JP5349942B2 - 記録装置および記録方法 - Google Patents
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Description
給紙部は、記録媒体を積載する圧板M2010、記録媒体を1枚ずつ給紙する給紙ローラM2080、記録媒体を分離する分離ローラM2041、記録媒体を積載位置に戻すための戻しレバーM2020等がベースM2000に取り付けられることで構成されている。
図1〜図4を参照するに、用紙搬送部は、主に、曲げ起こした板金からなるシャーシM1010に、記録媒体を搬送する第1のローラである搬送ローラM3060とペーパエンドセンサ(PEセンサ)E0007が回動可能に取り付けられて構成されている。搬送ローラM3060は、金属軸の表面にセラミックの微小粒がコーティングされた構成となっている。また、両軸の金属部分を不図示の軸受けが受ける状態で、シャーシM1010に取り付けられている搬送ローラM3060を付勢することにより、回転時に適量の負荷を与えて安定した搬送が行えるようになっている。
図1〜図4を参照するに、排紙部は、第2のローラとして機能する第1の排紙ローラM3100および第2の排紙ローラM3110、複数の拍車M3120およびギア列などから構成されている。第1の排紙ローラM3100は、金属軸に複数のゴム部を設けて構成されている。第1の排紙ローラM3100の駆動は、搬送ローラM3060の駆動が、アイドラギアを介して第1の排紙ローラM3100まで伝達されることによって行われている。
給紙部、および用紙搬送部によって記録位置まで搬送された記録媒体には、キャリッジ7に取り付けられた記録ヘッド4よりインクが吐出されて、記録媒体上に画像記録が行われる。記録ヘッド4の形態としては、インク吐出のために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば発熱抵抗素子)を備え、その熱エネルギによりインクの状態変化(膜沸騰)を生起させる方式を用いたものとすることができる。また、エネルギ発生手段としてピエゾ素子などの機械的エネルギを発生する素子を備え、その機械的エネルギによりインクを吐出させる方式を用いたものとすることもできる。
給紙部からの給紙は、図4に示したように記録媒体が通る経路がピンチローラに達するまで曲がっているため、記録媒体を曲げた状態で行われることになる。従って、例えば0.5mm程度以上の厚い記録媒体等を給紙部から給紙しようとすると、曲げられた記録媒体の反力が発生し、給紙抵抗が増えて給紙が行えない場合がある。また、給紙が可能であっても、排紙後の記録媒体が曲がったままとなったり、折れたりすることもある。
図9は、記録装置の制御系の主要部の構成例を示す。ここで、100は記録装置の各駆動部の制御を行う制御部である。制御部100は、CPU101、ROM102、EEPROM103およびRAM104を備える。CPU101は、後述する処理手順を含め、記録動作等に関わる処理のための種々の演算および判別を行うほか、記録データなどについての処理を行う。ROM102は、CPU101が実行する処理手順に対応したプログラムや、その他の固定データなどを格納する。EEPROM103は不揮発性メモリであり、所定の情報を記録装置の電源オフ時にも保持しておくために用いられる。RAM104は、外部から供給された記録データや、これを装置構成にあわせて展開した記録データを一時的に格納するほか、CPU101による演算処理のワークエリアとして機能する。
以下に、本実施形態の記録装置において特徴的な搬送制御の概要について述べる。まず、本実施形態では、記録媒体が搬送ローラM3060の挟持部を離脱したときに、搬送ローラと排紙ローラのローラ周速比を”1”にするための第1の補正値を用いて、搬送ローラおよび排紙ローラの回転、すなわちモータの駆動制御を実施する。さらに、上記ローラ周速比が極大もしくは極小となるときの搬送ローラおよび排紙ローラの回転位相において、記録媒体が搬送ローラの挟持部を離脱するように搬送ローラと排紙ローラの初期位相を調整する第2の補正値を用いる。
本実施形態では、ローラの偏心に伴う、ローラの回転位相ごとの搬送量を補正するために、ローラ周長を110分割した各ブロックに対して、それぞれ搬送補正値を取得して搬送量補正を行っている。
まず、図11を用いて、本実施形態において、搬送方向Yに沿って2つに分類される搬送領域について説明する。本実施形態では、搬送ローラのみで搬送されるときに記録が行われる領域、及び搬送ローラと排紙ローラの両方で搬送されているときに記録が行われる領域を”搬送領域I”とする。一方、排紙ローラのみで搬送される搬送領域を”搬送領域II”と定義する。なお、排紙ローラに較べて搬送ローラが記録媒体の搬送において支配的なローラであるため、本実施形態では、搬送ローラのみの搬送領域、搬送ローラと排紙ローラの両方のときの搬送領域をともに搬送領域Iとしている。
上述のようにして記録したテストパターンをスキャナで読み取り、全パッチの濃度を検出した後、主走査方向に複数記録された各パッチごとに濃度の比較を行う。そして、パッチ群の中で最も濃度の薄いパッチのずらし量を搬送誤差として取得することができる。ただし、上述の搬送誤差は、パターン記録の1回目の走査と2回目の走査の間の累積搬送誤差(4回の搬送動作の累積)として算出される。このような累積搬送誤差は、ある基準長に従って共通化されていることが好ましい。本実施形態では、4回の搬送動作における搬送誤差(640ノズル分累積)に768/640を掛ける演算を実施することで、ノズル列長(640ノズル分相当)での累積搬送誤差に換算する。
まず、図13を用いて、補正値の取得のための一連の手順について説明する。
(式1)
Vr=(16/1200×25.4)−(−Xn/48)
また、第1の補正値(Zn)の計算は、以下の式2により求められる。
(式2)
第1の補正値(Zn)={(搬送領域IIの周速Vr(II))/(搬送領域Iの周速(I))−1}*100
図18は、第1の補正値(Zn)の分布を示しており、その分布は周期的な関数となり、極大値と極小値をもつ。
本実施形態において、ホスト装置1000から受信した記録コマンド中により、給紙搬送経路としてASF給紙部からの給紙が指定されると、記録を行う記録媒体のサイズおよび記録モードをさらに読み込む。本実施形態では、図18のような搬送領域I、II間のローラ周速比の分布をもつため、ブロック群Gで記録媒体が搬送ローラの挟持部を離脱するようにローラの初期位相を調整する。記録媒体のサイズおよび記録モードによる搬送補正値を加味したパルス数オフセット値を各記録媒体、各記録モードに毎にEEPROM103に持っている。ブロック群Gの中心ブロック“68”、原点に対して68×128=8704パルスの位置から該オフセット値をローラ逆転方向に加算し、初期位相のパルス値が決定される。このパルス値にローラの搬送開始位置(初期位相)が調整されたことを位相検出用光学センサで確認すると、給紙動作が開始され、記録媒体の後端がPEセンサE0007を通過するまで記録動作が実施される。
本実施形態のフラットパスによる記録時では、前述のとおり、記録媒体を搬送ローラM3060とピンチローラM3070、排紙ローラM3100およびM3110と拍車M3120の駆動ローラ系にニップさせた状態で、ホスト装置から記録コマンドを受信する。したがって、第2の補正値を用いて搬送ローラM3060の初期位相の調整が困難であるため、第1の補正値のみを用いて搬送制御を行う。
以上のとおり、本実施形態では、第1、第2の補正値の両方を用いて搬送量を制御する第1の搬送制御と、第1の補正値のみを用いて搬送量を制御する第2の搬送制御とを記録媒体の搬送経路に応じて切換えている。すなわち、通常のASF給紙部からの搬送経路による記録動作では、記録コマンド待機中、記録媒体を駆動ローラ系にニップさせていないので、第2の補正値を用いている。これにより、記録媒体後端が離脱するときに、搬送量に突発的な変動が生じたとしても、搬送量の変動幅を最小限に抑えられる。なお、搬送経路はASF給紙部など、給紙手段の情報より決定されるため、これらの情報を元に第1、第2の搬送制御を切換えることができる。
M3100 第1の排紙ローラ
M3110 第2の排紙ローラ
M4000 キャリッジ
101 CPU
110 搬送モータ
P 記録媒体
Claims (6)
- インクを吐出するための記録ヘッドと、
前記記録ヘッドよりも記録媒体の搬送方向上流側に配置され、前記記録媒体を搬送するための第1のローラと、
前記搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体を搬送するための第2のローラと、
前記記録媒体が前記第1のローラを離れるときの前記第1の搬送ローラに対する前記第2の搬送ローラの増速率の絶対値が最小になる前記第1、第2のローラの位相の組み合わせとするために、前記第1のローラによる搬送開始時の前記第1のローラの位相を調整する搬送制御手段とを備え、
該搬送制御手段は、前記記録媒体の搬送経路に応じて選択的に位相の調整を行うことを特徴とする記録装置。 - 前記搬送経路は、前記記録媒体の給紙手段に応じて定まることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記第1のローラと前記第2のローラは同期した状態で駆動されることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記第1のローラの駆動がギアを介して前記第2のローラに伝達されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記第1、第2のローラの位相を検出するための検出手段と、
前記第1、第2のローラの位相の組み合わせごとに第1、第2の補正値を格納する格納手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。 - インクを吐出するための記録ヘッドと、
前記記録ヘッドよりも記録媒体の搬送方向上流側に配置され、前記記録媒体を搬送するための第1のローラと、
前記搬送方向下流側に配置され、前記記録媒体を搬送するための第2のローラとを用いて記録を行う記録方法であって、
前記記録媒体が前記第1のローラを離れるとき前記第1の搬送ローラに対する前記第2の搬送ローラの増速率の絶対値が最小になる前記第1、第2のローラの位相の組み合わせとするために、前記第1のローラによる搬送開始時の前記第1のローラの位相を調整する工程を有し、
該工程では、前記記録媒体の搬送経路に応じて選択的に位相の調整を行うことを特徴とする記録方法。
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