以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明は、ブラックの画像形成部で発生する回収トナーと回収現像剤とが回収容器まで別々に搬送される限りにおいて、実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、二成分現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置であれば、タンデム型/1ドラム型、中間転写型/直接転型の区別無く実施できる。本実施形態では、トナー像の形成/転写に係る主要部のみを説明するが、本発明は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1、2に示される画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<画像形成装置>
図1は画像形成装置の構成の説明図である。図2は回収現像剤と回収トナーの搬送機構の説明図である。図3は回収容器の機体内の配置を示す平面図である。
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト5に沿って各色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdを配列したタンデム型中間転写方式のフルカラープリンタである。中間的な転写媒体に沿って無彩色の画像形成部とともに有彩色の画像形成部を複数配置している。
画像形成部Paでは、感光ドラム1aにイエロートナー像が形成されて中間転写ベルト5に一次転写される。画像形成部Pbでは、感光ドラム1bにマゼンタトナー像が形成されて中間転写ベルト5のイエロートナー像に重ねて一次転写される。画像形成部Pc、Pdでは、それぞれ感光ドラム1c、1dにシアントナー像、ブラックトナー像が形成されて同様に中間転写ベルト5に順次重ねて一次転写される。
中間転写ベルト5に一次転写された四色のトナー像は、二次転写部T2へ搬送されて記録材Pへ一括二次転写される。四色のトナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置16で加熱加圧を受けて表面にトナー像を定着された後に、積載トレイ17へ排出される。
中間転写ベルト5は、テンションローラ63、駆動ローラ61、及び対向ローラ62に掛け渡して支持され、駆動ローラ61に駆動されて所定のプロセススピードで矢印R2方向に回転する。
記録材カセット12から引き出された記録材Pは、分離ローラ13で1枚ずつに分離して、レジストローラ14へ送り出される。レジストローラ14は、停止状態で記録材Pを受け入れて待機させ、中間転写ベルト5のトナー像にタイミングを合わせて記録材Pを二次転写部T2へ送り込む。
二次転写ローラ10は、対向ローラ62に支持された中間転写ベルト5に当接して二次転写部T2を形成する。二次転写ローラ10に正極性の直流電圧が印加されることによって、負極性に帯電して中間転写ベルト5に担持されたトナー像が記録材Pへ二次転写される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、静電像の現像に用いるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外は、ほぼ同一に構成される。以下では、画像形成部Paについて説明し、他の画像形成部Pb、Pc、Pdについては、説明中の符号末尾のaを、b、c、dに読み替えて説明されるものとする。
画像形成部Paは、感光ドラム1aの周囲に、コロナ帯電器2a、露光装置3a、現像装置4a、一次転写ローラ6a、クリーニング装置19aを配置している。
感光ドラム1aは、アルミニウムシリンダの外周面に負極性の帯電極性を持たせた感光層が形成され、273mm/secのプロセススピードで矢印方向に回転する。コロナ帯電器2aは、コロナ放電に伴う荷電粒子を感光ドラム1aに照射して、感光ドラム1aの表面を一様な負極性の電位に帯電する。露光装置3aは、イエローの分解色画像を展開した走査線画像データに応じてON−OFF変調したレーザービームを回転ミラーで走査して、帯電した感光ドラム1aの表面に画像の静電像を書き込む。
現像装置4aは、磁性キャリアと非磁性トナーとを主成分とする二成分現像剤を攪拌して、磁性キャリアを正極性に、非磁性トナーを負極性にそれぞれ帯電させる。帯電した二成分現像剤は、固定磁極の周囲で回転する現像スリーブに担持されて感光ドラム1aを摺擦する。負極性の直流電圧に交流電圧を重畳した振動電圧が現像スリーブへ印加されることによって、負極性に帯電したトナーが、現像スリーブよりも相対的に正極性になった感光ドラム1aの静電像へ移転して静電像が反転現像される。
一次転写ローラ6aは、中間転写ベルト5を押圧して、感光ドラム1aと中間転写ベルト5との間に一次転写部を形成する。正極性の直流電圧が一次転写ローラ6aに印加されることによって、感光ドラム1aに担持された負極性のトナー像が、一次転写部を通過する中間転写ベルト5へ一次転写される。
図2に示すように、クリーニング装置19aは、感光ドラム1aにクリーニングブレード20aを摺擦させて、中間転写ベルト5への転写を逃れて感光ドラム1aに残った転写残トナーを回収する。回収された回収トナーは、搬送スクリュー21aによって画像形成装置100の背面側へ搬送され、中間転写ベルト5の外側でトナー搬送パイプ30aに受け渡される。その後、回収トナーは、搬送機構36を通じて回収容器32へ搬送される。
ベルトクリーニング装置18は、回転するファーブラシ20を中間転写ベルト5に摺擦させて、記録材Pへの転写を逃れて二次転写部T2を通過して中間転写ベルト5に残った転写残トナーを回収する。回収された回収トナーは、搬送スクリュー21aによって画像形成装置100の背面側へ搬送され、中間転写ベルト5の外側で搬送機構36に受け渡される。トナー搬送パイプ30aの内部には搬送コイルが配置され、搬送コイルの回転に伴って回収トナーを搬送する。回収トナーは、搬送機構36を通じて回収容器32へ搬送される。
現像装置4aは、運転中に現像容器41から二成分現像剤を少しずつオーバーフローさせて、帯電性能が低下したキャリアの増加を抑制するキャリア自動交換方式を採用している。キャリア自動交換方式とは、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像方式において、劣化した磁性キャリアを少量ずつ回収すると同時に新たな磁性キャリアを補給する方式である。これにより、二成分現像剤の帯電性能を維持しながら二成分現像剤の入れ替え交換の手間を省くことができる。キャリア自動交換方式には、磁性キャリアのみの補給機構を設ける方式もあるが、ここでは、非磁性トナーに所定割合(重量比10%)の磁性キャリアを混合した補給用二成分現像剤を、現像装置4aで消費される非磁性トナーの補給を兼ねて補給している。
現像装置4aの上部には、補給用二成分現像剤を収容するホッパー22aが配置される。トナー補給装置を構成するホッパー22aは、下部にトナー搬送パイプ23aを備え、トナー搬送パイプ23a一端が現像装置4aの現像剤補給口の位置まで延びている。トナー搬送パイプ23aは、内部に配置された搬送スクリューの回転速度を変化させることで、現像装置4aに対する補給用二成分現像剤の補給量を調整する。
画像形成によって消費された分の非磁性トナーは、ホッパー22aから現像装置4aの現像剤補給口を通過して、現像容器41に補給される。このようにしてホッパー22aから現像装置4aに補給用二成分現像剤が補給され続けると、現像容器41内を循環する二成分現像剤が増えてくる。ここで、現像装置4aの壁面には、現像剤排出手段を構成する現像剤排出口が設けられており、この現像剤排出口よりオーバーフローして現像容器41内を循環する二成分現像剤が少しずつ排出される。すなわち、補給用二成分現像剤の補給工程により現像装置4a内の二成分現像剤が増加するため、増加量に応じて、二成分現像剤が現像剤排出口より溢れ出るように排出される。
磁性キャリア劣化の主な原因が、非磁性トナーが供給されて消費される過程で現像容器41内に残される微粉トナーや外添剤との接触であるため、磁性キャリアの劣化は、非磁性トナーの消費量に比例して早くなる。トナーの供給量や消費量が多いとそれだけ磁性キャリアの劣化が早くなる。
このため、トナー消費量が多いブラックの現像装置4dでは、磁性キャリアの劣化が早いので、自動キャリア交換における磁性キャリアの交換量を増やす必要がある。磁性キャリアの供給量をトナー消費量に比例させるために、補給用の非磁性トナーに所定割合の磁性キャリアを混ぜた補給用二成分現像剤を補給している。非磁性トナーに一定比率の磁性キャリアを混ぜて補給することで、現像装置4dへの磁性キャリアの供給量を非磁性トナー補給量に比例させている。
もちろん、磁性キャリアの補給機構を非磁性トナー補給機構とは別に設けて、非磁性トナー補給量に比例して磁性キャリアが補給されるように制御する方式でも良い。しかし、補給用二成分現像剤を用いる方式のほうが簡易な構成で済む。
以上のように、補給用二成分現像剤が補給される一方で現像装置4aから二成分現像剤が少しずつ排出されることにより、現像装置4a内の二成分現像剤に占める劣化した磁性キャリアの割合が増加することが抑制される。
現像装置4aから排出された回収現像剤は、画像形成装置100の背面側における中間転写ベルト5の外側で回収現像剤搬送パイプ31aに受け渡される。その後、回収現像剤は、搬送機構36を通じて回収容器32へ搬送される。回収現像剤搬送パイプ31aの内部には搬送コイルが配置され、搬送コイルの回転に伴って回収現像剤を搬送する。
このようにして、クリーニング装置19a、19b、19c、19dで回収された回収トナーと、ベルトクリーニング装置18で回収された回収トナーと、現像装置4a、4b、4c、4dで回収された回収現像剤とが回収容器32に堆積される。回収現像剤搬送パイプ31a、31b、31c、31dは、回収トナー搬送パイプ30a、30b、30c、30dと同様に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色分備えられて各々回収容器32につながっている。
画像形成に伴って、クリーニング装置19a、19b、19c、19dは、それぞれ現像装置4a、4b、4c、4dで消費されるトナー量の5〜10%に相当する転写残トナーを回収する。中間転写ベルト(転写媒体)5から記録材(最終的な転写媒体)Pへトナー像を転写する際に中間転写ベルト5に残ってクリーニング装置19aに回収されるトナー量も、現像装置4a、4b、4c、4dで消費される合計のトナー量の5〜10%に相当する。このため、画像形成中は、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdで消費される4色合計のトナー量の15〜20%に相当する量の転写残トナーが回収容器32へ供給され続ける。
また、並行して、現像装置4a、4b、4c、4dからは、クリーニング装置19a、19b、19c、19dで回収される回収トナーの体積に匹敵する量の回収現像剤が排出されて、回収容器32へ供給され続ける。回収トナー用と回収現像剤用とで別々の回収容器を設けると、回収容器の交換頻度が2倍に増えかねないという懸念があるため、回収現像剤も回収トナーと同じ回収容器32に回収している。
図3に示すように、搬送機構36は、搬送コイルを内蔵した搬送パイプ33、34、35を通じて回収トナー及び回収現像剤を回収容器32へ搬送し、上方から回収容器32内に落下して内部に堆積させる。回収容器32は、画像形成装置100の背面扉100aを開けることにより着脱交換可能である。
回収容器32内の回収トナー蓄積量は、満杯検知センサ53によって管理されており、満杯になる前に回収容器32の交換を促す警告が操作パネル51の表示部に示される。警告が表示された場合、ユーザー自身あるいはサービスマンによって満杯の回収容器32が取り外されて、新しい空の回収容器32が装着される。これにより、回収トナーが回収容器32からあふれだす事態を回避している。
なお、本実施形態では、通常使用される有機感光体である感光ドラムを使用したが、勿論、アモルファスシリコン感光体等の無機感光体を使用することもでき、ベルト状の感光体を用いることもできる。クリーニング装置は、クリーニングブレードを使用したが、静電ブラシ等のクリーニング部材を使用することもできる。また、帯電方式、現像方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
<比較例>
図4は比較例1における回収容器内の回収現像剤及び回収トナーの堆積状態の説明図である。図5は比較例2における回収容器内の回収トナーの堆積状態の説明図である。図6は比較例3における回収容器内の回収現像剤及び回収トナーの堆積状態の説明図である。
図4に示すように、比較例1では、搬送コイル36sを備えた搬送機構36Pに、すべての回収現像剤及び回収トナーを合流させて共通の回収容器32Pへ搬送し、逐次回収容器32内に落下して堆積させる。このような構成にあっては、回収容器32Pの開口直下部に回収現像剤及び回収トナーが山状に傾斜堆積してしまう。このように山状に傾斜堆積してしまうと、光学センサを用いた満杯検知センサ53によって堆積の頂上部がいち早く検出されてしまう。これにより、回収容器32Pが本来収容可能な満杯状態よりも早く回収容器32Pを交換しなければならない。回収容器32Pの交換時は画像形成装置が停止してしまうため、ダウンタイムおよび作業能率の低下といった観点で問題となる。
光学センサの代わりに圧力センサを使用したり、回収容器の総重量を測定して満杯判断する方法もある。しかし、これらの方法では、山状に堆積した頂上部の高さを検知できないので、満杯検知がされる前に、回収現像剤及び回収トナーが天井に到達する可能性がある。そのため、これらの方法を用いた場合、頂上部が天井に達することが絶対ないように、回収容器の本来収容可能な満杯状態よりも相当早い段階で満杯判断を行う必要がある。
近年、筐体構造が小型化されて回収容器の大型化が困難になる一方で、画像形成装置の高速化、ハイボリューム化、トナーの多色化が進んで回収現像剤及び回収トナーが堆積するスピードが増加する傾向にある。そのため、筐体内に収まりの良い限られた容積の回収容器32Pに、できるだけ大量の回収現像剤及び回収トナーを収容することが望まれている。回収容器32P内の傾斜堆積を無くして均一化することで、回収容器32Pの容積を効率的に活用できることが望まれている。
回収容器32P内の堆積状態を均一化する試みとして、回収容器32P内で攪拌スクリューを回転させて傾斜堆積を崩す方法がある。しかし、攪拌スクリューを設けると、その分回収容器32P内の有効容積が減ってしまう。また、回収容器32Pは、回収現像剤及び回収トナーと共に破棄される消耗品的な使われ方であるため、回収容器32Pのコストはなるべく下げたいが、攪拌スクリューが内部構成を複雑化して製造コストを上げてしまう。
回収容器32P内の堆積状態を均一化する別の試みとして、回収容器32Pを一定時間ごとに振動させる方法が提案されている。加振装置を画像形成装置側に持たせることで、回収容器32P自体は複雑な機構を持たなくて済む。しかし、回収容器32Pを外側から振動させて堆積を崩すには強い振動が必要なため、振動騒音が大きくなる。
図5に示すように、比較例2では、回収容器32Qに4つの回収口を設け、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdに個別に接続された搬送機構36A、36B、36C、36Dが4つの回収口にそれぞれ接続される。搬送機構36A、36B、36C、36Dは、回収現像剤及び回収トナーを各色別に混合して、回収容器32Qの各色別の回収口へ落下させている。これにより、搬送スクリュー、加振装置等に頼ることなく、回収容器32Q内の堆積状態を分散させることができる。一つの回収口の下にすべての回収現像剤及び回収トナーが山状に堆積する場合に比較して、4つの山に分散される分だけ、回収容器32Qの回収効率が高まる。
図6に示すように、比較例3では、回収容器32Rに8つの回収口を設け、搬送機構36A1、36A2、36B1、36B2、36C1、36C2、36D1、36D2が8つの回収口にそれぞれ接続される。搬送機構36A1、36A2は、画像形成部Paの回収現像剤、回収トナーを個別に回収容器32Rへ搬送し、隣接した堆積位置へ落下して堆積させる。搬送機構36B1、36B2は、画像形成部Pbの回収現像剤、回収トナーを個別に回収容器32Rへ搬送し、隣接した堆積位置へ落下して堆積させる。
搬送機構36C1、36C2は、画像形成部Pcの回収現像剤、回収トナーを個別に回収容器32Rへ搬送し、隣接した堆積位置へ落下して堆積させる。搬送機構36D1、36D2は、画像形成部Pdの回収現像剤、回収トナーを個別に回収容器32Rへ搬送し、隣接した堆積位置へ落下して堆積させる。これにより、四つの回収口の下に回収現像剤及び回収トナーが山状に堆積する場合に比較して、8つの山に分散される分だけ、回収容器32Rの回収効率が高まる。
しかし、回収口を4つに分けた比較例2でも、8つに分けた比較例3でも、ユーザーが画像形成装置を使用する状況によっては、回収容器内の堆積状態が極端に片寄る場合がある。
図1に示すように、クリーニング装置19a、19b、19c、19dで回収される回収トナーの量は、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdで形成される各色画像の画像比率に概ね比例する。画像比率が高いほど、感光ドラムに形成されるトナー像のトナー量が多くなり、転写残トナーとしてクリーニング装置に回収される回収トナーも多くなるからである。
現像装置4a、4b、4c、4dから排出される回収現像剤の量はトナー使用量に応じた量になるため、画像比率が高いほど多くなる。すると、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の回収トナーを考えた場合、4色の画像比率が等しい画像形成が続けば、回収現像剤及び回収トナーも4色間で概ね同量となり、回収容器内で回収現像剤及び回収トナーが片寄りなく堆積する。
しかし、比較例2の振り分けでは、感光ドラム1a、1b、1c(第2像担持体)に比較して感光ドラム1d(第1像担持体)の使用頻度が異常に高い場合、画像形成部Pdからの回収口の下にのみ回収現像剤及び回収トナーが片寄って蓄積されてしまう。ここで、感光ドラム1a、1b、1c(第2像担持体)に比較して感光ドラム1d(第1像担持体)の使用頻度が高いということが予め分かっていれば、ブラックの堆積位置や回収容器の形状を調整して、堆積の片寄りを解消することも可能である。
しかし、一言でブラックの使用頻度が高いといっても、その高さはユーザーによってまちまちである。また、ある時期ブラックの使用頻度が高いユーザーも、別の時期には状況が変わることも当然予想される。
例えば、図6に示す比較例3では、各色毎に回収現像剤と回収トナーを分けて回収口を設けている。しかし、ブラックの使用頻度が多い場合には、ブラックの回収現像剤と回収トナーの回収口の位置に同時にトナーが溜まり易く、図5に示す比較例2と同様に、ユーザーの使用状況によって片寄りの発生を防ぐことができない。
キャリア自動交換方式を採用した画像形成装置100では、各色ごとに回収トナーと回収現像剤とが排出されるため、図6に示すように、全てを個別に分けると、4色カラー機の場合、8個の回収口が必要となる。そして、回収口を8つ設けてそれぞれに搬送機構36A1、36A2、36B1、36B2、36C1、36C2、36D1、36D2を接続すると、搬送機構が入り組んで画像形成装置の小型化を妨げる。
図2に示すように、画像形成装置100では、回収トナー搬送パイプ30a、30b、30c、30dと回収現像剤搬送パイプ31a、31b、31c、31dからそれぞれ排出されて堆積する量がユーザーによってまちまちである。結果として、比較例3のように回収容器32に回収口を8個設けてそれぞれ個別に堆積させたとしても、回収容器32内に堆積位置を分散させた効果が十分に得られない。このため、回収容器32内で堆積位置を分散させると同時に、片寄りが少なくなるように適度に搬送機構を合流させて、搬送機構全体の機構を単純化する必要がある。
また、比較例3のように回収容器32に回収口を8個設けると、回収容器32の形状が限定され、機体内での配置場所にも制約が増えてしまう。回収容器の容量は、大抵の場合は決まっているので、上面に回収口を8つ設けて搬送機構を配置することが困難な場合もある。多くの回収口を配置するために回収容器の横幅を広げた場合、深さが浅い回収容器となる。その場合、回収口ごとの回収量に片寄りが生じると、深さが浅い分だけ顕著に片寄りの影響が出てしまう。
回収容器32に関しては、回収口を増やせば分散して堆積する効果が得られる一方で、回収口が増え過ぎると回収容器32の幅が広がりすぎる。このため、回収口をむやみに増やすことなく、回収現像剤と回収トナーとを回収容器32内に効率よく分散して堆積させることが望まれる。これは、自動キャリア交換方式を用いた場合に特に望まれることである。
回収容器32の幅を減らすためには、回収容器32に設ける回収口の数を減らしてやればよい。そして、各色の画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdから排出される回収トナー及び回収現像剤を搬送機構36においていくつか合流させて同一の回収口を通じて回収容器32に堆積させればよい。回収口の数に関しては、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdの数までに抑えることができれば、従来の自動キャリア交換方式を用いない場合と大差がなく好ましい。
図3に示すように、そこで、画像形成装置100では、搬送機構36は、第1現像装置(4d)で回収した回収現像剤と第2現像装置(4a、4b、4c)で回収した回収現像剤と第1クリーニング装置(19d)で回収した回収トナーと第2クリーニング装置(19a、19b、19c)で回収した回収トナーとを特定の組み合わせで混合して、回収現像剤と回収トナーとを上方から受け入れる回収容器32へ搬送して堆積させる。第1現像装置(4d)、第1クリーニング装置(19d)は、第2現像装置(4a、4b、4c)、第2クリーニング装置(19a、19b、19c)に比較してそれぞれ回収現像剤、回収トナーが多い。
そして、搬送機構36は、第1現像装置で回収した回収現像剤と第1クリーニング装置で回収した回収トナーとを別々に搬送して回収容器内に分散させた別々の位置へ落下させる。発生する絶対量が多いブラックの回収トナーと回収現像剤とを回収容器32内に分散して堆積させることで、回収容器32内の堆積状態の片寄りが抑制されるからである。
<実施例1>
図7は実施例1における回収容器の説明図である。図8は比較例4における搬送機構の接続の説明図である。図9は実施例1における搬送機構の接続の説明図である。図10は実施例1の効果の説明図である。図11は回収トナーと回収現像剤の堆積量に応じた回収容器の調整の説明図である。
図7に示すように、実施例1では、回収容器32の上面に一対の開口部(32a、32b)が配置される。そして、図3に示すように、搬送機構36は、現像装置4dで回収した回収現像剤を一方の開口部(回収口2:32b)から落下させ、クリーニング装置19dで回収した回収トナーを他方の開口部(回収口1:32a)から落下させる。
これにより、図6に示す比較例3に比較して回収口の数を大幅に減らすことができるため、回収容器32の大きさ、形状、画像形成装置100内での配置等に関する問題が解決されている。しかし、回収口が2つの場合、回収口1と回収口2とに対する回収現像剤及び回収トナーの配分がうまく行われなければ、ユーザーの使用状況によっては大きな片寄りが生じる可能性が残る。
上述したように、補給用二成分現像剤を補給するキャリア自動交換方式では、各色のクリーニング装置で回収される回収トナーの量と、各色の現像装置で回収される回収現像剤の量とが比例関係にある。そして、画像形成装置100の場合には、両者が量的にほぼ匹敵している。
図8に示すように、比較例4では、他色に比較してトナー消費量が多い画像形成部Pd(ブラック)の回収トナーと回収現像剤とを同じ回収口1から落下させるので、回収容器32内の堆積状態に大きな片寄りが形成される。
図9に示すように、実施例1−1〜1−4では、ブラックの回収トナーを回収口2から落下させ、ブラックの回収現像剤を回収口1から落下させている。このため、図10に示すように、比較例4に比較して実施例1−1〜1−4では、回収容器32内の堆積状態の片寄りが抑制される。
回収現像剤を一対の回収口に配分する場合、異なる色の回収トナーあるいは回収現像剤を1つの回収口より落下させている限り極端な片寄りは生じない。しかし、同じ色の回収トナーと回収現像剤とを同じ回収口より落下させると、ユーザーの使用法によっては極端な片寄りが生じてしまう。これは、ある色の回収トナーが増えた場合、その色の回収現像剤も同時に増えるため、極端に使用頻度の高い色があった場合に、両者を同じ回収口から落下させていると片寄りが助長されるためである。
上述したように、非磁性トナーの消費量(補給量)に応じて回収トナー量が増加するので、回収トナーの量は画像比率に応じて増加し、回収トナーが増えた場合、回収現像剤も同時に増える。
従って、特定色の回収トナーと回収現像剤とを同じ回収口から堆積させる比較例2、4の場合、極端に使用頻度の高い特定色の回収トナーが増えた場合、回収現像剤も同時に増えるため、回収容器内の堆積の片寄りが助長される。
図9に示す実施例1−1〜1−4の分配条件を図8に示す比較例4の分配条件に対して以下のような条件で比較した。
補給用二成分現像剤における磁性キャリア混入率は10%とした。
磁性キャリア混入率=(磁性キャリア量)/(補給用二成分現像剤量)
補給用の非磁性トナーに磁性キャリアを一定比率で混合した補給用二成分現像剤を現像装置に補給する場合、補給用二成分現像剤における磁性キャリアの混合比率が変わると、回収トナーの量が変わらなくても、回収現像剤の量が変わる。補給用二成分現像剤における磁性キャリアの混合比率が変わると、回収トナー量と回収現像剤量との発生比率が変わる。これは、回収トナーの量は、非磁性トナーの消費量に依存するが、回収現像剤の量は、非磁性トナーの供給に伴って供給される磁性キャリアの量に依存するからである。
補給用二成分現像剤における磁性キャリアの混合比率は、通常、磁性キャリアの劣化し易さに回収現像剤に係るランニングコストや製品の要求される仕様に応じて決定される。このため、特別に高品質の画像を出力する仕様の場合は、磁性キャリアの混合比率が高い補給用二成分現像剤を用いて、回収トナー量よりも多い回収現像剤量を発生させる場合もある。
回収トナー量と回収現像剤量との発生割合は各色で異なるが、発生割合は、概ね一定の比例関係が見出せる。
発生割合=(回収トナー量):(回収現像剤量)≒2:1
発生割合は、概ね3/1〜1であって、効果が得られる論理は変わらないので、ここでは、この比率が各色で等しく2:1であったとして話を進める。また、各図中及び各表中において、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの回収トナーは、Yトナー、Mトナー、Cトナー、Kトナーと略記し、それぞれの回収現像剤は、Y現像剤、M現像剤、C現像剤、K現像剤と略記する。
発生割合=2:1の画像形成装置100において、仮にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの平均画像比率が4:4:1:1であるユーザーがいたとする(このユーザーをユーザー1とする)。このとき、全部で30kgの回収トナー及び回収現像剤が回収されたとすると、回収トナーと回収現像剤の各色毎の配分は表1の通りである。
発生割合=2:1の画像形成装置100において、次に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの平均画像比率が1:1:1:7である別のユーザーがいたとする(このユーザーをユーザー2とする)。このとき、全部で30kgの回収トナー及び回収現像剤が回収されたとすると、回収トナーと回収現像剤の各色毎の配分は表2の通りである。
図7に示すように、回収容器32に設けた一対の回収口である回収口1(32a)と回収口2(32b)とに30kgの回収トナー及び回収現像剤が分配される。回収口1と回収口2への分配に関してはいくつものパターンがある。
図2を参照して図8に示すように、比較例4では、搬送機構36が、マゼンタ、シアン、ブラックの回収トナーとブラックの回収現像剤とを混合状態で回収口1へ搬送して落下させる。残りのイエローの回収トナーとイエロー、マゼンタ、シアンの回収現像剤とは混合状態で回収口2へ搬送される。
図9の(a)に示すように、実施例1−1では、搬送機構36が、イエロー、マゼンタの回収トナーとシアン、ブラックの回収現像剤とを混合状態で回収口1へ搬送して落下させる。残りのイエロー、マゼンタの回収現像剤とシアン、ブラックの回収トナーとは混合状態で回収口2へ搬送される。
図9の(b)に示すように、実施例1−2では、イエローの回収トナーとマゼンタ、シアン、ブラックの回収現像剤とを混合状態で回収口1へ搬送して落下させる。残りのイエローの回収現像剤とマゼンタ、シアン、ブラックの回収トナーとは混合状態で回収口2へ搬送される。
図9の(c)に示すように、実施例1−3では、搬送機構36が、イエロー、マゼンタ、シアンの回収トナーとブラックの回収現像剤とを混合状態で回収口1へ搬送して落下させる。残りのイエロー、マゼンタ、シアンの回収現像剤とブラックの回収トナーとは混合状態で回収口2へ搬送される。
図9の(d)に示すように、実施例1−4では、搬送機構36が、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの回収トナーを混合状態で回収口1へ搬送して落下させる。残りのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの回収現像剤は混合状態で回収口2へ搬送される。
表3は、比較例4と実施例1−1〜1−4とにおける回収口1を通じた堆積量と回収口2を通じた堆積量(kg/30kg)とをユーザー1、ユーザー2の別に計算した結果である。
表3に示すユーザー別の回収口1を通じた堆積量と回収口2を通じた堆積量とを図10に示す。
図10に示すように、比較例4の場合、ユーザー1の場合はまだましであるが、極端にブラックの使用比率が高いユーザー2の場合、回収口1と回収口2の回収比率が5倍まで差がつく結果となる。これは、比較例1の分配方法の場合、同じ回収口1を通じて絶対量の多いブラックの回収トナー及び回収現像剤を堆積させたのが原因である。
一方、実施例1−1〜1−4の場合は、ブラックの使用比率が極端に高いユーザー2の場合においても、比較例1のように極端に片寄りは生じていない。これは、実施例1−1〜1−4においては、比較例4とは異なり、発生する絶対量が多いブラックの回収トナーとブラックの回収現像剤とを回収口1と回収口2とに分けて堆積させるためである。
このように、キャリア自動交換方式を採用した画像形成装置では、ブラックの回収トナーと回収現像剤とを異なる回収口から落下して回収容器内の離れた位置へそれぞれ堆積させることが望ましい。ユーザーの使用状況に拠らず、常に安定して効率よく高い密度で回収トナーおよび回収現像剤を回収容器に充填できるからである。
また、実施例1−1〜1−3の分配方法では、ユーザーの違いによる差が比較例4のように極端に大きくなることは無いが、ユーザーごとの各色トナーの使用量差による差がある。これに対して、実施例1−4の分配方法では、ユーザーが違っても、回収口1を通じた堆積量と回収口2を通じた堆積量との差が同じである。
これは、実施例1−4の分配方法では、回収口1を通じて4色分の回収現像剤を堆積させ、回収口2を通じて4色分の回収トナーを堆積させたためである。回収トナーの合計量と回収現像剤の合計量との差は、ユーザーごとの各色トナーの使用量差と無関係だからである。
従って、回収口を2つに分けて回収する構成においては、4色分の回収トナーと4色分の回収現像剤とに分けて回収すれば、ユーザーに拠らず常に安定して分散回収することが可能である。そして、複数の回収口下の堆積量がユーザーによらず一定であれば、予め回収容器32や搬送機構36を調整して対応することで、ユーザーによらず片寄りを解消することが可能である。
また、実施例1−4では、回収口1を通じた堆積量と回収口2を通じた堆積量との比率は、補給用二成分現像剤における磁性キャリアの混合比率に応じてのみ変化する。磁性キャリアの混合比率が高いほど回収現像剤が増えて、その分、回収口1を通じた堆積量が増えてくる。
しかし、補給用二成分現像剤に入れる磁性キャリアの量を一度固定してしまえば、回収トナー量と排現像剤量とは一致しなくとも、その比率は概ね固定される。量が一致していなくとも比率が固定されていれば、回収容器32の形状や回収口1及び回収口2の位置を予測的に設計することが可能になる。
図7に示すように、実施例1−4の場合、回収口1(32a)を通じた堆積量と回収口2(32b)を通じた堆積量との比率が2:1なので、回収口2(32b)に比較して回収口1(32a)の下に回収トナーが溜まりやすい。ただし、ユーザーに拠らず、常に安定してこの傾向が生じるので、回収口1(32a)の位置を回収容器32の比較的中央拠りに、回収口2(32b)を回収容器32の比較的端っこの方にずらしている。これにより、回収口1(32a)の下に回収トナーをより多く溜められるよう設計している。
図11に示すように、回収容器32の形状を深さ方向に調整してもよい。回収容器32において回収口1の下側の底を深くすることで回収口1の下の許容堆積量を増やした構成とした。このような構成にならば、より効率よく回収トナーの回収を行うことが可能となる。
実施例1−4の分配方法によれば、4色分の回収トナーと4色分の回収現像剤とに分配するので、各色トナーの使用量差と無関係に、安定した分散状態で回収容器32内へ回収トナー及び回収現像剤を堆積できる。各色トナーの使用量差、すなわちユーザーの違いや画像形成される画像の違いによらないことから、回収トナー及び回収現像剤の溜まり方を予測して回収容器32や搬送機構36を最適に設計できる。
すなわち、回収容器32における一方の開口部下の堆積容量と他方の開口部下の堆積容量とを、第1現像装置の回収現像剤量と第1クリーニング装置の回収トナー量との発生割合に対応させている。対応させるべく一対の開口部の配置と回収容器の深さとの少なくとも一方を定めている。
<実施例2>
図3に示すように、画像形成装置100には、中間転写ベルト5から転写残トナーを回収するためのベルトクリーニング装置18が配設され、画像形成に伴ってベルトクリーニング装置18からも回収トナーが排出される。実施例2では、ベルトクリーニング装置18で回収した回収トナーを、クリーニング装置19a、19b、19c、19dの回収トナーと現像装置4a、4b、4c、4dの回収現像剤と共通の回収容器32に回収する。ベルトクリーニング装置18に独立した別の回収容器を設けると回収容器の交換頻度が増えるからである。そして、搬送機構36は、ベルトクリーニング装置18で回収した回収トナーを、回収容器32内で、画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdから排出される回収トナー及び回収現像剤から離れた位置に堆積させる。
ベルトクリーニング装置18で回収される回収トナーは、一次転写して重ね合わせた4色分のトナー像を記録材に二次転写した後、中間転写ベルト5に残留した転写残トナーである。このため、ベルトクリーニング装置18で回収される回収トナーの量は、各色のトナー消費量の合計量に比例しており、ユーザーの違いや画像形成される画像の違いによらない。このため、ベルトクリーニング装置18で回収される回収トナーは、実施例1−1〜1−4における回収口1又は回収口2へ混合して搬送してもよい。
しかし、ベルトクリーニング装置18では、実施例1−4で説明した4色分の回収トナーの合計量に匹敵する絶対量の回収トナーが回収されるので、実施例2では、別の回収口32cへ搬送している。
すなわち、中間転写体クリーニング装置(18)の回収トナーは、回収容器32内で、第1現像装置(4d)の回収現像剤の堆積位置と第1クリーニング装置(19d)の回収トナーの堆積位置との両方から離れた別の位置に堆積する。第1現像装置(4d)の回収現像剤と第1クリーニング装置(19d)の回収トナーと中間転写体クリーニング装置(18)の回収トナーとは、離れた別々の位置に堆積される。中間転写体クリーニング装置(18)で回収される回収トナーの量も第1クリーニング装置(19d)で回収される回収トナー量に匹敵した量になるからである。
搬送機構36は、管路内で搬送コイルを回転させて回収トナー及び回収現像剤を搬送する3本の搬送パイプ33、34、35で構成され、回収容器32は、上面に3つの回収口32a、32b、32cを設けている。搬送パイプ33は、第1クリーニング装置(19d)で回収した回収トナーを回収口32aへ搬送する。搬送パイプ34は、第1現像装置(4d)で回収した回収現像剤を回収口32bへ搬送する。搬送パイプ35は、中間転写体クリーニング装置(18)で回収した回収トナーを回収口32cへ搬送する。
また、搬送機構36は、第2現像装置(4a、4b、4c)で回収した回収現像剤を第1クリーニング装置(19d)で回収した回収トナーに混合する。そして、第2クリーニング装置(19a、10b、19c)で回収した回収トナーを第1現像装置(4d)で回収した回収現像剤に混合する。これは、回収トナーだけを堆積するよりも回収現像剤を混合したほうが粉体の流動性が高まって、堆積の山が崩れ易くなり、回収容器32内で裾広がりに堆積するからである。
なお、図1には示されないが、二次転写ローラ10に二次転写ローラクリーニング装置を設ける場合がある。これは、記録材のジャム等により記録材が搬送されず、二次転写ローラ10にトナー像が二次転写された際に、二次転写ローラ10をクリーニングして、画像形成再開時の記録材の裏汚れを防止するために設けられる。二次転写ローラクリーニング装置によって回収される回収トナーに関しても、搬送パイプ33、34、35のいずれかに合流して攪拌状態で回収口32a、32b、32cへ搬送してもよい。
<実施例3>
図12は実施例3の分配方法の説明図である。実施例3は、図1、図2に示す画像形成装置100における回収容器の回収口の数を実施例1よりも1つ多い3つとし、3つの回収口への回収トナー及び回収現像剤の配分を図12のように設定している。
図7に示すように、実施例1−4の分配方法では、回収口1と回収口2とにブラックの回収トナーと回収現像剤とを割り振った。このとき、(回収トナー総量):(回収現像剤総量)=2:1であれば、回収トナーを回収する回収口1の下の堆積量は、回収口2の下の堆積量の2倍になる。そこで、実施例3では、回収トナー用の回収口を2つ設けて、4色分の回収トナーを分散して回収するようにした。
図12の(a)に示すように、実施例3−1では、回収容器32に回収口1、回収口2、回収口3の3つの回収口を設け、回収口1はイエロー、マゼンタの回収トナー、回収口2はシアン、ブラックの回収トナーに割り当てた。回収口3は、実施例1−4と同様に、4色分の回収現像剤を割り当てた。回収口1と回収口2を合わせれば、実施例1−4と同じ構成となるため、実施例1−4の場合と同様にユーザーによらずに、回収トナー及び回収現像剤を回収容器32内に分散して堆積できる。
また、回収口1と回収口2とにおける堆積量の比率は、ユーザーによって変わってしまうが、回収口1と回収口2を互いに隣接するように配置すれば、マクロに見れば実施例1−4の場合と変わりない。堆積量の多いブラックの回収トナーと回収現像剤とを両側に配置して、絶対量の少ないイエロー、マゼンタの回収トナーを中央に堆積させるので、ブラックの回収トナーと回収現像剤の谷が埋まって回収容器32内における堆積が平均化される。
実施例3の構成ならば、ミクロに見れば回収トナーの山が二つに分かれているという点で、さらに分散回収という点で有利な構成といえる。なお、ここでいう互いに隣接して配置するとは、複数ある回収口のうち距離の近い回収口同士に配置することを指す。
なお、回収口1と回収口2とに対する回収トナー及び回収現像剤の分配方法は、4色の回収トナーを2色ずつに分配するパターンには限らない。
図12の(b)に示すように、実施例3−2では、ブラックの画像比率が高くなる場合を想定して、回収口1をブラックの回収トナーのみに割り当て、イエロー、マゼンタ、シアンの回収トナーを回収口2に割り当てた。
図12の(c)に示すように、実施例3−3では、排出量が多いブラックの回収トナーと排出量が少ないイエローの回収現像剤とを回収口1に割り当てた。
実施例3においても、同一色の回収トナーと回収現像剤とを同じ回収口から回収することを避けることで、本発明の効果が得られる。また、回収容器の上面における回収口の配置は、横に3つ並べる配置には限定されない。回収口の配置は、各々の装置の画像形成部や回収容器の設置可能な空スペース状況に応じて、配置すればよい。
<実施例4>
図13は実施例4の分配方法の説明図である。図14は回収容器の上面における回収口の配置の説明図である。実施例4は、図1、図2に示す画像形成装置100における回収容器の回収口の数を実施例1よりも2つ多い4つとし、4つの回収口への回収トナー及び回収現像剤の配分を図13のように設定している。
回収口は増やすほど回収容器内に分散回収する効果は得られるが、一方で回収容器の幅に制約が生まれる。回収口の数が多くなると、回収容器の幅が必要となり、容器形状にも制約が増える。そのため、回収口の数はなるべく少なくした方がよく、好ましくは、自動キャリア交換を行う画像形成装置でも、回収口の数を画像形成部の数に抑えるのが好ましい。実施例4の場合、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4つの画像形成部を備えているので、画像形成部より発生する回収現像剤、回収トナー用の回収口を4個としている。
図13に示すように、実施例4−1では、回収容器32に回収口1、回収口2、回収口3、回収口4の4つの回収口を設けた。そして、回収口1はイエロー、マゼンタの回収トナーに割り当て、回収口2はシアン、ブラックの回収トナーに割り当てた。回収口3はイエロー、マゼンタの回収現像剤に割り当て、回収口4はシアン、ブラックの回収現像剤に割り当てた。
このような構成でも、堆積量の絶対量が多いブラックの回収トナーと回収現像剤とを離れた回収口を通じて堆積させる規則を守っているので、本発明の効果が得られる。さらに、実施例4−1では、堆積量の絶対量が多いブラックの回収トナーの両側に堆積量の絶対量が少ないイエロー、マゼンタの回収トナーと回収現像剤とを配置したので、回収容器32内の回収トナー及び回収現像剤の分散状態がさらに改善される。
ブラックの画像比率が平均的に高い使用状態の画像形成装置では、ブラックの回収トナー及び回収現像剤の堆積が他色の回収トナー及び回収現像剤の堆積から突出してしまう。このとき、ブラックの回収トナー及び回収現像剤が同一の回収口でなければ極端な片寄りには至らないが、回収口が隣り合っていれば、やはりその位置に片寄って堆積されてしまう。シアン、マゼンタ、イエローについても、同色の回収トナー及び回収現像剤の堆積位置は離間させるほうが分散回収の効果が高くなる。
このため、実施例4−1でも、その点に留意して、同色の回収トナーの回収口と回収現像剤の回収口とは隣接して配置しないようにしている。回収口が4個以上の場合、同一色の回収トナーと回収現像剤の回収口を変えるだけでなく、隣り合わないようにすることも可能であり、このように配置した方が発明の効果が高まる。
なお、実施例4−1では、回収容器32の上面に回収口を横に4つ並べて配置したが、回収口の配置はこの限りではない。
図14の(a)に示すように、実施例4−2では、回収容器32に四角形を描くように4個の回収口32a、32b、32c、32dを配置している。イエロー、マゼンタの回収トナーを回収口32aに割り当て、シアン、ブラックの回収トナーを回収口32bに割り当てている。イエロー、マゼンタの回収現像剤を回収口32cに割り当て、シアン、ブラックの回収現像剤を回収口32dに割り当てている。
図14の(b)に示すように、実施例4−3では、イエローの回収トナーとマゼンタの回収現像剤を回収口32aに割り当て、シアンの回収トナーとブラックの回収現像剤を回収口32bに割り当てている。イエローの回収現像剤とマゼンタの回収トナーを回収口32cに割り当て、シアンの回収現像剤とブラックの回収トナーを回収口32dに割り当てている。
いずれにせよ、同一色の回収トナー及び回収現像剤を同一の回収口より回収しないようにし、また、同一色の回収トナー及び回収現像剤を隣接する回収口より回収しないようにしている。