本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同じものを指す符号は異なる図面間で共通して用いる場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明に係る半導体装置の一例に関して図面を参照して説明する。
本発明の半導体装置は、曲げ等の力が加えられ半導体装置に応力が生じた場合であっても、当該半導体装置に設けられたトランジスタ等の素子の損傷を抑制する構造を有している。本実施の形態では、その構造の一例として、トランジスタを構成する半導体膜の上方に保護膜として機能する膜を設けた場合に関して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置の一例を図1に示す。なお、図1において、図1(A)は上面図を示しており、図1(B)は図1(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図1に示す半導体装置は、半導体膜106、ゲート絶縁膜108、ゲート電極として機能しうる第1の導電膜110を少なくとも具備する薄膜トランジスタ100a、100bと、当該薄膜トランジスタ100a、100bの保護膜として機能しうる第2の導電膜114とを有している。図1において、第2の導電膜114は、ゲート絶縁膜108及び絶縁膜112を介して半導体膜106の少なくとも一部と重なるように設けられており、ここでは半導体膜106の端部を覆うように設けられている。
また、絶縁膜112は、薄膜トランジスタ100a、100bを覆うように設けられており、当該絶縁膜112及び第2の導電膜114を覆って絶縁膜116が設けられている。さらに、絶縁膜116上に薄膜トランジスタ100a、100bのソース電極又はドレイン電極として機能しうる第3の導電膜118が設けられている。なお、ここでは、薄膜トランジスタ100a、100bは、基板102上に絶縁膜104を介して設けられた例を示している。
半導体膜106は、チャネル形成領域106a、ソース領域又はドレイン領域として機能しうる不純物領域106bを有している。また、不純物領域106bは、チャネル形成領域106aを介して挟んで離間して設けられており、絶縁膜116上に設けられた第3の導電膜118と電気的に接続している。
また、第2の導電膜114は、少なくとも半導体膜106における不純物領域106bの一部と重なるように設けられており、薄膜トランジスタ100a、100bの保護膜として機能しうる。このように、第2の導電膜114を設けることにより、曲げ等により半導体装置に応力が生じた場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がるようにし)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。
さらに、ここでは、第2の導電膜114は、開口部132において第3の導電膜118と接するように設けられている。第2の導電膜114に開口部132が形成されるように設けることによって、半導体膜106と第2の導電膜114とが重なる領域を拡大させることができる。なお、開口部132は、半導体膜106の不純物領域106bと第3の導電膜118を電気的に接続するため、ゲート絶縁膜108、絶縁膜112、絶縁膜116に設けられるものであり、図1ではゲート絶縁膜108、絶縁膜112、絶縁膜116に加えて第2の導電膜114にも開口部が設けられている。
また、第2の導電膜114は、半導体膜106の端部(例えば、不純物領域106bの端部)を覆うように設けることが好ましい。薄膜トランジスタ100a、100bにおいて、曲げ等の物理的な力により生じる応力により最も損傷しやすい半導体膜106を覆って第2の導電膜114を設けることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。特に、半導体膜106と第2の導電膜114との重なる面積を増やすことにより(例えば、第2の導電膜に開口部132を形成するように設けることにより)、曲げ等により半導体装置に応力が生じた場合であっても効果的に半導体膜106の損傷を低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。
なお、図1に示した半導体装置は、第2の導電膜114にも開口部を設けた例を示したが、本実施の形態で示す半導体装置はこの構造に限定されず、第2の導電膜114が半導体膜106と少なくとも一部でも重なるように設ければよい。
例えば、第2の導電膜114に開口部が形成されない構造としてもよい。この場合、半導体膜106の端部と重なるように第2の導電膜114をコの字状に設けることによって(図2参照)、第2の導電膜114に開口部を設けない場合であっても、半導体膜106と第2の導電膜114とが重なる面積を増やすことが可能となる。その結果、半導体装置に応力が生じた場合であっても効果的に半導体膜106を保護することができる。また、図2に示すように、第2の導電膜114に開口部を設けない場合、開口部を形成する際に第2の導電膜114を除去する必要がないためエッチングを容易に行うことができる。なお、図2において、図2(A)は上面図を示しており、図2(B)又は図2(C)は図2(A)におけるA−B間の断面図を示している。
また、第2の導電膜114に開口部が形成されない構造とする場合、第2の導電膜114と第3の導電膜118を接するように設けてもよいし(図2(B)参照)、第2の導電膜114と第3の導電膜118を接しないように設けてもよい(図2(C)参照)。
また、第2の導電膜114が半導体膜106の不純物領域106bと電気的に接続するように設けてもよい(図3(A)参照)。この場合、ゲート絶縁膜108及び絶縁膜112に設けられた開口部140aを介して半導体膜106の不純物領域106bと第2の導電膜114が電気的に接続される。また、第2の導電膜114と第3の導電膜118が開口部140bを介して電気的に接続されるように設ける。
図3(A)に示すように設けることによって、第2の導電膜114に開口部を形成することが不要となり、且つ半導体膜106と第2の導電膜114の重なる領域(面積)を拡大することができる。従って、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、半導体膜106に生じる応力を緩和させ、当該半導体膜106の損傷や破壊を低減することができる。
なお、第2の導電膜114と第3の導電膜118の電気抵抗を減少させるために、開口部140bを第2の導電膜114に形成し、第2の導電膜114と第3の導電膜118の接する面積を増大させた構造としてもよい(図3(B)参照)。
このように、図1〜図3に示した構造とすることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。
なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタを例に挙げて説明したが、薄膜トランジスタに代えて有機トランジスタを設けてもよい。
また、上述した構造では、半導体膜106(ひいては薄膜トランジスタ100a、100b)の保護膜として導電膜(図1では、第2の導電膜114)を設けた例を示したが、導電膜に限られず、半導体膜を保護膜として設けた構造としてもよい。
保護膜として導電膜を用いる場合には、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。半導体膜を用いる場合には、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)等を用いることができる。また、金属と半導体とを含むシリサイドを保護膜として用いてもよい。
本実施の形態で示した半導体装置の構成は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態1で示した半導体装置の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタ等の素子を支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程に関して説明する。
まず、基板120の一表面に剥離層122を形成し、続けて下地となる絶縁膜104および非晶質半導体膜(例えば非晶質珪素を含む膜)を形成する(図4(A)参照)。なお、剥離層122、絶縁膜104および非晶質半導体膜は、連続して形成することができる。
基板120は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板等を用いることができる。このような基板であれば、その面積や形状に大きな制限はないため、基板120として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板を用いる場合と比較すると、大きな優位点である。なお、本工程では、剥離層122は、基板120の全面に設けているが、必要に応じて、基板120の全面に剥離層を設けた後に、フォトリソグラフィ法により選択的に設けてもよい。また、基板120に接するように剥離層122を形成しているが、必要に応じて、基板120に接するように下地となる絶縁膜を形成し、当該絶縁膜に接するように剥離層122を形成してもよい。
剥離層122は、金属膜や金属膜と金属酸化膜の積層構造等を用いることができる。金属膜としては、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる膜を単層又は積層して形成する。また、これらの材料は、スパッタ法やプラズマCVD法等の各種CVD法等を用いて形成することができる。金属膜と金属酸化膜の積層構造としては、上述した金属膜を形成した後に、酸素雰囲気下またはN2O雰囲気下におけるプラズマ処理、酸素雰囲気下またはN2O雰囲気下における加熱処理を行うことによって、金属膜表面に当該金属膜の酸化物または酸化窒化物を設けることができる。例えば、金属膜としてスパッタ法やCVD法等によりタングステン膜を設けた場合、タングステン膜にプラズマ処理を行うことによって、タングステン膜表面にタングステン酸化物からなる金属酸化膜を形成することができる。
絶縁膜104は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜は、基板120からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
半導体膜は、スパッタ法、LPCVD法、プラズマCVD法等により、25〜200nm(好ましくは30〜150nm)の厚さで形成する。
次に、非晶質半導体膜にレーザー光を照射して結晶化を行う。なお、レーザー光の照射と、RTA又はファーネスアニール炉を用いる熱結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化法とを組み合わせた方法等により非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチングして、結晶質半導体膜106を形成し、当該半導体膜106を覆うようにゲート絶縁膜108を形成する(図4(A)参照)。
結晶質半導体膜106の作製工程の一例を以下に簡単に説明すると、まず、プラズマCVD法を用いて、膜厚50〜60nmの非晶質半導体膜を形成する。次に、結晶化を助長する金属元素であるニッケルを含む溶液を非晶質半導体膜上に保持させた後、非晶質半導体膜に脱水素化の処理(500℃、1時間)と、熱結晶化の処理(550℃、4時間)を行って結晶質半導体膜を形成する。その後、レーザー光を照射し、フォトリソグラフィ法を用いることよって結晶質半導体膜106を形成する。なお、結晶化を助長する金属元素を用いる熱結晶化を行わずに、レーザー光の照射だけで非晶質半導体膜の結晶化を行ってもよい。
ゲート絶縁膜108は、CVD法やスパッタ法等により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層して形成する。具体的には、酸化珪素を含む膜、酸化窒化珪素を含む膜、窒化酸化珪素を含む膜を、単層又は積層して形成する。
また、ゲート絶縁膜108は、半導体膜106に対しプラズマ処理を行い、表面を酸化又は窒化することで形成しても良い。例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガスと、酸素、酸化窒素(NO2)、アンモニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処理で形成する。この場合のプラズマの励起は、マイクロ波の導入により行うと、低電子温度で高密度のプラズマを生成することができる。この高密度プラズマで生成された酸素ラジカル(OHラジカルを含む場合もある)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む場合もある)によって、半導体膜の表面を酸化又は窒化することができる。
このようなプラズマを用いた処理により、1〜20nm、代表的には5〜10nmの絶縁膜が半導体膜上に形成される。この場合の反応は、固相反応であるため、当該絶縁膜と半導体膜との界面準位密度はきわめて低くすることができる。このような、プラズマ処理は、半導体膜(結晶性シリコン、或いは多結晶シリコン)を直接酸化(若しくは窒化)するため、形成される絶縁膜の厚さは理想的には、ばらつきをきわめて小さくすることができる。加えて、結晶性シリコンの結晶粒界でも酸化が強くされることがないため、非常に好ましい状態となる。すなわち、ここで示すプラズマ処理で半導体膜の表面を固相酸化することにより、結晶粒界において異常に酸化反応をさせることなく、均一性が良く、界面準位密度が低い絶縁膜を形成することができる。
ゲート絶縁膜108は、プラズマ処理によって形成される絶縁膜のみを用いても良いし、それにプラズマや熱反応を利用したCVD法で酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコンなどの絶縁膜を堆積し、積層させても良い。いずれにしても、プラズマで形成した絶縁膜をゲート絶縁膜の一部又は全部に含んで形成されるトランジスタは、特性のばらつきを小さくすることができる。
また、半導体膜に対し、連続発振レーザー若しくは10MHz以上の周波数で発振するレーザービームを照射しながら一方向に走査して結晶化させて得られた半導体膜106は、そのビームの走査方向に結晶が成長する特性がある。その走査方向をチャネル長方向(チャネル形成領域が形成されたときにキャリアが流れる方向)に合わせてトランジスタを配置し、上記ゲート絶縁層を組み合わせることで、特性ばらつきが小さく、しかも電界効果移動度が高い薄膜トランジスタ(TFT)を得ることができる。
次に、ゲート絶縁膜108上にゲート電極を形成するための導電膜を形成する。ここでは、導電膜124と導電膜126を順に積層して形成する(図4(B)参照)。導電膜124は、プラズマCVD法やスパッタ法により20〜100nmの厚さで形成する。導電膜126は、プラズマCVD法やスパッタ法により100〜400nmの厚さで形成する。導電膜124、導電膜126は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料、又はこれらの元素とシリコン(Si)元素を含む合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料(例えば、シリコン(Si))により形成する。導電膜124と導電膜126の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、導電膜124と導電膜126を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110を形成後、当該第1の導電膜110をマスクとして半導体膜106に不純物元素を導入してチャネル形成領域106aと不純物領域106bを形成する(図4(C)参照)。第1の導電膜110は、薄膜トランジスタにおいてゲート電極(ゲート配線を含む)として機能し、不純物領域106bは、薄膜トランジスタにおいてソース領域又はドレイン領域として機能する。
また、導入する不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用い、n型の薄膜トランジスタを形成する。
次に、第1の導電膜110、ゲート絶縁膜108を覆うように絶縁膜112を形成した後、当該絶縁膜112上に導電膜128と導電膜130を順に積層して形成する(図4(D)参照)。
導電膜128は、プラズマCVD法やスパッタ法により20〜100nmの厚さで形成する。導電膜130は、プラズマCVD法やスパッタ法により100〜400nmの厚さで形成する。導電膜128、導電膜130は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料、又はこれらの元素とシリコン(Si)元素を含む合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料(例えば、シリコン(Si))により形成する。導電膜128と導電膜130の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、導電膜128と導電膜130を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。ここでは、導電膜128、導電膜130の材料として、それぞれ導電膜124、導電膜126と同じ材料で設けた場合を示しているが、これに限られない。
絶縁膜112は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜や、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。なお、シロキサン材料とは、Si−O−Si結合を含む材料に相当する。シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いることもできる。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜128、導電膜130を選択的にエッチングすることによって、第2の導電膜114を形成する(図4(E)参照)。第2の導電膜114は、半導体膜106ひいては薄膜トランジスタの保護膜として機能し、半導体膜106の不純物領域106bの端部を覆うように形成する。なお、本実施の形態では、第1の導電膜110、第2の導電膜114を同一の材料で設けた場合を示しているが、異なる材料で設けてもよい。また、第2の導電膜114は、不純物領域106bの端部を覆うように島状に設けることができる。なお、導電膜128、導電膜130を選択的にエッチングして半導体膜106の保護膜として機能する第2の導電膜114の形成と同時に、配線として機能する導電膜パターンを形成してもよい。この場合、第2の導電膜114と同一の層(ここでは、絶縁膜112)上に配線として機能する導電膜が設けられた構造となる。
次に、絶縁膜112、第2の導電膜114を覆うように絶縁膜116を形成した後、半導体膜106の不純物領域106bに達する開口部132を形成し、半導体膜106の表面の一部を露出させる(図5(A)参照)。ここでは、ゲート絶縁膜108、絶縁膜112、第2の導電膜114及び絶縁膜116の一部をエッチングして、開口部132を形成する。
絶縁膜116は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜や、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
次に、開口部132を充填するように第3の導電膜118を選択的に形成し、当該第3の導電膜118を覆うように絶縁膜134を形成する(図5(B)参照)。
導電膜118は、CVD法やスパッタリング法等により、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ネオジウム(Nd)、炭素(C)、シリコン(Si)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電膜118は、例えば、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜とバリア膜の積層構造、バリア膜とアルミニウムシリコン(Al−Si)膜と窒化チタン膜とバリア膜の積層構造を採用するとよい。なお、バリア膜とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電膜118を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また、還元性の高い元素であるチタンからなるバリア膜を形成すると、結晶質半導体膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶質半導体膜と良好なコンタクトをとることができる。なお、第1の導電膜110又は第2の導電膜114と同一の材料で設けてもよい。
絶縁膜134は、酸化珪素(SiOx)、窒化珪素(SiNx)、酸化窒化珪素(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化珪素(SiNxOy)(x>y)等の酸素または窒素を有する絶縁膜、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等の炭素を含む膜や、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン、アクリル等の有機材料またはシロキサン樹脂等のシロキサン材料からなる単層または積層構造で設けることができる。
次に、薄膜トランジスタ100a、100b等を含む素子形成層142を基板120から剥離する。ここでは、レーザー光(例えばUV光)を照射することによって素子形成層142に開口部を形成後、素子形成層142の一方の面(絶縁膜134が露出した面)を第1のシート材136に貼り合わせて物理的な力を用いて基板120から素子形成層142を剥離する(図5(C)参照)。
また、基板120から素子形成層142を剥離する前に、開口部にエッチング剤を導入して、剥離層122を除去してもよい。エッチング剤は、フッ化ハロゲンまたはハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用することができる。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF3)を使用することができる。
通常、基板120から素子形成層142を剥離する際に、薄膜トランジスタ100a、100bに応力が加わり、半導体膜106等が当該薄膜トランジスタ100a、100bが破損する恐れがある。しかし、保護膜として機能する第2の導電膜114を設けることによって、曲げ等により素子形成層142に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111に応力を集中させ、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。特に、支持基板にトランジスタ等の素子を形成した後に別の基板に転置する場合には、第2の導電膜114を設けることが非常に有効となる。
なお、剥離する際に水やオゾン水等の水溶液で剥離する面を濡らしながら行うことによって、薄膜トランジスタ100a、100b等の素子が静電気等によって破壊されることを防止できる。
次に、素子形成層142の他方の面(剥離した面)に、第2のシート材138を設け、その後加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材138を貼り合わせる(図5(D)参照)。第1のシート材136、第2のシート材138は、ホットメルトフィルム、粘着層が形成されたプラスチック基板等を用いることができる。
また、第1のシート材136、第2のシート材138として、静電気等を防止する帯電防止対策を施したフィルム(以下、帯電防止フィルムと記す)を用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、帯電防止可能な材料を樹脂中に分散させたフィルム、及び帯電防止可能な材料が貼り付けられたフィルム等が挙げられる。帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、片面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよいし、両面に帯電防止可能な材料を設けたフィルムであってもよい。さらに、片面に帯電防止可能な材料が設けられたフィルムは、帯電防止可能な材料が設けられた面をフィルムの内側になるように層に貼り付けてもよいし、フィルムの外側になるように貼り付けてもよい。なお、帯電防止可能な材料はフィルムの全面、あるいは一部に設けてあればよい。ここでの帯電防止可能な材料としては、金属、インジウムと錫の酸化物(ITO)、両性界面活性剤や陽イオン性界面活性剤や非イオン性界面活性剤等の界面活性剤用いることができる。また、他にも帯電防止材料として、側鎖にカルボキシル基および4級アンモニウム塩基をもつ架橋性共重合体高分子を含む樹脂材料等を用いることができる。これらの材料をフィルムに貼り付けたり、練り込んだり、塗布することによって帯電防止フィルムとすることができる。帯電防止フィルムで封止を行うことによって、商品として取り扱う際に、外部からの静電気等によって半導体素子に悪影響が及ぶことを抑制することができる。
また、第2のシート材138を設けると同時又は設けた後に、第1のシート材136を剥離してもよい。第1のシート材136を除去することによって、半導体装置をより薄く形成することができる。なお、この場合、第1のシート材136としては、例えば熱を加えることによって粘着力が弱まる熱剥離テープを用いることができる。また、シート材を基板と呼ぶこともあり、第2のシート材138は、図1の基板102に相当する。
以上の工程により、半導体装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタを支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程を示したが本実施の形態で示した作製方法はこれに限られない。例えば、基板102上に直接薄膜トランジスタ100a、100bを設けてもよい。この場合、上述した工程において基板120に代えて基板102を用い剥離層122を設けなければよい。基板102としては、ガラス基板、石英基板、ステンレス基板等の金属基板、プラスチック基板等を用いるとよい。
なお、図4、図5に示した半導体装置の作製方法は、上記実施の形態の図1に示した半導体装置の作製方法であるが、図2、図3に示した半導体装置も上述した作製方法を用いて製造することができる。
例えば、図2に示した半導体装置を製造する場合には、図4(E)において後に形成される開口部132が設けられる場所を避けて、第2の導電膜114を選択的にエッチングして形成すればよい。
また、図3に示した半導体装置を製造する場合について図6を参照して説明する。
まず、図4(C)まで同様に形成し、ゲート絶縁膜108と第1の導電膜110を覆うように絶縁膜112を形成した後、ゲート絶縁膜108及び絶縁膜112を選択的に除去して開口部140aを形成する(図6(A)参照)。開口部140aにより半導体膜106の不純物領域106bの少なくとも一部が露出する。
次に、半導体膜106の不純物領域106bに電気的に接続するように、絶縁膜112上に導電膜128と導電膜130を順に積層して形成する(図6(B)参照)。ここでは、開口部140aに導電膜128、導電膜130が設けられるように形成する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜128、導電膜130を選択的にエッチングすることによって、第2の導電膜114を形成する(図6(C)参照)。なお、ここでは、第2の導電膜114は、半導体膜106の不純物領域106bと電気的に接続されている。
次に、絶縁膜112、第2の導電膜114を覆うように絶縁膜116を形成した後、第2の導電膜114に達する開口部140bを形成し、第2の導電膜114の表面の一部を露出させる(図6(D)参照)。ここでは、絶縁膜116の一部を選択的にエッチングして開口部140bを形成する。なお、開口部140bは、第2の導電膜114の一部をエッチングして設けてもよい。
次に、開口部140bを充填するように第3の導電膜118を選択的に形成する(図6(E)参照)。その後上記実施の形態で示した作製方法を用いることによって、半導体装置を作製することができる。
また、本実施の形態で示した半導体装置の作製方法は、他の実施の形態で示す半導体装置の作製方法と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態1又は実施の形態2で示した半導体装置の薄膜トランジスタにおいて、ゲート電極として機能する第1の導電膜の側面に接して絶縁膜を形成し、当該絶縁膜の下方にLDD領域を形成した場合に関して図面を参照して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、薄膜トランジスタ100a、100bを有しており、薄膜トランジスタ100a、100bに含まれるゲート電極として機能する第1の導電膜110の側面に接して絶縁膜144が設けられている(図7参照)。絶縁膜144は、サイドウォールとも呼ばれ、当該絶縁膜144の下方にLDD領域を設けた構造とすることができる。なお、図7(A)は、図1に示した構造に絶縁膜144及びLDDとして機能する不純物領域106cを設けた構造を示しており、図7(B)は、図3に示した構造に絶縁膜144及びLDDとして機能する不純物領域106cを設けた構造を示している。
次に、絶縁膜144の作製方法の一例に関して図8を参照して以下に説明する。
まず、上記実施の形態2の図4(B)まで同様に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることにより第1の導電膜110を形成後、当該第1の導電膜110をマスクとして半導体膜106に第1の不純物元素を導入してチャネル形成領域106aと不純物領域146を形成する(図8(A)参照)。第1の不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用い、n型の薄膜トランジスタを形成する場合について示す。
次に、第1の導電膜110、ゲート絶縁膜108を覆うように絶縁膜148を形成する(図8(B)参照)。絶縁膜148は、プラズマCVD法やスパッタリング法等により、珪素、珪素の酸化物又は珪素の窒化物の無機材料を含む膜や、有機樹脂等の有機材料を含む膜を単層又は積層して形成する。
次に、絶縁膜148を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110の側面に接する絶縁膜148(サイドウォール)を形成する。なお、絶縁膜148の形成と同時に、ゲート絶縁膜108の一部や絶縁膜104の一部がエッチングされて除去される場合がある(図8(C)参照)。ゲート絶縁膜108の一部が除去されることによって、残存するゲート絶縁膜108は、第1の導電膜110及び絶縁膜148の下方に形成される。
次に、第1の導電膜110及び絶縁膜148をマスクとして半導体膜106に第2の不純物元素を導入して、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域106bと、LDD領域として機能する不純物領域106cを形成する(図8(D)参照)。第2の不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。また、第2の不純物元素は上述した第1の不純物元素より濃度を高くして導入する。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。
次に、半導体膜106、第1の導電膜110、絶縁膜148を覆うように絶縁膜112、導電膜128、導電膜130を順に積層して形成する(図8(E)参照)。その後、上記実施の形態1で示した図4(E)〜図5(D)、図6で示した工程を経て、図7で示した半導体装置を製造することができる。
また、本実施の形態で示した半導体装置の構成又はその作製方法は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成又は作製方法と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、ゲート電極として機能しうる第1の導電膜と、保護膜として機能しうる第2の導電膜を同一の材料で同時に形成する場合に関して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置は、ゲート絶縁膜108上に、薄膜トランジスタ100a、100bのゲート電極として機能しうる第1の導電膜110と保護膜として機能しうる第2の導電膜114が設けられている。第1の導電膜110と第2の導電膜114は同一の材料で設けられている。また、半導体膜106に、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域106bとLDD領域として機能する不純物領域106cがチャネル形成領域106aを挟んで離間して設けられている。なお、その他の部分については、上記実施の形態で示した構造と同様に設けることができる(図9参照)。
また、第2の導電膜114は、ゲート絶縁膜108を介して半導体膜106の不純物領域106bの一部と少なくとも重なるように設けられ、半導体膜106ひいては薄膜トランジスタ100a、100bの保護膜として機能しうる。また、ここでは、ゲート電極として機能する第1の導電膜110と第2の導電膜114は、半導体装置の作製工程において同時に作製することができる。つまり、第1の導電膜110と第2の導電膜114は、同一の層上(ここでは、ゲート絶縁膜108上)に同一材料で設けられている。
また、図9では、第2の導電膜114は、開口部132において第3の導電膜118と接するように設けられている。第2の導電膜114に開口部132を形成するように設けることによって、半導体膜106と第2の導電膜114との重なる領域を増加させることができる。なお、開口部132は、半導体膜106の不純物領域106bと第3の導電膜118を電気的に接続するため、ゲート絶縁膜108、絶縁膜116に設けられるものであり、図9では第2の導電膜114にも開口部が形成されている。
このように、第2の導電膜114を設けることにより、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がり)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。
また、第2の導電膜114は、半導体膜106の端部(例えば、不純物領域106bの端部)を覆うように設けることが好ましい。薄膜トランジスタ100a、100bにおいて、曲げ等の外部応力により最も損傷しやすい半導体膜106の端部を覆うように第2の導電膜114を設けることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。特に、半導体膜106と第2の導電膜114との重なる面積を増やすことにより(例えば、第2の導電膜114に開口部132を形成するように設けることにより)より効果的に半導体膜106の損傷を低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。
なお、図9に示した半導体装置は、第2の導電膜114にも開口部を設けた例を示したが、本実施の形態で示す半導体装置はこの構造に限定されず、第2の導電膜114が半導体膜106と少なくとも一部でも重なるように設ければよい。
例えば、第2の導電膜114に開口部が形成されない構造としてもよい(図10参照)。なお、上述した図2に示すように、半導体膜106の端部を囲むように第2の導電膜114をコの字状に設けてもよい。もちろん、図2において、図10に示すように第2の導電膜114を設けてもよい。なお、図10において、図10(A)は上面図を示しており、図10(B)又は図10(C)は図10(A)におけるA−B間の断面図を示している。
また、第2の導電膜114に開口部が形成されない構造とする場合、第2の導電膜114と第3の導電膜118を接するように設けることができる。なお、この際、第3の導電膜118の一部が第2の導電膜114上に設けられた構造としてもよい(図10(B)参照)。なお、上述した図2(B)と同じように設けてもよいし、上記図2(B)において第3の導電膜118の一部が第2の導電膜114上に設けられた構造としてもよい。また、第2の導電膜114と第3の導電膜118を接しないように設けてもよい(図10(C)参照)。
図10に示すように第2の導電膜114に開口部を設けない場合、開口部を形成する際に第2の導電膜114を除去する必要がないためエッチングを容易に行うことができる。
また、第2の導電膜114が半導体膜106の不純物領域106bと電気的に接続するように設けてもよい(図11参照)。この場合、第2の導電膜114が半導体膜106と接するように設けることができる。ここでは、第2の導電膜114が半導体膜106の端部(不純物領域106bの端部)を覆うように設けた例を示している。第2の導電膜114と第3の導電膜118は開口部140bを介して電気的に接続される。
このように、半導体膜106に接して第2の導電膜114を設けることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。また、ゲート絶縁膜108を除去して第2の導電膜114と半導体膜106の不純物領域106bとが接する面積を増やすことによって接続抵抗を低減することができる。
次に、上述した半導体装置の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。なお、ここでは、基板上に薄膜トランジスタを形成する例を示すが、上記実施の形態2で示したように薄膜トランジスタ等の素子を支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程を用いてもよい。
まず、基板102上に下地となる絶縁膜104を介して半導体膜106を形成した後、当該半導体膜106を覆うようにゲート絶縁膜108を形成する(図12(A)参照)。なお、絶縁膜104、半導体膜106、ゲート絶縁膜108は、上記実施の形態2で示した材料及び作製方法を適法することができる。
次に、ゲート絶縁膜108を介して半導体膜106の上方にレジスト150を選択的に形成し、当該レジスト150をマスクとして、半導体膜106に第1の不純物元素を導入することにより不純物領域106bを形成する(図12(B)参照)。第1の不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。なお、不純物領域106bは、薄膜トランジスタにおいてソース領域又はドレイン領域として機能する。
次に、ゲート絶縁膜108上にゲート電極及び保護膜を形成するための導電膜を形成する。ここでは、導電膜124と導電膜126を順に積層して形成する(図12(C)参照)。導電膜124は、プラズマCVD法やスパッタ法により20〜100nmの厚さで形成する。導電膜126は、プラズマCVD法やスパッタ法により100〜400nmの厚さで形成する。導電膜124、導電膜126は、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。または、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素に代表される半導体材料により形成する。導電膜124と導電膜126の組み合わせの例を挙げると、窒化タンタル膜とタングステン膜、窒化タングステン膜とタングステン膜、窒化モリブデン膜とモリブデン膜等が挙げられる。タングステンや窒化タンタルは、耐熱性が高いため、導電膜124と導電膜126を形成した後に、熱活性化を目的とした加熱処理を行うことができる。また、2層構造ではなく、3層構造の場合は、モリブデン膜とアルミニウム膜とモリブデン膜の積層構造を採用するとよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110と第2の導電膜114を形成する(図12(D)参照)。
第2の導電膜114は、少なくとも半導体膜106の不純物領域106bと重なるように設けられ、半導体膜106の保護膜として機能する。また、ここでは、ゲート電極として機能する第1の導電膜110と第2の導電膜114は、作製工程において同時に形成することができる。つまり、第1の導電膜110と第2の導電膜114は、同一の層上(ここでは、ゲート絶縁膜108上)に同一材料(ここでは、導電膜124と導電膜126の積層構造)で設けることができる。この場合、製造工程の増加を伴わずに第2の導電膜114を設けることができる。
次に、第1の導電膜110と第2の導電膜114をマスクとして、半導体膜106に第2の不純物元素を導入することにより不純物領域106cとチャネル形成領域106aを形成する(図12(E)参照)。第2の不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。また、第2の不純物元素は上述した第1の不純物元素より濃度を低くして導入する。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いる。なお、不純物領域106cは、薄膜トランジスタにおいてLDD領域として機能する。
本実施の形態では、導電膜124、導電膜126をフォトリソグラフィ法により選択的にエッチングして第1の導電膜110を形成する際に、マージンを考慮して第1の導電膜110を第1の不純物元素が導入されない半導体膜106の領域の幅(ソース領域−ドレイン領域と平行な方向の幅)より小さく形成している。このように形成することによって、より微細なトランジスタを作製する場合にもゲート電極を形成する際の合わせ精度のマージンを確保することができる。
なお、本実施の形態の半導体装置はこの構造に限られず、第2の不純物領域106cを設けない構造としてもよい。
次に、第1の導電膜110、第2の導電膜114を覆うように絶縁膜116を形成した後、半導体膜106の不純物領域106bに達する開口部132を形成し、半導体膜106の表面の一部を露出させる(図13(A)参照)。ここでは、ゲート絶縁膜108、第2の導電膜114及び絶縁膜116の一部をエッチングして、開口部132を形成する。
次に、不純物領域106bと電気的に接続するように開口部132に第3の導電膜118を選択的に形成する(図13(B)参照)。
以上の工程により、半導体装置を作製することができる。なお、本実施の形態では、基板102上に直接薄膜トランジスタを形成する工程を示したが、上記実施の形態2で示したように薄膜トランジスタ等の素子を支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して基板102に転置する工程を用いてもよい。この場合、基板102に代えて剥離層が形成された支持基板を用いればよい。
なお、図12、図13に示した半導体装置の作製方法は、図9に示した半導体装置の作製方法であるが、図10、図11に示した半導体装置も上述した作製方法を用いて製造することができる。
例えば、図10に示した半導体装置を製造する場合には、図12(D)において後に形成される開口部132が設けられる場所を避けて、第2の導電膜114を選択的にエッチングして形成すればよい。
また、図11に示した半導体装置を製造する場合について図14を参照して説明する。
まず、図12(B)まで同様に形成した後、レジスト150をマスクとしてゲート絶縁膜108を選択的に除去する(図14(A)参照)。なお、ゲート絶縁膜108を選択的に除去した後に、第1の不純物元素を導入して不純物領域106bを形成してもよい。
次に、半導体膜106、ゲート絶縁膜108を覆うように導電膜124と導電膜126を順に積層して形成する(図14(B)参照)。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110と第2の導電膜114を形成する。続いて、当該第1の導電膜110と第2の導電膜114をマスクとして半導体膜106に第2の不純物元素を導入して、不純物領域106c、チャネル形成領域106aを形成する(図14(C)参照)。
次に、第1の導電膜110、第2の導電膜114を覆うように絶縁膜116を形成した後、第2の導電膜114に達する開口部140bを形成し、第2の導電膜114bの表面の一部を露出させる(図14(D)参照)。
次に、第2の導電膜114と電気的に接続するように開口部140bに第3の導電膜118を選択的に形成する(図14(E)参照)。
以上の工程により、図11に示した半導体装置を作製することができる。
また、本実施の形態で示した半導体装置の構成又はその作製方法は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成又は作製方法と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、ゲート電極として機能しうる第1の導電膜と、保護膜として機能しうる第2の導電膜を同一の材料で同時に形成する場合に関して、上記実施の形態4と異なる半導体装置について説明する。
まず、上記実施の形態2の図4(B)まで同様に形成する(図15(A)参照)。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110と第2の導電膜114を形成する(図15(B)参照)。
次に、第1の導電膜110と第2の導電膜114をマスクとして、半導体膜106に不純物元素を導入することにより不純物領域106b、チャネル形成領域106a、領域106dを形成する(図15(C)参照)。第2の不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、ボロン(B)を用い、P型の薄膜トランジスタを形成する。もちろん、上記実施の形態で示したように、リン(P)を導入してN型の薄膜トランジスタを形成してもよい。なお、不純物領域106bは、薄膜トランジスタにおいてソース領域又はドレイン領域として機能する。
また、第2の導電膜114の下方に位置する半導体膜106に形成された領域106dには不純物元素が導入されず、半導体膜106に含まれる不純物元素の濃度はチャネル形成領域106aと概略一致する。例えば、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、あらかじめ半導体膜106に不純物元素が導入されている場合には、チャネル形成領域106aと領域106dは同様の不純物元素を含んでいる。
次に、第1の導電膜110、第2の導電膜114を覆うように絶縁膜116を形成した後、半導体膜106の不純物領域106bに達する開口部を形成し、半導体膜106の表面の一部を露出させる(図15(D)参照)。
次に、不純物領域106bと電気的に接続するように開口部に第3の導電膜118を選択的に形成する(図15(E)参照)。
その後、図5(B)〜図5(D)で示した工程を経て半導体装置が形成される。なお、本実施の形態では、薄膜トランジスタを支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程を示したが本実施の形態で示した作製方法はこれに限られない。例えば、上記実施の形態4で示したように、基板102上に直接薄膜トランジスタ100a、100bを設けてもよい。
また、上記図2(B)、図10(B)で示したように、第2の導電膜114と第3の導電膜118が接するように設けてもよいし、図7で示したように第1の導電膜110の側面に接した絶縁膜(サイドウォール)や、LDD領域を設けてもよい。
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成又はその作製方法は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成又は作製方法と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、薄膜トランジスタの保護膜となる層を当該薄膜トランジスタの下方に設けた半導体装置に関して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置の一例について図16を参照して説明する。なお、図16において、図16(A)は上面図を示しており、図16(B)は図16(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図16に示す半導体装置は、基板102上に設けられた保護膜204の上方に薄膜トランジスタ100a、100bが設けられている。保護膜204は、薄膜トランジスタ100a、100bを構成する島状の半導体膜106と絶縁膜104を介して重なるように島状に設けられており、当該半導体膜106より面積が大きくなるように設けられている。また、図16に示す半導体装置は、上記図1に示した半導体装置と比較して、第2の導電膜114の代わりに保護膜204を設けた構造となっている。なお、図1と同様の部分については、説明を省略する。
このように、薄膜トランジスタと重なるように保護膜204を設けることにより、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がり)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。特に、半導体膜106の全面と重なるように保護膜204を設けることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。
保護膜204としては、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。また、保護膜204は単層構造としてもよいし、2層以上の積層構造としてもよい。
なお、図16では、一つの島状の半導体膜106の下方に一つの島状の保護膜204を設けた例を示したが、これに限られず、複数の島状の半導体膜106と重なるように一つの島状の保護膜204を設けた構造としてもよい。複数の島状の半導体膜106と重なるように一つの島状の保護膜を設けた場合、保護膜204の端部における段差を低減することができるため、マスクずれ等による半導体膜106の段切れを防止することができる。
次に、上述した半導体装置の作製方法の一例に関して図面を参照して説明する。なお、ここでは、薄膜トランジスタ等の素子を支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程に関して説明する。
まず、基板120上の一表面に剥離層122を形成し、続けて下地となる絶縁膜202および保護膜を形成する。なお、剥離層122、絶縁膜202及び保護膜は連続して形成することができる。続いて、保護膜を選択的にエッチングして、島状の保護膜204を形成する(図17(A)参照)。
絶縁膜202は、スパッタ法やプラズマCVD法等により、珪素の酸化物または珪素の窒化物を含む膜を、単層又は積層で形成する。下地となる絶縁膜が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素膜を形成し、2層目として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。下地となる絶縁膜が3層構造の場合、1層目の絶縁膜として酸化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。または、1層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成し、2層目の絶縁膜として窒化酸化珪素膜を形成し、3層目の絶縁膜として酸化窒化珪素膜を形成するとよい。
保護膜は、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)等から選択された元素又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で形成する。また、保護膜204は単層構造としてもよいし、2層以上の積層構造としてもよい。ここでは、絶縁膜202上に非晶質半導体膜(例えば、非晶質珪素を含む膜)を形成した後、選択的に除去して島状の保護膜204を形成する。
次に、保護膜204を覆うように絶縁膜104を形成した後、島状の半導体膜106を形成する(図17(B)参照)。絶縁膜104、半導体膜106は、上記実施の形態で示した材料や作製方法を用いて形成すればよい。また、島状の半導体膜106は、保護膜204と重なるように設ける。
次に、半導体膜106を覆うようにゲート絶縁膜108を形成した後、導電膜124と導電膜126を順に積層して形成する(図17(C)参照)。ゲート絶縁膜108、導電膜124、導電膜126は、上記実施の形態で示した材料や作製方法を用いて形成すればよい。
次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジストからなるマスクを形成し、導電膜124、導電膜126を選択的にエッチングすることによって、第1の導電膜110を形成する。続いて、第1の導電膜110をマスクとして半導体膜106に不純物を導入することにより不純物領域106bとチャネル形成領域106aを形成する(図17(D)参照)。不純物元素としては、n型の不純物元素又はp型の不純物元素を用いる。n型の不純物元素としては、リン(P)やヒ素(As)等を用いることができる。p型の不純物元素としては、ボロン(B)やアルミニウム(Al)やガリウム(Ga)等を用いることができる。ここでは、不純物元素として、リン(P)を用いN型の薄膜トランジスタを形成する。なお、不純物領域106bは、薄膜トランジスタにおいてソース領域又はドレイン領域として機能する。
次に、第1の導電膜110、ゲート絶縁膜108を覆うように絶縁膜116を形成した後、半導体膜106の不純物領域106bに達する開口部を形成し、当該開口部を充填するように第3の導電膜118を選択的に形成する(図17(E)参照)。第3の導電膜118は、薄膜トランジスタにおいて、ソース電極又はドレイン電極として機能しうる。
次に、第3の導電膜を覆うように絶縁膜134を形成し、当該第3の絶縁膜134の表面に第1のシート材136を貼り合わせて設ける(図18(A)参照)。
次に、薄膜トランジスタ100a、100b等を含む素子形成層142を基板120から剥離する(図18(B)参照)。ここでは、物理的な力を用いて基板120から素子形成層142を剥離する。
次に、素子形成層142の他方の面(剥離した面)に、第2のシート材138を設け、その後加熱処理と加圧処理の一方または両方を行って、第2のシート材138を貼り合わせる(図18(C)参照)。第1のシート材136、第2のシート材138は、ホットメルトフィルム、粘着層が形成されたプラスチック基板等を用いることができる。
以上の工程により、半導体装置を作製することができる。なお、上記図17、図18では、薄膜トランジスタを支持基板上に形成した後に、当該支持基板から素子を剥離して他の基板に転置する工程を示したが作製方法はこれに限られない。例えば、上記実施の形態4で示したように、基板102上に直接薄膜トランジスタ100a、100bを設けてもよい。
なお、上記図16では、保護膜204を半導体膜106の全面と重なるように設けた例を示したが、本実施の半導体装置はこの構造に限られず、保護膜204と半導体膜106が少なくとも一部分重なった構造であればよい。その一例について図19を参照して説明する。なお、図19において、図19(A)は上面図を示しており、図19(B)は図19(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図19に示す半導体装置において、保護膜204は、薄膜トランジスタ100a、100bを構成する島状の半導体膜106の一部と絶縁膜104を介して重なるように島状に設けられている。また、このように設ける場合、保護膜204が半導体膜106のチャネル形成領域106aの全面と重なり、不純物領域106bの一部と重なるように設けることが好ましい。チャネル形成領域106aの端部においてゲート電極として機能する導電膜110が半導体膜106を乗り越えるために段差が生じており、さらに保護膜204をチャネル形成領域106aの一部と重なるように設けると導電膜110と半導体膜106がショートする恐れがあるためである。
また、保護膜204を半導体膜106の一部と重ねるように設ける場合には、保護膜204と第3の導電膜118を重ねるように設けることが好ましく、図19では、領域210において保護膜204の端部と第3の導電膜118の端部が重なるように設けた例を示している。第3の導電膜118と重なるように保護膜204を設けることによって、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がり)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。つまり、半導体膜106と重なるように保護膜204、第3の導電膜118を重なるように設けることにより、半導体膜106が形成された部分で曲がることを抑制することができる。
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。例えば、図16又は図19で示した構造に上記実施の形態で示した保護膜として機能する第2の導電膜を設けた構造とすることができる。その一例について図20、図21に示す。なお、図20において、図20(A)は上面図を示しており、図20(B)は図20(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図20に示す半導体装置は、上記実施の形態1で示した図1の構造と本実施の形態で示した図16の構造を組み合わせて設けたものである。半導体膜106の少なくとも一部が、保護膜204と第2の導電膜114の間に挟まれて設けられている。このように、半導体膜106を保護膜204及び第2の導電膜114と重なるように設けることにより、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、半導体膜106の部分で曲がることを抑制し、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。
また、図21(A)に示す半導体装置は、上記実施の形態1で示した図3(A)の構造と本実施の形態で示した図16の構造を組み合わせて設けたものであり、図21(B)に示す半導体装置は、上記実施の形態5で示した図15(E)の構造と本実施の形態で示した図16の構造を組み合わせて設けたものである。
このように本実施の形態で示した半導体装置の構造と上記実施の形態で示した半導体装置の構造を組み合わせて設けることにより、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において曲げ等により半導体膜106に応力が加わった場合であっても、効果的に半導体膜106(ひいては薄膜トランジスタ100a、100b)の損傷を抑制し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。なお、図20、図21の構造に限られず、本実施の形態で示した構造と上記実施の形態で示した構造は自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、薄膜トランジスタの保護膜となる層を当該薄膜トランジスタの半導体膜と重ならないように設けた半導体装置に関して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置の一例について図22を参照して説明する。なお、図22において、図22(A)は上面図を示しており、図22(B)は図22(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図22に示す半導体装置は、基板102上に設けられた保護膜204が薄膜トランジスタ100a、100bを取り囲むように設けられている。具体的には、薄膜トランジスタ100a、100bを構成する半導体膜106を囲むように保護膜204が設けられており、基板102の表面と垂直な方向において、半導体膜106と保護膜204が重ならず、半導体膜106の下方に保護膜204が設けられている。半導体膜106と保護膜204が重ならないように設けることによって、重ねて設ける場合と比較して半導体膜106に生じる段差がないため、半導体膜106の段切れを抑制することができる。
このように、半導体膜106を囲むように保護膜204を設けることによって、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がり)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。また、保護膜204と第3の導電膜118が重なるように設けることによって、半導体膜106を上下から保護することができるため、より効果的に半導体膜106の損傷や破壊を低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
例えば、図22で示した構造に上記実施の形態で示した保護膜として機能する第2の導電膜を設けた構造とすることができる。その一例について図23に示す。
図23(A)に示す半導体装置は、上記実施の形態1で示した図2(A)の構造と本実施の形態で示した図22の構造を組み合わせて設けたものである。なお、ここでは、第2の導電膜114と保護膜204が重なるように設けた例を示している。半導体膜106の周囲に設けられた保護膜204を第2の導電膜114と重なるように設けることによって、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、半導体膜106の部分で曲がることを抑制し、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。
図23(B)に示す半導体装置は、上記実施の形態1で示した図3(A)の構造と本実施の形態で示した図22の構造を組み合わせて設けたものである。なお、ここでは、第2の導電膜114と保護膜204が重なるように設けた例を示している。半導体膜106の周囲に設けられた保護膜204を第2の導電膜114と重なるように設けることによって、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、半導体膜106の部分で曲がることを抑制し、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。
このように本実施の形態で示した半導体装置の構造と上記実施の形態で示した半導体装置の構造を組み合わせて設けることにより、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において曲げ等により半導体膜106に応力が加わった場合であっても、効果的に半導体膜106(ひいては薄膜トランジスタ100a、100b)の損傷を抑制し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。なお、図23の構造はあくまで一例であり、本実施の形態で示した構造と上記実施の形態で示した構造は自由に組み合わせて実施することができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、上記実施の形態と異なる半導体装置に関して図面を参照して説明する。具体的には、薄膜トランジスタの保護膜となる層を当該薄膜トランジスタの上方に設けた半導体装置に関して説明する。
本実施の形態で示す半導体装置の一例について図面を参照して説明する。
はじめに、薄膜トランジスタ100a、100bの上方に保護膜を設けた場合に関して図24を参照して説明する。なお、図24において、図24(A)は上面図を示しており、図24(B)、図24(C)は図24(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図24に示す半導体装置は、薄膜トランジスタ100a、100bの上方に絶縁膜(ここでは、絶縁膜134)を介して保護膜204が設けられている。保護膜204は、薄膜トランジスタ100a、100bを構成する島状の半導体膜106と絶縁膜等を介して重なるように島状に設けられており、当該半導体膜106より面積が大きくなるように設けられている。
このように、薄膜トランジスタと重なるように保護膜204を設けることにより、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、トランジスタ等の素子が形成されていない領域111(薄膜トランジスタ100aと薄膜トランジスタ100bとの間)に応力を集中させ(領域111で曲がり)、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。特に、半導体膜106の全面と重なるように保護膜204を設けることによって、半導体装置の製造工程時や完成後の利用において半導体膜106の損傷を効果的に低減し、半導体装置の歩留まりや信頼性の向上を達成することができる。もちろん、保護膜204は、半導体膜106の全面と重なった構造である必要はなく、少なくとも保護膜204が半導体膜106の一部と重なるように設けてもよい。
また、保護膜204を設けると同時に上記実施の形態で示した第2の導電膜114を設けた構造としてもよい。例えば、図24(C)に示したように、上記実施の形態1で示した図1の構造に上述した保護膜204を設けた構造とすることができる。このように、第2の導電膜114と保護膜204を設けることにより、半導体装置に応力が加わった場合であっても、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を効果的に低減することができる。
次に、保護膜204が薄膜トランジスタ100a、100bを取り囲むように設けた場合に関して図25を参照して説明する。なお、図25において、図25(A)は上面図を示しており、図25(B)は図25(A)におけるA−B間の断面図を示している。
図25に示す半導体装置は、薄膜トランジスタ100a、100b上に設けられた絶縁膜(ここでは、絶縁膜134)上に、薄膜トランジスタ100a、100bを構成する島状の半導体膜106を囲むように保護膜204が設けられている。また、基板102の表面と垂直な方向において、半導体膜106と保護膜204が重ならず、半導体膜106の上方に形成された絶縁膜上に保護膜204が設けられている。
また、図25では、半導体膜106の端部を覆うように第2の導電膜114を設けた場合を示している。第2の導電膜114を設ける場合、当該第2の導電膜114と保護膜204が重なるように設けることによって、曲げ等により半導体装置に応力が加わった場合であっても、半導体膜106が曲がることにより破損することを効果的に低減することができる。なお、第2の導電膜114を設けずに、保護膜204を設けた構造としてもよい。
このように、薄膜トランジスタの上方に保護膜204を設けることにより、半導体装置に応力が加わった場合であっても、薄膜トランジスタ100a、100bの損傷や破壊を低減することができる。また、薄膜トランジスタの上方に保護膜を設ける場合には、半導体装置の作製工程において当該保護膜の影響による段差(凹凸)が薄膜トランジスタに及ぼす影響を低減することができる。
なお、本実施の形態で示した半導体装置の構成は、他の実施の形態で示す半導体装置の構成と組み合わせて実施することができる。
(実施の形態9)
本実施の形態では、上記実施の形態で示した半導体装置の使用形態の一例について説明する。具体的には、非接触でデータの入出力が可能である半導体装置の適用例に関して図面を参照して以下に説明する。非接触でデータの入出力が可能である半導体装置は利用の形態によっては、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップともよばれる。
半導体装置80は、非接触でデータを交信する機能を有し、高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87、記憶回路88およびアンテナ89を有している(図26(A))。高周波回路81はアンテナ89より信号を受信して、データ変調回路86より受信した信号をアンテナ89から出力する回路であり、電源回路82は受信信号から電源電位を生成する回路であり、リセット回路83はリセット信号を生成する回路であり、クロック発生回路84はアンテナ89から入力された受信信号を基に各種クロック信号を生成する回路であり、データ復調回路85は受信信号を復調して制御回路87に出力する回路であり、データ変調回路86は制御回路87から受信した信号を変調する回路である。また、制御回路87としては、例えばコード抽出回路91、コード判定回路92、CRC判定回路93および出力ユニット回路94が設けられている。なお、コード抽出回路91は制御回路87に送られてきた命令に含まれる複数のコードをそれぞれ抽出する回路であり、コード判定回路92は抽出されたコードとリファレンスに相当するコードとを比較して命令の内容を判定する回路であり、CRC回路は判定されたコードに基づいて送信エラー等の有無を検出する回路である。
次に、上述した半導体装置の動作の一例について説明する。まず、アンテナ89により無線信号が受信される。無線信号は高周波回路81を介して電源回路82に送られ、高電源電位(以下、VDDと記す)が生成される。VDDは半導体装置80が有する各回路に供給される。また、高周波回路81を介してデータ復調回路85に送られた信号は復調される(以下、復調信号)。さらに、高周波回路81を介してリセット回路83およびクロック発生回路84を通った信号及び復調信号は制御回路87に送られる。制御回路87に送られた信号は、コード抽出回路91、コード判定回路92およびCRC判定回路93等によって解析される。そして、解析された信号にしたがって、記憶回路88内に記憶されている半導体装置の情報が出力される。出力された半導体装置の情報は出力ユニット回路94を通って符号化される。さらに、符号化された半導体装置80の情報はデータ変調回路86を通って、アンテナ89により無線信号に載せて送信される。なお、半導体装置80を構成する複数の回路においては、低電源電位(以下、VSS)は共通であり、VSSはGNDとすることができる。
このように、リーダ/ライタから半導体装置80に信号を送り、当該半導体装置80から送られてきた信号をリーダ/ライタで受信することによって、半導体装置のデータを読み取ることが可能となる。
また、半導体装置80は、各回路への電源電圧の供給を電源(バッテリー)を搭載せず電磁波により行うタイプとしてもよいし、電源(バッテリー)を搭載して電磁波と電源(バッテリー)により各回路に電源電圧を供給するタイプとしてもよい。
上記実施の形態で示した構造を高周波回路81、電源回路82、リセット回路83、クロック発生回路84、データ復調回路85、データ変調回路86、他の回路の制御を行う制御回路87に適用することによって、得られた半導体装置を折り曲げたりした場合であっても半導体装置の損傷を抑制し信頼性を向上させることができる。
次に、可撓性を有し、非接触でデータの入出力が可能な半導体装置の使用形態の一例について説明する。表示部3210を含む携帯端末の側面には、リーダ/ライタ3200が設けられ、品物3220の側面には半導体装置3230が設けられる(図26(B))。品物3220が含む半導体装置3230にリーダ/ライタ3200をかざすと、表示部3210に品物の原材料や原産地、生産工程ごとの検査結果や流通過程の履歴等、更に商品の説明等の商品に関する情報が表示される。また、商品3260をベルトコンベアにより搬送する際に、リーダ/ライタ3240と、商品3260に設けられた半導体装置3250を用いて、該商品3260の検品を行うことができる(図26(C))。このように、システムに半導体装置を活用することで、情報の取得を簡単に行うことができ、高機能化と高付加価値化を実現する。また、上記実施の形態で示したように、曲面を有する物体に貼り付けた場合であっても、半導体装置に含まれるトランジスタ等の損傷を防止し、信頼性の高い半導体装置を提供することが可能となる。なお、半導体装置を商品に貼り合わせる場合に、上記実施の形態で示した圧着装置や圧着方法を用いてもよい。上記圧着装置や圧着方法を用いることによって、半導体装置を商品に貼り合わせる際に半導体装置に過度の圧力が加わることを抑制し、半導体装置の破損を防ぐことが可能となる。
また、上述した非接触データの入出力が可能である半導体装置における信号の伝送方式は、電磁結合方式、電磁誘導方式またはマイクロ波方式等を用いることができる。伝送方式は、実施者が使用用途を考慮して適宜選択すればよく、伝送方式に伴って最適なアンテナを設ければよい。
例えば、半導体装置における信号の伝送方式として、電磁結合方式または電磁誘導方式(例えば13.56MHz帯)を適用する場合には、磁界密度の変化による電磁誘導を利用するため、アンテナとして機能する導電膜を輪状(例えば、ループアンテナ)、らせん状(例えば、スパイラルアンテナ)に形成する。
また、半導体装置における信号の伝送方式として、マイクロ波方式(例えば、UHF帯(860〜960MHz帯)、2.45GHz帯等)を適用する場合には、信号の伝送に用いる電磁波の波長を考慮してアンテナとして機能する導電層の長さ等の形状を適宜設定すればよく、例えば、アンテナとして機能する導電膜を線状(例えば、ダイポールアンテナ)、平坦な形状(例えば、パッチアンテナ)またはリボン型の形状等に形成することができる。また、アンテナとして機能する導電膜の形状は線状に限られず、電磁波の波長を考慮して曲線状や蛇行形状またはこれらを組み合わせた形状で設けてもよい。なお、アンテナとして機能する導電膜をどのような形状に設けた場合であっても、上記実施の形態で示したように、素子群を貼り合わせて設ける際に素子群に加わる圧力をモニタリングして素子群に過度の圧力が加わらないように制御することにより素子群の破損等を防止することができる。
アンテナとして機能する導電膜は、CVD法、スパッタ法、スクリーン印刷やグラビア印刷等の印刷法、液滴吐出法、ディスペンサ法、メッキ法等を用いて、導電性材料により形成する。導電性材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)、金(Au)、白金(Pt)ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層構造又は積層構造で形成する。
例えば、スクリーン印刷法を用いてアンテナとして機能する導電膜を形成する場合には、粒径が数nmから数十μmの導電体粒子を有機樹脂に溶解または分散させた導電性のペーストを選択的に印刷することによって設けることができる。導電体粒子としては、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)およびチタン(Ti)等のいずれか一つ以上の金属粒子やハロゲン化銀の微粒子、または分散性ナノ粒子を用いることができる。また、導電性ペーストに含まれる有機樹脂は、金属粒子のバインダー、溶媒、分散剤および被覆材として機能する有機樹脂から選ばれた一つまたは複数を用いることができる。代表的には、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機樹脂が挙げられる。また、導電膜の形成にあたり、導電性のペーストを押し出した後に焼成することが好ましい。例えば、導電性のペーストの材料として、銀を主成分とする微粒子(例えば粒径1nm以上100nm以下)を用いる場合、150〜300℃の温度範囲で焼成することにより硬化させて導電膜を得ることができる。また、はんだや鉛フリーのはんだを主成分とする微粒子を用いてもよく、この場合は粒径20μm以下の微粒子を用いることが好ましい。はんだや鉛フリーはんだは、低コストであるといった利点を有している。
また、上述した材料以外にも、セラミックやフェライト等をアンテナに適用してもよいし、他にもマイクロ波帯において誘電率および透磁率が負となる材料(メタマテリアル)をアンテナに適用することも可能である。
また、電磁結合方式または電磁誘導方式を適用する場合であって、アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、当該半導体装置と金属との間に透磁率を備えた磁性材料を設けることが好ましい。アンテナを備えた半導体装置を金属に接して設ける場合には、磁界の変化に伴い金属に渦電流が流れ、当該渦電流により発生する反磁界によって、磁界の変化が弱められて通信距離が低下する。そのため、半導体装置と金属との間に透磁率を備えた材料を設けることにより金属の渦電流を抑制し通信距離の低下を抑制することができる。なお、磁性材料としては、高い透磁率を有し高周波損失の少ないフェライトや金属薄膜を用いることができる。
なお、上述した以外にも可撓性を有する半導体装置の用途は広範にわたり、非接触で対象物の履歴等の情報を明確にし、生産・管理等に役立てる商品であればどのようなものにも適用することができる。例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類、包装用容器類、書籍類、記録媒体、身の回り品、乗物類、食品類、衣類、保健用品類、生活用品類、薬品類及び電子機器等に設けて使用することができる。これらの例に関して図27を用いて説明する。
紙幣、硬貨とは、市場に流通する金銭であり、特定の地域で貨幣と同じように通用するもの(金券)、記念コイン等を含む。有価証券類とは、小切手、証券、約束手形等を指す(図27(A))。証書類とは、運転免許証、住民票等を指す(図27(B))。無記名債券類とは、切手、おこめ券、各種ギフト券等を指す(図27(C))。包装用容器類とは、お弁当等の包装紙、ペットボトル等を指す(図27(D))。書籍類とは、書物、本等を指す(図27(E))。記録媒体とは、DVDソフト、ビデオテープ等を指す(図27(F))。乗物類とは、自転車等の車両、船舶等を指す(図27(G))。身の回り品とは、鞄、眼鏡等を指す(図27(H))。食品類とは、食料品、飲料等を指す。衣類とは、衣服、履物等を指す。保健用品類とは、医療器具、健康器具等を指す。生活用品類とは、家具、照明器具等を指す。薬品類とは、医薬品、農薬等を指す。電子機器とは、液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置(テレビ受像機、薄型テレビ受像機)、携帯電話機等を指す。
紙幣、硬貨、有価証券類、証書類、無記名債券類等に半導体装置20を設けることにより、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、書籍類、記録媒体等、身の回り品、食品類、生活用品類、電子機器等に半導体装置20を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。乗物類、保健用品類、薬品類等に半導体装置20を設けることにより、偽造や盗難の防止、薬品類ならば、薬の服用の間違いを防止することができる。半導体装置20の設け方としては、物品の表面に貼ったり、物品に埋め込んだりして設ける。例えば、本ならば紙に埋め込んだり、有機樹脂からなるパッケージなら当該有機樹脂に埋め込んだりするとよい。可撓性を有する半導体装置を用いることによって、紙等に設けた場合であっても、上記実施の形態で示した構造を有する半導体装置を用いて半導体装置を設けることにより、当該半導体装置に含まれる素子の破損等を防止することができる。
このように、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、電子機器等に半導体装置を設けることにより、検品システムやレンタル店のシステムなどの効率化を図ることができる。また乗物類に半導体装置を設けることにより、偽造や盗難を防止することができる。また、動物等の生き物に埋め込むことによって、個々の生き物の識別を容易に行うことができる。例えば、家畜等の生き物にセンサーを備えた半導体装置を埋め込むことによって、生まれた年や性別または種類等はもちろん体温等の健康状態を容易に管理することが可能となる。
なお、本実施の形態は、上記実施の形態と自由に組み合わせて行うことができる。つまり、上記実施の形態で示した半導体装置の構成を本実施の形態で示した半導体装置に適用することができる。
(実施の形態10)
本実施の形態では、上記実施の形態1〜実施の形態8で示した半導体装置を表示装置に適用した場合の一例について図面を参照して説明する。
図28(A)はディスプレイであり、本体4101、支持台4102、表示部4103を含む。表示部4103は可撓性を有する基板を用いて形成されており、軽量で薄型のディスプレイを実現できる。また、表示部4103を湾曲させることも可能であり、支持台4102から取り外して壁に掛けることも可能である。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4103や当該表示部4103を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性のディスプレイを作製することができる。
図28(B)は巻き取り可能な大型ディスプレイであり、本体4201、表示部4202を含む。本体4201および表示部4202は可撓性を有する基板を用いて形成されているため、ディスプレイを折り畳んだり、巻き取ったりして持ち運ぶことが可能である。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4202や当該表示部4202を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性のディスプレイを作製することができる。
図28(C)は、シート型のコンピュータであり、本体4401、表示部4402、キーボード4403、タッチパッド4404、外部接続ポート4405、電源プラグ4406等を含んでいる。表示部4402は可撓性を有する基板を用いて形成されており、軽量で薄型のコンピュータを実現できる。また、電源プラグ4406の部分に収納スペースを設けることによって表示部2402を巻き取って収納することが可能である。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4402や当該表示部4402を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性の薄型コンピュータを作製することができる。
図28(D)は、20〜80インチの大型の表示部を有する表示装置であり、本体4300、操作部であるキーボード4301、表示部4302、スピーカー4303等を含む。また、表示部4302は可撓性を有する基板を用いて形成されており、キーボード4301を取り外して本体4300を折り畳んだり巻き取ったりして持ち運ぶことが可能である。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4302や当該表示部4302を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性の大型表示装置を作製することができる。
図28(E)は電子ブックであり、本体4501、表示部4502、操作キー4503等を含む。またモデムが本体4501に内蔵されていても良い。表示部4502は可撓性基板を用いて形成されており、折り曲げることができる。さらに、表示部4502は文字等の静止画像はもちろん動画も表示することが可能となっている。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4502や当該表示部4502を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性の電子ブックを作製することができる。
図28(F)はICカードであり、本体4601、表示部4602、接続端子4603等を含む。表示部4602は可撓性基板を用いて軽量、薄型のシート状になっているため、カードの表面に張り付けて形成することができる。また、ICカードを非接触でデータの受信が行える場合に外部から取得した情報を表示部4602に表示することが可能となっている。上記実施の形態1〜実施の形態8で示した構造を有する半導体装置を表示部4602や当該表示部4602を駆動する回路等に用いることによって、可撓性を有し且つ高信頼性のICカードを作製することができる。
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器や情報表示手段に用いることが可能である。