JP5353385B2 - 光学シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱膨張による変形を抑制することができる光透過性の光学シート、当該光学シートの製造方法、当該光学シートを含む面発光装置及び液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶表示パネルと、照明光源としてのバックライトを備えている。バックライトには、光源から出射された光を拡散するシートや、液晶表示パネル側に集光するシートのほか、光を偏光分離するシートなどの種々の光学シートが組み込まれる。
近年、液晶表示装置は、その薄型化が顕著である。それに伴い、液晶表示装置のバックライトに組み込まれる光学シートの薄膜化が進められている。光学シートの薄膜化による問題点の一つに、その剛性の低下が挙げられる。光学シートの剛性が低下すると、バックライトの温度上昇によって光学シートが変形しやすくなる。光学シートの線膨張係数が大きいと、バックライトの温度上昇に伴ってシートにうねりが発生し、当該うねりによる輝度ムラがパネル越しに視認されてしまう。
この問題を解消するために、例えば特許文献1には、光学シートの熱膨張による変形を規制する線状部材をバックライトの筐体部に設ける構造が記載されている。これにより、光学シートと液晶表示パネルとの接触を防止して、表示画面の輝度の均一性を確保するようにしている。
特開2009−21037号公報(段落[0054]、図1、2)
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、線状部材という別の構成体を必要とするため、バックライトの部品点数の増加を招くという問題がある。また、線状部材は光学シートの光出射面を横切るように設置されるため、当該線状部材がパネル越しに視認されないようにするために、線状部材の構成および設置に種々の制限を伴う。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、熱膨張による変形を抑えることができる光学シート、当該光学シートの製造方法、当該光学シートを備える面発光装置及び液晶表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る光学シートは、シート本体と、構造面部とを有する。
上記シート本体は、光が入射する第1の表面と光が出射する第2の表面とを有する単一の透光性樹脂材料層からなる。上記シート本体は、互いに直交する第1及び第2の面内軸方向に配向結晶化されている。上記シート本体の面内すべての方向の線膨張係数は、1.0×10E−5/℃以下である。
上記構造面部は、上記第1及び第2の表面の少なくとも一方に形成され、幾何学形状を有する。
上記光学シートは単一の樹脂材料層で構成されるので、異種材料の積層体で構成される場合における各層間の熱膨張係数の違いに起因して発生するシートの反りが回避される。また、上記光学シートは、面内2軸方向に配向結晶化されることで、その配向の方向に剛性が高まり、線膨張係数が低下する。これにより、熱膨張による光学シートの変形量を小さく抑えることができる。さらに、上記シート本体の面内すべての方向において熱膨張を低減できるため、面内2軸方向における熱膨張量の違いに起因するシートのうねりが抑制される。そして、配向結晶化は、ランダム結晶化と異なり、シートの白化を防止できる。これにより、シート本体の透明性が維持されるため、光学シートとしての効果が失われることはない。
上記光学シートの面内方向における線膨張係数は、1.0×10E−5/℃以下である。例えば、光透過シートとして汎用的に用いられているポリカーボネート等の非晶性樹脂シートは、線膨張係数が1.0×10E−5/℃よりも大きい。このため、上記光学シートは、この種の非晶性樹脂シートに比べて、うねりなどの熱変形が抑制されることになる。また、1.0×10E−5/℃以下の線膨張係数を得るための当該軸方向のヤング率は、例えば、3.0GPa以上である。したがって、この程度の剛性が得られる程度に上記シート本体を延伸することで、所望の熱特性を得ることが可能となる。
ここで、10E−5の「E」はエクスポネンシャルを表し、10E−5は10−5と同義である。また、3.0GPaの「G」はギガを意味し、3.0GPaは3.0×10E9Paである。
上記構造面部は、例えば、当該光学シートを透過する光の配向を制御する。上記構造面部は、光入射側の上記第1の表面に形成されてもよいし、光出射側の上記第2の表面に形成されてもよいし、これらの各面にそれぞれ形成されてもよい。一実施形態において、上記構造面部は、光学シートの光出射側の面(第2の表面)に形成される。
上記構造面部は、断面三角形状のプリズム形状としてもよい。これにより、上記光学シートを集光シートとして構成することができる。上記構造面部の形状はプリズム形状に限られず、曲面状の凸または凹レンズ形状であってもよい。
上記シート本体は、上記第1及び第2の面内軸方向に延伸処理された結晶性樹脂で構成することができる。結晶性樹脂は、延伸方向に結晶化が進み、その方向にヤング率(弾性率)が高まる。ヤング率の上昇に伴ってその方向の線膨張係数が小さくなり、熱変形が抑制される。結晶性樹脂としては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET−PEN共重合体などが挙げられるが、勿論これらに限られない。
また、上記光学シートの全光線透過率を80%以上とすることで、透過ロスの少ない光学シートを得ることが可能である。光学シートの透過率は、結晶の配向特性に影響される。結晶がランダムな方向に配向していると、シートが白化し透過率が落ちる。そこで、上記シート本体を2軸延伸することで結晶の配向に規則性をもたせることが可能となり、透明度を確保しながら所望の耐熱変形特性を付与することが可能となる。
上記構造面部を含むシート本体の厚みは、例えば、10μm以上300μm以下とすることができる。厚みが10μm未満では、ハンドリング性の低下が懸念される。厚みが300μmを超えると、シートの薄膜化への寄与率が低下する。
上記シート本体の第1及び第2の面内軸方向の屈折率は、1.59以上とすることができる。これにより、上記光学シートを集光シートとして構成した場合、空気層との界面における屈折率差を大きくして集光性を高め、輝度向上率の上昇を図ることができる。
本発明の一形態に係る光学シートの製造方法は、第1の表面と第2の表面とを有する単一の結晶性樹脂からなる透光性のシートを、面内2軸方向に延伸することで、面内すべての方向の線膨張係数が1.0×10E−5/℃以下となるように配向結晶化させることを含む。上記シートの前記第1及び第2の表面の少なくとも一方に、幾何学形状の構造面部が形成される。
上記光学シートの製造方法は、上記シートを面内2軸方向に配向結晶化することで、その方向の剛性を高め、線膨張係数を低下させる。これにより、面内すべての方向において熱膨張を低減できるため、熱膨張による変形が少ない光学シートを製造することが可能となる。
上記シートを配向結晶化させる工程は、上記シートに上記構造面部を形成する工程の前に実施されてよい。
これにより、構造面部の形状精度に優れた光学シートを製造することができる。
上記シートを配向結晶化させる工程は、第1の延伸工程と、第2の延伸工程とを有してもよい。上記第1の延伸工程は、上記シートを第1の面内軸方向に延伸する。上記第2の延伸工程は、上記シートを上記第1の面内軸方向と直交する第2の面内軸方向に延伸する。この場合、上記幾何学形状の構造面部を形成する工程は、上記第1の延伸工程の後、上記第2の延伸工程の前に実施される。
これによっても、構造面部の形状精度に優れた光学シートを製造することができる。
上記幾何学形状は、稜線を有する断面三角形状のプリズム形状を含んでもよい。この場合、上記第1の延伸工程の後に実施される上記構造面部の形成工程では、上記稜線が上記第1の面内軸方向と直交するように形成される。
これにより、延伸前後における構造面部の頂角の変動を抑制することができる。
一方、前記シートを配向結晶化させる工程は、前記シートに前記構造面部を形成する工程の後に実施されてもよい。
この場合、構造面部の形状精度をシートの延伸量で制御することができる。
上記構造面部を形成する工程は、幾何学形状の構造面を有する転写型を用いてもよい。これにより、当該構造面を形状精度に優れた構造面部を形成することができる。また、前記第2の表面を光出射側の面とすることで、上記構造面によって出射光の配向特性を高精度に制御することが可能となる。
本発明の一形態に係る面発光装置は、光学シートと、照明光源とを具備する。
上記光学シートは、光が入射する第1の表面と光が出射する第2の表面とを有する単一の透光性樹脂材料層からなる。上記光学シートは、上記第1及び第2の表面の少なくとも一方に幾何学形状の構造面部を有する。上記光学シートは、互いに直交する第1及び第2の面内軸方向に配向結晶化されている。上記シート本体の面内すべての方向の線膨張係数は、1.0×10E−5/℃以下である。
上記照明光源は、上記光学シートの上記第1の表面側に配置され、上記第1の表面へ光を照射する。
上記面発光装置によれば、光学シートの熱膨張による変形が抑えられるため、輝度ムラの低減を図ることができる。
本発明の一形態に係る液晶表示装置は、光学シートと、照明光源と、液晶表示パネルとを具備する。
上記光学シートは、光が入射する第1の表面と光が出射する第2の表面とを有する単一の透光性樹脂材料層からなる。上記光学シートは、上記第1及び第2の表面の少なくとも一方に幾何学形状の構造面部を有する。上記光学シートは、互いに直交する第1及び第2の面内軸方向に配向結晶化されている。上記シート本体の面内すべての方向の線膨張係数は、1.0×10E−5/℃以下である。
上記照明光源は、上記光学シートの上記第1の表面側に配置され、上記第1の表面へ光を照射する。
上記液晶表示パネルは、上記光学シートの上記第2の表面側に配置される。
上記液晶表示装置によれば、光学シートの熱膨張による変形が抑えられるため、光学シートの変形に伴う輝度ムラが液晶表示パネル越しに視認されることはない。これにより、表示画像の画質の劣化を防止することができる。
本発明によれば、光学シートの熱膨張による変形を抑制することができる。これにより、輝度ムラの少ない面発光装置及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る光学シートの概略構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法において使用される延伸機の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法において使用される延伸機の他の例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る光学シートの製造方法において使用される転写装置の一例を示す側面図である。 図5に示した転写装置の構成の変形例を示す側面図である。 本発明の実施例に係るサンプルの物性及び特性の評価結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態による液晶表示装置の概略構成を示す分解斜視図である。まず、この液晶表示装置10の全体構成について説明する。
[液晶表示装置の全体構成]
本実施形態の液晶表示装置10は、液晶表示パネル11と、第1及び第2の偏光子12A、12Bと、プリズムシート13と、拡散板14と、バックライトユニット15とを備えている。
液晶表示パネル11は、液晶層を一対の透明基板で挟み込んだ構造を有している。液晶層の駆動方式は特に限定されず、例えば、VA(垂直配向)方式、IPS(インプレーンスイッチング)方式、TN(ツイストネマチック)方式などが適用可能である。
第1の偏光子12Aは、液晶表示パネル11の光入射側に配置された偏光子である。第2の偏光子12Bは、液晶表示パネル11の光出射側に配置された偏光子である。第1及び第2の偏光子12A、12Bは、光透過軸と、これと直交する光吸収軸とを有する。本実施形態では、第1の偏光子12Aの光透過軸と、第2の偏光子12Bの光透過軸とは、互いに直交するように配置されている。
プリズムシート13は、液晶表示装置10の正面輝度を向上させるための輝度向上フィルム(あるいはシート)として用いられている。プリズムシート13は、バックライトユニット15からの照明光(バックライト光)を拡散出射する拡散板14の光出射側に配置される。プリズムシート13は、拡散板14からの出射光を正面方向に集光し、液晶表示パネル11の正面輝度を向上させる機能を有している。
照明光源としてのバックライトユニット15は、複数本の線状光源16と、反射板17とを備える直下型バックライトとして構成されている。これに代えて、バックライトユニット15は、導光板を使用するエッジライト型バックライトとして構成されてもよい。また、光源16は、冷陰極管等の線状光源が用いられているが、これ以外にも、例えば発光ダイオードや有機エレクトロルミネッセンス素子などが用いられてもよい。
プリズムシート13及び拡散板14は、バックライトユニット15に組み込まれることによって、液晶表示パネル11を背面側から照明する面発光装置が構成される。バックライトユニット15に組み込まれる光学シートは、上述のプリズムシート13及び拡散板14に限られず、例えば、照明光をP波とS波とに分離する偏光分離シートなどが含まれてもよい。また、プリズムシート13及び拡散板14は必要に応じて複数枚用いられてもよい。
[プリズムシートの構成]
次に、プリズムシート13の詳細について説明する。
図2は、プリズムシート13の全体構成を模式的に示している。プリズムシート13は単一の透光性樹脂材料層からなるシート本体13sを含む。シート本体13sは、光入射面13aと、光出射面13bとを有する。光入射面13aはバックライト側に配置され、光出射面13bは液晶表示パネル11側に配置される。光入射面13a及び光出射面13bはそれぞれ、プリズムシート13(シート本体13s)と空気層との界面を構成する。
光出射面13bには、幾何学形状を有する構造面部13pが形成されている。構造面部13pは、シート本体13sの光出射面13bに対して、対応する形状の構造面が形成された転写型を用いて形成される。したがって、構造面部13pもまた、シート本体13sと同一の材料で構成される。構造面部13pは、光出射面13bの全面に形成されているが、これに限られず、例えば液晶表示パネル11の有効画素領域に対応する領域にのみ部分的に形成されてもよい。
本実施形態において、構造面部13pのyz断面の形状は、三角形のプリズム形状を有する。本実施形態では、構造面部13pは断面二等辺三角形状に形成されている。プリズムの頂角は、特に限定されず、目的とする輝度特性に応じて適宜設定可能であり、例えば60度以上120度以下とすることができる。上記範囲では特に、85度以上95度以下とすることができ、例えば90度とすることができる。プリズムの頂部は鋭利な形状である場合に限られず、曲面形状であってもよい。構造面部13pは複数列のプリズム面で構成されている。各プリズムは、x軸方向に延びる稜線を有するとともに、y軸方向に配列されている。プリズムの配列ピッチ(隣接する2つのプリズムの頂部の間の距離)は、特に限定されない。例えば、配列ピッチを50μm以下とすることで、モアレの発生を抑えることが可能となる。
構造面部13pは、上述したプリズム形状に限られず、例えば、シリドリカルレンズやトロイダルレンズのようにyz断面が曲面形状のレンチキュラーレンズであってもよい。このような形状によっても、所定の集光特性を得ることができる。あるいは、x方向及びy方向にそれぞれ所定の間隔をあけて配列されたレンズアレイのような集光シートであってもよい。
一方、シート本体13sの光入射面13aは、平坦に形成されている。光入射面13aは所定の表面粗さを有するシボ面とすることも可能である。あるいは、光入射面13aにも幾何学形状の構造面部が形成されてもよい。この場合、構造面部の形態は、光入射面13a側と光出射面13bとで同一であってもよいし、異なっていてもよい。
シート本体13sは、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET−PEN共重合体などの結晶性樹脂材料で構成されている。シート本体13sは、互いに直交する面内2軸方向(図2においてx方向及びy方向)に配向結晶化されている。
配向結晶化の第1の目的は、結晶の配向方向に沿ったシート本体13sの線膨張係数を減少させることにある。一般に、線膨張係数は樹脂のもつ物性で決まる固有値ではあるが、結晶性樹脂に関しては配向結晶化を進めることで、その方向に線膨張係数も変化するという特性を有する。すなわち、結晶性樹脂は、配向結晶化された方向にヤング率が大きくなり、これに伴って線膨張係数が線形的に減少する。シート本体13sの線膨張係数が減少することで(又はヤング率が大きくなることで)、シート本体13sの熱膨張による変形を抑制することが可能となる。
また、シート本体13sは、面内2軸方向に配向結晶化されているため、当該2軸方向に関して線膨張係数が低減されている。例えば、1軸延伸による配向結晶化では、延伸方向とこれに直交する方向との間に線膨張係数の大きな差が生じる。その結果、熱膨張による変形量が面内で不均一となることで、シートにうねりが発生し易くなる。これを回避するため、本実施形態のシート本体13sは、上記結晶性樹脂シートを面内2軸方向に延伸することで、当該2軸方向の間における線膨張係数の差を低減し、高温環境下におけるシート本体13sのうねりを抑制するようにしている。特に、2軸延伸の各軸方向におけるシートの延伸倍率を同等とすることにより、各軸間の線膨張係数の一様化を図ることができ、熱膨張量の不一致によるシートのうねりを抑制することができる。
本実施形態では、シート本体13sは、そのxy平面に平行なすべての方向(以下、xy面内方向という。)の線膨張係数が1.0×10E−5/℃以下となるように、配向結晶化されている。この場合、シート本体13sのxy面内方向のヤング率は3.0GPa以上である。例えば、光学シートの構成材料として広く使用されるポリカーボネート(PC)やポリスチレン(PS)などの非晶性樹脂は、線膨張係数が1.0×10E−5(1.0×10−5)台と比較的大きい。この種の非晶性樹脂シートを用いる場合、上記うねりの問題を解消するために、シート厚を大きくすることで剛性を確保することも考えられる。しかし、この手法ではシート厚の低減を図れなくなるとともに厚みの増加による材料コストの上昇を招いてしまうため、好ましくない。
配向結晶化の第2の目的は、結晶性樹脂層の透明度を確保することにある。結晶性樹脂は、ランダムに結晶化すると白化し、透過率が顕著に低下する。このような樹脂シートは、光学シートとしての使用に耐えられない。本実施形態では、シート本体13sを2軸方向に配向結晶化させることで、配向特性に規則性をもたせ、白化による透過率の低下を抑制するようにしている。シート本体13sは、例えば、80%以上の全線透過率を有している。
配向結晶化の第3の目的は、シート本体13sの屈折率を高めることにある。結晶性樹脂は、結晶化を進行させるほどその方向に屈折率が大きくなる。例えば、光出射面にプリズム面が形成されたシートにおいて、シートの屈折率が大きいほど空気層との屈折率差が大きくなり、光出射面における屈折角が大きくなる。これにより、シート内部を斜め方向に透過する光が光出射面において正面方向に偏向されやすくなり、正面輝度が向上する。本実施形態では、PET、PEN、PET−PEN共重合体のような結晶性樹脂を用いることで、シート本体13sは、1.59以上の屈折率を有する。
シート本体13sの厚みは、プリズムシート13の厚みに相当する。したがって、液晶表示装置及び面発光装置の薄型化には、シート本体13sの薄膜化が必須となる。例えば、プリズムシート13の厚みは、10μm以上300μm以下とされる。厚みが10μm未満では、ハンドリング性の低下が懸念される。一方、厚みが300μmを越えると、シートの薄膜化への寄与率が低下する。
シート本体13sは、2軸延伸の際に厚み方向の寸法が減少する。したがって、シート本体13sの延伸倍率によって、シート本体13sの厚みを制御することも可能である。
[プリズムシートの作用]
以上のように構成されるプリズムシート13は、拡散板14とともに、バックライトユニット15に組み込まれることで、液晶表示パネル11を照明する面発光装置を構成する。液晶表示装置10の動作時、プリズムシート13は、バックライトユニット15から出射された照明光を液晶表示パネル11へ集光させることで、輝度を向上させる機能を果たす。
一方、プリズムシート13は、バックライトユニット15及び液晶表示パネル11からの発熱により熱負荷を受ける。このとき、プリズムシート13が熱膨張によって反りやうねりを含む変形が生じると、面内における輝度の均一性が低下し、液晶表示パネル11の表示画像に輝度ムラを生じさせる場合がある。そこで、本実施形態のプリズムシート13は、上述の構成を有することにより、熱膨張による変形が抑制され、輝度ムラの発生が回避される。
すなわち、本実施形態のプリズムシート13によれば、単一の樹脂材料層で構成されている。したがって、異種材料の積層体で構成される場合における各層間の熱膨張係数の違いに起因して発生するシートの反りが回避される。
また、プリズムシート13は、面内2軸方向に配向結晶化されていることから、その配向の方向に剛性が高められている。これにより、線膨張係数の低減が図られ、熱膨張による光学シートの変形量を小さく抑えることができる。
さらに、プリズムシート13の面内すべての方向において熱膨張を低減できるため、面内2軸方向における熱膨張量の違いに起因するシートのうねりが抑制される。
配向結晶化は、ランダム結晶化と異なり、シートの白化を防止できる。これにより、シート本体の透明性が維持されるため、光学シートとしての効果が失われることはない。
そして、PET、PEN、PET−PEN共重合体などの結晶性材料を使用することで、プリズムシートを比較的安価に製造することができるという利点もある。
また、上記のような特性を有するプリズムシート13を用いることで、輝度ムラの発生を抑制し、輝度均一性に優れた面発光装置及び液晶表示装置を構成することができる。
[プリズムシートの製造方法]
次に、以上のように構成されるプリズムシート13の製造方法について説明する。
本実施形態のプリズムシート13の製造方法は、シートの作製工程と、シートの配向結晶化工程と、構造面部の形成工程とを有する。
シートの作製に際しては、アモルファス状態の結晶性樹脂が用いられる。結晶性樹脂としては、PET、PENあるいはPET−PEN共重合体が用いられる。ここで、アモルファス状態とは、結晶化度が例えば15%以下のものを意味し、その後の配向結晶化工程において、所望の方向に容易に結晶化できる状態であればよい。結晶化度が15%を超えると、白化による透過率の低下が顕著となり、光学シートとしての使用に適さなくなるからである。また、結晶化度が15%を超えると、一般に材料のヤング率が高くなる。このため、その後に当該シートを延伸処理する場合、延伸に必要とされる負荷が大きくなり、更に延伸時の加熱温度をより高温に設定する必要が生じる。
このようなシートの作製方法としては、例えば、溶融押し出し成形法、キャスト法、などが挙げられる。作製されたシートは、所定サイズに裁断された枚葉シートであってもよいし、長尺の帯状シートであってもよい。なお、上記シートとして市販のものを用いることも勿論可能である。
シートの配向結晶化工程は、作製されたシートを2軸方向に延伸処理することで、シートを面内2軸方向に配向結晶化させる。延伸工程では、例えば、シートを送り方向(MD(Machine Direction)方向)に延伸する1軸延伸機(ロール延伸機、ゾーン一軸延伸機)と、シートを送り方向とは直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)に延伸する1軸延伸機(テンター)とを併用することができる。あるいは、上記テンターによって、TD方向とMD方向への同時2軸延伸も実施可能である。
図3は、典型的なロール延伸機を示す概略平面図である。このロール延伸機は、一定温度に加熱された帯状シート100を走行方向に延伸させる複数の延伸ロール111、112を備える。延伸ロール112は、延伸ロール111よりも大きな回転速度で回転し、これらロール間において帯状シート100を走行方向に沿って延伸する。図示の例では、延伸時にシート100の幅方向は自由収縮させているが、当該シート幅を固定することでその方向への自由収縮を規制してもよい。
延伸倍率は、延伸ロール111、112間の回転速度差で制御される。本実施形態では、MD方向(例えば図2においてy方向)に1.0×10E−5/℃以下の線膨張係数(3.0GPa以上のヤング率)が発現するような延伸倍率に設定される。
図4は、典型的なテンターを示す概略平面図である。この延伸機は、走行する帯状シート100の幅方向の両端をクランプする複数組のクリップ対を備える。各クリップ対は、シート100の幅方向に対向し、各組のクリップ113A、113B、114A、114Bはそれぞれ、ガイドレール115A、115Bに沿って移動する。ガイドレール115A、115Bは、シート100の送り速度と同期してシート100の幅方向に沿って各組のクリップを互いに離間する方向へ移動させるように、対称に設置されている。これにより、シート100は、走行方向と直交する方向へ延伸される。
延伸倍率は、各組のクリップのシート幅方向への移動量の総和で制御される。本実施形態では、TD方向(例えば図2においてx方向)に1.0×10E−5/℃以下の線膨張係数(3.0GPa以上のヤング率)が発現するような延伸倍率に設定される。
なお、各クリップをシート幅方向への移動と同期してシート走行方向に所定の変化率で移動速度を変化させることにより、シート100をTD方向とともにMD方向へも延伸することが可能となる。
構造面部の形成工程は、幾何学形状の構造面を有する転写型を用いることができる。この転写型を、作製された帯状シートの少なくとも一方の面に転写することによって、上記構造面部が形成される。構造面部の形成工程では、例えば、エンドレスベルトを備えた転写装置、熱プレス装置などが用いられる。図5にエンドレスベルトを備えた転写装置の概略構成を示す。
図5に示す転写装置は、互いに所定間隔をおいて配置された加熱ロール211および冷却ロール212を有し、これら各ロール211、212にはエンドレスベルト213が巻装されている。エンドレスベルト213の外周面には、帯状シート200の表面に形成される構造面部の形状に対応する形状のエンボス(構造面)213aが形成されている。本実施形態では、上記構造面はプリズム形状に形成されている。各プリズムの稜線方向はエンドレスベルト213の幅方向(TD方向)に向けられている。転写装置は、加熱ロール211および冷却ロール212にそれぞれ所定の間隙をおいて対向するニップロール215、216を備えている。
帯状シート200は、加熱ロール211とニップロール215との間に供給され、シート表面にエンドレスベルト213の構造面213aが転写される。シート200は加熱ロール211によってガラス転移温度(Tg)以上の温度に加熱されることで、シート表面にエンボス213aに対応する形状の構造面部が形成される。加熱ロール211の表面温度は、Tg以上に設定される。
シート200は、エンボス213aの形状が付与された後、エンドレスベルト213と一体的に搬送され、冷却ロール212とニップロール216との間に供給される。そして、シート200は、冷却ロール212によって所定温度に冷却(急冷)される。冷却ロール212の表面温度は、シート200のTgよりも低い温度(例えば30℃)に設定されている。以上のようにして、表面に構造面部210aが形成されたシート200が作製される。
図6は、図5に示した転写装置の構成の変形例を示している。図6の転写装置は、加熱ロール211と冷却ロール212との間に巻装された第1のエンドレスベルト213と、ニップロール215、216の間に巻装された第2のエンドレスベルト214とを備えている。第1のエンドレスベルト213の外周面は、シート200の一表面に構造面部210aを形成するためのエンボスを有している。第2のエンドレスベルト214の外表面は、図示の例では平坦面に形成されている。
上記構成の転写装置においては、加熱ロール211から冷却ロール212へ至る搬送経路に沿って、シート200は、2つのエンドレスベルト213、214の間で挟持した状態で搬送される。これにより、シート200を安定に搬送でき、搬送速度の高速化を図ることも可能となる。また、第2のエンドレスベルト214の外周面に所定のエンボスを形成することにより、シート200の裏面側にも所定の幾何学形状の構造面部を形成することが可能となる。
プリズムシート13の製造に際して、配向結晶化(延伸)工程と、構造面の転写工程の順序は、特に限定されない。上記各工程を経て作製されたシートを所定のサイズに裁断することで、本実施形態のプリズムシート13が製造される。
例えば、作製したシートを2軸方向に延伸処理した後、当該シートの表面に構造面部を形成することができる。延伸工程では、シートの物理的変形を伴うため、延伸工程の前後で構造面部の形状が変化しやすい。このため、構造面部に高い形状精度が要求されるような光学シートに対しては、延伸処理したシートに構造面部を形状付与する方式が有利である。
一方、延伸前後におけるシートの物理的変化を利用して、構造面部の最終形状を調整することが可能である。この場合、構造面部の形成工程の後、延伸工程を実施すればよい。
また、延伸工程は、上述したように、MD方向とTD方向とで、工程を独立させることができるため、これらMD方向への延伸とTD方向への延伸の各工程の間に、構造面部の形成工程を実施することができる。
例えば、図2に示すプリズムシート13を作製する場合、y方向(MD方向)への延伸工程(第1の延伸工程)、プリズム面(構造面部13p)の形成工程、x方向(TD方向)への延伸工程(第2の延伸工程)の順序で実施することができる。これにより、最終の延伸工程がプリズムの稜線方向(x方向)に沿うため、プリズムの配列ピッチや形状の変化を抑制することができる。なお、最終の延伸工程で形状の配列ピッチや形状を調整する場合などにおいては、2ステップ目の延伸方向をy方向とすることも可能である。
以上のようにして、プリズムシート13が製造される。本実施形態によれば、面内方向における線膨張係数を小さいプリズムシート13を製造することができる。また、線膨張係数の大きさをシートの延伸倍率で制御することができるため、所望の熱特性を容易に付与することができる。さらに、上記処理によって、所望の透過率、屈折率などを含む光学特性を同時に得ることが可能である。
また、2軸延伸の各軸方向におけるシートの延伸倍率を同等とすることにより、各軸間の線膨張係数の一様化を図ることができ、熱膨張量の不一致によるシートのうねりを抑制することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
以下の条件で、構成の異なる複数のプリズムシートを作製し、これらを図1に示した液晶表示装置10におけるプリズムシート13としてそれぞれ組み込んだ。バックライトを点灯させてから2時間経過した後、パネル11の正面側から視認される当該プリズムシートのうねりの様子を目視にて確認した。
うねりの評価は、目視にて確認されるパネルの輝度ムラを基準とした。評価結果は以下のように3段階に分類した。
「○」:全くうねりが視認されない
「△」:一部にうねりが視認された。
「×」:全体的にうねりが視認された。
各プリズムシートの作製条件は、以下のとおりである。
(実施例1)
500μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を2軸延伸機にてMD、TDそれぞれ2.0倍の延伸倍率で延伸した。次に、この延伸シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(実施例2)
250μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を、1軸延伸機にて、シート幅を固定した状態で単軸方向に延伸した。延伸倍率は1.5倍とした。次に、この延伸シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。この際、プリズムの稜線方向が配向方向(延伸方向)と直交するようにプリズム形状を転写した。次に、当該シートを、1軸延伸機にて、そのプリズムの稜線方向(最初の延伸方向とは直交する方向)に1.5倍の延伸倍率で延伸した。この際、シートの送り方向前方側の端部は自由収縮自在とした。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。また、得られたプリズム形状は、底角が45度、ピッチが40.8μmであることが確認された。
(実施例3)
500μm厚のアモルファスPENのプレーンシート(屈折率1.64、等方性)を2軸延伸機にてMD、TDそれぞれ2.0倍の延伸倍率で延伸した。次に、この延伸シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(実施例4)
500μm厚のアモルファスPET−PEN共重合体(PET/PEN:90/10)のプレーンシート(屈折率1.64、等方性)を2軸延伸機にてMD、TDそれぞれ2.0倍の延伸倍率で延伸した。次に、この延伸シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例1)
125μm厚のPC(ポリカーボネート)プレーンシート(屈折率1.59、等方性)を準備した。当該シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例2)
100μm厚の2軸延伸PET(屈折率1.68、等方性)の一面に紫外線硬化性のアクリル樹脂にて、底角45度、ピッチが50μmのプリズム形状を付与した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例3)
250μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を準備した。当該シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えることで形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例4)
250μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を準備した。当該シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えて形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。この際、形状を付与してからTg以下に冷却するまでの時間を比較例3の2倍とした。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、形状付与から冷却までの時間が比較例3の2倍であったため微白化していたが、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例5)
250μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を準備した。当該シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えて形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。この際、形状を付与してからTg以下に冷却するまでの時間を比較例3の3倍とした。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、形状付与から冷却までの時間が比較例3の3倍であったため白化していたが、所望の形状が得られていることが確認された。
(比較例6)
500μm厚のアモルファスPETのプレーンシート(屈折率1.57、等方性)を準備した。当該シートに、そのTg以上の温度で、底角が45度、ピッチが50μmのプリズム形状をもった原盤(転写型)に圧力を加えて形状付与した後、当該シートをTg以下の温度に冷却して原盤から剥離した。次に、1軸延伸機にてプリズム稜線方向に4倍の延伸倍率で延伸した。この際、シートの送り方向前方側の端部は自由収縮自在とした。
以上のようにして作製されたプリズムシートは、透明性を維持したまま、所望の形状が得られていることが確認された。また、得られたプリズム形状は、底角が45度、ピッチが25μmであることが確認された。
作製された各プリズムシートの厚み、MD及びTD方向の線膨張係数及びヤング率、全光線透過率、うねりの評価結果を図7にそれぞれ示す。
図7に示すように、面内すべての方向の線膨張係数が1.0×10E−5/℃以下(ヤング率が3GPa以上)である実施例1〜4に係るプリズムシートに関しては、バックライトユニット内の高温環境下においてもうねりは認められなかった。これに対して、面内すべての方向の線膨張係数が上記の範囲を超えている比較例1〜4、6に係るプリズムシートに関しては、うねりが確認された。
比較例5に関しては、線膨張係数が上記の範囲内にあるため、うねりの発生は認められなかった。しかし、全光線透過率が低いため、光学シートとして適する光学的特性は有していなかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限られず、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
以上の実施形態では、光学シートとしてプリズムシートを例に挙げて説明したが、これに限られず、表面に幾何学形状の構造面部を有する光学シート、例えば拡散シートやレンズシートなどにも、本発明は適用可能である。
10…液晶表示装置
11…液晶表示パネル
13…プリズムシート
13s…シート本体
13a…光入射面
13b…光出射面
13p…構造面部
15…バックライトユニット
16…光源

Claims (3)

  1. 正面輝度を向上させるための集光シートとして用いられる光学シートの製造方法であって、
    第1の表面と第2の表面とを有する単一の結晶性樹脂からなる透光性のシートを第1の面内軸方向に延伸する第1の延伸工程と、前記シートを前記第1の面内軸方向と直交する第2の面内軸方向に延伸する第2の延伸工程とを含み、面内すべての方向の線膨張係数が1.0×10E−5/℃以下となるように前記シートを配向結晶化させ、
    前記第1の延伸工程の後、前記第2の延伸工程の前に、前記シートの前記第1及び第2の表面の少なくとも一方に幾何学形状の構造面部を形成する
    光学シートの製造方法。
  2. 請求項に記載の光学シートの製造方法であって、
    前記幾何学形状は、稜線を有する断面三角形状のプリズム形状を含み、
    前記稜線は、前記第1の面内軸方向と直交するように形成される
    光学シートの製造方法。
  3. 請求項に記載の光学シートの製造方法であって、
    前記構造面部を形成する工程は、幾何学形状の構造面を有する転写型を用いて当該構造面を前記第2の表面に転写する工程を含む
    光学シートの製造方法。
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