JP5359261B2 - 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
静電荷現像用トナーおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5359261B2 JP5359261B2 JP2008328620A JP2008328620A JP5359261B2 JP 5359261 B2 JP5359261 B2 JP 5359261B2 JP 2008328620 A JP2008328620 A JP 2008328620A JP 2008328620 A JP2008328620 A JP 2008328620A JP 5359261 B2 JP5359261 B2 JP 5359261B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- toner
- compound
- parts
- prepolymer
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Description
静電荷像を現像する方式には、大別して、液体現像方式と、乾式現像方式がある。液体現像方式は、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料が分散されている液体現像剤を用いる。また乾式現像方式は、カスケード法、磁気ブラシ法、パウダークラウド法等のように、天然又は合成樹脂にカーボンブラック等の着色剤が分散されている乾式現像剤(以下、トナーと称する)を用いるが、近年乾式現像方式が広く使用されている。
また、低温定着性を改善するた為に、結着樹脂として特定の非オレフィン系結晶性重合体を添加する方法、結晶性ポリエステルを用いる方法が知られている。しかしその分子構造、分子量について、最適化されているとは言えない。また、これらの方法を適用してもDSMプログラムの仕様を達成することは不可能である。
しかしながら、これらの製造方法では、低温定着性に優れたポリエステル樹脂を含むトナーを製造することは困難であった。
そこで、これらの問題を解決するために、ポリエステル系樹脂からなるトナーを水中で有機溶媒を用いて球形化したトナー(特許文献2参照)、イソシアネート基を有するプレポリマーとアミン類を反応させることにより得られるトナー(特許文献3参照)などが提案されている。しかし、低温定着性及び耐オフセット性に優れるトナーを得るには至っていないのが実情である。
(1) 少なくとも有機溶媒中に、活性水素基を有する化合物、前記化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、および離型剤を含有する組成物を溶解又は分散させた組成物溶液又は組成物分散液を水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と該反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、有機溶媒を除去し、洗浄し、乾燥して得られたトナーであって、
前記反応可能な部位を有する重合体が、イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させ、これに末端水酸基の重合体を反応させて得られたプレポリマーであることを特徴とする静電荷現像用トナー。
(2) 前記末端水酸基の重合体がポリエステル樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
(3) 少なくとも、イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させ、これに末端水酸基の重合体を反応させて得られたプレポリマー、活性水素基を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含有する組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させて溶液又は分散液とし、該溶液又は分散液を水系媒体中に分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記プレポリマーとを反応させることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
本発明では、活性水素基を有する化合物と、イソシアネート基を有するプレポリマーとの反応物を結着樹脂として有するトナーが用いられる。
(活性水素基を有する化合物)
活性水素基を有する化合物としては、水酸基(アルコール性水酸基、フェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等の活性水素基を有する化合物であり、このような化合物としては、上記した水酸基などの活性水素基を有するポリエステル樹脂を挙げることができる。
上記した好ましく用いられるポリエステル樹脂は、良好な低温定着性が得られる。なお、ポリエステル樹脂の分子量、構成モノマー等は、目的に応じて適宜選択することができる。
該ポリエステル樹脂(末端水酸基の重合体)は、重量平均分子量が10000〜50000であることが好ましく、ガラス転移温度が30−50℃であることが好ましく、水酸基価が1〜50mgKOH/gであることが好ましい。
また、水酸基価が50mgKOH/gを超えると、分子鎖の分岐が多くなり耐ホットオフセット性が低下したりトナー製造性の悪化を招き、1mgKOH/g未満では、イソシアネート基との反応が進行せず、長期安定性が低下することがある。
ポリオール(1)としては、ジオール及び3価以上のポリオールが挙げられ、該ジオール単独、又はジオールと少量の3価以上のポリオールの混合物が好ましい。
ジオールとしては、炭素数2〜18のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ドデカンジオールなど);炭素数4〜1000のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数5〜18の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);炭素数12〜23のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオール又はビスフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイドなど)付加物(付加モル数は2〜20)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類(特にビスフェノールA)のアルキレンオキサイド付加物(特にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの2〜3モル付加物)、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコール(特にエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール)との併用である。併用の場合の比率は、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物が、通常30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モル%以上である。
3価以上のポリオールとしては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);該3価以上のポリフェノール類の炭素数2〜18のアルキレンオキサイド付加物(付加モル数は2〜20)などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、炭素数2〜20のアルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、ドデシルコハク酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸(特にアジピン酸及びドデセニルコハク酸)及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(特にイソフタル酸及びテレフタル酸)などが挙げられる。また、これらのジカルボン酸の酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
3価以上のポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
ポリオール(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]のモル比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/2、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.3/1〜1/1.3である。
本発明で用いられるプレポリマーは、イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と、末端水酸基の重合体と、炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させて得られる。
本発明におけるイソシアヌレート環およびイソシアネート基を有する化合物とは、イソシアヌル酸の誘導体であり、その置換基内にイソシアネート基を有し、この置換基は脂肪族、芳香族の何れの基でもよい。このイソシアヌル酸の誘導体は、2個以上のイソシアネート基を有する化合物3個の、それぞれの化合物のイソシアネート基が3つ環化してできる化合物である。たとえば脂肪族ポリイソシアネート(例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート等);脂環式ポリイソシアネート(例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(例えば、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアネート類等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、二種以上併用してもよい。また、ポリイソシアネートとしては、フェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものを用い、これらを例えば公知のヌレート化触媒を用いて、本発明におけるイソシアヌレート環およびイソシアネート基を有する化合物を得ることができる。たとえば、1種類のポリイソシアネート化合物(ジイソシアネート化合物、あるいはトリイソシアネート化合物の中の1種)を環化して得られるものである。
末端水酸基の重合体は、好ましくは、ポリエステル樹脂などを用いることができ、この末端水酸基の重合体は、有機溶媒に可溶であることが好ましい。
末端水酸基の重合体がポリエステルの場合、プレポリマーの作成に用いられる活性水素基を有する化合物と同様なポリエステルを用いることができる。
本発明における炭素数5〜18の鎖状モノアルコールは、炭素数が5未満ではトナーに内包されるワックス成分の分散性が劣り、結果として長期にわたり良好な画像を提供できない。一方、炭素数が18を越えると、他の結着樹脂との相溶性が悪化し、結果として定着可能温度幅が狭くなる。
このような炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとしては、炭素数5〜18のn−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、n−ヘプタデカノール、n−オクタデカノールなどの直鎖状モノアルコール化合物;イソペンタノール、sec−ペンタノール、tert−ペンタノール、ネオペンタノール、イソヘキサノール、sec−ヘキサノール、tert−ヘキサノール、3−メチルペンタノール、2−メチルペンタノール、1,2−ジメチルブタノール、イソヘプタノール、sec−ヘプタノール、イソオクタノール、sec−オクタノールなどの炭素数4〜17の直鎖アルキル基の主鎖に、炭素数1〜3のアルキル基を側鎖に有する炭素数5〜18の分枝状モノアルコール化合物などを挙げることができる。
前記第1段目の反応は、Bi系触媒(たとえばネオスタンU−600)を用い、反応温度50〜100℃下に、3〜8時間程度反応させる事により行われる。
イソシアヌレート環とイソシアネート基を有する化合物と、鎖状モノアルコールとの比率は、[NCO]/[OH]=3/1とすることが好ましい。
イソシアヌレート環およびイソシアネート基を有する化合物と、末端水酸基の重合体との比率は、該イソシアヌレート環およびイソシアネート基を有する化合物中のイソシアネート基[NCO]と、末端水酸基の重合体の水酸基[OH]の当量比を[NCO]/[OH]として、通常5/1〜2/1、好ましくは4/1〜2.1/1、さらに好ましくは2.5/1〜2.3/1とする。[NCO]/[OH]が5/1を超えると低温定着性が悪化する。
カルボニル基を有するワックスとしては、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等のポリアルカン酸エステル;トリメリット酸トリステアリル、マレイン酸ジステアリル等のポリアルカノールエステル;エチレンジアミンジベヘニルアミド等のポリアルカン酸アミド;トリメリット酸トリステアリルアミド等のポリアルキルアミド;ジステアリルケトン等のジアルキルケトン等が挙げられる。中でも、ポリアルカン酸エステルが好ましい。
トナー中の離型剤の含有量は、通常、40重量%以下であり、3〜30重量%が好ましい。
無機粒子の具体例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
上記のような外添剤は、表面処理を行うと、表面の疎水性を向上させることができ、高湿度下においても、トナーの流動性や帯電性の低下を抑制することができる。表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が挙げられる。
まず、活性水素基を有する化合物であるポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するプレポリマー(イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させ、これに末端水酸基の重合体を反応させて得られたプレポリマー)、着色剤及び離型剤を含有する組成物を有機溶媒中に溶解又は分散させて溶液又は分散液とし、この溶液又は分散液を水系媒体中で分散させた後に、該重合体を伸長反応及び/又は架橋反応させることにより、トナーの母体粒子の分散液が得られる。なお本明細書中、活性水素基を有する化合物には、水性媒体中に含まれる樹脂微粒子は含まない。
例えば、活性水素基を有する化合物としてポリエステル樹脂を用いる場合、水性相に、ポリエステル樹脂と、イソシアネート基を有するプレポリマーを含有する分散体を安定に形成する方法としては、有機溶媒に溶解又は分散させたポリエステル樹脂と、イソシアネート基を有するプレポリマーとを水性相に加え、せん断力を印加させることにより分散させる方法等が挙げられる。他のトナー原料である着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、帯電制御剤、結着樹脂等は、水性相で分散体を形成する際に混合してもよいが、予めトナー原料を混合して有機溶媒に溶解又は分散させた後、水性相に加えて分散させることが好ましい。また本発明においては、トナー原料は必ずしも水性相でトナーの母体粒子を形成する時に混合しておく必要はなく、トナーの母体粒子を形成させた後に添加してもよい。例えば、着色剤を含まないトナーの母体粒子を形成した後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
本発明において、水系媒体は必要に応じて、分散剤を含有することが好ましい。これにより、粒度分布を狭くすると共に、分散安定性を向上させることができる。
更に分散剤としては、樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、グリセリンモノアクリレート、グリセリンモノメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びこれらのメチロール化合物;アクリル酸塩化物、メタクリル酸塩化物等の酸塩化物類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有するもの;等の単独又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が挙げられる。
なお、分散剤として、リン酸カルシウム等の酸又はアルカリに溶解可能な化合物を用いる場合は、例えば、リン酸カルシウムを塩酸等の酸を用いて溶解させた後、水洗する等の方法によって、トナーの母体粒子からリン酸カルシウムを除去することができる。その他に、酵素による分解等によっても除去することができる。分散剤を使用する場合には、トナーの母体粒子の表面に分散剤が残存する状態で、トナーとして、使用することもできるが、プレポリマーを伸長反応及び/又は架橋反応させた後に、洗浄除去する方がトナーの帯電性の面から好ましい。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
また本発明のトナーは、磁性キャリアと混合することにより、二成分系現像剤として用いることができる。現像剤中のトナーの含有量は磁性キャリア100重量部に対して、1〜10重量部であることが好ましい。
磁性キャリアとしては、平均粒径20〜200μmの鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉等の公知のものを使用することができ、表面に樹脂が被覆されていてもよい。
樹脂微粒子分散液の調製
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩:エレミノールRS−30(三洋化成工業社製)11部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。
次に、系内の温度を75℃まで昇温し、5時間反応させた。
更に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え75℃で5時間熟成し、ビニル系樹脂(スチレン、メタクリル酸、アクリル酸ブチル及びメタクリル酸共重合体のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩からなる共重合体)の水性分散液である樹脂粒子分散液を得た。この樹脂粒子分散液をレーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定したところ、樹脂粒子の体積平均粒径は、105nmであった。この樹脂粒子分散液の一部を乾燥して樹脂分を単離したところ、樹脂分のガラス転移温度Tgは59℃であり、重量平均分子量Mwは15万であった。
水系分散体1の作成
水990部、前記樹脂粒子分散液83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液:エレミノールMON−7(三洋化成工業社製)37部及び酢酸エチル90部を混合撹拌することにより、乳白色の水系分散体1を得た。
低分子ポリエステル1(活性水素基を有する化合物)の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下に230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下に5時聞反応させた後、反応容器に無水トリメリット酸44部を入れ、常圧下に180℃で2時間反応させて、[低分子ポリエステル1]を得た。この重合体は、数平均分子量2500、重量平均分子量6700、ガラス転移温度Tg43℃、酸価25mgKOH/gであった。
中間体ポリエステル1の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プロピレングリコール463部、テレフタル酸657部、無水トリメリット酸96部及びチタンテトラブトキシド2部を入れ、常圧下に230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下に5時間反応させて、[中間体ポリエステル1]を得た。この重合体は、重量平均分子量28000、ガラス転移温度Tg36℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価16.5mgKOH/gであった。
中間体ポリエステル2の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、プロピレングリコール463部、テレフタル酸657部、無水トリメリット酸96部及びチタンテトラブトキシド2部を入れ、常圧下に230℃で4時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下に2時間反応させて、[中間体ポリエステル2]を得た。この重合体は、重量平均分子量13000、ガラス転移温度Tg31℃、酸価0.8mgKOH/g、水酸基価42.5mgKOH/gであった。
プレポリマー1の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数8のn−オクタノールを13部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル80部を入れ、n−オクタノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃で5時間反応させて[ジイソシアネート化合物1]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物1]160部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー1]を得た。この[プレポリマー1]のイソシアネート基含有率は、1.04重量%であった。
プレポリマー2の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数8のn−オクタノールを13部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル80部を入れ、n−オクタノールが完全に溶解した後、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物50部を加え、80℃で5時間反応させて[ジイソシアネート化合物2]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物2]126部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー2]を得た。この[プレポリマー2]のイソシアネート基含有率は、1.10重量%であった。
プレポリマー3の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数10のn−デカノールを15.8部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル82部を入れ、n−デカノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃で5時間反応させて[ジイソシアネート化合物3]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物3]164部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー3]を得た。この[プレポリマー3]のイソシアネート基含有率は、1.02重量%であった。
プレポリマー4の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数15のn−ペンタデカノールを22.8部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル89部を入れ、n−ペンタデカノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃で5時間反応させて、[ジイソシアネート化合物4]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物4]178部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー4]を得た。この[プレポリマー4]のイソシアネート基含有率は、1.01重量%であった。
プレポリマー5の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数18のn−オクタデカノールを27部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル94部を入れn−オクタデカノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え80℃5時間反応させ、[ジイソシアネート化合物5]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物5]198部、前記と同じBi系触媒2部を入れ100℃で5時間反応させて[プレポリマー5]を得た。[プレポリマー5]のイソシアネート基含有率は、0.99重量%であった。
プレポリマー6の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数8のn−オクタノールを13部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル80部を入れ、n−オクタノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃で5時間反応させて[ジイソシアネート化合物1]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル2]182部、酢酸エチル182部、[ジイソシアネート化合物1]160部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー6]を得た。この[プレポリマー6]のイソシアネート基含有率は、1.94重量%であった。
プレポリマー7の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数5のn−ペンタノールを9部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル80部を入れ、前記n−ペンタノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃で5時間反応させてジイソシアネート化合物6を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル2]182部、酢酸エチル182部、ジイソシアネート化合物6を160部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー7]を得た。この[プレポリマー7]のイソシアネート基含有率は、1.91重量%であった。
マスターバッチ1の製造
水1200部、カーボンブラック[Printex35:デグサ製(DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5)]540部、[低分子ポリエステル1]1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、この混合物を、2本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して、[マスターバッチ1]を得た。
顔料・WAX分散液1の作成
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、カルナウバWAX110部、CCA(サリチル酸金属錯体E−84:オリエント化学工業社製)22部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。
次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合して[原料溶解液1]を得た。
この[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用い、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、WAXの分散を行った。
次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記と同じ条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。この[顔料・WAX分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50重量%であった。
[顔料・WAX分散液1]749部、[プレポリマー1]115部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に[水系分散体1]1200部を加え、TKホモミキサー(回転数13,000rpm)で20分間混合して[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]は、体積平均粒径5.2μm、個数平均粒径4.6μm(マルチサイザーIIIで測定)であった。
この[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサー(回転数12,000rpm)で10分間混合した後、濾過した。
2):1)の濾過ケーキに蒸留水100部を加え、TKホモミキサー(回転数12,000rpm)で30分間混合した後、減圧濾過した。
3):2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサー(回転数12,000rpm)で10分間混合した後、濾過した。
4):3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサー(回転数12,000rpm)で10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
次いで、[濾過ケーキ1]を循風乾燥機により45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体を得た。
得られたトナー母体100部に疎水性シリカR972(日本アエロジル社製)0.5部と、疎水化酸化チタンMT150AI(チタン工業社製)0.5部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナー1を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー2]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー3]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー3を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー4]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー4を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー5]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー5を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー6]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー6を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー7]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー7を得た。
プレポリマー8の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数2のエタノールを4.6部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成社製)0.1部、酢酸エチル71部を入れ、エタノールが完全に溶解した後、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート化合物67部を加え、80℃5時間反応させて[ジイソシアネート化合物7]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物7]142部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー8]を得た。この[プレポリマー8]のイソシアネート基含有率は、1.08重量%であった。
プレポリマー9の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、イソホロンジイソシアネート22部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー9]を得た。この[プレポリマー9]のイソシアネート基含有率は、1.19重量%であった。
プレポリマー10の合成
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、炭素数8のn−オクタノールを13部、Bi系触媒(ネオスタンU−600、日東化成株式会社製)0.1部、酢酸エチル56部を入れ、n−オクタノールが完全に溶解した後、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート43部を加え、80℃5時間反応させて[ジイソシアネート化合物8]を得た。
次に冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル1]323部、酢酸エチル323部、[ジイソシアネート化合物8]112部、前記と同じBi系触媒2部を入れ、100℃で5時間反応させて[プレポリマー10]を得た。この[プレポリマー10]のイソシアネート基含有率は、1.12重量%であった。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー8]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー8を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー9]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー9を得た。
実施例1において、[プレポリマー1]に換えて[プレポリマー10]とした以外は、実施例1と同様にして、トナー10を得た。
・イソシアネート基の含有率
イソシアネート基の含有率は、JIS K1603に規定する方法を用いて測定した。
酸価は、JIS K0070に規定する方法を用いて測定した。但し、サンプルが溶解しない場合には、溶媒にジオキサン、THF等の溶媒を用いた。
水酸基価は、JIS K0070に規定する方法を用いて測定した。但し、サンプルが溶解しない場合は、溶媒にジオキサン、THF等の溶媒を用いた。
測定装置 :電位差自動滴定装置 DL−53 Titrator(メトラー・トレド社製)
使用電極 :DG113−SC (メトラー・トレド社製)
解析ソフト:LabX Light Version 1.00.000
装置の校正:トルエン120mlとエタノール30mlの混合溶媒を使用する。
測定温度 :23℃
測定条件は以下のとおりである。
スピード[%] 25
時間 [秒] 15
・滴定条件
滴定液 CH3ONa
濃度[mol/L] 0.1
電極 DG115
測定単位 mV
測定前滴定液追加
追加量[mL] 1.0
待ち時間 [s] 0
滴定液滴下モード: Dynamic
dE(set) [mV] 8.0
dV(min) [mL] 0.03
dV(max) [mL] 0.5
測定モード:当量測定
dE [mV] 0.5
dt [s] 1.0
t(min) [s] 2.0
t(max) [s] 20.0
測定停止
最大滴下量 [mL] 10.0
終了時電位 No
当量表示 Yes
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dn)は、粒度測定器マルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)を用いて、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフトBeckman Coulter Mutisizer 3 Ver.3.51を用いて解析することにより得た。以下に、具体的な測定方法を示す。
まず、ガラス製100mlビーカーに、界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩のネオゲンSC−A(第一工業製薬社製)の10重量%水溶液を0.5ml及びトナー0.5gを添加して、ミクロスパーテルでかき混ぜる。次に、イオン交換水80mlを添加した後、超音波分散器W−113Mk−II(本多電子社製)で10分間分散させ、得られたトナー分散液をマルチサイザーIIIを用いて測定した。この時、測定用溶液としては、アイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いた。なお、測定時には、得られる粒径の誤差を小さくするため、マルチサイザーIIIの示す濃度が8±2%になるように、トナー分散液を滴下した。
樹脂の分子量は、GPC(gel permeation chromatography)を用いて、以下の条件で測定した。
装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
温度:40℃
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
流速:1.0ml/分
試料:0.05〜0.6重量%の試料を0.1ml注入
Tg(℃)は、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて測定した。
まず、試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットした。次に室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下、再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱することによりDSC測定を行った。そしてTAS−100システム中の解析システムを用いてTg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
トナーを50℃で8時間保管した後、42メッシュの篩で2分間篩い、金網上の残存率を測定することにより、耐熱保存性を評価した。なお、金網上の残存率が10%未満であるものを◎、10%以上20%未満であるものを○、20%以上30%未満であるものを△、30%以上であるものを×として判定した。
imagio Neo 450(リコー社製)を用い、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(リコー社製)及び複写印刷用紙<135>(NBSリコー社製)にベタ画像で、1.0±0.1mg/cm2のトナーが現像される様に調整を行って、普通紙でオフセットの発生しない定着上限温度(℃)及び厚紙で定着下限温度(℃)を測定した。なお、定着下限温度(℃)とは、現像された画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロールの温度である。
平均粒径が50μmのシリコーン樹脂被覆フェライトキャリア100部及びトナー4部をステンレス製ポットの容積の3割まで入れ、100rpmで15秒間及び10分間攪拌した後の帯電量(帯電量1及び2)を、ブローオフ法により求めた。
作製したトナー5重量部と上記記載のキャリア95重量部をブレンダーで10分間混合し、現像剤を作製した。
クリーニング性はこの現像剤を市販カラー複写機(PRETER550;リコー製)に入れ、画像占有率5%の印字率でリコー社製6000ペーパーを用いて3万枚ランニングした後に、全面4色重ねフルカラーベタ画像を10枚連続出力させ、10枚目に現像中に停止させ、感光体上のクリーニングブレード以降のトナーをテープ転写し、テープの汚れ度合いを4段階の段階見本と比較して評価した。評価基準は下記のとおりである。
◎:すり抜けのトナーが無い、又はあっても下記「○レベル」のようにテープ転写し、白紙に貼ることにより、テープの汚れ度合いを肉眼で判別する方法では観測することができない。実使用可能。
○:スジの発生は無いが、すり抜けるトナーの発生が感光体上に上記の方法で認められるが、実使用は可能なレベル。
△:幅1mm以下のスジがA4横サイズの画像上に1〜10本発生。実使用不可。
×:全面スジ発生。実使用不可。
前記クリーニング性評価と同様にして、10万枚ランニング後に、30℃、湿度90%の環境下で細線評価用画像を出力させ、細線の再現度合により感光体上の無機微粒子によるフィルミングを判断した。評価は以下の4段階評価とした。ランクの数字が多いほど優秀である。
ランク1:細線同士が重なっており、分離識別できない。
ランク2:細線同士が重なっているが、分離識別できる。
ランク3:細線同士が分離識別できるが、線のにじみ、ボケが見られる。
ランク4:細線同士が分離識別でき、線のにじみ、ボケが全く見られない。
作成したトナーの評価結果を、以下の表1にまとめて示す。
Claims (3)
- 有機溶媒中に、少なくとも、活性水素基を有する化合物、前記化合物と反応可能な部位を有する重合体、着色剤、および離型剤を含有する組成物を溶解又は分散させた組成物溶液又は組成物分散液を水系媒体中で分散させ、該活性水素基を有する化合物と該反応可能な部位を有する重合体を反応させた後、もしくは反応させながら、有機溶媒を除去し、洗浄し、乾燥して得られたトナーであって、
前記反応可能な部位を有する重合体が、イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させ、これに末端水酸基の重合体を反応させて得られたプレポリマーであることを特徴とする静電荷現像用トナー。 - 前記末端水酸基の重合体がポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナー。
- 少なくとも、イソシアヌレート環及びイソシアネート基を有する化合物と炭素数5〜18の鎖状モノアルコールとを反応させ、これに末端水酸基の重合体を反応させて得られたプレポリマー、活性水素基を有する化合物、着色剤、及び離型剤を含有する組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させて溶液又は分散液とし、該溶液又は分散液を水系媒体中に分散させて、前記活性水素基を有する化合物と前記プレポリマーとを反応させることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008328620A JP5359261B2 (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008328620A JP5359261B2 (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010152002A JP2010152002A (ja) | 2010-07-08 |
JP5359261B2 true JP5359261B2 (ja) | 2013-12-04 |
Family
ID=42571185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008328620A Expired - Fee Related JP5359261B2 (ja) | 2008-12-24 | 2008-12-24 | 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5359261B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0612459B2 (ja) * | 1986-04-14 | 1994-02-16 | 富士写真フイルム株式会社 | カプセルトナ− |
JPH04303848A (ja) * | 1991-03-29 | 1992-10-27 | Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The | トナー用バインダー |
JP4625275B2 (ja) * | 2004-06-30 | 2011-02-02 | 三洋化成工業株式会社 | 樹脂分散体の製造方法及び樹脂粒子 |
JP4542986B2 (ja) * | 2005-01-25 | 2010-09-15 | 株式会社リコー | 電子写真用トナー、現像剤、及び該現像剤を用いる画像形成装置、並びにプロセスカートリッジ |
JP4747004B2 (ja) * | 2005-09-02 | 2011-08-10 | 株式会社リコー | 電子写真用トナーおよび画像形成装置 |
JP4944457B2 (ja) * | 2006-03-02 | 2012-05-30 | 株式会社リコー | トナー、及びそれを用いた画像形成方法 |
-
2008
- 2008-12-24 JP JP2008328620A patent/JP5359261B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2010152002A (ja) | 2010-07-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4606357B2 (ja) | トナー及びその製造方法 | |
US7419756B2 (en) | Dry toner, method for manufacturing the same, image forming apparatus, and image forming method | |
JP4213067B2 (ja) | 画像形成用トナーおよび現像剤とその製造方法、並びにこれらを用いた画像形成方法、画像形成装置 | |
JP5655548B2 (ja) | トナーの製造方法、トナー、現像剤及び画像形成装置 | |
JP5434344B2 (ja) | トナーとその製造方法、現像剤、現像剤収容容器および画像形成方法 | |
JP2007233030A (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP3938748B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、現像剤及び定着方法 | |
JP2009133937A (ja) | トナー及び現像剤 | |
JP4632956B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP2008225410A (ja) | 静電潜像現像用トナー、その製造方法、このトナーを用いる画像形成方法及び装置、プロセスカートリッジ | |
JP4115793B2 (ja) | 乾式トナー | |
JP4009204B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4009205B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4049679B2 (ja) | 静電荷像現像用トナーおよび現像剤、並びにこれらを用いた画像形成方法、画像形成装置 | |
JP4512509B2 (ja) | 静電荷現像用トナー | |
JP5359261B2 (ja) | 静電荷現像用トナーおよびその製造方法 | |
JP2005031159A (ja) | 乾式トナー | |
JP2005202420A (ja) | 電子写真用トナーの製造方法 | |
JP4442897B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー | |
JP4606212B2 (ja) | トナー、トナー入り容器、画像形成方法、画像形成装置、及び画像形成装置用プロセスカートリッジ | |
JP2007249166A (ja) | トナー及び現像剤 | |
JP3831395B2 (ja) | トナー容器 | |
JP3908636B2 (ja) | 電子写真用トナー及びその製造方法並びにこのトナーを用いた画像形成方法 | |
JP4221319B2 (ja) | 電子写真用トナー及び画像形成プロセス | |
JP2007248558A (ja) | 静電荷像現像用トナー及び現像剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100426 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20111014 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20111017 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130410 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130416 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130522 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130806 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130819 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5359261 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |