JP5350959B2 - 燃料電池スタック及び燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池、特に、固体酸化物形燃料電池に関する。
従来、燃料電池は、複数枚の燃料電池セルを積層した燃料電池スタックにより構成されており、積層する燃料電池セルの枚数を増やすことで大きな出力を得ることができるようになっている。
この燃料電池のスタックは、高温長時間の運転においてもセルの堅固な結合を維持するために、ボルト等で積層方向に締結される場合もある。例えば、高温で作動する固体酸化物形燃料電池では、その運転温度は700〜900℃程度であり、締結用ボルトも運転温度に近い温度、約800℃近傍の高温に長時間晒される。
このボルトによる締結力が低下するとスタックの発電効率も低下するので、燃料電池の長時間における安定運転を実現するために、締結ボルトは重要な部材の一つである。したがって、締結ボルト用材料には、特に高温(例えば700℃を超える)での優れた高温強度とクリープ破断延性、更に発電セルとの熱膨張率の差が小さいこと等の特性が要求される。
一方、特に700℃を超える高温において、フェライト系耐熱鋼に近い熱膨張係数を有しながら、従来の鋼材(SUS304等)を大幅に上回る高温強度とクリープ破断延性を兼備した燃料電池スタック締結ボルト用合金がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−176864号公報
ところが、上記特許文献に開示されている燃料電池スタック締結ボルト用合金は、高温環境下において、適切な熱膨張係数を有しながら、高温強度とクリープ破断延性を兼備したものではあるが、同一材料のボルトとナットの組合せで高温が加わると、ボルトとナットが焼き付いてしまうという問題がある。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、燃料電池セルを積層して締め付ける締め付け固定部材が焼き付き難い燃料電池スタック及び燃料電池を提供することを目的とする。
かかる問題を解決するためになされた本発明は、電解質層(31)を隔てて燃料極(29)及び酸化剤極(35)がそれぞれ形成された燃料電池セル(3)を複数個積層し、積層した燃料電池セル(3)を前記積層方向に沿って締め付けて固定する締め付け固定部材(11〜25)を備える燃料電池スタック(5)において、締め付け固定部材(11〜25)は、積層した複数の燃料電池セル(3)の相対位置を規制する締め付け部材(11a〜25a)と、締め付け部材(11a〜25a)と接触する接触面を有し、接触面に押し付けることにより、締め付け部材(11a〜25a)で規制された複数の燃料電池セル(3)の相対位置を固定する固定部材(11b〜25b)と、を備え、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)は、少なくとも接触面における材質が異なる金属であることを特徴とする。
このようにすると、高温環境下であっても、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)が焼き付き難くなる。以下、その理由を説明する。
一般に、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)を同一材料の合金とした場合には、たとえ焼き付き防止剤を塗布して締め付けていても、高温環境下ではそれらの焼き付きが発生する場合があり、一旦焼き付きが発生すると、締め付けた締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)を取り外すことが困難であった。
その一因として、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)に同一材料の合金を使用した場合、高温環境下では、互いの金属間で元素拡散が起こって、凝着するためであると推測される。
そこで、本発明のように、締め付け固定部材(11〜25)を、積層した複数の燃料電池セル(3)の相対位置を規制する締め付け部材(11a〜25a)と、締め付け部材(11a〜25a)と接触する接触面を有し、接触面に押し付けることにより、締め付け部材(11a〜25a)で規制された複数の燃料電池セル(3)の相対位置を固定する固定部材(11b〜25b)と、を備えるとともに、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)は、少なくとも接触面における材質が異なる金属となるようにする。
このようにすると、燃料電池スタック(5)を締め付ける締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)の接触面の材質が異なるので、高温環境下における接触面相互間での元素拡散を低減できる。したがって、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)が焼き付き難くなるようにすることができる。
このとき、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)は、少なくとも接触面における材質が異なればよいので、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)全体の材質が異なるものも含まれる。
なお、接触面における締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)の材質は、接触面の「全面における」材質が異なることが好ましいが、接触面の「少なくとも一部における」材質が異なればよい。
また、燃料電池スタック(5)は、燃料電池セル(3)を複数個積層しているが、改質層、燃焼層あるいは支持層などの補助層を積層してもよい。ここで、改質層とは、原料ガスを改質し、水素を生成する触媒機能を有する層であり、燃焼層とは、燃料電池スタックで発電に使用した燃料ガスと酸化剤ガスを燃焼させて無害化するための層であり、支持層とは、積層した各層の強度を保つための層である。
なお、支持層は、他の補助層或いは電極層と一体に形成することができる。つまり、支持層を単独の層として形成するのではなく、他の補助層又は電極層において、強度維持できるように一体設計しても良い。
また、1つの燃料電池セル(3)(単セル)に燃焼層や改質層などを設けることも考えられる。
なお、燃料電池セル(3)は、電解質層(31)の一方面に酸化剤極(35)、他方の面に燃料極(29)が形成されているものであり、燃料電池(1)の(最小)発電単位である。また、実際に発電する際に、各反応ガスを導入するガス導入機構や反応ガスを排出するガス排出機構あるいは発電した電力を収集する集電体などを備えることができる。
また、燃料電池スタック(5)は、導電するインターコネクタを用いて単セルを複数積層してなる集合体である。また、燃料電池(1)は、一枚の単セル、あるいは複数の単セルの集合体(スタック)から構成され、電力を外部へ出力できる発電装置である。
なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための形態」欄において用いた符号を付すが、この符号によって請求の範囲を限定することを意味するものではない。
・ところで、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)とを合金で構成する場合、合金の中でもマルテンサイト系及びフェライト系SUSは、結晶構造が体心格子を有する構造をとっており、原子のパッキング率が面心格子を有する物質よりも小さく結晶構造が不安定なため、高温にて元素拡散が生じやすい。
一方、オーステナイト系SUSや鉄基合金系、ニッケル基合金系、コバルト基合金系の合金は面心格子を有しているため、結晶構造が安定であり、前述のような元素拡散は生じ難く、高温での焼き付きも起こり難い。
このように、締め付け部材と固定部材は共に面心格子を有する材質とすれば、接触面における相互に元素拡散の発生可能性が低くなり、結果的に焼き付き防止に有利になる。
したがって、本発明において、少なくとも接触面において、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)の少なくとも一方の結晶構造が面心格子となるようにすると、締め付け部材(11a〜25a)と固定部材(11b〜25b)が焼き付く問題がさらに改善される。
・ところで、燃料電池スタック(5)の種類によっては、その作動温度は、600〜800℃となるので、燃料電池スタック(5)を締め付けるための締め付け部材(11a〜25a)は、600〜800℃における燃料電池スタック(5)の熱膨張に近いことや酸化・還元雰囲気に強いことが要求される。
したがって、本発明において、締め付け部材(11a〜25a)の材質は、(例えば、市販される)鉄基合金、ニッケル基合金、もしくはコバルト基合金とすることで、部材の高温強度や耐酸化性などが満たされる。
より具体的には、鉄基合金に相当する合金材料は、例えば、Incoloy800(The International Nickel Company,INC.,Fe含有量:47wt%)やIncoloy901(The International Nickel Company,INC.,Fe含有量:35wt%)などが挙げられる
また、ニッケル基合金に相当する合金材料は、例えば、Inconel601(The International Nickel Company,INC.,Ni含有量:62wt%)、Inconel625(The International Nickel Company,INC.,Ni含有量:66wt%)及びInconel750X(The International Nickel Company,INC.,Ni含有量:74wt%)などが挙げられる。そして、コバルト基合金に相当する合金材料は、例えば、S816(Co含有量:48wt%)などが挙げられる。
・なお、それらの中でも、締め付け部材(11a〜25a)の材質は、Niを40〜80wt%含むニッケル基合金とすることがより好ましい。ニッケル基合金にNiを40wt%以上含めると、高温強度が増すと共に、熱膨張率が燃料電池スタック(5)の熱膨張率に近づくことができ、締め付け部材がスタックの熱膨張に追従することが可能となり、高温状態でも締め付け効果が低下しにくい。一方、ニッケル基合金にNiの含有量が80wt%以上になると、合金の耐酸化性が急激に低下し、高温状態では酸化されやすくなる。
・また、固定部材(11b〜25b)は、締め付け部材(11a〜25a)ほど熱膨張に注意を払う必要がない(熱膨張が大きくてもよい)ため、耐熱性の合金よりも安価で、加工性に優れるステンレス鋼が好ましい。
・ところで、従来、積層された複数の燃料電池スタック(5)を締め付けるため、締め付け部材(11a〜25a)としてボルト、固定部材(11b〜25b)としてナットが用いられることが多い。
その際、ボルトとして、台座付のものが用いられることが多かったが、台座付のボルトは、台座を含めて棒材から削り出して作製するため、材料に無駄があり、コスト的にデメリットを生じる。
そこで、本発明において、締め付け部材(11a〜25a)は、ボルトであり、固定部材(11b〜25b)は、ナットであり、ボルトは、合金の棒材の両端部をネジ加工したものであり、ネジ加工した両端部をナット(11b〜25b)で締め込む構造を有するようにするとよい。
このようにすると、合金の棒材の両端部をネジ加工するだけで、台座部分を削り出す必要がないので、作製過程における材料の無駄を低減することができ、コストを低減することができる。
・また、燃料電池(1)に、以上に説明した燃料電池スタック(5)を用いると、以上に説明した燃料電池スタック(5)の特徴を有する燃料電池(1)とすることができる。
固体酸化物形燃料電池1の外観を示す斜視図である。 固体酸化物形燃料電池セル3の断面図である。 ボルト11a〜25aとナット11b〜25bの種々の材質の組合せによる焼付き実験の結果を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1は、本発明が適用された固体酸化物形燃料電池1の外観を示す斜視図であり、図2は、固体酸化物形燃料電池セル3の構成を示す断面図である。
図1に示すように、固体酸化物形燃料電池1は、燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気(詳しくは空気中の酸素))との供給を受けて発電を行う装置であり、発電単位である板状の固体酸化物形燃料電池セル(以下単に燃料電池セルと記す)3が複数個(例えば15個)積層された固体酸化物形燃料電池スタック(以下単に燃料電池スタックと記す)5を備えている。
この燃料電池スタック5の積層方向の両側には、複数の燃料電池セル3を押圧するとともに燃料電池スタック5の出力端子として用いられるスタック側出力端子部(保持板:エンドプレート)7,9が配置されており、燃料電池スタック5は、そのエンドプレート7,9を介して、燃料電池スタック5を積層方向に貫く第1〜第8締め付け固定部11〜25により、締め付けられて固定され、一体化されている。
また、図2に示すように、燃料電池セル3は、いわゆる燃料極支持膜タイプのセルであり、燃料ガス流路27側には、燃料極(アノード:負極)29が配置されるとともに、燃料極29の上側の表面には薄膜の固体電解質体31が形成され、その固体電解質体31の空気流路33側の表面には、酸化剤極(カソード:正極)35が形成されている。なお、ここでは、燃料極29と固体電解質体31と酸化剤極35とをセル本体37と称する。
燃料電池セル3の厚み方向(図2の上下方向)の両側には、導電性を有する金属製のコネクタプレート39が配置され、このコネクタプレート39により、各燃料電池セル3が区分(ガス流路を分離)されるとともに、板厚方向の導通が確保されている。
ここで、隣り合う燃料電池セル3の間に挟まれるコネクタプレート39がインターコネクタであり、燃料電池スタック5の上下両端のコネクタプレート39が、エンドプレート7,9となる。なお、本実施形態では、上端の第1エンドプレート7が正極となり、下端の第2エンドプレート9が負極となる。
また、酸化剤極35と上方のコネクタプレート39との間には、その導通を確保するために、集電体41が配置されている。
更に、燃料電池セル3は、セル本体37や集電体41の周囲を囲むように、空気流路33側の金属製の酸化剤極フレーム45と、セラミックス製の絶縁フレーム43と、セル本体37を接合して配置するとともにガス流路を遮断する金属製のセパレータ47と、燃料ガス流路27側の金属製の燃料極フレーム49とを備えている。
また、燃料極フレーム49とコネクタプレート39の間にもセラミックス製の絶縁フレームを入れることもできる。さらに、絶縁フレーム(絶縁フレーム43及び燃料極フレーム49とコネクタプレート39の間に入れる絶縁フレーム)は、絶縁性の他にガスシール性を有するものが好ましい。
なお、酸化剤極フレーム45と絶縁フレーム43とセパレータ47と燃料極フレーム49とコネクタプレート(その外周縁部)39とにより、第1〜第8締め付け固定部11〜25が貫く燃料電池セル3の枠部51が構成されている。
また、図1に示すように、第1〜第8締め付け固定部11〜25は、燃料電池スタック5の枠部51にあけられた貫通孔53〜67を貫くように配置されて、燃料電池スタック5を積層方向に押圧して一体に固定する部材であり、それぞれ、(貫通孔53〜67を貫く)ボルト11a〜25a及びそれに螺合するナット11b〜25b等から構成されている。
このうち、第2、第4、第6、第8締め付け固定部13,17,21,25の各ボルト13a,17a,21a,25aは、内部にガスの流路を有する中空ボルトであり、第6締め付け固定部21のボルト21aは、燃料ガスを供給する流路として用いられ、第2締め付け固定部13のボルト13aは、燃料ガスを排出する流路として用いられている。
また、第8締め付け固定部25のボルト25aは、空気を供給する流路として用いられ、第4締め付け固定部17のボルト17aは、空気を排出する流路として用いられている。なお、第1、第3、第5、第7締め付け固定部11,15,19,23は、中実のボルトであり、燃料電池スタック5を固定するために用いられている。
(燃料の流路)
図1及び図2に示すように、固体酸化物形燃料電池1の第6締め付け固定部21の上方の燃料入口91から供給された燃料ガスは、ボルト21aの中空部や横穴を介して、各燃料電池セル3内の燃料ガス流路27に供給される。
次に、各燃料電池セル3内の燃料ガス流路27の燃料ガスは、燃料極29に沿って流れた後、同様な横穴及び第2締め付け固定部13のボルト13aの中空部を介して、燃料出口101から固体酸化物形燃料電池1外に排出される。
(空気の流路)
図1及び図2に示すように、固体酸化物形燃料電池1の第8締め付け固定部25の上方の空気入口103から供給された空気は、ボルト25aの中空部や横穴を介して、各燃料電池セル3内の空気流路33に供給される。
次に、各燃料電池セル3内の空気流路33の空気は、酸化剤極35に沿って流れた後、同様な横穴及び第4締め付け固定部17のボルト17aの中空部を介して、空気出口113から固体酸化物形燃料電池1外に排出される。
(ボルト及びナットの材質及び形状)
次に、実験例1〜13を用いて本実施形態のボルト11a〜25a及びナット11b〜25bの材質及びボルト11a〜25aの形状について説明する。なお、実験例1〜13では、ボルトとナットの材質及び組み合わを変更し、ボルトとナットを締結した試験用サンプルを作製した。さらに、作成された試験用サンプルを加熱し、燃料電池スタックが作動する高温環境下において評価実験を行った。
実験例1〜13に示すように、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bは、基本的に異なる材質の耐熱合金で形成されている。
また、実験例3〜13には、ボルトとナットの少なくとも一方の結晶構造は、面心格子である例を示している。
さらに、実験例6〜13には、ボルトは、鉄基合金、ニッケル基合金若しくはコバルト基合金である例を示している。
そして、実験例8〜13には、ボルトは、Niが40%wt以上含まれるニッケル基合金である例を示している。
以下、実験例13を例として、評価方法を具体的に説明する。
実験例13では、図3に示すように、ボルト11a〜25aをInconel(登録商標)601、ナット11b〜25bを、SUS316を用いて形成し、それらをトルクレンチにて5Nmで締結した。また、ボルト11a〜25aのネジ部には高温用焼き付け防止剤を塗布した。
この試験用サンプルを電気炉に入れ、大気雰囲気中で、700℃・3hrs及び700℃・1000hrsの2つの条件にて加熱した後、常温に戻し、焼き付きが発生しているか否かを確認した。
焼き付きが発生している否かは、ボルト11a〜25aからナット11b〜25bを取り外すことができるか否か、あるいは、取り外したボルト11a〜25a、ナット11b〜25bのネジ山に破損がないか否かにより判断する。
図3中の結晶構造欄において、「FCL」は「Face-Centered Latticeの略:面心格子」、「BCL」は「Body-Centered Latticeの略:体心格子」を示している。また、図3中の焼付きの状態欄において、「◎」は「焼付きが全くなし」、「○」は「一部焼付きはあるものの取外しには影響なし」、「△」は「若干の焼付きはあるが、力を加えれば取り外しは可能」、「×」は「焼付きあり」の状態を示している。
さらに、図3中のボルト欄及びナット欄において、Inconel601、Inconel625、Inconel718及びInconel750Xは、Ni基合金系材料を示し、Incoloy(登録商標)800は、鉄基合金系材料を示している。
また、S816は、Co基合金系材料を示し、SUS304、SUS316は、オーステナイト系ステンレス鋼を示し、SUS420は、マルテンサイト系ステンレス鋼を示し、SUS430は、フェライト系ステンレス鋼を示している。
同様に、実験例1〜12のボルト11a〜25a及びナット11b〜25bのその他の組合せについて実験を行った結果を図3に示している。
このように、図3の実験例1〜実験例13に示すように、ボルト11a〜25a及びナット11b〜25bの材質を異なった成分の組合せとすることにより、1000hrsの耐久試験後でも焼き付きを防止できることが確認できた。
また、特に、図3の実験例3〜実験例13に示すように、ボルト11a〜25a及びナット11b〜25bのどちらか一方の材質が面心格子を有する場合は、実験例1及び実験例2に示すような「両者とも体心格子を有する」場合に比較し、加熱後(3hrs・1000hrs)のボルト11a〜25a及びナット11b〜25bの取り外しが容易であった。
また、実験例6〜13に示すように、ボルトの材質を、鉄基合金、ニッケル基合金、若しくはコバルト基合金を使用した場合、1000hrs耐久後のボルトとナットの取り外しが非常に容易であった。
中でも、実験例8〜実験例13に示すように、ボルト11a〜25aの材質としてNiを40%以上含むニッケル基合金系を使用した場合、1000hrs耐久後のボルト11a〜25aとナット11b〜25bの取り外しが特に容易であった。
一方、図3に示す比較例1〜比較例5に示すように、ボルト11a〜25a及びナット11b〜25bを同一の耐熱合金で形成すると、焼き付きが発生した。特に、比較例4及び比較例5に示すように、ボルト11a〜25a及びナット11b〜25bが同一の体心格子を有する耐熱合金で形成した場合、焼き付きの程度が非常に大きいことが確認された。
(固体酸化物形燃料電池1の特徴)
以上のように、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bに同一材料の耐熱合金を使用した場合に焼き付きが発生するのは、高温環境下では、互いの金属間で元素拡散が起こって、凝着するためであると推測される。
ところが、本実施形態に示したように、燃料電池スタック5を締め付けるボルト11a〜25aとナット11b〜25bの材質を異なる耐熱合金の組合せとすることで、固体酸化物形燃料電池スタック5の作動環境である高温環境下における金属相互間での元素拡散を低減できるので、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bが焼き付き難くなるようにすることができる。
また、ボルト11a〜25a及びナット11b〜25bの少なくとも一方が面心格子を有する耐熱合金で形成することにより、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bがさらに焼き付き難くなる。
これは、耐熱合金の中でもマルテンサイト系及びフェライト系SUSは、結晶構造が体心格子を有する構造をとっており、原子のパッキング率が面心格子を有する物質よりも小さく結晶構造が不安定なため、高温にて元素拡散が生じやすいのに対し、オーステナイト系SUSや超耐熱合金(鉄基合金系、ニッケル基合金系、コバルト基合金系)は面心格子を有しているため、結晶構造が安定であり、前述のような元素拡散は生じ難く、高温での焼き付きも起こり難いからである。
また、ボルト11a〜25aの材質を、Niを含有する超耐熱合金又はNiを含有するオーステナイト系のステンレス鋼とし、ナット11b〜25bの材質をステンレス鋼としているので高温強度が増し、さらに、熱膨張率が燃料電池スタック5の熱膨張率に近づくため、ボルト11a〜25aとして適当である。
さらに、ナット11b〜25bはボルト11a〜25aほど熱膨張に注意を払う必要がないため、超耐熱合金より安価であり、加工性に優れるステンレス鋼が好ましい。
なお、Niの含有量として、重量比で40%以上含有することで高温強度が増し、さらには熱膨張率が燃料電池スタック5の熱膨張率に近づけることができる。また、Niを80wt%以下含有することで、十分に耐酸化性を確保することができる。
また、ボルト11a〜25aに使用する耐熱合金としては、ニッケル基合金系以外に鉄基合金系あるいはコバルト基合金系であっても、Ni基合金系と同様な効果が得られる。
また、ボルト11a〜25aを耐熱合金の棒材の両端をネジ加工したものとし、ネジ加工した両端部をナット11b〜25bで締め込む構造を有しているので、台座部分を削り出す必要がない。したがって、作製過程における材料の無駄を低減することができるので、コストを低減することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
(1)上記実施形態では、燃料電池スタック5の積層方向の両端にエンドプレート7,9を配置し、そのエンドプレート7,9をボルト11a〜25aとナット11b〜25bで締め付けていたが、ボルト11a〜25代わりに耐熱性材料で形成されたベルトを用い、ナット11b〜25bの代わりに、ベルトの両端部を留める留め具を用いるようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bをそれぞれ異なる単一の材料で形成していたが、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bの接触面のみを上記実施形態に示したような異なる材料としてもよい。
例えば、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bを同一材料で形成し、接触面のみを異なる材料でコーティングするようにしてもよい。
(3)また、ボルト11a〜25aとナット11b〜25bとの接触面の全面が異なる材料でもよいし、接触面の少なくとも一部が異なる材質となるようにしても、焼き付きを防止するという目的を達成することができる。
(4)上記実施形態では、燃料電池セル3(いわゆる単セル)を複数個積層した燃料電池スタック5を用いていたが、燃料電池セル3以外に、改質層、燃焼層あるいは支持層などの補助層を積層してもよい。
1…固体酸化物形燃料電池、3…固体酸化物形燃料電池セル(燃料電池セル)、5…固体酸化物形燃料電池スタック(燃料電池スタック)、7…第1エンドプレート(エンドプレート)、9…第2エンドプレート(エンドプレート)、11,13,15,17,19,21,23,25…締め付け固定部、11a,13a,15a,17a,19a,21a,23a,25a…ボルト、11b,13b,15b,17b,19b,21b,23b,25b…ナット、27…燃料ガス流路、29…燃料極、31…固体電解質体、33…空気流路、35…酸化剤極、37…セル本体、39…コネクタプレート、41…集電体、43…絶縁フレーム、45…酸化剤極フレーム、47…セパレータ、49…燃料極フレーム、51…枠部、53,55,57,59,61,63,65,67…貫通孔、91…燃料入口、101…燃料出口、103…空気入口、113…空気出口。

Claims (7)

  1. 電解質層を隔てて燃料極及び酸化剤極がそれぞれ形成された燃料電池セルを複数個積層し、該積層した燃料電池セルを前記積層方向に沿って締め付けて固定する締め付け固定部材を備える燃料電池スタックにおいて、
    前記締め付け固定部材は、
    前記積層した複数の燃料電池セルの相対位置を規制する締め付け部材と、
    前記締め付け部材と接触する接触面を有し、該接触面に押し付けることにより、前記締め付け部材で規制された前記複数の燃料電池セルの相対位置を固定する固定部材と、
    を備え、
    前記締め付け部材と前記固定部材は、少なくとも前記接触面における材質が異なる金属であることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 少なくとも前記接触面において、前記締め付け部材と前記固定部材の少なくとも一方の結晶構造は面心格子であることを特徴とした請求項1に記載の燃料電池スタック。
  3. 前記締め付け部材の材質は、鉄基合金、ニッケル基合金、もしくはコバルト基合金であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池スタック
  4. 前記締め付け部材の材質は、ニッケルを40〜80wt%含むニッケル基合金であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池スタック。
  5. 前記固定部材の材質は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の燃料電池スタック。
  6. 前記締め付け部材は、ボルトであり、
    前記固定部材は、ナットであり、
    前記ボルトは、合金の棒材の両端部をネジ加工したものであり、該ネジ加工した両端部を前記ナットで締め込む構造を有することを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の燃料電池スタック。
  7. 請求項1〜請求項6の何れかに記載の燃料電池スタックを備えたことを特徴とする燃料電池。
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