JP5343883B2 - 衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置 Download PDF

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本発明は、自動車の衝突事故の際にステアリングコラムの全長を収縮させる事に基づいて、ステアリングホイールに衝突した運転者の保護を図る衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置の改良に関する。
図10は、衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置の従来構造の1例を示している。この図10に示した従来構造の場合、後端部(前後方向は自動車の進行方向によるもので、図2、4、7(B)を除く各図の左側が「前側」となり、同じく右側が「後側」となる。)にステアリングホイール1を固定したステアリングシャフト2を、円筒状のステアリングコラム3の内側に、回転自在に支持している。又、前記ステアリングシャフト2の前端部を、電動アシスト装置4を構成する図示しない複数の回転伝達軸(トーションバーを介して互いに連結された入力軸及び出力軸)と、1対の自在継手5a、5b及び中間シャフト6とを介して、ステアリングギヤユニット7の入力軸8に連結している。操舵時に前記ステアリングホイール1の動きは、前記ステアリングシャフト2、前記複数の回転伝達軸、前記自在継手5a、前記中間シャフト6、前記自在継手5bを介して、前記ステアリングギヤユニット7の入力軸8に伝達される。そして、このステアリングギヤユニット7が図示しない操舵輪に、前記ステアリングホイール1の動きに対応した舵角を付与する。
又、前記電動アシスト装置4は、補助動力源である電動モータ9と、この電動モータ9を支持したハウジング10と、このハウジング10の外部に取付けられた図示しない電子制御ユニット(ECU)と、それぞれがこのハウジング10の内部に収納された、前述の図示しないトーションバーを介して互いに連結された入力軸及び出力軸と、図示しないトルクセンサと、図示しない減速機とを備える。このうちのハウジング10の後端面には、前記ステアリングコラム3の前端部を結合固定している。又、前記入力軸には、前記ステアリングシャフト2の前端部を結合している。又、前記出力軸の前端部には、前記自在継手5aを結合している。又、前記トルクセンサは、前記ステアリングホイール1から前記ステアリングシャフト2を介して前記入力軸に加えられるトルクを検出するものである。このトルクセンサの検出信号を送信する為の信号線は、前記電子制御ユニットの基板等に対し、ハンダ付け等により着脱不能に接続されている。又、前記電子制御ユニットは、前記トルクセンサの検出信号と、別途入力される車速信号とに基づいて、前記電動モータ9の駆動状態を制御するものである。又、前記減速機は、前記電動モータ9が発生する補助トルクを増大して、前記出力軸に付与するものである。自動車の運転時に、前記ステアリングホイール1を回転させる為の操舵力は、前記出力軸に付与された補助トルクによって軽減される。尚、前記ハウジング10は、横軸11により、車体12に対して揺動自在に支持されている。
又、衝突事故の際に運転者を保護する為、前記ステアリングシャフト2及び前記ステアリングコラム3は、それぞれ全長を収縮可能な構造としている。即ち、前記ステアリングシャフト2は、円筒状のアウターシャフト13の前端部にインナーシャフト14の後端部を、トルク伝達を可能に、且つ、軸方向の変位を可能に内嵌して成る。又、前記ステアリングコラム3は、円筒状のアウターコラム15の前端部に、円筒状のインナーコラム16の後端部を、軸方向の変位を可能に内嵌して成る。更に、これらアウターコラム15とインナーコラム16とのうちで、後方に設けられたコラム(図示の場合にはアウターコラム15)と前記車体12に固定の部分との間に、塑性変形しつつ当該コラム(アウターコラム15)の前方への変位を許容する、エネルギ吸収部材(図示せず)を設けている。
衝突事故の際、前記ステアリングホイール1に運転者の身体がぶつかる、所謂二次衝突が発生すると、前記後側のコラムであるアウタコラム15に、前方に向いた衝撃荷重が加わる。この結果、前記アウターシャフト13を前記インナーシャフト14に対し前方に変位させて、前記ステアリングシャフト2の全長を収縮しつつ、前記アウターコラム15が前記インナーコラム16に対し前方に変位して、前記ステアリングコラム3の全長が収縮する。そして、この様なステアリングシャフト2及びステアリングコラム3の収縮の過程で前記エネルギ吸収部材を塑性変形させる事により、前記ステアリングホイール1に加えられた衝撃エネルギを吸収して、運転者の身体に加わる衝撃を緩和し、この運転者の保護を図る。
又、前記ステアリングコラム3の後端寄り部分である、前記アウターコラム15の中間部に、支持ブラケット17を組み付けている。これと共に、この支持ブラケット17を、車体12に固定の部分であるカプセル18により支持している。又、例えば、図示しないレバーを操作する等により、前記支持ブラケット17に対して、前記横軸11を中心とする前記ステアリングコラム3の揺動を可能としている。これにより、前記ステアリングホイール1の上下方向の高さ位置の調節を可能としている。二次衝突の発生時には、前記支持ブラケット17に、前記アウターコラム15から前方に向かう方向の大きな力が加わる。この結果、前記支持ブラケット17は、前記カプセル18から離脱して、前記アウターコラム15の前端部と共に前方に変位する。
上述した様な衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置に於ける、前記インナーコラム16と前記ハウジング10との結合部の構造としては、例えば特許文献1に記載されている様な構造、即ち、このハウジング10の後端面に形成した圧入孔に前記インナーコラム16の前端部を圧入(締め代を持たせて内嵌)する構造を採用できる。しかしながら、上述の図10に示したステアリング装置の様に、前記ハウジング10の内部で、前記トルクセンサの信号線を前記電子制御ユニットに対し、ハンダ付け等により着脱不能に接続している構造(この接続部を破壊若しくは前記信号線を切断等しない限り、前記ハウジング10の内部から前記トルクセンサと前記電子制御ユニットとを取り出す事ができない構造)の場合には、上述の様な圧入による結合部の構造を採用すると、次の様な不具合を生じる場合がある。
即ち、前記圧入による結合部の組み立てに於いて、この結合部で圧入不良が発生した場合には、前記ハウジング10の圧入孔の周辺部と、前記インナーコラム16の前端部とが、双方とも塑性変形した状態になる。従って、この場合には、前記圧入による結合部の品質(良好な結合強度)を確保する必要上、組み立て直しを行う事もできず、前記ハウジング10と前記インナーコラム16とを、双方とも廃棄する必要が生じる。
又、前記圧入による結合部の組み立てに於いて、この結合部を正常に組み立てられたとしても、この組み立て後に行う性能測定検査で、前記トルクセンサと前記電子制御ユニットとのうちの少なくとも一方に、性能不良が発見される場合がある。この様な場合には、前記トルクセンサの信号線と前記電子制御ユニットとの接続部の品質(良好な電気特性)を確保する必要上、この接続部を破壊して、性能不良が発見された側を交換した後、再び、ハンダ付け等により接続を行うと言った措置を採る事ができない。この為、前記ハウジング10を、前記トルクセンサ及び電子制御ユニットごと、廃棄する必要が生じる。又、この場合に、前記ハウジング10の圧入孔から前記インナーコラム16の前端部を引き抜くと、このインナーコラム16の前端部が塑性変形した状態になる為、前記ハウジング10だけでなく、前記インナーコラム16も廃棄する必要が生じる。従って、この廃棄による損失が大きくなる。
一方、前記インナーコラム16と前記ハウジング10との結合部の構造としては、例えば特許文献2に記載されている様な構造、即ち、前記インナーコラム16の前端部に取付フランジを、溶接等により固定若しくは一体形成し、更に、この取付フランジを前記ハウジング10の後端面に、ボルトにより結合固定する構造を採用する事もできる。この様なボルト固定による結合部の構造を採用すれば、この結合部を組み立てる際に、前述した圧入不良等の不具合が発生する事を回避できる。又、前記ハウジング10と前記インナーコラム16とは、前記ボルトを取り外す事によって、双方を破損させる事なく容易に分離する事ができる。この為、前記ボルト固定による結合部の組み立て後に行う性能測定検査で、前記トルクセンサと前記電子制御ユニットとのうちの少なくとも一方に性能不良が発見された場合には、前記ハウジング10側の組立品のみを廃棄すれば良く、前記インナーコラム16を廃棄せずに済む。又、このインナーコラム16と前記アウターコラム15とが締り嵌めによる嵌合等により一体化されている場合には、これら両コラム15、16を廃棄せずに済む。
又、前記特許文献1に記載された様な、圧入(圧入孔への内嵌)による結合部の構造と、前記ボルト固定による結合部の構造とを比較すると、前記ステアリングコラム3の全長が同一である場合には、前記圧入による結合部の構造を採用する場合よりも、前記ボルト固定による結合部の構造を採用する場合の方が、前記ステアリングコラム3のコラプスストローク{二次衝突の発生時にこのステアリングコラム3の全長が収縮可能な量(前記アウターコラム15と前記インナーコラム16とが軸方向に相対変位可能な量)}を確保する面から有利である。この理由は、前記圧入による結合部の構造を採用する場合には、前記ハウジング10の後端面に形成した円筒部の内周面である圧入孔に対する前記インナーコラム16の前端部の圧入長さを比較的大きくする必要がある為である。即ち、前記円筒部の軸方向長さ分だけ、二次衝突の発生時に於ける、前記アウターコラム15の前記インナーコラム16に対する前方への変位可能距離が短くなる。これに対して、前記ボルト固定による結合部の構造を採用すると、前記インナーコラム16の前端部に設ける取付フランジの厚さを、前記円筒部の軸方向長さに比較して小さくでき、その分だけ、二次衝突の発生時に於ける、前記アウターコラム15の前記インナーコラム16に対する前方への変位可能距離を長くできて、前記収縮可能な量を確保する面から有利である。
しかしながら、前記ボルト固定による結合部の構造を採用する場合には、前記取付フランジの後側面に前記ボルトの頭部が、この後側面よりも後方に突出した状態で配置される事になる。この為、次の様な場合に、前記ステアリングコラム3のコラプスストロークが、無駄に短くなる可能性がある。即ち、前記アウターコラム15に対する前記支持ブラケット17の取り付け位置は、車両レイアウトの関係で、前記アウターコラム15の前端部になる場合がある。この様な場合、二次衝突の発生に伴って、前記支持ブラケット17が前記アウターコラム15の前端部と共に前記インナーコラム16に対して前方に変位すると、前記支持ブラケット17の前端面が前記ボルトの頭部にぶつかる可能性がある。そして、ぶつかっていなければ前記ステアリングコラム3のコラプスストロークをより大きくする事ができたと言う事態を招く可能性がある。
特開平9−263250号公報 国際公開第2007/119756号パンフレット
本発明の衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置は、上述の様な事情に鑑み、電動アシスト装置を構成するハウジングの後端面にインナーコラムの前端部をボルトにより結合固定すると共に、アウターコラムの前端部に支持ブラケットを組み付けた構造に関して、ステアリングコラムのコラプスストロークを確保し易い構造を実現すべく発明したものである。
本発明の衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置は、内側にステアリングシャフトを回転自在に支持する筒状のステアリングコラムと、ボルトと、電動アシスト装置を構成するハウジングと、支持ブラケットとを備える。
このうちのステアリングコラムは、筒状のアウターコラムと、このアウターコラムの前端部にその後端部を挿入した筒状のインナーコラムとを備える。そして、これらアウターコラムとインナーコラムとの間に軸方向に関して圧縮する方向の荷重が加わった場合に、これらアウターコラムとインナーコラムとが軸方向に相対変位して全長が収縮する様に構成している。これと共に、前記インナーコラムの前端部に取付フランジを固定若しくは一体形成している。
又、前記ボルトは、前記ハウジングの後端面に前記取付フランジを結合固定する為のものであって、このハウジングの後端面にこの取付フランジを結合固定した状態で、この取付フランジの後側面に頭部が、この後側面よりも後方に突出する状態で配置されるものである。
又、前記支持ブラケットは、前記アウターコラムの前端部に取り付けられていて、使用時に車体に固定の部分に支持されると共に、衝突事故の際にこの車体に固定の部分から離脱して、前記アウターコラムの前端部と共に前記インナーコラムに対して前方に変位するものである。
特に、本発明の衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置に於いては、前記支持ブラケットは、衝突事故の際に、前記アウターコラムが前記インナーコラムに対して、このアウターコラムの前端縁がこのインナーコラムの前端部に存在する固定の部分(例えば、前記取付フランジの後側面やこの取付フランジを前記インナーコラムの前端部に結合固定する為の溶接部等)に接触する位置まで変位し切った状態で、前記支持ブラケットの前端面のうち前記頭部に対向しない部分の一部が、この頭部の後端面よりも前方の位置まで変位し、且つ、前記支持ブラケットの前端面のうち前記頭部に対向する部分を含む残部が、この頭部の後端面よりも後方の位置までしか変位しない構造を有する。
上述の様に構成する本発明の衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置によれば、衝突事故の発生に伴って、支持ブラケットがアウターコラムの前端部と共にインナーコラムに対して前方に変位した場合に、前記支持ブラケットの前端面がボルトの頭部にぶつからない。即ち、この支持ブラケットの前端面がこのボルトの頭部にぶつかって、ステアリングコラムのコラプスストローク{二次衝突の発生時にこのステアリングコラムの全長が収縮可能な量(前記アウターコラムと前記インナーコラムとが軸方向に相対変位可能な量)}が無駄に小さくなる事がない。従って、前記ステアリングコラムのコラプスストロークを確保する面から有利になる。
本発明の実施の形態の1例を、一部を切断した状態で示す側面図。 図1のA−A断面図。 図1のB部拡大図。 一部を省略して示す、図1の拡大C−C断面図。 一部を切断した状態で示す、電動アシスト装置の側面図。 図5のD部拡大図。 インナーコラムの側面図(A)、及び、(A)の右側から見た端面図(B)。 昇降ブラケットを固定したステアリングコラムの側面図。 昇降ブラケットを固定したステアリングコラムと電動アシスト装置との組立体の側面図。 従来から知られている衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置を車両に組み付けた状態で示す、部分切断側面図。
図1〜9は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本例の特徴は、電動アシスト装置を構成するハウジングとインナーコラムとの結合構造として、ボルトによる結合構造を採用すると共に、ステアリングコラムに対する支持ブラケットの取り付け位置を、アウターコラムの前端部とした構造に於いて、前記ステアリングコラムのコラプスストロークを確保する面から有利な構造を実現すべく、前記支持ブラケットの形状を工夫した点にある。その他の部分の構造及び作用は、前述の図10に示した従来構造の場合と同様である。
即ち、本例の場合も、後端部にステアリングホイールを固定可能なステアリングシャフト2aを、円筒状のステアリングコラム3aの内側に、回転自在に支持している。又、このステアリングシャフト2aの前端部を、電動アシスト装置4aを構成する複数の回転伝達軸(トーションバー19を介して互いに連結された入力軸20及び出力軸21)と、自在継手5aとを介して、中間シャフト6に連結している。
又、図5に詳示する様に、前記電動アシスト装置4aは、補助動力源である電動モータ9aと、この電動モータ9aを支持したハウジング10aと、このハウジング10aの外部に取付けられた電子制御ユニット23(ECU)と、それぞれがこのハウジング10aの内部に収納された、前述したトーションバー19を介して互いに連結された入力軸20及び出力軸21と、トルクセンサ22と、ウォーム式減速機等の減速機24とを備える。図1、3、9に示す様に、このうちのハウジング10aの後端面には、前記ステアリングコラム3aの前端部を結合固定している。又、前記入力軸20には、前記ステアリングシャフト2aの前端部を結合している。又、前記出力軸21の前端部には、前記自在継手5aを結合している。又、前記トルクセンサ22は、前記ステアリングホイールから前記ステアリングシャフト2aを介して前記入力軸20に加えられるトルクを検出するものである。図5〜6に詳示する様に、前記トルクセンサ22の検出信号を送信する為の信号線25は、前記電子制御ユニット23の基板26に対し、ハンダ付け等により着脱不能に接続されている。又、前記電子制御ユニット23は、前記トルクセンサ22の検出信号と、別途入力される車速信号とに基づいて、前記電動モータ9aの駆動状態を制御するものである。
又、前記減速機24は、前記電動モータ9aが発生する補助トルクを増大して、前記出力軸21に付与するものである。自動車の運転時に、前記ステアリングホイールを回転させる為の操舵力は、前記出力軸21に付与された補助トルクによって軽減される。尚、自動車への組み付け状態で、前記ハウジング10aは、横軸11aにより車体に対して揺動自在に支持される。
又、衝突事故の際に運転者を保護する為、前記ステアリングシャフト2a及び前記ステアリングコラム3aは、それぞれ大きな軸方向荷重が加わった場合に全長が縮まる、衝撃吸収式のものとしている。即ち、前記ステアリングシャフト2aは、円筒状のアウターシャフト13a(図1にのみ図示)の前端部に、インナーシャフト14a(図2にのみ図示)の後端部を、トルク伝達及び軸方向の相対変位を可能に内嵌して成る。又、前記ステアリングコラム3aは、図8に詳示する様な円筒状のアウターコラム15aの前端部に、図7に詳示する様な円筒状のインナーコラム16aの後端部を、前記図8に示す様に締り嵌めで内嵌(圧入)して成る。
衝突事故の際、前記ステアリングホイール1に運転者の身体がぶつかる、所謂二次衝突が発生すると、前記両シャフト13a、14a同士の間と、前記両コラム15a、16a同士の間とに、それぞれ軸方向に関して圧縮する方向の衝撃荷重が加わる。この結果、前記アウターシャフト13aが前記インナーシャフト14aに対し前方に変位して、前記ステアリングシャフト2aの全長が収縮すると共に、前記アウターコラム15aが前記インナーコラム16aに対し前方に変位して、前記ステアリングコラム3aの全長が収縮する。そして、この様なステアリングシャフト2a及びステアリングコラム3aが収縮する過程で、図示しない衝撃吸収部材が塑性変形する事により、前記ステアリングホイールに加えられた衝撃エネルギが吸収される事に基づき、運転者の身体に加わる衝撃が緩和され、この運転者の保護が図られる。
又、本例の場合、前記インナーコラム16aの前端部に取付フランジ28を、溶接により固定し、更にこの取付フランジ28を前記ハウジング10aの後側面に、3本のボルト30、30により結合固定している。この為に、図7の(B)に示す様に、前記取付フランジ28の円周方向等間隔の3箇所位置に通孔31、31を形成している。これと共に、前記ハウジング10aの後端面のうち、前記各通孔31、31と整合する3箇所位置部分に、それぞれねじ孔32を形成している。そして、前記各通孔31、31に挿通した前記各ボルト30、30の雄ねじ部33を、前記各ねじ孔32に螺合し、更に締め付ける事により、前記インナーコラム16aの前端部を前記ハウジング10aの後端面に結合固定している。この状態で、前記各ボルト30、30の頭部34、34は、前記取付フランジ28の後側面に、この後側面よりも後方に突出する状態で配置される。又、前記インナーコラム16aの外周面と前記取付フランジ28の後側面との連続部には、溶接ビード29が全周に亙って存在するが、この溶接ビード29の後端縁よりも、前記各頭部34、34の後端面の方が、後方に位置する。
又、前記アウターコラム15aの前端部には、この前端部を車体に支持する為の支持ブラケット17aを組み付けている。図3〜4に詳示する様に、この支持ブラケット17aは、前記アウターコラム15aの前端部を左右両側から挟む位置に存在する1対の挟持板部36、36を有する。これら両挟持板部36、36には、前記横軸11aを中心とする円弧状で上下方向に長い、長孔37、37が形成されている。又、前記アウターコラム15aの前端部の下面で、前記両挟持板部36、36に挟まれる部分には、昇降ブラケット38を固定している。そして、この昇降ブラケット38の両側板部に形成した通孔39、39と、前記両長孔37、37とに、チルトボルト40を挿通している。更に、このチルトボルト40の先端部にチルトナット41を螺合させると共に、このチルトナット41にチルトレバー42の基端部を固定している。又、前記支持ブラケット17aは、前記両挟持板部36、36の上端部に支持板部43を、前記アウターコラム15aの側方に突出する状態で設けている。この支持板部43のうちで前記アウターコラム15aよりも左右に突出する部分に1対の切り欠き44、44を、それぞれ前記支持板部43の後端縁に開口する状態で設けている。そして、これら両切り欠き44、44に、それぞれカプセル18a、18aを係止している。
又、前記両挟持板部36、36の前端縁には、これら両前端縁から左右方向に関して互いに反対側に折れ曲がった、下部前板部46、46を設ける事により、前記両挟持板部36、36の剛性を高めている。前記両下部前板部46、46の上端寄り部分には、下方に向かう程後方に向かう方向に傾斜した傾斜部47、47を設けている。この様な傾斜部47、47を設けた前記両下部前板部46、46を、側方から見た形状(図1、3に表された形状)は、上端部が前方に突出し、下端部及び中間部が後方に退避した形状になっている。又、前記支持板部43の前端縁には、この前端縁から下方に折れ曲がった、上部前板部48を設ける事により、前記支持板部43の剛性を高めている。前記両下部前板部46、46の前面は、全体的に、前記上部前板部48よりも後方に配置している。又、本例の場合、前記支持ブラケット17aの前端面のうち、前記両下部前板部46、46の傾斜部47、47に対応する部分が、前記ステアリングコラム3aの軸方向に関して、前記3個の頭部34、34のうちの上側2個の頭部34、34と対向する。前記支持ブラケット17aの前端面のうち、それ以外の部分は、前記ステアリングコラム3aの軸方向に関して、前記3個の頭部34、34と対向しない。
自動車への組み付け状態で、前記両カプセル18a、18aは、これら両カプセル18a、18aの中心孔49、49に下方から挿通した図示しないボルトにより、車体の一部に結合固定される。又、これに伴って、前記支持ブラケット17aは、前記両カプセル18a、18aを介して、車体の一部に支持された状態になる。この状態で、前記ステアリングホイールの高さ位置を調節する場合には、前記チルトレバー42により前記チルトナット41を緩める事で、前記両挟持板部36、36が前記昇降ブラケット38を挟持する力を解除する。この状態で、前記横軸11aを中心として前記ステアリングコラム3aを揺動させる(前記チルトボルト40を前記長孔37、37に沿って移動させる)事に基づき、前記ステアリングホイールを所望の高さ位置に移動させる。その後、前記チルトレバー42により前記チルトナット41を締め付ける事で、前記両挟持板部36、36が前記昇降ブラケット38を挟持する力を高める。これにより、前記アウターコラム15aの前端部を前記支持ブラケット17aに支持固定する事で、前記ステアリングホイールを調節後の高さ位置に固定する。
又、二次衝突の発生時には、前述した様に、図示しないエネルギ吸収部材を塑性変形させつつ、前記ステアリングコラム3aが全長を縮める傾向になる。この結果、前記支持ブラケット17aが、前記アウターコラム15aと共に前方に変位する傾向になるのに対し、前記両カプセル18a、18aは、図示しないボルトと共にそのままの位置に止まる。この結果、前記支持ブラケット17aが前記両カプセル18a、18aから脱落し、前記アウターコラム15aが前方に変位する事を許容される。この結果、本例の場合には、図3に二点鎖線で示す様に、前記アウターコラム15aの前端縁が前記溶接ビード29の後端縁に接触する位置まで、このアウターコラム15aが前方に変位する。又、この様にアウターコラム15aが前方に変位し切った状態で、前記支持ブラケット17aの前端面は、前記各ボルト30、30の頭部34、34にぶつからない。即ち、本例の場合、前記支持ブラケット17aの前端面のうちで、軸方向に関して前記各頭部34、34と対向しない部分の一部である、前記上部前板部48の前面は、前記各頭部34、34の後端面よりも前方の位置まで変位する。これに対し、前記支持ブラケット17aの前端面のうちで、軸方向に関して前記上側2個の頭部34、34と対向する部分を含む残部である、前記下部前板部46、46の前面の全体は、前記各頭部34、34の後端面よりも後方の位置までしか変位しない。尚、本例の場合、二次衝突の発生前の状態に於ける、前記アウターコラム15aの前端縁から前記溶接ビード29の後端縁までの軸方向長さLが、前記ステアリングコラム3aのコラプスストロークとなる。
上述した様に、本例の衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置の場合には、二次衝突の発生に伴って、前記支持ブラケット17aが前記アウターコラム15aの前端部と共に前方に変位した場合に、前記支持ブラケット17aの前端面が前記各ボルト30、30の頭部34、34にぶつからない。即ち、この支持ブラケット17aの前端面がこれら各頭部34、34にぶつかって、前記ステアリングコラム3aのコラプスストロークが無駄に(前記軸方向長さLよりも)小さくなる事がない。従って、前記ステアリングコラム3aのコラプスストロークを確保する為の設計の自由度が向上する。
本発明は、電動アシスト装置を構成するトルクセンサの信号線を電子制御ユニットに着脱不能に接続する構造に限らず、着脱可能に接続する構造に適用した場合でも、ステアリングコラムのコラプスストロークを確保する為の設計の自由度が向上すると言った効果を得られる。
1 ステアリングホイール
2、2a ステアリングシャフト
3、3a ステアリングコラム
4、4a 電動アシスト装置
5a、5b 自在継手
6 中間シャフト
7 ステアリングギヤユニット
8 入力軸
9、9a 電動モータ
10、10a ハウジング
11、11a 横軸
12 車体
13、13a アウターシャフト
14、14a インナーシャフト
15、15a アウターコラム
16、16a インナーコラム
17、17a 支持ブラケット
18、18a カプセル
19 トーションバー
20 入力軸
21 出力軸
22 トルクセンサ
23 電子制御ユニット
24 減速機
25 信号線
26 基板
28 取付フランジ
29 溶接ビード
30 ボルト
31 通孔
32 ねじ孔
33 雄ねじ部
34 頭部
36 挟持板部
37 長孔
38 昇降ブラケット
39 通孔
40 チルトボルト
41 チルトナット
42 チルトレバー
43 支持板部
44 切り欠き
46 下部前板部
47 傾斜部
48 上部前板部
49 中心孔

Claims (1)

  1. 内側にステアリングシャフトを回転自在に支持する筒状のステアリングコラムと、ボルトと、電動アシスト装置を構成するハウジングと、支持ブラケットとを備え、
    このうちのステアリングコラムは、筒状のアウターコラムと、このアウターコラムの前端部にその後端部を挿入した筒状のインナーコラムとを備え、これらアウターコラムとインナーコラムとの間に軸方向に関して圧縮する方向の荷重が加わった場合に、これらアウターコラムとインナーコラムとが軸方向に相対変位して全長が収縮する様に構成すると共に、前記インナーコラムの前端部に取付フランジを固定若しくは一体形成しており
    前記ボルトは、前記ハウジングの後端面に前記取付フランジを結合固定する為のものであって、このハウジングの後端面にこの取付フランジを結合固定した状態で、この取付フランジの後側面に頭部が、この後側面よりも後方に突出する状態で配置されるものであり、
    前記支持ブラケットは、前記アウターコラムの前端部に取り付けられていて、使用時に車体に固定の部分に支持されると共に、衝突事故の際にこの車体に固定の部分から離脱して、前記アウターコラムの前端部と共に前記インナーコラムに対して前方に変位するものである、
    衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置に於いて、
    前記支持ブラケットは、衝突事故の際に、前記アウターコラムが前記インナーコラムに対して、このアウターコラムの前端面がこのインナーコラムの前端部に存在する固定の部分に接触する位置まで変位し切った状態で、前記支持ブラケットの前端面のうち前記頭部に対向しない部分の一部が、この頭部の後端面よりも前方の位置まで変位し、且つ、前記支持ブラケットの前端面のうち前記頭部に対向する部分を含む残部が、この頭部の後端面よりも後方の位置までしか変位しない構造を有する事を特徴とする衝撃吸収機能を備えた電動式パワーステアリング装置。
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