JP5355344B2 - 落雷電荷評価システム、落雷判定方法、落雷電荷評価方法 - Google Patents

落雷電荷評価システム、落雷判定方法、落雷電荷評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、電界波形データ及び磁界波形データに基づき落雷電荷量を算出するシステムにおける降雨等の影響による誤作動を防止する方法に関する。
落雷は送電設備等に被害を及ぼすことから、従来より、雷の接近を検知するための装置が提案されている。また、本願出願人らは、落雷は電荷量が大きいほど、被害の程度も大きくなることから、電界及び磁界を測定し、測定した電界波形データ及び磁界波形データに基づき、落雷の電荷量を算出する装置を提案している(例えば、特許文献1、2参照)。このような装置では、電界波形データに大きな変化が生じた場合に、この変化が落雷によるものか否かを、その変化の変化量及び勾配に基づいて判定している。
特開2007―315910号公報 特開2007―315911号公報
ここで、降雨時や積雪時等には雷が接近していなくても、あるいは落雷がない時間帯であっても、電界センサにより測定された電界波形データが大きく変化することがある。この場合、装置がこのようなデータ変化に基づき落雷が発生したと誤判定してしまい、不要な電界波形データ及び磁界波形データの取込みや落雷の電荷量の演算を行ってしまう。さらに、このような不要なデータの取込みや演算を行っている間は、新たにデータの取込みや演算を行うことができず、この間に発生した落雷の電荷量を算出できなくなる。
本発明は、上記の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、落雷電荷量を評価するシステムにおいて、電界波形データに生じた変化が、落雷による変化か否かを正確に判定できるようにすることである。
本発明の落雷電荷評価システムは、落雷発生時の落雷電荷を算出する落雷電荷評価システムであって、測定対象地点における電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データを取得するデータ取得手段と、前記データ取得手段により取得された電界波形データ又は磁界波形データに所定の勾配以上の変化が観測されると、前記変化を含む所定期間の前記電界波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定する落雷判定手段と、前記落雷判定手段により前記変化が落雷によるものであると判定された場合に、前記電界波形データ及び磁界波形データに基づき、落雷電荷を算出する落雷電荷算出手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の落雷判定方法は、電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データにおける所定の勾配以上の変化が落雷によるものか否かを判定する方法であって、前記変化を含む所定期間における前記落雷波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定することを特徴とする。
また、本発明の落雷電荷評価方法は、落雷発生時の落雷電荷を算出する落雷電荷評価方法であって、測定対象地点における電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データを取得するデータ取得ステップと、前記データ取得ステップにおいて取得した電界波形データ又は磁界波形データに所定の勾配以上の変化が観測されると、前記変化を含む所定期間の前記電界波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定する落雷判定ステップと、前記落雷判定ステップにおいて、前記変化が落雷によるものであると判定された場合に、前記電界波形データ及び磁界波形データに基づき、落雷電荷を算出する落雷電荷算出ステップとを備えることを特徴とする。
落雷により電界波形データに変化が発生した場合には、この変化を含む微小時間における電界波形データと磁界波形データの相関係数は非常に大きいが、降雨等により電界波形データに変化が発生した場合には、この変化を含む微小時間における電界波形データと磁界波形データの相関係数は小さい。このため、本発明によれば、電界波形データ及び磁界波形データの相関係数に基づき電界波形データに生じた変化が落雷によるものか否かを判定するため、降雨・降雪等によるノイズによる誤作動の発生を防止できる。
(A)は、落雷が発生した際の電界及び磁界の時間変化の一例を示すグラフであり、(B)は、(A)におけるI部を時間軸を拡大して示すグラフである。 (A)は、降雨時の電界及び磁界の変化の一例を示すグラフであり、(B)は、(A)におけるI部を時間軸を拡大して示すグラフである。 (A)は、図1(B)におけるII部を時間軸を拡大して示すグラフであり、(B)はこの範囲の電界と磁界の相関を示すグラフである。 図4(A)は、図2(B)におけるII部を時間軸を拡大して示すグラフであり、(B)はこの範囲の電界と磁界の相関を示すグラフである。 落雷電荷評価装置を含むシステムの全体構成図である。 リーダ発生時点の判定方法を説明するための図である。 ΔEを求める方法を説明するための図である。 落雷電荷量を算出する流れを示すフローチャートである。
以下、本発明の落雷電荷量評価システムの一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1(A)は、落雷が発生した際の電界及び磁界の時間変化(以下、夫々電界波形データ及び磁界波形データという)の一例を示すグラフであり、(B)は、(A)におけるI部を時間軸を拡大して示すグラフである。なお、図中、EW磁界は東西方向の磁界の強度を示し、NS磁界は南北方向の磁界の強度を示す。同図に示すように、落雷発生時には、0.1秒程度の間に、電界波形データに大きな勾配かつ大きな変化量の変化(図に示す例では低下)が生じている。なお、以下、このような波形の大きな勾配で変化した部分をピークという。
また、図2(A)は、降雨時の電界及び磁界の変化の一例を示すグラフであり、(B)は、(A)におけるI部を時間軸を拡大して示すグラフである。同図に示すように、降雨時においても、0.1秒程度の間に電界波形データに大きな勾配かつ大きな変化量の変化(図に示す例では低下)が生じている。
したがって、従来の落雷電荷量評価システムのように、電界波形データの変化量及び勾配に基づき落雷の発生の有無を判定する方法では、降雨・降雪時等のノイズで誤作動してしまうという問題があった。
そこで、本願発明者は、上記の落雷時及び降雨時における電界波形データ及び磁界波形データのピークをさらに時間軸を拡大して検討を行った。図3(A)は、図1(B)におけるII部を時間軸を拡大して示すグラフであり、(B)はこの範囲の電界と磁界の相関を示すグラフである。また、図4(A)は、図2(B)におけるII部を時間軸を拡大して示すグラフであり、(B)はこの範囲の電界と磁界の相関を示すグラフである。図3に示すように、落雷時の電界波形データ及び磁界波形データには数百μs程度の微小時間内に大きなピークと振動が生じており、電界波形データ及び磁界波形データのピークと振動は、磁界波形データの上昇時には電界波形データが下降し、磁界波形データの下降時には電界波形データが上昇する対応関係がみられる。これに対して、降雨時の電界波形データ及び磁界波形データは微小時間(数百μs)内では略一定の値となっている。なお、図3に示すデータでは、磁界波形データと電界波形データとは正負反対の対応関係となっている場合について示しているが、磁界波形データと電界波形データの正負が同じ対応関係となっている場合もある。
そこで、これら落雷時及び降雨時のピークを含む微小時間(ピーク前0.1ms〜ピーク後0.3ms)の電界波形データと磁界波形データの相関係数を算出したところ、落雷時の相関係数は−0.87と非常に大きな値(絶対値)が得られたが、降雨時の相関係数は−0.086と非常に小さな値であった。このため、ピークを含む微小時間における電界波形データと磁界波形データの相関係数に基づき、ピークが落雷によるものか否かを判定することができる。
上記の検討をふまえ、本願出願人らは、以下に説明する落雷電荷量評価システムを提案する。
図5は、本発明の一実施形態である落雷電荷評価装置2を含むシステム1の全体構成図である。同図に示すように、本実施形態の落雷電荷評価装置2には、雷放電位置標定装置40と、複数の計測子局10とが接続されている。
計測子局10は、電界計測部12及び磁界計測部14を備えており、雷の監視対象地域に例えば数十km程度の間隔で各地に配置される。電界計測部12は、計測子局10の設置地点での電界を計測し、電界の時間変化を示すデータ(以下、電界波形データという)を生成する。また、磁界計測部14は、計測子局10の配置された地点での磁界を計測し、磁界の時間変化を示すデータ(以下、磁界波形データという)を生成する。そして、これらの電界波形データ及び磁界波形データは、当該計測子局10の識別情報と共に、落雷電荷評価装置2へ伝送される。
また、雷放電位置標定装置40は、雷放電から放射される電磁波を複数の地点で受信し、それらの受信した電磁波を解析することにより、落雷位置を標定する機能を有する周知の装置であり、その詳細は、例えば、岸本保夫、「雷観測システムおよび雷保護規格の最新動向」、[online]、NTTファシリティーズ総合研究所、[平成21年6月17日検索]、インターネット<URL:http://www.ntt-fsoken.co.jp/research/pdf/2005_kish.pdf>等に記載されている。雷放電位置標定装置40により標定された落雷位置を示す情報は、落雷電荷評価装置2へ伝送される。
図5に示すように、落雷電荷評価装置2は、データ取得部20、落雷判定部21、データ読込部22、落雷位置取得部28、落雷発生時点検知部23、リーダ検知部24、リーダ進展時間算出部25、電荷高度算出部26、及び、落雷電荷算出部27の各機能部と、一時記憶部31と、CRTや液晶等のディスプレイ装置である表示装置30とを備えている。なお、落雷電荷評価装置2は、例えば、コンピュータシステムにより構成され、一時記憶部31は例えば、メモリ上に構築され、また、上記機能部20〜30はコンピュータのCPUがハードディスク装置などの記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
データ取得部20は、計測子局10から伝送されてきた電界波形データ及び磁界波形データを取得する。データ取得部20が取得した電界波形データ及び磁界波形データは、一時記憶部31に記録される。
一時記憶部31は、データ取得部20が取得した電界波形データ及び磁界波形データを所定の時間分記憶しており、これらデータは常時更新される。
落雷判定部21は、データ取得部20が取得した磁界波形データ及び電界波形データに基づいて、落雷の発生の有無を判定し、落雷発生時点を検知する。以下、落雷の発生の有無の判定方法を説明する。
落雷判定部21には、予め、後述する判定の基準値となる基準相関係数が設定されている。なお、この基準相関係数は、落雷時に観測された磁界波形データ及び電界波形データの短時間に急激に大きさが変化するピークを含む所定時間(例えば、ピークを0msとして、−0.1ms〜0.3ms)の相関係数の絶対値に基づき設定された基準値(例えば、強い相関があるといえる0.7)である。
落雷判定部21は、電界波形データにおいて、短時間に急激に大きさが変化するピークが生じた場合に、具体的には、判定基準値としてメモリに記憶されている所定の勾配で、所定の強度を超える急峻な電界変化が生じた場合に、上記の所定時間の電界波形データと磁界波形データの相関係数の絶対値を算出する。そして、算出した相関係数の絶対値が基準相関係数以上の場合には、ピークは落雷によるものと判定し、相関係数の絶対値が基準相関係数未満の場合には、ピークは降雨・降雪等のノイズによるものであり、落雷は発生していないと判定する。なお、本実施形態では、所定の勾配で、所定の強度を超える急峻な電界変化が生じた場合に、相関係数の絶対値を算出しているが、これに限らず、所定の勾配以上の電界変化が生じた場合に、相関係数の絶対値を算出してもよい。
データ読込部22は、落雷判定部21により落雷が発生したと判定された場合に、一時記憶部31より電界波形データ及び磁界波形データを取得する。
また、落雷位置取得部28は、雷放電位置標定装置40から伝送されてきた落雷位置情報を取得する。
落雷発生時点検知部23は、落雷が発生したと判定した場合には、ピークが現れた場合に、そのピークの発生時点を、落雷発生時点とする。より具体的には、所定の勾配を超える急峻な電界変化が生じた時点を、落雷発生時点とする。
リーダ検知部24は、落雷判定部21により落雷が発生したと判定された場合に、データ読込部22が取得した磁界波形データに基づいて、落雷発生に先行して起こるリーダの発生時点を検知する。なお、リーダとは、落雷発生前に、放出された一部の雷電荷が放電する前駆現象であり、雷雲から生じたリーダが地上に向けて進展することにより落雷に至ることとなる。リーダ検知部24は、落雷発生時点検知部23が検知した落雷発生時点より前の所定期間における電界波形データ又は磁界波形データを参照し、その期間内で磁界波形に、短時間の間に電界の大きさの急激な変化やピークが現れた場合に、急激な変化やピークの発生時点を、リーダ発生時点であると判定する。より具体的には、落雷発生時点を判定する場合と同様に、所定の勾配かつ所定の強度を超える急峻な電界変化あるいは磁界変化が生じた時点を、リーダ発生時点と判定する。図6に示すように、数十マイクロ秒程度の微小時間の間に電界の大きさが急激に変化するピークが現れた場合に、においては、符号Xの時点がリーダ発生時点と判定される。なお、図6では、電界波形のピークは符号A,B,C,D等で示すように、複数回生じているが、これは、1回の落雷が複数回の放電に分かれて起きることによるものである。
リーダ進展時間算出部25は、リーダ検知部24が検知したリーダ発生時点から、落雷発生時点検知部23が検知した落雷の発生時点までの時間をリーダ進展時間として算出する。
電荷高度算出部26は、リーダ進展時間算出部25で算出されたリーダ進展時間と、リーダ進展速度とに基づいて落雷電荷の高度を算出する。上述のように、雷雲から放出されたリーダが地表に向けて進展して、地上に到達することにより落雷が発生するのであるが、その際にリーダが雷雲から地表に向けて進展する際の速度がリーダ進展速度であり、一般に、0.2m/μsである。したがって、電荷高度算出部26は、リーダ発生時点から落雷時点までの時間であるリーダ進展時間に、リーダ進展速度を乗ずることにより、落雷電荷の高度(地上からの高さ)を求めることができる。
落雷電荷算出部27は、上記のように電荷高度算出部26で求めた落雷電荷の高さと、落雷位置取得部28が取得した落雷発生位置と、データ取得部20が取得した電界波形データとに基づいて落雷電荷量を算出する。
一般に、雷の電荷に関して、雷の有する電荷量Q(C)は次式(1)で表されることが知られている。
ただし、πは円周率、ε0は空気の誘電率であり、ΔE(V/m)は落雷の前後での電界の変化量、D(m)は落雷が地上に到達した落雷地点から観測地点までの水平距離、H(m)は雷発生直前の電荷の高度を示している。
落雷電荷量Qを求めるのに必要なパラメータのうち、落雷電荷の高さHは、上記のように、電荷高度算出部26により算出でき、距離Dは、電界波形データ及び磁界波形データの送信元である計測子局10の位置情報と、落雷位置取得部28が取得した落雷位置情報とから算出できる。また、落雷による電界変化ΔEは電界波形データから求めることができる。なお、落雷電荷評価装置2は、各計測子局10の識別情報と、位置情報との対応関係を保持するデータベースを備えており、電荷高度算出部26は、電界波形データ及び磁界波形データと共に送られてきた識別情報に基づき、上記データベースを参照して、計測子局10の位置情報を取得することができる。
以下において、電界波形データから落雷による電界変化ΔEを求める手法について説明する。
図7は、落雷が発生したときの電界及び磁界の波形を、上記図6よりも時間スケールを千倍程度に拡大して示す図である。一般に、落雷は電荷が複数回に分けて地上に放電して起こることが多く、図6に示す電界波形にも、複数回の放電に対応する複数回の変化が生じている。このうち、同図の電界波形に現れる電界変化ΔE1、ΔE2、ΔE3、ΔE5、ΔE6、ΔE7は急峻に立ち上がっており、落雷に伴う電界変化であると判断できる。これに対して、電界変化ΔE4は、比較的小さな緩やかな勾配で電界が上昇することにより生じている。このような緩やかな電界の変化は、ノイズによって生ずることもあり、この電界変化ΔE4は落雷による放電によるものかどうか、電界波形から直ちに判定することは困難である。
これに対して、本実施形態では、落雷電荷算出部27は、以下のように、磁界波形データを参照することにより、電界変化ΔE4のような緩やかな変化が落雷によるものか否かを正確に判定できるようにしている。
本願出願人らが行った調査・研究によると、落雷により電界変化が生じている間、図7に符号S1、S2、S3、S5、S6、S7等で示すように、磁界も間欠的に変化することが分っている。そこで、落雷電荷算出部27は、上記電界変化ΔE4のように緩やかな電界変化が生じている期間の磁界波形データにノイズレベルを超える変化が生じているか否かを判定し、磁界に変化が生じていれば(図7においては、符号S4)、当該電界変化は落雷による電界変化であると判断する。そして、落雷による最初に電界変化(図7の例では、ΔE1)が起きる直前の電界の値(以下、電界初期値E0という)から、最後の電界変化(図7の例ではΔE7)が終了した時点での電界の値(以下、落雷後電界値Eeという)までの電界変化量Etotal(=Ee−E0)を落雷による電界変化ΔEとし、これを(1)式に代入して、落雷電荷量Qを算出する。なお、ここでは、図7に示す電界変化ΔE7の後、一定時間をおいても落雷による電界変化が現れていなかったものとして、このΔE7を今回の落雷による最後の電界変化であると判断している。
落雷電荷算出部27は、落雷による電界変化であると判定された最初の電界変化の直前の電界値(すなわち電界初期値E0)と、落雷による電界変化であると判定された最後の電界変化の直後の電界値(すなわち落雷後電界値Ee)との差を落雷による電界変化量ΔEとして求める。
そして、落雷電荷算出部27は、上記求めた電界変化量ΔEと、電荷高度算出部26により求められた電界高度Hと、計測子局10の位置情報と、落雷位置取得部28が取得した落雷位置情報とから算出される距離Dとを(1)式に代入することにより、落雷電荷量Qを計算する。
表示装置30は、落雷高度算出部30で算出した落雷高度や、落雷電荷算出部27で算出した落雷電荷を表示し、必要に応じて、データ取得部20で取得したデータと、落雷位置取得部28で取得した位置情報も表示する。
以下、落雷電荷量評価システム1により、落雷電荷量を算出する流れを図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
常時、計測子局10の電界計測部12及び磁界計測部14が、それぞれ設置された地点での電界及び磁界を測定し、電界及び磁界に応じた電界波形データ及び磁界波形データを落雷電荷量評価装置1へ送信する。そして、落雷電荷量評価装置1は、データ取得部20により電界波形データ及び磁界波形データを取得し、取得された電界波形データ及び磁界波形データは一時記憶部31に一時的に記録され、常時更新される。
落雷電荷量評価装置1は、常時、落雷判定部21により電界波形データを監視し(STEP100)、電界波形データにおいてピークを観測すると(STEP102)、落雷判定部21によりこのピークが落雷によるものか否かを判定する(STEP104)。すなわち、まず、ピークを含む所定時間の電界波形データと磁界波形データの所定時間の相関係数の絶対値を算出し、算出した相関係数の絶対値が基準相関係数よりも大きい場合には落雷によるものと判定し、算出した相関係数の絶対値が基準相関係数よりも小さい場合には、落雷以外の原因によるものと判定する。
STEP104において、落雷判定部21により落雷以外の原因によるものと判定された場合には、STEP100に戻り、電界波形データを監視する。
また、STEP104において、落雷判定部21によりピークが落雷によるものと判定された場合には、データ読取部22が一時記憶部31より所定の時間長さの電界波形データ及び磁界波形データを読み込む(STEP106)。
次に、落雷発生時点検知部23により、電界波形データに所定の勾配を超える急峻な電界変化が生じた時点を落雷発生時点とする(STEP108)。
次に、リーダ検知部24により、データ読込部22が取得した磁界波形データに基づいて、落雷発生に先行して起こるリーダの発生時点を検知する(STEP110)。
次に、リーダ進展時間算出部25により、リーダ検知部24が検知したリーダ発生時点から、落雷発生時点検知部23が検知した落雷の発生時点までの時間をリーダ進展時間として算出する(STEP112)。
次に、電荷高度算出部26により、リーダ進展時間算出部25で算出されたリーダ進展時間と、リーダ進展速度とに基づいて落雷電荷の高度を算出する(STEP114)。
次に、落雷位置取得部28により、落雷発生位置を取得する(STEP116)。
次に、落雷電荷算出部27は、電荷高度算出部26により算出された落雷電荷の高度と、落雷位置取得部が取得した落雷発生位置と、データ読込部22が一時記憶部31から読み込んだ電界波形データとに基づいて落雷電荷量を算出する(STEP118)。
このようにして算出された落雷電荷量は、データ読込部22が読み込んだ電界波形データ及び磁界波形データや、落雷位置取得部28が取得した位置情報ともに表示装置30により画面表示する(STEP120)。
以上説明したように、本実施形態によれば、電界波形データ及び磁界波形データのピークを含む部分の相関係数を算出し、これに基づきピークが落雷によるものか否かを判定している。これにより、降雨によりピークが生じた場合には算出される相関係数は低く、落雷によるものと判定されないため、確実に、落雷時のみの落雷電荷量のデータを取得することができる。
1 システム 2 落雷電荷評価装置
10 計測子局 12 電界計測部
14 磁界計測部 20 データ取得部
21 落雷判定部 22 データ読込部
23 落雷発生時点検知部 24 リーダ検知部
25 リーダ進展時間算出部 26 電荷高度算出部
27 落雷電荷算出部 28 落雷位置取得部
30 表示装置 31 一時記憶部
40 雷放電位置標定装置

Claims (3)

  1. 落雷発生時の落雷電荷を算出する落雷電荷評価システムであって、
    測定対象地点における電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データを取得するデータ取得手段と、
    前記データ取得手段により取得された電界波形データ又は磁界波形データに所定の勾配以上の変化が観測されると、前記変化を含む所定期間の前記電界波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定する落雷判定手段と、
    前記落雷判定手段により前記変化が落雷によるものであると判定された場合に、前記電界波形データ及び磁界波形データに基づき、落雷電荷を算出する落雷電荷算出手段とを備えることを特徴とする落雷電荷評価システム。
  2. 電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データにおける所定の勾配以上の変化が落雷によるものか否かを判定する方法であって、
    前記変化を含む所定期間における前記落雷波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、
    前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定することを特徴とする落雷判定方法。
  3. 落雷発生時の落雷電荷を算出する落雷電荷評価方法であって、
    測定対象地点における電界及び磁界の時間変化を示す電界波形データ及び磁界波形データを取得するデータ取得ステップと、
    前記データ取得ステップにおいて取得した電界波形データ又は磁界波形データに所定の勾配以上の変化が観測されると、前記変化を含む所定期間の前記電界波形データ及び磁界波形データの相関係数を算出し、前記算出した相関係数の絶対値が所定の基準相関係数よりも大きい場合には、前記変化が落雷によるものであると判定する落雷判定ステップと、
    前記落雷判定ステップにおいて、前記変化が落雷によるものであると判定された場合に、前記電界波形データ及び磁界波形データに基づき、落雷電荷を算出する落雷電荷算出ステップとを備えることを特徴とする落雷電荷評価方法。
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