JP5352177B2 - 複合加工工具 - Google Patents
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Description
また、CBBツールでは、切削加工径の調整機構を装備しようとすると大径化し小径のワークに適用しにくいという問題があった。
かかる構成により、例えば、複合加工工具1の前進送り時には、スカイビング加工部5によりスカイビング加工に適した加工条件を設定してスカイビング加工を行ない、複合加工工具1の後退時にはバニシング加工部3によりバニシング加工に適した加工条件を設定してバニシング加工を行なう。
スカイビング加工専用装置100は、ドリルチューブ104を介して複合加工工具1のシャンク2(図1(a))を回転させる回転駆動装置101と、複合加工工具1にクーラントLを供給するクーラント供給装置102と、クーラントLを回収して循環させるクーラント回収装置103と、ワークWを保持するワークヘッド105と、を備えて構成されている。
具体的には、アジャストナット35を左に回すとフレーム33がマンドレル31に対して前進するので、バニシング加工径が拡大する。一方、アジャストナット35を右に回すとフレーム33がマンドレル31に対して後退するのでバニシング加工径が縮小する。
ボディ4の外周部には、カートリッチ6,6をはめ込んで取り付けるための凹部41,41(図3(b)を併せて参照)がそれぞれ対向する位置に形成されている。
また、ボディ4の外周面には、図3(a)に示すように、台のようにボディ4の外周面から突出して形成されたガイドパット42が数箇所取り付けられている。このガイドパット42は、ワークWを安定して保持することで、振動を抑制し安定した加工精度を保つ役割を果たしている。
すなわち、ガイドパット42がなすガイドパット径は、スカイビング加工の仕上がり寸法に対して+0.1〜0.2mm大きくなるように設定され、スカイビング加工中にワークWに削り取られてスカイビング加工径δ(図4(b))と合致するようにして、ワークWを安定して保持することができる。
かかる構成により、リトラクトバー81の進退動作がリトラクトピン62に円滑に伝達される。
カートリッチ6は、図4(d)に示すように、ボルト65で保持されたスプリング64によりボディ4の中心方向に付勢されるようにボディ4の凹部41にはめ込まれ、ピン66を中心として回動自在にボディ4に取り付けられている。
かかる構成により、カートリッチ6の底面に配設された調整ブロック61に形成された凸部61aがリトラクトピン62に乗ってリトラクトピン62を押圧するように作用する(図4(c))。
かかる構成により、調整ブロック61を溝6cに沿って軸方向に移動させることで、スカイビング加工径δ(図4(b))を調整することができる。具体的には、位置調整ねじ6eにより調整ブロック61を前進方向に移動させるとスカイビング加工径δが縮小し、調整ブロック61を後退方向に移動させるとスカイビング加工径δが拡大する。このように、調整ブロック61を溝6cに沿って軸方向に移動させることで、切削加工径δを微調整することが可能となるため、要求される品質等に応じて柔軟な対応が可能となる。
そして、リトラクトピン62が後退位置にある場合には、前側の大径部分62dと凸部61aとが当接し、リトラクトピン62が前進位置にある場合には、後側の小径部分62eと凸部61aとが当接するように構成されている。
具体的には、流体供給路84にエアを供給しない状態では、図1に示すように、スプリング62aによりリトラクトピン62が後退位置に戻されている。そして、スプリング83aにより第1および第2のリトラクトバー81,82も後退位置に戻されている。
一方、流体供給路84にエアを供給すると、このエアの流体圧力により、スプリング83aの付勢力に抗してピストン83が前進するため、第1および第2のリトラクトバー81,82を前進させることができる。
なお、本実施形態においては、往復移動手段として流体供給路84を設けてピストン83を介してリトラクトピン62をエアで駆動することとしたが、これに限定されるものではなく、ピストン8を介さずプッシュロッド等で直押しにして駆動してもよい。また、流体供給路84に関して、取り扱い性等を考慮して圧力流体をエアとしたが、これに限定されるものではなく、流体供給路84に圧油を供給して同様の動作を行なわせることもできる。
このように、リトラクトピン62が後退位置にある場合には、リトラクトピン62の大径部分62dと調整ブロック61の凸部61aとが当接して(図6(a)参照)、リトラクトピン62の大径部分62dがカートリッチ6を押し広げる方向にピン66を中心として反時計回りに回動させるため、スカイビング加工径(図4(b))は拡大する(図6(b)参照)。
このようにして、リトラクトピン62が前進位置にある場合には、リトラクトピン62の後側の小径部分62eと調整ブロック61の凸部61aとが当接して(図6(c)参照)、スプリング64がカートリッチ6をリトラクトピン62の小径部分62eに押し付けるようにピン66を中心として時計回りに回動させるため、スカイビング加工径δ(図4(b))は縮小する(図6(d)参照)。
例えば、本実施形態においては、切削加工部をスカイビング加工としたが、これに限定されるものではなく、バニシング加工の前加工としての他の切削加工であっても適用することができる。
2 シャンク
3 バニシング加工部
4 ボディ
5 スカイビング加工部(切削加工部)
6 カートリッチ
8 往復移動手段
9 リトラクト機構
31 マンドレル
32 ローラ
41 凹部
42 ガイドパット
43 貫通孔
61 調整ブロック(係合部材)
61a 凸部
62 リトラクトピン
62a スプリング(付勢手段)
62b 段部
62d 大径部分
62e 小径部分
64 スプリング
81 第1のリトラクトバー(リトラクトバー)
82 第2のリトラクトバー(リトラクトバー)
83 ピストン
83a スプリング
84 流体供給路
100 スカイビング加工専用装置(加工機)
C チップ(切削加工刃)
W ワーク
Claims (4)
- 筒状に形成され加工機に装着されるシャンクと、
このシャンクに配設されワークの内面のバニシング仕上げを行うバニシング加工部と、
筒状に形成され前記シャンクの先端部に固定されたボディと、
このボディに配設され切削加工を行なう切削加工部と、を有し、
前進送り時に前記切削加工部により切削加工を行ない、後退送り時に前記バニシング加工部によりバニシング加工を行なう複合加工工具であって、
前記ボディの外周部に配設され前記切削加工刃を固定するカートリッチと、
このカートリッチの底部に配設され凸部が形成された係合部材と、
前記凸部と係合する段部が形成され前記ボディに進退自在に内挿されたリトラクトピンと、
このリトラクトピンを進退自在に移動させる往復移動手段と、
この往復移動手段により前記リトラクトピンを進退させて前記係合部材を介して前記カートリッチを前記ボディから出没させて前記切削加工径を拡大ないし縮小させるリトラクト機構と、を備え、
前記リトラクト機構は、前記前進送り時に前記切削加工部により切削加工を行なうときには前記切削加工径を拡大して切削加工のみを行ない、前記後退送り時に前記バニシング加工部によりバニシング加工を行なうときには前記切削加工径を縮小してバニシング加工のみを行なうことを特徴とする複合加工工具。 - 前記切削加工径を縮小するように前記カートリッチを前記ボディに付勢する付勢手段を備えたこと、
を特徴とする請求項1に記載の複合加工工具。 - 前記往復移動手段は、
前記リトラクトピンと同軸になるように前記シャンクに内装されたリトラクトバーと、
このリトラクトバーに固定されたピストンと、
このピストンを前進方向に移動させる流体供給路と、
前記リトラクトピンを後退方向に付勢する付勢手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の複合加工工具。 - 前記係合部材は、前記カートリッチに形成され軸方向に勾配が形成された傾斜面に沿って移動自在に固定できるように構成されていること、
を特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の複合加工工具。
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