JP5355710B2 - プロセス信号の抽出システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラントの状態変化があった場合に、それに起因するプロセス信号をさまざまな情報を用いて効率的に抽出するための方法および装置に関する。
火力や原子力に代表される発電プラントや、医薬品・食品・化学プラントに代表される産業プラントでは、プラントの安定的な運用のために、多くのプロセス信号を監視対象としている。プロセス信号の監視として、具体的には以下のような対応を実施している。
まず、プラントの状態を把握するために、圧力・温度・流量・水位などを計測する計測器を各部に設置し、得られたプロセス信号値を運転員に表示する。また、ほとんどのプラントでは、異常や不具合対策、あるいは、保守の観点から、得られたプロセス信号値を専用の計算機であるプロセスコンピュータに保存する。運転員はプラントの状態に変化があった場合、関連するプロセス信号の値にも変化がないかどうかを確認するため、監視画面上に該当プロセス信号の値を表示する。また、必要であれば、プロセス計算機に格納された該当プロセス信号の過去の値を監視画面上に表示する。なお、通常は、プラントの運転制御装置と監視装置が一体になっており、リアルタイムでプラント状態の監視や制御が実施できるようになっている。
以上述べたような各種の対応により、従来は、プラント状態に変化があると、運転員は監視装置に関連するプロセス信号の値を監視画面上に表示する。その上で、プラント状態変化の原因を探り、あるいはこの変化を復旧すべく対応策を検討する。このとき、関連するプロセス信号の候補は、運転員の持っているこれまでの経験や知識をもとに抽出される。しかしながら、発生している事象(プラント状態変化)の原因や、対応策を定めるためのキーとなる関連するプロセス信号の候補を、多くのプロセス信号から抽出するには多くの労力と時間を要する。
そこで、プラント状態の変化に応じた対応方法、つまり関連するプロセス信号の抽出とその値の表示作業を予め定義しておき、対応するプラント状態の変化があった場合に、迅速に所望のプロセス信号の値を把握するという方法がある。
特許文献1では、プラント異常の状態に応じたプロセスの関連性を予め調査し、これを知識データベースとして登録する。プラント異常があった場合、この知識データベースに照会することで所望の情報を得るという方法である。
特許文献2では、異常の対象機器のエリアを特定するために、プラントに設置されている機器の設計情報を用いる手法が記載されている。
特許文献3では、プラントに設置されている機器ごとに、関連するプロセス信号を登録したテーブルを用意し、プラントの異常を検知した際、プロセス信号からテーブルをもとに対象機器を特定し、特定した機器の系統図を画面表示する手法が記載されている。また、系統図の接続順にプラントの状態データを表示する方法についても記載がある。
特開平2−224001号公報 特開2005−215833号公報 特開2002−56825号公報
プラント状態の変化や異常を検知した際、関連するプロセス信号を抽出するには、運転員の持つ経験や知識だけでは、全ての状態に迅速に対応できない場合がある。また、プラント状態の変化や異常に対する対応策を事前に用意する手法では、全てのプラント状態を網羅的に調査することは困難であり、また、未知の状態変化や異常に対しては対応できない。
特許文献1に記載されている方法では、プラント異常の状態に応じたプロセスの関連性を予め調査し、これを知識データベースとして登録する必要があるため、予め登録したプラント異常以外については対応できない。
特許文献2に記載されている方法では、プラント異常に対する対象機器とその機器の設置エリアを特定することは可能であるが、プロセス信号を特定するには至っていない。
特許文献3に記載されている方法では、プラントに設置されている機器ごとに、関連するプロセス信号を登録したテーブルを用意し、対象機器の系統図を表示するが、それに付随するプロセス信号を抽出するには至っていない。
本発明の目的は、上述の課題である事前知識の設定と未知のプラント状態の変化や異常にも対応可能なプラント信号の抽出システムおよび方法を提供することにある。
本発明のプロセス信号抽出システムにおいては、監視対象に操作信号を与えた時に得られる計測信号の値をもとに監視制御する監視制御装置と、監視対象から得られる計測信号を記憶するプロセス計算機と、操作信号および計測信号の値をもとに異常や予兆を診断する異常・予兆診断装置と、監視対象の設計情報を蓄積したデータベースと、異常・予兆診断装置から得られる診断結果に対し関連するプロセス信号を抽出する機能を有するプロセス信号抽出装置と、各種情報を表示するモニタを含むプロセス信号の抽出システムであって、
データベースは、監視対象からの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、監視対象を構成する配管や機器について、その上流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを含み、
プロセス信号抽出装置は、前記異常・予兆診断装置が異常・予兆を診断した前記計測信号について、データベースの情報を参照してその検出器の取付位置に隣接する上流側の配管や機器と、当該上流側の配管や機器に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得、モニタに表示する。
また、プロセス信号抽出装置は、異常・予兆を診断した計測信号の検出器の取付位置に隣接する上流側について、機器に至るまで追跡し、この間の上流側の配管と、当該上流側の配管に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得るのがよい。
また、プロセス信号抽出装置は、上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について、重み付け評価した結果をモニタに表示するのが良い。
また、プロセス信号抽出装置は、上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、隣接する上流側の何番目の配管かに応じて重み付けを変更するのがよい。
また、プロセス信号抽出装置は、上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、計測信号の計測種別が同じ場合と相違する場合とで重み付けを変更するのが良い。
また、プロセス信号抽出装置は、上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、配管の分岐の有無に応じて重み付けを変更するのがよい。
本発明のプラントのプロセス信号の抽出方法において、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
プラントからの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、プラントを構成する配管や機器について、その上流、下流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを有し、
計測信号について、異常・予兆を診断したときに、第1と第2の設計情報を参照してその検出器の取付位置に隣接する上流側の配管や機器と、当該上流側の配管や機器に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得る。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
異常・予兆を診断した計測信号の検出器の取付位置に隣接する上流側について、機器に至るまで追跡し、この間の上流側の配管と、当該上流側の配管に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得るのが良い。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について、重み付け評価した結果を表示するのがよい。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、隣接する上流側の何番目の配管かに応じて重み付けを変更するのが良い。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、計測信号の計測種別が同じ場合と相違する場合とで重み付けを変更するのがよい。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号について重み付け評価を行なうときに、配管の分岐の有無に応じて重み付けを変更するのが良い。
本発明のプラントのプロセス信号の抽出方法において、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
プラントからの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、プラントを構成する配管や機器について、その上流、下流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを有し、
計測信号について異常・予兆を診断したときに、異常・予兆を診断した前記計測信号の検出器の取付位置を第1の設計情報から求め、
当該取付位置の配管や機器について第2の設計情報を参照し、隣接する上流側の配管や機器の情報を得、
得られた上流側の配管や機器に取付けられた検出器からの計測信号を第1の設計情報から求め、
上流側の配管や機器と、その位置での計測信号を関連付けて得る。
また、プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
関連付けて得る上流側の配管や機器と、その位置での計測信号について、上流側の機器に至るまで追跡し、計測信号に重み付けをした情報として得るのがよい。
本発明によるプラント信号の抽出方法及び装置では、監視あるいは確認すべきプロセス信号を素早く運転員あるいは保守員に提示することができ、発電プラントや産業プラントの安定的な運用に寄与できる。
本発明に係るプラント信号の抽出方法及び装置を、対象の一つである発電プラント100に適用した例を示す図である。 火力発電プラントを説明する図である。 火力発電所の機器や配管系統の典型的な一例を示す図である。 火力発電所の機器や配管系統の典型的な一例を示す図である。 プロセス計算機300に保存されている情報の態様を説明する図である。 設計情報データベース500に記憶される第1番目の設計情報として、「配管の接続情報」を示した図である。 設計情報データベース500に記憶される第2番目の設計情報として、「配管の様式」を示した図である。 設計情報データベース500に記憶される第3番目の設計情報として、「機器リスト」を示した図である。 設計情報データベース500に記憶される第4番目の設計情報として、「計測点リスト」を示した図である。 入力情報をもとにして関係するプロセス信号を抽出するアルゴリズムのフローチャートを示す図である。 図3aの事例で求められる機器番号あるいはライン番号と、PID番号の関係を纏めた図である。 図3bの事例で求められる機器番号あるいはライン番号と、PID番号の関係を纏めた図である。 図10aの事例において、関連度Rを求める各過程での、計算結果を纏めた図である。 図10bの事例において、関連度Rを求める各過程での、計算結果を纏めた図である。 画像表示装置に表示される初期画面である。 画像表示装置に表示される抽出条件設定画面である。 画像表示装置に表示される表示情報設定画面である。 画像表示装置に表示されるプロセス信号のトレンドグラフである。
以下、本発明のプラント信号の抽出方法及び装置について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るプラント信号の抽出方法及び装置を、対象の一つである発電プラント100に適用した例を示す図である。発電プラント100には、プラントの状態を把握するために多くの計測器が設置されている。各計測器で測定されたプロセス信号10の値は、専用線あるいは汎用的な送信用ラインを用いて監視制御装置200および計測値を格納するプロセス計算機300に伝送される。
このうち監視制御装置200では、プロセス信号10の値をもとにして、プラント運転を所望の状態に保つための制御信号20を出力する。出力した制御信号20は、発電プラント100に入力されるとともに、異常・予兆診断装置400にも入力される。また、プラントの制御に関わる信号値をユーザに示すため、支援ツール910に入力される。
またプロセス計算機300では、発電プラント100から得られるプロセス信号10の値を蓄積する。蓄積されたプロセス信号10は、その用途に応じて、異常・予兆診断装置400および支援ツール910にプロセス信号30として出力される。格納形式については、後程、詳しく説明する。
異常・予兆診断装置400では、入力される制御信号20やプロセス信号30の変化や傾向などをもとに、プラントの異常あるいはその兆候を検出する。ここでのプラントの異常あるいはその兆候を検出する手法には、以下に述べる種々のものがあり、本発明ではその任意の手法を採用し得る。
検出のための手法は、前回値との差分がある範囲を逸脱するか否かを判定するものから、平均あるいは標準偏差、相関係数、主成分分析などによる統計解析を用いる場合もある。物理モデルや統計モデルを用いて、プロセス値の変化を予測することで異常や予兆を検知し、正常なプロセス値を推定し、その推定値との差をもとに、異常や予兆を検知する手法もある。また、プラントの正常運転の状態を複数のカテゴリーに分類しておき、そのカテゴリーから離れた状態や新規カテゴリーに分類される状態をもって異常あるいは予兆を検知する手法もある。
異常・予兆診断装置400は、上記いずれの手法を採用しても良いが、異常あるいは予兆を検知した場合、その事象に関与するプロセス信号を単一あるいは複数抽出し、診断結果40として支援ツール910に出力する。
支援ツール910に与えられる診断結果40として、特定したプロセス信号の情報や特定したプロセス信号が複数ある場合には、その中での重みや影響度といった情報も加わる場合がある。ここで、プロセス信号の情報とは、プロセス信号に固有に付けられた番号や信号名称を指す。また、重みや影響度の情報の有無は、異常・予兆診断装置400で実現している診断手法によって異なる。
診断結果40としては、プロセス信号の特定化だけの情報の場合と、特定したプロセス信号について検出した異常や予兆へ与える影響を表す重みあるいは影響度の情報も含む場合とがある。以下の説明においては、そのどちらも診断結果40に含め、その差異によって生じる実現方法の違いは、その都度説明する。
設計情報データベース500には、発電プラント100の設備に関する設計情報が格納されている。設計情報の一例として特に、発電プラント100を構成する機器と、それらを接続する配管、およびプラント信号10を抽出するために設置された計測器の位置情報が記載された配管計装線図について説明する。
この配管計装線図は、専用のCADを用いて作図され、図面はCADデータとして保存されるのが一般的である。また、CADデータには、記載されている機器や配管のスペックや各部位を特定するための識別番号(以下ID番号という)が属性として付与されている。したがって、機器や配管の番号を指定すると、図面上、どの位置であるのか、あるいは、対象物の持つスペック、例えば、配管の口径や肉厚などを抽出することができる。さらに、配管については、その両端との接続情報を習得することができる。設計情報データベースに格納されている様々な設計情報50は、必要に応じて、プロセス信号抽出装置600や保守ツール910に出力される。なお、設計情報データベース500に記録されている設計情報の詳細については、後で図5,6,7,8を参照して詳細に説明する。
プロセス信号抽出装置600は、外部入力インターフェイス610、信号抽出部620、外部出力インターフェイス630とで構成される。
プロセス信号抽出装置600では、保守ツール910を介して、プロセス信号を抽出するために必要な入力信号60を得る。外部入力インターフェイス610は、保守ツール910を介して得た入力信号60と設計情報データベース500からの設計情報50を取り込んで、信号抽出部620に信号抽出用情報61として伝送する。
信号抽出部620では、入力された信号抽出用情報61をもとに、異常・予兆診断装置400で特定されたプロセス信号に関係する他のプロセス信号の候補を抽出する。抽出結果62は、外部出力インターフェイス630に出力される。信号抽出用情報61をもとに、抽出結果62を求めるアルゴリズムについては、後で図9のフローチャートを用いて詳しく説明する。外部出力インターフェイス630では、信号抽出部620から得られた抽出結果62を、出力結果63として支援ツール910に出力する。
以上述べたような設備を背景装置として、発電プラント100に関わるユーザは、キーボード901とマウス902で構成される入力装置900、及び画像表示装置950に接続されている支援ツール910を用いることにより、発電プラント100に関する様々な情報を見ることが可能である。また、発電プラント100に関わるユーザは、監視制御装置200からの制御信号20、プロセス計算機300からのプロセス信号30、異常・予兆診断装置400からの診断結果40、設計情報データベース500からの設計情報50、プロセス信号抽出装置600からの出力結果63の情報にアクセスすることができる。
支援ツール910は、外部入力インターフェイス920、データ送受信処理部930、外部出力インターフェイス940で構成される。
このうち外部入力インターフェイス920は、発電プラント100に関わるユーザが、入力装置900で生成した入力信号91を、支援ツール910内のデータ送受信処理部930に信号92として取り込む。また、外部入力インターフェイス920は、監視制御装置200からの制御信号20、プロセス計算機300からのプロセス信号30、異常・予兆診断装置400からの診断結果40、設計情報データベース500からの設計情報50、プロセス信号抽出装置600からの出力結果63についても、同様に支援ツール910内のデータ送受信処理部930に信号92として取り込む。
データ送受信処理部930では、ユーザからの入力信号91の情報に従って、入力信号92を処理し、出力信号93として外部出力インターフェイス940に送信する。出力信号94は、画像表示装置950に表示される。
以下では、本発明のデータ処理装置を火力発電プラントに適用した場合を例にとり、データベースに保存されている情報、及び信号処理機能について具体的に説明する。
図2は、火力発電プラントを説明する図である。まず、火力発電プラントにおける発電の仕組みについて説明する。
石炭を燃料とする場合には、石炭を貯蔵しているコールバンカー111より給炭器112を介してミル110に石炭が供給される。ミル110では内部のローラにより石炭を細かく砕き微粉炭状にする。この微粉炭と石炭搬送用の1次空気、及び燃焼調整用の2次空気がバーナー102を介して、ボイラ101に供給される。微粉炭と1次空気は配管134から、2次空気は配管141から導かれる。また、2段燃焼用のアフタエアを、アフタエアポート103を介してボイラ101に投入する。このアフタエアは、配管142から導かれる。石炭の燃焼により発生した高温のガスは、ボイラ101の経路に沿って流れた後、エアーヒーター104を通過する。その後、排ガス処理した後、煙突を介して大気に放出される。
ボイラ101を循環する給水は、給水ポンプ105を介してボイラ101に導かれ、熱交換器106においてガスにより過熱され、高温高圧の蒸気となる。尚、本実施形態では熱交換器の数を1つとしているが、熱交換器を複数個配置してもよい。
熱交換器106を通過した高温高圧の蒸気は、タービンガバナ107を介して蒸気タービン108に導かれる。蒸気の持つエネルギーによって蒸気タービン108を駆動し、発電機109で発電する。蒸気タービン108の排気は復水器113で冷却され、再び給水ポンプ105へと送られる。途中、タービンからの抽気を利用して、給水を加熱する装置を配置し熱効率を向上させる。
火力発電プラントには、様々な計測器が配置されており、この計測器から取得された情報は、計測情報1としてデータ処理装置200に伝送される。例えば、図2には、流量計測器150、温度計測器151、圧力計測器152、発電出力計測器153、及び濃度計測器154を図示している。流量計測器150では、給水ポンプ105からボイラ101に供給される給水の流量を計測する。また、温度計測器151、圧力計測器152は、蒸気タービン108に供給される蒸気の温度、圧力を計測する。発電機109で発電された電力量は、発電出力計測器153で計測する。ボイラ101を通過中のガスに含まれている成分(CO、NOXなど)の濃度に関する情報は、濃度計測器154で計測することができる。尚、一般的には、図2に図示した以外にも、多数の計測器が火力発電プラントに配置されているが、図2では省略している。
次に、バーナー102から投入される1次空気、及び2次空気、アフタエアポート103から投入されるアフタエアの経路について説明する。1次空気は、ファン120から配管130に導かれ、途中でエアーヒーター104を通過する配管132と通過しない配管131に分岐し、再び配管133にて合流し、ミル110に導かれる。エアーヒーター104を通過する空気は、ガスにより過熱される。この1次空気を用いて、ミル110において生成する微粉炭をバーナー102に搬送する。
2次空気、及びアフタエアは、ファン121から配管140に導かれ、エアーヒーター104で過熱された後、2次空気用の配管141と、アフタエア用の配管142とに分岐し、それぞれバーナー102とアフタエアポート103に導かれる。
図3は、以上のような火力発電所の機器や配管系統の典型的な一例を2例示す図であり、以下の本発明の説明はこの機器、配管系統を例にとって説明する。因みに、図3aの例では、機器K001の上流側に配管A001−001が、またその上流側に配管A001−002があり、更にその上流側に機器の一種類であるT分岐T001が備えられている。また、機器K001、配管A001−001、配管A001−002には、それぞれ温度検出器T001、T011、T012が設けられている。さらに、各温度検出器からプロセス計算機300や、監視制御装置200に取り込まれるプロセス信号に対して、プロセスID番号として、PID024、PID023、PID022が付与されている。
図3bの例では機器K011の上流側配管B003−001に圧力検出器P001が設置されており、またその配管B003−001の上流側に配管B003−002があり、更にその上流側に機器の一種類であるレディーサR023が備えられている。また、配管B003−001には、圧力検出器P001が設けられており、そのプロセスID番号としてPID003が付与されている。
以下では、図1のプロセス計算機300に格納されているプロセス信号10の情報、設計情報データベース500に保存されている配管の接続情報、及びプロセス信号抽出装置600にある信号抽出部620での演算機能について、図3の発電プラントの機器、配管系統例で説明する。
まず、プロセス計算機300に保存する情報について説明する。図4は、それぞれプロセス計算機300に保存されている情報の態様を説明する図である。図4のように、発電プラント100で計測した情報が計測器毎に横欄に記載され、縦欄の各計測時刻と共に保存される。例えば、図2における流量計測器150、温度計測器151、圧力計測器152、発電出力計測器153、濃度計測器154で計測した流量値F、温度値T、圧力値P、発電出力値E、排ガスに含まれるNOX濃度Dが、時間の経過情報と共に保存される。尚、図4では縦軸の時間軸は、1秒周期でデータを保存しているが、データ収集のサンプリング周期は任意に設定することが可能である。
プロセス計算機300に格納されているデータを容易に活用できるよう各計測値にはPID番号(プロセスID番号)という固有の番号が割り当てられている。このPID番号をもとに、プロセス信号を特定化したり、所望のプロセス信号を探索する際のキーとして用いる。図示の例では、先の流量値F、温度値T、圧力値P、発電出力値E、NOX濃度DのPID番号が、PID150、PID151、PID152、PID153、PID154と定義されている。
次に、設計情報データベース500に保存する設計情報について、図5、6、7,8を用いて説明する。まず図5は、第1番目の設計情報として、「配管の接続情報」を示した図である。
図5において、配管はそれぞれの、ライン番号、配管名称、接続先が関連付けて記憶されている。接続先は、配管両端の接続先を、配管内を流れる流体の上流側をFROM、下流側をTOで表し、それぞれの情報を格納する。例えば、図5の1行目のライン番号A001−001では、上流側の接続先はA001−002、下流側の接続先はK001となっている。2行目のライン番号A001−002では、上流側の接続先はT001、下流側の接続先はA001−001となっている。この接続関係が、図3aに示されており、上流側から順次T001、A001−002、A001−001、K001となっていることがわかる。
また、図5の3行目のライン番号B003−001では、上流側の接続先はB003−002、下流側の接続先はK011となっている。4行目のライン番号B003−002では、上流側の接続先はR023、下流側の接続先はB003−001となっている。この接続関係が、図3bに示されており、上流側から順次R023、B003−002、B003−001、K011となっていることがわかる。
なお、図5において、K001やK011はプラントに敷設された各種の機器であり、T001は、機器あるいは配管を分岐する際に接続するT分岐、R023は、口径の異なる配管を接続する際に用いるレディーサである。これらの機器に関する情報については、図7を用いて後述する。
設計情報データベース500に保存する第2番目の設計情報として、図6には、「配管の様式」を示している。配管の様式とは、配管のID番号、名称、種別、口径、肉厚、保温材厚みや他の機器あるいは配管とのクリアランスなどの情報であり、これらが設計情報データベース500の接続情報として記載されている。図6の例では、配管のID番号はライン番号A001−001、名称は配管A1−1、種別は001、口径は500、肉厚は50、保温材厚みは50、クリアランスが50ということになる。なお、さらにユーザにより指定された始点と終点の座標も含んでいるが、ここには表記していない。
設計情報データベース500に保存する第3番目の設計情報として、図7には、機器あるいはT分岐やレディーサなど、配管に接続される各種機器の情報の様式を表した「機器リスト」を示している。この情報は、先の図5において配管両端の接続先の上流側(FROM)、下流側(TO)の欄に記載した機器(K001、K011、T001、R023)についての情報であり、機器番号、機器名称に加えて、サイズ情報などがある。
図7の例では、機器番号K001は、機器名称が機器001であり、機器番号T001はT分岐T001であり、機器番号R001は、機器名称がレディーサ001であることを意味している。なお、サイズ情報は、対象となる機器に応じて定義する数が異なる。また、機器番号についても、例えば、種別に応じた頭文字を定義することで、検索時の効率化やユーザによる視認性の容易さを確保している。
設計情報データベース500に保存する第4番目の設計情報として、図8には、配管や機器に接続されている計測器の情報を表した「計測点リスト」を示している。計測点リストには、計測器を特定するための計測点番号と、それに対する計測点名称、計測対象のプロセス信号に割り当てられたPID番号(プロセスID番号)と、計測対象の被測定物の種別を表す計測流体と、取付けられている対象物を特定する機器番号あるいはライン番号が記載されている取付位置がある。
このうち、計測点番号は、計測している種類別に先頭文字を割り当てるのが一般的である。図8では、計測している種類として、圧力を計測する計測点は「P」、温度を計測する計測点は「T」、流量を計測する計測点は「F」を使用している。図8には例示していないがその他にも、レベルを計測する計測点「L」などがある。
これらの約束によれば、図8の計測点リストの計測点番号P001は、配管B003−001に取付けられ、計測対象流体が水であり、PID番号がPID003であり、計測点名称が圧力001とされた圧力検出器であることがわかる。同様に計測点番号T001は、機器K001に取付けられ、計測対象流体が空気であり、PID番号がPID024であり、計測点名称が温度001とされた温度検出器である。また、計測点番号F001は、配管B006−002に取付けられ、計測対象流体が水であり、PID番号がPID054であり、計測点名称が流量001とされた流量検出器であることが理解できる。また、計測点番号T011は、配管A001−001に取付けられ、計測対象流体が空気であり、PID番号がPID023であり、計測点名称が温度011とされた温度検出器であり、計測点番号T012は、配管A001−002に取付けられ、計測対象流体が空気であり、PID番号がPID022であり、計測点名称が温度012とされた温度検出器であることもわかる。
先の図3a、図3bには、配管や機器の接続の状態以外に、これらの計測点リストの情報も合わせて表示されている。つまり、図3aには機器K001の取付位置に計測点番号T001、PID番号PID024の温度検出器が、配管A001−001の取付位置に計測点番号T011、PID番号PID023の温度検出器が、配管A001−002の取付位置に計測点番号T012、PID番号PID022の温度検出器がそれぞれ表示されている。また、図3bには配管B003−001の取付位置に計測点番号P011、PID番号PID003の圧力検出器が表示されている。
次に、プロセス信号抽出装置600にある信号抽出部620での演算機能の動作について説明する。
信号抽出部620では、外部入力インターフェイス610からの信号抽出用情報61をもとに、異常・予兆診断装置400で抽出された診断結果40に含まれる信号に関連する他の信号を抽出する。信号抽出用信号61には、保守ツール910を介して診断結果40と、設計情報データベース500から設計情報50が含まれる。これらの入力情報をもとにして関係するプロセス信号を抽出するアルゴリズムのフローチャートを図9に示す。
図9において、初めにステップS801では、異常・予兆診断装置400における診断結果40を参照する。診断結果40は、基本的にはプロセス計算機300に取り込んだ信号30の形式(図4)を踏襲しているので、ここには計測点ごとの固有の番号である計測信号のPID番号を含む。
そのうえで、ステップS801では、設計情報データベース500に記憶されている図5、6、7、8の情報の中から、まず図8の計測点リストを参照し、PID番号に対応する計測点番号から計測の種別を、計測対象から被測定物の種別を、取付位置から取付機器の情報を得る。
なお、以下の説明においては本発明の理解を容易にする目的で、図3a、図3bのプラント構成に即した説明を行なうことにする。そして、図8のステップS801において、異常を検知したプロセス信号が図3aの事例ではPID番号PID024であり、図3bの事例ではPID番号PID003であったとする。
ステップS802では、取付位置の種別が配管か、それ以外かを判断する。これは、例えばステップS801の図8の計測点リストのPID番号の参照結果として、図3aの事例では取付位置の情報K001から、取付位置が機器であり、図3bの事例では取付位置のB003−001情報から、取付位置が配管であることから判別できる。このためには、例えば取付機器番号の命名則として配管は「A」や「B」、機器は「K」「T」「R」などとしておけば、機器番号の先頭文字で配管か否かを簡単に判別できる。
次に、配管の場合は、ステップS803に進み、配管ではない場合は、ステップS807に進む。従って、図3aの事例では、ステップS807に進み、図3bの事例ではステップS803に進むことになる。
ステップS803に進むケースでは、異常検知した計測器は配管に設けられているが、この場合にはステップS803からステップS806までの一連の処理を完遂した結果として、上流側の機器を探り当てる。
このために、まずステップS803においては、図5の配管リストより取付対象の前後の接続情報を取得する。具体的には、ステップS801で取得した図8のPID番号PID003に関連する情報として取付位置B003−001に着目し、この情報を図5の配管リストのライン番号の欄から探し出す。この結果、N行目のライン番号の位置に、求める情報B003−001を得る。
ステップS804では、ライン番号から上流側に接続された配管を検索する。具体的には、前ステップS803で検索したライン番号B003−001の行(N)のFROMの項目にある機器番号B003−002を取得する。つまり、上流側の機器番号の情報を取得する。
ステップS805では、図5の配管リストから接続関係を上流側に辿る。つまり、前ステップS804で検索した上流側の機器番号B003−002を有するライン番号の欄を検索して、N+1行のライン番号の欄にB003−002を検知する。
ステップS806では、ステップS805で検知した行(ライン番号の欄にB003−002を記憶しているN+1行)のFROMにある機器番号がライン番号か否かを判定し、ライン番号であれば、ステップS805に戻り、ライン番号以外と成るまで、つまり機器を得るまで追跡調査を実施する。ライン番号以外であれば、機器番号の先頭文字をもとに接続機器の種別を取得して、ステップS809に進む。この事例では、N+1行のライン番号B003−002の欄のFROMにある機器番号として、機器の一種類であるレディーサR023を得るので、ステップS809に進む。この場合には、接続機器の種別としてレディーサの情報が取得され、記憶される。
次に、ステップS802での判断結果が機器であった図3aの事例について説明する。ここで、判断結果が機器である場合、ステップS807、S808、S805、S806の処理を実行することになるが、これらの一連の処理を完遂した結果として、先述のステップS803側の処理と同様に、上流側の機器を探り当てる処理を実行する。
ステップS807では、前ステップS801で得られた機器番号をもとに、機器リストにて接続されている種別を取得し、ステップS808に進む。なお、ステップS802での判断結果として得られた機器は、この事例ではK001であった。
ステップS808では、機器番号K001をもとに、上流側に接続されたライン番号を検索する。つまり、図5の配管リストのTOの欄に機器番号K001を記憶する行を検索し、1行目に当該の情報を得、ライン番号の欄の記載を参照する。この場合には、ライン番号の欄にA001−001が得られる。そのうえで、検索結果が有の場合には、ステップS805に進み、無の場合には、ステップS809に進む。
ステップS805に進んだ場合の処理は、先述した通りである。図5のライン番号A001−001を記載する第1行のFROMの項目にある機器番号A001−002を取得する。ステップS806では、A001−002が配管であることから、再度ステップS805に戻り、A001−002をTOの欄に記載する第2行に到達する。第2行のFROMの項目には機器番号T001が得られ、ステップS806の処理において、ステップS809に移る。
ステップS809では、診断結果40に含まれる信号(異常検知信号)が複数ある場合には、全ての信号について、これまでの処理を実行したか否かを判定する。全ての信号に対し、抽出処理が完了していなければ、ステップS801に戻り、抽出処理をしていない信号に対し、ステップSを進める。全て完了している場合には、ステップS810に進む。本事例の場合には、図3aの事例と、図3bの事例についての検討が完了したことを持って、ステップS810に進む。
ステップS810では、これまでのステップで抽出した接続関係をもとに、関係するプロセス信号をリスト化する。接続関係をもとに抽出した機器番号あるいはライン番号を抽出した順番に並べ、計測点リストの取付位置をキーにして、そのPID番号を抽出する。
図10aと図10bは、図3aの事例と、図3bの事例で求められる機器番号あるいはライン番号と、PID番号の関係を纏めたリストである。なお、このリストは、図5と図8を参照して求められることは言うまでもない。つまり、図3aの事例で言えば、図9のフローチャートを処理する中で、まずPID番号としてPID024の異常検知をトリガとして、ステップS801で、機器番号K001が抽出された。またステップS807、S808、S804、S805の一連の処理を実行する中で、ライン番号A001−001、A001−002さらには機器番号T001が順次引き出されてきた。図10aは、この順番ごとに左側欄を構成し、さらに図8の取付位置からPID番号を逐次参照し、引き出してきて右側欄に記載して作成されたものである。これは、図3bの事例でも同様に実施できる。
ステップS811では、これまでの情報をもとに、抽出信号の関連度Rを計算する。関連度Rは、最終的に下記の(4)式で求められるが、その前に、(1)から(3)式を実行する。
最初に、抽出した順番に応じて重みを割り当てる。具体的には、(1)式のような重みαを算出する。
Figure 0005355710
ここで、Mは一つのプロセス信号に対して抽出した機器番号あるいはライン番号の合計値である。例えば、図10Αの例では、一つのプロセス信号PID024に対して抽出した機器番号あるいはライン番号の合計値Mは4である。同様に図10Bの例では、一つのプロセス信号PID003に対して抽出した機器番号あるいはライン番号の合計値Mは3である。Nは抽出した順番を表す番号で、N=0から始める。
図11は、関連度Rを求める各過程での、計算結果を図10の表示の上に纏めたものであり、図11aと図11bには、左欄にNとMを表記している。また、右側に各欄での前記の重み係数αなどを記載している。このようにすると、始めに抽出した機器番号あるいはライン番号ほど、重みαは大きいことになる。
次に、診断結果40に含まれる信号の計測点番号から計測しているものが圧力なのか温度なのかという情報が取得できる。そこで、(2)式に示すように、診断結果40の信号の計測対象と抽出した機器番号あるいはPID番号に対応する計測点番号から抽出される計測対象が同じか否かで、重みΒを設定する。Wは同じであった場合の重み付けを示す。例えばW=2というようにユーザが設定を変更することが可能である。なお、機器番号又はライン番号に該当する計測対象が存在しない場合には、重みΒの計算対象からは除外し、あるいは係数を0とするのが良い。
Figure 0005355710
また、抽出した機器番号からT分岐などのように配管が二つに分離する箇所も特定できる。そこで、(3)式で示す重みΓを設定し、T分岐などのように複数に分岐する機器の上流側と下流側で重み付けを変更する。Bは分岐の上流側であった場合の重み付けを表し、B=2というようにユーザが設定を変更することが可能である。
Figure 0005355710
以上の重み付けをもとに、式(4)に示す計算式にて、関連度Rを計算する。
Figure 0005355710
以上のようにして求められた関連度Rは、機器番号又はライン番号ごとに図11aあるいは図11bのように纏められる。なお、図11aあるいは図11bは、図3aあるいは図3bのプラント構成のときに得られた結果である。この結果によれば、図11aでは、ライン番号A001−001とA001−002に設置された温度検出器からの信号(PID番号が、PID023とPID022)に、機器番号K001に設置された温度検出器からの信号(PID番号が、PID024)との間の関連度Rの情報が得られている。つまり、PID024が異常を検知したときに、この原因は上流側にあると考えられ、上流側の検出器との間の関係を探ることで原因究明の有効な情報を得ることができる。この場合に、異常検知ポイントから遠いほど、相関関係を低くしたために重み係数αを設定している。
ステップS812では、診断結果40に重要度などの重み付けが有るかないかを判定する。有る場合には、ステップS813において、その重み付けに、ステップS811で計算した関連度Rを掛けた補正値を算出し、終了となる。無い場合には、そのまま終了となる。なお、ここで示した重み付けや関連度の計算は一例であり、その他、重み付けは、整数倍を用いても良い。また、関連度の計算もそれぞれの重みを足し算しても良い。
求められた抽出リスト62は、外部出力インターフェース630に出力される。外部出力インターフェイス630では、抽出リスト62を出力結果63として支援ツール910に送る。
次に、ユーザが支援ツール910を用いて、画像表示装置950に制御信号20、プロセス信号30、診断結果40、設計情報50、出力結果63や設計情報データベース500の情報を表示させる方法について説明する。
図12〜図15は、画像表示装置950に表示される画面の実施例である。ユーザーは、図1のキーボード901、マウス902を用いてこれら画面の空欄となっている箇所にパラメータ値を入力するなどの操作を実行する。
図12は、画像表示装置950に表示される初期画面である。ユーザーは、抽出条件設定ボタン951、情報表示ボタン952、の中から必要なボタンを選択し、マウス902を用いてカーソル953を移動させ、マウス902をクリックすることにより抽出条件設定ボタン951、情報表示ボタン952のいずれかのボタンを押す。
図13は、抽出条件設定ボタン951を押したときに表示される画面(抽出条件を設定する画面)を説明する図である。同画面上で、重み設定欄961には、更新・削除、PID、計測対象(W)、分岐(B)が表示される。
更新・削除の欄では、重み設定の値を更新あるいは削除するための選択をラジオボタンにて設定する。PID欄には、対象とするプロセス信号のPID番号を設定する。あるいは、デフォルトとして設定したい場合には、Dを指定する。両方存在する場合には、指定したPID番号以外は、Dに設定された値が設定される。計測対象および分岐の欄では、(2)式と(3)式の重み係数の値を設定する。項目を設定したい場合には、追加ボタン962と押すと追加できる。全て設定した後、決定ボタン963を押すことで確定される。
関連度計算の決定欄964には、更新・削除、PID、関連度計算が表示される。更新・削除では、重み設定の値を更新あるいは削除するための選択をラジオボタンにて設定する。PID欄には、対象とするプロセス信号のPID番号を設定する。あるいは、デフォルトとして設定したい場合には、Dを指定する。両方存在する場合には、指定したPID番号以外は、Dに設定された値が設定される。これらの設定は、重み設定と同じ容量で実施できる。
関連度計算では、(4)式で設定した演算式を設定する。プルダウンメニューから設定したい演算手法を選択する。例えば、乗算と設定すると、(4)式で示したように、全ての重みが乗算された値が関連度Rとして設定される。その他、総和とすると、全ての重みが足し合わされた値が関連度Rとして設定される。項目を設定したい場合には、追加ボタン962と押すと追加できる。全て設定した後、決定ボタン963を押すことで確定される。
図13における保存ボタン968をクリックすることにより、重み設定欄961および関連度計算の設定欄964にある情報が、保存および設定される。保存する際に、設定した情報に対し固有の設定名を付加することで、プルダウンメニュー967で呼びだすことができる。
キャンセルボタン969をクリックすると、重み設定欄961および関連度計算の設定欄964に入力された情報がキャンセルされる。また、戻るボタン970をクリックすることにより、図12の画面に戻る。
図14は、さまざまな情報を画像表示装置950に表示させるための画面である。図12において、情報表示ボタン952をクリックすることにより図14が表示される。
プロセス信号表示欄981では、ユーザーは、画像表示装置950に表示させたい計測信号、あるいは操作信号を入力欄981に、そのレンジ(上限/下限)と共に入力する。また、表示させたい時間を時刻入力欄982に入力する。
表示ボタン983をクリックすることにより、図15のようにトレンドグラフが画像表示装置950に表示される。図15の戻るボタン991をクリックすることにより、図14の画面に戻る。
また、設計情報表示欄984では、プロセス名称、抽出信号、PID、計測点番号、機器番号、配管番号のいづれかを入力し、表示ボタン985をクリックすることで、該当情報が記載されている設計情報を、設計情報データベース500から検索し表示する。また、抽出情報の表示欄986では、プロセス名称、PID、抽出された抽出信号名称とその関連度が表示される。
ユーザは、これらの提示された情報を見ながら異常発生原因と波及の関連などを時系列的に見ながら原因究明や、新しい知見の獲得を行なうことができる。
図14において、戻るボタン987をクリックすることにより、図12の画面に戻ることができる。
以上詳細に説明した本発明によれば、異常発生時に異常を検知した計測器と信号を基点として、上流側の配管や機器を追跡し、そこに設置されている各種検出器からの信号に対して重み付けしながらユーザに提供することで原因究明や、新しい知見の獲得を行なうことができる。
本発明のプロセス信号抽出方法及び装置を例えば発電プラントの異常・予兆診断に適用すると、さまざまなプロセス信号や設計情報の中から、該当プラントの構成を考慮して関連するプロセス信号を自動的に抽出することが可能であるため、異常あるいは予兆が発生してからの対応策や原因究明までの時間を短縮することができる。その結果、異常や予兆の傾向が大きくなる前に、対策を実施することが可能となる。
100 発電プラント
200 監視制御装置
300 プロセス計算機
400 異常・予兆診断装置
500 設計情報データベース
600 プロセス信号抽出装置
610 外部入力インターファイル
620 信号抽出部
630 外部出力インターフェイス
900 入力装置
901 キーボード
902 マウス
910 支援ツール
920 外部入力インターフェイス
930 データ送受信処理部
940 外部出力インターフェイス
950 画像表示装置

Claims (9)

  1. 監視対象に操作信号を与えた時に得られる計測信号の値をもとに監視制御する監視制御装置と、前記監視対象から得られる計測信号を記憶するプロセス計算機と、前記操作信号および計測信号の値をもとに異常や予兆を診断する異常・予兆診断装置と、前記監視対象の設計情報を蓄積したデータベースと、前記異常・予兆診断装置から得られる診断結果に対し関連するプロセス信号を抽出する機能を有するプロセス信号抽出装置と、各種情報を表示するモニタを含むプロセス信号の抽出システムであって、
    前記データベースは、前記監視対象からの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、前記監視対象を構成する配管や機器について、その上流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを含み、
    前記プロセス信号抽出装置は、前記異常・予兆診断装置が異常・予兆を診断した前記計測信号について、前記データベースの情報を参照してその検出器の取付位置に隣接する上流側の配管や機器と、当該上流側の配管や機器に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得、前記モニタに表示し、
    また前記プロセス信号抽出装置は、異常・予兆を診断した計測信号の検出器の取付位置に隣接する上流側について、機器に至るまで追跡し、この間の上流側の配管と、当該上流側の配管に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得、
    さらに前記プロセス信号抽出装置は、上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号と、前記異常・予兆診断装置が異常・予兆を診断した前記計測信号の関係を複数の観点から重みづけし、重みづけの総合値が大きい程高くなる関連度を前記モニタに表示することを特徴とするプロセス信号の抽出システム。
  2. 請求項1記載のプロセス信号の抽出システムにおいて、
    前記プロセス信号抽出装置は、前記関連度を計算する際に、隣接する上流側の何番目の配管かに応じて重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出システム。
  3. 請求項1記載のプロセス信号の抽出システムにおいて、
    前記プロセス信号抽出装置は、前記関連度を計算する際に、計測信号の計測種別が同じ場合と相違する場合とで重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出システム。
  4. 請求項1記載のプロセス信号の抽出システムにおいて、
    前記プロセス信号抽出装置は、前記関連度を計算する際に、配管の分岐の有無に応じて重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出システム。
  5. 複数の配管と、機器で構成され、適宜の配管や機器に計測器を設置して計測信号を得るようにされたプラントのプロセス信号の抽出方法において、
    プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
    前記プラントからの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、前記プラントを構成する配管や機器について、その上流、下流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを有し、
    前記計測信号について、異常・予兆を診断したときに、前記第1と第2の設計情報を参照してその検出器の取付位置に隣接する上流側の配管や機器と、当該上流側の配管や機器に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得、
    異常・予兆を診断した計測信号の検出器の取付位置に隣接する上流側について、機器に至るまで追跡し、この間の上流側の配管と、当該上流側の配管に設置された検出器からの計測信号とを関連付けて得、
    前記の上流側機器に至るまでの間に得られた計測信号と、前記異常・予兆を診断した前記計測信号の関係を複数の観点から重みづけし、重みづけの総合値が大きい程高くなる関連度を表示することを特徴とするプロセス信号の抽出方法。
  6. 請求項5記載のプロセス信号の抽出方法において、
    前記プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
    前記関連度を計算する際に、隣接する上流側の何番目の配管かに応じて重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出方法。
  7. 請求項5記載のプロセス信号の抽出方法において、
    前記プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
    前記関連度を計算する際に、計測信号の計測種別が同じ場合と相違する場合とで重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出方法。
  8. 請求項5記載のプロセス信号の抽出方法において、
    前記プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
    前記関連度を計算する際に、配管の分岐の有無に応じて重み付けした値を用いることを特徴とするプロセス信号の抽出方法。
  9. 複数の配管と、機器で構成され、適宜の配管や機器に計測器を設置して計測信号を得るようにされたプラントのプロセス信号の抽出方法において、
    プラントのプロセス信号を抽出する手段は、
    前記プラントからの計測信号とその検出器の取付位置とを関連付けて記憶する第1の設計情報と、前記プラントを構成する配管や機器について、その上流、下流の配管や機器と関連付けて記憶する第2の設計情報とを有し、
    前記計測信号について異常・予兆を診断したときに、異常・予兆を診断した前記計測信号の検出器の取付位置を第1の設計情報から求め、
    当該取付位置の配管や機器について第2の設計情報を参照し、隣接する上流側の配管や機器の情報を得、
    得られた上流側の配管や機器に取付けられた検出器からの計測信号を第1の設計情報から求め、
    上流側の配管や機器と、その位置での計測信号を関連付けて得、
    前記の関連付けて得る上流側の配管や機器の位置での計測信号と、前記異常・予兆を診断した前記計測信号の関係を複数の観点から重みづけし、重みづけの総合値が大きい程高くなる関連度を表示することを特徴とするプロセス信号の抽出方法。
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