JP5352709B1 - アンカービス及びねじ転造平ダイス - Google Patents

アンカービス及びねじ転造平ダイス Download PDF

Info

Publication number
JP5352709B1
JP5352709B1 JP2012111862A JP2012111862A JP5352709B1 JP 5352709 B1 JP5352709 B1 JP 5352709B1 JP 2012111862 A JP2012111862 A JP 2012111862A JP 2012111862 A JP2012111862 A JP 2012111862A JP 5352709 B1 JP5352709 B1 JP 5352709B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
screw
pitch
trapezoidal
triangular
anchor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012111862A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013238282A (ja
Inventor
政弘 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
hirata company limited
Original Assignee
hirata company limited
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by hirata company limited filed Critical hirata company limited
Priority to JP2012111862A priority Critical patent/JP5352709B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5352709B1 publication Critical patent/JP5352709B1/ja
Publication of JP2013238282A publication Critical patent/JP2013238282A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dowels (AREA)

Abstract

【課題】樹脂プラグの軸心に軸心を一致させてねじ込むとともに、樹脂プラグを確実に押し広げて十分なアンカー効果を発揮する。
【解決手段】コンクリートに穿設された下穴に差し込まれた樹脂プラグにねじ込まれてアンカー効果を発揮するアンカービス1における軸部3のねじが、略中間部からとがり先31の上方側近傍にかけて形成された台形ねじ32と、台形ねじ32のピッチ及びリード角と同じピッチ及びリード角でとがり先31の上方側近傍からその先端にかけて形成された三角ねじ33とを有する。そして、三角ねじ33の上端部331が、台形ねじ32の下端部321に対してそれらのピッチの半ピッチとがり先31の先端側にずれた状態で略半周にわたって並列して形成される。
【選択図】図2

Description

この発明は、樹脂プラグ用アンカービス及びアンカービスを製造するねじ転造平ダイスに関するものである。
従来より、コンクリートスラブ等に構造物を固定する場合には、あと施工アンカーが採用される。あと施工アンカーは、金属系アンカー、接着系アンカー、その他のアンカー類に分類され、その他のアンカー類の一例として、樹脂プラグが知られている。この樹脂プラグを用いるあと施工アンカーは、コンクリートに下穴を穿設する一方、樹脂プラグにアンカービスを保持するとともに、構造物の取付穴を通して下穴に樹脂プラグを差し込んだ後、樹脂プラグに対してアンカービスを強制的にねじ込むことにより、樹脂プラグを押し広げてアンカー効果を発揮させ、構造物をコンクリートに固定するものである(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3163758号公報
ところで、樹脂プラグ用アンカービスのねじとして、三角ねじ、もしくは、台形ねじが採用されている。このうち、三角ねじを形成したアンカービスは、樹脂プラグに対して食い付き易く、良好な直進性を有するものの、樹脂プラグを切り込みながら進行する関係から、樹脂プラグを押し広げる度合いが小さくなり、十分なアンカー効果を発揮できないという欠点があった。また、作業者はアンカービスの先端部を予め樹脂プラグにねじ込んだ状態で下穴に差し込み、アンカービスをねじ込むことになるが、作業者による樹脂プラグに対するアンカービスのねじ込みが容易に進行し、樹脂プラグが拡径して下穴に差し込むことができなく場合がある。このため、樹脂プラグに対するアンカービスのねじ込み位置を作業者の経験とカンに基づいて調整する必要があった。
一方、台形ねじを形成したアンカービスは、樹脂プラグを切削することなく進行するため、樹脂プラグを確実に押し広げて十分なアンカー効果を発揮できるものの、樹脂プラグに対する食い付きが悪く、作業者によるねじ込みが容易でないという欠点がある。また、アンカービスの先端部において、台形ねじのねじ山が樹脂プラグに接触する部分と接触しない部分とが発生することにより、それらの摩擦力の差によって樹脂プラグの軸心に対してアンカービスの軸心がずれる傾向がある。このため、樹脂プラグの軸心からずれた傾斜状態でアンカービスがねじ込まれてアンカー効果が損なわれるという問題があった。さらに、作業者がアンカービスの先端部を樹脂プラグにねじ込んで保持しようとしても、樹脂プラグに対してアンカービスが空転し、樹脂プラグにアンカービスを確実に保持することが容易でないという問題もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、必要以上のねじ込みを防止して樹脂プラグを確実に保持することができ、また、樹脂プラグの軸心に軸心を一致させてねじ込むことができるとともに、樹脂プラグを確実に押し広げて十分なアンカー効果を発揮することのできるアンカービス及び当該アンカービスを効率よく製造することのできるねじ転造平ダイスを提供するものである。
本発明のアンカービスは、頭部及び略中間部からとがり先の先端にかけてねじが形成された軸部からなり、コンクリートに穿設された下穴に打設された樹脂プラグにねじ込んでアンカー効果を発揮するアンカービスであって、前記軸部のねじが、設定されたリード角及びピッチで軸部の略中間部からとがり先の上方側近傍にかけて形成された台形ねじと、台形ねじのリード角及びピッチと同一のリード角及びピッチで軸部の、とがり先の上方側近傍からとがり先の先端にかけて形成された三角ねじとからなり、台形ねじ及び三角ねじが2条ねじを形成するようにそれらのピッチの半ピッチずれて形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、作業者がアンカービスを樹脂プラグにねじ込むと、とがり先側に形成された三角ねじが食い付き、樹脂プラグにアンカービスを保持することができる。この場合、樹脂プラグにアンカービスをさらにねじ込もうとしても、三角ねじに続く台形ねじの抵抗が大きく、それ以上の作業者によるねじ込みはできないため、樹脂プラグを必要以上に拡径させることはない。次いで、アンカービスを保持した樹脂プラグをコンクリートの下穴に差し込んだ後、アンカービスを強制的にねじ込む。これにより、まず三角ねじが食い付いて先導し、樹脂プラグをわずかに切り込みながら軸心を一致させて下方に向かって進行する。一方、三角ねじに続く台形ねじは、三角ねじからそれらのピッチの半ピッチずれていることから、樹脂プラグに対して、2条ねじのように三角ねじのねじ山が通過した経路から半ピッチ離れた経路を進行し、樹脂プラグを十分に押し広げることができる。
この結果、樹脂プラグにアンカービスを簡単に、かつ、必要以上に拡径させることなく保持することができる。また、コンクリートの下穴に差し込まれた樹脂プラグにアンカービスを強制的にねじ込む際、三角ねじが食い付いて先導し、樹脂プラグの軸心に軸心を一致させてアンカービスをねじ込むことができるとともに、台形ねじが三角ねじの経路から半ピッチ離れた経路を進むことにより、樹脂プラグを確実に押し広げることができ、十分なアンカー効果を発揮することができる。
本発明において、前記軸部の、とがり先の上方側近傍における三角ねじの上端部が台形ねじの下端部に対してとがり先の先端側に位置して略半周にわたって並列して形成されることが好ましい。これにより、ねじ山がねじの谷から徐々に規定された台形状に形成される略半周にわたる台形ねじの下端部を、三角ねじが樹脂プラグに食い付いて進行し、三角ねじから台形ねじに円滑に移行することができる。
本発明のねじ転造平ダイスは、転造面に、設定されたリード角及びピッチの複数本のねじ溝が形成されるとともに、下端部に下端縁に向かって徐々に外方に膨出するテーパー部を有するねじ転造平ダイスにおいて、前記ねじ溝が、設定されたリード角及びピッチで略中間部からテーパー部の上方側近傍にかけて形成された複数本の断面台形状のねじ溝と、断面台形状のねじ溝のリード角及びピッチと同一のリード角及びピッチでテーパー部の上方側近傍からその先端にかけて形成された複数本の断面三角形状のねじ溝とからなり、断面台形状のねじ溝と断面三角形状のねじ溝とがそれらのピッチの半ピッチずれて形成されることを特徴とするものである。
本発明によれば、対向して配置された固定側ねじ転造平ダイス及び移動側ねじ転造平ダイスの間にねじブランクを挟み込み、固定側ねじ転造平ダイスに対して移動側ねじ転造平ダイスを圧力を作用しつつ移動させることにより、テーパー部によってねじブランクの軸部の先端部にとがり先を形成するとともに、断面台形状のねじ溝によって中間部からとがり先の上方側近傍にかけて設定されたリード角及びピッチの台形ねじを形成し、さらに、断面三角形状のねじ溝によってとがり先の上方側近傍からその先端にかけて台形ねじのリード角及びピッチと同一のリード角及びピッチの三角ねじを形成する。ただし、断面三角形状のねじ溝は、断面台形状のねじ溝に対してそれらのピッチの半ピッチずれていることにより、三角ねじは、台形ねじに対してそれらのピッチの半ピッチずれて形成される。
この結果、ねじブランクに同一のリード角及びピッチの台形ねじ及び三角ねじを半ピッチずらして同時に形成して、台形ねじ及び三角ねじを有するアンカービスを効率よく製造することができる。
本発明において、前記テーパー部の上方側近傍における断面三角形状のねじ溝の上端部が断面台形状のねじ溝の下端部に対してテーパー部の先端側に位置してそれらの半ピッチの周長に略相当する長さにわたって並列して形成されることが好ましい。すなわち、台形ねじが規定された台形状のねじ山に至るまでには、急激な形状変更を避けるため、例えば、下端部先端(転造面表面)から半ピッチの周長に略相当する長さにわたって断面台形状のねじ溝を徐々に形成する。このため、規定された台形状のねじ山の台形ねじが形成されるまでの間を三角ねじが埋めるように、断面三角形状のねじ溝を形成する。これにより、規定された形状の台形ねじが形成されるまでの間を三角ねじが進行して台形ねじに円滑に移行させることができる。
本発明のアンカービスによれば、樹脂プラグの軸心に軸心を一致させて簡単にねじ込むことができるとともに、樹脂プラグを確実に押し広げて十分なアンカー効果を発揮することができる。
また、本発明のねじ転造平ダイスによれば、上述のアンカービスを効率よく製造することができる。
本発明の樹脂プラグ用アンカービスの一実施形態を示す正面図である。 図1のアンカービスの軸部下半部の拡大図である。 図2の側面図である。 本発明のねじ転造平ダイスの一実施形態を示す正面図及びそのA−A線断面図である。 ねじ転造平ダイスを用いたアンカービスの製造方法を説明する概略図である。 試験1のコンクリート母材に対する試験対象の樹脂プラグ及びアンカービスの位置関係を示す平面図である。 図6のB−B線断面図である。 試験2のコンクリート母材に対する試験対象の樹脂プラグ及びアンカービスの位置関係を示す平面図である。
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3には、本発明の樹脂プラグ用アンカービス1の一実施形態が示されている。
このアンカービス1は、頭部2及び軸部3からなり、頭部2は皿状に形成され、また、軸部3の先端はとがり先に形成されている。そして、アンカービス1の軸部3には、略中間部からとがり先31の上方側近傍にかけて台形ねじ32が形成されるとともに、軸部3の、とがり先31の上方側近傍からとがり先31の先端にかけて三角ねじ33が形成されている。つまり、とがり先31よりも上方の軸部3に、後述する台形ねじ32の下端部321及び三角ねじ33の上端部331が形成されている。
ここで、台形ねじ32及び三角ねじ33は、同一のピッチP及びリード角θを有するとともに、三角ねじ33は、台形ねじ32に対してそれらのピッチPの半ピッチ(1/2・P)下方(とがり先31の先端側)にずれて形成されており、台形ねじ32と三角ねじ33は、2条ねじの関係にある。そして、とがり先31の上方側近傍において、台形ねじ32の下端部(ねじ込みに際しての始端部)321は、軸3の谷を始端321aとして徐々にねじ山が形成され、180度進んだ位置において規定された台形状のねじ山が形成されるように設定されている。一方、三角ねじ33の上端部(ねじ込みに際しての終端部)331は、台形ねじ32の下端部321に対応して形成され、台形ねじ32の始端321aに対応する位置から略180度進んだ位置、すなわち、規定された形状の台形ねじ32が始まる位置に略対応して終端331bが設定されている。これにより、規定された形状の台形ねじ32が形成されるまでの間を三角ねじ33が進行する。
このように構成されたアンカービス1においては、作業に際して作業者が樹脂プラグG(図7参照)にアンカービス1の先端部をねじ込んで保持するとき、とがり先31の上方側近傍までにわたって三角ねじ33が形成されていることにより、三角ねじ33が樹脂プラグGに食い付き、樹脂プラグGにアンカービス1を簡単に保持することができ、その状態で樹脂プラグGをコンクリートCの下穴Ca(図7参照)に差し込むことができる。
この際、三角ねじ33は、先端部にのみ形成され、三角ねじ33が終端部331を経て終端331bに達すると、そこから半ピッチ(1/2・P)上方において規定された台形状の台形ねじ32が始まることから、作業者による樹脂プラグGに対するアンカービス1のねじ込みは、抵抗が大きくなり、それ以上ねじ込むことは困難となる。したがって、樹脂プラグGに対してアンカービス1を必要長さ以上ねじ込んで樹脂プラグGを過剰に押し広げることはなく、アンカービス1を保持した樹脂プラグGを下穴Caに確実に差し込むことができ、作業に支障を来すことはない。
次いで、下穴Caに差し込んだ樹脂プラグGに対してアンカービス1を強制的にねじ込む。これにより、先端部に形成された三角ねじ33がパイロットとして機能し、その軸心を樹脂プラグGの軸心と一致させて樹脂プラグGにわずかに切り込みを入れながらねじ込むことができる。この際、三角ねじ33は、先端部にのみ形成されて後続する三角ねじは存在しないことから、樹脂プラグGを後続する三角ねじ33によって徐々に切り込むことはない。一方、台形ねじ32は、三角ねじ33のピッチPから半ピッチだけずれていることにより、その台形状ねじ山は、三角ねじ33の三角状ねじ山が進行した経路とは半ピッチずれた経路を進行し、樹脂プラグGを押し広げる。すなわち、アンカービス1は、樹脂プラグGに三角ねじ33のねじ山による螺旋状の経路を進行するとともに、台形ねじ32のねじ山による螺旋状の経路を三角ねじ33のねじ山による螺旋状の経路から半ピッチずれて進行することになる。したがって、先端部の三角ねじ33が樹脂プラグGをわずかに切り込むものの、継続して切り込むことはなく、かつ、三角ねじ33のねじ山が進行する経路とは異なる経路を台形ねじ32のねじ山が進行することにより、アンカービス1は、樹脂プラグGを確実に押し広げて十分なアンカー効果を発揮させることができる。
このようなアンカービス1は、図4に示すねじ転造平ダイス10を用いて製造される。
このねじ転造平ダイス10は、その転造面に、アンカービス1の軸部3に形成されるねじに対応して、設定されたリード角θの複数本のねじ溝11が設定されたピッチPをおいて形成されるとともに、下端部にそのとがり先31に対応して、下端に向かって徐々に外方に膨出するテーパー部12が形成されて構成される。そして、ねじ溝11は、アンカービス1における軸部3の略中間部に対応する位置からとがり先31の上方側近傍に対応する位置であるテーパー部12の上方側近傍にかけて形成された複数本の断面台形状のねじ溝11aと、アンカービス1のとがり先31の上方側近傍に対応する位置からとがり先31の先端に対応する位置にかけて、すなわち、テーパー部12の上方側近傍からその先端にかけて形成された複数本の断面三角形状のねじ溝11bとを有している。
ここで、断面台形状のねじ溝11a及び断面三角形状のねじ溝11bのリード角θ及びピッチPは、アンカービス1の台形ねじ32及び三角ねじ33のリード角θ及びピッチPに一致している。
ただし、断面三角形状のねじ溝11bは、断面台形状のねじ溝11aに対して、それらのねじ溝のピッチPの半ピッチ(1/2・P)下方にずれて形成されるとともに、断面台形状のねじ溝11aの終端よりも食い付き部側に半ピッチ(1/2・P)の周長に略相当する長さをおいて始端が位置している。
そして、ねじ転造平ダイス10を用いてアンカービス1を製造するには、図5に示すように、一対のねじ転造平ダイス10,10のうち、固定側ねじ転造平ダイス(以下、固定ダイスという。)10Aに対して移動側ねじ転造平ダイス(以下、移動ダイスという。)10Bをその1枚分の長さだけ上流側に配置した後、ねじブランク1Xを固定ダイス10Aの食い付き部に配置して移動ダイス10Bとの間で挟み込んで保持し、移動ダイス10Bを固定ダイス10Aに押圧しつつス固定ダイス10Aの加工終了位置である逃げに向かって移動させる。これにより、ねじブランク1Xは、固定ダイス10A及び移動ダイス10Bに挟み込まれるとともに、移動ダイス10Bが移動することで、固定ダイス10Aの表面を食い付き部から逃げに向かって転動し、また、相対的に移動ダイス10Bの表面を転動する。この際、固定ダイス10A及び移動ダイス10Bの表面にはねじ溝11が形成されるとともに、テーパー部12が形成されていることにより、ねじブランク1Xの軸部3にねじ溝11に対応するねじ山を形成するとともに、軸部3の先端をテーパー部12に対応して徐々に縮径させ、とがり先31に形成する。すなわち、ねじブランク1Xの軸部3の略中間部からとがり先31の上方側近傍にかけて断面台形状のねじ溝11aに対応する台形ねじ32を形成するとともに、軸部3のとがり先31の上方側近傍からとがり先31の先端にかけて断面三角形状のねじ溝11bに対応する三角ねじ33を形成する。この際、断面台形状のねじ溝11aのリード角θ及びピッチPと、断面三角形状のねじ溝11bのリード角θ及びピッチPとは同一であるから、台形ねじ32及び三角ねじ33のリード角及びピッチは同一である。
ただし、断面台形状のねじ溝11aと断面三角形状のねじ溝11bとは、それらのピッチPの半ピッチ離れて形成されるとともに、断面三角形状のねじ溝11bの始点は、断面台形状のねじ溝11aの終点よりも、半ピッチ(1/2・P)の周長に略相当する長さ食い付き部側にあることにより、台形ねじ32と三角ねじ33とは、半ピッチずれて形成されるとともに、台形ねじ32の下端部と三角ねじ33の上端部とは、略半周分並列した状態に形成されることになる。すなわち、台形ねじを形成する断面台形状のねじ溝11aは、転造面から徐々に形成され、軸部3の半周に略相当する長さにわたって規定された台形状の溝になるように設定されている。したがって、規定された形状の台形ねじ32が形成されるまでの間、三角ねじ33を並列して形成して台形ねじ32に円滑に移行するように、断面台形状のねじ溝11aの下端部に対応して断面三角形状のねじ溝11bの上端部を食い付き部側に延長して形成する。これによって、台形ねじ32が樹脂プラグGに接触する、規定された形状に形成されるまでの間を三角ねじ33を形成して樹脂プラグGに接触させ、三角ねじ33から台形ねじ32に円滑に移行させることができる。
このように構成された本願発明のアンカービス1の引抜き力を次の試験要領で測定した(試験1)。
縦300mm×横500mm×厚み100mmの昭和コンクリート社製試験用コンクリート母材Cを用意し、図6に示すように、それぞれ直径8.55mm、深さ60mmの下穴Caを各行5個、3行の合計15個穿設した後、各下穴Caにfischer社製樹脂プラグG(商品名SX8×40;外径8mm×長さ40mm)を差し込んだ。次いで、第1行の5個の樹脂プラグGに本願発明のアンカービス1(ねじの呼び径6mm×呼び長さ80mm)を貫入長50mmねじ込んだ。同様に、同じアンカービス1を、第2行の5個の樹脂プラグGには貫入長45mm、第3行の樹脂プラグGには貫入長40mmそれぞれねじ込んだ。この場合、樹脂プラグGに対していずれのアンカービス1も容易にねじ込むことができた。
これらのアンカービス1について、それぞれ頭を引っ張り、引抜き時の力を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0005352709
これらのことから明らかなように、本願発明のアンカービス1は、引抜きに対して目安となる4kNを確保しており、十分な強度を有している。また、試験後、コンクリート母材Cを破壊して、樹脂プラグGに対するアンカービス1のねじ込み状態を確認したが、そのほとんどが樹脂プラグGの軸心を貫通していた。
次いで、三角ねじのみを形成したアンカービス100を比較例として、本願発明のアンカービス1とともに引抜き力を次の試験要領で測定した(試験2)。
縦300mm×横500mm×高さ100mmの昭和コンクリート社製の試験コンクリート母材Cを用意し、図8に示すように、それぞれ直径8.73mm、深さ60mmの下穴を穿設した後、各下穴にfischer社製樹脂プラグG(商品名SX8×40;外径8mm×長さ40mm)を差し込んだ。次いで、比較例のアンカービス100(ねじの呼び径6mm×呼び長さ80mm)を第1列の3個の樹脂プラグGに貫入長50mmねじ込んだ。同様に、本願発明のアンカービス1(ねじの呼び径6mm×呼び長さ80mm)を、第2列の3個の樹脂プラグGに貫入長50mm、第3列の3個の樹脂プラグGに貫入長45mm、第4列の3個の樹脂プラグGに貫入長40mmそれぞれねじ込んだ。この場合、樹脂プラグGに対して本願発明のアンカービス1及び比較例のアンカービス100とも容易にねじ込むことができた。
これらのアンカービス1,100について、それぞれ頭を引っ張り、引抜き時の力を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0005352709
これらのことから、下穴の径を試験1よりも拡大したため、強度は低下したが、本願発明のアンカービス1は、最低貫入長40mmの場合でも目安となる4kNを確保しており、問題がないことが確認できた。また、比較例のアンカービス100との対比において、強度が大きいことも確認できた。
なお、前述したアンカービス1の実施形態においては、台形ねじ32の下端部321と三角ねじ33の上端部331との並列状態を、軸部3の略半周にわたって形成した場合を例示したが、略半周に限定されるものではない。すなわち、規定された形状の台形ねじが速やかに形成されるならば、台形ねじ32の下端部321の始端321aと三角ねじ33の上端部331の終端331bとが対向するように、台形ねじ32の下端部321と三角ねじ33の上端部331との並列がなくても構わない。
1 アンカービス
2 頭部
3 軸部
31 とがり先
32 台形ねじ
321 下端部(始端部)
33 三角ねじ
331 上端部(終端部)
10 ねじ転造平ダイス
11 ねじ溝
11a 断面台形状のねじ溝
11b 断面三角形状のねじ溝
12 テーパー部

Claims (4)

  1. 頭部及び略中間部からとがり先の先端にかけてねじが形成された軸部からなり、コンクリートに穿設された下穴に打設された樹脂プラグにねじ込んでアンカー効果を発揮するアンカービスであって、前記軸部のねじが、設定されたリード角及びピッチで軸部の略中間部からとがり先の上方側近傍にかけて形成された台形ねじと、台形ねじのリード角及びピッチと同一のリード角及びピッチで軸部の、とがり先の上方側近傍からとがり先の先端にかけて形成された三角ねじとからなり、台形ねじ及び三角ねじが2条ねじを形成するようにそれらのピッチの半ピッチずれて形成されることを特徴とするアンカービス。
  2. 請求項1に記載のアンカービスにおいて、前記軸部の、とがり先の上方側近傍における三角ねじの上端部が台形ねじの下端部に対してとがり先の先端側に位置して略半周にわたって並列して形成されることを特徴とするアンカービス。
  3. 転造面に、設定されたリード角及びピッチの複数本のねじ溝が形成されるとともに、下端部に下端縁に向かって徐々に外方に膨出するテーパー部を有するねじ転造平ダイスにおいて、前記ねじ溝が、設定されたリード角及びピッチで略中間部からテーパー部の上方側近傍にかけて形成された複数本の断面台形状のねじ溝と、断面台形状のねじ溝のリード角及びピッチと同一のリード角及びピッチでテーパー部の上方側近傍からその先端にかけて形成された複数本の断面三角形状のねじ溝とからなり、断面台形状のねじ溝と断面三角形状のねじ溝とがそれらのピッチの半ピッチずれて形成されることを特徴とするねじ転造平ダイス。
  4. 請求項3に記載のねじ転造平ダイスにおいて、前記テーパー部の上方側近傍における断面三角形状のねじ溝の上端部が断面台形状のねじ溝の下端部に対してテーパー部の先端側に位置してそれらの半ピッチの周長に略相当する長さにわたって並列して形成されることを特徴とするねじ転造平ダイス。
JP2012111862A 2012-05-15 2012-05-15 アンカービス及びねじ転造平ダイス Active JP5352709B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111862A JP5352709B1 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 アンカービス及びねじ転造平ダイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012111862A JP5352709B1 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 アンカービス及びねじ転造平ダイス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5352709B1 true JP5352709B1 (ja) 2013-11-27
JP2013238282A JP2013238282A (ja) 2013-11-28

Family

ID=49763482

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012111862A Active JP5352709B1 (ja) 2012-05-15 2012-05-15 アンカービス及びねじ転造平ダイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5352709B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109863319A (zh) * 2016-10-17 2019-06-07 博萨尔德股份公司 紧固元件

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5770399B1 (ja) 2015-03-02 2015-08-26 クラウン精密工業株式会社 自己タップねじ及びその製造方法
JP5961726B1 (ja) * 2015-05-25 2016-08-02 平田ネジ株式会社 木ねじ及びねじ転造平ダイス

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109863319A (zh) * 2016-10-17 2019-06-07 博萨尔德股份公司 紧固元件

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013238282A (ja) 2013-11-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2651841C (en) Self-drilling screw
US20170241463A1 (en) Hole expanding screw
JP5352709B1 (ja) アンカービス及びねじ転造平ダイス
HUT58572A (en) Method and apparatus for producing anchor bolt
KR102528206B1 (ko) 셀프 태핑 스크루 및 그 제조 방법
US2150788A (en) Self-clinching nail
JP6228203B2 (ja) ねじ部品及びねじ部品の製造方法
TWI749028B (zh) 自攻螺釘之滾軋模
US4034586A (en) Thread rolling die and method of thread rolling
TWI683966B (zh) 螺絲
US10337548B2 (en) Crack-proof screw
JP5961726B1 (ja) 木ねじ及びねじ転造平ダイス
JP4204905B2 (ja) ドリリングタッピングねじ
US20180071842A1 (en) Punching device, punch and method
US11174885B2 (en) Expansion screw structure
JP5692713B1 (ja) 拡開アンカー
US4881395A (en) Process and apparatus for fabricating stepped nails
TWI586451B (zh) 用於製造一鑽孔尖端之方法及夾持鉗口對
JP3126900U (ja) タッピンねじ
JP4145716B2 (ja) 深溝付きスクリュウの転造ダイスと深溝付きスクリュウの製造方法
TWM455090U (zh) 木螺絲結構改良
JP3960845B2 (ja) 深溝付きスクリュウの転造ダイスと深溝付きスクリュウの製造方法
JP6710417B1 (ja) 薄板用ドリルネジ
JP2006334621A (ja) 螺子用金型の製造方法及び螺子の製造方法
TW201716696A (zh) 自攻螺絲結構與製法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5352709

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250