JP5357579B2 - 有機電界発光素子 - Google Patents
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Description
陰極と陽極の間に少なくとも一種の発光材料を含有する発光層を含む、少なくとも一層の有機層を有する有機電界発光素子であって、有機層に、下記一般式(1)で表される化合物を含有することを特徴とする有機電界発光素子。
〔2〕
前記一般式(1)におけるnが4であることを特徴とする〔1〕に記載の有機電界発光素子。
〔3〕
前記一般式(1)において、Q1が表す芳香族ヘテロ環がピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環から選ばれるいずれかの環であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の有機電界発光素子。
〔4〕
前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔5〕
一般式(1)で表される化合物を発光層に含有することを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔6〕
前記発光層と陰極との間にさらに少なくとも一層の有機層を有し、一般式(1)で表される化合物を該発光層と陰極との間の有機層に含有することを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔7〕
前記発光層と陽極との間にさらに少なくとも一層の有機層を有し、一般式(1)で表される化合物を該発光層と陽極との間の有機層に含有することを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔8〕
前記発光材料の少なくとも一種が燐光材料であることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔9〕
前記発光材料の少なくとも一種が白金錯体またはイリジウム錯体であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の有機電界発光素子。
〔10〕
前記白金錯体が三座または四座の配位子の白金錯体であることを特徴とする〔9〕に記載の有機電界発光素子。
〔11〕
前記白金錯体が下記一般式(C−1)で表されることを特徴とする〔10〕に記載の有機電界発光素子。
本発明の化合物は、少なくとも一つのベンゼン環を有することで化合物の安定性が増すため、耐久性の点で好ましい。
縮環を有さないことから、T1準位を高く保つことができ、燐光発光を利用した有機電界発光素子に適用する場合、素子の効率が高くなる点で好ましい。
単環の芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、置換基としては下記置換基群Aとして挙げた中から任意に選択することができる。
R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子または置換基を表す。R1及びR2が表す置換基としては、下記置換基群Aとして挙げた中から任意に選択することができ、好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキルチオ基、ヘテロ環チオ基、フルオロ基、シアノ基、ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、フルオロ基、ヘテロ環基であり、さらに好ましくはアルキル基、アリール基である。
複数のQ1は同一でも異なっていてもよく、少なくとも一つは縮環を有さないベンゼン環である。また、少なくとも二つが芳香族ヘテロ環基である。
隣り合うQ1の結合順序は問わないが、二つ以上のベンゼン環が含まれる場合、ベンゼン環同士は隣り合っていた方が好ましい。
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ基、ピラジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、キノリルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、
以下、本発明の素子について詳細に説明する。
本発明の発光素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に有機発光層(以下、単に「発光層」と称する場合がある)を含む有機化合物層(有機化合物のみからなる層であっても良いし、無機化合物を含有する有機層であっても良い)を有する。従って、本発明では有機化合物層として発光層のみの構成であっても良い。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明であることが好ましい。
本発明で使用する基板としては、有機化合物層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、イットリウム安定化ジルコニア(YSZ)、ガラス等の無機材料、及びポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、有機発光層以外の他の有機化合物層としては、前述したごとく、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
有機発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
また、発光層は1層であっても2層以上であってもよく、それぞれの層が異なる発光色で発光してもよい。
本発明の有機電界発光素子が、燐光を利用するものである場合、発光層は少なくとも一種の燐光材料と、少なくとも一種のホスト材料から構成されていることが好ましい。ここで、ホスト材料とは、発光層を構成する材料のうち、発光材料以外のものであり、発光材料を分散して層中に保持する機能、陽極や正孔輸送層等から正孔を受け取る機能、陰極や電子輸送層等から電子を受け取る機能、正孔及び/または電子を輸送する機能、正孔と電子の再結合の場を提供する機能、再結合により生成した励起子のエネルギーを発光材料に移動させる機能、及び正孔及び/または電子を発光材料に輸送する機能のうち少なくとも一種の機能を有する材料を意味する。
本発明の化合物が発光層に含有される場合、その含有率は、30〜99.9質量%が好ましく、50〜99.5質量%がより好ましく、60〜99質量%であることがさらに好ましい。
本発明の化合物が発光層と陰極の間に形成される有機層に含有される場合、その含有率は70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%が好ましく、膜の均一性の観点から100質量%であることがさらに好ましい。本発明の化合物が発光層と陰極の間に形成される有機層に含有されることにより、電子注入性向上による駆動電圧の低下、電荷バランス向上による効率の向上、正孔ブロックし再結合確率が向上することによる効率の向上などの性能向上が可能である。
本発明の化合物が発光層と陽極の間に形成される有機層に含有される場合、その含有率は70〜100質量%が好ましく、80〜100質量%が好ましく、膜の均一性の観点から100質量%であることがさらに好ましい。本発明の化合物が発光層と陽極の間に形成される有機層に含有されることにより、正孔注入性向上による駆動電圧の低下、電荷バランス向上による効率の向上、電子ブロックし再結合確率が向上することによる効率の向上などの性能向上が可能である。
本発明における発光材料は、燐光性発光材料、蛍光性発光材料等いずれも用いることができる。
本発明における発光層は、色純度を向上させるためや発光波長領域を広げるために2種類以上の発光材料を含有することもできる。
前記蛍光性の発光材料としては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、またはペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
前記燐光性の発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む錯体を挙げることができる。
例えば、該遷移金属原子としては、特に限定されないが、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、金、銀、銅、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテチウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
Photophysics of Coordination Compounds」 Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、好ましくは炭素数5〜30、より好ましくは炭素数6〜30、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、特に好ましくは炭素数6〜12であり、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、さらに好ましくは炭素数2〜16であり、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20であり、フェノラト配位子など)、シリルオキシ配位子(例えば、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20であり、例えば、トリメチルシリルオキシ配位子、ジメチル−tert−ブチルシリルオキシ配位子、トリフェニルシリルオキシ配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子、リン配位子(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、さらに好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルホスフィン配位子など)、チオラト配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、さらに好ましくは炭素数6〜20、例えば、フェニルチオラト配位子など)、ホスフィンオキシド配位子(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数8〜30、さらに好ましくは炭素数18〜30、例えば、トリフェニルホスフィンオキシド配位子など)であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
炭素原子でPtに結合するZ1、Z2、Z3およびZ4としては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子および、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するZ1、Z2、Z3およびZ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するZ1、Z2、Z3およびZ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子およびそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するZ1、Z2、Z3およびZ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するZ1、Z2、Z3およびZ4としては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
Z1、Z2、Z3およびZ4で表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い(Z3とZ4が連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
L1、L2およびL3として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、さらに好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基クロヘキサンジイル基である。
AB1〜AB6はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、前記置換基群Aとして挙げたものが適用できる。Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基、アミノ基であり、より好ましくは水素原子、フッ素基である。AB1〜AB6として好ましくはC−Rである。
AB1〜AB6として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AB1〜AB6がC−Rである場合に、AB2、AB5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基であり、AB1、AB3、AB4、AB6のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。
LB1で表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。 LB1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
Zとして好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、インドール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピラゾール環、ピリジン環である。
QB1で表される基として好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子であり、より好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子である。QB1で表される基としては特に一般式(B)中のC−Xと共に形成されるZ環と同一の基であることが好ましい。
AC1〜AC14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AC1〜AC6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。
AC7〜AC14がC−Rを表す場合に、AC8、AC12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。AC7、AC9、AC11、AC13の表すRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基である。AC10、AC14の表すRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。AC7〜AC9、AC11〜AC13のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
AD1〜AD12はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。
AD1〜AD6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6が表す置換基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
AD7〜AD12がC−Rである場合に、AD8、AD11のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくポリフルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基やパーフルオロエチル基)、シアノ基である。AD7、AD9、AD10、AD12のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。AD7〜AD12のいずれかがD−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。
LE1として好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくはアルキレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、さらに好ましくはアルキレン基であり、さらに好ましくはメチレン基であり、さらに好ましくはジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくはジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくはジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
AF1〜AF14はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AF1〜AF5としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB5と同義である。AF1〜AF5として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。AF1〜AF5がC−Rである場合に、AF1〜AF5のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは水素原子である。
AG1〜AG13はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。AG1〜AG6としては、前記一般式(B)におけるAB1〜AB6と同義であり、好ましい範囲も同様である。AG7〜AG10としては、前記一般式(C)におけるAC7〜AC10と同義であり、好ましい範囲も同様である。AG11〜AG13としては、前記一般式(D)におけるAD7〜AD9と同義であり、好ましい範囲も同様である。
発光材料の具体例としては例えば下記のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。正孔注入層、正孔輸送層は、具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、導電性カーボン、等を含有する層であることが好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.5nm〜100nmであるのがより好ましく、1nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。電子注入層、電子輸送層は、具体的には、本発明の化合物の他、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、本発明の化合物の他、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる(BAlq、BCPなどの有機化合物の構造は実施例中に示した)。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、SiNx、SiNxOy等の金属窒化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、シリコーンオイル類が挙げられる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書、等に記載の駆動方法を適用することができる。
例示化合物1は下記スキームにしたがって合成した。
(1)化合物1−Eの合成
窒素雰囲気下、化合物1−F(10g, 22.3mmol)とシアノ酢酸エチル(10g, 893mmol)をジメチルスルホキシド100mLに溶解させた。炭酸カリウム(24.7g, 178.4mmol)とヨウ化銅(850mg, 4.46mmol)を加え、オイルバスで120℃まで昇温し、加熱下で5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2)で分離精製し、化合物1−Eを8.0g(収率86%)得た。
化合物1−E(6.4g, 15.33mol)、塩化ナトリウム(0.6g, 10.2mmol)、ジメチルスルホキシド20mL、水(1.23g, 68.3mmol)を混合し、150℃まで昇温し、加熱下1.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2)で分離精製し、化合物1−Dを4.3g(収率100%)得た。
化合物1−C(2.4g, 6.74mmol)、化合物1−D(1.85g, 6.74mmol)、水酸化カリウム(1.9g, 33.7mmol)、ジメチルスルホキシド120mLを混合し、100℃に昇温して4時間加熱攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/2)で分離精製し、化合物1−Bを2.56g(収率81%)得た。
化合物1−B(390mg, 0.83mmol)、濃硫酸1.6mL、酢酸16mLを混合し、7時間加熱還流した。室温まで冷却した後、反応液を水にあけ、中和した。生成した白色沈殿を濾取し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)で分離精製し、化合物1−Aを200mg(収率58%)得た。
化合物1−A(530mg, 1.27mmol)をテトラヒドロフラン20mLに溶解させた。室温下でリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン溶液2.1mL(3.80mmol)を滴下した。15分攪拌した後、ヨウ化メチル(0.32mL, 5.08mmol)を滴下した。LDAによるリチオ化、ヨウ化メチルによるメチル化操作を7回繰り返した。反応液を水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=30/1)で分離精製し、例示化合物1を470mg(収率78%)得た。
<実施例1>
(比較素子1−1の作成)
0.5mm厚み、2.5cm角のITO膜を有するガラス基板(ジオマテック社製、表面抵抗10Ω/□)を洗浄容器に入れ、2−プロパノール中で超音波洗浄した後、30分間UV−オゾン処理を行った。この透明陽極(ITO膜)上に真空蒸着法にて以下の有機化合物層を順次蒸着した。
第1層:銅フタロシアニン(CuPC):10nm
第2層:NPD(N,N’−ジ−α−ナフチル−N,N’−ジフェニル)−ベンジジン):30nm
第3層:比較化合物1およびIr(ppy)3(重量比95:5):50nm
第4層:BAlq(Aluminum (III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate):40nm
この上に、フッ化リチウム0.1nmおよび金属アルミニウムを100nmをこの順に蒸着し陰極とした。
このものを、大気に触れさせること無く、アルゴンガスで置換したグローブボックス内に入れ、ステンレス製の封止缶及び紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ(株)製)を用いて封止し、比較例1の有機電界発光素子を得た。
第3層の成分を下記表2に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子2−1〜2−6、本発明の実施例の素子2−1〜2−4を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表3に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子3−1〜3−3、本発明の実施例の素子3−1〜3−3を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表4に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子4−1〜4−3、本発明の実施例の素子4−1〜4−3を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表5に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子5−1〜5−3、本発明の実施例の素子5−1〜5−2を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表6に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子6−1、本発明の実施例の素子6−1を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表7に示した組成に変更し、発光層と第4層との間に電子輸送層を設けた以外は、下記表7に示す成分を用いて、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子7−1〜7−2、本発明の実施例の素子7−1〜7−2を作製し、発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表8に示した組成に変更し、第4層と陰極との間に電子注入層を設けた以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子8−1〜8−6、本発明の実施例の素子8−1〜8−3を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第2層及び第3層の成分を下記表9に示した組成に変更した以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子9−1、実施例の素子9−1を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
第3層の成分を下記表10に示した組成に変更する以外は、比較素子1−1の作製と同様の方法で比較素子10−1〜10−6、本発明の実施例の素子10−1〜10−4を作製し発光させた結果、それぞれの発光材料に由来する発光が得られた。
(有機電界発光素子の性能評価)
(a)外部量子効率
東陽テクニカ製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し発光させる。その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は浜松ホトニクス製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらを元に輝度が100cd/m2付近の外部量子効率を輝度換算法により算出した。
(b)駆動電圧
各素子を輝度が650cd/m2になるように直流電圧を印加し発光させる。この時の印加電圧を駆動電圧評価の指標とした。
(c)駆動耐久性
各素子を輝度が650cd/m2になるように直流電圧を印加し、輝度が325cd/m2になるまでの時間を測定した。この輝度半減時間を駆動耐久性評価の指標とした。
また、本発明に係る化合物は、単環の芳香族ヘテロ環基を一つ有する化合物(比較化合物5)、単環の芳香族ヘテロ環基を二つ以上有するが単環の芳香族炭化水素環基を有さない化合物(比較化合物3)、縮環の芳香族ヘテロ環基を有する化合物(比較化合物2、4)と比較しても優れた発光効率、駆動電圧、駆動耐久性を示していることがわかる。
さらに、本発明に係る化合物と白金錯体発光材料との組み合わせが特に好ましいという結果が得られた。
また、本発明の化合物を該発光層と陽極との間の有機層に用いた場合、比較例の素子に比べて、発光効率、駆動電圧、駆動耐久性で優れた結果を示していることがわかる。
Claims (11)
- 前記一般式(1)におけるnが4であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光素子。
- 前記一般式(1)において、Q1が表す芳香族ヘテロ環がピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環から選ばれるいずれかの環であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機電界発光素子。
- 一般式(1)で表される化合物を発光層に含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層と陰極との間にさらに少なくとも一層の有機層を有し、一般式(1)で表される化合物を該発光層と陰極との間の有機層に含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光層と陽極との間にさらに少なくとも一層の有機層を有し、一般式(1)で表される化合物を該発光層と陽極との間の有機層に含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光材料の少なくとも一種が燐光材料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記発光材料の少なくとも一種が白金錯体またはイリジウム錯体であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の有機電界発光素子。
- 前記白金錯体が三座または四座の配位子の白金錯体であることを特徴とする請求項9に記載の有機電界発光素子。
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