JP5355172B2 - 仮想時刻の同期システム - Google Patents
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Description
また、特許文献1に示すように、大量の株式の注文をコンピュータが自動執行するシステムが既に提案されている。このシステムは、注文のペースやタイミング、数量、価格戦略等が細かく定義された発注アルゴリズムに従い、証券取引所のコンピュータに対して注文情報を複数回に分けて送信する機能を備えている。
このため、銘柄毎に最適な発注のロジックを設定する目的で、現実の市場の動きを精巧に再現した証券取引シミュレータを通じ、何度も取引の実験を繰り返す必要がある。
この問題に関し、例えば特許文献3に開示されているように、当該シミュレーション上で独自に進行する「仮想時刻」をシミュレーション用のコンピュータに導入することで、現実の時間から切り離してシミュレーション独自の時間進行を管理することが考えられる。
そもそも、特許文献3の場合、コマンドの実行開始予定時刻を現在時刻に合わせて調整することにより、シミュレーションの実行時間を可変とする方式であるため、証券取引のように各注文情報に付与された時刻自体に意味があるもののシミュレーションには適用できなかった。
しかも、現在時刻に合わせてプロセス側のデータの時刻を変更するのではなく、プロセスが参照する時刻を仮想時刻に切り替える方式を採用しているため、プロセス側の各データに関連付けられた時刻の意義を損なうこともない。
このように、証券取引の自動執行プロセス及び株式の仮想取引実行プロセスのそれぞれに仮想時刻算出部が設けられ、両プロセスが同じ仮想時刻に沿って必要な処理を実行することが担保されるため、証券取引のシミュレーションを任意の時刻に任意の倍速で実行可能となる。
外部注文情報生成プロセス12には、通信ネットワークを介して証券取引所のコンピュータ20が接続されており、市況情報(ティックデータ)が同コンピュータ20から断続的に送信される。
外部注文情報生成プロセス12は、この市況情報に所定のロジックを適用することにより、取引市場における注文情報を推定的に生成する機能を備えているのであるが、詳細は後述する。
この仮想取引実行プロセス18は、証券取引所のコンピュータ20と同様の機能を備えている。すなわち、外部注文情報同士、あるいは外部注文情報と自動執行プロセス22から入力された仮想注文情報とを突き合わせて約定を成立させたり、未約定の注文情報を気配としてコンピュータのメモリ上に保持したりする機能を発揮する。また、自動執行プロセス22に対して、仮想取引に係る市況情報を送信したり、約定情報を送信したりする機能も備えている。
すなわち、自動執行プロセス22は、予め設定された複数の自動執行用アルゴリズムを搭載しており、ユーザが選択または設定したアルゴリズム従い、所定のタイミングで所定数量の注文情報を生成し、証券取引所のコンピュータ20に送信する。また、自動執行プロセス22は、各アルゴリズムの設定に従い、同コンピュータ20から送信された市況情報や約定情報に基づいて発注ペースや価格を自動修正する機能をも備えている。
また、上記仮想取引システム10の外部注文情報生成プロセス12及び仮想取引実行プロセス18は、他のコンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。また、外部注文情報記憶部14は、同コンピュータのハードディスク内に設けられている。
上記自動執行プロセス22は、他のコンピュータのCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより実現される。
上記第2の仮想時刻算出部54は、仮想取引システム10と同じコンピュータ上に起動された専用の常駐プログラムに従い、同コンピュータのCPUが必要な処理を実行することによって実現される。
仮想時刻設定配信部52と第1の仮想時刻算出部54間、及び仮想時刻設定配信部52と第2の仮想時刻算出部56間は、通信可能に接続されている。
すなわち、証券取引所のコンピュータ20から提供される市況情報は、銘柄毎の現在価格(約定価格)、出来高(約定数量の累積値)、売り側気配価格(最良気配を含めた上位5つの売り気配価格)、売り側気配数量(最良気配を含めた上位5つの売り気配数量)、買い側気配価格(最良気配を含めた上位5つの買い気配価格)、買い側気配数量(最良気配を含めた上位5つの買い気配数量)など、ごく限られたデータに限定されており、個々の注文内容を明示するデータは含まれていない。
このため、外部注文情報生成プロセス12は、一定の判定ロジック(判定ルール)に従い、上記の限られたデータに基づいて具体的な注文情報を抽出する方式を採用している。
因みに、100円の売り注文が売り注文の中では最も価格が安くて約定し易いため、売り側の最良気配となる。また、99円の買い注文が買い注文の中では最も価格が高くて約定し易いため、買い側の最良気配となる。
(1) 時間tとt+1との間で出来高に変化なし。
(2) 買い側最良気配(99円)の数量が7,000株から9,000株に増加している。
(1) 時間tとt+1との間で出来高が2,000株増加している。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から8,000株に減少している。
(3) 買い側の気配に変化なし。
なお、この場合も成行の買い注文が2,000株生じれば図3(b)の板の状態になるが、指値注文と成行注文とを区別する情報が存在しないため、上記と同様、外部注文情報生成プロセス12は指値注文として処理する。
(1) 時間tとt+1との間で出来高が11,000株増加している。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から0株に減少している。
(3) 売り側の101円の気配数量が3,000株から2,000株に減少している。
なお、101円の買い注文が11,000株あったとしても、図4(b)の板の状態になるが、両者を区別する情報が存在せず、また反対サイド(売り側)の第2気配に対して指値注文をするよりも成行注文を出す可能性の方が通常は高いため、外部注文情報生成プロセス12は成行注文として処理する。
(1) 時間tとt+1との間で出来高に変化なし。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から12,000株に増加している。
(3) 売り側の101円の気配数量が3,000株から1,000株に減少している。
(1) 時間tとt+1との間で出来高が2,000株増加している。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から8,000株に減少している。
(3) 買い側の99円の気配数量が7,000株から5,000株に減少している。
なお、売り側の2,000株の注文が100円から成行に価格訂正された場合でも、同様の板の遷移となるが、両者を区別する情報が存在しないため、外部注文情報生成プロセス12は指値の変更として処理する。
(1) 時間tとt+1との間で出来高が8,000株増加している。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から2,000株に減少している。
(3) 買い側の99円の気配数量が7,000株から0株に減少している。
(4) 買い側の98円の気配数量が2,000株から1,000株に減少している。
なお、売り側の8,000株の注文が100円から98円に価格訂正された場合でも同様の板の遷移となるが、両者を区別する情報が存在せず、また反対サイドの第2気配へ価格訂正するよりも成行への訂正を行う可能性の方が通常は高いため、外部注文情報生成プロセス12は成行への価格変更として処理する。
(1) 時間tとt+1との間で出来高が7,000株増加している。
(2) 売り側の100円の気配数量が10,000株から2,000株に減少している。
(3) 売り側の99円の気配数量が0株から1,000株に増加している。
(4) 買い側の99円の気配数量が7,000株から0株に減少している。
(1) 時間tとt+1との間で出来高の変化なし。
(2) 買い側の99円の気配数量が7,000株から5,000株に減少している。
すなわち、仮想取引実行プロセス18には自動執行プロセス22からも仮想注文情報が所定のタイミングで投入される結果、現在価格や気配価格、気配数量、出来高に影響を及ぼすこととなり、外部注文情報の価格が持つ意義に変質が生じる。
リアルな市場の動きを再現するためには、この外部注文を発した投資家の心理を慮り、仮想取引の板においても買い気配の先頭に立てるよう「買い/97円」の位置に5,000株の注文を投入すべきである。
この相対価格は、具体的には現実取引における基準となる価格種別の指定と、この基準価格種別に係る値からの距離(価格の開き具合)とを組合せた、(基準価格種別,相対距離)の形式で表現される。以下、個別に説明する。
この場合には、そのまま成行として仮想取引に投入すればよいので、以下のように相対価格が表現される。
(成行,0)
相対価格は、(最良気配価格,x)として表現される。
ここで「x」には最良気配価格からの距離が代入されるものであり、最良気配と同じ価格の場合には「0」となる。
例えば、図11に示すように、現実取引における買い側最良気配が95円の状態にあるときに、これよりも買い手にとって価格的に有利な「買い/94円/5,000株」の外部注文が発生していた場合、その相対価格は以下のように表現される。
(最良気配価格,1)
なお、相対距離の1単位は単純に「1円」となるのではなく、当該銘柄の株価水準に応じて認められた最小値付け幅、すなわち「1ティック」が該当する。したがって、銘柄によっては「1ティック=1円」となる場合もあるが、「1ティック=100円」、「1ティック=1,000円」等となる場合もある。
相対価格は、(反対側最良気配価格,x)として表現される。
ここで「x」には反対側最良気配価格からの距離が代入されるものであり、反対側最良気配と同じ価格の場合には「0」となる。
(反対側最良気配価格,1)
101円は、反対側最良気配価格である100円から1ティック離れているため、相対距離として「1」が代入されている。
相対価格は、(中間,x)として表現される。
ここで「x」は、以下の式によって求められる。
|最良気配価格−外部注文情報の価格|/|最良気配価格−反対側最良気配価格|
(中間,0.6)
相対価格は(2)の場合と同様、(最良気配価格,x)として表現されるのであるが、この場合「x」には負の値が代入される。
(最良気配価格,−3)
相対価格は(3)の場合と同様、(反対側最良気配価格,x)として表現されるのであるが、この場合「x」には負の値が代入される。
(反対側最良気配価格,−2)
相対価格は、(現在価格,x)として表現される。
ここで「x」には現在価格からの距離が代入されるものであり、現在価格と同じ価格の場合には「0」が、現在価格よりも有利な場合には正の符号付の数値が、現在価格よりも不利な場合には負の符号付の数値が代入される。
(現在価格,2)
因みに、図17(a)は新規指値注文情報に対応しており、注文種別として「新規」が設定されると共に、価格として「99円」が、相対価格として「(最良気配価格,1)」設定されている。また、図17(b)は新規成行注文情報に対応しており、注文種別として「新規」が設定されると共に、価格として「成行」が、相対価格として「(成行,0)」が設定されている。また、図17(c)は価格訂正注文情報に対応しており、注文種別として「価格訂正」が設定されると共に、価格として「101円→100円」が、相対価格として「(最良気配価格,1)→(最良気配価格,0)」が設定されている。図17(d)は取消注文情報に対応しており、注文種別として「取消」が設定されると共に、価格として「99円」が、相対価格として「(最良気配価格,1)」が設定されている。
これらの外部注文情報は、仮想取引実行プロセス18によって相対価格が仮想取引の現況を反映させた具体的な価格に変換された上で、自動執行プロセス22から投入される仮想注文情報等とのマッチングに供されるのであるが、詳細は後述する。
まずユーザは、図18に示すように、クライアント端末24の画面上にシミュレート条件設定画面30を呼び出し、仮想取引の条件を設定する。
すなわち、シミュレートデータ日付設定欄には、今回の仮想取引において再現したい過去の特定の日付を入力する。
また、仮想時刻設定欄には、基準仮想時刻(例えば「08:00」)を選択入力すると共に、倍速設定欄には仮想時刻の進行速度を現実の時間に対する倍数(例えば「15」倍速)で選択入力する。
売買種別設定欄には「売/買」の何れかを選択入力し、銘柄設定欄には仮想取引の対象となる具体的な銘柄コード及び銘柄名を、数量設定欄には取引数量を入力する。
また、開始時刻及び終了時刻設定欄には、取引の時間的範囲を入力する。
これに対し仮想時刻設定配信部52は、図19に示すように、上記仮想取引に係る設定情報の中から「基準仮想時刻=08:00」及び「倍率=15倍」の仮想時刻設定情報58を取り出し、第1の仮想時刻算出部54及び第2の仮想時刻算出部56に対して同報配信する。
これを受けた第1の仮想時刻算出部54は(S14)、第1の仮想時刻テーブル60を参照し、以下の式に基づいて仮想時刻を算出した後(S16)、自動執行プロセス22に送信する(S18)。
仮想時刻=基準仮想時刻+仮想時刻倍率×(現在のシステム時刻−配信時システム時刻)
なお、上記の計算例は説明の便宜上「分」単位に単純化しているが、実際には「ミリ秒」単位の精度で仮想時刻が算出される。
これを受けた第2の仮想時刻算出部56は、上記と同様、以下の式に基づいて仮想時刻を算出し、仮想取引実行プロセス18に返す。
仮想時刻=基準仮想時刻+仮想時刻倍率×(現在のシステム時刻−配信時システム時刻)
このため、第1の仮想時刻算出部54及び第2の仮想時刻算出部56が参照する配信時システム時刻さえ正確であれば、以後、自動執行プロセス22及び仮想取引実行プロセス18は、それぞれ同じ仮想時刻に基づき、同一倍速での仮想取引が可能となる。
また自動執行プロセス22は、仮想取引上の現在時刻が09:00になった時点で、ユーザが指定した銘柄、売買種別の、指定されたアルゴリズムに従って算出した数量、価格を備えた仮想注文情報を生成し、仮想取引実行プロセス18に複数回に分けて出力する。
これに対し仮想取引実行プロセス18は、送信された仮想注文情報に対して仮想取引上の現在日時を受信日時(日付/時刻)として付加した後、上記メモリ上に順次配置させる。この際、仮想取引実行プロセス18から自動執行プロセス22に対して、当該仮想注文情報を一意に特定するための識別コードを含む受付情報が返される。
仮想取引実行プロセス18は、仮想取引上の現在時刻を経過した日時情報を備えた外部注文情報と、仮想注文情報の相互間でマッチング処理を実行する。
このマッチング処理のパターンとしては、以下のものがある。
(1) 仮想注文情報と外部注文情報間での約定
(2) 仮想注文情報間での約定
※同じ時間的範囲を指定した同じ銘柄の買い注文と売り注文が自動執行プロセス22から送信されている場合
(3) 外部注文情報間での約定
この前提として仮想取引実行プロセス18は、メモリ上に配置された仮想注文情報と、同メモリ上に配置された外部注文情報の中で仮想取引上の現在時刻よりも古い時刻を備えた外部注文情報の売買種別、注文種別、価格、数量に基づいて、現時点における売り側の気配価格及び数量と、買い側の気配価格及び数量を算出する。
(1) 基準価格種別=「成行」の場合
そのまま「成行」注文とする。
a) 原則:仮想取引上の最良気配価格からxティック有利な価格とする。
b) 最良気配が存在しない場合:反対側最良気配価格よりも(x+1)ティック有利な価格とする。
c) 最良気配及び反対側最良気配が存在しない場合:現在価格よりもxティック有利な価格とする。
a) 原則:仮想取引上の反対側最良気配価格からxティック不利な価格とする。
b) 反対側最良気配が存在しない場合:最良気配価格よりも(x+1)ティック不利な価格とする。
c) 反対側最良気配及び最良気配が存在しない場合:現在価格よりもxティック不利な価格とする。
a) 最良気配と反対側最良気配が存在し、かつ両気配間に2ティック以上の乖離が存在する場合:最良気配価格からx・|最良気配価格−反対側最良気配価格|だけ不利な値を求め、これに最も近い呼値を具体的な価格とする。ただし、この価格が最良気配価格と同じか有利なものとなった場合には最良気配価格より1ティック不利な価格とし、反対側最良価格と同じか不利なものとなった場合には反対側最良気配価格より1ティック有利な価格とする。
b) 最良気配と反対側最良気配が存在し、かつ両気配間の乖離が1ティック以下の場合:最良気配価格とする。
c) 最良気配が存在し、反対側最良気配が存在しない場合:最良気配価格より1ティック不利な価格とする。
d) 最良気配が存在せず、反対側最良気配が存在する場合:反対側最良気配価格より1ティック有利な価格とする。
e) 最良気配及び反対側最良気配が存在しない場合:現在価格とする。
a) 最良気配と反対側最良気配の両方が存在する場合:仲値からxティックの位置の価格とする。ここで「仲値」とは、(買い側最良気配価格+売り側最良気配価格)÷2によって算出される値を意味する。
b) 最良気配が存在し、反対側最良気配が存在しない場合:最良気配価格からxティックの位置の価格とする。
c) 最良気配が存在せず、反対側最良気配が存在する場合:反対側最良気配価格からxティックの位置の価格とする。
d) 最良気配及び反対側最良気配が存在しない場合:現在価格からxティックの位置の価格とする。
また、仮想取引の開始直後には外部注文情報の相対価格を具体的な価格に変換するための基準となる値が存在しないため、例外的に外部注文情報の現実の価格がそのままマッチングに用いられる。
例えば、発注後5分間を経過しても出来がつかない場合に、当初指値で出していた注文を成行注文に変更したり、出来高に占める自己の占有率が30%を超えた場合に新規注文を一時停止したりすることが該当する。この際、自動執行プロセス22は第1の仮想時刻算出部54に現在時刻を問い合わせ、返された仮想時刻から発注時刻を減算することにより、「発注後5分間経過」したか否かの判断を行う。
ここで「VWAP」とは、「Volume Weighted Average Price」の略であり、取引所で成立した売買について、価格毎の出来高を加味して加重平均を算出した「出来高加重平均価格(平均株価)」を意味する。
この結果に基づいて各アルゴリズムの設定項目について微調整を行った後、証券取引所のコンピュータ20に接続して本番での取引を実行することにより、自動執行プロセス22は高いパフォーマンスを発揮することが可能となる。
12 外部注文情報生成プロセス
14 外部注文情報記憶部
18 仮想取引実行プロセス
20 証券取引所のコンピュータ
22 自動執行プロセス
24 クライアント端末
26 ゲートウェイサーバ
30 シミュレート条件設定画面
32 成績報告画面
50 仮想時刻の同期システム
52 仮想時刻設定配信部
54 第1の仮想時刻算出部
56 第2の仮想時刻算出部
58 仮想時刻設定情報
60 第1の仮想時刻テーブル
62 第2の仮想時刻テーブル
Claims (1)
- 証券取引の自動執行プロセスと、
この証券取引の自動執行プロセス専用に設けられた第1の仮想時刻算出部と、
株式の仮想取引実行プロセスと、
この株式の仮想取引実行プロセス専用に設けられた第2の仮想時刻算出部と、
証券取引所のコンピュータから送信された、銘柄毎の約定価格、出来高、売り側気配価格、売り側気配数量、買い側気配価格、買い側気配数量を含む市況情報に対し、所定の判定ロジックを適用することによって推定的に抽出された、株式の銘柄、注文の日時、売買種別、価格、数量を備えた複数の外部注文情報を格納しておく外部注文情報記憶部と、
入力手段を介して基準仮想時刻及び仮想時刻倍率が入力された場合に、この基準仮想時刻及び仮想時刻倍率を含む仮想時刻設定情報を、上記第1の仮想時刻算出部及び第2の仮想時刻算出部に対し同時に配信する仮想時刻設定配信部を備えた仮想時刻の同期システムであって、
上記第1の仮想時刻算出部は、基準仮想時刻、仮想時刻倍率、配信時システム時刻を格納する仮想時刻テーブルを備え、
上記仮想時刻設定配信部から仮想時刻設定情報が配信される度に、上記仮想時刻テーブルの基準仮想時刻及び仮想時刻倍率を上書き更新すると共に、配信時のシステム時刻によって上記仮想時刻テーブルの配信時システム時刻を上書き更新する機能と、
上記証券取引の自動執行プロセスから現時点における仮想時刻の問合わせがある度に、上記仮想時刻テーブルを参照し、上記配信時システム時刻から現時点までの経過時間に仮想時刻倍率を乗算した積を、上記基準仮想時刻に加算して現時点における仮想時刻を算出し、これを当該プロセスに返す機能を備え、
上記第2の仮想時刻算出部は、基準仮想時刻、仮想時刻倍率、配信時システム時刻を格納する仮想時刻テーブルを備え、
上記仮想時刻設定配信部から仮想時刻設定情報が配信される度に、上記仮想時刻テーブルの基準仮想時刻及び仮想時刻倍率を上書き更新すると共に、配信時のシステム時刻によって上記仮想時刻テーブルの配信時システム時刻を上書き更新する機能と、
上記株式の仮想取引実行プロセスから現時点における仮想時刻の問合わせがある度に、上記仮想時刻テーブルを参照し、上記配信時システム時刻から現時点までの経過時間に仮想時刻倍率を乗算した積を、上記基準仮想時刻に加算して現時点における仮想時刻を算出し、これを当該プロセスに返す機能を備え、
上記証券取引の自動執行プロセスは、株式の銘柄、日付、売買種別、数量、取引開始時刻及び終了時刻、自動執行用アルゴリズムを指定した仮想取引開始のリクエストを受信した際に、上記アルゴリズムに従って算出した価格と、上記アルゴリズムに従い指定数量の範囲内で複数に分割した個別数量を有する、指定銘柄及び指定売買種別による株式の仮想注文情報を生成する機能と、
この仮想注文情報を、上記第1の仮想時刻算出部から取得した仮想時刻に基づき、上記アルゴリズムに規定されたタイミングで上記株式の仮想取引実行プロセスに送信する機能を備え、
上記株式の仮想取引実行プロセスは、株式の銘柄、日付、取引開始時刻及び終了時刻を指定した仮想取引開始のリクエストを受信した際に、指定された銘柄及び日付を備えた外部注文情報を上記外部注文情報記憶部から取り出し、メモリ上に配置させる機能と、
上記証券取引の自動執行プロセスから、株式の銘柄、売買種別、価格、数量を含む仮想注文情報を受信した際に、上記第2の仮想時刻算出部から取得した仮想時刻を受付日時として付加し、上記メモリ上に配置させると共に、当該仮想注文情報を一意に特定するための識別コードを含む受付情報を、上記証券取引の自動執行プロセスに返す機能と、
上記メモリ上に配置された外部注文情報及び仮想注文情報を、それぞれの売買種別、価格、数量、日時に基づいてマッチングさせ、約定を成立させる機能と、
約定が成立した際に、少なくとも仮想注文情報の識別コード、約定数量、約定価格、約定日時を含む約定情報を生成し、上記証券取引の自動執行プロセスに送信する機能を備えたことを特徴とする仮想時刻の同期システム。
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