JP5355838B2 - キラルな光異性化可能な化合物 - Google Patents
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Description
本発明は、キラルな光異性化可能な化合物、これらを含む液晶混合物およびポリマー、並びにこれらのキラルな光異性化可能な化合物、混合物およびポリマーの、光学的および電気光学的デバイス、例えば液晶ディスプレイまたはプロジェクションシステム、光学素子、例えば偏光板、遅延フィルム、補償板、色フィルターまたはホログラフィー素子における、異方性機械的特性を有する接着剤、合成樹脂、化粧品および薬学的組成物、診断薬、装飾およびセキュリティー用途のための液晶顔料、非線形光学、光情報蓄積における、またはキラルなドーパントとしての使用に関する。
光照射によりキラリティーが変化するキラルな材料は、従来技術において知られている。例えば、光照射によりE−Zまたはシス−トランス異性化を示し、これにより、1つのキラルな形態から他のキラルな形態に変換される、光異性化可能なキラルな材料が報告された。他に知られているものは、キラル中心の光除去または光開裂によるキラリティーの破壊のために、光照射によりキラルからアキラルまたはラセミ混合物に変化する、光分解可能な、または(光)調節可能なキラルな物材料(TCM)である。
さらに、光異性化可能な、および光調節可能なキラルな材料は、コレステリックまたはマルチドメイン液晶ディスプレイにおいて用いるために提案された。
により示される。
前述の目的は、請求項1に記載の光異性化可能なキラルな化合物を提供することにより達成することができることが見出された。
用語「液晶性またはメソゲン性材料」または「液晶性またはメソゲン性化合物」は、1つまたは2つ以上の棒型、ラス型またはディスク型のメソゲン性基、即ち液晶相挙動を誘発する能力を有する基を含む材料または化合物を示す。棒型およびラス型メソゲン性基が、特に好ましい。メソゲン性基を含む化合物または材料は、必ずしもそれら自体液晶相を示す必要はない。また、これらが、他の化合物との混合物においてのみ、あるいはメソゲン性化合物もしくは材料またはこれらの混合物を重合させた際に、液晶相挙動を示すことが可能である。
用語「らせん的にねじれた構造」は、メソゲンが、らせん軸の周囲にねじれたその主な分子軸と共に配向している、キラルな中間相、例えばキラルなネマティック(=コレステリック)またはキラルなスメクティック相を示す異方性材料、例えば液晶材料を示す。コレステリック相またはキラルなスメクティックC相を示す材料が、好ましい。特に好ましいのは、コレステリック相を示す材料である。
用語「光異性化可能な基」は、好ましくは250〜400nm、極めて好ましくは300〜400nmの範囲内の好適な波長を有する光照射により、形状の変化をもたらす、異性化、例えばシス−トランスまたはE−Z異性化を示す基を意味する。
本発明の1つの目的は、式I
X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、互いに独立して、H、1つまたは2つ以上のCH2基が、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−または−C≡C−により置換されていることもでき、および、1個または2個以上のH原子が、FまたはClにより置換されていることもできる、1〜20個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルを示し、または、縮合および/または置換環を含むこともできる、3〜40個のC原子を有する脂肪族もしくは芳香族炭素環式もしくは複素環式基を示し、あるいは、X1、X2、X3、X4、X5およびX6の2つはまた、一緒に、40個までのC原子を有する環式基を形成することができる、
で表される、キラルな光異性化可能な化合物であって、ただし、X1≠X2≠X3およびX4≠X5≠X6であり、該化合物が、少なくとも1つの光異性化可能な基および少なくとも1つのメソゲン性基または、光異性化可能かつメソゲン性である、少なくとも1つの基を含む、化合物である。
本発明の他の目的は、少なくとも2種の化合物を含み、この少なくとも1種が、式Iで表される化合物であり、この少なくとも1種が、重合可能な化合物である、重合可能な液晶混合物である。
本発明の他の目的は、1種または2種以上の式Iで表される化合物を含む重合可能な液晶混合物を重合させることにより得られる、キラルな直鎖状または架橋異方性ポリマーである。
本発明の他の目的は、式Iで表される化合物を含むパターン化された光学的特性を有する反射性ポリマーフィルム、特に種々の反射波長を有する種々の領域を有するコレステリックポリマーフィルムである。
本発明の他の目的は、式Iで表される化合物を含む広帯域反射性偏光板または色フィルターである。
本発明の他の目的は、式Iで表される化合物を含む、光学的構成要素、特に広帯域反射性偏光板または色フィルターを含む液晶ディスプレイである。
本発明のキラルな光異性化可能な化合物は、メソゲン性または液晶性である。即ち、これらは、例えば他の化合物との混合物中で中間相挙動を誘発もしくは増強するか、またはこれら自体1種または2種以上の中間相を示すことができる。また、本発明の化合物は、他の化合物との混合物においてのみ、または重合可能な化合物の場合においては、(共)重合した際に、中間相挙動を示すことも可能である。メソゲン性の本発明の化合物が、特に好ましい。
・これらは、数百グラムの大規模でも、文献から知られている標準的な方法を用いて広範囲の誘導体と共に容易に合成することができる、
・出発物質を、商業的に得るかまたは文献から知られている方法を用いて、安価に合成することができる、
・これらを、異なる巻き方向(左巻きおよび右巻き)の化合物として、鏡像体的に純粋に製造することができ、左巻きらせんおよび右巻きらせんの両方を、ネマティックホスト中に形成することが可能である、
・これらは、高いHTPを示す、
・これらは、液晶混合物中で良好な溶解性を示す、
・これらは、広い液晶相を示す、
・多量のドーパントが必要である場合には、本発明のドーパントの広い液晶相により、ホスト混合物の液晶相への悪影響は小さい、
・その高いHTPにより、一層少ない量の本発明のドーパントが、高いピッチを達成するために必要であり、これにより、混合物の液晶特性への悪影響は小さい、
・1種または2種以上の本発明のドーパントを含むネマティック液晶混合物は、電気的に切換可能なディスプレイにおいて用いる際に、しきい値電圧の減少された温度依存性が低下する。
X1、X2、X3、X4、X5およびX6は、
a)Hまたは、1つまたは2つ以上のCH2基が、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−により置換されていることもでき、および、1個または2個以上のH原子が、FまたはClにより置換されていることもできる、1〜20個のC原子を有する直鎖状もしくは分枝状アルキル、
b)−B−(Sp)n−G、並びに、
c)−B−(Sp)n−(M1−Z1)i−(PI)k−(Z2−M2)l−R
から選択され、
ここで、X1、X2、X3、X4、X5およびX6の2つはまた、一緒に、40個までのC原子を有し、随意に1つまたは2つ以上の基Rで置換された環式基を形成することができ、
X1≠X2≠X3およびX4≠X5≠X6であり、
Gは、縮合環を含むこともでき、1つまたは2つ以上の基Rで置換されていることもできる、3〜40個のC原子を有する脂肪族または芳香族炭素環式または複素環式基であり、
Rは、H、ハロゲン、NO2、CN、SCN、SF5、1つまたは2つ以上のCH2基が、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−により置換されていることもでき、および、1個または2個以上のH原子が、FまたはClにより置換されていることもできる、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分枝状または環式アルキル、あるいは、P−(Sp)n−であり、
Spは、1〜20個のC原子を有するスペーサー基であり、
nは、0または1であり、
Bは、−O−、−S−、−NR0−、−O−CO−、−NR0−CO−、−O−COO−、−OCH2−、−S−CO−、−S−COO−または単結合であり、
PIは、さらにメソゲン性であることができる、光異性化可能な基であり、
M1およびM2は、互いに独立して、メソゲン性基であり、
i、kおよびlは、互いに独立して、0または1であり、
Z1およびZ2は、互いに独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH2CF2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−(CH2)4−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、そして
X1、X2、X3、X4、X5およびX6の少なくとも1つは、−B−Sp−(M1−Z1)i−(PI)k−(Z2−M2)l−Gであり、これらの基の少なくとも1つにおけるkは、1である化合物である。
さらに好ましいのは、1〜4個、特に1個または2個の光異性化可能な基PIを含む、式Iで表される化合物である。
さらに好ましいのは、X1=X6、X2=X5およびX3=X4である、式Iで表される化合物である。
さらに好ましいのは、X1〜X6の1〜5個、特に1〜4個が、H、シクロヘキシル、式IIにおいて定義した1〜4個の基Lで随意に置換されたフェニル、またはoが0もしくは1であり、Sが1〜4個のC原子を有するアルキルである−(COO)o−Sを示す、式Iで表される化合物である。
さらに好ましいのは、X1〜X6の2個、特に基X1およびX6または基X2およびX5または基X3およびX4が、シクロヘキシルまたは、式IIにおいて定義した1個もしくは2個の基Lで随意に置換されているフェニルである化合物である。
X7およびX8は、互いに独立して、ハロゲン、NO2、CN、SCN、SF5、1つまたは2つ以上のCH2基が、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−により置換されていることもでき、および、1個または2個以上のH原子が、FまたはClにより置換されていることもできる、1〜25個のC原子を有する直鎖状または分枝状アルキルであり、あるいは、シクロアルキル、フェニル、ベンジルまたは、随意に、式Iにおいて定義した1つもしくは2つ以上の基Rで置換されている、25個までのC原子を有する縮合炭素環式もしくは複素環式脂肪族もしくは芳香族基を示し、あるいはP−(Sp)n−であり、
pは、各々の場合において、独立して、0、1、2または3であり、
rは、各々の場合において、独立して、0、1、2、3または4である、
から選択されている。
−(A1−Z)m−A2− II
式中、
A1およびA2は、互いに独立して、
A)さらに、1つまたは2つ以上のCH基が、Nにより置換されていることができる、1,4−フェニレン、
B)さらに、1つまたは2つの隣接していないCH2基が、Oおよび/またはSにより置換されていることができる、1,4−シクロヘキシレン、
C)1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、ピペリジン−1,4−ジイル、1,4−ビシクロ−(2,2,2)−オクチレン、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたはインダン−2,5−ジイル
から選択され、
これらのすべての基は、非置換であるか、Lで単置換もしくは多置換されていることが可能であり、
Zは、各々の場合において、独立して、式IにおけるZ1の意味の1つを有し、および
mは、0、1、2または3である、
で表される。
メソゲン性基M1および/またはM2は、好ましくは、2個または3個の5員環または6員環を含む。
Zは、好ましくは、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−または単結合である。
特に好ましいのは、従属式IId、IIg、IIh、IIi、IIkおよびIIo、特に従属式IIdおよびIIkである。
式Iで表される化合物は、少なくとも1つの光異性化可能な基PIを含む。光異性化可能な基PIは、例えばJohn C. Coyle, 「有機光化学入門」(”Introduction to Organo Photochemistry”)、1986, John Wliey ans Sons, Chichester, UK中に開示されているように、この目的のために当業者に知られているすべての基であることができる。
−C1−D1=D2−C2− III
式中、
D1およびD2は、互いに独立して、CHもしくはNまたは、炭素環式もしくは複素環式5員環もしくは6員環中の飽和C原子であり、
C1およびC2は、互いに独立して、縮合環を含むこともできる、3〜40個のC原子を有する2価の脂肪族または芳香族炭素環式または複素環式基であり、C1およびD1またはC2およびD2はまた、一緒に、5員環または6員環炭素環または複素環を形成することができ、C1はまた、単結合を示すことができる、
で表される。
極めて好ましくは、D1およびD2は、CHを示す。さらに好ましいのは、D1およびD2がNを示す化合物である。
特に好ましいのは、少なくとも1つ、好ましくは1つまたは2つの基−B−(Sp)n−(M1−Z1)i−(PI)k−(Z2−M2)l−Rを含み、ここで、Bが、−OCO−であり、nおよびiが、0であり、kが、1であり、PIが、式IIIdで表され、従って残った−B−(Sp)n−(M1−Z1)i−(PI)k−が、ケイ皮酸塩基を形成する、式Iで表される化合物である。
X1、X2、X6、Z、D1、D2、p、rおよびsは、前に示した意味の1つを有し、
B1およびB2は、互いに独立して、前に示したBの意味の1つを有し、
R1、R2、R3、R4、R5およびR6は、互いに独立して、前に示したRの意味の1つを有し、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2である、
で表される化合物である。
−A1およびA2は、前に定義した1〜4個、好ましくは1個または2個の基Lで置換されていることもできるシクロヘキシルまたはフェニルであり、
−Zは、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−または単結合であり、
−C1およびC2は、前に定義した1〜4個、好ましくは1個または2個の基Lで置換されていることもできるシクロヘキシルまたはフェニルであり、
−D1およびD2は、CHであり、
−X1およびX2は、Hであり、
−B1は、COOであり、B2は、OCOであり、
−R1およびR2の一方または両方は、P−(Sp)n−を示し、
−R3およびR4は、前に示したLの意味を有するか、またはP−(Sp)n−を示し、好ましくは、F、Cl、CN、または1〜3個のC原子を有する、随意にフッ素化されているアルキルもしくはアルコキシであり、
−p、rおよびsは、各々、独立して、0、1または2であり、
−R5およびR6は、1〜4個のC原子を有するアルキルもしくはアルコキシであるか、またはP−(Sp)n−を示し、好ましくは、メチル、エチルまたはプロピルであり、
−aは、0または1であり、
−bは、1である。
オキサアルキル、即ち、1つのCH2基が−O−により置換されているものは、好ましくは、例えば、直鎖状2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)もしくは3−オキサブチル(=2−メトキシエチル)、2−、3−もしくは4−オキサペンチル、2−、3−、4−もしくは5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−もしくは6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−もしくは7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−もしくは8−オキサノニルまたは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−もしくは9−オキサデシルである。
極性基である場合には、これは、好ましくは、CN、NO2、ハロゲン、OCH3、SCN、COR8、COOR8または1〜4個のC原子を有するモノ、オリゴもしくはポリフッ素化アルキルもしくはアルコキシ基から選択されている。R8は、1〜4個、好ましくは1〜3個のC原子を有する随意にフッ素化されているアルキルである。特に好ましい極性基は、F、Cl、CN、NO2、OCH3、COCH3、COC2H5、COOCH3、COOC2H5、CF3、C2F5、OCF3、OCHF2およびOC2F5、特にF、Cl、CN、OCH3およびOCF3から選択されている。
Z3は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCOO−または単結合であり、
Q1は、1〜9個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレンオキシ基または単結合であり、
Q2は、非置換であるか、ハロゲンまたはCNで単置換または多置換されていることができる、1〜10個のC原子を有するアルキルまたはアルコキシ基であり、また、1つまたは2つ以上の隣接していないCH2基が、各々の場合において、互いに独立して、−C≡C−、−O−、−S−、−NR0−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−または−CO−S−により、酸素原子が互いに直接結合しないように置換されていることも可能であり、
Q3は、ハロゲン、シアノ基または、Q2とは異なる、1〜4個のC原子を有するアルキルもしくはアルコキシ基である、
により選択される。
好ましいキラルな基は、2−アルキル、2−アルコキシ、2−メチルアルキル、2−メチルアルコキシ、2−フルオロアルキル、2−フルオロアルコキシ、2−(2−エチン)−アルキル、2−(2−エチン)−アルコキシ、1,1,1−トリフルオロ−2−アルキルおよび1,1,1−トリフルオロ−2−アルコキシである。
式IにおけるR0は、好ましくは、HまたはCH3、特にHである。
Q1およびQ3は、式IVに示した意味を有し、
Q4は、Q1とは異なる、1〜10個のC原子を有するアルキレンもしくはアルキレン−オキシ基または単結合である、
で表されるキラルな基である、少なくとも1つのスペーサー基Spを含む。
本明細書中を通して、ハロゲンは、好ましくはFまたはClである。
スキーム1
式Iで表される本発明の化合物はまた、光照射により色が変化する、フォトクロミック液晶媒体に用いるのに適する。
本発明のさらに他の目的は、少なくとも1種の式Iで表されるキラルな化合物を含むコレステリック液晶媒体を含む、コレステリック液晶ディスプレイである。
本発明の液晶混合物は、好ましくは、1〜3種の式Iで表されるキラルな化合物を含む。
R’−L’−G’−E−R”
式中、同一であるかまたは異なることができるL’およびEは、各々の場合において、互いに独立して、−Phe−、−Cyc−、−Phe−Phe−、−Phe−Cyc−、−Cyc−Cyc−、−Pyr−、−Dio−、−B−Phe−および−B−Cyc−並びにこれらの鏡像により形成される群からの2価の基であり、ここで、Pheは、非置換またはフッ素置換1,4−フェニレンであり、Cycは、トランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−シクロヘキセニレンであり、Pyrは、ピリミジン−2,5−ジイルまたはピリジン−2,5−ジイルであり、Dioは、1,3−ジオキサン−2,5−ジイルであり、およびBは、2−(トランス−1,4−シクロヘキシル)エチル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリジン−2,5−ジイルまたは1,3−ジオキサン−2,5−ジイルである、
により特徴づけることができる。
配向したコレステリックポリマーフィルムを、例えば、広帯域反射性偏光板、色フィルター、セキュリティーマーキングとして、または液晶顔料の製造のために用いることができる。
従って、本発明の他の目的は、少なくとも2種の化合物を含む重合可能な液晶混合物であり、この内少なくとも1種は、式Iで表されるキラルな化合物であり、この内少なくとも1種は、重合可能な化合物である。重合可能な化合物は、前述の少なくとも1種の式Iで表される化合物または追加の化合物であることができる。
他の好ましい態様において、重合可能な液晶混合物は、少なくとも1種の本発明のキラルな化合物および少なくとも2種の式VIa〜VImで表される一官能性化合物を含む。
異方性ポリマーゲルの製造のために、液晶混合物を、前記したようにインサイチュで重合させることができるが、この場合において、重合可能な混合物の整列は、常には必要ではない。
λ=n・p (2)
により、コレステリック材料のピッチpおよび平均屈折率nに依存する。
Δλ=Δn・p (3)
により、コレステリック材料のピッチおよび複屈折Δnに依存する。
さらなる労作を伴わずに、当業者は、前記の記載を用いて、本発明を最も完全な程度に用いることができると考えられる。従って、以下の例は、単に例示的であり、いかなる方法によっても開示の残りを限定するものではないと解釈するべきである。
液晶ホスト中のキラルな化合物のらせんねじれ力HTPの値は、等式HTP=(p*c)−1により、μm−1で示され、式中、pは、分子らせんのピッチであり、μmで示され、cは、相対値で示されるホスト中のキラルな化合物の重量濃度である(従って、例えば、1重量%の濃度は、0.01のcの値に相当する)。
以下の略語を用いて、化合物の液晶相挙動を説明する:C=結晶;N=ネマティック;S=スメクティック;N*、Ch=キラルネマティックまたはコレステリック;I=アイソトロピック。これらの記号の間の数字は、摂氏度での相転移温度を示す。さらに、mp.は、融点であり、Δnは、589nmおよび20℃における複屈折であり、Δεは、20℃における誘電異方性である。化学式中のC*は、キラルなC原子を示す。DCMは、ジクロロメタンである。
ジャケット付フラスコ(1L)に、4−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−安息香酸(6.31g、23mmol)、S,S−1,2−ジフェニル−エタン−1,2−ジオール(5.00g、23mmol)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(0.24g、2mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(5.16g、25mmol)を加え、続いて、ジクロロメタン(50mL)を加え、混合物を、常温で一晩かきまぜた。次に、固形物を濾過し、有機層を、ブライン(2×25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を、真空下で除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ上、溶離剤としてCH2Cl2)により、4−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−安息香酸2−ヒドロキシ−1,2−ジフェニル−エチルエステル(1a)(6.20g、13mmol、57%)が得られ、構造を、1H、13C、GC−MSおよびIRにより確認した。
丸底フラスコに、エステル(1a)(3.00g、6mmol)、(E)−3−{4−[6−(3−クロロ−プロパノイルオキシ)−プロピルオキシ]−フェニル}−アクリル酸(2.13g、8mmol)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(0.12g、1mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.44g、7mmol)を加え、続いて、ジクロロメタン(100mL)を加え、混合物を、常温で42時間かきまぜた。次に、トリエチルアミン(1.25mL、9mmol)を加え、混合物を、35℃で一晩かきまぜ、その後に、混合物を濾過し、ブライン(3×30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を、真空下で除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ上、溶離剤として酢酸エチルおよび40〜60ガソリン1:9)により、4−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−安息香酸2−{(E)−3−[4−(6−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−フェニル]−アラノイルオキシ}−1,2−ジフェニル−エチルエステル(1)(2.0g、3mmol、43%)が得られ、構造を、1H、13C、GC−MSおよびIRにより確認した。
m.p.=72℃、HTP=43。
丸底フラスコに、例1のエステル(1a)(5.00g、11mmol)、4−ホルミル−安息香酸(1.65g、11mmol)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(0.12g、1mmol)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.27g、11mmol)を加え、続いて、ジクロロメタン(50mL)を加え、混合物を、35℃で一晩かきまぜた。次に、反応混合物を濾過し、水(2×25mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、溶媒を、真空下で除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ上、溶離剤としてCH2Cl2)により、4−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−安息香酸2−(4−ホルミル−安息香酸)−1,2−ジフェニル−エチルエステル(2a)(2.0g、3mmol、43%)が得られ、構造を、1H、13C、GC−MSおよびIRにより確認した。
(4−n−ブトキシベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミド(3.54g、7mmol)を、ジャケット付容器(1L)に加え、テトラヒドロフラン(200mL)に溶解し、5℃に冷却した。次に、カリウムt−ブトキシド(0.90g、8mmol)を加え、混合物を、30分間かきまぜ、その後エステル(2a)(4.00g、7mmol)を加え、さらに30分間かきまぜ、その後温度をゆっくりと25℃に上昇させ、一晩かきまぜた。次に、反応混合物を、ブライン(2×50mL)で洗浄し、有機層を乾燥し(MgSO4)、溶媒を、真空下で除去した。カラムクロマトグラフィー(シリカ上、一回目は溶離剤としてCH2Cl2、二回目は溶離剤として酢酸エチルおよびガソリン(40〜60)1:9)の後に、4−(4−ペンチル−シクロヘキシル)−安息香酸2−(4−[(E)−2−(4−ブトキシ−フェニル)−ビニル]−安息香酸)−1,2−ジフェニル−エチルエステル(2)が、シス異性体(0.80g、1mmol、15%)およびトランス異性体(1.00g、1mmol、19%)の両方として単離された。構造を、1H、13C、GC−MSおよびIRにより確認した。
シス異性体:m.p.=96℃、HTP=13
トランス異性体:m.p.=130℃、HTP=33。
以下のものを含む重合可能な混合物Mを配合した。
化合物A 51.70%
化合物B 12.95%
化合物C 23.70%
化合物D 9.30%
FX 13 1.16%
TPO 1.16%
4−メトキシフェノール 0.03%
前述の記載から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱せずに、本発明の種々の変更および修正を実施して、本発明を、種々の条件および使用に適合させることができる。
Claims (14)
- 以下の式
a)さらに、1つまたは2つ以上のCH基が、Nにより置換されていることができる、1,4−フェニレン、
b)さらに、1つまたは2つの隣接していないCH2基が、Oおよび/またはSにより置換されていることができる、1,4−シクロヘキシレン、
c)1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−ビシクロ−(2,2,2)−オクチレン、ピペリジン−1,4−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、デカヒドロ−ナフタレン−2,6−ジイル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイルまたはインダン−2,5−ジイル
から選択され、
これらのすべての基が、非置換であるか、またはLで単置換もしくは多置換されていることが可能であり、
Lは、ハロゲン、CN、SCN、NO2、SF5または、1個または2個以上のH原子が、FまたはClで置換されていることができる、1〜7個のC原子を有するアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニルもしくはアルコキシカルボニル基であり、
Zは、独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−NR0−、−NR0−CO−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH2CF2−、−OCH2−、−CH2O−、−SCH2−、−CH2S−、−CF2O−、−OCF2−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CF−、−(CH2)4−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、
は、
互いに独立して、A1およびA2について上記の意味を有し、C1は、また単結合を示すことができ、
D1およびD2は、互いに独立して、CHまたはNであり、
X1およびX6は、Hであり、
B1は、−COO−であり、
B2は、−OCO−であり、
R1、R2、R3およびR4は、互いに独立して、H、ハロゲン、NO2、CN、SCN、SF5、1つまたは2つ以上のCH2基が、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないように、−O−、−S−、−CO−、−NR0−、−CH=CH−、−C≡C−により置換されていることもでき、および、1個または2個以上のH原子が、FまたはClにより置換されていることもできる、1〜25個のC原子を有する直鎖状、分枝状または環式アルキル、あるいは、P−(Sp)n−であり、
Pは、互いに独立して、アクリレート、メタクリレート、ビニル、ビニルオキシ、エポキシ、スチレンまたはプロペニルエーテル基であり、
Spは、1〜20個のC原子を有するスペーサー基であり、
nは、0または1であり、
aは、0、1、2または3であり、
bは、0、1または2であり、
sは、0、1、2、3、4または5である、
から選択される、キラルな光異性化可能な化合物。 - R3およびR4が、互いに独立して、Fである、請求項1〜3のいずれかに記載のキラルな光異性化可能な化合物。
- sが、0である、請求項1〜4のいずれかに記載のキラルな光異性化可能な化合物。
- D1およびD2が、CHである、請求項1〜5のいずれかに記載のキラルな光異性化可能な化合物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の少なくとも1種のキラルな光異性化可能な化合物を含む、液晶混合物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のキラルな化合物または追加の重合可能な化合物であることができる、少なくとも1種の重合可能な化合物を含む、請求項8に記載の液晶混合物。
- 請求項9に記載の混合物を重合させることにより得られる、線状または架橋異方性ポリマー。
- 請求項1〜10のいずれかに記載のキラルな光異性化可能な化合物、混合物およびポリマーの、
光学的および電気光学的装置における、
光学素子における、または
液晶顔料およびフィルムにおける、
使用。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物、請求項8もしくは9に記載の混合物または請求項10に記載のポリマーを含む、液晶ディスプレイ。
- 請求項9に記載の重合可能な混合物を、基板上に塗布し、混合物を、平面状配向に整列させ、混合物を重合させ、ここで、該重合において、重合前または重合中の混合物の少なくとも一部が、キラルな光異性化可能な化合物が光異性化を示し、これによりこのキラリティーを変化させる波長の化学線に暴露されることにより得られる、ポリマーフィルム。
- 請求項13に記載のポリマーフィルムを含む、色フィルターまたは広帯域反射性偏光板。
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