JP5349520B2 - ガス圧監視制御装置 - Google Patents
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尚、特許文献1には、ガス開閉器に高圧絶縁ガスを蓄えた高圧室を備え、開閉器の消弧室内のガス圧低下を自動的に検知してガスを補充する開閉器のガス圧調整装置について開示されている。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、消弧室のガス圧と大気圧とを比較し、大気圧より消弧室のガス圧が低下した場合に、弁体を移動させて連通溝を介して高圧室のガスを消弧室に導入して、消弧室のガス圧を一定に保つ構成であるが、高圧室のガス容量に限界があるため、長期に消弧室のガス圧を一定に保つことが困難であるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、ガス機器内のガス圧を一定期間測定してデータを蓄積し、蓄積した測定データの低下率が所定値に達した場合に、将来のガス圧の低下傾向を圧力値が非許容値に達するのに要する期間まで計算し、該期間満了時の所定期間前(約1週間前)にガス機器に絶縁ガスを補給することにより、その都度の現地対応が不要となり、対応に要する人件費を削減することができ、且つ、補給量予測を正確に判断することができるガス圧監視制御装置を提供することを目的とする。
本発明の制御手段は、ガスボンベ計量手段、第1のガス圧検出手段、第2のガス圧検出手段、及び外気温測定手段から得られた情報に基づいて、ガス調整手段を調整してガス機器内の絶縁ガスの圧力が所定値になるように制御する。即ち、制御手段は、ガス機器内のガス圧により、ガス機器に充填されている絶縁ガスが所定の圧力であるか否かを判断し、ガスボンベ内のガス圧により、ガスボンベに充填されている絶縁ガスが所定の圧力で、且つ所定の量があるか否かを判断する。また、外気温を測定することにより、気温に対する圧力の変化を正規化することができる。これらの値は常時、制御手段に入力するので、ガス機器の圧力変化率を正確に把握することができる。
ガス圧は外気温により変動する。即ち、外気温が高くなればガス圧が上昇し、外気温が低くなれば、ガス圧が低下する。その結果、外気温のデータをそのまま使用すると、外気温が低くガス圧が低下した場合、異常値として判断してしまう。そこで本発明では、第1のガス圧検出手段により検出される圧力値を、外気温測定手段により測定した外気温を用いて20℃時のガス圧に換算して記憶する。つまり、第1のガス圧検出手段により検出される圧力値に対して、外気温が20℃に対する温度変化に換算係数を乗じて求める。これにより、ガス圧が外気温の変動に対してほぼ直線的な変化となり、ガス圧の変化率を管理し易くなる。
制御手段は20℃で換算したガス圧を計算して記憶していく。ガス機器に異常が無ければ、各データをプロットした直線の傾きは少ない。また、ガス機器に異常(例えば、ガス漏れ等)が発生すると、その傾きは大きくなる。本発明では、傾き(低下率)が所定の値を超えた場合に、圧力値が非許容値に達するのに要する期間を計算し、期間満了時の所定期間前(例えば、1週間前)にガス機器に絶縁ガスを補給する。これにより、余裕をもってガスの補給を行うことができ、且つ非許容値になる期間を延長することができる。
請求項4は、前記制御手段は、経過時間単位の前記圧力値の傾きから将来の圧力値の低下率を計算し、該低下率が所定値以下である場合は、前記圧力値を継続して計算して記憶することを特徴とする。
制御手段は20℃で換算したガス圧を、例えば、まず10日単位に計算して記憶していく。ガス機器に異常が無ければ、各データをプロットした直線の傾きは少ない。この場合は、更に10日間データを記憶する。このように、ある期間単位にガス圧の低下率を監視して、データの蓄積を継続する。これにより、低下率に異常がない場合は、データ蓄積に専念することができる。
制御手段は、ガス圧の低下率が所定値以上になり、期間満了時の所定期間前にガス機器に絶縁ガスを補給する場合、まず、ガスボンベに絶縁ガスが所定量以上貯留されているか否かを、ガスボンベ計量手段で計量した計量値により判断する。そして、ガスボンベに所定量以上の絶縁ガスが貯留されていた場合に、ガス調整手段を開放して絶縁ガスを補給する。そのとき、第1のガス圧検出手段、及び第2のガス圧検出手段により検出される圧力値を監視しておき、共に定格圧力以上になったらガス調整手段を閉止する。これにより、補給中に絶縁ガスが無くなることを未然に防止することができる。
請求項6は、前記制御手段は、前記ガス機器に前記絶縁ガスを補給する場合、前記ガスボンベ計量手段により計量した計量値が所定値以下のとき、警報を発して前記ガス調整手段を閉止することを特徴とする。
制御手段は、ガス圧の低下率が所定値以上になり、期間満了時の所定期間前にガス機器に絶縁ガスを補給する場合、まず、ガスボンベに絶縁ガスが所定量以上貯留されているか否かを、ガスボンベ計量手段で計量した計量値により判断する。そして、ガスボンベに所定量以上の絶縁ガスが貯留されていない場合は、補給中に絶縁ガスが無くなる虞があるので、警報を発して補給を中止する。これにより、無駄な補給を未然に防止することができる。
ガス調整手段を開放した場合、ガスボンベとガス機器はガス管により接続されて、同じ圧力を示すことになる。そのとき、どちらかにガス漏れの箇所があると、ガス圧は所定の値以上に達しなくなる。このときは、ガス漏れがあると判断してガス調整手段を閉止して警報を発する。これにより、ガス漏れを未然に発見することができる。
請求項8は、前記制御手段は、前記20℃時のガス圧に換算した値をMPa、前記第1のガス圧検出手段により検出したガス圧をPa、前記外気温測定手段により測定した外気温をt℃としたとき、前記MPa=Pa+(t℃−20℃)×0.0025MPa/℃により求めることを特徴とする。
絶縁ガスにSF6ガスを使用した場合、1℃当たりの圧力変化は、0.0025MPaとなる。従って、20℃に対して何度変化したかにより、現在のガス圧が上下する計算式である。言い換えると、現在の温度に対するガス圧を20℃のガス圧に正規化するものである。これにより、警報圧力値を一定に設定することができ、瞬時に異常値であることを認識できる。
また、第1のガス圧検出手段により検出される圧力値に対して、外気温が20℃に対する温度変化に換算係数を乗じて求めるので、ガス圧が外気温の変動に対してほぼ直線的な変化となり、ガス圧の変化率を管理し易くなる。
また、傾き(低下率)が所定の値を超えた場合に、圧力値が非許容値に達するのに要する期間を計算し、期間満了時の所定期間前(例えば、1週間前)にガス機器に絶縁ガスを補給するので、余裕をもってガスの補給を行うことができ、且つ非許容値になる期間を延長することができる。
また、ある期間単位にガス圧の低下率を監視して、データの蓄積を継続するので、低下率に異常がない場合は、データ蓄積に専念することができる。
また、ガスボンベに所定量以上の絶縁ガスが貯留されていない場合は、補給中に絶縁ガスが無くなる虞があるので、警報を発して補給を中止することにより、無駄な補給を未然に防止することができる。
また、供給してもガス圧が所定の値以上に達しないときは、ガス漏れがあると判断してガス調整手段を閉止して警報を発するので、ガス漏れを未然に発見することができる。
また、現在の温度に対するガス圧を20℃のガス圧に正規化するので、警報圧力値を一定に設定することができ、瞬時に異常値であることを認識できる。
即ち、本発明のPC11は、図2に示すように、ガスボンベ計量器2、圧力リレー8、圧力リレー5、及び温度計10から得られた情報に基づいて、電磁弁7を調整してガス機器13内のガスの圧力が所定値になるように制御する。PC11は、ガス機器13内のガス圧により、ガス機器13に充填されているガスが所定の圧力であるか否かを判断し、ガスボンベ1内のガス圧により、ガスボンベ1に充填されているガスが所定の圧力で、且つ所定の量があるか否かを判断する。また、温度計10により外気温を測定することにより、気温に対する圧力の変化を正規化することができる。これらの値は常時、PC11に入力するので、ガス機器13の圧力変化率を正確に把握することができる。
即ち、20℃時のガス圧に換算した値をMPa、圧力リレー8により検出したガス圧をPa、温度計10により測定した外気温をt℃としたとき、MPa=Pa+(t℃−20℃)×0.0025MPa/℃により求めることができる。言い換えると、ガスにSF6ガスを使用した場合、1℃当たりの圧力変化は、0.0025MPaとなる。従って、20℃に対して何度変化したかにより、現在のガス圧が上下する計算式である。つまり、現在の温度に対するガス圧を20℃のガス圧に正規化するものである。これにより、警報圧力値を一定に設定することができ、瞬時に異常値であることを認識できる。
即ち、PC11は20℃で換算したガス圧を、例えば、まず10日単位に計算して記憶していく。ガス機器13に異常が無ければ、各データをプロットした直線の傾きは少ない。この場合は、更に10日間データを記憶する。このように、ある期間単位にガス圧の低下率を監視して、データの蓄積を継続する。これにより、低下率に異常がない場合は、データ蓄積に専念することができる。
即ち、PC11は、ガス圧の低下率が所定値以上になり、圧力低下警報値の所定期間前にガス機器13にガスを補給する場合、まず、ガスボンベ1にガスが所定量以上貯留されているか否かを、ガスボンベ計量器2で計量した計量値により判断する。そして、ガスボンベ1に所定量以上のガスが貯留されていた場合に、電磁弁7を開放してガスを補給する。そのとき、圧力リレー8、及び圧力リレー5により検出される圧力値を監視しておき、共に定格圧力以上になったら電磁弁7を閉止する。これにより、補給中にガスが無くなることを未然に防止することができる。
また、電磁弁7を開放した場合、ガスボンベ1とガス機器13はガス管により接続されて、同じ圧力を示すことになる。そのとき、どちらかにガス漏れの箇所があると、ガス圧は所定の値以上に達しなくなる。このときは、ガス漏れがあると判断して電磁弁7を閉止して警報を発する。これにより、ガス漏れを未然に発見することができる。
即ち、PC11は20℃で換算したガス圧を計算して記憶していく。ガス機器13に異常が無ければ、各データをプロットした直線の傾きは少ない。また、ガス機器13に異常(例えば、ガス漏れ等)が発生すると、その傾きは大きくなる。本実施形態では、傾き(低下率)が所定の値を超えた場合に、圧力値が圧力低下警報値32に達するのに要する期間を計算し、期間満了時の所定期間前(例えば、1週間前)にガス機器13にガスを補給する。これにより、余裕をもってガスの補給を行うことができ、且つ圧力低下警報値32になる期間を延長することができる。
ガス漏れ量が途中から変化することもある。その場合は、図5(b)のようにして求める。即ち、1時間単位で測定し、その値を20℃に換算して蓄積する。そして、実測値30の一番低い値同士を結んで直線を引いたときの勾配から低下率を計算し、低下率が所定の値より大きいときに(勾配が急)、その時点から、圧力低下警報値32に達するまでの予測値31を計算により求める。その結果が、ガス圧低下発生想定日(B点)であるとすると、そこから1週間前のA点がガス補給日として求まる。ここで、C点においてガス漏れ量が増大して変化した場合は、直線33の勾配が急なためD点で既にA点以下のガス圧であるので、D点の時点で自動補給が開始される。
Claims (8)
- 絶縁ガスを封入して機器内の部材を電気的に絶縁するように構成されたガス機器内のガス圧を監視及び制御するガス圧監視制御装置であって、
前記絶縁ガスを貯留して前記ガス機器に供給するガスボンベと、
該ガスボンベの重量を計量するガスボンベ計量手段と、
前記ガス機器内の絶縁ガスの圧力を検出する第1のガス圧検出手段と、
前記ガスボンベ内の絶縁ガスの圧力を検出する第2のガス圧検出手段と、
前記ガスボンベから前記ガス機器への前記絶縁ガスの供給量を調整するガス調整手段と、
前記ガスボンベ周辺の外気温を測定する外気温測定手段と、
前記ガスボンベ計量手段、前記第1のガス圧検出手段、前記第2のガス圧検出手段、及び前記外気温測定手段から得られた情報に基づいて、前記ガス調整手段を調整して前記ガス機器内の前記絶縁ガスの圧力が所定値になるように制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記外気温測定手段により測定された前記外気温に基づいて、前記第1のガス圧検出手段により検出された前記ガス機器内の絶縁ガスの圧力値を20℃時の圧力値に換算して正規化することを特徴とするガス圧監視制御装置。 - 前記制御手段は、前記正規化した圧力値を記憶することを特徴とする請求項1に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、経過時間単位の前記圧力値の傾きから将来の圧力値の低下率を計算し、該低下率が所定値以上である場合は、圧力値が非許容値に達するのに要する期間を計算し、該期間満了時の所定期間前に前記ガス機器に絶縁ガスを補給することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、経過時間単位の前記圧力値の傾きから将来の圧力値の低下率を計算し、該低下率が所定値以下である場合は、前記圧力値を継続して計算して記憶することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、前記ガス機器に前記絶縁ガスを補給する場合、前記ガスボンベ計量手段により計量した計量値が所定値以上のとき、前記ガス調整手段を開放し、前記第1のガス圧検出手段、及び前記第2のガス圧検出手段により検出される圧力値が共に定格圧力以上になったら前記ガス調整手段を閉止することを特徴とする請求項4に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、前記ガス機器に前記絶縁ガスを補給する場合、前記ガスボンベ計量手段により計量した計量値が所定値以下のとき、警報を発して前記ガス調整手段を閉止することを特徴とする請求項4に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、前記ガス調整手段を開放して前記第1のガス圧検出手段、及び前記第2のガス圧検出手段により検出される圧力値が共に定格圧力以下の場合、前記ガス調整手段を閉止して警報を発することを特徴とする請求項4に記載のガス圧監視制御装置。
- 前記制御手段は、前記20℃時のガス圧に換算した値をMPa、前記第1のガス圧検出手段により検出したガス圧をPa、前記外気温測定手段により測定した外気温をt℃としたとき、前記MPa=Pa+(t℃−20℃)×0.0025MPa/℃により求めることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のガス圧監視制御装置。
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