JP5358318B2 - ノッチ研磨用研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、半導体装置の製造プロセスにおけるウェーハの研磨に使用されるノッチ研磨用研磨パッドに関する。
IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、VLSI(Very
Large Scale Integration)など半導体を用いた集積回路の原材料となるシリコンウェーハは、極めて高い平面度および平行度が要求される板状材料であり、その製造工程において、精密な寸法精度を得るための平面加工は、回転可能な定盤、または表面に研磨パッドを貼付した回転可能な定盤によるラッピング加工機かポリシング加工機によって行われる。
単結晶であるシリコンウェーハには、その結晶方向を示すために必ずオリエンテーションフラットか、またはノッチ部が形成されている。近年は、製品の収率や歩留まりを上げるために、ウェーハ表面積の損失がオリエンテーションフラットよりも少ないノッチ部を形成することが多い。
ノッチ部は、ウェーハの最外周周縁のエッジ部分に形成された小さい切り込み状の部分であり、切り込みがU字形の形状のもの、およびV字形の形状のものの2通りの形状が有る。シリコンウェーハの加工においては、その表面部分の加工とともにその周縁のエッジ部分も、チッピング防止やダストの巻き込みを防止することを目的として、鈍角を持つように、または円弧状のプロファイルを持つように面取りされた上で、鏡面加工が施される。
このようなウェーハのノッチ部を研磨するための研磨パッドとしては、合成繊維の不織布を基材とし、この基材全体に対して一様に樹脂を付着させたり、含浸させて、単層の樹脂付着パッド、または樹脂含浸パッドとした構成のものが主に用いられる。
しかし、このような構成の研磨パッドでは、ノッチ部との接触により、その接触部分に大きなせん断力がかかることで摩耗が進行し、短時間の研磨であっても基材の破れ、繊維の露出などが生じ、露出した繊維がウェーハを傷つけてしまうなど研磨パッドを使用できなくなるという問題がある。特に、研磨パッドは切り込みとウェーハの外周とが交わるエッジとの接触による磨耗が激しく、これによって研磨パッドの寿命が短くなる。このため、研磨性能の維持または向上と長寿命化の要求は大きくなっている。
このようなノッチ研磨用の研磨パッドとして、外周部が、内側の軟質パッド層と、外側の硬質パッド層とで構成され、軟質パッド層は、硬度(アスカーC)が80以下で圧縮率が6%以上で、不織布またはスウェードタイプの材料からなり、硬質パッド層は、硬度(JIS−A)が85以上で圧縮率が3%以下で、ポリウレタンからなる構成のものが開示されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−223684号公報
ノッチ研磨においては、研磨パッドの外周部がせん断力によって磨耗されて形状変化を起こし、変形した研磨パッドがノッチ部だけでなく、ウェーハ外周部までも研磨してしまうオーバーポリッシュと呼ばれる不具合が発生する。
特許文献1に開示される研磨パッドは、外側に磨耗しにくい硬質パッドを用いることでパットの形状変形を抑制し、オーバーポリッシュを回避している。
しかしながら、特許文献1に開示される研磨パッドは、内側の軟質パッド層と、外側の硬質パッド層とで異なる種類の材料が用いられており、これら2つの層を貼り合わせた構造であるため、この貼り合わせ部分で剥がれが起こる。特に、研磨パッドの微小な面積に大きな荷重が掛かるノッチ研磨では、これら2つの層をそれぞれ構成する材料の変形量の違いによって大きな歪が発生しやすく、層間へのスラリーの浸透なども顕著となり貼り合わせ部分での剥がれが生じやすい。
また、ノッチ部のような微小部分の形状に柔軟に追従して優れた研磨性能を得るためには、内側の軟質パッド層と外側の硬質パッド層の厚みのバランスを保つ必要があり、硬質パッド層の厚みが制限される。
このように、特許文献1に開示されるような軟質パッドと硬質パッドとを貼り合わせた構成の研磨パッドでは、貼り合わせ部分の剥がれが生じてしまい、製品寿命を向上させることができず、ノッチ部の形状に対する追従性も不十分である。
本発明の目的は、特にノッチ部およびその周辺部の研磨に好適で、かつ、製品寿命の長い研磨パッドを提供することである。
本発明は、基材に樹脂を含浸して成る研磨パッドにおいて、
厚み方向中央側に位置し、空隙率が最も高い中央層と、
厚み方向外側に位置し、空隙率が最も低い外側層と、
前記中央層と前記外側層との間に位置し、空隙率が、前記中央層の前記空隙率よりも低く前記外側層の前記空隙率よりも高い中間層とを含むことを特徴とするノッチ研磨用研磨パッドである。
また本発明は、前記中央層および前記外側層の前記空隙率は、厚み方向に一定であり、
前記中間層の前記空隙率は、前記中央層側から前記外側層側へと低くなるような傾斜分布を有していることを特徴とする。
本発明によれば、基材に含浸される樹脂の充填度合を示す空隙率を、外側層、中間層、中央層とでそれぞれ異ならせることで、厚み方向の各位置によって硬さを変化させている。前記空隙率の変化により、外側層の硬さを最も硬くし、内側に向かって軟らかくすることで、耐久性と被研磨部分の形状への追従性を備える。このように、厚み方向に前記空隙率を変化させているので、異種材料の貼り合わせなどによる層間の剥がれも発生しない。
以上より、特にノッチ部およびその周辺部の研磨に好適で、かつ、寿命の長い研磨パッドを実現できる。
また本発明によれば、前記中央層および前記外側層の前記空隙率は、厚み方向に一定であり、前記中間層の前記空隙率は、前記中央層側から前記外側層側へと低くなるような傾斜分布を有しているので、厚み方向の硬さが連続的に変化し、研磨時に加えられる外力に起因して研磨パッド内部で発生する応力が、中間層において分散し、応力集中による研磨パッドの破壊を防止することができるとともに、被研磨部分の形状への追従性をさらに向上させ、ノッチ部およびその周辺部の研磨特性を向上させることができる。
本発明の実施形態である研磨パッド1の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る研磨パッド1の形状例を示す図である。 実施例および比較例の断面写真を示す図である。 実施例と比較例のそれぞれについて、厚み方向の5か所における空隙率の評価結果を示すグラフである。 ノッチ研磨の概略を示す図である。 ノッチ部5a付近での実施例および比較例の形状を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態である研磨パッド1の構成を示す模式図である。
研磨パッド1は、空隙率が最も高い中央層2と、空隙率が最も低い外側層3と、空隙率が、前記中央層の空隙率よりも低く、前記外側層の空隙率よりも高い中間層4とを有する。中央層2は、厚み方向中央側に位置し、外側層3は、厚み方向外側に位置し、中間層4は、中央層2と外側層3との間に位置する。空隙率が大きいと充填率が小さく、空隙率が小さいと充填率が大きいので、空隙率の分布によって研磨パッド1の含浸樹脂の充填度合を示すことができる。
なお、図面では、研磨パッド1の構成が分かり易いように、中央層2と中間層4との境界および中間層4と外側層3との境界を明示しているが、図に示すような明確な境界が存在するわけではない。後述する製造方法にも示すように、研磨パッド1は、1枚の基材に樹脂を含浸させ、凝固して得られるものであり、中央層2、外側層3および中間層4は空隙率の違いによってのみ区別されるものである。
上記のように空隙率は、中央層2、外側層3、中間層4で異なっており、研磨パッド1の厚み方向の各位置における硬さも、空隙率の違いに応じて異なる。研磨パッド1では、中央層2の空隙率が最も高く、中央層2から厚み方向外側に向かって中間層4、外側層3の順に低くなるように構成されるので、研磨パッド1の厚み方向の各位置における硬さは、中央層2が最も軟らかく、中央層2から厚み方向外側に向かって中間層4、外側層3の順に硬くなる。
被研磨物に直接接触する最外層、すなわち外側層3の硬さを硬くすることによって、大きなせん断力がかかるノッチ部の研磨において高い耐久力を実現し、また、パッドの厚み方向への変形を抑制している。また、中央層2を軟らかくすることで、研磨パッド1全体として柔軟性を有することになり、図1に示すようにウェーハ5のノッチ部5aのような微小部分の形状に対する追従性により、ノッチ部の研磨特性を向上させている。さらに、外側層3と中央層2の間の硬さを有する中間層4を設けることで、研磨パッド1の内部で硬さが厚み方向に段階的に変化し、特にノッチ部の研磨などで研磨時に外側層3に大きな外力が加わった場合でも、研磨パッド1の中間層4において応力が分散し、応力集中による研磨パッド1の破壊を防止することができる。
研磨パッド1は、たとえば、不織布などの1枚の基材に樹脂を含浸させ、厚み方向に空隙率の違いを持たせることにより、中央層2、外側層3および中間層4の各層を構成するものであるので、異種材料間の界面のような剥がれが生じる部分は、本発明の研磨パッド1には存在しない。
このように研磨パッド1は、特にノッチ部およびその周辺部の研磨に好適で、かつ、寿命の長い研磨パッドを実現できる。
中央層2および外側層3は、厚み方向に一定の空隙率を有し、中間層4については、中央層2側から外側層3側へとその空隙率が低くなるような傾斜分布を有することが好ましい。
中間層4の空隙率が傾斜分布を有することによって、研磨パッド1の厚み方向の硬さが連続的に変化する。ノッチ部の研磨のように研磨時に大きな外力が加わった場合でも、中間層4において応力が分散し、応力集中による研磨パッド1の破壊を防止することができる。また、空隙率が傾斜分布を有する中間層4によって、被研磨物の形状に対する追従性をさらに向上させ、ノッチ部の研磨特性を向上させることができる。
図2は、本発明の実施形態に係る研磨パッド1の形状例を示す。図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)のいずれも上側が平面図、下側が断面図を示す。
研磨パッド全体の形状は、特に限定されないが、主にリング形状、円板形状などで作製される。ノッチ部は、たとえばV字状の切り込み部分であり、研磨時にノッチ部と接触する周縁部の形状は、ノッチ部の切り欠き形状に合わせた形状とすることが好ましい。
図2(a)に示す形状例では、研磨パッド1は、リング形状であり、周縁部の厚み方向の断面形状は、大略V字形状であり、先端部が平坦である。図2(b)に示す形状例では、研磨パッド1は、リング形状であり、周縁部の厚み方向の断面形状は、U字形状である。図2(c)に示す形状例では、研磨パッド1は、リング形状であり、周縁部の厚み方向の断面形状は、図2(a)に類似した大略V字形状であり、先端部は鋭角であってもよく鈍角に形成されていてもよい。図2(d)に示す形状例では、研磨パッド1は、リング形状であり、周縁部の厚み方向の断面形状は、長方形状である。
図2に示したような形状の研磨パッド1を用いてノッチ部を研磨することで、研磨パッド1の厚み方向一方側の表面が、切り込み部分の一方側内面を研磨し、研磨パッド1の厚み方向他方側の表面が、切り込み部分の他方側内面を研磨することになる。研磨パッド1は厚み方向外側から中央に向かって段階的に硬さが軟らかくなるように構成されているので、研磨パッド1の厚み方向一方側および他方側の表面と、切り込み部分の内面との接触部分において大きな外力が加わることとなっても、硬い外側層3によって、高い耐久力を実現している。また、中央層2を軟らかくすることで、被研磨物の形状に対する追従性により、ノッチ部の研磨特性を向上させている。
また、研磨パッド1の厚み方向各位置での空隙率の違いが、構造的に境目無く得られることによって、ダイヤモンドドレッサーなどを用いて、研磨パッド形状の修正が可能であり、研磨パッド1の製品寿命をさらに延ばすことができる。研磨パッド1の製品寿命をさらに延ばすことで、研磨中の研磨パッドの、ウェーハの反対側にドレッサーを設置し、研磨しながら、同時に研磨パッド形状の修正も可能となる。
本発明の研磨パッド1を構成する基材としては、被研磨物の種類や望まれる研磨特性などによって適宜選択すればよく、たとえば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維で構成される不織布を好適に用いることができる。
基材に含浸させる樹脂としては、被研磨物の種類や望まれる研磨特性などによって適宜選択すればよく、たとえば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などの合成樹脂を好適に用いることができる。
次に研磨パッド1の製造方法の一例を説明する。
(1)ウレタン樹脂の含浸溶液調製工程
本工程では、ウレタン樹脂を溶媒に溶解させて含浸溶液を調製する。湿式のウレタン樹脂を、ジメチルホルムアミド(DMF)などの溶媒に混合して、ウレタン樹脂を溶解させて、含浸溶液としてのウレタン樹脂溶液を調製する。
含浸溶液としてのウレタン樹脂としては、ポリエステル系あるいはポリエーテル系、ポリカーボネート系などのウレタン樹脂を用いることができ、異なる2種類のウレタン樹脂を併用してもよい。
ウレタン樹脂を溶解させる溶媒としては、上述のジメチルホルムアミドの他、たとえば、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド等の溶媒を用いることができる。
(2)含浸工程
本工程では、研磨パッド1の基材としてフェルト等の不織布を用い、含浸溶液調製工程で調製したウレタン樹脂含浸溶液に基材を含浸させる。
容器内に満たしたウレタン樹脂含浸溶液に不織布を浸漬させ、所定時間経過後に引き上げ、マングルなどの絞り装置で余分な含浸溶液を除去する。
(3)硬化工程
含浸溶液を適量含浸させた不織布を凝固水中で凝固して、ウレタン樹脂を湿式凝固させて、空隙率の低い多孔質体で構成される外側層と、外側層よりも空隙率の高い多孔質体で構成される中央層と、空隙率が外側層よりも高く中央層よりも低い多孔質体で構成される中間層を形成する。
その後、水で洗浄して含浸溶液の溶媒を除去した後、乾燥し、ウレタン樹脂が含浸、凝固した不織布の表裏面を平面研削(バフ)して多孔質体の研磨パッド1を得る。凝固水は、不織布である基材にウレタン樹脂を固化させ、定着させるための液体であり、特に制限はないが、半導体デバイスなどの製造工程での使用を考慮すると、たとえば、純水、超純水、イオン交換水、蒸留水などが好ましく、必要に応じて、DMFを加えても良い。
研磨パッド1の厚み方向に空隙率を変化させる具体的な方法については、たとえば不織布にウレタン樹脂を厚み方向一方側から含浸させ、所定深さまで含浸させたのち、不織布を反転して不織布の他方側から含浸させることで両面から含浸させる方法、ウレタン樹脂を含浸後に外部から熱を加えて外層部を硬化させる方法、または、中央層を両側から中間層で挟み、さらに外側層で挟む5層構造において、単なる貼り合わせではなく、中央層と中間層との接合面および中間層と外側層との接合面を熱や化学成分などで溶着し、層間をシームレス化する方法などを用いても良い。
なお、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において設計変更可能なことは言うまでもない。
(実施例)
実施例として、ポリエステル繊維不織布(EXBS1000L、金井重要工業株式会社製)を用い、含浸樹脂にウレタン樹脂(L−315、三井武田ケミカル株式会社製)を用いて、研磨パッド1を作成した。実施例の研磨パッド1の断面写真を図3に示す。
(比較例)
比較例には、既存の製品GSBB180(ニッタ・ハース株式会社製)を用いた。
(評価方法)
まず、研磨パッドの空隙率について評価を行った。
空隙率は、撮影した断面画像の所定領域において空隙部が占める割合(%)であり、画像処理ソフト(WinROOF、三谷商事株式会社製)を用いて算出した。
<WinROOF測定条件>
コントラスト:100、明るさ:50、閾値:0−200、測定面積:厚み方向にて5等分
図4は、実施例と比較例のそれぞれについて、厚み方向の5か所における空隙率の評価結果を示すグラフである。グラフでは、厚み方向一方側から順に第1層から第5層とした。
図4に示すように、グラフBに示す比較例の空隙率は、第1層から第5層までほぼ同じであり、空隙率が研磨パッドの厚み方向で一定であることがわかる。これに対してグラフAに示す実施例の空隙率は、第1層および第5層が最も低く、第3層が最も高く、充填率は、第1層および第5層が最も高く、第3層が最も低いことがわかる。第2層の空隙率は、第3層側から第1層側へと低くなるような傾斜分布を有し、第4層の空隙率は、第3層側から第5層側へと低くなるような傾斜分布を有し、第2層の充填率は、第3層側から第1層側へと高くなるような傾斜分布を有し、第4層の充填率は、第3層側から第5層側へと高くなるような傾斜分布を有することがわかる。また、実施例は、全体としても比較例の充填率よりも高いことがわかる。
このように実施例では、第1層および第5層は、空隙率が最も低い外側層3であり、第3層は、空隙率が最も高い中央層2であり、第2層および第4層は、空隙率が傾斜分布を有する中間層4である。
比較例では、研磨パッドの厚み方向全体においてほぼ均一の硬さを有しているのに対して、実施例では、第1層(外側層3)から第2層(中間層4)、第3層(中央層2)の順に段階的に硬さが減少し、第3層(中央層2)を超えて第4層(中間層4)、第5層(外側層3)の順に段階的に硬さが増加することがわかる。また、全体としても比較例より硬いことがわかる。
次にノッチ研磨の評価として、パッド寿命および波形状不良率を評価した。
図5は、ノッチ研磨の概略を示す図を示す。ノッチ研磨では、リング状の研磨パッド1を研磨パッド治具6によって保持するとともに回転させ、ウェーハ5のノッチ部5aに研磨パッド1の周縁部を接触させることで研磨を行う。
<研磨条件>
研磨パッド回転数:700rpm
加工圧力:1.5kg/cm
スラリー:エッジミラーV(ニッタ・ハース株式会社製)
パッド寿命は、ノッチ研磨において、実施例と比較例とを比較し、研磨パッドが使用不可能となるまでの時間を相対的に示す。
ノッチ研磨においては、ウェーハのノッチ部の内面およびノッチ部とウェーハの外周部との交点近傍部分を研磨することになるが、特にノッチ部と外周部との交点近傍部分と、研磨パッドの側面に近い部分との接触により、研磨パッドの当該接触部分が破断してしまい、破断したパッドの一部がウェーハの外周部を傷つけてしまうおそれがある。したがって、ウェーハの外周部を傷つけるような破断が生じた時点で研磨パッドが使用不可能であると判断する。
波形状不良率は、CCDカメラを用いて撮影した画像に基づいて、欠陥検査の結果を示している。
表1は、実施例と比較例のそれぞれについて、波形状不良率およびパッド寿命の評価結果を示す。
表1から明らかなように、評価結果として、実施例のパッド寿命は比較例に比べ、1.3倍にまで向上し、波形状不良率は約半分にまで低減することができた。
図6は、ノッチ部5a付近での実施例および比較例の形状を示す模式図である。図6(a)は、実施例の研磨パッド1を示し、図6(b)は、比較例の研磨パッド10を示す。実施例の研磨パッド1は、厚み方向に硬さが段階的に変化し、中間層4が傾斜層で構成されることにより、ノッチ部5aの内面およびノッチ部5aとウェーハ5の外周部との交点近傍部分5bとの接触領域において均一な形状変化を示し、ノッチ部5aおよび交点近傍部分5bの形状に良好に追従し、波形状不良を大きく低減できたものと考えられる。また、ノッチ研磨において局所的に大きな外力が加えられても中間層4の特徴により、研磨パッド1の内部に発生する応力が適度に分散し、特に交点近傍部分5bとの接触領域での破断が低減され、パッド寿命が延びたものと考えられる。
これに対して比較例の研磨パッド10は、硬質層11と軟質層12とを貼り合わせた構成であり、ノッチ部5aの形状に研磨パッド10の変形が追従せず、図に示すような変形を生じる。具体的には、ノッチ部5aの先端にはパッド表面が接触せず、ノッチ部5aとウェーハ5の外周部の交点近傍部分5bでは、外周部にまでパッド表面が接触し、2点鎖線で示す領域で応力の集中が発生する。この応力集中部分が他の部分に比べて過度に研磨され、比較例では波形状不良が発生したものと考えられる。
また、ウェーハのノッチ部に応じて変形量が大きくなる周縁部に対しては、従来の異なる材料による2層構造のような極端な変形とは異なり、空隙率の高い中間層および中央層が境目の無い一体構造を有することで、研磨パッドの剥がれやウェーハの外周部を傷つけるような研磨パッドの側面に近い部分で生じる破断を抑え、製品寿命を延ばすことができた。
このように、研磨パッドの外側から内側にかけて空隙率が段階的に高くなるような多孔質のウレタン樹脂を用いることで、研磨パッドの磨耗を抑制するとともに、波型状不良率を低減することができる。また、外側層、中間層および中央層を一体構造とすることによって、強度が向上し、また、空隙率の分布に応じた緩やかな変形によって、さらに製品寿命を延ばすことが可能となった。
1,10 研磨パッド
2 中央層
3 外側層
4 中間層
5 ウェーハ
5a ノッチ部
6 研磨パッド治具

Claims (2)

  1. 基材に樹脂を含浸して成る研磨パッドにおいて、
    厚み方向中央側に位置し、空隙率が最も高い中央層と、
    厚み方向外側に位置し、空隙率が最も低い外側層と、
    前記中央層と前記外側層との間に位置し、空隙率が、前記中央層の前記空隙率よりも低く前記外側層の前記空隙率よりも高い中間層とを含むことを特徴とするノッチ研磨用研磨パッド。
  2. 前記中央層および前記外側層の前記空隙率は、厚み方向に一定であり、
    前記中間層の前記空隙率は、前記中央層側から前記外側層側へと低くなるような傾斜分布を有していることを特徴とする請求項1記載のノッチ研磨用研磨パッド。
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