JP5348382B2 - バウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板およびその製造方法。 - Google Patents

バウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板およびその製造方法。 Download PDF

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Description

本発明は、石油や天然ガスの輸送に使用される高強度高靱性ラインパイプ用厚鋼板およびその製造方法として好適な、バウシンガー効果による降伏応力の低下が少なく、なおかつ脆性き裂伝播停止性能に優れる高強度高靱性ラインパイプ用厚鋼板およびその製造方法に関する。
一般に、鋼板に冷間で引張もしくは圧縮ひずみを付与し、その後、逆方向にひずみを付与すると、バウシンガー効果により、降伏応力が予ひずみを付与しない鋼板と比較して低下する。バウシンガー効果は、最初の変形段階に複相組織鋼の軟質相と硬質相の界面や、セメンタイト、パーライト、島状マルテンサイト(以下、M−Aという)などの第2相、介在物、粒界などで発生する局所的なひずみ勾配による背応力の発生が原因とされている。
バウシンガー効果により鋼板の降伏応力が低下することは、UOE鋼管などの冷間加工により製造される溶接鋼管の周方向の降伏応力を低下させることとなる。このため、この降伏応力の低下代を見込んで鋼管原板の強度を高めに設計する必要がある。バウシンガー効果による降伏応力低下を低減することは、鋼板の強度設計緩和につながり、合金元素低減によるコスト削減、溶接熱影響部靱性の向上が期待される。
バウシンガー効果による降伏強度の低下を抑制する技術として、特許文献1では低C・高Cr系成分組成の鋼を用いる方法が開示されている。多量のCr添加に依存しない方法として、特許文献2では、制御圧延終了温度と加速冷却温度範囲を規定し、鋼板の降伏比、降伏伸びを最適化する方法が開示されている。特許文献3では、フェライト相中に微細マルテンサイトが分散して存在する2相組織鋼にすることで、5%以上の引張ひずみ付与後の圧縮降伏応力を向上させる方法が開示されている。特許文献4では、加速冷却後に表層と板厚中央に温度差ができるように急速加熱を行うことで、板厚方向の硬さ分布の均質化と硬質第2相の低減により、バウシンガー効果による降伏応力低下を低減する方法が示されている。
特公昭53−25801号公報 特開2000−212680号公報 WO2005/080621号公報 特開2007−138210号公報
しかし、特許文献1記載の方法では多量のCr添加による溶接性の低下やコスト上昇を招く。多量のCr添加に依存しない方法である特許文献2に記載の方法では、鋼板の降伏比を90%以上と高くする必要があり、鋼管の成形性が低下し、生産性の低下を招く。特許文献3記載の方法では本発明が対象とするUOE鋼管の造管時に受ける程度(1〜3%)のひずみ領域では十分な効果が得られず、なおかつ熱間圧延後に焼入れ処理をする必要があるため、生産性が低いことが問題である。特許文献4記載の方法ではAr点以上で圧延を終了する必要があるため、十分な脆性破壊伝播停止性能を得ることが困難である。
上述したように、従来の技術では溶接性の低下、変形性能の低下、生産性の低下、脆性き裂伝播停止性能を低下させることなく、バウシンガー効果による降伏強度低下が小さい鋼板を製造することは、困難であった。
そこで、本発明では、溶接性や変形性能を低下させることなく、高生産性で製造でき、優れた脆性き裂伝播停止性能を有し、バウシンガー効果による降伏強度低下の小さい鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、前記の課題を解決するために、鋼板のミクロ組織およびミクロ組織を達成するための製造方法、特に制御圧延、加速冷却とその後の再加熱という製造プロセスについて鋭意検討し、以下の知見を得た。
まず、優れた脆性き裂伝播停止性能を得るためには、二相域での圧延によりフェライトを加工し、圧延面の(100)面の集合組織を発達させ、脆性き裂伝播時にセパレーションを発生させることが必要不可欠であることがわかった。また、板厚中心位置での圧延面の(100)面の集積度を1.5以上とし、なおかつ、主たる金属組織であるフェライト層とベイナイト層との硬度差を50以上とすることで、脆性破壊伝播停止性能の評価試験であるDWTT(Drop Weight Tear Test;落重試験)を行った際に、破面にセパレーションが発生し、より低温まで高い延性破面率を確保できることがわかった。
一方、上述したようにバウシンガー効果による降伏応力低下の度合いを低減するためには、複相組織鋼よりも単相組織鋼にする方が、また、M−Aのような硬質第2相が少なく均質な組織とする方が好ましい。しかしながら、優れた脆性き裂伝播停止性能を確保するためには、複相組織化をすることが必然であるので、本発明では複相組織鋼のバウシンガー効果による降伏応力の低下がより少ない方法について検討し、以下の知見を得た。
すなわち、
(1)複相組織鋼を構成するフェライト相とベイナイト相の硬度差を低減することで、バウシンガー効果による降伏応力低下を抑制できることを見出した。
(2)複相組織鋼の場合でも、M−Aなどの硬質第2相を低減することで、バウシンガー効果による降伏応力低下を抑制できることを見出した。
(1)については、加速冷却の停止温度を高くすることで所望の組織を得ることが可能であるが、(2)については、冷却停止時に残る未変態オーステナイトの一部が空冷中にM−Aに変態するため、十分な効果が得られなかった。しかしながら、本発明者らは、冷却停止温度をより低い温度まで下げて、冷却停止後ただちに急速再加熱を行うことで、ベイナイト相を焼戻し、M−Aを分解することによって、バウシンガー効果による降伏応力の低下がより少ないことを知見した。また、冷却停止後急速加熱を行うことは、空冷後炉加熱などにより再加熱するよりも、フェライト相の焼戻しによる集合組織の集積度低下を抑制しながら、ベイナイト相の焼戻し、M−Aの分解ができることを知見した。
本発明は、上記した知見にさらに検討を加えたもので、
第一の発明は、質量%で、C:0.03〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Al:0.08%以下、Nb:0.005〜0.060%、Ti:0.005〜0.040%、N:0.001〜0.010%を含有し、さらに、Cu:0.1〜0.6%、Ni:0.1〜1.2%、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、V:0.005〜0.070%の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がフェライト相およびベイナイト相を主体とする複相組織であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相の体積分率の合計が80%以上、残部に含まれる島状マルテンサイト相の体積分率が2%以下であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相との平均硬度差が50以上150以下で、X線回析により得られる板厚中心位置での圧延面の(100)面の集積度が1.5以上であることを特徴とするバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板である。
第二の発明は、さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0100%、Mg:0.0005〜0.0100%、REM:0.0005〜0.0200%、Zr:0.0005〜0.0300%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする第一の発明に記載のバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板である。
第三の発明は、第一または第二の発明のいずれかに記載の成分組成を有する鋼を、1000〜1200℃に加熱後、900℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上、二相温度域での累積圧下率を10〜50%として、圧延終了温度を660℃以上とする熱間圧延を行った後、ただちに冷却速度5〜50℃/sで、200〜420℃まで冷却を行い、冷却停止後、ただちに4℃/s以上の昇温速度で冷却停止温度よりも30℃以上高い温度で、なおかつ320〜500℃の温度範囲に再加熱することを特徴とするバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板の製造方法である。
本発明により、石油や天然ガスの輸送に使用されるラインパイプ用厚鋼板として、バウシンガー効果による降伏応力の低下が少なく、なおかつ脆性き裂伝播停止性能に優れる高強度高靱性ラインパイプ用厚鋼板の製造が可能となり、産業上極めて有効である。
本発明に係るバウシンガー効果による降伏応力の低下が少ない高靱性ラインパイプ用厚鋼板の成分組成、ミクロ組織および板厚中心位置の圧延面の集合組織の形態を説明する。
成分組成
以下に成分組成の限定理由を説明する。なお、成分組成を示す単位は、全て質量%とする。
C:0.03〜0.08%
Cは焼き入れ性を高め強度確保に重要な元素であるが、0.03%未満では十分な強度が確保できない。また、0.08%を超えて添加すると、組織中のマルテンサイトやセメンタイトの体積分率を増加させ、バウシンガー効果を大きくする。よって、C含有量は、0.03〜0.08%の範囲とする。
Si:0.01〜0.50%
Siは脱酸のため添加するが、0.01%未満では脱酸効果が十分でなく、0.5%を超えるとマルテンサイト体積分率の増加や溶接性劣化が起こるため、Si含有量は0.01〜0.5%の範囲とする。さらに好適には、0.01〜0.20%の範囲である。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは強度、靭性向上に有効な元素であるが、1.0%未満ではその効果が十分でなく、2.0%を超えると焼き入れ性が高まりマルテンサイト体積分率の増加、表面硬度の上昇、溶接性劣化を招くため、Mn含有量は、1〜2%の範囲とする。
P:0.015%以下
Pは不純物元素であり、靭性を劣化させるため、極力低減させることが望ましいが、過度のP低減はコストの増大を招くため、P含有量は0.015%以下とする。
S:0.005%以下
Sは不純物元素であり、靭性を劣化させるため、極力低減させることが望ましいが、過度のS低減はコストの増大を招くため、S含有量は0.005%以下とする。
Al:0.08%以下
Alは脱酸剤として添加されるが、0.08%を超えると鋼の清浄度が低下し、靱性が劣化するため、Al含有量は0.08%以下とする。好ましくは、0.01〜0.05%の範囲である。
Nb:0.005〜0.060%
Nbは制御圧延の効果を高め、組織細粒化により強度、靭性を向上させる元素である。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.060%を超えると、再加熱時に析出する炭窒化物による母材靭性が劣化し、M−A生成により溶接熱影響部の靭性が劣化するため、Nb含有量は0.005〜0.060%の範囲とする。
Ti:0.005〜0.040%
TiはTiNのピンニング効果により加熱時のオーステナイトの粗大化を抑制し、母材や溶接熱影響部の靭性を改善するために有効な元素である。しかし、0.005%未満では効果が無く、0.040%を超える添加はTiNが粗大化し、逆に溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Ti含有量は,0.005〜0.040%の範囲とする。さらに、Ti含有量を0.005〜0.02%にすると、より優れた靭性を示す。
N:0.001〜0.010%
NはTiNのピンニング効果により加熱時のオーステナイトの粗大化を抑制し、母材や溶接熱影響部の靭性を改善するために有効な元素である。しかし、0.001%以下の含有量では効果がなく、0.010%を超えて含有するとTiNの粗大化や固溶Nの増大により、逆に溶接熱影響部靱性の劣化を招くため、Nの含有量は0.001〜0.010%とする。さらに、Nを0.001〜0.006%として、質量%の比としてTi/Nを1〜5、さらに好ましくは2〜4とすることで、優れた靱性を示す。
さらに、鋼板の強度や靱性を向上させるため、以下に示すCu、Ni、Cr、Mo、Vの中から選ばれる1種又は2種以上を含有する必要がある。
Cu:0.1〜0.6%
Cuは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素である。その効果を得るためには、0.1%以上添加することが好ましいが、0.6%を超えて添加すると溶接性の劣化やマルテンサイト体積分率の増加を招くため、Cuを添加する場合はその含有量は0.1〜0.6%の範囲とする。
Ni:0.1〜1.2%
Niは靭性の改善と強度の上昇に有効な元素である。その効果を得るためには、0.1%以上添加することが好ましいが、1.2%を超えて添加するとコスト的に不利になり、また、溶接熱影響部靱性が劣化するため、Niを添加する場合はその含有量は0.1〜1.2%の範囲とする。
Cr:0.05〜0.40%
CrはMnと同様に低Cでも十分な強度を得るために有効な元素である。その効果を得るためには、0.05%以上添加することが好ましいが、0.40%を超えて添加すると溶接性の劣化やマルテンサイト体積分率の増加を招くため、Crを添加する場合はその含有量は0.05〜0.40%の範囲とする。
Mo:0.05〜0.40%
Moは焼き入れ性を向上し強度上昇に大きく寄与する元素である。しかし、0.05%未満ではその効果が得られず、0.40%を超える添加はマルテンサイト体積分率の増加や溶接熱影響部靭性の劣化を招くため、Moを添加する場合はその含有量は0.05〜0.4%の範囲とする。さらに好適には0.05〜0.3%とする。
V:0.005〜0.070%
Vは強度上昇に寄与する元素である。しかし、0.005%未満では効果がなく、0.070%を超えると溶接熱影響部の靭性が劣化するため、Vを添加する場合はその含有量は0.005〜0.07%とする。
さらに、鋼板の欠陥発生の防止や溶接熱影響部の靱性を向上させる場合、以下に示すCa、Mg、REM、Zrの中から選ばれる1種又は2種以上を含有してもよい。
Ca:0.0005〜0.0100%
CaはMnSの形態制御に有効な元素であり、母材靱性の向上に寄与する。その効果を得るためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.0100%を超えて添加するとCaの酸硫化物が過剰に生成し粗大化やクラスタ状になることにより母材靱性を劣化させることから、Caを添加する場合はその含有量は0.0005〜0.0100%の範囲とする。
Mg:0.0005〜0.0100%
Mgはアルミナクラスタ(Al)を、Al−Mg系酸化物として微細分散させることで母材靭性向上に寄与する元素である。その効果を得るためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.01%を越える添加では酸化物の増加により母材靭性の低下が起こるため、Mgを添加する場合はその含有量は0.0005〜0.0100%の範囲とする。
REM:0.0005〜0.0200%
REM(Rare Earth Metals;希土類金属)はCaと同様、MnSの形態制御に有効な元素であり、母材靭性の向上に寄与する。その効果を得るためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.02%以上の添加は、REMの酸硫化物が過剰に生成し、母材靭性を劣化させるため、REMを添加する場合はその含有量は0.0005〜0.0200%の範囲とする。
Zr:0.0005〜0.0300%
ZrはCaと同様、MnSの形態制御に有効な元素であり、母材靭性の向上に寄与する。その効果を得るためには、0.0005%以上添加することが好ましいが、0.0300%超えての添加は、Zrの酸硫化物が過剰に生成し、母材靭性を劣化させ、さらにTiNと複合化することにより溶接熱影響部靱性を劣化させるため、Zrを添加する場合はその含有量は0.0005〜0.0300%の範囲とする。
上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物とする。
なお、Bを含有させることにより熱間圧延中のフェライト相の生成が抑制され、フェライト相の加工による集合組織の発達が困難になるため、本発明ではBは不可避的不純物として取り扱い、好ましくは、0.0005%以下とする。
ミクロ組織
本発明では、金属組織の形態および体積分率を規定する。金属組織はフェライト相とベイナイト相を主体とする。フェライト相は圧延中に加工することにより集合組織を発達させ脆性き裂伝播停止性能を向上させるために必須の組織である。一方、強度を確保するためにはベイナイト相やマルテンサイト相などの硬質相を導入する必要があるが、マルテンサイト相ではフェライト相との硬度差を所望の範囲内にすることができず、バウシンガー効果による降伏応力の低下を十分に抑制できないため、フェライト相とベイナイト相の合計体積分率を80%以上とする。残部は、M−A、マルテンサイト、パーライト、セメンタイトなどであるが、これらはできるだけ少ないことが好ましい。
なかでも、硬質第2相と母相の周辺に発生する局所的なひずみ勾配による背応力の発生を防止し、バウシンガー効果による圧縮降伏応力低下を抑制するため、金属組織中においてM−Aの体積分率を2%以下とする。
その他残存組織として、二相域から加速冷却を開始した場合には数%程度のパーライトが観察されるほか、M−Aの分解生成物としてセメンタイトが観察される。また、後述のように、圧延終了後の冷却速度が過大であるとマルテンサイトが混入する。
ミクロ組織間の硬度差:50〜150
本発明では、主要な金属組織として規定したフェライト相とベイナイト相の硬度差を規定する。荷重負荷時の金属組織内の局所的なひずみ勾配は、先に述べた硬質第2相と母相の間だけでなく、母相である複相組織鋼の軟質相と硬質相の間にも発生し、バウシンガー効果による降伏応力低下を助長する。
したがって、母相の軟質相であるフェライト相と母相の硬質相であるベイナイト相との平均硬度差を150以下にすることで、バウシンガー効果による降伏応力低下を抑制することができる。一方、強度確保の観点およびセパレーションの発生を容易にする観点から、下限を50にする。
なお、平均硬さの測定方法については、荷重0.98N以下のマイクロビッカース試験機により任意の20点以上を測定し、その平均値をとることが好ましい。
板厚中心位置における集合組織
優れた脆性き裂伝播停止性能を得るためには、脆性き裂発生時にいわゆるき裂進展のセパレーションを発生させることが必要である。セパレーションは、一般的に圧延面に(100)面と(111)面が発達している際に発生しやすくなることが知られている。本発明では、脆性き裂伝播停止性能の評価法としてDWTT試験を採用し、様々な鋼板についてDWTT試験を行った。
その結果、DWTTの延性破面率とX線回析により得られる板厚中心位置での圧延面の(100)面の集積度とがよい相関があることが判明し、フェライト相とベイナイト相の硬度差が50以上の場合、(100)面の集積度を1.5以上とすることで本発明範囲の厚鋼板で優れた脆性き裂伝播停止性能が得られることがわかったので、(100)面の集積度の下限を1.5とした。
なお、ここで(100)面の集積度とは、集合組織のないランダムな標準試料における(200)面からのX線回折強度に対する、板厚中心位置から圧延面に平行に採取した板面における(200)面からのX線回析強度の比をいう。
次に、本発明に係る厚鋼板の好適な製造方法について説明する。製造方法においては、スラブ加熱温度、熱間圧延、加速冷却、および加速冷却後の再加熱条件を規定する。
加熱温度、圧延終了温度、冷却停止温度、再加熱温度で規定している温度は鋼板全体の平均温度とする。平均温度は、スラブもしくは鋼板の表面温度より、板厚、熱伝導率等のパラメータを考慮して、計算により求めたものである。
また、冷却速度は、冷却開始温度と冷却停止温度(400〜600℃)との温度差をその冷却を行うのに要した時間で割った平均冷却速度とする。
スラブ加熱温度:1000〜1200℃
スラブをオーステナイト化しつつ、最低限のNbの固溶量を得るため、下限温度は1000℃である。一方、1200℃を超える温度までスラブを加熱すると、TiNによるピンニング効果が弱まり、オーステナイト粒が著しく成長し、母材靭性が劣化する。このため、スラブ加熱温度は1000〜1200℃の範囲とする。
900℃以下の温度域での累積圧下率:50%以上
本発明に係る厚鋼板では、Nb添加によって900℃以下はオーステナイト未再結晶温度領域である。この温度域以下において累積で大圧下の圧延を行うことにより、オーステナイト粒を伸展させ、特に板厚方向で細粒とし母材靭性を向上させる。累積圧下率が50%未満の場合は、細粒化が十分でなく靱性が劣化するため、900℃以下の温度域での累積圧下率は50%以上とする。
二相温度域での累積圧下率:10〜50%
Ar点〜Ar点のフェライト−オーステナイト二相温度域で熱間圧延を行うことによってオーステナイト未再結晶域圧延で細粒化したオーステナイトをさらに微細化する。さらに、フェライトに加工を加えることによってフェライト強化による高強度化とDWTTなどの脆性き裂伝播停止性能評価試験で、試験片の破面にセパレーションを発生させるのに必要な集合組織形態を実現し、優れた脆性き裂伝播停止性能とすることが可能となる。
二相温度域の累積圧下量が10%未満では、集合組織の発達が少なくセパレーションの発生が十分でなく脆性き裂伝播停止特性の向上が得られない。一方、累積圧下率が50%を超えると、フェライトへの過剰な加工によりフェライトが脆化し、母材靭性が劣化する。このため、二相温度域での累積圧下率を10〜50%の範囲とする。
圧延終了温度:660℃以上
圧延終了温度が660℃未満の場合、フェライト変態が進行して加速冷却の効果が小さくなり、かつフェライトが粗大化することにより母材靭性が劣化するため、圧延終了温度は660℃以上とする。
冷却速度:5〜50℃/s
圧延終了後に生成するフェライトは加工されていないため、強度、靭性確保の観点からは有害である。したがって、圧延終了後ただちに5℃/s以上の冷却速度で加速冷却を行い、未変態オーステナイトをベイナイト組織に変態させてフェライトの発生を防止し、母材靭性を損なわずに強度を向上させる。一方で、本発明のように冷却停止温度を低くする場合は、冷却速度が過剰であるとベイナイト組織の中にマルテンサイト組織が混入する。50℃/sを超える冷却速度の場合その傾向が顕著であり所望の組織形態が得られないため、上限を50℃/sとする。
冷却停止温度:200〜420℃
再加熱後の引張強さを600MPa以上とするため、冷却停止温度を420℃以下として、鋼板の加速冷却前に未変態オーステナイトであった部分をベイナイト組織とする。冷却停止温度が420℃を超えると変態温度が高く、十分に鋼板を高強度化できないため、上限を420℃とする。また、冷却停止温度が200℃を下回ると、マルテンサイトの混入が避けられないため、下限を200℃とする。冷却方法については製造プロセスによって任意の冷却設備を用いることが可能であり、例えば水冷方式の加速冷却設備が利用できる。
再加熱処理:320〜500℃
本発明において、再加熱処理は、重要な熱処理で、複相組織を有する、加速冷却ままの鋼板のベイナイト組織を焼き戻してフェライト相とベイナイト相との硬度差を低減し、またM−Aを分解するために行う。
フェライト相とベイナイト相の硬度差の低減とM−A分解を達成するためには、320℃以上に再加熱する必要がある。また、冷却停止温度よりも30℃以上の温度に昇温しなければ、再加熱の効果が得られないため、下限を冷却停止温度よりも30℃以上高くなおかつ320℃以上の温度とする。
一方、500℃以上に加熱すると焼戻し効果が顕著となり引張強度が著しく低下するだけでなく、フェライト相とベイナイト相の硬度差が小さくなりすぎることと、集合組織の集積度が低下することとの重畳でセパレーションの発生量が低下する現象が起こり、脆性き裂伝播停止性能が低下するため、上限を500℃とする。
再加熱処理時の昇温速度:4℃/s以上
冷却停止後急速加熱を行うことは、空冷後炉加熱などにより再加熱する場合に比べ、加熱にともなうフェライト相の集合組織の集積度低下を抑制しながら、ベイナイト相の焼戻し、M−Aの分解ができ、生産性の観点からみても有利であるため、冷却停止後直ちに、急速加熱により、4℃/s以上、望ましくは6℃/s以上の昇温速度で再加熱するものとする。再加熱後の冷却過程は特に規定しないが、空冷とするとM−Aの再生成を防止できるため好適である。
加速冷却後の再加熱を行うための設備として、冷却設備の下流側に加熱装置を設置する。加熱装置としては、鋼板表面と板厚中央部で温度差を発生させることが容易な誘導加熱装置を用いる事が好ましい。
上述した製造方法を実施する設備として、たとえば、圧延ラインの上流から下流側に向かって熱間圧延機、冷却装置、誘導加熱装置、ホットレベラーを逐次配置したものが好適である。
誘導加熱装置あるいは他の熱処理装置を、圧延設備である熱間圧延機およびその出側に配置される冷却装置と同一ライン上に設置する事によって、圧延、加速冷却終了後迅速に再加熱処理が行えるので、加速冷却後の鋼板温度を過度に低下させることなく加熱することが可能である。
表1に示す化学成分の鋼(鋼種A〜H)を連続鋳造法によりスラブとし、加熱したスラブを熱間圧延により圧延した後、ただちに水冷型の冷却設備を用いて加速冷却を行い、誘導加熱装置を用いて再加熱を行って板厚8mmおよび26mmの厚鋼板(No.1〜16)を製造した。誘導加熱装置は、冷却設備と同一ライン上に設置した。一部、比較のため、誘導加熱装置でなく、一般的な熱処理炉(雰囲気炉)を用いて再加熱を行った。
各鋼板(No.1〜16)の製造条件を表2に示す。
Figure 0005348382
Figure 0005348382
なお、加熱温度、圧延終了温度、冷却開始および停止温度、再加熱温度は鋼板全体の平均温度とした。平均温度は、スラブもしくは鋼板の表面温度より、板厚、熱伝導率等のパラメータから計算により求めた。
加速冷却速度は、加速冷却開始温度と加速冷却停止温度との温度差をその冷却を行うのに要した時間で割った平均冷却速度とした。
厚鋼板のミクロ組織の分率は、400倍で組織観察した10枚の光学顕微鏡写真の画像解析からフェライト相とベイナイト相の合計の面積分率を平均して求め、鋼板中に均一にそれらの組織が分散していると仮定して、前記面積分率の値が体積分率の値に等しいものとみなした。同様に、厚鋼板のM−A体積分率は、2000倍で組織観察した5枚のSEM(走査型電子顕微鏡)写真の画像解析から面積分率を平均して求め、鋼板中に均一に第2相が分散していると仮定して、前記面積分率の値が体積分率の値に等しいものとみなした。フェライト相とベイナイト相との硬度差は、荷重0.98Nのマイクロビッカース試験機により各相それぞれ40点以上を測定し、各相の硬度の平均値の差を求めることで得た。
板厚中心位置における圧延面の(100)面の集積度は、集合組織のないランダムな標準試料における(200)面からのX線回折強度に対する、板厚中心位置から圧延面に平行に採取した板面における(200)面からのX線回析強度との比を用いた。
引張特性は、圧延垂直方向の全厚試験片を2本採取し、引張試験を行い、その平均値を用いた。降伏強度450MPa以上、引張強度600MPa以上を本発明に必要な強度とした。
バウシンガー試験は、10φの丸棒試験片を板厚1/4t位置から採取し、2%の圧縮予ひずみを導入した後、引張負荷を与え、引張時の0.5%耐力を圧縮時の最大応力で除した値をバウシンガー係数とした。バウシンガー係数が大きいほど、バウシンガー効果による降伏応力の低下が小さいといえる。バウシンガー係数は、0.7以上を本発明に必要な値とした。
脆性き裂伝播停止特性はDWTT試験で評価した。DWTTの延性破面率は、板厚1/2t位置から採取した19mmに減厚したDWTT試験片(8mmの鋼板は全厚)を−47℃で各2本ずつ行い、延性破面率の平均を求めた。延性破面率は、80%以上を本発明で必要な値とした。
表3に得られた試験結果を示す。
Figure 0005348382
鋼板No.1、9、10、11はいずれも本発明の成分範囲、組織形態範囲、製造条件範囲を満たすため、所望の強度特性、バウシンガー係数、DWTT特性が得られている。一方、その他の鋼板では、本発明の範囲外であるため、これらいずれかの特性を満たしていない。
鋼板No.2は、加熱温度が高いため、圧延前組織の粗大化が圧延後も受け継がれ、靱性が劣化し、DWTT特性を満足していない。鋼板No.3は、圧延終了温度が高くベイナイト単相組織となっているため、集合組織が発達しておらず、DWTT特性が劣化している。No.4は、2相域での圧延を行っていないため、フェライト相を加工していないことによる強度不足ならびに集合組織が発達していないことによるDWTT特性の劣化がみられる。
鋼板No.5は、冷却速度が大きすぎるために、加速冷却前に未変態オーステナイトであった部分がベイナイト相とマルテンサイト相の混合組織に変態したため、フェライト相とこの混合組織(ベイナイト相+マルテンサイト相)との硬度差が大きくなりすぎて、バウシンガー係数が小さくなっている。鋼板No.6は、冷却停止温度および再加熱温度が高すぎるため、強度の低下とセメンタイトの粗大化によるDWTT特性の劣化が見られる。鋼板No.7は、冷却停止後の再加熱を行っていないため、フェライト相とベイナイト相との硬度差が大きいことおよびM−A体積分率が大きいことによる、降伏強度の低下ならびにバウシンガー係数の低下がみられる。
鋼板No.8は、冷却停止温度が高く、再加熱を行っていないため、M−A分率が大きいことによるバウシンガー係数の低下が見られる。鋼板No.12、13は、それぞれC、Mnの含有量が本発明の請求範囲よりも大きいため、M−A体積分率が大きく、バウシンガー係数が低下している。鋼板No.14は、Nbの含有量が本発明の請求範囲よりも大きいため、析出強化にともなう靭性劣化のため、DWTT特性が低下している。鋼板No.15は、本発明の条件で加速冷却を実施した後、室温まで空冷後、炉加熱により再加熱をしているため、ベイナイトの焼戻しが過度であり、引張強さとDWTT特性が劣化している。鋼板No.16は、本発明の必須添加元素であるTiが添加されていないため、加熱時の組織が粗大化し、それが圧延後の組織にも受け継がれるため、靱性が劣化し、DWTT特性が低下している。
本発明により、石油や天然ガスの輸送に使用されるバウシンガー効果による降伏応力の低下が少なく、なおかつ脆性き裂伝播停止性能に優れる高強度高靱性ラインパイプ用厚鋼板の製造が可能となり、産業上極めて有効である。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.03〜0.08%、Si:0.01〜0.50%、Mn:1.0〜2.0%、P:0.015%以下、S:0.005%以下、Al:0.08%以下、Nb:0.005〜0.060%、Ti:0.005〜0.040%、N:0.001〜0.010%を含有し、さらに、Cu:0.1〜0.6%、Ni:0.1〜1.2%、Cr:0.05〜0.40%、Mo:0.05〜0.40%、V:0.005〜0.070%の中から選ばれる1種または2種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなり、金属組織がフェライト相およびベイナイト相を主体とする複相組織であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相の体積分率の合計が80%以上、残部に含まれる島状マルテンサイト相の体積分率が2%以下であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相との平均硬度差が50以上150以下で、X線回析により得られる板厚中心位置での圧延面の(100)面の集積度が1.5以上であることを特徴とするバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板。
  2. さらに、質量%で、Ca:0.0005〜0.0100%、Mg:0.0005〜0.0100%、REM:0.0005〜0.0200%、Zr:0.0005〜0.0300%の中から選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載のバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の成分組成を有する鋼を、1000〜1200℃に加熱後、900℃以下の温度域での累積圧下率を50%以上、二相温度域での累積圧下率を10〜50%として、圧延終了温度を660℃以上とする熱間圧延を行った後、ただちに冷却速度5〜50℃/sで、200〜420℃まで冷却を行い、冷却停止後、ただちに4℃/s以上の昇温速度で冷却停止温度よりも30℃以上高い温度で、なおかつ320〜500℃の温度範囲に再加熱することを特徴とする金属組織がフェライト相およびベイナイト相を主体とする複相組織であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相の体積分率の合計が80%以上、残部に含まれる島状マルテンサイト相の体積分率が2%以下であり、前記フェライト相と前記ベイナイト相との平均硬度差が50以上150以下で、X線回析により得られる板厚中心位置での圧延面の(100)面の集積度が1.5以上であるバウシンガー効果による降伏応力低下が小さい高靱性ラインパイプ用厚鋼板の製造方法。
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