JP5354530B2 - 燃料用混合物及びその使用方法 - Google Patents
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Description
(1) 油脂とアルコールを均一系アルカリ触媒存在下でエステル交換反応によりバイオディーゼル燃料油を製造する過程で得られるグリセリンと、この製造過程で用いられた活性白土とを含有し、pHを6〜8とすることを特徴とする燃料用混合物。
(2) グリセリンと、活性白土との混合比率は、質量比で10:1〜17:1であることを特徴とする請求項1記載の燃料用混合物。
(3) 油脂とアルコールを均一系アルカリ触媒存在下でエステル交換反応によりバイオディーゼル燃料油を製造する過程で得られるグリセリンと、この製造過程で用いられた活性白土とを含有し、pHを6〜8となる混合物を燃料の原料として使用することを特徴とする使用方法。
本発明の燃料用混合物は、油脂とアルコールを均一系アルカリ触媒存在下でエステル交換反応によりバイオディーゼル燃料油を製造する過程で得られるグリセリンと、この製造過程で用いられた活性白土とを含有し、pHを6〜8とすることを特徴とするものである。
これらの中でも、植物性油脂およびその廃食用油が好適に使用される。油脂が液体状でないときには、加温して液状にする。上記油脂中には、遊離脂肪酸、水分、固形分などの不純物が含まれていてもよい。
この重液中には、グリセリンが主成分であるが、アルカリ触媒その他の不純物が含まれている。そのため、重液はアルカリ性である。
活性白土は、天然の酸性白土を硫酸で処理し、吸着脱色能を増大させた白土である。均一系アルカリ触媒の存在下でエステル交換反応をさせた後の反応系は当然のことながらアルカリ性であるから、この中和をする必要があるが、その中和の手段を兼ねながら、バイオディーゼル燃料となるべき脂肪酸アルキルエステルの精製をも兼ねて活性白土を含有する吸着剤が用いられる。吸着剤の量は軽液の0.5〜2質量%用いられる。
この吸着剤は、軽液を流下させる過程で、中和されるが、なお、酸性を保持している。この酸性を保持していることを利用して、本発明では、上記のアルカリ性の重液と混合することで重液の有するアルカリ性を緩和させつつ燃焼することができ、燃焼炉への悪影響を避けることができる。
この混合物のpHが6未満であると、焼却炉中では熱濃硫酸による強い酸化力で壁材を損ない、一方、混合物のpHが8を越えても、焼却炉の壁部材を損ない、強い酸化力を有するK2O3などの発生を招き、好ましくない。
本発明では、バイオディーゼル燃料油を製造する過程で用いられた活性白土には、油脂が吸着されているので燃料としても使える上、油脂を中和させるべく、もともと酸性であり、油脂を中和する過程で活性白土も中和に向かうが、油脂は中和されても活性白土は、なお酸性を保持したままであり、これをバイオディーゼル燃料油を製造する過程で副生するグリセリンと混合することで、グリセリンのアルカリ性が緩和されて中性付近(pH6〜8)に保持されることにより、この燃料用混合物を燃焼炉の燃料として用いた場合にも、燃焼炉の壁材を損なうことなく、燃焼炉等の燃料として有効利用することができ、しかも、K2O3などの発生もなく、取扱い上も、安全となる燃料用混合物及び該混合物を燃料の原料として有効に使用することができる使用方法が得られるものとなる。
原料油は、レストランから廃棄された廃食油(酸価5.2mg-KOH/g、ヨウ素価108、引火点230℃、水分1.1%)を8時間自然沈降させた後の上澄み液200リットルであり、これを5mgHgの減圧下で脱水、脱臭、脱酸し、酸価3.1mgKOH/gのものとした上で、平均粒径0.1mmの活性アルミナを充填するカラム中に通した。活性アルミナは、通過原料油に対して1質量%用いた。通過速度は、25kg/分、通過時の原料油の温度は80℃で行なった。この時点での酸価は0.6mg-KOH/gであった。送液ポンプで質量を確認しながら50kgを攪拌反応槽に送り込んだ。他方、もう一つの原料である、触媒含有アルコール溶液は、触媒として水酸化カリウム(純度90%)を用い、メチルアルコール(純度99.8%)100質量部に対して、水酸化カリウム8.3質量部の割合で溶解させた。64℃に保持した原料油中に触媒含有アルコール溶液2.72kgを15分間に渡り滴下し、滴下終了後、反応液を15分間攪拌した。攪拌速度は360rpmであった。
この懸濁液の熱量を測定したところ、6200kcal/kgであった。これを、灰分分離機能のついたボイラーで燃焼試験を行ったところ、通常の重油燃料を使用した場合とほとんど同様に燃焼した。また燃焼後の灰分は、白土成分および硫酸カリ成分であった。
実施例1で得られたグリセリン廃液52.5kgの一部を、活性白土と混ぜることなく、そのまま、実施例1で使用したボイラーに投入し燃焼実験を行ったところ、燃焼ガスから、塩基性のK2O3灰が異常に発生した。
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- 油脂とアルコールを均一系アルカリ触媒存在下でエステル交換反応によりバイオディーゼル燃料油を製造する過程で得られるグリセリンと、上記エステル交換反応により得られる脂肪酸アルキルエステルを主成分とする軽液を、活性白土を充填したカラムに通した後の活性白土とを含有し、pHを6〜8とすることを特徴とする燃料用混合物。
- グリセリンと、活性白土との混合比率は、質量比で10:1〜17:1であることを特徴とする請求項1記載の燃料用混合物。
- 油脂とアルコールを均一系アルカリ触媒存在下でエステル交換反応によりバイオディーゼル燃料油を製造する過程で得られるグリセリンと、上記エステル交換反応により得られる脂肪酸アルキルエステルを主成分とする軽液を、活性白土を充填したカラムに通した後の活性白土とを含有し、pHを6〜8となる混合物を燃料の原料として使用することを特徴とする使用方法。
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