用される。一方、スラブを通過する光路長に相対して短いコヒレンス長を有する光線の観察に基づく測定は、そのような効果を示したりはしない。この開示において、コヒレントという用語は、媒体を通過する光線同士が明確な位相関係を維持するように相互作用するような状態を論じるときに一般に使用される。そして、インコヒレントという用語は、この基準が当てはまらないときに使用される。同じように、「コヒレント測定」とは、コヒレント様式で作用する検出光線に依拠する測定であり、「インコヒレント測定」とは、インコヒレント様式で作用する検出光線に依拠する測定である。
光路長測定に基づく温度測定アプローチの一つの利点は、それが温度に非常に敏感であり、特に、半導体ウェハを通過する物理的路長が比較的長い場合は、非常に敏感である。しかし、このアプローチには、いくつかの潜在的困難が存在する。第1の問題は、ウェハの絶対温度を決定するアプローチを使用することが非常に難しいのがしばしばである。なぜなら、反射と透過とは、温度の周期的関数である傾向にあり、したがって、如何なる特定の反射および透過の値が、多くの異なる温度に相応することができるからである。
第2の問題は、反射および透過もまた、層の厚さとその屈折率の両方に大変敏感であることである。したがって、所定のスラブの光学特性の絶対温度依存性を特徴づけるために、非常に絶対的正確性をもって、これらの値を決定することが一般的には必要である。原理的には、所定のスラブ物質にとって、そのような問題は、絶対温度関数として特定のスラブの反射と透過とを特徴づけることによって克服できるが、しかし、これは、実際の応用では、相当扱い難いアプローチになるであろう。更に、それは、反射と透過もまた光線の入射角によって非常に強く影響を受けるという事実のような他の問題を解決しない。それは主にこれが層を通過する光路長に直接影響を与えるという理由からである。事実、光路長の変化の効果に基づいて提案された大抵の温度測定スキームは、温度の変化を測定するために使用されてきた。これは、もし、ウェハの最初の温度が正しく知られていないなら、半導体処理ステップの間、ウェハ温度を追跡するとき、問題を引き起こすことになる。
最後の問題は、後でも言及するが、少なくとも半導体物質においては、光吸収が高温では急速に発生し、結局、層を通過する光線が非常に大きく減衰して、反射および透過における重要な効果をもはや発生しなくなってしまう。後者の問題は、最初に言及した高温での透過測定を使用した場合の困難を反映している。
現在の主題の方法の実施例には、決定すべき温度のウェハの少なくとも一つの物質は、既知の波長に於ける光学的吸収が温度共に変化するという特徴を有している実施例を含み、また、少なくとも一つのその物質は、既知の波長における光学的厚さが温度と共に変化する実施例を含んでいる。言及する2つの波長は同じで有り得るが、それは必須ではない。2つの物質も同じで有り得るが、これもまた必須ではない。この方法は、絶対温度値を決定するために吸収特性の測定を使用することに依拠している。それはまた、温度の変化を決定するために、光学厚さの温度変化を使用することにも依拠している。絶対温度の正確な測定と、温度変化の正確な測定との組み合わせは、広い温度領域をカバーする正確な温度スケールの作成を可能にする。
このアプローチは、図19(a)に示すように、単一のスラブに対して使用できる。この場合、スラブは、或る波長に於ける光学的吸収が温度共に変化し、光学的厚さが温度と共に変化する物質を有している。
図19(b)は、較正を実行するために使用される構造の別の例を示している。この構造は2つの層を有している。そのうちの一つは、温度依存の吸収を示し、他の一つは温度依存の光学的厚さを示す。
(図19には示されていないが)他の実施例は、多層構造を有し、そのうちの一つの層は温度依存の光学的厚さを示し、その層と他の層(他の複数の層)との組み合わせが温度と共に変化する光学的吸収を示す、または、その逆である。追加的に、例えば、図19に示す色々な又は全部の層が、多層構造を使用して具現化できることも理解できる。
較正処理に使用される構造は、図19(c)に示す例のような、もっと複雑な形式を取ることもある。この場合、追加の層が含まれる。この追加の層は反射波を作るために使用される。この構成は、例えば、表面層と基板とが非常に似た光学的特性を有する物質である場合、したがって、それらのインターフェイスで強い反射が普通は発生しないような場合に使用される。
どのようにして測定が実行されるかの実施例のために、再び図1に注意を向ける。上述したように、図1は、ウェハ12がランプのバンク14と16で加熱される、例示的RTPプロセス・チャンバ10を示している。この例では、ランプのバンクがウェハの上と下両方に存在する。更にチャンバ10は、少なくとも一つの光源30を有し、32,34,38,38および40で示すような色々なセンサーを有し、または他の適切な構成を有することもできる。
図20は、もっと詳しく、測定アプローチの例示的実施例の面を示している。この場合、図19(a)の形を取るウェハ100が示されている。図には示されていないが、このウェハは、表面コーティング又はパターンを、ウェハの片側又は両方の表面に有しても良いことに注意すべきである。図は、インコヒレントである光線AINCを発光する、光源110の光を示している。この光線は、RINCを使用した反射測定またはTINCを使用した透過測定のどちらかを利用して、基板100における吸収の度合いを決定するために使用される。そのような測定に適した信号は、(反射インコヒレント・エネルギーを集める)検出器112および(透過インコヒレント・エネルギーTINCを集める)検出器114によって集められる。この装置は、コヒレントである光線ACOHを発光する光源120もまた有する。この光線は、ウェハを通過する光路長における変化を決定するために使用される。例えば、光路長は、ウェハの反射率や透過率によって影響を受ける。これらの量を測定するための適切な信号は、(反射コヒレント・エネルギーRCOHを集める)検出器122と(透過コヒレント・エネルギーTCOHを集める)検出器124によって集められる。いくつかのケースでは、光源110は、光源120と同じ光源であってもよい。そのような場合、反射率または透過率測定のために使用される検出器によって検出される波長範囲は、コヒレントまたはインコヒレント光の測定に適した状態に調整される。そのような調整は、検出器の前のフィルターに対し、適切な光バンド幅を選択することによって可能となる。コヒレント光測定のためには、狭幅バンドフィルターが使用され、一方、インコヒレント光測定に対しては、広幅バンドフィルターが使用される。したがって、検出器112が検出器122として使用すること、そして、検出器114が検出器124として使用することも可能である。
図21は、他の例示的光学構成を示している。そこでは、2つの光源110と120からのエネルギーが、ウェハを照射する前に、共通の光路130を通過しており、また、それが検出システム132と134に入る前に、共通の光路を通過している。この場合、光源110と120の波長レンジがオーバーラップしたとしても、コヒレントとインコヒレントの測定は簡単な装置で実現できる。検出器132と134の前の各光フィルターは、好ましくは、両方の波長レンジが両方の検出器に到達できるよう十分広いバンド幅を有する。コヒレントとインコヒレント測定を別々に実行することを可能にするアプローチを具現化する一つの方法は、2つの光源の出力を2つの異なる信号で変調することによってである。この場合、2つの光源からの光のコントリビューション(寄与率)は、たとえ、両方の光のビームがたった一つの検出器によってサンプルされても、区別が可能である。
例えば、光源110の出力は、周波数fincを有する、変調器108からの周期的信号によって変調され、光源120の出力は、周波数fcohを有する、変調器118からの周期的信号によって変調される。時間と共に変化する片方または両方の光源から光を形成するため色々な方式の変調方式が採用可能である。例えば、正弦波変調または矩形波変調が採用可能である。2つの信号は、周波数fincとfcohにおける周波数成分を選択的に測定する2つのロックイン・アンプに、各検出器の出力を結合することによって分離可能である。例えば、反射光の検出器132からの出力は、2つのロックイン・アンプ128(AMPR:fcoh)と118(AMPR:finc)の入力に供給され、したがって、ウェハからのコヒレントな反射光から信号を抽出できる。ロックイン・アンプAMPR:fincは周波数fincに同調されて、したがって、ウェハからのインコヒレントな光から信号を抽出できる。同様に、透過光の検出器134からの出力は、2つのロイックイン・アンプ127(AMPT:fcoh)と117(AMPT:finc)の入力に供給される。この場合、ロックイン・アンプAMPT:fcohは周波数fcohに同調され、したがって、ウェハによって伝搬されたコヒレント光から信号を抽出する。ロックイン・アンプAMPT:fincは周波数fincに同調され、したがって、ウェハから伝搬されたインコヒレント光から信号を抽出する。
図21に示す例示的スキームは、測定を実行するために必要な光検出器や光学フィルターの数を有利に減らす。それは、また、チャンバに入る又は出る光をカップリングするための、そして、2種類の光学測定(コヒレントとインコヒレント)がウェハ表面の同じ場所で実行されることを確実にするための、共通に光学機器を使用するという便利な方法でもある。この後者のポイントは、もし、測定が似た波長で行われるなら、特に有効である。なぜなら、レンズのような大抵の光学部品は色収差を示し、それは、その集束特性が波長と共に変化することを意味するからである。その結果、多波長の光が光学システムを介してカップリングされたとき、その光の集束領域のサイズや形や場所は波長に依存して変化する。そのような問題は、精巧な光学設計や反射光学の使用によって減ずることができるかもしれないが、これらのアプローチは、より複雑になるのが一般的で高価である。
対照的に、ここで開示する方法は、2種類の測定を実行するために、似た波長での光を使用することができる。その結果、測定は、実質的に探知領域の同じサイズと形状を有する、ウェハの実質的に同じ場所で実行される。一例として、光源120は、1550nmの波長を中心とする、〜1nm以下の波長幅を有する光を発光する半導体レーザーであってもよい。もっとコヒレントな測定のためには、その波長幅は、もっと小さい、例えば、0.5nm以下とすべきである。そのような光源は、光学的スラブの厚さよりずっと大きいコヒレンス長を有し、したがって、スラブの光学的厚さに関する変化をモニターするために効果的に使用できる。光源110は、1550nmあたりを中心波長とする、2nm以上の波長幅を有する光を発光する発光ダイオードである。強いインコヒレント測定に対しては、波長幅は、ずっと大きい、例えば、5nm以上とすべきである。そのような光源は、光学スラブの厚さよりずっと小さいコヒレンス長を有し、したがって、スラブ内の光学的吸収における変化をモニターするために効果的に使用される。両方の光源は、電気信号によって便利に変調される。検出器132と134は、INGaAs光ダイオードのような光検出器である。
直前の例では、2つの光源は同じ波長領域を中心とするものであったが、ここで開示されるアプローチの原理は、中心波長が異なる場合でも適用可能である。いくつかの場合では、2つの波長を使用することが好ましく、その2つの波長において、ウェハ内の吸収層が、光学的吸収に関し大きな違いを示す。例えば、吸収層における吸収の度合いを正確に測定する目的のためには吸収が強いことが望ましいが、一方同時に、その層の光学的厚さにおける変化を追跡するために使用される波長においては、吸収が比較的弱いことが望ましい。そのような場合は、2つの異なる波長は、これら2つの判定基準に合うように選択されなければならない。例えば、このアプローチを、図19(a)のような構造、例えば、〜775μm厚さのシリコンウエハ、に適用するとき、ウェハの絶対温度が〜100℃あたりの場合は、その絶対温度を決定するために、〜1050nm波長を使用することは都合が良く、ウェハが加熱されるに従い、ウェハ温度の変化を追跡するためには、波長〜1550nm波長の高コヒレント光源を使用することが好ましい。非常に異なる波長が使用されるとき、図20に示すような、分離した光源と検出器を使用したアプローチを使用することがより好ましい。いくつかの実施例では、光学系が、ウェハ上のサンプルされる領域が、必要なら非常に近接したものとなるように配置できる。これは、温度較正における誤差を減ずるためには有効である。
代替的アプローチは、ウェハが回転することを保証し、ウェハ上の同じ半径で測定することである。別のアプローチは、たった1セットの検出光学系を使用することであるが、それらの検出器の前には同調可能なバンド・パス・フィルターが提供されていることである。そのようなフィルターには色々なフィルターが使用可能であり、例えば、モノクロメータや光のスペクトラムを介してスキャンできる他のデバイス、可変波長フィルター、スイッチド(切り換え)フィルターなどである。この検出システムには、光内の波長成分を分離し、異なる検出器にそれらを導く、格子やプリズムのようなスペクトラム的分散要素と結合した、および分離したフィルターと結合したマルチ検出器も含む。色々な実施例では、両方の波長ともに通過させ、一方では、拡散光(迷光)を遮断するフィルターを利用できることも可能である。
加熱されているウェハが、例えば、温度較正基準として役立たせるために特別に選択されたとき、吸収率と光学的厚さの両方の測定のために一つの波長領域を使用することは可能であるが、しかし、複合ウェハ構成を採用することも可能であり、ここで、光学的厚さ測定のために使用される層は、所定の波長に対し透明(透過的)であり、光学的吸収測定のために使用される第2の層は同じ波長に対し比較的吸収的である。そのような構造は、図19(b)と19(c)で示す形を取る。他の実施例では、それらの測定の一つのために使用される層は実質第2の層を有する。例えば、図19(c)に従うウェハは、温度依存の光学的吸収を伴う層が、基板厚さdsisub〜750μm厚さであり、そして、比較的軽くドープされた、例えば、抵抗率>0.5Ωmである、シリコン基板を有する、構造を有している。温度依存の光学的厚さを伴う層は、同じような抵抗率をもった、比較的軽くドープされているが、しかし、それは、表面層厚さdsisurf〜25μm厚を有する、より薄いものである。
2つのシリコン層間の分離層は酸化シリコンの層であり、それは、光が上側シリコン層の低い方の表面から反射されることを確実にする。その酸化シリコン層の厚さは〜0.3μmである。この構造では、そのシリコン内の光学的吸収は、透過測定によって探ることができる。この場合、両方のシリコン層は非常に似た光学的特性を有するので、両方の層は温度依存吸収を有する。したがって、これは、温度依存の吸収を示す層が、両方のシリコン・フィルムを含む、全ウェハ厚さとして考えることができる例である。事実、両方のシリコン層の光学的厚さもまた、温度の関数である。しかし、高温(例えば、>850℃)では、より厚い、下側シリコン層の裏側表面で反射された光は、ウェハの上側表面にほとんど戻ることはできない。したがって、それは、ウェハの2つの外側表面で反射された各光の間の干渉効果に効果的に寄与できない。一方、上側シリコン層の裏側表面で(酸化シリコンを伴うインターフェイスで)反射された光は、その表面に戻り、そして、上側シリコン層の上側表面で反射された光と干渉する。したがって、光学的厚さ測定は、都合良く、上側シリコン・フィルムで実行できる。これによって、温度測定が850℃以上の温度まで拡大できる。1550nmあたりの波長は都合がよい。なぜなら、シリコン内の吸収は、この波長では比較的低いからである。事実、この構造では、たった一つの光源を使用して、全ての測定を実行することが好ましい。これは、ウェハの絶対温度を推定するために使用される透過率測定が、干渉効果を無視できるほどの高温である温度で実行されるからである。この条件は、ウェハの裏側表面から反射される光が、光学的吸収があまりに強いために、ウェハの表側表面にほとんど達しないときに生じる。
この条件は、透過測定のために使用される波長λsにおける光学的吸収係数α(λs、Top)と、シリコン・フィルムの結合厚さdsicmb=dsisurf+dsisubとの積が、〜3以上であるときの温度Topで満足される。この場合、光線がウェハの厚さを通って通過した後に残された、光線のエネルギーの一部は、〜exp(α(λs、T)*dsicomb)=exp(−3)<5%である。もし、λsが〜1550nmなら、温度が〜800℃で、α(λs、T)は〜100cm−1である。dsicombが〜775μm厚さで、α(λs、800℃)*dsicombが〜7.8の場合は、この判定基準は簡単に満足される。しかし、表面層はまだ比較的透過的(透明)である。なぜなら、α(λs、800℃)*dsisurfはたったの〜0.25であるからである。したがって、この場合、透過測定と光学的厚さ測定の両方が、波長〜1550nmで発光する、コヒレント光源を使用して実行できる。この説明は、使用する部品の数の観点で、そのようなスキームの比較的単純性を強調しているが、それは、これらの測定が、望むなら、コヒレント光源のみで実行できることを示すのにも役立つ。
原理的には、透過率測定または反射率測定において干渉効果が大きいときでさえ、この方法を実現するためにコヒレント光源だけ使用することも可能である。しかし、この場合、光学的吸収は、反射率および透過率信号のもっと複雑な分析から推定される。それは、その吸収がウェハの2つのインターフェイスで反射される各光の間で観察される干渉の度合いを減衰させることを考慮に入れる。吸収の度合いを推定することによって、絶対温度は、絶対温度に相対する温度変化を決定するために使用される干渉を用いて、決定される。
図22と図23は、どのようにして、プロセス温度におけるウェハ温度が高精度で決定されるかの例を示すフロー図である。
図22に戻って、第1の測定は、ステップ150で示すように、プロセス・チャンバにロードされたウェハ上で、加熱がスタートする前、または、加熱サイクルの比較的早い時点で、少なくとも、厳密な温度制御を必要とするプロセス温度以下の温度において、典型的には実行される。この実施例では、ステップ152で、探索波長における、ウェハ内の光学的吸収が、第1の温度Tで決定される。この光学的吸収は、透過率測定又は反射率測定を使って、決定される。そのような測定は、現在の開示で説明された方法を含む、しかし、それに限定されない、色々な方法、および/または米国特許出願10/178950で開示されているような他の方法を使って、光学的吸収を決定するために使用される。一旦光学的吸収が決定されると、ステップ156で、ウェハの絶対温度T1が、その光学的吸収から高精度で決定される。そのような測定は、温度Tがスラブの裏側表面に相当量の光が到達するように十分低い温度ならば、量産デバイスで使用される典型的ウェハのような極めて厚いウェハ上でさえ比較容易に実行可能である。このアプローチは、ウェハ温度Tの最初の測定を提供する。
次ぎに、ステップ158で、ウェハの少なくとも或る部分の光学的厚さによって影響される測定が実行される。このウェハの光学的特性の測定は、好ましくは、コヒレント測定アプローチを使用して実行される。この光学的特性とは、典型的には、ウェハの反射率または透過率であるが、その基本的必要条件は、測定される光学的特性がウェハ内の構造を通る光路長によって影響を受けることである。この光路長は、典型的には、その屈折率に対する、またはウェハの少なくとも部分の物理的形状に対する温度効果のために、ウェハ温度の関数である。一旦光学的特性が測定されると、ウェハ温度はステップ160で第2の温度に変化される。ステップ162で、コヒレント測定が繰り返され、光学的特性に関する変化はステップ164で決定される。この光学的特性に関する変化は、ステップ166で、ウェハ温度がTからTに変化するに従い、発生した温度変化ΔTを推定するために使用される。この変化は、コヒレント測定に於ける光路長変化に対する強い影響のために、高精度で推定することができる。最後に、正確な絶対温度Tが、ステップ168で、TにΔTを加算することによって得ることができる。
光路長のコヒレント測定には、温度変化を測定する点に関し幾分問題がある(例えば、温度が上がっているのか下がっているのか)。これは、そのような測定が、激しく振動的である光学的特性の変化を引き起こすからである。もし、ウェハ温度が、振動信号の最大又は最小に相当する点で変化するなら、そのウェハが加熱されているのか冷却されているのか判別することが困難となる。この問題を解決するために、マルチ波長測定や干渉効果に関するウェハ厚さのバリエーションを調べることを含む、色々なアプローチが提案されてきた。しかし、現在の主題の実施例においては、そのような問題は、光学的吸収が第2の測定から、または、コヒレント測定を分析して吸収値を求めることによって推定される、ことを確保することによって軽減されるかもしれない。吸収に関する変化を検知することによって、温度変化の検知に関し即座のチェックをすることが可能となり、したがって、この問題は解決される。
例えば、図23のフローチャートは、どのようにして、図22のアプローチが、ステップ166に続く、ステップ170において、温度Tで吸収の第2の測定を実行するために適用されるかを示している。ステップ150−166は、図22と同じままである。ステップ170の吸収率測定は、ステップ174での吸収率測定を使用してステップ172におけるT2の値を推定することによって、TからTへの温度変化の方向を検査するために使用される。温度推定および/又は吸収測定を使用して、ステップ174において、ΔTの方向感覚(すなわち、上昇か下降か)が決定される。例えば、吸収測定がシリコン層を使用して実行されるとき、吸収に於ける如何なる上昇も、いつも温度の上昇に相当する。それ故、そのような場合、もし、Tにおける吸収率が、Tにおける吸収率より大きいなら、温度は上昇している。その情報を使用して、ステップ176で、温度T2は、適切にΔTを加算または減算することによって推定できる。吸収測定が困難である場合(例えば、高温での非常に強い吸収のために信号レベルが非常に低い場合)であっても、温度変化の方向を測定するためには、正確な値は必ずしも必要ではない。その推定は、温度が上昇しているか下降しているかを決定するために充分な正確さであれば良い。追加的に、吸収率を検出するために使用される光の波長は、この仕事を実行するために選択されるのであって、その波長は、光路長変化を決定するために使用される波長と同じ波長である必要はない。
温度変化を決定するためのアプローチは繰り返され、したがって、ウェハの温度は加熱サイクルの間中、追跡される。これは、絶対温度測定に対する最初の相互較正を伴って、例えば、光学的吸収測定を介して、成される。それは、また、光学的吸収率に基づく測定に対する周期的相互チェックを伴っても成され、それは、また、温度変化の検出を確実なものにするためにも使用される。多くのプロセスにおいて、温度変化の検出に伴う困難さは打ち消される。なぜなら、ウェハに与えられる加熱パワーをモニターすることは可能であるからであり、(そして、熱の移動に影響を与える如何なる他の要素、例えば、ウェハへ熱を与える、または、熱を奪うガスフロー特質などをモニターする)、したがって、温度変化の方向を予測できる。特に、パイロメータのような他の温度センサーを較正するためにこの測定が成されるヒートサイクルにおいては、特に柔軟性がある。例えば、加熱システムでは、プロセス環境の温度より低い温度からスタートするウェハに対し、連続して上昇する加熱パワーの出力を運ぶようにプログラムされている。この場合、ウェハ温度は、加熱パワーに応答して、連続して上昇することは知られている。同様に、加熱パワーが遮断されたなら、ウェハは冷たくなり始める(加熱ランプのような部品の熱時定数を考慮すべきことは注意しなければならないが)。冷却カーブの期間中に成される測定は、ウェハ温度は低下していくという仮定の基になされる。事実、冷却傾向は、他の手段によって、パイロメータの較正されていない出力を使用することによってさえ、確認することもできる。なぜなら、ウェハによって熱的に発光された光の信号の強さは、ウェハの温度とともに減少するからである。
現在の主題が、色々な実施例で構成された上記で示されたもの、記述されたものによって、権利範囲の点で制限を受けるものではないことは当業者であれば理解できる。むしろ、請求項に記載されたように、その権利範囲は、当業者であれば当然思いつく色々な変更、修正も伴って、そこで記載される色々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの両方を含む。

Claims (13)

  1. 較正ウェハの温度を決定するための方法であって、
    前記方法は、
    較正ウェハの第1のサイドに向かって、光を方向付けるステップを有し、
    前記較正ウェハの少なくとも一部は、温度によって変化する第1の周知の波長での光吸収および温度によって変化する第2の周知の波長での光路長を有し、
    前記方法は、
    前記較正ウェハを加熱するステップと、
    前記較正ウェハ内の光路を伝わり、そして、前記較正ウェハの第1のサイドとは異なる反射面で反射される、少なくとも一つの光線を有する光エネルギーを検出するステップと、
    前記検出された光エネルギーに基づき、前記第1の周知の波長で前記較正ウェハの吸収特性を測定するステップと、
    前記吸収特性に基づき、前記較正ウェハの絶対温度値を決定するステップと、
    前記較正ウェハの少なくとも一部を通る光路長の対応する変化に影響される測定に基づく温度の変化を決定するステップと、
    前記絶対温度の測定および温度変化の測定の両方に基づき、前記較正ウェハの温度を決定するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  2. 前記較正ウェハは、単一スラブの材料のみを具える、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記較正ウェハは、2層を有する、
    請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の周知の波長での前記吸収特性および前記第2の周知の波長での前記光路長の前記変化は、それぞれの波長で前記較正ウェハを通る光を検出することによって測定される、
    請求項1に記載の方法。
  5. 前記較正ウェハの前記第1のサイドに向かって方向付けられた前記光の少なくとも一部は、インコヒレント光源によって放射される、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記較正ウェハは、シリコンを具える、
    請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2の周知の波長は、約1.55ミクロンである、
    請求項1に記載の方法。
  8. 前記較正ウェハの前記第1のサイドに向かって方向付けられた前記光の少なくとも一部は、コヒレント光源によって放射される、
    請求項1に記載の方法。
  9. 前記較正ウェハの前記第1のサイドに向かって方向付けられた前記光は、前記第1の周知の波長でインコヒレント光源によって放射された光と、前記第2の周知の波長でコヒレント光源によって放射された光と、を具える、
    請求項1に記載の方法。
  10. 前記較正ウェハが回転する間に、前記絶対温度の測定および温度変化の測定は実行され、
    前記両方の測定は、前記較正ウェハ上の同一半径で実行される、
    請求項1に記載の方法。
  11. 温度スケールは、前記絶対温度の測定および温度変化の測定に基づいて形成される、
    請求項1に記載の方法。
  12. ウェハの温度を決定するための方法であって、
    前記方法は、
    前記ウェハの第1のサイドに向かって、光を方向付けるステップと、
    前記ウェハ内の光路を伝わり、そして、前記ウェハの第1のサイドとは異なる反射面で反射される、少なくとも一つの光線を有する光エネルギーを検出するステップと、
    前記検出された光エネルギーに基づき、前記第1の波長で前記ウェハの吸収特性を測定するステップと、
    前記吸収特性に基づき、前記ウェハの第1の絶対温度値T1を決定するステップと、
    前記ウェハの温度を第2の温度T2に変化させるステップと、
    前記第1の温度T1から前記第2の温度T2に変化する際の前記ウェハを通る光路長の変化を決定するステップと、
    光路長の前記変化から、対応するウェハ温度の変化を決定するステップと、
    前記決定された第1の温度T1と、前記第1の温度T1から前記第2の温度T2に変化する際の前記決定されたウェハ温度の変化と、に基づいて、前記第2の温度T2を決定するステップと、
    を有することを特徴とする方法。
  13. 前記吸収特は、前記第1の波長で前記ウェハの透過率を測定することによって測定される、
    請求項12に記載の方法。
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