JP5355672B2 - 可変容量形ポンプ - Google Patents

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本発明は、例えば自動車用内燃機関の各摺動部や、機関弁の作動特性を制御する可変動弁装置などにオイルを供給する可変容量形ポンプに関する。
この種、従来の可変容量形ポンプとしては、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に記載されたベーンタイプのものが知られている。
概略を説明すれば、ハウジングの内部に、一端側を枢支点としたカムリングが揺動自在に設けられていると共に、該カムリングの内周側に、クランク軸から回転力が伝達されるロータが配置され、このロータの外周部に、先端が前記カムリングの内周面に摺接する複数のベーンが径方向へ出没自在に設けられている。
また、前記各ベーンとカムリングの内周面との間には、前記ロータの回転に伴って容積を変化させるポンプ室が形成されていると共に、該ポンプ室の容積が大きくなるように前記カムリングを付勢する内外二重の2つのコイルばねが並設されている。この両コイルばねは、ポンプ室の容積変化量を減少させる方向へのカムリングの揺動量が大きくなるに伴ってばね定数が大きくなるように設定されている。このように構成することによって、2段階のポンプ流量特性を得ることができる。
特開2009−92023号公報
しかしながら、前記従来の可変容量形ポンプにあっては、ポンプ高回転時に吐出圧力が高くなって前記カムリングの偏心量が小さくなると、前述のように、前記両方のコイルばねが圧縮変形して付勢力が前記カムリングに作用することからばね定数が大きくなってしまう。
このため、前記カムリングの偏心量が小さくなる側への円滑な揺動作用が阻害されて、かかるポンプ高回転時において吐出量が過度に多くなってしまい無駄なエネルギーを消費してしまうといった問題があった。
本発明の目的は、ポンプ高回転時の吐出量の過度な上昇を抑制することができる可変容量ポンプを提供することにある。
本発明は、 回転駆動されるロータと、該ロータが回転駆動されることによって複数の作動油室の容積が変化して吸入部から前記作動油室に導入されたオイルを吐出部から吐出するポンプ構成体と、前記オイルの吐出油圧によって可動部材が可動することによって、前記吐出部に開口する前記作動油室の容積を変化させる可変機構と、前記作動油室の容積変化量が大きくなる方向へ前記可動部材を付勢すると共に、予めセット荷重が付与された第1コイルばねと、前記作動油室の容積変化量が所定以上大きくなる方向へ前記可動部材が移動した状態では、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ前記第1コイルばねよりも小さな付勢力で前記可動部材を付勢し、前記作動油室の容積変化量が所定未満に小さくなる方向へ前記可動部材が移動した状態では、ばね荷重が保持された状態で前記可動部材に付勢力が作用しないように設けられていると共に、予めセット荷重が付与された第2コイルばねと、吐出圧が導かれることによって前記第1コイルばねの付勢力に抗して前記可動部材を移動させる制御油室と、を備えると共に、
前記ロータの回転が低回転域までは、前記第1コイルばねと第2コイルばねの付勢力の差分で前記作動油室の容積変化量が最も大きくなるように前記可動部材の状態を維持し、
この状態から前記ロータの回転が上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が第1コイルばねと第2コイルばねの差分に付勢力に打ち勝って、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ移動し、
前記ロータの回転がさらに上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が前記第2コイルばねの付勢力が作用しなくなるまで移動して、その状態を維持し、
前記ロータの回転がさらに上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が前記第1コイルばねの付勢力に打ち勝って、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ移動するように構成され、
前記可動部材には、径方向に延出した延出部が設けられ、該延出部における前記可動部材の移動方向の両側に前記第1コイルばねと第2コイルばねがそれぞれ配置されていることを特徴としている。
本発明によれば、カムリングを偏心量が大きくなる方向へ付勢する付勢部材は第1コイルばねのみであるから、ポンプ高回転時に、前記第1コイルばねによるカムリングの偏心量を小さくする方向へのばね定数が大きくならないので、前記カムリングの偏心量が小さくなる方向への円滑な揺動作用が得られ、吐出量の過度な上昇を抑えることが可能となる。
第1実施例における可変容量形ポンプのポンプカバーを取り外した正面図である。 図1のA−A断面である。 図1のB−B断面である。 本実施例に供されるポンプハウジングを示す正面図である。 本実施例の作用説明図である。 本実施例の作用説明図である。 本実施例の連通溝の他例を示すポンプカバーを取り外した正面図である。 従来における吐出油圧と機関回転数との関係を示す特性図である。 本実施例における吐出油圧と機関回転数との関係を示す特性図である。 本実施例における第1、第2コイルばねのばね変位とばねセット荷重との関係を示す特性図である。 第2実施例における可変容量形ポンプのポンプカバーを取り外した正面図である。 本実施例に供されるポンプハウジングを示す正面図である。 第3実施例における可変容量形ポンプのポンプカバーを取り外した正面図である。 本実施例に供されるポンプハウジングを示す正面図である。
以下、本発明に係る可変容量形ポンプの実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施形態は、自動車用内燃機関の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプに適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
本実施形態における可変容量形ポンプは、ベーンタイプに適用したものであって、内燃機関のシリンダブロックの前端部などに設けられ、図1、図2で示すように、一端開口がカバー2によって閉塞された有底円筒状のポンプハウジング1と、該ポンプハウジング1のほぼ中心部を貫通して、機関のクランク軸によって回転駆動される駆動軸3と、前記ポンプハウジング1の内部に回転自在に収容され、中心部が前記駆動軸3に結合された断面ほぼエ字形状のロータ4と、該ロータ4の外周側に揺動自在に配置された可動部材であるカムリング5と、前記ロータ4の内周部側の両側面に摺動自在に配置された小径な一対のベーンリング6、6と、を備えている。
前記ポンプハウジング1は、アルミ合金材によって一体に形成され、図4にも示すように、凹状の底面1sはカムリング5の軸方向の一側面が摺動することから、平面度や表面粗さなどの精度が高く加工され、摺動範囲が機械加工によって形成されている。
また、ポンプハウジング1の内周面の所定位置には、図1及び図2に示すように、前記カムリング5の枢支点となる枢支ピンであるピボットピン9が挿入される有底状のピン孔1cが穿設されていると共に、ピボットピン9の軸心とポンプハウジング1の中心(駆動軸3の軸心)を結んだ直線X(以下「カムリング基準線」という。)より垂直方向上方の位置の内周側に、円弧凹状に形成された第1シール面1aが形成されている。一方、前記ポンプハウジング1のカムリング基準線Xより垂直方向下方の位置の内周側には、円弧凹状の第2シール面1bが形成されている。
前記第1シール面1aは、後述する制御油室16の一部を構成する第1制御油室16aの図中上端側を前記カムリング5に形成された後述する円弧凸状の第1シール摺接面5cが摺接しつつ共同してシールするようになっている。前記第1シール面1aと第1シール摺接面5cとによって第1シール部が構成されている。
前記第2シール面1bは、前記制御油室16の他の一部を構成する第2制御油室16bの図中下端側を前記カムリング5に形成された後述する第2シール部材14が摺接しつつ共同してシールする第2シール面1bが形成されている。前記第2シール面1bと第2シール部材14とによって第2シール部が構成されている。
前記第1、第2シール面1a、1bは、図4に示すように、前記ピン孔1cを中心とした所定の半径R1、R2によって形成される円弧面状に形成されている。
また、前記第1シール面1aの半径R1における図4中、時計周り終端縁には、カムリング5の前記第1シール摺接面5cの終端縁から制御油室16方向へ傾斜状に形成されたカムリング側のストッパ面18bが時計方向から当接して第1付勢部材である第1コイルばねのばね力により初期セット位置(最大偏心位置)で揺動位置を規制するポンプハウジング1側のストッパ面18aが形成されている。このストッパ面18aはカムリング5の初期位置を決定するだけでなく、カムリング5の揺動量が零の状態におけるオイル吐出においてカムリング5側のストッパ面18bがポンプハウジング1側のストッパ面18aに当接して十分な液密性を保持するようになっている。
また、ポンプハウジング1の底面1sには、駆動軸3の左側にほぼ三日月状の吸入ポート7が形成されていると共に、駆動軸3の右半分にほぼ扇形状の吐出ポート8がそれぞれほぼ対向して形成されている。
前記吸入ポート7は、図2、図4に示すように、図外のオイルパン内の潤滑油を吸入する吸入ロ7aに連通している一方、吐出ポート8は、吐出口8aから図外のオイルメインギャラリーを介して機関の各摺動部および可変動弁装置である例えばバルブタイミング制御装置に連通している。
さらに、前記底面1sのほぼ中央に形成された駆動軸3の軸受孔1fには、前記吐出ポート8から吐出された潤滑油が小幅なほぼL字形に形成された給油溝10の先端凹溝10aを介して供給されるようになっていると共に、前記給油溝10の開口から前記ロータ4の両側面や後述するベーン11の側面に潤滑油が供給されて潤滑性が確保されるようになっている。
なお、前記カバー2は、図2に示すように、内側面がこの実施例ではほぼ平坦面状に形成されているが、ここに前記ポンプハウジング1の底面1sと同じく吸入口や吐出口、オイル溜まり部を形成することも可能である。また、このカバー2は、複数の位置決めピンIPを介してポンプハウジング1に円周方向の位置決めされつつ複数のボルトBによってポンプハウジング1に取り付けられている。
前記駆動軸3は、クランク軸から伝達された回転力によってロータ4を図1中、時計方向に回転するようになっており、該駆動軸3を中心とした図中左側の半分が吸入領域となり、右側の半分が吐出領域となる。
前記ロータ4は、図1示すように、内部中心側から外方へ放射状に形成された7つのスリット4a内にそれぞれ7枚のベーン11が進退自在に摺動保持されていると共に、前記各スリット4aの基端部に前記吐出ポート8に吐出された吐出油圧を導入する断面ほぼ円形状の背圧室12がそれぞれ形成されている。
前記各ベーン11は、内側の各基端縁が前記一対のベーンリング6、6の外周面に摺接している共に、各先端縁が前記カムリング5の内周面5aに摺接自在になっている。また、各ベーン11間とカムリング5の内周面及びロータ4の内周面、ポンプハウジング1の底面1a、カバー2の内端面との間に複数のポンプ室13が液密的に隔成されている。前記各ベーンリング6は、前記各ベーン11を放射外方へ押し出すようになっている。
前記カムリング5は、加工容易な焼結金属によってほぼ円筒状に一体に形成され、外周面の前記カムリング基準線X上の図1中、右外側位置にピボット凸部5bが形成されており、このピボット凸部5bの中央位置には、前記ピボット孔1cに挿入位置決めされたピボットピン9が嵌挿して偏心揺動支点となる枢支孔5kが軸方向に沿って貫通形成されている。
また、カムリング5は、前記カムリング基準線Xからほぼ垂直上方向の位置に、前記第1シール摺接面5cとカムリング側のストッパ面18bを外周に形成するほぼ逆U字形状の第1突起部5gが形成されている一方、前記カムリング基準線Xから下方側の位置に、前記第2シール部材14などを保持するほぼ三角形状の第2突起部5hが設けられている。
前記第1シール摺接面5cは、ポンプハウジング1側の第1シール面1aの半径R1より微小に小さく設定され両者の微小隙間により絞りが形成されている。また、カムリング5側のストッハ面18bがポンプハウジング1側のストッハ面18aに当接することによってカムリング5の最大揺動位置が規制され、油圧上昇によりカムリング5が揺動し始める前の運転状態では前記両ストッパ面18a、18bの当接によって第1制御油室16aが良好にシールされポンプ内でのオイルのリークを最小限に抑えことができる。また、油圧上昇によりカムリング5が揺動しカムリング5側のストッパ面18bがハウジング1側のストッパ面18aから離間しても前記微小隙間の絞りにより内部リークは最小に抑えられる。
前記シール部材14は、例えば低摩耗性の合成樹脂材によってカムリング5の軸方向に沿って細長く形成されていると共に、カムリング5の前記第2突起部5hの外周面に形成された保持溝内に保持されていると共に、前記保持溝の底部側に固定されたゴム製の弾性部材15の弾性力によって前方へ、つまりシール面1bに押し付けられるようになっている。これにより、後述する第2制御油室16bの常時良好な液密性を確保するようになっている。
また、前記カムリング5は、図1及び図2に示すように、吐出ポート8におけるロータ4の回転方向端、及びロータ4の回転方向逆端の位置に、該カムリング5の内周側と制御油室16a、16bを連通する2つの連通溝5e、5eが形成されている。この連通溝5e、5eは、カムリング5の軸方向両側面に形成された切欠溝によって形成されている。
また、この連通溝5e、5eをピボット凸部5bの両側面に形成してもよいが、図7に示すように、ピボット部の強度を上げるために、ピボット凸部5bをより長くかつ大径に形成し、このピボット凸部5bの周辺において連通溝5e、5eを2つに分割することもできる。
前記制御油室16は、カムリング基準線Xを境として上方に形成された第1制御油室16aと、カムリング基準線Xの下方に形成された第2制御油室16bと、から構成されている。
前記第1制御油室16aは、前記カムリング5の外周面と前記ピボット凸部5b及び第1シール摺接面5c、第1シール面1aとの間にほぼ三日月状に隔成されている。また、この第1制御油室16aは、吐出ポート8から導入された吐出油圧によってカムリング5を、ピボットピン9を支点として図1の反時計方向へ揺動させることによってロ一タ4に対する偏心量を減少させる方向へ移動させるようになっている。
一方、前記第2制御油室16bは、前記カムリング5の外周面と前記ピボット凸部5b及び第2シール部材14、ポンプハウジング1の第2シール面1bとの間にほぼ三日月状に隔成されている。この第2制御油室16bは、吐出ポート8から導入された吐出油圧によってカムリング5を、ピボットピン9を支点として図1の時計方向へ揺動させることによってロータ4に対する偏心量が最大となる側へ押し戻す方向へ移動させるようになっている。
両制御油室16a、16bは、前述した範囲で形成されていることから、前記第1制御油室16a側からの油圧が作用するカムリング5の外側面の受圧面積は、前記第2制御油室16bからの油圧が作用するカムリング5の外側面の受圧面積よりも大きくなっている。
したがって、第1制御油室16a内の油圧によるカムリング5に対する押圧力が、前記第2制御油室16b内の反対の油圧によって僅かに相殺されて、結果として吐出油圧力によりカムリング5をピボットピン9を支点として反時計方向へ揺動させて偏心量を減少させようとする力は小さくなり、これに対向してカムリング5を時計方向へ付勢する後述の第1コイルばね20のばね力を小さく設定できる。
また、前記カムリング5は、筒状本体の外周面の前記ピボット凸部5bと反対側の位置に径方向外側に突出した延出部であるアーム17が一体に設けられている。このアーム17は、図1及び図2に示すように、前記カムリング5の筒状本体の前端縁から軸方向のほぼ中央位置まで延設された矩形板状のアーム本体17aと、該アーム本体17aの先端部側の上面に一体に形成された凸部17bと、を有している。
前記アーム本体17aは、前記凸部17bと反対側の下面に円弧曲面状の突起17cが一体に設けられている一方、前記凸部17bは、アーム本体17aに対してほぼ直角方向に延設されていると共に、その上面17dが曲率半径の小さな曲面状に形成されている。
また、前記ポンプハウジング1の前記ピボット孔1cと反対側の位置、つまり前記アーム17の上下位置には、図1中、下側の第1ばね収容室19と上側の第2ばね収容室21が同軸上に形成されている。
前記第1ばね収容室19は、ポンプハウジング1の軸方向に沿って延びたほぼ平面矩形状に形成され、底面19a付近の内周面に第1コイルばねの下端縁の第1ばね収容室19の底面19a外周縁のR部に対する当たりを防止する逃げ溝19bが形成されている。
前記第2ばね収容室21は、その長さが第1ばね収容室19よりも短く設定されていると共に、第1ばね収容室19と同じくポンプハウジング1の軸方向に沿って延びたほぼ平面矩形状に形成されている。また、その下端開口部21aの巾方向から対向して内端縁に互いに内方へ延出した細長い矩形板状の一対の係止部23、23が一体に設けられており、この両係止部23、23間の開口部21aを介して前記アーム17の凸部17bが前記ばね収容室21内に対して進入あるいは後退可能に形成されている。前記両係止部23、23は、後述する第2コイルばねの最大伸張変形を規制するようになっている。
また、第2ばね収容室21の上面21b付近及び前記係止部23,23付近の内面には、第2コイルばね22の上端縁と下端縁の第2ばね収容室21の上面縁部などに対する当たりを防止する逃げ溝21c、21dが形成されている。
前記第1ばね収容室19の内部には、前記アーム17を介して前記カムリング5を図1中、時計方向へ付勢する、つまりロータ4の回転中心と前記カムリング5の内周面の中心との偏心量が大きくなる方向へ前記カムリング5を付勢する付勢部材である第1コイルばね20が収容配置されている。
前記第1コイルばね20は、所定のばねセット荷重W1が付与されていて、上端縁が前記アーム本体17aの下面に有する円弧状突起17cに常時当接しつつ前記カムリング5における前記ロータ4の回転中心と前記カムリング5の内周面の中心との偏心量が大きくなる方向へ付勢している。
前記第2ばね収容室21には、前記アーム17を介して前記カムリング5を図1中、反時計方向へ付勢する付勢部材である第2コイルばね22が収容配置されている。
この第2コイルばね22は、上端縁22aがばね収容室21の底面上面21bに弾接していると共に、下端縁22bは図1に示すカムリング5の時計方向へ最大偏心移動位置から前記両係止部23、23に係止するまでの間に前記アーム17の凸部17bに弾接してカムリング5に反時計方向へ付勢力を付与するようになっている。
すなわち、第2コイルばね22にも、第1コイルばね20と対向する所定のばねセット荷重が付与されているが、このばねセット荷重W2は前記第1コイルばね20に与えられているばねセット荷重W1よりも小さく設定されており、第1コイルばね20と第2コイルばね22の各々のセット荷重の差によってカムリング5は初期位置(最大偏心位置)にセットされる。
具体的には、前記第1コイルばね20は、ばねセット荷重W1が付与された状態で常にアーム17を介してカムリング5を上方へ偏心させる方向、つまりポンプ室13の容積が大きくなる方向に付勢している。前記ばねセット荷重W1は、油圧がバルブタイミング制御装置の必要油圧P1のときにカムリング5が動き出す荷重である。
一方、第2コイルばね22は、前記カムリング5における、前記ロータ4の回転中心と前記カムリング5の内周面の中心との偏心量が所定以上となっているときは、前記アーム17に当接しているが、図5、図6に示すように、前記ロータ4の回転中心と前記カムリング5の内周面の中心との偏心量が所定未満となっているときは、前記各係止部23、23により圧縮された状態を保ったまま係止されて前記アーム17と非接触となる。また、第2コイルばね22が各係止部23、23によりアーム17への荷重が零になるカムリング5の揺動量における前記第1コイルばね20のセット荷重W2とは、油圧がピストンオイルジェットなどの必要油圧P2かもしくはクランク軸の最高回転時に必要油圧P3のときにカムリング5が動き出す荷重である。
なお、前記カムリング5とベーンリング6、制御油室16、第1、第2コイルばね20、22などによって可変機構が構成されている。
以下、本実施例の作用について説明する。これに先だって前記従来の内外二重のコイルばねを用いた可変容量形ポンプによる制御油圧と機関摺動部やバルブタイミング制御装置及びピストン冷却装置への必要油圧との関係を図8に基づいて説明する。
内燃機関で必要な油圧は、燃費の向上や排気エミッション対策として前記バルブタイミング制御装置を用いた場合には、この装置の作動源として前記オイルポンプの油圧が用いられることから、かかる装置の作動応答性を向上させるために機関低回転の時点から作動油圧は図8の破線bに示す高い油圧P1が要求される。またピントン冷却の為のオイルジェット装置などを用いた場合は機関中回転の時点で高い油圧P2が要求される。最高回転での必要油圧は主としてクランク軸の軸受部の潤滑に必要な油圧P3で決定される。したがって、内燃機関全体に必要な油圧は破線b、cを結んだ破線全体の特性になる。
ここで、内燃機関の中回転域要求油圧P2と高回転域の要求油圧P3は概ねP2<P3の関係であり、要求油圧P2とP3は近いことが多い。したがって図8の(エ)の域である中回転域から高回転域の間の油圧は回転が上昇しても油圧が上昇しないようにすることが望ましい。
ところが、前記従来の可変容量形ポンプにあっては、内燃機関の中回転から高回転域においてカムリングは2本のばねによって付勢される。すなわち、ばね定数が2本分でありカムリングが揺動しづらく、その制御油圧の特性が、前述のように、図8の実線aの(エ)に示す機関回転数の上昇に合った高い油圧になり、つまり、図8の斜線部分において油圧が必要以上に高くなり、動力損失を十分に抑制することができない。
これに対して、本実施例では、図9に示すように、まず、内燃機関の始動時から低回転域までは、ポンプ吐出圧はP1に達していないため、カムリング5のアーム17が第1コイルばね20と第2コイルばねのばね力差でハウジング1側のストッパ面18aに対するカムリング5側のストッパ面18bの当接によって作動停止状態になっている(図1参照)。
このとき、カムリング5の偏心量が最も大きくポンプ容量が最大となり、機関回転数の上昇に伴って吐出油圧が前記従来よりも急激に立ち上がり、図9の実線上の(ア)に示す特性となる。
続いて、さらなる機関回転数の上昇に伴いポンプ吐出油圧がさらに上昇しで図9のP1に達すると、制御油室16内の導入油圧が高くなって、カムリング5は、アーム17に作用する第1コイルばね20を庄縮変形させはじめて、ピボットピン9を支点として反時計方向へ偏心揺動する。
これによって、ポンプ容量が減少するため、吐出油圧の上昇特性も図9の(イ)の領域に示すように小さくなる。そして、図5に示すように、第2コイルばね22が前記係止部23、23により圧縮された状態を保ったまま係止され、アーム凸部17bの上面17dへ第2コイルばね22の荷重が加わらない状態までカムリング5が反時計方向へ揺動する。
この図5に示す状態では、この時点から第2コイルばね22の荷重がカムリング5に作用しなくなることから、吐出油圧がP2(制御油室16内の油圧P2)に達し第2コイルばね22のセット荷重W2に打ち勝つまでカムリング5は揺動できず保持された状態になる。したがって、機関の回転上昇とともに吐出油圧は、図9の(ウ)に示す立ち上がり特性となるが、カムリング5の偏心量が小さくなってポンプ容量が減少していることから、図9の前記(ア)に示すような急激な立ち上がり特性にはならない。
さらに機関回転数が上昇して吐出油圧がP2以上になると、カムリング5は、図6に示すように、アーム17を介して第1コイルばね20のセット荷重W2のばね力に抗して該第1コイルばね20を圧縮変形させながら揺動する。かかるカムリング5の揺動に伴ってポンプ容量がさらに減少して吐出油圧の上昇は小さくなり、図9の(エ)に示す特性の状態を維持したまま最高回転数に達する。
したがって、かかるポンプ高回転時における吐出油圧を要求油圧(破線)に十分に近付けることができることから、従来の可変容量形ポンプにおける図8の斜線部分で示すような油圧が必要以上に高くならずに、動力損失を効果的に抑制することができる。
図10は各コイルばね20、22の変位、あるいはカムリング5の揺動角とばねセット荷重W1、W2との関係を示している。すなわち、内燃機関の始動から低回転までの初期状態では、第1コイルばね20のセット荷重W1のばね力が付与されているため、セット荷重W1を越えるまでは変位できない。このセット荷重W1を越えると、第1コイルばね20は圧縮変位しその荷重を増させ、一方で第2コイルばね22は自由長へ近づきその荷重を減少させ、この結果、ばね荷重が増加する。この傾きがばね定数となる。
前記カムリング5の図5に示す位置では、第1コイルばね20のセット荷重W1となり、不連続的に大きくなるが、吐出油圧がセット荷重W1を越えると、第1コイルばね20は圧縮変位すると共に荷重が増加するが、作用するコイルばね力が1本になるので、ばね定数が減少して傾きが変化している。
以上のように、機関回転数が上昇して吐出油圧がP1に達したところでカムリング5が移動を開始しはじめて吐出油圧の上昇を抑制するが、カムリング5が図5に示す反時計方向へ所定の移動量に達したところで第2コイルばね22のばね力がなくなってばね定数が小さくなり、また、第1コイルばね20のばね荷重W1が非連続に大きくなることから、吐出油圧がP2に上昇した後に再びカムリング5の揺動が開始することになる。つまり、第1、第2コイルばね20、22の相対的なばね荷重が作用して、ばね特性が非線形状態になることから、カムリング5が特異な揺動変化となる。
このように、本実施例では、両コイルばね20、22のばね力の非線形特性によって吐出油圧の特性が図9の(ア)〜(エ)に示すような特性となり、前記制御油圧(実線)を必要油圧(破線)に十分に近づけることが可能になる。この結果、不必要な油圧上昇による動力損失を十分に低減することができる。
また、この実施例では、対向する第1、第2の2つのコイルばね20、22を用いたため、各ばね20,22セット荷重を吐出油圧の変化に応じて任意に設定することができるので、吐出油圧に最適なばね力をセットすることが可能になる。
しかも、前記アーム17が、第1コイルばね20の上端や第2コイルばね22の下端にプランジャなどを介して当接するのではなく、直接当接して押圧することから、構造が簡素化されると共に、部品点数の増加が抑制される。これによって、製造作業や組立作業が容易になると共にコストの低減化が図れる。
さらに、前記アーム17のアーム本体17aの突起17cや凸部17bの上面17dを円弧曲面状に形成したことから、カムリング5の揺動により第1、第2コイルばね20、22の上下端との接触角や接触点の変化を小さくすることができ、これによって、第1、第2コイルばね20、22の変位を安定化させることが可能になる。
また、この実施例では、前記吐出ポート8を介して吐出口から吐出される潤滑油を機関摺動部の他に、バルブタイミング制御装置の作動源として利用するが、前述のように、図9に記載した初期の吐出油圧(アの領域)の立ち上がりが良好になることから、機関始動直後のタイミングスプロケットとカムシャフトとの相対回転位相の遅角側あるいは進角側への作動応答性を向上させることができる。
また、可変動弁装置としては、バルブタイミング制御装置に限定されるものではなく、油圧を作動源とする、例えば、機関弁の作動角とリフト量を可変にするリフト可変機構などに適用することが可能である。
また、本実施例では、吐出行程におけるポンプ室13の吐出圧が第1制御油室16a及び第2制御油室16bを介してカムリング5を揺動させる力となっているため、ポンプ室13の圧力低下はカムリング5を安定して制御できなくなる場合がある。
しかし、前述した連通溝5e、5eは吸入工程から吐出工程へ油を輸送する各ベーン11とカムリング5の内周面5aとロータ4の外周面によって囲まれるポンプ室13からよりスムーズにオイルや特にオイルパン内にてオイルに混入した気泡を制御油室16へ導出し、つまり、オイルやエアが吐出される際にカムリング5の外側面を回り込む長さが減少することからカムリング5の内周面5aと制御油室16との圧力が一致し易くなりポンプ室13内の局部的な圧力低下を低減する。よってカムリング5を、エアが多量に混入する状況下でも安定して制御することできる。
〔第2実施例〕
図11及び図12は第2実施例を示し、ポンプ構成体などの基本構造は第1実施例と同様であるが、前記カムリング5の揺動支点と前記制御油室16の構成が異っている。
すなわち、前記カムリング5は、前述のピボットピン9が揺動支点となるのではなく、該カムリング5の制御油室16側の外面に設けられた凸状のピボット部5iがポンプハウジング1の内側面に形成されたU字形状のピボット溝1gに摺接自在に嵌合することによって揺動支持されるようになっている。
また、前記制御油室16は、図12に示すように、カムリング基準線Xより垂直上方のみに形成されており、つまり吐出ポート8の形状が前記第1制御油室16aで最大となり、ここから下方へ細長い三日月状の部位8bに形成されて、この部位8bがカムリング5の外周面に位置せず揺動に寄与しないようになっている。これによって、吐出ポート8から導入された吐出油圧によってカムリング5を、ピボット部5iを支点として反時計方向へ揺動させることによってロータ4に対する偏心量を減少させる方向へ移動させるようになっている。
したがって、この実施例では、前記ピボット部5iとピボット溝1gとの間で制御油室16の一方のシール性を確保している一方、前記カムリング5の第1シール摺接面5cに保持溝を形成し、この保持溝に第1実施例と同じシール部材14と弾性部材15が保持されて、制御油室16の他方側がシールされている。
この実施例は、内燃機関の要求油圧Pが低い場合やカムリング5の軸方向幅が小さい場合など、制御油室16(第1制御油室16a)からの入力が小さく、その入力に対してカムリング5を最大偏心量方向へ付勢する第1コイルばね20のセット荷重の設定の自由度が向上して精度良く設定することができる。
なお、この実施例では、カムリング5揺動支点であるピボット部5iを、カムリング5を半円凸形状に一体成形しているが、ピボット部5iを半円凹形状にし、ここにピボットピンを挿入する構成とすることも可能である。
また、前記制御油室16の機密性を確保するためにシール部材14を設置しているが、内燃機関の要求油圧特性が満足できれば、コスト削減のためシール部材を削減することも可能である。
〔第3実施例〕
図13及び図14は第3実施例を示し、この実施例では、第1コイルばね20と第2コイルばね22の配設位置を変更したものである。
すなわち、ポンプハウジング1の前記第2制御油室16aに対応した位置に、第1ばね収容室19が形成されている一方、垂直上方位置に第2ばね収容室21がそれぞれ形成されている。
前記第1ばね収容室19内に収容された第1コイルばね20は、一端部が底面19aに弾接し、他端部がカムリング5の図13中、下部の右側面5jに右傾斜方向から直接弾接して、カムリング5を偏心量が大きくなる方向へ付勢している。
第1ばね収容室21に収容された第2コイルばね22は、一端部が底面21aに弾接し、他端部がカムリング5の上端部に一体に設けられた突起部30に直接弾接して、カムリング5を偏心量が小さくなる方向へ付勢している。また、前記第1ばね収容部21は、第1実施例と同じく、開口部21aの内面に、カムリング5が反時計方向へ所定量揺動した際に前記第2コイルばね22の他端部が係止してカムリング5に対するばね力を作用させない係止部23,23が一体に形成されている。前記突起部30は、上面30aが第1実施例と同じく曲率半径が小さい曲面状に形成されている。
また、前記カムリング5は、第1実施例と同じくピボットピン9を中心に揺動自在に支持されている。
制御油室16は、第1実施例と同じく2つの第1,第2制御油室16a、16bによって構成されている。
したがって、この実施例によれば、前記第1、第2コイルばね20、22及び第1、第2制御油室16a、16b内の吐出油圧によって、第1実施例と同様な作用効果が得られるばかりか、各ばね収容室19,21の特異な形成位置及びカムリング5はアームを介さずに各コイルばね20、22に直接的に押圧付勢されることから、ポンプ全体の小型化が図れると共に、構造が簡素化されて製造作業が容易になり、コストの点でも有利になる。
本発明は、前記各実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、前記ばね収容室19,21の配置をさらに変更することも可能である。
また、両コイルばね20,22のセット荷重は、それぞれポンプの仕様や大きさに応じて自由に設定することが可能であると共に、そのコイル径や長さも自由に変更することができる。
また、この可変容量形ポンプを、内燃機関以外の油圧機器類等に適用することも可能である。
前記実施形態から把握される前記請求項以外の発明の技術的思想について以下に説明する。
〔請求項a〕請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記カムリングの外周には、径方向に延出した延出部が設けられ、該延出部における前記カムリングの移動方向の両側に前記第1コイルばねと第2コイルばねがそれぞれ配置されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項b〕請求項aに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第2コイルばねは、前記ハウジングに設けられかつ長手方向の長さが前記第2コイルばねの自由長よりも短い第2ばね収容室内に配置されていると共に、
前記延出部の前記第2コイルばね側の端面には、前記第2コイルばね側に突出した押圧部が設けられ、
前記第2ばね収容室には、前記押圧部が挿入可能な開口部が形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項c〕請求項bに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記延出部を挟んだ前記第2ばね収容室と反対側の対向した位置には、前記第1コイルばねが収容される第1ばね収容室が配置されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項d〕請求項cに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記ハウジングは、ハウジング本体と、該ハウジング本体に固定された少なくとも1つの前記側壁部とによって構成され、
前記第1ばね室と第2ばね室及び開口部は、前記ハウジング本体の側壁内に形成されていると共に、開口された前端側が前記側壁部によって閉塞されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項e〕請求項dに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第1ばね収容室及び/または前記第2ばね収容室の前記各コイルばねの一端側が弾接する座面の周囲には円環溝状の拡径部が形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
前記拡径部によってコイルばねの一端側の座面に対する着座性が良好になる。
〔請求項f〕請求項cに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記カムリングは、前記ロータの回転中心を挟んで前記延出部と反対側に設けられた揺動支点を中心に揺動自在に設けられていると共に、
前記延出部の前記第1コイルばねと対向する位置には、曲面状の突起が設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
伸縮変形時において第1コイルばねが傾いても前記突起によって前記傾きを吸収する形となることから、前記延出部に対する付勢方向の均一化を図れる。
〔請求項g〕請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記制御油室は、前記カムリングとハウジングとの間に2つ形成され、前記ロータの回転中心に対するカムリングの偏心量を小さくする側の一方の制御油室の受圧面積が、前記カムリングの偏心量を大きくする側の他方の制御油室の受圧面積よりも大きく設定されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項h〕請求項gに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記カムリングは、前記ロータの回転中心を挟んで前記延出部の反対側に設けられた枢支ピンを中心として揺動自在に支持されていると共に、
前記制御油室は、前記枢支ピンを中心とした前記カムリングの揺動方向の両側に渡って連続して設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項i〕請求項hに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記ロータの回転中心に対する前記カムリングの偏心量を小さくする側の前記カムリング外周面に突設された第1シール部と、前記カムリングの偏心量を大きくする側のカムリング外周面に突設された第2シール部と、を備え、
前記ハウジングの内周面と前記第1シール部及び第2シール部とによって円弧状の2つのシール面を形成し、該各シール面を介して前記制御油室を隔成したことを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項j〕請求項iに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記ロータの回転中心に対する前記カムリングの偏心量が最大となっている状態で、前記第1シール部と前記ハウジングの内周面が当接して形成される第1シール面を備えていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項k〕請求項iに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第1シール部と第2シール部を介して前記各シール面で隔成される前記制御油室以外の前記カムリングの外周面と前記ハウジングの内周面との間には、吸入圧が導かれることを特徴とする可変容量形ポンプ。
制御油室以外の部位には低圧な吸入圧が導入されることから、前記制御油室以外の部位からのオイルのリークを十分に抑制できる。
〔請求項l〕請求項jに記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第2シール部とハウジングの内周面との間には、シール部材が設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
一方側のシール面に対してのみシール部材を設け、他方側にはシール部材を設けないようにしたことから、コストの低減化が図れる。
〔請求項m〕請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記ハウジングはアルミニウム合金材によって形成され、前記カムリングは鉄系金属によって形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項n〕請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記作動油室で加圧されたオイルは、前記制御油室を経由して外部に吐出されることを特徴とする可変容量形ポンプ。
〔請求項o〕請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、
前記第2付勢部材は、ストッパによって最大伸張変形が規制された状態では前記可動部材に付勢力が作用しないようになることを特徴とする可変容量形ポンプ。
1…ポンプハウジング
1a…第1シール面
1b…第2シール面
1c…ピボット孔
1f…給油溝
1s…ハウジング底面
2…ポンプカバー
3…駆動軸
4…ロータ
5…カムリング
5b…ピボット凸部
5c…第1摺接面
5e…連通溝
7…吸入ポート
8…吐出ポート
9…ピボットピン
10…給油溝
11…ベーン
12…背圧室
13…ポンプ室
14…シール部材
15…弾性部材
16…制御油室
16a…第1制御油室
16b…第2制御油室
17…アーム
17a…アーム本体
17b…凸部
17c…下面の突起
17d…上面
18a…ポンプハウジング側のストッパ面
18b…カムリング側のストッパ面
19…第1ばね収容室
20…第1コイルばね
21…第2ばね収容室
22…第2コイルばね
23…係止部

Claims (3)

  1. 回転駆動されるロータと、
    該ロータが回転駆動されることによって複数の作動油室の容積が変化して吸入部から前記作動油室に導入されたオイルを吐出部から吐出するポンプ構成体と、
    前記オイルの吐出油圧によって可動部材が可動することによって、前記吐出部に開口する前記作動油室の容積を変化させる可変機構と、
    前記作動油室の容積変化量が大きくなる方向へ前記可動部材を付勢すると共に、予めセット荷重が付与された第1コイルばねと、
    前記作動油室の容積変化量が所定以上大きくなる方向へ前記可動部材が移動した状態では、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ前記第1コイルばねよりも小さな付勢力で前記可動部材を付勢し、前記作動油室の容積変化量が所定未満に小さくなる方向へ前記可動部材が移動した状態では、ばね荷重が保持された状態で前記可動部材に付勢力が作用しないように設けられていると共に、予めセット荷重が付与された第2コイルばねと、
    吐出圧が導かれることによって前記第1コイルばねの付勢力に抗して前記可動部材を移動させる制御油室と、
    を備えると共に、
    前記ロータの回転が低回転域までは、前記第1コイルばねと第2コイルばねの付勢力の差分で前記作動油室の容積変化量が最も大きくなるように前記可動部材の状態を維持し、
    この状態から前記ロータの回転が上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が第1コイルばねと第2コイルばねの差分に付勢力に打ち勝って、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ移動し、
    前記ロータの回転がさらに上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が前記第2コイルばねの付勢力が作用しなくなるまで移動して、その状態を維持し、
    前記ロータの回転がさらに上昇すると、前記制御油室内の油圧が上昇して、前記可動部材が前記第1コイルばねの付勢力に打ち勝って、前記作動油室の容積変化量が小さくなる方向へ移動するように構成され、
    前記可動部材には、径方向に延出した延出部が設けられ、該延出部における前記可動部材の移動方向の両側に前記第1コイルばねと第2コイルばねがそれぞれ配置されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
  2. 請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記第2コイルばねは、長手方向の長さが前記第2コイルばねの自由長よりも短い第2ばね収容室内に配置されていると共に、
    前記延出部の前記第2コイルばね側の端面には、前記第2コイルばね側に突出した押圧部が設けられ、前記第2ばね収容室には、前記押圧部が挿入可能な開口部が形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
  3. 請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、
    前記延出部を挟んだ前記第2ばね収容室と反対側の対向した位置には、前記第1コイルばねが収容される第1ばね収容室が配置されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。
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