JP5361204B2 - 燃料電池スタック - Google Patents
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Description
触媒層は、一般に白金あるいは白金族金属触媒からなる。触媒層の外面には、ガス供給と集電を担うガス拡散層が設けられる。
高分子電解質膜と触媒層を一体化させたものを膜電極接合体(MEA)と言い、一方の電極に燃料(水素)を、他方に酸化剤(酸素)を供給し、水を生成する過程で発電が行われる。
燃料を供給する側の電極を燃料極、酸化剤を供給する側の電極を酸化剤極と呼び、両側の電極から電力が取り出される。
そのため、より高い起電圧を必要とする場合には、複数のセルを積層し、各セルを電気的に直列化して用いられる。
このような積層構造は燃料電池スタックと呼ばれる。通常、スタック内では、酸化剤流路と燃料流路をセパレータと呼ばれる部材で隔離する。板状のセパレータのそれぞれに凹凸の溝を形成し、膜電極接合体に面した凹部をガス流路、凸部を集電部として構成する。
携帯電子機器に使用されるような燃料電池においては、酸化剤である空気の取り込みは、外気を自然拡散あるいはファンなどの送気手段で直接供給することが多い。また、積層型のスタック構成においては、空気の取り入れはスタック側面からのみとなる。
即ち、積層方向の中央に位置したセルほど熱が篭りやすく、また、両端に位置したセルほど熱を放出しやすい傾向にある。
そのため、燃料電池スタックの積層方向に対して、中央で最も温度が高く、相対的に両端で温度が低いという、温度の分布を有してしまう。
これら温度の分布に対して、燃料電池スタックの各セルは異なる温度条件下で発電を行うことになる。
このため、以下のような不具合が生じやすくなる。
まず、積層方向最上段あるいは最下段に位置するセルほどフラッディング現象が生じやすくなる。
フラッディング現象は酸化剤極で生成した水が凝集し、酸化剤極内のガス拡散性を悪化させ、特性低下を引き起こす現象である。スタック内で温度に分布が生じると、温度の低いセルほど水が凝集しやすいため、両端部に位置するセルほどフラッディングが起こりやすい。
また、積層方向中央部に位置するセルほどドライアウト現象が生じやすくなる。ドライアウト現象は固体高分子電解質中の水分量が温度の上昇とともに減少し、セルの内部抵抗を高くし、特性の低下を引き起こす現象である。
温度の高いセルほど酸化剤極で生成した水の蒸散が激しくなるため、中央部に位置するセルほどドライアウトが起こりやすい。
この燃料電池スタックでは、各セルのセパレータに形成された酸化剤流路に対して、その流路断面積を温度の低い両端部で最も大きくする構成とされている。
このため、供給された空気の取り込み量が両端部で大きくなり、温度が低くても水の凝集が起こりにくくなり、積層方向に対するフラッディングの発生度合いのばらつきが緩和される。
また、特許文献2では、燃料電池スタックの各セルの酸化剤流路の断面積を、中央部で最も大きくするようにした燃料電池が提案されている。
ここでは、空気の供給量を中央部で最も大きくすることで、空気を介した排熱により、中央部のセルの放熱量を大きくし、ドライアウトを抑制するように構成されている。
すなわち、特許文献1のものにおいては、スタックの発電温度は機器側の要求出力や、動作環境要因などで大きく振られる場合が生じる。
また、温度の分布は、スタック全体の温度が高いほど大きくなる傾向にあるため、全体温度が低い場合には中央部のセルの温度も突出して高くなるということは少ない。
ここで、特許文献1では、積層方向中央部のセルの酸化剤流路の断面積が相対的に小さくなっているため、空気の取り込み量が小さく絞られている。
このため、燃料電池スタックの発電温度が十分に上がっていない場合には、逆に中央部のセルでフラッディングが生じやすくなってしまうが、これに対処するための構成について何も開示されていない。
自己加湿型の燃料電池スタックでは、外部から空気を直接取り入れるため、スタックの発電温度が外部温度よりも高ければ、供給される空気の湿度は相対的に小さなものとなる。
このような湿度の低い空気を高温になりやすい中央部に多く供給することは、ドライアウトをより起こりやすくさせる場合が生じる。
(1)本発明の燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜の両側に燃料極と酸化剤極が配置された膜電極接合体と、
前記酸化剤極側に配置され、酸化剤を供給する開口部を備えた酸化剤流路形成部材と、
前記酸化剤流路形成部材の開口部に配置され、該酸化剤流路形成部材を流通する酸化剤の流量を規制する酸化剤流量規制手段と、
を有する燃料電池セルを、セパレータを介して3セル以上積層して構成された燃料電池スタックであって、
前記酸化剤流路形成部材における酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC1とし、前記酸化剤流量規制手段が配置された前記開口部における前記酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC2とするとき、
前記燃料電池スタックを構成するすべての燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1と前記コンダクタンスC2の大小関係はC1>C2の関係にあり、且つ、C1/C2の値が前記燃料電池スタックを構成する両端の燃料電池セルよりも大きい値を有する内側の燃料電池セルを、少なくとも一つ備えていることを特徴とする。
上記(1)の燃料電池スタックの構成によれば、積層方向に対して、酸化剤(空気)の供給量は中央部で小さく、両端部で大きくなる。これにより、温度の低い両端部でのフラッディングと、温度の高い中央部でのドライアウトを抑制できる。
(2)また、本発明の燃料電池スタックは、前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1の値が略同一であり、
前記コンダクタンスC2の値が前記両端の燃料電池セルよりも小さい値を有する内側の燃料電池セルを少なくとも1つ備えていることを特徴とする。
上記(2)の燃料電池スタックの構成によれば、酸化剤極近傍のコンダクタンスC1が各セルで等しいため、各セルでの発電部直上でのガス拡散性をより均一に保つことができる。
このため、スタックの発電温度が十分に上がりきらない場合でも、積層方向中央のセルで特別にフラッディングが生じやすいという状態を緩和することが可能となる。
(3)また、本発明の燃料電池スタックは、前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1の値が、前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルが大きい値を有し、
且つ、前記コンダクタンスC2の値が、前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルが小さい値を有することを特徴とする。
上記(3)の燃料電池スタックの構成によれば、スタックの発電温度が十分に上がりきらない場合でも、積層方向中央のセルのフラッディングに対する耐性をさらに高めることができる。
(4)また、本発明の燃料電池スタックは、前記酸化剤流路形成部材が、発泡金属によって構成されていることを特徴とする。
上記(4)の燃料電池スタックの構成によれば、ガス拡散の均一性をより高め、且つ、集電の均一性をより高めることが可能である。
(5)また、本発明の燃料電池スタックは、前記酸化剤流量規制手段が、前記開口部の開口部面積を減らす手段によって構成されていることを特徴とする。
上記(5)の燃料電池スタックの構成によれば、酸化剤流量規制手段を設けた場合でも、セルの膜電極接合体に対応する部分のガス拡散性自体を低下させることが少ない。
(6)また、本発明の燃料電池スタックは、前記開口部の開口部面積を減らす手段が、開口部面積を減らす構造遮蔽物で構成されていることを特徴とする。
上記(6)の燃料電池スタックの構成によれば、酸化剤流路形成部材の開口部に遮蔽物を配置するという簡単な構成によりコンダクタンスC2の調整を簡便に行うことが可能となる。
(7)また、本発明の燃料電池スタックは、前記構造遮蔽物が、梁状部材であることを特徴とする。
上記(7)の燃料電池スタックの構成によれば、複雑な形状を有さない梁状部材を用いることで開口面積の調整を簡便に行うことが可能となる。
(8)また、本発明の燃料電池スタックは、前記梁状部材が、前記酸化剤流路形成部材と膜電極接合体の間に配置されることを特徴とする。
上記(8)の燃料電池スタックの構成によれば、梁状部材と酸化剤流路形成部材とを嵌合させることができるため、アライメントが容易となり、また、組み立て性が向上する。
(9)また、本発明の燃料電池スタックは、前記梁状部材が、前記酸化剤流路形成部材と前記セパレータの間に配置されることを特徴とする。
上記(9)の燃料電池スタックの構成によれば、梁状部材をセパレータと一体的に構成することが可能となり、部材点数を削減できる。
(10)また、本発明の燃料電池スタックは、前記梁状部材は、該梁状部材の厚さが前記燃料電池スタックを構成する前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルの方が厚いことを特徴とする。
上記(10)の燃料電池スタックの構成によれば、梁状部材の厚みを変えるという簡便な構成でコンダクタンスC2の調整が可能となる。
(11)また、本発明の燃料電池スタックは、前記開口部の開口面積を減らす手段が、前記開口部の一部を圧縮変形させる手段で構成されていることを特徴とする。
上記(11)の燃料電池スタックの構成によれば、コンダクタンスの調整を酸化剤流路形成部材自身で行うことができるため、遮蔽物を配置する必要が無く、部材点数の削減に繋がる。
図1に、本実施形態の燃料電池スタックにおけるセルの構成を説明するための模式的分解斜視図を示す。
また、図2には本実施形態における燃料電池システムの概略構成を説明するための図を示す。
本実施形態の燃料電池システムは、図1に示す構成部材からなるセルの酸化剤流路形成部材における酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC1とし、
酸化剤流量規制手段が配置された開口部における上記酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC2とするとき、
これらのコンダクタンスに違いを持たせたものを、セパレータ(バイポーラプレート)を介して3セル以上積層してなる燃料電池スタックを備える。
図2において、1は燃料電池システム、2は燃料タンク、3は燃料流路、4は空気供給ファン、5は燃料電池セル、6は膜電極接合体、7は燃料極、8は酸化剤極、9は電子機器、10は燃料電池スタックである。
そして、燃料として純水素やメタノール等、どのような燃料を供給する方式のものでも用いることができる。
また、燃料電池の発電部の基本構成とし、両面に触媒層を設けたプロトン伝導性の高分子電解質膜からなる膜電極接合体6、両側の触媒層上に各々ガス拡散層、流路形成部材等からなる燃料極7、酸化剤極8の二つの電極を有する。
燃料極へは燃料タンク2から燃料流路3を通じて燃料が供給され、また、酸化剤極へは空気供給ファン4を介して外気中の空気が供給される。
燃料タンク2は、燃料を燃料電池に供給できるものならばどのようなものを用いても良い。
また、燃料としては、純水素や水素吸蔵材料に吸蔵された水素、メタノールやエタノールなどの液体燃料が挙げられる。
また、液体燃料及びその改質器を有して改質水素を燃料電池に供給する方式を用いることもできる。
高出力密度の燃料電池を得るためには、燃料として純水素を供給する方式が用いられ、燃料タンクに水素吸蔵合金を使用すれば、より低圧で効率良く純水素を蓄えることができる。
燃料流路3は、燃料タンクから供給された水素燃料を系外へリークさせることのないよう、部品間の接続部分にはシール部材が配置されている。
図1において、21は膜電極接合体、22、26はガス拡散層、23、31は電極板、24は燃料極室、25はシール材、27は酸化剤流路形成部材、28は支持部材、29は構造保持部材、30は酸化剤流量規制手段、32はボルト穴、33は燃料流路である。
本実施の形態における燃料電池セルの構成は、膜電極接合体21を間に挟む形で、燃料極側には電極板23、ガス拡散層22、シール材25を備えている。
また、酸化剤極側にはガス拡散層26、酸化剤流路形成部材27、支持部材28、構造保持部材29、酸化剤流量規制手段30、電極板31を備えている。
燃料極側電極板23は、導電性のステンレス等の金属に金メッキが施されたものであり、燃料極に対応する位置には燃料極室24が設けられている。
ガス拡散層22はカーボンペーパーやカーボンクロス等の通気性のある導電性部材であり、前記燃料極室に収められている。
シール材25はシール機能を有する材料であって、電極板の外周縁を囲むように配置されており、締結時に膜電極接合体21と電極板23との間に密閉空間を形成し、燃料極室からの水素の漏れを防いでいる。
これらシール材には、ガスケットやO−リング、接着剤などが用いられる。
酸化剤極側には、ガス拡散層26と酸化剤流路形成部材27が積層され、また、酸化剤流路形成部材の開口部には酸化剤流量規制手段30が配置される。
ガス拡散層26には燃料極側のガス拡散層22と同様にカーボンペーパーやカーボンクロス等が用いられる。
酸化剤流路形成部材27の材料としては、ステンレスやニッケル−クロムの合金等を用いることができる。
酸化剤流路形成部材27の形状としては、それらの金属を多孔質化させた発泡金属が均一性の高い流路形成と電極部材からの集電性に優れており、好ましく用いることができる。
また、それらの金属から成る柱状部材で構成される並列柱状部材、もしくは三次元格子状の部材などでも良く、これらを用いれば、より大きな流路を形成でき、生成した水によって流路が閉塞される可能性を減らすことができる。
支持部材28の材料としては、導電性は必要ないが、耐腐食性及び剛性が高いことが求められ、ステンレス等の金属やセラミックスあるいはプラスチックが用いられ得る。
また、支持部材28の高分子電解質膜と接触する面との反対側には酸化剤流路形成部材27が設けられており、締結時には、支持部材28の少なくとも一部に対して、酸化剤流路形成部材27から直接的あるいは間接的に圧力を印加する。
これによって、締結の圧力をシール材に均等に与えることができるため、燃料の封止をより確実なものにすることができる。
構造保持部材29は少なくとも酸化剤流路形成部材27よりも剛性の高い部材で形成され、セルの高さ、具体的にはガス拡散層26と酸化剤流路形成部材27の厚さを規定することで、ガス拡散層26と酸化剤流路形成部材27の過度の変形を防止する部材である。
また、構造保持部材29はボルト穴32を有している。
また、構造保持部材29には燃料流路33が形成されており、燃料電池スタックを構成した後にはセルの積層方向に対して燃料マニホルドとなる。
燃料マニホルドからの燃料の漏洩を防止するために、燃料の種類に応じて適宜シール部材が各構成部材間に挿入されることがある。
このように形成した燃料マニホルドは、剛性の高い構造保持部材29で形成されるため、締結時もしくは締結後の変形や位置ずれによる燃料の漏洩を防止することができる。
構造保持部材29の材料として好適に用いられる剛性の高い材料としては、ステンレス等の金属やセラミックス、プラスチックが挙げられる。
構造保持部材が支持部材上に設けられていると、締結の圧力は構造保持部材を通して支持部材に伝えられることになり、支持部材のアライメント精度が向上する。
構造保持部材29と支持部材28は別々に構成されても良いが、それらが一体に構成されていると、燃料電池製造時のアライメントが不要となる。
また、開口部の片側のみに配置されてあっても良く、両側に配置されても良い。これら、酸化剤流量規制手段は、酸化剤流路形成部材の開口部面積を減らす構造遮蔽物であって、その形状や材質は任意に選択可能である。板状の部材や梁状部材でも良いし、網目状の部材であっても良い。
酸化剤流路形成部材の多孔度よりも小さな多孔度を有したフィルター状部材であっても良いし、粘状物質であって、酸化剤流路形成部材の開口部付近に含浸して、開口部を遮蔽するようなものであっても構わない。
また、開口部の一部を圧縮変形させる手段で構成するようにしてもよい。
ここで、セルの酸化剤流路形成部材における酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC1とし、
酸化剤流量規制手段が配置された開口部における酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC2とするとき、
コンダクタンスC2をコンダクタンスC1より小さな値を持つように構成される。
このため、セルの空気の供給はコンダクタンスC2によって規制されることになる。
図3から図8に、本実施の形態の燃料電池における燃料電池スタックの構成を説明するための図を示す。
なお、図6は図5のA−A断面を示す図であり、図8は図5のB−B断面を示す図である。
図3から図8において、10は燃料電池スタック、11はスタックボルト、12はカプラ、13はエンドプレートである。
本実施の形態の燃料電池スタック10は、電子機器の負荷に応じて複数個のセルが直列に接続されて構成されている(本実施の形態では図として4つのセルを接続した構成例を示す)。
各セルにはそれぞれボルト穴と燃料流路があり、図7に示すように積層してエンドプレート13で挟み込む。
そして、ボルト穴にスタックボルト11を通し締結する。この際に、各セル及びエンドプレート13が電気的に導通してしまわないよう、電気絶縁性を有するボルトを用いるか、ボルトと接触する可能性のある部材とボルトの間に絶縁部材を挿入する。これにより、各セルが電気的に直列に接続され、各燃料電池セル間の燃料極が燃料流路によって連結される。
また、このように電気的に直列にセルを積層した構成では、前述の燃料極側・酸化剤極側の電極板はセパレータと共通化されバイポーラプレートとなる。
燃料は図6に矢印で示すように燃料流路を通って各燃料電池セルに供給される。また、酸化剤である空気は、燃料電池スタックの側面の酸化剤流路形成部材27が露われた部分から、自然拡散あるいは空気供給ファンなどを介して供給される。
燃料電池スタックを構成する各セルにはそれぞれ酸化剤流路形成部材に酸化剤流量規制手段が配置されている。
図8において、上記したように酸化剤流路形成部材27の内部のコンダクタンスをC1、酸化剤流量規制手段30が設けられた開口部のコンダクタンスをC2としたとき、
本実施形態の燃料電池スタックは、その両端のセルのC1/C2の値よりも大きいC1/C2の値を有するセルが内側に配置されている。
ここで、各セルのC1とC2の大小関係は全てC1>C2であり、空気の供給量はよりコンダクタンスの小さいC2によって規制されることから、C1/C2の値が大きいセルほど空気は流れにくいことになる。
従って、燃料電池スタックの積層方向両端のセルで相対的に空気の流れは大きくなり、中央部のセルで相対的に空気の流れは小さくなる。
具体的には、温度が相対的に低いセルに対して、フラッディングを抑制することが可能である。
また、温度の高いセルに対して、ドライアウトを抑制することが可能である。
これにより、セル毎の発電性能のばらつきを抑えられ、高出力で安定した発電が可能な燃料電池スタックを提供することができる。
[実施例1]
実施例1においては、上記した実施形態における構成を適用した燃料電池スタックについて説明する。
図9に、本実施例の燃料電池スタックにおけるセルの構成を説明するための模式的分解斜視図を示す。
また、図10に図5の断面線B−Bに対応する位置で切断した断面図を示す。
また、図11に図10の断面線C−Cに対応する位置で支持部材48を切断した断面図を示す。
本実施例では、まずセルの構成に基づいてコンダクタンスC1及びC2の設計手法について説明する。
酸化剤流路形成部材にはステンレスやニッケル−クロム合金等を多孔質化させた発泡金属を使用する。発泡金属47は部材圧損の少ないもの、即ち空気流通のコンダクタンスが大きなものを使用する。
構造保持部材49と支持部材48は、それぞれが独立した部材からなり、図9で示すように構造保持部材が支持部材上に設けられる構成となっている。
これら構造保持部材と支持部材の材料としてはステンレスを使用する。ガス拡散層と発泡金属の厚みの和は、締結時に構造保持部材と支持部材の高さの和で規定される。
この場合、発泡金属は支持部材の梁状部分に嵌合するよう凸形状を有している。該形状への加工には、ワイヤー加工等によって、支持部材に接する部分の発泡金属を削り落とすことで可能である。
また、燃料電池の組立てを行なう前に、発泡金属と支持部材と構造保持部材とを重ね合わせた状態でプレスすることで、全体の厚みを保ちつつ支持部材に接する部分の発泡金属を潰したものを予め形成することができる。
上記構成によって、酸化剤流路形成部材である発泡金属47は、内部のコンダクタンスC1に対して、それよりも小さいコンダクタンスC2を開口部に設けることが可能となる。
C1/C2の値は、発泡金属47の開口部の面積によって変えることができる。このとき、燃料電池スタックの各セルのC1を等しく設定すれば、各セルの発電面直上でのガス拡散性を等しくすることが可能となり好ましい。
各セルのC1を等しくし、C2をセル間で変えるためには、構造保持部材49と支持部材48の高さの和を各セルとも同一とし、かつ構造保持部材と支持部材の高さの比率を変化させれば良い。
これにより、各セルにおけるコンダクタンスC1の値を略同一とし、コンダクタンスC2の値が前記両端の燃料電池セルよりも小さい値を有する内側のセルを少なくとも1つ備えた燃料電池スタックを構成することができる。
したがって、セル毎の発電性能のばらつきを抑えられ、高出力で安定した発電が可能な燃料電池スタックを提供することができる。
また、支持部材の梁状部分と発泡金属を嵌合させる構成により、部材間のアライメントが容易となり、組み立て性が向上する。
つぎに、上記実施例1の燃料電池スタックにおいて、代表的な材料と数値を用いて作製した場合における具体的構成例について説明する。
まず、本実施例で使用したセルの構成について説明する。
ここでは、セルの外形を短冊状とし、幅は約10mm、長さは約35mmとした。
固体高分子電解質膜には、ナフィオン(登録商標:Nafion)膜(デュポン社製、NRE−212 CS)を使用した。
また、これにスパッタリング法により形成された微細構造を有する白金堆積物を、該表面上に高分子電解質溶液を塗布した後に、両側から高分子電解質膜に熱圧着させることで膜電極接合体41を得た。
高分子電解質膜は燃料電池の外形同様に幅は約10mm、長さは約35mmであり、電解質膜中央に触媒電極を設けた。触媒電極の反応面積は約2cm2とした。
燃料極室44からの水素の漏れを防ぐために、燃料極側電極板43の外周縁にはシール材45を配置し、締結時に膜電極接合体41と電極板43の間で密閉空間を形成した。
酸化剤極側には、ガス拡散層として厚み約0.35mmのカーボンクロス(E−TEK社製)と、酸化剤流路形成部材として発泡金属(住友電気工業社製)を配置した。発泡金属はニッケル−クロムを主成分とする剛性の高い材料であり、呼び孔径が約900μm、気孔率が約95%のものを使用した。
構造保持部材49と支持部材48はステンレス材料をもって個別に形成されたものを用いた。
構造保持部材が支持部材上に設けられる構成とし、また、構造保持部材と支持部材はカーボンクロス46の周囲を覆うように、かつ、燃料極側のシール材45に対応するように配置した。
発泡金属47には支持部材48の梁状部分48aと嵌合するように凸形状を形成し、梁状部分の厚みと凸部の高さを規定することで、カーボンクロス46の圧縮量を揃えた。
コンダクタンスはセルの開口部の片側に外部マニホルドを設置し、供給された空気が発泡金属内を通過するときの風量およびマニホルド内の圧力から傾きを求め、1Paあたりに流れる風量[sccm]という値で定義した。
図13(a)に示すように、開口部高さに対してコンダクタンスの値を制御良く変化させることが可能であった。
この場合、支持部材48の梁状部分48aは発泡金属47の開口面積を減らすことがないので、発泡金属の厚みは開口部の高さとなる。
また、図14には、開口部の高さに対して、導入圧を調整して20sccmという一定量の空気を供給した場合の、セルの最大出力密度の関係を示した。
図14から明らかなように、空気の供給量自体が一定であっても、ある出力を取り出すためには、最低限必要な開口部高さが存在することが分かる。
一般に、セルの出力密度が100mW/cm2以上であれば、種々の利用に供することができるため、発泡金属開口部の高さは、0.4mm以上であることが好ましい。
ここには、図12(b)で示す発泡金属47が支持部材48の梁状部分48aと嵌合するセルに対して、構造保持部材49と支持部材の高さの和を1mmと一定に保ちつつ、支持部材の梁状部分の厚みを種々変えた場合のコンダクタンスの関係が示されている。
コンダクタンスの測定方法は前述通りである。この場合も、開口部高さに対してコンダクタンスの値を制御良く変化させることが可能であり、コンダクタンスの規制は発泡金属全体の高さではなく、開口部高さであることが分かる。また、コンダクタンスC1は、発泡金属の全高に依存し、コンダクタンスC2は開口部高さに依存している。
さらに、図12(a)、(b)の構成のセルに対して、発電温度や風量を種々変えた場合の、安定出力値を見積もった。
図15は、発電温度と風量の二軸のマップ上に、セルの安定出力値をプロットしていき、ある任意の出力値以上の領域を囲っていったものである。
セルの発電温度はヒータによる温度調節を使用し、また、出力値は350mA/cm2の電流密度で30分駆動させた後の値を用いている。出力の領域は230mW/cm2以上を示した部分が等高線的に囲繞されてある。
カーボンクロス46は0.1mmにまで圧縮され、開口部の高さ(発泡金属全高)は0.9mmとなっている。
また、図15(b)の結果は、図12(a)のセルに対して、構造保持部材と支持部材の高さの和を0.7mmとし、支持部材の梁状部分の厚みを0.1mmとした場合のものである。
この場合もカーボンクロスは0.1mmにまで圧縮され、開口部の高さ(発泡金属全高)は0.6mmとなっている。
また、図15(c)の結果は、図12(b)のセルに対して、構造保持部材と支持部材の高さの和を1mmとし、支持部材の梁状部分の厚みを0.4mmとした場合のものである。
発泡金属の凸面の高さを規定することで、締結時にカーボンクロスは0.1mmにまで圧縮されている。
また、発泡金属の全高が0.9mmであるのに対して、開口部の高さは0.6mmとなっている。
図15(a)では、安定領域が、温度が低く風量の低い領域を示していることから、フラッディングに対して耐性を有する構成であることが分かる。
一方で、温度が高く風量の大きい右上の領域では出力が減じていることから、ドライな環境に弱いことが分かる。
また、温度が高くても風量の小さい左上の領域に安定領域が存在することから、ドライに対して耐性を持たせるためには、温度が高い状態でも風量を小さく抑えれば良いことが分かる。
図15(a)の構成に対して、風量を小さく抑えるためには、図13で示したように発泡金属の開口部高さを小さくする、図15(b)或いは図15(c)の構成をとれば良い。
ここで、図15(a)に対して、図15(b)の安定領域は、風量が大きく発電温度の高い右上へとシフトし、しかもその領域は狭くなっている。
温度の低く風量の小さい領域で出力が減じたことから、この構成のセルでは、ドライな環境に対しては耐性を有するが、逆にウェットな環境に対してはフラッディングが起こりやすいことを示している。
単純に発泡金属全高を小さくするだけでは安定領域を広げる効果は無いことを示している。
これから、この構成のセルでは、フラッディング耐性を保ちつつ、ドライな環境に対しても耐性を有していることを示している。
即ち、発泡金属のコンダクタンスC1とC2の関係において、C1>C2の関係を有したセル構成でフラッディング耐性を保ちつつ、ドライな環境に対しても耐性を上げていくことができた。
また、支持部材の梁状部分の厚みでC2の値を変化させることで、空気の流量を制御し、安定領域を左右にシフトさせることが可能となる。
図16は、空気の供給量が一定のセルにおいて、支持部材の梁状部分の厚みを振り、開口部高さ変えたときの、各温度に対する出力値を示したものである。
出力値は350mA/cm2の電流密度で60分駆動させた後の値を用いている。図から、発泡金属開口部の高さに応じて、それぞれ最適な温度域を持たせることができている。
燃料電池スタックの積層方向の温度分布、即ち、両端部で温度が低く、中央部で温度が高いということを考慮して、積層方向に対して空気のコンダクタンスに分布を持たせた構成とした。
ここで、本実施例の燃料電池スタックとして、12セルを積層したスタックについて述べていく。
まず、酸化剤流路構成に違いを持たせることなく、発泡金属厚みと開口部高さの等しいセルを12層積層したスタックを作製した。
発泡金属の厚みは1mm、開口部高さは0.9mmとした。この燃料電池スタックを350mA/cm2の定格電流で駆動した場合に、スタック温度が何度に到達するかを測定した。
スタックは、気温25℃、湿度50%の環境下に置かれ、環境下と等しい温度/湿度の空気を供給した。
また、スタック側面の構造保持部材が連なる箇所には、35℃の水が循環した冷却部材を押し当てた。
燃料電池スタックの温度は起動初期から上昇し、数分後にはほぼ一定の値を示すようになった。
このとき、スタック両端のセルが約55℃、端部から2番目のそれぞれのセルが約60℃、端部から3番目のそれぞれのセルが約65℃であった。
また、それ以外の内側のセルでは、温度はほぼ等しく約70℃であった。
温度分布に対し、酸化剤流路の設計を行わなかった上記スタックでは、両端のセルでフラッディングが起こりやすく、また、フラッディングを避けるために空気の供給量を上げた場合には、中央のセルでドライアウトしやすかった。
空気の供給量を変化させた場合でも安定して駆動できる領域が見つからず、特性が不安定であった。
安定後に約55℃であった両端のセルの開口部高さを0.9mm、約60℃であった端部から2番目のそれぞれのセルの開口部高さを0.8mmとした。
また、約65℃であった端部から3番目のそれぞれのセルの開口部高さを0.7mm、約70℃であったそれ以外のセルの開口部高さを0.6mmとした。
これらの構成により、温度が低い両端のセルで空気の供給量を大きくし、温度が高い内側のセルで空気の供給量を小さくした。
本実施例の燃料電池スタックでは、350mA/cm2での駆動に対して、発電温度が想定温度域に到達している状態で、安定駆動が可能であった。
即ち、温度の低い両端部でのフラッディングを抑制し、温度の高い中央部でのドライアウトを抑制する効果を有していた。
また、スタック温度が十分に上がりきらない場合を想定して、発電環境温度を低く設定しても中央部のセルでフラッディングが特に生じやすいという状況にはならなかった。
本実施例のスタックの比較例として、支持部材48の梁状部分48aで流量規制を施されない、図12(a)の構成のセルを複数積層した燃料電池スタックを作製した。
比較例の燃料電池の構成は、支持部材の梁状部分で発泡金属47の開口部高さが小さくならない以外は実施例1と同様であって、12セルを積層した構成である。
図17に、比較例の燃料電池におけるセルの構成を説明するための図5の断面線B−Bに対応する位置で切断した断面図を示す(図として4つのセルを接続した構成例を示す)。
燃料電池スタックは、図13(a)で見られるように発泡金属全高を変えることで空気の流量を制御した。
温度の低い両端部では、発泡金属全高を大きくして流量を大きくし、温度の高い中央部では、発泡金属全高を小さくして流量を小さくした。
これら発泡金属の全高は、図16と同様に発泡金属全高を変えたときの、各温度に対する出力値の関係から選択した。
燃料電池スタックの発電温度が想定温度域にまで到達している状態で、比較例の燃料電池スタックは安定駆動が可能であった。
即ち、温度の低い両端部のフラッディングを抑制し、温度の高い中央部のドライアウトを抑制する効果を有していた。
しかしながら、スタック温度が十分に上がりきらない場合を想定して、発電環境温度を低く設定したところ、中央部のセルでフラッディングによる特性低下が見られた。
実施例2においては、上記した実施形態における構成を適用した上記実施例1とは別の形態の燃料電池スタックについて説明する。
本実施例の燃料電池スタックの構成は、開口部面積を減らす構造遮蔽物を構成する梁状部材50を酸化剤極側電極板51側に別に形成した以外は、基本的には図9に示した実施例1と同様である。
図18に、本実施例の燃料電池における燃料電池スタックの構成を説明するための図5の断面線B−Bに対応する位置で切断した断面図を示す。
本実施例では、支持部材48には同一部材を使用する。新たに酸化剤流路形成部材を構成する発泡金属と電極板(セパレータ)の間に梁状部材50が配置され、該梁状部材の厚みによって、発泡金属の開口部高さを規定し、コンダクタンスC1およびC2の関係を有させることができる。
また、該構成のセルの開口部高さを変えたときの、各温度に対する安定出力値の関係も実施例1と同様である。
本実施例の燃料電池スタックは、上記構成のセルを複数積層して形成される。
本実施例の構成によれば、積層方向の温度分布に応じて各セルのコンダクタンスを両端部で大きく、中央部で小さく調整することにより、燃料電池スタックのより安定な駆動が可能となる。
また、梁状部材50を電極板51側に設置することで、両者の一体的な形成が可能となる。また、発泡金属47は支持部材48の梁状部分48aと、電極側の梁状部材50との両方に嵌合するため、嵌め込み式で組み立て性が容易になる。
実施例3においては、上記した実施形態における構成を適用し上記各実施例とは別の形態の燃料電池スタックについて説明する。
本実施例の燃料電池スタックの構成は、後述するように発泡金属47の形成に特徴を持たせた以外は、基本的には図9に示した実施例1と同様である。
本実施例は、支持部材48には同一部材を使用して、梁状部分48aの厚みを振ることはしない。
発泡金属47は、例えば、図19で示すような開口部となる部分が厚みを持った構造体として用意される。
燃料電池の組み立てを行う前に、該構造の発泡金属と支持部材と構造保持部材とを重ね合わせた状態でプレスすることで、発泡金属の形状を凸状にすることができる。
このとき、発泡金属の開口部はその他の部分よりも潰し量が大きくなるため、開口部で気孔率が相対的に小さくなる。
これによって、発泡金属に対して、コンダクタンスC1およびC2の関係を与えることができる。
本実施例の燃料電池スタックは、上記構成のセルを複数積層して形成される。
本実施例によれば、積層方向の温度分布に応じて各セルのコンダクタンスを両端部で大きく、中央部で小さく調整することにより、燃料電池スタックのより安定な駆動が可能となる。
実施例4においては、上記した実施形態における構成を適用し上記各実施例とは別の形態の燃料電池スタックについて説明する。
本実施例の燃料電池スタックの構成は、後述するようにC1とC2の各セル間での関係を規定した以外は、基本的には図9に示した実施例1と同様である。
図20に、本実施例の燃料電池における燃料電池スタックの構成を説明するための図5の断面線B−Bに対応する位置で切断した断面図を示す。
本実施例では、発泡金属47の内部のコンダクタンスC1が、スタック両端のセルよりも内側のセルで大きく、且つ、開口部のコンダクタンスC2が、スタック両端のセルよりも内側のセルで小さくなるように構成されている。
具体的には、発泡金属47の全高はスタック両端のセルよりも内側のセルで大きく、且つ、支持部材48の梁状部分48aによって規定される発泡金属の開口部高さは、スタック両端のセルよりも内側のセルで小さくなっている。
本実施例の構成により、温度が低くなりやすい燃料電池スタック両端部のセルに対して、空気の供給量を大きくし、また、温度が高くなりやすい中央部のセルに対して、空気の供給量を小さくすることが可能となる。
これにより、温度が低い両端部のセルに対して、フラッディングを抑制することが可能である。
また、温度の高い中央部のセルに対して、ドライアウトを抑制することが可能である。
加えて、スタックの発電温度が十分に上がりきらないときに懸念される中央部のセルでのフラッディングに対しても、耐性をさらに高めることが可能となる。
2:燃料タンク
3:燃料流路
4:空気供給ファン
5:燃料電池セル
6:膜電極接合体
7:燃料極
8:酸化剤極
9:電子機器
10:燃料電池スタック
11:スタックボルト
12:カプラ
13:エンドプレート
21:膜電極接合体
22,26:ガス拡散層
23,31:電極板
24:燃料極室
25:シール材
27:酸化剤流路形成部材
28:支持部材
29:構造保持部材
30:酸化剤流量規制手段
32:ボルト穴
33:燃料流路
41:膜電極接合体
42,46:カーボンクロス
43,51:電極板
44:燃料極室
45:シール材
47:発泡金属
48:支持部材
48a:梁状部分
49:構造保持部材
50:梁状部材
Claims (11)
- 固体高分子電解質膜の両側に燃料極と酸化剤極が配置された膜電極接合体と、
前記酸化剤極側に配置され、酸化剤を供給する開口部を備えた酸化剤流路形成部材と、
前記酸化剤流路形成部材の開口部に配置され、該酸化剤流路形成部材を流通する酸化剤の流量を規制する酸化剤流量規制手段と、
を有する燃料電池セルを、セパレータを介して3セル以上積層して構成された燃料電池スタックであって、
前記酸化剤流路形成部材における酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC1とし、前記酸化剤流量規制手段が配置された前記開口部における前記酸化剤の一定圧力当たりの流量[sccm]をコンダクタンスC2とするとき、
前記燃料電池スタックを構成するすべての燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1と前記コンダクタンスC2の大小関係はC1>C2の関係にあり、且つ、C1/C2の値が前記燃料電池スタックを構成する両端の燃料電池セルよりも大きい値を有する内側の燃料電池セルを、少なくとも一つ備えていることを特徴とする燃料電池スタック。 - 前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1の値が略同一であり、
前記コンダクタンスC2の値が前記両端の燃料電池セルよりも小さい値を有する内側の燃料電池セルを少なくとも1つ備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記燃料電池スタックを構成する各燃料電池セルにおける前記コンダクタンスC1の値が、前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルが大きい値を有し、
且つ、前記コンダクタンスC2の値が、前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルが小さい値を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。 - 前記酸化剤流路形成部材は、発泡金属によって構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
- 前記酸化剤流量規制手段は、前記開口部の開口部面積を減らす手段によって構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料電池スタック。
- 前記開口部の開口部面積を減らす手段は、開口部面積を減らす構造遮蔽物で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池スタック。
- 前記構造遮蔽物は、梁状部材であることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池スタック。
- 前記梁状部材は、前記酸化剤流路形成部材と膜電極接合体の間に配置されることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池スタック。
- 前記梁状部材は、前記酸化剤流路形成部材と前記セパレータの間に配置されることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池スタック。
- 前記梁状部材は、該梁状部材の厚さが前記燃料電池スタックを構成する前記両端の燃料電池セルよりも前記内側の燃料電池セルの方が厚いことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の燃料電池スタック。
- 前記開口部の開口面積を減らす手段は、前記開口部の一部を圧縮変形させる手段で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池スタック。
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