以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能および名称も同一である。従って、それらについての詳細な説明は繰返さない。
本発明の実施の形態においては、情報機器は画像処理装置の1種である画像形成装置であって、情報処理装置はサーバコンピュータであって、これらを含むシステムは画像形成システムであるとして説明する。なお、この画像形成装置は、MFPとして説明する。しかしながら、本実施の形態に係る情報機器は、このような画像形成装置以外の画像処理装置であっても、画像処理装置以外の機器であって記憶ユニットおよび通信ユニットを備えた機器であっても構わない。すなわち、本実施の形態に係る情報機器は、他の装置と通信する通信機能と、機密情報を含む情報を記憶する記憶機能とを備える情報機器であればよい。なお、このような情報機器は多くの場合において、表示機能および操作機能(これらを兼用するタッチパネルディスプレイ等であっても構わない。)を備えることが多い。
また、本実施の形態に係る情報機器である画像形成装置の状態(設置場所の状態および記憶ユニットの状態)に基づいて、その使用を許可するか否かについての情報を処理する情報処理装置は、FSS(フィールドサポートシステム)サーバコンピュータとして説明する。しかしながら、本実施の形態に係る情報処理装置は、このようなFSSサーバコンピュータ以外のコンピュータであっても構わない。ここで、このFSSサーバコンピュータについて説明する。
このFSSサーバコンピュータは、最近のネットワーク(インターネット)の発展に伴い、企業等などにおいて、技術や製品仕様の情報、顧客情報、障害情報などのナレッジをデータベースシステムとしてハードディスクに蓄積し、そのナレッジを活用してMFPユーザをサポートするシステムを実現するための情報処理装置である。このようなFSSにより、業務の効率化、顧客対応の迅速化およびコストの削減が図られている。MFPを対象としたFSSにおいては、顧客管理、サービス管理用のデータベースシステムを備えたカスタマセンタに対してMFPの状態に関する情報を伝達可能としたシステムが構築されたり、またカスタマセンタから遠隔でMFPを操作してMFPの設定変更可能としたシステムが構築されたりする。このような構成では、カスタマセンタのFSSサーバコンピュータからMFPへアクセスし、MFPの設定変更を行なうことにより、サービスマンが訪問することなくトラブルを解決することも可能である。
本実施の形態においては、1つの機能としてこのような画像処理装置のリモートメンテナンス機能を備えるFSSサーバコンピュータを情報処理装置として用いて、画像形成装置の状態(設置場所および記憶ユニットの状態)に基づいて、その使用を許可するか否かについての情報を処理する。
さらに、以下の実施の形態においては、複数のMFPを備えたネットワーク画像形成システムについて説明するが、上述の情報処理装置と通信する1台のMFPのみでネットワーク画像形成システムが構成されていても構わない。また、情報機器がMFPではない場合には、ネットワーク画像形成システムではなく、ネットワーク情報処理システムとなる。
このように、本実施の形態においては、FSSサーバコンピュータと、そのFSSサーバコンピュータと通信する通信機能および機密情報を記憶する記憶機能を備えたMFPとにより構成されるネットワーク画像形成システムについて説明するが、本発明は、さらに一般的な構成である、情報処理装置と、その情報処理装置と通信する通信機能および機密情報を記憶する記憶機能を備えた情報機器とにより構成されるネットワーク情報処理システムであればよい。
[全体システム構成]
図1を参照して、本発明の実施の形態に係るネットワーク画像形成システムの全体構成について説明する。このネットワーク画像形成システムは、コピー要求または印刷要求を受けて記録用紙に画像を印刷したり、送信要求を受けて画像データを他のコンピュータへ送信したり、スキャン要求を受けて走査して得られた画像データを記憶装置(内蔵ハードディスク)へ記憶したりするMFP(1)300〜MFP(3)300(以下、MFP(1)300〜MFP(3)300をMFP300と記載する場合がある。)と、MFP300から送信された使用許可要求を処理するFSSサーバコンピュータ200とを含む。これらのFSSサーバコンピュータ200およびMFP300は、ネットワーク回線(構内LAN回線)400およびインターネット網500により通信可能に接続されている。なお、MFP(1)300〜MFP(3)300は、同じ参照符号を付しているが全く同じ機能を備えるMFPであるとは限らない。また、インターネット網500は、イントラネット網であっても構わない。
本実施の形態におけるFSSサーバコンピュータ200は、MFPを一意に識別するマシンID(IDentification)をキーとして、マシン管理テーブルに登録情報および使用許可情報を記憶する。FSSサーバコンピュータ200は、ネットワーク回線400およびインターネット網500を介してMFP300から受信した使用許可要求信号(この信号はマシンIDおよび消去済フラグを含む。)に応答して、使用許可要求信号を送信してきたMFP300の使用を許可するか否かを判定する。このとき、FSSサーバコンピュータ200は、マシン管理テーブルに記憶された情報の中でMFP300から送信されたマシンIDにより特定される情報およびMFP300から送信されたフラグに基づいて、MFP300の使用を許可するか否かを判定する。FSSサーバコンピュータ200は、使用許可信号または使用不許可信号を、MFP300へネットワーク回線400およびインターネット網500を介して送信する。MFP300は、FSSサーバコンピュータ200から、使用許可信号を受信すると画像形成処理が可能な状態になり、使用不許可信号を受信する(または使用許可信号を受信しないと)画像形成処理が可能な状態にならない。
このように、本実施の形態においては、ネットワーク回線400に接続されておらず使用許可状態でないMFP300を使用したいユーザが、MFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルを接続すると、MFP300はFSSサーバコンピュータ200へ使用許可要求信号を送信して、MFP300はFSSサーバコンピュータ200から使用許可信号または使用不許可信号を受信する。このとき、MFP300は、ネットワーク回線400を経由してFSSサーバコンピュータ200に接続しない状態では使用できないモード(以下において、このモードをFSSモードと記載する。)で動作する。たとえば、レンタル契約の期間中またはリース契約の期間中においては、このようなFSSモードが設定される。なお、このようなFSSモードでは、たとえば、ネットワークにおけるIP(Internet Protocol)アドレスの種類が制限される。このFSSモードにおいては、IPアドレスは、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバにより自動付与される一時的なアドレスが認められない。ただし、本発明の適用が、レンタル契約およびリース契約が締結されている情報機器(画像形成装置)に限定されるものではない。
なお、以下においては、図面等において、FSSサーバコンピュータ200を単にサーバと、MFP300を単にMFPと記載する場合がある。
[ハードウェア構成]
<FSSサーバコンピュータ200>
図2を参照して、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムを構成するFSSサーバコンピュータ200は、バス290と、バス290に接続されたCPU(Central Processing Unit)210と、バス290に接続されたROM(Read−Only Memory)220と、バス290に接続されたRAM(Random Access Memory)230と、バス290に接続されたハードディスク(HDD)240と、バス290に接続され、光ディスク282が装着可能で、光ディスク282に対する情報の書込および光ディスク282からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ280と、バス290に接続され、マウス252およびキーボード254との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力インターフェイス(以下「入力IF」と呼ぶ。)250と、バス290に接続され、ディスプレイ262との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイインターフェイス(以下「ディスプレイIF」と呼ぶ。)260と、有線または無線(本実施の形態においては有線であるが無線であっても構わない。)によりネットワーク回線400およびインターネット網500への接続を提供するネットワークインターフェイス(以下「ネットワークIF」と呼ぶ。)270とを含む。なお、FSSサーバコンピュータ200は、磁気ディスクが装着可能で、磁気ディスクに対する情報の書込および磁気ディスクからの情報の読出が可能な磁気ディスクドライブを、光ディスクドライブ280に代えて/加えて、備えるようにしても構わない。
バス290、ROM220、RAM230、ハードディスク240、光ディスクドライブ280、入力IF250、ディスプレイIF260およびネットワークIF270は、いずれもCPU210の制御のもとに協調して動作し、本実施の形態に係る情報処理装置として、FSSサーバコンピュータ200は種々のアプリケーションによる処理を実現する。それらのアプリケーションは、たとえば、ネットワーク回線400に接続されたMFP300から送信された使用許可要求信号に応答して、MFP300へ使用許可信号または使用不許可信号を送信するための、ネットワーク画像形成システムにおける情報処理装置を実現する。
FSSサーバコンピュータ200に、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける情報処理装置としての動作を行なわせるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ280に挿入される光ディスク282に記憶され、さらにハードディスク240に転送される。または、プログラムはネットワーク回線400を通じてFSSサーバコンピュータ200に送信されハードディスク240に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM230にロードされる。光ディスク282から、またはネットワーク回線400を介して、直接にRAM230にプログラムをロードしてもよい。
これらのプログラムは、FSSサーバコンピュータ200に本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける情報処理装置として動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはFSSサーバコンピュータ200上で動作するオペレーティングシステム(OS)もしくはサードパーティのプログラム、またはFSSサーバコンピュータ200にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。従って、このプログラムは、本実施の形態に係る画像形成システムを実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能または「ツール」を呼出すことにより、上記したFSSサーバコンピュータ200として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。FSSサーバコンピュータ200の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
<MFP300>
−全体構成−
図3を参照して、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムを構成するMFP300は、バス390と、バス390に接続されたCPU310と、バス390に接続されたROM320と、バス390に接続されたRAM330と、バス390に接続されたハードディスク(HDD)340と、バス390に接続され、タッチパネルディスプレイ380との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力IF350およびディスプレイIF360と、バス390に接続され、有線または無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線400およびインターネット網500への接続を提供するネットワークIF370とを含む。なお、図3には図示していないが、MFP300は、スタートボタンおよびテンキーボタン等のハードウェアボタンを備える。
MFP300のハードディスク340には、このMFP300を使用するユーザのためのユーザデータ記憶領域342と、このMFP300についての設定パラメータを記憶する設定パラメータ記憶領域344と、ユーザデータ記憶領域342の初期化状態に対応した消去済フラグを記憶するフラグ記憶領域346と、このMFP300のマシンIDを記憶するマシンID記憶領域とを含む。なお、これらの一部は他の記憶ユニット(ROM320またはRAM330)に記憶されるものでも構わない。また、FSSサーバコンピュータ200に接続するための情報(IPアドレス、URL(Uniform Resource Locators)等)もこのハードディスク340に記憶されている。
ユーザデータ記憶領域342には、スキャンされた原稿の画像データ、コンピュータから送信された画像データ(プリントデータ)、このMFP300におけるジョブについてのログデータ、このMFP300を用いてFAX送信するときに用いるアドレス帳データ等が記憶される。このユーザデータ記憶領域342は、メンテナンスを行なうサービスマン等により初期化することができる。
設定パラメータ記憶領域344には、たとえば、このMFP300が操作されない場合に省エネルギーモードへ移行する時間が記憶されている。また、設定パラメータ記憶領域344には、通信設定パラメータである、このMFP300に対して設定されたFAX用の電話回線番号およびネットワーク通信用のIPアドレスが記憶されている。なお、この通信設定パラメータは、ネットワーク通信用のIPアドレスのみであっても構わない。さらに、電話回線により、FSSサーバコンピュータ200とMFP300とが接続される場合には、この通信設定パラメータは、FAX用の電話回線番号のみであっても構わない。
フラグ記憶領域346には、ユーザデータ記憶領域342の初期化状態を示す消去済フラグが記憶されている。ユーザデータ記憶領域342が初期化されてユーザデータが何も記憶されていないときには、セット状態(2進数で示すと「1」)の消去済フラグがフラグ記憶領域346に記憶されている。一方、ユーザデータ記憶領域342にユーザデータが記憶されているときには、リセット状態(2進数で示すと「0」)の消去済フラグがフラグ記憶領域346に記憶されている。
製造者から出荷された直後のMFP300を用いて(出荷時はユーザデータ記憶領域342にユーザデータが記憶されておらず消去済フラグはセット状態)、一度目のジョブが実行されると、セット状態の消去済フラグがリセットされる(「1」から「0」へ)。
ジョブが実行された後において、サービスマン等によりユーザデータ記憶領域342が初期化されると、リセット状態の消去済フラグがセットされる(「0」から「1」へ)。さらに、このようにしてユーザデータ記憶領域342が初期化されたMFP300でジョブが実行されると、セット状態の消去済フラグが再度リセットされる(「1」から「0」へ)。なお、フラグ記憶領域346に記憶された消去済フラグをセットすることは、ユーザデータ記憶領域342を初期化する方法以外のどのような方法を用いても、不可能である。すなわち、ユーザデータ記憶領域342を初期化する以外に、消去済フラグをセットすることはできない。
マシンID記憶領域348には、このネットワーク画像形成システムに接続されたMFPを一意に特定するマシンID(シリアル番号でもよい。)が記憶される。このマシンIDは、基本的に、書き換えることができない。
バス390、ROM320、RAM330、ハードディスク340、入力IF350、ディスプレイIF360およびネットワークIF370は、いずれもCPU310の制御のもとに協調して動作し、MFP300において、プリント処理、FAX送受信処理、スキャナ処理およびコピー処理ならびにアプリケーションを実現する。なお、これらの処理は、図3においては図示していないMFP300を構成する各部品がCPU310により制御されて実行される。また、アプリケーションは、たとえば、MFP300をネットワーク回線400に接続した場合に、FSSサーバコンピュータ200へ使用許可要求信号を送信して、FSSサーバコンピュータ200から受信した信号に基づいて動作するための、ネットワーク画像形成システムにおける画像形成装置を実現する。
MFP300に、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける画像形成装置としての動作を行なわせるためのコンピュータプログラムは、ハードディスク340に記憶される。または、プログラムはネットワーク回線400およびインターネット網500を通じてアプリケーションサーバコンピュータから送信されハードディスク340に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM330にロードされる。ネットワーク回線400およびインターネット網500を介して、直接にRAM330にプログラムをロードしてもよい。
なお、MFP300は、インターネット網500を介して、FSSサーバコンピュータ200に接続される必要はない。たとえば、一般公衆回線およびモデムを介して、MFP300がFSSサーバコンピュータ200へ使用許可要求信号を送信して、FSSサーバコンピュータ200から使用許可信号または使用不許可信号をMFP300が受信することができることを含めて、接続方法は限定されない。
−MFPにおける画像形成部−
MFP300は、たとえば、原稿読取部、画像形成部、給紙部、および排紙処理装置を備える。MFP300においては、他の装置から受信した画像データまたは原稿読取部により読取られた原稿の画像データに対して、CPU310により各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部へと出力される。なお、このMFP300は、レーザー光を感光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかしながら、他の形式の印刷機能を備えたものであっても構わない。
画像形成部は、画像データによって示される画像を記録用紙に印刷するものであって、たとえば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、および除電装置等を備えている。画像形成部には、たとえば、搬送路が設けられており、給紙部から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。給紙部は、用紙カセットに収納された記録用紙、または手差トレイに載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部の搬送路へと送り出す。
画像形成部の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、更に定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。
転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙は、加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は、排紙トレイに排出される。排紙処理装置においては、複数の記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出する処理、各記録用紙にパンチングする処理、および記録用紙の束にステープルする処理を施す場合がある。たとえば、複数部の印刷物を作成する場合は、各排紙トレイに印刷物の一部ずつが割り当てられるように、各記録用紙を各排紙トレイに仕分けして排出し、排紙トレイごとに、各排紙トレイ上の記録用紙の束にパンチング処理またはステープル処理を施して印刷物を作成する。このような様々な処理が、CPU310による制御の元で行なわれる。なお、パンチング処理は、記録用紙1枚ずつに対して行なうようにしても構わない。
−MFPの基本機能(モード)−
このような印刷機能を用いて、ネットワーク回線400を介して、ネットワーク回線400に接続されたパーソナルコンピュータからプリントデータを受信して記録用紙に画像を形成するプリンタモードを実現する。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データに基づいて記録用紙に画像を形成するコピーモードを実現する。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データを他の装置へ送信するファクシミリ送信モードを実現する。なお、このMFP300は、他の装置から受信した画像データに基づいて記録用紙に画像を形成するファクシミリ受信モードも実現する。以下においては、ファクシミリ送信モードおよびファクシミリ受信モードをファクシミリモードと記載する。なお、このMFP300においては、タッチパネルディスプレイ380においては、ファクシミリ送信モードは、ファクス/イメージ送信モードと表示される。
さらに、このMFP300は、原稿読取部により原稿を画像データとして読取って、この画像データをハードディスク340に記憶するドキュメントファイリングモードを実現する。なお、MFP300のハードディスク340ではなく、ネットワーク回線400を介して、他の装置(コンピュータ、外部記憶ユニット)に記憶するものでも構わない。この場合、ネットワークを介してファイル共有またはプリンタ共有を実現するプロトコルであるSMB(Server Message Block)が用いられることがある。このプロトコルを用いると、ネットワーク上で共有された、共有フォルダにスキャンした画像データを転送することができる。この機能は、スキャンtoフォルダまたはスキャンto共有フォルダを呼ばれる場合がある。
このように、このMFP300は、基本機能(モード)として、コピーモード、ファクス/イメージ送信モード、ドキュメントファイリング、プリンタモードを備える。なお、プリンタモードは、ネットワーク回線400に接続されたパーソナルコンピュータからプリントデータを受信すると、MFP300がプリンタモードに自動的に切換り、プリントデータに基づいて記録用紙の画像を形成する。このため、MFP300のタッチパネルディスプレイ380に、プリンタモードを選択するための画面は表示されない。
[管理テーブル構成]
本実施の形態に係る画像形成システムにおいては、使用許可状態でないMFP300を使用したいユーザが、ネットワーク回線400にMFP300を接続してFSSサーバコンピュータ200から使用許可信号を受信することにより使用可能とする機能を備える。このような機能を実現するために、FSSサーバコンピュータ200のハードディスク240にはマシン管理テーブルが記憶される。
図4を参照して、FSSサーバコンピュータ200のハードディスク240で記憶されるマシン管理テーブルについて説明する。
この図4に示すように、このマシン管理テーブルには、このネットワーク画像形成システムにおけるMFPを一意に特定するためのマシンIDを記憶するフィールドと、そのMFPについての登録情報を記憶する登録情報フィールドと、使用許可情報を記憶する許可情報フィールドとを備える。登録情報フィールドは、たとえば、電話回線番号を記憶するフィールドとIPアドレスを記憶するフィールドとで構成される。使用情報フィールドは、たとえば、使用期限を記憶するフィールドと使用禁止フラグを記憶するフィールドとで構成される。
ユーザが、FAXを使用するための電話回線番号およびネットワーク接続するためのIPアドレスをMFP300に設定すると、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に通信設定パラメータとして電話回線番号およびIPアドレスが記憶される。ネットワーク回線400に接続されたMFP300は、FSSサーバコンピュータ200へ、通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を送信する。FSSサーバコンピュータ200は、受信した通信設定パラメータに基づいて、マシン管理テーブルの登録情報フィールドに記憶された情報(電話回線番号およびIPアドレス)を更新する。また、FSSサーバコンピュータ200は、マシンIDおよび通信設定パラメータを含む使用許可要求信号をMFP300から受信すると、登録情報フィールドに記憶された通信設定パラメータと、受信した通信設定パラメータとを比較して、MFP300が移動されたか否かを判定する。
MFP300が、レンタル契約またはリース契約によりユーザに提供されている場合には、そのMFP300を使用できる期限が使用情報フィールドに記憶される。また、レンタル会社またはリース会社により、MFP300が使用できないように設定されている場合には、使用情報フィールドにON状態(セット状態、2進数で示すと「1」)の使用禁止フラグが記憶される。
FSSモードで使用されるMFP300を使用可能な状態にするために、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムを構成するFSSサーバコンピュータ200は、上述したテーブルをハードディスク240に記憶するとともに、以下に説明するプログラムをCPU210で実行する。また、このネットワーク画像形成システムを構成するMFP300も、以下に説明するプログラムをCPU310で実行する。
[ソフトウェア構成]
図5〜図8を参照して、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおいてユーザの使用許可要求に基づいて、機密情報が漏洩することなく、MFP300の使用を許可する処理を行なうために、FSSサーバコンピュータ200およびMFP300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。なお、図5に示すフローチャートが、FSSサーバコンピュータ200で実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示し、図6〜図8に示すフローチャートが、MFP300で実行されるコンピュータプログラムの制御構造を示す。
図5を参照して、ステップ(以下、ステップをSと略す。)2000にて、FSSサーバコンピュータ200のCPU210(以下、単にCPU210と記載する。)は、MFP300から、使用許可要求信号を受信したか否かを判定する。なお、後述するように、この使用許可要求信号には、マシンID、消去済フラグおよび通信設定パラメータを含む。MFP300から、使用許可要求信号を受信したと判定されると(S2000にてYES)、処理はS2010へ移される。もしそうでないと(S2000にてNO)、この処理はS2000へ戻されて、MFP300から使用許可要求信号を受信するまで待つ。なお、S2000にてNOの場合には、この図5に示す処理を終了させるようにしても構わない。
S2010にて、CPU210は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。
S2020にて、CPU210は、使用禁止フラグがセットされているか否か(ON状態であるか否か)を判定する。使用禁止フラグがセットされていると(ON状態であると)(S2020にてYES)、処理はS2070へ移される。もしそうでないと(S2020にてNO)、この処理はS2030へ移される。
S2030にて、CPU210は、使用期限は経過しているか否かを判定する。この処理の実行日が使用期限を経過していると判定されると(S2030にてYES)、処理はS2070へ移される。もしそうでないと(S2030にてNO)、この処理はS2040へ移される。
S2040にて、CPU210は、MFP300が移動されたか否かを判定する。このとき、CPU210は、登録情報フィールドに記憶された通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)と、受信した通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)とを比較して、MFP300が移動されたか否かを判定する。これらの設定パラメータが不一致であるとMFP300が移動されたと判定される。MFP300が移動されたと判定されると(S2040にてYES)、処理はS2050へ移される。もしそうでないと(S2040にてNO)、この処理はS2060へ移される。
S2050にて、CPU210は、MFP300から受信した消去済フラグがセットされているか否かを判定する。MFP300のハードディスク340のユーザデータ記憶領域342が初期化されていることを示す消去済フラグがセットされていると(S2050にてYES)、処理はS2060へ移される。もしそうでないと(S2050にてNO)、この処理はS2070へ移される。
S2060にて、CPU210は、使用許可要求信号を送信してきたMFP300へ、使用許可信号を送信する。その後、この処理は終了する。
S2070にて、CPU210は、使用許可要求信号を送信してきたMFP300へ、使用不許可信号を送信する。その後、この処理は終了する。
図6を参照して、S3000にて、MFP300のCPU310(以下、単にCPU310と記載する。)は、初期設定画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。この初期設定画面は、ネットワーク回線400にMFP300が接続されていない状態でMFP300の電源を投入したときに、タッチパネルディスプレイ380に表示される。このとき、タッチパネルディスプレイ380には、通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を設定してから(設定済みであるときにはそれを確認してから)、MFP300をネットワーク回線400に接続する手順が表示されている。なお、MFP300がネットワーク回線400に接続された状態で、MFP300の電源が投入される手順であっても構わない。
S3010にて、CPU310は、通信関係を設定する要求を検出したか否かを判定する。このとき、CPU310は、たとえば、初期設定画面に表示された「設定する」ボタンをユーザが押下すると、通信関係を設定する要求を検出したと判定する。通信関係を設定する要求を検出したと判定されると(S3010にてYES)、処理はS3020へ移される。もしそうでないと(S3010にてNO)、この処理はS3050へ移される。
S3020にて、CPU310は、通信関係の設定画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。
S3030にて、CPU310は、通信設定パラメータの入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU310は、たとえば、ユーザが、通信設定画面に表示された「電話回線番号」ボタンを押下してFAX番号を入力して「IPアドレス」ボタンを押下してIPアドレスを入力して「OK」ボタンを押下すると、通信設定パラメータについての入力を検出したと判定する。通信設定パラメータについての入力を検出したと判定されると(S3030にてYES)、処理はS3040へ移される。もしそうでないと(S3030にてNO)、この処理はS3030へ戻されて通信設定パラメータについての入力を検出したと判定されるまで待つ。
S3040にて、CPU310は、入力された電話回線番号およびIPアドレスを、通信設定パラメータとして、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に記憶する。その後、この処理はS3070へ移される。
S3050にて、CPU310は、通信関係の設定が済んでいるか否かを判定する。このとき、CPU310は、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に、通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)が記憶されていると、通信関係の設定が済んでいると判定する。通信関係の設定が済んでいると判定されると(S3050にてYES)、処理はS3060へ移される。もしそうでないと(S3050にてNO)、この処理はS3010へ戻される。
S3060にて、CPU310は、通信設定パラメータである電話回線番号およびIPアドレスを、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344から読出す。
S3070にて、CPU310は、マシンIDおよび消去済フラグをハードディスク340から読出す。このとき、CPU310は、マシンIDをマシンID記憶領域348から読出し、消去済フラグをフラグ記憶領域346から読出す。
S3080にて、CPU310は、MFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルが接続されたか否かを判定する。MFP300にネットワーク回線400が接続されたと判定されると(S3080にてYES)、処理はS3090へ移される。もしそうでないと(S3080にてNO)、この処理はS3080へ戻されて、MFP300がネットワーク回線400へ接続されたと判定されるまで待つ。
S3090にて、CPU310は、マシンID、消去済フラグおよび通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号を、FSSサーバコンピュータ200へ送信する。なお、上述したように、FSSサーバコンピュータ200に接続するための情報はハードディスク340に記憶されている。
S3100にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に、通信中の画面を表示する。
S3110にて、CPU310は、FSSサーバコンピュータ200から信号を受信したか否かを判定する。このとき、受信する信号は、使用許可要求信号に応答してFSSサーバコンピュータ200が送信する信号であるので、使用許可信号または使用不許可信号である(上述のS2060またはS2070における処理に対応)。FSSサーバコンピュータ200から信号を受信したと判定されると(S3110にてYES)、処理はS3120へ移される。もしそうでないと(S3110にてNO)、この処理はS3130へ移される。
S3120にて、CPU310は、受信した信号が使用許可信号であるか否かを判定する。受信した信号が使用許可信号であると判定されると(S3120にてYES)、処理はS3140へ移される。もしそうでないと(S3120にてNO)、この処理はS3150へ移される。
S3130にて、CPU310は、使用許可要求信号をFSSサーバコンピュータ200へ送信してから予め定められた時間が経過したか否か(通信タイムアウトか否か)を判定する。予め定められた時間が経過して通信タイムアウトであると判定されると(S3130にてYES)、処理はS3150へ移される。もしそうでないと(S3130にてNO)、この処理はS3110へ戻されて、FSSサーバコンピュータ200から信号を受信したと判定されるまで待つ。
S3140にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に、使用許可メッセージを表示するとともに、MFP300の初期画面を表示する。その後、処理は図7のS3160へ移される。
S3150にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に、使用不許可メッセージを表示するとともに、MFP300のメンテナンス画面(サービスマンコール画面)を表示する。その後、処理は図8のS3200へ移される。
図7を参照して、S3160にて、CPU310は、ユーザによりジョブが要求されたか否かを判定する。このとき、CPU310は、初期画面が表示されたタッチパネルディスプレイ380をユーザが操作して動作モードを選択して(たとえばコピーモード)、スタートボタンを押下すると、ユーザによりジョブが要求されたと判定する。ユーザによりジョブが要求されたと判定されると(S3160にてYES)、処理はS3170へ移される。もしそうでないと(S3160にてNO)、この処理はS3160へ戻されて、ユーザによりジョブが要求されたと判定されるまで待つ。
S3170にて、CPU310は、ユーザにより要求されたジョブを実行する。このとき、ユーザデータ(原稿をスキャンした画像データ等)が、ユーザデータ記憶領域342に記憶される。
S3180にて、CPU310は、フラグ記憶領域346に記憶された消去済フラグがセットされているか否かを判定する。消去済フラグがセットされていると判定されると(S3180にてYES)、処理はS3190へ移される。もしそうでないと(S3180にてNO)、この処理は終了する。
S3190にて、CPU310は、フラグ記憶領域346に記憶された、セット状態の消去済フラグをリセットする。その後、この処理は終了する。
なお、上述したフローチャートにおいて、MFP300により、リセット状態の消去済フラグがリセット状態のまま保持されるのは(S3180にてNO)、使用途中のMFP300をネットワーク回線400から切断して、通信設定パラメータを変更することなくネットワーク回線400に再接続した場合(レイアウト変更に伴うMFP300の移動のように、ユーザが変更されることなくユーザデータ記憶領域342が初期化されることなく、MFP300が移動された場合)である。
図8を参照して、S3200にて、CPU310は、サービスマンがメンテナンスのためにログインしたか否かが判定される。このとき、CPU310は、サービスマンがタッチパネルディスプレイ380またはハードウェアボタンから特別なキーの組合せ等を入力すると、メンテナンスのためにログインしたと判定される。サービスマンがメンテナンスのためにログインしたと判定されると(S3200にてYES)、処理はS3210へ移される。もしそうでないと(S3200にてNO)、この処理はS3200へ戻されて、サービスマンがメンテナンスのためにログインしたと判定されるまで待つ。
S3210にて、CPU310は、タッチパネルディスプレイ380に、メンテナンスのための初期画面を表示する。
S3220にて、CPU310は、ユーザデータ記憶領域342を初期化する要求を検出したか否かを判定する。このとき、CPU310は、たとえば、メンテナンスのための初期画面に表示された「初期化画面へ」ボタンをサービスマンが押下すると、ユーザデータ記憶領域342を初期化する要求を検出したと判定する。ユーザデータ記憶領域342を初期化する要求を検出したと判定されると(S3220にてYES)、処理はS3230へ移される。もしそうでないと(S3220にてNO)、この処理はS3220へ戻されてユーザデータ記憶領域342を初期化する要求を検出するまで待つ。
S3230にて、CPU310は、ユーザデータ記憶領域342を初期化する画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。
S3240にて、CPU310は、ユーザデータ記憶領域342を初期化する入力を検出したか否かを判定する。このとき、CPU310は、たとえば、サービスマンが、ユーザデータ記憶領域342の初期化画面に表示された「初期化する」ボタンを押下してさらに「確認」ボタンを押下すると、ユーザデータ記憶領域342を初期化する入力を検出したと判定する。ユーザデータ記憶領域342を初期化する入力を検出したと判定されると(S3240にてYES)、処理はS3250へ移される。もしそうでないと(S3240にてNO)、この処理はS3240へ戻されてユーザデータ記憶領域342を初期化する入力を検出されるまで待つ。
S3250にて、CPU310は、ハードディスク340のユーザデータ記憶領域342を初期化する。S3260にて、CPU310は、フラグ記憶領域346に記憶された、リセット状態の消去済フラグをセットする。その後、この処理は図6のS3090へ移される。
[動作]
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムの動作について説明する。
図4に示すマシン管理テーブルおよび図5〜図8に示すフローチャートならびに図9〜図13に示すタッチパネルディスプレイ380の画面例を用いて、このネットワーク画像形成システムの動作について説明する。
<出荷直後のユーザの場合>
製造者から出荷されて最初のユーザが使用する場所まで搬送されたMFP300は、ユーザデータ記憶領域342に何もデータが記憶されていないので消去済フラグがセットされている。このMFP300をFSSモードで使用するユーザが、ネットワーク回線400にMFP300を接続しない状態でMFP300の電源を投入すると、タッチパネルディスプレイ380に図9に示すような初期設定画面が表示される(S3000)。
この図9に示すタッチパネルディスプレイ380の「設定する」ボタンをユーザが押下すると(S3010にてYES)、通信関係の設定画面がタッチパネルディスプレイ380に表示される(S3020)。この通信関係の設定画面に従って、電話回線番号およびIPアドレスをユーザが入力すると(S3030にてYES)、入力された電話回線番号およびIPアドレスが、通信設定パラメータとして、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に記憶される(S3040)。
マシンIDがマシンID記憶領域348から読み出されて、セット状態の消去済フラグがフラグ記憶領域346から読み出される(S3070)。ユーザがMFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルを接続すると(S3080にてYES)、マシンID、消去済フラグおよびこのユーザにより設定された通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号が、FSSサーバコンピュータ200へ送信される(S3090)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図10に示す画面が表示される(S3100)。
このMFP300による使用許可要求信号の送信に応答して、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。なお、このMFP300は、製造者からの出荷後に始めて使用される装置であるので、マシン管理テーブルには、マシンIDしか記憶されていないものとする(電話回線番号、IPアドレスおよび使用期限は空欄ならびに使用禁止フラグはOFF状態(リセット状態))。このように、マシン管理テーブルに記憶された電話回線番号およびIPアドレスは空欄で、MFP300から受信した電話回線番号およびIPアドレスは空欄ではないので、不一致となり、MFP300は移動されたと判定される。
使用禁止フラグがセットされておらず(ON状態でなく)(S2020にてNO)、使用期限を経過しておらず(S2030にてNO)、MFP300が移動されたと判定されるが(S2040にてYES)、消去済フラグがセットされているので(S2050にてYES)、MFP300へ使用許可信号が送信される(S2060)。
このFSSサーバコンピュータ200による使用許可信号の送信に応答して、MFP300により、FSSサーバコンピュータ200から使用許可信号を受信したと判定される(S3110にてYESかつS3120にてYES)。MFP300は、使用許可メッセージとともに初期画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図11に示す画面が表示される(S3140)。
たとえば、図11に示す初期画面において、ユーザが、MFP300に原稿をセットしてコピーモードを選択してスタートボタンを押下すると、ユーザによりジョブが要求されたと判定される(S3160にてYES)。MFP300は、ユーザにより要求されたコピージョブを実行する。このとき、ユーザデータ(スキャンした原稿の画像データ)が、ユーザデータ記憶領域342に記憶される(S3170)。このように、ユーザデータが記憶されたので、フラグ記憶領域346に記憶された、セット状態の消去済フラグがリセット状態に書き換えられる(S3190)。
その後、このユーザはFSSモードでMFP300を使用する。なお、この場合において、消去済フラグはリセット状態を保持する。
<ユーザデータが消去されてユーザが変更された場合>
製造者から出荷された直後に使用を開始したユーザ(第1番目のユーザ)により使用されたMFP300のユーザデータが消去されて、次のユーザ(第2番目のユーザ)が使用する場所へ、MFP300が移動された場合について説明する。
第1番目のユーザが使用した場所から第2番目のユーザが使用する場所まで搬送されたMFP300は、ユーザデータ記憶領域342にデータが記憶されていたが、ユーザデータ記憶領域342が初期化されたので(S3250)、リセット状態を保持していた消去済フラグがセットされている(S3260)。このMFP300をFSSモードで使用する第2番目のユーザが、ネットワーク回線400にMFP300を接続しない状態でMFP300の電源を投入すると、タッチパネルディスプレイ380に図9に示すような初期設定画面が表示される(S3000)。
この図9に示すタッチパネルディスプレイ380の「設定する」ボタンを第2番目のユーザが押下すると(S3010にてYES)、通信関係の設定画面がタッチパネルディスプレイ380に表示される(S3020)。この通信関係の設定画面に従って、電話回線番号およびIPアドレスを第2番目のユーザが入力すると(S3030にてYES)、入力された電話回線番号およびIPアドレスが、通信設定パラメータとして、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に記憶される(S3040)。
マシンIDがマシンID記憶領域348から読み出されて、セット状態の消去済フラグがフラグ記憶領域346から読み出される(S3070)。第2番目のユーザがMFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルを接続すると(S3080にてYES)、マシンID、消去済フラグおよび第2番目のユーザにより設定された通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号が、FSSサーバコンピュータ200へ送信される(S3090)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図10に示す画面が表示される(S3100)。
このMFP300による使用許可要求信号の送信に応答して、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。なお、マシン管理テーブルにおいて、このMFP300についての登録情報として、第1番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されている(使用期限は空欄および使用禁止フラグはOFF状態(リセット状態))。このように、マシン管理テーブルには第1番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されて、MFP300から受信した電話回線番号およびIPアドレスは第2番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスである。このように電話回線番号およびIPアドレスは異なるので、不一致となり、MFP300は移動されたと判定される。
使用禁止フラグがセットされておらず(ON状態でなく)(S2020にてNO)、使用期限を経過しておらず(S2030にてNO)、MFP300が移動されたと判定されるが(S2040にてYES)、消去済フラグがセットされているので(S2050にてYES)、MFP300へ使用許可信号が送信される(S2060)。
このFSSサーバコンピュータ200による使用許可信号の送信に応答して、MFP300により、FSSサーバコンピュータ200から使用許可信号を受信したと判定される(S3110にてYESかつS3120にてYES)。MFP300は、使用許可メッセージとともに初期画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図11に示す画面が表示される(S3140)。その後、第2番目のユーザも、第1番目のユーザと同様に、MFP300を使用する。なお、この場合において、第2番目のユーザがMFP300の使用を開始すると、セット状態であった消去済フラグはリセット状態に書き換えられ、リセット状態が保持される。
<ユーザデータが消去されないでユーザが変更された場合>
上述した次のユーザ(第2番目のユーザ)により使用されたMFP300のユーザデータが消去されないで、さらに次のユーザ(第3番目のユーザ)が使用する場所へ、MFP300が移動された場合について説明する。
上述した第2番目のユーザが使用した場所から第3番目のユーザが使用する場所まで搬送されたMFP300は、ユーザデータ記憶領域342にデータが記憶されていたままであるので(ユーザデータ記憶領域342が初期化されていないので)、消去済フラグがリセット状態を保持している。このMFP300をFSSモードで使用する第3番目のユーザが、ネットワーク回線400にMFP300を接続しない状態でMFP300の電源を投入すると、タッチパネルディスプレイ380に図9に示すような初期設定画面が表示される(S3000)。
この図9に示すタッチパネルディスプレイ380の「設定する」ボタンを第3番目のユーザが押下すると(S3010にてYES)、通信関係の設定画面がタッチパネルディスプレイ380に表示される(S3020)。この通信関係の設定画面に従って、電話回線番号およびIPアドレスを第3番目のユーザが入力すると(S3030にてYES)、入力された電話回線番号およびIPアドレスが、通信設定パラメータとして、ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に記憶される(S3040)。
マシンIDがマシンID記憶領域348から読み出されて、リセット状態の消去済フラグがフラグ記憶領域346から読み出される(S3070)。第3番目のユーザがMFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルを接続すると(S3080にてYES)、マシンID、消去済フラグおよび第3番目のユーザにより設定された通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号が、FSSサーバコンピュータ200へ送信される(S3090)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図10に示す画面が表示される(S3100)。
このMFP300による使用許可要求信号の送信に応答して、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。なお、マシン管理テーブルにおいて、このMFP300についての登録情報として、第2番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されている(使用期限は空欄および使用禁止フラグはOFF状態(リセット状態))。このように、マシン管理テーブルには第2番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されて、MFP300から受信した電話回線番号およびIPアドレスは第3番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスである。このように電話回線番号およびIPアドレスは異なるので、不一致となり、MFP300は移動されたと判定される。
使用禁止フラグがセットされておらず(ON状態でなく)(S2020にてNO)、使用期限を経過しておらず(S2030にてNO)、MFP300が移動されたと判定される(S2040にてYES)。消去済フラグがセットされていないので(S2050にてNO)、MFP300へ使用不許可信号が送信される(S2070)。
このFSSサーバコンピュータ200による使用不許可信号の送信に応答して、MFP300により、FSSサーバコンピュータ200から使用不許可信号を受信したと判定される(S3110にてYESかつS3120にてNO)。MFP300は、使用不許可メッセージとともにメンテナンス画面(サービスマンコール画面)をタッチパネルディスプレイ380に表示する。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図12に示す画面が表示される(S3150)。
図12に示すメンテナンス画面に従って、第3番目のユーザはサービスマンに連絡する。第3番目のユーザが使用するMFP300の設置場所に到着したサービスマンが、メンテナンスのためにログインすると(S3200にてYES)、タッチパネルディスプレイ380に、メンテナンスのための初期画面が表示される(S3210)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図13に示す画面が表示される(S3210)。
サービスマンが図13に示す画面の「初期化画面へ」ボタンを押下すると(S3220にてYES)、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、ユーザデータ記憶領域342を初期化する画面が表示される(S3230)。サービスマンが、ユーザデータ記憶領域342の初期化画面に表示された「初期化する」ボタンを押下してさらに「確認」ボタンを押下すると(S3240にてYES)、ユーザデータ記憶領域342が初期化される(S3250)。さらに、フラグ記憶領域346に記憶された、リセット状態の消去済フラグがセットされる(S3260)。
ユーザによりMFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルが接続されたままであると(S3080にてYES)、マシンID、消去済フラグおよび第3番目のユーザにより設定された通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号が、FSSサーバコンピュータ200へ再度送信される(S3090)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図10に示す画面が表示される(S3100)。
このMFP300による使用許可要求信号の送信に応答して、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。上述したように、マシン管理テーブルには第2番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されて、MFP300から受信した電話回線番号およびIPアドレスは第3番目のユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスである。このように電話回線番号およびIPアドレスは異なるので、不一致となり、MFP300は移動されたと判定される。
使用禁止フラグがセットされておらず(ON状態でなく)(S2020にてNO)、使用期限を経過しておらず(S2030にてNO)、MFP300が移動されたと判定されるが(S2040にてYES)、今度は消去済フラグがセットされているので(S2050にてYES)、MFP300へ使用許可信号が送信される(S2060)。
このFSSサーバコンピュータ200による使用許可信号の送信に応答して、MFP300により、FSSサーバコンピュータ200から使用許可信号を受信したと判定される(S3110にてYESかつS3120にてYES)。MFP300は、使用許可メッセージとともに初期画面をタッチパネルディスプレイ380に表示する。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図11に示す画面が表示される(S3140)。その後、第3番目のユーザも、第1番目のユーザおよび第2番目のユーザと同様に、MFP300を使用する。なお、この場合において、第3番目のユーザがMFP300の使用を開始すると、セット状態であった消去済フラグはリセット状態に書き換えられ、リセット状態が保持される。
<通信タイムアウトの場合>
MFP300から使用許可要求信号を送信してから(S3090)、予め定められた時間が経過してもFSSサーバコンピュータ200から信号を受信できない場合(S3110にてNOかつS3130にてYES)、使用許可信号を受信できなかったことになる。このような通信タイムアウトの場合にも、使用許可信号を受信していないので、MFP300は、使用不許可メッセージとともにメンテナンス画面(サービスマンコール画面)をタッチパネルディスプレイ380に表示する。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図12に示す画面が表示される(S3150)。
その後のサービスマンによるユーザデータ記憶領域342の初期化動作およびネットワークへの再接続動作は、上述した動作と同じである。なお、この場合、ユーザデータ記憶領域342の初期化が完了している場合には、FSSサーバコンピュータ200との通信をリトライするようにしても構わない。また、図6に示す処理において、通信タイムアウトになると、予め定められた回数だけ通信をリトライするようにしても構わない。
<ユーザの変更を伴わないでMFPをネットワークに再接続した場合>
ユーザにより使用されているMFP300が、ユーザの変更を伴わないで(通信設定パラメータが変更されないで)、ネットワーク回線400が一旦切断されて再接続された場合について説明する。たとえば、レイアウト変更に伴い、MFP300が同じ部屋内で移動された場合であって、その移動の際にネットワーク回線400をMFP300から一旦外さなければならなかった場合である。
このユーザが、MFP300の移動を終えて、ネットワーク回線400にMFP300を接続しない状態でMFP300の電源を投入すると、タッチパネルディスプレイ380に図9に示すような初期設定画面が表示される(S3000)。このとき、通信関係の設定は同じであるので、ユーザはタッチパネルディスプレイ380に表示された「設定済み」ボタンを押下する(S3010にてNO)。ハードディスク340の設定パラメータ記憶領域344に、通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)が記憶されているので(S3050にてYES)、この通信設定パラメータが読み出される(S3060)。
マシンIDがマシンID記憶領域348から読み出されて、リセット状態の消去済フラグがフラグ記憶領域346から読み出される(S3070)。このユーザがレイアウト変更に伴う移動後のMFP300のネットワーク接続コネクタにネットワーク回線400のケーブルを接続すると(S3080にてYES)、マシンID、消去済フラグおよびこのユーザにより設定が変更されていない通信設定パラメータ(電話回線番号およびIPアドレス)を含む使用許可要求信号が、FSSサーバコンピュータ200へ送信される(S3090)。このとき、MFP300のタッチパネルディスプレイ380には、図10に示す画面が表示される(S3100)。
このMFP300による使用許可要求信号の送信に応答して、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。なお、マシン管理テーブルにおいて、このMFP300についての登録情報として、このユーザにより再接続前に設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されている(使用期限は空欄および使用禁止フラグはOFF状態(リセット状態))。このように、マシン管理テーブルにはこのユーザにより再接続前に設定された電話回線番号およびIPアドレスが記憶されて、MFP300から受信した電話回線番号およびIPアドレスはこのユーザにより設定された電話回線番号およびIPアドレスである。このように電話回線番号およびIPアドレスは同じであるので、一致して、MFP300は移動されたと判定されない。
使用禁止フラグがセットされておらず(ON状態でなく)(S2020にてNO)、使用期限を経過しておらず(S2030にてNO)、MFP300が移動されたと判定されないので(S2040にてNO)、MFP300へ使用許可信号が送信される(S2060)。
その後のMFP300の動作は、MFP300が使用許可信号を受信した場合の動作と同じである。
<使用期限が経過または使用が禁止されている場合>
MFP300が使用許可要求信号を送信した場合には、FSSサーバコンピュータ200により、MFP300から使用許可要求信号を受信したと判定される(S2000にてYES)。FSSサーバコンピュータ200は、ハードディスク240に記憶されたマシン管理テーブル(図4)を参照して、受信した使用許可要求信号に含まれるマシンIDに対応する登録情報(電話回線番号およびIPアドレス)および使用許可情報(使用期限および使用禁止フラグ)を読出す。
このMFP300が図4のMFP00003の場合には、マシン管理テーブルに、使用禁止フラグはON状態(セット状態)と記憶されている。このため、MFP300が移動されたか否かの判定および消去済フラグがセットされているか否かの判定を行なうことなく、使用不許可信号がFSSサーバコンピュータ200からMFP300へ送信される(S2020にてYES、S2070)。
その後のMFP300の動作は、MFP300が使用不許可信号を受信した場合の動作と同じである。この場合、サービスマンによるログイン後(S3200にてYES)、図13に示すように、タッチパネルディスプレイ380に、メンテナンスのための初期画面が表示される(S3210)。この画面のエラーコード(XXXXXXXX1)を見たサービスマンが、このMFP300の使用が禁止されていることを認識する。この後、このサービスマンが適切に対応することになる。
また、このMFP300が図4のMFP00002の場合には、マシン管理テーブルに、使用期限が2009/11/30と記憶されている。この動作が2009/12/1に実行された場合には、MFP300が移動されたか否かの判定および消去済フラグがセットされているか否かの判定を行なうことなく、使用不許可信号がFSSサーバコンピュータ200からMFP300へ送信される(S2030にてYES、S2070)。
その後のMFP300の動作は、MFP300が使用不許可信号を受信した場合の動作と同じである。この場合、サービスマンによるログイン後(S3200にてYES)、図13に示すように、タッチパネルディスプレイ380に、メンテナンスのための初期画面が表示される(S3210)。この画面のエラーコード(XXXXXXXX2)を見たサービスマンが、このMFP300の使用期限が経過していることを認識する。この後、このサービスマンが適切に対応することになる。
以上のようにして、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムによると、
(1)記憶ユニットと通信ユニットとを備えた情報機器の一例であるMFPは、通信ユニットを用いて情報処理装置の一例であるFSSサーバコンピュータから使用許可信号を受信しないと、ユーザは使用することができない。このため、記憶ユニットに記憶された機密情報は、許可を受けない第三者がアクセスできないので、機密情報が安易に漏洩することを防止することができる。
(2)FSSサーバコンピュータは、MFP毎に登録情報(電話回線番号、IPアドレス)を記憶しておいて、登録情報と受信した通信設定パラメータ(電話回線番号、IPアドレス)とを比較してMFPが移動されたか否かを判定する。FSSサーバコンピュータは、MFPが移動されていなければ使用許可信号を、MFPが移動されていても記憶ユニットのデータが消去済であれば使用許可信号を、MFPへ送信する。FSSサーバコンピュータは、MFPが移動されていて記憶ユニットのデータが消去済でなければ使用不許可信号を、MFPへ送信する。このため、MFPが移動されている場合には、記憶ユニットに記憶された機密情報が消去されている場合にのみ使用が許可される。MFPが移動された場合には、許可を受けない第三者がアクセスできないので、機密情報が安易に漏洩することを防止することができる。
(3)FSSサーバコンピュータは、MFP毎に使用許可情報(使用期限、使用禁止フラグ)を記憶しておいて、MFPの使用が許可されるか否かを判定する。FSSサーバコンピュータは、MFPの使用期限を過ぎていれば使用不許可信号を、MFPの使用禁止フラグがセットされていれば使用不許可信号を、MFPへ送信する。このため、MFPの使用についての契約が満了している場合、何らかの理由で使用が禁止されている場合には、使用が許可されない。使用が許可された期間が経過している、使用が禁止されている場合には、使用できないので、機密情報の漏洩を防止することに加えて、意図していないユーザによる使用を防止することができる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。