JP5348409B2 - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP5348409B2
JP5348409B2 JP2009147847A JP2009147847A JP5348409B2 JP 5348409 B2 JP5348409 B2 JP 5348409B2 JP 2009147847 A JP2009147847 A JP 2009147847A JP 2009147847 A JP2009147847 A JP 2009147847A JP 5348409 B2 JP5348409 B2 JP 5348409B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
fuel cell
gas
injector
pressure sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009147847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011003507A (ja
Inventor
良明 長沼
卓睦 手塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2009147847A priority Critical patent/JP5348409B2/ja
Publication of JP2011003507A publication Critical patent/JP2011003507A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5348409B2 publication Critical patent/JP5348409B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。
近年、供給流路から反応ガス(燃料ガス及び酸化ガス)の供給を受けて発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムが提案され、実用化されている。かかる燃料電池システムにおいては、燃料電池の発電に寄与しなかった反応オフガス(燃料オフガス及び酸化オフガス)を再利用すべく、循環流路を介して再び供給流路に戻すシステムが提案されている。
例えば、特許文献1では、供給流路に設けたインジェクタにより燃料ガスを調圧しつつ、インジェクタの下流に配置されたエジェクタにより、燃料ガスと燃料オフガスを合流させ燃料電池に供給するようになっている。
特開2008−112585号公報
しかしながら、このようなエジェクタを用いて反応オフガスを循環させるシステムにおいては、インジェクタの制御の基礎となる圧力測定をいかにして行うかが問題になる。すなわち、エジェクタの上流側に圧力センサを設けて圧力測定を行う場合、エジェクタの圧力損失に起因して当該圧力センサの圧力測定値に誤差が生じやすく、一方で、エジェクタの下流側に圧力センサを設けた場合、循環流路から戻された反応オフガスは水分を含んでいることが多いため、システムの低温始動時等にはこの水分の凍結により圧力センサ自体が作動できなくなる虞がある。
そこで、本発明は、上記従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、反応オフガスを循環させるシステムにおいて、反応ガスの噴射装置の下流側圧力値を安定的かつ精度よく取得することのできる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明においては、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、燃料電池と、前記燃料電池に反応ガスを供給する供給流路と、前記燃料電池から排出される反応オフガスを前記供給流路に戻す循環流路と、前記供給流路に設けられ前記反応ガスを下流側に噴射する噴射装置と、前記供給流路と前記循環流路との接続部に設けられ、前記噴射された反応ガスに前記反応オフガスを合流させて下流側に流す合流装置と、前記噴射装置と前記合流装置との間に設けられた圧力センサと、を備え、前記圧力センサは、前記燃料電池の負荷が大きい場合は前記反応ガスの噴射時のみに圧力検出を行い、前記燃料電池の負荷が小さい場合は前記反応ガスの非噴射時のみに圧力検出を行う燃料電池システムを構成する。
噴射装置の下流側の反応ガスの圧力は、合流装置による圧力損失を受けるため、噴射装置による反応ガスの噴射タイミングに応じて脈動する。すなわち、反応ガスの圧力を安定して取得するためには、この脈動のタイミングを避ける必要がある。また、圧力を安定して取得するためには、圧力センサの応答性に起因する一定の時間が必要である。そして、この一定の時間をどのタイミングで確保できるかは、反応ガスの噴射/非噴射の時間ひいてはこれらの時間を決定する燃料電池の負荷状態によることになる。ここで、燃料電池の負荷状態と噴射タイミングに応じて圧力センサによる圧力検出タイミングを変更すると、圧力センサにより圧力を取得する一定の時間を確保しつつ、噴射装置の下流側の反応ガスの圧力値が脈動して安定していないタイミングを避けて圧力測定を行うことができる。これにより、圧力測定誤差を抑制することができるようになる。また、圧力センサは、噴射装置と合流装置との間、すなわち合流装置の上流側に配置されているため、反応オフガスに含まれる水分の凍結の影響を受けない。そのため、システムの低温始動時等に圧力センサ自体が作動できなくなるような事態を回避できる。
そして、上記構成によれば、燃料電池の負荷が大きい場合は、反応ガスの噴射時間が、非噴射時間に比べて長くなるから、噴射時のみに圧力検出を行うことで、圧力センサにより安定して圧力を取得するための時間を確実に確保することができる。一方で、燃料電池の負荷が小さい場合は、反応ガスの非噴射時間が噴射時間に比べて長くなるから、非噴射時のみに圧力検出を行うことで、圧力センサにより安定して圧力を取得するための時間を確実に確保することができる。
また、上記構成において、前記圧力センサは、前記反応ガスの噴射開始又は停止後所定時間は圧力検出を行わないようにしてもよい。
上記構成によれば、噴射装置による反応ガスの噴射開始後(又は停止後)の所定時間は噴射装置の下流側の圧力が安定しない状態が続くので、当該所定時間圧力検出を行わないことで、圧力測定誤差を抑制することができる。
また、上記構成において、前記噴射装置は、インジェクタであり、前記合流装置はエジェクタであるようにしてもよい。
上記構成によれば、インジェクタの調圧制御に必要なインジェクタの下流側圧力を、エジェクタによる圧力損失の影響を最大限回避しつつ取得することができる。
本発明によれば、反応オフガスを循環させるシステムにおいて、反応ガスの噴射装置の下流側圧力値を安定的かつ精度よく取得することのできる燃料電池システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図。 同燃料電池システムの圧力測定タイミングを説明するための図。 同燃料電池システムの圧力測定タイミングを説明するための図。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る燃料電池システムについて説明する。尚、各図面において、同一の部品には同一の符号を付している。本実施形態においては、車両に搭載される燃料電池システムを例に説明する。もちろん、燃料電池を備えた燃料電池システムは、車両のみならず、例えば、ロボット、船舶、航空機等といった自走式の移動体に搭載することもできるし、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムとしても用いることが可能である。
(燃料電池システムの全体構成)
まず、図1を用いて、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の全体構成について説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
図1に示すように、燃料電池システム1は反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池10を備えるとともに、燃料電池10に酸化ガスとしての空気を供給する酸化ガス配管系2、燃料電池10に燃料ガスとしての水素を供給する水素ガス配管系3、システム全体を統合制御する制御装置4等を備えている。
燃料電池10は、反応ガスの供給を受けて発電する単セルを所要数積層して構成したスタック構造を有している。単セルはいずれも図示省略したが、イオン交換膜からなる電解質膜と、電解質膜を両面から挟んだ一対のアノードおよびカソードとで構成されている。
カソードには、酸化ガス配管系2により所定の圧力の酸化ガス(空気)が供給され、アノードには水素ガス配管系3により所定の圧力の水素ガスが供給される。この両ガスの電気化学反応により各単セルの起電力が得られる。
燃料電池10により発生した電力は、PCU(Power Control Unit)11に供給される。PCU11は、燃料電池10とトラクションモータ12との間に配置されるインバータやDC‐DCコンバータ等を備えている。また、燃料電池10には、発電中の電流を検出する電流センサ13が取り付けられている。
酸化ガス配管系2は、加湿器20により加湿された酸化ガス(空気)を燃料電池10に供給する酸化ガス供給流路21と、燃料電池10から排出された酸化オフガスを加湿器20に導く酸化ガス排出流路22と、加湿器20から希釈器40を介して外部に酸化オフガスを導くための酸化オフガス排気流路23と、を備えている。酸化ガス供給流路21には、大気中の空気を取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24が設けられている。酸化ガス排出流路22には、燃料電池10内の酸化ガスの圧力を検出するためのカソード側圧力センサ25と、一次圧の変化に応じて酸化オフガスの流量を調整することにより、燃料電池10内の酸化ガスの圧力を調整する背圧弁26が配置されている。背圧弁26は、例えばバタフライ弁で構成される。
水素ガス配管系3は、高圧の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池10に供給する水素供給流路31と、燃料電池10から排出された水素オフガスを水素供給流路31に戻すための循環流路32と、を備えている。なお、水素タンク30に代えて、炭化水素系の燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器と、この改質器で生成した改質ガスを高圧状態にして蓄圧する高圧ガスタンクと、を燃料供給源として採用することもできる。また、水素吸蔵合金を有するタンクを燃料供給源として採用してもよい。
水素供給流路31には、水素タンク30からの水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁33と、水素ガスの圧力を調整するレギュレータ34と、インジェクタ35と、が設けられている。また、インジェクタ35の上流側には、水素供給流路31内の水素ガスの圧力及び温度を検出するインジェクタ上流側圧力センサ41及び温度センサ42が設けられている。また、インジェクタ35の下流側であって水素供給流路31と循環流路32との合流部にはエジェクタ36が設けられている。インジェクタ35とエジェクタ36との間には、燃料電池10内の水素ガスの圧力を検出するために用いるアノード側圧力センサ43が設けられている。アノード側圧力センサ43は、エジェクタ36の上流側に配置されているため、反応オフガスに含まれる水分の凍結の影響を受けない。そのため、燃料電池システム1の低温始動時等にアノード側圧力センサ43自体が作動できなくなるような事態は生じない。
レギュレータ34は、その上流側圧力(一次圧)を、予め設定した二次圧に調圧する装置である。本実施形態においては、一次圧を減圧する機械式の減圧弁をレギュレータ34として採用している。機械式の減圧弁の構成としては、背圧室と調圧室とがダイアフラムを隔てて形成された筺体を有し、背圧室内の背圧により調圧室内で一次圧を所定の圧力に減圧して二次圧とする公知の構成を採用することができる。本実施形態においては、図1に示すように、インジェクタ35の上流側にレギュレータ34を2個配置することにより、インジェクタ35の上流側圧力を低減させている。
インジェクタ35は、弁体を電磁駆動力で直接的に所定の駆動周期で駆動して弁座から離隔させることによりガス流量やガス圧を調整することが可能な電磁駆動式の開閉弁である。インジェクタ35は、水素ガス等の気体燃料を噴射する噴射孔を有する弁座を備えるとともに、その気体燃料を噴射孔まで供給案内するノズルボディと、このノズルボディに対して軸線方向(気体流れ方向)に移動可能に収容保持され噴射孔を開閉する弁体と、を備えている。本実施形態においては、インジェクタ35の弁体は電磁駆動装置であるソレノイドにより駆動され、このソレノイドに給電されるパルス状励磁電流のオン・オフにより、噴射孔の開口面積を2段階又は多段階に切り替えることができるようになっている。
制御装置4から出力される制御信号によってインジェクタ35のガス噴射時間及びガス噴射タイミングが制御されることにより、燃料電池10に供給する水素ガスの流量及び圧力が高精度に制御される。インジェクタ35は、弁体及び弁座を電磁駆動力で直接開閉駆動するものであり、その駆動周期が高応答の領域まで制御可能であるため、高い応答性を有する。インジェクタ35は、水素供給流路31の上流側のガス状態(ガス流量、水素モル濃度、ガス圧力等)を調整して下流側の燃料電池10に供給するものであり、本発明における噴射装置の一実施形態である。なお、図1に破線で示すように、燃料供給源として複数の水素タンク30を採用する場合には、各水素タンク30から供給される水素ガスが合流する部分(水素ガス合流部A2)よりも下流側にインジェクタ35を配置するようにする。
エジェクタ36は、インジェクタ35から供給された水素ガスを燃料電池10に噴射することで負圧を発生させ、この負圧により、循環流路32から水素オフガスを吸引する。これによりエジェクタ36は、インジェクタ35から供給される新たな水素ガスと、燃料電池10から排出された水素オフガスを合流させて、燃料電池10に供給する。エジェクタ36は、外郭を構成する筐体内部に、水素供給流路31の下流側に接続された供給口と、循環流路32の上流側に接続された吸引口と、供給口からの新たな水素ガスを下流側に向かって噴射するノズルと、ノズルの下流側に配置され、水素ガスと吸引口から吸引される水素オフガスとを合流させるディフューザと備えている。エジェクタ36は、ノズル出口の開口面積が調整可能になっており、制御装置4の指令によりノズルの開口面積を可変することで、ノズルからの水素ガスの噴射流量及び吸引口からの水素オフガスの吸引流量が制御可能になっている。エジェクタ36は、本発明における合流装置の一実施形態である。
循環流路32には、気液分離器37及び排気排水弁38を介して、排気排水流路39が接続されている。気液分離器37は、水素オフガスから水分を回収するものである。排気排水弁38は、制御装置4からの指令によって作動することにより、気液分離器37で回収した水分と、循環流路32内の不純物を含む水素オフガス(燃料オフガス)とを、排気排水流路39を介して外部に排出(パージ)するものである。排気排水弁38の開放により、循環流路32内水素オフガスの不純物の濃度が下がり、水素供給流路31に循環供給される水素オフガスの水素濃度が上がる。
希釈器40は、排気排水弁38及び排気排水流路39を介して排出される水素オフガスを、酸化オフガス排気流路23を介して排出される酸化オフガスによって希釈し、外部に排出するようになっている。
制御装置4は、車両に設けられた加速操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えばトラクションモータ12等の負荷装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、負荷装置とは、トラクションモータ12のほかに、燃料電池10を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ24、水素ポンプ39、冷却ポンプのモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等を含む電力消費装置を総称したものである。
制御装置4は、図示していないコンピュータシステムによって構成されている。かかるコンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイ等を備えるものであり、ROMに記録された各種制御プログラムをCPUが読み込んで実行することにより、インジェクタ35やエジェクタ36の駆動制御や、詳細を後述するアノード側圧力センサ43の圧力測定タイミングの制御等、種々の処理や制御を行う。
(圧力測定タイミングの制御)
次に、図2及び図3を用いて、制御装置4によるアノード側圧力センサ43(以下、単に「圧力センサ43」ともいう。)の圧力測定タイミングの制御について詳細に説明する。ここで、図2は燃料電池10の負荷が大きい場合の圧力測定タイミングを説明するための図、図3は、燃料電池10の負荷が小さい場合の圧力測定タイミングを説明するための図である。各図面において(A)は、圧力センサ43の測定値(実線)及び燃料電池10内の水素ガスの圧力の推定値(点線)の時間変動を示し、(B)は、インジェクタ35のオン/オフの時間変動を示し、(C)は、制御装置4による圧力検出フラグのオン/オフの時間変動を示す。
A:燃料電池の負荷が大きい場合
上記の通り、図2(A)の実線は、燃料電池10の負荷が大きい場合の圧力センサ43の実測値を示している。同図(A)と(B)とを対照すれば明らかな通り、圧力センサ43の実測値には、インジェクタ35のオン/オフのタイミングにあわせて、脈動が生じている。この脈動は、エジェクタ36による圧力損失の影響によるものである。
従来の例においては、この脈動を全く考慮しておらず、実測値をそのまま燃料電池10内の水素ガスの圧力(以下、「FC入口圧力」ともいう)の推定の基礎としていたため、推定値に大きな誤差が生じてしまっていた。インジェクタ35からの噴射量は、FC入口圧力の推定値に基づいて行われるので、推定値に誤差が生じると、インジェクタ35の調圧制御が破綻してしまう。
これに対して、本実施の形態においては、図2(C)で示すように、制御装置4は、インジェクタ35のオン/オフのタイミングにあわせて圧力センサ43の圧力検出フラグをオン/オフさせる。そして、制御装置4は、圧力検出フラグがオンの時は、圧力センサ43による圧力検出を許可し、圧力検出フラグがオフの時は、圧力センサ43による圧力検出を禁止する。圧力検出が許可されるタイミングは、より具体的には、インジェクタ35がオンされている間であって、かつインジェクタ35のオンから所定時間tが経過した後である。逆に言えば、インジェクタ35がオンされてから所定時間tが経過するまでと、インジェクタ35がオフの間は、圧力検出は禁止される。ここで、所定時間tは、インジェクタ35のオン後、インジェクタ35−エジェクタ36間の水素ガスの圧力が安定するまでに必要な時間(圧力安定時間)である。
圧力センサ43は、図2(C)の圧力検出フラグがオンの間である、図2(A)のLの区間内の少なくとも一部の時間を用いて圧力取得を行う。この「一部の時間」は、圧力センサ43の応答性等に起因して決定され、例えば、センサ応答性が1msで、4回の平均値を測定値とする場合は、4msである。
FC入口圧力推定にあたっては、制御装置4は、上記L区間の一部の時間における圧力センサ43の実測値から、エジェクタ36に起因する圧力損失(図2(A)におけるΔP)を減ずることで、FC入口圧力値を算出する。図2(A)のLの区間においては、同図に示されるように、検出圧力値は脈動しておらず安定しているから、L区間においてのみ圧力を測定することで、FC入口圧力推定における推定誤差を抑制することができる。
また、図2は燃料電池10の負荷が大きい場合であるが、この場合は燃料電池10からの要求水素ガス流量が大きくインジェクタ35の開弁Duty(インジェクタ35の駆動周期における開弁時間の割合[%])が高くなるから、圧力を検出するタイミングを、インジェクタ35がオンされている間であって、かつインジェクタ35のオンから所定時間tが経過した後に限定したとしても、上記脈動の影響を排除して圧力測定が可能になるL区間を十分に確保することが可能となる。
エジェクタ36による圧力損失ΔP及び圧力安定時間tは、特定の条件毎に測定を繰り返し、特定条件下での圧力損失ΔP及び圧力安定時間tをそれぞれ予めマップとして有するようにしてもよいし、また例えば、次のようなオリフィスモデルにより演算により求めるようにしてもよい。
すなわちインジェクタ35及びエジェクタ36は、いずれもオリフィスで構成され、インジェクタ35はチョーク領域、エジェクタ36はチョーク領域で使用する場合、インジェクタ35を流れる水素ガス流量Qinj[NL/min]と、エジェクタ36を流れる水素ガス流量Qeje[NL/min]はそれぞれ次の式[1]及び[2]で表される。これらの式中、K1、K2は、換算係数、SinjおよびSejeは、それぞれインジェクタ35及びエジェクタ36の有効断面積、P、P、Pは、それぞれFC入口圧力値、アノード側圧力センサ43の実測値、インジェクタ上流側圧力センサ41の実測値、Tは気体温度[K]である。

ここで、エジェクタ36による圧力損失ΔPは、インジェクタ35の流量Qinjと、エジェクタ36の流量Qejeが等しくなる場合として、上式[1]及び[2]において、Qinj=Qejeとした場合のΔP(=P−P)として算出可能である。
また、圧力安定時間tは、圧力センサ41の変化量が所定の値以下の場合になる時間として、下記式[3]において、dP1/dt≦M(Mは、所定値若しくは0)とおくことで算出可能である。式中、Vejeは、エジェクタ36の容積[L]である。言い換えれば、圧力安定時間tは、エジェクタ36の容積Veje及びインジェクタ35及びエジェクタ36の有効断面積SinjおよびSejeから算出することができる。容積Vが小さくなるほど、圧力安定時間tは小さくできるから、システムの設計においては、エジェクタ36の容積を可能な限り小さくすることが好ましい。
B:燃料電池の負荷が小さい場合
上記の通り、図3(A)の実線は、燃料電池10の負荷が小さい場合の圧力センサ43の実測値を示している。同図(A)と(B)とを対照すれば明らかな通り、圧力センサ43の実測値は、インジェクタ35のオン/オフのタイミングにあわせて、脈動が生じている。この脈動は、エジェクタ36による圧力損失の影響によるものである。
本実施の形態においては、図3(C)で示すように、制御装置4は、インジェクタ35のオン/オフのタイミングにあわせて圧力センサ43の圧力検出フラグをオン/オフさせる。そして、制御装置4は、圧力検出フラグがオンの時は、圧力センサ43による圧力検出を許可し、圧力検出フラグがオフの時は、圧力センサ43による圧力検出を禁止する。圧力検出が許可されるタイミングは、より具体的には、インジェクタ35がオフにされている間であって、かつインジェクタ35のオフから所定時間tが経過した後である。逆に言えば、インジェクタ35がオフにされてから所定時間tが経過するまでと、インジェクタ35がオンの間は、圧力検出は禁止される。ここで、所定時間tは、インジェクタ35のオフ後、インジェクタ35−エジェクタ36間の水素ガスの圧力が安定するまでに必要な時間(圧力安定時間)である。
圧力センサ43は、図3(C)の圧力検出許可フラグがオンの間である、図3(A)のLの区間内の少なくとも一部の時間を用いて圧力取得を行う。上記の通り、「一部の時間」は、圧力センサ43の応答性等に起因して決定され、例えば、センサ応答性が1msで、4回の平均値を測定値とする場合は、4msである。
インジェクタ35がオフの時は、エジェクタ36による圧力損失は考慮する必要はないので、FC入口圧力推定にあたっては、制御装置4は、上記L区間の一部の区間における圧力センサ43の実測値を、FC入口圧力値として推定する。このとき、図3(A)のLの区間においては、同図に示されるように、検出圧力値は脈動しておらず安定しているから、L区間においてのみ圧力を測定することで、FC入口圧力推定における推定誤差を抑制することができる。
また、図3は燃料電池10の負荷が小さい場合であるが、この場合は燃料電池10からの要求水素ガス流量が小さくインジェクタ35の開弁Dutyが低くなるから、圧力検出タイミングを、インジェクタ35がオフにされている間であって、かつインジェクタ35のオフから所定時間tが経過した後に限定したとしても、上記脈動の影響を排除して圧力測定が可能になるL区間を十分に確保することが可能となる。
圧力安定時間tは、条件毎に測定を繰り返し、特定条件下での圧力安定時間tを予めマップとして有するようにしてもよいし、また例えば、インジェクタ35のオフ直後のP圧力がFC入口圧力と同等になるまでの時間として、上記[2]の式とインジェクタ35−エジェクタ36間の容積V及びエジェクタ36の有効断面積Sejeから算出することができる。
C:燃料電池の負荷の大小の判断
上記A及びBで説明したとおり、本実施の形態においては、圧力センサ43における圧力取得タイミングを燃料電池10への負荷が大きい場合と小さい場合とで、インジェクタ35のオン/オフに関して逆転させている。これにより、燃料電池10への負荷の大小にかかわらず圧力センサ43が安定して圧力を取得できる区間(LまたはL)が確保できるようになっている。
ここで、燃料電池10の負荷が大きい場合とは、燃料電池10への要求発電量が大きい場合であり、一方、燃料電池10の負荷が小さい場合とは、要求発電量が小さい場合である。そして要求発電量が大きければ、インジェクタ35の開弁Dutyが高くなり、要求発電量が小さくなれば、インジェクタ35の開弁Dutyが低くなる。この意味で、本実施の形態において「燃料電池の負荷が大きい場合」とは、実質的には、「要求発電量が大きい場合」または「開弁Dutyが高い場合」と同視でき、また、「燃料電池の負荷が小さい場合」とは、「要求発電量が小さい場合」または「開弁Dutyが低い場合」と同視できる。
従って、制御装置4は、燃料電池10に対する負荷の大小を判断するにあたって、燃料電池10への要求発電量または開弁Dutyを用いることができる。例えば、制御装置4は、燃料電池10への要求発電量が所定の値を超えた場合は、燃料電池10の負荷が「大きい」と判断し、所定の値を超えない場合は、燃料電池10の負荷が「小さい」と判断するようにすることができる。
尚、例えば、開弁Dutyが50%である場合等、インジェクタ35がオンの区間でもオフの区間でもいずれにせよ圧力センサ43が安定して圧力を取得できる条件が存在する(逆にいえば、このような状態が存在するように、インジェクタ35の駆動周期等を決定することが好ましい)。このような場合は、インジェクタ35がオフの区間で圧力測定がなされるべく、「燃料電池の負荷が小さい場合」と判断するように、閾値を設定することが好ましい。なぜなら、インジェクタ35がオフの区間のほうが、エジェクタ36の圧力損失を考慮する必要がない分、インジェクタ35がオンの区間で圧力測定するよりも誤差がすくないからである。
そして、インジェクタ35がオフの区間で圧力測定をしたほうが好ましいことに鑑みれば、インジェクタ35がオフの区間を極力長くするために(開弁Dutyを小さくするために)、インジェクタ35をその許容される噴射周期の最大周期(許容噴射周期最大値)で駆動することが好ましい。
ここで、インジェクタ35の許容噴射周期最大値は、次のようにして求めてもよい。すなわち、燃料電池10のスタック容積に比べて、エジェクタ36の容積が十分小さいから、インジェクタ35の調圧制御におけるFC調圧脈動幅Lは、次の式[4]で近似できる。式中、fはインジェクタ35の振動数(従って、インジェクタ35の噴射周期[s]は、1/fとなる)、QFC、Qinj_on、はそれぞれ、燃料電池10に流入する水素ガス流量[NL/min]、インジェクタ35のオン時の最大流量、VFC、TFCは、燃料電池10のスタック容積[L]及び温度(K)である。

そして、インジェクタ35の許容噴射周期最大値(1/f)maxは、同式[4]において、L≦Lmaxとおくことで、算出可能である。尚、Lmaxは、インジェクタ35の調圧制御におけるFC調圧脈動幅の許容値である。
(変形例)
以上本発明の実施形態を示したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な態様での実施が可能である。
例えば、本実施の形態においては、制御装置4は、圧力検出フラグがオフの時は、圧力センサ43による圧力検出を禁止する例を示したが、これに限られず、例えば、圧力検出フラグがオフのときは、圧力センサ43による圧力検出を行っても、FC入口圧力推定の基礎として用いないようにすることも可能である。すなわち、圧力センサ43による圧力検出は一定周期で行いつつも、FC入口圧力推定の際には、圧力検出フラグがオフの際に取得された実測値は用いないようにする等でもかまわない。
また、本実施の形態における燃料電池システム1の構成も適宜変更可能であることはいうまでもない。例えば、本発明における噴射装置としてインジェクタ35を採用した例を示したが、上流側のガス状態を調整して下流側に噴射する弁装置であればよく、インジェクタ35に限られるものではない。また例えば、循環流路32についても、例えば、気液分離器37とエジェクタ36との間に循環ポンプをさらに設けてもよいし、また、合流装置として、エジェクタ36を採用した例を示したが、循環流路から燃料オフガスを供給させ、噴射装置の噴射により合流装置の上流側に何らかの圧力損失を生じせしめるものであれば、これに限られるものではない。
1……燃料電池システム、2……酸化ガス配管系、3……水素ガス配管系、4……制御装置、10……燃料電池、11……PCU、12……トランクションモータ、13……電流センサ、20……加湿器、21……酸化ガス供給流路、22……酸化ガス排出流路、23……酸化オフガス排気流路、24……コンプレッサ、25……カソード側圧力センサ、26……背圧弁、27……ステップモータ、30……水素タンク、31……水素供給流路(供給流路)、32……循環流路、33……遮断弁、34……レギュレータ、35……インジェクタ(噴射装置)、36……エジェクタ(合流装置)、37……気液分離器、38……排気排水弁、39……排気排水流路、40……希釈器、41……インジェクタ上流側圧力センサ、42……温度センサ、43……アノード側圧力センサ

Claims (3)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池に反応ガスを供給する供給流路と、
    前記燃料電池から排出される反応オフガスを前記供給流路に戻す循環流路と、
    前記供給流路に設けられ前記反応ガスを下流側に噴射する噴射装置と、
    前記供給流路と前記循環流路との接続部に設けられ、前記噴射された反応ガスに前記反応オフガスを合流させて下流側に流す合流装置と、
    前記噴射装置と前記合流装置との間に設けられた圧力センサと、を備え、
    前記圧力センサは、前記燃料電池の負荷が大きい場合は前記反応ガスの噴射時のみに圧力検出を行い、前記燃料電池の負荷が小さい場合は前記反応ガスの非噴射時のみに圧力検出を行う燃料電池システム。
  2. 前記圧力センサは、前記反応ガスの噴射開始又は停止後所定時間は圧力検出を行わない請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 前記噴射装置は、インジェクタであり、前記合流装置はエジェクタである請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
JP2009147847A 2009-06-22 2009-06-22 燃料電池システム Expired - Fee Related JP5348409B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009147847A JP5348409B2 (ja) 2009-06-22 2009-06-22 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009147847A JP5348409B2 (ja) 2009-06-22 2009-06-22 燃料電池システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011003507A JP2011003507A (ja) 2011-01-06
JP5348409B2 true JP5348409B2 (ja) 2013-11-20

Family

ID=43561307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009147847A Expired - Fee Related JP5348409B2 (ja) 2009-06-22 2009-06-22 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5348409B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2565970A1 (en) * 2011-09-02 2013-03-06 Belenos Clean Power Holding AG Fuel cell system comprising an ejector for recirculating off-gas from a stack
JP2013089307A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Honda Motor Co Ltd インジェクタ付き減圧弁およびこれを備えた燃料電池システム
CA2958708C (en) * 2014-05-09 2020-02-18 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell system and control method for fuel cell system
US10038208B2 (en) 2014-11-12 2018-07-31 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system
JP6135642B2 (ja) 2014-11-12 2017-05-31 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム、および、燃料電池システムの制御方法
JP6927071B2 (ja) * 2018-02-08 2021-08-25 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
EP3806209A4 (en) * 2018-05-30 2021-06-02 Nissan Motor Co., Ltd. FUEL CELL SYSTEM AND ITS OPERATING PROCEDURE

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5070794B2 (ja) * 2006-10-18 2012-11-14 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2008218034A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及びその制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011003507A (ja) 2011-01-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4780390B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP5120590B2 (ja) 燃料電池システム及びインジェクタの診断方法
JP4756465B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP5348409B2 (ja) 燃料電池システム
JP4359856B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP5446023B2 (ja) 燃料電池システム
JP5957664B2 (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
US9276275B2 (en) Fuel cell system
JP2007188857A (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP2007305563A (ja) 燃料電池システム及び排気量推定方法
JP4780427B2 (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP2009123661A (ja) 燃料電池システム
CN108878929B (zh) 燃料电池系统及燃料电池系统的控制方法
JP2007317597A (ja) 燃料電池システム及び開閉弁の診断方法
JP2009123592A (ja) 燃料電池システム
JP2007280771A (ja) 燃料電池システム
JP2008041329A (ja) 燃料電池システム
JP2013239250A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP5070794B2 (ja) 燃料電池システム
JP5077636B2 (ja) 燃料電池システム
JP5376390B2 (ja) 燃料電池システム
JP2009021025A (ja) 燃料電池システム及び移動体
JP5109280B2 (ja) 燃料電池システム
JP4998695B2 (ja) 燃料電池システム
JP4941641B2 (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130724

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130806

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5348409

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees