JP5358596B2 - ナノファイバー製造装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子溶液から高分子のナノファイバーを静電爆発によって作製するナノファイバー製造装置およびその方法に関する。
従来より、所定の電位が印加されたコレクタと、コレクタから所定の距離の位置にあって該コレクタに対して所定の電位差(例えば20〜200kV)の電圧が印加されたノズルとをハウジング内に有するナノファイバー製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。電圧が印加されたノズルは、ナノファイバーの原料液(高分子溶液)を帯電しつつコレクタに向かって吐出する。吐出された原料液は、コレクタに向かう途中に静電爆発する。この静電爆発は繰り返し起こり、それにより原料液は延伸され、最終的にナノファイバーに形成される。形成されたナノファイバーは、コレクタ上に配置されたシートに集積する。
特開2008−174855号公報
しかし、ナノファイバー製造装置は、ハウジング内において静電爆発によってナノファイバーを作製するように構成されている。そのため、ナノファイバー製造装置のメンテナンス、特にハウジング内に配置されたノズルなどのメンテナンス(例えば清掃や交換)は、作業者が安全を確保しつつハウジング内に侵入して行う必要があるため、その作業性が悪い。
大量のナノファイバーを作製するためにナノファイバー製造装置が大型化すると、例えばノズル数が増加するとともにハウジングが大型化すると、その作業性はさらに悪くなる。
そこで、本発明は、ナノファイバー製造装置が大型であっても、安全であって且つ作業性が高いメンテナンスを実現することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本発明の第1の態様によれば、
ハウジング内部において静電爆発により原料液からナノファイバーを作製するナノファイバー製造装置であって、
ハウジングの側壁の一部を構成する着脱可能な壁構造体と、
原料液をハウジング内部に吐出するノズルを備えて壁構造体によって支持される電解紡糸ヘッドと、
壁構造体と連結可能な台車とを有し、
壁構造体が、壁構造体以外の部分であるハウジングの本体から取り外された状態のとき、壁構造体と連結した状態の台車を介して自立する、ナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第2の態様によれば、
壁構造体が、台車と連結した状態で、ハウジングの本体に着脱される、第1の態様に記載のナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
壁構造体は電解紡糸ヘッドの一方の端部を支持し、
壁構造体がハウジングに取り付けられた状態のとき、電解紡糸ヘッドの他方の端部を保持する保持機構をハウジングの本体に有する、第1または第2の態様に記載のナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
ノズルが電解紡糸ヘッドから着脱可能に構成されている、第1〜第3の態様のいずれか一に記載のナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
ノズルのノズル孔を塞ぐキャップ部材をさらに有する、第1〜4の態様のいずれか一に記載のナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
ハウジングの本体に設けられた電源と、
電解紡糸ヘッドに設けられてノズルと電気的に接続する電解紡糸ヘッド側端子と、
ハウジングの本体に設けられて電源と電気的に接続し、電解紡糸ヘッド側端子と電気的に接触するハウジング本体側端子とをさらに有し、
電解紡糸ヘッド側端子とハウジング本体側端子は、壁構造体がハウジングの本体から取り外されたときに電気的な接触が解除されるように構成されている、第1〜5の態様のいずれか一に記載のナノファイバー製造装置が提供される。
本発明の第7の態様によれば、
ハウジングと、ハウジングの側壁の一部を構成する着脱可能な壁構造体と、原料液をハウジング内部に吐出するノズルを備えて壁構造体によって支持される電解紡糸ヘッドとを有するナノファイバー製造装置を用いたナノファイバーの製造方法であって、
ハウジング内部において電解紡糸ヘッドのノズルから吐出された原料液から誘電爆発によりナノファイバーを作製し、
台車と壁構造体とを連結させ、
壁構造体と連結した台車を移動させることにより、壁構造体以外の部分であるハウジングの本体から壁構造体を取り外す、ナノファイバー製造方法が提供される。
本発明によれば、ハウジングの側壁の一部を構成し且つノズルを備えた電解紡糸ヘッドを支持する壁構造体が、ハウジングの本体から取り外されたときに該壁構造体と連結した状態の台車を介して自立することにより、電解紡糸ヘッドのノズルのメンテナンスをハウジングの外部において実行できるので、ハウジング内において実行する場合に比べてメンテナンスの作業性や安全性が高い。
本発明の一実施形態に係る、壁構造体を取り付けた状態のナノファイバー製造装置の側面視部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る、壁構造体を取り外した状態のナノファイバー製造装置の側面視部分断面図である。 電解紡糸ヘッドのノズルに着脱されるノズルキャップを示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電解紡糸ヘッドの斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る、壁構造体を取り外した状態のナノファイバー製造装置の側面視部分断面図である。 本発明の別の実施形態に係る電解紡糸ヘッドの斜視図である。 本発明のさらに別の実施形態に係るナノファイバー製造装置の電解紡糸ヘッドのノズルを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るナノファイバー製造装置の側面視部分断面図(X軸方向視)である。図1に示すナノファイバー製造装置10は、詳細は後述するが、ナノファイバーシート(多数のナノファイバーの層が基材シート上に生成されることにより形成されたシート)の生産ラインの一部として機能可能に構成されている。
なお、本明細書で言う「ナノファイバー」は、高分子物質から成り、サブミクロンスケールの直径を有する糸状物質を言う。また、高分子物質としては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン、ポリアクリルニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の石油系ポリマーやバイオポリマーなどの様々な高分子、それらの共重合体や混合物などが適用可能である。ナノファイバーの原料液は、これらの高分子物資を溶解した溶液である。
図1に示すように、ナノファイバー製造装置10はハウジング12を有し、そのハウジング12の内部に、ノズル14を備えた電解紡糸ヘッド16と、電解紡糸ヘッド16に対して鉛直方向(Z軸方向)に所定の距離(例えば100〜600mm)離れ、電解紡糸ヘッド16によって生成されたナノファイバーを電気的に引き寄せて収集するコレクタ18とを有する。
電解紡糸ヘッド16は、コレクタ18の上方を、ハウジング12の側壁の一部を構成する壁構造体20の内壁表面側から水平方向(Y軸方向)に延びるベースフレーム22を有する。ノズル14は、絶縁性の吊り下げ部材24を介してベースフレーム22に吊り下げられている。
ノズル14は、図1に示すように、コレクタ18に向かってナノファイバーの原料液を吐出する複数のノズル孔14aを備える。また、ノズル14は、コレクタ18の電位(コレクタ18に印加された電圧)に対して所定の電位差(例えば20〜200kV)になるような電圧が印加される。このようなノズル14により、原料液は、帯電されつつコレクタ18に向かって吐出される。なお、ノズル14に電圧を印加する方法については後述する。
ノズル14は、タンク25に貯蔵されている原料液を吐出する。タンク25は、電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22を支持するハウジング12の壁構造体20の外壁表面側に取り付けられている。タンク25内の原料液は、図1に示すように、電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22に取り付けられたポンプ26によってノズル14に送出される。なお、ポンプ26に駆動電力を供給する方法については後述する。
コレクタ18は、図1に示すように、導電性材料からなるベルト28と、ベルト28を駆動する導電性材料からなる駆動ローラ30とを有する。このコレクタ18は、ベルト28によって基材シートSを水平方向(X軸方向)に搬送してハウジング12の外部に搬出する搬送装置も兼ねている。なお、基材シートSをX軸方向に搬出可能にするために、ハウジング12には搬出口12aが形成されている。
代わりとして、例えば基材シートSが長尺であって該基材シートSの移動方向上流側(図面奥方向、X軸方向)に配置されたリール(図示せず)によって巻き取られる場合、コレクタ18は、駆動ローラ30によって移動中の基材シートSと同期あるいは追従するようにベルト28を移動させてもよい。それにより、移動中の基材シートSとベルト28との間の摺動を抑制することができ、ナノファイバー作製時において、基材シートSに積層する帯電状態のナノファイバー層によって互いに静電吸着する基材シートSとコレクタ18のベルト28との間に生じる摺動抵抗が低減される。
なお、本実施形態では、基材シートSとコレクタ18のベルト28は直接接触しているが、基材シートSを搬送ベルト(図示せず)によって水平方向(X軸方向)に搬送し、コレクタ18のベルト28が搬送ベルトを介在して基材シートSに対向してもよい。この場合、コレクタ18のベルト28は、搬送ベルトと同期あるいは追従して移動し、ベルト28と搬送ベルトとの間の摺動抵抗が低減される。
駆動ローラ30は、ナノファイバーの作製時、所定の電圧(例えば10〜100kV)が印加される。これにより、ベルト28とノズル14との間で所定の電位差(例えば20〜200kV)が生じて静電爆発が起こり、静電爆発によって原料液から作製されたナノファイバーがベルト28上の基材シートSに集積する。なお、ベルト28は、例えば絶縁体層を金属ベルトの表面に形成したベルトであってもよい。この駆動ローラ30により、ベルト28は移動し、またベルト28上の基材シートSの表面に一様にナノファイバーを集めることができる。
ハウジング12を構成する壁、具体的にはナノファイバーが作製される内部空間32を画定する壁は、二重構造に構成されている。二重構造の壁の部分は、絶縁体から作製された内側(内部空間32側)の内側壁12bと導電体から作製された外側(ナノファイバー製造装置10の外部側)の外側壁12cとから構成されている。外側壁12cは、例えばアース線(図示せず)を介して接地されている。具体的に言えば、外側壁12c(導電体)によってハウジング12の全体が構成され、外側壁12cの内面の一部に内側壁12b(絶縁体)が設けられている。
絶縁体の内側壁12bは、高電圧が印加された電解紡糸ヘッド16のノズル14またはコレクタ18のベルト28からハウジング12への放電を抑制するためのものである。一方、導電体の外側壁12cは、ナノファイバー製造装置10の稼動中、帯電された絶縁体(誘電体)の内側壁12bに触れて感電しないようにするためのものである。
具体的に説明すると、ナノファイバー製造装置10の稼動中、内部空間32において高電圧が使用されているために、絶縁体の内側壁12bに誘電分極が起こる。例えば、内側壁12bの内部空間32側の表面に正の電荷が発生し、反対側(外側)の表面に負の電荷が発生する。外側壁12cが存在しない場合、内側壁12bの外側に発生した負の電荷により、作業者が感電する可能性がある。この対処として、絶縁体の内側壁12bの外側に、接地された導電体の外側壁12cが設けられている。
電解紡糸ヘッド16を支持するハウジング12の側壁の一部を構成する壁構造体20は、ハウジング12の本体34に対して着脱可能に構成されている。
図2は、壁構造体20以外のハウジング12の部分である本体34に対して取り外された状態の壁構造体20を示している。図2に示すように壁構造体20はパネル状であって、ハウジング12の本体34に対して位置決めした状態で、本体34に取り付けされる。具体的には、例えば、壁構造体20は、ハウジング12の本体34に形成されてY軸方向に開口する位置決め穴12dに対して挿入されるY軸方向に延びる位置決めピン36を備えている。壁構造体20の位置決めピン36がハウジング12の本体34の位置決め穴12dに挿入されると、本体34に対する壁構造体20のX軸方向およびZ軸方向の位置が決定される(図1参照)。なお、壁構造体20あるいは壁構造体20の電解紡糸ヘッド16を本体34に対して位置決めする構成であれば、ピンと穴に限らず、ピンと溝等であってもよい。
壁構造体20はまた、図2に示すように台車38と連結可能に構成されている。台車38は、ハウジング12の本体34から取り外された状態の壁構造体20を自立可能とするとともに、壁構造体20の移動を容易にするためのものである。
具体的に説明すると、壁構造体20は、図2に示すようにパネル状であるとともにその上部で電解紡糸ヘッド16を片持ち支持するため、ハウジング12の本体34から取り外された状態では単独で自立することができない。なお、ここで言う「自立」とは、ハウジング12の本体34から取り外された状態の壁構造体20が電解紡糸ヘッド16を略水平(例えば水平方向に対して±20°以内)方向(Y軸方向)に延びた姿勢で支持する状態を言う。
ハウジング12の本体34から取り外された状態の壁構造体20を補助して自立させるために、台車38は、壁構造体20と連結するための連結機構40を有する。また、壁構造体20の移動を容易にするために、台車38は、床面FLを転動するキャスタ42と、作業者によって操作されるハンドル44とを有する。
台車38の連結機構40は、ロッド先端にロックピン46を備えたシリンダ48を有する。ロックピン46は、シリンダ48によって上下方向(Z軸方向)に移動する。一方、壁構造体20の外側表面には連結用ブラケット50が設けられており、その連結用ブラケット50に上下方向(Z軸方向)に開口するロック穴52が形成されている(図1参照)。ロックピン46がロック穴52に挿入されることにより、壁構造体20と台車38とが連結する。なお、ピンと穴による連結構成としたが、壁構造体20が台車38に連結されることによって補助されて自立するのであれば、この連結構成に限らず、例えばフックと溝による連結構成等であってもよい。
ロック穴52が形成された連結用ブラケット50は、可能な限り壁構造体20の外側表面の上部に設けるのが好ましく、特に、電解紡糸ヘッド16より上側の部分に設けるのが好ましい。これは、壁構造体20の外側表面の下部(電解紡糸ヘッド16より下側の壁構造体20の部分)に連結用ブラケット50を設けると、台車38と連結してハウジング12の本体34から取り外された状態に壁構造体20があるとき、壁構造体20の上側に設けられた電解紡糸ヘッド16の重量によって壁構造体20が電解紡糸ヘッド16側にたわむような力が該壁構造体20に作用するからである。
また、ロックピン46が挿入されたロック穴52を支点として壁構造体20上部が電解紡糸ヘッド16側方向に回転(図2においてX軸に対して時計回り方向の回転)しないように、台車38は、壁構造体20の外側表面の下部を受ける支持部材54を有する。
なお、インターロック機構(図示せず)を介して壁構造体20をハウジング12の本体34に固定し、台車38が壁構造体20に連結された状態のときに、インターロック機構が壁構造体20とハウジング12の本体34との連結を解除するようにしてもよい。これにより、壁構造体20は、台車38と連結した状態でのみ、ハウジング12の本体34に対して着脱可能になり、壁構造体20が不必要に着脱されて倒れることが抑制される。
このように、壁構造体20はハウジング12の本体34に対して取り外された状態であるときに台車38を介して自立するため、単独で自立可能に壁構造体20を作製する必要がなくなる。壁構造体20を自立可能とするために、例えば、電解紡糸ヘッド16の重量によって壁構造体20が変形しないように、壁構造体20を高剛性に作製する(例えば、壁の厚さを特に大きくする)必要がなくなる。また、例えば、壁構造体20を、その下部に複数のキャスタを設けて自立可能に且つ走行可能に構成する必要がなくなる。
また、複数のナノファイバー製造装置10を用いてナノファイバーの製造ラインを構成する場合、複数のナノファイバー製造装置10それぞれの壁構造体20を1台またはナノファイバー製造装置10の数に比べて少数の台車38によって着脱することが可能になる。すなわち、複数のナノファイバー製造装置10が、台車38を共用する。その結果、ナノファイバー製造ライン全体は、各ナノファイバー製造装置10それぞれの壁構造体20を自立可能に且つ走行可能に構成する場合に比べて、ライン構造がシンプル化され、ライン構築のコストも安く済む。
このような壁構造体20と台車38とにより、壁構造体20がハウジング12の本体34に対して取り外された状態のとき、電解紡糸ヘッド16は、図2に示すように、台車38と連結状態の壁構造体20によって支持された状態で、ハウジング12の外部に位置することができる。これにより、ノズル14がハウジング12の内部空間32に固定されている場合に比べて、電解紡糸ヘッド16のノズル14のメンテナンスが容易になる。
なお、電解紡糸ヘッド16のノズル14から吐出される原料液の粘性が低い場合、図2に示すように電解紡糸ヘッド16がハウジング12の本体34の外部に取り出された状態のとき、ノズル14のノズル孔14a内の原料液が床面FLに滴下する可能性がある。または、電解紡糸ヘッド16がハウジング12の本体34の外部に取り出された状態で長時間放置された場合、ノズル孔14a内の原料液が乾燥し、その結果としてノズル孔14aが詰まる可能性がある。
この対処として、図3に示すように、ノズル14の複数のノズル孔14aをキャップするノズルキャップ60を、ノズル14に取り付けるようにしてもよい。
例えば、ノズルキャップ60は、図3に示すように概ね「C」形状の断面を備える部材であって、原料液に対して耐性があって可撓性を備える材料、例えばポリエチレン樹脂によって作製される。このノズルキャップ60は、下方からノズル14に取り付けられて複数のノズル孔14aを覆うことにより、ノズル孔14a内の原料液の乾燥や滴下を抑制する。なお、複数のノズル孔14aと対向するノズルキャップ60の部分には、ノズル孔14aの開口縁を傷付けないように、原料液に対して耐性を備える弾性体シート、例えばシリコンシート62が設けられている。
図4に示すように、電解紡糸ヘッド16のノズル14に印加される電圧は、コネクタ64を介してハウジング12の本体34側に設けられた電源(図示せず)から供給される。コネクタ64は、電解紡糸ヘッド16側に設けられたコネクタ端子64aと、ハウジング12の本体34側に設けられたコネクタ端子64bとを有する。コネクタ端子64a,64bが接続することにより、ハウジング12の本体34側の電源(図示せず)から電解紡糸ヘッド16のノズル14に電圧が供給される。
コネクタ64の電解紡糸ヘッド16側のコネクタ端子64aは、ブラケット部材66を介して電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22に固定され、ノズル14に接続されている。一方、ハウジング側のコネクタ端子64bは、ハウジング12の本体34の内部空間32の側壁または天井に固定され、電源(図示せず)に接続されている。また、図1に示すように壁構造体20がハウジング12の本体34に対して取り付けられた状態であるときに電気的に接続するように、コネクタ端子64a、64bは固定されている。これにより、壁構造体20がハウジング12の本体34から取り外されると、コネクタ端子64aと64bとが離間し、電解紡糸ヘッド16のノズル14とハウジング12の本体34側の電源との電気的接続が解除される。その結果、図2に示すように、台車38を介して壁構造体20をハウジング12の本体34から取り外すことにより、ハウジング12の外部に取り出された状態の電解紡糸ヘッド16のノズル14を安全にメンテナンスすることができる。
なお、図示してはいないが、壁構造体20がハウジング12の本体34から取り外されることによって電気的接続を解除するコネクタ64と同様のコネクタを介して、ハウジング12の本体34の電源(図示せず)から、壁構造体20に備えられた電解紡糸ヘッド16にナノファイバーを生成するための原料液を供給するポンプ26に作動電力が供給される。
本実施形態によれば、ハウジング12の側壁の一部を構成し且つノズル14を備えた電解紡糸ヘッド16を支持する壁構造体20が、ハウジング12の本体34から取り外されたときに該壁構造体20と連結した状態の台車38を介して自立することにより、電解紡糸ヘッド16のノズル14のメンテナンスをハウジング12の外部において実行できるので、ハウジング12内において実行する場合に比べてメンテナンスの作業性や安全性が高い。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に制限されない。
例えば、図5に示すように、壁構造体20がハウジング12の本体34に取り付けられたときに、壁構造体20によって支持される電解紡糸ヘッド16を保持する保持機構70を設けてもよい。
具体的に説明すると、壁構造体20に支持されている電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22が、図5や電解紡糸ヘッド16の斜視図である図6に示すように、保持機構70によってY軸方向にスライド可能に支持される。保持機構70は、壁構造体20に固定されている電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22の一方の端部22aとは反対側の他方の端部22bを支持する。
保持機構70は、レール部材70aと、レール部材70aを把持した状態で該レール部材70aに沿って走行するスライダ部材70bとを有する。保持機構70のレール部材70aは、スライダ部材70bのY軸方向の走行を可能にする姿勢で、電解紡糸ヘッド16のノズル14より上側に位置し、ハウジング12の本体34の天井の内壁表面側、または壁構造体20と隣接するハウジング12の本体34の内壁表面側に固定されている。一方、スライダ部材70bは、電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22の端部22bに固定されている。また、スライダ部材70bは、レール部材70aの壁構造体20側の末端からさらに壁構造体20側方向(Y軸マイナス方向)に移動すると、レール部材70aから離脱可能に構成されている。
このような保持機構70により、電解紡糸ヘッド16は、壁構造体20がハウジング12の本体34に取り付け状態にあるとき、保持機構70と壁構造体20とによって両端支持される。これにより、電解紡糸ヘッド16が壁構造体20のみによって片持ち支持されている場合に比べて、電解紡糸ヘッド16の揺動を抑制することができる。特に、電解紡糸ヘッド16のベースフレーム22の壁構造体20側端部22aからその反対側端部22bまでの距離が長い場合、電解紡糸ヘッド16の先端(壁構造体20側と反対側の端)の鉛直方向(Z軸方向)の揺動(たおれ)を抑制することができる。その結果、特にY軸方向に長尺の電解紡糸ヘッド16と基材シートSとの間の距離が安定し、基材シートS上にY軸方向に均一な厚さのナノファイバー層を形成することができる。
また、例えば、電解紡糸ヘッド16のノズル14を、電解紡糸ヘッド16に対して着脱可能に構成してもよい。
図7は、別の実施形態の着脱可能に構成されているナノファイバー製造装置の電解紡糸ヘッド16のノズル114を示している。この着脱可能なノズル114は、Y軸方向に延びて電解紡糸ヘッド16の吊り下げ部材24によって支持されているバー部材150に懸架されるように構成されている。
具体的には、ノズル114は、Y軸方向に延びるバー部材150に対してX軸方向およびZ軸方向位置決めして取り付け可能なフック部材152を有する。これにより、ノズル114をバー部材150に容易に懸架することができる。なお、ノズル114のバー部材150の固定は、例えば位置決めのピンやボルトなどの固定部材154によって行われる。
さらに、図5や図6に示すように、電解紡糸ヘッド16の他方の端部22bを保持する保持機構は、レール部材70aと、レール部材70a上を走行するスライド部材70bとから構成される保持機構70に限らない。例えば、ハウジング12の本体34の側壁(壁構造体20と隣接する側壁)の上部に形成されてY軸方向に延びる溝内を、電解紡糸ヘッド16の反壁構造体20側の端部22bに取り付けられたローラが転動する保持機構であってもよい。
さらに、上述の実施形態の場合、図2に示す台車38や図5に示す台車138と連結した状態の壁構造体20は床面FLから離れた状態であるが、例えば壁構造体20の下部に設けられて床面FL上を転動するキャスタを介して接地してもよい。壁構造体20がキャスタを備える場合、台車38、138のキャスタ42、142の数を減らすことができる。
本発明は、例えば、コレクタ上にナノファイバーを直接集積させるなどの上述の実施形態と異なる装置や方法であっても、ハウジング内において高分子溶液から静電爆発によってナノファイバーを作製する装置や方法であれば、適用可能である。
10 ナノファイバー製造装置
12 ハウジング
14 ノズル
16 電解紡糸ヘッド
20 壁構造体
38 台車

Claims (7)

  1. ハウジング内部において静電爆発により原料液からナノファイバーを作製するナノファイバー製造装置であって、
    ハウジングの側壁の一部を構成する着脱可能な壁構造体と、
    原料液をハウジング内部に吐出するノズルを備えて壁構造体によって支持される電解紡糸ヘッドと、
    壁構造体と連結可能な台車とを有し、
    壁構造体が、壁構造体以外の部分であるハウジングの本体から取り外された状態のとき、壁構造体と連結した状態の台車を介して自立するナノファイバー製造装置。
  2. 壁構造体が、台車と連結した状態で、ハウジングの本体に着脱される請求項1に記載のナノファイバー製造装置。
  3. 壁構造体は電解紡糸ヘッドの一方の端部を支持し、
    壁構造体がハウジングに取り付けられた状態のとき、電解紡糸ヘッドの他方の端部を保持する保持機構をハウジングの本体に有する請求項1または2に記載のナノファイバー製造装置。
  4. ノズルが電解紡糸ヘッドから着脱可能に構成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載のナノファイバー製造装置。
  5. ノズルのノズル孔を塞ぐキャップ部材をさらに有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のナノファイバー製造装置。
  6. ハウジングの本体に設けられた電源と、
    電解紡糸ヘッドに設けられてノズルと電気的に接続する電解紡糸ヘッド側端子と、
    ハウジングの本体に設けられて電源と電気的に接続し、電解紡糸ヘッド側端子と電気的に接触するハウジング本体側端子とをさらに有し、
    電解紡糸ヘッド側端子とハウジング本体側端子は、壁構造体がハウジングの本体から取り外されたときに電気的な接触が解除されるように構成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載のナノファイバー製造装置。
  7. ハウジングと、ハウジングの側壁の一部を構成する着脱可能な壁構造体と、原料液をハウジング内部に吐出するノズルを備えて壁構造体によって支持される電解紡糸ヘッドとを有するナノファイバー製造装置を用いたナノファイバーの製造方法であって、
    ハウジング内部において電解紡糸ヘッドのノズルから吐出された原料液から誘電爆発によりナノファイバーを作製し、
    台車と壁構造体とを連結させ、
    壁構造体と連結した台車を移動させることにより、壁構造体以外の部分であるハウジングの本体から壁構造体を取り外すナノファイバー製造方法。
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