JP5359500B2 - 射出成形装置 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂成形に使用する射出成形装置に関するものである。
従来、樹脂成形を行う射出成形装置は、射出シリンダ装置と型締め装置とから構成されていた。かかる射出成形装置によって、複数のゲートを必要とする製品形状において、廃材を低減するためにホットランナを用いる成形方法があるが、かかる成形方法では、ホットランナを組み込んだ金型を用いて成形を行っていた。
一方、射出成形装置自体の小型化によってコストダウンを図るために、例えば特許文献1のように、樹脂を溶融射出する射出シリンダ部と、金型が取付けられる型締め機構部とを有する射出成形機において、固定側プラテンに射出シリンダを、断熱材を介して連結する構成としたものがある。
特開2002−316349号公報
しかしながら、前者の射出成形装置のように、ホットランナを組み込む金型では、ホットランナは金型ごとに設計したものであるために、金型費用が増大するといった課題がある。
一方、後者の特許文献1にかかる射出成形機では、シリンダをプラテン内に保有しているが、ノズルタッチ動作を無くしており、また多点での成形をすることはできない。
本発明は、以上のような背景を鑑みて提案されたものであって、射出成形装置による成形において、設備コスト、製造コストの削減を目指し、特に、ホットランナを用いた金型の成形において、廃材低減のために必要なホットランナのコストが上昇すること、それに伴う金型コストが増大するという課題を解決するために、異なる製品を成形するそれぞれの金型に共通化可能な要素を、金型とは分離して成形機に搭載することで、異なる製品形状においても成形可能とする、射出成形装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、固定金型(15a)と可動金型(15b)とよりなる金型(15)に成形樹脂を、ホットランナ(22)を介して充填して樹脂成形を行う射出成形装置において、射出成形装置における型締め装置(10)が、固定金型(15a)が取り付けられた固定側プラテン(12)と、可動金型(15b)が取り付けられた可動側プラテン(13)とより構成されており、ホットランナ(22)は、異なる成形品をそれぞれ成形するための金型(15)に対応可能とするべく共通化構成した射出分配ユニット(20)として、固定金型(15搭載された型締め装置(10)の固定側プラテン(12)に組み込まれて、保持されていて、射出分配ユニット(20)におけるホットランナ(22)は、基部ランナ(22a)と、この基部ランナに、複数、分岐させて、種々の金型(15)におけるキャビティ(c)におけるゲートに対応して、選択的に連通させて形成樹脂を充填できるようにした分配ランナ(22b)とを具備しており、また固定金型(15a)には、分配ランナ(22b)の先端部に結合され、ゲートに対応した分配ランナ(22b)を選択的に連通させる結合部材(16)が設けられており、射出分配ユニット(20)のホットランナ(22)の先端部を固定金型(15a)の結合部材(16)に結合することによって、成形樹脂を充填する通路を選択的に変えることができるようにしたことを特徴とする。
これにより、共通化構成した射出分配ユニット(20)を、金型(15)とは別に型締め装置(10)に搭載することで、金型(15)自体にホットランナ(22)を設ける必要なく、金型のコストを抑制することができる。
これにより、型締め装置(10)における固定側プラテン(12)側に、多種の金型(15)に対応するホットランナ(22)として共通化構成した射出分配ユニット(20)を組み込んだことで、成形すべき製品に対応した金型毎に、ホットランナ(22)を設計することはなく、金型のコスト抑制を図ることができる。
これにより、成形樹脂を充填する通路を選択的に変えることができるので、異なる製品形状のキャビティ(C)を有する金型(15)を取り付けて、成形が可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明によれば、多種の成形品が製造できるように対応させたホットランナを、射出分配ユニットとして共通化して型締め装置に取り付けるようにしたので、金型ごとにホットランナを設計する必要はなく、金型のコストを抑制することができる。
したがって、異なる成形品を製造する際には、金型のみを交換すればよく、安価な金型によってホットランナを用いた成形を行うことができる。
また、型締め装置の、金型を支えるプラテンに、射出分配ユニットを埋設することで、従来と同じデーライトで金型厚さの厚い金型を搭載することができる。
本発明にかかる射出成形装置における型締め装置を示す、省略的な側面説明図である。 図1に示す型締め装置において、固定プラテンに搭載した射出分配ユニットを固定金型に接続した状態を示した、模式的説明図である。 従来における射出成形装置の型締め装置および金型の一例を示す、要部側面説明図である。
図1に、本発明にかかる射出成形装置における型締め装置の要部の一例を示し、併せて、本発明にかかる射出成形装置と比較、対比するために、図3に、ホットランナを金型毎設計したものを用いた、射出成形装置における型締装置1を示し、説明する。
先ず、図1に示した、本発明にかかる射出成形装置は、成形樹脂を溶融して射出するための射出シリンダ装置(図示省略)と、金型を取り付けて型締めを施し、成形を行うための型締め装置10とで構成される。なお、本発明は、射出成形装置のうちの型締め装置10に関するものであるので、型締め装置10のみを示して説明し、射出シリンダ装置については、図示を省略し、説明を簡略化している。
そこで、型締め装置10について説明する。
型締め装置10は、基台11上に固設された固定金型支持装置としての固定側プラテン12と、この固定側プラテン12から所定の距離離隔した位置において、基台11に対して移動可能に配設された可動側プラテン13とを備えている。これら固定側プラテン12と可動側プラテン13との間には複数(四本)のタイバー14を配設している。なお、可動側プラテン13には、固定側プラテン12に向かって可動側プラテン13をタイバー14に沿って移動させるための型締駆動機構(図示省略)が接続されている。
以上のような固定側プラテン12と可動側プラテン13間には、金型15を着脱可能に取り付けている。
かかる金型15は、固定金型15a及び可動金型15bとからなる。固定金型15aは、固定側プラテン12における可動側プラテン13と対向する金型取付面に取り付ける一方、可動金型15bは、可動側プラテン13における固定側プラテン12と対向する金型取付面に取り付けている。固定金型15a側には、溶融状態の樹脂を充填するためのキャビティCを設けている。
また固定金型15aには、固定側プラテン12の金型取付面に取り付けた際、射出分配ユニット(後述)におけるマニホールドのホットランナ先端部が結合する結合部材16が設けられている。かかる結合部材16は、形成される成形品に対応するキャビティのゲート(後述)に通ずる通路rが形成されている。
また、可動側プラテン13には、可動側プラテン13に搭載される可動金型15bに、固定金型15aと可動金型15bの間のキャビティCに向けて、突没可能に搭載したエジェクタユニット17を備えている。なお、エジェクタユニット17は、可動側プラテン13の駆動手段である型締駆動機構とは独立して作動する駆動機構(図示省略)を備えている。エジェクタユニット17は、可動側プラテン13の動作方向と平行に進退動する、多数のエジェクタピン17Pを有している。
そして、固定側プラテン12には、可動側プラテン13に対向して、固定側プラテン12内に埋設した、射出分配ユニット20を備えている。
射出分配ユニット20は、射出シリンダ装置より送り込まれた成形樹脂を流通させるホットランナ22を形成したマニホールド21を備えている。
すなわち、ホットランナ22は、基部ランナ22aと、基部ランナ22aに、複数、並列的に分岐させて、種々の金型におけるキャビティCにおけるゲートGに対応して、選択的に連通させて成形樹脂を充填できるようにした分配ランナ22bとを備えている(図2参照)。なお、マニホールド21には、ホットランナ22を外周から加熱する加熱手段(図示省略)が設けられている。
ホットランナ22における基部ランナ22a中央には、射出シリンダ装置から供給される成形樹脂を導くスプルー22cが設けられている。
また、ホットランナ22における分配ランナ22bは、周知のバルブ機構22vにより、基部ランナ22aから金型のキャビティCにおけるゲートGに至る供給路を開閉するようになっている。
以上のような構成の射出分配ユニット20を固定側プラテン12内に埋設してあるため、固定側プラテン12に固定される固定金型15aを取り付けることで、固定金型15aの結合部材16に、射出分配ユニット20におけるマニホールド21のホットランナ22先端部が結合し、結合部材16に形成された、成形品に対応するキャビティのゲートGに通ずる通路rと複数のホットランナ22における分配ランナ22bのうち、対応する分配ランナ22bが連通し、固定金型15aに形成されたキャビティCにおけるゲートGに至る供給路が形成されるようになっている。
そして対応する分配ランナ22bによる成形樹脂の通路を、分配ランナ22bごとに配設されたバルブ機構22vを開閉制御させて、連通させた分配ランナ22bを通じて成形樹脂がキャビティ内に充填され、成形を行う構成である。なお、バルブ機構22vは、例えば制御盤に搭載するプログラムに、予め登録されており(ここでは例えばNO1〜NO8)、操作盤により操作することで、射出シリンダ装置から供給される成形樹脂を、取り付けられる金型のキャビティCに対応する分配ランナ22bにおけるバルブ機構22vを選択的に開放させて、キャビティCに至る供給路を形成するようにしている。
ここで、上述のような本発明にかかる射出成形装置に対し、図3に、金型2ごとにホットランナ3を組み込んで成形を行う、射出成形装置における型締装置1を示し、説明する。
すなわち、かかる射出成形装置における型締装置1では、成形品形状ごとに異なる金型2を用い、金型2ごとに設計したホットランナ3を組み込んで成形を行っていた。
すなわちこの射出成形装置では、金型2を構成する固定金型2aおよび可動金型2bのうち、固定金型2a側に、ホットランナ3を組み込んで、かかる固定金型2aを、射出成形装置における射出ユニット(図示省略)を接続する固定プラテン4に取り付けて、射出ユニットからホットランナ3を介し、固定金型2a内のキャビティCに成形材料を送り込んで成形するようにしてきた。
次に、本発明にかかる射出成形装置における型締め装置10の動作と作用を、図3に示す、射出成形装置における型締装置1と比較検討の上、以下、説明する。
型締め装置10において、型締駆動機構を駆動し、可動側プラテン13を、対向する固定側プラテン12から退動させることで、型締め装置を型開き状態にして、成形すべき製品の金型15をセットする。
可動側プラテン13には可動金型15bを、固定側プラテン12には固定金型15aを、備え付けの取付け手段により、固定装着することができる。
固定側プラテン12に固定金型15aが装着されると、固定金型15aの結合部材16に、射出分配ユニット20におけるマニホールド21のホットランナ22先端部が結合し、結合部材16に形成された、成形品に対応するキャビティCのゲートGに通ずる通路rと複数のホットランナ22における分配ランナ22bのうち、対応する分配ランナ22bが連通する(図2参照)。
この場合、セットされる金型15に応じて、製品を形作るキャビティCの形状は予め知られており、制御盤に格納されたプログラムによって、固定金型15aに形成されたキャビティCにおけるゲートと連通した分配ランナ22bにおけるバルブ機構22vを開放動作させ、成形樹脂を送り込む通路を形成することができる。
次に、型締駆動機構を駆動し、可動側プラテン13を、タイバー14に沿って対向する固定側プラテン12側に移動させて、金型15の固定金型15aと可動金型15bとを金型タッチさせ、型締め装置を型締め状態とする。そして、射出シリンダ装置におけるノズル(図示省略)を、固定側プラテン12内のマニホールド21における基部ランナ22a中央のスプルー22cに圧接し、射出シリンダ装置からの溶融樹脂が供給できる状態となる。
そして、射出シリンダ装置からの溶融樹脂が、ノズルからスプルー22cを通じて基部ランナ22aに供給されると共に、分配ランナ22bを通じて、キャビティCにおけるゲートへの通路を開放すべくバルブ機構22vが開放動作され、金型15内のキャビティCに成形樹脂が供給される。
キャビティC内に成形樹脂が供給され、充填が完了すると、固定金型15aに形成されたキャビティCにおけるゲートと連通した分配ランナ22bにおけるバルブ機構22vが閉止動作され、所定時間、所定圧力下で、型締め状態で金型15が保持される。
所定時間、所定圧力下で、型締め状態で金型15が保持され、冷却による成形樹脂の冷却固化が完了すると、型締力の除去と型開き動作を開始する。この際、可動側プラテン13側に搭載されたエジェクタユニット17は、可動側プラテン13の退動動作とは別に、駆動機構によって、多数のエジェクタピン17Pを、キャビティに充填固化された成形製品に向かって突出させる。これによって、成形製品を取出して、一連の成形工程を完了することができ、続いて、同じ手順で工程が繰り返し実行されることで、成形製品の生産を進めることができる。
このように、成形製品を金型から取出す際に、成形樹脂の供給通路である、射出分配ユニット20は、金型15とは別に、固定側プラテン12に埋設されたものであるから、射出分配ユニット20は、多種の金型に共通の要素として固定側プラテン内に残留し、成形製品のみを取出すため、廃材の出ない、無駄のない成形工程であるといえる。
この点、図3に示した金型2ごとにホットランナ3を組み込んで成形を行う、射出成形装置における型締装置1では、金型2ごとに設計したホットランナ3を組み込んで成形を行っていたため、製品を取出すたびに、ホットランナ3は廃材となり、しかも、金型2は金型2ごとに設計したホットランナ3を組み込むことから、金型2のコストが上昇することは避けられないことは容易に諒解されよう。
さらに、本発明における固定側プラテン12に埋設された射出分配ユニット20は、続けて成形工程に用いることができ、さらには、異なる成形製品を成形するために、対応する金型に置き換えた場合においても、この射出分配ユニット20を用いて成形工程を行うことができる。
10 型締め装置
11 基台
12 固定側プラテン
13 可動側プラテン
14 タイバー
15 金型
15a 固定金型
15b 可動金型
16 結合部材
17 エジェクタユニット
17P エジェクタピン
20 射出分配ユニット
21 マニホールド
22 ホットランナ
22a 基部ランナ
22b 分配ランナ
22c スプルー
22v バルブ機構
C キャビティ
r 通路
G ゲート

Claims (1)

  1. 固定金型(15a)と可動金型(15b)とよりなる金型(15)に成形樹脂を、ホットランナ(22)を介して充填して樹脂成形を行う射出成形装置において、
    前記射出成形装置における型締め装置(10)が、前記固定金型(15a)が取り付けられた固定側プラテン(12)と、前記可動金型(15b)が取り付けられた可動側プラテン(13)とより構成されており、
    前記ホットランナ(22)は、異なる成形品をそれぞれ成形するための金型(15)に対応可能とするべく共通化構成した射出分配ユニット(20)として、前記固定金型(15搭載された前記型締め装置(10)の前記固定側プラテン(12)に組み込まれて、保持されていて、
    前記射出分配ユニット(20)における前記ホットランナ(22)は、基部ランナ(22a)と、
    この基部ランナ(22a)に、複数、分岐させて、種々の前記金型(15)におけるキャビティ(C)におけるゲートに対応して、選択的に連通させて成形樹脂を充填できるようにした分配ランナ(22b)と、
    を具備しており、また
    前記固定金型(15a)には、前記分配ランナ(22b)の先端部に結合され、前記ゲートに対応した前記分配ランナ(22b)を選択的に連通させる結合部材(16)が設けられており、
    前記射出分配ユニット(20)の前記ホットランナ(22)の先端部を前記固定金型(15a)の前記結合部材(16)に結合することによって、成形樹脂を充填する通路を選択的に変えることができるようにしたことを特徴とする射出成形装置。
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