JP5352933B1 - 可撓性エポキシスポンジ砥石 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の鏡面研削仕上げの可能なスポンジ砥石の製造方法を提供する。
【解決手段】エポキシ樹脂を結合材にした砥石であって、該エポキシ樹脂を特殊な硬化剤によって可撓性を付与し、しかも発泡剤によってエポキシ樹脂を発泡させて独立気泡のスポンジにした低弾性率で高ひずみの砥石で、研削抵抗が小さく、マイクロクラックやヘヤーラインのない仕上研磨を可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、可撓性エポキシスポンジ砥石に関する。
より詳しくは、可撓性を有し弾性率の低い可撓性スポンジ砥石に関する。
より詳しくは、研磨材に平均粒径が1〜2μmの酸化セリウム又は酸化クロムを使用した砥石において、液晶パネルやクロムメッキロールの鏡面仕上げに、より効果を発揮する低弾性率、高ひずみの可撓性スポンジ砥石の製造方法に関する。
砥石に使用される有機結合材としては、一般に、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、その他有機樹脂としては、ウレタン樹脂、メラミン樹脂などが使用されている。
低い研削抵抗で良好な仕上げ面粗度が得られるように、結合材を多孔質にする試みがなされている。
特許文献1及び2において、結合材がエポキシ樹脂の場合、ガラスバルーン、アルミナバルーンのような無機バルーンや発泡ポリスチレン、既膨張のマイクロスフェアーのような有機バルーンを配合して多孔質化したものがある。これらは、結合材のエポキシ樹脂中に気孔材が埋め込まれたような状態になっている。
また、特許文献3及び4において、界面活性剤を用いて泡立てし、エポキシ樹脂を気孔化した砥石の特許がある。
結合材としてポリビニルアセタール樹脂PVAを使用した砥石は、微細な連続気孔構造を持つが、研磨材の最小粒径は4μm〜3μmまでであり、特許文献5において、PVAと粒径1μmの酸化セリウムや酸化クロムとは、なじみが悪いため、再生セルロースで複合粒子にした特許があるが、満足すべきものが得られていないようである。
特開2006−320992号公報 特開2006−297528号公報 特開2008−272835号公報 特開2004−337986号公報 特許番号第2696776
エポキシ樹脂を結合材として用いた砥石は、結合材と砥粒間の強い接着力により前工程の条痕を除去する切れ味と砥石の耐久性とを確保することができる。しかしながら、砥石が弾力性に乏しいため、ワークへの衝撃による新たなマイクロクラックやヘアーラインが発生する。
このため、細かい加工面粗さの確保のためには、砥石に使用する砥粒の微細化や砥石の多孔質化、更には、被研削材への圧力を小さくするために、砥石の弾性率を下げる必要がある。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を行った結果、下記の発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1)エポキシ樹脂を結合材とし、研磨材、硬化剤および発泡剤を含有する組成物を発泡してなる可撓性エポキシスポンジ砥石であって、前記硬化剤がポリオキシプロピレンアミン系硬化剤、前記発泡剤が低温膨張性の熱膨張性マイクロスフェアーの組合せであり、前記研磨材を全配合重量に対し50〜65%含有することを特徴とする可撓性エポキシスポンジ砥石、
)さらに親水性改質剤を含有する()に記載の可撓性エポキシスポンジ砥石、である。
本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石は、結合材のエポキシ樹脂に硬化剤のポリオキシプロピレンアミン系硬化剤、発泡剤の熱膨張性マイクロスフェアーに研磨材を配合することにより、従来の砥石にはない低弾性率、高ひずみのスポンジ砥石が得られるためマイクロクラックやヘアーラインなどを発生することがない。低弾性率のため特に液晶パネルおよびクロムメッキロール等鏡面仕上げ加工が必要な用途に好適である。
発泡剤の熱膨張性マイクロスフェアーの膨張温度が前記ポリオキシプロピレンアミン系硬化剤の硬化温度(80〜135℃)とほぼ同等の低温膨張型のものを用い、これに砥材を配合すると、発泡倍率が約3倍の気泡が均一で所定形状の可撓性スポンジ砥石を得ることができる。
さらに親水性改質剤を使用することにより、疎水性のエポキシ樹脂を親水性に改質できる。これにより、研磨時に摩耗した結合材のエポキシ樹脂が、水と一緒によく排出されて、砥石に目詰まりが起きないため、研磨性能を維持できる。
可撓性エポキシスポンジ砥石の製造方法の主要部を説明する工程図。
本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石は、エポキシ樹脂、硬化剤、研磨材および発泡を含する組成物を発泡してなる可撓性エポキシスポンジ砥石であって、前記硬化剤がポリオキシプロピレンアミン系硬化剤であり、前記発泡剤が熱膨張性マイクロスフェアーであることを特徴とする。以下、順を追って説明する。
本発明のエポキシ樹脂は、通常砥石の製造に使用されるエポキシ樹脂を使用することが可能である。たとえば、芳香族グリシジルエーテル型エポキシ樹脂であり、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、希釈タイプエポキシ樹脂などが使用できる。
研磨材を高充填できて、しかも高発泡倍率のスポンジが得られるるように、できるだけ粘度の低いエポキシ樹脂を使用することが望ましい。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては三菱化学製JER828,ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては三菱化学製JER807、希釈タイプエポキシ樹脂としては三菱化学製JER801−Nなどが使用できる。さらに反応性希釈剤をエポキシ樹脂に15%程度ブレンドしても良い。反応性希釈剤としては、三洋化成製グリシエールPP−300P、三菱化学製YED111Nなどが使用できる。
気泡が均一で、所定形状のスポンジ体を得るには、硬化剤の硬化に追随して、発泡剤の分解または膨張が同時進行する必要がある。
本発明では、発泡剤に低温膨張型のマイクロスフェアーを、硬化剤にポリオキシプロピレンアミン系硬化剤の組合せで使用することが望ましい。
マイクロスフェアーとは、液状の低沸点炭化水素を熱可塑性高分子の殻(シェル)で包み込んだもので、加熱すると、高分子の殻が軟化し、中の液状炭化水素が気体に変化するため、その圧力でカプセルが膨張する。
マイクロスフェアーの種類は未膨張マイクロスフェアーと既膨張マイクロスフェアーとがあり、本発明では加熱により体積が約40倍に膨張する熱膨張性マイクロスフェアーを使用する。熱膨張性マイクロスフェアーーは、最大膨張温度によって、下記のように分類されている。
低温膨張型(120℃〜130℃)
中温膨張型(140℃〜170℃)
高温膨張型(170℃〜180℃)
超高温膨張型(200℃〜250℃)
本発明の発泡剤は、次項で説明するポリオキシプロピレンアミン系硬化剤の適正硬化温度(80〜135℃)とほぼ同等の低温膨張型の熱膨張性マイクロスフェアーとを組み合わせることにより、気泡が均一で、発泡倍率約3倍の所定形状の独立気泡のスポンジ体を得ることができる。
さらに、熱膨張性マイクロスフェアーはウェットタイプとドライタイプとがあり、ウェットタイプは水分を20〜30%含んでいるため、スポンジの気泡の大きさが不均一になるのでドライタイプを使用することが望ましい。
硬化剤は、ポリオキシプロピレンアミン系硬化剤を使用することが望ましい。
本発明においては、ポリオキシプロピレンアミン系硬化剤は、硬化温度が80℃〜135℃のため、低温膨張型の熱膨張性マイクロスフェアーとの組合せて使用することにより、気泡が均一な所定形状のスポンジ体を得ることができる。
また、本発明のポリオキシプロピレンアミン系硬化剤は、硬化速度がゆっくりで、反応熱が少ないので、硬化温度が急激に上昇することがなく、発泡剤の膨張もなめらかで、気泡が均一な所定形状のスポンジ体を得ることができる。
さらに、本発明で使用するポリオキシプロピレンアミン系硬化剤は、柔軟なポリエーテル骨格を有するのでエポキシ樹脂に可撓性を与える。よって本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石はポリオキシプロピレンアミン系硬化剤を使用することによって、低弾性率、高ひずみの柔軟性を有することが可能となる。
本発明においてポリオキシプロピレンアミン系硬化剤としては、ジアミン系のポリオキシプロレンジアミン、トリアミン系のポリオキシプロピレントリアミンがあり、ポリオキシプロピレンジアミンは、ハンツマン製のジェファーミンD−230,ジェファーミンD−400,ジェファーミンD−2000などが使用できる。
ポリオキシプロピレントリアミンは、ハンツマン製のジェファーミンT−403などが使用できる。
ポリオキシプロピレンジアミンの構造式を下記に示す。
Figure 0005352933
ポリオキシプロピレントリアミンの構造式を下記に示す。
Figure 0005352933
本発明において、硬化剤の配合量は、エポキシ樹脂のエポキシ当量と、硬化剤の活性水素当量との関係により計算によって求めることが可能となる。たとえば、エポキシ樹脂JER807 100(g)を硬化剤D−400で硬化さす場合に必要な硬化剤の配合量×(g)は、次のように当量計算する。
JER807のエポキシ当量=169(g/eq)
硬化剤D−400の活性水素当量=110(g/eq)から
硬化剤の活性水素当量エポキシ樹脂のエポキシ当量=x(g)/100(g)
110(g/eq)/169(g/eq)=x(g)/100(g)より、
x=65(g)となる。
なお、本発明において使用することができる硬化剤の活性水素当量(g/eq)の具体例としては下記の例があげられる。
ジェファーミンD−230=60(g/eq)
ジェファーミンD−400=110(g/eq)
ジェファーミンD−2000=515(g/eq)
ジェファーミンT−403=81(g/eq)
本発明の砥石で使用する研削・研磨材は特に限定せず、用途に応じて適宜選定すればよい。たとえば、アルミナ質研削材、炭化けい素質研削材、酸化セリウム研削材および酸化クロム研削材等を用いることができる。たとえば、液晶パネル又はガラスの鏡面仕上げの用途であれば、酸化セリウム等を使用することができる。また、クロムメッキロールの鏡面仕上げの用途であれば、酸化クロムなどが使用可能である。使用する研削・研磨材の粒径としては、#400〜#6000程度のものを使用可能である。好ましい配合量は200〜350質量部である。
全配合重量に対する研磨材重量割合(研磨材率)としては、50(%)〜65(%)、より好ましくは50(%)〜55(%)である。
本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石には、上記組成物に加えて、親水性改質剤を配合してもよい。親水性改質剤を配合することにより、液晶パネルやクロムメッキロールの鏡面仕上げのような、常時水を掛けながら研磨するウェット状態での使用においてより好適なものとなる。
研磨作業において、結合材や被研磨材のカスが砥石の気孔中に入って目詰まりを起こすと砥石がスリップして研磨性能が落ちてくる現象がある。親水性改質剤を配合することにより、摩耗した結合材や被研削材が水と一緒によく排出されて、砥石に目詰まりを起こしにくくする効果が発現するため、研磨性能を長時間維持することができる。
本発明で使用する親水性改質剤としては、分子内に親水基を持つ適度な水溶性とエポキシ樹脂との相溶性を有することが望ましく、さらには硬化阻害を起こさず、スポンジ砥石の気泡状態を乱さないものが望ましい。このような親水性改質剤としては例えば、化学名がポリエチレングリコールビスフェノールAエーテルで、三洋化成工業株式会社製ニューポールBPE−60,日油株式会社製ユニオールDA−700などが使用できる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜4及び比較例1〜4)
下記[表1]に示す原材料の配合量(単位は質量部)で実施例1〜4及び比較例1〜4の可撓性エポキシスポンジ砥石を製造した。
ここで、下記の表1において使用した原材料は次のものである。
結合材
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、品番「JER 807」、エポキシ当量169)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と反応性希釈剤の混合物(三菱化学株式会社製、品番「JER801−N」、エポキシ当量216)
顔料湿潤・分散剤
ポリエーテル燐酸エステル化合物(楠本化成株式会社製、品番「ディスパロン DA−375」)
親水化改質剤
ポリエチレングリコールビスフェノールAエーテル(三洋化成工業株式会社製、品番「ニューポールBPE−60」)
発泡剤
低温膨張型マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社製、品番「F36D」)
膨張開始温度 75〜85℃、最高膨張温度 120〜130℃
中温膨張型マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社製、品番「F48D」)
膨張開始温度 90〜100℃、最高膨張温度 125〜135℃
未膨張エクスパンセル(日本フィライト株式会社製、品番「053−40DU」)
膨張開始温度 96〜103℃、最高膨張温度 138〜146℃
化学発泡剤ヒドラジン誘導体(永和化成工業株式会社製、品番「N#5000」)
分解温度 160℃
発泡助剤
尿素系発泡助剤(永和化成工業株式会社製、品番「セルペーストK5」)分解温度 134℃
硬化剤
ポリオキシプロピレントリアミン(ハンツマン・コーポレーション製、品番「T−403」活性水素当量81 標準硬化条件 80℃/2hr+125℃/3hr)
可撓性グレード変性ポリアミン(三菱化学株式会社製、品番「JER キュアFL51」、エポキシ当量111 標準硬化条件 23℃/7日または23℃/24hr+80℃/3hr)
メチルテトラヒドロ無水フタル酸(日立化成工業株式会社製、品番「HN−2200」、酸無水物当量165.4 標準硬化条件 120℃/5hr+150℃/15hr)
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社、品番「2E4MZ」)
硬化速度調整剤
トリエタノールアミン(米山薬品工業株式会社製、工業用)
研磨材
酸化セリウム(三井金属鉱業株式会社製、品番「ミレークE30」)
酸化クロム(日本化学工業株式会社製、品番「クロメックスS−1」または「研磨用」)
緑色炭化けい素研削材(信濃電気精錬株式会社製、品番「GP#2000」)
図1は、本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石の製造工程である。
配合剤の計量工程
混合機用の専用容器に下記の配合剤を正確に計量する。
研磨材、エポキシ樹脂、顔料湿潤・分散剤、親水性改質剤、発泡剤の熱膨張性マイクロスフェアー、硬化剤を計量する。
混合工程
遊星式混合機を使用して、研磨材の凝集塊が沈殿しないように注意して混合する。
撹拌・分散・脱泡の3ステップで、自転・公転の回転数を設定し、均一な液状混合物を得る。
注型工程
使用した金型は次の通り。
金型寸法:φ202×t36
金型材質:下型、上型、中型とも全て肉厚9t一定のアルミ
予め、離型剤を塗布・乾燥後、液状混合物を速やかに所定金型の高さの約1/3程度まで流し込み、硬化炉に入れる。
離型剤 フッ素系離型剤(株式会社ネオス製、品番「フリリースPH400−N」)
硬化工程
ポリオキシプロピレンアミン系硬化剤の標準硬化条件(80℃×2hr、125℃×3h)を基準にし一次硬化で、熱膨張性マイクロスフェアーの発泡開始温度以上の温度で硬化後(125℃×2hr)、次いで2次硬化で、熱膨張性マイクロスフェアーの発泡開始温度以上まで上げて(135℃×1hr)、内包されている炭化水素ガスを透過拡散させる。
脱型工程
70℃程度まで金型を冷却後、製品を金型から取出す。
検査工程
外観検査及び硬度をロックウェル硬度計を用いて測定する。
仕上工程
モールドスキンを旋盤で研磨し、全面をスポンジ面にして所定の寸法形状に仕上げる。
梱包・出荷
所定の小箱容器に1枚/1箱入れ、検査表を同封する。
表1の実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた可撓性エポキシスポンジ砥石の特性を下記の方法で測定した。
スポンジ砥石の形状、外観及び気泡状態を評価
形状:所定金型寸法(φ202×t36)に成形できているかどうか
外観:ヒブクレ、ヒビ割れ、凹み、肌荒れなどの外観上の異常の有無を目視で評価
気泡状態:断面の気泡状態が密で均一かどうかを評価。
コンパウンド液比重
各配合剤の真比重より、配合重量に対する体積を求め、総重量を総体積で割ってコンパウンド比重をもとめた。
スポンジ砥石のかさ比重
水中重量を測定し、アルキメデス法により体積を求めてかさ比重を算出した。
発泡倍率
発泡倍率=(コンパウンド液比重)/(スポンジ砥石のかさ比重)から算出した。
真気孔率
JIS R2614『耐火断熱れんがの比重及び真気孔率測定方法』を参考にして、本発明スポンジ砥石の真気孔率を算出した。
Pt=(1−Db/Dt)×100
ここに、Pt:真気孔率
Db:砥石のかさ比重
Dt:砥石の真比重(コンパウンド液比重と仮定)
硬度
フェノール樹脂を結合材にした通常の砥石は、ロックウェル硬度計で、1/4“鋼球圧子、初期荷重10kg、本荷重100kgのHRM硬度で測定しているが、本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石は、軟らかいために、初期荷重10kgを掛けた時、圧子が沈み時間とともに0点がマイナス方向に動いていく。暫定測定方法として、鋼球圧子を1/2“に大きくし、30秒後のマイナス値を読んでスポンジ硬度とした。マイナス値が大きいほど硬度が軟らかい。
曲げ弾性率とひずみ
JIS K 7171『プラスチック曲げ特性の求め方』によって、曲げ弾性率及びひずみを下記の条件で測定。ひずみは、破断した時の伸びを採用した。
試験片:長さ=80、幅=20、厚さ=10(ウェット仕様なので、試験片を予め水中浸漬)
3点曲げ:支店間距離60、圧子5.0R
圧縮速度:1(mm/分)
参考に、PVAスポンジ砥石及びフェノール樹脂結合材砥石の弾性率とひずみは下記の通り。
PVAスポンジ砥石:弾性率 260MPa,ひずみ3.0%
フェノール樹脂結合材砥石:弾性率 4000MPa、ひずみ0.5%
本発明の可撓性エポキシスポンジ砥石の弾性率をPVAスポンジ砥石と比較すると、実施例1の酸化セリウム砥石はPVAスポンジ砥石とほぼ同等。酸化クロム砥石はPVAスポンジ砥石より相当軟らかくなっている。
硬さは、エポキシ樹脂の銘柄でハードタイプとソフトタイプで大別し、更に硬化速度調整剤の配合量の増減によって、コントロール可能である。
また、下記の表1において、実施した研磨テストは次の通りである。
研磨機:リョービ(株)製 FG−205(刃物研磨用)
研磨条件:ウェット研磨(常時水を掛けながら研磨)
被研磨材:10mm厚ガラス板(端面)
研磨砥石:A#500レジン→GC#800PVA→GC#2000PVA→実施例1砥石
砥石回転数:440(rpm)
研磨時間:20分
研磨機:リョービ(株)製 FG−205(刃物研磨用)
研磨条件:ウェット研磨(常時水を掛けながら研磨)
被研磨材:10mm厚ガラス板(端面)
研磨砥石:A#500レジン→GC#800PVA→GC#2000PVA→実施例2砥石
砥石回転数:440(rpm)
研磨時間:20分
研磨機:リョービ(株)製 FG−205(刃物研磨用)
研磨条件:ウェット研磨(常時水を掛けながら研磨)
被研磨材:クロムメッキロール
研磨砥石:A#500レジン砥石→A#1000レジン→A#2000レジン砥石→実施例3砥石
砥石回転数:440(rpm)
研磨時間:20分
研磨機:リョービ(株)製 FG−205(刃物研磨用)
研磨条件:ウェット研磨(常時水を掛けながら研磨)
被研磨材:クロムメッキロール
研磨砥石:A#500レジン→A#1000レジン→A#2000レジン→実施例4砥石
砥石回転数:440(rpm)
研磨時間:20分
Figure 0005352933
表1にみられるように、実施例1〜4では、硬化剤にポリオキシプロピレンアミン系の硬化剤と、発泡剤に低温膨張型のマイクロスフェアーF36Dとを組み合わせることにより、硬化と発泡のバランスが良く、気泡が均一で、発泡倍率3倍程度の所定形状のスポンジを得ることができた。
また、ポリオキシプロピレンアミン系硬化剤は、硬化速度がゆっくりで、反応熱が少ないので、硬化温度が急激に上昇することがなく、発泡剤の膨張もなめらかで、気泡が均一な所定形状のスポンジ体が得られた。
比較例1は、スポンジゴムに通常使用されるOBSH系の化学発泡剤ネオセルボンN#5000とエポキシ樹脂の可撓性グレード硬化剤FL51を使用したが、硬化に対して発泡が大きく遅れて、ヘビがカエルを飲んだような歪なスポンジ形状となった。
また、硬化時の材料温度をみると、硬化剤の反応熱が高く、硬化反応が始まると、雰囲気温度に対して30℃〜70℃の温度上昇があるため、発泡剤の分解が2段階に起きて、ダルマ型のスポンジとなった。
硬化剤として多く使用されている変性ポリアミン系の硬化剤を他にも数種類試したが、いずれも硬化時の反応熱が高く、スポンジ成型するには適さなかった。
比較例2は、逆に発泡に対して硬化が大きく遅れるパターンで、発泡ガスが透過して抜けるために発泡倍率を確保できなかった。比較例3,4は硬化反応に対して発泡剤の分解がわずかに遅れて発泡倍率も低く、気泡状態も不均一となった。
比較例から、気泡が均一で、所定形状のスポンジ体を得るには、硬化剤の硬化に追随して、発泡剤の分解または膨張が同時進行する必要があることが分かる。
表1の実施例1と実施例2の研磨テスト後、目視評価で研磨面の光沢度を比較した。
実施例1および実施例2とも、マイクロクラックやヘヤーラインのない十分満足のゆく光沢度が得られた。特に実施例1は鏡面に近い非常に優れた光沢度となった。
表1の実施例3と実施例4の研磨テスト後、目視評価で研磨面の光沢度を比較した。
実施例3および実施例4とも、マイクロクラックやヘヤーラインのない十分満足のゆく光沢度が得られた。特に実施例3は鏡面に近い非常に優れた光沢度となった。
研磨テストの結果では、親水性改質剤ポリエチレングリコールビスフェノールAエーテルを配合した実施例1および実施例3の方が、配合していない実施例2および実施例4よりガラスの光沢度及びクロムメッキロールの光沢度とも高い結果が得られた。
これは、通常、研磨時に被研削材や結合材及び砥材のカスが砥石表面に目詰まりすると、砥石がスリップして研削性能がダウンしてくる傾向があるが、エポキシ樹脂を親水性改質剤ポリエチレングリコールビスフェノールAエーテルによって親水化することにより、研磨水と一緒に、カスがよく排出され、目詰まりなく長時間にわたって安定な研削性能を保つことが可能になったためと思われる。

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂を結合材とし、研磨材、硬化剤および発泡剤を含有する組成物を発泡してなる可撓性エポキシスポンジ砥石であって、前記硬化剤がポリオキシプロピレンアミン系硬化剤、前記発泡剤が低温膨張性の熱膨張性マイクロスフェアーの組合せであり、前記研磨材を全配合重量に対し50〜65%含有することを特徴とする可撓性エポキシスポンジ砥石。
  2. さらに親水性改質剤を含有する請求項に記載の可撓性エポキシスポンジ砥石。
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