JP3409438B2 - ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法 - Google Patents

ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法

Info

Publication number
JP3409438B2
JP3409438B2 JP13168894A JP13168894A JP3409438B2 JP 3409438 B2 JP3409438 B2 JP 3409438B2 JP 13168894 A JP13168894 A JP 13168894A JP 13168894 A JP13168894 A JP 13168894A JP 3409438 B2 JP3409438 B2 JP 3409438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
ambient temperature
temperature
insulated switchgear
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13168894A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07336821A (ja
Inventor
直弘 金万
宗敬 斉藤
弘和 武井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Electric Co Ltd filed Critical Nissin Electric Co Ltd
Priority to JP13168894A priority Critical patent/JP3409438B2/ja
Publication of JPH07336821A publication Critical patent/JPH07336821A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3409438B2 publication Critical patent/JP3409438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Insulated Switchgears (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガス絶縁開閉装置の容
器内のガス圧力を検出して、容器内のガス圧力の異常の
有無を監視するガス圧力監視方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】SFガスが封入された容器内に遮断
器や断路器等の機器を収納したガス絶縁開閉装置におい
ては、絶縁性能及び消弧性能がガス密度に依存するた
め、所定の絶縁性能及び消弧性能を維持するためには、
容器内に封入されたガスの密度を規定値に保つ必要があ
る。そのため、容器からガス漏れが生じてガス密度が規
定値以下に低下した場合には、警報を発したり機器の操
作をロックしたりする必要がある。
【0003】ガス絶縁開閉装置の容器からのガス漏れの
有無を知る方法として、容器内のガス圧力を監視する方
法が知られている。この方法では、ガス絶縁開閉装置G
ISの容器に取り付けた圧力センサにより容器内のガス
圧力を検出して、その検出値を常温(通常は20℃)に
おけるガス圧力に換算する演算を行い、その演算結果を
温度補正圧力値として該温度補正圧力値の低下量が規定
値を超えたときにガス漏れが生じたと判定する。絶縁ガ
スのガス密度係数をL、常温を20℃とし、ガス温度の
検出値及びガス圧力の検出値をそれぞれTx 及びPx と
すると、常温換算ガス圧力Pn は、次式により演算され
る。
【0004】 Pn =Px +L(20−Tx ) (1) ガス絶縁開閉装置の容器内のガス圧力を常温でのガス圧
力に正確に換算するためには、容器内に多数の温度セン
サを配置して容器内のガスの平均温度を検出する必要が
あるが、容器内にむやみに異物を挿入すると容器内の電
界分布が乱されてガス絶縁開閉装置の絶縁性能が低下す
るため、容器内のガスの平均温度を直接しかも正しく測
定することは容易ではない。特に既設のガス絶縁開閉装
置に対しては、その容器内に温度センサを挿入すること
は困難である。
【0005】そこで、ガス絶縁開閉装置の周囲の温度を
検出することにより容器内のガス温度を推定することが
考えられる。ガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度は周
囲温度に追随して変動するが、ガス絶縁開閉装置の容器
や内部の機器は固有の熱容量を有するため、容器内のガ
ス温度は周囲温度の変化に対してある時定数を有する遅
れを伴って変化する。従って、一般には、任意の時刻に
おけるガス絶縁開閉装置の周囲温度を検出してもそのと
きのガス温度を検出したことにはならず、任意の時刻の
周囲温度から常温換算ガス圧力を正確に求めることはで
きない。
【0006】周囲温度の変化から経験式に基づいてガス
温度を推定することが考えられるが、昼間の大気温度は
複雑な変化を示すことが多く、また日射の影響を顕著に
受けるため、任意の時刻における周囲温度から経験式に
基づいてガス温度を正確に推定することは困難であっ
た。
【0007】そこで、本出願人は、ガス絶縁開閉装置の
周囲温度と容器内のガス温度との関係を調べた結果、日
の出付近の時刻においては周囲温度とガス温度とが平衡
状態にあることから、日の出直前の時刻を判定時刻とし
て該判定時刻における周囲温度を用いれば、常温換算ガ
ス圧力を正確に算出し得ることを見出した。
【0008】ガス絶縁開閉装置の周囲温度の時間的変化
の典型的なパターンを示すと図4に実線で示した通りで
あり、この周囲温度の変化に伴うガス温度の変化は同図
に破線で示した通りである。周囲温度は日の出後日射を
受けて上昇し、午前11時から午後1時頃にかけてピー
クを迎えた後下降していく。ガス温度は所定の遅れをも
って周囲温度の変化に追随していく。日没後日射の影響
がなくなると周囲温度及びガス温度が低下しながら接近
していき、翌日の日の出付近にガス絶縁開閉装置と周囲
の空気とが熱平衡状態に達して周囲温度とガス温度とが
一致する。
【0009】図4から明らかなように、日の出までには
ガス絶縁開閉装置と周囲の空気とが熱平衡状態に達し
て、ガス温度と周囲温度とが一致するため、日の出付近
の所定の時刻(例えば5時)を判定時刻として設定し
て、この判定時刻における周囲温度をガス温度と見做す
ことにより、ガス絶縁開閉装置の容器内のガス圧力の常
温換算値を正しく求めることができる。
【0010】上記のように、日の出付近に設定した判定
時刻における周囲温度をそのときの容器内のガス温度と
見做すことにより常温換算ガス圧力を演算して、その演
算結果を温度補正圧力値[Kg・f/cm]とし、日
数の経過に伴う該温度補正圧力値の変化のトレンドを観
察すると、ガス漏れがない場合には、図7(A)のよう
に温度補正圧力値が規定値(この例では5.0[Kg・
f/cm])を維持するが、ガス漏れが生じている場
合には、図7(B)に実線で示したように日数の経過に
伴って温度補正圧力値が低下していく。この温度補正圧
力値の低下量が規定値を超えたときにガス漏れが生じて
いると判定して、警報の発生や機器の操作のロック等の
措置を講じることができる。
【0011】上記の方法によると、任意の時刻における
周囲温度からガス温度を推定して常温換算ガス圧力を演
算する方法による場合には不可能であった0.2[Kg
・f/cm]以下の圧力変動をも正確に検出すること
が可能である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法で温度補正
圧力値の変動を正確に検出するためには、日の出付近の
判定時刻において、周囲温度と容器内のガス温度とがほ
ぼ等しい状態になっていることが必要である。一般に夜
間は日射により与えられるエネルギーがないため、ガス
絶縁開閉装置と周囲の物(物体及び空気)との熱バラン
スが緩やかに変化していき、ガス絶縁開閉装置とその周
囲の物とは、それぞれの熱容量による時定数に応じてゆ
っくりと熱平衡状態に近付いていく。通常の気象状況で
あれば、日の出付近の時刻までにガス絶縁開閉装置と周
囲のものとが熱平衡状態に達し、周囲温度と容器内のガ
ス温度とがほぼ等しい状態になる。
【0013】ところが、夜間の気象状態、特に夜明け前
数十分の気象状況によっては、風雪雨の影響や放射冷却
の影響等により、明け方まで周囲温度の変動が残る場合
がある。ガス絶縁開閉装置の熱平衡の時定数は数時間の
オーダーであるため、夜明け前の周囲温度の変化が大き
い場合には、ガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度が周
囲温度の変化に追随することができず、ガス温度が周囲
温度に等しくなる熱平衡状態を迎える前に日の出を迎え
ることがある。このような状況下で日の出付近に設定し
た判定時刻における周囲温度をそのときのガス温度とし
て常温換算ガス圧力を演算すると、周囲温度と実際のガ
ス温度との差の分だけ誤差が生じる。
【0014】図5(A)は周囲温度をガス温度と見做し
て演算した常温(20℃)換算ガス圧力(温度補正圧力
値)の経時変化の一例を示し、図5(B)は、ガス絶縁
開閉装置の容器内の実際のガス圧力の経時変化を示した
ものである。図5(A)の曲線の上に記した黒点は日の
出付近に設定した判定時刻における周囲温度をガス温度
と見做して演算した常温換算ガス圧力を示している。こ
の例では、5日目に温度の大きな上昇があり、夜間にお
ける温度の低下が遅れたために日の出付近に設定した判
定時刻における周囲温度が実際のガス温度よりも高くな
り、周囲温度を用いて演算した常温換算ガス圧力が実際
のガス温度を用いて演算した常温換算ガス圧力よりも低
くなっている。
【0015】図6(A)は周囲温度の経時変化の一例を
示し、同図(B)は同図(A)のように周囲温度が変化
した場合の実際のガス圧力の経時変化(図示の実線の曲
線)と、周囲温度を用いて演算した常温換算ガス圧力の
経時変化(図示の破線の曲線)とを示している。この例
においては、1日目及び2日目の日の出付近に設定した
判定時刻における周囲温度をガス温度と見做して演算し
た常温換算ガス圧力(破線の曲線上の黒点)は正確に演
算されているが、2日目に気温の上昇が夜間まで続き、
3日目の夜明け前の周囲温度の低下が遅れたため、3日
目の日の出付近に設定した判定時刻における周囲温度が
実際のガス温度よりも高くなり、該判定時刻における常
温換算ガス圧力が低めに演算されている。
【0016】上記のように、日の出付近に設定した判定
時刻における周囲温度をガス温度と見做すことにより演
算した温度補正圧力値の変化のトレンドを観察すること
によりガス漏れの有無を判定する方法をとる場合に、夜
間の気象状況によって外気温の低下が遅れたときには判
定時刻における周囲温度が実際のガス温度よりも高くな
るため、常温換算ガス圧力が低めに演算される。また放
射冷却や降雨等により夜間の気温が急激に低下した場合
には、逆に判定時刻における周囲温度が実際のガス温度
よりも低くなるため、常温換算ガス圧力が高めに演算さ
れる。いずれの場合も判定に用いる温度補正圧力値と実
際の常温換算ガス圧力との間に相当の差が生じるため、
ガス漏れの有無の判定を正確に行うことができなくな
る。
【0017】本発明の目的は、日の出付近に設定した判
定時刻における温度補正圧力値の演算を高精度で行い得
るようにして、ガス漏れ等の異常の有無の判定を適確に
行い得るようにしたガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方
法を提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、夜間の気象状況がガ
ス絶縁開閉装置と周囲の空気との熱平衡を妨げるような
状況であった場合でも、温度補正圧力値の演算を正確に
行い得るようにしたガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方
法を提供することにある。
【0019】本発明の更に他の目的は、ガス絶縁開閉装
置が日射の影響を受けない場所に設置されている場合
に、更にきめの細かいガス圧力の監視を行い得るように
したガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定の時刻に
おけるガス絶縁開閉装置の周囲温度をガス絶縁開閉装置
の容器内のガス温度と見做してその時刻におけるガス絶
縁開閉装置の容器内のガス圧力を常温におけるガス圧力
に換算する演算を行い、その演算結果を温度補正圧力値
として、該温度補正圧力値から前記容器内のガス圧力の
異常の有無を判定するガス絶縁開閉装置のガス圧力監視
方法に係わるものである。
【0021】本発明においては、日の出付近の所定長さ
の時間帯を周囲温度監視時間帯として該周囲温度監視時
間帯におけるガス絶縁開閉装置の周囲温度の変化を計測
し、周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
範囲内であるときには日の出付近に設定した判定時刻に
演算された温度補正圧力値を有効として判定に用いる。
周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定の範
囲を超えた場合には、判定時刻に演算された温度補正圧
力値を無効とする。 上記判定時刻は日の出の直前の時刻
(例えば午前5時)に設定するのが好ましい。なお判定
時刻は、ガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度と周囲温
度とが一致している時刻であればよいので、日の出時刻
の変化に合わせて変化させるようにしてもよい。
【0022】周囲温度監視時間帯は、ガス絶縁開閉装置
の熱時定数を勘案して、ガス絶縁開閉装置と周囲の大気
との熱平衡を完了させるために十分な時間に設定する。
実験によれば、日の出までの数時間、例えば午前3時か
ら午前7時の間の時間帯とすることにより好結果が得ら
れることが確認されている。
【0023】上記周囲温度の変動幅の規定値は、判定時
刻までに監視の対象とするガス絶縁開閉装置と周囲の大
気との熱平衡を完了させるために必要な大きさ以下に
定する。 ガス絶縁開閉装置が、地下や屋内のように日射
の影響を受けない場所に設置されている場合、或いは屋
外であってもビルの陰等になっていて日射の影響を受け
ない場所に設置されている場合(特定の季節のみ日射の
影響を受けない場合でも可)には、周囲温度監視時間帯
における周囲温度の変化が規定の範囲内であるときに、
任意の時刻を判定時刻として該判定時刻に演算された温
度補正圧力値を判定に用いることができ、この場合に
は、随時温度補正圧力値を演算して、ガス圧力の監視を
常時行わせることができる。この場合、周囲温度監視時
間帯における周囲温度の変化が規定の範囲を超えている
ときには、日の出付近に設定した判定時刻に演算された
温度補正圧力値を用いて判定を行う。
【0024】上記の各方法において、ガス絶縁開閉装置
が屋外に設置され、日の出直前の設定時間内に雨、雪、
風、放射冷却のごとき気象現象が生じて、該気象現象が
生じているときの外気温度と日の出付近の時刻における
ガス絶縁開閉装置の周囲温度との差が許容値を超えてい
ることが検出されたときには、周囲温度監視時間帯にお
ける周囲温度の変化の如何に係わりなく判定時刻におけ
る温度補正圧力値の演算を無効とするのが好ましい。
【0025】
【作用】上記のように、日の出付近に周囲温度監視時間
帯を設定して、この時間帯における周囲温度の変化が規
定の範囲内である場合にのみ判定時刻に演算された温度
補正圧力値を有効として判定に用いるようにすると、気
象状況の急変等の外乱により生じる周囲温度の変化によ
る影響を排除して、常に適正な温度補正圧力値のみを判
定に用いることができるため、判定の精度を高めて信頼
性を向上させることができる。 更に、ガス絶縁開閉装置
が地下変電所のように日射の影響をほとんど受けない場
所に設置されている場合には、ガス絶縁開閉装置の周囲
温度が気象の影響をほとんど受けないため、周囲温度監
視時間帯における周囲温度の変化が規定の範囲内である
場合には、1日を通して周囲温度とガス絶縁開閉装置の
容器内の温度とがほぼ等しいと見做すことができる。従
って、この場合には、任意の時刻の周囲温度をガス温度
と見做して演算した温度補正圧力値を判定に用いること
ができる。
【0026】ガス絶縁開閉装置が日射の影響を受けない
場所に設置されている場合でも、周囲温度監視時間帯に
おける周囲温度の変化が規定の範囲を超える場合には、
昼間の周囲温度とガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度
との間に相当の差があることが考えられるので、日の出
付近に設定した判定時刻に演算された温度補正圧力値の
みを判定に用いるようにする。
【0027】このように、ガス絶縁開閉装置が日射の影
響を受けない場所に設置されている場合には、ガス圧力
の監視に供するデータの数を多くすることができるた
め、ガス漏れ監視の信頼性を高めることができる。
【0028】
【実施例】本発明のガス圧力監視方法を実施するに当っ
ては、図1に示すように、ガス絶縁開閉装置GISの容
器1に圧力センサ2を取り付け、容器1の近傍に周囲温
度を測定する温度センサ3を配置して、圧力センサ2に
より検出された容器内のガス圧力と温度センサ3により
検出された周囲温度とをパーソナルコンピュータ等の演
算装置4に入力する。そして、実施例では日の出直前の
時刻(午前5時)を判定時刻とし、該判定時刻における
温度センサ3の検出出力と圧力センサ2の検出出力とを
用いて、演算装置4により容器1内のガス圧力を20℃
におけるガス圧力(常温換算ガス圧力)に換算する演算
を行う。この演算結果を温度補正圧力値として演算装置
4の記憶装置に記憶させておき、日数の経過に伴う温度
補正圧力値の変化のトレンドを観察して、図7(B)に
示すように温度補正圧力値が所定量低下したことが検出
されたときに容器1でガス漏れが生じたと判定する。
【0029】上記の方法でガス漏れの有無を正確に判定
するためには、判定時刻において周囲温度とガス絶縁開
閉装置の容器内のガス温度との差が許容範囲内にあるこ
とが必要である。
【0030】日の出前数時間の時間帯またはその前の夜
間の時間帯において気象状況が大きく変化せず、予期し
ない外乱エネルギーの流入または流出がない場合には、
図2(A)に示したように、周囲温度が比較的小さな変
化率でゆっくりと単調に減少していき、それに伴ってガ
ス絶縁開閉装置と周囲の空気とが熱平衡状態に近付い
て、日の出直前に設定した判定時刻(この例では午前5
時)までには周囲温度とガス温度とがほぼ一致する。
【0031】これに対し、日の出前数時間の時間帯また
はそれ以前に外乱(例えば降雨、降雪、放射冷却等の気
象状況の変化)があって、外乱エネルギーの流入や流出
があった場合には、図2(B)に示したように、周囲温
度が上昇したり下降したりする。このような状態が生じ
て、周囲温度の変動幅が大きくなると、ガス温度が周囲
温度に追随することができなくなり、日の出直前の時刻
においても周囲温度とガス温度との間に差εが生じるこ
とがある。この温度差εの大きさは、日の出前の数時間
Δtの時間帯における周囲温度の変化幅ΔTとにより決
まる。
【0032】日の出直前の判定時刻における周囲温度と
ガス温度との差εが2℃以下であれば、該判定時刻にお
ける周囲温度をガス温度と見做して温度補正圧力値を演
算することにより、該温度補正圧力値の変化を0.05
[Kg /cm2 ]の分解能で監視することができる。従っ
て、日の出前の数時間を含む時間帯を周囲温度監視時間
帯として定めてこの時間帯における周囲温度の最大変動
幅をΔTとし、日の出付近に設定した判定時刻における
周囲温度とガス温度との差εを2℃以下にするために必
要なΔTの値ΔTs を周囲温度の変化幅ΔTの規定値と
して、ΔT≦ΔTs の場合にのみ判定時刻における温度
補正圧力値を有効とするようにすれば、判定時刻におけ
る周囲温度とガス温度との差εを許容範囲内に収めるこ
とができる。実験では、判定時刻を5時とし、周囲温度
時間帯を午前2時から午前5時までの時間に設定するこ
とにより好結果が得られた。
【0033】本発明においては、周囲温度時間帯におけ
る周囲温度の変化が規定の範囲内であるか否かを判定す
ればよく、周囲温度の変化が規定の範囲であるか否かを
判定する方法は上記の例に限らない。例えば、上記のよ
うに周囲温度監視時間帯における周囲温度の最大変動幅
を用いる代りに、周囲温度監視時間帯の各時刻における
周囲温度の変化が所定の範囲内に収まっているか否かに
よっても、判定時刻において演算された温度補正圧力値
の信頼性の有無を判定することができる。
【0034】日の出前の数時間に大きな外乱がない場
合、周囲温度監視時間帯における周囲温度の時間的変化
の特性は図2(A)に示すように比較的小さな変化率で
単調に減衰する単純減衰特性を示す。これに対し、大き
な外乱があった場合には、図2(B)に示したように、
周囲温度が時間の経過に伴って大きく脈動したり、周囲
温度の変動幅が大きくなったりする。そこで、図2
(C)に示すように、周囲温度監視時間帯の開始時刻に
おける周囲温度To と周囲温度監視時間帯の終了時刻に
おける周囲温度T´とを結ぶ直線の上下に一定の判定幅
ΔTB /2を設定して、図2(C)に斜線を施して示し
た領域を判定領域とし、周囲温度監視時間帯の各時刻に
おいて周囲温度が判定領域内に収まるか否かを判定する
ことにより、判定時刻における温度補正圧力値の演算に
影響を与える外乱の有無を検出することができる。
【0035】即ち、周囲温度監視時間帯Δtにおける周
囲温度のプラス側及びマイナス側への変化が判定幅ΔT
B /2内に収まる場合には、大きな外乱はなかったもの
として判定時刻において演算された温度補正圧力値を有
効とし、周囲温度のプラス側及びマイナス側への変化が
判定幅ΔTB /2を超えた場合には大きな外乱があった
として、判定時刻において演算された温度補正圧力値を
無効とするようにすればよい。
【0036】また周囲温度監視時間帯において周囲温度
が単調に減衰する単純減衰特性を示す場合には、周囲温
度監視時間帯における周囲温度の単位時間当りの変化量
の大小を判定することによって、周囲温度の変化が規定
の範囲内であるか否かを判定するようにしてもよい。実
験によると、周囲温度時間帯における周囲温度の変化率
が1時間当り2℃以下である場合には、判定時刻におけ
る周囲温度とガス温度との温度差εを2℃以下に収める
ことができ、判定時刻に演算された温度補正圧力値を有
効とすることができる。 ガス絶縁開閉装置が地下変電所
や屋内変電所のような、日射の影響をほとんど受けない
場所に設置されている場合には、ガス絶縁開閉装置の周
囲の温度が1日を通じてほとんど変化しない。例えば、
図3(A)に示すように風速が変化し、同図(B)に示
すように日射量が変化したことにより外気温度が図3
(C)に実線で示したように変化したとしても、地中
(地下変電所)の温度は同図(C)に破線で示したよう
に、1日を通じてほとんど変化しない。このような場
合、周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
の範囲内であれば、1日を通してガス絶縁開閉装置の周
囲温度と容器内のガス温度とがほぼ等しいと見做すこと
ができる。従って、この場合には、任意の時刻の周囲温
度をガス温度と見做して演算した温度補正圧力値を判定
に用いることができ、常温換算ガス圧力値を随時演算し
てガス圧力の監視に用いるデータの数を多くすることが
でき、きめの細かいガス圧力監視を行わせることができ
る。
【0037】なおこの場合も、周囲温度監視時間帯にお
ける周囲温度の変化が規定の範囲を超えているときに
は、日の出付近に設定した判定時刻よりも前の時刻で
は、周囲温度とガス温度との間に相当の差があることが
考えられるので、日の出付近に設定した判定時刻に演算
された温度補正圧力値を用いて判定を行う必要がある。
【0038】上記の説明では、周囲温度監視時間帯Δt
を午前3時から午前7時の間に設定したが、この時間帯
Δtは、ガス絶縁開閉装置の熱時定数を勘案して、ガス
絶縁開閉装置と周囲の大気との熱平衡を完了させるため
に十分な時間を、日の出付近(好ましくは日の出前)の
一定の時間帯に設定すればよく、前述した午前2時から
午前5時の時間帯に限らない。
【0039】また上記の実施例では、判定時刻を午前5
時としたが、この判定時刻は日の出付近に設定すればよ
く、必ずしも午前5時に限らない。またこの判定時刻は
日の出時刻の変化に応じて変化させるようにしてもよ
い。
【0040】上記の実施例では、周囲温度監視時間帯に
おいてのみ周囲温度の検出値を読み込んで記憶させると
したが、1日を通して一定の時間ごとに周囲温度の検出
値を読み込んでその検出値を記憶させておくことによ
り、1日を通しての周囲温度の変化のデータを蓄積し
て、判定の参考に供するようにしてもよい。
【0041】ガス絶縁開閉装置が屋外に設置されている
場合には、日の出直前の設定時間(例えば数十分)内に
雨、雪、風、放射冷却のごとき気象現象が生じて、該気
象現象が生じているときの周囲温度と判定時刻における
周囲温度との差が許容値を超えている場合には、判定時
刻においてガス絶縁開閉装置と周囲の空気とが熱平衡状
態に達することができず、周囲温度とガス温度との間に
大きな差が生じていることが多いので、このような状態
が検出された場合には、周囲温度監視時間帯における周
囲温度の変化の如何に係わりなく判定時刻に演算された
温度補正圧力値を無効とするのが好ましい。
【0042】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載した発明
によれば、日の出付近に周囲温度監視時間帯を設定し
て、この時間帯における周囲温度の変化が規定の範囲内
である場合にのみ判定時刻に演算された温度補正圧力値
を有効として判定に用いるようにしたので、気象状況の
急変等の外乱により生じる周囲温度の変化による影響を
排除して、常に適正な温度補正圧力値のみを判定に用い
ることができ、判定の精度を高めて信頼性を向上させる
ことができる。 また請求項2に記載した発明によれば、
ガス絶縁開閉装置が地下変電所のように日射の影響をほ
とんど受けない場所に設置されている場合の特殊性に着
目して、周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が
規定の範囲内であることが検出されたときに任意の時刻
の周囲温度をガス温度と見做して温度補正圧力値を演算
するようにしたので、判定に供するデータ数を多くして
ガス圧力の監視をきめ細かく行わせることができる利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いる装置の構成を示した構
成図である。
【図2】(A)はガス絶縁開閉装置が設置されている環
境に外乱によるエネルギーの流入がない場合の周囲温度
とガス絶縁開閉装置のガス温度との時間的変化を示した
線図である。(B)はガス絶縁開閉装置が設置されてい
る環境に外乱によるエネルギーの流入があった場合の周
囲温度とガス絶縁開閉装置のガス温度との時間的変化を
示した線図である。(C)は本発明の実施例において周
囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定の範囲
内であるか否かを判定する方法の一例を示した線図であ
る。
【図3】(A)及び(B)は風速及び日射量の経時変化
の一例を示した線図である。(C)は(A)及び(B)
のような気象状況のもとでの外気温の経時変化と地中温
度の経時変化とを示した線図である。
【図4】ガス絶縁開閉装置のガス温度及び周囲温度の経
時変化の一例を示した線図である。
【図5】日数の経過に伴う20℃換算ガス圧力の変化及
び実際のガス圧力の変化の一例を示した線図である。
【図6】(A)は周囲温度の経時変化の一例を示した線
図である。(B)は(A)のように周囲温度が変化した
ときの実際のガス圧力の経時変化及び20℃換算ガス圧
力の経時変化を示した線図である。
【図7】(A)はガス漏れがない場合の温度補正圧力値
の変化を示した線図である。(B)はガス漏れがある場
合の温度補正圧力値の変化を示した線図である。
【符号の説明】
GIS ガス絶縁開閉装置 1 ガス絶縁開閉装置の容器 2 圧力センサ 3 温度センサ 4 演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−222613(JP,A) 特開 平2−32707(JP,A) 特開 昭58−66520(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02B 13/025,13/055,13/065

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の時刻におけるガス絶縁開閉装置の
    周囲温度をガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度と見做
    してその時刻におけるガス絶縁開閉装置の容器内のガス
    圧力を常温におけるガス圧力に換算する演算を行い、そ
    の演算結果を温度補正圧力値として、該温度補正圧力値
    から前記容器内のガス圧力の異常の有無を判定するガス
    絶縁開閉装置のガス圧力監視方法であって、 日の出付近の所定長さの時間帯を周囲温度監視時間帯と
    して該周囲温度監視時間帯におけるガス絶縁開閉装置の
    周囲温度の変化を計測し、 前記周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
    の範囲内であるときには日の出付近に設定した判定時刻
    に演算された温度補正圧力値を有効として判定に用い、 前記周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
    の範囲を超えているときには、前記判定時刻に演算され
    た温度補正圧力値を無効とすることを特徴とするガス絶
    縁開閉装置のガス圧力監視方法。
  2. 【請求項2】 日射の影響がほとんどない環境に設置さ
    れたガス絶縁開閉装置の所定の時刻における周囲温度を
    ガス絶縁開閉装置の容器内のガス温度と見做してその時
    刻におけるガス絶縁開閉装置の容器内のガス圧力を常温
    におけるガス圧力に換算する演算を行い、その演算結果
    を温度補正圧力値として、該温度補正圧力値から前記容
    器内のガス圧力の異常の有無を判定するガス絶縁開閉装
    置のガス圧力監視方法であって、 日の出付近の所定長さの時間帯を周囲温度監視時間帯と
    して該周囲温度監視時間帯におけるガス絶縁開閉装置の
    周囲温度の変化を計測し、 前記周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
    の範囲内であるときには、任意の時刻を判定時刻として
    該判定時刻に演算された温度補正圧力値を判定に用い、 前記周囲温度監視時間帯における周囲温度の変化が規定
    の範囲を超えているときには、日の出付近に設定した判
    定時刻に演算された温度補正圧力値を用いて判 定を行う
    ことを特徴とするガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方
    法。
  3. 【請求項3】 ガス絶縁開閉装置が屋外に設置され、日
    の出直前の設定時間内に雨、雪、風、放射冷却のごとき
    気象現象が生じて、該気象現象が生じているときの周囲
    温度と判定時刻における周囲温度との差が許容値を超え
    ていることが検出されたときには、前記周囲温度監視時
    間帯における周囲温度の変化の如何に係わりなく前記判
    定時刻に演算された温度補正圧力値を無効とすることを
    特徴とする請求項1または2に記載のガス絶縁開閉装置
    のガス圧力監視方法。
JP13168894A 1994-06-14 1994-06-14 ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法 Expired - Fee Related JP3409438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13168894A JP3409438B2 (ja) 1994-06-14 1994-06-14 ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13168894A JP3409438B2 (ja) 1994-06-14 1994-06-14 ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07336821A JPH07336821A (ja) 1995-12-22
JP3409438B2 true JP3409438B2 (ja) 2003-05-26

Family

ID=15063895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13168894A Expired - Fee Related JP3409438B2 (ja) 1994-06-14 1994-06-14 ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3409438B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09273972A (ja) * 1996-04-08 1997-10-21 Seibu Gas Kk ガス量計用温度補正システム
JP5142783B2 (ja) * 2008-03-27 2013-02-13 三菱電機株式会社 ガス絶縁開閉装置のガス圧力検出装置
JP5233728B2 (ja) * 2009-02-18 2013-07-10 三菱電機株式会社 ガス圧監視装置ならびにガス絶縁電気機器
JP5349520B2 (ja) * 2011-03-29 2013-11-20 中国電力株式会社 ガス圧監視制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07336821A (ja) 1995-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4495103B2 (ja) ガス漏れ検出装置及びガス漏れ検出方法
EP2021753B1 (en) A power line temperature and sag monitor system
US5764065A (en) Remote contamination sensing device for determining contamination on insulation of power lines and substations
US6125692A (en) Density sensor for monitoring the rate of leakage from a switchgear case with improved reliability
WO2016038908A1 (ja) ガスリーク検知装置およびガスリーク検査方法
EP3479079B1 (en) Flow determination
JP3409438B2 (ja) ガス絶縁開閉装置のガス圧力監視方法
CA1176927A (en) Method of controlling a solar system collector loop
EP1234486B1 (en) Control of heating arrangement with multiple sensors
US20050047043A1 (en) Distance protective relay using a programmable thermal model for thermal protection
JP3127768B2 (ja) 電線路の温度監視方法
WO2019086899A2 (en) Method and system for determining flow rate in a pipe
McComber et al. A comparison of selected models for estimating cable icing
CN112416032B (zh) 一种地基辐射计接收机常恒温控制系统及方法
EP3961118A1 (en) Apparatus, method and computer program product for controlling conditions in building
CN111512187B (zh) 直接冻结降水检测装置及方法
JP2603102Y2 (ja) 電気機器の過熱監視装置
JPH03222613A (ja) ガス絶縁式電気設備のガス漏れ監視装置
JP2982496B2 (ja) ガス絶縁開閉装置の異常過熱検出方法
Boyd NIST Weather Station for Photovoltaic and Building System Research
CN107741752B (zh) 一种用于中频等离子电源的防冷凝加热装置
CN106532873A (zh) 一种车载供电电路的控制方法及装置
CN215491516U (zh) 一种母线形变传感器
Youssef A new method for temperature measurement of overhead conductors
Cox et al. The De-Icing Comparison Experiment–ARM Contribution (DICEXACO)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees