JP5347885B2 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
携帯電話通信や無線LAN(Local Area Network)通信のような無線通信を行う無線通信装置には、低消費電力化が求められる。
無線信号を空中に送出する役割を持つ電力増幅器は、無線通信装置の中で、最も消費電力が高い回路ブロックである。よって、無線通信装置の低電力化のためには、電力増幅器の電力効率を高くする必要がある。
近年、高い電力効率を持つと期待される電力増幅器として、スイッチング増幅器が注目されている。スイッチング増幅器は、入力信号としてパルス波形信号を想定し、その波形を維持して電力増幅する。本スイッチング回路で増幅されたパルス波形信号は、フィルタ素子で所望の周波数成分以外の周波数成分が十分に抑圧されたのち、アンテナより空中に放射される(例えば、非特許文献1参照。)。
以下に、スイッチング増幅器の代表例であるD級増幅器の構成の一形態について、図12を参照して説明する。
図12に示すD級増幅器1300は、電圧値Vddの電源1320と接続されたスイッチ1310−1と、接地されたスイッチ1310−2とを並列に接続して構成される。スイッチ1310−1、1310−2それぞれの制御端子には、相補的なパルス状のスイッチ制御信号が入力され、スイッチ1310−1と1310−2とのどちらか一方のみがオンするように制御される。
D級増幅器1300は、スイッチ制御信号によりスイッチ1310−1がオンしている場合、電源電圧1320の電圧を出力する。また、D級増幅器1300は、スイッチ制御信号によりスイッチ1310−2がオンしている場合、接地電位の電圧を出力する。なお、スイッチ1310−1、1310−2は、MOS(Metal Oxide Semiconductor)電界効果トランジスタやバイポーラトランジスタで構成することができる。
つぎに、このようなD級増幅器1300を具備する非特許文献1に開示された送信装置1000の構成について説明する。
図13に示すように、送信装置1000に設けられたデジタルベースバンド出力部1110は、送信装置1000がW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式に従って無線通信を行う場合、ビット幅が複数のビットから成るデジタル信号を生成してΔΣ変調部1120−1、1120−2へ出力する。
なお、D級増幅器1300にパルス状のスイッチ制御信号を入力するため、デジタルベースバンド出力部1110から出力されてきたデジタル信号のビット幅を1ビットに変換する必要がある。その手段としてΔΣ変調器1120−1、1120−2を用いることで、デジタル信号を所望波の周波数帯近傍にて良好な雑音特性を維持したままパルス信号に変換してD級増幅器1300へ出力している。
なお、D級増幅器1300の出力端子には、電源端子に対する容量成分および接地端子に対する容量成分が存在する。たとえば、スイッチ1310−1、1310−2がMOS電界効果トランジスタで構成される場合、これらの容量成分として、ドレイン−ソース間の容量Cdsが相当する。
スイッチ1310−1と1310−2とのどちらか一方が1個のパルス状のスイッチ制御信号を入力して、当該スイッチがオフからオンへ遷移してからオンからオフに遷移する場合、スイッチがオンおよびオフを繰り返す1サイクルの間に、容量Cdsに対する充電と放電とがそれぞれ1回ずつ発生する。この1サイクルの間にD級増幅器1300が消費するエネルギーEloss1は、電源の電圧値をVddとして、以下の式1で表される。
Figure 0005347885
送信装置1000が送信する無線信号のキャリア周波数がfcである場合、D級増幅器1300へ1秒間に入力されるパルス信号の個数はfc個であるので、1秒間にスイッチ1310−1と1310−2とのいずれか1個で発生する電力損失Ploss1は以下の式2で表される。
Figure 0005347885
さらに、D級増幅器1300には2個のスイッチ1310−1、1310−2が設けられているため、D級増幅器1300における電力損失Plossは、以下の式3で表される。
Figure 0005347885
また、D級増幅器1300が出力可能な無線信号の振幅の最大値は、電源1320の電圧値Vddの半分の値「Vdd/2」である。そのため、無線信号の送信電力の最大値Pdmaxは、以下の式4で表される。
Figure 0005347885
なお、式4に示したRは、D級増幅器1300の出力端子に接続される負荷抵抗の抵抗値である。
次世代携帯電話用の無線規格であるLTE(Long Term Evolution)やIEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a/gなどで用いられるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式により無線信号を変調した場合、無線信号の振幅が時間的に大きく変動する。無線信号の振幅の平均値と当該振幅の最大値との比率を示すバックオフは5[dB]〜10[dB]であると考えられている。
ここで、バックオフの値がA[dB]である場合を考える。OFDM変調されたデジタル信号がD級増幅器1300に入力される場合、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号を送信するために、デジタル信号の振幅値が最大となるときのデジタル信号の送信電力と、デジタル信号を無線信号として送信するときの送信電力の最大値Pdmaxとが同じ値となるように設計を行う。
そのため、D級増幅器1300から出力される電力の平均値Pdaveは、以下の式5に示すように、無線信号の送信電力の最大値PdmaxよりもバックオフAだけ低い値になる。
Figure 0005347885
また、D級増幅器1300が電力を増幅する効率の平均値(以下、「平均電力効率ηd」という)は、無線信号の送信電力の平均値PdaveとD級増幅器1300の電力損失Plossとを用いて、以下の式6で表される。
Figure 0005347885
さらに、上述した式3〜式6を用いて、電力の増幅効率の平均値ηdは、以下の式7で表される。
Figure 0005347885
式7に示した負荷抵抗の抵抗値Rが「10Ω」であり、バックオフAが「10dB」であり、キャリア周波数fcが「2GHz」であり、スイッチ1310−1、1310−2それぞれのドレイン−ソース間の容量Cdsが「1pF」である場合、電力の増幅効率の平均値ηdは24%程度となる。
A. Frappe, B. Stefanelli, A. Flament, A. Kaiser and A. Cathelin、「A digital ΔΣ RF signal generator for mobile communication transmitters in 90nm CMOS」、IEEE RFIC Symp.、2008年6月、p.13−16
一般的に、無線信号の送信電力を増幅する電力増幅器は、無線通信装置全体が消費する電力のうちの50%以上の電力を消費する。そのため、当該電力増幅器には、電力の増幅効率が高いことが求められる。
しかし、最近では、ドハティ方式電力増幅器のように、スイッチング増幅器以外の増幅器でも、電力効率が高い増幅器が実現されたことを考慮すると、送信装置1000に設けられたD級増幅器1300の電力増幅効率は、高いものとはいえなくなってきた。
つまり、非特許文献1に開示された技術においては、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号の電力を増幅しようとした場合、電力増幅の効率を高くすることができないという問題点がある。
本発明は、上述した課題を解決する無線通信装置および無線通信方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の無線通信装置は、デジタル信号を無線送信する無線通信装置であって、あらかじめ設定された複数の増幅率のうち前記デジタル信号の電圧レベルに応じた増幅率で該デジタル信号を増幅する信号生成部と、該信号生成部が増幅したデジタル信号のうち、正極性の電圧レベルを、あらかじめ設定された基準電圧値を該増幅率で除算した電圧値に変換して出力し、負極性の電圧レベルを接地レベルに変換して出力する増幅器と、該増幅器から出力されたデジタル信号を無線信号として送信する通信部とを有し、前記増幅器は、前記基準電圧値を前記複数の増幅率それぞれで除算した電圧値をそれぞれ出力する複数の電源と、前記複数の電源の出力を個々に遮断する複数のスイッチとを有し、前記信号生成部は、所定の最大電圧値を前記複数の増幅率で個々に除算した複数の包絡線比較値と前記デジタル信号の電圧レベルとの大小関係に基づいて、前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択するための選択値を出力する包絡線比較部と、該選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号を増幅する利得可変増幅部と、前記増幅されたデジタル信号を1ビットから成るパルス信号へ変換するΔΣ変調部と、前記パルス信号を所定のオフセット周波数だけ高周波側にシフトさせた信号を制御信号として生成する周波数変換部と、前記包絡線比較部が出力した選択値に基づいて前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択し、該選択したスイッチへ前記制御信号の極性を反転させた反転信号を出力し、前記複数のスイッチのうち該選択されたスイッチ以外のスイッチへ前記電源の出力を遮断させる相互反転出力部とを有し、前記選択されたスイッチは、該反転信号がHighレベルである場合にオンとなって前記電源の電圧を出力し、該反転信号がLowレベルである場合にオフとなって前記電源の出力を遮断し、前記増幅器は、接地電位と接続された接地スイッチをさらに有し、前記接地スイッチは、前記制御信号がLowレベルである場合にオフとなって前記接地レベルの出力を遮断し、前記制御信号がHighレベルである場合にオンとなって前記接地レベルを出力する
また、上記課題を解決するために、本発明の無線通信方法は、デジタル信号を無線送信する無線通信装置における無線通信方法であって、あらかじめ設定された複数の増幅率のうち前記デジタル信号の電圧レベルに応じた増幅率で該デジタル信号を増幅する信号生成処理と、該信号生成処理にて増幅したデジタル信号のうち、正極性の電圧レベルを、あらかじめ設定された基準電圧値を該増幅率で除算した電圧値に変換して出力し、負極性の電圧レベルを接地レベルに変換して出力する増幅処理と、該増幅処理にて出力されたデジタル信号を無線信号として送信する通信処理とを有し、当該無線通信装置が、前記基準電圧値を前記複数の増幅率それぞれで除算した電圧値をそれぞれ出力する複数の電源と、前記複数の電源の出力を個々に遮断する複数のスイッチと、接地電位と接続された接地スイッチと、を有している場合、前記信号生成処理では、所定の最大電圧値を前記複数の増幅率で個々に除算した複数の包絡線比較値と前記デジタル信号の電圧レベルとの大小関係に基づいて、前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択するための選択値を出力する包絡線比較処理と、該選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号を増幅する利得可変増幅処理と、前記増幅されたデジタル信号を1ビットから成るパルス信号へ変換するΔΣ変調処理と、前記パルス信号を所定のオフセット周波数だけ高周波側にシフトさせた信号を制御信号として生成する周波数変換処理と、前記包絡線比較処理にて出力した選択値に基づいて前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択し、該選択したスイッチへ前記制御信号の極性を反転させた反転信号を出力し、前記複数のスイッチのうち該選択されたスイッチ以外のスイッチへ前記電源の出力を遮断させる相互反転出力処理とを行い、前記増幅処理では、前記選択されたスイッチは、該反転信号がHighレベルである場合にオンとなって前記電源の電圧を出力し、該反転信号がLowレベルである場合にオフとなって前記電源の出力を遮断し、前記接地スイッチは、前記制御信号がLowレベルである場合にオフとなって前記接地レベルの出力を遮断し、前記制御信号がHighレベルである場合にオンとなって前記接地レベルを出力する
本発明によれば、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号の電力を増幅しようとした場合でも、増幅器が電力を増幅する効率を高くすることができる。
本発明の無線通信装置の実施形態1を示す図である。 図1に示した包絡線比較部の構成を示す図である。 図1に示した同相成分増幅部の構成を示す図である。 図1に示したΔΣ変調部の構成を示す図である。 図1に示した周波数変換部の構成を示す図である。 図1に示した遅延調整部の構成を示す図である。 図1に示した相互反転出力部の入力端子および出力端子と、相互反転出力部の入出力関係を示す真理値表を示す図である。 (a)図1に示した接地スイッチの構成の第1の例を示す図である。(b)接地スイッチの構成の第1の例を示す図である。(c)接地スイッチの構成の第2の例を示す図である。(d)接地スイッチの構成の第3の例を示す図である。 本発明の無線通信装置の実施形態2を示す図である。 本発明の無線通信装置の実施形態3を示す図である。 図10に示した遅延調整部の構成を示す図である。 D級増幅器の構成の一形態を示す図である。 図12に示したD級増幅器を具備する送信装置の構成の一例を示す図である。
(実施形態1)
以下、本発明の無線通信装置(無線通信方法を含む)の実施形態1について説明する。
図1に示すように、無線通信装置1には、信号生成部2と、ドライバアンプ3と、増幅器4と、アンテナ5と、通信部51と、デジタルベースバンド出力部6とが設けられている。
デジタルベースバンド出力部6は、ビット幅が複数のビットから成るデジタル信号の同相成分と、当該デジタル信号の直交成分とを生成して信号生成部2へ出力する。なお、デジタルベースバンド出力部6と信号生成部2とは、入力端子701、702を介して接続される。
信号生成部2には、包絡線比較部21と、利得可変増幅部22と、遅延調整部23と、相互反転出力部24と、ΔΣ変調部25−1、25−2と、周波数変換部26とが設けられている。
図2に示すように、図1に示した包絡線比較部21には、包絡線検出部211と、定数記憶部212−1〜212−(N−1)と、比較部213とが設けられている。包絡線比較部21が有する入力端子703および入力端子704は、デジタルベースバンド出力部6と接続されている。また、出力端子705は利得可変増幅部22、遅延調整部23と接続されている。
包絡線検出部211は、デジタルベースバンド出力部6から出力されてきたデジタル信号の同相成分の振幅Vamp_Iの二乗とこのデジタル信号の直交成分の振幅Vamp_Qの二乗との和である二乗和(Venv)2を算出して比較部213へ出力する。
なお、デジタル信号の包絡線の値Venvは、以下の式8で表される。この包絡線の値Venvは、「デジタル信号の電圧レベル」である。
Figure 0005347885
定数記憶部212−1〜212−(N−1)それぞれは、所定値am(mは2以上N以下の整数)で「所定の最大電圧値Vmax」を除算した値である包絡線比較値の二乗(Vmax/am2を個々に記憶している。例えば、定数記憶部212−1は、(Vmax/a22を記憶している。
ここで、「所定の最大電圧値Vmax」とは、デジタルベースバンド出力部6が生成したデジタル信号の電圧振幅の最大値である。また、所定値amは、値mと対応しており値mが大きくなるにつれて大きくなる。
比較部213は、包絡線検出部211から出力されてきた二乗和(Venv)2と、定数記憶部212−1〜212−(N−1)からそれぞれ読み出した包絡線比較値の二乗(Vmax/a22〜(Vmax/aN2とを比較する。
なお、二乗和(Venv)2と包絡線比較値の二乗(Vmax/a22〜(Vmax/aN2とを比較することは、包絡線の値Venvと包絡線比較値Vmax/a2〜Vmax/aNとを比較することと同じである。
比較部213は、比較の結果、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2よりも大きな場合、選択値「1」を示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
ここで、「スイッチ指定信号」とは、図1に示したスイッチ41−1〜41−Nのうちのk番目のスイッチを指定するための信号である。
また、比較部213は、包絡線の値Venvが特定の包絡線比較値Vmax/am以下であり、かつ包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a(m+1)よりも大きな場合、選択値mを示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
また、比較部213は、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/aN以下である場合、選択値Nを示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
図1に示したように、利得可変増幅部22は、同相成分増幅部221と、直交成分増幅部222とを有する。
以下、図1に示した同相成分増幅部221の構成について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、図1に示した同相成分増幅部221は、増幅器2211−1〜2211−Nと、セレクタ2212とを有する。
また、同相成分増幅部221は、入力端子706と、出力端子707と、制御端子708とを有する。入力端子706はデジタルベースバンド出力部6と接続されている。また、出力端子707はΔΣ変調部25−1と接続されている。また、制御端子708は包絡線比較部21と接続されている。
増幅器2211−1〜2211−Nは、それぞれにあらかじめ設定された増幅率a1〜aNで、入力端子706に入力してきたデジタル信号の同相成分を増幅する。
セレクタ2212は、制御端子708に入力してきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、増幅器2211−1〜2211−Nが増幅した同相成分のうち1つを選択して出力端子707を介してΔΣ変調部25−1へ出力する。
また、図1に示した直交成分増幅部222の構成は、同相成分増幅部221の構成と同じである。ただし、直交成分増幅部222が有する増幅器2211−1〜2211−Nは、それぞれにあらかじめ設定された増幅率a1〜aNで、入力端子706に入力してきたデジタル信号の直交成分を増幅する。
そして、直交成分増幅部222が有するセレクタ2212は、制御端子708に入力してきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、増幅器2211−1〜2211−Nが増幅した直交成分のうち1つを選択して出力端子707を介してΔΣ変調部25−2へ出力する。
つぎに、図1に示したΔΣ変調部25−1、25−2について説明する。
ΔΣ変調部25−1は、同相成分増幅部221から出力されてきたデジタル信号の同相成分をビット幅が「1」ビットから成る同相パルス信号へ変換して周波数変換部26へ出力する。
また、ΔΣ変調部25−2は、直交成分増幅部222から出力されてきたデジタル信号の直交成分をビット幅が「1」ビットから成る直交パルス信号へ変換して周波数変換部26へ出力する。
なお、ΔΣ変調部25−1、25−2において発生する量子化雑音N(z)は、ナイキスト周波数で最も大きくなり、周波数が低くなるにつれて小さくなる性質がある。そのため、ΔΣ変調部25−1、25−2を、同相成分増幅部221、直交成分増幅部222からそれぞれ出力されてきたデジタル信号の周波数よりも非常に高いクロック周波数で動作させることにより、当該デジタル信号に量子化雑音N(z)が影響を及ぼすことを回避することができる。
以下に、図1に示したΔΣ変調部25−1、25−2の具体的な構成の一例について、図4を参照して説明する。なお、ΔΣ変調部25−1、25−2は、互いに同じ構成を有するため、以下では、ΔΣ変調部25−1の構成を例に挙げて説明する。
本実施形態では、図4に示すように、図1に示したΔΣ変調部25−1には、デジタル信号の同相成分をそれぞれ「一定の増幅率」で増幅する定倍器2501〜2510と、加算器2511〜2515と、1ビット比較器2516とが設けられている。定倍器2501〜2510それぞれの増幅率は、任意でよい。
なお、ΔΣ変調部25−1の入力端子709は同相成分増幅部221と接続されている。また、ΔΣ変調部25−1の出力端子710は周波数変換部26と接続されている。
図4に示した例においては、ΔΣ変調部25−1が入力するデジタル信号の同相成分XI(z)と、ΔΣ変調部25−1が出力する同相パルス信号YI(z)と、1ビット比較器2516で発生する量子化雑音NI(z)とは、以下の式9aに示す関係を有する。
また、ΔΣ変調部25−2が入力するデジタル信号の直交成分XQ(z)と、ΔΣ変調部25−2が出力する直交パルス信号YQ(z)と、1ビット比較器2516で発生する量子化雑音NQ(z)とは、以下の式9bに示す関係を有する。
Figure 0005347885
なお、式9a、式9bに示したeはネイピア数であり、jは虚数単位であり、ωはデジタル信号の角周波数である。
つぎに、図1に示した周波数変換部26の構成について、図5を参照して説明する。周波数変換部26の例としては、IQモジュレータが挙げられる。
図5に示すように、図1に示した周波数変換部26には、局部発振部261と、乗算部262と、移相部263と、乗算部264と、加算部265とが設けられている。
また、周波数変換部26の入力端子711はΔΣ変調部25−1と接続されており、入力端子712はΔΣ変調部25−2と接続されている。また、出力端子713はドライバアンプ3と相互反転出力部24とに接続されている。
なお、入力端子711に入力される同相パルス信号と、入力端子712に入力される直交パルス信号との間の位相差は90°である。
局部発振部261は、正弦波形および局部発振周波数fmodを有する信号wave_Iを生成して乗算部262および移相部263へ出力する。なお、この信号wave_Iの局部発振周波数fmodと、デジタル信号のキャリア周波数fcとは同じ値である。
移相部263は、局部発振部261から出力されてきた信号wave_Iと位相が直交する信号wave_Qを生成して乗算部264へ出力する。
乗算部262は、入力端子711に入力された同相パルス信号と、局部発振部261から出力されてきた信号wave_Iとを乗算した信号を加算部265へ出力する。
乗算部264は、入力端子712に入力された直交パルス信号と、移相部263から出力されてきた信号wave_Qとを乗算した信号を加算部265へ出力する。
加算部265は、乗算部262から出力されてきた信号と乗算部264から出力されてきた信号とを加算した信号を、「制御信号」として出力端子713を介して相互反転出力部24とドライバアンプ3とへ出力する。なお、「制御信号」とは、接地スイッチ43のオンまたはオフを制御するための信号である。
これにより、周波数変換部26は、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた同相パルス信号およびΔΣ変調部25−2から出力されてきた直交パルス信号に、信号wave_Iおよび信号wave_Qが有する局部発振周波数fmodと同じ値のオフセット周波数を付加して相互反転出力部24とドライバアンプ3とへ出力する。
つまり、周波数変換部26は、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた同相パルス信号およびΔΣ変調部25−2から出力されてきた直交パルス信号それぞれを、局部発振部261が出力した信号wave_Iの局部発振周波数fmodだけ高周波側にシフトさせて相互反転出力部24およびドライバアンプ3へ出力する。
なお、局部発振部261として、デジタル値で擬似的に正弦波を表現した信号wave_Iを出力するデジタル発振器を用いてもよい。
ここで、局部発振部261が、「1、0、−1、0、・・・」の順序を基本パターンとするデータ列から成り、かつクロックに同期した擬似正弦波を、信号wave_Iとして生成して出力する場合を考える。
この場合、移相部263は、信号wave_Iのデータ列の順番を1つだけ遅延させた「0、1、0、−1、・・・」の順番を基本パターンとするデータ列から成る擬似正弦波を、信号wave_Qとして生成する。
さらに、入力端子711に「inI_1、inI_2、inI_3、inI_4、…」の順番で同相パルス信号のシンボルが入力され、入力端子712に「inQ_1、inQ_2、inQ_3、inQ_4、…」の順番で直交パルス信号のシンボルが入力される場合を考える。
この場合、周波数変換部26は、「inI_1、inQ_2、inI_3、inQ_4」を出力端子713から順次出力する。すなわち、周波数変換部26が出力する制御信号を、「1」と「−1」との2つの値で表現したパルス信号に変換することが可能となる。
つぎに、図1に示した遅延調整部23の構成について、図6を参照して説明する。
図6に示すように、図1に示した遅延調整部23は、直列に接続されたL個の単位遅延器231−1〜231−Lを有する。単位遅延器231−1〜231−Lの台数Lは、任意でよい。
また、遅延調整部23の入力端子714は包絡線比較部21と接続されている。また、遅延調整部23の出力端子715は相互反転出力部24と接続されている。
単位遅延器231−1〜231−(L−1)のそれぞれは、入力したスイッチ指定信号を遅延させて次段の単位遅延器へ出力する。また、最終段の単位遅延器231−Lは、単位遅延器231−(L−1)から出力されてきたスイッチ指定信号を遅延させて相互反転出力部24へ出力する。
つぎに、図1に示した相互反転出力部24について、図7を参照して説明する。
図7に示す相互反転出力部24の入力端子716は遅延調整部23と接続されており、入力端子717は周波数変換部26と接続されている。また、出力端子718−1〜718−Nのそれぞれは、図1に示したドライバアンプ3を介してスイッチ41−1〜41−Nと個々に接続されている。
相互反転出力部24は、図7に示す真理値表に対応する動作を行う。
つまり、相互反転出力部24は、遅延調整部23から選択値kを示すスイッチ指定信号が出力されてきた場合、周波数変換部26から出力されてきた制御信号の極性を反転した「反転信号」を、k番目の出力端子718−kから出力する。また、相互反転出力部24は、出力端子718−k以外の出力端子からはオフ信号を出力する。
ここで、「オフ信号」とは、複数のスイッチ41−1〜41−Nのうちの反転信号を入力したスイッチ以外のスイッチすべてをオフにするための信号である。オフ信号の信号形式については、特に限定しない。
なお、信号生成部2がデジタル信号を入力してから遅延調整部23がスイッチ指定信号を出力端子715から出力するまでの時間Tlook1は、以下の式10で表される。
Figure 0005347885
上述した式10に示したT_envは、包絡線比較部21の遅延時間である。また、T_delは、遅延調整部23の遅延時間である。
また、信号生成部2がデジタル信号を入力してから周波数変換部26が制御信号を出力端子713から出力するまでの時間Tlook2は、以下の式11で表される。
Figure 0005347885
上述した式11に示したT_vgaは、同相成分増幅部221と直交成分増幅部222とのどちらか一方の遅延時間である。また、T_dsmは、ΔΣ変調部25−1とΔΣ変調部25−2とのどちらか一方の遅延時間である。また、T_iqmは、周波数変調部26の遅延時間である。
相互反転出力部24の入力端子716へ入力されるスイッチ指定信号と入力端子717へ入力される制御信号とを同期させる場合、時間Tlook1と時間Tlook2とを同じ値に設定する必要がある。
なお、式10に示した包絡線比較部21の遅延時間T_envと、式11に示した同相成分増幅部221または直交成分増幅部222のいずれかの遅延時間T_vgaとは、ほぼ「0」に等しいため無視できる。
そのため、本実施形態では、遅延調整部23の遅延時間T_delと、ΔΣ変調部25−1または25−2の遅延時間T_dsmおよび周波数変調部26の遅延時間T_iqmの加算値とは、同一の「所定時間Tlooka」に設定される。
つまり、信号生成部2がデジタル信号を入力してから所定時間Tlookaが経過した際、相互反転出力部24が具備する入力端子716にスイッチ指定信号が入力されるとともに、入力端子717に制御信号が入力される。
図1に示したドライバアンプ3は、信号生成部2から出力されてきた制御信号とオフ信号と反転信号とのそれぞれの波形を維持したままでこれらの信号の電圧値を増幅する。
そして、ドライバアンプ3は、増幅した制御信号を接地スイッチ43へ出力する。
また、ドライバアンプ3は、増幅した反転信号をスイッチ41−1〜41−Nのうちのいずれか1個へ出力するとともに、残りのすべてのスイッチへ増幅したオフ信号を出力する。
増幅器4は、ドライバアンプ3から出力されてきた反転信号を入力しているスイッチから、その反転信号に応じて出力される電圧を通信部51へ印加する。
増幅器4には、図1に示したように、電源42−1〜42−Nと、電源42−1〜42−Nそれぞれと個々に接続されたスイッチ41−1〜41−Nと、接地スイッチ43とが設けられている。
電源42−1〜42−Nそれぞれの電圧値は、「基準電圧値Vdd」を互いに異なる複数の所定値akで個々に除算した値と同じ電圧値である。
スイッチ41−1〜41−Nは、Highレベルの反転信号がドライバアンプ3から出力されてきた場合、オンとなる。また、スイッチ41−1〜41−Nは、Lowレベルの反転信号がドライバアンプ3から出力されてきた場合、オフとなる。
また、接地スイッチ43は、Highレベルの制御信号がドライバアンプ3から出力されてきた場合、オンとなる。また、接地スイッチ43は、Lowレベルの制御信号がドライバアンプ3から出力されてきた場合、オフとなる。
以下に、スイッチ41−1〜41−N、接地スイッチ43の構成について、図8を参照して説明する。なお、スイッチ41−1〜41−N、接地スイッチ43は、互いに同じ構成を有するため、以下では、接地スイッチ43の構成を例に挙げて説明する。
図8(a)、図8(b)に示すように、接地スイッチ43は、制御端子720と、信号端子721と、信号端子722とを有する。
図8(a)に示すように、制御端子720にHighレベルの制御信号が入力された場合、信号端子721と信号端子722とが接続され、接地スイッチ43がオン(短絡状態)となる。
また、図8(b)に示すように、制御端子720にLowレベルの制御信号が入力された場合、信号端子721と信号端子722とが切り離され、接地スイッチ43がオフ(開放状態)となる。
なお、接地スイッチ43は、図8(c)に示すように、キャリアが電子であるNch(Nチャネル)のMOSトランジスタを用いて実現することができる。この場合、制御端子720には当該トランジスタのゲート端子が対応し、信号端子721にはドレイン端子が対応し、信号端子722にはソース端子が対応する。
また、接地スイッチ43は、図8(d)に示すように、バイポーラトランジスタを用いて実現することができる。この場合、制御端子720にはベース端子が対応し、信号端子721にはコレクタ端子が対応し、信号端子722にはエミッタ端子が対応する。
図1に示したスイッチ41−1〜41−Nそれぞれの信号端子721は、電源42−1〜42−Nと個々に接続されている。また、接地スイッチ43の信号端子722は、接地されている。
また、スイッチ41−1〜41−Nそれぞれの信号端子722は、接地スイッチ43の信号端子721と通信部51とに接続されている。
また、スイッチ41−1〜41−Nおよび接地スイッチ43の各制御端子720は、ドライバアンプ3と個々に接続されている。
通信部51は、増幅器4から出力されてきたパルス信号のうちの所望の周波数成分以外の周波数成分をフィルタ(図示せず)により低減してから、無線信号としてアンテナ5を介して外部へ送信する。
つぎに、上記構成を有する無線通信装置1が、デジタル信号を無線信号として外部へ送信する動作について説明する。
まず、包絡線比較部21は、デジタルベースバンド出力部6から出力されてきたデジタル信号の同相成分の二乗とデジタル信号の直交成分の二乗とを加算した二乗和(Venv)2を算出する。
続いて、包絡線比較部21は、この二乗和(Venv)2と、定数記憶部212−1〜212−(N−1)からそれぞれ読み出した包絡線比較値の二乗(Vmax/a22〜(Vmax/aN2とを比較する。
包絡線比較部21は、比較の結果、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2よりも大きな場合、選択値「1」を示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
また、包絡線比較部21は、包絡線の値Venvが特定の包絡線比較値Vmax/am以下であり、かつ包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a(m+1)よりも大きな場合、選択値mを示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
また、包絡線比較部21は、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/aN以下である場合、選択値Nを示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22、遅延調整部23へ出力する。
すると、遅延調整部23は、包絡線比較部21から出力されてきたスイッチ指定信号を所定時間Tlookaだけ遅延させて相互反転出力部24へ出力する。
また、同相成分増幅部221は、包絡線比較部21から出力されてきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、図3に示した増幅器2211−1〜2211−Nが増幅率a1〜aNでそれぞれ増幅したデジタル信号の同相成分のうち1つを選択して出力端子707を介してΔΣ変調部25−1へ出力する。
また、直交成分増幅部222は、包絡線比較部21から出力されてきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、増幅器2211−1〜2211−Nが増幅率a1〜aNでそれぞれ増幅したデジタル信号の直交成分のうち1つを選択してΔΣ変調部25−2へ出力する。
すると、ΔΣ変調部25−1は、同相成分増幅部221から出力されてきたデジタル信号の同相成分を、ビット幅が1ビットから成る同相パルス信号へ変換して周波数変換部26へ出力する。
また、ΔΣ変調部25−2は、直交成分増幅部222から出力されてきたデジタル信号の直交成分を、ビット幅が1ビットから成る直交パルス信号へ変換して周波数変換部26へ出力する。
続いて、周波数変換部26は、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた同相パルス信号およびΔΣ変調部25−2から出力されてきた直交パルス信号それぞれを、局部発振部261が出力した信号wave_Iの局部発振周波数fmodだけ高周波側にシフトさせた制御信号を生成する。そして、周波数変換部26は、制御信号を相互反転出力部24およびドライバアンプ3へ出力する。
その後、信号生成部2がデジタル信号を入力してから所定時間Tlookaが経過した際、相互反転出力部24の入力端子716にスイッチ指定信号が入力されるとともに、入力端子717に制御信号が入力される。
すると、相互反転出力部24は、遅延調整部23から選択値kを示すスイッチ指定信号が出力されてきた場合、周波数変換部26から出力されてきた制御信号の極性を反転した反転信号を、k番目の出力端子718−kから出力する。また、相互反転出力部24は、出力端子718−k以外の出力端子からはオフ信号を出力する。
続いて、ドライバアンプ3は、信号生成部2から出力されてきた制御信号とオフ信号と反転信号とのそれぞれの波形を維持したままでこれらの信号の電圧値を増幅する。
そして、ドライバアンプ3は、増幅した制御信号を接地スイッチ43へ出力する。また、ドライバアンプ3は、増幅した反転信号をスイッチ41−1〜41−Nのうちのいずれか1個へ出力するとともに、残りのすべてのスイッチへ増幅したオフ信号を出力する。
すると、増幅器4は、ドライバアンプ3から出力されてきた反転信号を入力しているスイッチから、その反転信号に応じて出力される電圧を通信部51へ印加する。
なお、増幅器4は、スイッチ41−kにHighレベルの反転信号が入力された場合、電源42−kの電圧値Vdd/akの電圧を通信部51へ印加する。また、増幅器4は、スイッチ41−kにLowレベルの反転信号が入力された場合、接地スイッチ43を介して接地電位の電圧を通信部51へ印加する。
つまり、包絡線比較部21が選択値kを示すスイッチ指定信号を出力した場合、増幅器4は、図13に示した電源1320に代えて電圧値「Vdd/ak」の電源42−kが設けられたD級増幅器1300の動作と同じ動作を行う。
一般的に、D級増幅器が出力する信号の振幅は、そのD級増幅器に設けられた電源の電圧値に比例する。そのため、電源42−kと接続されたスイッチ41−kがオンした場合に増幅器4が出力する信号の電力は、電源の電圧値がVddである場合に増幅器4が出力する信号の電力の1/(ak2倍となる。
同相成分増幅部221、直交成分増幅部222それぞれが増幅率として所定値akを選択した場合、通信部51には電圧値Vdd/akの電源42−kが接続される。増幅器4が出力するパルス信号の電力は、上記増幅率と電圧値の積に比例することを考慮すると、増幅器4が出力するパルス信号の電力の平均値は、式5に示したD級増幅器1300から出力されるパルス信号の電力の平均値Pdaveと同じ値となる。
また、同相成分増幅部221、直交成分増幅部222が増幅率として所定値akを設定した場合、増幅器4における電力損失Ploss_lowは、式3に示した電圧値Vddを電源42−kの電圧値Vdd/akに置換することにより、以下の式12で表される。
Figure 0005347885
式12に示した電力損失Ploss_lowは、式3に示したD級増幅器1300の電力損失の1/(ak2倍である。そのため、実施形態1では、増幅器における電力損失をD級増幅器1300における電力損失よりも低減することが可能となる。
なお、スイッチ41−kへ入力される反転信号の電力と、接地スイッチ43へ入力される制御信号の電力との合計値は、デジタルベースバンド出力部6が出力したデジタル信号の電力の(ak2倍である。これは、利得可変増幅部22がデジタル信号の電圧振幅をak倍に増幅した場合、そのデジタル信号の電力は(ak2倍に増幅されるためである。
また、デジタル信号の包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2よりも大きな場合、スイッチ41−1および接地スイッチ43のみに反転信号および制御信号が入力されるため、増幅器4は、D級増幅器1300の動作と同じ動作を行う。この場合、増幅器4が出力する信号の電力の平均値は、式5に示したD級増幅器1300から出力される信号の電力の平均値Pdaveと同じとなる。また、増幅器4における電力損失は、式3に示したD級増幅器1300における電力損失Plossと同じとなる。
以上で、無線通信装置1がデジタル信号を無線信号として送信する一連の動作が終了する。
なお、電源42−1〜42−Nの個数Nが2個であり、かつ所定値a2=2である際に、デジタル信号の包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2(=Vmax/2)よりも小さな場合、増幅器4が出力する信号の電力はD級増幅器1300が出力する信号の電力と同じ値となる。しかし、この場合、増幅器4にて発生する電力損失は、D級増幅器1300にて発生する電力損失の1/(a22倍(つまり、1/4倍)となる。
ここで、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2以下である確率がPsであり、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2よりも大きな確率が「1−Ps」である場合を考える。この場合、増幅器4における電力損失Ploss_invは、D級増幅器1300における電力損失が式3で与えられることを考慮して、以下の式13で表される。
Figure 0005347885
また、増幅器4の電力効率ηd#invは、式6に示したPlossとして式13に示した電力損失Ploss_lowを代入し、式6に示したPdaveとして式5に示した無線信号の送信電力の平均値Pdaveを代入することにより、以下に示す式14で表される。
Figure 0005347885
式14に示した増幅器4が電力を増幅する効率ηd#invと、式7に示したD級増幅器1300が電力を増幅する効率ηdとを比較することにより、増幅器4はD級増幅器1300よりも高い効率で電力を増幅できることが示される。
また、無線通信装置1がW−CDMA方式で無線通信を行う場合、包絡線の値Venvが包絡線比較値Vmax/a2以下である確率Psは一般的に「0.5」以上となる。
さらに、式14に示した負荷抵抗の抵抗値Rが「10Ω」であり、バックオフAが「10dB」であり、キャリア周波数fcが「2GHz」であり、スイッチ41−1、41−2、接地スイッチ43のドレイン−ソース間の各容量Cdsが「1pF」である場合、増幅器4の平均電力効率ηd#invは33%程度となる。つまり、この計算例では、増幅器4の電力効率を式7に示したD級増幅器1300の電力効率(24%)よりも9%程度向上させることができる。
以上説明したように、本発明の実施形態1によれば、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号の電力を増幅しようとした場合でも、無線通信装置に設けられた増幅器が電力を増幅する効率を高くすることができる。
(実施形態2)
つぎに、実施形態2の無線通信装置1Aについて説明する。
実施形態2の無線通信装置1Aは、信号生成部2に代えて図9に示す信号生成部2Aを有している点と、増幅器4に代えて図9に示す増幅器4Aを有している点とで、図1に示した無線通信装置1と異なっている。
この増幅器4Aは、スイッチ41−1〜41−Nを有していない点と、図9に示す択一スイッチ44、相補スイッチ45を有している点とで、増幅器4と異なっている。
また、信号生成部2Aは、相互反転出力部24を有していない点と、図9に示す反転出力部27を有している点とで、信号生成部2と異なっている。
信号生成部2Aの入力端子701、702はデジタルベースバンド出力部6と接続されている。また、出力端子723はドライバアンプ3を介して択一スイッチ44と接続されており、出力端子724はドライバアンプ3を介して相補スイッチ45と接続されており、出力端子725はドライバアンプ3を介して接地スイッチ43と接続されている。
周波数変換部26は、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた同相パルス信号と信号wave_Iとを乗算した信号と、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた直交パルス信号と信号wave_Qとを乗算した信号とを加算した信号を、制御信号として接地スイッチ43と反転出力部27とへ出力する。
反転出力部27は、周波数変換部26から出力されてきた制御信号の極性を反転させた反転信号を、ドライバアンプ3を介して相補スイッチ45へ出力する。
つまり、接地スイッチ43と相補スイッチ45とのどちらか一方がオンになった場合、残りの他方はオフとなる。なお、この説明例では、相補スイッチ45は、Highレベルの反転信号を入力した場合にオン(短絡状態)となり、Lowレベルの反転信号を入力した場合にオフ(開放状態)となる。また、接地スイッチ43は、Highレベルの制御信号を入力した場合にオンとなり、Lowレベルの制御信号を入力した場合にオフとなる。
択一スイッチ44は、制御端子730と、信号端子740と、「複数の信号端子750−1〜750−N」とを有する。信号端子750−1〜750−Nの個数Nは、任意でよい。
信号端子750−1〜750−Nのそれぞれは、電源42−1〜42−Nと個々に接続されている。また、信号端子740は、相補スイッチ45と接続されている。さらに、制御端子730は、ドライバアンプ3を介して遅延調整部23と接続されている。
択一スイッチ44は、選択値kを示すスイッチ指定信号が遅延調整部23から出力されてきた場合、信号端子750−1〜750−Nのうちの信号端子750−kと信号端子740とを接続する。これにより、電圧値Vdd/akの電源42−kと相補スイッチ45とが接続される。
つぎに、実施形態2の通信装置1Aがデジタル信号を無線信号として外部へ送信する動作について説明する。
まず、包絡線比較部21は、デジタルベースバンド出力部6からデジタル信号が出力されてきた場合、デジタル信号の包絡線の値の二乗(Venv)2と包絡線比較値の二乗(Vmax/a22とを比較する。
そして、包絡線比較部21は、比較の結果に応じて、選択値kを示すスイッチ指定信号を利得可変増幅部22と遅延調整部23とへ出力する。
すると、遅延調整部23は、包絡線比較部21から出力されてきたスイッチ指定信号を所定時間Tlookaだけ遅延させてドライバアンプ3を介して択一スイッチ44へ出力する。
また、同相成分増幅部221は、包絡線比較部21から出力されてきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、増幅率a1〜aNでそれぞれ増幅したデジタル信号の同相成分のうち1つを選択してΔΣ変調部25−1へ出力する。
また、直交成分増幅部222は、包絡線比較部21から出力されてきた選択値kを示すスイッチ指定信号に基づいて、増幅率a1〜aNでそれぞれ増幅したデジタル信号の直交成分のうち1つを選択してΔΣ変調部25−2へ出力する。
すると、ΔΣ変調部25−1、25−2は、同相成分増幅部221、直交成分増幅部222からそれぞれ出力されてきたデジタル信号を、1ビットから成る同相パルス信号、直交パルス信号へそれぞれ変換して周波数変換部26へ出力する。
周波数変換部26は、ΔΣ変調部25−1から出力されてきた同相パルス信号と信号wave_Iとを乗算した信号と、ΔΣ変調部25−2から出力されてきた直交パルス信号と信号wave_Qとを乗算した信号とを加算した信号を、制御信号として接地スイッチ43と反転出力部27とへ出力する。
すると、反転出力部27は、周波数変換部26から出力されてきた制御信号の極性を反転させた反転信号をドライバアンプ3を介して相補スイッチ45へ出力する。なお、ドライバアンプ3は、信号生成部2Aから出力されてきた制御信号、反転信号、スイッチ指定信号それぞれの電力をこれらの信号の波形を維持したままで増幅して増幅器4Aへ出力する。
その後、択一スイッチ44は、選択値kを示すスイッチ指定信号が遅延調整部23から出力されてきた場合、k番目の信号端子750−kと信号端子740とを接続する。すると、電源42−kと相補スイッチ45とが接続される。
なお、増幅器4Aは、相補スイッチ45にHighレベルの反転信号が入力された場合、電源42−kの電圧値Vdd/akの電圧を通信部51へ印加する。また、増幅器4Aは、相補スイッチ45にLowレベルの反転信号が入力された場合、接地スイッチ43を介して接地電位の電圧を通信部51へ印加する。
つまり、実施形態2の増幅器4Aは、実施形態1の増幅器4の動作と同じ動作を行う。
以上説明したように、実施形態2によれば、実施形態1と同様に、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号の電力を増幅しようとした場合でも、無線通信装置に設けられた増幅器が電力を増幅する効率を高くすることができる。
また、実施形態2によれば、増幅器4A内の電源42−1〜42−Nと接続された択一スイッチ44の個数は1個であり、実施形態1の増幅器4が具備するスイッチ41−1〜41−Nの個数よりも少ない値となっている。これにより、無線通信装置に設けられた増幅器が複数の電源を具備している場合でも、増幅器のサイズが大きなものとなってしまうことを抑制することができる。
(実施形態3)
つぎに、実施形態3の無線通信装置1Bについて説明する。
実施形態3の無線通信装置1Bは、信号生成部2に代えて図10に示す信号生成部2Bを有している点で、図1に示した無線通信装置1と異なっている。
この信号生成部2Bは、図10に示すように、遅延調整部23に代えて遅延調整部23Bを有している点と、モード制御部28を有している点とで、図1に示した信号生成部2と異なっている。
図10に示したモード制御部28は、ΔΣ変調部25−1、25−2、周波数変換部26、遅延調整部23Bを制御することにより、信号生成部2Bが出力する制御信号の量子化雑音の周波数分布および制御信号のキャリア周波数fcを制御する。
なお、量子化雑音の周波数分布は、式9aに示したNI(z)、式9bに示したNQ(z)それぞれの係数(式9a、式9bの例では、「(−257+769z−768z2+256z3)/(−232+713z−736z2+256z3)」)に依存して変化する。これらの係数は、ΔΣ変調部25−1、25−2内の図4に示した定倍器2501〜2510それぞれの増幅率が変化するにつれて、変化する。そのため、モード制御部28は、定倍器2501〜2510の増幅率を変更することで、量子化雑音NI(z)、NQ(z)の周波数分布を制御する。
また、モード制御部28は、ΔΣ変調部25−1、25−2の動作クロック周波数を変更する。これにより、モード制御部28は、ΔΣ変調部25−1、25−2から出力される式9a、式9bに示した同相パルス信号YI(z)、直交パルス信号YQ(z)それぞれの電圧レベルを所定の範囲内となるように制御(いわゆるスケーリング)し、それに伴って量子化雑音NI(z)、量子化雑音NQ(z)を所定の範囲内となるように制御する。
また、本実施形態では、制御信号のキャリア周波数fcは、図5に示した周波数変換部26内の局部発振部261が出力する信号wave_Iの局部発振周波数fmodと同じ値である。モード制御部28は、この局部発振周波数fmodを変更することにより、制御信号のキャリア周波数fcを変更する。
また、モード制御部28が定倍器2501〜2510それぞれの増幅率を含む「ΔΣ変調部25−1、25−2の内部回路パラメータ」や動作クロック周波数を変更した場合、ΔΣ変調部25−1、25−2がデジタル信号の同相成分XI(z)、デジタル信号の直交成分XQ(z)をそれぞれ入力してから、同相パルス信号YI(z)、直交パルス信号YQ(z)をそれぞれ出力するまでの遅延時間は変化する。
なお、ΔΣ変調部25−1が同相成分XI(z)を入力して、同相パルス信号YI(z)を出力する場合、ΔΣ変調部25−1における信号遅延DI(ω)は、以下の式15aで表される。
また、ΔΣ変調部25−2が直交成分XQ(z)を入力して、直交パルス信号YQ(z)を出力する場合、ΔΣ変調部25−2における信号遅延DQ(ω)は、以下の式15bで表される。
Figure 0005347885
また、モード制御部28は、遅延調整部23Bがスイッチ指定信号を遅延させる所定時間T_del=Tlookaを調整する。これにより、モード制御部28は、図10に示したΔΣ変調部25−1、25−2における遅延時間T_dsmが変化しても、図7に示した相互反転出力部24の入力端子716へ入力されるスイッチ指定信号と、入力端子717へ入力される制御信号とが同期するように制御する。
なお、モード制御部28は、信号遅延DI(ω)および信号遅延DQ(ω)を算出して遅延調整部23Bへ出力してもよい。
つぎに、図10に示した遅延調整部23Bの構成について、図11を参照して説明する。
図11に示すように、図10に示した遅延調整部23Bは、直列に接続されたL個の単位遅延器231−1〜231−Lと、端子指定部232と、セレクタ233とを有する。
また、遅延調整部23Bの入力端子714は包絡線比較部21と接続されている。また、遅延調整部23Bの出力端子770は相互反転出力部24と接続されている。また、単位遅延器231−1〜231−Lそれぞれは、セレクタ233に設けられた各入力端子760−1〜760−Lと個々に接続されている。また、端子指定部232は、制御端子780を介してモード制御部28と接続されている。
単位遅延器231−1〜231−(L−1)のそれぞれは、入力したスイッチ指定信号を遅延させて次段の単位遅延器および入力端子760−1〜760−(L−1)へ個々に出力する。また、最終段の単位遅延器231−Lは、単位遅延器231−(L−1)から出力されてきたスイッチ指定信号を遅延させて入力端子760−Lへ出力する。
端子指定部232は、モード制御部28から出力されてきた信号遅延DI(ω)および信号遅延DQ(ω)に基づいて、入力端子760−1〜760−Lのうち1つの入力端子を指定するための端子指定信号を生成してセレクタ233へ出力する。ここで、端子指定信号は、入力端子714にスイッチ指定信号が入力されてから単位遅延器231−1〜231−Lのいずれかがスイッチ指定信号を出力するまでの時間と、所定時間Tlookaとが同じとなるような信号であればよい。
セレクタ233は、単位遅延器231−1〜231−Lからそれぞれ出力されてきたスイッチ指定信号のうち1つを、端子指定部232から出力されてきた端子指定信号に基づいて選択して出力端子770から出力する。
以上説明したように、実施形態3によれば、パルス信号の波形を維持したままでパルス信号の電力を増幅しようとした場合でも、無線通信装置に設けられた増幅器が電力を増幅する効率を高くすることができるとともに、増幅器から出力される制御信号のキャリア周波数fcおよび量子化雑音N(z)の周波数分布を制御することができる。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が理解し得る各種の変形が可能である。
1、1A、1B 無線通信装置
2、2A、2B 信号生成部
21 包絡線比較部
22 利得可変増幅部
221 同相成分増幅部
222 直交成分増幅部
23 遅延調整部
24 相互反転出力部
25−1、25−2 ΔΣ変調部
26 周波数変換部
27 反転出力部
28 モード制御部
3 ドライバアンプ
4、4A 増幅器
41−1〜41−N スイッチ
42−1〜42−N 電源
43 接地スイッチ
44 択一スイッチ
45 相補スイッチ
5 アンテナ
51 通信部
6 デジタルベースバンド出力部

Claims (10)

  1. デジタル信号を無線送信する無線通信装置であって、
    あらかじめ設定された複数の増幅率のうち前記デジタル信号の電圧レベルに応じた増幅率で該デジタル信号を増幅する信号生成部と、
    該信号生成部が増幅したデジタル信号のうち、正極性の電圧レベルを、あらかじめ設定された基準電圧値を該増幅率で除算した電圧値に変換して出力し、負極性の電圧レベルを接地レベルに変換して出力する増幅器と、
    該増幅器から出力されたデジタル信号を無線信号として送信する通信部とを有し、
    前記増幅器は、前記基準電圧値を前記複数の増幅率それぞれで除算した電圧値をそれぞれ出力する複数の電源と、前記複数の電源の出力を個々に遮断する複数のスイッチとを有し、
    前記信号生成部は、
    所定の最大電圧値を前記複数の増幅率で個々に除算した複数の包絡線比較値と前記デジタル信号の電圧レベルとの大小関係に基づいて、前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択するための選択値を出力する包絡線比較部と、
    該選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号を増幅する利得可変増幅部と、
    前記増幅されたデジタル信号を1ビットから成るパルス信号へ変換するΔΣ変調部と、
    前記パルス信号を所定のオフセット周波数だけ高周波側にシフトさせた信号を制御信号として生成する周波数変換部と、
    前記包絡線比較部が出力した選択値に基づいて前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択し、該選択したスイッチへ前記制御信号の極性を反転させた反転信号を出力し、前記複数のスイッチのうち該選択されたスイッチ以外のスイッチへ前記電源の出力を遮断させる相互反転出力部とを有し、
    前記選択されたスイッチは、該反転信号がHighレベルである場合にオンとなって前記電源の電圧を出力し、該反転信号がLowレベルである場合にオフとなって前記電源の出力を遮断し、
    前記増幅器は、接地電位と接続された接地スイッチをさらに有し、
    前記接地スイッチは、前記制御信号がLowレベルである場合にオフとなって前記接地レベルの出力を遮断し、前記制御信号がHighレベルである場合にオンとなって前記接地レベルを出力する、無線通信装置。
  2. 請求項に記載の無線通信装置において、
    前記利得可変増幅部は、前記選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号の同相成分を増幅する同相成分増幅部と、前記選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号の直交成分を増幅する直交成分増幅部とを有し、
    前記ΔΣ変調部は、前記同相成分増幅部が増幅したデジタル信号の同相成分を1ビットから成る同相パルス信号へ変換するとともに、前記直交成分増幅部が増幅したデジタル信号の直交成分を1ビットから成る直交パルス信号へ変換し、
    前記周波数変換部は、前記同相パルス信号と前記直交パルス信号とに基づいて、前記制御信号を生成することを特徴とする無線通信装置。
  3. 請求項に記載の無線通信装置において、
    前記周波数変換部は、正弦波状の信号を出力する局部発振部と、前記局部発振部が出力した信号と直交する信号を生成する移相部とを有し、前記同相パルス信号と前記局部発振部が出力した信号とを乗算した信号と、前記直交パルス信号と前記移相部が出力した信号とを乗算した信号とを加算した信号を、前記制御信号として生成することを特徴とする無線通信装置。
  4. 請求項に記載の無線通信装置において、
    前記信号生成部は、前記包絡線比較部が出力した選択値と、前記周波数変換部が出力した前記制御信号とを前記相互反転出力部が同じタイミングで入力するように前記選択値の出力タイミングを遅延させる遅延調整部を有することを特徴とする無線通信装置。
  5. 請求項に記載の無線通信装置において、
    前記ΔΣ変調部が、前記デジタル信号の同相成分をそれぞれ一定の増幅率で増幅する複数の定倍器と、前記デジタル信号の直交成分をそれぞれ一定の増幅率で増幅する複数の定倍器とを有している場合、
    前記同相パルス信号および前記直交パルス信号それぞれの電圧レベルが所定の範囲内となるように前記ΔΣ変調部の動作クロック周波数および前記複数の定倍器それぞれの増幅率を制御し、かつ前記局部発振部が出力する前記正弦波状の信号の局部発振周波数を変更することにより前記制御信号の周波数を変更するモード制御部をさらに有することを特徴とする無線通信装置。
  6. デジタル信号を無線送信する無線通信装置における無線通信方法であって、
    あらかじめ設定された複数の増幅率のうち前記デジタル信号の電圧レベルに応じた増幅率で該デジタル信号を増幅する信号生成処理と、
    該信号生成処理にて増幅したデジタル信号のうち、正極性の電圧レベルを、あらかじめ設定された基準電圧値を該増幅率で除算した電圧値に変換して出力し、負極性の電圧レベルを接地レベルに変換して出力する増幅処理と、
    該増幅処理にて出力されたデジタル信号を無線信号として送信する通信処理とを有し、
    当該無線通信装置が、前記基準電圧値を前記複数の増幅率それぞれで除算した電圧値をそれぞれ出力する複数の電源と、前記複数の電源の出力を個々に遮断する複数のスイッチと、接地電位と接続された接地スイッチと、を有している場合、
    前記信号生成処理では、
    所定の最大電圧値を前記複数の増幅率で個々に除算した複数の包絡線比較値と前記デジタル信号の電圧レベルとの大小関係に基づいて、前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択するための選択値を出力する包絡線比較処理と、
    該選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号を増幅する利得可変増幅処理と、
    前記増幅されたデジタル信号を1ビットから成るパルス信号へ変換するΔΣ変調処理と、
    前記パルス信号を所定のオフセット周波数だけ高周波側にシフトさせた信号を制御信号として生成する周波数変換処理と、
    前記包絡線比較処理にて出力した選択値に基づいて前記電源からの出力を遮断させないスイッチを選択し、該選択したスイッチへ前記制御信号の極性を反転させた反転信号を出力し、前記複数のスイッチのうち該選択されたスイッチ以外のスイッチへ前記電源の出力を遮断させる相互反転出力処理とを行い、
    前記増幅処理では、
    前記選択されたスイッチは、該反転信号がHighレベルである場合にオンとなって前記電源の電圧を出力し、該反転信号がLowレベルである場合にオフとなって前記電源の出力を遮断し、
    前記接地スイッチは、前記制御信号がLowレベルである場合にオフとなって前記接地レベルの出力を遮断し、前記制御信号がHighレベルである場合にオンとなって前記接地レベルを出力する、無線通信方法。
  7. 請求項に記載の無線通信方法において、
    前記利得可変増幅処理では、前記選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号の同相成分を増幅する同相成分増幅処理と、前記選択値に基づいて選択される電源の電圧値の設定に用いた増幅率で前記デジタル信号の直交成分を増幅する直交成分増幅処理とをさらに行い、
    前記ΔΣ変調処理では、前記同相成分増幅処理にて増幅したデジタル信号の同相成分を1ビットから成る同相パルス信号へ変換するとともに、前記直交成分増幅処理にて増幅したデジタル信号の直交成分を1ビットから成る直交パルス信号へ変換し、
    前記周波数変換処理では、前記同相パルス信号と前記直交パルス信号とに基づいて、前記制御信号を生成することを特徴とする無線通信方法。
  8. 請求項に記載の無線通信方法において、
    前記周波数変換処理では、正弦波状の信号を出力する局部発振処理と、前記局部発振処理にて出力した信号と直交する信号を生成する移相処理とを行い、前記同相パルス信号と前記局部発振処理にて出力した信号とを乗算した信号と、前記直交パルス信号と前記移相処理にて出力した信号とを乗算した信号とを加算した信号を、前記制御信号として生成することを特徴とする無線通信方法。
  9. 請求項に記載の無線通信方法において、
    前記信号生成処理では、前記包絡線比較処理にて出力した選択値と、前記周波数変換処理にて出力した前記制御信号とを前記相互反転出力処理へ同じタイミングで入力するように前記選択値の出力タイミングを遅延させる遅延調整処理を有することを特徴とする無線通信方法。
  10. 請求項に記載の無線通信方法において、
    当該無線通信装置が前記ΔΣ変調処理を行うΔΣ変調部を具備し、該ΔΣ変調部が前記デジタル信号の同相成分をそれぞれ一定の増幅率で増幅する複数の定倍器と、前記デジタル信号の直交成分をそれぞれ一定の増幅率で増幅する複数の定倍器とを有している場合、
    前記同相パルス信号および前記直交パルス信号それぞれの電圧レベルが所定の範囲内となるように前記ΔΣ変調部の動作クロック周波数および前記複数の定倍器それぞれの増幅率を制御し、かつ前記局部発振処理にて出力する前記正弦波状の信号の局部発振周波数を変更することにより前記制御信号の周波数を変更するモード制御処理をさらに有することを特徴とする無線通信方法。
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