JP5341579B2 - 微細構造体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、可動部および可動空間を備えるなど、微細な構造体の間に空間を備えた微細構造体の製造方法に関するものである。
シリコンなどの半導体基板上やガラスなどの絶縁体基板上などに、微細な構造を作製するMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術が開発されている。MEMSは、各種センサー分野、医療分野、無線通信分野など、様々な分野で利用されるようになりつつある。一例として、マイクロマシン技術により作製された微細スイッチ構造を有するMEMSスイッチは、高周波スイッチとして優れた特性を有している(非特許文献1参照)。
MEMSスイッチは、固定電極と可動電極を備え、例えば静電力により可動電極を変位させ、可動電極に固定された接点電極と固定電極とが接触することで、電気的なスイッチ動作を実現させるものである。このようなスイッチでは、接触する部分が良好な接点であることが重要となる。例えば、金属材料から各電極を構成する場合、各電極の表面には金属面が露出し、なおかつ接触抵抗が小さいことが要求される。
上述したような電極構造の間に空間を有する微細構造は、一般に、犠牲層を用いて製造されている。例えば、下側の電極の上に犠牲層を形成し、この上に上側の電極を形成し、この後、犠牲層を選択的に除去する。これらのことにより、互いに離間して配置される2つの電極構造を形成することができる。犠牲層の材料としては、一般には有機樹脂が用いられている。有機樹脂は低温で成膜可能であり、パターニングも容易に行えるなどの特徴がある。従って、有機樹脂を犠牲層に用いれば、例えばCMOS−LSI上に、熱によるLSIの特性劣化を引き起こすことなく、低コストで微細構造体を作製することが可能となる。
ところで、上述したように、犠牲層は除去することになる。有機樹脂の犠牲層を除去する方法には、酸素プラズマによるアッシング(非特許文献2参照)や、犠牲層を加熱するとともにオゾン雰囲気に晒すことによるアッシング(特許文献1参照)などがある。しかしながらこれらの方法では、電極の表面に重合膜や微粒子などが残渣となり、微細構造の動作を妨げるという問題がある。なお、上述したアッシング後の残渣は、主として有機樹脂と基板との密着性を高めるために添加されている密着助剤に由来するものである。
このようなアッシング後の残渣を除去する方法として、ウエット処理により洗浄して残渣を除去する方法が提案されている。ウエット処理により電極表面を洗浄することで、残渣が除去されて清浄な表面が得られるようになる。しかしながらこの方法では、微細な寸法の電極構造では、ウエット処理に用いる溶液の表面張力により、ウエット処理後の乾燥工程などで電極同士が張り付き、また、破壊されるなどの問題が発生する(非特許文献3参照)。
ここで、液処理における表面張力の問題を解消するため、ウエット処理により洗浄した後に、超臨界流体を用いて乾燥する方法が提案されている(非特許文献3参照)。しかしながら、超臨界流体を用いる処理では、まず、高い圧力に耐えられる専用の特殊な洗浄装置が必要となる。また、加圧,加熱,減圧,置換などの処理を複数回繰り返す必要がある。このように、超臨界流体を用いた処理では、適用が容易ではなく、また、洗浄処理に多くの時間を必要とするため、製造プロセスの低コスト化や大量生産への対応が容易ではない(特許文献2参照)。
特開2002−219695号公報 特開2001−176837号公報
G.M.Rebeiz and J.B.Muldavin, "RF MEMS switches and switch circuits", IEEE Microwave Magazine, Vol.2, No.4, pp.59-70, Dec.2001. D.Hah, E.Yoon, and S.Hong, "A low-voltage actuated micromachined microwave switch using torsion springs and leverge", IEEE Trans. Microwave Theory and Techniques, Vol.48, No.12 , pp.2540-2545, Dec.2000. 嵯峨、国安、服部、「高アスペクト比微細構造におけるウエット洗浄の限界とパターン破壊フリー洗浄技術」、信学技報、SDM2003−172、pp。15−20、2003年10月。
以上に説明したように、従来では、MEMSなどの可動部を有する微細な構造体を製造するなど、有機樹脂の犠牲層を用いて所望とする構造体を作製する場合、犠牲層を除去した後の残渣が問題となり、この残渣を除去することが容易ではないという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、有機樹脂からなる犠牲層を用いて構造体を形成する場合に発生する残渣を、より容易に除去できるようにすることを目的とする。
本発明に係る微細構造体の製造方法は、基板の上に密着性を高めるための助剤を含む有機樹脂からなる犠牲層を用いて構造体を形成する第1工程と、活性な酸素を用いて犠牲層を除去する第2工程と、フッ化水素ガスを含む雰囲気に基板を晒す第3工程とを少なくとも備え第3工程の前に、基板の上に酸化シリコンからなる構造体を形成する工程を含み、第3工程では、処理温度を40℃以上にし、活性な酸素による犠牲層の除去の後で酸化シリコンからなる構造体を含む犠牲層が形成されていた表面に残る残渣を除去し、残渣は、助剤に由来するシリコンサブオキサイドを主成分とするものである。なお、例えば、第1工程では、犠牲層を形成した後に、犠牲層の上に構造体を形成すればよい。
上記微細構造体の製造方法において、また、第3工程では、フッ化水素ガスの分圧を10kPa以上とするとよい。また、第3工程の後に、基板を活性な酸素を含む雰囲気に晒す第4工程を備えるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、活性な酸素を用いて犠牲層を除去した後、フッ化水素ガスを含む雰囲気に基板を晒すようにしたので、密着性を高めるための助剤を含む有機樹脂からなる犠牲層を用い、基板の上に離間して配置される可撓性を有する酸化シリコンからなる構造体を有する微細構造体を製造するときに発生する助剤に由来するシリコンサブオキサイドを主成分とする残渣を、より容易に除去できるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における平面を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態1における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 本発明の実施の形態2における製造方法を説明するための各工程における断面状態を示す工程図である。 酸化シリコンのフッ化水素ガスによるエッチングレートと基板温度との関係を示す相関図である。 本発明の実施の形態2により製造した微細構造体の構成を模式的に示す断面図である。 本発明が適用可能な微細構造体の製造途中の状態を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
始めに、本発明の実施の形態1について説明する。まず、図1Aに示すように、例えばシリコンからなる基板101の上に、めっき法で金属膜を形成するために必要となるシード層102を形成する。例えば、スパッタ法および蒸着法などにより、チタン層および金層をこの順に積層し、これら積層膜をシード層102とすればよい。このときのチタン層の層厚は、0.1μm程度、金層の層厚は0.1μm程度とすればよい。
次に、図1Bに示すように、まず、シード層102の上に開口部103aを備えるレジストパターン103を形成する。例えば、よく知られたフォトレジスト材料をシード層の上に塗布してレジスト膜を形成する。次いで、開口部103aに対応するパターンを備えるフォトマスクを用いた公知のフォトリソグラフィ技術によりレジスト膜をパターニングすることで、レジストパターン103が形成できる。レジストパターン103の膜厚は1μm程度とする。
次に、開口部103aに露出するシード層102の上に、電解めっき法により金を堆積することで金属パターン104が形成された状態とする。金属パターン104は、膜厚0.3μm程度とすればよい。金属パターン104は、後述する下部電極の一部を構成するものである。このようにして金属パターン104を形成した後、レジストパターン103は除去する。
次に、金属パターン104をマスクとしてシード層102を選択的にエッチング除去し、図1Cに示すように、基板101の上に下部電極141が形成された状態とする。金属パターン104の周囲のシード層102のエッチングでは、まず、上層の金層は、ヨウ素、ヨウ化アンモニウム、水、エタノールからなるエッチング液を用いたウエットエッチングにより除去できる。なお、このエッチングでは、金属パターン104の一部もエッチングされる。また、下層のチタン層は、フッ化水素水溶液を用いたウエットエッチングにより除去できる。
次に、図1Dに示すように、下部電極141を覆うように基板101の上に有機樹脂からなる犠牲層105を形成し、また、犠牲層105に開口部105aを形成する。例えば、PBO(ポリベンザオキサゾール)により構成された感光性を有する有機樹脂を、基板101の上に塗布して塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を公知のリソグラフィ技術によりパターニングすれば、開口部105aを備える犠牲層105が形成できる。犠牲層105のパターニング処理では、前処理として、塗布膜に対して120℃のプリベーク処理を4分程度行う。また、パターニングした後には、310℃程度の加熱処理を行い、硬化させる。なお、犠牲層105に用いる有機樹脂としては、例えば、住友ベークライト社製のCRC8300を用いればよい。
次に、図1Eに示すように、まず、開口部105a内を含めた犠牲層105の上に、シード層106を形成する。また、開口部105a(図1D)の一部から下部電極141の上部にあたる領域に渡る金属パターン107を形成する。なお、金属パターン107の一端側には、開口部105bが形成される。金属パターン107は、図1Fの断面図に示すように、支持部108,連結部109,および上部電極110となる部分から構成されている。開口部105bは、支持部108に隣接する。なお、図1Eは、図1Fのee’線の断面を示している。
ここで、シード層106は、前述したシード層102と同様に形成すればよい。また、金属パターン107は、上述した金属パターン104と同様に、所望とする領域が開口したレジストパターンを用い、この開口部に露出するシード層106の上に、選択的に金をめっきすることで形成すればよい。この場合においても、レジストパターンの膜厚は1μm程度とすればよい。また、金属パターン107のめっき厚は0.3μm程度とすればよい。
次いで、金属パターン107をマスクとしてシード層106を選択的にエッチング除去し、図1Gに示すように、上部電極110が下部電極141の上方に対向して配置される上部電極構造体171が形成された状態とする。上部電極構造体171は、基板101に接続する支持部108と、支持部108と上部電極110とを連結する連結部109とを備える。シード層106のエッチングは、前述したシード層102のエッチングと同様である。
次に、例えば酸素プラズマやオゾン雰囲気を用いたアッシングにより犠牲層105を除去することで、図1Hに示すように、下部電極141と上部電極110とが離間した状態とする。ここで、上述したような有機樹脂である犠牲層105の活性な酸素を用いた除去では、犠牲層105が接していた領域に残渣111が形成される。このようなアッシング処理では、有機樹脂を完全に除去することが容易ではなく、エッチングしきれずに残る部分や再付着により発生する微量子などより残渣111が形成される。上部電極構造体171は、例えば連結部109が変形する(撓む)ことで、下部電極141に対して上部電極110を変位させる微細構造体である。ところが、残渣111は、上部電極構造体171の上述した動作を阻害するものとなる。
残渣111は、犠牲層105の基板との密着性を高めるために有機樹脂に添加されている助剤に由来するものであり、シリコンサブオキサイドを主成分とするものである。このため、上述したような活性酸素を用いた処理では完全に除去することが容易ではない。これに対し、残渣111は、フッ化水素ガスによって除去することができる。従って、上述したように犠牲層105を除去した後、下部電極141および上部電極構造体171が形成されている基板101を、フッ化水素ガス中に所定の時間配置する。
例えば、密閉可能な所定の容器内に基板101を配置し、この容器にフッ化水素ガスを導入すれば、基板101の上に形成された下部電極141および上部電極構造体171などに付着している残渣111を、フッ化水素ガスに晒すことができる。これにより、フッ化水素を残渣111に作用させ、残渣111をエッチング除去することで、図1Iに示すように、残渣などがない状態で、基板101の上に、下部電極141および上部電極構造体171が形成できる。
上述したように、本実施の形態では、有機樹脂からなる犠牲層の除去をドライエッチングによって行い、さらに犠牲層を除去した後に電極表面に形成される残渣を、フッ化水素ガスを用いたドライエッチングで除去する。このように、本実施の形態によれば、例えば、2つの電極構造体により可動構造を形成し、形成した電極構造体の表面について十分な清浄化処理を行うことができる。このため、残渣による電極同士の貼りつきなどの問題は生じることが無く、残渣に駆動を阻害されることのない微小な可動構造を作製することができるようになる。また、本実施の形態によれば、表面張力が問題となる液処理を行うことなく、残渣を除去している。このため、表面張力による微細なパターンの変形や固着などの破損が発生しない。
なお、上述したようにフッ化水素ガスによる処理をした後に、オゾンガスや酸素ガスのプラズマなど活性な酸素を用いた雰囲気に基板を晒すアッシング処理を行うようにしてもよい。フッ化水素ガスによる処理の後、電極などの構造体の表面に炭素を含む残渣が残る場合、活性な酸素を用いたアッシング処理によりこの残渣を除去することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。まず、図2Aに示すように、例えばシリコンからなる基板201の上に、めっき法で金属膜を形成するために必要となるシード層202を形成する。例えば、スパッタ法および蒸着法などにより、チタン層および金層をこの順に積層し、これら積層膜をシード層202とすればよい。このときのチタン層の層厚は、0.1μm程度、金層の層厚は0.1μm程度とすればよい。
次に、図2Bに示すように、まず、シード層202の上に開口部203aを備えるレジストパターン203を形成する。例えば、よく知られたフォトレジスト材料をシード層の上に塗布してレジスト膜を形成する。次いで、開口部203aに対応するパターンを備えるフォトマスクを用いた公知のフォトリソグラフィ技術によりレジスト膜をパターニングすることで、レジストパターン203が形成できる。レジストパターン203の膜厚は1μm程度とする。
次に、開口部203aに露出するシード層202の上に、電解めっき法により金を堆積することで金属パターン204が形成された状態とする。金属パターン204は、膜厚0.3μm程度とすればよい。金属パターン204は、後述する下部電極の一部を構成するものである。このようにして金属パターン204を形成した後、レジストパターン203は除去する。
次に、金属パターン204をマスクとしてシード層202を選択的にエッチング除去し、図2Cに示すように、基板201の上に下部電極(第1電極)241が形成された状態とする。金属パターン204の周囲のシード層202のエッチングでは、まず、上層の金層は、ヨウ素、ヨウ化アンモニウム、水、エタノールからなるエッチング液を用いたウエットエッチングにより除去できる。なお、このエッチングでは、金属パターン204の一部もエッチングされる。また、下層のチタン層は、フッ化水素水溶液を用いたウエットエッチングにより除去できる。
次に、図2Dに示すように、下部電極241の上に絶縁膜241aを形成する。例えば、酸化シリコンを堆積して酸化シリコン膜を形成し、これを公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、下部電極241の上に絶縁膜241aが形成できる。絶縁膜241aは、例えば、膜厚0.1μm程度に形成すればよい。
次に、図2Eに示すように、絶縁膜241aが形成された下部電極241を覆うように基板201の上に有機樹脂からなる犠牲層205を形成し、また、犠牲層205に開口部205aを形成する。例えば、PBOにより構成された感光性を有する有機樹脂を、基板201の上に塗布して塗布膜を形成する。次いで、形成した塗布膜を公知のリソグラフィ技術によりパターニングすれば、開口部205aを備える犠牲層205が形成できる。
犠牲層205のパターニング処理では、前処理として、塗布膜に対して120℃のプリベーク処理を4分程度行う。また、パターニングした後には、310℃程度の加熱処理を行い、硬化させる。なお、犠牲層205に用いる有機樹脂としては、例えば、住友ベークライト社製のCRC8300を用いればよい。
次に、図2Fに示すように、まず、開口部205a内を含めた犠牲層205の上に、シード層206を形成する。また、開口部205a(図2F)の一部から下部電極241の上部にあたる領域に渡る金属パターン207を形成する。なお、金属パターン207の一端側には、開口部205bが形成される。金属パターン207は、前述した実施の形態1における金属パターン107と同様に、支持部208,連結部209,および上部電極210となる部分から構成されている。開口部205bは、支持部208に隣接する。
ここで、シード層206は、前述したシード層202と同様に形成すればよい。また、金属パターン207は、上述した金属パターン204と同様に、所望とする領域が開口したレジストパターンを用い、この開口部に露出するシード層206の上に、選択的に金をめっきすることで形成すればよい。この場合においても、レジストパターンの膜厚は1μm程度とすればよい。また、金属パターン207のめっき厚は0.3μm程度とすればよい。
次いで、金属パターン207をマスクとしてシード層206を選択的にエッチング除去し、図2Gに示すように、上部電極210が下部電極241の上方に対向して配置される上部電極構造体271が形成された状態とする。上部電極構造体271は、基板201に接続する支持部208と、支持部208と上部電極210とを連結する連結部209とを備える。シード層206のエッチングは、前述したシード層202のエッチングと同様である。
次に、例えば酸素プラズマやオゾン雰囲気を用いたアッシングにより犠牲層205を除去することで、図2Hに示すように、下部電極241と上部電極210とが離間した状態とする。ここで、上述したような有機樹脂である犠牲層205の活性な酸素を用いた除去では、犠牲層205が接していた領域に残渣211が形成される。このようなアッシング処理では、有機樹脂を完全に除去することが容易ではなく、エッチングしきれずに残る部分や再付着により発生する微量子などより残渣211が形成される。上部電極構造体271は、例えば連結部209が変形する(撓む)ことで、下部電極241に対して上部電極210を変位させる微細構造体である。ところが、残渣211は、上部電極構造体271の上述した動作を阻害するものとなる。
残渣211は、犠牲層205の基板との密着性を高めるために有機樹脂に添加されている助剤に由来するものであり、シリコンサブオキサイドを主成分とするものである。このため、上述したような活性酸素を用いた処理では完全に除去することが容易ではない。これに対し、残渣211は、フッ化水素ガスによって除去することができる。ところで、本実施の形態では、下部電極241の上に絶縁膜(シリコン化合物からなる構造体)241aを備えている。酸化シリコンから構成されている絶縁膜241aは、フッ化水素ガスによりある程度エッチングされる。このため、フッ化水素ガスを用いて残渣211を除去するためには、フッ化水素ガスにより絶縁膜241aが除去されないようにすることが重要となる。
ここで、発明者らの研究により、フッ化水素ガスを用いる場合の処理温度の制御およびフッ化水素ガスの分圧の制御により、残渣211および酸化シリコンのエッチングレートを制御できることが見いだされた。
まず、図3に示すように、フッ化水素ガスによる酸化シリコンのエッチングレートは、処理温度が高いほど低下することが判明した。図3は、シリコン基板の上に形成したシリコン熱酸化膜のフッ化水素ガスによるエッチレートの基板温度依存性を示している。シリコン基板の温度を25℃,40℃,70℃と変化させ、各温度において、飽和蒸気圧のフッ化水素ガスで基板表面のシリコン熱酸化膜をエッチングする。この結果、シリコン熱酸化膜のエッチレートは、基板温度条件25℃において180nm/分以上であるのに対し、40℃を超えると急激に低下し、70℃条件では3.5nm/分に低下する。
一方、シリコン基板に感光性有機樹脂膜を形成し、これをアッシングして残渣が形成されたものを試料とし、基板を70℃に加熱して飽和蒸気圧のフッ化水素ガスに暴露する。この処理では、膜厚160nmの残渣が1分以内で除去できる。従って、基板を加熱するなど処理温度を40℃以上、特に70℃にすることで、残渣と酸化シリコンとのエッチング選択比を大きくすることができる。なお、処理温度は、製造している微細構造体の耐熱温度より低くすることが重要である。
また、フッ化水素ガスの分圧を10kPa以上にすることにより、酸化シリコンに対して残渣のエッチング速度が上昇することも確認された。従って、フッ化水素ガスの分圧を10kPa以上にすることで、残渣と酸化シリコンとの選択比を大きくすることができる。なお、当然ではあるが、この処理におけるフッ化水素ガスの圧力(分圧)は、処理温度におけるフッ化水素ガスの飽和蒸気圧が最大となる。
従って、上述したように犠牲層205を除去した後、形成された残渣211を除去するためには、下部電極241および上部電極構造体271が形成されている基板201を、例えば基板温度を70℃とし、また分圧10kPa以上のフッ化水素ガス中に所定の時間配置すればよい。なお、温度条件および分圧条件について、各々個別に対応させてもよく、これら2つを組み合わせてもよい。このようなフッ化水素ガスの処理により、残渣211をエッチング除去することで、図2Iに示すように、残渣などがない状態で、基板201の上に、絶縁膜241aが形成された下部電極241および上部電極構造体271が形成できる。
なお、上述では、絶縁膜241aを酸化シリコンから構成した場合について説明したが、これに限るものではない。酸化シリコンや窒化シリコンなどのシリコン化合物のように、フッ化水素ガスにエッチングされる材料より構成された構造体を、犠牲層を除去する前に形成しておく場合、上述同様にすればよい。
また、本実施の形態においても、上述したようにフッ化水素ガスによる処理をした後に、オゾンガスや酸素ガスのプラズマなど活性な酸素の雰囲気に基板を晒すアッシング処理を行うようにしてもよい。フッ化水素ガスによる処理の後、電極などの構造体の表面に炭素を含む残渣が残る場合、活性な酸素を用いたアッシング処理によりこの残渣を除去することができる。
ところで、下部電極241の上に絶縁膜241aを形成しておくことで、図4に示すように、上部電極210が変位した際に、下部電極241と上部電極210との接触による短絡を防止することができる。絶縁膜241aにより、下部電極241と上部電極210とが直接接触することがない。
なお、前述した実施の形態では、支持部、連結部、および上部電極を、めっき法により一体に形成したが、これに限るものではない。例えば、図5に示すように、基板501の上に、下部電極502と共に支持部503を形成し、この状態で、下部電極502を埋め込み支持部503の上面は露出する犠牲層504を形成する。この後、犠牲層504の上に、上部電極505を形成し、加えて、支持部503および上部電極505に接続する梁部506を形成してもよい。このように、支持部503,上部電極505,および梁部506を個別に形成してもよい。なお、支持部503および梁部506は、金属から構成されていてもよく、酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁物から構成されていてもよい。
以上に説明したように、本発明によれば、上下に離間して配置される2つの構造体(電極)を有する微細構造体を製造するなど、基板の上に有機樹脂からなる犠牲層を用いて構造体を形成するときに、犠牲層を除去した後に発生する残渣を、より容易に除去できるようになる。
リソグラフィ技術で用いられるレジストパターンを含む、有機樹脂からなる犠牲層を用いて構造体を形成する場合、犠牲層を除去した後の残渣が問題となる。例えば、上述した可動電極構造体の場合には、上部電極の動作に支障を来すようになる。また、LSIの多層配線構造などにおいては、レジストパターンを用いて配線構造などを形成した後、残渣が残っていると、次の配線形成工程に大きな影響を及ぼす。また、レジストパターンを用いてマイクロ流路などを形成した後、残渣などが残っていると、流路としての所期の性能を発揮することができないという問題が発生する。
このように、犠牲層を用いて構造体を形成するときに、犠牲層を除去した後の残渣は大きな問題となる。本発明によれば、この残渣を、超臨界流体を用いるなど、複雑な工程を経ることや複雑な装置を用いること無く、より容易に除去できるようなる。また、本発明によれば、酸化シリコンなどシリコン化合物を備えている場合においても、残渣を除去することが可能となる。
また、本発明によれば、例えば、静電容量式圧力センサー,加速度センサー,可変容量素子,可動ミラー構造,バイブレーター,メカニカルフィルター,およびスイッチなどの、2つの電極構造体の間に空間を有する他の微細構造においても、前述した実施の形態と同様の効果が得られる。
101…基板、102…シード層、103…レジストパターン、103a…開口部、104…金属パターン、105…犠牲層、105a…開口部、105b…開口部、106…シード層、107…金属パターン、108…支持部、109…連結部、110…上部電極、111…残渣、141…下部電極、171…上部電極構造体。

Claims (4)

  1. 基板の上に密着性を高めるための助剤を含む有機樹脂からなる犠牲層を用いて構造体を形成する第1工程と、
    活性な酸素を用いて前記犠牲層を除去する第2工程と、
    前記基板をフッ化水素ガスを含む雰囲気に晒す第3工程と
    を少なくとも備え
    前記第3工程の前に、前記基板の上に酸化シリコンからなる構造体を形成する工程を含み、
    前記第3工程では、処理温度を40℃以上にし、活性な酸素による前記犠牲層の除去の後で前記酸化シリコンからなる構造体を含む前記犠牲層が形成されていた表面に残る残渣を除去し、
    前記残渣は、前記助剤に由来するシリコンサブオキサイドを主成分とするものであることを特徴とする微細構造体の製造方法。
  2. 請求項1記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第1工程では、前記犠牲層を形成した後に、前記犠牲層の上に前記構造体を形成することを特徴とする微細構造体の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の微細構造体の製造方法において、
    記第3工程では、フッ化水素ガスの分圧を10kPa以上とすることを特徴とする微細構造体の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の微細構造体の製造方法において、
    前記第3工程の後に、前記基板を活性な酸素を含む雰囲気に晒す第4工程を備えることを特徴とする微細構造体の製造方法。
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