JP5356693B2 - 車両用格納シート - Google Patents

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本発明は車両用格納シートに係り、特に、前後方向への位置調整が可能な車両用格納シートに関する。
従来から車両用格納シートが知られており、例えば、車両用シートを構成するシートクッションの後端部を車体フロアにおける収納凹部(格納凹部)の前側で前後方向へ回動可能に支持し、シートクッション上にシートバックを折り畳んだ状態で、当該車両用シートを後方へ回動して収納凹部に格納する技術などがある。
つまり、特許文献1に示された車両用格納シートは、シートクッションの後端部の左右の部位に設けられた回動軸によってシートクッションの後端部を前後方向へ回動可能に支持され、収納凹部にシートを格納できるように取り付けられている。
一方、スライドレールの一方側に左右方向へ回動可能な支持部を設けることで、前後方向への位置調整と共に側壁側へ跳ね上げ格納が可能な車両用格納シートが知られている。
例えば、特許文献2に示された車両用格納シートは、一対のスライダ(インナレール)にシートの下面に設けられた一対の脚をそれぞれ支持してシートを移動自在に構成し、スライダをガイドレール(アウタレール)に係脱可能に設けると共に、一方の脚側とガイドレールとの係脱を他方の係脱と分離可能に構成し、一方のスライダと脚とを係脱自在に係合する跳ね上げロックを設け、他方の脚側にシートを跳ね上げ回動自在に支持する回動軸を設けてある。
特開2006−082698号公報 特開平09−188173号公報
特許文献1に示された技術は、シートクッションを前後方向へ回動可能に支持する回動軸が、格納凹部の前側に固定されている。そのため、前後方向に調整することができないという不都合があった。
また、特許文献2に示された技術は、所定のスライド位置でのみ跳ね上げが可能な構成であるため、格納する際には、手動にて所定位置にスライドさせる必要があるという不都合があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、前後方向への位置調整が可能、且つ、格納する際の操作性を改善した車両用格納シートを提供することである。
前記課題は、請求項1に係る車両用格納シートによれば、設置状態時に車体フロア側に設けられたアウタレールと、該アウタレールに対して前後方向に摺動可能に、シートクッション側に設けられたインナレールと、前記アウタレールの一端部側を、前記車体フロアに対して回動可能に支持するシート支持手段と前記シートクッションにリクライニング機構を介して折り畳み可能なシートバックと、を有する車両用格納シートであって、前記シートバックの折り畳み角度に連動して回動するリンク部材と、前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか一方側に回動可能に設けられた回動部材と、前記リンク部材と前記回動部材とを連結する第1の連結部材と、前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか他方側と前記回動部材とを連結する第2の連結部材と、を有し、前記第2の連結部材の一端部は、前記回動部材に固定され、他端部は、前記シートバックが折り畳まれる際に第1の連結部材を介して前記回動部材が回動する一回動方向に対して逆方向に沿って延出して、前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか他方側に固定されていることにより解決される。
このように、シートバックの折り畳み角度に連動して回動するリンク部材と、シートクッション側に回動可能に設けられた回動部材と、リンク部材と回動部材とを連結する第1の連結部材と、アウタレール側と回動部材とを連結する第2の連結部材と、を有し、前記第2の連結部材の一端部は、前記回動部材に固定され、他端部は、前記シートバックが折り畳まれる際に第1の連結部材を介して前記回動部材が回動する一回動方向に対して逆方向に沿って延出して、前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか他方側に固定されている構成としたため、シートバックの折り畳み操作とアウタレール側に連結された第2の連結部材とを連動させることができ、シートクッションの前後位置をシートバックの折り畳み角度に連動して移動させることができる。
また、請求項2のように、前記回動部材は、前記シートバックが前記シートクッション側に折り畳まれた場合、前記シート支持手段によって回動されたときに前記シートが格納位置に収まる所定の位置に、前記シートクッションが前記第2の連結部材を介して移動するように、所定の大きさで形成されていると好ましい。
具体的には、請求項のように、前記回動部材は、前記第1の連結部材の一端部が係止される第1の係止部と、前記第2の連結部材の一端部が係止される第2の係止部と、を有し、前記第1の係止部と前記第2の係止部とは、それぞれ前記回動部材の回動中心からの距離が相違すると好適である。
このように、第1の係止部と第2の係止部とは、それぞれ回動部材の回動中心からの距離が相違する構成としたため、シートバック側に連結された第1の連結部材とアウタレール側に連結された第2の連結部材のリンク比率を調整することができ、シートバックの折り畳み角度を、適切なシートクッションの移動量に変換することができる。
さらに具体的には、請求項のように、前記回動部材は、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材の少なくとも一方を巻回可能な溝部を備えるとさらに好適である。
また、請求項のように、前記回動部材は、前記第1の係止部と前記第1の連結部材を巻回可能な第1の溝部とを備える第1の回動部材と、前記第2の係止部と前記第2の連結部材を巻回可能な第2の溝部とを備える第2の回動部材とからなり、前記第1の溝部と前記第2の溝部は、前記回動部材の回動量に応じてそれぞれ前記第1の連結部材と前記第2の連結部材を巻回可能に配設されると好適である
らに、請求項のように、前記第1の係止部と前記第2の係止部は、それぞれ前記第1の溝部と前記第2の溝部に沿って形成され、前記第1の溝部と前記第2の溝部は、それぞれ同心円状に形成されるとさらに好適である。
また、前記第1の係止部は、前記回動部材における前記第1の溝部の端部に形成され、前記第1の溝部は、前記回転中心を中心として偏芯した形状で、前記端部に比べて中央部が前記回転中心に近接するように形成されているとさらに好適である。
このように、回動部材は、第1の連結部材と第2の連結部材の少なくとも一方を巻回可能な溝部を備えることで巻回量を調整することができ、シートバックの折り畳み角度に対するシートクッションの移動量の比率を大きな値に設定することができる。また、回動部材は、第1の係止部と第1の連結部材を巻回可能な溝部とを備える第1の回動部材と、第2の係止部と第2の連結部材を巻回可能な溝部とを備える第2の回動部材とからなり、第1の溝部と第2の溝は、回動部材の回動量に応じてそれぞれ第1の連結部材と第2の連結部材を巻回可能に配設され、さらに、第1の係止部と第2の係止部は、それぞれ第1の溝部と第2の溝部に沿って形成され、第1の溝部と第2の溝部は、それぞれ同心円状に形成されるために、シートバックの折り畳み操作に伴う第1の溝部に巻回された第1の連結部材の送り出し量と、第2の溝部への第2の連結部材の巻回量との比率を任意に設定することができ、シートバックの折り畳み角度に対するシートクッションの移動量の比率をさらに大きな値に設定することができる。
請求項1に係る車両用格納シートによれば、シートクッションの前後位置をシートバックの折り畳み角度に連動して移動させることができるため、格納の際に手動でのシートクッションの位置調整操作の必要のない操作性の良好な車両用格納シートを提供することができる。さらに、設置状態においてはシートクッションの前後方向の位置を手動で任意に設定することができ、格納の際にはシートバックの折り畳み角度に連動してシートクッションを格納可能位置に移動させることができるため、良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項に係る車両用シートによれば、シートバックの折り畳み角度を、適切なシートクッションの移動量に変換することができるため、シートバックの折り畳み動作によってシートクッションが格納の際の所定位置に移動させることができる操作性の良好な車両用格納シートを提供することができる。
請求項に係る車両用格納シートによれば、シートバックの折り畳み角度に対するシートクッションの移動量の比率を大きな値に設定することができるため、シートクッションの移動量が長い場合にも、シートバックを折り畳む動作だけでシートクッションを格納可能位置に移動させることができるため、良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
請求項5又は6に係る車両用格納シートによれば、シートバックの折り畳み角度に対するシートクッションの移動量の比率をさらに大きな値に設定することができるため、シートクッションの移動量がさらに長い場合にも、シートバックを折り畳む動作だけでシートクッションを格納可能位置に移動させることができるため、良好な操作性を有する車両用格納シートを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることはもちろんである。
図1乃至図20は本発明の一実施形態を示し、図1は車両用格納シートを装備した車両後部の側面模式図、図2は車両用格納シートの前方斜視図、図3はシートフレームの概略斜視図、図4はリンク機構の分解斜視図、図5はシートスライド機構のリンク機構側の動作説明図、図6はスライドロック機構のリンク機構側の動作説明図、図7は円盤リンク部材の分解斜視図、図8は円盤リンク部材の概略斜視図、図9は円盤リンク機構の動作説明図、図10はスライドロック機構のロック状態での断面概略図、図11はスライドロック機構のロック解除状態での断面概略図、図12はアシスト機構の分解斜視図、図13はシート格納時のアシスト機構の動作説明図、図14はシート復帰時のアシスト機構の動作説明図、図15はシートの回動範囲とアシスト機構の効果範囲の説明図、図16は脚部リンク機構の概略説明図、図17はストライカロックの概略説明図、図18はシートバックの折り畳み角度と作用の概略説明図、図19は車両用格納シートの格納操作時の操作説明図、図20は車両用格納シートの復帰操作時の操作説明図である。
本実施形態において、シートクッションとして、後述するシートクッション11を記しており、同様に、シートバックはシートバック12、インナレールはインナレール25a,25a、アウタレールはアウタレール25b,25b、シート支持手段はアシスト機構300、第1の連結部材はワイヤケーブル121、第2の連結部材はワイヤケーブル231,232、第1の係止部はケーブル端末係止部212a、第2の係止部はケーブル端末係止部213,223、第1の溝部は案内溝212、第2の溝部は案内溝222a,222b、回動部材は円盤リンク部材201、第1の回動部材は上部円盤リンク部材211、第2の回動部材は下部円盤リンク部材221、リンク部材は第1のリンク部材71と第2のリンク部材81、として記している。
まず、図1乃至図3に基づいて本実施形態に係るシートSの構成について説明する。
本実施形態に係るシートSを装備した車両は、前後に2列のシートを備えるものであり2列目(後部側)のシートが格納可能に構成されている。シートSは、シートバック12をシートクッション11に折り畳んだ状態で車両の進行方向に対して前方向に回動して、前方の車体フロア4上に格納される。
シートSを搭載した車両の車体フロア4は段差を有しており、シートSが設置される位置が、格納される位置よりも一段高く形成されている。そのために、シートSが前方に格納されることによってフラットな荷室を確保することができる。
なお、当該車両においては、不図示のフロアカーペットが車体フロア4上の略全面に渡り敷設されている。
本発明に係る2列目シートは左右に2つシートSを並べて構成されており、右側と左側のシートの収納機構,操作方法は互いに同様であるので、以下の説明では、任意の一方側をシートSとして説明する。
なお、以下の説明例において方向を示す右/左側の記載は、車両の進行方向に対するものとする。
シートSは車体フロア4上に載置されており、シートクッション11と、シートバック12と、ヘッドレスト13とから構成されている。図2に示すように、シートバック12の上部には、シートSのリクライニングの解除を行うための操作手段としてのリクライニング解除レバー16が配設されている。また、シートクッション11とシートバック12の連結部分の側面はカバー14で覆われているが、カバー14に代えてアームレストを配置する構成としてもよい。
なお、本実施形態においては、このリクライニング解除の操作手段をレバー状に構成しているが紐状やストラップ状として構成してもよい。
図3に示したシートSのシートフレームFは、シートクッション11を構成するシートクッションフレーム21と、シートバック12を構成するシートバックフレーム22と、から構成されている。また、シートバックフレーム22の上部には、不図示のヘッドレストフレームのピラーがピラー支持部23を介して配設される。
シートクッションフレーム21は、不図示のクッションパッド,表皮などに覆われて乗員を下部から支持するシートクッション11を構成するものである。シートクッションフレーム21の前側は、シート支持手段としてのアシスト機構300を介して車体フロア4側に前後方向に回動可能に支持されている。アシスト機構300には、アシストばね341,342,342が取付けられており、シートSの復帰操作と格納操作をアシストしている。
シートクッションフレーム21の後側は、解除操作可能に構成されたストライカロック40,40を介して車体フロア4側の不図示の係止部材としてのストライカ44に係止されている。
シートクッションフレーム21の底部側にはスライドレール25,25が配設されており、後述するリンク機構50(シートスライド機構のリンク機構側61)、または公知のシート位置調整機構を介してシートバック12の操作に連動して前後方向に移動可能に構成されている。
スライドレール25,25はシートクッション11側に配設されるインナレール25a,25aと、インナレール25a,25aのシートクッション11側とは逆側に取り付けられたアウタレール25b,25bとからなり、インナレール25a,25aがシートクッション11側に取り付けられている。
また、シートクッションフレーム21の後端部には、バックフレーム支持部51,151が配設されている。
シートバックフレーム22は、不図示のクッションパッド等によって覆われて乗員の背中を後方から支持するシートバック12を構成するものであり、略矩形状の枠体であるアウターフレーム22aと、乗員の背部を支持する面に沿ってアウターフレーム22aに取り付けられた略板状のバックプレート22bと、から構成されている。
アウターフレーム22aの下端部側は、リクライニング手段としての不図示のリクライニング機構を介してバックフレーム支持部51,151と連結されている。
なお、リクライニング機構は、リクライニング解除レバー16を操作することによりシートバック12の回動の係止を解除する公知の機構を用いている。
シートクッションフレーム21には、シートスライド機構と、スライドロック機構と、が取り付けられている。
シートスライド機構は、シートSをスライドレール25,25に沿って前後方向に移動させる機構であり、主な部材がリンク機構50側と円盤リンク機構200の2カ所に分かれて構成されている。シートスライド機構のリンク機構側61はバックフレーム支持部51の外側面側に設けられ、シートクッションフレーム21の下部側に設けられた円盤リンク機構200を介してスライドレール25,25(アウタレール25b,25b)にワイヤケーブル121,231,232を介して連結されている。シートSを後方へ移動させることによってシートSをスムーズに格納位置まで回動することができる。
係脱手段としてのスライドロック機構は、スライドレール25,25のロックを適宜解除する機構であり、主な部材がスライドロック機構のリンク機構側131と、スライドロック機構のスライドレール側132との2カ所に分かれて構成されている。これらがワイヤケーブル122,123を介して連結されており、シートスライド機構によってシートSがスライドするタイミングに合わせてスライドレール25,25のロックを解除するように構成されている。
リンク機構50は、上述したシートスライド機構のリンク機構側61とスライドロック機構のリンク機構側131とから構成されている。
以下に、本発明に係るシートSに設けられた、シートスライド機構,スライドロック機構,アシスト機構300についての構成と動作について順次説明する。
まず、図4乃至図6に基づいて、リンク機構50の構成と動作について説明する。
リンク機構50は、前述のように、シートスライド機構とスライドロック機構のバックフレーム支持部51側の構成部分であり、バックフレーム支持部51の外側面側に形成されている。
リンク機構50は、回動可能に軸支された第1のリンク部材71と、第2のリンク部材81と、第3のリンク部材91と、第4のリンク部材101と、第5のリンク部材111と、を有して構成されている。このうち、第1のリンク部材71と、第2のリンク部材81はバックプレート支持部51の軸孔51aに、第4のリンク部材101はバックフレーム支持部51の軸孔51bのそれぞれに回動可能に支持されている。
また、第2のリンク部材81には第3のリンク部材91が、第4のリンク部材101には第5のリンク部材111が回動可能に支持される構成となっている。
また、第2のリンク部材81と後述する円盤リンク部材201とはワイヤケーブル121によって連結されている。同様に、第4のリンク部材101とスライドロックとの間もワイヤケーブル122,123によって連結されている。
なお、本実施形態において用いられるワイヤケーブル121は牽引ワイヤ121dと、牽引ワイヤ121dを内側に通して案内する管状の樹脂ケーブル121bと、から構成されており、樹脂ケーブル121bの端部には係止するためのブラケット121cが取り付けられている。他のワイヤケーブル122,231,232・・もワイヤケーブル121と同様に構成されている。
シートスライド機構のリンク機構側61の動作説明図を図5に、スライドロック機構のリンク機構側131の動作説明図を図6に示す。
まず、図5に示したシートスライド機構のリンク機構側61について説明する。
シートスライド機構のリンク機構側61(バックフレーム支持部51側)は、ワイヤケーブル121を操作する機構であり、主にバックフレーム支持部51に回動可能に軸支された第1のリンク部材71と、第2のリンク部材81と、第3のリンク部材91とから構成されている。各部材について説明する。
バックフレーム支持部51は、略三角形状の部材であり、シートクッションフレーム21の後端部側面側に取り付けられて、シートバックフレーム22を連結するリクライニング機構を支持している。シートクッションフレーム21とは孔部51c,51cにボルトなどの締結部材を用いて固定される。また、不図示のリクライニング機構の軸部が軸孔51aに支持されている。
また、バックフレーム支持部51には、第2のリンク部材81と第4のリンク部材101とそれぞれ当接可能なストッパー53a,53bと、第3のリンク部材91に取り付けられた柱状リブ94と当接可能な位置に板状リブ52と、が設けられている。
第1のリンク部材71は、軸孔71aによって、バックフレーム支持部51の軸孔51aに挿通された不図示のリクライニング機構の軸部材に回動可能に取り付けられる略矩形の部材であり、孔部71bがシートバックフレーム22側に係止されることでシートバック12の傾斜と連動して回動する。軸孔71aと孔部71bの間に形成された屈曲部72によって屈曲した形状を有しており、また、孔部71bと逆側の端部側に略扇状の第1の連動部材としての第1の連動プレート73が形成されている。さらに、第1の連動プレート73と離間した平行位置に略扇状の第2の連動プレート74が設けられている。第2の連動部材としての第2の連動プレート74には張り出したプレートの長さが変化した部分に係止部74aが形成されている。第2の連動プレート74は、外側の縁部分で後述する柱状リブ93と当接可能に配設されている。
第2のリンク部材81は、軸孔81aによって、バックフレーム支持部51の軸孔51aに挿通された不図示のリクライニング機構の軸部材に回動可能に取り付けられる略矩形の部材であり、軸孔81aと長孔83の間に形成された屈曲部82によって屈曲した形状を有している。また、第3のリンク部材91を軸支するための孔部81bと、第3のリンク部材91に取り付けられた柱状リブ93,94をそれぞれ案内する長孔83,84が設けられており、軸孔81aと逆側の端部にはワイヤケーブル121の端部を係止する係止部85が形成されている。また、長孔83,84の長さを調節することによって、第3のリンク部材91の回動量の上下限を設定することができる。
なお、軸孔81aと長孔83の間に形成された孔部81cとバックフレーム支持部51の孔部51dに両端部を係止された付勢ばね119aによって、常時バックフレーム支持部51の板状リブ52側に付勢されている。
第3のリンク部材91は、略三角形状の部材であり、軸孔91aが第2のリンク部材81の孔部81bに軸部材92を介して軸支されている。また、第2のリンク部材81の長孔83,84をそれぞれ貫通する凸部を有する柱状リブ93,94が孔部91b,91cに固着されている。
なお、孔部91dと第2のリンク部材81の孔部81dに両端部を係止された付勢ばね119bによって、常時バックフレーム支持部51の孔部51a側に付勢されている。
次に、上述したシートスライド機構のリンク機構側61を構成する各リンク部材間の関係と動作について図5(a)乃至図5(c)に従って説明する。
シートバック12の起立状態では、乗員が前方向にシートSをスライドさせて位置調整をすることができるが、格納動作時には他の部材との緩衝を避けるためにシートSは最後方位置に移動しておく必要がある。シートスライド機構は、シートスライド機構のリンク機構側61と、シートスライド機構のスライドレール25,25側とが円盤リンク機構200を介してワイヤケーブル121,231,232で連結されており、シートスライド機構のリンク機構側61のワイヤケーブル121端部を引っ張ることでシートSが車両方向に対して後方へスライドするように構成されている。
図5(a)に示したシートバック12の起立状態では、シートSが車両方向に対して前方へスライドした状態であるため、第2のリンク部材81は係止部85をワイヤケーブル121に引っ張られて前方に回動した状態となっている。第2のリンク部材81はシートバック支持部51に形成されたストッパー53bに当接してこれ以上の回動ができない状態である。
図5(b)は、シートバック12の折り畳み操作がされている状態である。
シートバック12の折り畳み動作と連動して第1のリンク部材71と共に第1のリンク部材71に設けられた第2の連動プレート74が回動する。このとき、柱状リブ93は第2のリンク部材81の長孔83内を移動自在に挿通され、第3のリンク部材91に取り付けられている。第3のリンク部材91は付勢ばね119bによって第2の連動プレート74側に付勢されているため、第2の連動プレート74に形成された係止部74aに第3のリンク部材91に取り付けられた柱状リブ93が係止された状態となり、同時に、第2のリンク部材81は第3のリンク部材91と軸部材92を介して連結されていることから、第2のリンク部材81は第1のリンク部材71と連動して回動する。このとき、第2のリンク部材81に取り付けられたワイヤケーブル121が引っ張られてシートSが後方にスライドする。
図5(c)は、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳まれた状態である。
第1のリンク部材71に連動して第2のリンク部材81及び第3のリンク部材91が後方回動を続けると、第3のリンク部材91に取り付けられた柱状リブ94がシートバック支持部51に形成された板状リブ52と当接する。その結果、板状リブ52が柱状リブ94を下方に押出し、第3のリンク部材91に取り付けられた柱状リブ93もそれに連動して下方に移動するために係止部74aとの係止が解除される。このため、ワイヤケーブル121はそれ以上引っ張られない。
なお、柱状リブ93を第3の係止部として、第2のリンク部材81に直接取り付ける構成とすることもできる。この場合、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳まれた状態でワイヤケーブル121が最も引っ張られるように、第3の係止部としての柱状リブ93と第2の連動プレート74に形成された係止部74aの位置を調整する必要がある。
図6に示したスライドロック機構のリンク機構側131について説明する。
スライドロック機構のリンク機構側131(バックフレーム支持部51側)は、ワイヤケーブル122,123を操作する機構であり、主にバックフレーム支持部51に回動可能に軸支された第1のリンク部材71と、第4のリンク部材101と、第5のリンク部材111とから構成されている。各部材について説明する。
バックフレーム支持部51は、上述のように、シートクッションフレーム11の後端部側面側に取り付けられて、シートクッションフレーム11とシートバックフレーム12とをリクライニング機構を介して連結している。第4のリンク部材101が軸孔51bに軸支されている。
第1のリンク部材71は、上述のように、軸孔71aによって、バックフレーム支持部51の軸孔51aに挿通された不図示のリクライニング機構の軸部材に回動可能に軸支される一方、孔部71bがシートバック12に連結されているためにシートバック12と連動して回動する。第1の連動プレート73は縁部分で後述する柱状リブ113と当接可能に配設されている。
第4のリンク部材101は、軸孔101aによってバックフレーム支持部51の軸孔51bに回動可能に取り付けられた略三角形状の部材であり、軸孔101aよりも前側に形成された孔部101bには第5のリンク部材111が軸支されている。下部側にはワイヤケーブル122,123を取り付ける係止部103a,103bが形成されている。また、軸孔101aと係止部103bの間には屈曲部102が形成され、第4のリンク部材101は立体的な形状を有している。孔部101bの下方側には後述する第5のリンク部材111の回動を制限するストッパー105が形成されている。
なお、下部側に形成された孔部101dとの間に係止された付勢ばね119cによって、常時バックフレーム支持部51の板状リブ52側と逆側(前方回動側)に付勢されている。
第5のリンク部材111は、略矩形状の部材であり、軸孔111aが第4のリンク部材101の孔部101bに軸部材112を介して軸支されている。また、孔部111bには柱状リブ113が固着されて凸部を形成している。
なお、第5のリンク部材101の孔部111cと第4のリンク部材101のストッパー105に形成された孔部105aとの間に両端部を係止された付勢ばね119dによって、常時、柱状リブ113が下方側に回動する方向に第5のリンク部材111が付勢されストッパー105に係止された状態となっている。
次に、上述したスライドロック機構のリンク機構側131を構成する各リンク部材間の関係と動作について図6に従って説明する。
上述したシートスライド機構の動作に合わせてスライドレール25,25のスライドロックを解除する必要がある。スライドロック機構のリンク機構側131に連結されたワイヤケーブル122,123の他端部側はシートSの左右それぞれのスライドロックの解除レバーに連結されており、リンク機構50側のワイヤケーブル122,123の端部を引っ張ることでスライドロックが解除されるように構成されている。なお、本実施形態におけるワイヤケーブル123はワイヤフォーミング加工で成形されたワイヤが用いられている。
図6(a)に示したシートバック12の起立状態は、スライドロックがロックされている状態である。第4のリンク部材101は付勢ばね119cによって付勢されて下部側が前方に回動された状態となっているためワイヤケーブル122,123は引っ張られていない。また、第4のリンク部材101はシートバック支持部51に形成されたストッパー53aに当接しており付勢方向にはこれ以上の回動ができない状態である。
図6(b)は、シートバック12の折り畳み操作がされている状態である。
シートバック12の折り畳み動作と連動して第1のリンク部材71に設けられた第1の連動プレート73が回動して柱状リブ113に当接する。柱状リブ113は第5のリンク部材111に取り付けられており、一方、第5のリンク部材111はストッパー105に当接してそれ以上回動できない状態である。従って、第1の連動プレート73は回動量に応じて柱状リブ113を押し下げることにより、柱状リブ113を介して第4のリンク部材101を回動させることになる。このとき、第4のリンク部材101の係止部103a,103bにそれぞれ取り付けられたワイヤケーブル122,123が引っ張られてスライドレール25,25のロックが解除される。
ここで、第1の連動プレート73に形成された折り畳み側摺接部73aは、さらに傾斜摺接部73bと、扇状摺接部73cとから構成されている。傾斜摺接部73bは、第1の連動プレート73の回動軌跡に対して傾斜して構成されており、第1のリンク部材71の折り畳み方向の回動に伴って柱状リブ113の当接位置が回動中心から外方に向かう傾斜を有している。一方、扇状摺接部73cは、第1の連動プレート73の回動中心から等距離で、円弧状(扇状)に形成されている。
シートバックの折り畳み操作と共に、柱状リブ113は、まず傾斜摺接部73b、次に扇状摺接部73cと摺接する。すなわち、傾斜摺接部73bに摺接した柱状リブ113を介して第4のリンク部材101が徐々に回動し、スライドレール25,25のスライドロックが解除され、扇状摺接部73cにより第4のリンク部材の回動角度が一定に保持されることにより、スライドレール25,25のスライドロックが解除された状態を維持することができる。
また、傾斜摺接部73bと扇状摺接部73cが連続して一体に形成されているため、シートバック12の折り畳み角度と連動したスライドレール25,25のスライドロックの解除と、解除状態の維持とが一体の動作となり、ガタ付きのないスムーズな操作感を得ることができる。
柱状リブ113が扇状摺接部73cと摺接している範囲がスライドレール25,25のスライドロックが解除されるシートバック12の折り畳み角度に対応している。
図6(c)は、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳まれた状態である。
シートバック12の回動量に比して、第1の連動プレート73の柱状リブ113と当接可能な範囲は狭く設定されているため、シートバック12の回動量が設定値の限界を超えると柱状リブ113と第1の連動プレート73との当接は解除される。その際、第4のリンク部材101は付勢ばね119cの付勢方向に従って前方に回動することになるため、ワイヤケーブル122,123の引っ張り状態が解除され、スライドレール25,25がロックされた状態となる。このとき、柱状リブ113は第1の連動プレート73の端部側に位置する。
図6(d)は、シートバック12をシートクッション11に対して起立させる操作がされている状態である。
第1のリンク部材71が回動する際に、第1の連動プレート73の起立側摺接部73dに柱状リブ113が接触して柱状リブ113を上方へ移動させる。柱状リブ113の移動に伴って第5のリンク部材111だけが回動するため、第4のリンク部材101には第1のリンク部材71の動作が伝達されない。すなわち、スライドレール25,25のロック状態が維持された状態でシートバック12をシートクッション11に対して起立させることができる。
次いで、シートスライド機構についてさらに説明する。
シートスライド機構のリンク機構側61は、上述のように、リンク機構50の一部を構成している。ここでは、その他の構成である円盤リンク機構200について図7乃至図9に従い説明する。
円盤リンク機構200は、シートスライド機構のリンク機構側61(リンク機構50)によって引っ張られたワイヤケーブル121の引っ張り量をシートSの適切な移動量に変換する機構である。
図7は、回動部材としての円盤リンク部材201の分解斜視図、図8は円盤リンク部材201の斜視説明図を示している。
円盤リンク機構200は、第1の回動部材としての上部円盤リンク部材211と、第2の回動部材としての下部円盤リンク部材221と、それらを連結するワイヤケーブル121,231,232とから構成されており、上部円盤リンク211と下部円盤リンク221は一つの円盤リンク部材201として一体に組み立てられてシートクッションフレーム21に設けられた円盤ブラケット202(図3参照)に回転可能に配設されている。
上部円盤リンク部材211は樹脂で成形された略円盤状の部材であり、軸孔211aと、偏芯リブ211bと、第の係止部としてのケーブル端末係止部213が形成されている。
軸孔211aは中心部に形成された貫通孔であり、上下に張り出した円筒状の縁部を有している。偏芯リブ211bは上面側に張り出した扇状の部材であり偏芯した円弧状を有している。偏芯リブ211bと上部円盤リンク部材211との連結部にワイヤケーブル121を配設する際の溝部(第1の溝部)としての案内溝212が形成される。ケーブル端末係止部213は下部円盤リンク部材221のケーブル端末係止部223との間にケーブル端末231aを狭持する部分であり外縁部に張り出すように形成されている。
下部円盤リンク部材221は樹脂で成形された略円盤状の部材であり、軸孔221aと、案内溝222a,222bと、第2の係止部としてのケーブル端末係止部223が形成されている。
軸孔221aは中心部に形成された貫通孔であり、上部円盤リンク部材211と組み合わせた際に軸孔211aと一体となる。溝部(第2の溝部)としての案内溝222a,222bは下部円盤リンク部材221の外縁部のおよそ半分を覆うように2列に形成されたワイヤケーブル231,232のガイド溝である。ケーブル端末係止部223は上述のように上部円盤リンク部材211と組み付けた状態において上部円盤リンク部材211のケーブル端末係止部213との間にケーブル端末231aを狭持する部分である。
円盤リンク部材201は上述の上部円盤リンク部材211と下部円盤リンク部材221を一体に固着して構成される。本実施形態においては、下部円盤リンク部材221に設けられた4つの円形凹部221bを、上部円盤リンク部材211側に設けられた不図示の4つの円形凸部に嵌合することにより固着される。
なお、案内溝212,222a,222bはいずれも半円状に構成されているが、ワイヤケーブル121,231,232を一周以上巻き付けることが可能な円形に形成してもよい。
第1の連結部材としてのワイヤケーブル121の端部には、係止部材を取り付けてケーブル端末121aが構成されており、このケーブル端末121aが円盤リンク部材201(上部円盤リンク部材211)のケーブル端末係止部212aに嵌挿される。ケーブル端末121aがケーブル端末係止部212aに取り付けられることによってケーブル121は円盤リンク部材201の上部側の案内溝212に沿って案内される。ワイヤケーブル121の他端部側は、図5に示したシートスライド機構のリンク機構側61に連結されている。
第2の連結部材としてのワイヤケーブル231,232の端部には、係止部材を取り付けてケーブル端末231aが構成されている。このケーブル端末231aは2つのワイヤケーブル231,232の端部を一体として構成されており、ケーブル端末係止部213,223の間に狭持される。ケーブル端末231aがケーブル端末係止部213,223に取り付けられることによってケーブル231,232は円盤リンク部材201の下部側の案内溝222a,222bにそれぞれ案内される。図示しないが、ワイヤケーブル231,232の他端部側は、それぞれ左右のスライドレール25,25のアウタレール25b,25bに連結される。
なお、円盤リンクの回転軸には、ワイヤケーブル121を案内溝212に巻き付ける回転方向へ付勢する不図示のねじりばねが配設されており、係止部211cにはねじりばねのフックが係止されている。また、本実施形態では、ケーブル端末231aは、2つのワイヤケーブル231,232の端部を一体として構成されているが、これらのワイヤケーブル231,232の端部は別々に構成することもできる。
次に、上述した円盤リンク機構200の動作について図9に従って説明する。
図9(a)は、シートSが前方にスライドした状態の円盤リンク機構200を示しており、このときのシートスライド機構のリンク機構側61の動作は図5(a)に示した。ワイヤケーブル121がリンク機構50側に引っ張られていないため、円盤リンク機構200の案内溝212にワイヤケーブル121が巻き付いている。一方、他端部側でアウタレール25b,25bと連結されるワイヤレール231,232は伸びきった状態であり、案内溝222a,222bには巻き付いていない。
図9(b)は、シートバック12の折り畳み操作を行っているときの円盤リンク機構200の状態である。このときのシートスライド機構のリンク機構側61の動作は図5(b)に示した。ワイヤケーブル121がリンク機構50側へ引っ張られるに従い円盤リンク部材201が回転して案内溝212に巻き付いているワイヤケーブル121を送り出すと同時に、案内溝222a,222bにワイヤケーブル231,232を巻き付けることでアウタレール25b,25bを引っ張っている。
案内溝212に比べて案内溝222a,222bは大きな半径を有しており、また、これらの案内溝212,222a,222bは同軸に構成されている。この案内溝212,222a,222bの半径の比率に応じて、ワイヤケーブル121の引っ張り(送り出し)量に対するワイヤケーブル231,232の送り出し(引っ張り)量を調整することができる。ワイヤケーブル231,232の他端部側はアウタレール25b,25bに連結されているため、ワイヤケーブル231,232の送り出し(引っ張り)量がシートSのスライド距離と等しくなるように調整されている。
なお、ワイヤケーブル121,231,232の引っ張りと送り出しは案内溝212,222a,222bへの巻回と解放(送り出し)によって行われる。
なお、案内溝212,222a,222bを形成しない構成とすることも可能でありこの場合は、ケーブル端末121aと上部円盤リンク部材211の回転中心まで距離と、ケーブル端末231aと下部円盤リンク部材221の回転中心まで距離とを調整することによってワイヤケーブル121の引っ張り(送り出し)量に対するワイヤケーブル231,232の送り出し(引っ張り)量を調整することができる。
ところで、案内溝222a,222bは略半円の円弧状であるのに対して、案内溝212は両端部に比べて中央部が軸孔211a側に近づいた偏芯形状となっている。案内溝212を偏芯形状とすることによって回転軸から遠い両端部分では案内溝222a,222bへ強いトルクを伝達することができ、一方、回転軸から近い領域では素早い回転を伝えることができる。シートSが動き始めるときに強い回転トルクを発揮することができ、また、シートSのスライド途中には素早い動きとなるためにスムーズにシートSをスライドさせることができる。
図9(c)は、シートバック12が折り畳まれた状態の円盤リンク機構200の状態である。このときのシートスライド機構のリンク機構側61の動作は図5(c)に示した。ワイヤケーブル121がリンク機構50側へ引っ張られたために、円盤リンク部材201が回転して案内溝212に巻き付いていたワイヤケーブル121が送り出されている。一方、案内溝222a,222bには全周に渡ってワイヤケーブル231,232が巻き付けられた状態となっている。このときが、ワイヤケーブル231,232が最も円盤リンク機構200側に引っ張られた状態である。
本発明に係る円盤リンク機構200によれば、シートバック12の折り畳み操作の初期段階に、ワイヤケーブル121が案内溝212の端部位置まで巻回されている状態として、回動中心からの距離が長い案内溝212の端部側を引っ張ることができる。このため、シートバック12の折り畳み操作の初期段階では、ワイヤケーブル121の引っ張り量に対するワイヤケーブル231,232の引っ張り量(リンク比率)を小さくして、アウタレール25b側に係止されたワイヤケーブル231,232に対して大きなテンションを掛けることができるため、シートSがスライドし始めるまでの操作荷重を低減することができる。
また、案内溝212と案内溝222a,222bの形状(大きさ)を調整することで、シートバック12側に連結されたワイヤケーブル121と、アウタレール25b側に連結されたワイヤケーブル231,232のリンク比率を調整することができ、シートバック12の折り畳み角度を狙いのシートクッション11の移動量に変換することができる。
すなわち、シートバック12の折り畳み動作に連動してシートクッション11を格納の際の所定位置に移動させることができる。
本発明に係る円盤リンク部材201によれば、シートクッション11の前後位置をシートバック12の折り畳み角度に連動して移動させることができるため、格納の際に手動でのシートクッション11の位置調整操作の必要のない操作性の良好なシートSを提供することができる。
また、シートバック12の折り畳み角度を適切なシートクッション11の移動量に変換することができるため、シートバック12の折り畳み動作によってシートクッション11が格納の際の所定位置に移動させることができる操作性の良好なシートSを提供することができる。
さらに、シートバック12の一方方向側の折り畳み動作のみにシートクッション11の前後方向の移動を連動させる構成とすることにより、設置状態においてはシートクッション11の前後方向の位置を手動で任意に設定することができ、格納の際にはシートバック12の折り畳み角度に連動してシートクッション11を格納可能位置に移動させることができるため操作性を改善することができる。
続いて、スライドロック機構についてさらに説明する。
スライドロック機構のリンク機構側131は、図6に示したようにリンク機構50の一部を構成している。ここでは、その他端部側であるスライドロック機構のスライドレール側132の構成について詳しく説明する。
図10と図11に従って、スライドロック機構のスライドレール側132の動作を説明する。左右のスライドレール25,25に同様の構成を有しているため、任意の一方側(シートバック51側)について説明する。
スライドロック機構のスライドレール側132は、インナレール25a側に取り付けられた回動部材30とロック部材34と、アウタレール25bの、ロック部材34と接触可能な位置に形成された突起部26とを有して構成されている。回動部材30は第4のリンク部材101に係止されたケーブルワイヤ123の他端部側に係止されている。
回動部材30は、平行に配置された2枚の側板を上部で連結した断面略コ字状の部材であり、側板の上部側に軸孔30a、下部側にワイヤケーブル123の端部に係止される孔部30bが形成されている。ワイヤケーブル123がリンク機構50側に引っ張られると孔部30bが形成された側板の下部側がリンク機構50側に引っ張られて、軸孔30aを回動中心に回動する。回動部材30の回動により孔部30bが設けられた側板とは逆側の側板の押圧部31が下方へ張り出すように構成されている。また、押圧部31は孔部30bよりもスライドレール25,25の前方向に配置されるように構成されており、回動部材30の回動による押圧部31の下方への張り出し量を調整することが可能である。
ロック部材34は、一端部側をインナレール25a側に回動可能に取り付けられた略矩形の部材であり、他端部側の縁部に1対の係止孔34aが形成されている。回動部材30が回動によって、押圧部31が1対の係止孔34a,34aの中間部分を押圧して下方に押し下げることができる。
アウタレール25bに形成された突起部26は、アウタレール25bの巻き込み部分の端部に設けられた連続突起であり、ロック部材34の係止孔34a,34aに係止されることでインナレール25aのスライドをロックすることができる。
なお、ロック部材34は不図示の付勢ばねによって係止孔34a,34aを押し上げる方向に付勢されているため、回動部材30の押圧部31に押圧されていない状態では突起部26,26と係止孔34a,34aが歯合された状態で保持される。
図10は、スライドレール25がロックされている状態を示しており、図10(a)にスライドレール25がロックされている状態のスライドレール25の縦断面概略図を、図10(b)に、スライドレール25がロックされている状態のスライドレール25のA−A横断面概略図を示す。
スライドレール25がロックされている状態では、ワイヤケーブル123が引っ張られていないために回動部材30が回動していない。このため、アウタレール25bの突起部26,26とロック部材34の係止孔34a,34aが歯合された状態で保持されており、スライドレール25のスライドはできない状態となる。
一方、図11は、スライドレール25のロックが解除された状態を示しており、図11(a)にスライドレール25のロックが解除された状態のスライドレール25の縦断面概略図を、図11(b)に、スライドレール25のロックが解除された状態のスライドレール25のB−B横断面概略図を示す。
スライドレール25のロックが解除された状態では、ワイヤケーブル123が引っ張られているために回動部材30が回動し、押圧部31が下方に張り出している。このため、ロック部材34の一端部が押圧部31によって押し下げられて、アウタレール25bの突起部26,26とロック部材34の係止孔34a,34aの歯合が解除された状態となり、シートSのスライドが可能になる。
図12に示したアシスト機構300について説明する。
アシスト機構300は、シートクッションフレーム21側の前側に取り付けられてシートSを前後方向に回動可能に車体フロア4側に支持すると共に、シートSの格納操作と収納操作をアシストする機構であり、主に、シート取付け部材301と、アシストばね341,342,342と、ばねカバー311と、車両側ブラケット321と、から構成されている。本実施形態においては、前方回動方向が格納回動方向に、後方回動方向が復帰回動方向になる。
シート取付け部材301は、シートクッションフレーム21の底部に設けられたアウタレール25b,25bをアシスト機構300に取り付ける部材であり、アウタレール25b,25bは孔部301b,301b,301b,301bに不図示のボルトを用いて締結される。シート取付け部材301のばねカバー311側には2つの略矩形状の突起片303,303が形成されている。
付勢ばねとしてのアシストばね341,342,342は、シートSの復帰操作時にシートSを復帰方向に付勢するアシストばね341と、シートSの格納操作時に折り畳み方向(格納方向)に付勢する2つのアシストばね342,342の2種類からなり、いずれのばねも押圧部としての突起片303,303に当接可能な受圧部としての端部341a,342a,342aがそれぞれのアシストばね341,342,342の端部をL字状折り曲げることで形成されている。本実施形態におけるアシストばね341,342,342はいずれもねじりコイルばねから構成されているが、渦巻きばねやトーションバーにおいても構成することができる。
ばねカバー311は、アシストばね341,342,342を覆い適正位置に保持するカバー部材であり、突起片303,303を挿通してアシストばね342,342の端部に当接させるための開口部としての孔部312,312と、突起片303,303の一方を挿通してアシストばね341の端部に当接させるための同じく開口部としての切り欠き部313が形成されている。連結部材としての軸部材331を軸孔311a,311aに嵌入し、孔部311b,311bに不図示のボルトを用いることによって車両側ブラケット321に固定される。
車両側ブラケット321は、アシスト機構300を車体フロア側4に固定する部材であり、孔部321c,321cを車体フロア4側に不図示のボルトで締結する。
なお、本実施形態においては、ばねカバー311及びアシストばね341,342,342を車体フロア4側に取り付ける構成としているが、ばねカバー311及びアシストばね341,342,342をシートクッション11側に取り付けて、突起片303,303を車体ブラケット321側に取り付ける構成とすることもできる。
アシストばね341,342,342は、軸孔321a,321aに軸支された軸部材331によってコイル内側を貫通されて直列に並んだ状態で配設される。このとき、アシストばね341,342,342の端部341a,342a,342aがそれぞればねカバー311の切り欠き部313,孔部312,312に配設されるようにスペーサーを用いてアシストばね341,342,342の位置を調整している。アシストばね341,342,342は、シートSを復帰方向に付勢するアシストばね341を挟んで両側に格納方向に付勢するアシストばね342,342が配設される。
また、軸部材331は301a,311a,311a,301aにも挿嵌され、ばねカバー311とシート取付け部材301を支持している。
また、上述した、アシストばね341,342,342と車両側ブラケット321とばねカバー311と軸部材331から主に構成される付勢装置としてのアシスト機構300の製造方法について以下に説明する。
アシスト機構300は、車両側ブラケット321にアシストばね341,342,342を載置させる第1の工程と、アシストばね341,342,342にばねカバー311が載置される第2の工程と、軸部材331を、車両側ブラケット321の端部側の軸孔321a,321aと、ばねカバー311の端部側の軸孔311a,311aと、アシストばね341,342,342のコイル内側と、に挿通することによってそれぞれを回動可能に連結させる第3の工程と、ばねカバー311を車両側ブラケット321に対して、ばねカバー311を回動中心にアシストばね341,342,342を撓ませる方向に回動させる第4の工程と、アシストばね341,342,342を撓んだ状態で車両側ブラケット321の孔部321b,321bとばねカバー311の孔部311b,311bとをボルトによって固定して一体化させる第5の工程と、から製造される。
また、軸部材331は、シートクッション11側に固定されたシート取付け部材301の軸孔301a,301aにも回動可能に挿通されることで、アシスト機構300をシートS側に取り付けている。
このような工程でアシスト機構300を製造することで、アシスト機構300自体の組み立て作業性を良好なものとすることができる。また、予めアシストばね341,342,342を組み込んでアシスト機構300をユニット化することで、車両用シートSに付勢装置を組み付ける際にアシストばね341,342,342を一時的に変形させて組み付ける作業工程をなくすことができ、車両用シートSへの組み付け作業性を大幅に改善することができる。
なお、アシストばね341,342,342の代わりに渦巻きばねを用いる場合は、第3の工程で、アシストばね341,342,342のコイル内側に軸部材331を挿通する代わりに、渦巻きばねのコイル内側の端部を軸部材331に固定する必要がある。
次に、上述したアシスト機構300の動作について図13,14に従って説明する。
図13はシートSの復帰操作でのアシスト機構300の動作を示す断面説明図、図14はシートSの格納操作でのアシスト機構300の動作を示す断面説明図である。
図13(a)は、シートSの格納状態であり、シート取付け部材301に形成された突起片303がアシストばね341の端部341aに接触している。突起片303の第2の当接面303bがアシストばね341の端部341aより復帰回動方向へ付勢されている。回動を係止する不図示の係止部材によるロックを解除することにより、シートSが復帰回動方向へ回動可能になる。
図13(b)は、シートSの回動のロックを解除した状態であり、アシストばね341の付勢によってシートクッション11は復帰回動方向に跳ね上がる。このため、乗員は跳ね上がった方向にシートクッション11を回動させればシートSを復帰できるため、操作方法がわかりやすい。また、突起片303がアシストばね341の端部341aと接触している角度範囲で復帰方向にアシストばね341の付勢力が働いている。復帰させる回動方向へ付勢力が働き、少ない力でシートSを復帰することができる。
なお、シートSの格納操作で格納回動方向に回動させる際には、アシストばね341の反発力によってシートSの格納時にシートSが他の部材と衝突する衝撃を緩和できる。
ここで、シートクッション11の回動角度をシートSの設置状態で0°、格納状態で180°とすると、突起片303がアシストばね341の端部341aと接する角度(格納側アシスト範囲)は、180°乃至90°に設定されている。180°乃至90°の角度範囲は、格納回動操作の終盤と復帰回動操作の始めの段階である。すなわち、復帰操作をアシストし操作荷重を低減すると共に、格納操作によって部材同士が衝突する際の衝撃を緩和することができる。
また、シートSの復帰のために車体フロア4側とのロックを解除した際の跳ね上げ角度は120°乃至100°、好ましくは100°に設定されている。
図14(a)は、シートSの設置状態であり、シート取付け部材301に形成された突起片303,303がアシストばね342,342の端部342a,342aに接触している。突起片303,303の第1の当接面303a,303aがアシストばね342,342の端部342a,342aから格納回動方向へ付勢されている。ストライカロック機構350によって車体フロア4側とストライカ44,44とのロックを解除することにより、シートSが格納回動方向へ回動可能になる。
図14(b)は、車体フロア4側のストライカ44,44とのロックを解除した状態であり、アシストばね342,342の付勢によってシートクッション11は格納回動方向に跳ね上がる。このため、乗員は跳ね上がった方向にシートクッション11を回動させればシートSを格納できるため操作方法がわかりやすい。また、突起片303,303がアシストばね342,342の端部342a,342aと接触している角度範囲で格納方向にアシストばね342,342の付勢力が働いている。格納させる回動方向へ付勢力が働き、少ない力でシートSを格納することができる。
なお、シートSの復帰操作で格納回動方向に回動させる際には、アシストばね342,342の反発力によってシートSの復帰時にシートSが他の部材と衝突する衝撃を緩和できる。
ここで、シートクッション11の回動角度をシートSの設置状態で0°、格納状態で180°とすると、突起片303がアシストばね342の端部342aと接する角度(設置側アシスト範囲)は、0°乃至70°に設定されている。0°乃至70°の角度範囲はシートSの設置(復帰)状態に近い角度であり、復帰回動操作の終盤と格納回動操作の始めの段階である。すなわち、格納操作をアシストし格納時の操作荷重を低減すると共に、復帰操作によって部材同士が衝突する際の衝撃を緩和することができる。
また、シートSの格納のために車体フロア4側とのロックを解除した際の跳ね上げ角度は20°乃至50°、好ましくは45°に設定されている。
図15にシートSの回動範囲とアシスト機構300の効果範囲の説明図を示す。アシスト機構300は、シートSの格納/復帰操作のいずれの操作に対しても付勢力を発揮してシート操作をアシストすることができる。
シートクッション11の回動角度をシートSの設置状態で0°、格納状態で180°とすると、突起片303は、180°乃至90°の角度範囲でアシストばね341の端部341aと接し、一方、0°乃至70°の角度範囲で突起片303がアシストばね342,342の端部342a,342aと接するように設定されているため、シートSの格納操作と復帰操作のいずれの操作においても必要な操作荷重を低減すると共に、シートSの格納/復帰操作による部材同士が衝突する際の衝撃を緩和することができる。また、跳ね上げ角度は設置側では45°、格納側では100°程度に設定されている。なお、70°乃至90°の範囲はいずれの方向にも付勢されない中立範囲である。
本発明に係るアシスト機構300によれば、予めアシストばね341,342,342が取り付けられた状態でシートS、若しくは車体フロア4に組み付けることができ、シートSにアシストばね341,342,342を組み付ける際にアシストばね341,342,342を一時的に変形させて組み付ける必要がなくなるため組み付け作業性を改善できる。
また、シートクッション11を適切な付勢力で、格納回動方向に付勢することができるアシストばね341と、復帰回動方向に付勢することができるアシストばね342,342を適切な位置に配設することができ、シートクッション11を所定の付勢角度の範囲内で付勢する部材を一体として構成できるため良好な組み立て作業性を有する。
また、格納回動方向及び復帰回動方向のいずれの方向にもアシスト機構300により適度な付勢力を加えて、格納回動方向と復帰回動方向のいずれの回動方向に対しても操作荷重を低減することができ、回動の係止解除後に、格納操作,復帰操作時のいずれにおいても適度な角度で車両用格納シートSを跳ね上げることができるため操作がわかりやすく、格納操作,復帰操作のいずれにおいても操作性を改善した車両用格納シートを提供することができる。
ストライカロック機構350について説明する。
ストライカロック機構350は、バックフレーム支持部151の側面部分に設けられた脚部リンク機構360とシートクッションフレーム21に取り付けられたストライカロック40,40からなり、これらが二股に分岐したワイヤケーブル41によって連結されている。
図16に脚部リンク機構360の概略説明図を、図17にストライカロック40の説明図を示す。
図16に示した脚部リンク機構360は、リンク機構50が設けられたバックフレーム支持部51とは逆側に配置されたバックフレーム支持部151に設けられており、シートバック12を折り畳むときにワイヤケーブル41を引っ張るように構成されている。シートバック12と連動して回動するリンク部材361と、リンク部材361と同軸に、且つ独立して回動可能に取り付けられたリンク部材362と、リンク部材362に回動可能に取り付けられたリンク部材363と、バックフレーム支持部151に回動可能に取り付けられたリンク部材364とからなる。また、リンク部材362にはリンク部材361に設けられた拡幅部361aと当接可能な位置に柱状リブ362aが形成され、一方、リンク部材364にはリンク部材362の下端部側と当接可能な位置に柱状リブ364aが形成されている。
リンク部材362に設けられた2つのストッパー362b,362cによって、リンク部材362及びリンク部材363は一方向側への回動が制限されている。すなわち、シートバック12の起立操作ではリンク部材364に設けられた柱状リブ364aに接触してもリンク部材362,363が回動して柱状リブ364aとの連動を回避するためリンク部材364を回動させることができない。一方、シートバック12の折り畳み操作では、リンク部材362,363の回動が制限されるためリンク部材363が柱状リブ364aを押圧してリンク部材364を回動させるため、シートバック12の折り畳み操作に連動してリンク部材364に連結されたワイヤケーブル41を引っ張ることができる。
なお、リンク部材361は第1のリンク部材71と同様に、シートバック12と連動して回動する。そのため、リンク部材361と第1のリンク部材71とシートバックリンク部材として一体とした形成することもできる。この場合、バックフレーム支持部51側にストライカロック機構350も取り付ける構成とすることができ、シートSの片側のスペースが狭い場合などに用いることができる。
図17に示したストライカロック40は、脚部リンク機構360に連結されたワイヤケーブル41の他端部側に接続されている。なお、ストライカロック40は左右側に設けられているが、互いに同様な構成であるため任意の一方側のストライカロック40について説明する。
ストライカロック40はシートクッションフレーム21側に取り付けられており、ワイヤケーブル41が脚部リンク機構360の動作により引っ張られると、ワイヤケーブル41に連結された係止爪43が係止爪回転軸43aを中心に回転して車体フロア4側のストライカ44との係止が解除される機構である。ストライカロック40が解除されるとシートクッション11はアシスト機構300側でのみ支持される状態となるため前後方向に回動可能な状態になる。
なお、係止爪43は、付勢ばね45によって、常時、脚部ストライカ44との係止状態が維持される方向に回動が付勢されている。
以下に、シートバック12の折り畳み角度と各機構の連動について説明する。
図18にシートバック12の折り畳み角度と作用の説明図を示す。
まず、シートバック12の起立状態(角度I)でリクライニング解除レバー16を操作することにより、リクライニング機構の係止が解除され、リクライニング調整範囲内(角度I〜II)でリクライニング角度の調整が可能となる。なお、図18中では、角度Iを110°程度として記載しているが、フルフラット位置(角度I=180°)までリクライニング調整が可能な構成としてもよい。
リクライニング解除レバー16を操作した状態でさらにシートバック12を折り畳み方向に回動させると、角度IIIでスライドロック機構が作動し、スライドロックが解除されてシートSのスライドが可能となる。
角度III〜IVの範囲で、シートスライド機構が作動してシートSを後方へスライドさせる。そして、角度IV位置まで回動させたときにスライドロック機構によって再びスライドがロックされる。
さらにシートバック12を倒して角度Vに達したときに、ストライカロック40,40が解除されてシートSの前方回動が可能となる。このとき、シートSのアシスト機構300によってシートSの格納方向にアシストされ、跳ね上げられる。
シートSの前方回動をさせながら、さらにシートバック12をシートクッション11に対して折り畳むと、角度VIに達したときに公知の係止手段によって、シートクッション11に対するシートバック12の回動がロックされる。
なお、角度VIでストライカロック40,40が解除され、角度Vでシートバック12の回動がロックされる構成としてもよい。
すなわち、リクライニング解除レバー16を操作する1回の操作により、シートバック12の折り畳み,スライドロックの解除,シートクッション11の最後方位置へのスライド,スライド再ロック,ストライカロック40,40,シートクッション11の格納回動方向への跳ね上げ,の各操作をシートバック12の折り畳み角度に応じて順番に連動させることができるため、シートの格納の際の操作回数を低減して使い勝手を向上させた車両用格納シートを提供することができる。
また、シートクッション11が格納回動方向への跳ね上げられるため、操作がわかりやすく、使い勝手を向上させた車両用格納シートを提供することができる。
ここで、角度Iは任意のリクライニング調整角度、角度IIは90°、角度IIIは70°、角度IVは30°、角度Vは20°として設定されている。なお、角度VIはシートバック12がシートクッション11に対し折り畳まれた角度であり0°〜10°の値となる。なお、角度I〜VIはいずれもシートクッション11に対するシートバック12の折り畳み角度である。
図19と図20に基づいて、本実施形態に係るシートSの格納/復帰操作について説明する。
まず、図19(a)乃至図19(e)に従ってシートSの格納操作について説明する。
図19(a)はシートSの設置状態である。シートバック12の上部にはリクライニング解除レバー16が設けられている。
図19(b)は、リクライニング機構のロックが解除されて、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳み操作が行われている状態である。
リクライニング機構のロックは、乗員によってリクライニング解除レバー16が操作されることによって解除される。
シートバック12の折り畳み操作に伴って、シートスライド機構が作動してシートSが後方位置にスライドする。
図19(c)は、シートバック12がシートクッション11に対して折り畳まれた状態である。ストライカロック40,40が解除される。
図19(d)は、ストライカロック40,40が解除された後に、アシスト機構300の回動軸を中心に前方方向へシートSの回動操作を行っている状態である。アシスト機構300によって跳ね上げられる。さらに、前方回動方向に付勢力が働いているため、比較的小さな操作力で回動させることができる。
図19(e)は、シートSの前方回動が終了した格納状態である。このとき、アシスト機構300によってシートSの後方回動速度が減速されて格納時の衝撃が緩和される。格納状態ではシートクッション11の裏面と、車体フロア4が一体の平坦面となり広い荷室が確保される。
なお、格納状態においてシートSを車体フロア4側に固定するために、公知の係止手段を取り付けることができる。シートSを固定することで車両の走行中にシートSが不意に動くことを防止できる。また、格納状態では車体フロア4面よりも上方に突出することなく格納可能であるため、格納状態において広い荷室を確保することができる。
次に、図20(a)乃至図20(d)に従ってシートSの復帰操作について説明する。
図20(a)はシートSの格納状態である。シートSを車体フロア4側に固定している係止手段を解除するとシートSの復帰操作としての後方回動をすることが可能となる。
図20(b)は、復帰操作としての後方回動を行っている状態である。このとき、アシスト機構300によって跳ね上げられる。さらに、後方回動方向に付勢力が働いているため、比較的小さな操作力で回動させることができる。
図20(c)は、後方回動をさらに進めた状態である。この段階ではアシスト機構300の付勢力は働いていないが、シートSの重心がアシスト機構300の回動軸の上方近くに位置しているため片手での操作が可能である。
シートSの復帰方向への回動終盤では、シートクッション11がアシストばね342,342によって格納回動方向へ付勢されるため、シートSを下方(復帰回動方向)へ向けて押圧してストライカロック40,40を車体フロア4側のストライカ44にロックする。図20(d)は、シートSを設置位置まで回動した状態である。シートバック12を起立させることによってシートSの復帰操作が完了する。
なお、シートSの前後位置は、スライドロック機構に連結された手動でスライドロックを解除できる公知の手段を操作することによって任意の位置に調節することができる。
なお、本実施形態では、具体例として自動車の左右に分割された2列目のシートについて説明したが、これに限らず一体に形成された長いベンチタイプのシートや助手席、また、他のリヤシートについても同様の構成が適用可能であることは勿論である。
本発明の一実施形態に係る車両用格納シートを装備した車両後部の側面模式図である。 本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの前方斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシートフレームの概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係るリンク機構の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシートスライド機構のリンク機構側の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るスライドロック機構のリンク機構側の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る円盤リンク部材の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る円盤リンク部材の概略斜視図である。 本発明の一実施形態に係る円盤リンク機構の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るスライドロック機構のロック状態での断面概略図である。 本発明の一実施形態に係るスライドロック機構のロック解除状態での断面概略図である。 本発明の一実施形態に係るアシスト機構の分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係るシート格納時のアシスト機構の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るシート復帰時のアシスト機構の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るシートの回動範囲とアシスト機構の効果範囲の説明図である。 本発明の一実施形態に係る脚部リンク機構の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係るストライカロックの概略説明図である。 本発明の一実施形態に係るシートバックの折り畳み角度と作用の概略説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの格納操作時の操作説明図である。 本発明の一実施形態に係る車両用格納シートの復帰操作時の操作説明図である。
符号の説明
S シート
F シートフレーム
4 車体フロア
11 シートクッション
12 シートバック
13 ヘッドレスト
14 カバー
16 リクライニング解除レバー
21 シートクッションフレーム
26 突起部
51,151 バックフレーム支持部
22 シートバックフレーム
22a アウターフレーム
22b バックプレート
23 ピラー支持部
30 回動部材
31 押圧部
34 ロック部材
34a 係止孔
40 ストライカロック
43 係止爪
43a 係止爪回転軸
44 ストライカ
25 スライドレール
25a インナレール
25b アウタレール
50 リンク機構
61 シートスライド機構のリンク機構側
200 円盤リンク機構
131 スライドロック機構のリンク機構側
132 スライドロック機構のスライドレール側
300 アシスト機構
350 ストライカロック機構
360 脚部リンク機構
41,121,122,123,231,232 ワイヤケーブル
121d 牽引ワイヤ
121b 樹脂ケーブル
121c ブラケット
45,119a,119b,119c,119d 付勢ばね
71 第1のリンク部材
81 第2のリンク部材
91 第3のリンク部材
101 第4のリンク部材
111 第5のリンク部材
30a,51a,51b,71a,81a,91a,101a,111a,211a,221a,301a,311a,321a 軸孔
30b,51d,71b,81b,81c,81d,91b,91c,91d,101b,101d,301b,312,311b,321c,321b,105a,51c,111b,111c 孔部
72,82,102 屈曲部
73 第1の連動プレート
73a 折り畳み側摺接部
73d 起立側摺接部
73b 傾斜摺接部
73c 扇状摺接部
74 第2の連動プレート
74a,85,103a,103b,211c 係止部
52 板状リブ
53a,53b,105,362b,362c ストッパー
83,84 長孔
93,94,113,362a,364a 柱状リブ
92,112,331 軸部材
201 円盤リンク部材
211 上部円盤リンク部材
221 下部円盤リンク部材
202 円盤ブラケット
211b 偏芯リブ
221b 円形凹部
212,222a,222b 案内溝
212a,213,223 ケーブル端末係止部
121a,231a ケーブル端末
301 シート取付け部材
311 ばねカバー
313 切り欠き部
321 車両側ブラケット
341,342 アシストばね
341a,342a 端部
303 突起片
303a 第1の当接面
303b 第2の当接面
361,362,363,364 リンク部材
361a 拡幅部

Claims (7)

  1. 設置状態時に車体フロア側に設けられたアウタレールと、
    該アウタレールに対して前後方向に摺動可能に、シートクッション側に設けられたインナレールと、
    前記アウタレールの一端部側を、前記車体フロアに対して回動可能に支持するシート支持手段と、
    前記シートクッションにリクライニング機構を介して折り畳み可能なシートバックと、を有する車両用格納シートであって、
    前記シートバックの折り畳み角度に連動して回動するリンク部材と、
    前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか一方側に回動可能に設けられた回動部材と、
    前記リンク部材と前記回動部材とを連結する第1の連結部材と、
    前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか他方側と前記回動部材とを連結する第2の連結部材と、を有し、
    前記第2の連結部材の一端部は、前記回動部材に固定され、他端部は、前記シートバックが折り畳まれる際に第1の連結部材を介して前記回動部材が回動する一回動方向に対して逆方向に沿って延出して、前記シートクッション又は前記アウタレールのいずれか他方側に固定されていることを特徴とする車両用格納シート。
  2. 前記回動部材は、前記シートバックが前記シートクッション側に折り畳まれた場合、前記シート支持手段によって回動されたときに前記シートが格納位置に収まる所定の位置に、前記シートクッションが前記第2の連結部材を介して移動するように、所定の大きさで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用格納シート。
  3. 前記回動部材は、前記第1の連結部材の一端部が係止される第1の係止部と、前記第2の連結部材の一端部が係止される第2の係止部と、を有し、
    前記第1の係止部と前記第2の係止部とは、それぞれ前記回動部材の回動中心からの距離が相違することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用格納シート。
  4. 前記回動部材は、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材の少なくとも一方を巻回可能な溝部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用格納シート。
  5. 前記回動部材は、前記第1の係止部と前記第1の連結部材を巻回可能な第1の溝部とを備える第1の回動部材と、
    前記第2の係止部と前記第2の連結部材を巻回可能な第2の溝部とを備える第2の回動部材とからなり、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部は、前記回動部材の回動量に応じてそれぞれ前記第1の連結部材と前記第2の連結部材を巻回可能に配設されることを特徴とする請求項に記載の車両用格納シート。
  6. 前記第1の係止部と前記第2の係止部は、それぞれ前記第1の溝部と前記第2の溝部に沿って形成され、
    前記第1の溝部と前記第2の溝部は、それぞれ同心円状に形成されることを特徴とする請求項に記載の車両用格納シート。
  7. 前記第1の係止部は、前記回動部材における前記第1の溝部の端部に形成され、
    前記第1の溝部は、前記回転中心を中心として偏芯した形状で、前記端部に比べて中央部が前記回転中心に近接するように形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の車両用格納シート。
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